説明

少なくとも二つのウェブに基づいて複合ウェブを製造する方法と装置

【課題】 第二のウェブに対するセグメントのずれの発生に関する問題を解決する。
【解決手段】 二個の平行な縦方向繊維ウェブ(4,5)及び別の縦方向繊維ウェブ(3)のセグメント(6)に基づいて交差積層した繊維ウェブ(2)を製造するための装置(1)は、縦方向繊維ウェブ(4,5)及びセグメント(6)が共に出合う固定卓(40)を有している。更に、装置(1)は、固定卓(40)に対して可動的に配置された一対の高電圧棒(60)を有する。セグメント(6)が固定卓(40)上の縦方向繊維ウェブ(4,5)に対して正しい目的位置にあるとき、一対の高電圧棒(60)は、セグメント(6)と縦方向繊維ウェブ(4,5)に対して作動して移動する。そこでセグメント(6)と縦方向繊維ウェブ(4,5)とは、高電圧棒(61,62)の間に位置している。その結果、セグメント(6)は、縦方向繊維ウェブ(4,5)に対して固定され、その後、縦方向繊維ウェブ(4,5)に最終的に接続されるために別の装置(80)に供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、材料がほぼ規定の方向に配向された、少なくとも二つのウェブに基づいて複合ウェブを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記ウェブの一例は、縦方向繊維のウェブである。それは担体基材と、この担体基材に埋め込まれた互いに平行な繊維とを備えている。縦方向繊維ウェブにおいて、繊維の縦方向は、ウェブの縦方向と平行である。少なくとも二つの縦方向繊維ウェブに基づいて、交差積層した繊維ウェブを形成できる。すなわち、少なくとも二つの層を有する積層したウェブであり、層が互いに固定して接続され、交差積層した繊維ウェブの各層が、担体基材と、この担体基材に埋め込まれた互いに平行な繊維とを備えている繊維ウェブを形成できる。交差積層した繊維ウェブの重要な特徴は、連続した層中の繊維の縦方向が相互に異なるということである。例えば、連続した層中の繊維は、互いに90°をなす角度で延伸することができる。
【0003】
例えばオランダ特許(NL)第1006092号に記載された、公知の交差積層したウェブの製造方法は、
第一の縦方向繊維ウェブの切断セグメントを提供する工程と、
第二の縦方向繊維ウェブを提供する工程と、
前記セグメントと前記第二の縦方向繊維ウェブとが互いの目的位置に到達し、そこで前記セグメントと前記第二の縦方向繊維ウェブが互いの上に重なり、一方、少なくとも前記セグメントが重要な部分で前記第二の縦方向繊維ウェブと重なり合うまで、前記第一の縦方向繊維ウェブの切断セグメントと前記第二の縦方向繊維ウェブとを互いの方向に移動させる工程と
を有する。
【0004】
実際には、交差積層した繊維ウェブを製造する目的で、少なくとも二つの縦方向繊維ウェブが供給される装置が適用される。公知例において、第一の縦方向繊維ウェブと第二の縦方向繊維ウェブに基づいて交差積層した繊維ウェブを製造するのにこのような装置が適している。これらの第一および第二の縦方向ウェブは、保存用リール等から解かれて、前記装置に90°の角度で供給される。この公知例において、前記装置は、第一の縦方向繊維ウェブのセグメントを切断するための切断装置を備えている。第一の縦方向繊維ウェブの切断されたセグメントと第二の縦方向繊維ウェブとは、位置決め領域で一緒になる。特に、このセグメントと第二の縦方向繊維ウェブとは互いに適当な目的位置に置かれる。そこで、前記セグメントと前記第二の縦方向繊維ウェブとは互いの上に重なって、少なくともセグメントの重要な部分は第二の縦方向繊維ウェブに重なる。その後、セグメントと第二の縦方向繊維ウェブとを互いに接続することによって、交差積層した繊維ウェブが得られる。得られた交差積層した繊維ウェブが連続ウェブであることを保証するために、連続したセグメントを隣接させる方法で配置する。
【0005】
セグメントと第二の縦方向繊維ウェブとは、例えば第二の縦方向繊維ウェブが接着剤の層を備えている場合、位置決め領域で既に互いに接続されている可能性がある。セグメントと第二の縦方向繊維ウェブとが、位置決め領域から、更に移送されて、他の場所で互いに接続していることもあり得る。セグメントと第二の縦方向繊維ウェブとの間の接続を確立する目的で、例えば、積層装置を設けてもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、第一のウェブの切断されたセグメントと第二のウェブとの接続が位置決め領域の外で確立される、交差積層した繊維ウェブ等の複合ウェブの製造工程に関するものである。このような工程に関する問題は、セグメントと第二のウェブが、セグメントと第二のウェブとの接続が確立される場所へ位置決め領域から移送されるとき、セグメントが第二のウェブとずれてしまう危険があることである。このセグメントの第二のウェブに対するずれが生じると、第二のウェブのセグメントは、もはや互いに正しい目的位置に存在しない。これにより、製造される複合ウェブに不規則性が生じ、それは非常に好ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第二のウェブに対するセグメントのずれの発生に関する上述した問題を解決するものである。より具体的には、複合ウェブの製造方法は、
材料が略第一の方向に配向された第一のウェブの切断セグメントを提供する工程と、
材料が略第二の方向に配向された第二のウェブを提供する工程と、
前記セグメントと前記第二のウェブとが互いの目的位置に到達し、そこで前記セグメントと前記第二のウェブとが互いの上に重なり、一方、少なくとも前記セグメントが重要な部分で前記第二のウェブと重なり合うまで、前記第一のウェブの切断セグメントと前記第二のウェブとを互いの方向に移動させる工程と、
前記セグメントと前記第二のウェブとが互いに目的位置に達すると直ちに、前記セグメントと前記第二のウェブとを互いに固定する工程と、
前記セグメントと前記第二のウェブとを互いに固定した後、前記セグメントと前記第二のウェブとを更に移送する工程と、
を備えている。
【0008】
本発明によれば、セグメントと第二のウェブが互いに目的位置に達すると直ちに、セグメントと第二のウェブとは互いに固定される。この工程では、セグメントと第二のウェブとの相互の位置決めが正確に行われ得る。セグメントと第二のウェブとの相互の固定が行われた後で、セグメントと第二のウェブは更に移送される。本発明による方法の実用的な適用においては、セグメントと第二のウェブとは、セグメントと第二のウェブ間の最終的な接続を確立する装置に更に移送される。
【0009】
本発明による方法は、特に、比較的薄いウェブで形成される複合ウェブを形成する目的に適用するのに適当である。この方法を適用することによって、セグメントと第二のウェブとが、セグメントと第二のウェブとが互いに最終的に接続されるときに、互いに正しい目的位置にあることが保証される。このように、セグメントと第二のウェブとに基づいて形成される複合ウェブが規則的な構造を有し、更なる適用のために完全に使用可能であることが保証される。
【0010】
本発明の範囲内で、セグメントと第二のウェブとの互いの固定に関して、種々の可能性が存在する。例えば、固定は、静電気に基づいて、セグメントと第二のウェブとが静電気を帯電して、その結果互いに引力を及ぼすことにより、行ってもよい。セグメントと第二のウェブとの少なくとも一方を加熱することに基づいて固定を行ってもよい。その場合、例えば、セグメントと第二のウェブとが、プラスチック、特に熱可塑性物質または活性化する必要のあるプラスチックから成る場合、セグメントと第二のウェブを互いに接着する。この効果は、セグメントと第二のウェブのうちの少なくとも一つに接着剤の層を設けることによって達成してもよい。上述した可能性は実際に十分に実現可能である。そして、それは他の可能性が存在するという事実を変えない。
