説明

導電性パターンを用いるテストストリップ識別

体液試料を受ける試薬端部と、測定装置のテストストリップレセプタクルスロットで受けられる挿入端部とを含むテストストリップであって、挿入端部が、テストストリップが装置内に挿入されたことを測定装置に示す1つまたは複数のオンストリップインジケータを含み、その結果、装置が、試験を実施することに備えて電源投入され、1つまたは複数のオンストリップインジケータが、較正が自動的であるか、それともユーザが前記装置に較正情報を入力する必要があるかを示す別個のパターンを有するテストストリップと、対応する方法とが開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照によりその開示が実質的に本明細書に組み込まれる、2007年4月27日出願の「Identification of a Strip Type by the Meter Using Conductive Patterns on the Strip」という名称の米国仮出願第60/914650号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
分析センサまたは単にセンサとも呼ばれ、多くの場合テストストリップの形態であるバイオセンサが、化学および医学において、体液試料などの試料中の生物学的アナライトの存在および濃度を求めるために一般的に使用されている。そのようなバイオセンサは、例えば糖尿病患者の血糖レベルおよび集中治療中のラクテートを監視するのに使用される。センサが引き続き使用されているので、製造が容易で、患者が使用するのが容易なセンサが引き続き注目されている。
【0003】
センサは通常、テストストリップを受けるスロットを有するメータ、およびストリップに付着した試料中のアナライトの量を求める分析構成要素と共に使用される。どんな種類のストリップが使用されているかをユーザおよび/またはメータが判定するためのユーザフレンドリな方法を有することが望ましい。ストリップまたはストリップのパッケージは通常、それに関連する較正情報を有する。メモリチップを有する特定の較正試験ストリップや、ユーザによってメータに手入力するための、ストリップのボックスに対する較正コードなど、様々な較正手順が利用可能である。ストリップ上に格納された較正情報で自動較正し、またはメータと共に使用されるストリップに対して事前較正されるストリップメータシステム、すなわちユーザによるどんな入力または操作も必要とすることなく較正されるストリップメータシステムを有することも望ましい。その結果、あるストリップまたはストリップのグループにどんなタイプの較正が関連するかをユーザおよび/またはメータに示す方法を有することも望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6175752号明細書
【特許文献2】米国特許第6461496号明細書
【特許文献3】米国特許第6591125号明細書
【特許文献4】米国特許第6616819号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2006/0091006A1号明細書
【特許文献6】米国特許第6503381号明細書
【特許文献7】米国特許第6773671号明細書
【特許文献8】米国特許第6338790号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
血糖監視システムは、電子装置(メータ)および使い捨てテストストリップを使用する。テストストリップは、電気化学的または測光的なものでよい。
【0006】
こうしたテストストリップは、体液試料などの試料中のアナライト(グルコースなど)と反応する化学物質を含み、したがってメータは、アナライトの濃度に比例する信号を読み取ることができる。テストストリップが、試験を実施するためにメータに挿入される。メータは、テストストリップの挿入を認識し、次いで試料の付着時に測定を実施する。
【0007】
ストリップの認識を機械的に行うことができる。ストリップが挿入されるとき、ストリップは、メータ内の電子回路を開き、または閉じ、ストリップの挿入を示す。物理的要件に合致するテストストリップのみが、メータを作動する。
【0008】
ストリップの認識を電子的に行うこともできる。この場合、メータは、テストストリップから電子信号(電気的連続性など)を検出し、分析を実施するようにメータを作動する。電子信号は、導電性電極または電極の組合せの形態でよい。Abbott Diabetes CareのFreeStyleテストストリップは、導電性ストライプ(ウェイクアップバー)を使用して、ストリップの挿入時にメータを作動する。
【0009】
ここで図面を参照すると、いくつかの図全体を通して、同様の参照番号および参照文字が、対応する構造を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明によるセンサストリップの第1実施形態の概略図である。
【図2A】各層が第1構成の電極と共に個々に示される、図1に示されるセンサストリップの分解組立図である。
【図2B】図1および図2Aに示されるセンサストリップの上面図である。
【図3A】各層が第2構成の電極と共に個々に示される、本発明によるセンサストリップの第2実施形態の概略図である。
【図3B】図3Aに示されるセンサストリップの上面図である。
【図4】図3Aおよび図3Bのセンサストリップの第1基板の上面図である。
【図5A】本発明による適切な挿入モニタに関する第1実施例構成の上面図である。
【図5B】本発明による適切な挿入モニタに関する第2実施例構成の上面図である。
【図5C】本発明による適切な挿入モニタに関する第3実施例構成の上面図である。
【図5D】本発明による適切な挿入モニタに関する第4実施例構成の上面図である。
【図6A】本発明による、センサ構成要素のシートの一実施形態の上面図である。
【図6B】本発明による、センサ構成要素のシートの別の実施形態の上面図である。
【図7A】本発明による電気コネクタ装置内に挿入するために配置されるセンサストリップの上部斜視図である。
【図7B】図7Aの電気コネクタ装置の分解組立図である。
【図8】センサストリップの別の実施形態の概略図である。
【図9】各層が第1構成の電極と共に個々に示される、図8に示されるセンサストリップの分解組立図である。
【図10】テストストリップセンサの別の実施形態を示す図である。
【図11】テストストリップセンサの別の実施形態を示す図である。
【図12A】ウェイクアップバー形状および試薬端部又は試料付着端部の輪郭を有するテストストリップセンサの実施形態を示す図である。
【図12B】ウェイクアップバー形状および試薬端部又は試料付着端部の輪郭を有するテストストリップセンサの実施形態を示す図である。
【図12C】ウェイクアップバー形状および試薬端部又は試料付着端部の輪郭を有するテストストリップセンサの実施形態を示す図である。
【図12D】ウェイクアップバー形状および試薬端部又は試料付着端部の輪郭を有するテストストリップセンサの実施形態を示す図である。
【図12E】ウェイクアップバー形状および試薬端部又は試料付着端部の輪郭を有するテストストリップセンサの実施形態を示す図である。
【図12F】ウェイクアップバー形状および試薬端部又は試料付着端部の輪郭を有するテストストリップセンサの実施形態を示す図である。
【図13A】明確に輪郭が示された試薬端部およびウェイクアップバー形状を有するテストストリップの一実施形態の層を示す図である。
【図13B】明確に輪郭が示された試薬端部およびウェイクアップバー形状を有するテストストリップの一実施形態の層を示す図である。
【図13C】明確に輪郭が示された試薬端部およびウェイクアップバー形状を有するテストストリップの一実施形態の層を示す図である。
【図13D】明確に輪郭が示された試薬端部およびウェイクアップバー形状を有するテストストリップの一実施形態の層を示す図である。
【図13E】明確に輪郭が示された試薬端部およびウェイクアップバー形状を有するテストストリップの一実施形態の層を示す図である。
【図14A】図13Aで示されるテストストリップの試薬端部の層を示す図である。
【図14B】図13Bで示されるテストストリップの試薬端部の層を示す図である。
【図14C】図13Cで示されるテストストリップの試薬端部の層を示す図である。
【図14D】図13Dで示されるテストストリップの試薬端部の層を示す図である。
【図14E】図13Eで示されるテストストリップの試薬端部の層を示す図である。
【図15A】両側に別個の突起を有するストリップの実施形態を示す図である。
【図15B】両側に別個の突起を有するストリップの実施形態を示す図である。
【図15C】両側に別個の突起を有するストリップの実施形態を示す図である。
【図15D】両側に別個の突起を有するストリップの実施形態を示す図である。
【図15E】両側に別個の突起を有するストリップの実施形態を示す図である。
【図16A】一端に別個の突起を有するストリップの実施形態を示す図である。
【図16B】一端に別個の突起を有するストリップの実施形態を示す図である。
【図16C】一端に別個の突起を有するストリップの実施形態を示す図である。
【図16D】一端に別個の突起を有するストリップの実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ストリップの機械的検出および/または電子的検出の改善のための実施形態が、本明細書で提供される。ある実施形態では、例えば異なる較正情報を必要とするストリップを区別するように、ウェイクアップバーをパターン化することができる。図1、図2B、図3B、図5Aから図5D、図7Aから図7B、図8から図11、図12Aから図12F、および図13Aは、ユーザおよび/またはメータによって区別することのできるウェイクアップバーの様々な構成を示すが、このような構成は例示的構成であり、使用することのできる構成を限定するものではないものとする。例示的な図として、図10に示されるウェイクアップバー30のパターンを、電気化学的テストストリップ、例えばFreeStyle(R)血糖監視ストリップ用に使用することができる。この矩形ウェイクアップバー30は、試験を実施する前にユーザがメータに較正情報を入力することをストリップが必要とすることを、メータまたはユーザに示すことができる。一方、図11は、図10のウェイクアップバー30とは異なるパターンを有するウェイクアップバー800を示す。ウェイクアップバー800のパターンは、メータおよび/またはユーザに情報を示すことができ、例えばユーザがメータに較正情報を入力する必要がないこと、すなわちこうしたタイプのストリップでは較正が自動的であることをメータまたはユーザに示すことができる。これは、普通ならメータをミスコーディングするユーザ、またはメータ自体をミスコーディングするメータによって引き起こされる可能性のある誤りを低減することができる。
【0012】
こうした種類のストリップのどちらも受け入れ、または1つの種類のストリップのみを受け入れるように単一のメータを構成することができる。言い換えれば、ウェイクアップバー設計は、ストリップを相互に排他的にすることができ、クロスユース(cross use)をなくす。図1から図16D全体を通してストリップの様々な機械的構成が示されており、具体的には、図8から図9、図12Dから図12F、図13Aから図14E、および図15Aから図16Dは、図10から図11および図12Aから図12Cに示されるような典型的なほぼ矩形のストリップとは機械的に異なるストリップの実施形態を示す。
【0013】
較正が自動的であるか、それともユーザがメータ内に較正ストリップを配置し、またはメータに較正情報を入力するなどの何らかの操作を実施しなければならないかをユーザおよび/またはメータが区別することを可能にする、様々なウェイクアップバー設計またはストリップ形状を使用することができる。
【0014】
様々なウェイクアップバー設計またはストリップ形状を使用して、分析アルゴリズムを区別することもできる。例えば、ある分析アルゴリズムは、電流ピークを求め、次いで電流がピーク値の50%まで低下するのにどれだけかかるかを求めることができ、別のアルゴリズムは、電流が75%、25%などまで低下するのにどれだけかかるかを求めることができる。テストストリップを読み取るメータは、特定のパターンを識別することができ、適切な分析アルゴリズムを実施することができる。ある実施形態では、メータは、それらの中から実装される、複数の異なる分析アルゴリズムを格納することができ、または1つの分析アルゴリズムのみを格納することができ、例えばウェイクアップバーパターンの識別が、メータが格納されたアルゴリズムを実施することを確認する。
【0015】
様々なウェイクアップバー設計またはストリップ形状を使用して、異なるサイズのストリップを区別することもできる。例えば、小さいストリップは一般に小さい電流を生み出し、したがって、付着したアナライトを測定するのに小さいストリップが使用されているときに、メータ上で利得を上げることが望ましいことがあり、一方、大きいストリップがメータに挿入されるとき、利得が元の状態に下げられる。メータまたはユーザは、ウェイクアップバーまたはストリップ端部の形状から、どの利得量を使用して、メータ内の関連回路を調節させるかを理解することができる。
【0016】
所望の範囲内の電流を生成するために100mVや200mVなどの一定の電圧を印加するかどうかをメータおよび/またはユーザが認識するように、様々なウェイクアップバー設計またはストリップ形状を使用して、メータおよび/またはユーザの様々なハードウェア構成を区別することもできる。
【0017】
既存のメータまたは古いメータは、新しいストリップがメータに挿入されるときに十分な結果を提供することができない。したがって、糖尿病患者が古いメータを新しいストリップと共に使用することは、危険である可能性がある。古いメータまたは既存のメータに挿入されるときにメータをオンにしない、新しいストリップが提供される。例えば、メータ内の電極が、古いストリップでは回路を完成する場合であっても、新しいストリップのウェイクアップバーでは回路を完成することができない。
