説明

密封装置

【課題】トルク荷重の低減を図った密封装置を提供する。
【解決手段】シャフト12と孔14との間を封止するための密封装置であって、シャフト12に取り付けられるように構成された内側ケース部材18と、孔14に取り付けられるように構成された外側ケース部材20と、内側ケース部材18に取り付けられたシール要素22とを備えており、前記シール要素22が、前記内側ケース部材18へと取り付けられたベース部22aと、ベース部22aから伸びる膜部22bと、膜部22bから軸方向に伸びる軸方向部22cと、軸方向部22cから外径方向に伸び、外側ケース部材20の径方向に伸びる部位に密着するシールリップ22dとを備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高回転によってシールが浮き上がる摩擦の少ないゼロトルク型の密封装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ここでは、背景技術を開示するが、かかる技術は必ずしも従来技術ではない。
【0003】
運動用シールは、一般的に、軸受に組み合わせられて、軸受への外部の環境からの水や埃の進入を防止するために使用される。このシールは、軸受から外部への潤滑剤の漏れを防止するためにも使用される。回転軸系へと加わるシールによるトルクの大きさが、系の性能を妨げる可能性がある寄生的な損失となる。したがって、運動用シールによって加えられるトルク荷重の大きさは、封止機能を適切に果たすためのシールの能力と釣り合うように設定される。
【0004】
運動用シールにおける従来の設計において、水や埃の進入の防止という機能を適切に果たすことが証明されている。しかしながら、従来例に係る運動用シールにおいては、トルク荷重が約30ポンド/インチまたはそれ以上になる可能性がある。従来例に係る運動用シールは、多くの場合に、シールリップに荷重を付加するためにガータースプリングを必要とすることがあり、これがトルク荷重を増やすとともに、シールの設計にさらなるコストが増す要因にもなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第3627390号公報
【特許文献2】米国特許第4572516号公報
【特許文献3】米国特許第6722657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、トルク荷重の低減を図った密封装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、シャフトと孔との間を封止するための低摩擦またはゼロ摩擦のシールであって、シャフトに取り付けられるように構成された内側ケースを備えるシールを提供する。外側ケースが、孔に取り付けられるように構成されている。シール要素は、内側ケースに取り付けられ、この内側ケースへと取り付けられるベース部を備えている。膜部が、前記ベース部から伸び、シールリップが、この膜部から伸び、前記外側ケースに密着する。シャフトが回転すると、遠心力が膜部を曲げるように作用し、シールが外側ケースから浮き上がって、加えられるトルク荷重がゼロになる点まで、この運動用シールによるトルク荷重が減少する。
【0008】
さらなる応用の分野が、以下に提示される説明から明らかになるであろう。この概要における説明および具体的な例は、あくまでも例示を目的としており、本発明の技術的範囲を限定しようとするものではない。
【0009】
以下に説明される図面は、考えられるすべての実施例ではなくて、選り抜きの実施形態だけを例示する目的のためのものであり、本発明の技術的範囲を限定しようとするもので
はない。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、トルク荷重の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態1に係る密封装置の装着状態を示す模式的断面図である。
【図2】図1に示す密封装置の一部破断斜視図である。
【図3】図1に示す密封装置における力に関する図である。
【図4】本発明の実施形態2に係る密封装置の模式的断面図である。
【図5】図4に示す密封装置中のシールリップの模式的断面図である。
【図6】本発明の実施形態3に係る密封装置の模式的断面図である。
【図7】図示の実施形態に従って構成された典型的な密封装置のトルク−回転速度のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
