説明

密度勾配を有する複合金属層を含む導電性微粒子、該導電性微粒子の製造方法および該導電性微粒子を含む異方性導電接着剤組成物

【課題】本発明は、電気接続構造体として有用で、優れた電気的信頼性を有する異方導電性微粒子を提供する。さらに、本発明は、高分子樹脂基材微粒子と、該高分子樹脂基材微粒子の基材表面に形成された、導電性複合金属メッキ層とを含む導電性微粒子の製造方法であって、前記導電性複合金属メッキ層が、実質的に連続的な密度勾配を有し、ニッケル(Ni)と金(Au)からなる特徴とする導電性微粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】高分子樹脂基材微粒子と、前記高分子樹脂基材微粒子の表面に無電解メッキによって形成された、少なくとも2種の金属からなる導電性複合金属メッキ層を含む導電性微粒子であって、前記導電性複合金属メッキ層は、前記高分子樹脂基材微粒子から連続密度勾配を有することを特徴とする導電性微粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的接続用異方性導電接着剤フィルムに用いた時に、優れた導電性を発現する、導電度に優れかつ電気接続信頼性が高い異方性導電微粒子に関する。さらに本発明は、高分子樹脂基材微粒子上に、密度勾配を有するNi-Au連続複合金属メッキ層を形
成することを含む導電性微粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ(LCD)パネルのITO電極と駆動用LSIとの接続、LSIチップと回路基板との接続、そして微細パターン電極端子間の接続など、電子機器類における微小部位間の電気接続のために、導電性樹脂材料、あるいはプラスチック導電材料が使用されている。特に、電極間の電気接触と信頼性のある接続を確保するために異方性導電フィルムが利用されているが、近年、ピッチ間隔が狭くなるにつれ、導電フィルムにおいて異方導電性を付与する導電性微粒子の導電性能と密着性、分散性、含有量などが重要になってきている。
【0003】
例えば、導電性微粒子としての樹脂/金属複合微粒子は、異方性導電フィルムの特定用途に応じて、Ni微粒子、Ni/Au複合微粒子、またはプラスチック微粒子を基材微粒
子とし、その表面に金属薄層を形成することにより製造できる。
【0004】
無電解メッキは、プラスチック微粒子を含む導電性樹脂/金属複合微粒子を製造するた
めに用いられてきた。通常、導電性樹脂/金属複合微粒子は、基材微粒子または基材粉末を、例えば、脱脂、エッチングおよび感受性化処理、触媒化処理、還元剤処理などで前処理し、その後無電解メッキ処理することにより製造することができる(特許文献1:特許
第2,507,381号、特許文献2:特公1994-096771号公報、特許文献3:
特開1990-024358号公報、特許文献4:特開2000-243132号公報、特許文献5:特開2003-064500号公報、特許文献6:特開2003-068143号公報)。このとき、導入しようとする金属の種類および個数に応じて最終的に得られる
微粒子の電気的/物理化学特性は異なるが、一般にNi/Auの2層複合金属層が利用される(特許文献7:特開1999-329060号公報、特許文献4:特開2000-243
132号公報)。
【0005】
プラスチック基材微粒子を用いた金属メッキされた微粒子の中でも、通常Ni/Auの
連続的な金属層が採用される理由としては、Niが無電解メッキによる金属薄層への形成が容易であり、Auを置換メッキによりメッキしたNi表面にメッキすることができ、Auの導電特性が非常に優れていて半導体およびその他実装接続部位において安定した通電特性を示すことが挙げられる。
【0006】
特開2000-243132号公報(特許文献4)には、無電解メッキによりプラスチッ
ク基材粒子上に実質的に連続なNi層を形成して、置換メッキにより該Ni層上にAuを形成するNi/Auの複合メッキ層の形成が開示されている。
ここで、前記「実質的な連続なNi層」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて倍率5,000倍〜10,000倍で観察した時に見られる、メッキ工程中の微細なNi微粒子の沈積により形成される厚さ5nm以上のメッキ層であって、該実質的な連続なNi層の形成はAu層導入のために必須である。基材粒子とのメッキ密着性を考慮する場合、実際には、厚さの少なくとも約50nm〜70nm以上のNi層が通常導入される。
【0007】
しかし、上述のような規定の厚さ範囲内のNiメッキ層を含む導電性粒子が電極間に介在されており、圧力によって10%以上変形される場合、前記プラスチック微粒子と前記Ni層との間で剥離現象が発生する。10%を越えて圧縮変形させ続けると、このような剥離現象がNi層の破裂につながり、結果的には、異方性導電フィルムの電気接続不良を起こす原因となる。このような剥離現象の原因は、Ni層がプラスチック微粒子に比べて相対的に硬質性であり、また相対的に低い弾性率を有することにある。従って、Ni層の厚さを最小限に維持しながらも、プラスチック微粒子との密着性に優れ、かつ電気特性に優れるNi-Auの複合導電層が要求されている。