【0018】
ウェイクアップバーは、形状だけではなく、伝導率および/または厚さおよび/または材料組成でも異なることができ、これらをメータで区別することができる。例えば、あるストリップで銀インキが使用されることがあり、別のストリップではカーボンインキが使用されることがあり、カーボンインキは、同じウェイクアップバー設計では、銀インキよりも、5オームに対して500オームなど、100倍大きい抵抗を有することがある。メータは、こうした材料のうちのどれが使用されるかに応じて、メータが取得する信号を区別することができる。さらに、非常に厚いバーは、頭上から見て同じ設計形状の非常に薄いバーよりも低い抵抗を有する。
【0019】
第1実施形態では、グルコース監視テストストリップは、体液試料を受ける試薬端部と、グルコースメータテストストリップレセプタクルスロットで受けられる挿入端部とを含む。挿入端部は、導電性トレースなどでよい1つまたは複数のウェイクアップバーと、例えば回路を完成することによってテストストリップがメータに挿入されたことをグルコースメータに示すワイヤまたは他の導電性または半導電性材料とを含み、次いで回路は、しきい値電流を通し、または一定の入力電流に対して特定の電圧降下を有し、その結果、メータが、試験を実施することに備えて電源投入される。1つまたは複数のウェイクアップバー、あるいは他の導電性トレース、ワイヤ、または他の構成要素が、較正が自動的であるか、それともユーザがメータに一定の較正情報を入力する必要があるかを示す別個のパターンを有する。
【0020】
第2実施形態では、テストストリップの挿入端部が、較正が自動的であるか、それともユーザがメータに一定の較正情報または他の情報を入力する必要があるかを示す、別個の輪郭、外周パターン、形状、厚さ、幅、または他の幾何形状、材料または他の測定可能特性、あるいはそれらの組合せを含む。
【0021】
第3実施形態では、挿入端部は、テストストリップがグルコースメータに挿入されており、その結果、メータが試験を実施することに備えて電源投入されることをメータに示す1つまたは複数のウェイクアップバーを含む。1つまたは複数のウェイクアップバーは、テストストリップの少なくとも1つの他のタイプの異なる較正要件と対照をなす、テストストリップのタイプに対応する特定の較正要件を示す別個のパターンを有する。
【0022】
第4実施形態では、挿入端部は、少なくとも1つの他のタイプのテストストリップの異なる較正要件と対照をなす、テストストリップのタイプに対応する特定の較正要件を示す、別個の輪郭、外周パターン、形状、厚さ、幅、または他の幾何形状、材料または他の測定可能特性、あるいはそれらの組合せを含む。
【0023】
これらの実施形態および以下で説明するものの変形形態、例えばストリップを相互に排他的に保つための特定のパターンの変形形態を想定することができる。例えば、ユーザは、一定のストリップのパッケージまたはストリップのタイプまたはストリップのパッケージに対応する較正コードを入力する必要があることがある。その代わりに、ユーザは、メータに送るための較正情報をその上に有するメモリチップを含む特殊なテストストリップを挿入する必要があることがある。その代わりに、較正は自動的でよい。ストリップについては、ストリップは、試薬端部に(ストリップの同一面上に)共面の作用電極および参照電極を有することができ、または試薬端部に(ストリップの異なる面上に)、対向する作用電極および参照電極を有することができる。ストリップを頂部充填、側部充填、またはコーナ充填することができる。一端、例えば試薬端部は、矩形形状または先細り形状を有することができる。ストリップは、1つまたは複数の突起、カットアウト、ノッチ、またはくぼみを含むことのできる試料充填エリアを含むことができる。電流測定または電量測定用にストリップを構成することができる。
【0024】
センサ一般
様々な実施形態のセンサは、アナライトの検出および定量化のための方法を提供する。一般には、例えば電量測定、電流測定、および/または電位差測定による、試料、例えば少量の試料中のアナライトの分析のための方法およびセンサが本明細書で説明される。センサはまた、試料を作用電極と電解接触するように保持する試料室をも含む。
【0025】
ある実施形態では、作用電極が対向電極と対面し、2つの電極間に試料室を形成し、約1μL以下の試料、例えば約0.5μL以下、例えば約0.32μL以下、例えば約0.25μL以下、例えば約0.1μL以下の試料を含むような寸法である。
【0026】
ある実施形態では、作用電極と対向電極が共面である。約1μL以下の試料、例えば約0.5μL以下、例えば約0.32μL以下、例えば約0.25μL以下、例えば約0.1μL以下の試料を含むような寸法である試料室が、作用電極と対向電極の上に構築される。
【0027】
ある実施形態では、センサが電子メータに挿入されるように構成され、センサは、作用電極および対向電極と、センサがメータに適切に挿入された場合、電子メータとの電気的接触を実現する導電性挿入モニタとを備える。導電性挿入モニタは、センサが電子コネクタに適切に挿入されたときに電気的回路を閉じるように構成され、配置される。
【0028】
ある実施形態のセンサを、側部充填または先端充填または頂部充填のために構成することができる。さらに、ある実施形態では、センサは、一体型試料取得およびアナライト測定装置の一部でよい。一体型試料取得およびアナライト測定装置は、センサおよび皮膚穿孔部材を含むことができ、その結果、装置を使用して、ユーザの皮膚を穿孔し、血液などの液体試料を流出させることができ、次いで液体試料をセンサで収集することができる。少なくともいくつかの実施形態では、一体型試料取得およびアナライト測定装置を移動することなく液体試料を収集することができる。
【0029】
一実施形態では、センサが電気装置と接続され、センサに接続されたプロセッサが提供される。
【0030】
図面を全般的に参照し、具体的には図1および図2Aを参照すると、センサストリップ10の第1実施形態が概略的に示されている。センサストリップ10は、第1基板12、第2基板14、およびそれらの間に配置されたスペーサ15を有する。センサストリップ10は、少なくとも1つの作用電極22および少なくとも1つの対向電極24を含む。センサストリップ10はまた、挿入モニタ30をも含む。
【0031】
センサストリップ
具体的に図1、図2A、および図2Bを参照すると、センサストリップ10は、第1基板12、第2基板14、およびそれらの間に配置されたスペーサ15を有する。センサストリップ10は、作用電極22、対向電極24、および挿入モニタ30を含む。センサストリップ10は層状構造であり、ある実施形態では、概して矩形の形状を有し、すなわちその長さがその幅よりも長いが、他の形状も可能である。図3A、図3B、および図4のセンサストリップ10’も、第1基板12、第2基板14、スペーサ15、作用電極22、対向電極24、および挿入モニタ30を有する。
【0032】
センサの寸法は変えることができる。ある実施形態では、センサストリップ10、10’の全長は、約20mm以上かつ約50mm以下でよい。例えば、長さは約30から45mmの間でよく、例えば約30から40mmまででよい。しかし、より短いまたは長いセンサストリップ10、10’を作成できることを理解されたい。ある実施形態では、センサストリップ10、10’の全幅は、約3mm以上かつ約15mm以下でよい。例えば、幅は約4から10mmの間、約5から8mm、または約5から6mmでよい。ある特定の例では、センサストリップ10、10’は、長さ約32mmおよび幅約6mmを有する。別の特定の例では、センサストリップ10、10’は、長さ約40mmおよび幅約5mmを有する。さらに別の特定の例では、センサストリップ10、10’は、長さ約34mmおよび幅約5mmを有する。
【0033】
基板
上記で与えたように、センサストリップ10、10’は、センサストリップ10、10’の全体的な形状およびサイズを形成する非導電性不活性基板である第1基板12および第2基板14を有する。基板12、14は、ほぼ硬質、またはほぼ軟質でよい。ある実施形態では、基板12、14は軟質または変形可能である。基板12、14に適した材料の例は、限定はしないが、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ナイロン、および他の「プラスチック」またはポリマーを含む。ある実施形態では、基板材料は「Melinex」ポリエステルである。他の非導電性材料も使用することができる。
【0034】
スペーサ層
上記で示したように、基板12と基板14との間にスペーサ15を配置して、第1基板12を第2基板14から分離することができる。スペーサ15は、通常は少なくとも基板12、14と同様に軟質かつ変形可能(または硬質)である不活性非導電性基板である。ある実施形態では、スペーサ15は、接着層あるいは両面接着テープまたはフィルムである。スペーサ15に対して選択されるどんな接着剤も、正確なアナライト測定を妨げる可能性のある材料の拡散または放出をしないように選択されるべきである。
【0035】
ある実施形態では、スペーサ15の厚さは、少なくとも約0.01mm(10μm)、かつ約1mmまたは約0.5mm以下でよい。例えば、厚さは、約0.02mm(20μm)から約0.2mm(200μm)の間でよい。ある一実施形態では、厚さは約0.05mm(50μm)であり、別の実施形態では約0.1mm(100μm)である。
【0036】
試料室
センサは、分析すべき量の試料を受ける試料室を含み、具体的に図1に示される実施形態では、センサストリップ10、10’は、試料室20へのアクセスのための入口21を有する試料室20を含む。図示される実施形態では、センサストリップ10、10’は、ストリップ10、10’の各側縁部上、または両側縁部上に存在する入口21を有する側部充填センサストリップである。先端充填センサおよび頂部充填センサも本発明に従って構成することができる。
【0037】
試料室20は、試料が試料室20内に供給されたとき、試料が作用電極と対向電極のどちらとも電解接触するように構成され、それによって電極間で電流が流れ、アナライトの電解(電解酸化または電解還元)を実施することが可能となる。
【0038】
試料室20は、基板12、基板14、およびスペーサ15で画定され、多くの実施形態では、試料室20は、基板12と基板14との間の、スペーサ15が存在しない所に存在する。通常、スペーサ15の一部が除去され、スペーサ15のない、基板12、14間のエリアが設けられ、この除去されるスペーサの容積が試料室20である。基板12、14間にスペーサ15を含む実施形態では、試料室20の厚さは、概してスペーサ15の厚さである。
【0039】
試料室20は、その中に生体液の試料を受けるのに十分な容積を有する。センサストリップ10、10’が少容量センサであるときなどの、ある実施形態では、試料室20は、好ましくは約1μL以下であり、例えば約0.5μL以下であり、さらには例えば約0.25μL以下である容積を有する。約0.1μL以下の容積も試料室20に適しており、約0.05μL以下および約0.03μL以下の容積も同様である。
【0040】
上記で与えたように、試料室20の厚さは、通常はスペーサ15の厚さに対応する。対面電極構成では特に、この厚さは薄く、アナライトの迅速な電解を促進する。所与の試料容積に対して、より多くの試料が電極表面と接触することになるからである。
【0041】
電極
上記で与えたように、センサは、作用電極および少なくとも1つの対向電極を含む。対向電極は対向/参照電極でよい。複数の対向電極が存在する場合、対向電極のうちの1つが対向電極となり、1つまたは複数が参照電極でよい。図2A、図2B、図3A、図3B、および図4を参照すると、適切な電極構成の2つの例が示されている。
【0042】
作用電極
少なくとも1つの作用電極が、第1基板12と第2基板14の一方の上に配置される。図2Aから図4のすべてでは、作用電極22が基板12上に示されている。作用電極22は、「トレース」と呼ばれる電極延長として、試料室20からセンサ10の他端まで延びる。トレースは、メータまたは他の装置に対する電気的接続を実現する接触パッド23を提供し、後で説明するように、データおよび測定値の収集を可能にする。基板12などの、作用電極22がその上に配置される基板から延びるタブ26上に、接触パッド23を配置することができる。一実施形態では、タブは、その上に配置された複数の接触パッドを有する。第2実施形態では、1つまたは複数の電極に対する接続を実現するのに単一の接触パッドが使用され、すなわち、複数の電極が互いに接続され、1つの接触パッドを介して接続される。
【0043】
作用電極22は、金、炭素、白金、二酸化ルテニウム、パラジウムなどの導電性材料、または他の非腐食性導電性材料の層でよい。作用電極22は、2つ以上の導電性材料の組合せでよい。適切な導電性エポキシの一例は、ECCOCOAT CT5079−3炭素充填導電性エポキシ被覆(マサチューセッツ州ウォーバーンのW.R.Grace Companyから入手可能)である。作用電極22の材料は、通常は比較的低い電気抵抗を有し、通常は動作中のセンサの電位範囲にわたって電気化学的に不活性である。
【0044】
気相蒸着や真空蒸着などによって蒸着させること、あるいは平面上に、または型押しされた面もしくは凹んだ面内にスパッタリングし、印刷すること、別々のキャリアまたはライナから転写すること、エッチングすること、または成形することを含む様々な方法のいずれかによって作用電極22を基板12上に付着させることができる。印刷する適切な方法は、スクリーン印刷、圧電印刷、インクジェット印刷、レーザ印刷、フォトリソグラフィ、および塗装を含む。
【0045】
