説明

小売マーケティング方法

【課題】ベンダーのサプライチェーンにより供給され、小売業者によって販売される商品に関する情報の管理方法を提供する。
【解決手段】小売業者が、その供給業者(ベンダー)に、RFID及びRSSバーコードを含むラベリング標準と、フォーマットのガイドラインとを提供することにより、そのオペレーションをアップグレードすることができる方法が考案され、この方法は、付加的サプライチェーンロジスティック情報、アイテム番号、ロット及び有効期限、製造時間及び場所、今までは商品に可能であったより詳細な基準を含む付加的情報をラベリングにおいて含み、及び、情報を捕捉し、これをカスタマイズされたフォーム及びミドルウエアを介して、小売業者の情報管理システムに、供給する方法が開示される。小売業者は、このプログラムを、小売業者に対する供給業者にセットアップする、情報管理会社のサービスを使用し、これにより、自身のシステムの増強による関連コストを低減する。小売業者、ベンダー及び消費者は、フィードバックの多様な手段を介した付加的情報により、恩恵を得、より高いインベントリ管理、消費者の安全、より効率的な購入動向、製品内容に関する消費者への情報、セキュリティ、サプライチェーンロジスティクス、小売商品販売に関する政府規制への準拠、他の政府規制及び値付け、リベート、クーポン及び消費者による返品と同様、バイオテロリズム行動、をより有用な方法で抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(著作権と法的な注意事項)
本特許明細書で開示された内容は、著作権保護対象のマテリアルを含む。著作権者は、本特許文献或いは本特許の開示が、特許商標庁のファイル或いは記録の中にある限り、他人がそれをファクシミリによって複製することに対して異を唱えることはないが、そうでない場合は、いかなる著作権も留保される。
【0002】
(関連出願のクロスリファレンス)
本願は、2002年12月17日に出願された特許出願10/320、995の一部継続出願であり、35USC第120条に基づく利益を請求するものであり、該出願の内容は、参照により本願開示の一部を成す。また、本願は、2003年12月8日に出願された仮特許出願60/528、105に関する35USC第119(e)条に基づく利益を請求するものであり、該出願の内容は、参照により本願開示の一部を成す。
【背景技術】
【0003】
情報は、現代の小売業における関心事のキーストーンである。小売業者が競争力を維持するためには、サプライチェーンのロジスティクス、インベントリ管理、倉庫管理、情報管理のトラッキングなどの多くの領域で、専門的な知識を示す必要がある。小売業の経験の全ての面で、その上、情報管理は、小売業者が、商品及びサービスの流れ、保管、発注、再発注、在庫、販売、出荷を管理し、それと共に小売商品のマーケティングと販売に対する政府の規制を遵守するための鍵となっている。この小売業の経験面を考慮しなければ、現代市場での競争力は失われる。
【0004】
伝統的に、小売業者と供給者の間で確立されたパートナシップは、情報通信に関する規格(standards)を設定する。その最も単純な形態では、小売業者は、各供給者に対して商品及びサービスに、アイテム番号をラベルづけすることを要求する。このアイテム番号は、マシン読取り可能な形式、例えば、UPC(A)バーコードの形式で、小売業者に出荷される在庫品の上に印刷される。これによって、小売業者は、サプライチェーンのロジスティクス、インベントリ、倉庫管理、小売販売、及び配送に係るシステムを自動化することができる。
【0005】
マシン読取り可能なデータに依存するシステムが増々高度化するにつれ、小売業者は、より多くのよりよい情報がタイムリーに提供されると、サプライチェーンのロジスティクス、インベントリ、販売及び配送システムを増加させることを認識している。小売情報システムの対象領域(landscape)は広い。On−Demand、FIFO,SAP等は、小売業者が過去25年間に渡って利用してきたレガシーシステムを取っておく(earmark)。小売業者が情報管理システムをアップグレードするあらゆる現代のソリューションは、これらのレガシーシステムを、導入された新たな情報技術に適合させる方法を含まなければならない。
【0006】
新たに情報を包含する方法として、大きな情報保持容量のバーコード、磁気ストリップ、RFIDタグが使用される。
【0007】
小売業者が、小売情報システムの増加に寄与する中心的な存在であることが明確になっている。何故ならば、そのシステムを確立するため、小売業者が、商品及びサービスにラベルづけするベンダー世界の中心に位置しているからである。小売業者は、ベンダーが商品及びサービスにプリントする付加的情報に関する規格の設定者になる必要がある。
【0008】
しかしながら、ベンダーのための規格を確立するための各小売業者の新しいイニシアチブが、ベンダーの問題をわかりにくくしているという事実がまた、明らかになっている。どのベンダーの規格をエミュレートすべきなのか?500ポンドのゴリラ、即ち、最大規模の小売業者が、その規格を選ぶのか?その規格は異なる産業の異なる規模のベンダーが受諾可能なものなのか?
このような懸念の全てに取り組む(addresses)ものとして、幅広い複数の業界で小売業者との取引を可能にする方法が開発されている。さらに、この方法は、小売業者、ベンダー、消費者等にとって、全当事者に利益をもたらす(win-win-win)ものとなっている。小売業者には、小売業者のシステムでその改善方法を利用できる手段が提供されるが、その際に大きな出費、即ち、開業(startup)コストがかかることはない。実際、この方法は、元来それ自体がプロフィットセンターとなる。何故ならば、ベンダーは、小売業者のシステムに参加するために要求される報告と情報収集とラベルづけの購入を求められるからである。
【0009】
まず、この情報システムのアップグレードを達成するために、小売業者は既存の情報システムを調査しなければならず、そして、サプライチェーンの多様なエンティティ間でのプログラム、及び、小売業者の製品販売能力と顧客を満足させる能力を向上させ得ることになる小売り/消費者経験の全てを実践するために必要となる情報が何であるかを決定しなければならない。次に、小売業者は、付加的情報を利用可能な新たな情報システムを構築し、小売り経験の全てに対するプログラムを構築しなければならない。次に、ベンダーには、製品と、小売業者に供給する必要のある情報に関する要件とを一緒に与える必要がある。次に、ベンダーには、製品にラベルづけするための規格とガイドラインとを与える必要がある。次に、小売業者は、ベンダーから要求された情報を収集して受信する方法を構築する必要がある。次に、ベンダーは、その情報を受け取り、小売業者の既存の情報データベースにそれを組み込む方法を構築する必要がある。これらが克服不能なものでない場合は、それはあらゆる小売業者にとって大きな障害となる。全く同じ目標を達成する一つの方法は、小売業者が、新たな情報通信規格を採用し料金を支払うことを最大規模のベンダーに要求することである。小売業者が、供給業者が新規格を使ってどの程度の収益を得るのかを示すことなく仕事を終らせるようと“無理強いする(twists arms)”場合、ベンダーは、その要求どおりにやっていくとことに非常な惰性を示し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明に係るシステム及び方法は、ベンダーから小売業者に供給され、小売業者によって販売される製品及び/又はサービス(集合的に“商品(goods)”と称され得る)に関する情報管理に関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態は、少なくとも1つのベンダーのサプライチェーンにより供給され、小売業者によって販売される商品に関する情報の管理方法を提供する。第1に、ディベロッパーは、サプライチェーンから供給され小売業者によって販売される商品に関する情報を管理するシステムを生成する。システムによって管理される情報は、小売業者によって定義される。サプライチェーンのベンダーが、商品を小売業者に出荷する前に、小売業者によって定義された情報を商品に関連づけることによって、情報を提供するように、システムは設計される。例えば、情報は、バーコードラベル内に符号化され得、このバーコードラベルは、商品に貼付される(affixed)か、或いは、商品に貼付されたRFIDタグのメモリに記憶されるか、又は、これら2つを組み合わせたものであってよい。次に、小売業者は、小売業者との取引条件(condition to doing business)として、ディベロッパーからそのシステムを購入して使用することをチェーンの各ベンダーに要求することによって、サプライチェーン全体にそのシステムをインストールする運営を行う(administers)。
【0012】
本発明の他の実施形態によれば、小売業者は、システムをサプライチェーン全体にインストールすることの運営に対する料金を受け取る。例えば、この料金は、ディベロッパーから小売業者に支払われてもよい。
【0013】
本発明の他の実施形態によれば、小売業者が受け取る料金は、チェーンのベンダーが行った購入に基づくものであってもよい。例えば、料金は、各システムの購入価格の一部でもよい。
【0014】
本発明の他の実施形態によれば、小売業者は、システムを利用するサプライチェーンのベンダーから商品を受領し、このシステムを利用して受領された商品に関連付けられる情報を得ることができる。次に、小売業者は、取得された情報のうちの少なくとも幾つかを、商品を出荷したサプライチェーンの少なくとも1つのベンダーに戻すことができる。小売業者からそのチェーンのベンダーに戻された情報によって、ベンダーは利益(benefit)を受けることができ、この利益は、例えば、ベンダーが、小売業者に供給された商品が販売されるレートを判断し、それにより、これに応じて小売業者に供給するレートを調整することを可能にすることによって得られる。