【0011】
本発明を適用することによって、位置決め領域で、セグメントと第二のウェブとが、互いに正しい位置に互いに固定されることが達成される。セグメントと第二のウェブとが位置決め領域から更に移送されるとき、それらの相互の位置が維持される。また、本発明を適用することによって、積層ウェブを製造する際に、張力がセグメントや第二のウェブにもたらされることが防がれる。このことは、積層ウェブの品質と所望の特性の観点から重要である。
【0012】
本発明の範囲内で、セグメントと第二のウェブとを静電気に基づいて互いに固定する目的で、種々の適当な固定手段が適用できる。特に、セグメントと第二のウェブとの間で電位差を生成するようにした固定手段が適用できる。実際的な実施の形態において、固定手段は、一対の可動的に配置された高電圧部材を備えており、これらの高電圧部材は、作動状態で、セグメントと第二のウェブとの間で電位差を生成することができる。この一対の高電圧部材がその作動状態に置かれ、セグメントと第二のウェブに対して移動させられ、一方、セグメントと第二のウェブとは高電圧部材の間に置かれているときは、セグメントと第二のウェブとは静電気が帯電し、その結果、互いに引き合う力が及ぼされる。
【0013】
好ましくは、適用される高電圧部材は棒状に形成され、1本の棒がセグメントの側でセグメントと第二のウェブに沿って動かされ、もう1本の棒が第二のウェブの側で、セグメントと第二のウェブに沿って動かされる。この間、これらの棒の相互の位置決めは維持される。
【0014】
本発明は、上記方法を実施するための装置にも関する。その装置において、前記セグメントと前記第二のウェブとは、互いに正しい目的位置に置かれ、次いで、静電気に基づいて互いに固定され、その後さらに移送される。実際的な実施の形態においては、本発明による装置は、セグメントと第二のウェブとを支持する支持表面を有する固定卓と、この固定卓に対して可動的に配置された高電圧部材とを有する。セグメントと第二のウェブとが互いに目的位置にあって、前記支持表面で停止しているときに、前記高電圧部材は前記セグメントと前記第二のウェブに沿って移動させられ、一方前記セグメントと前記第二のウェブとはそれらの位置に止まる。この文脈において、支持表面が部分的に妨げられ、高電圧部材のひとつが、妨げの場所に支持表面とほぼ等しい高さで配列されることが重要である。このように、セグメントと第二のウェブ上の高電圧部材の動作が妨害なしに行われることが達成される。
【0015】
例えば、支持表面は搬送ベルトの表面を含み、そこに進路変更手段を、高電圧部材の位置で搬送ベルトを方向転換するために設けてもよい。好ましくは、これらの進路変更手段は、高電圧部材と共に、一つの移動可能な担体上に搭載されており、その結果、高電圧部材の位置での搬送ベルトの方向転換が維持されながら、高電圧部材の移動がこの担体により行われる。
【0016】
セグメントと第二のウェブとは、異なる高さで位置決め領域に供給される。これのため、セグメントが第二のウェブにぶつかり、結果として、丸まってしまうかもしれないことを回避できる。セグメントと第二のウェブとが異なる高さの正しい相互位置にあるとき、セグメントと第二のウェブとは、最初に、互いに接触し、その後高電圧部材がセグメントと第二のウェブとに沿って移動させられる。
【0017】
好ましくは、高電圧部材は、セグメントと第二のウェブとが比較的大きな電位差、望ましくは10〜50kVの範囲の中にある電位差、を生じるように適合させられる。このことは、本発明の範囲内で、セグメントと第二のウェブとの間の電位差に関して他の値も可能であるという事実を変えるものではない。
【0018】
本発明の範囲内で、熱の影響の下で、セグメントと第二のウェブとを互いに固定する目的で、種々の適切な固定手段を適用でき、特に、セグメントと第二のウェブとの少なくとも一方を加熱するようにした固定手段が使用できる。実際的な実施の形態においては、固定手段は可動的に配置された加熱ロールから成り、それはセグメントと第二のウェブとのうちの一つの上を移動させられ、それにより、セグメントと第二のウェブとがお互いに接着させられる。そこにおいて、セグメントとウェブとの間の望ましい最終的な接続として、この相互の接着がそれほど強固である必要がないことが重要である。
【0019】
とりわけ、本発明による方法は、エアバッグのような膨張するものに適用されるように定められた複合ウェブを製造することに適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は本発明の第一の好ましい実施の形態による交差積層した繊維ウェブ2を製造するために装置1を示す。以下、この装置を第一の装置1と称する。図1の一部を、図4により詳細に示す。図2と図3とは、二つの相互に異なる方向における第一の装置1の縦断面を示す。図2の一部を、図5により詳細に示す。
【0021】
交差積層した繊維ウェブ2は三つの縦方向繊維ウェブ3,4,5に基づいて製造される。それらは各図に同様に示される。第一の縦方向繊維ウェブ3は第一の装置1の第一の方向に延伸し、第二の縦方向繊維ウェブ4と第三の縦方向繊維ウェブ5とは第二の方向に互いに隣接して延伸する。図示された例では、第一の縦方向繊維ウェブ3と、第二の縦方向繊維ウェブ4及び第三の縦方向繊維ウェブ5とは、それぞれ、互いに90°の角度に延伸している。このことは、第一の縦方向繊維ウェブ3と、第二の縦方向繊維ウェブ4及び第三の縦方向繊維ウェブ5とが、それぞれ、別の角度で互いに配向できる事実を変えるものではない。
【0022】
縦方向繊維ウェブ3,4,5は、リール31,41,51上に置かれている。これらのリール31,41,51は、第一の装置1の動作中回転し、縦方向繊維ウェブ3,4,5がリール31,41,51から解かれる。リール31,41,51を支持して回転させる目的で、第一の装置1は、解き部32,42,52を備えている。さらに、第一の装置1は、解き部32,42,52と装置1の他の構成要素との間に存在する空間に縦方向繊維ウェブ3,4,5を導く案内装置33,43,53を備えている。
【0023】
第一の装置1は、第一の縦方向繊維ウェブ3のセグメント6を切断するためのナイフ11を有する切断装置10を備えている。第一の装置1の動作中、第一の縦方向繊維ウェブ3はナイフ11の下に動かされ、ナイフ11は第一の縦方向繊維ウェブ3からセグメント6を切り離すために規則的に作動させられる。切断装置10の方への経路で、第一の縦方向繊維ウェブ3は、第一の搬送ベルト21により支持される。セグメント6の動き方向に示されるように、切断装置10の後に続いて、第二の搬送ベルト22が配置され、それは第一の搬送ベルトに隣接し、セグメント6を支持し、更に移送することに役立つ。
【0024】
セグメント6の長さは、第二の縦方向繊維ウェブ4と第三の縦方向繊維ウェブ5との接合幅と互いにほぼ等しく、完全な交差積層した繊維ウェブ2が形成されるように、これらの接合幅に適合させている。第二の縦方向繊維ウェブ4と第三の縦方向繊維ウェブ5との幅の普通の値は、それぞれ、1.80mである。この場合、セグメント6の長さの適当な値は、3.60mである。
【0025】