上記で与えたように、アナライトの分析のために、作用電極22の少なくとも一部が、対向電極と共に試料室20内に設けられる。
【0046】
対向電極
センサは、試料室内に配置された少なくとも1つの対向電極を含む。図2Aおよび図2Bでは、対向電極24が基板14上に示されている。図3A、図3B、および図4では、対向電極24が基板12上に存在する。対向電極24は、「トレース」と呼ばれる電極延長として、試料室20からセンサ10の他端まで延びる。トレースは、メータまたは他の装置に対する電気的接続を実現する接触パッド25を提供し、後で説明するように、データおよび測定値の収集を可能にする。基板12または14などの、対向電極24がその上に配置される基板から延びるタブ27上に、接触パッド25を配置することができる。一実施形態では、タブは、その上に配置された複数の接触パッドを有する。第2実施形態では、1つまたは複数の電極に対する接続を実現するのに単一の接触パッドが使用され、すなわち、複数の電極が互いに接続され、1つの接触パッドを介して接続される。
【0047】
作用電極22と同様に対向電極24を構築することができる。対向/参照電極または参照電極に適した材料は、非導電性ベース材料上のAg/AgClまたはAg/AgBr、あるいは銀金属ベース上の塩化銀を含む。作用電極22に対して利用可能なものと同じ材料および方法を対向電極24に対して使用することができるが、異なる材料および方法を使用することもできる。対向電極24は、Ag/AgClおよび炭素などの複数の導電性材料の混合物を含むことができる。
【0048】
電極構成
作用電極22および対向電極24を互いに対向して配置して、対面電極を形成することができる。例えば、基板12上に作用電極22を有し、基板14上に対向電極24を有し、対面電極を形成する図2Aを参照されたい。この構成では、試料室は通常、2つの電極22、24の間に存在する。この対面電極構成では、電極22、24を約0.2mm以下の距離だけ分離することができ(例えば、作用電極の少なくとも一部分が、対向電極の一部分から約200μm以下だけ分離される)、例えば約100μm以下、例えば約50μm以下だけ分離することができる。
【0049】
あるいは、作用電極22および対向電極24を、同一基板上など、概して互いに平面に配置して、共面電極または平面電極を形成することもできる。図3Aおよび図4を参照すると、作用電極22と対向電極24のどちらも、基板12の表面の一部を占有し、したがって共面電極を形成する。
【0050】
検知化学物質
作用電極22に加えて、検知化学物質(複数可)が、アナライトの分析のために試料室20内に提供されることが好ましい。検知化学物質は、作用電極22と試料内のアナライトとの間の電子の移送を促進する。センサストリップ10、10’で任意の検知化学物質を使用することができる。検知化学物質の例が、例えばUS6175752、US6461496、US6591125、およびUS6616819に記載されており、それぞれの開示が、参照により実質的に本明細書に組み込まれる。
【0051】
電子移送剤
検知化学物質は、アナライトへの電子の移送またはアナライトからの電子の移送を促進する電子移送剤を含むことができる。電子移送剤は、作用電極22上に層として存在することができる。適切な電子移送剤の一例は、アナライトの反応に触媒作用を及ぼす酵素である。例えば、アナライトがグルコースであるとき、グルコースオキシダーゼ、またはピロロキノリンキノングルコースデヒドロギナーゼ(PQQ)などのグルコースデヒドロギナーゼが使用される。他のアナライトに対しては他の酵素を使用することができる。
【0052】
電子移送剤は作用電極22とアナライトとの間の電流を促進し、分子の電気化学的分析を可能にする。電子移送剤は、電極とアナライトとの間の移送電子を促進する。
【0053】
吸収物質
試料が試料室内に配置される前は、試料室20は空でよく、またはある実施形態では、試料室は、測定プロセス中に液体試料を吸収および保持する吸収物質を含むことができる。吸収物質は、吸上げ作用によって少量の試料の取込みを促進し、吸上げ作用は、試料室の任意の毛管作用を補足し、または例えばそれに取って代わることができる。適切な吸収物質は、ポリエステル、ナイロン、セルロース、およびニトロセルロースなどのセルロース誘導体を含む。さらに、または別法として、液体試料の表面張力を下げ、試料室内の液体の流れを改善することが意図される界面活性剤で、試料室の壁の一部または全体を被覆することができる。
【0054】
吸収剤の吸上げ作用以外の方法を使用して、試料を試料室に移送することができる。移送のためのそのような方法の例は、試料に対して圧力を加えて試料を試料室内に押し込むこと、ポンプまたは他の真空生成方法によって試料室内で真空を生み出し、試料を試料室内に引き込むこと、薄い試料室の壁との間の試料の界面張力による毛管作用、ならびに吸収物質の吸上げ作用を含む。
【0055】
充填インジケータ電極
ある場合には、試料室が充填されるときを判定することができることが望ましい。試料室20が液体で充填されるとき、インジケータ電極と作用電極22または対向電極24の一方または両方との間の信号を観測することにより、充填された、またはほぼ充填されたとセンサストリップ10、10’に指示することができる。液体がインジケータ電極に達するとき、その電極からの信号が変化する。観測するのに適した信号は、例えば、インジケータ電極と例えば作用電極22との間の電圧、電流、抵抗、インピーダンス、またはキャパシタンスを含む。あるいは、充填後にセンサを観測して、試料室が充填されることを示す信号の値(例えば電圧、電流、抵抗、インピーダンス、またはキャパシタンス)に達したかどうかを判定することができる。
【0056】
通常、インジケータ電極は、作用電極22および対向電極24よりも、入口21などの試料入口からさらに下流側にある。
【0057】
側部充填センサでは、インジケータ電極が対向電極の各側部上に存在することができる。これにより、インジケータ電極をさらに上流側に配置して、ユーザが左側部または右側部から試料室を充填することが可能となる。この3電極構成は必須ではない。側部充填センサは、単一のインジケータ電極を有することもでき、どの側部を試料液体と接触して配置すべきかに関する何らかの指示を含むことができる。
【0058】
インジケータ電極を使用して、アナライト測定の精度を改善することもできる。インジケータ電極は、作用電極として、あるいは対向電極または対向/参照電極として動作することができる。インジケータ電極/作用電極からの測定値を第1対向/参照電極/作用電極からの測定値と組み合わせ(例えば、加算または平均化する)、より正確な測定値を得ることができる。
【0059】
センサまたはセンサが接続される装置(例えばメータ)は、インジケータ電極に応答して作動され、試料室が充填されたことをユーザに警報するサイン(例えば視覚的サインまたは聴覚信号)を含むことができる。試料室が充填されたことをインジケータ電極が示すときに、ユーザに警報して、またはユーザに警報することなく読取りを開始するようにセンサまたは装置を構成することができる。例えば、作用電極と対向電極との間に電位を印加し、作用電極で生成された信号の監視を開始することによって読取りを開始することができる。
【0060】
挿入モニタ
様々な実施形態によれば、センサは、メータなどの受入れ側装置へのセンサストリップ10、10’の適切な挿入が行われたときを通知するインジケータを含む。図1、図2A、図2B、図3A、および図3Bからわかるように、センサストリップ10、10’は、基板12、14の一方の外面上に挿入モニタ30を含む。
【0061】
挿入モニタ30は、センサストリップ10、10’に関する情報を符号化するのに使用される。符号化情報は、例えば、その製造ロットまたはその特定のストリップに関する較正情報でよい。そのような較正情報またはコードは、例えば、ストリップの感度、あるいはその較正曲線のy切片および/または傾きに関係付けることができる。較正コードは、センサストリップ10、10’が接続されるメータまたは他の装置によって使用され、正確なアナライト読取り値が提供される。例えば、較正コードに基づいて、メータは、メータ内に格納されたいくつかのプログラムのうちの1つを使用する。
【0062】
ある実施形態では、較正コードを示す値が、メータまたは他の装置に手動で、例えばユーザによって入力される。他の実施形態では、較正コードが、メータまたは他の装置によって直接的に読み取られ、したがって、ユーザによる入力または他の対話を必要としない。
【0063】
例えば図5Aに示される一実施形態では、挿入モニタ30は、メータに接続するための1つの接触パッドを備え、センサ10、10’の外面にわたって例えば側縁部から側縁部まで、またはほぼ側縁部から側縁部まで延びるストライプ130である。代替実施形態では、ストライプ130は両側の側縁部まで延びる必要はないことを理解されたい。別の実施形態では、挿入モニタは、メータに接続するための2つ以上の接触パッドを備える。この2つ以上の接触パッドは、導電性インキなどの材料によって互いに電気的に接続される。
【0064】
例えば挿入モニタ30の抵抗または他の電気的特性により、挿入モニタ30の配置または位置により、あるいは挿入モニタ30の形状または構成により、較正コードを挿入モニタ30内に設計することができる。
【0065】
別法として、またはさらに、挿入モニタ30は、センサストリップ10、10’に関する他の情報を担持することができる。挿入モニタ30内に符号化することのできるこの他の情報は、正確なアナライト濃度分析に必要な試験時間、センサストリップ10、10’の使用期限、環境温度および/または圧力などの様々な補正因子、分析すべきアナライトの選択(例えば、グルコース、ケトン、ラクテート)などを含む。
【0066】
単一のストライプ130またはエリアの抵抗、または2つ以上の接触パッド間の導電性経路の抵抗などの挿入モニタ30の抵抗が、符号化情報に関係付けられる。離散的較正値の一例として、所与の範囲内の抵抗値が、ある較正設定に対応することができ、別の範囲内の抵抗値が、異なる較正設定に対応することができる。したがって、メータまたは他の装置がセンサストリップを受けるとき、インジケータモニタ30が、どの分析計算を使用するかをメータまたは装置に通知する。
【0067】
使用する導電性または半導電性材料を変更することによってインジケータモニタ30の抵抗を変更することに加えて、電荷を搬送しないように導電性経路の一部またはすべてを切断またはスコアリングすることによってインジケータモニタ30の抵抗を変更することができる。さらに、または別法として、導電性経路の幅または長さによって抵抗を制御することができる。インジケータモニタ30に適した材料の一例は、炭素と銀の組合せであり、この混合物の抵抗は、2つの材料の比に基づいて変化する。
【0068】
さらに、または別法として、挿入モニタ30の配置または位置を符号化較正情報に関係付けることができる。例えば、較正コードをインジケータモニタ30の位置に直接的に関係付けることができる。例えば、インジケータモニタ30が異なる接触構造と電気的接触を行うようにインジケータモニタ30の位置を変更することができる(接触構造は以下の「電気装置へのセンサ接続」で説明される)。係合する接触構造に応じて、メータは較正コードを認識し、したがって正確なアナライトレベルを計算するのにどんなパラメータを使用するかを認識する。
【0069】
さらに、または別法として、挿入モニタ30の形状および/または構成を符号化較正コードと関係付けることができる。例えば、インジケータモニタ30と電気的接触を行うのはどの接触構造であるかということ、および/またはインジケータモニタ30と電気的接触を行う接触構造の数と、較正コードを直接的に関係付けることができる。例えば、離散的かつ接続されていないインジケータモニタのパターンがセンサ上に存在することができ、較正コードをこうしたモニタの配置に直接的に関係付けることができる。パターンは平行線、規則的に配置されたドットまたは正方形などでよい。
【0070】
挿入モニタ上にこの符号化情報を提供することが好ましいが、ストリップ上の別々の導電性トレースを使用して挿入モニタ機能と情報の符号化を別々に実装することもできることを理解されたい。
【0071】
導電性挿入モニタ30が非導電性ベース基板上に配置され、コネクタとの間の電気的接触のための接触パッドを有する。挿入モニタ30は、センサ10、10’がコネクタに適切に挿入されたときに電気回路を閉じるように構成され、配置される。
【0072】
挿入モニタ30は、限定はしないが、ストライプ130などの、センサストリップ10、10’にわたって側縁部から側縁部まで延びるストライプ、センサストリップにわたって延びるが、幅全体ではないストライプ、および接続されていないドット、ストリップ、または他のエリアのアレイを含む任意の適切な構成を有することができる。挿入モニタ30に関する他の適切な構成が、図5B、図5C、および図5Dに示されている。図5Bは、挿入モニタ30を、どちらも側縁部から側縁部まで延びる第1ストライプ230Aおよび第2ストライプ230Bを有する2領域モニタ230として示すが、ストリップ230A、230Bの一方または両方が側縁部まで完全に延びないことがあることを理解されたい。図5Cおよび図5Dは、単に側部から側部まで延びるのではなく、センサの端部に向かって長手方向に延びる長い蛇行経路を有する挿入モニタを示す。図5Cの挿入モニタ330は、ストライプ330Aおよび細長いストライプ330Bを有する。図5Dの挿入モニタ430は単一の導電性ストリップ430を有し、単一の導電性ストリップ430が細長い経路を実現する。
【0073】
電気装置へのセンサ接続
図7Aから図7Bを参照すると、コネクタ500に挿入する準備のできたセンサストリップ100が示されている。センサストリップ100は、センサストリップ10、10’と同様である。センサストリップ100は、ストリップ100を形成する基板のうちの1つの外面上に挿入モニタ30を含む。図示していないが、センサストリップ100は、1つの作用電極および3つの対向電極を含む。作用電極は、タブ123上に配置された接触パッドを含む(図7A参照)。
