説明

寸法計測装置およびこれを用いた半導体装置の製造方法

【課題】本発明は、走査電子顕微鏡等の寸法測定装置を用いて、半導体デバイスのパターンのラフネスを評価する際に要する相関距離や分散といったようなパラメータを、正確に決定することが可能な寸法解析プログラム、寸法計測装置の提供を目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するために、構造物の寸法を所定の方向に沿って複数回測定した結果を元に得られたスペクトルと同測定条件の下で計算により求めたスペクトルとが合致するように寸法の標準偏差もしくは分散もしくは相関距離もしくは基本となるスペクトルからの変形を特徴付ける変数の内の少なくとも一つに対して適切な値を選択することによりその値を決定するプログラム、及び寸法測定装置を提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寸法計測装置を用いて計測した微細な構造物の寸法を解析するプログラムに関し、ことに寸法に空間的変動がある場合に変動を特徴付ける統計量の値を精度良く抽出することのできる寸法解析プログラム、および同プログラムを搭載した寸法計測装置に関する。本発明はさらに、素子の寸法を高精度に制御することにより高性能な半導体装置を効率よく製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属−絶縁体−半導体(MIS)型トランジスタの微細化に伴いその特性バラツキが増大する結果、回路動作に支障をきたす確率が高くなってきた。このため、MISトランジスタ特性のバラツキを正確に把握する必要がある。MISトランジスタの特性、特にしきい値電圧は能動領域(以下、チャネルと称す)において電荷の流れる方向に測ったゲート電極の長さ(以下、ゲート長と称す)に依存する。同ゲート長は電荷の流れる方向と垂直な方向(チャネル幅方向)に分布していることが知られており、通常LWR(line width roughness)と呼ばれる。MISトランジスタ特性は主にゲート長Lをチャネル幅方向に平均した値に依存するが、それ以外にLの分散varW(もしくは標準偏差σW),チャネル幅WおよびLWRの相関距離ξにも依存する。この点については、例えばルーニセン(Leunissen)等による非特許文献1に開示がある。
【0003】
上記したLの平均値と分散に関しては関連業界が協力して測定方法の標準化が行われ、セミ・P47−0307「テスト・メソッド・フォー・エバリュエーション・オブ・ラインエッジ・ラフネス・アンド・ラインウィドス・ラフネス」として規格化された。同規格はCD−SEMと呼ばれる走査型電子顕微鏡を用いて所定(2μm)以上の長さを有する配線の幅(ゲート長に相当)を所定の間隔(10nm以下)で測定し、その平均値と標準偏差により配線幅の分布を把握するというものである。
【0004】
他方、相関距離ξに関しては、配線幅の測定結果を元に自己相関関数を求め、距離の指数関数を用いて相関距離を決定する方法が用いられて来た。これについては、例えばコンスタンツーディス(Constantoudis)等による非特許文献2に開示がある。また、配線幅の空間的変動のスペクトルを波数のべき関数と比較することにより求める方法もある。この方法も上記コンスタンツーディス等による文献に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】プロシーディングズ・オブ・エスピーアイイー、第5752巻(2005年)、第499頁ないし第509頁
【非特許文献2】プロシーディングズ・オブ・エスピーアイイー、第5375巻(2004年)、第967頁ないし第977頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の方法を用いて相関距離もしくは分散を求める際の問題点について説明する。相関関数を用いる方法とスペクトルを用いる方法のいずれの場合においても、実際に測定して得られた結果(相関関数もしくはスペクトル)と計算により得られた結果とが一致するように計算に用いる相関距離と分散を調整することにより測定対象の相関距離および分散を決定している。測定は例えば上記セミ・P47−0307に記述されているように、有限の領域において所定の間隔で行うのが普通である。他方、相関関数もしくはスペクトルを計算により求める際には無限の大きさを有する領域を連続的に測定する場合を想定することがほとんどである。このため、計算に用いる相関距離の値と分散の値がいずれも正しいとしても計算により得られる結果が実測結果と完全には一致しない。その結果、相関距離と分散を正確に決定することが困難であるという問題がある。
【0007】
従来の方法にはさらに次のような問題もある。CD−SEMを用いて配線幅を測定する際には始めに配線を撮影する。次いで何らかの画像処理ソフトウェアを用いて配線の両端の位置を検出し、画像の倍率を元に幅を算出する。このような画像処理ソフトウェアとしては、例えば日立ハイテクノロジーズ社から販売されているターミナル・ピーシー(Terminal−PC)が有る。
【0008】
CD−SEMで撮影した画像には雑音が含まれており、これが上記した配線幅に誤差をもたらす。このため、上記した業界標準方法に従った場合においても求めた分散に誤差が生じ、実際の値より大きくなるという問題がある。このような現象をバイアス効果と呼ぶことがあり、例えばヤマグチ(Yamaguchi)等によるプロシーディングズ・オブ・エスピーアイイー,第6152巻(2006年),第61522D−1頁ないし第61522D−8頁に詳しい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題を解決するために、有限の領域において有限の間隔で配線幅を測定した場合に得られるスペクトルを計算により求め、これと実測により得られたスペクトルとを比較することにより相関距離および分散を決定する。これを行うために本発明者等は配線幅の相関関数が距離の指数関数である場合に着目し、有限の領域(その長さをLとする)において有限の間隔(Δyとする)で配線幅を測定することにより得られるスペクトがどのようになるか鋭意検討した。その結果、この場合のスペクトルINを第1式のように表すことができ、かつ配線幅の分散varwの値と相関距離ξの値とを適切に選択し同式を用いて計算した結果が実測結果と良く一致することを見出した。
【0010】
【数1】

