説明

導電性積層体およびそれを用いたタッチパネル

【課題】ポリチオフェン系導電剤を用いた導電層を有し、経時的な導電性低下が低減された導電性積層体と、該導電性積層体を用いたタッチパネルを提供する。
【解決手段】全面もしくは一部で接する少なくとも一組の導電層12および粘着層21を有し、前記導電層12は、ポリチオフェン系導電剤を含有し、前記粘着層21は、紫外線吸収剤を含有する導電性積層体1。これを用いてタッチパネル等を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置入力装置として用いられるタッチパネルと、該タッチパネルに好適に使用される導電性積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、位置入力装置として機能する電子部品であり、液晶パネルのような表示装置と組み合わされ、携帯電話や携帯ゲーム機等において幅広く利用されている。タッチパネルは、操作者が画面表示に基づき、手や入力ペンでタッチパネルの特定位置を指し示すと、装置がその特定位置の情報を感知することで、操作者が望む適切な動作を行なわせることができるインターフェースである。
【0003】
タッチパネルにおいて、指し示す位置の検出方法には、例えば抵抗膜式、静電容量方式があるが、静電容量方式は、携帯電話などのモバイル機器を中心として急速に拡大してきた。静電容量方式の代表的な検出方式としては、アナログ検出の表面型と、パターニングされた電極を用いた積算検出方式による投影型の2つが挙げられる。さらに投影型の構成は、方式やメーカー毎に多数の提案がなされているが、最近急増した投影型としては、導電層に挟まれる絶縁層や表面の保護板としてガラスや樹脂板を用いることで、耐久性を付与したものが多い。今後は、これらを各種樹脂フィルムにすることで、低価格化、フレキシブル化する動きが拡大するものと予想されている。
【0004】
タッチパネルの要となる導電層としては、導電性能と透明性の両立が図れることから、スパッタや蒸着などの乾式法により形成されるITO(酸化錫をドープした酸化インジウム)層が、最も多く用いられている。
しかしながら、タッチパネルの構造材に上述のようにフィルムを用いてフレキシブル化した場合には、ITO層は屈曲性が低いため、耐久性が大幅に低下する虞がある。
そこで、屈曲性に優れる導電層として、有機系の導電性高分子を用いた層が検討されており、有機系の導電性高分子としては、例えばポリチオフェン系導電剤が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−28439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者は、ポリチオフェン系導電剤を用いた導電層は、経時的に導電性が低下する場合があることを見出した。
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、ポリチオフェン系導電剤を用いた導電層を有し、経時的な導電性低下が低減された導電性積層体と、該導電性積層体を用いたタッチパネルとの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者が鋭意検討した結果、ポリチオフェン系導電剤は耐光性が低く、紫外線が経時的な導電性低下の少なくとも一因であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の導電性積層体は、全面もしくは一部で接する少なくとも一組の導電層および粘着層を有し、前記導電層は、ポリチオフェン系導電剤を含有し、前記粘着層のうち少なくとも一層は、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする。
前記紫外線吸収剤は、波長350nm以上に極大吸収波長を有し、かつ、23℃で油状または液状の化合物の少なくとも1種であることが好ましい。
前記ポリチオフェン系導電剤は、3−ヘキシルチオフェンの重合体、3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合体、これらの重合体の誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の導電性積層体としては、前記導電層および前記粘着層を一組有するとともに、絶縁層をさらに備え、前記絶縁層の片面に、前記導電層が接する形態、前記導電層および前記粘着層を二組有するとともに、絶縁層をさらに備え、前記絶縁層の両面に、前記導電層がそれぞれ接する形態が挙げられる。
そして、前記導電層が、前記絶縁層の両面にそれぞれ接している場合、各導電層は、それぞれ一軸方向に規則性を有するパターンに形成され、前記パターンが互いに直交することが好ましい。
前記絶縁層は、屈曲可能に形成されていることが好ましい。
本発明のタッチパネルは、本発明の導電性積層体と、該導電性積層体の前記粘着層を介して積層した透明シートとを具備することを特徴とする。
本発明のタッチパネルは、静電容量方式に適している。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ポリチオフェン系導電剤を用いた導電層を有し、経時的な導電性低下が低減された導電性積層体と、該導電性積層体を用いたタッチパネルとを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態例の導電性積層体の構成を示す断面図である。
【図2】導電層形成工程を説明する断面図である。
【図3】粘着層形成工程を説明する断面図である。
【図4】第3実施形態例の導電性積層体の構成を示す断面図である。
【図5】本発明のタッチパネルを具備する液晶モジュールの一例を示す断面図である。
【図6】実施例1で製造したタッチパネル(タッチパネルモジュール)を示す断面図である。
【図7】実施例1で製造した導電性積層体を示す断面図である。
【図8】実施例1で製造した導電性積層体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<導電性積層体>
本発明の導電性積層体は、ポリチオフェン系導電剤を含む導電層と粘着層とを少なくとも一組有し、導電層と粘着層とが全面もしくは一部で接した構成を有する。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
(1)第1実施形態例
図1は、本発明の第1実施形態例に係る導電性積層体1を示す断面図であって、この例の導電性積層体1は、絶縁層11と、絶縁層11の片面に形成された導電層12と、導電層12上に形成された粘着層21と、粘着層21における導電層12と反対側の面を被覆する剥離用第1基材22とを有する。この導電性積層体1は、互いに直接接する一組の導電層12および粘着層21を有し、絶縁層11の片面に、導電層12が接する構成を具備する。
【0012】
なお、以後示す断面図などの図は、主に層構成を示すものであり、寸法や厚さは適宜強調している箇所があり、正確に示されたものではない。