【特許文献1】:特許第2,507,381号
【特許文献2】:特公1994-096771号公報
【特許文献3】:特開1990-024358号公報
【特許文献4】:特開2000-243132号公報
【特許文献5】:特開2003-064500号公報
【特許文献6】:特開2003-068143号公報
【特許文献7】:特開1999-329060号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、均一な大きさの高分子微粒子と、該高分子微粒子の表面に無電解メッキにより形成された、Ni-Au導電性複合金属メッキ層とを含む導電性微粒子を提供す
ることである。
【0009】
本発明の他の目的は、高分子微粒子と、該高分子微粒子の表面によく密着したNi-A
u導電性複合金属メッキ層とを含む導電性微粒子を提供することである。
本発明のまた他の目的は、高分子微粒子の表面との密着性が優れたものとなるような密度勾配を有するNi-Au導電性複合金属メッキ層を提供することである。
【0010】
本発明のまた他の目的は、高分子微粒子と、Ni−Au複合金属メッキ層とを含む導電性微粒子であって、該Ni−Au複合金属メッキ層が前記高分子微粒子の表面との密着性に優れ、導電性が高く、厚さ調節が容易な導電性微粒子を提供することである。
【0011】
本発明のまた他の目的は、導電性微粒子を含む異方性導電フィルムであって、前記導電性微粒子が、重合体微粒子と、該重合体微粒子の表面との密着性に優れ、かつ導電性に優れるNi-Au複合金属メッキ層を含む異方導電性フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記本発明の目的およびその他本願発明の目的を以下に説明する。
本発明の一つの態様によれば、高分子樹脂基材微粒子と、該高分子樹脂基材微粒子の表面に無電解メッキによって形成された、少なくとも2種の金属からなる導電性複合金属メッキ層とを含む導電性微粒子であって、前記導電性複合金属メッキ層が、前記高分子樹脂基材粒子から連続的な密度勾配を有することを特徴とする導電性微粒子が提供される。
【0013】
前記導電性複合金属メッキ層は、Ni、Ni-P、Ni-B、Au、Ag、TiおよびCuの中から選択される2種または3種の金属からなることが好ましい。
また、前記連続的な密度勾配を有する導電性複合金属メッキ層の厚さは、0.01μm
〜1μmであることを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記高分子樹脂基材微粒子は、平均粒径が1μm〜1,000μmであり
、粒径分布が前記平均粒径の90〜110%の範囲内である。
前記連続的な密度勾配を有する導電性複合金属メッキ層は、厚さのばらつきが、前記高
分子樹脂基材微粒子の平均厚さの0.01〜50%の範囲内であることが好ましい。
【0015】
前記高分子微粒子は、ジビニルベンゼン、1,4-ジビニルオキシブタン、ジビニルス
ルホン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテートを含むアリル化合物、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(
メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロール
トリ(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種の架橋性単量体を単独重合、または共重合することにより、または、前記架橋性単量体とアクリル系単量体、またはスチレン系単量体とを共重合することより製造することができる。本発明の導電性微粒子は、前記高分子微粒子が、ラジカル重合が可能な高分子化合物からなることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の別の態様によれば、導電性微粒子の製造方法であって、前記導電性微粒子が、高分子樹脂基材微粒子と、該高分子樹脂基材微粒子の表面に無電解メッキによって形成された、少なくとも2種の金属からなる導電性複合金属メッキ層とを含むことを特徴とする導電性微粒子の製造方法が提供される。より詳細には、前記導電性微粒子の製造方法は、前記高分子微粒子を無電解ニッケルメッキ溶液に分散させた後、Niメッキ層を形成する間に、無電解金メッキ溶液を前記無電解ニッケルメッキ溶液に連続的に供給して、無電解連続メッキにより前記高分子微粒子上に複合金属層を形成することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の別の態様によれば、前記導電性微粒子を含むことを特徴とする異方性導電接着剤組成物が提供される。