典型的な実施形態を、添付の図面を参照してさらに詳しく説明する。以下の実施形態において用いる複数の図の全体を通して、類似の部分は類似の参照符号によって指し示されている。
【0013】
典型的な実施形態は、本明細書が詳細なものになって、本発明の技術的範囲を当業者に充分に伝達するように提示される。特定の構成部品、装置、および方法の例など、多数の具体的詳細が、本発明の実施形態の完全な理解をもたらすために記載される。そのような具体的詳細を必ずしも採用する必要がなく、典型的な実施形態を多数の異なる形態にて具現化することができ、いずれも本発明の技術的範囲を限定するものとして解釈されてはならないことは、当業者にとって明らかであろう。
【0014】
本明細書において使用される用語は、あくまでも特定の典型的な実施形態を説明する目的のためのものであり、本発明を限定しようとするものではない。
【0015】
ある要素または層が、別の要素または層の「上に」ある、別の要素または層に「係合」している、別の要素または層に「接続」されている、あるいは別の要素または層に「組み合わせ」られていると称される場合、そのような要素または層は、そのような別の要素もしくは層に直接的に当接、直接的に係合、直接的に接続されてもよく、直接的に組み合わせられてもよく、または介在の要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、ある要素が、別の要素もしくは層に「直接的に当接する」、「直接的に係合する」、「直接的に接続される」、または「直接的に組み合わせられる」と称される場合、介在の要素または層は存在できない。要素間の関係を表すために使用される他の用語も、同様の方法で解釈されなければならない(例えば、「・・・の間」と「・・・の間に直接的に」や、「隣接」と「直接的に隣接」、など)。
【0016】
「内側」、「外側」、などといった空間的関係を示す用語は、本明細書において、図面に示されているとおりのある要素または特徴の別の要素または特徴に対する関係を表すための説明を、容易にするために使用されることがある。空間的関係を示す用語は、図面に示されている向きに加えて、使用時または動作時の装置の種々の向きも包含するように意図されることもある。
【0017】
(実施形態1)
次に、図1および2を参照して、低トルク/ゼロトルク型の密封装置としてのメンブレンシールアセンブリ10を説明する。メンブレンシールアセンブリ10は、回転シャフト
12とハウジングまたは他の構造体に配置される孔14との間の環状隙間を封止するために設けられる。メンブレンシールアセンブリ10が、孔14内に配置される軸受部16に隣接して配置され得る。
【0018】
メンブレンシールアセンブリ10は、シャフト12に対して、摩擦力または他の方法(圧入または接着剤など)により固定される内側ケース部材18と、孔14内に摩擦力または他の方法(圧入または接着剤など)により固定される外側ケース部材20とを備えている。シール要素22が、内側ケース部材18に固定して取り付けられ、外側ケース部材20に対して密着している。シール要素22は、エラストマから製作することができるが、プラスチック、複合材料、金属、および他の材料も使用可能である。
【0019】
内側ケース部材18は、環状の形状であり、内側には、シャフト12に対して摩擦を伴って嵌る内面を有している略円筒部18aを備える。内側ケース部材18は、略円筒部18aの一端から外径方向に向かって伸びる外壁18bを備える。さらに、内側ケース部材18は、略円筒部18aのもう一方の端部から外径方向に向かって伸びる内壁18cを備える。
【0020】
外側ケース部材20は、環状の形状であり、孔14に対して摩擦を伴って嵌るように構成された略円筒形状の外壁20aを備える。内径方向に向かって伸びる壁20bが、外壁20aから内側へ伸びるように設けられている。この壁20bの表面20cにシール要素22が密着する。フック形状部20dは、上記の内径方向に向かって伸びる壁20bの内径方向側の端部に配置されており、上記のシール要素22に向かって外径方向に斜めに伸びるように構成されている。フック形状部20dが、外部からシール要素22付近を通過する流体または屑を阻止するラビリンスを形成する。さらに、外側ケース部材20は、内側ケース部材18の外壁18bに向かって伸びる軸方向の延長部20eを備えている。ダストリップ24は、外壁18bの外側端にオプション的に配置することができ、外壁18bと外側ケース部材20の軸方向の延長部20eとの間の隙間に向かって、このすき間26を覆うように設ける。さらなる遮蔽部28は、オプション的に内側ケース部材18の内壁18cに配置され、内壁18cと外側ケース部材20の内径方向に向かって伸びる壁20bとの間のすき間30を遮蔽することができる。ダストリップ24および遮蔽部28は、さまざまな形態を採用し得る。