【0015】
本発明の他の実施形態は、少なくとも1つのベンダーのサプライチェーンから供給され、小売業者によって販売される商品に関する情報を管理するシステムをディベロッパーが販売する方法を提供する。第1に、ディベロッパーは、小売業者のサプライチェーン全体にシステムをインストールするプログラムを、小売業者に提案し、この提案において、チェーンの各ベンダーは、小売業者との取引条件として、ディベロッパーによって開発されたシステムを購入して利用するように要求される。小売業者がその提案を受け入れた場合は、小売業者は、プログラムの使用を開始(institute)して、チェーンのベンダーに要件を通知する。このプログラムによって、ベンダーは、小売業者を介してディベロッパーからシステムを購入し得る。ここで、小売業者は、ベンダーの注文の処理を行い、ディベロッパーからベンダーへシステムを配信する段取りを行う。
【0016】
本発明の他の実施形態によれば、小売業者は、プログラム運営を行うことに対する料金を受取ることができる。例えば、小売業者は、購入された各システムの購入価格の一部を保持することができる。
【0017】
本発明の他の実施形態によれば、小売業者は、消費者が商品に関する付加的情報を得ることを可能にする手段を提供し得る。例えば、小売業者は、消費者が商品に貼付されたバーコードをスキャンして、ベンダーから供給された商品に関する付加的情報を得ることができるキオスクを、小売業者の店舗に置くことができる。例えば、フルーツなどのいくつかの商品に関する情報は、消費者が特定地域からの商品を選択し購入することを可能にする原産国名を含んでもよい。その他の例では、消費者が商品に関して得ることのできる付加的情報は、食品や医薬品に関する細かい取り扱い表示(care information)や考えられるアレルギー反応等を含んでもよい。さらに、小売業者は、そのような付加的情報をリアルタイム広告として消費者に提供し得る。例えば、特定地域からの食品などの商品が、最新のニュースレポートで、肯定的に、或いは、否定的に強調された場合は、小売業者は、消費者に対してコンピュータ制御のリアルタイムディスプレイで、ニュースレポートに一致するように特定地域からの商品であるか、もしくは、そうでない商品であるかについて広告することができる。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、事業体とベンダー間の情報を管理する方法が提供される。第1に、ディベロッパーは、少なくとも1つのベンダーのサプライチェーンにより事業体に提供されるアイテムに関連付けられる情報を事業体が受信するシステムを生成する。このシステムは、規格(specification)と1つ以上のサブシステムを備え、この規格は、少なくとも事業体によって定義され、この規格は、このシステムを介して受信される情報のタイプを定義する。1つの以上のベンダーのサブシステムの各々は、準拠情報(conforming information)を情報記憶装置に記憶し、この情報記憶装置を事業体に提供されるアイテムに関連づけることによって、それぞれのベンダーのサブシステムのオペレータが、規格に準拠する(conforming to)情報を事業体に提供可能にする。次に、1つの以上のベンダーのサブシステムのうちの一つをディベロッパーから購入して、購入されたベンダーのサブシステムを操作して、事業体に、事業体との取引関係の維持条件としての情報を提供するように少なくとも1つのベンダーのうちの1つ以上に要求することによって、事業体は、サプライチェーン全体に対するシステムのインストールを容易化することができる。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、情報記憶装置はバーコードを備える。
【0020】
本発明の別の一実施形態によれば、情報記憶装置はRSSバーコードを備える。
【0021】
本発明の別の一実施形態によれば、情報記憶装置はRFIDタグを備える。
【0022】
本発明の別の一実施形態によれば、ディベロッパーは、サプライチェーン全体に対するシステムのインストールを容易化するために事業体に料金を支払う。
【0023】
本発明のさらに他の一実施形態によれば、料金は、少なくとも1つのベンダーのうちの1つ以上によってディベロッパーからサブシステムを購入することに基づくものである。
【0024】
本発明のさらに他の一実施形態によれば、システムは、事業体がベンダーサブシステムを操作する各ベンダーから受領するアイテムに関連づけられた情報記憶装置から情報を事業体が得られるようにする事業体サブシステムであって、事業体がベンダーサブシステムを操作するベンダーのうちの1つ以上にデータを送信することを可能にする事業体サブシステムを備える。このデータは、事業体がベンダーサブシステムを操作するベンダーのうちの1つ以上から事前に受け取ったアイテムに関するものである。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、事業体と1つ以上のベンダー間のアイテムに関連づけられた情報を管理する方法が提供される。この方法は、事業体において、1つ以上のベンダーから事業体が受け取ったアイテムに関連づけられたデータ記憶装置からデータをアクセスすることを含む。ここで、データ記憶装置に記憶されたデータは、事業体から発行された要求に基づいて1つ以上のベンダーによって選択されたものである。次に、事業体は、アクセスされたデータの少なくとも一部を1つ以上のベンダーに送信する。最後に、1つ以上のベンダーは、事業体により1つ以上のベンダーに供給された、アクセスされたデータのうちで送信された部分に基づいて、アイテムに関係づけられた販売関連情報を決定する。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、アイテムに関連づけられたデータをアクセスすることは、バーコードラベルを読み取ることを備える。
【0027】
本発明の別の一実施形態によれば、バーコードラベルは、省スペースシンボル(Reduced Space Symbology:RSS)バーコードを備える。
【0028】
本発明の別の一実施形態によれば、バーコードラベルは2次元シンボルを備える。
【0029】
本発明の別の一実施形態によれば、アイテムに関連づけられたデータをアクセスすることは、アクセスされたデータをRadio Frequency Identifier(RFID)装置から受け取る。
【0030】
本発明の他の一実施形態によれば、アイテムに関連づけられたデータは、製品情報を備える。
【0031】
本発明の他の一実施形態によれば、アイテムに関連づけられた販売関連情報は、再注文要求情報を備える。
【0032】
本発明のさらに他の一実施形態によれば、再注文要求情報は、1つ以上のベンダーが製品レベルを調整することを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、例示的であって限定的でない添付の図面に示され、これらの図面では、同様の参照符号は、同様な部分もしくは対応する部分を参照することを意図する。
【0034】
外部の情報管理会社、例えば、情報システム開発業者は、小売業者の業務(operation)を調査して、消費者に対する小売りの経験を増加させ小売業者の収益を増すための構築可能な情報指向プログラムを構築する。尚、小売業者とべンダーの両方の利益を同様に増大させることは、良好な情報管理によって実現可能である。次に、その新しいプログラムを容易化し得る必要な付加的情報が、構築されなければならない。現在のところ、製品に貼付(affixed)されたバーコードで、価格、出荷日、ベンダーID、 小売店番号等の限られた情報のみを搬送する(carrying)商品が、小売業者に、出荷され得る。しかしながら、小売業者は、色、サイズ、性別、量などの様々な最小在庫管理単位(SKU)に関する更なる情報を知ることによって、収益を得ることができる。この付加的情報は、各SKUごとに決定され得るので、あるSKUと次のものとで変動し得る。次に、RFIDタグ及び/又はバーコードを介してベンダーから小売業者に供給された商品にこの付加的情報を関連づけて、その後、関連づけられたRSSバーコードフォーマットを備えるRFIDタグフォーマットを構築し得る。これらのタグを生成して印刷するための必要なソフトウェアやハードウェアは、識別されなければならない。次に、これらの新たな規格の全ては、小売業者向けにレイアウトされた(laid out)小売業者情報プログラムを使って、ベンダーに送信され得る。同時に、小売業者は、ベンダーの既存のデータベース管理システムからのベンダー情報を受け入れて小売業者情報管理システムに提供可能なレコードに変換できるような形式を有するよう設計されたミドルウェアを構築しなければならない。
【0035】
小売業者プログラムの目標を達成するために、小売業者は、各ベンダーに以下の提案を行い得る:即ち、我々が説明するように、あなたに、我々に販売され配送される全商品にラベル付けをして欲しい、我々の新しいRFID/RSSバーコード化規格を使うこと。あなたが、あなたの商品にラベル付けするために、以下のソフトウエア及びハードウエアを使用すること。あなたが、関連づけられたデータを送信するため、以下の形式と情報管理技術を利用すること。あなたが、我々が特定する、承認された供給業者を介してそのソフトウェアとハードウェアを購入すること。その代償として、我々は、あなたの会社と取引を継続する。また、我々は、我々へのあなたの製品の販売を収益性の高いものにするための情報をあなたに提供することによって、あなたとの関係を強化し得る。この付加的情報にが、小売業者及びベンダーの関係をいかにより収益性の高いものにするか、の例を以下に示す:即ち、小売業者は、再注文(reordering)をよりよく管理することが可能となり、個々のベンダーから供給されるインベントリの動き(turns)を向上し得る。ベンダーは、小売業者から返された情報を利用して製品レベルを調整することが可能となる。小売業者は、どの製品の在庫があるか、をより良好に顧客に伝達することが可能となる。小売業者は、ベンダーに代わって、リベート、クーポン、顧客からの返品を上手に取り扱うことが可能となる。小売業者は、その配送チャネルへの在庫品の再発注を、より高いロジスティック効率でかつよりタイムリーに行うことが可能となる。
