説明

対面販売用計量装置

【課題】 顧客および販売員の利便性を高めることができる対面販売用計量装置を提供する。
【解決手段】 販売員側表示部22は、タッチパネル機能を使用した入力に基づいて、商品の計量処理用の操作画面と、POP広告の作成処理用の操作画面と、を切替表示可能とされている。また、作成部47は、作成処理用の操作画面に切り替えられる直前において、計量処理用の操作画面で選択されていた商品につき、該商品のPOP広告を作成可能な状態となる。一方、計量部10は、計量処理用の操作画面に切り替えられる直前において、作成処理用の操作画面で選択されていた商品につき、該商品の計量処理を実行可能な状態となる。したがって、計量装置1は、計量部10による計量処理と、作成部47によるPOP広告の作成処理との連携を良好に図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対面販売用計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、展示販売コーナにおいて、販売員が顧客と対面しつつ商品を販売可能な値付けハカリが知られている(例えば、特許文献1)。また、従来より、POP広告を作成することができる印字データ作成装置が知られている(例えば、特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−079711号公報
【特許文献2】特開2001−209634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に記載されているように、対面販売用計量装置(値付けハカリ)は、通常、展示販売コーナーに設置されている。これに対して、パーソナルコンピュータやプリンタは、通常、スーパーマーケット等のバックヤードや事務所に設置されている。そのため、パーソナルコンピュータによって実現可能な印字データ作成装置(特許文献2)は、バックヤードや事務所に設置されることになる。
【0005】
また、展示販売コーナーでは、販売員が顧客の購買意欲に応じて商品の価格を変更することにより、顧客のニーズに対応しつつ販売促進効果を有効に高める手法が用いられている。
【0006】
しかし、対面販売用計量装置と、印字データ作成装置とが別の場所に設置されている場合、商品価格変更後のPOP広告を作成するためには、販売員は展示販売コーナーからバックヤードや事務所まで行く必要が生じ、価格変更後のPOP広告を迅速に作成することができない。その結果、価格変更後において、実際の商品の販売価格と、POP広告に記載された販売価格とに不整合が生じ、有効に販売促進効果を高めることができないという問題が生じていた。
【0007】
また、価格変更後のPOP広告を作成する場合、対面販売用計量装置だけでなく、印字データ作成装置にも変更後の商品価格を入力する必要が生じていた。そのため、販売員の作業工数が増加するという問題も生じていた。
【0008】
そこで、本発明では、顧客および販売員の利便性を高めることができる対面販売用計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、販売員が、顧客と対面しつつ、商品を販売可能な対面販売用計量装置であって、商品を計量する計量部と、前記計量部で計量可能な商品のPOP広告を作成する作成部と、販売員からの入力を受け付け可能な入力部と、前記入力部からの入力に基づいて、商品の計量処理用の第1操作画面と、POP広告の作成処理用の第2操作画面と、を切替表示可能な表示部と、データを記憶する記憶部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の対面販売用計量装置において、前記作成部は、前記第2操作画面に切り替えられる直前の前記第1操作画面で選択されていた商品につき、該商品のPOP広告を作成可能なことを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の対面販売用計量装置において、前記作成部は、前記第2操作画面に切り替えられる直前の前記第1操作画面で選択されていた商品につき、前記第1操作画面において該商品の属性が変更された場合、変更された属性に基づいてPOP広告を作成可能なことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載の対面販売用計量装置において、各商品と画像データ関連情報とを対応付けて格納したデータベースが記憶部に記憶されており、前記第1操作画面で選択された商品に基づき、該商品と対応する画像データ関連情報を前記データベースから抽出可能な抽出部、をさらに備え、前記作成部は、前記第2操作画面に切り替えられる直前の前記第1操作画面で選択されていた商品につき、該商品と対応する画像データ関連情報にしたがった画像データを使用した該商品のPOP広告を作成可能なことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の対面販売用計量装置において、前記計量部は、前記第1操作画面に切り替えられる直前の前記第2操作画面で商品の属性が変更された場合、変更された属性に基づいて計量処理を実行可能なことを特徴とする。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の対面販売用計量装置において、前記変更された属性は、商品の名称であることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の対面販売用計量装置において、前記変更された属性は、商品の単価であることを特徴とする。
