説明

封緘方法

【課題】 テープに封緘対象に関する情報を印字をすることで宛名や送り状としての機能を持たせ、さらにはダンボール等の封緘用テープとしての機能を持たせたロール状封緘テープの印字・供給装置及び印字・封緘装置を提供する。
【解決手段】 印字封緘装置1はロール状に巻かれたテープ2とテープ2に印字をするための印字装置4とテープ2によりダンボールDの封緘をする封緘装置6とを備えており、運搬装置7により送られてくるダンボールDは封緘装置6により上面が封緘された状態となる。また、テープ2には送付先情報が印字されており、テープ2が宛名ラベルを兼ねる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状封緘テープの印字・供給装置及び印字・封緘装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなロール状封緘テープの印字・供給装置として、例えば下記特許文献1に記載されているように、ライナレス印刷用シートに印刷することのできる印字装置が知られている。
【0003】
また、封緘装置として、例えば下記特許文献2に記載されているように、ダンボールケースを左右一対のベルトコンベアにより送り出し、包装テープを上部に貼り付ける封緘装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−347715号公報
【特許文献2】特開平7−215316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来よりダンボール等に宛名や送り状を貼付する際は、封緘用のテープとは別に裏面に剥離紙を有する宛名や送り状を使用し、それらを荷物に貼っていた。しかし、封緘用のテープとは別に宛名や送り状を使用するので、資材の無駄が多かった。
【0006】
本発明の解決すべき課題は、テープに封緘対象に関する情報を印字をすることで宛名や送り状としての機能を持たせ、さらにはダンボール等の封緘用テープとしての機能を持たせたロール状封緘テープの印字・供給装置及び印字・封緘装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のロール状封緘テープの印字・供給装置は、
裏面に封緘用糊層が形成され、表面が印字許容面とされて、その表面に前記封緘用糊層との剥離を可能にするシリコン被膜等の剥離被膜が形成され、又は封緘前に剥離される剥離シートにより前記封緘用糊層が被われて、ロール状に巻かれた封緘テープと、
その封緘テープを引き出し、搬送するテープ搬送装置と、
その引き出された封緘テープの表面に、その封緘対象に関係する情報を印字する印字装置と、
その情報が印字されたテープを、封緘対象物の閉止ラインに沿って貼り付け封緘するために供給位置へ供給する封緘テープ供給装置と、
を含み、その封緘テープが情報表示ラベルを兼ねることを特徴とする。
【0008】
これによれば、ロール状に巻かれたテープは裏面に糊層が形成され、表面にはその糊層と剥離を可能にするシリコン被膜等の剥離被膜が形成されているので、表面と裏面が接着することがない。また、封緘前に剥離される剥離シートにより封緘用糊層を被っても同様に表面と裏面が接着しない。また、このテープには封緘対象に関する情報が印字されるので、別途宛名や送り状のようなラベルを貼らなくて済む。さらに、このテープは封緘対象物の閉止ラインに沿って貼ることで封緘対象物の封緘テープとして使用できる。よって、今までのように封緘対象物に封緘テープを貼った後にさらに宛名ラベル等の情報表示ラベルを貼らなくて済むので、宛名ラベル等を貼る手間が省け、省力化につながる。
【0009】
また、本発明のロール状封緘テープの印字・封緘装置は、
裏面に封緘用糊層が形成され、表面が印字許容面とされて、その表面に前記封緘用糊層との剥離を可能にするシリコン被膜等の剥離被膜が形成され、又は封緘前に剥離される剥離シートにより前記封緘用糊層が被われて、ロール状に巻かれた封緘テープと、
その封緘テープを引き出し、搬送するテープ搬送装置と、
その引き出された封緘テープの表面に、その封緘対象に関係する情報を印字する印字装置と、
その情報が印字されたテープを、封緘対象物の閉止ラインに沿って貼り付け封緘するために封緘対象物の近傍へ供給する封緘テープ供給装置と、
その供給された印字後の封緘テープを、封緘対象物との相対的な移動を伴い、前記封緘対象物の閉止ラインに沿わせ、かつ前記封緘用糊層を押圧して貼着させることにより封緘対象物を封緘する封緘装置と、
を含み、その封緘テープが情報表示ラベルを兼ねることを特徴とする。
【0010】
これによれば、引出されたテープに印字がされた後、さらに、封緘装置を有しているので、封緘対象物に封緘テープを自動で貼り付けることができ、作業効率が上がる。このように封緘対象に関係する情報の印字が封緘までの一連の連続ラインで構成することが可能となるので、箱体に封緘テープを貼った後にさらに宛名ラベル等の情報表示ラベルを貼らなくて済み、宛名ラベル等を貼る手間が省け、省力化につながる。
【0011】
また、前記印字装置は、少なくとも荷物の送付先情報を印字するものである構成とすることができる。これによれば、荷物の送付先情報が印字されているので、別途送付先情報を記載したラベルを貼る必要が無くなり、資材の無駄な使用を防ぐことができる。
【0012】
具体的には、前記封緘対象物は相対向するフラップが互いに閉止されることにより上面に閉止ラインが形成されるフラップ付き箱体であり、
前記封緘装置は、前記供給された印字後の封緘テープを、箱体との相対的な移動を伴い、箱体の一方の側面から箱体の上面の前記閉止ライン、更には他方の側面に至るように沿わせつつ押圧し前記封緘用糊層で貼着して該箱体を封緘する構成としてもよい。
【0013】
また、前記封緘対象物は本体とその開口を塞ぐ蓋とを備えて、それら本体及び箱の境界に周方向の閉止ラインが生じる蓋付き箱体であり、
前記封緘装置は、前記供給された印字後の封緘テープを、その周方向の閉止ラインに沿わせつつ押圧し前記封緘用糊層で貼着して該箱体を封緘する構成としてもよい。
【0014】
また、前記封緘テープは、裏面に封緘用糊層が、表面にその封緘用糊層との剥離を可能にするシリコン被膜等の剥離被膜が形成され、連続帯状の形態を有してロール状に巻かれるとともに引き延ばされることにより、箱体の閉止ラインに沿って貼り付けられ該閉止ラインを封止する封緘テープであって、