【0036】
この情報システムの構築のために外部企業を利用することによって小売業者には多くの利点が生まれる。第1に、小売業者は、ゼロから小売業者自身の情報システムを再構築する必要はない。既存のシステムでは、新しいデータを受け取ってこれを既存のシステムに組み込むように構築可能なミドルウェアを使うことによって、増強され得る。第2に、小売業者は、自分のシステムの改善のために出費する必要はない。この費用はその供給業者であるベンダーによって分担される。第3に、ベンダーは、小売業者の新システムに対する要件を満足させる方法を構築する必要はない。ベンダーが既存のものから購入可能であって、小売業者の要件を充足するソフトウェア及びハードウェアが、特定される。従って、小売業者プログラムを採用することは、ベンダーにとって非常に受け入れやすい。さらに、外部組織により既に開発されたシステムを妥当な価格で購入することで、小売業者が、ベンダーに小売業者自身の情報システムの構築を依頼して、小売業者により特定されたガイドラインに基づいて業務を行うようにベンダーに対して要求する場合に比べて、より効率的に複数のベンダー間でシステムの開発費を分散させ得る。第4に、RFID/RSSバーコードタグがラベルとして使われている場合は、既存のシステムでその新しいラベルを読み取ることが可能なので、既存のアイテム識別システムを新しい規格に変換して、透過的な(transparent)ものになし得る。新しいリーダー及びスキャナーが導入されれば、情報は、ベンダーにより読み取り可能であり、小売業者に送信可能である。
【0037】
図7は、消費者、小売店、小売情報システム、小売業者に対する供給業者(ベンダー)の関係の例を示すものである。異なるエンティティ間の通信に使用される情報は、全てベンダーから始まる。製品情報の形式での情報(例えば、アイテム番号(UPC)、有効期限、ロット番号、シリアル番号、詳細(in depth)製品説明書(product description)、製造時間及び製造場所等)は、RFIDタグとそれに対応するRSSバーコードの形態で、製品自体に付けることができる。製品が小売業者の倉庫や配送センターに到着すると、関連する情報がスキャンされ、フォーム及びミドルウェアを使用することによって、小売業者の情報システムに入力される。この情報を利用することによって、小売店で利用される多様な販売及びマーケティングの提案(propositions)を作成することができる。例えば、特定の場所からの食べ物などの製品が、最新のニュースレポートの中で肯定的或いは否定的に強調されている場合は、小売業者は、コンピュータ制御のリアルタイムディスプレイを使って、ニュースレポートと適合するように、特定の場所からの商品であること、もしくは、特定の場所からではない商品であることを消費者に対して宣伝することができる。さらに、それに関連する情報を使って、製品情報を消費者に提供することができる。また、その情報を使って、リベート、クーポン、返品に関する支援を消費者に対して行うことができる。店で商品が小売業者から消費者に渡される際に、小売業者は商品に関する情報を使って小売業者のシステムを増強(augments)することができる。在庫と購入の傾向(habits)に関する情報は、ベンダーに対する再注文と配送に関する要件の形式で、供給業者にリレーされる。小売経験に基づいて情報の流れと質を向上することによって、小売業者は、これらの利点を利用して収益を上げることができる。
【0038】
一例において、収集され、消費者に送信され、ベンダーに戻される付加的情報を使って、店を介してベンダーによりオファーされる有効なリベート及びクーポンプログラムを構築することが容易化する。現状のシステムでは、クーポンやリベートのオファーに関する正確な情報を消費者に提供するための店の能力が欠如している。現状のシステムでは、消費者の情報をベンダーに戻するための店の能力が欠如している。従って、郵便やインターネットを使ってベンダーと直接対話することは、消費者に任されている。これによって、小売業者がクーポンプロセスに参加することが大幅に妨げられる。また、消費者は、小売業者が、当該ベンダーの製品が、実際に、購入されたことを、タイムリーにベンダーに示すというタスクに直面する。ベンダーは、消費者を、消費者というより泥棒(thief)として扱う。クーポンを配布することの利益が最小になり、小売業者がクーポンプログラムによって実現したいかなる利益も、失われる。クーポン情報を小売業者自身の情報システムに流すことによって、消費者、小売業者、ベンダーは皆その恩恵を得ることができる。消費者、購入された製品、小売りの場所に関するより信頼のおける情報とともに、リベート(rebates)が自由に提供することができる。
【0039】
上述の発明を利用して収集され、消費者に送信され、ベンダーに戻される付加的情報を使って、ベンダーにより小売業者を介してオファーされるより有効なリベート及びクーポンプログラムの構築を容易化する技術が幾つかある。そのような技術の例を以下で説明する。
【0040】
UCC/EAN−128コードから省スペースシンボル(RSS)やその他のコンパクトな、及び/又は、2次元コードに至る、クーポンで利用されるコード(symbology)を変更することによって、非常に大きな付加的情報をバーコードシンボルに包含させることができるので、機能が大幅に拡張されたクーポンを作ることが可能になる。さらに、クレジットカードのトランザクションのフォーマットをエミュレートすることにより、既存の、もしくは、もはや遺物となった(legacy)クレジットカード処理インフラを使うことによって、クーポンを利用したバーコード、磁気ストライプ、及びスマートカードを、クレジットカードのトランザクションとして処理することができる。これには、クーポンに関連付けられる付加的データを搬送する(convey)だけでなく、それに関与する金銭の処理をスピーディにできるという利点があり、これにより、非常に大きな新しいマーケティングの機会が生まれる。また、引換え(redemption)センターでは、引換えのためにクーポンを収集することの退屈さもなくなる。さらに、本発明は、1次元シンボル及び2次元シンボルの両方をもつバーコード化クーポンを提供することによって、好都合なことに、段階的に実行することができる。
【0041】
図1は、クーポン処理システムを示す。販売時点情報管理システム(POS)の場所100は、商売業者が製品或いはサービスを提供する小売店、セルフサービスのキオスク、仮想の位置、顧客の家、その他の職場であってよい。“商売業者 (merchant)”の語は、公衆に奉仕するビジネス、政府、企業間ビジネス(business-to-bubiness)等を含む、製品或いはサービスを提供するあらゆるビジネスを、実質的に包含する意味である。“販売”、“購入”等の語は、従来の意味での販売と、製品やその他の段取り(arrangements)のレンタルを包含する意味である。スキャナー/リーダー110は、バーコード化クーポン105をスキャンするか、或いは、磁気ストライプカード或いはスマートカード、例えば、クーポンカードを読み取るものであって、それらはいずれも、本発明に基づくデータを使って符号化されているものである。スキャナー/リーダー110は、情報を読み取り、商売業者(merchant)用コンピュータシステム120或いはクレジットカード端末115に情報を送信するソフトウェアを備える。公知のスワイプリーダ(swipe reader)を使うことで磁気ストライプカードの読み取りができ、また、公知のスマートカードリーダを使うことでスマートカードの読み取りができる。従って、ペーパーなどの基板(substrate)上に印刷されたバーコードシンボルを備えるバーコード化クーポンに加えて、等価な(equivalent)データを記憶する磁気ストライプカード及びスマートカードなどの他のデータ記憶媒体と一緒に本発明を使ってもよい。現代の多くのPOSの場所には、既に1次元バーコードと2次元バーコードの両方とも読み取れるスキャナーが設置されている。RSSに対応可能なスキャナーの例としては、Sympob Technologies,社製のCycloneがある。スキャナー110が、例えば、2次元バーコードの読み取りができずに、1次元バーコードしか読み取れない場合は、スキャナー110はRSSコンパチブルではなく、クーポンの従来のバーコードの部分の読み取りが能である。そうでない場合は、RSSコンパチブルの専用2次元スキャナー112を備えていてもよい。スキャナー/リーダー112は、クレジットカード端末115と一緒に動作するスタンドアロン型のRSSクーポン端末でもよい。スキャナー/リーダー112は、チェックアウトカウンタに配置してRSSクーポンだけをスキャンする第2のハンドヘルド型スキャナーでもよい。スキャナー/リーダー110はRSSコンパチブルではないため、単独の専用2次元スキャナー112を使うことによって、クーポンをスキャンする、或いは、読み取ることができる。スキャナー/リーダー110が、RSSコンパチブルである場合は、単独の専用2次元スキャナー112は不要である。さらに、クーポンには、クーポンが2次元スキャナーで処理される必要があることをレジ係と消費者に知らせるためのグラフィックとそれをサポートするテキストが含まれていてもよい。
【0042】