【0021】
ダストリップ24および遮蔽部28は、エラストマ材料から製作することができ、内側ケース部材18に固定された金属製のベースリングに取り付けることができ、あるいは他の方法で内側ケース部材18に取り付けることができる。シール要素22は、内側の略円筒部18aに固定されるベース部22aを備える。膜部22bが、ベース部22aから径方向に拡がっている。軸方向部22cが、膜部22bから延びており、シールリップ22dが、軸方向部22cから外径方向に拡がり、外側ケース部材20の内径方向に向かって伸びる壁20bに密着している。径方向に伸びる羽根32を、軸方向部22cから伸びるようにオプション的に設けることができる。この羽根32は、シールリップ22dの領域に空気の乱れをもたらし、屑をシールリップ22dと表面20cとの間の境界の領域から遠ざかるように案内することができる。軸方向部22cは、膜部22bに比べて厚い。図3の力の概略図を参照すると、膜部22bは、0〜45度の間の角度によって、シャフト12の軸線の垂直な面に対して角度αだけ傾くように設けられる。
【0022】
膜部22bと軸方向部22cは、相対的な高速回転においてトルク荷重を小さくし、および/またはトルク荷重をゼロにするための適切な程度の柔軟性をもたらすために、厚さに対する長さの比を少なくとも4とする。
【0023】
図3を参照して、更なる態様について説明する。
【0024】
膜部22bの軸方向の剛性Kaxialは、[M/(L・cosα・Int)]よりも小さい。
【0025】
ここで、Fは等価軸方向力であり、αは膜部22bの向き(角度)であり、Lは膜部22bの長さであり、Mは膜部の支点への遠心力によって生じるモーメントであり、Δは軸方向へのゴム製の膜部のたわみであり、Intはシールリップと金属ケースにおける密着面との初期の干渉力とする。
【0026】
すると、
Δ=Faxial/Kaxial
M=Faxial・L・cosα
Δ=M/(L・cosα・Kaxial
となる。
【0027】
動作時、シャフト12の回転速度が増すにつれて、軸方向部22cには、膜部22bを径方向に真っ直ぐにしようと作用する遠心力が働く。これにより、シャフト12の回転速度が増すにつれて、対向する外側ケース部材20の表面20cに加えられるシール力が減少し、トルク荷重が減少する。オプション的に設けられるダストリップ24および遮蔽部28も、同様に、遠心力によって、これらの部材は浮いて非接触状態となる。
【0028】
図7には回転速度に対するトルク荷重をグラフ化したものが示されている。この図から、回転速度が充分に大きくなると、シールリップが対向する表面から浮き上がり、メンブレンシールアセンブリ10によって加えられるトルク荷重が、回転速度の増加につれてゼロになるまで連続的に減少することが分かる。図7に示したグラフにおいて、グラフの一番上の線が、20℃におけるシール要素と接触面との間の干渉力が最大の場合を示している。一番下の線は、当該干渉力が最小の場合でありトルク荷重が小さな場合を示している。真ん中の線は、本実施形態に係るメンブレンシールにおける基準となる干渉力の場合のトルク荷重を示している。測定されたトルク荷重の値から分かるように、回転速度がゼロのときのトルク荷重の範囲は、従来技術に係る運動用シールの場合には30ポンドインチ程度になり得たのに対して、大幅に低い約1〜2ポンドインチの範囲である。低速回転における摩擦トルクの低減に加えて、本実施形態の原理によるメンブレンシールアセンブリ10は、500〜800rpmの範囲の相対的な高速回転において、干渉の程度に応じて、トルク荷重を軽減および/またはゼロにすることができる。
【0029】
(実施形態2)
次に、図4および5を参照し、代案(実施形態2)の密封装置としてのメンブレンシールアセンブリ110を説明するが、実施形態1の構成要素と同じまたは類似の構成要素を説明するために、同じまたは類似の参照符号が使用される。メンブレンシールアセンブリ110においては、シール要素122のベース部122aが、内側ケース部材18における外径方向に向かって伸びる外壁18bに取り付けられる。さらに、膜部には、ベース部122aから略軸方向に伸びる軸方向部122bと、軸方向部122bの端部から外径方向に伸びる径方向部122cとを備える屈曲部を有する。比較的厚いマス部分122dが、径方向部から延びており、シールリップ122eが、比較的厚いマス部分122dから延びて、外側ケース部材20における内径方向に向かって伸びる壁20bに係合している。シール要素122は、オプション的に、放射状に延びる一連の羽根126を、周方向に間隔を空けつつ備えることができ、シャフト12の回転時にシールの境界の領域に空気の乱れを生じさせて屑をシールの境界から遠ざかるよう逸らすことができる(図6参照)。