【0074】
センサストリップ100は、電気コネクタ500によってメータまたは他の電気装置に接続するように構成され、電気コネクタ500は、接触パッドでセンサ100の端部と接続し、接触するように構成される。センサメータは通常、センサの電極に対して電位および/または電流を供給するポテンシオスタットまたは他の構成要素を含む。センサリーダは通常、センサ信号からアナライト濃度を求めるプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサまたはハードウェア)をも含む。センサメータはまた、ディスプレイ、またはディスプレイをセンサに接続するポートをも含む。ディスプレイは、センサ信号、ならびに/あるいは、例えばアナライト濃度、アナライト濃度の変化率、および/またはしきい値アナライト濃度の超過(例えば低血糖症または過血糖症を示す)を含む、センサ信号から求められた結果を表示する。
【0075】
適切なコネクタの一例が、図7Aおよび図7Bに示されている。コネクタ500(センサをメータまたは他の電気装置に接続するのに使用される)は一般に、上部分510と下部分520を有する2部構造である(図7B参照)。センサ100とメータとの間の電気的接続を実現する様々な接触リードが、上部分510と下部分520の間に配置され、上部分510および下部分520によって固定される。下部分は、物理的接触パッドに対する近位端を有し、取り付けられる任意のメータに接続されるリードを含む。センサ100に対する支持を与え、センサ100を保持する摺動エリア530内にセンサ100を配置することにより、接触パッドを有するセンサ100の端部をコネクタ500内に摺動させ、またはコネクタ500と対合させることができる。作用電極と対向電極(複数可)がメータに正しく接続されるようにコネクタ500の接触構造がセンサの正しいパッドと電気的接触を行うことが通常は重要である。
【0076】
コネクタ500は、挿入モニタ30に接続するためのリードまたは接触構造51、52を含む。挿入モニタ30は、センサがコネクタに適切に挿入されたときに、接触構造51と52の間で電気的回路を閉じるように構成され、配置される。コネクタ500への適切な挿入は、センサストリップ100が上面を上にして挿入されること、ストリップ100の正しい端部がコネクタ500に挿入されること、および信頼性の高い電気的接続が行われるのに十分なだけ深くセンサストリップ100がコネクタ500に挿入されることを意味する。好ましくは、すべての電極パッドがコネクタ500の接触構造に適切に接触するまで、閉回路が作成されない。挿入モニタは、センサの横幅におよぶストライプ以外の形状を有することができ、例えば、他の設計は、個々のドット、グリッドパターンを含み、またはワードや文字などのスタイリスティックな特徴を含むことができる。
【0077】
この挿入モニタ30は電極のための接触領域を有する端部にはないので、挿入モニタ30はセンサ上の追加の幅スペースを必要としない。
【0078】
メータへのセンサの適切な挿入を保証する任意選択の実施形態では、メータは、誤った方向のセンサの挿入を防止または妨害する隆起エリアまたはバンプを含むことができる。隆起エリア以外のものを使用して、メータへのセンサの正しい導入にユーザを誘導することもできる。
【0079】
センサを製造する例示的方法
次に図6Aおよび図6Bを参照しながら、電極をその上に備える2つの基板を有するセンサを作成する方法の一例が、図2Aに表示されるセンサ配置に関して説明されるが、この方法を使用して、前述のようなセンサ配置を含む様々な他のセンサ配置を作成することができる。図2Aの3つの層が組み立てられるとき、センサ10と同様のセンサが形成される。
【0080】
図6Aおよび図6Bでは、プラスチック基板などの基板1000が、矢印で示される方向に移動している。基板1000は、ウエブ上の個々のシートまたは連続的ロールでよい。複数のセンサを、作用電極22(図2A)をその上に有する区間1022と、対向電極24(図2A)をその上に、ならびに参照電極および/または充填インジケータ電極などの他の電極を有する区間1024として基板1000上に形成することができる。こうした作業電極、対向電極、および任意選択の電極が、それに対応するトレースおよび接触パッドに電気的に接続される。通常、作用電極区間1022が基板1000の半分の上に生成され、対向電極区間1024が基板1000の他方の半分の上に生成される。ある実施形態では、基板1000をスコアリングして折りたたみ、区間1022、1024を一緒にしてセンサを形成することができる。ある実施形態では、図6Aに示されるように、基板1000上で個々の作用電極区間1022を互いの隣に形成し、または互いに隣接して形成し、廃棄材料を削減することができる。同様に、個々の対向電極区間1024を互いの隣に形成し、または互いに隣接して形成することができる。別の実施形態では、図6Bに示されるように、個々の作用電極区間1022(および、同様に対向電極区間1024)を間隔を置いて配置することができる。プロセスの残りの部分は、複数のセンサの製造について説明されるが、個々のセンサを形成するように容易に修正することができる。
【0081】
炭素または他の電極材料(例えば、金や白金などの金属)が基板1000上に形成され、各センサについての作用電極22が設けられる。炭素または金属インキを印刷すること、気相蒸着、および他の方法を含む様々な方法によって炭素または他の電極材料を付着させることができる。スクリーン印刷、グラビアロール印刷、転写印刷、および他の知られている印刷方法によって印刷を行うことができる。それぞれのトレースおよび接触パッド23を一緒に作用電極22に付着させることができるが、後続のステップで付着させてもよい。
【0082】
作用電極22と同様に、対向電極24が基板1000上に形成される。対向電極(複数可)は、基板1000上に炭素または他の導電性電極材料を設けることによって形成される。一実施形態では、対向電極(複数可)用に使用される材料は、Ag/AgClインキである。印刷または気相蒸着を含む様々な方法によって対向電極(複数可)の材料を付着させることができる。スクリーン印刷、グラビアロール印刷、転写印刷、および他の知られている印刷方法によって印刷を行うことができる。それぞれのトレースおよび接触パッド25を一緒に対向電極24に付着させることができるが、後続のステップで付着させてもよい。
【0083】
好ましくは、複数のセンサ10が同時に製造される。すなわち、複数のセンサについての、トレースおよび接触パッドを含む作用電極がポリマーシートまたはウエブ上に生成(例えば印刷)され、同時に、またはその後で、複数のセンサについての対向電極ならびにそのトレースおよび接触パッドが生成(例えば印刷)される。作用電極(複数可)および対向電極(複数可)を別々の基板上に形成することができ、後で基板が互いに対向して配置され、その結果、電極が互いに対面する。あるいは、基板の登録を単純化するために、作用電極をウエブの基板シートの最初の半分の上に形成することができ、対向電極がウエブの基板シートの2番目の半分の上に形成され、その結果、シートまたはウエブを折りたたんで、作用電極と対向電極を対面する配置で重ね合わせることができる。
【0084】
試料室20を設けるために、スペーサ15が、基板/作用電極および基板/対向電極(複数可)のうちの少なくとも1つの上に形成される。スペーサ15は、単一層の接着剤または両面接着テープ(例えば、両面に接着剤が配置されたポリマーキャリアフィルム)などの接着スペーサでよい。適切なスペーサ材料は、ウレタン、アクリラート、ポリアクリレート、ラテックス、ゴムなどの接着剤を含む。
【0085】
接着スペーサの一部を切り取り、または2つの接着片を、近接するがそれらの間にギャップを有するように配置することにより、試料室となるチャネルがスペーサ15内に設けられる。チャネル領域を画定するパターンに従って基板上に接着剤を印刷し、あるいは配置することができる。任意選択で、接着スペーサは、センサに組み込まれる前に、1つまたは複数の放出ライナを備えることができる。基板上にスペーサを配置する前に、接着剤を切断(例えば、打抜きまたはスリッティング)して、チャネルに対応する接着剤の部分を除去することができる。
【0086】
センサの側部は直線的でよく、例えばガングアーバーブレードシステムを使用して平行な方向に基板をスリッティングすることによってセンサを基板の残りの部分および/または他のセンサから切り取ることが可能となる。センサの縁部は、試料室の縁部を画定することができる。切り口間の距離を正確に制御することにより、多くの場合、試料室容積の変動性を低減することができる。ある場合には、平行な切り口が通常は最も再現するのが容易であるので、こうした切り口は互いに平行である。
【0087】
センサの適用
センサストリップ10、10’、100などのアナライトセンサの一般的な使用は、患者または他のユーザの血液、間質液などの中のグルコース濃度などの生体液中のアナライト濃度の決定に関するものである。センサストリップ10、10’、100は、薬局、病院、診療所、医師、および医療装置の他の供給源から入手可能とすることができる。複数のセンサストリップ10、10’、100を一緒にパッケージ化し、単一ユニット、例えば25個、50個、または100個のストリップのパッケージとして販売することができる。
【0088】
電気化学的分析または測光試験のためにセンサストリップ10、10’、100を使用することができる。センサストリップ10、10’、100は一般に、電気メータと共に使用するように構成され、電気メータは、様々な電子機器に接続可能とすることができる。メータは、一般にはセンサストリップ10、10’、100と同じ場所で入手可能とすることができ、時には、例えばキットとしてセンサストリップ10、10’、100と一緒にパッケージ化することができる。
【0089】
メータに接続可能な適切な電子機器の例は、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップやハンドヘルド装置(例えば携帯情報端末(PDA))などのポータブルコンピュータなどのデータ処理端末を含む。電子機器は、有線接続またはワイヤレス接続を介して受信機とデータ通信を行うように構成される。加えて、ユーザの検出されたグルコースレベルに対応するデータを格納、検索、および更新するデータネットワーク(図示せず)に電子機器をさらに接続することができる。
【0090】
メータに接続された様々な装置は、例えば、802.11またはBluetooth RFプロトコル、またはIrDA赤外線プロトコルなどの一般的な規格を使用して、サーバ装置とワイヤレスに通信することができる。サーバ装置は、携帯情報端末(PDA)またはノートブックコンピュータなどの別のポータブル装置、あるいはデスクトップコンピュータ、アプライアンスなどのより大型の装置でよい。ある実施形態では、サーバ装置は、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ、ならびにボタン、キーボード、マウス、またはタッチスクリーンなどの入力装置を有する。そのような構成では、ユーザは、サーバ装置のユーザインターフェース(複数可)と対話することによって間接的にメータを制御することができ、サーバ装置は、ワイヤレスリンクを介してメータと対話する。
【0091】
サーバ装置はまた、メータおよび/またはサービス装置からデータストレージまたはコンピュータにグルコースデータを送るなどのために別の装置とも通信することができる。例えば、サービス装置は、ヘルスケアプロバイダコンピュータから命令(例えばインシュリンポンププロトコル)を送信および/または受信することができる。そのような通信の例は、PDAがパーソナルコンピュータ(PC)とデータを同期すること、携帯電話がセルラネットワークを介して他端のコンピュータと通信すること、または家庭アプライアンスが診療室のコンピュータシステムと通信することを含む。
【0092】
患者またはユーザから生体液、例えば血液の試料を得るランシング装置(lancing device)または他の機構も、センサストリップ10およびメータと一般に同じ場所で入手可能とすることができ、時には、例えばキットとしてセンサストリップ10および/またはメータと一緒にパッケージ化することができる。
【0093】
一体型試料取得およびアナライト測定装置
本発明の原理に従って構築されたアナライト測定装置は通常、上述のセンサストリップ10を試料取得装置と組み合わせて含み、一体型試料採取および測定装置を提供する。試料取得機器は通常、例えば、患者の皮膚に注射して血液の流れを引き起こすことのできる、ランセットなどの皮膚穿孔部材を含む。一体型試料取得およびアナライト測定装置は、ランセットおよびセンサストリップ10を保持するランシング装置を備えることができる。ランシング装置は、アクティブコッキングを必要とすることがある。使用前にユーザに装置をコッキングすることを要求することにより、不注意にランセットをトリガする危険が最小限に抑えられる。ランシング装置はまた、ユーザが皮膚へのランセットの針入の深さを調節することをも可能にすることができる。そのような装置は、Boehringer MannheimやPalcoなどの会社から市販されている。この特徴により、ユーザは、身体の様々な部位、および様々なユーザにわたって、皮膚の厚さ、皮膚の耐久性、痛みの感受性の差に対してランシング装置を調節することが可能となる。
【0094】
一実施形態では、ランシング装置およびメータが、単一装置として一体化される。装置を操作するために、ユーザが行う必要があるのは、センサストリップおよびランシング装置を含む使い捨てカートリッジを一体型装置に挿入し、ランシング装置をコッキングし、ランシング装置を皮膚に対して押しつけてランシング装置を作動し、測定の結果を読み取ることだけである。そのような一体型ランシング装置および試験リーダは、ユーザにとっての試験手順を単純化し、体液の取扱いを最小限に抑える。