さらに、本発明の別の態様によれば、前記導電性微粒子含む異方性導電フィルムであって、前記導電性微粒子が、前記異方性導電フィルム中に、1,000〜100,000個/
mm2の量で含有されることを特徴とする異方導電性フィルムが提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明のNi、Auの連続的な密度勾配を有する導電性微粒子によれば、硬質Ni層の厚さが最小化され、さらに相対的に柔軟なAuの領域とNi層とが、導電性複合金属メッキ層のある厚さから共存しているので、前記導電性複合金属メッキ層の柔軟性および密着性が維持されると共に、破裂による電気接続性の悪化を防止することができる。加えて、本発明の導電性微粒子は、従来の導電性微粒子に比べて、厚さの薄い金属層を含むため、最終的に得られる導電性微粒子の比重を小さくすることができるという長所があり、これにより異方性導電接着剤に分散させるとき、単位重量当たりの導電性微粒子の個数を増加させることができる。
【0019】
さらに、金属メッキ工程において、ニッケルメッキ後のろ過が省略できるので、生産性を向上させ、導入する金属の損失を回避でき、コストを削減できる。さらに、ろ過中に生じる摩擦に起因する被膜金属の剥離現象の発生や形成された被膜との緻密性が損なわれることを防ぐことができるため、接続のために圧縮した後でさえも、優れた導電性を維持でき、その結果、異方導電性フィルムの品質を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明の導電性粒子は、高分子微粒子の表面に、無電解連続複合メッキにより形成されたNi-Au金属複合メッキ層を含む。前記導電性粒子の最外部はAuからなる。本発明
の導電性微粒子は、垂直方向に基材微粒子から最外部の金属層まで、連続的なNiおよび
Auの密度勾配を有する。したがって、本発明に係る導電性粒子の複合メッキ層は、Ni-Au二重メッキにより製造された従来の導電性粒子のNi層と比べると、基材微粒子に
対する接着性が改善されていることを示し、かつ、伝導性の高い層の形成が可能である。また、本願発明の導電性微粒子では、軟質のAu領域とNi領域とが混在しているので、従来の導電性微粒子のNi−Au不連続複合二重層メッキ層とは異なり、如何なる圧力下でも導電性金属薄層の破壊現象を著しく避けることができる。
【0021】
ここで、「密着性」とは、導電性微粒子が圧縮変形した後に、基材粒子と金属層との間で発生する剥離の程度を意味するものであり、異方性導電フィルムを接続後、電極と電極との間に位置する導電性微粒子の断面を観測することによって確認することができる。
【0022】
無電解連続複合メッキ法により形成された連続的な密度勾配を有する複合金属薄層は、必ずしもNi-Au層に限定されるものではない。無電解メッキによってメッキ層を形成
することができる金属類としては、例えば、Ni、Ni-P、Ni-B、Au、Ag、Ti、Co、Nb、Cuおよびその混合物が挙げられる。前記複合金属箔層は、2種または3種の金属からなることが好ましい。しかし、触媒毒性を有する金属、例えば、Bi、Sb、As、Cd、Zn、Mn、およびPbなどは望ましくない。
【0023】
本発明に用いられる連続複合メッキにより、高分子微粒子の上に金属メッキを形成して導電性を付与するメッキ工程で、均一な厚さと緻密なメッキとを実現することができる。その結果、導電性微粒子の導電度を一定に維持することができる。前記メッキ工程において均一な厚さと緻密なメッキ性とを実現できるように、無電解Ni金属被覆メッキと無電解Auメッキとを同時に施すことによって、Niメッキ層とAuメッキ層とから密度勾配を有する連続複合メッキ層を形成することが可能になる。加えて、導電性微粒子に高い導電性を付与するため、該導電性微粒子の最外部はAuメッキ層からなる。その結果、本発明の導電性微粒子は、優れた電気的特性と優れた層間密着性を示す。
【0024】
無電解メッキにより形成される連続的な複合メッキ層の厚さは、0.005μm〜10
μmの範囲とすることができる。狭いピッチ間隔の電極接続に必要となる微粒子の大きさが約1μm〜10μmであることを考慮すると、連続的な複合メッキ層の厚さは、0.0
1μm〜1μmの範囲であることが好ましい。また、メッキ層の厚さの均一性は、導電性微粒子自体の単分散性を大きく損なわない範囲にあることが重要である。基材微粒子全表面にわたって形成された連続複合メッキ層の平均厚さのばらつきは、0.01〜50%に
あることが好ましい。平均厚さのばらつきが、50%を越える場合は、導電性微粒子の均一度が低下するため、異方性導電フィルム内部での均一な電極接続の実現が難しくなる。
【0025】
図1は従来の導電性微粒子1の断面を示しており、図2は本発明による導電性微粒子