前記表面を構成するテープ基材と、
そのテープ基材の長手方向において該テープ基材の幅方向の中間位置を占めるように形成され、前記剥離被膜が存在しない又は該剥離被膜上に重層された、封緘対象物に関して確認印が押印される若しくは確認署名がされる分離可能部分を含む剥離被膜空白部と、
前記テープ基材の裏面に形成された前記封緘用糊層に対し、前記テープ基材の幅方向の中間位置において前記剥離被膜空白部以上の幅で、該テープ基材の長手方向に連続的かつ帯状に形成された封緘用糊層空白部と、
前記分離可能部分を該テープ基材から分離片状に切り離すために該分離可能部分に対応して形成された分離助成部と、を備え、
1回の封緘で使用される1封緘単位の長さ範囲に、少なくとも1の前記分離可能部分が位置する構成としてもよい。
【0015】
具体的には、前記分離可能部分の裏面には前記封緘用糊層が存在せず、その分離可能部分は、前記テープ基材の長手方向において前記1封緘単位の長さ領域に1箇所設けられている構成とすることができる。
【0016】
また、前記封緘テープは、裏面に封緘用糊層が、表面にその封緘用糊層との剥離を可能にするシリコン被膜等の剥離被膜が形成され、連続帯状の形態を有してロール状に巻かれるとともに引き延ばされることにより、箱体の閉止ラインに沿って貼り付けられ該閉止ラインを封止する封緘テープであって、
前記表面を構成するテープ基材と、
そのテープ基材の裏面に該テープ基材の長手方向に形成された中間糊層と、
その中間糊層において該テープ基材の裏面側に該テープ基材をその長手方向に裏打ちするように接合された補強テープ材と、
その補強テープ材の前記中間糊層とは反対側の裏面に形成された封緘用糊層と、
そのテープ基材の長手方向において所定の間隔でかつ該テープ基材の幅方向の中間位置を占めるように形成され、前記剥離被膜が存在しない又は該剥離被膜上に重層された、封緘対象物に関して確認印が押印される若しくは確認署名がされる分離可能部分を含む剥離被膜空白部と、
前記補強テープ材の裏面に形成された前記封緘用糊層に対し、前記テープ基材の幅方向の中間位置において前記剥離被膜空白部以上の幅で、該テープ基材の長手方向に連続的かつ帯状に形成された封緘用糊層空白部と、
前記テープ基材の分離可能部分の裏面に対応する前記補強テープ材の表面に形成され、該テープ基材の該分離可能部分の裏面と該補強テープ材の表面との接着を防止する、前記中間糊層が存在しない又は該中間糊層に重層された、中間糊層空白部と、
前記分離可能部分を該テープ基材から分離片状に切り離すために該分離可能部分に対応して形成された分離助成部と、を備え、
1回の封緘で使用される1封緘単位の長さ範囲に、少なくとも1の前記分離可能部分が位置する構成としてもよい。
【0017】
具体的には、前記補強テープ材は、合成樹脂で形成された補強フィルムの単層、又は該補強フィルムを含む他の層との複層からなり、前記封緘用糊層空白部は、その封緘用糊層が存在しない、該補強テープ材の長手方向において該補強テープ材の裏面が連続的に露出した部分で形成され、前記中間糊層空白部は、その中間糊層が存在しない、前記剥離被膜に対応する前記テープ基材の裏面の露出部分で形成される構成とすることができる。
【0018】
これによれば、剥離被膜空白部には確認印が押印される若しくは確認署名がされる分離可能部分があり、それを分離助成部に沿って切り取ることで証明や確認のための控えとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るロール状封緘テープの印字・供給装置及び印字・封緘装置の概念を示す説明図。
【図2】本発明に係るロール状封緘テープの印字・供給装置及び印字・封緘装置を示す図。
【図3】封緘テープを示す図。
【図4】ダンボールを示す図。
【図5】封緘装置を示す図。
【図6】テープ長さ検出部についての説明図。
【図7】封緘の作動を示す説明図。
【図8】別実施例のテープを示す図。
【図9】別実施例のテープを示す図。
【図10】各種印刷が施されたときのテープを示す図。
【図11】別形態の印刷装置を示す説明図。
【図12】各種物品への封緘を示した説明図。
【図13】各種封緘装置示した説明図。
【図14】剥離シートを備えた封緘テープの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施例1)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係るロール状封緘テープの印字・供給装置及び印字・封緘装置の概念を示す説明図である。以下の実施例では、ロール状封緘テープの印字・供給装置と印字・封緘装置の両方含む装置として印字封緘装置1を説明する。印字封緘装置1は、テープ(封緘テープ)2、テープ2を引き出し搬送するテープ搬送装置(封緘テープ搬送装置)3、引き出されたテープ2の表面に送付先情報等を印字する印字装置(送付先情報印字装置)4、テープ2をダンボール(封緘対象物、箱体)Dの近傍へ供給するためのテープ供給装置(封緘テープ供給装置)5、ダンボールDを封緘する封緘装置6及びダンボールDを運搬するダンボール供給装置7により構成される。
【0021】
ここで、テープ2、テープ搬送装置3、印字装置4、テープ供給装置5を含む装置をロール状封緘テープの印字・供給装置とし、さらに封緘装置6を加えたものをロール状封緘テープの印字・封緘装置として捉えることができる。また、テープ搬送装置3とテープ供給装置5はテープを送る一つのものと見なすことができる。これらの装置3,5はテープ2の搬送と供給とを安定して行うものである。
【0022】
テープ搬送装置3、印字装置4、テープ供給装置5及びダンボール供給装置7はそれぞれモーターMと接続されており、それらモーターMは制御部8において制御され、テープ2の搬送・供給及び印字やダンボールDの運搬について予め定められた動作を実行できる。
【0023】
印字封緘装置1について図2により具体的に説明する。印字封緘装置1は一方の側に位置するロール状に巻かれたテープ2と、中央に位置する印字装置4と、他方の側に位置する封緘装置6と、ダンボールDを供給するためのダンボール供給装置7と、それらを支える台部10と、を備える。印字装置4を挟んで両側にはテープ2を引き出すテープ搬送装置3とテープ2をダンボールDの近傍へ供給するテープ供給装置5が設置されている。これら各部位は台部10に対し支持部材(図示せず)により一体的に連結されている。また、台部10は作業に合わせ高さ調節ができるようになっていてもよいし、ダンボールDの大きさに合わせて封緘装置6の位置を上下に移動するようにしてもよい。