第一の装置1の動作中、切断されたセグメント6と第二の縦方向繊維ウェブ4と第三の縦方向繊維ウェブ5とは位置決め領域30に共に置かれる。そこで、第二の搬送ベルト22の助けを借りて、セグメント6は縦方向繊維ウェブ4,5の下に動かされ、セグメント6が縦方向繊維ウェブ4,5の全幅を覆うように、縦方向繊維ウェブ4,5に対して置かれる。切断セグメント6が縦方向繊維ウェブ4,5に関して正しい位置に置かれたとき、縦方向繊維ウェブ4,5とセグメント6とは互いに押圧される。例えば、縦方向繊維ウェブ4,5がセグメント6に接触するまで、縦方向繊維ウェブ4,5は下方に押圧される。セグメント6が縦方向繊維ウェブ4,5の全幅を覆い、セグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5とが互いに押圧されているときの縦方向繊維ウェブ4,5とセグメント6との相互位置を目的位置と称する。
【0026】
縦方向繊維ウェブ4,5を下方向に押圧する目的で、第一の装置1は、押圧棒等の適当な押圧部材を備えている。図3において、(それ自身は図3にも、他のどの図にも示されていない)鉛直方向に移動できる押圧棒等の支持構造の二つの部品39a,39bを見ることができる。各部品39a,39bは、案内溝を有する比較的小さな円筒を備えている。第一の例において、セグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5とは、セグメント6が縦方向繊維ウェブ4,5にぶつかり、その結果、丸まり得る状況が生じることを避けるように、異なる高さで位置決め領域30に導入される。セグメント6及び縦方向繊維ウェブ4,5が異なる高さの正しい相互位置にある場合のみ、押圧棒を用いることにより、縦方向繊維ウェブ4,5がセグメント6に対してかぶせられ、そこで押圧棒と押圧棒の支持構造が下方に動かされる。
【0027】
セグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5の一部とが位置決め領域30に位置しているとき、セグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5の一部とは、第一の装置1の固定卓40の近くにも位置している。第二の搬送ベルト22はこの固定卓40を通って延伸し、目的位置で、セグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5はこの第二の搬送ベルト22により支持される。
【0028】
本発明の重要な態様によれば、第一の装置1は、固定卓40に対して可動的に配置される、上部高電圧棒61及び下部高電圧棒62を有する一対の高電圧棒60を備えている。高電圧棒61,62は、セグメント6が縦方向ウェブ4,5に対して上部高電圧棒61と下部の高電圧棒62を備える一対の高電圧棒60から成る。この一対の高電圧棒60は、固定卓40に関して可動的に配置される。高電圧棒61,62は、セグメント6が縦方向繊維ウェブ4,5に対して目的位置にあるときは、静電気に基づいて縦方向繊維ウェブ4,5に対してセグメント6を固定することの役に立つ。
【0029】
上部高電圧棒61は、上部担体63に接続されている。上部担体63は延伸され、上部担体63の各端部は、上部変位ベルト64に接続され、上部変位ベルト64は、閉ループとして形成され、一対の滑車65a,65bの上で支持されている。滑車65a,65bの中心軸は、固定卓40に接続され、滑車65a,65bは、互いに離れて配置されている。滑車65a,65bが回転しているとき、上部変位ベルト64は滑車65a,65bの上に導かれ、上部担体63は、滑車65a,65bの間で変位させられる。
【0030】
図示した例においては、滑車65a,65bの各対の第一の滑車65aは、電気モータ16により駆動される軸15の一端上にある。駆動軸15が電気モータ16によって回転させられるとき、第一の滑車65aが回転させられ、上部変位ベルト64の同期運動が得られる。そこで、上部高電圧棒61を有する上部担体63が変位させられる。
【0031】
同様の方法で、下部高電圧棒62は下部担体66に接続され、下部担体66は、二個の下部変位ベルト67の助けで変位することができる。各下部変位ベルト67は、一対の滑車68a,68b上に支持され、この一対の滑車68a,68bの第一の滑車68aは、電気モータ18により駆動される軸17の一端上にある。
【0032】
下部担体66は、下部高電圧棒62が第二の搬送ベルト22の上面23に対して略等しい高さにあるように、第二の搬送ベルト22に対して配置される。さらに、第二の搬送ベルト22の上部24は、下部高電圧棒62の下に導かれる。この目的で、三個の滑車69a,69b,69cが下部担体66上に搭載され、二個の上部滑車69a,69cが下部高電圧棒62と略等しい高さにあり、下部滑車69bが下部高電圧棒62の真下に位置している。第二の搬送ベルト22の上部24の一部は、滑車69a,69b,69cの周りに巻き付き、その結果、下部高電圧棒62の位置で、上部24の一部が、下部高電圧棒62の下を通過して、第二の搬送ベルト22の上部24の他の部分の上面23の平面に導かれる。
【0033】
上部滑車69a,69bは、多少異なった高さに位置する。より詳細には、担体66が移動するときに背面位置を有する第一の上部滑車69aは、第二の上部滑車69cよりも幾分低い位置にある。このため、搬送ベルト22が、担体66が通り過ぎるときに、セグメント6と再び接触するようになり、その結果、セグメント6は、縦方向の繊維ウェブ4,5上に固定された後に自由に引き離されることができる。
【0034】
セグメント6、縦方向繊維ウェブ4及び第三の縦方向繊維ウェブ5が位置決め領域30に位置していて互いに目的位置に置かれたとき、一対の高電圧棒60がセグメント6、第二の縦方向繊維ウェブ4及び第三の縦方向繊維ウェブ5を互いに固定する目的で適用される。上部高電圧棒61が、セグメント6と、セグメント6の上にある縦方向繊維ウェブ4,5の上に位置する。一方、下部高電圧棒62は、セグメント6と、セグメント6の上にある縦方向繊維ウェブ4,5の下に位置する。言い換えると、セグメント6、第二の縦方向繊維ウェブ4及び第三の縦方向繊維ウェブ5は、高電圧棒61,62の間にある。
【0035】
セグメント6、第二の縦方向繊維ウェブ4及び第三の縦方向繊維ウェブ5を互いに固定する目的で、一対の高電圧棒60が作動し、高電圧棒61,62はセグメント6、第二の縦方向繊維ウェブ4及び第三の縦方向繊維ウェブ5に対して変位する。そこで、それらの相互位置が維持される。これらのことに続いて、高電圧棒61,62の変位が、電気モータ16,18により駆動される変位ベルト64,67の対の助けにより生じる。固定工程の間、セグメント6、第二の縦方向繊維ウェブ4及び第三の縦方向繊維ウェブ5は、固定卓40に対してそれらの位置に止まる。
【0036】
作動状態では、高電圧棒61,62は、位置決め領域30の一方の側から反対側へ移動させられる。図示の例では、高電圧棒61,62の長さは、セグメント6の幅と略等しい。これにより、高電圧棒61,62の動きを実現することにより、セグメント6と、セグメント6の上にある縦方向繊維ウェブ4,5とが、セグメント6の全表面上で静電気を帯び、その結果、互いに引力を及ぼす。その結果、セグメント6と、セグメント6の上の縦方向繊維ウェブ4,5との相互の固定が事実となる。
【0037】
高電圧棒61,62は、セグメント6、セグメント6上にある縦方向繊維ウェブ4,5との間に比較的大きな電位差を生じるようにされている。電位差の適当な値は10〜50kVの範囲内にあり、例えば15kVである。実際には、電位差の値は、縦方向繊維ウェブ3,4,5の厚みなどの適用される縦方向繊維ウェブ3,4,5の特性に依存して決定される。完全性のために、高電圧棒61,62の適用は、適用される縦方向繊維ウェブ3,4,5が非導電性繊維または材料のみを備えているときだけ意味を有する点に注意される。非導電性繊維の既知の例は、合成繊維である。