また、図1の例では、導電層12と粘着層21とが全面で接しているが、本発明の導電性積層体は、導電層と粘着層とが一部で接したものでもよい。
【0013】
[導電層]
導電層12は、例えばアナログ方式の抵抗膜式タッチパネルなどに用いられる、実質的に均一な厚さで絶縁層11上に形成された均一層でもよいし、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルなどに用いられる、位置検知のために形成された規則的なパターンを有する導電層であってもよい。規則的なパターンは、各種印刷方式などにより、絶縁層11上に予め部分的に導電層12を設ける方法で形成されたものであってもよいし、または、導電層形成用の塗布液を均一塗布後、エッチング液を用いた湿式エッチングやレーザー光線を用いた乾式エッチングなどにより、その一部を除去して形成されたものであってもよい。なお、均一層の場合でも、タッチパネルの構成などに応じて、引き出し電極等形成のため、導電層12の一部がパターン化されていてもよい。
【0014】
導電層12は、導電性物質としてポリチオフェン系導電剤を含有する。
ポリチオフェン系導電剤は、二重結合と単結合が交互に並んだ主鎖により導電性を発現するπ共役系の有機導電性高分子であるが、特に、可視光領域に吸収が少ないことから、高い透明性が達成できる。
ポリチオフェン系導電剤としては、3−ヘキシルチオフェン(以下、3HTと略す場合がある。)の重合体(以下、P3HTと略す場合がある。)、その誘導体、3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、EDOTと略す場合がある。)の重合体(以下、PEDOTと略す場合がある。)、その誘導体からなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましい。誘導体としては、主鎖にスルホン酸基を有する自己ドープ型ポリチオフェンや、ポリエチレングリコールなどのフレキシブルなポリマーと共重合した有機溶媒分散型PEDOTなどの誘導体を用いることもでき、導電性積層体1の各層に用いられる部材や導電性積層体1の製法、例えばタッチパネルとした際の使用条件などに応じて適宜選択される。
【0015】
導電層12は、詳しくは後述するが、ポリチオフェン系導電剤を含有する導電層形成用の塗布液を塗工したり、ポリチオフェン系導電剤を含有する導電層形成用のインキを印刷したりする方法を用いて好適に形成される。そのため、塗布液またはインキの調製には、導電性を高めるドーパントの役割だけでなく、重合により水中で微粒子状となるPEDOTの分散剤としても機能するポリスチレンスルホン酸(以下、PSSと略す場合あり)の存在下でEDOTを重合して得られる水分散体(以下、PEDOT−PSSと略す場合あり)や、PSSの代わりにポリビニルスルホン酸(以下、PVSと略す場合あり)を用いたPEDOT−PVSなどを採用することも好適である。
【0016】
また、これらのPEDOTもしくはその誘導体などに、導電性向上効果が確認されているポリエチレングリコールやメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどの高沸点溶媒を2次ドーパントとして添加して、導電層形成用の塗布液またはインキとすることもできる。その場合、導電層形成用の塗布液またはインキにおける高沸点溶媒の添加量は、ポリチオフェン系導電剤を100質量部に対して、10〜500質量部が好ましく、より好適には、100〜300質量部である。高沸点溶媒の添加量が少なすぎると、2次ドーパントとしての効果が充分に得られず、高沸点溶媒の添加量が多すぎると、乾燥塗膜への高沸点溶媒の残留量が多くなり、導電性積層体として加工後にブリード(溶出)する懸念がある。
【0017】
導電層12には、ポリチオフェン系導電剤と、必要に応じて使用される上述のドーパントなどの他、成膜性向上のために、通常はバインダー成分が含まれる。
バインダー成分としては、各種樹脂成分、または、重合体となるモノマーもしくはオリゴマーとこれらを光や熱で活性化する重合開始剤や架橋剤などの成膜用成分との混合物などが挙げられ、ポリチオフェン系導電剤の性状や、絶縁層11の種類、構成などによって適宜選択される。
【0018】
樹脂成分としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂などや又はそれらの変性もしくは共重合樹脂などが挙げられ、これらを1種以上使用できる。
モノマーやオリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらを1種以上使用できる。具体的には、ラジカル重合系としては、単官能のエチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、アクリロイルモルホリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、N―ビニルピロリドンや、2官能のヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート、ネオペンチルグリコールポリエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、3官能以上のトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなど、カチオン重合系としては、グリシジルエーテル化合物や脂環式エポキシ化合物などのエポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物などが例示できるが、これらに限定するものではない。
以上の中では、ポリエステル系樹脂が好適に利用できる。
【0019】
成膜用成分としては、架橋剤や多官能成分など、導電層に耐溶剤性を付与する成分を用いることが好ましく、上記モノマー、オリゴマーのうち、3官能以上のモノマーおよびオリゴマーや、シランカップリング剤などのオルガノシラン類、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系などの架橋剤などが例示される。中でも、1つの分子中に有機官能基とアルコキシル基を有するシランカップリング剤は、バインダー成分だけでなく、例えば絶縁層11の導電層12との接触表面がSi成分を含むハードコート層を有する場合や、絶縁層11の導電層12との接触表面に易接着層を有するPETフィルムからなる場合には、このような絶縁層11との密着性向上にも寄与することがあり好適である。一方、メラミン系架橋剤は、導電層12の透明性低下を招きやすく、その使用には注意を要する。
【0020】
導電層12に含まれるバインダー成分の量は、ポリチオフェン系導電剤の導電性能を最大限に発揮させるため、最小量に抑制するのが望ましい。また、例えばタッチパネルの方式に応じて導電層12のパターニングが必要な場合は、光硬化性のある感光性バインダーを使用すると、フォトマスクにより導電層12のパターニングが可能となり好適である。なお、導電層12のパターニングを印刷で行う場合、各種印刷方式に適したインキ粘度に調整するため、バインダー成分の添加量並びに(粘度に大きく影響する)分子量を適宜調整することが好ましい。