【0011】
上記式の妥当性を検証するために、モンテカルロ法を用いて計算により模擬的に形成した配線の幅のスペクトルと(1)式を用いて計算したスペクトルとを比較した結果の一例を図1に示す。同図における白丸がモンテカルロ法による結果を、黒丸が(1)式による結果をそれぞれ示す。両者が極めて良く一致するところから、(1)式が妥当なものであることのみならず、本発明者等が行ったモンテカルロ法を用いた計算も妥当なものであることが確認できる。なお、参考までに同図には無限の領域において無限小の間隔で測定した場合に得られるスペクトルを実線で示してある。同スペクトルに従い変動する配線幅を有限の領域で測定することにより、スペクトルがk=kmax/2で表わされる直線を軸として線対称なものへと変形することが見て取れる。ここでkmaxは波数の最大値(=2π/Δy)であり、Nが偶数であるとした。このような変形はエイリアシングと呼ばれる現象により生ずることが知られている。上記図から、有限の領域で測定することにより求めたスペクトルがkmax/2付近およびそれ以上の波数に対して本来のスペクトルから大きく乖離することが分る。したがって、変動の分散および相関距離を適切に求めるためには、測定条件に即して(1)式によりスペクトルを計算し測定により求めたスペクトルと比較することが重要である。
【0012】
他方、測定により求めた様々なスペルトルを上記(1)式を用いて解析したところ、上記(1)式と良く一致するスペクトルが多数存在するが、他方で高波数領域において上記(1)式の値よりも小さい値を有するスペクトルの存在することが判明した。このように高波数領域でスペクトルの値が小さくなるのは元々指数関数型の相関関数を有する変動が平滑化されることにより生ずると本発明者等は考えた。この場合のスペクトルを計算するために無限に広がる領域を想定し、その中における位置yの関数として配線幅p(y)が指数関数型の相関関数の下で変動する場合について検討する。同配線幅が平滑化関数q(y)を用いて次式
【0013】
【数2】

【0014】
により平滑化されるとすると、そのスペクトルは以下のようになる。
【0015】
【数3】

【0016】
ここで、Q(k)をq(y)のフーリエ変換としてΓq(k)=2π|Q(k)|2であり、I(k)はp(y)のスペクトルである。
【0017】
しかし、実際には有限の領域において有限の間隔で配線幅を測定しており、その結果に対して上記(3)式を適用することができない。本発明者等が鋭意検討したところ、実際の測定結果は(3)式を変形した次式
【0018】
【数4】

【0019】
により近似することができることが明らかとなった。ここで、Γq(k)は(3)式のΓq(k)と同一であり、IN(kτ)は(1)式で与えられる。q(y)として想定される4つの関数に対してΓq(k)は具体的に以下のようになる。
【0020】
【数5】

【0021】
【数6】

【0022】
【数7】

【0023】
【数8】

【0024】
ここでλは平滑化操作を行う領域の大きさを特徴付ける定数(平滑化距離)であり、その値が大きいほど広範囲にわたり平滑化が行われることになる。vは次数である。なお、(5d)式においてΓ(v+1/2)はガンマ関数、Kv(|y/λ|)は第二種の変形されたベッセル関数であり、v=1/2の場合に(5d)式は(5c)式と一致する。
【0025】
上記(5)式の妥当性を検証するために行った検討の結果の一例を図2に示す。ここでは、元々35nmの相関長の下で変動していた配線幅を(5c)式のq(y)(λ=7.5nm)を用いて平滑化することにより得られた配線幅のスペクトルをモンテカルロ法により計算した結果(白丸)と、(1)式,(4)式および(5c)式により計算した結果(黒丸)とを比較して示してある。これらは、上記セミ規格に準拠して10nmの測定間隔で2μmにわたり測定した場合を想定した結果である。同条件下においては、(4)式が良い近似となることが分る。また、図3に示すように測定領域の範囲を2μmに維持したまま測定間隔を5nmに短縮すると、(4)式の精度が波数kmax/2付近の領域において低下するものの、それ以外の領域においては良好であることが分る。
【0026】
さらに、本発明者等が鋭意検討した結果、波数kmax/2付近の領域を含めてモンテカルロ法による計算結果と極めて良く一致するスペクトルを求めることのできる計算式
【0027】
【数9】

