導電性部材保護カバー
【課題】計器交換時に、異極同士を短絡させる虞なく容易且つ確実に電線等を保護する、導電性部材の保護カバーを提供する。
【解決手段】計器に接続される導電性部材を覆う保護カバーであって、前記導電性部材の長さ方向に沿って弾性的に伸縮可能である、保護カバーが提供される。
【解決手段】計器に接続される導電性部材を覆う保護カバーであって、前記導電性部材の長さ方向に沿って弾性的に伸縮可能である、保護カバーが提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計器に接続される導電性部材を覆う保護カバーに関し、特に、電力量計等の計器の端子部に接続される電線等の導電性部材を短絡等から保護する、保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電力量計は検定期限が定められており、所定期間ごとの交換が義務付けられている。従来、電力量計と配電線との接続は、計器端子部の電線挿入穴に、電線を直接挿入するか、または、電線が接続された棒端子を電線挿入穴に接続することにより行われている。電力量計の交換時は、計器端子部から外された電線の裸線部または棒端子に絶縁キャップを被せることにより、異極同士の短絡を防止している。
【0003】
しかし、上記従来の絶縁キャップでは、計器端子部から電線等を抜き、絶縁キャップを被せるまでの間、または電線等から絶縁キャップを外し、計器端子部に接続するまでの間に、異極同士を短絡させる可能性がある。また、絶縁キャップを取り付けることを、作業者が忘れる可能性がある。さらに、複数の電線等に対する絶縁キャップの取り付け、取り外し作業には手間がかかる。
【0004】
実開平6−64166号公報は、無停電による計器交換作業を容易にする、絶縁カバーを備えた電線接続装置を記載している。この装置では、電線の裸線部の長さを計器端子部の電線挿入穴の長さよりも大きくして、計器端子部に電線が接続された状態においても裸線部を露出させ、この露出した裸線部を絶縁カバーで覆っている。計器交換時は、手動で絶縁カバーを電線の絶縁被覆上に摺動させることにより、裸線部を露出させる。露出した裸線部に、同極どうしを短絡させる短絡装置を接続し、この状態で計器を交換する。これにより、無停電での計器交換時に従来必要とされていた、煩雑なバイパス工事を不要にすることができる。
【0005】
しかし、この電線接続装置では、短絡装置を外した後、再び絶縁カバーを摺動させて裸線部を覆うことを作業者が忘れる虞がある。また、絶縁カバーの摺動を常に作業者が手動で行う必要があるため、手間がかかる。
【特許文献1】実開平6−64166号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、計器交換時に、異極同士を短絡させる虞なく容易且つ確実に電線等を保護する、導電性部材の保護カバーを提供することである。本発明の他の目的は、煩雑なバイパス工事を行うことなく無停電での計器交換作業を容易にし、且つ、計器交換作業終了後も確実に電線等を保護することができる、導電性部材の保護カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、計器に接続される導電性部材を覆う保護カバーであって、前記導電性部材の長さ方向に沿って弾性的に伸縮可能である、保護カバーが提供される。この構成によれば、保護カバーを導電性部材の計器側端部に取り付けて、計器の端子部に対する導電性部材の抜き差しの動きに合わせて、保護カバーを伸縮させることができる。これにより、計器交換時、作業者が絶縁キャップを着脱していた手間を省くことができる。また、保護カバーの弾性的な伸縮によって確実に導電性部材を覆うことができるので、計器交換時に異極同士を短絡させる虞がない。また、複数の導電性部材を、計器端子部から同時に引き抜くことができる。
【0008】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、前記保護カバーが、蛇腹形状を備えている。この構成によれば、別個の弾性部材を用いることなく、保護カバーの蛇腹形状によって、保護カバーを導電性部材の長さ方向に沿って弾性的に伸縮させることができる。これにより、保護カバーを導電性部材の計器側端部に取り付けて、計器の端子部に対する導電性部材の抜き差しの動きに合わせて、保護カバーを伸縮させることができる。これにより、計器交換時、作業者が絶縁キャップを着脱していた手間を省くことができる。また、保護カバーの弾性的な伸縮によって確実に導電性部材を覆うことができるので、計器交換時に異極同士を短絡させる虞がない。また、複数の導電性部材を、計器端子部から同時に引き抜くことができる。
【0009】
請求項3の発明によれば、請求項2の発明において、前記保護カバーは、渦巻状に巻かれた形態を有しており、これにより、前記保護カバーは、該保護カバーの周方向に沿って拡張及び収縮可能である。この構成によれば、導電性部材が計器端子部に接続された状態のままでも、保護カバーを装着することができる。また、異なる太さの導電性部材にも使用することができる。
【0010】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明において、前記保護カバーが、前記導電性部材の長さ方向に沿って直列に配置される第1の管状部材及び第2の管状部材と、前記第1及び第2の管状部材の間に配置される弾性部材とを備えており、前記第1及び第2の管状部材は、前記弾性部材を介して互いに対して摺動可能である。この構成によれば、保護カバーを形成する第1及び第2の管状部材を、弾性部材を介して、導電性部材の長さ方向に互いに対して摺動させることにより、保護カバーを弾性的に伸縮させることができる。これにより、保護カバーを、計器に接続される電線等の導電性部材の端部に取り付けて、計器の端子部に対する導電性部材の抜き差しの動きに合わせて伸縮させることができる。これにより、計器交換時、作業者が絶縁キャップを着脱していた手間を省くことができる。また、保護カバーの弾性的な伸縮によって確実に導電性部材を覆うことができるので、計器交換時に異極同士を短絡させる虞がない。また、複数の導電性部材を、計器端子部から同時に引き抜くことができる。
【0011】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明において、前記弾性部材がばねを備えている。
【0012】
請求項6の発明によれば、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発明において、前記導電性部材が配電線を備えており、前記保護カバーは前記配電線を覆うようになされている。
【0013】
請求項7の発明によれば、請求項6の発明において、前記導電性部材が、更に、棒端子を備えており、前記保護カバーは前記棒端子を覆うようになされている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、計器交換時に、異極同士を短絡させる虞なく容易且つ確実に電線等を保護する、導電性部材の保護カバーを提供することができる。さらに、煩雑なバイパス工事を行うことなく無停電での計器交換作業を容易にし、且つ、計器交換作業終了後も確実に電線等を保護することができる、導電性部材の保護カバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(A)は、本発明の第一実施形態による保護カバーの伸長状態を示す斜視図であり、(B)は、本発明の第一実施形態による保護カバーの収縮状態を示す斜視図である。
【図2】(A)は、図1(A)に示す保護カバーの、内側端部を除いた切欠斜視図であり、(B)は、図1(B)に示す保護カバーの、内側端部を除いた切欠斜視図である。