【0021】
導電層12には、これらの主成分以外にも、導電剤の導電性能を大きく損なわない範囲であれば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、金属腐食防止剤、pH調整剤、有機粒子、無機粒子、顔料、染料、帯電防止剤、核剤、カップリング剤等の添加剤や、濡れ剤、消泡剤などの塗工助剤が適宜含まれていてもよい。
濡れ剤や消泡剤は導電層12の欠陥防止に効果的であり、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系などの界面活性剤が利用されるが、フッ素系界面活性剤は導電層12と絶縁層11との密着耐久性が低下しやすいため注意を要し、シリコーン系、長鎖アルキル系が好適に利用される。
また、これらの界面活性成分は、添加剤として混合する他、共重合などによりバインダー樹脂に一体化しても良い。これら成分の配合により、導電層12の接触角を50度以上100度以下、より好ましくは60度以上90度以下に調整すると、導電層12と絶縁層11との密着耐久性を保ちつつ、欠陥のない導電層12が得られるため好ましい。
【0022】
導電層12には、導電性物質として必須成分であるポリチオフェン系導電剤の性能を損なわない範囲で、さらに他の導電剤が含まれてもよい。このような導電剤は、導電層形成用の塗布液やインキに添加された場合に、塗布や印刷を妨げない範囲で用いられることが好ましい。このような導電剤の一例としては、銀や銅などの金属化合物(微粒子、ワイヤー、ペーストもしくは可溶化塩)、ITO、ATOなどの金属酸化物微粒子、ポリアニリンなどの有機導電性高分子、導電性カーボンナノチューブなどが挙げられ、1種以上を使用できる。
【0023】
導電層12における導電剤の含有量(ポリチオフェン系導電剤と必要に応じて使用される他の導電剤の合計量。)は、高いほど好ましいが、成膜性やその他品質との兼ね合いから、10〜90質量%、より好ましくは30〜70質量%である。また、全導電剤中、ポリチオフェン系導電剤の割合を好ましくは50質量%以上とすると、屈曲性に優れた導電層12を形成できる。
【0024】
導電層12は、タッチパネル等に利用する目的においては、高透明であることが好ましいが、ポリチオフェン系導電剤は着色物質であるため、導電層12の透明性は、ポリチオフェン系導電剤の含有量によって大きく影響を受ける。導電層12の透明性は、導電層12と絶縁層11とからなる導電性フィルムの全光線透過率(JIS K7105)として、70%以上であることが好ましく、より好ましくは88%以上である。また、意図的に光拡散性を要する場合を除けば、導電性フィルムのヘイズ(JIS K7105)は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは2%以下である。
【0025】
導電層12の厚さは、導電性積層体1の用途や導電剤の組成、性質などによって最適値が大きく異なるため、一概に規定することは出来ないが、乾燥膜厚として、0.01〜1μm、より好ましくは0.02〜0.08μmである。乾燥膜厚が0.01μm以下となると、導電性の均一性を確保するのが困難になり、1μm以上になると、効率低下、コストアップを招く。
導電層12の導電性は、タッチパネル用の電極板とするためには、表面抵抗を10Ω/sq以下としたものが好ましく、10Ω/sq以下の表面抵抗としたものがより好ましい。表面抵抗は、導電層形成用の塗布液またはインクにおける導電剤の組成、塗工量などにより調整できる。
【0026】
導電層12には、その表面や導電層12に結線可能な形態で、使用状況に応じて、引き出し電極を形成してもよい。引き出し電極の材料としては、導電性の高い銀ペーストや、アルミニウム、モリブテンなどの金属材料が適するが、これらに限定されない。また、その形成方法は、ペーストなどの印刷やスパッタなどの公知の手法が適宜利用できる。
【0027】
[粘着層]
粘着層21は、粘着剤と、紫外線吸収剤とを少なくとも含有する。導電層12上に設けられる粘着層21が紫外線吸収剤を含有することにより、導電層12に含まれるポリチオフェン系導電剤の紫外線による経時的な導電性低下を効果的に抑制できる。
粘着層21の厚みは、使用環境、粘着層21の組成などによっても異なり、一概には規定できないが、5〜500μmであることが好ましく、より好ましくは10〜300μmである。5μm以上であれば、充分な粘着性が得られやすく、一方、500μm以下であれば、導電性積層体1を過度に変形しやすくすることがないし、タッチパネルとした際に位置検知能力の妨げとなることもない。
【0028】
(粘着剤)
粘着剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などの粘着剤を使用できる。また、粘着剤は、溶剤系、エマルジョン系、水系のいずれであってもよい。光学用途に使用する場合は、透明度、耐候性、耐久性、コスト等の観点から、溶剤系のアクリル系粘着剤が特に好ましく利用できる。中でも、粘着品質の観点から、エチルヘキシルアクリレートやブチルアクリレートをモノマー単位の少なくとも1種として含有する重合体が、粘着剤として特に好ましい。
また、粘着剤としては、粘着剤の主成分となるポリマーの一部に、カルボキシル基やリン酸基、スルホン酸基などの酸性基が結合しているものも使用できる。
【0029】
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、特に導電層12の導電性を劣化させる影響力の大きい紫外線の長波長部(UV−A領域)を効果的に吸収するものが望ましく、具体的には最大(極大)吸収波長が350nm以上のものが好ましい。且つ、本発明の導電性積層体を実使用環境で使用する際、添加した紫外線吸収剤の析出等により光学特性が低下する恐れの少ない、粘着剤との相溶性が高いものが好ましい。相溶性は、粘着層の主成分となる粘着剤の性状との兼ね合いで決まるが、紫外線吸収剤自身が23℃で油状または液状であると、析出の懸念が薄れ、より好ましい。
【0030】
ここで23℃で油状または液状を示すとは、希釈溶剤が無くてもその化合物のみで流動性がある状態を示すものである。なお、紫外線吸収剤のその他特性は、組み合わせる粘着剤の性状により取捨選択すれば良いが、本発明に好適な溶剤系粘着剤と組み合わせる場合、長いアルキル鎖を含む疎水性官能基を有する紫外線吸収剤を用いると、良好に相溶し好ましい。また、実使用環境で長時間光を浴びた状態でも黄変しにくいことから、紫外線吸収剤にはハロゲン原子を含まないと、より好ましい。
【0031】