【0030】
このメンブレンシールアセンブリにおいては、図4および5に示されるとおり、マス部
分122dが、高速回転において遠心力に反応し、膜部122b,122cを外径方向へと曲げて、高速回転におけるシールリップ122eのトルク荷重を軽減するように設計されている。マス部分122dに、マス部分122dの剛性を下げるためのスリットを形成することも考えられる。さらには、シール要素122の占める空間を減らすために、追加のマスを、シール要素122の材料よりも高い密度を有する金属または他の材料を使用することによって、マス部分122dにインサート成形することもできる。膜部122b,122cは、柔軟であるように設計され、所望の柔軟性を達成するために、厚さに対する長さ(総和の長さ)の比を少なくとも4とする。メンブレンシールアセンブリ110もメンブレンシールアセンブリ10と同様に、トルク荷重が軽減、および/またはゼロになる。
【0031】
(実施形態3)
図6を参照して実施形態3に係る密封装置について説明する。図6には、外壁18bに配置され、外壁18bと外側ケース部材20における軸方向に伸びる外壁20aとの間に配置されたすき間26に向かって、このすき間26を覆うように延びるように設けられる、オプション的なダストリップ24を備えるメンブレンシールアセンブリ110が示されている。さらなる遮蔽部28を、オプション的に、内壁18cと外側ケース部材の内径方向に向かって伸びる壁20bとの間のすき間30を遮蔽するために、内側ケース部材18の内壁18cに配置することができる。
【0032】
以上の実施形態の説明は、例示および説明を目的として提示されている。以上の説明は、すべてを述べ尽くすものでも、本発明を限定しようとするものでもない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、通常は、その特定の実施形態に限られず、たとえ具体的には図示または説明されていなくても、適宜に入れ換え可能であり、適宜に選択された実施形態において使用することが可能である。また、個々の要素または特徴を、多数の方法で変更することが可能である。そのような変形例は、本発明から逸脱するものとは考えられず、そのような変更のすべてが、本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0033】
10 メンブレンシールアセンブリ
12 シャフト
14 孔
16 軸受部
18 内側ケース部材
18a 略円筒部
18b 外壁
18c 内壁
20 外側ケース部材
20a 外壁
20b 壁
20c 表面
20d フック形状部
20e 延長部
22 シール要素
22a ベース部
22b 膜部
22c 軸方向部
22d シールリップ
24 ダストリップ
26 すき間
28 遮蔽部
32 羽根
110 メンブレンシールアセンブリ
122 シール要素
122a ベース部
122b 軸方向部
122b,122c 膜部
122c 径方向部
122d マス部分
122e シールリップ
126 羽根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと孔との間を封止するための密封装置であって、
シャフトに取り付けられるように構成された内側ケースと、
孔に取り付けられるように構成された外側ケースと、
前記内側ケースに取り付けられたシール要素と
を備えており、
前記シール要素が、前記内側ケースへと取り付けられたベース部と、前記ベース部から伸びる膜部と、前記膜部から軸方向に伸びる軸方向部と、該軸方向部から外径方向に伸び、前記外側ケースの径方向に伸びる部位に密着するシールリップとを備えている密封装置。
【請求項2】
前記軸方向部が、前記膜部よりも厚い請求項1に記載の密封装置。
【請求項3】
シャフトの回転速度が低いとき、前記シールリップが、前記外側ケースの径方向に伸びる部位に密着し、シャフトの回転速度が高くなると、前記シールリップが、前記外側ケースの径方向に伸びる部位から浮き上がる請求項1に記載の密封装置。