【図3】第一実施形態の保護カバーの端面図である。
【図4】第一実施形態の保護カバーが取り付けられた配電線を、計器端子部に接続した状態を示す正面図である。
【図5】第一実施形態の保護カバーの使用方法を説明する図である。
【図6】第一実施形態の保護カバーを用いた、無停電での計器交換方法を示す図である。
【図7】本発明の第二実施形態による保護カバーに用いられる棒端子の例を配電線と共に示す図であり、(A)はねじ接続用棒端子、(B)は圧着接続用棒端子、(C)は圧縮接続用棒端子である。
【図8】(A)は、本発明の第二実施形態による保護カバーの伸長状態を示す斜視図であり、(B)は、本発明の第二実施形態による保護カバーの収縮状態を示す斜視図である。
【図9】(A)は、図8(A)に示す保護カバーの切欠斜視図であり、(B)は、図8(B)に示す保護カバーの切欠斜視図である。
【図10】第二実施形態の保護カバーの伸長状態(通常状態)を示す断面図である。
【図11】第二実施形態の保護カバーが取り付けられた配電線を、計器端子部に接続した状態を示す正面図である。
【図12】第二実施形態の保護カバーの使用方法を説明する図である。
【図13】第二実施形態の保護カバーを用いた、無停電での計器交換方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0017】
[第一実施形態]
図1乃至図6を参照して、本発明の第一実施形態による、導電性部材の保護カバー1を説明する。本発明の保護カバーは、樹脂等の非導電性材料により形成され、計器に接続される導電性部材に好適に用いることができ、特に、導電性部材の長さ方向に沿って弾性的に伸縮可能である点に特徴がある。図1(A)は、導電性部材としての配電線2に取り付けられた保護カバー1の、伸長状態を示す斜視図である。図1(B)は、保護カバー1の収縮状態を示す斜視図である。理解の容易のため、図1(A)及び図1(B)では、保護カバー1によって覆われる配電線2の部分を破線で示している。図2(A)、図2(B)は、それぞれ、図1(A)、図1(B)に示す保護カバー1の内部を詳細に示すために、保護カバー1の一部(後述する内側端部4)を除いた切欠斜視図である。
【0018】
図1(A)及び図1(B)に示すように、第一実施形態による保護カバー1は、配電線2の長さ方向に沿って、蛇腹を形成する蛇腹形状部1Bと、蛇腹形状部1Bの両端部に形成された実質的に円筒状の円筒端部1A、1Cを備えている。保護カバー1は、蛇腹形状部1Bの作用によって、配電線2の長さ方向に弾性的に伸縮可能である。尚、蛇腹形状部1Bの段数(山部及び谷部の数)は特に限られない。
【0019】
保護カバー1は、円筒端部1A、1Cのいずれか一方(本実施形態では円筒端部1C)を配電線2の絶縁シース2Bに、粘着テープまたは接着剤等により固定することによって、配電線2に固定される。絶縁シース2Bにおける円筒端部1Aまたは円筒端部1Cの取付位置は、保護カバー1を伸長させると配電線2の裸線部2Aを完全に覆うことができ(図1(A)、図2(A))、保護カバー1を収縮させると裸線部2Aの少なくとも所定の長さ(計器端子部への接続に必要な長さ)を外部に露出させることができる(図1(B)、図2(B))ように決められる。
【0020】
保護カバー1を、円筒端部1Aから見た端面図を図3に示す。図3では、保護カバー1の内側に配置される配電線2は示されていない。図3に示すように、第一実施形態の保護カバー1は、通常、渦巻状に巻かれた形態を有している。具体的には、保護カバー1は、保護カバー1の周方向(図3の矢印方向)に沿って少なくとも部分的に重なり合う、外側端部3と内側端部4を有している。外側端部3と内側端部4は、互いに対して固定されていない。これにより、保護カバー1を、その周方向に沿って拡張及び収縮させることができる。従って、既に計器端子部に接続された状態の配電線2に、配電線2を計器端子部から外すことなく、保護カバー1を取り付けることができる。具体的には、外側端部3と内側端部4を互いに離間させるように保護カバー1を周方向に拡張し、これにより外側端部3と内側端部4の間に形成される開口部を通して配電線2を保護カバー1内に挿入することができる。従って、例えば、保護カバー1が破損した場合などには、配電線2を計器端子部から外すことなく、保護カバー1を交換することができる。尚、既に計器端子部に接続されている配電線2に保護カバー1を取り付ける際は、保護カバー1を収縮させた状態に保持し、伸長時に配電線2の裸線部2Aを完全に覆うことができる位置で、保護カバー1の円筒端部1Aまたは1Cを絶縁シース2Bに固定する必要がある。
【0021】
また、このように保護カバー1を、互いに固定されることなく重なり合う外側端部3及び内側端部4を備えた渦巻状に形成することによって、保護カバー1の配電線2に対する巻き付け具合を調整することができる。従って、同じ保護カバー1を太さの異なる電線に使用することができる。しかし、本発明では、渦巻状に形成された保護カバー1の外側端部3と内側端部4は、互いに固定されていてもよい。また、保護カバー1は、外側端部3と内側端部4を有することなく、保護カバー1が周方向に切れ目無く連続した側面を形成する一体成形品であってもよい。
【0022】
次に、図4乃至図6を参照して、第一実施形態の保護カバー1の使用方法について具体的に説明する。図4は、保護カバー1が取り付けられた配電線2を電力量計の計器端子部10に接続した状態を示す正面図である。図4には、計器端子部10から外された状態の配電線2(1S)も示している。他の配電線2(2S、3S、3L、2L、1L)は計器端子部10に接続された状態にある。図4に示されるように、計器端子部10から外された状態の配電線2(1S)の保護カバー1は伸長状態にあり、配電線2の裸線部2Aを完全に覆っている。計器端子部10に接続された配電線2(2S、3S、3L、2L、1L)は、電線挿入穴11内でねじ12により固定されており、保護カバー1は、蛇腹形状部1Bが収縮した状態にある。
【0023】
図5(A)(B)は、保護カバー1の使用方法を説明する図であり、計器端子部10と保護カバー1が断面図で示されている。図5(A)は配電線2が計器端子部10から外されて、裸線部2Aが保護カバー1によって保護された状態を示し(図4の配電線1Sに対応)、図5(B)は、配電線2が、計器端子部10に接続された状態を示す(図4の配電線2S、3S、1L、2L、3Lに対応)。計器端子部10に配電線2を接続する際、図5(A)に示すように、伸長状態の保護カバー1が取り付けられた配電線2が、計器端子部10の電線挿入穴11に接近させられる。裸線部2Aの先端を完全に覆っている保護カバー1の円筒端部1Aは、裸線部2Aと共に、電線挿入穴11の大径部11A内に進入する。電線挿入穴11は、計器端子部10の非導通部に形成された大径部11Aと、導通部に形成された小径部11Cと、大径部11Aから小径部11Cにかけて形成されるテーパー部11Bとを有している。このため、大径部11Aに進入した円筒端部1Aは、テーパー部11Bによって電線挿入穴11へのさらなる進入が阻止され、大径部11A内に保持される。この状態でさらに力を加えると、保護カバー1の蛇腹形状部1Bは、大径部11A内に保持された円筒端部1Aと、配電線2の絶縁シース2Bに固定された円筒端部1Cとの間で、配電線2の長さ方向に収縮する。これにより、配電線2の裸線部2Aのみが電線挿入穴11の小径部11Cに進入する。裸線部2Aが小径部11Cに十分挿入されると、小径部11C内のねじ12によって、裸線部2Aが電線挿入穴11にねじ止めされる。こうして、図5(B)に示されるように、保護カバー1は、収縮状態で計器端子部10と配電線2の間に保持される。
【0024】