紫外線吸収剤の構造としては、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系、サリシレート系など何れでもよいが、具体的には、ベンゾトリアゾール系の、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(BASF社製、商品名TINUVIN PS)、5% 2−メトキシ−1−メチルエチルアセテート95% ベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステル(BASF社製、商品名TINUVIN 99−2)、もしくはその水中分散物(BASF社製、商品名TINUVIN 99−DW)、オクチル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートの混合物(BASF社製、商品名TINUVIN 109)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ペンチルフェノール(BASF社製、商品名TINUVIN 328)、5% 2−メトキシ−1−メチルエチルアセテート95% ベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステル(BASF社製、商品名TINUVIN 384−2)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(BASF社製、商品名TINUVIN 900)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(BASF社製、商品名TINUVIN 928)、メチル 3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物(BASF社製、商品名TINUVIN1130)ヒドロキシフェニルトリアジン系の、85% 2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニル, とオキシラン[(C10−C16 主としてC12−C13アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物 15% 1−メトキシ−2−プロパノール(BASF社製、商品名TINUVIN 400)、もしくはその水中分散物(BASF社製、商品名TINUVIN 400−DW)、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物(BASF社製、商品名TINUVIN 405)、2,4−ビス「2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジン(BASF社製、商品名TINUVIN 460)、BASF社製、商品名TINUVIN 477、もしくはその水中分散物(BASF社製、商品名TINUVIN 477−DW)、BASF社製、商品名TINUVIN 479等が、例示できるが、これらに限定するものではない。
【0032】
なお、中でも、最大吸収波長が350nm以上で、23℃で油状または液状である、オクチル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートの混合物(TINUVIN 109)、TINUVIN 447、TINUVIN 400−DW、TINUVIN 447−DW、TINUVIN 99−DW等が、より好ましい材料として例示できる。
【0033】
粘着層21における紫外線吸収剤の最適含有量は、粘着層21の厚みによっても異なるため一概には言えないが、含有量が少なすぎると充分な紫外線吸収効果を発揮することができず、多すぎると光学特性が悪化したり安定した粘着特性が得られなくなったりするため、粘着剤100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましく、2〜6質量部であることがより好ましい。
【0034】
(添加剤)
粘着層12には、紫外線吸収剤との相乗効果が期待できるヒンダードアミン系化合物に代表される光安定剤を添加しても好ましい。光安定剤の作用機構は、上記の紫外線吸収剤の機構と異なり、一般的に3種類のHALS酸化体を中心とし、ラジカル補足効果が主な安定化効果とされていると推定される。
また、紫外線吸収剤に対して、長時間の使用に対する耐久性を付与するためには、ヒンダードフェノール系化合物に代表される酸化防止剤を添加しても好ましい。例えば粘着剤に、該粘着剤の重合時に使用された重合開始剤が残存すると、この残存物から生成するラジカルが紫外線吸収剤を変質させると推定されるため、生成するラジカルを捕捉することによって紫外線吸収剤の変質を抑制できると考えられる。
酸化防止剤は、一般にラジカル連鎖停止剤とよばれる一次酸化防止剤と、過酸化物分解剤として作用する二次酸化防止剤とに分類される。一次酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤が挙げられる。また、二次酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が挙げられる。これら酸化防止剤は1種以上を使用できる。
【0035】
酸化防止剤および光安定剤の合計の含有量は、粘着剤100質量部に対して0.03〜1.5質量部であることが好ましく、0.05〜1.0質量部であることがより好ましい。含有量が前記下限値以上であれば、高温、低温及び湿熱環境下にて長期間にわたって使用した際の紫外線の吸収性を確実に維持でき、前記上限値以下であれば、例えば380nmでの透過率上昇や粘着特性の低下をより防止できる。
【0036】
その他の添加剤としては、粘着付与剤、シランカップリング剤、金属腐食防止剤などが挙げられ、必要に応じて使用される。粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば
、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
金属腐食防止剤としては金属と錯体を形成し金属表面に皮膜を作ることにより腐食を防止するタイプが好ましく、特にベンゾトリアゾール系金属腐食防止剤が好ましい。
さらに、添加剤としては、増粘剤、pH調整剤、バインダー成分、架橋剤、粘着性微粒子、消泡剤、防腐防黴剤なども挙げられる。
【0037】
[絶縁層]
図1の例の導電性積層体1は、絶縁層11として、シート状の絶縁性基材を具備し、その表面に上述の導電層12が接するように、一組の導電層12および粘着層21が積層している。絶縁層11は、ガラス基板、樹脂フィルム、樹脂板などからなるシート状の絶縁性基材のみから構成されていてもよいし、絶縁性基材と、その表面に必要に応じて設けられた他の層とから構成されていてもよい。絶縁層11は、導電性積層体1のフレキシブル化の観点からは、屈曲可能に形成されていることが好ましい。また、絶縁層11として、例えば液晶モジュールに使われる偏光板などを使用してもよい。
【0038】
(絶縁性基材)
絶縁性基材を構成する樹脂フィルム、樹脂板の樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリアミド、(メタ)アクリル樹脂、メチルメタクリレートとスチレンの共重合体などが挙げられ、これらの混合物でもよい。
【0039】