の断面を示している。従来の導電性微粒子1の製造では、以下の3つの工程が実施される。すなわち、高分子微粒子11の表面を、脱脂、エッチング、感受性化処理、触媒化処理、還元剤を用いた処理などの前処理を実施する第1工程、無電解ニッケル(Ni)メッキおよび洗浄を実施する第2工程、金(Au)置換メッキを実施する第3工程が実施される。このとき、第3工程(金置換メッキ工程)は、ニッケルメッキ後に行われるので、図1に示すように、従来の導電性微粒子はNi層12/Au層13からなる不連続的二重メッキ層
を有することになる。
【0026】
図2は、本発明による導電性微粒子2の断面図である。本発明では、従来の導電性微粒子1の問題点であった密着性の低下、および圧縮によるNi12層とAu13層とからなる不連続メッキ層の破裂に起因する低接着性と低電気接続性を改善することを目的としている。この目的を達成するために、個々のNi無電解メッキ (第2工程)と、Au無電解
メッキ(第3工程)とを1つの無電解連続メッキに簡易化することで、基材微粒子11上に
連続密度勾配を有するNi-Auの複合メッキ層21を形成することを可能とした。
【0027】
前記無電解連続メッキ工程をより詳細に説明すると、まず、平均粒径が1〜1,000
μmであり、その粒径分布が平均粒径の90〜110%の範囲内にある高分子微粒子を基材として選択し、該高分子微粒子を適切な濃度の界面活性剤溶液に浸漬して表面を洗浄し、脱脂する。その後、クロム酸と硫酸との混合溶液を使用しエッチングを行い、高分子微粒子の表面にアンカーを形成する。その表面処理された高分子微粒子を塩化錫および塩化パラジウム溶液に浸漬して、表面を触媒化して活性する。その結果、高分子微粒子の表面にパラジウム触媒の微細核が形成される。次いで、次亜リン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジンなどで還元すると、高分子微粒子上に均一なパラジウムの核が形成される。得られた高分子微粒子を無電解ニッケルメッキ溶液に分散させた後、メッキ層を形成する間に、所定濃度の無電解金メッキ溶液を連続的に供給してAuの置換メッキ反応を誘導ことにより、密度勾配を有するNi-Au連続複合メッ
キ層が形成される。Niメッキ溶液中のNiの還元が完了した後でも、所定濃度のAuメッキ溶液を持続的に添加すると、Auからなる最外部層を有する、メッキされたメッキ層が形成される。
【0028】
このように導入された導電性複合金属被覆層21は、硬質のNi層の厚さが最小化され、上記被覆層のある厚さから相対的に柔軟なAu領域とNi層とが混在されているので、金属メッキ層の柔軟性および密着性を維持すると共に、破裂による電気接続性の低下を防止することができる。また、本発明の導電性微粒子は、従来の導電性微粒子よりも薄い金属層を含むため、最終的に得られる導電性微粒子の比重を小さくすることができるという長所があるので、異方性導電接着剤に分散させる時に、単位重量当たりの導電性微粒子の個数を増加させることができる。
【0029】
本発明の導電性微粒子を製造するために用いられる高分子基材微粒子は、ラジカル重合が可能な高分子化合物からなる。該高分子基材微粒子は、具体的には、ジビニルベンゼン、1,4-ジビニルオキシブタン、ジビニルスルホン、ジアリルフタレート、ジアリルア
クリルアミド、トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテートを含むアリル化合物と、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレートから選択される少なくとも一つの架橋性単量体を単独で、または共重合することにより製造することができる。代わりに、前記高分子基材微粒子は、前記架橋性単量体と、アクリル系単量体またはスチレン系単量体との共重合により製造することもできる。
【0030】
図3は従来の導電性微粒子1の金属メッキ層の透過型電子顕微鏡写真(TEM)であり、図4はエネルギー分散型顕微鏡(EDS)により分析した時の、Ni層12およびAu層13の密度における従来の導電性微粒子1の最外部に由来するプロファイリングを示している。図3および図4から明らかなように、Ni-Auの複合メッキ層の厚さは約150
nmで、Ni層12の厚さは約100nmであり、Au層13の厚さは約50nmであり、基材微粒子から約100nmの距離からNi層の組成が急激に変化することが分かる。
【0031】
図5は本発明による導電性微粒子2の金属メッキ層の透過電子顕微鏡写真(TEM)であり、図6は、エネルギー分散型顕微鏡(EDS)により分析した時の、厚さに従った、金属メッキ層21の密度における導電性粒子2の最外層に由来するプロファイリングを示している。図5および6から明らかなように、Ni/Au複合メッキ層21の厚さは約80