【0024】
ダンボール供給装置7について説明する。ダンボール供給装置7は複数のローラ70と、ダンボールDの側面と接するように位置する一対の無端ベルト71と、を備える。使用者(作業者等)はダンボールDの内フラップFI及び外フラップFOを予め印字封緘装置1に載せる前に折りたたんでいるものとする(図4参照)。ダンボールDをローラ70上に載せて進ませるとダンボールDの側方は一対の無端ベルト71により両側方を把持されながら前方へ向けて進行し、テープ2の張り合わせ位置まで移動する。
【0025】
次に、テープ2について説明する。本発明に使用されるテープ2は図3(c)に示されるように感熱紙22の表面にシリコン被膜(剥離被膜)21、感熱紙22の裏面に糊層(封緘用糊層)23が全面に渡り形成されており、それがロール状に幾重にも重なった状態で配置されている。つまり、テープ2は裏面に剥離紙が使用されていなライナーレス型のテープであり、テープ2の表面にはシリコン被膜21が形成されているので、裏面の糊層23とテープの表面がロール状に重なってもシリコン被膜21が剥離剤となってテープが接着して剥がれないということが無い。つまり、シリコン被膜21と糊層23は貼着・剥離を容易に行うことができるのでロール状に形成することが可能である。
【0026】
図3(a)に示すようにテープ2の表面には、送り先の宛名2a、荷物に関する情報を示すバーコード2b、及び取扱注意等の注意書き2cが印刷されている。ここで、取扱注意等の注意書き2cに関しては、赤インク等を使用する場合も考えられ、その場合は印字装置4に移行する前の段階で印刷するようにしてもよい。
【0027】
また、図3(b)に示すように別タイプのテープ2の表面には、商品名2d、型式2e、製造年月日2f、製造ロット番号2g、出荷先2h、配達日2i、バーコード2bが印刷されている。このようにテープ2に記す情報は様々な変更が可能である。よって、従来は送り状、商品ラベル、注意ラベルなどを別々にダンボールに貼っていたが、テープ2に全ての情報が一体的に印刷されてあるので、テープ2を貼るだけで良く、作業効率が上がる。また、テープ2の長手方向の寸法はこれらのテープ2を貼り付けるダンボールDの大きさによって適宜変更が可能であり、その幅方向の長さについても変更が可能である。
【0028】
印字装置4について具体的に説明する。印字装置4は、プリンタ本体40とプラテンローラ42から形成されている。プリンタ本体40にはサーマルヘッド(印字ヘッド)41が搭載されており、サーマルヘッド41により感熱紙で形成されたテープ2を熱変色させることでテープ2の表面に文字等を印刷することが可能である。プラテンローラ42はサーマルヘッド41の圧力を受け止め、安定した印字ができるように紙を支えながら搬送している。
【0029】
また、印字装置4に対し前方(右側)にはテープ搬送装置3が配置され、印字装置4に対し後方(左側)にはテープ供給装置5が配置されている。これらテープ搬送・供給装置3,5はテープ2を上下のローラで挟み込み支持している。テープ搬送・供給装置3,5はモーターMにより制御されているので、テープ2を搬送する際に一定の速度で搬送することが可能であり、安定した印字品質を保つことができる。
【0030】
さらに、印字のときのみテープ2の引き出しを停止するようにしてもよい。また、テープ2を引き出すときの速度を早くし、印字段階では速度を落とし供給段階では再び速度を上げるように操作してもよい。また、全ての作業において一定の速度でテープ2が流れるようにしてもよく、テープ搬送装置3とテープ供給装置5が備えられていることで、様々な速度変化が可能である。
【0031】
次に、図5により封緘装置6について具体的に説明する。テープ供給装置5の後方(左側)に位置する封緘装置6は、前押圧部61と後押圧部62及びカッター部63より形成され、ケース60内に大部分を収容されている。前押圧部61は回転軸部61bを中心に回転可能に配置されており、回転軸部61bより下方に向けてアーム部61cが延びている。アーム部61cの先端には前押圧ローラ61aが回転可能に取り付けられている。また後押圧部62は、回転軸部62bを中心に回転可能に配置されており、回転軸部62bから上方及び下方にアーム部62cが延設されている。アーム部62の下方先端には後押圧ローラ62aが回転可能に取り付けられている。
【0032】
前押圧部61と後押圧部62とは長細い形態の連結ロッド64により連結されている。前押圧部61と連結ロッド64とは回転軸部61bより下方に形成された連結軸61dにおいて回転可能に連結されている。後押圧部62と連結ロッド64とは回転軸部62bより上方に形成された連結軸62dにおいて回転可能に連結されている。また、後押圧部62の上方はバネ65により内側へ縮まる方向(回転軸部62bに対して右回転)にて付勢されている。ここで、後押圧部62は後押圧部62の回転軸部62bの上下に配置されているストッパー67,67により回転を規制されている。
【0033】
また、前押圧部61と後押圧部62との間にはカッター部63が配置されている。カッター部63は回転軸部63bを中心に回転可能に配置されており、長細い形態のアーム部63cの下方において前方へ突出するように刃63aが配置されている。アーム部63cの上方は、回転軸部63bより上方に位置するバネ66により、内側へ縮まる方向(回転軸部63bに対して左回転)にて付勢されている。
【0034】
次に、この印字封緘装置1の全体の流れ・作動を説明する。まず、ロール状に巻かれたテープ2がテープ搬送装置3のローラ等の引出し作用により引出され、印字装置4によりテープ表面に住所・氏名・名称等の送付先情報が印刷される。ここで、モータMの回転数等により、印字がされてから次の印字箇所までの長さが測定される。つまり、テープ2に対して所定の間隔で印字される。印字部Rは、ダンボールDを封緘するために必要な1封緘単位長さLの中間に位置し、先行する印刷が行われる箇所(例えば印刷開始点)から次の印刷がされる箇所(例えば次の印刷開始点)までのテープ2の走行距離がテープ走行長さ検出部9によって検出され、例えば1封緘単位長さLごとに印刷が開始されることとなる。また、テープ2に長さLごとに被検出部(例えば目印)を予め付加しておいて、これをセンサで読み取り、その位置又は、その直後の位置を印刷開始位置としてもよい。この場合は、そのセンサ等がテープ印刷開始位置の検出部となる。印刷が終わると、テープ2は印刷がされた部分とともに下流へ送られて封緘が行われる(図6参照)。