なかでも、絶縁性基材としては、透明性、耐候性、耐溶剤性、剛度、コストなどの観点から、ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルム、ガラス基板、シクロオレフィンポリマーまたは透明性が良好なポリカーボネートなどのシートが好適に利用でき、屈曲性の点からは、ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルム、シクロオレフィンポリマーまたは透明性が良好なポリカーボネートなどのシートが好ましい。また、これら絶縁性基材の厚みが10〜200μmであると、屈曲性の点で好ましい。
【0040】
絶縁性基材には各種添加剤が含まれてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、有機粒子、無機粒子、顔料、染料、帯電防止剤、核剤、カップリング剤等が挙げられる。これら添加剤は必要に応じて使用されるが、導電性積層体1をタッチパネルに使用する際には、導電性積層体1の透明性を阻害しない添加物を選択することが好ましい。
絶縁性基材の表面には、サンドブラスト処理や溶剤処理等の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等の表面酸化処理が施されていてもよい。
【0041】
(絶縁層を構成する他の層)
必要に応じて絶縁性基材の表面に設けられる層としては、例えば、干渉縞対策層、各種拡散剤を添加した拡散調製層などの光学調整層、導電層12との密着性を高めるため、イソシアネートなどの反応性物質を添加したアンカー層などが挙げられる。また、絶縁性基材上に設けられる導電層12のパターニングのために、絶縁性基材上には、活性エネルギー線が照射された箇所のみ剥離可能な発泡剥離層が設けられてもよい。
また、絶縁性基材の表面が露出する場合や、工程中、絶縁性基材に生じる表面傷を抑制するために、その表面には、樹脂成分を主成分とし、硬質成分を含有するハードコート層を設けてもよい。
【0042】
ハードコート層の主成分である樹脂成分としては、重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマーの重合体であるアクリル系重合体が好ましい。
重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマーとしては、多官能(メタ)アクリレートであることが好ましく、例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(質量平均分子量600)ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(質量平均分子量400)ジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレートは、1種以上を使用できる。
ハードコート層の鉛筆硬度を3H以上にするためには、4官能以上の(メタ)アクリレートを選択することがより好ましい。
重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマーは、熱硬化性でも活性エネルギー線硬化性でもよい。
【0043】
硬質成分としては、反応性無機酸化物粒子および/または反応性有機粒子が使用される。反応性無機酸化物粒子および/または反応性有機粒子を用いると、防汚性、指紋付着防止性、帯電防止性などを付与できる。
反応性無機酸化物粒子は、カップリング剤により処理した無機酸化物粒子であり、反応性有機粒子は、カップリング剤により処理した有機粒子である。無機酸化物粒子または有機粒子をカップリング剤により処理することにより、樹脂成分であるアクリル系重合体との間の結合力を高めることができる。その結果、表面硬度や耐擦傷性を向上させることができ、さらに無機酸化物粒子および有機粒子の分散性を向上させることができる。
【0044】
無機酸化物粒子としては、硬度が高いものが好ましく、例えば、二酸化ケイ素粒子、二酸チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子などを用いることができる。
有機粒子としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリシロキサン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリアミドなどの樹脂粒子などを用いることができる。
カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシアルミニウム等が挙げられ、1種以上を使用できる。
カップリング剤の処理量は、無機酸化物粒子および/または有機粒子100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
【0045】
ハードコート層には柔軟性成分が含まれてもよい。柔軟性成分が含まれていると、導電性積層体を打ち抜き加工する際のクラックの発生をより防止できる。
ここで柔軟性成分は、分子内に1個以上の重合性不飽和基を有する重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレート類である。前記(メタ)アクリレート類としては、例えば、トリシクロデカンメチロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチルプロパンのプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチルプロパンのエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。特に、3官能(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートを選択することがより好ましい。
これらの(メタ)アクリレート類は、1種を単独で使用することも、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0046】
[剥離用第1基材]
図1の例の導電性積層体1が備える剥離用第1基材22としては、先に絶縁性基材として例示した各種シートや紙などのシート表面を離型処理したものが好適に用いられる。離型処理には、縮合型もしくは付加型のシリコーン系離型剤や、オレフィン系、長鎖アルキル基含有ポリマー系、フッ素系などの非シリコーン系離型剤が用いられる。シートとしては、物性とコストの面から、ポリエステルやポリプロピレンなどの樹脂フィルムや紙が好ましい。
剥離用第1基材22は、導電性積層体1から剥離され、露出した粘着層21には、例えばカバーガラス(透明シート)が貼合されたり、液晶モジュールの偏光板面が貼合されたりする。
【0047】
<導電性積層体の製造方法>
図1の導電性積層体1は、例えば、以下のようにして製造できる。
(i)導電層形成工程
絶縁性基材からなる絶縁層11の片面に導電層12を形成し、図2に示す導電性フィルム10を得る。ここで、必要に応じて、導電層12のパターニングや引き出し電極の形成を実施できる。なお、図2において、図1と同一の構成部材については、同一の番号を付して、詳細な説明を省略する。以後示す他の図も同様の取り扱いとする。
