密封袋の製造方法及び装置
【課題】袋の幅に変更があっても袋の角に簡易に面取り部を形成する。
【解決手段】フィルム状包材を長さ方向に送りながら中央に折曲縁8が生じるように二つ折りして重畳体9bを形成し、重畳体の開放縁8aを同方向に伸びる縦ヒートシール部で閉じることにより重畳体10を筒状にし、この筒状になった重畳体に先行の横ヒートシール部を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内に流動体を充填し、この有底袋部内の流動体を分断するように後続の横ヒートシール部を設けて密封袋とし、この密封袋を横ヒートシール部上でカッター31により切り離すことにより密封袋を製造する。横ヒートシール部に沿って伸びるカッターに、重畳体の開放縁側を超えて伸びる延長刃34と、重畳体の折曲縁側で横ヒートシール部に隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部14,14を形成する面取り刃35とを設け、この面取り刃を重畳体の折曲縁に位置合わせしたうえで密封袋の切り離しを行う。
【解決手段】フィルム状包材を長さ方向に送りながら中央に折曲縁8が生じるように二つ折りして重畳体9bを形成し、重畳体の開放縁8aを同方向に伸びる縦ヒートシール部で閉じることにより重畳体10を筒状にし、この筒状になった重畳体に先行の横ヒートシール部を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内に流動体を充填し、この有底袋部内の流動体を分断するように後続の横ヒートシール部を設けて密封袋とし、この密封袋を横ヒートシール部上でカッター31により切り離すことにより密封袋を製造する。横ヒートシール部に沿って伸びるカッターに、重畳体の開放縁側を超えて伸びる延長刃34と、重畳体の折曲縁側で横ヒートシール部に隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部14,14を形成する面取り刃35とを設け、この面取り刃を重畳体の折曲縁に位置合わせしたうえで密封袋の切り離しを行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動体をヒートシール部で密封包装してなる密封袋の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スープ、ソース、練りからし等の流動体は、次のような操作、手順により袋に充填され密封されている。
【0003】
すなわち、フィルム状包材を長さ方向に送りながら中央に折曲縁が生じるように二つ折りして重畳体を形成し、重畳体の開放縁及び折曲縁を同方向に伸びる縦ヒートシール部で夫々閉じることにより重畳体を筒状にし、この筒状になった重畳体に先行の横ヒートシール部を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内に流動体を充填し、この有底袋部内の流動体を分断するように後続の横ヒートシール部を設けて密封袋とし、この密封袋を横ヒートシール部上でカッターにより切り離す(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
図13(A)(B)に示すように、このようにして得られる密封袋1は、四辺が縦ヒートシール部2,3と横ヒートシール部4,5でそれぞれ閉じられる。そして、内部にはスープ等の流動体Aが密封される。
【0005】
ところが、図13(A)に示したように、従来の密封袋1の四隅には、尖った角6,6aが形成される。ことに折曲縁1a側の二つの角6a,6aは、折曲縁1aが横ヒートシール部4,5でシールされていることから硬い突起となって現れる。この角6a,6aが使用者に当たると使用者に不快感を与え、また、密封袋1の搬送中等においてこの角6a,6aが他の包装袋等に当たると、他の包装袋の包装を傷付けるおそれがある。
【0006】
従来、このような不具合を防止するため、袋の四隅に円弧状の面取り部を形成したり(例えば、特許文献2参照。)、長いフィルムの左右に円弧状の面取り部を一定間隔で形成したうえでこのフィルムを貼り合わせたりしている(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
【特許文献1】特開2003−267301号公報
【特許文献2】実用新案登録第3120403号公報
【特許文献3】特開2006−159394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1で例示される密封袋の製造方法により、特許文献2に示される密封袋を作ろうとした場合、或いは特許文献3に示される方法を用いてフィルムに面取り部を形成しつつ製袋し流動体を充填しようとした場合は、袋の大きさを変えるべくフィルムの幅を変更すると、その都度カッター全体を他のカッターと交換しなければならないので、面倒な作業が必要とされ、密封袋の製造が遅延するという問題がある。また、各種カッターを事前に用意しなければならないという問題がある。
【0009】
従って、本発明はこのような問題点を解消することができる密封袋の製造方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
【0011】
すなわち、請求項1に係る発明は、フィルム状包材(9)を長さ方向に送りながら中央に折曲縁(8)が生じるように二つ折りして重畳体(9b)を形成し、重畳体(9b)の開放縁(8a)を同方向に伸びる縦ヒートシール部(10)で閉じることにより重畳体(9b)を筒状にし、この筒状になった重畳体(9b)に先行の横ヒートシール部(28a)を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内に流動体(A)を充填し、この有底袋部内の流動体(A)を分断するように後続の横ヒートシール部(28b)を設けて密封袋(7,39,40)とし、この密封袋(7,39,40)を横ヒートシール部(28a,28b)上でカッター(31)により切り離す密封袋の製造方法において、上記横ヒートシール部(28a,28b)に沿って伸びるカッター(31)に、上記重畳体(9b)の開放縁(8a)側を超えて伸びる延長刃(34)と、上記重畳体(9b)の折曲縁(8)側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部(14,14a)を形成する面取り刃(35,35a)とを設け、この面取り刃(35,35a)を上記重畳体(9b)の折曲縁(8)に位置合わせしたうえで密封袋(7,39,40)の切り離しを行うことを特徴とする密封袋の製造方法である。
【0012】
請求項2に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、重畳体(9b)の開放縁(8a)側に縦ヒートシール部(10)から食み出すように非ヒートシール部(15)を形成することも可能である。
【0013】
請求項3に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、重畳体(9b)の折曲縁(8)にも縦ヒートシール部(11)を形成することが可能である。
【0014】
請求項4に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、面取り部(14)をそれぞれ円弧状に形成することが可能である。
【0015】
請求項5に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、面取り部(14a)をそれぞれ直線状に形成することが可能である。
【0016】
請求項6に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、フィルム状包材(9)は予め殺菌し、この殺菌したフィルム状包材(9)の供給から密封袋(7,39,40)の形成までの工程を無菌雰囲気下で行うことが可能である。
【0017】
また、請求項7に係る発明は、フィルム状包材(9)を長さ方向に送りながら中央に折曲縁(8)が生じるように二つ折りして重畳体(9b)を形成する重畳体形成手段(33)と、重畳体(9b)の開放縁(8a)を同方向に伸びる縦ヒートシール部(10)で閉じることにより重畳体(9b)を筒状にする縦ヒートシール手段(27)と、この筒状になった重畳体(9b)に先行の横ヒートシール部(28a)を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内の流動体(A)を分断するように後続の横ヒートシール部(28b)を設けて密封袋(7,39,40)を形成する横ヒートシール手段(29)と、上記有底袋部内に流動体(A)を充填する充填手段(30)と、密封袋(7,39,40)を横ヒートシール部(28a,28b)上で切り離すカッター(31)とを包含してなる密封袋の製造装置において、上記横ヒートシール部(28a,28b)に沿って伸びるカッター(31)に、上記重畳体(9b)の開放縁(8a)側を超えて伸びる延長刃(34)と、上記重畳体(9b)の折曲縁(8)側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部(14,14a)を形成する面取り刃(35,35a)とが設けられ、この面取り刃(35,35a)が上記重畳体(9b)の折曲縁(8)に位置合わせされたうえで密封袋(7,39,40)の切り離しが行われるようにしたことを特徴とする密封袋の製造装置である。
【0018】
請求項8に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、重畳体(9b)の折曲縁(8)に縦ヒートシール部(11)を形成する第二の縦ヒートシール手段(27)が設けられたものとすることが可能である。
【0019】
請求項9に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、面取り刃(35)が、重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ円弧状の面取り部(14,14)を形成するように設けられたものとすることが可能である。
【0020】
請求項10に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、面取り刃(35a)が、重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ直線状の面取り部(14a,14a)を形成するように設けられたものとすることが可能である。
【0021】