【0035】
ダンボールDの上部が封緘されるときの封緘装置6の作動について具体的に説明する。図7(a)に示すようにテープ供給装置5により供給されたテープ2の左方には前押圧ローラ61aが配置されている。ダンボールDがダンボール供給装置7により左方に移動されると、前押圧ローラ61aとダンボールDとによりテープ2が挟み込まれるようになる。このとき、ダンボールDの側面に位置するテープ2が前押圧ローラ61aにより押圧されるのでダンボールDとテープ2が強固に貼り合わされる。
【0036】
さらにダンボールDが左方に移動すると、前押圧ローラ61aがダンボールDの上方へ移動する。このとき、前押圧部61は回転軸部61bを中心に時計回りに回転する。そして、前押圧部61の回転と同時に連結ロッド64が後方へ移動する。連結ロッド64の移動に伴い、後押圧部62はバネ65の付勢力に抗して回転軸部62bを中心に反時計回りに回転する。さらにダンボールDが左方に移動すると、カッター部63の後底部63dが上方へ移動し、ダンボールDの上面を摺動する位置まで移動する。このとき、カッター部63は回転軸部63bを中心としてバネ66の付勢力に抗して時計回りに回転する。また、刃63aは回転する前押圧部61と当接して移動するのでダンボールDが傷つくことはない(図4参照)。
【0037】
図7(b)に示すように、前押圧ローラ61aと後押圧ローラ62aとは内側に回転しているのでお互いの距離が狭くなる。また、カッター部63の底部63dはダンボールDの上面を摺動するように移動する。このとき刃63aはダンボールDの上面と接しない位置にて移動している。そして、図7(b)、(c)に示すようにダンボールDの閉止ラインCに沿ってテープ2が貼り付けられる。このとき、テープ2はダンボールDの上面を移動する前押圧ローラ61a及び後押圧ローラ62aに押圧されているので強固に貼り合わされる。
【0038】
次に、図7(c)に示すようにダンボールDがさらに左方に移動した場合前押圧ローラ61aはダンボールDの上面から離れる。このとき、前押圧部61と後押圧部62とは連結ロッド64により連結されているので、前押圧部61がダンボールDの上部から離れたとしても後押圧ローラ62aがダンボールDの上部に乗っている限り下降することはない。しかし、カッター部63は別体であり連結されていないのでダンボールDの上面から離れると下降する。つまり、カッター部63は回転軸部63bを中心とし反時計回りに回転する。このときテープ2は、前押圧ローラ61aと後押圧ローラ62aとにより張られた状態にあるので、カッター部63の勢いよく振り下ろされた刃63aにより切断される(図7(d)参照)。
【0039】
さらに、ダンボールDが左方に移動すると後押圧ローラ62aがダンボールDから外れ下降する。その際、後押圧ローラ62aは回転軸部62dに対し時計回りに回転しているので、ダンボールDの側面に位置するテープ2の先端は後押圧ローラ62aにより押圧されることとなり、ダンボールDへの貼着が強固なものとなる。このようにして、ダンボールDへテープ2が貼着され、ダンボールDの封緘が完了する。このとき、前押圧部61は回転軸部61bを中心に反時計回りに回転し前方に位置するテープ20後方に移動し停止する(図7(e)参照)。そして、ダンボールDが送られてくる毎にこれらの作動が繰り返される。
【0040】
このように、ロール状に巻かれたテープ2は裏面に糊層23が形成され、表面にはその糊層23と対向する位置にシリコン被膜21が形成されているので、剥離紙を用いなくても表面と裏面が接着することがなく、剥離紙がゴミとなることを防ぐことができる。
【0041】
また、このテープ2には印字装置4により荷物の送付先情報が印字されるのでテープ2自体が宛名ラベルを兼ねることとなる。さらに、このテープ2はダンボールDの閉止ラインCに沿って貼ることでダンボールDの封緘用のテープ2として使用できるので宛名ラベルの機能を持たせた封緘用テープと2して機能する。
【0042】
また、テープ搬送装置3とテープ供給装置5があることで、テープ2の搬送と供給が安定して行われる。さらに、ダンボールDにテープ2を貼る際は封緘装置6により自動で貼り付けられるので作業効率が向上し、省力化が図られるとともに封緘テープを貼った後にさらに裏面に剥離紙が使用されている宛名ラベルを貼らなくて済むので、宛名ラベルを貼る手間が省けるとともにゴミも減らすことができる。
【0043】
(実施例2)
印字封緘装置1に別形態の封緘テープ20を使用した場合について説明する。図8(b)に示すようにこのテープ20は、感熱紙22の幅方向の両端表面に剥離被膜であるシリコン被膜21が形成されている。ここで、テープ20の表面を構成する感熱紙22とシリコン被膜21を合わせてテープ基材Kとすると、テープ基材Kの幅方向の中間位置を占めるようにシリコン被膜21が存在しない剥離被膜空白部26が形成されている。また、剥離被膜空白部26の外縁にはミシン目(分離助成部)20b(カット部を形成又は切り取り線を印刷してもよい)が形成されている。また、テープ基材Kの裏面にはシリコン被膜21と対向する位置に糊層(封緘用糊層)23が形成されている。糊層23に対してテープ基材Kの幅方向の中間位置において剥離被膜空白部26以上の幅で、テープ基材Kの長手方向に連続的に帯状に封緘用糊層空白部27が形成されている。
【0044】
ここで、図8(a)に示すようにミシン目20bの内側には印取り部(押印箇所)20aが印刷されている。また、バーコード20cが3カ所に印刷されている。このバーコード20cはコンピュータを用い、取引に関わるデータを電子データとして交換するいわゆるEDIに対応するために印刷されるものである。ここで、ダンボールDにテープ20が貼られた際はコーナー部20d,20d付近でテープ20が折り曲げられることとなる。また、テープ20をダンボールDに貼った際にダンボールDの閉止ラインC(図4参照)がテープ基材Kの幅方向の中央近辺にくるようになる。このため、バーコード20cはダンボールDの上面と両側面から読み取ることができる。
【0045】