(ii)粘着層形成工程
一方、図3に示すように、剥離用第1基材(剥離用基材)22の一方の面に粘着層21を形成するための塗布液を塗布乾燥して粘着層21を形成し、その上に剥離用第2基材23を貼合し、粘着シート20を得る。
なお、剥離用第1基材22の剥離力と剥離用第2基材23の剥離力とを異なるものとすると、一方のみを先に剥離しやすくなるため好ましい。
(iii)貼着工程
ついで、図3の粘着シート20から剥離用第2基材23を剥がして粘着層21を露出させ、この粘着層21と、図2の導電性フィルム10の導電層12とを貼着し、図1の導電性積層体1を得る。
(iv)断裁もしくは打ち抜き工程
導電性積層体1を断裁もしくは打ち抜きし、所望の形態に加工する。
なお、断裁もしくは打ち抜き工程は、貼着工程の後に行う形態に限定されず、貼着工程よりも前に実施しておいてもよい。
【0048】
上記(i)における導電層12の形成には、上述のとおり、導電層形成用の塗布液を塗工する方法や導電層形成用のインキを印刷する方法などの公知の方法を採用できる。
塗工の方式としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどを用いた方法が挙げられ、比較的塗工量が少なめである導電層12の形成には、マイクログラビアコーターを用いることが好ましい。
印刷方式としては、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。
【0049】
導電層12のパターニングが必要な場合は、例えばグラビアコーターや各種印刷方式により必要な箇所にのみ導電層12を形成してもよいし、予め均一な導電層を形成した後、公知の湿式もしくは乾式エッチング法(レーザー光によるアブレーションなど。)により、不要部分を除去してもよい。
湿式エッチングを行う場合、各種活性エネルギー線を用いたフォトリソ法やスクリーン印刷法により導電層の一部をマスキングしてからエッチング処理を行ってもよく、この処理には、特開2008−091487号公報や特開2008−115310号公報等に記載されている有機導電性高分子用のエッチング液が好適に利用できる。また、独メルク社製のisishape HigperEtch製品のようなエッチングペーストを導電層の除去部分に直接印刷することで、マスキングなしでエッチング処理を実施してもよい。
【0050】
上記(ii)における粘着層21の形成には、粘着層形成用の塗布液を上述の各種コーターで塗布する方法が好適であり、なかでも、リップコーター、ダイコーターを用いることが好ましい。
【0051】
なお、必要に応じて、絶縁性基材に設けられるアンカー層などの他の層の形成にも、塗工または印刷など公知の方法が採用され、比較的塗工量が少なめである例えばアンカー層などの形成には、マイクログラビアコーターを用いることが好ましい。
各層を形成する際の乾燥には、例えば加熱送風乾燥機や真空乾燥機などを用いる。
【0052】
なお、各層を形成するための塗布液およびインキには、塗装適性、印刷適性を向上するなどの目的で、有効成分の他に希釈用の溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、例えば、水、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコールなど。)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノンなど。)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソロブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなど。)、トルエン、n−ヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられ、1種以上を使用できる。
塗工ムラを軽減するためには、蒸発速度の異なる溶剤を使用することが好ましい。例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルのなかから複数の溶剤を適宜選択し、これらを混合して使用することが好ましい。
【0053】
また、各層の耐久性を高めるために、各層を形成するための塗布液、インキには、硬化を促進させる成分を添加してもよい。イソシアネート化合物やエポキシ化合物等の熱硬化性架橋剤を用いる場合は、加熱炉や赤外線ランプ等を用い、塗膜乾燥時もしくはムロなどにより加熱処理を施すことで、塗膜の架橋を促進し、塗膜強度を向上させてもよい。
一方、公知の光重合開始剤や感光性樹脂などを添加した場合、活性エネルギー線照射により、塗膜の高分子量化もしくは架橋反応を促進し、塗膜強度を向上させてもよい。
【0054】
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線が挙げられ、中でも、汎用性の点から、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク、無電極紫外線ランプ等を使用できる。
電子線としては、例えば、コックロフトワルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線を使用できる。
活性エネルギー線の照射による硬化は、大気中の酸素による硬化阻害を回避するため、窒素などの不活性ガス存在下で行うことが好ましく、コストの観点から窒素ガスが好適に利用できる。
また、活性エネルギー線照射工程は、予備硬化工程と本硬化工程の2段階に分けて行ってもよい。
【0055】
導電性積層体1は、例えば次の方法(a)または方法(b)によっても製造でき、特に制限はない。
(a)導電性フィルム10における導電層12の面に、粘着層21を形成するための塗布液を直接塗布乾燥して粘着層21を形成し、その上に剥離用第1基材22を貼着する。
(b)剥離用第1基材22の一方の面に粘着層21を形成するための塗布液を塗布乾燥して粘着層21を形成し、その上に導電性フィルム10の導電層12側を貼着する。
【0056】
(2)第2実施形態例
第1実施形態例の導電性積層体1は、一組の導電層12および粘着層21を備えるとともに絶縁性基材からなる絶縁層11を有し、導電層12が絶縁層11に接するように位置したものであるが、第2実施形態例の導電性積層体は、絶縁性基材11の代わりに、剥離性基材を備える点で第1実施形態例とは異なる。
このような導電性積層体は、剥離性基材の剥離後、導電層側に他の部材を組み合わせて使用することができる。剥離性基材としては、先に剥離用第1基材として例示したものなどを好適に使用できる。
【0057】
(3)第3実施形態例
図4は、第3実施形態例の導電性積層体1’を示す断面図である。この例の導電性積層体1’は、図1に示す導電性積層体1の絶縁層11における導電層12とは反対の面にも、導電層12、粘着層21、剥離用第1基材22を順次積層させた構成を有する。この形態において、絶縁層11の両面側に形成される導電層12、粘着層21、剥離用第1基材22は、それぞれ、両面側で同一組成の層であっても、異なる組成の層であってもよい。