請求項11に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、フィルム状包材(9)の上流側に殺菌手段(19)が設けられ、この殺菌手段(19)により殺菌されたフィルム状包材(9)が密封袋(7,39,40)となるまでの経路が無菌室(38)で囲まれているものとすることが可能である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に係る発明によれば、フィルム状包材(9)を長さ方向に送りながら中央に折曲縁(8)が生じるように二つ折りして重畳体(9b)を形成し、重畳体(9b)の開放縁(8a)を同方向に伸びる縦ヒートシール部(10)で閉じることにより重畳体(9b)を筒状にし、この筒状になった重畳体(9b)に先行の横ヒートシール部(28a)を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内に流動体(A)を充填し、この有底袋部内の流動体(A)を分断するように後続の横ヒートシール部(28b)を設けて密封袋(7,39,40)とし、この密封袋(7,39,40)を横ヒートシール部(28a,28b)上でカッター(31)により切り離す密封袋の製造方法において、上記横ヒートシール部(28a,28b)に沿って伸びるカッター(31)に、上記重畳体(9b)の開放縁(8a)側を超えて伸びる延長刃(34)と、上記重畳体(9b)の折曲縁(8)側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部(14,14a)を形成する面取り刃(35,35a)とを設け、この面取り刃(35,35a)を上記重畳体(9b)の折曲縁(8)に位置合わせしたうえで密封袋(7,39,40)の切り離しを行うことを特徴とすることから、重畳体(9b)の折曲縁(8)側における横ヒートシール部(28a,28b)上に面取り部(14,14a)を正確に形成し、密封袋(7,39,40)から尖った角を除去することができる。また、面取り刃(35,35a)を位置合わせした後に密封袋(7,39,40)の幅に変更が生じて重畳体(9b)の折曲縁(8)の位置が重畳体(9b)の幅方向で移動したとしてもカッター(31)を他のカッターと交換することなく、現在のカッター(31)の位置を変更するのみで切断作業を行うことができる。従って、新たな密封袋(7,39,40)の製造を速やかに開始することができ、密封製造効率を高めることができる。
【0023】
請求項2に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、重畳体(9b)の開放縁(8a)側に縦ヒートシール部(10)から食み出すように非ヒートシール部(15)を形成するものとすれば、重畳体(9b)の折曲縁(8)と反対側の開放縁(8a)においても尖った角の発生を防止することができる。
【0024】
請求項3に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、重畳体(9b)の折曲縁(8)にも縦ヒートシール部(11)を形成するものとすれば、密封袋(7,39)の折曲縁(8)側の強度を高めることができ、また、密封袋(7,39)の見栄えを良くすることができる。
【0025】
請求項4に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、面取り部(14)をそれぞれ円弧状に形成するものとすれば、密封袋(7,40)の角の尖りを格段に緩和することができる。
【0026】
請求項5に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、面取り部(14a)をそれぞれ直線状に形成するものとすれば、面取り刃(35a)を直線形にすることができるので、カッター(31)を簡易に成形することができる。
【0027】
請求項6に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、フィルム状包材(9)は予め殺菌し、この殺菌したフィルム状包材(9)の供給から密封袋(7,39,40)の形成までの工程を無菌雰囲気下で行うものとすれば、密封袋(7,39,40)を無菌包装体とすることができる。
【0028】
請求項7に係る発明によれば、フィルム状包材(9)を長さ方向に送りながら中央に折曲縁(8)が生じるように二つ折りして重畳体(9b)を形成する重畳体(9b)形成手段と、重畳体(9b)の開放縁(8a)を同方向に伸びる縦ヒートシール部(10)で閉じることにより重畳体(9b)を筒状にする縦ヒートシール手段(27)と、この筒状になった重畳体(9b)に先行の横ヒートシール部(28a)を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内の流動体(A)を分断するように後続の横ヒートシール部(28b)を設けて密封袋(7,39,40)を形成する横ヒートシール手段(29)と、上記有底袋部内に流動体(A)を充填する充填手段(30)と、密封袋(7,39,40)を横ヒートシール部(28a,28b)上で切り離すカッター(31)とを包含してなる密封袋の製造装置において、上記横ヒートシール部(28a,28b)に沿って伸びるカッター(31)に、上記重畳体(9b)の開放縁(8a)側を超えて伸びる延長刃(34)と、上記重畳体(9b)の折曲縁(8)側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部(14,14a)を形成する面取り刃(35,35a)とが設けられ、この面取り刃(35,35a)が上記重畳体(9b)の折曲縁(8)に位置合わせされたうえで密封袋(7,39,40)の切り離しが行われるようにしたことを特徴とすることから、重畳体(9b)の折曲縁(8)側におけるに横ヒートシール部(28a,28b)上に面取り部(14,14a)を正確に形成し、密封袋(7,39,40)から尖った角を除去することができる。また、面取り刃(35,35a)を位置合わせした後に密封袋(7,39,40)の幅に変更が生じて重畳体(9b)の折曲縁(8)の位置が重畳体(9b)の幅方向で移動したとしてもカッター(31)を他のカッターと交換することなく、現在のカッター(31)の位置を変更するのみで切断作業を行うことができる。従って、新たな密封袋(7,39,40)の製造を速やかに開始することができ、密封製造効率を高めることができる。
【0029】
請求項8に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、重畳体(9b)の折曲縁(8)に縦ヒートシール部(11)を形成する第二の縦ヒートシール手段(27)が設けられたものとすれば、密封袋(7,39)の折曲縁(8)側にも縦ヒートシール部(11)を形成することができ、従って密封袋(7,39)の折曲縁(8)側の強度を高めることができ、また、密封袋(7,39)の見栄えを良くすることができる。
【0030】
請求項9に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、面取り刃(35)が、重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ円弧状の面取り部(14,14)を形成するように設けられたものとすれば、密封袋(7,39)の角の尖りを格段に緩和することができる。
【0031】
請求項10に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、面取り刃(35a)が、重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ直線状の面取り部(14a,14a)を形成するように設けられたものとすれば、面取り刃(35a)を直線形にすることができるので、カッター(31)を簡易かつ低廉に成形することができる。
【0032】
請求項11に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、フィルム状包材(9)の上流側に殺菌手段(19)が設けられ、この殺菌手段(19)により殺菌されたフィルム状包材(9)が密封袋(7,39,40)となるまでの経路が無菌室(38)で囲まれているものとすれば、密封袋(7,39,40)を無菌包装体とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
<実施の形態1>
最初に、この密封袋の製造方法及び装置により製造される密封袋の一例について図1(A)(B)に基づき説明する。
【0035】
この密封袋7は、一辺に折曲縁8が生じるようにフィルム状包材9(図2参照)を二つ折りすることにより形成される。フィルム状包材9が二つ折りで扁平に折り畳まれ、この折り畳まれた重畳体9b(図2参照)の折曲縁8を含む四縁が縦横のヒートシール部10,11,12,13で閉じられることにより密封袋7とされる。折曲縁8側の縦ヒートシール部11は、これを設けずとも袋を密封することができるが、袋の強度を高めるため、或いは見栄えを高めるために設けられる。これにより、この密封袋7は四方シール袋として形成される。
【0036】
密封袋7内には重畳体9bの一辺が開放された状態にあるときに、そこから内容物であるスープ等の流動体Aが充填される。その後この一辺がヒートシールされることにより密封袋7が密封される。
【0037】
また、図1(A)に示すように、重畳体9bの折曲縁8側において横ヒートシール部12,13に生じる角には、円弧状の面取り部14が形成される。これにより、密封袋7から硬い突起が除去される。重畳体9bの折曲縁8と反対側の開放縁8aを閉じる縦ヒートシール部10は、フィルムの縁まで延びるように形成してもよいが、望ましくは図1(A)に示すように、縦ヒートシール部10から食み出すように非ヒートシール部15が形成される。これにより開放縁8a側における角の尖り具合が緩和される。
【0038】
フィルム状包材9としては過酸化水素等の殺菌剤により殺菌されたものを用いることができる。このような殺菌されたフィルム状包材9を使用することにより、密封袋7の内部の無菌性を簡易に維持することができる。
【0039】
次に、上記密封袋7を製造する方法及び装置について説明する。
【0040】
図2に示すように、密封袋製造装置は、フィルム状包材の殺菌部16と、製袋充填部17とを具備する。
【0041】
殺菌部16では、フィルム状包材9の巻取りロール9aから繰り出されるフィルム状包材9の走行路に沿って、その上流側から下流側へと、ヒータ18、殺菌剤吐出ノズル19、ミスト排気ダクト20、温風ノズル21、冷風ノズル22等が順に配置される。この実施の形態1では、フィルム状包材9は下から上へと垂直に走行するようになっており、そのためヒータ18から冷風ノズル22に至る部分も垂直方向に配列される。巻取りロール9aとヒータ18との間には、フィルム状包材9の通過する開口を有した隔壁23が必要に応じて設けられる。また、ミスト排気ダクト20と温風ノズル21との間にも、フィルム状包材9の通過する開口を有した隔壁24が設けられる。各隔壁23,24の開口は図示しないシャッターによりそれぞれ開閉可能である。
【0042】
巻取りロール9aから繰り出されたフィルム状包材9は、各種ローラ25を経てヒータ18に至り予備加熱される。予備加熱の熱により後の殺菌剤によるフィルム状包材9の殺菌効果が高められる。予備加熱されたフィルム状包材9は、殺菌剤吐出ノズル19から殺菌剤としての過酸化水素水のミストを吹き付けられる。このミストは、過酸化水素の水溶液を噴霧し、沸点以上に加熱して気化させ、微細な粒子に凝縮させることにより生成される。殺菌剤は過酸化水素に限らず、殺菌作用を有する各種の薬液が使用可能である。ミストが吹き掛けられることにより、フィルム状包材9の表面が殺菌される。ミストの余剰分は、ミスト排気ダクト20から回収される。殺菌されたフィルム状包材9は、隔壁24を通過して温風ノズル21から温風を吹き付けられ、その熱により表面に付着した殺菌剤が気化され除去される。殺菌剤を除去されたフィルム状包材9は冷風ノズル22から冷風を吹き付けられ、これにより殺菌剤の除去が促進される。
【0043】
殺菌部16で殺菌されたフィルム状包材9は、各種ローラ26を経て次の製袋充填部17へと送られ、流動体Aの包装に供される。
【0044】
なお、フィルム状包材9の殺菌処理が不要である場合は、殺菌部16を省略し、巻取りロール9aから製袋充填部17へとフィルム状包材9を直に送ることも可能である。
【0045】