配電線2を計器端子部10から外す場合は、ねじ12を緩めて裸線部2Aを電線挿入穴11から引き出す。この時、蛇腹形状部1Bの弾性力によって、保護カバー1が自然に(換言すれば自動的に)伸長する。従って、裸線部2Aが電線挿入穴11から引き出されると同時に、裸線部2Aの周囲は、再び、図5(A)に示されるように保護カバー1によって完全に覆われる。
【0025】
尚、配電線2を計器端子部10に接続させる際、保護カバー1の円筒端部1Aは、必ずしも電線挿入穴11の大径部11A内に保持されなくともよく、円筒端部1Aの端面が、計器端子部10における電線挿入穴11周囲の壁面に当接するようになされていてもよい。また、円筒端部1Aを省略して、蛇腹形状部1Bを計器端子部10の壁面に当接させるようにしてもよい。しかし、上記のように円筒端部1Aを大径部11A内に保持することにより、保護カバー1の計器端子部10に対する位置が安定し、従って、保護カバー1を取り付けた配電線2の抜き差し作業を、円滑に行なうことができる。
【0026】
また、上述のように円筒端部1Cは、保護カバー1を絶縁シース2Bに固定する際の固定部として、粘着テープを貼り付けたり、接着剤等を塗布するために用いることができる。従って、円筒端部1Cにより、保護カバー1の絶縁シース2Bへの固定を容易に行なうことができる。しかし、円筒端部1Cはなくてもよく、その場合は、蛇腹形状部1Bの端部を絶縁シース2Bに固定する。
【0027】
このように、第一実施形態の保護カバー1は、計器端子部10に対する配電線2等の導電性部材の抜き差しの動きに合わせて、自動的に伸縮させることができる。従って、作業者が絶縁キャップを着脱する等の手間が不要であり、また、計器交換等の作業中に配電線2の裸線部2Aを外部に露出させることを確実に防止することができる。従って、異極同士を短絡させる虞なく、容易且つ確実に導電性部材を保護することができ、計器交換作業等を効率的に行なうことができる。尚、上記実施形態では、保護カバー1に覆われる導電性部材として配電線2を示しているが、例えば、配電線2の裸線部2Aに棒端子を取り付けて、棒端子を覆うようにして用いることもできる。
【0028】
図6に第一実施形態の保護カバー1を用いた、無停電での計器交換作業の例を示す。この場合、電線2の裸線部2Aの長さが電線挿入穴11の長さよりも大きくされており、保護カバー1は、大きな長さの裸線部2Aを完全に覆う長さを有している点を除いて、図5に示すものと同様である。図6(A)は、計器交換作業の前後に配電線2が計器端子部10に接続された状態を示し、図6(B)は、無停電での計器交換作業中に保護カバー1をさらに収縮させた状態を示す。図6(A)に示す接続状態で、保護カバー1は収縮状態にあり且つ電線挿入穴11から突出する裸線部2Aの部分を覆っている。計器交換時は、図6(B)に示すように、保護カバー1を、直接作業者の手によりまたは適当な工具を用いてさらに収縮させ、裸線部2Aの、電線挿入穴11から突出する部分を外部に露出させる。露出させた裸線部2Aの部分に、同極の配電線同士を短絡させるためのバイパス装置30を接続する。計器交換作業終了後、バイパス装置30を外すと同時に保護カバー1は計器端子部10に向けて伸長し、再び図6(A)の状態に戻る。
【0029】
このように、第一実施形態の保護カバー1を用いることにより、煩雑なバイパス工事を行なうことなく無停電での計器交換作業を容易に行なうことができる。さらに、計器交換作業終了後も、保護カバー1が自動的に伸長することにより確実に導電性部材を保護することができるので、異極同士を短絡させる等の虞がない。
【0030】
[第二実施形態]
図7乃至図13を参照して、本発明の第二実施形態による、導電性部材の保護カバー101を説明する。第二実施形態は、特に、保護カバー101に覆われる導電性部材として、配電線200に接続される棒端子105を例として説明する。しかし、第二実施形態の保護カバー101は、棒端子105を介することなく配電線200の裸線部200Aを直接覆うようにして使用することもできる。図7(A)乃至(C)は、第二実施形態の保護カバー101によって保護される棒端子105の例を配電線200と共に示している。(A)はねじ接続用棒端子であり、配電線200の裸線部200A(図示せず)は、ねじ接続により棒端子105に接続されている。(B)は圧着端子であり、配電線200の裸線部200Aは、棒端子105の圧着部で圧着により接続される。(C)は圧縮端子であり、配電線200の裸線部200A(図示せず)は、棒端子105の圧縮部で圧縮により接続される。以下に説明する例では、棒端子105として図7(B)に示す圧着端子を用いて説明する。
【0031】
図8(A)は、導電性部材としての棒端子105に取り付けられた保護カバー101の、伸長状態を示す斜視図であり、図8(B)は、保護カバー101の収縮状態を示す斜視図である。第二実施形態の保護カバー101は、配電線200の長さ方向に沿って直列に配置される第1の管状部材101A及び第2の管状部材101Bと、第1及び第2の管状部材101A、101Bの間に配置される弾性部材104とを備えており、第1及び第2の管状部材101A、101Bは、弾性部材104を介して互いに対して摺動可能である。本実施形態では、弾性部材はばねを備えており、図示の例では、特に、コイルばね104を備えている。保護カバー101は、コイルばね104の作用によって、配電線200の長さ方向に弾性的に伸縮可能である。しかし、本発明に用いられる弾性部材は、コイルばね104等のばねには限られず、例えば蛇腹部材等の他の弾性部材を用いることもできる。理解の容易のため、図8(A)及び図8(B)では、保護カバー101によって覆われる配電線200の部分と棒端子105、及びコイルばね104は破線で示している。図9(A)、図9(B)は、それぞれ、図8(A)、図8(B)に示す保護カバー101の内部を詳細に示すように保護カバー101の一部を除いた切欠斜視図である。保護カバー101は、通常、コイルばね104によって伸長状態にある。保護カバー101は、伸長状態で棒端子105を完全に覆うことができるように(図8(A)、図9(A))、且つ、収縮状態で少なくとも棒端子105の棒部の所定の長さ(計器端子部への接続に必要な長さ)を外部に露出させることができるように(図8(B)、図9(B))、粘着テープまたは接着剤等によって配電線200の絶縁シース200Bに固定される。
【0032】
図10に、配電線200の絶縁シース200Bに固定される、伸長状態(通常状態)にある保護カバー101の長さ方向断面図を示す。上記したように、保護カバー101は、配電線200の長さ方向に沿って直列に配置される第1の管状部材101Aと第2の管状部材101B、及び第1及び第2管状部材101A、101Bの間に配置される弾性部材としてのコイルばね104を備えている。第1管状部材101Aは少なくとも棒端子105を受け入れ可能な内径を有しており、第1管状部材101Aの一端は、第2管状部材101Bの内部に摺動可能に挿入される。第1管状部材101Aにおける、第2管状部材101B側の端面は、第2管状部材101Bに収容されるコイルばね104の一端を支持する支持面106を形成する。第2管状部材101Bは、少なくとも第1管状部材101A及びコイルばね104を受け入れ可能な内径を有する、大径部102を備えている。第2管状部材101Bはさらに、大径部102の内径よりも小さな内径を有する小径部103を備えており、これにより、大径部102と小径部103との間の第2管状部材101Bの内側表面は、保護カバー101の長さ方向に対して実質的に垂直に延びる環状面107を形成している。環状面107によって、コイルばね104の他端が支持される。しかし、小径部103はなくてもよい。その場合、第2管状部材101B(大径部102)における、第1管状部材101Aと反対側の端部が、実質的に保護カバー101の内側へ屈曲され、環状面107を形成する。
【0033】