そして、このような形態の導電性積層体1’において、各導電層12それぞれが一軸方向に規則性を有するパターンに形成され、かつ、各導電層12のパターンが互いに直交する位置関係にあると、この導電性積層体1’は、次に説明するように、投影型静電容量方式のタッチパネルの主要部材として好適に用いられる。
なお、このように導電層および粘着層を複数組有する形態である場合には、必要に応じて、複数の粘着層のうち少なくとも一層が、紫外線吸収剤を含有すればよい。
【0058】
<タッチパネル>
図5は、投影型静電容量方式である本発明のタッチパネル100を具備する液晶モジュールの一例を示す断面図であり、このタッチパネル100は、図4の導電性積層体1’から、2枚の剥離用第1基材22を剥離した導電性シートを具備する。絶縁層11の両面で上部電極及び下部電極としてそれぞれ作用する各導電層12−U、12−Lは、それぞれが一軸方向に規則性を有するパターンに加工され、且つ、各導電層の12−U,12−Lのパターンは位置検知のため互いに直交するように配置されている。
【0059】
上部電極側となる導電層12−Uは、粘着層21−Uを介してガラスやフィルムなどの透明素材からなるカバー部材(透明シート)101と貼合され、下部電極側となる導電層12−Lには、例えば液晶モジュール102の偏光板面と貼合されるため、粘着層21−Lが積層される。
なお、導電層12−U,12−Lは、図示略の引き出し電極層を備え、引き出し電極層とFPC(フレキシブル配線板)コネクタ104とが接続されており、更にFPCコネクタ104はFPCなどにより静電容量検出回路105に接続され、タッチパネル100が構成される。
なお、タッチパネルの構成は、製造メーカーや機種毎に多様であるため、これに限定されるものではない。
【0060】
このように例えば図4の例の導電性積層体1’を用いることにより、容易に、図5の液晶モジュールに用いたような投影型静電容量方式のタッチパネル100を製造することができる。このようなタッチパネル100は、耐光性の低いポリチオフェン系導電剤を含有する導電層12−U,12−Lを有しながらも、これらの導電層12−U,12−Lと面する粘着層21−U,21−Lには、紫外線吸収剤が含まれているため、紫外線による経時的な導電性低下が低減される。
【実施例】
【0061】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろんこれらに限定されるものではない。なお、例中の「%」は、特に断わらない限り質量%を示す。
【0062】
[実施例1]
(導電性フィルムの作製)
(3,4−エチレンジオキシチオフェン)をポリスチレンスルホン酸の存在下で重合させた導電性物質(PEDOT−PSS)を含む水分散液と、バインダー成分となるポリステル系樹脂(東洋紡株式会社製、バイロナールMD1200)、界面活性剤(信越化学工業(株)製、レベリング剤KP−110)を、固形分として1:1:1の質量比で混合し、メタノールで希釈して、固形分濃度1%の混合液Aとした。この混合液Aと、シランカップリング剤(信越シリコーン株式会社製、KBM−403)を水/メタノール=50/50混合液で希釈して1%溶液としたものとを、100:30の質量比で混合し、導電層形成用の塗布液Aを調製した。
この塗布液Aを、絶縁層11を構成する第1基材(「両面に易接着処理層を設けた二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム」(商品名「コスモシャインA4300」、東洋紡績株式会社製、厚さ100μm))の片面に、乾燥厚みで約0.2μmとなるようにバーコーターで塗工後、乾燥して導電層12を形成し、表面抵抗287Ω/sq(JIS―K7194準拠)、全光線透過率(JIS−K7105準拠)88.3%の図2に示す構成の導電性フィルム10を得た。
更に、タッチパネル用として、同様にしてもう一面にも導電層を形成した両面導電性フィルムも得た。
【0063】
(粘着シートの作製)
<粘着層形成用の塗布液の調製>
攪拌機、温度計、還流冷却機、滴下装置、窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、溶媒である酢酸エチルを添加した。次いで、反応装置内に、アクリル単量体であるブチルアクリレート65質量部、メチルアクリレート35質量部、アクリル酸2部と、重合開始剤である2,2’−アゾイソブチロニトリル0.1質量部を添加し、攪拌しながら窒素ガス気流中、溶媒の還流温度で8時間重合した。反応終了後、トルエンを添加してアクリル重合体溶液を得た。このアクリル重合体固形分100質量部に、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(品名:TINUVIN144、BASF社製)2.0質量部、さらに酸化防止剤としてヒンダードフェノール系化合物(商品名:IRGANOX 1520L、BASF社製)0.08質量部を添加して粘着剤主剤とした。
次いで、該粘着剤主剤固形分100質量部に対して、架橋剤であるトリレンジイソシアネート(品名:コロネートL、日本ポリウレタン社製)1部、波長353nmに極大吸収波長を有するベンゾトリアゾール系液状紫外線吸収剤(品名:TINUVIN109、BASF社製)4.0質量部を混合して粘着層形成用の塗布液を得た。
【0064】
<粘着シートの作製>
調製した粘着層形成用の塗布液を用いて、図3に示す構成の粘着シート20を次のようにして2種類(粘着シートα、粘着シートβ)作製した。
粘着層形成用の塗布液をバーコーターにより、剥離用第1基材22である厚さ38μmのPET剥離フィルム(品名:38RL07(5)、王子特殊紙株式会社製)に、乾燥後の粘着剤の塗布量が175g/mになるように塗工し、100℃で5分間乾燥させ、粘着層21を形成した。次いで、該粘着層21の表面に、剥離用第1基材22よりも剥離力が軽くなる設定で離型処理された厚さ38μmのPET剥離フィルム(品名:38RL07(2)、王子特殊紙株式会社製)を剥離用第2基材23として貼合した後、室温で1週間放置し、剥離用第1基材22/粘着層21/剥離用第2基材23の層構成からなる粘着シート20を作製した。これを粘着シートαとする。
また、乾燥後の粘着剤の塗布量が50g/mになるように塗工した以外は粘着シートαと同様にして、剥離用第1基材22/粘着層21/剥離用第2基材23の層構成からなる粘着シート20を作製した。これを粘着シートβとする。
【0065】
(導電性積層体の作製)
次のようにして、図7、8に示す導電性積層体1’’を作成した。
3cm×7cmに切り出した図2の導電性フィルム10の導電層12の両端に、電極間距離が5cmになるように、銀ペースト(藤倉化成株式会社製、ドータイトFA―401CA)で引き出し電極を形成し、試験片を作製した。この試験片を、3cm×5.2cmに切り出した粘着シートβを用いて、第2基材31となる厚さ1.1mmの大型スライドガラスS9112(7.6cm×5.2cm:松浪硝子工業株式会社製)に、導電性フィルム部の断面構成が図7、上部からみたレイアウトが図8の構成になるよう、貼り合わせた。この際、粘着層21には剥離用第2基材23の代わりにガラスが、剥離用第1基材22の代わりに導電層12が貼合される状態とした。ついで、50℃、0.8Paの条件下で30分間オートクレーブ処理を行い、図7、図8に示すように、絶縁層11/導電層12/粘着層21/第2基材31の層構成からなる実施例1の導電性積層体1’’を得た。なお、図中、符号32は引き出し電極層である。