【0028】
【数10】

【0029】
を見出すまでに至った。ここで、b1,b2およびb3は測定条件を規定する変数(N,Δy)と寸法変動を特徴付ける変数(ξ,λ)の関数である。測定したスペクトルを(6)式と(7)式を用いて再現することにより変動を特徴付ける変数の値を決定するためには、上記b1,b2およびb3が測定条件と変動を特徴付ける変数の関数として既知であることが必要である。しかし、基本原理に則りこれを行うことは事実上不可能である。そこで、測定条件と変動を特徴付ける変数の想定される値を中心としてこれら変数を離散的に変化させてその値毎にモンテカルロ法によりスペクトルを計算し、それが(6)式と(7)式による結果と一致するようにb1,b2およびb3の値を決定する。これを反復することにより、上記変数の特定の値に対してb1,b2およびb3が求まる。上記変数のそれ以外の値に対しては、補間法等により近似的にb1,b2およびb3を求めれば良い。このようにして、測定条件と変動を特徴付ける変数の関数としてb1,b2およびb3を求めることができる。なお、
【0030】
【数11】

【0031】
【数12】

【0032】
【数13】

【0033】
であるので、モンテカルロ法によりb1,b2およびb3を決定する際には全4変数に代えてN,Δy/ξ,λ/ξの3変数を変化させて

を決定すれば上述の目的を達成することができる。ちなみに、通常はNが一定(上記セミ規格においては200)であるので、Δy/ξ,λ/ξの2変数に対して事前に値を決定しておけば良い。ただし、Δyも一定(上記セミ規格においては10nm)であることが多いが、λ/ξのみの関数として

を決定するだけでは十分でないのは言うまでもない。図4に、上記図3と同一の条件の下で(6)式と(7)式を用いて計算した結果(黒丸)とモンテカルロ法による結果(白丸)とを比較して示す。ここでb1,b2およびb3は上記した補間法により求めた。また、モンテカルロ法による結果は図3と同じである。同図と図3とを比較すると、(6)式および(7)式を用いることにより一致の精度が大きく向上することが分る。
【発明の効果】
【0034】
上述したような寸法解析プログラムを用いれば、構造物の撮影画像を元に同構造物の寸法の平均値,分散,標準偏差,相関距離等の統計量を正確に抽出することが可能となる。また、同寸法解析プログラムを搭載した上述したような寸法計測装置を用いれば、構造物の撮影から寸法の諸統計量の抽出までを一貫して迅速かつ正確に把握することが可能となる。さらに、同寸法計測装置を工程管理に用いることを特徴とする上述したような製造方法を用いれば、半導体装置を構成する微細構造物の寸法精度が向上するので、半導体装置の製造歩留まりと品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】有限の領域において有限の間隔で寸法を測定した場合のスペクトルを示す図。
【図2】寸法の変動に平滑化過程が含まれている寸法を10nmの間隔で測定した場合のスペクトルを示す図。
【図3】寸法の変動に平滑化過程が含まれている寸法を5nmの間隔で測定した場合のスペクトルを示す図。
【図4】寸法の変動に平滑化過程が含まれている場合のスペクトルを高精度の近似式を用いて計算した結果を示す図。
【図5】寸法解析プログラムが稼働している最中に表示装置(モニタ)上に表示される画面の一例を示す図。
【図6】寸法解析プログラムが稼働している最中にモニタ上に表示される画面の第2の例を示す図。
【図7】寸法解析プログラムが稼働している最中にモニタ上に表示される画面の第3の例を示す図。
【図8】寸法解析プログラムが稼働している最中にモニタ上に表示される画面の第4の例を示す図。
【図9】寸法解析プログラムが稼働している最中にモニタ上に表示される画面の第5の例を示す図。
【図10】寸法解析プログラムが稼働している最中にモニタ上に表示される画面の第6の例を示す図。
【図11】寸法計測装置の一例を示す概略図。
【図12】寸法計測装置の第二の例を示す概略図。
【図13】半導体装置の製造方法の一例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に、寸法解析プログラム、及び当該プログラムを動作させるためのGUI(Graphical User Interface)の詳細について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0037】
図5は、寸法解析プログラムが稼働している最中に表示装置(モニタ)上に表示される画面の一例を示す。この例においては、「LWR−PR1−0002」に始まり「LWR−PR1−0904」に終わる偶数番号を名前の一部に有する452個の電子ファイル(以下、単にファイルと称す)が「/root/mnt/cd-meas/pr1」にて指定される電子フォルダ(以下、単にフォルダと称す)に格納されている。ファイル名はボックス1、および4ないし6に入力された内容により指定される。これらボックスに入力された内容からファイル名が指定される方法は自明であろう。また、フォルダ名はボックス3に入力された内容により指定される。プルダウンメニュー2は、フォルダ名を入力する際の便を図るためのものである。上記した各々のファイルにはホトレジストからなる細線をCD−SEMを用いて撮影し、その寸法(配線幅)を上記したターミナル・ピーシーを用いて5nmの間隔で400回測定した結果が記録されている。これら測定条件は、それぞれボックス7と8に入力した内容により指定される。なお、これらボックス7と8の内容は測定条件を記録したファイルから自動的に読み取ることも可能である。
【0038】
「Spectra」と記されたボタン26をクリックすると、上記したファイルから逐次データが読み込まれ解析が行われる。解析した結果の内、寸法の平均値はボックス9に、スペクトルはグラフ24(白丸)にそれぞれ表示される。なお、白丸で示したスペクトルは上記したファイルに記録されたデータ毎に求めた452個のスペクトルを平均したものである。また、同グラフ24にはボックス11(寸法の分散)および12(寸法変動の相関距離)に入力された内容を用いて式(1)により計算したスペクトルに対して画像雑音に起因したスペクトルInoiseに相当する一定値(ボックス20の内容)を加算した結果(実線)も表示されている。ここで一定値を加算したのは、雑音が一般的に白く(波数に依存せず一定である)かつ確率変数として独立しているためである。ボックス21には同雑音に起因した寸法の分散varnoise
【0039】
【数14】