尚、保護カバー101が収縮状態から伸長状態に変化する際に第1管状部材101Aが第2管状部材101Bから外れることを防ぐように、第1管状部材101Aと第2管状部材101Bの間には、抜け止め用のストッパー構造を設けてもよい。また、第1管状部材101Aの支持面106がコイルばね104に接着等により固定されていてもよい。
【0034】
次に、図11乃至図13を参照して、第二実施形態の保護カバー101の使用方法について具体的に説明する。図11は、保護カバー101が取り付けられた配電線200を電力量計の計器端子部10に接続した状態を示す正面図である。図11には、計器端子部10から外された状態の配電線200(1S)も示している。他の配電線200(2S、3S、3L、2L、1L)は計器端子部10に接続された状態にある。図11に示されるように、計器端子部10から外された状態の配電線200(1S)の保護カバー101は、コイルばね104(図示省略)によって伸長状態にあり、配電線200の棒端子105を完全に覆っている。計器端子部10に接続された配電線200(2S、3S、3L、2L、1L)は、電線挿入穴11内にねじ12により固定されており、保護カバー101は、コイルばね104(図示省略)が圧縮された状態にある。
【0035】
図12(A)(B)は、保護カバー101の使用方法を説明する図であり、計器端子部10と保護カバー101が断面図で示されている。図12(A)は配電線200が計器端子部10から外されて、棒端子105が保護カバー101によって完全に保護された状態を示し(図11の配電線1Sに対応)、図12(B)は、配電線200が、計器端子部10に接続された状態を示す(図11の配電線2S、3S、1L、2L、3Lに対応)。計器端子部10に配電線200を接続する際、図12(A)に示すように、伸長状態の保護カバー101が取り付けられた配電線200が、計器端子部10の電線挿入穴11に接近させられる。棒端子105の棒部を完全に覆っている保護カバー101の第1管状部材101Aは、計器端子部10の電線挿入穴11周囲の壁面に当接し、コイルばね104の圧縮によって、第2管状部材101B内に摺動し、第2管状部材101B内に受け入れられる。これにより保護カバー101は、配電線200の長さ方向に収縮し、棒端子105の棒部のみが電線挿入穴11に進入する。棒部が電線挿入穴11に十分挿入されると、ねじ12によって、棒端子105が電線挿入穴11にねじ止めされる。こうして、保護カバー101は、収縮状態で計器端子部10と配電線200の間に保持される。
【0036】
配電線200を計器端子部10から外す場合は、ねじ12を緩め、棒端子105の棒部を電線挿入穴11から引き出す。この時、コイルばね104の弾性力によって、保護カバー101が自然に(換言すれば自動的に)伸長する。従って、棒部が電線挿入穴11から引き出されると同時に、棒端子105の棒部の周囲は、再び、図12(A)に示されるように保護カバー101によって完全に覆われる。
【0037】
尚、上記したように、第二実施形態の保護カバー101の小径部103は、なくてもよい。しかし、小径部103は、絶縁シース200B上への固定用に粘着テープを貼り付けたり、または接着剤等を塗布するために用いることができるので、保護カバー101の絶縁シース200Bへの固定を容易に行なうことを可能にする。
【0038】
このように、第二実施形態の保護カバー101は、計器端子部10に対する棒端子105等の導電性部材の抜き差しの動きに合わせて、自動的に伸縮させることができる。従って、作業者が絶縁キャップを着脱する等の手間が不要であり、また、計器交換等の作業中に棒端子105を外部に露出させることを確実に防止することができる。従って、異極同士を短絡させる虞なく、容易且つ確実に導電性部材を保護することができ、計器交換作業等を効率的に行なうことができる。尚、上記したように、第二実施形態では保護カバー101に覆われる導電性部材として棒端子105を示しているが、棒端子105を用いることなく、配電線200の裸線部200Aを直接保護カバー101で覆うようにして用いることもできる。
【0039】
図13に第二実施形態の保護カバー101を用いた、無停電での計器交換作業の例を示す。この場合、棒端子105の棒部の長さが電線挿入穴11の長さよりも大きくされており、保護カバー101は、大きな長さの棒部を完全に覆うように大きな長さを有している点を除いて、図12に示すものと同様である。図13(A)は、計器交換作業の前後に配電線200が計器端子部10に接続された状態を示し、図13(B)は、無停電での計器交換作業中に保護カバー101をさらに収縮させた状態を示す。図13(A)に示す接続状態では、保護カバー101は収縮状態にあり、且つ、電線挿入穴11から突出する棒端子105の棒部の部分を覆っている。計器交換時は、図13(B)に示すように、保護カバー101を、直接作業者の手によりまたは適当な工具を用いてさらに収縮させ、棒端子105の棒部における、電線挿入穴11から突出する部分を外部に露出させる。露出させた棒部の部分に、同極の配電線同士を短絡させるためのバイパス装置30を接続する。計器交換作業終了後、バイパス装置30を外すと同時に保護カバー101は計器端子部10に向けて伸長し、再び図13(A)の状態に戻る。
【0040】
このように、第二実施形態の保護カバー101を用いることにより、煩雑なバイパス工事を行なうことなく無停電での計器交換作業を容易に行なうことができる。さらに、計器交換作業終了後も、保護カバー101が自動的に伸長することにより確実に導電性部材を保護することができるので、異極同士を短絡させる等の虞がない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、計器に接続される導電性部材の保護部材として広く適用できる。
【符号の説明】
【0042】
1、101 保護カバー
1A、1C 円筒端部
1B 蛇腹形状部
101A 第1の管状部材
101B 第2の管状部材
102 大径部
103 小径部
104 弾性部材(コイルばね)
105 棒端子
106 支持面
107 環状面
2、200 配電線
2A 裸線部
2B、200B 絶縁シース
3 外側端部
4 内側端部
10 計器端子部
11 電線挿入穴
11A 大径部
11B テーパー部
11C 小径部
12 ねじ
30 バイパス装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、計器に接続される導電性部材を覆う保護カバーに関し、特に、電力量計等の計器の端子部に接続される電線等の導電性部材を短絡等から保護する、保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電力量計は検定期限が定められており、所定期間ごとの交換が義務付けられている。従来、電力量計と配電線との接続は、計器端子部の電線挿入穴に、電線を直接挿入するか、または、電線が接続された棒端子を電線挿入穴に接続することにより行われている。電力量計の交換時は、計器端子部から外された電線の裸線部または棒端子に絶縁キャップを被せることにより、異極同士の短絡を防止している。
【0003】
しかし、上記従来の絶縁キャップでは、計器端子部から電線等を抜き、絶縁キャップを被せるまでの間、または電線等から絶縁キャップを外し、計器端子部に接続するまでの間に、異極同士を短絡させる可能性がある。また、絶縁キャップを取り付けることを、作業者が忘れる可能性がある。さらに、複数の電線等に対する絶縁キャップの取り付け、取り外し作業には手間がかかる。
【0004】