【0066】
(タッチパネルの作製)
上述した両面導電性フィルムの導電層に、フォトレジスト用ドライフィルムを貼合せ、石英マスクを重ね合わせて、メタルハライドランプ(紫外線硬化用マルチメタルランプM03−L31、アイグラフィックス株式会社製)にて、照射量300mJ/cmの紫外線を片面ずつ照射する処理を両面に施した。石英マスクのパターンは、タッチパネルセンサーとして位置検知できるよう、第1基材からなる絶縁層の両面でXY電極パターンが垂直に直交する配置となるパターン形状とした。ここでの紫外線照射で、第1基材を透過して反対側の塗工面に到達する紫外線は微量であったため、反対面のパターニングが裏移りすることは無かった。続けて、有機ポリマー型導電層用エッチング液を用いて導電層の一部を未硬化部のレジストと一緒に除去後、残りのレジストフィルムも剥離し、両面パターニング導電フィルムを得た。
【0067】
両面パターニング導電フィルムの周囲に前述の銀ペーストを用いて引き出し電極線を形成し、FPCコネクタと結線した。続けて、2枚の粘着シートαを用いて、パターニングされた各導電層の両面に、1mm厚の光学ガラス(透明シート)101を貼合し、図6に示す構成のタッチパネルモジュール100’を作製した。
【0068】
(耐光性評価)
1)導電性積層体による評価
実施例1で得た図7、図8に示す導電性積層体1’’である試験片について、常温常湿(23℃50RH%)環境での電極間の抵抗値を、抵抗計により測定した。次に、この試験片を、ガラス面が光源側となるよう、キセノンウェザーメーターに入れ、照度390W/m、温度63℃、湿度50%RHにて、48時間曝露させた。48時間後、サンプルを常温常湿環境に戻して4時間調湿した後、抵抗値を計測した。さらに、このサンプルをキセノンウェザーメーターに戻し、積算照射時間が96時間、240時間となる度に、48時間後と同様にして抵抗値を測定した。
2)タッチパネルとしての評価
実施例1で作製したタッチパネルモジュール100’に対しても、同様にしてキセノンウェザーメーターにて紫外線を照射した後、常温常湿環境にて動作確認を行い、下記指標に従って評価した。評価結果を表1に示す。
(判定基準)
A:試験前と同様に、良好な応答性を示した。
B:検出感度がやや悪化した。
C:検出感度が悪化した。
【0069】
[実施例2]
粘着層形成用の塗布液に用いる紫外線吸収剤として、TINUVIN109の代わりにトリアジン系液状紫外線吸収剤(品名:TINUVIN477、BASF社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性積層体1’’とタッチパネルモジュール100’を得た。そして、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0070】
[比較例1]
粘着層形成用の塗布液として、ベンゾトリアゾール系液状紫外線吸収剤(品名:TINUVIN109、BASF社製)が配合されていない点のみが実施例1と異なるものを調製し、これにより粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、導電性積層体1’’とタッチパネルモジュール100’を得た。そして、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0071】
【表1】

【0072】
実施例1〜2では、比較例1に比べて、光照射前後の抵抗値の変化が少なく、経時的な導電性低下が低減されていた。
【符号の説明】
【0073】
1,1’,1’’ 導電性積層体
11 絶縁層
12,12−U,12−L 導電層
21,21−U,21−L 粘着層
100 100’ タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全面もしくは一部で接する少なくとも一組の導電層および粘着層を有し、
前記導電層は、ポリチオフェン系導電剤を含有し、
前記粘着層のうち少なくとも一層は、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする導電性積層体。
【請求項2】
前記紫外線吸収剤は、
波長350nm以上に極大吸収波長を有し、かつ、23℃で油状または液状の化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の導電性積層体。
【請求項3】
前記ポリチオフェン系導電剤は、3−ヘキシルチオフェンの重合体、3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合体、これらの重合体の誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性積層体。
【請求項4】
前記導電層および前記粘着層を一組有するとともに、絶縁層をさらに備え、
前記絶縁層の片面に、前記導電層が接することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の導電性積層体。
【請求項5】
前記導電層および前記粘着層を二組有するとともに、絶縁層をさらに備え、
前記絶縁層の両面に、前記導電層がそれぞれ接することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の導電性積層体。
【請求項6】
前記絶縁層の両面に接する導電層は、それぞれ一軸方向に規則性を有するパターンに形成され、前記パターンは互いに直交することを特徴とする請求項5に記載の導電性積層体。
【請求項7】
前記絶縁層は、屈曲可能に形成されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の導電性積層体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電性積層体と、該導電性積層体の前記粘着層を介して積層した透明シートとを具備することを特徴とするタッチパネル。
【請求項9】
静電容量方式であることを特徴とする請求項8に記載のタッチパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−12118(P2013−12118A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145426(P2011−145426)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000122298)王子ホールディングス株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】