nmであり、導電性粒子の最外部には、従来の導電性微粒子1のようにAuのみでメッキされている。また、前記導電性粒子は、メッキ層12の深さに従った連続的な密度勾配を有することを確認することができる。特に、図4に示した従来の導電性粒子とは異なり、Auの成分が、図6に示した導電性粒子の金属メッキ層の厚さ全体に分布していることが分かる。金属層中でNi-/Au-が混在されているので、導電性金属薄層の柔軟性が向上
し、導電性微粒子の圧縮変形後に金属層の破壊が生じる確率を顕著に低下させることができるようになる。
【0032】
図7は、従来の導電性微粒子が異方性導電フィルム中に分散され、駆動用集積回路3の電極とガラス基板4の電極間に介在されているときの、2種金属薄層の破裂による接続抵抗の上昇要因を示す断面図である。前述のように、従来の導電性微粒子は、硬質のNi領域が約100nm以上の厚さであるため、異方性導電フィルムの加熱/圧縮後に、基材微
粒子とNi領域との弾性率の差に起因する破裂が発生するが、このような破裂が全体的な金属層にまで進むため、異方導電性フィルムの接続抵抗の上昇要因となる。
【0033】
図8は、本発明による導電性微粒子が異方導電性フィルム中に分散され、駆動用集積回路3の電極とガラス基板4の電極間に介在された状態を示す断面図である。上述のように、本発明による導電性微粒子では、連続複合メッキにより相対的に柔軟なAu領域とNi領域とが共存しているので、金属層の破裂を効果的に防止できる。加えて、本発明の導電性微粒子(図6)は、従来の導電性微粒子(図4)と同様に、Auからなる最外層を有するので、より優れた電気接続性を示す。また、最終的に得られる本発明による導電性微粒子は、金属薄層の厚さが従来の導電性微粒子の約1/2に過ぎないので、比重が小さい。
したがって、従来の導電性微粒子と同量の本発明による導電性微粒子を異方性導電接着フィルム中に分散させると、単位面積当たりの分散導電性微粒子数が従来の導電性微粒子に比べて約2倍以上増加するので、接着フィルムの最終的な接続抵抗の信頼度が非常に優れるようになる。
【0034】
図9は、従来の導電性微粒子を含む異方性導電フィルムの接続状態を示す電子顕微鏡写真(SEM)である。上述のように、Ni金属層およびAu金属層が破裂していることが顕微鏡写真から確認できる。
【0035】
図10は、本発明による導電性微粒子を含む異方性導電フィルムの接続状態を示す電子顕微鏡写真(SEM)である。上述のように、従来の導電性微粒子の金属層とは異なり、接続後も金属薄層が非常に安定していることが顕微鏡写真から確認できる。
【0036】
本発明の他の態様によれば、前記複合金属層を含む導電性微粒子を含むことを特徴とする異方性導電接着剤組成物が提供される。
前記異方性導電接着剤組成物は、導電性の微細な粒子と、硬化可能なオリゴマー、プレポリマー、単量体および混合物から選択させる少なくとも1つのフィルム成形用原料とを含む。
【0037】
前記フィルム形成用原料、例えば、オリゴマー、プレポリマー、または単量体は、共に含有される硬化剤と常温で化学的な反応をせず、かつフィルム形成に優れた材料とを用いることが望ましい。そのような原料の具体例としては、アクリレート樹脂、エチレンアクリレート共重合体、エチレンアクリル酸共重合体を含むアクリル樹脂、エチレン樹脂、エチレンプロピレン共重合体を含むオレフィン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリルブタジエン共重合体、スチレンブタジエンブロック共重合体、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体、カルボキシ化スチレンエチレンブタジエンスチレン-ブロック共重合
体、エチレンスチレンブチレンブロック共重合体、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどのゴム類、ビニルブチラル(vinylbutyr
al)樹脂、ビニルホルム樹脂を含むビニル類樹脂、ポリエステル、シアネートエステル
樹脂を含むエステル樹脂類、その他、フェノキシ樹脂、シリコンゴム、ウレタン樹脂などがあり、これら原料は、1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。前述のフィルム形成のための高分子化合物は、エポキシ硬化型組成物やアクリル硬化型組成物、またはエポキシ/アクリル混合硬化組成物を製造するために用いることができる。
【0038】
また、導電性微粒子の配合量は、前記異方性導電接着剤の全体重量に対し1〜50重量%が望ましく、より望ましくは、1.5〜25重量%が適当である。導電性微粒子の配合
量が1重量%未満では安定した伝導経路を形成し難い。一方、50重量%超過では接続回路間の絶縁信頼性を実現し難い。そして、前記導電性微粒子の樹脂基材微粒子の熱分解温度は、200℃〜500℃の領域にあることが好ましい。
【0039】
さらに、本発明の他の態様では、前記複合金属層を含む導電性微粒子を1,000〜1