実開平6−64166号公報は、無停電による計器交換作業を容易にする、絶縁カバーを備えた電線接続装置を記載している。この装置では、電線の裸線部の長さを計器端子部の電線挿入穴の長さよりも大きくして、計器端子部に電線が接続された状態においても裸線部を露出させ、この露出した裸線部を絶縁カバーで覆っている。計器交換時は、手動で絶縁カバーを電線の絶縁被覆上に摺動させることにより、裸線部を露出させる。露出した裸線部に、同極どうしを短絡させる短絡装置を接続し、この状態で計器を交換する。これにより、無停電での計器交換時に従来必要とされていた、煩雑なバイパス工事を不要にすることができる。
【0005】
しかし、この電線接続装置では、短絡装置を外した後、再び絶縁カバーを摺動させて裸線部を覆うことを作業者が忘れる虞がある。また、絶縁カバーの摺動を常に作業者が手動で行う必要があるため、手間がかかる。
【特許文献1】実開平6−64166号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、計器交換時に、異極同士を短絡させる虞なく容易且つ確実に電線等を保護する、導電性部材の保護カバーを提供することである。本発明の他の目的は、煩雑なバイパス工事を行うことなく無停電での計器交換作業を容易にし、且つ、計器交換作業終了後も確実に電線等を保護することができる、導電性部材の保護カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、計器に接続される導電性部材を覆う保護カバーであって、前記導電性部材の長さ方向に沿って弾性的に伸縮可能である、保護カバーが提供される。この構成によれば、保護カバーを導電性部材の計器側端部に取り付けて、計器の端子部に対する導電性部材の抜き差しの動きに合わせて、保護カバーを伸縮させることができる。これにより、計器交換時、作業者が絶縁キャップを着脱していた手間を省くことができる。また、保護カバーの弾性的な伸縮によって確実に導電性部材を覆うことができるので、計器交換時に異極同士を短絡させる虞がない。また、複数の導電性部材を、計器端子部から同時に引き抜くことができる。
【0008】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、前記保護カバーが、蛇腹形状を備えている。この構成によれば、別個の弾性部材を用いることなく、保護カバーの蛇腹形状によって、保護カバーを導電性部材の長さ方向に沿って弾性的に伸縮させることができる。これにより、保護カバーを導電性部材の計器側端部に取り付けて、計器の端子部に対する導電性部材の抜き差しの動きに合わせて、保護カバーを伸縮させることができる。これにより、計器交換時、作業者が絶縁キャップを着脱していた手間を省くことができる。また、保護カバーの弾性的な伸縮によって確実に導電性部材を覆うことができるので、計器交換時に異極同士を短絡させる虞がない。また、複数の導電性部材を、計器端子部から同時に引き抜くことができる。
【0009】
請求項3の発明によれば、請求項2の発明において、前記保護カバーは、渦巻状に巻かれた形態を有しており、これにより、前記保護カバーは、該保護カバーの周方向に沿って拡張及び収縮可能である。この構成によれば、導電性部材が計器端子部に接続された状態のままでも、保護カバーを装着することができる。また、異なる太さの導電性部材にも使用することができる。
【0010】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明において、前記保護カバーが、前記導電性部材の長さ方向に沿って直列に配置される第1の管状部材及び第2の管状部材と、前記第1及び第2の管状部材の間に配置される弾性部材とを備えており、前記第1及び第2の管状部材は、前記弾性部材を介して互いに対して摺動可能である。この構成によれば、保護カバーを形成する第1及び第2の管状部材を、弾性部材を介して、導電性部材の長さ方向に互いに対して摺動させることにより、保護カバーを弾性的に伸縮させることができる。これにより、保護カバーを、計器に接続される電線等の導電性部材の端部に取り付けて、計器の端子部に対する導電性部材の抜き差しの動きに合わせて伸縮させることができる。これにより、計器交換時、作業者が絶縁キャップを着脱していた手間を省くことができる。また、保護カバーの弾性的な伸縮によって確実に導電性部材を覆うことができるので、計器交換時に異極同士を短絡させる虞がない。また、複数の導電性部材を、計器端子部から同時に引き抜くことができる。
【0011】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明において、前記弾性部材がばねを備えている。
【0012】
請求項6の発明によれば、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発明において、前記導電性部材が配電線を備えており、前記保護カバーは前記配電線を覆うようになされている。
【0013】
請求項7の発明によれば、請求項6の発明において、前記導電性部材が、更に、棒端子を備えており、前記保護カバーは前記棒端子を覆うようになされている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、計器交換時に、異極同士を短絡させる虞なく容易且つ確実に電線等を保護する、導電性部材の保護カバーを提供することができる。さらに、煩雑なバイパス工事を行うことなく無停電での計器交換作業を容易にし、且つ、計器交換作業終了後も確実に電線等を保護することができる、導電性部材の保護カバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(A)は、本発明の第一実施形態による保護カバーの伸長状態を示す斜視図であり、(B)は、本発明の第一実施形態による保護カバーの収縮状態を示す斜視図である。
【図2】(A)は、図1(A)に示す保護カバーの、内側端部を除いた切欠斜視図であり、(B)は、図1(B)に示す保護カバーの、内側端部を除いた切欠斜視図である。
【図3】第一実施形態の保護カバーの端面図である。
【図4】第一実施形態の保護カバーが取り付けられた配電線を、計器端子部に接続した状態を示す正面図である。
【図5】第一実施形態の保護カバーの使用方法を説明する図である。
【図6】第一実施形態の保護カバーを用いた、無停電での計器交換方法を示す図である。
【図7】本発明の第二実施形態による保護カバーに用いられる棒端子の例を配電線と共に示す図であり、(A)はねじ接続用棒端子、(B)は圧着接続用棒端子、(C)は圧縮接続用棒端子である。
【図8】(A)は、本発明の第二実施形態による保護カバーの伸長状態を示す斜視図であり、(B)は、本発明の第二実施形態による保護カバーの収縮状態を示す斜視図である。
【図9】(A)は、図8(A)に示す保護カバーの切欠斜視図であり、(B)は、図8(B)に示す保護カバーの切欠斜視図である。
【図10】第二実施形態の保護カバーの伸長状態(通常状態)を示す断面図である。
【図11】第二実施形態の保護カバーが取り付けられた配電線を、計器端子部に接続した状態を示す正面図である。
【図12】第二実施形態の保護カバーの使用方法を説明する図である。
【図13】第二実施形態の保護カバーを用いた、無停電での計器交換方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0017】
[第一実施形態]
図1乃至図6を参照して、本発明の第一実施形態による、導電性部材の保護カバー1を説明する。本発明の保護カバーは、樹脂等の非導電性材料により形成され、計器に接続される導電性部材に好適に用いることができ、特に、導電性部材の長さ方向に沿って弾性的に伸縮可能である点に特徴がある。図1(A)は、導電性部材としての配電線2に取り付けられた保護カバー1の、伸長状態を示す斜視図である。図1(B)は、保護カバー1の収縮状態を示す斜視図である。理解の容易のため、図1(A)及び図1(B)では、保護カバー1によって覆われる配電線2の部分を破線で示している。図2(A)、図2(B)は、それぞれ、図1(A)、図1(B)に示す保護カバー1の内部を詳細に示すために、保護カバー1の一部(後述する内側端部4)を除いた切欠斜視図である。