図3及び図4に示すように、製袋充填部17は、上記殺菌部16から送られて来るフィルム状包材9を長さ方向に送りながら同方向に平行な中心線上で折り返して中央に折曲縁8が生じるように二つ折りし重畳体9bとする重畳体形成手段と、この重畳体9bを同方向に送りながら、同方向に伸びる縦ヒートシール部10,11で閉じて筒状にする縦ヒートシール手段としてのヒートシール車27と、この筒状になった重畳体9bに先行横ヒートシール部28aを設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内の流動体Aを分断するように後続横ヒートシール部28bを設けて密封袋7を形成する横ヒートシール手段としてのヒートシールローラ29と、有底袋部内に流動体Aを充填する充填手段としての充填ノズル30と、密封袋7を横ヒートシール部12,13上で切り離すカッター31とを含んでいる。
【0046】
製袋充填部17では、フィルム状包材9が上から下へと垂直に送られるようになっており、このフィルム状包材9の走行路に沿って上流側から下流側へと、重畳体形成手段、ヒートシール車27、充填ノズル30、ヒートシールローラ29、カッター31等が順に配置される。
【0047】
重畳体形成手段は、殺菌部16から来るフィルム状包材9の走行方向を下方に変更するガイドローラ32と、ガイドローラ32を経て来るフィルム状包材9の中心線上に折り目を付けながら二つ折りし、フィルム状包材9の中央に折曲縁8を形成するガイド棒33とを具備する。
【0048】
ヒートシール車27は二対用意され、重畳体9bの両側縁を表裏から挟むように対向配置される。各ヒートシール車27には、図示しない電気ヒータが組み込まれ、重畳体9bに接する箇所が加熱されるようになっている。
【0049】
ヒートシールローラ29は一対用意され、重畳体9bを表裏から挟むように対向配置される。この一対のヒートシールローラ29はそれぞれ回転軸29bに固定され、上記ヒートシール車27よりも下流側において重畳体9bを表裏から挟みつつ回転する。
【0050】
各ヒートシールローラ29の表面には、横ヒートシール部28a,28bを重畳体9bの長さ方向に繰り返し形成するべく、ヒートシールバー29aが回転軸29bと平行に固定される。ヒートシールバー29aは密封袋7の長さに応じて各ヒートシールローラ29の表面に回転軸29bと平行に一本又は複数本固定される。各ヒートシールローラ29には、図示しない電気ヒータが組み込まれ、各ヒートシールバー29aが加熱されるようになっている。また、ヒートシールバー29aは各ヒートシールローラ29の表面に固定ネジ等により着脱可能に固定され、密封袋7の幅等に応じて各種用意された長さの異なるものと適宜交換可能である。あるいは、密封袋7の幅の変更を見込んで重畳体の開放縁を超えて長く伸びたヒートシールバー29aが設けられる。
【0051】
ヒートシールローラ29が駆動され、図4中矢印方向に回転することにより、重畳体9bには横ヒートシール部28a,28bが一密封袋7分のピッチごとに繰り返し形成される。ヒートシールローラ29は横ヒートシール部28a,28bを形成するときにだけ重畳体9bの走行速度と同期して回転し、重畳体9bを横切るように横ヒートシール部28a,28bを形成する。
【0052】
なお、ヒートシールローラ29に代えて一対の板状のヒートシール盤を用いることも可能である。その場合は、重畳体9bを間に挟んで一対のヒートシール盤を間欠的に接離運動させ、重畳体9bをヒートシール盤間で間欠走行させることになる。
【0053】
充填ノズル30は、ヒートシールローラ29の上流側において形成される重畳体9bの有底袋部の底に向かって配置される。流動体Aを流す導管30aがヒートシール車27の上流側から重畳体9b内へと重畳体9bの合わせ目から入り込み、左右のヒートシール車27,27間を通ってヒートシールローラ29,29間へと伸び、その先端に充填ノズル30が設けられる。ヒートシールローラ29による先行横ヒートシール部28aの形成によって生じる有底袋部内に向かって、この充填ノズル30から流動体Aが一定流量で常時吐出される。この流動体Aの吐出量は、重畳体9bの走行速度に応じてポンプ(図示せず)の回転数が加減されることにより調整可能である。
【0054】
カッター31は、重畳体を横ヒートシール部上で切断する切断刃31aと、重畳体を挟んでこの切断刃31aに対向する受け座31bとを有する。切断刃31aは受け座31bとの間で重畳体9bを挟み込む剪断作用により、重畳体9bから密封袋7を横ヒートシール部28a,28bの上で切り離すようになっている。この実施の形態1においてカッター31はロータリ式であり、切断刃31a及び受け座31bは各々ロール36,36上に固定され、重畳体9bから密封袋7を横ヒートシール部28a,28bの上で切り離す時点で両ロールが回転することにより密封袋7,7間を横ヒートシール部28a,28b上で切断する。
【0055】
もちろん、切断刃31a及び受け座31bは重畳体9bの走行と同期的に連続回転させて重畳体9bから密封袋7を横ヒートシール部28a,28bの上で切り離すようにしてもよい。また、このロータリ式のカッター31に代えて例えばギロチン式の切断機を設けることも可能である。この切断機は重畳体9bが密封袋7のピッチごとに間欠送りされる場合に適する。
【0056】
図5及び図6に示すように、カッター31の切断刃31aが重畳体9bを横切った左右両側には、重畳体9bの開放縁側を超えて伸びる延長刃34と、重畳体9bの折曲縁8側の横ヒートシール部28a,28bに隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部14を形成する面取り刃35とが、切断刃31aに繋がるように設けられる。カッター31は、面取り刃35が重畳体9bの折曲縁8に位置合わせされたうえで駆動し、密封袋7を重畳体9bから切り離す。また、同時に折曲縁8側に面取り部14を形成する。先後の密封袋7,7の境界に同時に面取り部14,14を形成するので、重畳体9bの面取り部14,14間から略三角形の不要部9cが排出される。
【0057】
このように重畳体9bの折曲縁8側を基準に面取り刃35が位置決めされて重畳体9bの切断作業が行われるので、図6に示すように、密封袋7の幅に変更があり、重畳体9bの折曲縁8が開放縁8aと反対側の右方向に8b,8cのごとく移動したとしてもカッター31を右方向に位置をずらせるのみで足り、従来のごときカッター31の交換をすることなく切断作業を行うことができる。
【0058】
図2に示すように、カッター31よりも下流側は隔壁37で閉じられ、この隔壁37には密封袋7の通り道に対応する開口と、この開口を開閉する図示しないシャッターとが設けられる。
【0059】
また、図2に示すように、フィルム状包材9が殺菌部16の隔壁24の位置から製袋充填部17のロータリカッター31に至り密封袋7とされるまでの経路、すなわち図2中砂目部分は、無菌室38で囲まれている。無菌室38内は、無菌エアが常時吹き込まれることにより陽圧に維持され、外部からの菌類の侵入が阻止される。
【0060】
次に、上記密封袋製造装置を使用した密封袋の製造方法について説明する。
【0061】
(1)流動体Aの包装開始に先立ち、図2に示す無菌室38内の滅菌処理が行われる。この滅菌処理時には、各隔壁24,37の開口がシャッターにより閉じられ無菌室38内が密閉され、例えば過酸化水素のミストが無菌室38内に導入される。
【0062】
滅菌処理後、無菌室38内は無菌エアが常時供給されることにより陽圧に保持され、滅菌状態が維持される。また、シャッターが開かれ、そこから無菌エアが無菌室38外に吹き出る。
【0063】
殺菌部16から製袋充填部17へと伸びる図示しない無端ベルト或いは人手により、フィルム状包材9が巻取りロール9aから繰り出され、その先端が殺菌部16を通って製袋充填部17へと送られる。これにより、フィルム状包材9のセッティングが完了する。
【0064】
(2)流動体Aの包装が開始されると、巻取りロール9aから繰り出されるフィルム状包材9は各種ローラ23を経て隔壁23の開口を通過し、ヒータ18により予備加熱され、殺菌剤吐出ノズル19から例えば過酸化水素のミストを吹き掛けられる。殺菌剤吐出ノズル19から吐出される過酸化水素のミストの余剰分はミスト排気ダクト20により吸引除去される。過酸化水素のミストにより殺菌されたフィルム状包材9は、次の隔壁24の開口を通って無菌室38内に入り、温風ノズル21及び冷風ノズル22から温風と冷風を順次吹き付けられ過酸化水素を除去される。この乾燥処理されたフィルム状包材9は各種ローラ26を経て製袋充填部17に導入される。以後、フィルム状包材9は密封袋7とされるまで無菌の雰囲気下において加工される。
【0065】
(3)図3及び図4に示すように、製袋充填部17内では、フィルム状包材9は長さ方向に送られながらガイド棒33により同方向に平行な線上で折り返され二つ折りの重畳体9bとされる。
【0066】
(4)二つ折りされたフィルム状包材9の重畳体9bは、その片側の折曲縁8と反対側の開放縁8aとをそれぞれ縦ヒートシール部10,11によりシールされ、扁平な筒状の重畳体9bとされる。
【0067】
この二本の縦ヒートシール部10,11は、重畳体9bの両側縁が表裏からヒートシール車27に挟まれることにより形成される。ヒートシール車27は図4中矢印方向に連続回転し、重畳体9bはヒートシール車27,25間を連続走行することにより両側に連続的に縦ヒートシール部10,11が形成される。もちろん、ヒートシール車27に代えて板状のヒートシール盤を用いることも可能である。その場合は、縦ヒートシール部10,11を間欠的に形成するので、重畳体9bもヒートシール盤間を間欠走行することになる。
【0068】
(5)両側が縦ヒートシール部10,11で閉じられた重畳体9bは、その長さ方向に交差する方向に伸びる横ヒートシール部28a,28bにより下流側で閉じられる。横ヒートシール部28a,28bは図1(A)に示す上下の横ヒートシール部12,13が重畳体9bの長さ方向に連なった形状及び大きさに形成される。
【0069】
この横ヒートシール部28a,28bは、重畳体9bが表裏から一対のヒートシールローラ29,29に挟まれることにより形成される。一対のヒートシールローラ29,29はそれぞれ回転軸29b,29bに固定され、上記ヒートシール車27よりも下流側において重畳体9bを表裏から挟むように対向配置される。
【0070】
ヒートシールローラ29が駆動され図4中矢印方向に回転することにより、重畳体9bには横ヒートシール部28a,28bが形成される。
【0071】
ヒートシールローラ29,29は連続回転し、重畳体9bはヒートシールローラ29,29間を連続走行することにより一個の密封袋7における縦方向の長さごとに横ヒートシール部28a,28bで閉じられる。もちろん、ヒートシールローラ29に代えて一対の板状のヒートシール盤を用いることも可能である。その場合は、重畳体9bを間に挟んで一対のヒートシール盤を間欠的に接離運動させ、重畳体9bをヒートシール盤間で間欠走行させることになる。
【0072】
(6)筒状になった重畳体9bに先行横ヒートシール部28aが設けられることにより形成される有底袋部内に、充填ノズル30から流動体Aが常時一定流量で連続的に流入する。流動体Aの流量は例えば重畳体9bの走行速度に応じて加減される。
【0073】
(7)ヒートシールローラ29が、有底袋部内の流動体を分断するように後続の横ヒートシール部28bを形成して重畳体9b上に密封袋7を作る。これにより、密封袋7内への空気の混入が防止される。
【0074】
(8)ヒートシール車27及びヒートシールローラ29の回転により、密封袋7が重畳体9bに連続的に形成される。図3及び図4に示すように、重畳体9bがカッター31に到達すると、密封袋7が重畳体9bから横ヒートシール部28a,28b上でカッター31により切り離され、完成品とされる。