小企業でも、2次元バーコードスキャン機器の購入が可能になりつつある。実際に、本発明から得られる恩恵のおかげで、以前はスキャナーが必要ではなかった企業による購入が奨励される。この中には、製品ではなくサービスを顧客に提供することを主業務とするサービス業の企業、例えば、ヘアサロン、旅行代理店、娯楽施設などが含まれている。レジ係及び消費者は、特別なトレーニングを受ける必要がない。何故ならば、本発明に基づいて提供されるクーポンが従来のクーポンと同様に扱われスキャンされるからである。さらに、全ての処理が電子的に行われるので、スキャン後にクーポンを廃棄してもよい。廃棄されたクーポンは、悪用されることがないように、例えば、シュレッダーにかけて破壊される。シュレッダーは、この目的のためにスキャナー/リーダー110或いは112に組み込まれていてもよい。
【0043】
スキャナー/リーダー110或いは112は、スワイプリーダとキーパッドを装備可能なクレジットカード端末115と通信する。クレジットカード端末115のRS232ポートを使って、スキャナー/リーダー110或いは112からデータを受け取ることができる。こうしたポートは、キーボードなどの周辺機器とのインターフェイスのために利用可能である。クレジットカード端末115は、製品やサービスに対する支払いにクレジットカードとデビットカードの使用が可能なビジネスで利用されるユビキタス型(ubiquitous)のものあってもよい。VeriFone社はメジャーな供給業者の一つである。一般的に、クーポン情報は、クーポンをオファーすることが設計されている場合には、様々な手段、例えば、情報を手動でタイプしたり、バーコードを読み取ってASCIIテキストデータとしてユニットに送信したり、磁気ストライプ或いはスマートカードの読み取りを介して、クレジットカード端末115に送られる。スキャナー110は、RS232リンクが利用可能であればこれを利用して、商売業者用コンピュータシステム120と通信することができる。商売業者用コンピュータシステム120は、インベントリ管理やその他の目的のために、購入された製品や販売量(sales figures)などの情報を記憶することができる。また、商売業者用コンピュータシステム120は、スキャナー110からクーポン情報を記憶することができる。キャッシュレジスタ及びディスプレイ122は、本技術分野では公知の商売業者用コンピュータシステム120と通信して、購入された各アイテムの値段を消費者に知らせることができる。
【0044】
本発明によれば、スキャナー/リーダー110或いは112から得られた情報には、クーポンで提供される値引きに応じるエンティティであるクーポン発行者のクレジットカード番号やデビットカード番号などの口座識別子が含まれていてもよい。以下でさらに説明するが、そのような口座識別子を利用することによって、既存のスキャナー/リーダー110と、クレジットカード端末115と、既に設置された上流の処理施設及びプロトコルを含むクレジット/デビットカード処理インフラを使うことによって、クーポンを電子的に処理することができる。製品と値引きなどのクーポントランザクションの情報は、クレジットカード端末から上流の処理施設に送られる口座識別子などに上乗せされ(piggybacked)、同様に、クレジッドカード端末から上流の施設に送信される。クーポンの値引きは一定値として、或いは、アイテムの定価のパーセンテージとして与えられてもよい。あるアプローチによれば、クレジットカード端末115は、スキャナー/リーダー110或いは112からのクーポン情報を処理する。他のアプローチによれば、クーポン情報は、クレジットカード端末115と類似の機能をもつ商売業者用コンピュータシステム120によって処理される。どちらにしても、異なるトランザクションに対するクーポントランザクション情報は、クレジットカード端末115か、或いは、商売業者用コンピュータシステム120に記憶可能である。周期的に、例えば、毎日、クーポントランザクション情報は、電話ネットワークなどの通信ネットワーク125を介して処理センター135にバッチジョブとしてアップロードされる。重要なことは、クレジットカード及びデビットカードでの購入用に既存のプロトコルを使用して、クーポントランザクション情報が通信されるということである。クレジットカードやデビットカードのトランザクションの記述に関わる、複数の(several)規格或いはプロトコルがある。基本的な規格は、本願の援用文献であるANSI X9.1−1991の「トラック3の銀行カード磁気ストライプデータの内容(Bank Cards Magnetic Strip Data Content for Track 3)」である。本発明によれば、クーポンバーコードから読み取られたデータは、トラック3のデータをエミュレートしたもの
であってもよい。しかしながら、多くのバリエーションが可能であって、クレジットカードやデビットカードの処理系と一緒に本発明を利用することができる。処理センター135で提供されるサービススケジュールに沿ってクーポンデータのバッチ処理及び他の処理が行なわれる。
【0045】
ANSI X9規格は、クレジットカード番号或いはデビットカード番号、カード/支払いタイプ、有効期限、カードと消費者が存在しているかどうか、取引金額、商売業者識別子、レジ係が手動入力した、例えば顧客の郵便番号、トランザクションの日時やその他のデータ等のセキュリティ/認証コード等のトランザクション情報の通信のための規格である。本発明で利用されるこの情報は、“クーポントランザクション情報”と呼ばれる。顧客がクレジットカードを使ってアイテムの代金を支払う従来のトランザクションでは、105文字までのANSI情報が顧客のクレジットカード・トランザクション報告(statements)に載っており、顧客にトランザクションの記録を提供する。しかしながら、本発明では、口座識別子は、クーポン発行者と関連づけられており、値引き量、製品識別子、消費者データ、その他の情報を含むクーポン情報は、105文字で送ることができる。
【0046】
特に、ANSI X9のサブセットは、ANSI X9.59の「支払カードプロセス(Payment Card Process)」であって、これは、以下のデータ要素を備えることができる。これは、クレジットカード・トランザクションの中で予想される典型的なものである。この規格は、デビットカードにも同様に適用可能である。支払カードとは、クレジットカードやデビットカードを参照する。
【0047】
ANSI X9.59署名付(signed)支払要素:
標準バージョン X9.59 プロトコルバージョン
支払コード 商売業者に対する支払い命令
PrcC 顧客口座番号(クーポン発行者の口座番号となる)
LUID (顧客)局所的にユニークな識別子
PrcM 商売業者の口座番号/id
PaydataC 通貨の種類とトランザクション量
DateS トランザクションの日時
DateE 口座の有効期限
SHS{OD} 注文細目のハッシュ値
DSS{VD} X9.59署名付要素のデジタル署名
X9.59 追補フィールド:
標準バージョン X9.59 プロトコルバージョン
支払コード 商売業者に対する支払い命令
LUID (顧客)局所的にユニークな識別子
DateS トランザクションの日時
SHS{OD} トランザクションの日時
DSS{VD} X9.59符号付要素のデジタル署名
しかしながら、多くのバリエーションが可能であり、本発明は、いかなるクレジットカード処理系も包含することを意味する。
【0048】
本発明は、クーポン発行者から支払いを受けるために処理可能ないかなる種類の口座識別子と共に使うことに適している。これには、ANSI X9規格を使ってクレジットカードと同様の処理が可能なデビットカードだけでなく、ユニバーサルクレジットカード、アフィニティ(affinity)カード、ビザカードやマスターカードやディスカバーカード(Discover Card)等の銀行発行の銀行カード、アメリカンエクスプレスカードやダイナーズクラブカードやCarte Blancheカード等の娯楽用(entertainment)カード、百貨店やガソリンスタンドや電話会社等の特定の企業や企業チェーンでのみ有効なハウスカードを含むクレジットカードの口座番号が含まれている。国内の(national)ほとんどのクレジットカードとデビットカードには、ANSI X4.13−1983規格に基づく番号付け体系があり、ハウスカード、ガソリン(gas)カード、電話カードもその体系に従うことが多い。“クレジットカード番号”、“デビットカード番号”などの用語は、クレジットカードの識別子やデビットカードの識別子をそれぞれ包含するものであって、その識別子は数字列、文字列、その他の記号、或いはそれらのあらゆる組み合わせを含む。
【0049】
ANSI X4.13規格では、クレジットカードやデビットカードは15桁(15-digit)の口座番号と1つのチェックデジットを備える。クレジットカード番号の第1の桁は、体系を示し、例えば、旅行/娯楽カードは3、ビザカードは4、マスターカードは5、ディスカバーカードは6である。カード番号構造は、体系毎に異なる。例えば、アメリカンエクスプレスカード番号は37から始まり;ダイナーズクラブカードやCarte Blancheカードは38から始まる。アメリカンエクスプレスカードの3及び4桁目は種類と通貨、5から11桁目は口座番号、12から14桁目は口座中のカード番号、15桁目はチェックデジットである。ビザカードの2から6桁目は銀行番号、7から12桁目或いは7から15桁目は口座番号、13から16桁目はチェックデジットである。マスターカードの2及び3桁目、2から4桁目、2から5桁目、或いは、2から6桁目は銀行番号である(2桁目が1,2,3、或いはその他の番号であるか否かに依存する)。銀行番号の後の15桁までの桁は、口座番号で、16桁目はチェックデジットである。
【0050】