【0018】
図1(A)及び図1(B)に示すように、第一実施形態による保護カバー1は、配電線2の長さ方向に沿って、蛇腹を形成する蛇腹形状部1Bと、蛇腹形状部1Bの両端部に形成された実質的に円筒状の円筒端部1A、1Cを備えている。保護カバー1は、蛇腹形状部1Bの作用によって、配電線2の長さ方向に弾性的に伸縮可能である。尚、蛇腹形状部1Bの段数(山部及び谷部の数)は特に限られない。
【0019】
保護カバー1は、円筒端部1A、1Cのいずれか一方(本実施形態では円筒端部1C)を配電線2の絶縁シース2Bに、粘着テープまたは接着剤等により固定することによって、配電線2に固定される。絶縁シース2Bにおける円筒端部1Aまたは円筒端部1Cの取付位置は、保護カバー1を伸長させると配電線2の裸線部2Aを完全に覆うことができ(図1(A)、図2(A))、保護カバー1を収縮させると裸線部2Aの少なくとも所定の長さ(計器端子部への接続に必要な長さ)を外部に露出させることができる(図1(B)、図2(B))ように決められる。
【0020】
保護カバー1を、円筒端部1Aから見た端面図を図3に示す。図3では、保護カバー1の内側に配置される配電線2は示されていない。図3に示すように、第一実施形態の保護カバー1は、通常、渦巻状に巻かれた形態を有している。具体的には、保護カバー1は、保護カバー1の周方向(図3の矢印方向)に沿って少なくとも部分的に重なり合う、外側端部3と内側端部4を有している。外側端部3と内側端部4は、互いに対して固定されていない。これにより、保護カバー1を、その周方向に沿って拡張及び収縮させることができる。従って、既に計器端子部に接続された状態の配電線2に、配電線2を計器端子部から外すことなく、保護カバー1を取り付けることができる。具体的には、外側端部3と内側端部4を互いに離間させるように保護カバー1を周方向に拡張し、これにより外側端部3と内側端部4の間に形成される開口部を通して配電線2を保護カバー1内に挿入することができる。従って、例えば、保護カバー1が破損した場合などには、配電線2を計器端子部から外すことなく、保護カバー1を交換することができる。尚、既に計器端子部に接続されている配電線2に保護カバー1を取り付ける際は、保護カバー1を収縮させた状態に保持し、伸長時に配電線2の裸線部2Aを完全に覆うことができる位置で、保護カバー1の円筒端部1Aまたは1Cを絶縁シース2Bに固定する必要がある。
【0021】
また、このように保護カバー1を、互いに固定されることなく重なり合う外側端部3及び内側端部4を備えた渦巻状に形成することによって、保護カバー1の配電線2に対する巻き付け具合を調整することができる。従って、同じ保護カバー1を太さの異なる電線に使用することができる。しかし、本発明では、渦巻状に形成された保護カバー1の外側端部3と内側端部4は、互いに固定されていてもよい。また、保護カバー1は、外側端部3と内側端部4を有することなく、保護カバー1が周方向に切れ目無く連続した側面を形成する一体成形品であってもよい。
【0022】
次に、図4乃至図6を参照して、第一実施形態の保護カバー1の使用方法について具体的に説明する。図4は、保護カバー1が取り付けられた配電線2を電力量計の計器端子部10に接続した状態を示す正面図である。図4には、計器端子部10から外された状態の配電線2(1S)も示している。他の配電線2(2S、3S、3L、2L、1L)は計器端子部10に接続された状態にある。図4に示されるように、計器端子部10から外された状態の配電線2(1S)の保護カバー1は伸長状態にあり、配電線2の裸線部2Aを完全に覆っている。計器端子部10に接続された配電線2(2S、3S、3L、2L、1L)は、電線挿入穴11内でねじ12により固定されており、保護カバー1は、蛇腹形状部1Bが収縮した状態にある。
【0023】
図5(A)(B)は、保護カバー1の使用方法を説明する図であり、計器端子部10と保護カバー1が断面図で示されている。図5(A)は配電線2が計器端子部10から外されて、裸線部2Aが保護カバー1によって保護された状態を示し(図4の配電線1Sに対応)、図5(B)は、配電線2が、計器端子部10に接続された状態を示す(図4の配電線2S、3S、1L、2L、3Lに対応)。計器端子部10に配電線2を接続する際、図5(A)に示すように、伸長状態の保護カバー1が取り付けられた配電線2が、計器端子部10の電線挿入穴11に接近させられる。裸線部2Aの先端を完全に覆っている保護カバー1の円筒端部1Aは、裸線部2Aと共に、電線挿入穴11の大径部11A内に進入する。電線挿入穴11は、計器端子部10の非導通部に形成された大径部11Aと、導通部に形成された小径部11Cと、大径部11Aから小径部11Cにかけて形成されるテーパー部11Bとを有している。このため、大径部11Aに進入した円筒端部1Aは、テーパー部11Bによって電線挿入穴11へのさらなる進入が阻止され、大径部11A内に保持される。この状態でさらに力を加えると、保護カバー1の蛇腹形状部1Bは、大径部11A内に保持された円筒端部1Aと、配電線2の絶縁シース2Bに固定された円筒端部1Cとの間で、配電線2の長さ方向に収縮する。これにより、配電線2の裸線部2Aのみが電線挿入穴11の小径部11Cに進入する。裸線部2Aが小径部11Cに十分挿入されると、小径部11C内のねじ12によって、裸線部2Aが電線挿入穴11にねじ止めされる。こうして、図5(B)に示されるように、保護カバー1は、収縮状態で計器端子部10と配電線2の間に保持される。
【0024】
配電線2を計器端子部10から外す場合は、ねじ12を緩めて裸線部2Aを電線挿入穴11から引き出す。この時、蛇腹形状部1Bの弾性力によって、保護カバー1が自然に(換言すれば自動的に)伸長する。従って、裸線部2Aが電線挿入穴11から引き出されると同時に、裸線部2Aの周囲は、再び、図5(A)に示されるように保護カバー1によって完全に覆われる。
【0025】
尚、配電線2を計器端子部10に接続させる際、保護カバー1の円筒端部1Aは、必ずしも電線挿入穴11の大径部11A内に保持されなくともよく、円筒端部1Aの端面が、計器端子部10における電線挿入穴11周囲の壁面に当接するようになされていてもよい。また、円筒端部1Aを省略して、蛇腹形状部1Bを計器端子部10の壁面に当接させるようにしてもよい。しかし、上記のように円筒端部1Aを大径部11A内に保持することにより、保護カバー1の計器端子部10に対する位置が安定し、従って、保護カバー1を取り付けた配電線2の抜き差し作業を、円滑に行なうことができる。
【0026】
また、上述のように円筒端部1Cは、保護カバー1を絶縁シース2Bに固定する際の固定部として、粘着テープを貼り付けたり、接着剤等を塗布するために用いることができる。従って、円筒端部1Cにより、保護カバー1の絶縁シース2Bへの固定を容易に行なうことができる。しかし、円筒端部1Cはなくてもよく、その場合は、蛇腹形状部1Bの端部を絶縁シース2Bに固定する。
【0027】
このように、第一実施形態の保護カバー1は、計器端子部10に対する配電線2等の導電性部材の抜き差しの動きに合わせて、自動的に伸縮させることができる。従って、作業者が絶縁キャップを着脱する等の手間が不要であり、また、計器交換等の作業中に配電線2の裸線部2Aを外部に露出させることを確実に防止することができる。従って、異極同士を短絡させる虞なく、容易且つ確実に導電性部材を保護することができ、計器交換作業等を効率的に行なうことができる。尚、上記実施形態では、保護カバー1に覆われる導電性部材として配電線2を示しているが、例えば、配電線2の裸線部2Aに棒端子を取り付けて、棒端子を覆うようにして用いることもできる。