【0038】
最終的にセグメント6と、セグメント6の上にある縦方向繊維ウェブ4,5とを互いに接続する目的で、交差積層した繊維ウェブ2を取得するために、第一の装置1は、積層装置80を備えている。セグメント6と、セグメント6上にある縦方向繊維ウェブ4,5とが、高電圧棒60を適用することにより、互いに固定されると、セグメント6と、セグメント6の上にある縦方向繊維ウェブ4,5とが積層装置80の方向に位置決め領域30から移動する。好ましくは、次のセグメント6が位置決め領域30に導入されるとき、高電圧棒61,62を有する担体63,66はそれらのもともとの位置に戻される。その後、上述した方法で、高電圧棒61,62を有する担体63,66が、次のセグメント6と、第二の縦方向繊維ウェブ4と第三の縦方向繊維ウェブ5との次の部分とに沿って、このセグメント6を縦方向繊維ウェブ4,5に対して固定するために、移動させてもよい。この方法で、固定工程を、引き続くセグメント6及び縦方向繊維ウェブ4,5の部分について連続的に繰り返すことができる。
【0039】
セグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5の静電気に基づく相互固定は、セグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5とが互いに目的位置に留まっている間、セグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5とを保証するために十分であり、位置決め領域30から始まり、積層装置80に達する。その結果、セグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5とが、積層装置80中で、正しい相互位置で互いに最終的に接続されることが保証される。この工程では、引き続くセグメント6を互いに対向させることにより、連続的に交差積層した繊維ウェブ2を製造でき、そこではセグメント6と二個の縦方向繊維ウェブ4,5との不正確な相互位置決めに基づいた欠点が排除される。
【0040】
セグメント6と、固定卓40と積層装置80との間にある空間中でセグメント6の上にある縦方向繊維ウェブ4,5とを案内する目的で、第一の装置1は、案内装置73を備えている。交差積層した繊維ウェブ2は、積層装置80から巻き取り部72まで動かされる。巻き取り部72において、リール71が置かれており、交差積層した繊維ウェブ2がこのリール71に巻き取られる。リール71と、このリール71に巻き取られた交差積層した繊維ウェブ2とが最終製品である。この最終製品は、リール31に巻き取られた第一の縦方向繊維ウェブ3を有するこのリール31と、リール41に巻き取られた第二の縦方向繊維ウェブ4を有するこのリール41と、リール51に巻き取られた第三の縦方向繊維ウェブ5を有するこのリール51とに基づいて得られる。そして、この最終製品は多くの用途がある。例えば、リール71に巻き取られた交差積層した繊維ウェブ2を有するリール71は、包装工程あるいはエアバッグを製造する工程で用いることができる。
【0041】
以下、巻き出しリール31と第一の搬送ベルト21との間の位置で第一の縦方向繊維ウェブ3を案内するための案内装置33の構成と作用とを更に説明する。
【0042】
案内装置33は、可動的に配置された案内部材34と、案内部材34を支持して案内するためのフレーム35とを備えている。図示された例において、案内部材34は、鉛直方向に変位可能である。案内装置33は、合計七個の回転可能に配置された案内滑車36を備え、そこでは四個の案内滑車36がフレーム35の上側に配置され、三個の案内滑車36が案内部材34に設けられている。第一の縦方向繊維ウェブ3は案内滑車36の周りに導かれ、それの結果、第一の縦方向繊維ウェブ3の波形のコースが実現される。
【0043】
案内装置33は、フレーム35に対して案内部材34の位置を決定して設定するための制御手段(図示せず)も有している。この文脈において、第一の縦方向繊維ウェブ3の張力が特定の最小限の大きさで残留する必要があると仮定されている。一方、制御手段は第一の縦方向繊維ウェブ3の張力を測定するようにされ、他方では、張力の測定値と張力の必要な最小値との比較に基づいて変位手段(図示せず)を制御するようにされている。この変位手段は、フレーム35に対する案内部材34の変位を実現するようにされている。実用的な実施の形態において、変位手段は、例えば電気モータから成る。
【0044】
案内装置33の案内部材34は垂直方向に変位可能であるという事実により、巻き出しリール31の近傍と第一の搬送ベルト21上とでの第一の縦方向繊維ウェブ3の速度のあり得る差を補償することができる。第一の縦方向繊維ウェブ3の張力をあるレベルに保つことによって、第一の縦方向繊維ウェブ3のたるみが防止される。このたるみは、例えば、案内部材34が固定した位置を取り、第一の縦方向繊維ウェブ3の速度が第一の搬送ベルト21上でよりも巻き出しリール31でより高いときに、巻き出しリール31と案内装置33との間の経路中で起こる。案内装置33の適用によって、第一の縦方向繊維ウェブ3のセグメント6が切断され、第一の縦方向の繊維ウェブ3が、その結果、動かないときに、巻き出しリール31の第一の縦方向繊維ウェブ3を巻き出す工程を停止する必要がなくなり、また、次のセグメント6を切断する目的で、第一の縦方向繊維ウェブ3が更に移動して、セグメント6の長さを覆うときに、再度始動する必要がなくなる。代わりに、巻き出しリール31は、多かれ少なかれ一定の速度で連続的に回転してもよい。
【0045】
適用に応じて、案内部材34は、垂直の方向とは別の方角へ、例えば水平方向に、変位できるようにしてもよい。
【0046】
案内装置33が七個の案内滑車36を備える必要はなく、案内滑車36の数は、七より多くとも少なくともよい。
【0047】
巻き出しリール31と第一の搬送ベルト21との間の位置で第一の縦方向繊維ウェブ3を案内する案内装置と、装置1のその他の案内装置43,53,73、すなわち、巻き出しリール41と位置決め領域30との間の位置で第二の縦方向繊維ウェブ4を案内するための案内装置43、巻き出しリール51と位置決め領域30との間の位置で第三の縦方向繊維ウェブ5を案内するための案内装置53、位置決め領域30と積層装置80との間の位置でセグメント6とセグメント6の上の縦方向繊維ウェブ4,5を案内するための案内装置73、との間の差は、他の案内装置43,53,73がより少ない案内滑車46,56,76を備えている、すなわち七個ではなくて三個備えているということである。これらの三個の案内滑車46,56,76のうちの二個の案内滑車46,56,76が、案内装置43,53,73のフレーム45,55,75の上側に配置され、一個の案内滑車46,56,76が、フレーム45,55,75に対して移動可能に配置された案内部材44,54,74上に配置されている。さらに、巻き出しリール31と第一の搬送ベルト21との間の位置で第一の縦方向繊維ウェブ3を案内するための案内装置33について前述した全てのことは、同様な方法で第一の装置1の他の案内装置43,53,73に適用可能である。
【0048】