00,000個/mm2含むことを特徴とする異方性導電フィルムが提供される。本発明に
よる異方性導電フィルムに含まれる高分子化合物としては、1分子内に少なくとも2つのエポキシ基を有する多価エポキシ重合体が望ましい。その具体例としては、フェノールノボラック、クレゾールノボラックのようなノボラック樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスヒドロキシフェニルエーテルを含む多価フェノール類、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ポリプロピレングリコールを含む多価アルコール類、エチレンジアミン、トリエチレンテトラアミン、アニリンを含むポリアミノ化合物、フタル酸、イソフタル酸を含む多価カルボキシ化合物が挙げられ、これら重合体は1種単独であるいは2種以上混合して使用することもできる。
【0040】
本発明による前記異方導電性フィルムに含まれる導電性微粒子の含有量は、1,000
〜100,000個/mm2が望ましく、より望ましくは、5,000〜60,000個/mm2である。
【実施例】
【0041】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明の具体的な例示に過ぎず、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
[実施例1〜4]
(1)微粒子の選定
ポリジビニルベンゼン(PDVB)重合体微粒子を基材微粒子として選定した。高分子微粒子のC.V値は、それぞれ4.5%であり、平均粒径はそれぞれ以下の表1に示すとおりであった(8.9μm、5.2μm、4.1μm、3.7μm)。
【0042】
【表1】

【0043】
(2)前処理
前記PDVB粒子20gを、2%界面活性剤溶液に10分間浸漬し、該PDVB微粒子表面の脱脂処理を行った。該界面活性剤溶液は、当業者に公知の方法により、容易に製造できた。その後、脱脂したPDVB微粒子を10g/Lクロム酸と400g/L硫酸を含
む混合液に10分間沈積してPDVB微粒子の表面にアンカーを形成し、塩化第二錫水溶液(1g/L)に3分間沈積し、ろ過後洗浄処理することで触媒化して重合体微粒子の表面
を活性化した。その後、回収された重合体微粒子を塩化パラジウム水溶液(0.1g/L)に3分間沈積し、ろ過後洗浄処理した。次いで、洗浄した重合体微粒子を10%塩酸溶液に沈積し、還元処理して、パラジウムの微細核を重合体微粒子表面に形成させた。
(3)無電解メッキ
メッキ中に、触媒化処理された基材微粒子がメッキ時に互いに凝集したり、付着あるいは沈殿してメッキが不均一になったりすることを防止するため、触媒化処理された基材微粒子を、速度を変えながら撹拌した。まず、前記前処理した基材微粒子20.0gを、メ
ッキ槽に仕込み、撹拌して錯化剤を含んでいる溶液に十分に分散させた後、無電解ニッケルメッキ溶液を該メッキ層に加えて、ニッケルメッキ層を基材微粒子上に形成させた。このとき、下記表2に示すように、ニッケル無電解メッキ溶液は、当量比は1:1:2で、硫酸ニッケル、次亜リン酸ナトリウムおよび水酸化カリウムを含んでいた。前記ニッケルメッキ層を形成させる間、メッキ槽に無電解金メッキ溶液を供給して、密度勾配を有するNi-Auの連続複合メッキ層を形成した。このとき、金メッキは、pHは5.5、70℃のメッキ条件を維持することが好ましい。
【0044】
前記金メッキ溶液は、主に、金(Au)の前駆体としてのシアン化第一金カリウム(KA
u(CN)2)、シアン化カリウム(KCN)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸カリウム(K2CO3)からなる。前記メッキ溶液は当業者に公知の方法により容易に製造できた。無電解金メッキ後、複合メッキ層を水洗およびろ過して、密度勾配を有するNi-Au連続複合メ
ッキ層を含む導電性微粒子を得、次いでアルコールで十分洗浄して真空乾燥した。走査型電子顕微鏡(SEM)により、電気メッキにより形成されたメッキ層が連続的であり、かつ表面粗度に優れた無電解メッキ層が形成されたことが確認できた。
【0045】
【表2】

【0046】
(4)物性評価
メッキ層の厚さ測定は、透過型顕微鏡写真(TEM)で評価し、圧縮後の導電性微粒子1つに対する導電度特性は、島津社製の微小圧縮試験機(モデル名:MCT501)を用いて、圧縮前の微粒子の大きさの10%まで圧縮後、その抵抗値を測定して評価した。実施例1〜4で形成した密度勾配を有するNi-Auの連続複合メッキ層の厚さと導電性とを
それぞれ測定した。その結果を下記表3に示した。
【0047】
[比較例1および2]
(1)微粒子の選定
ポリジビニルベンゼン(PDVB)重合体微粒子を基材粒子として選定した。高分子粒子のC.V値は、それぞれ4.5%であり、平均粒径はそれぞれ8.9μm(比較例1)およ
び5.2μmであった。