【0040】
により計算した結果が表示されている。ラジオボタン22と23が選択されているので、画像雑音が無いとして計算した結果(破線)および無限の大きさを有する領域を連続的に測定した場合に想定される結果(一点鎖線)もグラフ24には表示されている。なお、ボタン群25を適宜クリックすることによりグラフ24の座標軸の範囲を変更することが可能である。ボックス11,12および20に入力された内容の内の少なくとも一つが変更されるとこれら値を用いて再度計算が行われ、結果が即座に更新されるようになっている。これにより、上記ボックス11,12および20の入力内容を様々に変化させながら計算結果(実線)が実測結果(丸印)と一致する値を探索することにより、画像雑音の影響を受けることなく測定試料における寸法の分散と相関距離を高精度に決定することができる。このようにして最適化された実線の結果は白丸の結果と良く一致しており、ホトレジスト細線の寸法が指数関数型の相関関数を有することおよび上述した(1)式がスペクトル解析に有効であることが確認できる。
【0041】
「Fit」と記されたボタン27をクリックすると、ボックス11,12および20に入力する内容を試行錯誤により最適化する上記作業を自動で行うことができる。この場合においても、自動により決定された内容を再度上記した手動的方法により修正することができるのは言うまでもない。
【0042】
上記した「LWR−PR1−0002」ないし「LWR−PR1−0904」のファイルに記録された寸法の測定結果を元に従来の方法により計算した分散の値は7.71nm2であり、スペクトルを比較する上記方法により求めた値6.16nm2(ボックス11の内容)より大きい。このような差をもたらす主要な原因の一つは、従来法の結果に画像雑音起因の分散が含まれていることであり、この現象をバイアス効果と呼ぶことがある。従来法では画像雑音に起因した分散を知る術がないので、分散の正しい値を求めることができない。これに対して、上述した寸法解析プログラムを用いれば上記したように配線幅の分散のみならず相関距離をも正確に求めることができる。なお、標準偏差も正確に求めることができるのは言うまでもない。さらにまた、画像雑音の分散も求めることができるので、画像を撮影する条件およびターミナル・ピーシー等を用いて寸法測定を行う条件の善し悪しの判定を行うことができるという利点もある。
【実施例2】
【0043】
図6は、寸法解析プログラムが稼働している最中にモニタ上に表示される画面の第2の例を示す。この例は、上記第1の実施例において細線の長さ方向の測定間隔が同一でありながら測定回数の異なる場合の結果を小さいグラフ(子グラフ)29として元のグラフ(親グラフ)24の内部に挿入したものである。子グラフ29の測定回数はボックス28に入力された値により指定される。ラジオボタン30は子グラフの表示と非表示を制御するためにあり、ここでは同ラジオボタンが選択されているので子グラフ29が表示されている。また、ボタン31をクリックする毎に親グラフに表示する結果と子グラフに表示する結果とが入れ替わるようになっている。
【0044】
本実施例の効果を以下に説明する。寸法の分散varallはスペクトルを用いて以下のように表すことができる。
【0045】
【数15】