【0016】
また、請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の対面販売用計量装置において、前記第1操作画面で選択された商品につき、該商品の属性が変更された場合に、前記作成処理を実行すべき旨を報知する報知部、をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1から請求項8に記載の発明によれば、入力部からの入力により、商品の計量処理とPOP広告の作成処理とを切り替えることができる。そのため、販売員が、例えば顧客の購買意欲に応じて商品価格を変更した場合に、即時にPOP広告を作成することができ、顧客のニーズに迅速に対応することができる。その結果、商品の販売促進効果を有効に高めることができるとともに、顧客へのサービスを向上させることができる。
【0018】
特に、請求項2に記載の発明によれば、商品の計量処理とPOP広告の作成処理との連携を図ることができ、第1操作画面で選択された商品について容易にPOP広告を作成することができる。
【0019】
特に、請求項3に記載の発明によれば、第1操作画面で変更された属性を、POP広告の作成処理に反映させることができる。そのため、POP広告をさらに容易に作成することができる。
【0020】
特に、請求項5に記載の発明によれば、第2操作画面で変更された属性を、商品の計量処理に反映させることができる。そのため、商品をさらに容易に計量することができる。
【0021】
特に、請求項8に記載の発明によれば、第1操作画面で商品属性が変更された場合において、販売員はPOP広告の作成処理を実行すべき旨の報知を受けることができる。そのため、POP広告に記載された商品属性と、計量処理で使用される商品属性とが不整合となることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
<1.販売用計量装置のハードウェア構成>
図1は、本発明の実施の形態における販売用計量装置1のハードウェア構成の一例を示す図であり、販売用計量装置1を販売員側から見た場合の図である。
【0024】
ここで、対面販売用計量装置(以下、単に、「計量装置」とも呼ぶ)1は、販売員が顧客と対面してコミュニケーションを取りつつ、顧客に対して商品を販売可能なハカリである。計量装置1は、例えば、スーパー、百貨店などの食料品売り場や専門店で使用され、計量装置の機能、POSレジスターの機能、およびPOP広告の作成機能を1台に集約したものである。
【0025】
図1に示すように、計量装置1は、主として、計量部10と、操作パネル20と、計量情報表示部25と、ラベル印刷部30と、制御部40と、大容量記憶部43と、POP広告印刷部50と、を備える。
【0026】
計量部10は、ロードセル(図示省略)によって検出された電気量(電気抵抗値)を変換することにより、計量皿15上に載置された商品(計量対象物)の重量を計量する。商品には、例えば、肉のように単位重量当たりの単価が定められた商品が含まれる。
【0027】
操作パネル20は、展示販売コーナーの販売員側に配置されており、図1に示すように、入力キー21と、販売員側表示部22とを有する。販売員側表示部22は、いわゆるコンピュータのディスプレイとしての機能と、タッチパネルとしての機能と、を有する。したがって、販売員は、販売員側表示部22の画面22aに表示された内容に基づき、タッチパネル機能を使用した入力作業(例えば、画面22aに表示されたコマンドボタンを押すこと)を行うことにより、計量装置1に対して所定の処理を実行させることができる。
【0028】
入力キー21は、販売員側表示部22付近に配設されており、図1に示すように、数字キーや取消キーなど複数のキーによって構成されている。したがって、販売員は、画面22aの表示に基づき、計量装置1に商品の価格を入力したり、計量装置1に対して所定の処理を実行させることができる。
【0029】
このように、本実施の形態において、入力キー21および販売員側表示部22は、販売員からの入力を受け付ける入力部として使用される。
【0030】
計量情報表示部25は、図1に示すように、展示販売コーナーの顧客側に配置されている。計量情報表示部25には、例えば、計量中の商品の重量、単価、商品価格(値段)が表示される。また、計量情報表示部25には、商品の売り出し情報や、お勧め商品に関する情報のように顧客の次回の来店につなげる販促メッセージが表示される。これにより、アピール効果を高めるなど対面販売をより強力にサポートすることができる。