【0095】
ある実施形態では、センサストリップ10をメータとランシング装置の両方と一体化することができる。複数の要素を一緒に1つの装置として有することは、アナライトレベルを得るのに必要な装置の数を削減し、試料採取プロセスを容易にする。
【0096】
例えば、実施形態は、本ストリップと、皮膚穿孔要素と、ストリップに付着した試料中のアナライトの濃度を求めるプロセッサのうちの1つまたは複数を含むハウジングを含むことができる。複数のストリップ10をハウジング内部のカセット内に保持することができ、ユーザによる操作時に、単一のストリップ10を、少なくとも一部が使用のためにハウジングの外に延びるようにカセットから分配することができる。
【0097】
センサストリップの動作
使用の際に、生体液の試料がセンサの試料室内に供給され、試料室でアナライトのレベルが求められる。分析は、電気化学的分析または測光的分析を提供することに基づくものでよい。多くの実施形態では、血液中のグルコースのレベルが求められる。やはり多くの実施形態では、生体液の供給源は、例えばランシング装置で患者の皮膚を穿孔した後に、患者から採取された1滴の血液であり、ランシング装置は、センサストリップと共に一体型装置内に存在することができる。
【0098】
試料内のアナライトは、作用電極22で、例えば電気酸化または電気還元され、対向電極24で得られる電流のレベルが、アナライト濃度として相関付けられる。
【0099】
電極22、24に電位を印加して、または電位を印加することなくセンサストリップ10、10’、100を操作することができる。一実施形態では、電気化学的反応が自発的に生じ、作用電極22と対向電極24との間に電位を印加する必要がない。別の実施形態では、作用電極22と対向電極24との間に電位が印加される。
【0100】
現在入手可能なあるシステムでは、センサの較正コードを示す値が、メータまたは他の装置に手動で、例えばユーザによって入力される。較正コードに基づいて、メータは、メータ内に格納されたいくつかのプログラムまたはパラメータのうちの1つを使用する。現在入手可能な別のシステムでは、センサ較正コードが、メータまたは他の装置によって直接的に読み取られ、したがって、ユーザによる入力または他の対話を必要としない。しかし、こうしたセンサは、センサに関連付けられる較正コードを依然として有し、較正コードは、傾きおよびy切片の値を含む。傾きおよびy切片の値は、測定された信号に基づいてアナライト濃度を求めるのに使用される。較正コードは、手動で入力されたとしても、自動的に入力されたとしても、非標準化センサから受信された分析結果を標準化するのに必要である。言い換えれば、異なるセンサは、例えばロットごとに、十分な量の変動があり、補償が行われなかった場合、結果がセンサごとに異なることになり、結果が臨床的に不正確となる可能性がある。
【0101】
本開示のセンサは、製造工程中に所定の較正(傾きおよびy切片)に対して較正調節され、センサを使用する前に、ユーザがセンサに関する較正コードを入力または設定し、あるいは他の較正手順(複数可)を実施する必要が回避される。本開示のセンサはまた、メータが較正コードを読み取る必要を回避するように較正調節される。
【0102】
試料中のアナライトから測定された信号(例えば、電解酸化または電解還元による電荷)がセンサの物理的要素に比例することが求められている。例えば、アナライト濃度に比例する信号を得るために電量測定が使用されるとき、得られる信号が、分析中の試料の容積に比例する。電流測定または他の運動学的電解では、信号が、試料室内の電極(複数可)、例えば少なくとも1つの作用電極の面積に比例する。製造工程中にセンサの試料室容積または試料室内の電極面積を物理的に変更することにより、例えば、複数の層の組立て後に、センサロットの傾きおよびy切片を制御し、例えばシフトし、センサに所定の較正を与えることができる。ある実施形態では、試料室容積と測定される信号との間の関係が、線形である。さらに、または別法として、ある実施形態では、電極面積と測定される信号との間の関係が、線形である。
【0103】
本開示はまた、センサを使用する前に、ユーザがセンサに関する較正コードを入力または設定し、あるいは他の較正手順(複数可)を実施する必要を回避するセンサを作成する方法をも提供する。
【0104】
図面を全般的に参照し、具体的には図8および図9を参照すると、センサ710の第1実施形態が概略的に示されており、本明細書ではストリップの形状で示されている。センサは任意の適切な形状でよいことを理解されたい。センサストリップ710は、第1基板712、第2基板714、およびそれらの間に配置されたスペーサ715を有する。
【0105】
センサストリップ710は、少なくとも1つの作用電極722および少なくとも1つの対向電極724を含む。センサストリップ710はまた、任意選択の挿入モニタ730をも含む。センサストリップ710は、第1の遠位端710Aと、反対側の近位端710Bとを有する。遠位端710Aでは、分析すべき試料がセンサ710に付着する。遠位端710Aは、「充填端部」、「試料受入れ端部」などと呼ぶこともできる。センサ710の近位端710Bは、動作可能に、かつ通常は解放可能に構成され、メータなどの装置に接続される。
【0106】
概して矩形の形状、すなわち長さが幅よりも長い形状を有するある実施形態では、センサストリップ710は層状構造であるが、上記で注記したように、他の形状710も可能である。センサストリップ710の長さは、端部710Aから端部710Bまでである。
【0107】
センサの寸法は変えることができる。ある実施形態では、センサストリップ710の全長は、約10mm以上かつ約50mm以下でよい。例えば、長さは約30から45mmの間でよく、例えば約30から40mmまででよい。しかし、より長いまたは短いセンサストリップ710を作成できることを理解されたい。ある実施形態では、センサストリップ710の全幅は、約3mm以上かつ約15mm以下でよい。例えば、幅は約4から10mmの間、約5から8mm、または約5から6mmでよい。ある特定の例では、センサストリップ710は、長さ約32mmおよび幅約6mmを有する。別の特定の例では、センサストリップ710は、長さ約40mmおよび幅約5mmを有する。さらに別の特定の例では、センサストリップ710は、長さ約34mmおよび幅約5mmを有する。
【0108】
基板およびスペーサ
上記で与えたように、センサストリップ710は、センサストリップ710の全体的な形状およびサイズを形成する非導電性不活性基板である第1基板712および第2基板714を有する。基板712、714は、ほぼ硬質、またはほぼ軟質でよい。ある実施形態では、基板712、714は軟質または変形可能である。基板712、714に適した材料の例は、限定はしないが、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ナイロン、および他の「プラスチック」またはポリマーを含む。ある実施形態では、基板材料は「Melinex」ポリエステルである。他の非導電性材料も使用することができる。
【0109】
基板712は、第1端部または遠位端712Aと、第2端部または近位端712Bとを含み、基板714は、第1端部または遠位端714Aと、第2端部または近位端714Bとを含む。
【0110】
上記で示したように、基板712と基板714との間にスペーサ715を配置して、第1基板712を第2基板714から分離することができる。ある実施形態では、スペーサ715は、センサストリップ710の端部710Aから端部710Bまで延び、あるいは一端または両端の手前まで延びる。スペーサ715は、通常は少なくとも基板712、714と同様に軟質かつ変形可能(または硬質)である不活性非導電性基板である。ある実施形態では、スペーサ715は、連続的かつ接触する接着層あるいは両面接着テープまたはフィルムである。スペーサ715に対して選択されるどんな接着剤も、正確なアナライト測定を妨げる可能性のある材料の拡散または放出をしないように選択されるべきである。
【0111】
ある実施形態では、スペーサ715の厚さは、全体にわたって一定でよく、少なくとも約0.01mm(10μm)、かつ約1mmまたは約0.5mm以下でよい。例えば、厚さは、約0.02mm(20μm)から約0.2mm(200μm)の間でよい。ある一実施形態では、厚さは約0.05mm(50μm)であり、別の実施形態では約0.1mm(100μm)である。
【0112】
試料室
センサは、分析すべき量の試料を受ける試料室を含み、具体的に図8に示される実施形態では、センサストリップ710は、試料室720へのアクセスのための入口721を有する試料室720を含む。図示される実施形態では、センサストリップ710は、ストリップ710の側縁部上に存在する入口721を有する側部充填センサストリップである。例えば端部710Aに入口を有する先端充填センサ、ならびにコーナ充填センサおよび頂部充填センサも本開示の範囲内にある。試料室720は、試料が試料室720内に供給されたとき、試料が作用電極と対向電極のどちらとも電解接触するように構成され、それによって電極間で電流が流れ、アナライトの電解(電解酸化または電解還元)を実施することが可能となる。
【0113】
試料室720は、基板712、基板714、およびスペーサ715で画定され、多くの実施形態では、試料室720は、基板712と基板714との間の、スペーサ715が存在しない所に存在する。通常、スペーサ715の一部が除去され、スペーサ715のない基板712、714間の容積が設けられ、この除去されるスペーサの容積が試料室720である。基板712、714間にスペーサ715を含む実施形態では、試料室720の厚さは、概してスペーサ715の厚さである。
【0114】
試料室720は、その中に生体液の試料を受けるのに十分な容積を有する。センサストリップ710が少容量センサであるときなどの、ある実施形態では、試料室720は、通常は約1μL以下であり、例えば約0.5μL以下であり、さらには例えば約0.25μL以下である容積を有する。約0.1μL以下の容積も試料室720に適しており、約0.05μL以下および約0.03μL以下の容積も同様である。
【0115】
上記で与えたように、試料室720の厚さは、通常はスペーサ715の厚さに対応する。図9に示されるセンサのような、対面電極構成では特に、この厚さは薄く、アナライトの迅速な電解を促進する。所与の試料容積に対して、より多くの試料が電極表面と接触することになるからである。
【0116】
電極
上記で与えたように、センサは、作用電極および少なくとも1つの対向電極を含む。対向電極は対向/参照電極でよい。複数の対向電極が存在する場合、対向電極のうちの1つが対向電極となり、1つまたは複数が参照電極でよい。
【0117】
センサ710では、少なくとも1つの作用電極が、試料室内の第1基板712と第2基板714の一方の上に配置される。図9では、作用電極722が基板712上に示されている。作用電極722は、「トレース」と呼ばれる電極延長として、遠位端710Aに近接する試料室720から、センサ710の他端である端部710Bまで延びる。トレースは、メータまたは他の装置に対する電気的接続を実現する接触パッド723を提供し、後で説明するように、データおよび測定値の収集を可能にする。基板712などの、作用電極722がその上に配置される基板から延びるタブ726上に、接触パッド723を配置することができる。ある実施形態では、タブは、その上に配置された複数の接触パッドを有する。代替実施形態では、1つまたは複数の電極に対する接続を実現するのに単一の接触パッドが使用され、すなわち、複数の電極が互いに接続され、1つの接触パッドを介して接続される。
【0118】
作用電極722は、金、炭素、白金、二酸化ルテニウム、パラジウムなどの導電性材料、または他の非腐食性導電性材料の層でよい。作用電極722は、2つ以上の導電性材料の組合せでよい。適切な導電性エポキシの一例は、ECCOCOAT CT5079−3炭素充填導電性エポキシ被覆(マサチューセッツ州ウォーバーンのW.R.Grace Companyから入手可能)である。作用電極22の材料は、通常は比較的低い電気抵抗を有し、通常は動作中のセンサの電位範囲にわたって電気化学的に不活性である。
【0119】
気相蒸着や真空蒸着などによって蒸着させること、あるいは平面上に、または型押しされた面もしくは凹んだ面内にスパッタリングし、印刷すること、別々のキャリアまたはライナから転写すること、エッチングすること、または成形することを含む様々な方法のいずれかによって作用電極722を基板712上に付着させることができる。印刷する適切な方法は、スクリーン印刷、圧電印刷、インクジェット印刷、レーザ印刷、フォトリソグラフィ、および塗装を含む。
【0120】
上記で与えたように、アナライトの分析のために、作用電極722の少なくとも一部が、対向電極と共に試料室720内に設けられる。
【0121】
センサは、試料室内に配置された少なくとも1つの対向電極を含む。図9では、対向電極724が基板714上に示されている。代替実施形態では、対向電極が基板712などの異なる表面または基板上に存在する。対向電極724は、「トレース」と呼ばれる電極延長として、第1端部710Aに近接する試料室720から、センサ710の他端である端部710Bまで延びる。トレースは、メータまたは他の装置に対する電気的接続を実現する接触パッド725を提供し、後で説明するように、データおよび測定値の収集を可能にする。基板712または714などの、対向電極724がその上に配置される基板から延びるタブ727上に、接触パッド725を配置することができる。ある実施形態では、タブは、その上に配置された複数の接触パッドを有する。代替実施形態では、1つまたは複数の電極に対する接続を実現するのに単一の接触パッドが使用され、すなわち、複数の電極が互いに接続され、1つの接触パッドを介して接続される。