【0046】
本実施例における測定結果を元に同式により求めたvarallの値は6.97nm2であり、式(1)を用いて求めた値6.16nm2より大きい。両者の差は、式(1)を用いて計算したスペクトルに対応する寸法変動に加えてこれより長い相関距離を有する寸法変動が重畳されていることに起因している。その値0.80nm2はボックス32に表示されている。グラフ24(親グラフ)の低波数領域において波数が減少するとともに測定により求めた結果と式(1)により計算した結果との乖離が大きくなるのは、上記した相関距離の長い成分の存在を示している。このような成分が存在すると、相関距離の短い成分の分散を求める際に誤差が大きくなる。これに対して、子ブラフ29においては測定回数が少なく測定領域の長さLが小さくなるために、スペクトルを求める波数の範囲には上記した相関距離の長い成分が含まれないようになる。これにより、計算によるスペクトルを実測結果と一致させる際の精度が向上し、その結果寸法の分散を正確に求めることが可能となる。さらに、子グラフにおいては平均化を行う前の個々のスペクトルを求めるのに用いる寸法測定結果の数が親グラフより少ないために、より多数のスペクトルを求めることができる。その結果、これらを平均化することにより求めた最終的なスペクトルがより滑らかとなるので、この面からも計算によるスペクトルの一致の精度が向上するという利点もある。
【実施例3】
【0047】
図7は、寸法解析プログラムが稼働している最中にモニタ上に表示される画面の第3の例を示す。この例は、「LWR−POLY1−0002」に始まり「LWR−POLY1−0904」に終わる名前を有する452個のファイルが「/root/mnt/cd-meas/poly1」にて指定されるフォルダに格納されている点および同ファイルには多結晶シリコンからなる細線の寸法が記録されている点が異なることを除き、上記第1の実施例と同じである。
【0048】
解析した結果に関しても実測結果から求めたスペクトルがグラフ23に白丸により表示されることは実施例1と同じであるが、スペクトルの計算の仕方が以下のように異なる。ここでは、ラジオボタン13ないし15がいずれも選択されているので、それぞれに対応するボックス16ないし18に入力された値を平滑化距離として(1)式,(4)式および(5)式により計算した結果がそれぞれ実線,破線および一点鎖線により表示されている。なお、実施例1とは異なりラジオボタン21と22が選択されていないので、画像雑音が無いとして計算した結果および連続的に測定した場合に想定される結果はいずれも表示されていない。
【0049】
グラフ23に示された結果によると、平滑化関数に(5)式のいずれを用いた場合においても平滑化距離を適切に選択すれば計算により求めたスペクトルが実測した結果と比較的良く一致することが分る。その中でも、(5d)式で示される変形されたベッセル関数を含む平滑化関数を用いた場合に一致の精度が最も良いことが分る。このように上記構成によれば、平滑化によりスペクトルが歪んでいる場合に対しても寸法の分散および相関距離のみならず、寸法変動を平滑化する過程に関する情報(関数形と平滑化距離)をも正確に求めることができる。
【実施例4】
【0050】
図8は、寸法解析プログラムが稼働している最中にモニタ上に表示される画面の第4の例である。ラジオボタン13ないし15の内15のみが選択されているので、変形されたベッセル関数を含む平滑化関数を用いた場合の結果(実線)のみが表示されている。ここではより精度の高い(1)式および(5)式ないし(7)式を用いて計算した結果が表示されている。同結果は、同じ変形されたベッセル関数を含む平滑化関数を用いながら簡便な(4)式を用いて計算した上記結果(図7における一点鎖線)と大差ない結果となっている。これは画像雑音が大きいためであり、画像雑音がより小さい場合に本実施例の解析法が効果を発揮する。また、画像雑音が大きくとも測定間隔が小さい場合に対しても本実施例の解析法が有効である。ちなみに、ラジオボタン22が選択されているので、連続的に測定した場合に想定される結果(一点鎖線)も表示されている。
【0051】
なお、本実施例の多結晶シリコン配線は、多結晶シリコン薄膜上に実施例1のホトレジスト細線と類似の方法により形成したホトレジスト細線をマスクとしてエッチング法により加工した後、同マスクを除去することにより形成したものである。図8と図5とを比較すると、相関距離に関する本実施例の解析結果と実施例1の解析結果とが一致することが分る。これら配線と細線の形成方法を考慮するとこの結果は妥当なものであり、本解析プログラムの解析精度の高いことが確認できる。またこの結果から、エッチング法により加工を行うと配線幅の変動が平滑化されること、および同平滑化作用を変形されたベッセル関数を含む減衰関数により近似することができることが明らかとなった。
【実施例5】
【0052】
図9は、寸法解析プログラムが稼働している最中にモニタ上に表示される画面の第5の例である。本プログラムにおいては、上記した実施例1ないし4のプログラムと異なりCD−SEMを用いて細線を撮影した画像から寸法を直接解析することが可能である。ここでは、「SWS1−0002」に始まり「SWS1−0904」に終わる偶数番号を名前の一部に有する452個の電子ファイルが「/root/mnt/cd-image/sws1」にて指定される電子フォルダに格納されている場合の例を示してある。なお、上記ファイルには側壁付きの多結晶シリコンからなる細線を撮影した画像が収納されている。ファイル名はボックス51、および4ないし6に入力された内容により指定される。これらボックスに入力された内容からファイル名が指定される方法は実施例1の場合と同様に自明であろう。また、上記フォルダ名がボックス53に入力された内容により指定されること、およびボックス53がフォルダ名を入力する際の便を図るためのプルダウンメニューであることも実施例1の場合と同様である。本プログラムは、上記したターミナル・ピーシーが有するのと類似した機能により上記画像から寸法を読み取る。このための条件を記載したファイルとこれを格納するフォルダがボックス54と56により指定される。プルダウンメニュー55はボックス56への入力を補助するためにある。なお、ボックス7と8には上記ボックス54で指定したファイルに記載された内容のうちの該当部分が自動的に入力される。
【0053】
読み取った寸法は、ボックス1で指定される文字列を頭とし対応する画像ファイルと同じ番号を有する名前のファイルに記録され、ボックス3で指定されるフォルダに保存される。本実施例において寸法を記録したファイルの名前は、「LWR−SWS1−0002」ないし「LWR−SWS1−0904」となる。こられファイルを実施例3と同様にして解析した結果がグラフ23に表示されている。ただし、スペクトルの計算においては、(6)式と(7)式に代えて簡便な(4)式を用いている。このように、細線の画像からスペクトルを求めるまでを全て本寸法解析プログラムを用いて行った場合においても、寸法の分散および相関距離を正確に求めることができる。
【実施例6】
【0054】
次に、寸法解析プログラムの第6の例を説明する。計算により求めたスペクトルを実測結果のスペクトルと一致させるためには、相関距離ξ,平滑化距離λ,次数v,寸法の分散varwおよび雑音の分散varmaxを最適化する必要がある。これを試行錯誤により行うことが多いが、変数が5個も存在すると最適化に要する時間は膨大なものとなる。この最適化時間を短縮するために本実施例においては、IN,0(kτ)≡IN(kτ)/varmとしてξ,λおよびvの各々の値毎に
【0055】
【数16】