【0031】
ラベル印刷部30は、例えば熱転写方式等の印刷方式により、商品に貼付されるラベル32に対して、文字、図形および記号等の印刷を実行する。ここで、ラベル32には、計量された商品に関する情報(例えば、商品の重量、加工日、販売店名等)が印刷される。
【0032】
制御部40は、図1に示すように、プログラムや変数等を格納するメモリ41と、メモリ41に格納されたプログラムに従い、所定の処理を実行するCPU42と、を有する。したがって、CPU42がメモリ41に格納されたプログラムに従った処理を実現することにより、後述する商品の計量処理、およびPOP広告の作成処理が、所定のタイミングで実行される。
【0033】
POP広告印刷部50は、計量部10の本体部90とは別体に設けられており、例えばインクジェット方式や電子写真方式によってPOP広告を印刷する。図1に示すように、POP広告印刷部50と本体部90とは、信号線40aによって電気的に接続されている。
【0034】
ここで、POP広告とは、商品の販売場所(例えば、展示販売コーナー)で使用される店頭広告である。POP広告には、例えば、商品の特徴や価格が記載されている。これにより、顧客の購買意欲を向上させ、商品の販売促進効果を有効に高めることができる。
【0035】
<2.販売用計量装置の機能構成>
図2は、計量装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。ここでは、図2を参照しつつ、計量装置1の機能構成について説明する。
【0036】
大容量記憶部43は、シリコンディスクドライブやハードディスクドライブ等のようにメモリ41と比較して記憶容量の大きな素子によって構成された記憶部である。図2に示すように、大容量記憶部43は、信号線40aを介して制御部40と電気的に接続されており、必要に応じてメモリ41との間でデータの授受を行う。また、図2に示すように、大容量記憶部43には、少なくとも、商品テーブル43aと、画像データ43bとが記憶されている。
【0037】
図3は、商品テーブル43aのデータ構造の一例を示す図である。商品テーブル43aは、いわゆるデータベースであり、商品テーブル43aには計量装置1で計量される商品に関する情報が登録される。図3に示すように、商品テーブル43aは、主として、「商品ID」、「商品名」、および「画像データ格納場所」の各フィールド(列)を有する。
【0038】
「商品ID」フィールドには、商品テーブル43aの各レコード(行)を一意に識別するために使用される値が格納されている。また、「商品名」フィールドには、各商品の名称が格納されている。例えば、「商品ID」が「201001」となるレコードの商品名は「ポテトサラダ」であることが分かる。
【0039】
また、「画像データ格納場所」フィールドには、画像データに関連する情報(例えば、各商品の画像データが格納されたフォルダと、画像データのファイル名とからなる文字列)が格納されている。例えば、「商品ID」が「201002」となるレコード(商品名:大根サラダ)と対応する画像データは、「C:¥abcd¥100¥XXX」フォルダに、「rst.jpg」というファイルとして格納されている。このように、商品テーブル43aには、各商品と画像データとが対応付けて格納されている。
【0040】
表示処理制御部44は、図2に示すように、販売員側表示部22、および計量情報表示部25と、信号線40aを介して電気的に接続されている。これにより、販売員側表示部22と、計量情報表示部25とには、表示処理制御部44からの画像信号に基づいた情報が表示される。また、表示処理制御部44は、販売員側表示部22について、タッチパネル機能を利用した入力作業が実行されたか否かの監視処理も実行する。
【0041】
図4は、商品の計量処理用の操作画面(第1操作画面)60の一例を示す図である。図5および図6は、POP広告の作成処理用の操作画面(第2操作画面)70、80の一例を示す図である。
【0042】
図4に示すように、計量処理用の操作画面60の上部には、商品名を表示する商品名エリア61と、風袋重量を表示する風袋エリア62と、計量された商品の重量を表示する重量エリア63と、商品の単価を表示する単価エリア64と、商品の価格を表示する価格エリア65とが設けられている。
【0043】
これらエリアのうち、商品名エリア61、風袋エリア62、および単価エリア64は、それぞれ商品名、風袋重量、および単価を変更するためのコマンドボタンとしても機能する。例えば、販売員が単価エリア64を押すと、単価エリア64が反転表示され、単価エリア64が編集可能となる。そして、販売員が、入力キー21を使用して新たな単価を入力すると、商品の単価が変更される。すなわち、操作画面60において、商品名エリア61、および単価エリア64が押されると、商品属性の変更処理が可能な状態となる。
【0044】
また、操作画面60の下部には、計量対象となる商品の選択に使用される複数の商品ボタン66が配置される。販売員がこれら商品ボタン66のうち1つを押すと、対応する商品を計量可能状態となる。例えば、商品ボタン66aが押されると、ポテトサラダが計量可能状態となる(図4参照)。