オプションとして、各トランザクションの直後にクーポントランザクション情報を処理することが可能である。各トランザクションのための認証コードを処理センター135から得るという、クレジットカード端末115のためのオプションもある。この認証コードは、クレジットの口座が評価がよく(in good standing)、収支残高(balance)も利用するには十分な額であることを保証するものである。それは、従来のクレジットカードで購入する際に受け取るものと同じ認証コードであり、特定の状況で得られ得るものである。例えば、クーポンの割引が特定のドル値を上回ると、認証コードが得られてよい。これは、例えば、値引き額をチェックしてそれが所定の額を超えているかどうかを確認するソフトウェアを利用することによって達成可能である。上述したように、このコードは、クレジットカード端末115によって記憶され、周期的に処理センター135にアップロードされる。商売業者は、クレジットカード端末115のプロバイダとの契約(agreement)に基づく認証コードを欲する場合がある。例えば、プロバイダがトランザクションのための認証コードを得ることに同意した場合は、商売業者はその端末を利用するために、より低額の月額料金が課金されることで済む。何故ならば、無認可のトランザクション、或いは、不正のトランザクションがほとんど発生しないからである。一方、そのコードを待っている間に、チェックアウトプロセスで遅延が発生することがある。
【0051】
銀行との関連付けが可能な処理センター135は、例えば、POS100から受信されるクーポントランザクション情報を、それがあたかも従来の消費者クレジットカードやデビットカードでの購入であるかのように処理する。しかしながら、本発明によれば、クーポントランザクション情報の口座識別子は、消費者とではなくクーポン発行者と関連づけられているので、クーポン発行者の口座155に対して、クーポンの値引き額に対応した課金がされる。また、処理センター135や関係する(involved)エンティティによりサービス料が課され、サービス提供者口座150に保持され得る。この料金は、従来のクレジットカード或いはデビットカードトランザクションで課される処理料金、例えば、固定の料金やパーセンテージと類似であり得る。クーポントランザクション情報に含まれている値引き額は、クーポンを受け入れた商売業者の口座165の貸方に記入される(credited)。商売業者は、既存のプロトコルを使って処理センター135にクーポントランザクション情報とともに送られる商売業者識別子によって識別可能である。処理センター135のデータベースは、商売業者識別子を、電子送金(electronic funds transfer:EFT)のための商売業者の口座番号に関連付け得る。或いは、商売業者の口座番号自体は、クーポントランザクション情報内で搬送され得、この場合、返済(reimbursement)のためのルーティングを行なうためデータベース参照を行う必要はない。また、以下で説明するが、消費者の口座に信用貸し(credit)をすることも可能である。商売業者に対して非常に迅速に、例えば、わずか1或いは2営業日で返済ができることは利点である。また、本発明によって与えられる短フロート時間(short float time)のおかげで、商売業者はより高額な、例えば、5.00ドル、50.00ドル、もしくはそれ以上の額のクーポンを快く受け入れることができる。従って、製造業者と、メールプログラムを使って事前にリベートに従事して電化製品(appliances)等のより高額のアイテムに対して大幅な割引を消費者に提供できる者とは、所望の割引額のクーポンを簡単に提供することができる。消費者は、メール(mail)でリベートを求めて数週間待つのではなく、購買時点で割引を受けられるので、そのようなオファーに対してより反応を示すことになる。これらのリベートは、“クーポンリベート”と呼ばれる。従って、本発明によれば、予めクーポンによって適度の、例えば、1ドル或いはそれ以下の節約を提供するアリーナ(arena)から、数千ドルの購買が日常的に処理されるアリーナまでクーポンを移行することにより、いかにクーポンがアプローチされるかについてのパラダイムシフトが可能になる。さらに、高額のクーポンの値引きには、既存のクレジットカード及びデビットカード処理インフラでの保護と同じ保護が与えられる。
【0052】
図2は、クーポンの処理方法を示す。ステップ205から225は、POSの場所100で発生し得、一方、ステップ230から260は、処理センター135で発生し得る。ブロック205では、クレジット番号がクーポン105から読み取られ入力される。受信された情報が、例えば、デジット数やその他の評価基準に基づいて、有効なクレジットカードでないと思われる場合には、トランザクションは拒否される(ブロック225)。ブロック210では、クーポンの有効期限を調べて、クーポンが有効期限切れかどうかが決定される。そうである場合は、トランザクションは拒否される。ブロック215では値引き額が取得される。この額が読み取れない場合、或いは、製品やその他の評価基準と矛盾すると思われる場合には、トランザクションは拒否される。ブロック220では、クーポンに符号化されているその他のデータが取得される。このデータには、本発明の技術を利用して符号化可能な新たな情報、例えば、クーポンの配送及び引換えに関する情報と、払い戻しがされる消費者に関する情報とが含まれ、また、一般人口統計データと個人に関連付けられる特定データとが、利用可能であれば、含まれていてもよい。
【0053】
上述のステップの実行が成功すると、クーポントランザクション情報がさらに処理される。ブロック230では、発行者のクレジット口座或いはデビット口座をチェックして、この口座の引き落とし状態がよい(in good standing)かどうか、また、貸し出し限度額が十分であるかどうかを確認する。これには、上述のように、認証コードが含まれていてもよい。一般的に、大規模製造業者などの評判のよいクーポン発行者は、製造業者からの支払いをうける前に商売業者に返済する処理施設(processing facility)により付け売りをする(extended credit)ことができる。それ以外の場合は、処理施設は、発行者に対して、商売業者に対する支払いよりも前に現金で保証金を積むことを要求することができる。クーポンの値引きのために支払い口座(account or payment)には、クレジットカード・プロトコルに基づいて発行者から送金された資金(funds)を有してもよい。この口座は、最低の収支残高とそれに付属する補充レート(replenishment rate)を有してよい。この点に関する問題が見つかった場合は、トランザクションは拒否される(ブロック235)。そのような問題が検出されなかったと仮定すれば、ブロック240で、トランザクションが処理され、その結果、資金を小売業者或いは他の商売業者に送信し(ブロック245)、処理に対する料金を引き(ブロック250)、製造業者の口座、例えば、クーポン発行者の口座から資金を引き出すことができる(ブロック255)。クーポンは、クレジットカードのトランザクションと同じように処理されるので、クーポントランザクション情報の中のオファーコード(offer code)と、発行者及び処理ユニット間に確立されたトランザクション処理(handling)に関する特定の細目とに基づいて、発行者の口座から金額が引き出され、商売業者の口座に送金される。ブロック260では、人口統計などに関するデータをさらに分析してマーケティングリサーチを行うために、そのデータが、施設に送信され得る。クーポントランザクション情報から作成されたレポートが、蓄積されて、定期的にクーポン発行者に提示され得る。クーポン発行者は、毎月、毎週、毎日、もしくは他の時間間隔から選択して、情報レポートを受け取り、商売業者への返済支払いのスケジュールを決めることができる。
【0054】
特に、クーポン発行者やその他のエンティティは、利用可能な、豊富な新しいクーポン情報を処理するためにソフトウェアを採用し得る。クーポンフォーマットをコーディネートすることによって、広告主及び小売業者は、高い目標のマーケティングと、消費者の購買傾向や消費者の人口統計情報等を収集するためのマーケティングとを提供する方法を考案することができる。例えば、クーポン情報には、クーポンの配送、引換え、及び引換えを受ける(redeemed)特定の消費者に関する情報が含まれていてもよい。配送情報には、クーポンが配送された地理的な位置や、特定の配送媒体(media)、例えば、新聞名や雑誌名や、特に朝刊、昼刊、夕刊等の新聞の特定の刊名や、媒体の発行日が含まれていてもよい。さらに、例えば、ダイレクトメールにより、特定の消費者に提供されるクーポンには、消費者の識別子、或いは、年齢、教育歴、収入、家族構成、過去の購入傾向等の人口統計情報が、個別に符号化されてもよい。
【0055】
また、消費者がウェブサイトから印刷するクーポン、例えば、ウェブ(web-based)クーポンには、消費者がウェブサイトと交信することによって得られる消費者に関する特定の情報が含まれていてもよい。消費者が多様なクーポンから選択して引換えのために印刷できるインターネットウェブサイトは、ユニークに識別可能であり、重複して使用されないようにシリアル番号がつけられている。消費者は、手持ちのコンピュータとプリンタを使ってクーポンを印刷するために、ウェブサイトからデータを受け取る。このようなクーポンは、他の媒体で印刷されたクーポンと同様に見え、例えば、バーコード、製品の写真、引換えに関する商売業者情報、制約、オファーコード、割引額、有効期限、を有し得る。このクーポンは、店舗で提示され、クーポン発行者によって印刷されたクーポンと同様に処理される。そのユニークな符号化方法及びシリアル番号によって、クーポンが2度、或いは、重複して使用されないことが保証される。消費者は、重複使用に対して、警告され得る。また、クーポンは、消費者の名前を備えていてもよい。人口統計情報は、クーポン処理中に製造業者に送信される。