セグメント6が第二の縦方向繊維ウェブ4と第三の縦方向繊維ウェブ5とに対して静電気により位置決め領域30で固定されるという事実の結果として、セグメント6と、セグメント6の上の縦方向繊維ウェブ4,5とが最初に案内装置73により導かれ、その後積層装置80中に導入されることが可能である。セグメント6と、セグメント6の上にある縦方向繊維ウェブ4,5との運動方向に見られるように、積層装置80の前に案内装置73が置かれる重要な利点は、案内装置73の作用により、セグメント6と、セグメント6の上にある縦方向繊維ウェブ4,5とが、多かれ少なかれ一定の速度で積層装置80に供給されるということである。したがって、積層工程は連続かつ一定して起こり得る。このような積層工程は、不連続に起こることが必要な工程より好ましい。
【0049】
本発明の範囲内で、交差積層した繊維ウェブ2を構成する種々の部品は、目的位置で互いに固定されてから更に移送され互いに接続されるということが第一に重要である。その範囲内で、第一の装置1の実際的な実施に関して種々の代案が可能である。
【0050】
第一の装置1について述べたように、セグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5とを位置決め領域30に互いに静電気的に固定することは可能である。しかし、セグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5の相互固定は、他の方法で得てもよい。第一の実際的な可能性によれば、セグメント6および縦方向繊維ウェブ4,5は、熱の処理にかけられ、そこでセグメント6および縦方向繊維ウェブ4,5は、互いに接着する。実際、この方法では、積層工程が既にある程度まで実行される。
【0051】
セグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5との相互固定を熱の影響下で位置決め領域30で確立するようにされた装置は、大雑把には第一の装置1と同じ設計であり得る。違いは、そのような装置が高電圧棒61,62を含まないで、変位可能な担体上に搭載された加熱ロールを下部高電圧棒62と同様のやり方で備えていることである。セグメント6と、セグメント6上に位置する縦方向繊維ウェブ4,5とが位置決め領域30にあるとき、加熱ロールはセグメント6の底側に沿って移動させられる。その結果、セグメント6の材料は加熱され、縦方向繊維ウェブ4,5の材料に接着される。その工程で、第二の搬送ベルト22の上部24が加熱ロールの下に導かれ、その結果、第二の搬送ベルト22は加熱ロールとセグメント6の間には存在しなくなる。好ましくは、上部高電圧棒61と比較できる方法で担体上に搭載され、縦方向繊維ウェブ4,5及びセグメント6を加熱ロールに押圧するために、装置の動作中加熱ロールとともに移動する押圧ロールも備える。
【0052】
選択的に、熱の影響下で位置決め領域30の中のセグメント6及び縦方向繊維ウェブ4,5の相互の固定を確立するために適合された装置は、セグメント6を予熱するための手段を備え、その結果、位置決め領域30が現実に到達する前に、セグメント6は既にある程度まで加熱される。望ましくは、装置は、相互に固定されたセグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5との全体を冷やすための手段も有する。加熱ロールの代わりに、ラジエータ等の他の加熱手段を適用してもよい。
【0053】
静電気又は熱を適用する他に、位置決め領域30中でセグメント6及び縦方向繊維ウェブ4,5を互いに固定するために、例えば、接着を適用することが可能である。このような場合、例えば、セグメント6及び縦方向繊維ウェブ4,5のうちの一つに適用される自己接着性の接着剤が活用される。望ましくは、接着剤のいわゆるオープンタイム、すなわち接着剤が定着を確立するのに有効である時間、が比較的長く、その結果、接着剤が位置決め領域30の外部で適用され、位置決め領域30中で粘着力を維持することが可能である。位置決め領域30の中でセグメント6及び縦方向繊維ウェブ4,5を互いに押圧する目的で、第一の装置1の高電圧棒61,62と比較可能な方法で、可動担体上に搭載され、セグメント6と、セグメント6の上に位置する縦方向繊維ウェブ4,5とに沿って移動できるロールを用いて、第二の搬送ベルト22の上部24が、下部押圧ロールの下を通過中、この下部押圧ロールの位置で方向転換することができるようにしてもよい。
【0054】
セグメント6及び縦方向繊維ウェブ4,5を熱の影響下に、あるいは接着剤を適用することにより相互に固定させることは、適用された繊維ウェブ3,4,5が導電性繊維により成り、高電圧棒61,62を適用できない場合に特に興味がある。
【0055】
セグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5の相互固定が、静電気により行われる場合、縦方向繊維ウェブ4,5が導かれる種々のロールが絶縁されていることが重要である。セグメント6と縦方向繊維ウェブ4,5との相互固定が熱の影響で起こる場合に関しても同じことが適用可能である。
【0056】
望ましくは、第一の装置1の二個の搬送ベルト21,22は第一の縦方向繊維ウェブ3及びセグメント6を保持するようにされている。例えば、これは、吸引力の助けで実現してよい。吸引力の下では、搬送ベルト21,22の支持表面の裏面では、下方圧力が優勢で、搬送ベルト21,22は複数の通路開口を備えている。そのことは、別の適切な方法で第一の縦方向繊維ウェブ3及びセグメント6を保持するために、搬送ベルト21,22を適合させてもよいという事実を変更しない。一般に、搬送ベルト21,22は第一の縦方向繊維ウェブ3及びセグメント6の底面の少なくとも一部に引力を及ぼすようにされる。
【0057】
第一の装置1は、第二の縦方向繊維ウェブ4、第三の縦方向繊維ウェブ5及びセグメント6を相互に接続させるための積層装置80を備える必要はない。本発明の範囲内で、第二の縦方向繊維ウェブ4、第三の縦方向繊維ウェブ5及びセグメント6の相互間の接続を確立する他の適切な可能性を活用してもよい。
【0058】
更に、セグメント6は、第二の縦方向繊維ウェブ4及び第三の縦方向繊維ウェブ5の下に位置する必要は必ずしもない。上記のものから、縦方向繊維ウェブ4,5上にセグメント6を置くように、第一の装置1を適合させることも可能である。
【0059】
当業者には、本発明の範囲が上に議論した例に制限されることなく、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく、上述の例のいくつかの修正および変形が可能であることが明らかであろう。
【0060】
例えば、第三の縦方向繊維ウェブ5を省略し、第一の縦方向繊維ウェブ3と第二の縦方向繊維ウェブ4とのみに基づいて交差積層した繊維ウェブ2を製造する目的で前記第一の装置1を適用することが可能である。このような場合、セグメント6の長さは第二の縦方向繊維ウェブ4の幅に単独で適合させられる。第二の縦方向繊維ウェブ4に隣接する第三の縦方向繊維ウェブ5を適用する重要な利点は、繊維ウェブの幅の標準的な大きさを仮定すると、標準のウェブの幅の二倍である交差積層した繊維ウェブ2が得られ、一方生産時間は、標準幅を有する交差積層した繊維ウェブ2の製造工程の場合より顕著に長くないということである。他方では、互いに隣接する二つの縦方向繊維ウェブ4,5より多い、例えば3個あるいは4個の縦方向繊維ウェブさえ適用することも可能である。
【0061】
前述した例では、二つの並列の縦方向繊維ウェブ4,5及びもう一つの縦方向繊維ウェブ3のセグメント6に基づく交差積層した繊維ウェブ2を製造するための装置1が記述されている。装置1は、縦方向繊維ウェブ4,5及びセグメント6が共に出合い、互いに適切な目的位置へ置かれる固定卓40を備えている。積層装置80は固定卓40から離れて配置され、その中で、積層装置80、縦方向繊維ウェブ4,5及びセグメント6が互いに最終的に接続される。