【0045】
また、操作画面60の右端部付近には、上から順番に「メニュー」、「ゼロ」、「加算」、「ページ」、「機能」、「手動」、「空送り」、および「POP広告作成」のように、複数の機能ボタン69が配置されている。販売員がこれら機能ボタン69を押すと、対応する処理が実行される。例えば、POP広告作成ボタン69aが押されると、販売員側表示部22にはPOP広告の作成処理用の操作画面70が表示される。
【0046】
図5に示すように、POP広告の作成処理用の操作画面(第2操作画面)70の上部には、POP広告の作成処理を終了させて操作画面60に戻るための終了ボタン71と、作成したPOP広告を印刷するための印刷ボタン72と、POP広告のレイアウト変更に使用される操作画面80(図6参照)を表示するためのイメージ表示ボタン73と、作成したPOP広告を保存するための保存ボタン74と、が設けられている。
【0047】
また、操作画面70の中央付近には、POP広告を作成可能な商品のリスト78を表示する商品リストエリア75が設けられている。商品リストエリア75に表示されたリスト78は、図5に示すように、主として、「商品ID」、「商品名」、「レイアウト」、「規格」、および「単価」の各フィールド(列)を有する。
【0048】
「商品ID」フィールドには、リスト78に表示可能なレコード(行)を一意に識別するために使用される値が格納されている。また、「商品名」フィールドには、各商品の名称が格納されている。また、「レイアウト」フィールドには、作成されるPOP広告のレイアウトに関する情報(例えば、POP広告が印刷される用紙のサイズ)が格納されている。
【0049】
また、「単価」フィールドには、各商品の単位量あたりの価格が格納される。さらに、「規格」フィールドには、商品の性状によって定まる情報が格納される。例えば、「商品ID」が「1001」のレコードの場合、「規格」フィールドには「100gあたり」が格納されており、「単価」フィールドの値は100gあたりの価格であることが分かる。
【0050】
ここで、商品リスト78の各セル(マス目)79は、各セル79に格納された値を変更するためのコマンドボタンとしても機能する。販売員が、例えば「商品ID」=「1001」となるレコードのセル79a(「単価」フィールドに対応)を押すと、セル79aは、反転表示されて編集可能状態となるとともに、編集エリア77には選択されたセル79aに格納された値が表示される。そして、販売員が、例えば入力キー21を使用して新たな単価を入力すると、「単価」フィールドに格納された値が変更される。すなわち、操作画面70では、各セル79が押されると、商品名、規格、および単価等のような商品属性の変更処理が可能な状態となる。
【0051】
さらに、図5に示すように、操作画面70の下部には、編集エリア77とともに、イメージ表示エリア76が設けられている。イメージ表示エリア76は、販売員が選択したレコードに対応するPOP広告のプレビューを表示するエリアである。図5に示すように、レイアウト表示エリア76の画像エリア76aには商品の画像データが、商品名エリア76bには商品名が、単価エリア76cには単位量あたりの価格が、それぞれ表示される。
【0052】
なお、リスト78から選択された商品について、POP広告のレイアウトを変更する場合、販売員は、イメージ表示ボタン73を押して、販売員側表示部22に操作画面80を表示させる。
【0053】
操作画面80は、主として、操作画面70で選択された商品についてのレイアウト変更に使用される。図6に示すように、操作画面(第2操作画面)80の上部には、操作画面70に戻るための終了ボタン81と、作成されたPOP広告を印刷するための印刷ボタン82と、作成されたPOP広告を保存するための保存ボタン84と、が設けられている。
【0054】
また、ボタン81、82、84の下方であって、操作画面80の左側には、レイアウト表示エリア86が設けられている。図6に示すように、レイアウト表示エリア86の画像エリア86aには商品の画像データが、商品名エリア86bには商品名が、単価エリア86cには単位量あたりの価格が、それぞれ表示される。
【0055】
販売員は、レイアウト表示エリア86に表示されたPOP広告の各要素(例えば、画像エリア86aの画像)について、エリア内で移動させたり拡大縮小することにより、各要素の配置や大きさを調整することができる。
【0056】
さらに、ボタン81、82、84の下方であって、操作画面80の右側には、上から順に、商品属性エリア85、および編集エリア87が表示される。
【0057】
商品属性エリア85は、操作画面70で選択された商品レコードの各フィールドを、転置させつつ表示する領域であり、右側の列には、選択された商品の属性が表示される。また、右側の列の各セル89は、各セル89に格納された値を変更するためのコマンドボタンとしても機能する。
【0058】