【0075】
カッター31は、図5及び図6に示すような形状の切断刃31a及び面取り刃35を有するので、重畳体9bの折曲縁8側の横ヒートシール部28a,28bに隣接して生じる二つの角が切除され、そこに円弧状の面取り部14,14が図1(A)のごとく形成される。また、このとき不要部9cが重畳体9bの折曲縁8側から切除される。重畳体9bは、図3に示すように、ガイドローラ32を通過しつつ開放縁8a側を基準にして走行することになるので、カッター31の面取り刃35が一旦折曲縁8側にセットされ位置決めされると、面取り部14は重畳体9bの折曲縁8側に正確に繰り返し形成される。
【0076】
また、カッター31の切断刃35には開放縁8aを超える延長刃34が連設されるので、図6に示すように、密封袋7を幅方向に拡張させる変更が生じて、重畳体9bの折曲縁8が開放縁8aと反対側の右方向に例えば符号8b,8cで示す位置へと移動したとしても、延長刃34が開放縁8b,8cに対峙し、かつ面取り刃35が折曲縁8側の横ヒートシール部28a,28bに隣接して生じる二つの角に合致するように、カッター31の位置をずらせることで対処することができる。したがって、密封袋7の寸法変更後もカッター31の交換をすることなく、切断作業を行うことができる。
【0077】
<実施の形態2>
図7に示すように、この実施の形態2では、密封袋40が三方シール袋として形成される。この密封袋40は、実施の形態1の場合と同様に、一辺が折曲縁8であり、三辺が開放縁であるフィルム状包材9の重畳体9bで形成され、折曲縁8と反対側の開放縁8aが縦ヒートシール部10で閉じられ、折曲縁8に交差する方向における二辺の開放縁が横ヒートシール部12,13で閉じられる。この場合も、実施の形態1と同様に開放縁8a側に非ヒートシール部15(図1参照)を形成してもよい。
【0078】
この密封袋40の製造方法について説明すると、図8に示すように、実施の形態1と同様にして、フィルム状包材9を長さ方向に送りながら同方向に平行な線上で折り返しつつ、同方向に伸びる縦ヒートシール部10を設けて筒状の重畳体9bを形成し、同方向に交差する方向に伸びる先行横ヒートシール部28aにより重畳体9bを下流側で閉じ、上流側から流動体Aを重畳体9b内に充填し、後続横ヒートシール部28bにより重畳体9bを上流側で閉じて先行と後行の横ヒートシール部28a,28b間に流動体Aを密封し、しかる後重畳体9bから密封袋40を横ヒートシール部28a,28b上で切り離すようにする。横ヒートシール部28a,28bは、図7に示した上下の横ヒートシール部12,13を重畳体9bの長さ方向に連接した形状及び大きさを有する。
【0079】
また、左右二対のヒートシール車27,27のうち、重畳体9bの右側の折曲縁8に対応したものは単なる摩擦車と交換するか、内蔵ヒータへの通電を遮断するか、右側の折曲縁8に対応したものを重畳体9bから外れた箇所に移動させることで、重畳体9bの右端のヒートシールが回避される。
【0080】
この製造方法において、カッター31は、実施の形態1と同様に、図9及び図10に示すような形状の切断刃31a及び面取り刃35を有するので、重畳体9bの折曲縁8側で横ヒートシール部13,12に隣接して生じる二つの角が切除され、そこに円弧状の面取り部14,14が図7のごとく形成される。
【0081】
また、カッター31の切断刃31aには開放縁8aを超える延長刃34が連設されるので、図10に示すように、密封袋40を幅方向に拡張させる変更があり、重畳体9bの折曲縁8が開放縁8aと反対側の右方向に例えば符号8b,8cで示す位置へと移動したとしても、延長刃34が開放縁8b,8cに対峙し、かつ面取り刃35が折曲縁8側の横ヒートシール部28a,28bに隣接して生じる二つの角に合致するように、カッター31の位置をずらせることで対処することができる。したがって、密封袋7の寸法変更後もカッター31の交換をすることなく、切断作業を行うことができる。
【0082】
なお、この実施の形態2において実施の形態1におけるものと同じ部分には同一符号を用いて示すことにより重複した説明を省略する。
【0083】
<実施の形態3>
図11(A)に示すように、この実施の形態3において、密封袋39における横ヒートシール部12,13の折曲縁8側の角には、面取り刃35aにより直線状の面取り部14a,14aが形成される。
【0084】
この面取り部14aは、同図(B)に示す切断刃31a及び面取り刃35aを用いて実施の形態1におけると同様な方法及び装置により形成することができる。
【0085】
また、延長刃34により、密封袋39の幅分に変更があった場合もカッター31の交換を行うことなく密封袋39を重畳体9bから切り離すことができる。
【0086】
なお、図7に示す三方袋に対してもこの実施の形態3と同様な直線状の面取り部14aを形成することが可能である。
【0087】
その他、この実施の形態3において、実施の形態1のものと同じ部分には同一符号を用いて示すこととし、重複した説明を省略する。
【0088】
<実施の形態4>
図12に示すように、この実施の形態4では、カッター31の切断刃31aにおける延長刃34側に、面取り刃35と対称形の面取り刃35bが延長刃34に繋がるように設けられる。
【0089】
これにより、所定幅の重畳体9bについては、その開放縁8a側において横ヒートシール部28a,28b上に隣接して生じうる二つの角にもそれぞれ面取り部を形成することができる。
【0090】
その他、この実施の形態4において、実施の形態1のものと同じ部分には同一符号を用いて示すこととし、重複した説明を省略する。
【0091】
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態1〜4に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図Aは本発明の実施の形態1に係る方法又は装置により作ることが出来る密封袋の斜視図、Bは図A中、B−B線矢視断面図である。
【図2】本発明に係る密封袋製造装置の概略立面図である。
【図3】図2中、殺菌部を省略して示した密封袋製造装置の正面図である。
【図4】図3に示した密封袋製造装置の左側面図である。
【図5】重畳体から密封袋を切り離す切断工程を示す斜視図である。
【図6】重畳体から密封袋を切り離す切断工程を示す正面図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る方法又は装置により作ることが出来る密封袋の斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る密封袋製造装置の正面図である。
【図9】重畳体から密封袋を切り離す切断工程を示す斜視図である。
【図10】重畳体から密封袋を切り離す切断工程を示す正面図である。
【図11】図Aは本発明の実施の形態3に係る方法又は装置により作ることが出来る密封袋の斜視図、図Bはカッターの切断刃を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係る密封袋製造装置で使用するカッターを示す図6と同様な正面図である。
【図13】図Aは従来の密封袋製造装置により製造される密封袋の斜視図、図Bは図A中、B−B線矢視断面図である。
【符号の説明】
【0093】
A…流動体
7,39,40…密封袋
8…折曲縁
8a…開放縁
9…フィルム状包材
9b…重畳体
10,11…縦ヒートシール部
12,13…横ヒートシール部
14,14a…面取り部
15…非ヒートシール部
16…殺菌部
19…殺菌剤吐出ノズル
27…ヒートシール車
28a…先行横ヒートシール部
28b…後続横ヒートシール部
29…ヒートシールローラ
30…充填ノズル
31…カッター
33…ガイド棒
34…延長刃
35,35a…面取り刃
38…無菌室
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動体をヒートシール部で密封包装してなる密封袋の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スープ、ソース、練りからし等の流動体は、次のような操作、手順により袋に充填され密封されている。
【0003】
すなわち、フィルム状包材を長さ方向に送りながら中央に折曲縁が生じるように二つ折りして重畳体を形成し、重畳体の開放縁及び折曲縁を同方向に伸びる縦ヒートシール部で夫々閉じることにより重畳体を筒状にし、この筒状になった重畳体に先行の横ヒートシール部を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内に流動体を充填し、この有底袋部内の流動体を分断するように後続の横ヒートシール部を設けて密封袋とし、この密封袋を横ヒートシール部上でカッターにより切り離す(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
図13(A)(B)に示すように、このようにして得られる密封袋1は、四辺が縦ヒートシール部2,3と横ヒートシール部4,5でそれぞれ閉じられる。そして、内部にはスープ等の流動体Aが密封される。
【0005】
ところが、図13(A)に示したように、従来の密封袋1の四隅には、尖った角6,6aが形成される。ことに折曲縁1a側の二つの角6a,6aは、折曲縁1aが横ヒートシール部4,5でシールされていることから硬い突起となって現れる。この角6a,6aが使用者に当たると使用者に不快感を与え、また、密封袋1の搬送中等においてこの角6a,6aが他の包装袋等に当たると、他の包装袋の包装を傷付けるおそれがある。
【0006】
従来、このような不具合を防止するため、袋の四隅に円弧状の面取り部を形成したり(例えば、特許文献2参照。)、長いフィルムの左右に円弧状の面取り部を一定間隔で形成したうえでこのフィルムを貼り合わせたりしている(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
【特許文献1】特開2003−267301号公報
【特許文献2】実用新案登録第3120403号公報
【特許文献3】特開2006−159394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1で例示される密封袋の製造方法により、特許文献2に示される密封袋を作ろうとした場合、或いは特許文献3に示される方法を用いてフィルムに面取り部を形成しつつ製袋し流動体を充填しようとした場合は、袋の大きさを変えるべくフィルムの幅を変更すると、その都度カッター全体を他のカッターと交換しなければならないので、面倒な作業が必要とされ、密封袋の製造が遅延するという問題がある。また、各種カッターを事前に用意しなければならないという問題がある。
【0009】
従って、本発明はこのような問題点を解消することができる密封袋の製造方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
【0011】