【0062】
装置1は固定卓40に対して移動可能に配置された一対の高電圧棒60を有する。セグメント6が固定卓40上の縦方向繊維ウェブ4,5に対して目的位置にある場合、高電圧棒60の対が作動させられ、セグメント6及び縦方向繊維ウェブ4,5に対して移動させられ、そこでセグメント6及び縦方向繊維ウェブ4,5が、高電圧棒61,62の間に位置する。その結果として、縦方向繊維ウェブ4,5に対してセグメント6が固定され、その後縦方向繊維ウェブ4,5に最終的に接続されるように積層装置80に提供される。
【0063】
図1〜図5に基づいて記述された第一の装置1の他に、様々な他の装置が本発明の範囲内で可能である。多くの選択肢のうちの一つが図6〜図9に示される。より具体的には、これらの図の中で、本発明の第二の好ましい実施の形態による交差積層した繊維ウェブ2を製造するための装置100が示され、それは以下第二の装置100と称する。
【0064】
第二の装置100は、第一の装置1との多くの類似点を持っている。図6〜図8において、第一の装置1の構成部品と比較できる、第二の装置100の重要な構成部品は、対応する参照番号により示される。特に、このことは、第一の縦方向繊維ウェブ3のセグメント6を切断するための切断装置10、切断セグメント6を支持し移送するための搬送ベルト22、第一の縦方向繊維ウェブ3及び第二の縦方向繊維ウェブ4のための解き部32,42及び案内装置33,43、その中でセグメント6と第二の縦方向繊維ウェブ4と合わさる位置決め領域30、セグメント6と第二の縦方向繊維ウェブ4とが位置決め領域30中にある間それらの相互の固定を確立するための固定卓40に位置している移動可能に配置された一対の高電圧棒60、縦方向繊維ウェブ4及びセグメント6の全体を案内するための案内装置37、交差積層した繊維ウェブ2を形成するためにセグメント6及び第二の縦方向繊維ウェブ4を互いに最終的に接続するための積層装置80、及び交差積層した繊維ウェブ2用の巻き取り部72に適用される。
【0065】
第一の装置1に関して前述した評言は、縦方向繊維ウェブ4,5の位置決め領域30への供給と、縦方向繊維ウェブ4,5及びセグメント6の位置決め領域30からの除去の方法に特に関する表現を除いて、同様な方法で第二の装置100に適用可能である。しかし、多くの類似性の他に、第一の装置1と第二の装置100との間には二つの重要な差異が識別できる。
【0066】
まず第一に、第二の装置100は、第一の縦方向繊維ウェブ3および第二の縦方向繊維ウェブ4のみに基づいて交差積層した繊維ウェブ2を形成するために適合されている。そのことは、第二の装置100は、原則的に、交差積層した繊維ウェブ2の製造工程に第三の縦方向繊維ウェブ5を含むように適合することもできるという事実を変えるものではない。
【0067】
第二に、第二の縦方向繊維ウェブ4の位置決め領域30への供給、および位置決め領域30からの第二の縦方向繊維ウェブ4の除去において、第一の装置1の中の経路とは異なる別の経路が取られる。第一の装置1においては、セグメント6は第一の直線状の経路に沿って移動し、第一の経路と第二の経路とは互いに規定された角度をなす。第二の装置100においては、セグメント6も第一の直線状の経路に沿って移動する。しかし、縦方向繊維ウェブ4、及び縦方向繊維ウェブ4及びセグメント6の全体がそれに沿って移動する第二の経路は、互いに角度をなして延伸する三個の直線状部分を有する。
【0068】
縦方向繊維ウェブ4、及び縦方向繊維ウェブ4及びセグメント6の全体がそれに沿って移動する第二の経路の第一の部分は、第二の縦方向繊維ウェブ4を供給するために役立ち、それに沿ってセグメント6が移動する第一の経路に関して略並列に延伸している。第二の経路の第二の部分は位置決め領域30に重なり、部分的には縦方向繊維ウェブ4を位置決め領域30へ供給するのに役立ち、部分的には縦方向繊維ウェブ4と、縦方向繊維ウェブ4の下に位置するセグメント6とを位置決め領域30から取り除くのに役立つ。第二の経路の第二の部分は、第一の経路及び第二の経路の第一の部分に対して規定された角度で延伸している。第二の経路の第三の部分は、第二の縦方向繊維ウェブ4及びセグメント6を除去するために役立ち、第二の経路の第一の部分とは別の第一の経路の別の側で第一の経路に略平行に延伸している。
【0069】
第二の経路の隣接した部分間の移行は戻り滑車によって確立される。第一の戻り滑車47は、第二の縦方向繊維ウェブ4の供給側に配置される。しかし、第二の戻り滑車77は、第二の縦方向繊維ウェブ4及びセグメント6の全体の除去の側に配置される。図6に示される構成においては、第一の戻り滑車47の縦方向の軸48は、第二の縦方向繊維ウェブ4が供給される方向に対して略45°の角度で延伸している。その結果、第一の戻り滑車47の周りに巻かれる第二の縦方向繊維ウェブ4が90°の角度で曲げられる。第二の装置100の反対側に、第二の縦方向繊維ウェブ4及びセグメント6の全体が、第二の戻り滑車77の周りに巻かれる。この戻り滑車77の縦方向の軸78は、第1の戻り滑車47の縦方向の軸48に略平行に延伸し、その結果、第二の縦方向繊維ウェブ4は、セグメント6と共に、90°の角度で再び曲げられる。戻り滑車47,77の適用によって、コンパクトな構成が得られ、そこでは第二の縦方向繊維ウェブ4がセグメント6の供給の方向に対して横に延伸しているが、第二の縦方向繊維ウェブ4、及び縦方向繊維ウェブ4とセグメント6の全体の供給と除去とがそれぞれセグメント6の供給に対して平行に起こる。図1に示されるような第一の装置1においては、縦方向繊維ウェブ4,5の供給と除去とが互いに一致して起こる。そこではウェブ4,5の曲がりがなく、その結果、より多くの空間が第1の経路の一方の側に必要である。
【0070】
本発明の重要な態様により、第一の縦方向繊維ウェブ3のセグメント6が切断される角度と、第二の縦方向繊維ウェブ4が、セグメント6の供給の方向に対して位置決め領域30上を移動する角度とが変化できる。図8では、第二の装置100が再び示され、そこで切断装置10及び戻り滑車47,77の配置が、図6に示される配置から外れる。特に、切断装置10は、第一の経路に対して90°実質的に外れる角度で延伸し、同じことが、戻り滑車47,77間に位置している第二の縦方向繊維ウェブ4の部分に適用される。この方法で、交差積層した繊維ウェブ2において、第一の縦方向繊維ウェブ3の繊維及び第二の縦方向繊維ウェブ4の繊維が、90°以外の角度で延伸している。
【0071】
第二の装置100が、交差積層した繊維ウェブ2を製造する目的で適用され、交差積層した繊維ウェブ2中の様々な層の繊維が互いに配向される角度を変更することが望ましい場合、これを達成するために必要なただ一つのことは、切断装置10及び戻り滑車47,77の方位の変更である。これは、第一の装置1に対して第二の装置100の重要な利点である。
【0072】
完全にするために、第二の装置100の適用に関して、第二の縦方向繊維ウェブ4の代わりに、担体ウェブ等が戻り滑車47,77上に導かれ、担体ウェブは、セグメント6を第一の経路の外側の位置決め領域に沿って取り出すことができ、そこでセグメント6が縦方向繊維ウェブ4と接触状態にあることが注目される。
【0073】
図6〜図8に基づいて上に説明したように第二の装置100が適用される場合、第二の戻り滑車77の側から、第二の縦方向繊維ウェブ4とセグメント6との全体に、特別な縦方向繊維ウェブが供給され、3層有する交差積層した繊維ウェブ2が一時に得られることが可能である。この可能性は、図9に示され、そこで特別な縦方向の繊維ウェブが参照番号9によって示され、そこで特別な縦方向繊維ウェブ9を供給するための解き部92、及び解き部92と第二の戻り滑車77との間に存在する空間に特別な縦方向繊維ウェブ9を案内するための案内装置93を供給するための解き部92が示される。