販売員が、例えばセル89aを押すと、セル89aは反転表示されて編集可能状態となるとともに、選択されたセル89aに格納された値が編集エリア87に表示される。そして、販売員が、例えば入力キー21を使用して新たな単価を入力すると、セル89aのに格納された値(商品の単価)が変更される。すなわち、操作画面80では、各セル89が押されると、商品名、規格、および単価等のような商品属性の変更処理が可能な状態となる。
【0059】
このように、販売員側表示部22は、タッチパネル機能を使用した入力に基づいて、商品の計量処理の操作画面60と、POP広告の作成処理用の操作画面70、80と、を切替表示可能とされている。これにより、販売員が、例えば、顧客の購買意欲に応じて商品価格を変更した場合において、バックヤードや事務所に行くことなく、即時にPOP広告を作成することができ、顧客のニーズに迅速に対応することができる。そのため、商品の販売促進効果を有効に高めることができるとともに、顧客へのサービスを向上させることができる。
【0060】
計量処理制御部45は、図2に示すように、信号線40aを介して計量部10と電気的に接続されている。これにより、計量処理制御部45は、計量部10のロードセル(図示省略)から出力される電気量に基づき、各商品の重量値を演算することができる。また、計量処理制御部45は、計量された商品の重量値と、商品の単価とに基づいて商品価格(値段)を演算することができる。
【0061】
印刷処理制御部46は、図2に示すように、信号線40aを介してラベル印刷部30、およびPOP広告印刷部50と電気的に接続されている。これにより、ラベル印刷部30およびPOP広告印刷部50は、印刷処理制御部46からの印刷信号(印刷データ)に基づいた情報を印刷することができる。
【0062】
作成部47は、計量部10で計量可能な商品について、POP広告を作成する処理を実行する。作成部47は、操作画面60(図4参照)のPOP広告作成ボタン69aが押されることによって起動し、販売員側表示部22に操作画面70(図5参照)を表示させる。これにより、作成部47は、POP広告の作成処理が可能な状態となる。
【0063】
販売員は、操作画面70および操作画面80に表示された内容に基づき、販売員側表示部22のタッチパネル機能および入力キー21を使用した入力作業を行うことにより、所望のPOP広告を作成することができる。
【0064】
抽出部48は、「商品ID」をキーとして商品テーブル43aの各レコードを検索することにより、販売員側表示部22のタッチパネル機能を使用して入力されたデータ、または、入力キー21からの入力されたデータと一致するレコードを抽出する。そして、抽出部48は、抽出されたレコードから「画像データ格納場所」の値を取得する。
【0065】
報知部49は、操作画面60(図4参照)で選択された商品につき、該商品の単価等の商品属性が変更された場合において、POP広告の作成処理を実行すべき旨を販売員に対して報知する。
【0066】
図7は、販売員側表示部22に表示される報知ダイアログ49aの一例を示す図である。報知ダイアログ49aが表示された場合において、「はい」ボタン49bが押されると、POP広告作成ボタン69aが押された場合と同様な処理が実行され、販売員側表示部22に操作画面70が表示される。これにより、販売員は、POP広告に記載された商品属性と、計量処理で使用される商品属性とが不整合となることを未然に防止することができる。これに対して、報知ダイアログ49aの「いいえ」ボタン49cが押されると、報知ダイアログ49aが閉じられ、操作画面60による計量処理が可能な状態となる。
【0067】
<3.計量処理と作成処理との連携>
ここでは、商品の計量処理と、POP広告の作成処理と、の連携について説明する。本実施の形態の計量装置1において、操作画面60のPOP広告作成ボタン69aが押されると、操作画面(第2操作画面)70のイメージ表示エリア76には、操作画面70に切り替えられる直前の操作画面(第1操作画面)60において選択された商品のプレビューが表示される。すなわち、作成部47は、操作画面70に切り替えられる直前の操作画面60で選択されていた商品につき、該商品のPOP広告を作成可能な状態となる。そのため、操作画面60で選択された商品について容易にPOP広告を作成することができる。
【0068】
また、操作画面70に切り替えられる直前の操作画面60で選択された商品について、この切替直前の操作画面60において商品の属性が変更された場合、操作画面70のリスト78の対応するセル79が変更され、作成部47は、変更された商品属性に基づいたPOP広告を作成することができる。
【0069】
例えば、操作画面60において「ポテトサラダ」が選択された場合において、単価エリア64が押されて商品の単価が変更され、続いて、POP広告作成ボタン69aが押されたとき、切替表示された操作画面70のセル79aが変更後の単価に変更される。
【0070】
このように、計量装置1では、操作画面60で変更された属性(商品の単価、および商品名等)をPOP広告の作成処理に反映させることができる。そのため、販売員は、POP広告をさらに容易に作成することができ、販売員の作業工数を低減させることができる。