すなわち、請求項1に係る発明は、フィルム状包材(9)を長さ方向に送りながら中央に折曲縁(8)が生じるように二つ折りして重畳体(9b)を形成し、重畳体(9b)の開放縁(8a)を同方向に伸びる縦ヒートシール部(10)で閉じることにより重畳体(9b)を筒状にし、この筒状になった重畳体(9b)に先行の横ヒートシール部(28a)を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内に流動体(A)を充填し、この有底袋部内の流動体(A)を分断するように後続の横ヒートシール部(28b)を設けて密封袋(7,39,40)とし、この密封袋(7,39,40)を横ヒートシール部(28a,28b)上でカッター(31)により切り離す密封袋の製造方法において、上記横ヒートシール部(28a,28b)に沿って伸びるカッター(31)に、上記重畳体(9b)の開放縁(8a)側を超えて伸びる延長刃(34)と、上記重畳体(9b)の折曲縁(8)側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部(14,14a)を形成する面取り刃(35,35a)とを設け、この面取り刃(35,35a)を上記重畳体(9b)の折曲縁(8)に位置合わせしたうえで密封袋(7,39,40)の切り離しを行うことを特徴とする密封袋の製造方法である。
【0012】
請求項2に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、重畳体(9b)の開放縁(8a)側に縦ヒートシール部(10)から食み出すように非ヒートシール部(15)を形成することも可能である。
【0013】
請求項3に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、重畳体(9b)の折曲縁(8)にも縦ヒートシール部(11)を形成することが可能である。
【0014】
請求項4に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、面取り部(14)をそれぞれ円弧状に形成することが可能である。
【0015】
請求項5に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、面取り部(14a)をそれぞれ直線状に形成することが可能である。
【0016】
請求項6に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、フィルム状包材(9)は予め殺菌し、この殺菌したフィルム状包材(9)の供給から密封袋(7,39,40)の形成までの工程を無菌雰囲気下で行うことが可能である。
【0017】
また、請求項7に係る発明は、フィルム状包材(9)を長さ方向に送りながら中央に折曲縁(8)が生じるように二つ折りして重畳体(9b)を形成する重畳体形成手段(33)と、重畳体(9b)の開放縁(8a)を同方向に伸びる縦ヒートシール部(10)で閉じることにより重畳体(9b)を筒状にする縦ヒートシール手段(27)と、この筒状になった重畳体(9b)に先行の横ヒートシール部(28a)を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内の流動体(A)を分断するように後続の横ヒートシール部(28b)を設けて密封袋(7,39,40)を形成する横ヒートシール手段(29)と、上記有底袋部内に流動体(A)を充填する充填手段(30)と、密封袋(7,39,40)を横ヒートシール部(28a,28b)上で切り離すカッター(31)とを包含してなる密封袋の製造装置において、上記横ヒートシール部(28a,28b)に沿って伸びるカッター(31)に、上記重畳体(9b)の開放縁(8a)側を超えて伸びる延長刃(34)と、上記重畳体(9b)の折曲縁(8)側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部(14,14a)を形成する面取り刃(35,35a)とが設けられ、この面取り刃(35,35a)が上記重畳体(9b)の折曲縁(8)に位置合わせされたうえで密封袋(7,39,40)の切り離しが行われるようにしたことを特徴とする密封袋の製造装置である。
【0018】
請求項8に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、重畳体(9b)の折曲縁(8)に縦ヒートシール部(11)を形成する第二の縦ヒートシール手段(27)が設けられたものとすることが可能である。
【0019】
請求項9に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、面取り刃(35)が、重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ円弧状の面取り部(14,14)を形成するように設けられたものとすることが可能である。
【0020】
請求項10に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、面取り刃(35a)が、重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ直線状の面取り部(14a,14a)を形成するように設けられたものとすることが可能である。
【0021】
請求項11に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、フィルム状包材(9)の上流側に殺菌手段(19)が設けられ、この殺菌手段(19)により殺菌されたフィルム状包材(9)が密封袋(7,39,40)となるまでの経路が無菌室(38)で囲まれているものとすることが可能である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に係る発明によれば、フィルム状包材(9)を長さ方向に送りながら中央に折曲縁(8)が生じるように二つ折りして重畳体(9b)を形成し、重畳体(9b)の開放縁(8a)を同方向に伸びる縦ヒートシール部(10)で閉じることにより重畳体(9b)を筒状にし、この筒状になった重畳体(9b)に先行の横ヒートシール部(28a)を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内に流動体(A)を充填し、この有底袋部内の流動体(A)を分断するように後続の横ヒートシール部(28b)を設けて密封袋(7,39,40)とし、この密封袋(7,39,40)を横ヒートシール部(28a,28b)上でカッター(31)により切り離す密封袋の製造方法において、上記横ヒートシール部(28a,28b)に沿って伸びるカッター(31)に、上記重畳体(9b)の開放縁(8a)側を超えて伸びる延長刃(34)と、上記重畳体(9b)の折曲縁(8)側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部(14,14a)を形成する面取り刃(35,35a)とを設け、この面取り刃(35,35a)を上記重畳体(9b)の折曲縁(8)に位置合わせしたうえで密封袋(7,39,40)の切り離しを行うことを特徴とすることから、重畳体(9b)の折曲縁(8)側における横ヒートシール部(28a,28b)上に面取り部(14,14a)を正確に形成し、密封袋(7,39,40)から尖った角を除去することができる。また、面取り刃(35,35a)を位置合わせした後に密封袋(7,39,40)の幅に変更が生じて重畳体(9b)の折曲縁(8)の位置が重畳体(9b)の幅方向で移動したとしてもカッター(31)を他のカッターと交換することなく、現在のカッター(31)の位置を変更するのみで切断作業を行うことができる。従って、新たな密封袋(7,39,40)の製造を速やかに開始することができ、密封製造効率を高めることができる。
【0023】
請求項2に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、重畳体(9b)の開放縁(8a)側に縦ヒートシール部(10)から食み出すように非ヒートシール部(15)を形成するものとすれば、重畳体(9b)の折曲縁(8)と反対側の開放縁(8a)においても尖った角の発生を防止することができる。
【0024】
請求項3に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、重畳体(9b)の折曲縁(8)にも縦ヒートシール部(11)を形成するものとすれば、密封袋(7,39)の折曲縁(8)側の強度を高めることができ、また、密封袋(7,39)の見栄えを良くすることができる。
【0025】
請求項4に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、面取り部(14)をそれぞれ円弧状に形成するものとすれば、密封袋(7,40)の角の尖りを格段に緩和することができる。
【0026】
請求項5に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、面取り部(14a)をそれぞれ直線状に形成するものとすれば、面取り刃(35a)を直線形にすることができるので、カッター(31)を簡易に成形することができる。
【0027】
請求項6に記載されるように、請求項1に記載の密封袋の製造方法において、フィルム状包材(9)は予め殺菌し、この殺菌したフィルム状包材(9)の供給から密封袋(7,39,40)の形成までの工程を無菌雰囲気下で行うものとすれば、密封袋(7,39,40)を無菌包装体とすることができる。
【0028】
請求項7に係る発明によれば、フィルム状包材(9)を長さ方向に送りながら中央に折曲縁(8)が生じるように二つ折りして重畳体(9b)を形成する重畳体(9b)形成手段と、重畳体(9b)の開放縁(8a)を同方向に伸びる縦ヒートシール部(10)で閉じることにより重畳体(9b)を筒状にする縦ヒートシール手段(27)と、この筒状になった重畳体(9b)に先行の横ヒートシール部(28a)を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内の流動体(A)を分断するように後続の横ヒートシール部(28b)を設けて密封袋(7,39,40)を形成する横ヒートシール手段(29)と、上記有底袋部内に流動体(A)を充填する充填手段(30)と、密封袋(7,39,40)を横ヒートシール部(28a,28b)上で切り離すカッター(31)とを包含してなる密封袋の製造装置において、上記横ヒートシール部(28a,28b)に沿って伸びるカッター(31)に、上記重畳体(9b)の開放縁(8a)側を超えて伸びる延長刃(34)と、上記重畳体(9b)の折曲縁(8)側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部(14,14a)を形成する面取り刃(35,35a)とが設けられ、この面取り刃(35,35a)が上記重畳体(9b)の折曲縁(8)に位置合わせされたうえで密封袋(7,39,40)の切り離しが行われるようにしたことを特徴とすることから、重畳体(9b)の折曲縁(8)側におけるに横ヒートシール部(28a,28b)上に面取り部(14,14a)を正確に形成し、密封袋(7,39,40)から尖った角を除去することができる。また、面取り刃(35,35a)を位置合わせした後に密封袋(7,39,40)の幅に変更が生じて重畳体(9b)の折曲縁(8)の位置が重畳体(9b)の幅方向で移動したとしてもカッター(31)を他のカッターと交換することなく、現在のカッター(31)の位置を変更するのみで切断作業を行うことができる。従って、新たな密封袋(7,39,40)の製造を速やかに開始することができ、密封製造効率を高めることができる。
【0029】
請求項8に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、重畳体(9b)の折曲縁(8)に縦ヒートシール部(11)を形成する第二の縦ヒートシール手段(27)が設けられたものとすれば、密封袋(7,39)の折曲縁(8)側にも縦ヒートシール部(11)を形成することができ、従って密封袋(7,39)の折曲縁(8)側の強度を高めることができ、また、密封袋(7,39)の見栄えを良くすることができる。
【0030】