【請求項4】
前記外側ケースは、前記径方向に伸びる部位の内側端から前記シール要素に向かって伸びる斜めの壁部分を備えている請求項1に記載の密封装置。
【請求項5】
回転していないとき、前記シールリップが、該シールリップの表面の大部分において前記外側ケースの径方向に伸びる部位に密着している請求項1に記載の密封装置。
【請求項6】
前記シール要素の前記膜部が、前記シャフトの軸線に対する垂直面に対して斜めに配置されている請求項1に記載の密封装置。
【請求項7】
前記内側ケースが、前記外側ケースに向かって伸びるダストリップを端部に備えるように外径方向に伸びる部位を備えている請求項1に記載の密封装置。
【請求項8】
前記内側ケースが、前記外側ケースにおける前記径方向に伸びる部位の前記シール要素とは反対側に、外径方向に伸びる部位を備えている請求項1に記載の密封装置。
【請求項9】
前記膜部が、厚さに対する長さの比が少なくとも4である請求項1に記載の密封装置。
【請求項10】
前記膜部が、前記内側ケースにおける前記径方向に伸びる部位から軸方向に伸びる軸方向部と、該軸方向部の端部から外径方向に伸びる径方向部とを備えている請求項1に記載の密封装置。
【請求項11】
シャフトと孔との間を封止するための密封装置であって、
シャフトに取り付けられるように構成された内側ケースと、
孔に取り付けられるように構成された外側ケースと、
前記内側ケースに取り付けられたシール要素と
を備えており、
前記シール要素が、前記内側ケースへと取り付けられたベース部と、前記ベース部から伸びる膜部と、前記膜部から軸方向に伸び、前記膜部よりも厚い厚さを有しているマス部分と、該マス部分から伸び、前記外側ケースに密着するシールリップとを備えている密封装置。
【請求項12】
シャフトの回転速度が低いとき、前記シールリップが、前記外側ケースに密着し、シャ
フトの回転速度が高くなると、前記シールリップが、前記外側ケースから浮き上がる請求項11に記載の密封装置。
【請求項13】
前記シールリップが、該シールリップの表面の大部分において前記外側ケースの径方向に伸びる部位に密着している請求項11に記載の密封装置。
【請求項14】
前記シール要素の前記膜部が、前記シャフトの軸線に対する垂直面に対して斜めに配置されている請求項11に記載の密封装置。
【請求項15】
前記内側ケースが、前記外側ケースに向かって伸びるダストリップを端部に備えるように外径方向に伸びる部位を備えている請求項11に記載の密封装置。
【請求項16】
前記内側ケースが、前記外側ケースにおける前記径方向に伸びる部位の前記シール要素とは反対側に、外径方向に伸びる部位を備えている請求項11に記載の密封装置。
【請求項17】
前記膜部が、厚さに対する長さの比が少なくとも4である請求項11に記載の密封装置。
【請求項18】
シャフトと孔との間を封止するための密封装置であって、
シャフトに取り付けられるように構成された内側ケースと、
孔に取り付けられるように構成され、内径方向に伸びる部位を備えている外側ケースと、
前記内側ケースに取り付けられたシール要素と
を備えており、
前記シール要素が、前記内側ケースへと取り付けられたベース部と、前記ベース部から伸びる膜部と、前記膜部から軸方向に伸び、前記膜部よりも厚い厚さを有しているマス部分と、該マス部分から伸び、前記外側ケースにおける前記内径方向に伸びる部位に密着するシールリップとを備えており、
前記外側ケースが、前記内径方向に伸びる部位の内側の端部から前記シール要素に向かって外径方向に伸びるフック部を備えている密封装置。
【請求項19】
シャフトの回転速度が低いとき、前記シールリップが、前記外側ケースにおける前記内径方向に伸びる部位に密着し、シャフトの回転速度が高くなると、前記シールリップが、前記外側ケースにおける前記内径方向に伸びる部位から浮き上がる請求項18に記載の密封装置。
【請求項20】
前記膜部が、厚さに対する長さの比が少なくとも4である請求項18に記載の密封装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−63012(P2012−63012A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200098(P2011−200098)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000004385)NOK株式会社 (1,527)
【Fターム(参考)】