このようなテープ20では、剥離被膜空白部26に荷受人が荷物を受領したことを示す受領印(確認印)が印取り部20aに押印されるようになり、ミシン目20bによってテープ20を切り取ることで受領の証明とすることができる。また、切取り易いように摘み部20fを形成してもよい。もし、印取り部20a上にシリコン被膜21が形成されていれば、シリコン被膜21によりインク等を弾いてしまい押印ができないが、印取り部20a上は、剥離被膜空白部26が形成されているので問題なく押印を行うことができる。さらに、印取り部20aの代わりに受領署名箇所(確認署名がされる箇所)を形成することも可能である。そして、押印された部分はミシン目20bに沿って切り離すことができる分離可能部分20eであり、その分離片を受領の証明とすることができる。また、この分離可能部分20eは1封緘単位長さLの範囲内に1箇所形成されているとともに封緘用糊層空白部27内に位置しているので、裏面がダンボールDに接着しておらず容易に切り取ることができる。また、剥離被膜空白部26以上の幅で封緘用糊層空白部27が形成されているのでテープ20をロール状にしても表面の剥離被膜空白部26と裏面の封緘用糊層23が接着することが起こらない。よって、剥離紙を使用せずに済むので環境にもよく、このようなテープ20を使用することで送り状としての機能を備えたテープを封緘用テープとして印字封緘装置1に使用することが可能となる。
【0046】
ここで、剥離被膜空白部26はシリコン被膜21が存在しないような構成としたが、押印や署名が行える塗料をシリコン被膜21の上の押印や署名を行う部分に塗布するようにし、この部分を剥離被膜空白部26としてもよい。このような構成とし、感熱紙22の裏面は同様に封緘用糊層23に対してテープ基材Kの幅方向の中間位置において剥離被膜空白部26以上の幅でテープ基材Kの長手方向に連続的に帯状に封緘用糊層空白部27を形成することで、テープ20をロール状にしても問題なく使用できるので、同様に印字封緘装置1に使用可能となる。
【0047】
また、剥離被膜空白部26は1封緘単位長さL上において、テープ20の長手方向で糊層23と対向する位置に連続的かつ帯状に設ける構成に代えて、印取り部20aが形成される部分のみを剥離被膜空白部26とし、1封緘単位長さL上に1箇所ずつ設けるような構成としてもよい。
【0048】
(実施例3)
さらに別形態の封緘テープ20’を使用した場合を説明する。図9(b)に示すようにこのテープ20’は、感熱紙22の幅方向の両端表面に剥離被膜であるシリコン被膜21が形成されている。ここで、テープ20’の表面を構成する感熱紙22とシリコン被膜21を合わせてテープ基材Kとすると、テープ基材Kの幅方向の中間位置を占めるようにシリコン被膜21が存在しない剥離被膜空白部26が形成されている。さらに、テープ基材Kの裏面には中間糊層24が形成されている。そして、その中間糊層24においてテープ基材Kの裏面側にテープ基材Kをその長手方向に裏打ちするように補強テープ材25が接合されている。また、補強テープ材25の裏面にはシリコン被膜21と対向する位置に糊層(封緘用糊層)23が形成されている。糊層23に対してテープ基材Kの幅方向の中間位置において剥離被膜空白部26以上の幅で、テープ基材Kの長手方向に連続的に帯状に封緘用糊層空白部27が形成されている。
【0049】
また、図9(c)に示すようにテープ基材Kの剥離被膜空白部26の裏面に対応する補強テープ材25の表面には、テープ基材Kの剥離被膜空白部26の裏面と補強テープ材25の表面との接着を防止する、中間糊層24が存在しない中間糊層空白部28が形成されている。さらに、剥離被膜空白部26をテープ基材Kから分離するために剥離被膜空白部26に対応して(中間糊層28の外縁上方のテープ基材Kの位置)ミシン目(分離助成部)20b(カット部を形成又は切り取り線を印刷してもよい)が形成されている。
【0050】
ここで、図9(a)に示すようにミシン目20bの内側には印取り部20aが印刷されている。また、バーコード20cが3カ所に印刷されている。このバーコード20cはコンピュータを用い、取引に関わるデータを電子データとして交換するいわゆるEDIに対応するために印刷されるものである。ここで、ダンボールDにテープ20’が貼られた際はコーナー部20d,20d付近でテープ20’が折り曲げられることとなる。また、テープ20’をダンボールDに貼った際にダンボールDの閉止ラインC(図4参照)がテープ基材Kの幅方向の中央近辺にくるようになる。このため、バーコード20cはダンボールDの上面と両側面から読み取ることができる。
【0051】
このようなテープ20’では、剥離被膜空白部26に荷受人が荷物を受領したことを示す受領印が印取り部20aに押印されるようになり、ミシン目20bによってテープ20’を切り取ることで受領の証明とすることができる。また、切取り易いように摘み部20fを形成してもよい。もし、印取り部20a上にシリコン被膜21が形成されていれば、シリコン被膜21によりインク等を弾いてしまい押印ができないが、印取り部20a上は、剥離被膜空白部26が形成されているので問題なく押印を行うことができる。さらに、印取り部20aの代わりに受領署名箇所を形成することも可能である。
【0052】
また、図9(b)、(c)に示すように分離可能部分20eの外側全体には中間糊層24が補強テープ材25の表面全体に形成されているが、分離可能部分20eの内側及ミシン目20bの回りには中間糊層24が形成されていない。よって、押印された部分はミシン目20bに沿って切り離すことができる分離可能部分20eとなり、その分離片を受領の証明とすることができる。また、この分離可能部分20eは1封緘単位長さLの範囲内に1箇所形成されているとともに中間糊層空白部28内に位置しているので、裏面が補強テープ材25に接着しておらず容易に切り取ることができる。
【0053】
また、剥離被膜空白部26以上の幅で封緘用糊層空白部27が形成されているのでテープ20’をロール状にしても表面の剥離被膜空白部26と裏面の封緘用糊層23が接着することが起こらない。さらに、テープ20’のテープ基材Kには補強テープ材25が裏打ちされているので、テープ20’の強度を向上させることができ、テープ20’の一部を切り取ったとしてもダンボールDの封緘に影響がなく、切り取った隙間から塵やゴミが入ることを防ぐことができる。このようなテープ20’を使用することで送り状としての機能を備えたテープを封緘用テープとして印字封緘装置1に使用することが可能となる。