【0056】
例えば、消費者は、注目する(of interest)アイテムの割引を求めてクーポンを得るため、調査に回答するように求められ得る。ウェブサイトからのデータを利用して消費者によって印刷されたクーポンは、回答から得られた情報を含んでいてもよい。さらに、消費者が支払い或いは賞(award)を受け取るように指示するクーポンを印刷するためのデータを受け取ることによって、消費者には、ウェブサイトと交信することに対する現金での支払いや賞が与えられることがある。この場合、クレジットカード番号或いはデビットカード番号、或いは、例えば銀行口座の識別子等の他の口座識別子、例えば、当座預金番号や普通口座番号は、クーポン発行者、例えば、調査のスポンサー、のクレジットカード番号或いはデビットカード番号と共に、クーポン内に符号化される。また、調査に対する消費者の回答もクーポンの中で符号化されていてもよい。クーポンを処理することは、消費者がクレジットカード或いはデビットカードを使って購入したアイテムを返品する際に掛け(credit)を得る手法と、同様である。代替的に、消費者の当座預金口座や普通預金口座に対して電子支払いを行うことができる。或いは、消費者は、製品やサービスに対する引換えができるマイレージサービス(frequent flyer miles)と類似のポイントの報酬を受けてもよい。本願で説明したように、“報酬(award)”等の語は、消費者に対するあらゆる支払いや賞を包含している。消費者には、ウェブサイトとの交信後に、さらに別の要件なしに報酬が与えられてもよい。
【0057】
例えば、製造業者は、ウェブサイトを構築でき、ここで、顧客は、お金を稼ぐという追加的インセンティブに参加するように勧誘される(invited)。消費者は、有効期限、口座番号、ストリートアドレスを備える消費者のクレジットカード情報或いはデビットカード情報を記入する。調査のために、ウェブサイトから、「5分間使って以下の10個の質問に回答して、Proctor and Gambleから1.00ドルを獲得して下さい」というメッセージが出され得る。顧客は、その調査票に記入し、次に、セキュリティ目的で、顧客のクレジットカード或いはデビットカード、有効期限、及びストリートアドレスについて尋ねる一連のテキストフィールドに記入する。次に、顧客は、結果として得られたクーポンを印刷し、それを処理する商売業者にもっていく。別のアプローチでは、ウェブサイトから、「即座にProctor and Gambleから1、000、000ドルを獲得できるコンテストに出場して下さい」というメッセージが出され得る。顧客は、参加申し込み書(entry blank)及び上述の一連のテキストフィールドに記入する。記入事項は、ウェブサーバに送られて、顧客が勝者であるどうかが確認される。顧客は、そこでオンラインで通知をうけ、データを得てクーポンを印刷し、賞(prize)を請求する。或いは、顧客は、クーポンを認証された商売業者に持っていき、そこで顧客が賞を獲得したかどうかが確認される。
【0058】
本発明に係るクーポンの別の利点は、搬送される付加的情報のおかげで、クーポン発行者が、製品の製造業者とは違うエンティティでもよいことである。このおかげで、クロスマーケティング、及び新しい種類のマーケティングと取引のための多くの機会が生まれる。対照的に、従来のクーポンだけが、製造業者の識別を可能にし、クーポンが適用される製品のコードと同じUCC会社番号を持つ。例えば、本発明に係るバーコードは、UCC会社番号を介して製造業者を識別する従来の部分と、他の関係者(party)の口座識別子を識別する2次元バーコード等の付加的部分とを有してよい。一例として、ヘルスクラブは、消費者が練習用器具や健康食品のための割引のクーポンを発行したり、或いは、ホテルは、消費者がレンタカー或いはローカルアトラクションの入場料のための割引のクーポンを発行する。その他の例では、個人が、贈答用として、受取者が特定の製品やサービスの割引をうけるクーポンを印刷し得る。
【0059】
使用可能な多様なバーコードのコード(symbologies)について、以下で説明する。一般的に、本発明に係るバーコードの記号は、既存のクーポンの線形フォーマット、例えば、UPC AやUCC−EAN−128などのうちの1つに類似しているが、例えばRSSシンボル等の2次元シンボルをさらに追加したものである。POSの場所のチェックアウトカウンタをいかに設計するかに依存して、スキャナーは、どの記号からでも付加的情報を探しだすことができる。例えば、スキャナーが新しいRSS2次元付加的データを探すように設計され、しかも、それがクーポンであることを示す先頭桁が「5」であるUPC(A)コードであることがわかった場合には、RSS2次元データをUPC(A)コードに追加することもできる。他方、クーポンのUCC/EAN−128の部分が適切なフォーマットであって、かつ、そのような記号に遭遇した(encounters)場合は、スキャナーは付加的情報を探すことができる。スキャナーにUCC/EAN−128コードがRSS記号(symbol)の線形部であることを理解させるために必要なフラグ及びリンケージ(linkage)文字が記号に含まれている場合は、そのUCC/EAN−128コードはRSSシンボルの線形部として読み取りが可能である。幸いに、スキャナーは、フラグ及びリンケージ文字があろうとなかろうと、UCC/EAN−128コードの読み取りが可能であって、そのどちらでも動作するように設計することが可能である。
【0060】
本発明の一態様によれば、本願で開示されるバーコード記号を生成するようにプログラムされたパーソナルコンピュータ等のコンピュータと、本願で開示される機能を備えるバーコード記号を生成するソフトウェアを備えるコンピュータプログラム製品が含まれる。このために、あらゆる公知のソフトウェアの開発とコンピュータプログラミング技術を利用することができる。Barcode Technology社はそのようなソフトウェアの供給業者の一つである。
【0061】
図3(A)は、従来のUCC/EAN−128クーポンフォーマットを示す。記号は、垂直線だけを含んでいるので、線形、或いは、1次元である。この記号は、並べられた(side by side)2つのバーコード、即ち、左側にUPC(A)ユニバーサルプロダクトコード(Universal Product Code)記号305、右側にUCC/EAN−128記号310を備えている。この2つの情報を、1回のスキャンで走査することが、本目的で設計されたスキャナーでは可能である。
【0062】
図3(B)は、UCC/EAN−128バーコードと組み合わされた2次元バーコードの第1の実施形態を示す。この記号は、記号のUPC(A)部分の上側に印刷されるRSS2次元複合コード325を含むUCC/EAN−128クーポンフォーマット320を備える。UCC/EAN−128クーポンフォーマットの規格に準拠する新しいRSS2次元情報によって、新しいRSSスキャナーを装備した小売業者も、新しい機器を持たない小売業者も、同じクーポンを使うことができる。RSS情報の読み取りが可能な新しいスキャナーを装備した小売業者は、本願で説明した新しい方法で処理されたクーポンを得ることができるという恩恵を得ることができる。新しいRSSスキャナーをもたない小売業者は、いつもどおりのやり方でクーポンを受け入れ続けることができる。
【0063】
図3(C)は、UCC/EAN−128バーコードと組み合わされた2次元バーコードの第2の実施形態を示す。シンボルは、シンボルのUCC/EAN−128部分の上側に印刷されるRSS2次元複合コード325を含むUCC/EAN−128クーポンフォーマット330を備える。
【0064】
図4(A)−(C)は、バーコード記号の例であって、その設計は、UCC/EAN−128クーポンフォーマットの規格に準拠するための要件から制約を受けることはない。それらは、バーコードのサイズを最小化するように全面的に再設計されたものであって、付加的RSS2次元バーコードを備える本願で説明した情報交換(informational exchange)のタイプを反映したRSSクーポンを提供するものである。
【0065】
図4(A)は、コード128(Code 128)のバーコードと組み合わされた2次元バーコードを示す。この記号は、コード128のバーコード415の上に印刷される2次元複合バーコード410を備える。
【0066】
図4(B)は、UPC(A)バーコードと組み合わされた2次元バーコードを示す。この記号は、UPC(A)バーコード435の上側に印刷される2次元複合バーコード410を備える。
【0067】
図4(C)は、スタックバーコード(stacked bar code)と組み合わされた2次元バーコードを示す。この記号は、RSSスタック(stacked)全方向成分445の上側に2次元成分440を備える。
【0068】
図5(A)−(G)は、最適化されたクーポンバーコードの例である。これらは、バーコード記号の別の例を示すものであって、そのデザインは、UCC/EAN−128クーポンフォーマットの規格に準拠するための要件から制約を受けることはない。これらは、バーコードのサイズを最小化するように全面的に再設計されたものであって、付加的RSS2次元バーコードを備える本願で説明した情報交換のタイプを反映したRSSクーポンを提供するものである。それらのバーコードでは、利用可能な異なるサイズを示している。異なるRSS記号の構成及びタイプがあるおかげで、異なる方法で利用することが可能となっている。各コードは、結果的に異なる幅をもつことになる異なる文字数を運ぶ(carrying)ための線形部分を備え、他方、各例の2次元部分は同じである。例えば、図5(A)−(G)の線形部分は、それぞれ、6から12桁(digits)を運ぶためのものである。
【0069】