(2)無電解メッキ方法
実施例1〜4と同様の方法で前処理した。その後、一般的な無電解Niメッキを実施し、ニッケルメッキされた基材微粒子を洗浄後、無電解Auメッキを供して、ニッケルメッキ層上にAuメッキ層を形成した。メッキ層の物性を測定評価し、得られた結果を下記表3に示した。
【0048】
【表3】

【0049】
[注] 導電性微粒子の導電性(Ω)は、圧縮後に各サンプル当たり10個ずつの微粒子の抵抗値を測定し、その測定値を平均して得た。
前記表3に示されたデータから分かるように、実施例1〜4で得られた導電性微粒子は、比較例1〜2で得られた導電性微粒子と比較して、優れた導電性を示した。さらに、実施例1〜4で得られた導電性粒子の厚さは均一であり、優れたメッキ特性および優れたメッキ層間の接着性を示した。
[実施例5〜10]
(1)異方性導電フィルムの製造
実施例5〜10では、以下の手順に従って、NiおよびAuの連続的な密度勾配を有する導電性微粒子を用いて、異方性導電フィルムを製造した。
【0050】
エポキシ当量6,000のビスフェノールA型エポキシ樹脂15重量部、および硬化剤としての2-メチルイミダゾール7重量部を、トルエンおよびメチルエチルケトンの混合
溶媒に溶解させた後、2〜15wt%の導電性微粒子とシラン系カップリング剤とを共に溶液中によく分散させた。導電性微粒子は,下記表4のように、導電性微粒子の含有量および大きさを代えた以外は、実施例1と同様の方法で製造した。得られた分散液を離型PETフィルム上にコーティングし、乾燥させて厚さ25μmの異方性導電接着剤フィルムをそれぞれ製造した。
【0051】
異方性導電接着剤フィルムから、以下の寸法を満たすように異方性導電フィルムを製造した。バンプ電極の高さ:40μm、ICチップの大きさ:6mm×6mm、BT樹脂基材の厚さ:0.7mm、銅メッキおよび金メッキにより基材上に形成した配線パターンの
厚さ:8μm、ピッチ150:μm。異方導電性フィルムをICチップと基材との間に介在させ、200℃で20秒加熱しながら、圧力400kg/cm2で加圧して回路を接続
した。この接続サンプルを80℃、85%RHで、1,000時間エージングした後、抵
抗上昇値としてICチップの電気接続性および電気接続信頼性を評価した。
[比較例3〜比較例5]
従来の導電粒子を含む異方性導電フィルムを製造し、その電気接続性および絶縁信頼性に関して評価した。その結果を表4に示した。
【0052】
【表4】

【0053】
◎:抵抗上昇値≦0.1Ω、△:0.1Ω<抵抗上昇値<0.3Ω、×:抵抗上昇値>0.3
表4に示したデータから分かるように、本発明によるNiおよびAuの密度勾配を有す
る導電性微粒子を含有した異方性導電フィルムは、従来の導電性微粒子を含む異方性導電フィルムよりもより優れた電気接続信頼性を示した。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の導電性粒子は、狭いピッチを有する電極端子の接続に関して,高い電気接続信頼性を有する異方導電性製品用の材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】樹脂基材微粒子上に無電解メッキにより形成されたNi-Auの不連続複合層を含む従来の無電解メッキ導電性微粒子の断面図である。
【図2】本発明による無電解メッキにより製造された導電性微粒子の断面図である。
【図3】Ni-Au不連続複合層を含む従来の導電性微粒子を垂直方向に切断した後に撮影した透過電子顕微鏡(TEM)の写真である。
【図4】Ni-Au不連続複合層を含む従来の導電性微粒子を垂直方向に切断した後のエネルギー分散型顕微鏡(EDS)によるNiおよびAuの密度勾配の分析結果を示すグラフである。
【図5】本発明による無電解メッキにより製造した導電性微粒子を垂直方向に切断した後二撮影した透過型電子顕微鏡(TEM)の写真である。
【図6】本発明の実施例による無電解メッキにより製造した導電性微粒子を垂直方向に切断した後のエネルギー分散型顕微鏡(EDS)によるNiおよびAuの密度勾配の分析結果を示すグラフである。
【図7】従来の導電性微粒子を異方性導電フィルムに適用し、電極間に介入した後にNi層と高分子基材粒子との間で生じた剥離による接続不良状態を示す断面図である。
【図8】本発明による導電性微粒子を異方性導電フィルムに適用し、電極間で介入した後に生じた安定した接続状態を示す断面図である。
【図9】従来の導電性微粒子を異方性導電フィルムに適用し、電極間で接続した後にNi層と高分子基材微粒子との間で生じた剥離による接続不良状態を示す走査型電子顕微鏡(SEM)の分析写真である。
【図10】本発明による導電性微粒子を異方性導電フィルムに適用し、電極間に介入した後に生じた安定した接続状態を示す電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy、S.E.M)の分析写真である。