請求項9に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、面取り刃(35)が、重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ円弧状の面取り部(14,14)を形成するように設けられたものとすれば、密封袋(7,39)の角の尖りを格段に緩和することができる。
【0031】
請求項10に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、面取り刃(35a)が、重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部(28a,28b)に隣接して生じる二つの角にそれぞれ直線状の面取り部(14a,14a)を形成するように設けられたものとすれば、面取り刃(35a)を直線形にすることができるので、カッター(31)を簡易かつ低廉に成形することができる。
【0032】
請求項11に記載されるように、請求項7に記載の密封袋の製造装置において、フィルム状包材(9)の上流側に殺菌手段(19)が設けられ、この殺菌手段(19)により殺菌されたフィルム状包材(9)が密封袋(7,39,40)となるまでの経路が無菌室(38)で囲まれているものとすれば、密封袋(7,39,40)を無菌包装体とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
<実施の形態1>
最初に、この密封袋の製造方法及び装置により製造される密封袋の一例について図1(A)(B)に基づき説明する。
【0035】
この密封袋7は、一辺に折曲縁8が生じるようにフィルム状包材9(図2参照)を二つ折りすることにより形成される。フィルム状包材9が二つ折りで扁平に折り畳まれ、この折り畳まれた重畳体9b(図2参照)の折曲縁8を含む四縁が縦横のヒートシール部10,11,12,13で閉じられることにより密封袋7とされる。折曲縁8側の縦ヒートシール部11は、これを設けずとも袋を密封することができるが、袋の強度を高めるため、或いは見栄えを高めるために設けられる。これにより、この密封袋7は四方シール袋として形成される。
【0036】
密封袋7内には重畳体9bの一辺が開放された状態にあるときに、そこから内容物であるスープ等の流動体Aが充填される。その後この一辺がヒートシールされることにより密封袋7が密封される。
【0037】
また、図1(A)に示すように、重畳体9bの折曲縁8側において横ヒートシール部12,13に生じる角には、円弧状の面取り部14が形成される。これにより、密封袋7から硬い突起が除去される。重畳体9bの折曲縁8と反対側の開放縁8aを閉じる縦ヒートシール部10は、フィルムの縁まで延びるように形成してもよいが、望ましくは図1(A)に示すように、縦ヒートシール部10から食み出すように非ヒートシール部15が形成される。これにより開放縁8a側における角の尖り具合が緩和される。
【0038】
フィルム状包材9としては過酸化水素等の殺菌剤により殺菌されたものを用いることができる。このような殺菌されたフィルム状包材9を使用することにより、密封袋7の内部の無菌性を簡易に維持することができる。
【0039】
次に、上記密封袋7を製造する方法及び装置について説明する。
【0040】
図2に示すように、密封袋製造装置は、フィルム状包材の殺菌部16と、製袋充填部17とを具備する。
【0041】
殺菌部16では、フィルム状包材9の巻取りロール9aから繰り出されるフィルム状包材9の走行路に沿って、その上流側から下流側へと、ヒータ18、殺菌剤吐出ノズル19、ミスト排気ダクト20、温風ノズル21、冷風ノズル22等が順に配置される。この実施の形態1では、フィルム状包材9は下から上へと垂直に走行するようになっており、そのためヒータ18から冷風ノズル22に至る部分も垂直方向に配列される。巻取りロール9aとヒータ18との間には、フィルム状包材9の通過する開口を有した隔壁23が必要に応じて設けられる。また、ミスト排気ダクト20と温風ノズル21との間にも、フィルム状包材9の通過する開口を有した隔壁24が設けられる。各隔壁23,24の開口は図示しないシャッターによりそれぞれ開閉可能である。
【0042】
巻取りロール9aから繰り出されたフィルム状包材9は、各種ローラ25を経てヒータ18に至り予備加熱される。予備加熱の熱により後の殺菌剤によるフィルム状包材9の殺菌効果が高められる。予備加熱されたフィルム状包材9は、殺菌剤吐出ノズル19から殺菌剤としての過酸化水素水のミストを吹き付けられる。このミストは、過酸化水素の水溶液を噴霧し、沸点以上に加熱して気化させ、微細な粒子に凝縮させることにより生成される。殺菌剤は過酸化水素に限らず、殺菌作用を有する各種の薬液が使用可能である。ミストが吹き掛けられることにより、フィルム状包材9の表面が殺菌される。ミストの余剰分は、ミスト排気ダクト20から回収される。殺菌されたフィルム状包材9は、隔壁24を通過して温風ノズル21から温風を吹き付けられ、その熱により表面に付着した殺菌剤が気化され除去される。殺菌剤を除去されたフィルム状包材9は冷風ノズル22から冷風を吹き付けられ、これにより殺菌剤の除去が促進される。
【0043】
殺菌部16で殺菌されたフィルム状包材9は、各種ローラ26を経て次の製袋充填部17へと送られ、流動体Aの包装に供される。
【0044】
なお、フィルム状包材9の殺菌処理が不要である場合は、殺菌部16を省略し、巻取りロール9aから製袋充填部17へとフィルム状包材9を直に送ることも可能である。
【0045】
図3及び図4に示すように、製袋充填部17は、上記殺菌部16から送られて来るフィルム状包材9を長さ方向に送りながら同方向に平行な中心線上で折り返して中央に折曲縁8が生じるように二つ折りし重畳体9bとする重畳体形成手段と、この重畳体9bを同方向に送りながら、同方向に伸びる縦ヒートシール部10,11で閉じて筒状にする縦ヒートシール手段としてのヒートシール車27と、この筒状になった重畳体9bに先行横ヒートシール部28aを設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内の流動体Aを分断するように後続横ヒートシール部28bを設けて密封袋7を形成する横ヒートシール手段としてのヒートシールローラ29と、有底袋部内に流動体Aを充填する充填手段としての充填ノズル30と、密封袋7を横ヒートシール部12,13上で切り離すカッター31とを含んでいる。
【0046】
製袋充填部17では、フィルム状包材9が上から下へと垂直に送られるようになっており、このフィルム状包材9の走行路に沿って上流側から下流側へと、重畳体形成手段、ヒートシール車27、充填ノズル30、ヒートシールローラ29、カッター31等が順に配置される。
【0047】
重畳体形成手段は、殺菌部16から来るフィルム状包材9の走行方向を下方に変更するガイドローラ32と、ガイドローラ32を経て来るフィルム状包材9の中心線上に折り目を付けながら二つ折りし、フィルム状包材9の中央に折曲縁8を形成するガイド棒33とを具備する。
【0048】
ヒートシール車27は二対用意され、重畳体9bの両側縁を表裏から挟むように対向配置される。各ヒートシール車27には、図示しない電気ヒータが組み込まれ、重畳体9bに接する箇所が加熱されるようになっている。
【0049】
ヒートシールローラ29は一対用意され、重畳体9bを表裏から挟むように対向配置される。この一対のヒートシールローラ29はそれぞれ回転軸29bに固定され、上記ヒートシール車27よりも下流側において重畳体9bを表裏から挟みつつ回転する。
【0050】
各ヒートシールローラ29の表面には、横ヒートシール部28a,28bを重畳体9bの長さ方向に繰り返し形成するべく、ヒートシールバー29aが回転軸29bと平行に固定される。ヒートシールバー29aは密封袋7の長さに応じて各ヒートシールローラ29の表面に回転軸29bと平行に一本又は複数本固定される。各ヒートシールローラ29には、図示しない電気ヒータが組み込まれ、各ヒートシールバー29aが加熱されるようになっている。また、ヒートシールバー29aは各ヒートシールローラ29の表面に固定ネジ等により着脱可能に固定され、密封袋7の幅等に応じて各種用意された長さの異なるものと適宜交換可能である。あるいは、密封袋7の幅の変更を見込んで重畳体の開放縁を超えて長く伸びたヒートシールバー29aが設けられる。
【0051】
ヒートシールローラ29が駆動され、図4中矢印方向に回転することにより、重畳体9bには横ヒートシール部28a,28bが一密封袋7分のピッチごとに繰り返し形成される。ヒートシールローラ29は横ヒートシール部28a,28bを形成するときにだけ重畳体9bの走行速度と同期して回転し、重畳体9bを横切るように横ヒートシール部28a,28bを形成する。
【0052】
なお、ヒートシールローラ29に代えて一対の板状のヒートシール盤を用いることも可能である。その場合は、重畳体9bを間に挟んで一対のヒートシール盤を間欠的に接離運動させ、重畳体9bをヒートシール盤間で間欠走行させることになる。
【0053】
充填ノズル30は、ヒートシールローラ29の上流側において形成される重畳体9bの有底袋部の底に向かって配置される。流動体Aを流す導管30aがヒートシール車27の上流側から重畳体9b内へと重畳体9bの合わせ目から入り込み、左右のヒートシール車27,27間を通ってヒートシールローラ29,29間へと伸び、その先端に充填ノズル30が設けられる。ヒートシールローラ29による先行横ヒートシール部28aの形成によって生じる有底袋部内に向かって、この充填ノズル30から流動体Aが一定流量で常時吐出される。この流動体Aの吐出量は、重畳体9bの走行速度に応じてポンプ(図示せず)の回転数が加減されることにより調整可能である。
【0054】
カッター31は、重畳体を横ヒートシール部上で切断する切断刃31aと、重畳体を挟んでこの切断刃31aに対向する受け座31bとを有する。切断刃31aは受け座31bとの間で重畳体9bを挟み込む剪断作用により、重畳体9bから密封袋7を横ヒートシール部28a,28bの上で切り離すようになっている。この実施の形態1においてカッター31はロータリ式であり、切断刃31a及び受け座31bは各々ロール36,36上に固定され、重畳体9bから密封袋7を横ヒートシール部28a,28bの上で切り離す時点で両ロールが回転することにより密封袋7,7間を横ヒートシール部28a,28b上で切断する。
【0055】
もちろん、切断刃31a及び受け座31bは重畳体9bの走行と同期的に連続回転させて重畳体9bから密封袋7を横ヒートシール部28a,28bの上で切り離すようにしてもよい。また、このロータリ式のカッター31に代えて例えばギロチン式の切断機を設けることも可能である。この切断機は重畳体9bが密封袋7のピッチごとに間欠送りされる場合に適する。
【0056】
図5及び図6に示すように、カッター31の切断刃31aが重畳体9bを横切った左右両側には、重畳体9bの開放縁側を超えて伸びる延長刃34と、重畳体9bの折曲縁8側の横ヒートシール部28a,28bに隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部14を形成する面取り刃35とが、切断刃31aに繋がるように設けられる。カッター31は、面取り刃35が重畳体9bの折曲縁8に位置合わせされたうえで駆動し、密封袋7を重畳体9bから切り離す。また、同時に折曲縁8側に面取り部14を形成する。先後の密封袋7,7の境界に同時に面取り部14,14を形成するので、重畳体9bの面取り部14,14間から略三角形の不要部9cが排出される。
【0057】