【0054】
また、剥離被膜空白部26はシリコン被膜21が存在しないような構成としたが、押印や署名が行える塗料をシリコン被膜21の上の押印や署名を行う部分に塗布するようにし、この部分を剥離被膜空白部26としてもよい。このような構成とし、感熱紙22の裏面は同様に封緘用糊層23に対してテープ基材Kの幅方向の中間位置において剥離被膜空白部26以上の幅でテープ基材Kの長手方向に連続的に帯状に封緘用糊層空白部27を形成することで、テープ20’をロール状にしても問題なく使用できるので、同様に印字封緘装置1に使用可能となる。また、テープ基材Kの裏面と補強テープ材25との接着を防ぐために中間糊層24の表面にテープ基材Kと接着をしない層を設け、その部分を中間糊層空白部28としてもよい。この場合も同様に、分離可能部分20eの切取りが可能である。
【0055】
ここで、補強テープ材25はポリプロピレン等の合成樹脂で形成されたフィルムの単層、又は補強フィルムを含む他の層との複層とすることができ、補強テープ材を紙とすることも可能である。このように、フィルムや紙の組合せは様々に変更が可能であり、フィルム層があることで水滴等にも強くなる。また、印取り部20aやバーコード20c等の印刷は印字装置4によって行うようにすれば良く、この他にもあて先や配達日等の他の情報を印字することも可能である。
【0056】
また、剥離被膜空白部26は1封緘単位長さL上において、テープ20の長手方向で糊層23と対向する位置に連続的かつ帯状に設ける構成に代えて、印取り部20aが形成される部分のみを剥離被膜空白部26とし、1封緘単位長さL上に1箇所ずつ設けるような構成としてもよい。
【0057】
図10に感熱紙22の表面に各種印刷が施されたときのテープ200について説明する。テープ200表面には、印取り部200a及び署名部(署名箇所)200bが印刷され、それが分離可能部分200eとなっている。データとして読み取るバーコード200cや注意書き200fも同時に印刷されている。また、商品に関する情報200g、あて先200h、荷送先200i、各種配達店舗情報200jも同時に印刷される。そして、テープ200はダンボールDに対し、コーナー部200d,200dから先を側面に中央部を上面にし貼り付けられる。ここで、分離可能部分200eのみが切取り可能となるようになっているが、例えばあて先200hや荷送先200i等がその裏面に糊なし層を形成することで分離可能部分200eとし、その部分を切取り可能とするようにしてもよい。こうすることで、その部分のみを別で処分することができ、個人情報の保護に繋がる。また、店での商品のロット管理のために商品情報が記載された部分を切り取ることも可能であり、使用形態に合わせ切取り部分の変更が可能となる。また、印取り部200aはテープ200の中央にある場合を示したがコーナー部200dより先に形成されるようにしてもよく(複数箇所に形成が可能)、印刷の配置は使用状況に合わせ適宜変更が可能である。このように豊富な情報を含む封緘テープを印字封緘装置1に使用可能となる。
【0058】
また、印字情報についてはここに示すものだけではなく、商品や店のマークを印刷してもよいし、切取り部を剥がした部分にクーポンや割引情報を印刷するようにしてもよい。さらに、その部分に携帯のカメラで読み取ることのできるQRコードを印刷して、サイトにアクセスできるようにしてもよい。このように、テープの使用状態によって印字内容(情報内容)を変更できるので、どのような状況にも対応できる封緘テープを形成することが可能となる。
【0059】
(実施例4)
上記実施例では、封緘装置6を備える形態の装置が記載されていたが、封緘装置6を備えず、印字装置4によって印字されたテープ2を直接人の手で貼るようにすることも可能である。このように使用する場合は、予めテープ2に対し一定の長さ毎にミシン目を入れることでそのミシン目に沿ってテープ2を千切ればダンボールDへの封緘が容易となる。また、印字装置4にカッターを装着し、印刷後に1封緘単位長さL毎に切断(又はミシン目を形成)が行われるようにしてもよい。
【0060】
また、以上の説明では印字装置4は感熱紙22をプリンターのサーマルヘッドにより加熱し、熱変色させるダイレクトサーマル印字方式のものを説明したが、感熱転写リボンのインクを熱で打ち抜くようにテープを熱転写するインクリボン熱溶解転写方式のものを使用することもできる。さらに、シリコン被膜に定着可能なインクにより、そのインクをノズルから噴射してテープに定着させるインクジェットプリンタや、インクを含侵させたインクリボンをドットヘッドで打撃してテープに定着させるドットインパクトプリンタを使用することも可能である。例えば図11に示すようなインクジェットプリンタ400は、印字ヘッド410と複数種類のカラーインクカートリッジの取付部420とテープ送りローラ430とを備え、印字ヘッド410からインクがテープ2の表面に噴射され、インクがその表面に定着することにより印字が行われる。この場合、テープ2の表面には、前述のシリコン被膜21等の剥離被膜が形成されているため、インクジェットプリンタ400のインクはその剥離被膜に定着する組成・性質のインクであることが前提となる。また、必要に応じてインクジェットプリンタ400の印字ヘッド410がテープ表面に噴射されたインクを印字した後に(例えば直後の工程で)加熱する加熱装置を設けて、テープ表面に対するインクの定着を促進することも可能である。また、カラー印刷の場合はシリコン被膜工程の前にその部分だけ予め印刷をしておき、その上から被膜処理をするようにしてもよい。
【0061】
また、図12に示すように封緘テープ2は様々な物品に使用することができる。例えば図12(a)に示すように発泡スチロール箱600にテープ2を使用した場合を示す。このように、発泡スチロール箱600は上面の開口が蓋で塞がれているので、閉止ラインCは側方を囲むように周方向に形成される。よって、テープ2によりその閉止ラインCを封止するために、印字封緘装置1においてテープ2を貼り付ける際は、側方を貼り付けられるようにテープ2を周方向の閉止ラインCに合わせつつ押圧し糊層23で貼着して発泡スチロール箱600を封緘すればよい。図12(b)はプラスチックコンテナ610にテープ2が使用される場合を示しており、このように使用する場合は、プラスチックコンテナ610を組み立てた後に上部の閉止ラインCを封止することとなる。また、図12(c)は封書620にテープ2が使用される場合を示し、閉止ラインCに沿って封書620を宛名などが印刷されたテープ2により封止することができる。また、図12(d)は円筒状容器630の閉止ラインCに沿ってテープ2を巻きつけた場合を示し、このように使用する場合は印字封緘装置1において円筒状容器630を回転するような仕組とすればよい。このように、印字封緘装置1では様々な物品に封緘テープ2を使用することが可能となる。