クーポンでは、小さなバーコード記号を使うことができるので、全体としてクーポンサイズを小さくすることができ、或いは、人間が読み取り可能なプロモーション(promotional)情報を提供することができる。例えば、図4(C)のフォーマットの全領域は0.66平方インチ、或いは、図3(A)のUCC/EAN−128クーポンフォーマットの5.25平方インチ領域の12%である。また、RSSクーポンは、さらに60文字のデータを運ぶことができる。同じクーポンをオファーするために必要なページ数が少なくなるため、広告費を削減することができる。或いは、クーポンの新しいスペースをグラフィック用などとすることができる。同様に、使用ペーパー数が削減されたことによる環境的な効果もある。
【0070】
また、本願で開示されたバーコード化クーポン記号は、一般的なのUCC/EAN−128クーポンフォーマットが備える情報量、例えば、オファー番号、シリアル番号、有効期限、製品識別子、ファミリーコード、価値コード(value code)、の情報量を超えるより多くの情報を提供することができる。RSSのバリエーションによって、のUCC/EAN−128クーポンフォーマットの14文字を超える情報である56、338文字、或いは、2363個の文字がさらに(56,338 or 2363 more characters)可能になる。現在のところ、338文字フォーマット(338-character format)が適当であると考えられている。
【0071】
クーポンに含まれる新たな情報用の標準フォーマット(standardized format)を用意することができる。例えば、標準(standard)のUCC/EAN−128クーポンフォーマットを超える付加的情報には:Global Trade Item or IdentificationNumber(GTIN)が、(01)のアプリケーション識別子(AI)、AIでの日付(20)、時間(the Time)、オファーコード(the Offer Code)、オファー有効期限(the Offer Expiration Date)、サブオファーコード(the Sub-Offer Code)、発行日(the Issue Date)、及びユニークなシリアル番号と共に、が含まれ得る。例えば、オファーコード“12345”を、2002年8月24日、日曜日にニューヨークタイムズ新聞に印刷されてニューヨークのメトロポリタン地域に配布されたブランドXの石鹸のクーポンに割り当てる。サブオファーコードは、発行されたクーポンが新聞の朝刊なのか、昼刊なのか、夕刊なのかを識別するものであってもよい。
【0072】
既存のクーポンフォーマットに関する別の問題は、ファミリーコード用の領域が制限されていることである。ファミリーコードは、製造業者によってデザインされており、クーポンの目的とする製品セットはどれなのかを示すものである。しかしながら、様々な会社の製品ラインの特性から、製品間の区別をつけるにはこれが常に十分なものであるとは限らない。従って、本発明のクーポンの新たなデータ搬送(data-carrying)能力を利用することによって、拡張されたファミリーコード情報を符号化してもよい。
【0073】
また、クレジットカード或いはデビットカードの口座の有効期限(expiration date)、及び/又は、個人的なクーポンオファーの有効期限を、クーポンに符号化してもよい。後者は、その処理中に、引換えに対するクーポンの有効性を確立することに使用される。製造業者は、同時に1つ以上のクーポンを提供することができるので、クーポン間で有効期限が変わる可能性がある。また、RSSクーポンは、特定の配送方法のための準備を行う際に、製造業者によって入れられる(put into)特定の情報を備えることができる。例えば、特定の雑誌や新聞の読者が、特定のセットの人口統計をもつ場合は、その人口統計の数字を、雑誌に印刷されるクーポンに挿入してもよい。これによって、引換えの際にその情報が製造業者に回されることになる。
【0074】
上述の情報に加えて、クーポンの文字列全体を暗号化し、CRCコード及びセキュリティコードを保持してもよい。CRCコードは、データの完全性(integrity)をチェックして、クーポンの重複や不正を大幅に減らすか、或いはなくするように機能する。クーポンに強い特異性(degree of specificity)をもたせて印刷することができるので、不正パターンや重複パターンを容易に検出することができる。クレジットカード番号及びデビットカード番号の不正使用を避けるために、その他のセーフガードを備えていてもよく、これには、例えば、クーポンで使うクレジットカード及びデビットカードの所定の番号シーケンスを留保し(reserving)、オファーされた値引き額に基づいて関連するトランザクションを制限する方法がある。さらに、発行者のクレジットカード或いはデビットカードの口座に、クーポンの有効期限に基づく有効期限を設けてもよい。
【0075】
RSSクーポンの2次元部分の情報を符号化することによって、他人が同じ情報を読み取ったり使ったりし得ることを防止し、また、クーポン発行者のみが利用可能な同封(enclosed)情報を処理センターが読み取ることを防止することができる。
【0076】
さらに、重複や不正を減らすために、ユニークなオファーコードとサブオファーコードを割り当てることによって、大量印刷されたクーポンを容易に区別することができる。
【0077】
本発明の別の利点は、小企業、個人、その他のエンティティがクーポンを発行できることである。これと比較して、従来のシステムでは、UCC/EAN番号をもつ会社だけが、既存のUCC/EAN−128クーポンフォーマットを使うことによってクーポンのスポンサーになれる。本願で説明したクーポン引換えシステムは、UPCシステムの製造業者であるかないかに無関係に、クレジットカード或いはデビットカードの口座、バーコード印刷ソフトウェア付きパーソナルコンピュータをもついかなる会社、個人、その他のエンティティでも開くことができることである。その結果、新しい取引の機会が期待される。
【0078】
クーポンが最適に利用され、クレジットカード或いはデビットカードのシステムを介して引換えできるシステムを構築するために、幾つかの技術とビジネスプラクティスを実施すべきである。これには、以下の事柄が含まれる。即ち:
a. 銀行提携 ――銀行は、エスクロー口座と最低収支残高の契約の約定に基づいて、クーポン発行者のクレジットカードやデビットカードの口座を処理するよう準備(setup)しなければならない。
【0079】
b. 処理/スキャナー ――クーポンからのクーポン情報を受入れ可能な“ベリフォン(Verifone)”やその他のクレジットカード処理機を使用して下さい。RSSクーポンと従来のクーポンを読み取れるバーコードスキャナーを使用して、クレジットカード処理機に話して下さい。
【0080】
c. 小売業者の承諾 ――小売業者は快く、RSSクーポン情報を読み取り、理解し、チェックアウトスキャナーをグレードアップしてRSSクーポン情報を読み取るために、或いは、従来のシステムと新規にインストールした2次元ベリフォン/スキャナーの両方と電話回線を使ってクーポンのダブルスキャンを行うために内部のソフトウェアを変更することを了承しなければならない。
【0081】
d. 製造業者の承諾 ――製造業者は快く、例えば、Barcode Technology社のソフトウェアを使って、新たなRSS情報を含むクーポンを印刷することを了承しなければならない。
【0082】
e. 顧客の承諾 ――顧客は快く、RSSクーポンを利用することを了承しなければならない。バーコードのタイプは、顧客にとって関心がないので、これは問題とはならない。製品と値引きが最も関心事である。
【0083】
図6は、関連製品が購入されたときに限ってクーポンが引換えされることを保障する方法を示す。
【0084】
従来のクーポン処理の問題の1つは、新しいクーポンが発行されても、商売業者のコンピュータシステムがその新しいクーポンに気づかないことである。このことが、商売業者のコンピュータシステムが何を処理し、或いは、どう処理し、新しいクーポンがオファーするものは何であるのかを知ることを困難にしている。例えば、顧客の注文品の中で所定のクーポンに対応する関連製品が実際に存在していることを保証するためのセキュリティ方法は、コンピュータシステムに対して、オファーと関連づけられているのはどの製品と製品ファミリであるかを知ることを要求する。その情報が既知のものである場合は、スキャナー及びコンピュータがダブルチェックを行って、製品と、購入された製品に関連づけられたクーポンとのためのUPC(A)コードが存在するかどうかを確認することができる。この問題を解決するために、RSSクーポン自体に、グローバルトレードアイテムナンバー情報(GTIN)などの関連製品の識別子を包含させてもよい。GTINは、梱包指示者に基づく形式の12桁のUPCコードよりも詳細な情報を提供できる14桁番号である。例えば、UPCコードは石鹸などの製品を識別し、GTINは、石鹸が単品か6個入りパックか、もしくは、カートンで梱包されたかどうかを示す。コンピュータは、クーポンとその関連製品GTINを読み取り、GTINやUPC(A)コードの存在を検出するために、トランザクションでその他の製品を調べることができる。一致した場合は、クーポンの引換えは許可される。UPC−Aバーコードシンボル(Bar Code Symbol)は、UCC−12識別番号を符号化するEAN/UPCコード(Symbology)のバーコードシンボルである。図4(b)を参照。GTINは、RSSバーコードクーポンの全てで利用可能である。我々が古いスタイルのUCC/EAN−128クーポンフォーマットをエミュレートする必要がある場合は、我々は、クーポンの2次元部を既存のバーコードシンボルタイプのEAN−128の右半分か、もしくは、UPCの左半分の上側に配置することができる。この場合GTINは存在しない。
【0085】