【0028】
図6に第一実施形態の保護カバー1を用いた、無停電での計器交換作業の例を示す。この場合、電線2の裸線部2Aの長さが電線挿入穴11の長さよりも大きくされており、保護カバー1は、大きな長さの裸線部2Aを完全に覆う長さを有している点を除いて、図5に示すものと同様である。図6(A)は、計器交換作業の前後に配電線2が計器端子部10に接続された状態を示し、図6(B)は、無停電での計器交換作業中に保護カバー1をさらに収縮させた状態を示す。図6(A)に示す接続状態で、保護カバー1は収縮状態にあり且つ電線挿入穴11から突出する裸線部2Aの部分を覆っている。計器交換時は、図6(B)に示すように、保護カバー1を、直接作業者の手によりまたは適当な工具を用いてさらに収縮させ、裸線部2Aの、電線挿入穴11から突出する部分を外部に露出させる。露出させた裸線部2Aの部分に、同極の配電線同士を短絡させるためのバイパス装置30を接続する。計器交換作業終了後、バイパス装置30を外すと同時に保護カバー1は計器端子部10に向けて伸長し、再び図6(A)の状態に戻る。
【0029】
このように、第一実施形態の保護カバー1を用いることにより、煩雑なバイパス工事を行なうことなく無停電での計器交換作業を容易に行なうことができる。さらに、計器交換作業終了後も、保護カバー1が自動的に伸長することにより確実に導電性部材を保護することができるので、異極同士を短絡させる等の虞がない。
【0030】
[第二実施形態]
図7乃至図13を参照して、本発明の第二実施形態による、導電性部材の保護カバー101を説明する。第二実施形態は、特に、保護カバー101に覆われる導電性部材として、配電線200に接続される棒端子105を例として説明する。しかし、第二実施形態の保護カバー101は、棒端子105を介することなく配電線200の裸線部200Aを直接覆うようにして使用することもできる。図7(A)乃至(C)は、第二実施形態の保護カバー101によって保護される棒端子105の例を配電線200と共に示している。(A)はねじ接続用棒端子であり、配電線200の裸線部200A(図示せず)は、ねじ接続により棒端子105に接続されている。(B)は圧着端子であり、配電線200の裸線部200Aは、棒端子105の圧着部で圧着により接続される。(C)は圧縮端子であり、配電線200の裸線部200A(図示せず)は、棒端子105の圧縮部で圧縮により接続される。以下に説明する例では、棒端子105として図7(B)に示す圧着端子を用いて説明する。
【0031】
図8(A)は、導電性部材としての棒端子105に取り付けられた保護カバー101の、伸長状態を示す斜視図であり、図8(B)は、保護カバー101の収縮状態を示す斜視図である。第二実施形態の保護カバー101は、配電線200の長さ方向に沿って直列に配置される第1の管状部材101A及び第2の管状部材101Bと、第1及び第2の管状部材101A、101Bの間に配置される弾性部材104とを備えており、第1及び第2の管状部材101A、101Bは、弾性部材104を介して互いに対して摺動可能である。本実施形態では、弾性部材はばねを備えており、図示の例では、特に、コイルばね104を備えている。保護カバー101は、コイルばね104の作用によって、配電線200の長さ方向に弾性的に伸縮可能である。しかし、本発明に用いられる弾性部材は、コイルばね104等のばねには限られず、例えば蛇腹部材等の他の弾性部材を用いることもできる。理解の容易のため、図8(A)及び図8(B)では、保護カバー101によって覆われる配電線200の部分と棒端子105、及びコイルばね104は破線で示している。図9(A)、図9(B)は、それぞれ、図8(A)、図8(B)に示す保護カバー101の内部を詳細に示すように保護カバー101の一部を除いた切欠斜視図である。保護カバー101は、通常、コイルばね104によって伸長状態にある。保護カバー101は、伸長状態で棒端子105を完全に覆うことができるように(図8(A)、図9(A))、且つ、収縮状態で少なくとも棒端子105の棒部の所定の長さ(計器端子部への接続に必要な長さ)を外部に露出させることができるように(図8(B)、図9(B))、粘着テープまたは接着剤等によって配電線200の絶縁シース200Bに固定される。
【0032】
図10に、配電線200の絶縁シース200Bに固定される、伸長状態(通常状態)にある保護カバー101の長さ方向断面図を示す。上記したように、保護カバー101は、配電線200の長さ方向に沿って直列に配置される第1の管状部材101Aと第2の管状部材101B、及び第1及び第2管状部材101A、101Bの間に配置される弾性部材としてのコイルばね104を備えている。第1管状部材101Aは少なくとも棒端子105を受け入れ可能な内径を有しており、第1管状部材101Aの一端は、第2管状部材101Bの内部に摺動可能に挿入される。第1管状部材101Aにおける、第2管状部材101B側の端面は、第2管状部材101Bに収容されるコイルばね104の一端を支持する支持面106を形成する。第2管状部材101Bは、少なくとも第1管状部材101A及びコイルばね104を受け入れ可能な内径を有する、大径部102を備えている。第2管状部材101Bはさらに、大径部102の内径よりも小さな内径を有する小径部103を備えており、これにより、大径部102と小径部103との間の第2管状部材101Bの内側表面は、保護カバー101の長さ方向に対して実質的に垂直に延びる環状面107を形成している。環状面107によって、コイルばね104の他端が支持される。しかし、小径部103はなくてもよい。その場合、第2管状部材101B(大径部102)における、第1管状部材101Aと反対側の端部が、実質的に保護カバー101の内側へ屈曲され、環状面107を形成する。
【0033】
尚、保護カバー101が収縮状態から伸長状態に変化する際に第1管状部材101Aが第2管状部材101Bから外れることを防ぐように、第1管状部材101Aと第2管状部材101Bの間には、抜け止め用のストッパー構造を設けてもよい。また、第1管状部材101Aの支持面106がコイルばね104に接着等により固定されていてもよい。
【0034】
次に、図11乃至図13を参照して、第二実施形態の保護カバー101の使用方法について具体的に説明する。図11は、保護カバー101が取り付けられた配電線200を電力量計の計器端子部10に接続した状態を示す正面図である。図11には、計器端子部10から外された状態の配電線200(1S)も示している。他の配電線200(2S、3S、3L、2L、1L)は計器端子部10に接続された状態にある。図11に示されるように、計器端子部10から外された状態の配電線200(1S)の保護カバー101は、コイルばね104(図示省略)によって伸長状態にあり、配電線200の棒端子105を完全に覆っている。計器端子部10に接続された配電線200(2S、3S、3L、2L、1L)は、電線挿入穴11内にねじ12により固定されており、保護カバー101は、コイルばね104(図示省略)が圧縮された状態にある。
【0035】
図12(A)(B)は、保護カバー101の使用方法を説明する図であり、計器端子部10と保護カバー101が断面図で示されている。図12(A)は配電線200が計器端子部10から外されて、棒端子105が保護カバー101によって完全に保護された状態を示し(図11の配電線1Sに対応)、図12(B)は、配電線200が、計器端子部10に接続された状態を示す(図11の配電線2S、3S、1L、2L、3Lに対応)。計器端子部10に配電線200を接続する際、図12(A)に示すように、伸長状態の保護カバー101が取り付けられた配電線200が、計器端子部10の電線挿入穴11に接近させられる。棒端子105の棒部を完全に覆っている保護カバー101の第1管状部材101Aは、計器端子部10の電線挿入穴11周囲の壁面に当接し、コイルばね104の圧縮によって、第2管状部材101B内に摺動し、第2管状部材101B内に受け入れられる。これにより保護カバー101は、配電線200の長さ方向に収縮し、棒端子105の棒部のみが電線挿入穴11に進入する。棒部が電線挿入穴11に十分挿入されると、ねじ12によって、棒端子105が電線挿入穴11にねじ止めされる。こうして、保護カバー101は、収縮状態で計器端子部10と配電線200の間に保持される。