【0062】
具体的には、図13(a)に示すように発泡スチロール箱600の周方向の側面にテープ2を貼り付ける封緘装置について説明すると、搬送装置605により搬送されてきた発泡スチロール箱600は回転台601上で一旦停止する。そして、押圧ローラ602によりテープ2の先端が発泡スチロール箱600に貼り付けられる。押圧ローラ602はテープ2を一定の圧力で押圧しており、その圧力が掛かったまま、回転台600が回転し、発泡スチロール箱600の周方向にテープ2が貼り付けられる。貼り付けが完了するとカッター604が移動しテープ2が切断される。また、押圧ローラ602が発泡スチロール箱600から離れるとともに吸着ローラ603にテープ2が吸着する。そして搬送装置605により再び発泡スチロール箱600が封緘された状態で搬送される。
【0063】
また、封書620が封緘される様子を図13(b)において説明する。封書620は無端ベルトを備えたローラ624により搬送され、テープ2が押圧ローラ621により封書の封緘部に押圧される。押圧ローラは一定の力を加えたまま回転し、封書620はローラ624によりさらに移動する。封書620の封緘が終了すると、カッター623によりテープ2が切断される。そして、押圧ローラ621が封書620から離れるとともに吸着ローラ622にテープが吸着し、封書620はローラ624によりさらに搬送される。
【0064】
また、図14(a)に示すように剥離シート付きテープ700は、封緘用糊層23の下方には剥離可能に積層された剥離シート(剥離紙)29が備えられている。このように剥離シートのあるテープとすることも可能である。このような場合、表面は糊層23と接着することがないので、テープ基材Kは表面の感熱紙22となりシリコン被膜は必ずしも必要ない。また、テープ基材Kの長手方向にはその幅方向の中間位置を占めるように封緘用糊層空白部27が形成され、この封緘用糊層空白部27に対応するように分離可能部分20eが形成されており、ミシン目20bにより容易に切取りが可能となっている。ここで、封緘用糊層空白部27は分離可能部分20eに合わせテープ基材Kの長手方向に合わせ所定の間隔で形成してもよいし、連続帯状に形成してもよい。
【0065】
また、図14(b)に示すように剥離シート付きテープ700’は、封緘用糊層23の下方に剥離可能に積層された剥離シート29が備えられており、この場合は、中間糊層空白部28に対応するように分離可能部分20eが形成され、ミシン目20bにより容易に切取りが可能となる。ここで、中間糊層空白部28は分離可能部分20eに合わせテープ基材Kの長手方向に合わせ所定の間隔で形成してもよいし、連続帯状に形成してもよい。また、封緘用糊層23は剥離シート29が備えられているため、補強テープ材25の剥離シート29側の全面に渡り塗布される形態とすることができる。
【0066】
また、図14(c)は剥離シート29を印字封緘装置に使用する場合を説明した図であり、剥離シート付きテープ700(700’)は印字装置4により印刷がされた後は、剥離紙吸着ローラ900により剥離シート29のみ剥離された状態で次の工程へ搬送される。
【0067】
このように、剥離紙があることで保存が良好にでき、テープを小ロット用に手張りで箱体等(封緘対象物)に貼り付けることが可能である。さらに、そのテープの1封緘単位長さL毎にミシン目や切取り線を形成するようにすれば封緘が容易となる。
【0068】
また、上記説明では封緘装置6に送られてくるダンボールDは内フラップFI及び外フラップFOを予め折りたたんで搬送する必要があったが、両フラップFI,FOを自動で折りたためる封緘装置を使用することも可能である。さらに、ダンボールDの両フラップFI,FOの浮き上がりを防ぐために、テープ2が貼り付けられる前に押さえ部によりダンボールDの上面を押さえるようにしてもよい。このように、封緘装置は実施形態に合わせ適宜変更が可能である。
【0069】
また、上記の封緘テープはダンボールD等の箱体の寸法に合わせて長さ方向寸法の変更が可能であり、幅方向についても印字量を増やしたいときは幅を広く取ったテープを使用することができ、箱体に合わせ適宜変更可能である。
【0070】
また、上記に示す封緘テープでは、感熱紙を使用するものを示したが、封緘テープの基材に使用される材質はこれに限らず、ガムテープやPPテープに使用することも可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 印字封緘装置
2 テープ(封緘テープ)
3 テープ搬送装置(封緘テープ搬送装置)
4 印字装置(送付先情報印字装置)
5 テープ供給装置(封緘テープ供給装置)
6 封緘装置
7 ダンボール供給装置
D ダンボール(封緘対象物、箱体)
FI 内フラップ
FO 外フラップ
C 閉止ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面に封緘用糊層が形成され、表面が印字許容面とされて、その表面に前記封緘用糊層との剥離を可能にするシリコン被膜等の剥離被膜が形成され、又は封緘前に剥離される剥離シートにより前記封緘用糊層が被われて、ロール状に巻かれた封緘テープと、
その封緘テープを引き出し、搬送するテープ搬送装置と、
その引き出された封緘テープの表面に、その封緘対象に関係する情報を印字する印字装置と、
その情報が印字されたテープを、封緘対象物の閉止ラインに沿って貼り付け封緘するために供給位置へ供給する封緘テープ供給装置と、
を含み、その封緘テープが情報表示ラベルを兼ねることを特徴とするロール状封緘テープの印字・供給装置。
【請求項2】
裏面に封緘用糊層が形成され、表面が印字許容面とされて、その表面に前記封緘用糊層との剥離を可能にするシリコン被膜等の剥離被膜が形成され、又は封緘前に剥離される剥離シートにより前記封緘用糊層が被われて、ロール状に巻かれた封緘テープと、