【0071】
また、操作画面70および操作画面80によって作成されるPOP広告の画像エリア76a、86aには、大容量記憶部43に格納された画像データが貼付されるようにしてもよい。
【0072】
すなわち、操作画面60の各商品ボタン66が押されて商品が選択されると、制御部40のメモリ41には、商品テーブル43aの「商品ID」に格納されている値のうちいずれかが一時的に格納される。そして、販売員によってPOP広告作成ボタン69aが押されると、メモリ41に格納された「商品ID」の値(以下、「入力値」とも呼ぶ)が抽出部48に入力される。
【0073】
入力値が与えられた抽出部48は、「商品ID」をキーとして検索し、この入力値と一致するレコードを抽出する。次に、抽出されたレコードから「画像データ格納場所」の値が取得される。そして、取得された「画像データ格納場所」によって指定される画像データが、操作画面70の画像エリア76aに貼付される。
【0074】
このように、抽出部48は、操作画面(第1操作画面)60で選択された商品に基づき、該商品と対応する「画像データ格納場所」(画像データ格納情報)を商品テーブル43aから抽出可能とされている。また、作成部47は、操作画面70に切り替えられる直前の操作画面60で選択された商品につき、該商品と対応する「画像データ格納場所」にしたがった画像データを使用したPOP広告を作成することができる。そのため、販売員は、画像データの貼付されたPOP広告を容易に作成することができ、販売員の作業工数を低減させることができる。
【0075】
また、上述のようにPOP広告作成処理用の操作画面70が表示されている場合において、操作画面70の終了ボタン71が押されると、作成処理が終了されるとともに、販売員側表示部22には計量処理用の操作画面60が表示される。また、切替後の操作画面60では、切替直前において操作画面70で選択された商品(以下、「切替直前商品」とも呼ぶ)が選択され、切替直前商品についての計量処理が実行可能な状態とされる。
【0076】
また、操作画面(第1操作画面)60に切り替えられる直前の操作画面(第2操作画面)70で商品の属性が変更された場合、操作画面60においても対応する商品の属性が変更される。そして、変更された属性に基づいて計量処理を実行することができる。
【0077】
例えば、操作画面70において「商品ID」が「1001」のレコード(商品名:「ポテトサラダ」)が選択された状態で、その「単価」が変更された場合において終了ボタン71が押されると、再表示された操作画面60には、「ポテトサラダ」が表示され、単価エリア64の値が、操作画面70で変更された値となる。そして、計量部10は、変更された単価に基づいて計量処理を実行することができる。
【0078】
このように、計量装置1では、操作画面70で変更された属性(商品の単価、および商品名等)を商品の計量処理に反映することができる。そのため、商品をさらに容易に計量することができる。
【0079】
<4.本実施の形態の販売用計量装置の利点>
以上のように、本実施の形態の計量装置1の販売員側表示部22は、タッチパネル機能を使用した入力に基づいて、商品の計量処理用の操作画面60と、POP広告の作成処理用の操作画面70、80と、を切替表示可能とされている。これにより、販売員が、例えば顧客の購買意欲に応じて商品価格を変更した場合において、バックヤードや事務所に行くことなく、即時にPOP広告を作成することができ、顧客のニーズに迅速に対応することができる。そのため、商品の販売促進効果を有効に高めることができるとともに、顧客へのサービスを向上させることができる。
【0080】
また、作成部47は、操作画面70に切り替えられる直前の操作画面60で選択されていた商品につき、該商品のPOP広告を作成可能な状態となる。一方、計量部10は、操作画面60に切り替えられる直前の操作画面70で選択されていた商品につき、該商品の計量処理を実行可能な状態となる。このように、本実施の形態では、計量部10による計量処理と、作成部47によるPOP広告の作成処理との連携を良好に図ることができる。そのため、販売員の作業工数を低減させることができ、販売員の作業能率を向上させることができる。
【0081】
<5.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0082】
(1)本実施の形態において、POP広告印刷部50と計量装置1の本体部90とは、信号線40aによって一対一に接続されているが、これに限定されるものでない。例えば、POP広告印刷部50と、計量装置1の本体部90とは、例えば、LAN(Local Area Network)を介して接続されていてもよい。この場合、本体部90(計量装置)と、ネットワークを介して本体部90と接続されたPOP広告印刷部50(印刷装置)とは、計量システムの構成要素となる。
【0083】