このように重畳体9bの折曲縁8側を基準に面取り刃35が位置決めされて重畳体9bの切断作業が行われるので、図6に示すように、密封袋7の幅に変更があり、重畳体9bの折曲縁8が開放縁8aと反対側の右方向に8b,8cのごとく移動したとしてもカッター31を右方向に位置をずらせるのみで足り、従来のごときカッター31の交換をすることなく切断作業を行うことができる。
【0058】
図2に示すように、カッター31よりも下流側は隔壁37で閉じられ、この隔壁37には密封袋7の通り道に対応する開口と、この開口を開閉する図示しないシャッターとが設けられる。
【0059】
また、図2に示すように、フィルム状包材9が殺菌部16の隔壁24の位置から製袋充填部17のロータリカッター31に至り密封袋7とされるまでの経路、すなわち図2中砂目部分は、無菌室38で囲まれている。無菌室38内は、無菌エアが常時吹き込まれることにより陽圧に維持され、外部からの菌類の侵入が阻止される。
【0060】
次に、上記密封袋製造装置を使用した密封袋の製造方法について説明する。
【0061】
(1)流動体Aの包装開始に先立ち、図2に示す無菌室38内の滅菌処理が行われる。この滅菌処理時には、各隔壁24,37の開口がシャッターにより閉じられ無菌室38内が密閉され、例えば過酸化水素のミストが無菌室38内に導入される。
【0062】
滅菌処理後、無菌室38内は無菌エアが常時供給されることにより陽圧に保持され、滅菌状態が維持される。また、シャッターが開かれ、そこから無菌エアが無菌室38外に吹き出る。
【0063】
殺菌部16から製袋充填部17へと伸びる図示しない無端ベルト或いは人手により、フィルム状包材9が巻取りロール9aから繰り出され、その先端が殺菌部16を通って製袋充填部17へと送られる。これにより、フィルム状包材9のセッティングが完了する。
【0064】
(2)流動体Aの包装が開始されると、巻取りロール9aから繰り出されるフィルム状包材9は各種ローラ23を経て隔壁23の開口を通過し、ヒータ18により予備加熱され、殺菌剤吐出ノズル19から例えば過酸化水素のミストを吹き掛けられる。殺菌剤吐出ノズル19から吐出される過酸化水素のミストの余剰分はミスト排気ダクト20により吸引除去される。過酸化水素のミストにより殺菌されたフィルム状包材9は、次の隔壁24の開口を通って無菌室38内に入り、温風ノズル21及び冷風ノズル22から温風と冷風を順次吹き付けられ過酸化水素を除去される。この乾燥処理されたフィルム状包材9は各種ローラ26を経て製袋充填部17に導入される。以後、フィルム状包材9は密封袋7とされるまで無菌の雰囲気下において加工される。
【0065】
(3)図3及び図4に示すように、製袋充填部17内では、フィルム状包材9は長さ方向に送られながらガイド棒33により同方向に平行な線上で折り返され二つ折りの重畳体9bとされる。
【0066】
(4)二つ折りされたフィルム状包材9の重畳体9bは、その片側の折曲縁8と反対側の開放縁8aとをそれぞれ縦ヒートシール部10,11によりシールされ、扁平な筒状の重畳体9bとされる。
【0067】
この二本の縦ヒートシール部10,11は、重畳体9bの両側縁が表裏からヒートシール車27に挟まれることにより形成される。ヒートシール車27は図4中矢印方向に連続回転し、重畳体9bはヒートシール車27,25間を連続走行することにより両側に連続的に縦ヒートシール部10,11が形成される。もちろん、ヒートシール車27に代えて板状のヒートシール盤を用いることも可能である。その場合は、縦ヒートシール部10,11を間欠的に形成するので、重畳体9bもヒートシール盤間を間欠走行することになる。
【0068】
(5)両側が縦ヒートシール部10,11で閉じられた重畳体9bは、その長さ方向に交差する方向に伸びる横ヒートシール部28a,28bにより下流側で閉じられる。横ヒートシール部28a,28bは図1(A)に示す上下の横ヒートシール部12,13が重畳体9bの長さ方向に連なった形状及び大きさに形成される。
【0069】
この横ヒートシール部28a,28bは、重畳体9bが表裏から一対のヒートシールローラ29,29に挟まれることにより形成される。一対のヒートシールローラ29,29はそれぞれ回転軸29b,29bに固定され、上記ヒートシール車27よりも下流側において重畳体9bを表裏から挟むように対向配置される。
【0070】
ヒートシールローラ29が駆動され図4中矢印方向に回転することにより、重畳体9bには横ヒートシール部28a,28bが形成される。
【0071】
ヒートシールローラ29,29は連続回転し、重畳体9bはヒートシールローラ29,29間を連続走行することにより一個の密封袋7における縦方向の長さごとに横ヒートシール部28a,28bで閉じられる。もちろん、ヒートシールローラ29に代えて一対の板状のヒートシール盤を用いることも可能である。その場合は、重畳体9bを間に挟んで一対のヒートシール盤を間欠的に接離運動させ、重畳体9bをヒートシール盤間で間欠走行させることになる。
【0072】
(6)筒状になった重畳体9bに先行横ヒートシール部28aが設けられることにより形成される有底袋部内に、充填ノズル30から流動体Aが常時一定流量で連続的に流入する。流動体Aの流量は例えば重畳体9bの走行速度に応じて加減される。
【0073】
(7)ヒートシールローラ29が、有底袋部内の流動体を分断するように後続の横ヒートシール部28bを形成して重畳体9b上に密封袋7を作る。これにより、密封袋7内への空気の混入が防止される。
【0074】
(8)ヒートシール車27及びヒートシールローラ29の回転により、密封袋7が重畳体9bに連続的に形成される。図3及び図4に示すように、重畳体9bがカッター31に到達すると、密封袋7が重畳体9bから横ヒートシール部28a,28b上でカッター31により切り離され、完成品とされる。
【0075】
カッター31は、図5及び図6に示すような形状の切断刃31a及び面取り刃35を有するので、重畳体9bの折曲縁8側の横ヒートシール部28a,28bに隣接して生じる二つの角が切除され、そこに円弧状の面取り部14,14が図1(A)のごとく形成される。また、このとき不要部9cが重畳体9bの折曲縁8側から切除される。重畳体9bは、図3に示すように、ガイドローラ32を通過しつつ開放縁8a側を基準にして走行することになるので、カッター31の面取り刃35が一旦折曲縁8側にセットされ位置決めされると、面取り部14は重畳体9bの折曲縁8側に正確に繰り返し形成される。
【0076】
また、カッター31の切断刃35には開放縁8aを超える延長刃34が連設されるので、図6に示すように、密封袋7を幅方向に拡張させる変更が生じて、重畳体9bの折曲縁8が開放縁8aと反対側の右方向に例えば符号8b,8cで示す位置へと移動したとしても、延長刃34が開放縁8b,8cに対峙し、かつ面取り刃35が折曲縁8側の横ヒートシール部28a,28bに隣接して生じる二つの角に合致するように、カッター31の位置をずらせることで対処することができる。したがって、密封袋7の寸法変更後もカッター31の交換をすることなく、切断作業を行うことができる。
【0077】
<実施の形態2>
図7に示すように、この実施の形態2では、密封袋40が三方シール袋として形成される。この密封袋40は、実施の形態1の場合と同様に、一辺が折曲縁8であり、三辺が開放縁であるフィルム状包材9の重畳体9bで形成され、折曲縁8と反対側の開放縁8aが縦ヒートシール部10で閉じられ、折曲縁8に交差する方向における二辺の開放縁が横ヒートシール部12,13で閉じられる。この場合も、実施の形態1と同様に開放縁8a側に非ヒートシール部15(図1参照)を形成してもよい。
【0078】
この密封袋40の製造方法について説明すると、図8に示すように、実施の形態1と同様にして、フィルム状包材9を長さ方向に送りながら同方向に平行な線上で折り返しつつ、同方向に伸びる縦ヒートシール部10を設けて筒状の重畳体9bを形成し、同方向に交差する方向に伸びる先行横ヒートシール部28aにより重畳体9bを下流側で閉じ、上流側から流動体Aを重畳体9b内に充填し、後続横ヒートシール部28bにより重畳体9bを上流側で閉じて先行と後行の横ヒートシール部28a,28b間に流動体Aを密封し、しかる後重畳体9bから密封袋40を横ヒートシール部28a,28b上で切り離すようにする。横ヒートシール部28a,28bは、図7に示した上下の横ヒートシール部12,13を重畳体9bの長さ方向に連接した形状及び大きさを有する。
【0079】
また、左右二対のヒートシール車27,27のうち、重畳体9bの右側の折曲縁8に対応したものは単なる摩擦車と交換するか、内蔵ヒータへの通電を遮断するか、右側の折曲縁8に対応したものを重畳体9bから外れた箇所に移動させることで、重畳体9bの右端のヒートシールが回避される。
【0080】
この製造方法において、カッター31は、実施の形態1と同様に、図9及び図10に示すような形状の切断刃31a及び面取り刃35を有するので、重畳体9bの折曲縁8側で横ヒートシール部13,12に隣接して生じる二つの角が切除され、そこに円弧状の面取り部14,14が図7のごとく形成される。
【0081】
また、カッター31の切断刃31aには開放縁8aを超える延長刃34が連設されるので、図10に示すように、密封袋40を幅方向に拡張させる変更があり、重畳体9bの折曲縁8が開放縁8aと反対側の右方向に例えば符号8b,8cで示す位置へと移動したとしても、延長刃34が開放縁8b,8cに対峙し、かつ面取り刃35が折曲縁8側の横ヒートシール部28a,28bに隣接して生じる二つの角に合致するように、カッター31の位置をずらせることで対処することができる。したがって、密封袋7の寸法変更後もカッター31の交換をすることなく、切断作業を行うことができる。
【0082】
なお、この実施の形態2において実施の形態1におけるものと同じ部分には同一符号を用いて示すことにより重複した説明を省略する。
【0083】
<実施の形態3>
図11(A)に示すように、この実施の形態3において、密封袋39における横ヒートシール部12,13の折曲縁8側の角には、面取り刃35aにより直線状の面取り部14a,14aが形成される。
【0084】
この面取り部14aは、同図(B)に示す切断刃31a及び面取り刃35aを用いて実施の形態1におけると同様な方法及び装置により形成することができる。
【0085】
また、延長刃34により、密封袋39の幅分に変更があった場合もカッター31の交換を行うことなく密封袋39を重畳体9bから切り離すことができる。
【0086】
なお、図7に示す三方袋に対してもこの実施の形態3と同様な直線状の面取り部14aを形成することが可能である。
【0087】
その他、この実施の形態3において、実施の形態1のものと同じ部分には同一符号を用いて示すこととし、重複した説明を省略する。
【0088】
<実施の形態4>
図12に示すように、この実施の形態4では、カッター31の切断刃31aにおける延長刃34側に、面取り刃35と対称形の面取り刃35bが延長刃34に繋がるように設けられる。
【0089】
これにより、所定幅の重畳体9bについては、その開放縁8a側において横ヒートシール部28a,28b上に隣接して生じうる二つの角にもそれぞれ面取り部を形成することができる。
【0090】
その他、この実施の形態4において、実施の形態1のものと同じ部分には同一符号を用いて示すこととし、重複した説明を省略する。
【0091】
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態1〜4に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図Aは本発明の実施の形態1に係る方法又は装置により作ることが出来る密封袋の斜視図、Bは図A中、B−B線矢視断面図である。