その封緘テープを引き出し、搬送するテープ搬送装置と、
その引き出された封緘テープの表面に、その封緘対象に関係する情報を印字する印字装置と、
その情報が印字されたテープを、封緘対象物の閉止ラインに沿って貼り付け封緘するために封緘対象物の近傍へ供給する封緘テープ供給装置と、
その供給された印字後の封緘テープを、封緘対象物との相対的な移動を伴い、前記封緘対象物の閉止ラインに沿わせ、かつ前記封緘用糊層を押圧して貼着させることにより封緘対象物を封緘する封緘装置と、
を含み、その封緘テープが情報表示ラベルを兼ねることを特徴とするロール状封緘テープの印字・封緘装置。
【請求項3】
前記印字装置は、少なくとも荷物の送付先情報を印字するものである請求項1又は2に記載のロール状封緘テープの印字・供給装置又は印字・封緘装置。
【請求項4】
前記封緘対象物は相対向するフラップが互いに閉止されることにより上面に閉止ラインが形成されるフラップ付き箱体であり、
前記封緘装置は、前記供給された印字後の封緘テープを、箱体との相対的な移動を伴い、箱体の一方の側面から箱体の上面の前記閉止ライン、更には他方の側面に至るように沿わせつつ押圧し前記封緘用糊層で貼着して該箱体を封緘する請求項2又は3のいずれか1項に記載のロール状封緘テープの印字・供給装置又は印字・封緘装置。
【請求項5】
前記封緘対象物は本体とその開口を塞ぐ蓋とを備えて、それら本体及び箱の境界に周方向の閉止ラインが生じる蓋付き箱体であり、
前記封緘装置は、前記供給された印字後の封緘テープを、その周方向の閉止ラインに沿わせつつ押圧し前記封緘用糊層で貼着して該箱体を封緘する請求項2又は3に記載のロール状封緘テープの印字・供給装置又は印字・封緘装置。
【請求項6】
前記封緘テープは、裏面に封緘用糊層が、表面にその封緘用糊層との剥離を可能にするシリコン被膜等の剥離被膜が形成され、連続帯状の形態を有してロール状に巻かれるとともに引き延ばされることにより、箱体の閉止ラインに沿って貼り付けられ該閉止ラインを封止する封緘テープであって、
前記表面を構成するテープ基材と、
そのテープ基材の長手方向において該テープ基材の幅方向の中間位置を占めるように形成され、前記剥離被膜が存在しない又は該剥離被膜上に重層された、封緘対象物に関して確認印が押印される若しくは確認署名がされる分離可能部分を含む剥離被膜空白部と、
前記テープ基材の裏面に形成された前記封緘用糊層に対し、前記テープ基材の幅方向の中間位置において前記剥離被膜空白部以上の幅で、該テープ基材の長手方向に連続的かつ帯状に形成された封緘用糊層空白部と、
前記分離可能部分を該テープ基材から分離片状に切り離すために該分離可能部分に対応して形成された分離助成部と、を備え、
1回の封緘で使用される1封緘単位の長さ範囲に、少なくとも1の前記分離可能部分が位置する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のロール状封緘テープの印字・供給装置又は印字・封緘装置。
【請求項7】
前記分離可能部分の裏面には前記封緘用糊層が存在せず、その分離可能部分は、前記テープ基材の長手方向において前記1封緘単位の長さ領域に1箇所設けられている請求項6に記載のロール状封緘テープの印字・供給装置又は印字・封緘装置。
【請求項8】
前記封緘テープは、裏面に封緘用糊層が、表面にその封緘用糊層との剥離を可能にするシリコン被膜等の剥離被膜が形成され、連続帯状の形態を有してロール状に巻かれるとともに引き延ばされることにより、箱体の閉止ラインに沿って貼り付けられ該閉止ラインを封止する封緘テープであって、
前記表面を構成するテープ基材と、
そのテープ基材の裏面に該テープ基材の長手方向に形成された中間糊層と、
その中間糊層において該テープ基材の裏面側に該テープ基材をその長手方向に裏打ちするように接合された補強テープ材と、
その補強テープ材の前記中間糊層とは反対側の裏面に形成された封緘用糊層と、
そのテープ基材の長手方向において所定の間隔でかつ該テープ基材の幅方向の中間位置を占めるように形成され、前記剥離被膜が存在しない又は該剥離被膜上に重層された、封緘対象物に関して確認印が押印される若しくは確認署名がされる分離可能部分を含む剥離被膜空白部と、
前記補強テープ材の裏面に形成された前記封緘用糊層に対し、前記テープ基材の幅方向の中間位置において前記剥離被膜空白部以上の幅で、該テープ基材の長手方向に連続的かつ帯状に形成された封緘用糊層空白部と、
前記テープ基材の分離可能部分の裏面に対応する前記補強テープ材の表面に形成され、該テープ基材の該分離可能部分の裏面と該補強テープ材の表面との接着を防止する、前記中間糊層が存在しない又は該中間糊層に重層された、中間糊層空白部と、
前記分離可能部分を該テープ基材から分離片状に切り離すために該分離可能部分に対応して形成された分離助成部と、を備え、
1回の封緘で使用される1封緘単位の長さ範囲に、少なくとも1の前記分離可能部分が位置する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のロール状封緘テープの印字・供給装置又は印字・封緘装置。
【請求項9】
前記補強テープ材は、合成樹脂で形成された補強フィルムの単層、又は該補強フィルムを含む他の層との複層からなり、前記封緘用糊層空白部は、その封緘用糊層が存在しない、該補強テープ材の長手方向において該補強テープ材の裏面が連続的に露出した部分で形成され、前記中間糊層空白部は、その中間糊層が存在しない、前記剥離被膜に対応する前記テープ基材の裏面の露出部分で形成される請求項8に記載のロール状封緘テープの印字・供給装置又は印字・封緘装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−1260(P2012−1260A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139614(P2010−139614)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【特許番号】特許第4672087号(P4672087)
【特許公報発行日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(399035098)西川コミュニケーションズ株式会社 (5)
【Fターム(参考)】