図6には上述のプロセスが示されている。ブロック605では、本発明に基づいて提供されるクーポンがPOSでスキャンされる。また、購入される製品がスキャンされる(ブロック610)。これらのステップはいかなる順番でも発生可能である。ブロック615では、クーポンに備えられている製品の識別子が、一時的に記憶され、ブロック620では、製品上のバーコードからの製品識別子も記憶される。これらの製品識別子はGTINコードでもよい。例えば、顧客の注文の合計がある数に達すると実行され得るブロック630では、クーポンからの製品識別子が、購入される製品からの製品識別子に一致するかどうかが確認される。不一致がない場合は(ブロック640)、クーポンの値引きが許可される(ブロック645)。不一致がある場合は(ブロック650)クーポンの値引きは許可されない。さらに、許可されていない特定のクーポンであることを顧客とレジ係に知らせるために、例えば、キャッシュレジスタとディスプレイ上にメッセージを生成してもよい。有利には、未許可クーポンと不正クーポンが引換えされることが抑制される。
【0086】
好適な実施形態に関連して本発明を説明し例示したが、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、当業者にとって明らかな多くの変形や変更を構成することが可能であるため、本発明は上述した方法や構成の細部に限定されず、そのような変形や変更は本発明の範囲に含まれる。プロセス自体に必要な範囲まで、即ち、プロセス自体に本来備わっている範囲を除けば、図面を含め本願で開示された方法やプロセスのステップや段階に特別な順番はない。多くの場合、上述の方法の目的、効果、趣旨を変えることなくプロセスのステップの順番を変えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】クーポン処理システムを示す図である。
【図2】クーポン処理システムを示す図である。
【図3A】従来のUCC/EAN−128クーポンフォーマットを示す図である。
【図3B】UCC/EAN−128バーコードと組み合わされた2次元バーコードの第1の実施形態を示す図である。
【図3C】UCC/EAN−128バーコードと組み合わされた2次元バーコードの第2の実施形態を示す図である。
【図4A】コード128バーコードと組み合わされた2次元バーコードを示す図である。
【図4B】UPC(A)バーコードと組み合わされた2次元バーコードを示す図である。
【図4C】スタックトバーコードと組み合わされた2次元バーコードを示す図である。
【図5A】最適化されたクーポンバーコードの例を示す図である。
【図5B】最適化されたクーポンバーコードの例を示す図である。
【図5C】最適化されたクーポンバーコードの例を示す図である。
【図5D】最適化されたクーポンバーコードの例を示す図である。
【図5E】最適化されたクーポンバーコードの例を示す図である。
【図5F】最適化されたクーポンバーコードの例を示す図である。
【図5G】最適化されたクーポンバーコードの例を示す図である。
【図6】関連づけられた製品が購入された際にのみ、クーポンの引換え(redeemed)を行うことを保証する方法を示す図である。
【図7】消費者、小売店、小売情報システム、小売業者に対する供給業者の関係の例を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業体とベンダー間の情報を管理する方法であって、
ディベロッパーが、少なくとも1つのベンダーのサプライチェーンから事業体に提供されるアイテムに関連付けられた情報を前記事業体が受信するシステムを生成し、
前記システムは、規格(Specification)と1つ以上のサブシステムを備え、
前記規格は、少なくとも前記事業体によって定義され、
前記規格は、前記システムを介して受信される情報のタイプを定義するものであり、
前記少なくとも1つのベンダーのサブシステムのそれぞれは、準拠情報(conforming information)を情報記憶装置に記憶させ、前記情報記憶装置を前記事業体に提供されるアイテムに関連づけることによって、それぞれのベンダーのサブシステムのオペレータが、前記規格に準拠する情報を前記事業体に提供可能とし;及び
前記事業体が、前記少なくとも1つのベンダーのサブシステムのうちの一つを前記ディベロッパーから購入して、購入されたベンダーのサブシステムを操作して前記事業体に前記事業体との取引関係を維持する条件としての情報を提供するように少なくとも1つのベンダーのうちの1つ以上に要求することによって、前記サプライチェーン全体に対する前記システムのインストールを容易化する、
ことを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記情報記憶装置は、バーコードを備える
ことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項3】
前記情報記憶装置は、RSSバーコードを備える
ことを特徴とする請求項2の方法。
【請求項4】
前記情報記憶装置は、RFIDタグを備える
ことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項5】
上記方法は、さらに、
前記サプライチェーン全体に対する前記システムのインストールを容易にするために、前記ディベロッパーが、前記事業体に料金を支払う、
ことを備えることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項6】
前記料金は、前記少なくとも1つのベンダーのうちの1つ以上によって、前記ディベロッパーから前記サブシステムを購入することに基づくものである
ことを特徴とする請求項5の方法。
【請求項7】
前記システムは、前記事業体がベンダーサブシステムを操作する各ベンダーから受領するアイテムに関連づけられた情報記憶装置から情報を前記事業体が取得可能とする事業体サブシステムであって、ベンダーサブシステムを操作するベンダーのうちの1つ以上にデータを前記事業体が送信可能とする事業体サブシステムを備え、
前記データは、前記事業体により前記ベンダーサブシステムを操作するベンダーのうちの1つ以上から前もって受信されたアイテムに関するものである
ことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項8】
事業体と1つ以上のベンダー間のアイテムに関連づけられた情報を管理する方法であって、
事業体において、1つ以上のベンダーから前記事業体により受信されたアイテムに関連づけられたデータ記憶装置から、データにアクセスし、前記データ記憶装置に記憶されたデータは、前記事業体から発行された要求に基づいて前記1つ以上のベンダーによって選択されたものであり;
前記事業体が、アクセスされたデータの少なくとも一部を、前記1つ以上のベンダーに送信し;及び
前記1つ以上のベンダーによって、前記事業体から前記1つ以上のベンダーに提供された、アクセスされたデータのうち送られた部分に基づいて、前記アイテムに関連付けられた販売関連情報を、判断すること、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項9】
前記アイテムに関連づけられたデータをアクセスすることは、バーコードラベルを読み取る
ことを特徴とする請求項8の方法。
【請求項10】
前記バーコードラベルは、省スペースシンボル(RSS)バーコードを備える
ことを特徴とする請求項8の方法。
【請求項11】
前記バーコードラベルは、2次元コードを備える
ことを特徴とする請求項8の方法。
【請求項12】
前記アイテムに関連づけられたデータにアクセスすることは、アクセスされたデータをRFIDから受信することを備える
ことを特徴とする請求項8の方法。
【請求項13】
前記アイテムに関連づけられたデータは、製品情報を備える
ことを特徴とする請求項8の方法。
【請求項14】
前記アイテムに関連づけられた販売関連情報は、再注文要求情報を備える
ことを特徴とする請求項8の方法。
【請求項15】
前記再注文要求情報は、1つ以上のベンダーが製品レベルを調整することを可能とする
ことを特徴とする請求項14の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5(A)】
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【図5(B)】
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【図5(C)】
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【図5(D)】
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【図5(E)】
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【図5(F)】
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【図5(G)】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−515004(P2007−515004A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543947(P2006−543947)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/041085
【国際公開番号】WO2006/031238
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(506194058)インターナショナル バーコード コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】