【図2】本発明に係る密封袋製造装置の概略立面図である。
【図3】図2中、殺菌部を省略して示した密封袋製造装置の正面図である。
【図4】図3に示した密封袋製造装置の左側面図である。
【図5】重畳体から密封袋を切り離す切断工程を示す斜視図である。
【図6】重畳体から密封袋を切り離す切断工程を示す正面図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る方法又は装置により作ることが出来る密封袋の斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る密封袋製造装置の正面図である。
【図9】重畳体から密封袋を切り離す切断工程を示す斜視図である。
【図10】重畳体から密封袋を切り離す切断工程を示す正面図である。
【図11】図Aは本発明の実施の形態3に係る方法又は装置により作ることが出来る密封袋の斜視図、図Bはカッターの切断刃を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係る密封袋製造装置で使用するカッターを示す図6と同様な正面図である。
【図13】図Aは従来の密封袋製造装置により製造される密封袋の斜視図、図Bは図A中、B−B線矢視断面図である。
【符号の説明】
【0093】
A…流動体
7,39,40…密封袋
8…折曲縁
8a…開放縁
9…フィルム状包材
9b…重畳体
10,11…縦ヒートシール部
12,13…横ヒートシール部
14,14a…面取り部
15…非ヒートシール部
16…殺菌部
19…殺菌剤吐出ノズル
27…ヒートシール車
28a…先行横ヒートシール部
28b…後続横ヒートシール部
29…ヒートシールローラ
30…充填ノズル
31…カッター
33…ガイド棒
34…延長刃
35,35a…面取り刃
38…無菌室
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム状包材を長さ方向に送りながら中央に折曲縁が生じるように二つ折りして重畳体を形成し、重畳体の開放縁を同方向に伸びる縦ヒートシール部で閉じることにより重畳体を筒状にし、この筒状になった重畳体に先行の横ヒートシール部を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内に流動体を充填し、この有底袋部内の流動体を分断するように後続の横ヒートシール部を設けて密封袋とし、この密封袋を横ヒートシール部上でカッターにより切り離す密封袋の製造方法において、上記横ヒートシール部に沿って伸びるカッターに、上記重畳体の開放縁側を超えて伸びる延長刃と、上記重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部に隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部を形成する面取り刃とを設け、この面取り刃を上記重畳体の折曲縁に位置合わせしたうえで密封袋の切り離しを行うことを特徴とする密封袋の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の密封袋の製造方法において、重畳体の開放縁側に縦ヒートシール部から食み出すように非ヒートシール部を形成することを特徴とする密封袋の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の密封袋の製造方法において、重畳体の折曲縁にも縦ヒートシール部を形成することを特徴とする密封袋の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の密封袋の製造方法において、面取り部を円弧状に形成することを特徴とする密封袋の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の密封袋の製造方法において、面取り部を直線状に形成することを特徴とする密封袋の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の密封袋の製造方法において、フィルム状包材は予め殺菌し、この殺菌したフィルム状包材の供給から密封袋の形成までの工程を無菌雰囲気下で行うことを特徴とする密封袋の製造方法。
【請求項7】
フィルム状包材を長さ方向に送りながら中央に折曲縁が生じるように二つ折りして重畳体を形成する重畳体形成手段と、重畳体の開放縁を同方向に伸びる縦ヒートシール部で閉じることにより重畳体を筒状にする縦ヒートシール手段と、この筒状になった重畳体に先行の横ヒートシール部を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内の流動体を分断するように後続の横ヒートシール部を設けて密封袋を形成する横ヒートシール手段と、上記有底袋部内に流動体を充填する充填手段と、密封袋を横ヒートシール部上で切り離すカッターとを包含してなる密封袋の製造装置において、上記横ヒートシール部に沿って伸びるカッターに、上記重畳体の開放縁側を超えて伸びる延長刃と、上記重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部に隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部を形成する面取り刃とが設けられ、この面取り刃が上記重畳体の折曲縁に位置合わせされたうえで密封袋の切り離しが行われるようにしたことを特徴とする密封袋の製造装置。
【請求項8】
請求項7に記載の密封袋の製造装置において、重畳体の折曲縁に縦ヒートシール部を形成する第二の縦ヒートシール手段が設けられたことを特徴とする密封袋の製造装置。
【請求項9】
請求項7に記載の密封袋の製造装置において、面取り刃が、重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部に隣接して生じる二つの角にそれぞれ円弧状の面取り部を形成するように設けられたことを特徴とする密封袋の製造装置。
【請求項10】
請求項7に記載の密封袋の製造装置において、面取り刃が、重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部に隣接して生じる二つの角にそれぞれ直線状の面取り部を形成するように設けられたことを特徴とする密封袋の製造装置。
【請求項11】
請求項7に記載の密封袋の製造装置において、フィルム状包材の上流側に殺菌手段が設けられ、この殺菌手段により殺菌されたフィルム状包材が密封袋となるまでの経路が無菌室で囲まれていることを特徴とする密封袋の製造装置。
【請求項1】
フィルム状包材を長さ方向に送りながら中央に折曲縁が生じるように二つ折りして重畳体を形成し、重畳体の開放縁を同方向に伸びる縦ヒートシール部で閉じることにより重畳体を筒状にし、この筒状になった重畳体に先行の横ヒートシール部を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内に流動体を充填し、この有底袋部内の流動体を分断するように後続の横ヒートシール部を設けて密封袋とし、この密封袋を横ヒートシール部上でカッターにより切り離す密封袋の製造方法において、上記横ヒートシール部に沿って伸びるカッターに、上記重畳体の開放縁側を超えて伸びる延長刃と、上記重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部に隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部を形成する面取り刃とを設け、この面取り刃を上記重畳体の折曲縁に位置合わせしたうえで密封袋の切り離しを行うことを特徴とする密封袋の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の密封袋の製造方法において、重畳体の開放縁側に縦ヒートシール部から食み出すように非ヒートシール部を形成することを特徴とする密封袋の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の密封袋の製造方法において、重畳体の折曲縁にも縦ヒートシール部を形成することを特徴とする密封袋の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の密封袋の製造方法において、面取り部を円弧状に形成することを特徴とする密封袋の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の密封袋の製造方法において、面取り部を直線状に形成することを特徴とする密封袋の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の密封袋の製造方法において、フィルム状包材は予め殺菌し、この殺菌したフィルム状包材の供給から密封袋の形成までの工程を無菌雰囲気下で行うことを特徴とする密封袋の製造方法。
【請求項7】
フィルム状包材を長さ方向に送りながら中央に折曲縁が生じるように二つ折りして重畳体を形成する重畳体形成手段と、重畳体の開放縁を同方向に伸びる縦ヒートシール部で閉じることにより重畳体を筒状にする縦ヒートシール手段と、この筒状になった重畳体に先行の横ヒートシール部を設けて有底袋部を形成し、この有底袋部内の流動体を分断するように後続の横ヒートシール部を設けて密封袋を形成する横ヒートシール手段と、上記有底袋部内に流動体を充填する充填手段と、密封袋を横ヒートシール部上で切り離すカッターとを包含してなる密封袋の製造装置において、上記横ヒートシール部に沿って伸びるカッターに、上記重畳体の開放縁側を超えて伸びる延長刃と、上記重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部に隣接して生じる二つの角にそれぞれ面取り部を形成する面取り刃とが設けられ、この面取り刃が上記重畳体の折曲縁に位置合わせされたうえで密封袋の切り離しが行われるようにしたことを特徴とする密封袋の製造装置。
【請求項8】
請求項7に記載の密封袋の製造装置において、重畳体の折曲縁に縦ヒートシール部を形成する第二の縦ヒートシール手段が設けられたことを特徴とする密封袋の製造装置。
【請求項9】
請求項7に記載の密封袋の製造装置において、面取り刃が、重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部に隣接して生じる二つの角にそれぞれ円弧状の面取り部を形成するように設けられたことを特徴とする密封袋の製造装置。
【請求項10】
請求項7に記載の密封袋の製造装置において、面取り刃が、重畳体の折曲縁側の横ヒートシール部に隣接して生じる二つの角にそれぞれ直線状の面取り部を形成するように設けられたことを特徴とする密封袋の製造装置。
【請求項11】
請求項7に記載の密封袋の製造装置において、フィルム状包材の上流側に殺菌手段が設けられ、この殺菌手段により殺菌されたフィルム状包材が密封袋となるまでの経路が無菌室で囲まれていることを特徴とする密封袋の製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−239194(P2008−239194A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−81311(P2007−81311)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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