【0074】
本発明は、縦方向繊維ウェブに基づく交差積層した繊維ウェブを製造する分野に適用可能である。それは、本発明が他の分野でも適用可能であるという事実を変更しない。適用されたウェブが繊維を有する場合、それらが比較的薄い繊維か、比較的厚い繊維かということは重要ではない。また、適用されたウェブは、いわゆる遠心フォイル又はフリース(不織布)、あるいは少なくとも一回延伸されたウェブを有することができる。一般に、このようなウェブの特性は、異なる方角で異なり、その理由で、ある方位がウェブの中で識別され得るのは真実である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第一の好ましい実施の形態による交差積層した繊維ウェブを製造する装置の斜視図である。
【図2】図1に示される装置の第一の方向の縦断面の側面図である。
【図3】図1に示される装置の第二の方向の縦断面の側面図である。
【図4】図1の一部をより詳細に示す図である。
【図5】図2の一部をより詳細に示す図である。
【図6】本発明の第二の望ましい実施の形態による交差積層された繊維ウェブを製造する装置の上面図であり、切断装置と戻り滑車とを第一の方位に示す図である。
【図7】図6に示した装置の第一の方向の縦断面の側面図である。
【図8】図6示した装置の上面であり、切断装置と戻り滑車とを第二の方位に示すものである。
【図9】規格外の縦方向繊維ウェブが供給される図6に示した装置の上面図である。
【符号の説明】
【0076】
1,100 装置
2 複合ウェブ
3 第一のウェブ
4,5 第二のウェブ
6 セグメント
9 第三のウェブ
22 第一の供給手段(搬送ベルト)
23 支持表面
30 位置決め領域
33,43,53,73 案内部材
35,45,55,75 フレーム
36,46,56,76 案内滑車
40 固定卓
42 供給装置
47,77 戻り滑車
48,78 縦方向軸
60,61,62 固定手段(高電圧部材)
66 担体
69a,69b,69c 進路変更手段
72 除去装置
80 装置
92,93 供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合ウェブ(2)を製造する方法であって、
材料が略第一の方向に配向された第一のウェブ(3)の切断セグメント(6)を提供するステップと、
材料が略第二の方向に配向された第二のウェブ(4,5)を提供するステップと、
前記第一のウェブ(3)の前記切断セグメント(6)と前記第二のウェブ(4,5)とを、該セグメント(6)と該第二のウェブ(4,5)とが互いに目的位置に到達するまで、互いの方向に移動させ、前記目的位置では、前記セグメント(6)と前記第二のウェブ(4,5)とが互いの上に位置し、少なくとも前記セグメント(6)の重要な部分が前記第二のウェブ(4,5)の上に重なるステップと、
前記セグメント(6)及び前記第二のウェブ(4,5)が互いに前記目的位置に到着したら直ちに、該セグメント(6)と該第二のウェブ(4,5)とを互いに固定するステップと、
前記セグメント(6)と前記第二のウェブ(4,5)とを互いに固定した後、該セグメント(6)と該第二のウェブ(4,5)とを更に移送するステップと、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記セグメント(6)と前記第二のウェブ(4,5)とが、該セグメント(6)と該第二のウェブ(4,5)とを互いに固定するステップの間、共に静止していることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、前記セグメント(6)及び前記第二のウェブ(4,5)が、互いに固定された後、案内装置(73)に沿って移動させられ、該案内装置(73)を越えて互いに固定的に接続されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、前記第二のウェブ(4,5)が2つの隣接した部分(4,5)に提供されることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、前記第一のウェブ(3)及び前記第二のウェブ(4,5)の双方が、繊維ウェブであって、該ウェブ(3,4,5)の繊維は該ウェブ(3,4,5)の縦方向に略従って配向されていることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、前記セグメント(6)と前記第二のウェブ(4,5)とを互いに固定するステップでは、静電気に基づいて固定することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記静電気に基づいて前記セグメント(6)と前記第二のウェブ(4,5)とを固定するために固定手段(60,61,62)が適用され、該固定手段(60,61,62)は前記セグメント(6)及び前記第二のウェブ(4,5)間の電位差を生成するようにされていることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記固定手段(60,61,62)は、一対(60)の移動可能に配置された高電圧部材(61,62)を備え、該一対(60)の高電圧部材(61,62)は、作動時に前記セグメント(6)と前記第二のウェブ(4,5)との間の電位差を生成することができ、該一対(60)の高電圧部材(61,62)は作動状態に置かれ、前記セグメント(6)及び前記第二のウェブ(4,5)に対して移動させられ、一方該セグメント(6)及び該第二のウェブ(4,5)は前記高電圧部材(61,62)の間に位置していることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記高電圧部材(61,62)は、棒状に形成されていることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、前記セグメント(6)及び前記第二のウェブ(4,5)を互いに固定するステップは、該セグメント(6)及び該第二のウェブ(4,5)の少なくとも一つを加熱することにより行われることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記固定手段は、熱の影響下で前記セグメント(6)及び前記第二のウェブ(4,5)を互いに固定する目的で適用され、前記セグメント(6)及び前記第二のウェブ(4,5)の少なくとも一つを加熱するようにされていることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記固定手段は、前記セグメント(6)及び前記第二のウェブ(4,5)のうちの一つの上に移動される、移動可能に配置された加熱可能なロールを備えていることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、前記セグメント(6)及び前記第二のウェブ(4,5)を互いに固定するステップは、接着手段により行われ、前記セグメント(6)及び前記第二のウェブ(4,5)の少なくとも一つは、接着剤を供給されていることを特徴とする方法。
【請求項14】