【0036】
配電線200を計器端子部10から外す場合は、ねじ12を緩め、棒端子105の棒部を電線挿入穴11から引き出す。この時、コイルばね104の弾性力によって、保護カバー101が自然に(換言すれば自動的に)伸長する。従って、棒部が電線挿入穴11から引き出されると同時に、棒端子105の棒部の周囲は、再び、図12(A)に示されるように保護カバー101によって完全に覆われる。
【0037】
尚、上記したように、第二実施形態の保護カバー101の小径部103は、なくてもよい。しかし、小径部103は、絶縁シース200B上への固定用に粘着テープを貼り付けたり、または接着剤等を塗布するために用いることができるので、保護カバー101の絶縁シース200Bへの固定を容易に行なうことを可能にする。
【0038】
このように、第二実施形態の保護カバー101は、計器端子部10に対する棒端子105等の導電性部材の抜き差しの動きに合わせて、自動的に伸縮させることができる。従って、作業者が絶縁キャップを着脱する等の手間が不要であり、また、計器交換等の作業中に棒端子105を外部に露出させることを確実に防止することができる。従って、異極同士を短絡させる虞なく、容易且つ確実に導電性部材を保護することができ、計器交換作業等を効率的に行なうことができる。尚、上記したように、第二実施形態では保護カバー101に覆われる導電性部材として棒端子105を示しているが、棒端子105を用いることなく、配電線200の裸線部200Aを直接保護カバー101で覆うようにして用いることもできる。
【0039】
図13に第二実施形態の保護カバー101を用いた、無停電での計器交換作業の例を示す。この場合、棒端子105の棒部の長さが電線挿入穴11の長さよりも大きくされており、保護カバー101は、大きな長さの棒部を完全に覆うように大きな長さを有している点を除いて、図12に示すものと同様である。図13(A)は、計器交換作業の前後に配電線200が計器端子部10に接続された状態を示し、図13(B)は、無停電での計器交換作業中に保護カバー101をさらに収縮させた状態を示す。図13(A)に示す接続状態では、保護カバー101は収縮状態にあり、且つ、電線挿入穴11から突出する棒端子105の棒部の部分を覆っている。計器交換時は、図13(B)に示すように、保護カバー101を、直接作業者の手によりまたは適当な工具を用いてさらに収縮させ、棒端子105の棒部における、電線挿入穴11から突出する部分を外部に露出させる。露出させた棒部の部分に、同極の配電線同士を短絡させるためのバイパス装置30を接続する。計器交換作業終了後、バイパス装置30を外すと同時に保護カバー101は計器端子部10に向けて伸長し、再び図13(A)の状態に戻る。
【0040】
このように、第二実施形態の保護カバー101を用いることにより、煩雑なバイパス工事を行なうことなく無停電での計器交換作業を容易に行なうことができる。さらに、計器交換作業終了後も、保護カバー101が自動的に伸長することにより確実に導電性部材を保護することができるので、異極同士を短絡させる等の虞がない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、計器に接続される導電性部材の保護部材として広く適用できる。
【符号の説明】
【0042】
1、101 保護カバー
1A、1C 円筒端部
1B 蛇腹形状部
101A 第1の管状部材
101B 第2の管状部材
102 大径部
103 小径部
104 弾性部材(コイルばね)
105 棒端子
106 支持面
107 環状面
2、200 配電線
2A 裸線部
2B、200B 絶縁シース
3 外側端部
4 内側端部
10 計器端子部
11 電線挿入穴
11A 大径部
11B テーパー部
11C 小径部
12 ねじ
30 バイパス装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計器に接続される導電性部材を覆う保護カバーであって、前記導電性部材の長さ方向に沿って弾性的に伸縮可能である、保護カバー。
【請求項2】
前記保護カバーは、蛇腹形状を備えている、請求項1に記載の保護カバー。
【請求項3】
前記保護カバーは、渦巻状に巻かれた形態を有しており、これにより、前記保護カバーは、該保護カバーの周方向に沿って拡張及び収縮可能である、請求項2に記載の保護カバー。
【請求項4】
前記保護カバーは、前記導電性部材の長さ方向に沿って直列に配置される第1の管状部材及び第2の管状部材と、前記第1及び第2の管状部材の間に配置される弾性部材とを備えており、前記第1及び第2の管状部材は、前記弾性部材を介して互いに対して摺動可能である、請求項1に記載の保護カバー。
【請求項5】
前記弾性部材がばねを備えている、請求項4に記載の保護カバー。
【請求項6】
前記導電性部材が配電線を備えており、前記保護カバーは前記配電線を覆うようになされている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の保護カバー。
【請求項7】
前記導電性部材が、更に、棒端子を備えており、前記保護カバーは前記棒端子を覆うようになされている、請求項6に記載の保護カバー。
【請求項1】
計器に接続される導電性部材を覆う保護カバーであって、前記導電性部材の長さ方向に沿って弾性的に伸縮可能である、保護カバー。
【請求項2】
前記保護カバーは、蛇腹形状を備えている、請求項1に記載の保護カバー。
【請求項3】
前記保護カバーは、渦巻状に巻かれた形態を有しており、これにより、前記保護カバーは、該保護カバーの周方向に沿って拡張及び収縮可能である、請求項2に記載の保護カバー。
【請求項4】
前記保護カバーは、前記導電性部材の長さ方向に沿って直列に配置される第1の管状部材及び第2の管状部材と、前記第1及び第2の管状部材の間に配置される弾性部材とを備えており、前記第1及び第2の管状部材は、前記弾性部材を介して互いに対して摺動可能である、請求項1に記載の保護カバー。
【請求項5】
前記弾性部材がばねを備えている、請求項4に記載の保護カバー。
【請求項6】
前記導電性部材が配電線を備えており、前記保護カバーは前記配電線を覆うようになされている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の保護カバー。
【請求項7】
前記導電性部材が、更に、棒端子を備えており、前記保護カバーは前記棒端子を覆うようになされている、請求項6に記載の保護カバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−23267(P2011−23267A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168580(P2009−168580)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000205661)大崎電気工業株式会社 (61)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000205661)大崎電気工業株式会社 (61)
【Fターム(参考)】
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