【0122】
作用電極722と同様に対向電極724を構築することができる。対向/参照電極または参照電極に適した材料は、非導電性ベース材料上のAg/AgClまたはAg/AgBr、あるいは銀金属ベース上の塩化銀を含む。作用電極722に対して利用可能なものと同じ材料および方法を対向電極724に対して使用することができるが、異なる材料および方法を使用することもできる。対向電極724は、Ag/AgClおよび炭素などの複数の導電性材料の混合物を含むことができる。
【0123】
作用電極722および対向電極724を互いに対向して配置して、対向電極を形成することができる。例えば、基板712上に作用電極722を有し、基板714上に対向電極724を有し、対向電極を形成する図9を参照されたい。この構成では、試料室は通常、2つの電極722、724の間に存在する。あるいは、作用電極722および対向電極724を、同一基板上など、概して互いに平面に配置して、共面電極または平面電極を形成することもできる。
【0124】
ある場合には、センサの試料室が試料で十分に充填されるときを判定することができることが望ましい。試料室720が液体で充填されるとき、任意選択のインジケータ電極と作用電極722または対向電極724の一方または両方との間の信号を観測することにより、充填された、またはほぼ充填されたとセンサストリップ710に指示することができる。液体がインジケータ電極に達するとき、その電極からの信号が変化する。観測するのに適した信号は、例えば、インジケータ電極と例えば作用電極722との間の電圧、電流、抵抗、インピーダンス、またはキャパシタンスを含む。あるいは、充填後にセンサを観測して、試料室が充填されることを示す信号の値(例えば電圧、電流、抵抗、インピーダンス、またはキャパシタンス)に達したかどうかを判定することができる。
【0125】
通常、インジケータ電極は、作用電極722および対向電極724よりも、入口721などの試料入口からさらに下流側にある。
【0126】
図8および図9のセンサ710などの側部充填センサでは、インジケータ電極が対向電極の各側部上に存在することができる。これにより、インジケータ電極をさらに上流側に配置して、ユーザが左側部または右側部から試料室を充填することが可能となる。この3電極構成は必須ではない。側部充填センサは、単一のインジケータ電極を有することもでき、どの側部を試料液体と接触して配置すべきかに関する何らかの指示を含むことができる。
【0127】
インジケータ電極を使用して、アナライト測定の精度を改善することもできる。インジケータ電極は、作用電極として、あるいは対向電極または対向/参照電極として動作することができる。インジケータ電極/作用電極からの測定値を第1対向/参照電極/作用電極からの測定値と組み合わせ(例えば、加算または平均化する)、より正確な測定値を得ることができる。
【0128】
センサまたはセンサが接続される装置(例えばメータ)は、インジケータ電極の作動に応答して作動され、所望のゾーンが充填されたことをユーザに警報する信号(例えば視覚的サインまたは聴覚音)を含むことができる。試料室が充填されたことをインジケータ電極が示すときに、ユーザに警報して、またはユーザに警報することなく読取りを開始するようにセンサまたは装置を構成することができる。例えば、作用電極と対向電極との間に電位を印加し、作用電極で生成された信号の監視を開始することによって読取りを開始することができる。
【0129】
挿入モニタ
センサは、メータなどの受入れ側装置へのセンサの適切な挿入が行われたときを通知するインジケータを含む。図8および図9からわかるように、図示されるセンサであるセンサ710では、センサストリップ710は、基板712、714の一方の外面上に挿入モニタ730を含む。挿入モニタ730は、センサ710がメータコネクタに適切に挿入されたときに電気回路を閉じるように構成され、配置される。
【0130】
挿入モニタ730は、メータに接続するための1つの接触パッドを備え、センサ710の外面にわたって例えば側縁部から側縁部まで延びるストライプでよい。挿入モニタの代替実施形態では、ストライプは両側の側縁部まで延びる必要はないことを理解されたい。別の実施形態では、挿入モニタは、メータに接続するための2つ以上の接触パッドでよい。この2つ以上の接触パッドを、導電性インキなどの材料によって互いに電気的に接続することができる。
【0131】
挿入モニタ730を使用して、センサストリップ710に関する情報を符号化することができる。符号化される情報は、例えば、正確なアナライト濃度分析に必要な試験時間、センサストリップ710の使用期限、環境温度および/または圧力などの様々な補正因子、分析すべきアナライトの選択(例えば、グルコース、ケトン、ラクテート)などでよい。さらに、挿入モニタ730を使用して、センサに関する較正情報、例えば製造ロットまたはその特定のストリップに関する較正情報を符号化することができる。しかし、本開示によれば、センサが較正コードを必要とするのではなく、センサが、試料室の容積に基づいて、所定の較正と共に構成される。
【0132】
挿入モニタに関する追加の詳細、および挿入モニタを使用して情報を符号化する方法が、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2006/0091006A1号、ならびにUS6503381およびUS6773671に記載されている。さらに、US2006/0091006A1は、センサと、メータおよびコネクタを備える挿入モニタとの接続に関する様々な詳細を与えている。
【0133】
センサを製造する一般的方法
上記で論じたセンサストリップ710は、スペーサ715などによって間隔を置いて配置された基板712、714を有するサンドイッチ構造または層状構造である。任意の適切な方式で様々な層を一緒に積層することにより、そのような構造を作成することができる。センサストリップ710、および本発明による他のセンサを作成する代替方法は、センサを成形することである。
【0134】
成形は、間隔を置いて配置された少なくとも2つの導電性電極(例えばワイヤ)を型の中に配置すること、および電極の周りに絶縁材料のボディを成形することを含むことができ、一端が、その中に液体試料を受ける手段を有する。より具体的には、成形は、間隔を置いて配置された少なくとも2つの導電性電極(例えばワイヤ)を型の中に配置すること、成形の前または後に、電極のうちの少なくとも1つを1つまたは複数の化学物質で処理し、液体試料との接触時の、処理後の電極の電気的特性を変更すること、および電極の周りに絶縁材料のボディを成形することを含むことができ、一端が、その中に液体試料を受ける手段を有する。ボディと、成形が完了した後に互いに接続するためのエンドキャップとを有する複数の部片、例えば2つの部片としてボディを成形することができ、または単一の部片としてボディを成形することができる。
【0135】
第1基板を含む1つまたは複数の基板上に電極を配置すること、任意選択で、少なくとも1つの電極の少なくとも一部を検知材料(複数可)と接触させること、および2つの基板間にスペーサを配置することによって基板を互いに固定された層状の向きに維持するようにセンサを構成することによってセンサを作成することができる。
【0136】
センサの較正
センサが積層されるとしても、成形されるとしても、または他の何らかのプロセスによって作成されるとしても、センサの形成後または形成中に、センサの一部が物理的に修正されて(例えば、除去され、再形成され、反応されるなど)、センサに所定の傾きおよびy切片が与えられる。通常、センサの物理的に修正される部分は試料室を含む。本開示のある実施形態によれば、試料室形状および/またはサイズが変更されて、センサに所望の所定の傾きおよびy切片が与えられる。多くの実施形態では、試料室の形状および/またはサイズが物理的に修正される。さらに、または別法として、本開示のある実施形態によれば、時には試料室の形状および/またはサイズを変更することなく、試料室内の電極面積が変更される。多くの実施形態では、電極面積が物理的に修正される。
【0137】
代替実施形態では、電極の面積が修正されるが、試料室容積は同じままでよいことに留意されたい。電極面積を修正する、例えば領域を除去する例示的一方法は、不活性基板を通過するが電極を物理的に変更する単一または複数のエネルギービーム(例えば、レーザ、UV光、電子ビームなど)などの非侵入的手順を使用することによるものである。このプロセスでは、電極(複数可)の領域を除去することができ、あるいは不活性にすることができる。
【0138】
複数のプリセンサから、同じ所定の較正を有するセンサストリップ710などの複数のセンサを提供するために、必要に応じて各プリセンサを物理的に変更して、所望の所定の物理的特性および所望のセンサを得ることができる。この説明は、単一のセンサに加えてセンサのバッチまたはロットにも当てはまることを理解されたい。例えば、第1プリセンサが、所望のレベルと比べて過度に高い応答を有することがあり、第2プリセンサが、所望のレベル範囲内の応答を有することがある。そのような状況では、第1プリセンサの一部を除去して、第2プリセンサの試料室または電極面積と同程度の試料室または電極面積を有し、所望のレベル範囲内にあるセンサを提供することができる。
【0139】
しかし、ある状況では、プリセンサ、例えば第3センサストリップが、所望のレベルと比べて過度に低い応答を有することがある。ほとんどの実施形態では、プリセンサが組み立てられた後にプリセンサの試料室および/または電極面積を増大させることは困難または非現実的であるはずなので、ある製造作業では、センサを事前較正するために所望の応答レベルを人為的に下げることができる。そのような人為的に下げられた所望のレベルでは、所望の人為的に低いレベル範囲内の応答を有するプリセンサについては、プリセンサの作用面積の所定の部分を除去して、実際の所望のレベルを有するセンサを得ることができ、所望の人為的に低いレベルを超える応答を有するプリセンサについては、プリセンサの作用面積の所定の部分よりも大きい部分を除去して、実際の所望のレベルを有するセンサを得ることができ、所望の人工的に低いレベル未満の応答を有するプリセンサについては、プリセンサの作用面積の所定の部分よりも小さい部分を除去して、実際の所望のレベルを有するセンサを得ることができる。言い換えれば、そのような方法を用いて、すべてのプリセンサが物理的に変更され、同一の所望の所定の較正を有するセンサが得られる。
【0140】
所望の所定の較正を得るために、試料室の容積または試料室内の電極面積を変更することにより、プリセンサが修正される。
【0141】
ある実施形態では、後で修正されてセンサが形成される実際のプリセンサがないことがあり、その代わりに、プリセンサが1つまたは複数のセンサ(例えばセンサのバッチまたはロット、例えば少なくとも100個のセンサ、少なくとも1000個のセンサ、さらには少なくとも50000個のセンサ)に対するテンプレートとして使用される。例えば、複数のセンサを、例えば作用電極、対向電極、および試料室を有する大型のシート構成から得ることができる。例えば、大型のサンドイッチ型シート構成から複数のセンサを作成する方法を記述しているUS6338790、特に図31Aおよび図31Bとそれに関連する説明とを参照されたい。このシートから、標準テンプレート(例えば形状およびサイズ)を使用して1つ(または複数)の試験センサを取り外す(例えば打ち抜く)ことができ、こうした試験センサを所望の傾きおよびy切片からの差異について試験することができ、結果が通常は平均化される。必要に応じて、テストセンサとは異なることのある適切な形状およびサイズのセンサを取り外す(例えば打ち抜く)ことにより、引き続き取り外されるセンサが試験センサから修正され、所望の傾きおよびy切片が得られる。この方法では、テストセンサが、必要とされる修正のためのガイドを与え、その結果、各センサは個々には試験されない。
【0142】
センサは、薬局、病院、診療所にて、医師、および医療装置の他の供給源から利用可能である。複数のセンサを一緒にパッケージ化し、単一ユニット、例えば25個、50個、または100個のセンサ、あるいは他の任意の適切な数のパッケージとして販売することができる。キットは、1つまたは複数のセンサと、制御ソリューションおよび/またはランシング装置および/またはメータなどの追加の構成要素とを含むことができる。
【0143】
電気化学的分析または測光的試験のためにセンサを使用することができる。センサは一般に、電気メータと共に使用するように構成され、電気メータは、様々な電子機器に接続可能とすることができる。メータは、センサとして概して同じ場所で入手可能とすることができ、時には、例えばキットとしてセンサと一緒にパッケージ化することができる。
【0144】
メータに接続可能な適切な電子機器の例は、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップやハンドヘルド装置(例えば携帯情報端末(PDA))などのポータブルコンピュータなどのデータ処理端末を含む。電子機器は、有線接続またはワイヤレス接続を介して受信機とデータ通信を行うように構成される。加えて、ユーザの検出されたグルコースレベルに対応するデータを格納、検索、および更新するデータネットワーク(図示せず)に電子機器をさらに接続することができる。
【0145】
メータに接続された様々な装置は、例えば802.11またはBluetooth RFプロトコル、またはIrDA赤外線プロトコルなどの一般的な規格を使用して、サーバ装置とワイヤレスに通信することができる。サーバ装置は、携帯情報端末(PDA)またはノートブックコンピュータなどの別のポータブル装置、あるいはデスクトップコンピュータ、アプライアンスなどのより大型の装置でよい。ある実施形態では、サーバ装置は、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ、ならびにボタン、キーボード、マウス、またはタッチスクリーンなどの入力装置を有する。そのような構成では、ユーザは、サーバ装置のユーザインターフェース(複数可)と対話することによって間接的にメータを制御することができ、サーバ装置は、ワイヤレスリンクを介してメータと対話する。