【0056】
【数17】

【0057】
によりvarwとInoiseの値を暫定的に求め
【0058】
【数18】

【0059】
によりスペクトルを計算する。ここで、varmが未知の段階においても上記IN,0(kτ)を計算することが可能であることが(1)式より分る。実測結果に基づくスペクトルが
【0060】
【数19】

【0061】
である場合には、上記(11)式と(12)式により計算したvarw,tmpとInoise,tmpが実測結果のvarwとInoiseにそれぞれ一致する。上記(13)式により計算したスペクトルの誤差を
【0062】
【数20】

【0063】
により定義し、これが最小となるように試行錯誤によりξ,λおよびvの値を決定する。なお、上記(12)式にかえて
【0064】
【数21】

【0065】
によりInoise,tmpを計算した結果は式(12)を用いた場合と同じになる。
【0066】
以下、本実施例をさらに具体的に説明する。まず、上記第5の実施例と同様にしてCD−SEMを用いて細線を撮影した画像から寸法を読み取った上でスペクトルを求める。同操作は、図9に類似した画面に入力された条件に従い行われる。ただし、本実施例においては、試料に実施例1と同じものを用いている点および寸法の測定回数が200である点が第5の実施例と異なる。ついで、「Fit」と記されたボタン27を押すと、計算によるスペクトルを上記実測結果に基づくスペクトルと一致させるための解析を始める代わりに、図10が表示される。ボックス62ないし70は、試行錯誤によりξ,λおよびvを最適化する際の値の範囲および同範囲を分割する数を指定するためにある。また、ボックス61は、上記範囲を上記数に分割して最適値を探す操作を反復する回数を指定するためにある。さらに、ボックス71と72は、(11)式において和を求めるkτの範囲を指定するためにある。なお、上記図10のようにボックス72にkmax/2以上の値が入力されている場合においては、bに対応する波数がkmax/2とほぼ等しくなるようにする。このように、aとbの値をボックス71と72に入力した値により指定することができるようにしたのは、相関距離の長い成分の影響を除外し正確な解析ができるようにするためである。他方、cとdに関しては、これらにより指定される波数範囲がkmax/2付近となるようにしている。同範囲においては相関距離の長い成分の影響が小さいので試料毎に変更する必要はなく、このためのボックスを設けていない。
【0067】
ボタン76をクリックすると上記ボックスに入力された条件に従いεが最小となるようにξ,λおよびvの最適化が行われ、その結果がボックス12,18および19に表示される。ここではα=1とした。また、これら値に対して(11)式と(12)式により計算した結果がボックス10,11,20および21に表示される。これら結果は図5に示した第1の実施例の場合とほぼ同じであり、本実施例の解析精度が高いことが分る。ボックス18に表示された平滑化距離の値が0であるところから、本実施例において測定した試料(ホトレジスト細線)には平滑化過程の存在しないことが分る。この場合、ボックス19に表示される次数の値は計算により求めるスペクトルに対して何ら影響を及ぼさない。グラフ81ないし84はξ,λおよびvの値を変化させながら最適値を探索する経過を示す。これらの内グラフ81は式(15)で定義された誤差εを試行錯誤の回数の関数として示したものである。また、グラフ82ないし84においてはεをそれぞれξ,λおよびvの関数として表している。なお、本実施例においては(10)式により求めた寸法の分散varallの値がボックス73に表示してある。
【0068】
ボタン74をクリックすると元のスペクトルを表示する画面へ戻ることができる。この段階においては、同画面に最適化された計算スペクトルが実測結果のスペクトルとともに表示されているが、ここでは図示しない。
【実施例7】
【0069】
図11は、寸法計測装置の一例を示す概略図である。本寸法計測装置は通常のCD−SEMと同等の機能を有する走査型電子顕微鏡101、同顕微鏡により撮影した画像を記録したファイルを保存する記憶装置111および上記実施例5の寸法解析プログラムを用いて同記憶装置111に保存されたファイルを解析する計算機121とから構成される。これらは通信回線131と132により相互に電気的に接続されている。これにより、細線の画像を撮影しながら同時にあるいは画像撮影後短時間の内に寸法の平均値のみならずその分散および相関距離を求めることができる。さらに、計算機121により解析された結果は必要に応じて走査型電子顕微鏡101に内蔵されたモニタ102に表示され、測定現場で寸法の諸統計量を把握することが可能となっている。
【0070】
これらにより、測定結果を生産現場に対して迅速に反映させることが可能となる。また、例えば画像雑音が大きすぎて分散もしくは相関距離の精度を確保することが困難な場合に、走査型電子顕微鏡101の画像撮影条件を変更することにより分散もしくは相関長の精度を速やかに改善することができるという利点もある。
【0071】