(2)また、本実施の形態において、POP広告は、POP広告印刷部50で印刷されるものとして説明したが、これに限定されるものでない。例えば、ラベル印刷部30で印刷してもよい。すなわち、POP広告を印刷する印刷部は、計量装置1の本体部90に一体的に設けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施の形態における販売用計量装置のハードウェア構成の一例を示す斜視図である。
【図2】販売用計量装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】商品テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図4】商品の計量処理用の操作画面の一例を示す図である。
【図5】POP広告の作成処理要の操作画面の一例を示す図である。
【図6】POP広告の作成処理要の操作画面の一例を示す図である。
【図7】報知ダイアログの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1 販売用計量装置
10 計量部
20 操作パネル
21 入力キー
22 販売員側表示部
25 計量情報表示部
30 ラベル印刷部
40 制御部
43 大容量記憶部
43a 商品テーブル(データベース)
43b 画像データ
47 作成部
48 抽出部
49 報知部
49a 報知ダイアログ
50 POP広告印刷部
60、70、80 操作画面
69a POP広告作成ボタン
75 商品リストエリア
76 イメージ表示エリア
85 商品属性エリア
86 レイアウト表示エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売員が、顧客と対面しつつ、商品を販売可能な対面販売用計量装置であって、
(a) 商品を計量する計量部と、
(b) 前記計量部で計量可能な商品のPOP広告を作成する作成部と、
(c) 販売員からの入力を受け付け可能な入力部と、
(d) 前記入力部からの入力に基づいて、商品の計量処理用の第1操作画面と、POP広告の作成処理用の第2操作画面と、を切替表示可能な表示部と、
(e) データを記憶する記憶部と、
を備えることを特徴とする対面販売用計量装置。
【請求項2】
請求項1に記載の対面販売用計量装置において、
前記作成部は、前記第2操作画面に切り替えられる直前の前記第1操作画面で選択されていた商品につき、該商品のPOP広告を作成可能なことを特徴とする対面販売用計量装置。
【請求項3】
請求項2に記載の対面販売用計量装置において、
前記作成部は、前記第2操作画面に切り替えられる直前の前記第1操作画面で選択されていた商品につき、前記第1操作画面において該商品の属性が変更された場合、変更された属性に基づいてPOP広告を作成可能なことを特徴とする対面販売用計量装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の対面販売用計量装置において、
(f) 各商品と画像データ関連情報とを対応付けて格納したデータベースが記憶部に記憶されており、前記第1操作画面で選択された商品に基づき、該商品と対応する画像データ関連情報を前記データベースから抽出可能な抽出部、
をさらに備え、
前記作成部は、前記第2操作画面に切り替えられる直前の前記第1操作画面で選択されていた商品につき、該商品と対応する画像データ関連情報にしたがった画像データを使用し、該商品のPOP広告を作成することを特徴とする対面販売用計量装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の対面販売用計量装置において、
前記計量部は、前記第1操作画面に切り替えられる直前の前記第2操作画面で商品の属性が変更された場合、変更された属性に基づいて計量処理を実行可能なことを特徴とする対面販売用計量装置。
【請求項6】
請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の対面販売用計量装置において、
前記変更された属性は、商品の名称であることを特徴とする対面販売用計量装置。
【請求項7】
請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の対面販売用計量装置において、
前記変更された属性は、商品の単価であることを特徴とする対面販売用計量装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の対面販売用計量装置において、
前記第1操作画面で選択された商品につき、該商品の属性が変更された場合に、前記作成処理を実行すべき旨を報知する報知部、
をさらに備えることを特徴とする対面販売用計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−225475(P2007−225475A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−48057(P2006−48057)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】