【0146】
サーバ装置はまた、メータおよび/またはサービス装置からデータストレージまたはコンピュータにデータを送るなどのために別の装置とも通信することができる。例えば、サービス装置は、ヘルスケアプロバイダコンピュータから命令(例えばインシュリンポンププロトコル)を送信および/または受信することができる。そのような通信の例は、PDAがパーソナルコンピュータ(PC)とデータを同期すること、携帯電話がセルラネットワークを介して他端のコンピュータと通信すること、または家庭アプライアンスが診療室のコンピュータシステムと通信することを含む。
【0147】
患者またはユーザから生体液、例えば血液の試料を得るランシング装置または他の機構も、センサおよびメータと一般に同じ場所で入手可能とすることができ、時には、例えばキットとしてセンサおよび/またはメータと一緒にパッケージ化することができる。
【0148】
センサは、一体型装置、すなわち装置内にセンサとメータまたはランシング装置などの第2要素とを有する装置内に含めるのに特に適している。一体型装置は、電気化学的分析または測光的分析を提供することに基づくものでよい。一実施形態では、センサをメータとランシング装置のどちらとも一体化することができる。複数の要素を一緒に1つの装置内に有することは、アナライトレベルを得るのに必要な装置数を削減し、試料採取プロセスを容易にする。例えば、実施形態は、センサストリップと、皮膚穿孔要素と、ストリップに付着した試料中のアナライトの濃度を求めるプロセッサのうちの1つまたは複数を含むハウジングを含むことができる。複数のセンサをハウジング内部のカセット内に保持することができ、ユーザによる操作時に、単一のセンサを、少なくとも一部が使用のためにハウジングの外に延びるようにカセットから分配することができる。
【0149】
センサストリップの動作
使用の際に、生体液の試料がセンサの試料室内に供給され、試料室でアナライトのレベルが求められる。分析は、電気化学的分析または測光的分析を提供することに基づくものでよい。多くの実施形態では、血液中のグルコースのレベルが求められる。やはり多くの実施形態では、生体液の供給源は、例えばランシング装置で患者の皮膚を穿孔した後に、患者から採取された1滴の血液であり、ランシング装置は、センサストリップと共に一体型装置内に存在することができる。
【0150】
センサに試料を供給する前に、さらにはセンサに試料を供給した後でも、ユーザが、センサの動作、および/またはメータもしくは他の装置とのセンサの対話に関する較正コードまたは他の情報を入力する必要がない。センサは、ユーザがセンサまたはメータを調節する必要なしに、分析から受信される結果が臨床的に正確となるように構成される。センサは、センサのバッチによって反復可能な正確な結果を提供するように物理的に構成される。
【0151】
センサ内に試料を受けた後に、試料内のアナライトが、作用電極で、例えば電気酸化または電気還元され、対向電極で得られる電流のレベルが、アナライト濃度として相関付けられる。電極に電位を印加して、または電極に電位を印加することなくセンサを操作することができる。一実施形態では、電気化学的反応が自発的に生じ、作用電極と対向電極との間に電位を印加する必要がない。別の実施形態では、作用電極と対向電極との間に電位が印加される。
【0152】
図10は、テストストリップセンサ910の別の実施形態を示す。センサ910は、矩形ウェイクアップバー30を含み、対向する試料付着エリア912によって示されているように側部充填される。
【0153】
図11は、テストストリップセンサ920の別の実施形態を示す。センサ920は、波形ウェイクアップバー800を含む。ウェイクアップバー800は、どちらかの端部でストリップ920の長軸に平行に延びる長辺を含む。ウェイクアップバー920の2つの端部は、ストリップ920の短軸の方向に偏位する。ウェイクアップバー800の中央セグメントは、端部セグメントの対応するコーナが中央セグメントと接続するように、ストリップ920の長軸に対して斜めに延びることによってオフセット端部セグメントを接続する。複数の中央区間を設けることができ、端部セグメントは、ストリップ920の長軸に対して、最大90°までの任意の角度などで非平行に延びることができる。ウェイクアップバー800は、単純な矩形または平行四辺形でよく、あるいは台形でよく、あるいは平行な辺を有さなくてよく、1つまたは複数の曲線状の辺または辺のセグメント、すなわち直線ではない辺または辺のセグメントを有することができる。
【0154】
図12Aから図12Fは、様々なウェイクアップバー形状と、様々な輪郭の試薬端部または試料付着端部とを有するテストストリップセンサの実施形態を示す。図12Aは、共通の辺を共有するものとして接続される第1矩形区間801Aおよび第2矩形区間801Bを含むウェイクアップバー801を有するストリップ930を示す。区間801Bは、正方形、菱形、平行四辺形、または台形でよく、または三角形状を有することができる。第3区間または中央区間で区間801A−Bを接続することができる。区間801A−Bの辺のいずれかは曲線状でよい。ストリップ930は側部充填されるが、端部充填されてもよい(例えば図12Fを参照)。
【0155】
図12Bおよび図12Cは、それぞれ図11および図10のストリップ920および910を含む。図12Cのウェイクアップバー30は単一の矩形を含み、ストリップ920のウェイクアップバー800は、正方形でよい矩形800Aと、菱形でよい平行六面体800Bと、正方形でよい別の矩形800Cとを含む。
【0156】
図12Dは、ほぼ十字形のウェイクアップバー802を有するストリップ940の図を含む。ウェイクアップバー802は、3つの区間802A、802B、および802Cを含み、そのそれぞれは、同一の寸法または異なる寸法の矩形でよい。区間802Bは、ストリップの短い寸法にわたって一方の辺から他方の辺まで延び、区間802Aおよび802Cは、ストリップの短い寸法ではより短い。区間802Aは区間802Cよりもわずかに長いが、その逆でもよく、または同一の長さでよい。図示されるように、区間802Aおよび802Cの一方または両方をストリップの長軸に対して、かつ/または互いに対して偏位させることができる。
【0157】
図12Eは、最上層で接続されないL型区間803Bおよび矩形区間803Aを含むウェイクアップバー803を有する別のストリップ950を示す。
【0158】
図12Fは、最上層上で接続されない2つの矩形区間804Aおよび804Bを含むウェイクアップバー804を有する別のストリップ960を示す。図では、ストリップ960が側部充填され、本明細書で示されるストリップのいずれかを、一端または両端で端部充填および/または側部充填することができ、かつ/または頂部充填または底部充填することさえでき、本明細書で図示または説明されるウェイクアップバーまたは試薬端部輪郭あるいは均等物のいずれかと共に設けることができる。
【0159】
図13Aから図13Fは、明確に輪郭が示された試薬端部およびウェイクアップバー形状を有するテストストリップの一実施形態の様々な層を示す。図13Aは、例示的ウェイクアップバー971および側部充填試薬端部972を備える、完全に組み立てられたストリップ970を示す。図13Bは、参照電極およびインジケータ電極に対応する導電性トレース974を含む、ストリップ970の最上層973を示す。図13Cは、ストリップ970の試薬端部972の化学物質区間975を示す。図13Dは、接着剤を含む、ストリップ970のスペーサ976を示す。図13Eは、作用電極に対応する導電性部分978を含む、ストリップ970の最下層977を示す。
【0160】
図14Aから図14Eは、図13Aから図13Fで示されるテストストリップの試薬端部の様々な層を示す。図14Aは、テストストリップ970の完全に組み立てられた試薬端部972を示し、図14Bから図13Eは、それぞれストリップ970の試薬端部972の最上層972A、化学物質972B、スペーサ972C、および最下層972Dを示す。
【0161】
図15Aから図15Eは、両辺に別個の突起983、985を有するストリップの実施形態を示す。図15Aおよび図15Bは、組み立てられたストリップ980を示し、図15Cから図15Eは共に、ストリップ980の分解組立図を示す。ストリップ980は、最上層982、スペーサ984、および最下層986を含む。最上層982は突起983を含み、最下層986は突起985を含む。スペーサ984は、突起983、985を含む最上層982および最下層986の各区間に対応する位置で画定される試料取得チャネル988を画定するギャップを有する。同様の突起がストリップ980の反対側に設けられる。ユーザは、体液試料、例えば血液試料をチャネル988に付着させ、チャネル988では、化学物質が、グルコースまたはラクテートなどのアナライトを測定する電極間に存在する。
【0162】
図16Aから図16Dは、一端に別個の突起を有するストリップの実施形態を示す。図16Aは、組み立てられたストリップ990を示し、図16Bから図16Dは共に、ストリップ990の分解組立図を示す。ストリップは、最上層992、スペーサ994、および最下層996を含む。最上層992は突起993を含み、最下層は突起995を含む。スペーサ994は、突起993、995を含む最上層992および最下層996の各区間に対応する位置で画定される試料取得チャネル998を画定するギャップを有する。通気口999が最上層992で画定される。ユーザは、体液試料、例えば血液試料をチャネル998に付着させ、チャネル998では、化学物質が、グルコースまたはラクテートなどのアナライトを測定する電極間に存在する。
【0163】
したがって、一実施形態でのテストストリップは、体液試料を受ける試薬端部と、測定装置のテストストリップレセプタクルスロットで受けられる挿入端部とを含み、挿入端部は、テストストリップが装置内に挿入されたことを測定装置に示す1つまたは複数のオンストリップインジケータを含み、その結果、装置が、試験を実施することに備えて電源投入され、1つまたは複数のオンストリップインジケータは、較正が自動的であるか、それともユーザが装置に較正情報を入力する必要があるかを示す別個のパターンを有する。
【0164】
したがって、一実施形態でのテストストリップは、体液試料を受ける試薬端部と、測定装置のテストストリップレセプタクルスロットで受けられる挿入端部とを含むことができ、挿入端部は、別個の輪郭、外周パターン、形状、厚さ、幅、または他の幾何形状、材料または他の測定可能特性、あるいはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を含み、較正が自動的であるか、それともユーザが装置に較正情報を入力する必要があるかを示す。
【0165】
したがって、一実施形態でのテストストリップは、体液試料を受ける試薬端部と、測定装置のテストストリップレセプタクルスロットで受けられる挿入端部とを含むことができ、挿入端部は、テストストリップが装置内に挿入されたことを装置に示す1つまたは複数のオンストリップインジケータを含み、その結果、装置が、試験を実施することに備えて電源投入され、1つまたは複数のオンストリップインジケータは、テストストリップの少なくとも1つの他のタイプの異なる較正要件と対照をなす、テストストリップのタイプに対応する所定の較正要件を示す別個のパターンを有する。
【0166】
したがって、一実施形態でのテストストリップは、体液試料を受ける試薬端部と、測定装置のテストストリップレセプタクルスロットで受けられる挿入端部とを含むことができ、挿入端部は、別個の輪郭、外周パターン、形状、厚さ、幅、または他の幾何形状、材料または他の測定可能特性、あるいはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を含み、テストストリップの少なくとも1つの他のタイプの異なる較正要件と対照をなす、テストストリップのタイプに対応する特定の較正要件を示す。
【0167】
別の態様では、ユーザは、ストリップのパッケージに対応する較正情報を入力することができる。
【0168】
別の態様では、ユーザは、測定装置に較正コードを入力することができる。
【0169】
別の態様では、較正は自動的でよい。
【0170】
別の態様では、テストストリップは電気化学的テストストリップでよい。
【0171】
別の態様では、テストストリップは、共面配置の作用電極および参照電極を含むことができる。
【0172】
別の態様では、テストストリップは、試薬端部に、対向する配置の作用電極および参照電極を含むことができる。
【0173】
別の態様では、テストストリップは、頂部充填構成、側部充填構成、またはコーナ充填構成、あるいはそれらの組合せを含むことができる。
【0174】
別の態様では、試薬端部は、矩形形状または先細り形状あるいはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0175】
別の態様、試薬端部は、1つまたは複数の突起、カットアウト、ノッチ、またはくぼみ、あるいはそれらの組合せを含む試料充填エリアを含むことができる。
【0176】
別の態様では、電流測定または電量測定あるいはその両方のためにストリップを構成することができる。
【0177】