なお、本寸法計測装置の3つの構成要素である走査型電子顕微鏡101,記憶装置111および計算機121の間は、必ずしも直接的に接続されている必要はなく、各々をローカル・エリア・ネットワーク(LAN)に接続することにより間接的に接続しても良い。また、LANにとどまらず広域ネットワーク(WAN)により相互に接続されていても上記目的を達成することができるのは言うまでもない。さらに、記憶装置111がなく、走査型電子顕微鏡101と計算機121が直接もしくはLANもしくはWANを介して接続されていても良い。この場合、走査型電子顕微鏡101もしくは計算機121に内蔵された記憶装置(図示せず)が記憶装置111の役割を果たすことになる。
【実施例8】
【0072】
図12は、寸法計測装置の第二の例を示す概略図である。本実施例は、上記第7の実施例における記憶装置111と計算機121を走査型電子顕微鏡101と一体化し、筐体151に内蔵させたものである。なお、本実施例と異なり記憶装置111と計算機121を外付けとしても上記目的を達成することができるのは言うまでもない。さらに、記憶装置111を装備せず、その機能を走査型電子顕微鏡101もしくは計算機121に内蔵された記憶装置により代用しても良い。さらにまた、計算機121をも排して上記実施例4の寸法解析プログラムを元々走査型電子顕微鏡101に内蔵されていた計算機に搭載しても良い。
【0073】
上記図において、CD−SEM機能による観察結果と寸法計測結果はモニタ154に表示される。また、寸法解析プログラムによる寸法の分散および相関距離等の解析結果はモニタ155に表示される。なお、156はCD−SEM機能および寸法解析プログラムを制御するためのキーボードであり、152と153は測定用ウェハを測定室内へ出し入れするための搬入/搬出である。
【0074】
本実施例によれば寸法の諸統計量の解析を測定現場でしかも迅速に行うことができるので、測定精度の維持・向上に向けた測定条件の管理・改善はもとより、測定結果を生産現場に対して反映させることをより速やかに実行することが可能となる。
【実施例9】
【0075】
図13は、半導体装置の製造方法の一例を示す概略図である。本実施例においては、実施例7における走査型電子顕微鏡101,記憶装置111および計算機121が通信回線141ないし143により、露光装置201,塗布現像ベーク装置211およびエッチング装置221が通信回線146ないし148によりそれぞれLAN161に接続されている。これら以外にも半導体製造装置がLAN161に接続されているが、ここでは図示しない。このようにLAN161に接続された製造装置の稼働状況を監視するとともにその動作を制御するために計算機122が通信回線145を介してLAN161に接続されている。また、同計算機122の動作を補助するために記憶装置112が通信回線144を介してLAN161に接続されている。本製造方法においては、加工対象となる薄膜が形成された半導体基板上に塗布現像ベーク装置211によりホトレジスト膜を塗布し、露光装置201により所定のマスクを用いて露光した後、再度塗布現像ベーク装置211により現像とベークを行い所望の形にホトレジストを成形する。ついで、走査型電子顕微鏡101を用いて同ホトレジストの形状を撮影した画像を電子ファイルとして記憶装置111に保存した上で、計算機121を用いて実施例7と同様にして寸法の平均値,分散および相関距離を求める。その結果を記憶装置112に保存し計算機122を用いて解析した上で、後続の半導体基板上に形成するホトレジストの寸法の諸統計量が所望の値となるよう、必要に応じて露光装置201もしくは塗布現像ベーク装置211もしくは両者に対して計算機122から処理条件変更の指示を出す。また、当該半導体基板上に形成した薄膜の加工後における寸法の諸統計量が所望の値となるよう、次工程の処理を行うエッチング装置221に対して必要に応じて処理条件変更の指示を予め出すこともある。その後、上記ホトレジストをマスクとしてエッチング装置221を用いて薄膜を加工する。ホトレジスト・マスクを除去した後、加工された薄膜の形状を再度走査型電子顕微鏡101を用いて撮影し上記と同様にして寸法の諸統計量を解析した上で、後続の半導体基板上における薄膜の加工後の寸法が所望の値となるように、必要に応じてエッチング装置221に対して処理条件変更の指示を出す。
【0076】
なお、寸法の平均値が所望の値となるようCD−SEMの測定結果を前工程および次工程に反映させることは従来より行われてきた。このように寸法の平均値のみを管理する場合においては、これまで説明してきたような利点が少ない。他方、寸法の分散(あるいは標準偏差)を管理しようとする場合、従来法を用いるとCD−SEMで撮影された画像に含まれる雑音に起因した誤差が大きいので製造装置に対する処理条件の変更を適切に指示することが困難である。また、多結晶シリコン細線のように寸法変動に平滑化過程が含まれる場合においても、従来法では分散を正確に求めることが困難である。これらのために、CD−SEMによる測定結果を製造条件に反映させることにより、逆に管理範囲を外れる事例を増やしてしまうことがある。これに対して、上述のような手法を用いれば画像雑音が存在しその強度が変化する場合においても、あるいは平滑化過程が存在している場合においても分散を正確に求めることができるので、加工後における寸法の分散を高精度に管理・制御することができる。さらに、寸法変動の相関距離を管理することは、上述のような手法を用いることにより実用上初めて可能となる。