【符号の説明】
【0056】
1 従来の導電性微粒子
2 本発明による導電性微粒子
3 駆動用集積回路
4 液晶表示基板
5 従来の導電性微粒子を含有した異方導電性フィルム
6 本発明による導電性微粒子を含有した異方導電性フィルム
11 樹脂基材微粒子
11' 異方導電性フィルムに接続後変形された樹脂微粒子
12 ニッケル(Ni)層
13 金(Au)層
21 ニッケル-金(Ni-Au)連続複合層
31 バンプ(Bump)電極
41 配線パターン(Pattern)
51 従来の接着剤層
61 本発明の接着剤層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子樹脂基材微粒子と、前記高分子樹脂基材微粒子の表面に無電解メッキによって形成された、少なくとも2種の金属からなる導電性複合金属メッキ層とを含む導電性微粒子であって、
前記導電性複合金属メッキ層は、前記高分子樹脂基材微粒子から連続的な密度勾配を有することを特徴とする導電性微粒子。
【請求項2】
前記導電性複合金属メッキ層は、Ni、Ni-P、Ni-B、Au、Ag、TiおよびCuから選択される2種または3種の金属からなることを特徴とする請求項1に記載の導電性微粒子。
【請求項3】
前記連続密度勾配を有する導電性複合金属メッキ層は、厚さが0.01μm〜1μmで
あることを特徴とする請求項1に記載の導電性微粒子。
【請求項4】
前記高分子樹脂基材微粒子は、平均粒径が1μm〜1,000μmであり、粒径分布が
平均粒径の90〜110%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の導電性微粒子。
【請求項5】
前記連続密度勾配を有する導電性複合金属メッキ層は、厚さのばらつきが前記高分子樹脂基材微粒子の平均厚さの0.01〜50%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に
記載の導電性微粒子。
【請求項6】
前記高分子微粒子は、ジビニルベンゼン、1,4-ジビニルオキシブタン、ジビニルス
ルホン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテートを含むアリル化合物、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(
メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロール
トリ(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種の架橋性単量体を単独重合、もしくは共重合することにより、または、前記架橋性単量体とアクリル系単量体、もしくはスチレン系単量体とを共重合することにより製造され、かつ、ラジカル重合性高分子化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の導電性微粒子。
【請求項7】
高分子樹脂基材微粒子および前記高分子樹脂基材微粒子の表面に無電解メッキによって形成された、少なくとも2種の金属からなる導電性複合金属メッキ層とを含む導電性微粒子の製造方法であって、
前記高分子樹脂基材微粒子を無電解ニッケルメッキ溶液に分散させた後、Niメッキ層を形成している間に無電解金メッキ溶液を前記無電解ニッケルメッキ溶液に連続的に供給して、無電解連続メッキにより前記高分子樹脂基材微粒子上に複合金属層を形成することを含むことを特徴とする導電性微粒子の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の導電性微粒子を含むことを特徴とする異方性導電接着剤組成物。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれかに記載の導電性微粒子を含む異方性導電フィルムであって、前記導電性微粒子が前記異方性導電フィルム中に1,000〜100,000個/mm2含有されていることを特徴とする異方性導電フィルム。

【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−500804(P2009−500804A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520167(P2008−520167)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【国際出願番号】PCT/KR2005/002557
【国際公開番号】WO2007/004765
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(500005066)チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド (263)
【Fターム(参考)】