したがって、一実施形態でのグルコースメータ装置は、グルコース監視テストストリップを受けるように構成されるテストストリップレセプタクルスロットを含むことができ、グルコース監視テストストリップは、体液試料を受ける試薬端部と、グルコースメータテストストリップレセプタクルスロットで受けられる挿入端部とを含み、挿入端部は、テストストリップがメータに挿入されたことをグルコースメータに示す1つまたは複数のウェイクアップバーを含み、その結果、メータが、試験を実施することに備えて電源投入され、1つまたは複数のウェイクアップバーは、較正が自動的であるか、それともユーザがメータに較正情報を入力する必要があるかを示す、メータ装置によって識別可能な別個のパターンを有する。
【0178】
したがって、一実施形態でのグルコースメータ装置は、グルコース監視テストストリップを受けるように構成されるテストストリップレセプタクルスロットを含むことができ、グルコース監視テストストリップは、体液試料を受ける試薬端部と、テストストリップレセプタクルスロットで受けられる挿入端部とを含み、挿入端部は、メータ装置によって識別可能な別個の輪郭、外周パターン、形状、厚さ、幅、または他の幾何形状、材料または他の測定可能特性、あるいはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を含み、較正が自動的であるか、それともユーザがメータに較正情報を入力する必要があるかを示す。
【0179】
したがって、一実施形態でのグルコースメータ装置は、グルコース監視テストストリップを受けるように構成されるテストストリップレセプタクルスロットを含むことができ、グルコース監視テストストリップは、体液試料を受ける試薬端部と、グルコースメータテストストリップレセプタクルテスロットで受けられる挿入端部とを含み、挿入端部は、テストストリップがメータに挿入されたことをグルコースメータに示す1つまたは複数のウェイクアップバーを含み、その結果、メータが、試験を実施することに備えて電源投入され、1つまたは複数のウェイクアップバーは、テストストリップの少なくとも1つの他のタイプの異なる較正要件と対照をなす、テストストリップのタイプに対応する特定の較正要件を示す、メータ装置によって識別可能な別個のパターンを有する。
【0180】
したがって、一実施形態でのグルコースメータ装置は、グルコース監視テストストリップを受けるように構成されるテストストリップレセプタクルスロットを含むことができ、グルコース監視テストストリップは、体液試料を受ける試薬端部と、テストストリップレセプタクルテスロットで受けられる挿入端部とを含み、挿入端部は、メータ装置によって識別可能な別個の輪郭、外周パターン、形状、厚さ、幅、または他の幾何形状、材料または他の測定可能特性、あるいはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を含み、テストストリップの少なくとも1つの他のタイプの異なる較正要件と対照をなす、テストストリップのタイプに対応する較正要件を示す。
【0181】
別の態様では、ユーザは、ストリップのパッケージに対応する較正コードを入力することができる。
【0182】
別の態様では、ユーザは、メータに送るためのストリップの較正情報をその上に有するメモリチップを含む所定のテストストリップを挿入することができる。
【0183】
別の態様では、メータの較正は自動的でよい。
【0184】
別の態様では、メータは、テストストリップレセプタクルスロットに挿入されたテストストリップのタイプを識別し、ストリップのそのタイプに対応する所定の較正要件によるグルコース試験手順で進む、プロセッサ可読媒体内に統合されたプログラムコードを含むことができる。
【0185】
別の態様では、メータのテストストリップレセプタクルを、テストストリップレセプタクルに挿入されたテストストリップの挿入端部を識別するように構成することができる。
【0186】
別の態様では、メータのテストストリップレセプタクルを、テストストリップレセプタクルに挿入されたテストストリップを識別するように構成することができる。
【0187】
別の態様では、電流測定または電量測定あるいはその両方のためにストリップを構成することができる。
【0188】
様々な特定の、好ましい実施形態および技法を参照しながら本発明を説明した。しかし、本発明の精神および範囲の中にとどまりながら、多くの変形形態および修正形態を作成できることは当業者には明らかであろう。
【0189】
本明細書でのすべての特許および他の参考文献は、本発明が関係する技術分野の通常の技術のレベルを示す。それぞれの個々の特許が参照により具体的かつ個々に組み込まれた場合と同じ範囲で、すべての特許が参照により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液試料を受ける試薬端部と、測定装置のテストストリップレセプタクルスロットで受けられる挿入端部とを備えるテストストリップであって、挿入端部が、テストストリップが装置内に挿入されたことを測定装置に示す1つまたは複数のオンストリップインジケータを含み、その結果、装置が、試験を実施することに備えて電源投入され、1つまたは複数のオンストリップインジケータが、較正が自動的であるか、それともユーザが前記装置に較正情報を入力する必要があるかを示す別個のパターンを有する、テストストリップ。
【請求項2】
体液試料を受ける試薬端部と、測定装置のテストストリップレセプタクルスロットで受けられる挿入端部とを備えるテストストリップであって、挿入端部が、別個の輪郭、外周パターン、形状、厚さ、幅、または他の幾何形状、材料または他の測定可能特性、あるいはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を含み、較正が自動的であるか、それともユーザが前記装置に較正情報を入力する必要があるかを示す、テストストリップ。
【請求項3】
体液試料を受ける試薬端部と、測定装置のテストストリップレセプタクルスロットで受けられる挿入端部とを備えるテストストリップであって、挿入端部が、テストストリップが装置内に挿入されたことを装置に示す1つまたは複数のオンストリップインジケータを含み、その結果、装置が、試験を実施することに備えて電源投入され、1つまたは複数のオンストリップインジケータが、テストストリップの少なくとも1つの他のタイプの異なる較正要件と対照をなす、テストストリップのタイプに対応する所定の較正要件を示す別個のパターンを有する、テストストリップ。
【請求項4】
体液試料を受ける試薬端部と、測定装置のテストストリップレセプタクルスロットで受けられる挿入端部とを備えるテストストリップであって、挿入端部が、別個の輪郭、外周パターン、形状、厚さ、幅、または他の幾何形状、材料または他の測定可能特性、あるいはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を含み、テストストリップの少なくとも1つの他のタイプの異なる較正要件と対照をなす、テストストリップのタイプに対応する特定の較正要件を示す、テストストリップ。
【請求項5】
ユーザが、ストリップのパッケージに対応する較正情報を入力する、請求項1から4のいずれか一項に記載のストリップ。
【請求項6】
ユーザが、測定装置に較正コードを入力する、請求項5のいずれかに記載のストリップ。
【請求項7】
較正が自動的である、請求項1から4のいずれか一項に記載のストリップ。
【請求項8】
テストストリップが電気化学的テストストリップである、請求項1から4のいずれか一項に記載のストリップ。
【請求項9】
共面配置の作用電極および参照電極を備える、請求項8に記載のテストストリップ。
【請求項10】
試薬端部に、対向する配置の作用電極および参照電極を備える、請求項8に記載のストリップ。
【請求項11】
頂部充填構成、側部充填構成、またはコーナ充填構成、あるいはそれらの組合せを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のストリップ。
【請求項12】
試薬端部が、矩形形状または先細り形状あるいはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のストリップ。
【請求項13】
試薬端部が、1つまたは複数の突起、カットアウト、ノッチ、またはくぼみ、あるいはそれらの組合せを含む試料充填エリアを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のストリップ。
【請求項14】
電流測定または電量測定あるいはその両方のために構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のストリップ。
【請求項15】
グルコース監視テストストリップを受けるように構成されるテストストリップレセプタクルスロットを備えるグルコースメータ装置であって、グルコース監視テストストリップが、体液試料を受ける試薬端部と、グルコースメータテストストリップレセプタクルスロットで受けられる挿入端部とを含み、挿入端部が、テストストリップがメータに挿入されたことをグルコースメータに示す1つまたは複数のウェイクアップバーを含み、その結果、メータが、試験を実施することに備えて電源投入され、1つまたは複数のウェイクアップバーが、較正が自動的であるか、それともユーザがメータに較正情報を入力する必要があるかを示す、メータ装置によって識別可能な別個のパターンを有する、グルコースメータ装置。
【請求項16】
グルコース監視テストストリップを受けるように構成されるテストストリップレセプタクルスロットを備えるグルコースメータ装置であって、グルコース監視テストストリップが、体液試料を受ける試薬端部と、テストストリップレセプタクルスロットで受けられる挿入端部とを含み、挿入端部が、メータ装置によって識別可能な別個の輪郭、外周パターン、形状、厚さ、幅、または他の幾何形状、材料または他の測定可能特性、あるいはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を含み、較正が自動的であるか、それともユーザがメータに較正情報を入力する必要があるかを示す、グルコースメータ装置。
【請求項17】
グルコース監視テストストリップを受けるように構成されるテストストリップレセプタクルスロットを備えるグルコースメータ装置であって、グルコース監視テストストリップが、体液試料を受ける試薬端部と、グルコースメータテストストリップレセプタクルテスロットで受けられる挿入端部とを含み、挿入端部が、テストストリップがメータに挿入されたことをグルコースメータに示す1つまたは複数のウェイクアップバーを含み、その結果、メータが、試験を実施することに備えて電源投入され、1つまたは複数のウェイクアップバーが、テストストリップの少なくとも1つの他のタイプの異なる較正要件と対照をなす、テストストリップのタイプに対応する特定の較正要件を示す、メータ装置によって識別可能な別個のパターンを有する、グルコースメータ装置。
【請求項18】
グルコース監視テストストリップを受けるように構成されるテストストリップレセプタクルスロットを備えるグルコースメータ装置であって、グルコース監視テストストリップが、体液試料を受ける試薬端部と、テストストリップレセプタクルテスロットで受けられる挿入端部とを含み、挿入端部が、メータ装置によって識別可能な別個の輪郭、外周パターン、形状、厚さ、幅、または他の幾何形状、材料または他の測定可能特性、あるいはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を含み、テストストリップの少なくとも1つの他のタイプの異なる較正要件と対照をなす、テストストリップのタイプに対応する特定の較正要件を示す、グルコースメータ装置。
【請求項19】
ユーザが、ストリップのパッケージに対応する較正コードを入力する、請求項15から18のいずれか一項に記載のメータ。
【請求項20】
ユーザが、メータに送るためのストリップの較正情報を有するメモリチップを含む所定のテストストリップを挿入する、請求項15から18のいずれか一項に記載のメータ。
【請求項21】
較正が自動的である、請求項15から18のいずれか一項に記載のメータ。
【請求項22】
テストストリップレセプタクルスロットに挿入されたテストストリップのタイプを識別し、ストリップのタイプに対応する所定の較正要件によるグルコース試験手順で進む、プロセッサ可読媒体内に統合されたプログラムコードを含む、請求項15から18のいずれか一項に記載のメータ。
【請求項23】
テストストリップレセプタクルが、テストストリップレセプタクルに挿入されたテストストリップの挿入端部を識別するように構成される、請求項15から18のいずれか一項に記載のメータ。
【請求項24】
テストストリップレセプタクルが、テストストリップレセプタクルに挿入されたテストストリップを識別するように構成される、請求項15から18のいずれか一項に記載のメータ。
【請求項25】
ストリップが、電流測定または電量測定あるいはその両方のために構成される、請求項15から18のいずれか一項に記載のメータ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図12F】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【公表番号】特表2010−525373(P2010−525373A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506544(P2010−506544)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/061680
【国際公開番号】WO2008/134587
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(500211047)アボット ダイアベティス ケア インコーポレイテッド (43)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT DIABETES CARE INC.
【Fターム(参考)】