【符号の説明】
【0077】
1,3−12,16−21,51,53,54,56,61−73,75 ボックス
2,52,55 プルダウンメニュー
13−15,22,23 ラジオボタン
24,81−84 グラフ
74,76 ボタン
101 走査型電子顕微鏡
102,154,155 モニタ
111,112 記憶装置
121,122 計算機
131,132,141−148 通信回線
151 筐体
152,153 搬入/搬出口
156 キーボード
161 ローカル・エリア・ネットワーク
201 露光装置
211 塗布現像ベーク装置
221 エッチング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の寸法を所定の方向に沿って複数回測定した結果を元に得られたスペクトルと同測定条件の下で計算により求めたスペクトルとが合致するように寸法の標準偏差もしくは分散もしくは相関距離もしくは基本となるスペクトルからの変形を特徴付ける変数の内の少なくとも一つに対して適切な値を選択することによりその値を決定する機能を有することを特徴とする寸法解析プログラム。
【請求項2】
上記基本スペクトルを計算するに際して寸法の測定値の空間的相関を決定する相関関数として距離の指数関数を用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の寸法解析プログラム。
【請求項3】
波数の三角関数もしくは波数のガウス関数もしくは波数のローレンツ関数の内の少なくとも一つを構成要素として含む数式と上記基本スペクトルとの積を含む数式を用いて変形したスペクトルを計算する機能を有することを特徴とする特許請求の範囲第2項に記載の寸法解析プログラム。
【請求項4】
スペクトルを計算により求めるに際して波数に依存しない一定値を加える機能を有することを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第3項に記載の寸法解析プログラム。
【請求項5】
複数の波数に対するスペクトルの値の一次結合を実測結果のスペクトルと計算結果のスペクトルの各々について求め、これらの比から寸法の標準偏差もしくは分散を求めることを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第4項に記載の寸法解析プログラム。
【請求項6】
特許請求の範囲第5項記載の方法により求めた標準偏差もしくは分散を係数として含めながら複数の波数に対する実測結果のスペクトルの値と計算結果のスペクトルの値を元に一次結合を構成することにより雑音のスペクトルもしくは分散もしくは標準偏差を求めることを特徴とする特許請求の範囲第5項に記載の寸法解析プログラム。
【請求項7】
特許請求の範囲第1項ないし第7項記載の方法により計算したスペクトルを表示する機能を有することを特徴とする寸法解析プログラム。
【請求項8】
実測結果のスペクトルと計算結果のスペクトルとが合致するように寸法の標準偏差もしくは分散もしくは相関距離もしくは基本となるスペクトルからの変形を特徴付ける変数の内の少なくとも一つを試行錯誤により最適化する過程を表示する機能を有することを特徴とする寸法解析プログラム。
【請求項9】
特許請求の範囲第1項ないし第6項記載の方法により寸法の標準偏差もしくは分散もしくは相関距離もしくはスペクトルの変形を特徴付ける変数の内の少なくとも一つに対してその値を決定する機能を有することを特徴とする寸法計測装置。
【請求項10】
特許請求の範囲第1項ないし第6項記載の方法により計算したスペクトルを表示する機能を有することを特徴とする寸法計測装置。
【請求項11】
本体と通信回線により接続されてはいるが空間的に離れた場所に設置された装置を用いて特許請求の範囲第1項ないし第6項記載の計算を行うことを特徴とする特許請求の範囲第9項もしくは第10項に記載の寸法計測装置。
【請求項12】
特許請求の範囲第1項ないし第6項記載の方法により寸法の標準偏差もしくは分散もしくは相関距離もしくはスペクトルの変形を特徴付ける変数の内の少なくとも一つの値を決定し、その結果を製造条件に反映させることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−7581(P2011−7581A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150444(P2009−150444)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代半導体材料・プロセス基盤(MIRAI)プロジェクト」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】