エアバッグ等の膨張可能な物を製造する方法であって、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法によって製造される複合ウェブ(2)が前記膨張可能な物に適用されることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法を実行するための装置(1,100)であって、
第一のウェブ(3)の切断セグメント(6)を位置決め領域(30)に供給する第一の供給手段(22)と、
第二のウェブ(4,5)を前記位置決め領域(30)に供給する第二の供給手段と、
前記セグメント(6)と前記第二のウェブ(4,5)とが前記位置決め領域(30)に位置するときに、該セグメント(6)と該第二のウェブ(4,5)と互いに固定する固定手段(60,61,62)と、
前記セグメント(6)及び前記第二のウェブ(4,5)が互いに固定された後、該セグメント(6)及び該第二のウェブ(4,5)を更に移送するようにされた移送手段と
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置(1,100)であって、前記セグメント(6)と前記第二のウェブ(4,5)とが前記位置決め領域(30)に位置しているときに該セグメント(6)と該第二のウェブ(4,5)とを支持するための支持表面(23)を有する固定卓(40)を更に備え、前記固定手段(60,61,62)が該固定卓(40)に対して移動可能に配置され、該固定手段(60,61,62)は、前記支持表面(23)と略等しい高さで該支持表面(23)を妨害する位置に配置された少なくとも一つの部材(62)を備えていることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置(1,100)であって、前記支持表面(23)が搬送ベルト(22)の表面(23)を有し、該支持表面(23)と略同じ高さに配置された前記固定手段(60,61,62)の部材(62)の位置に前記搬送ベルト(22)を方向転換するために進路変更手段(69a,69b,69c)が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置(1,100)であって、前記支持表面(23)と略等しい高さに配置された前記固定手段(60,61,62)の前記部材(62)が移動可能に配置された担体(66)上に搭載され、前記進路変更手段(69a,69b,69c)が、やはり前記移動可能に配置された担体(66)上に搭載された、回転可能に配置された滑車(69a,69b,69c)を備えたことを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項15〜18のいずれか1項に記載の装置(1,100)であって、前記セグメント(6)及び前記第二のウェブ(4,5)を静電気に基づいて互いに固定するのに適し、前記固定手段(60,61,62)が、前記セグメント(6)と前記第二のウェブ(4,5)の間の電位差を生成するようにされたことを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置(1,100)であって、前記固定手段(60,61,62)が、一対(60)の移動可能に配置された高電圧部材(61,62)を有し、該一対(60)の移動可能に配置された高電圧部材(61,62)は、作動状態で、前記セグメント(6)と前記第二のウェブ(4,5)との間に電位差を生成することができることを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項20に記載の装置(1,100)であって、前記高電圧部材(61,62)が棒状に形成されていることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項19〜21に記載の装置(1,100)であって、前記高電圧部材(61,62)が、前記セグメント(6)と前記第二のウェブ(4,5)との間に、10〜50kVの範囲内の電位差を生成するようにされていることを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項15〜18のいずれか1項に記載の装置(1,100)であって、前記セグメント(6)と前記第二のウェブ(4,5)とを熱の影響下で互いに固定するのに適し、前記固定手段は、前記セグメント(6)及び前記第二のウェブ(4,5)の少なくとも一つを加熱するようにされたことを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置(1,100)であって、前記固定手段が、移動可能に配置された加熱可能なロールを備えていることを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項15〜24に記載の装置(1,100)であって、前記第一のウェブ(3)、前記第二のウェブ(4,5)、該第二のウェブ(4,5)と前記第一のウェブ(3)のセグメント(6)とを備えた複合ウェブの少なくとも一つを案内する少なくとも一つの案内部材(33,43,53,73)を更に備え、該案内部材(33,43,53,73)は、フレーム(35,45,55,75)と、前記ウェブ(3,4,5)と接触するように移動するように定められた案内滑車(36,46,56,76)とを備え、前記案内滑車(36,46,56,76)のかなりの数が前記フレーム(35,45,55,75)に対して変位可能であることを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項25に記載の装置(1,100)であって、前記フレーム(35,45,55,75)に対して変位可能な前記案内滑車(36,46,56,76)が、略直線状の線に従って前記フレーム(35,45,55,75)に対して変位可能な案内部材(34,44,54,74)上に配置されていることを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項26に記載の装置(1,100)であって、前記フレーム(35,45,55,75)に対して前記案内部材(34,44,54,74)を変位させるための変位手段と、前記フレーム(35,45,55,75)に対して前記案内部材(34,44,54,74)の位置を決定し、前記変位手段を制御するための制御手段とを更に備えたことを特徴とする装置。
【請求項28】
請求項25〜27に記載の装置(1,100)であって、前記第二のウェブ(4,5)と前記第一のウェブ(3)のセグメント(6)とを備えた複合ウェブを案内するための案内装置(73)を備え、該案内装置(73)は、前記位置決定領域(30)と、前記第二のウェブ(4,5)と前記セグメント(6)との間の固定された接続を確定するための装置(80)との間に配置されたことを特徴とする装置。
【請求項29】
第一のウェブ(3)と第二のウェブ(4)とに基づく複合ウェブ(2)を製造するための方法を実行する目的で適用するのに適した装置(100)であって、
前記第一のウェブ(3)の切断セグメント(6)を第一の方向に案内するための第一の案内手段(22)と、
前記第一の方向に略等しい方向、該第一の方向から規定された程度だけ外れる第二の方向、及び再度前記第一の方向に略等しい方向に連続的に前記第二のウェブ(4)を案内する第二の案内手段とを備え、
前記第二の案内手段の前記第一の案内手段に対する配置が、前記第二のウェブ(4)が前記第二の方向に延伸しているときに該第二のウェブ(4)を前記第一のウェブ(3)のセグメント(6)に重ねるように適合されていることを特徴とする装置。
【請求項30】
請求項29に記載の装置(100)であって、
前記第一の方向に前記セグメント(6)を移送するための移送部材(22)と、
前記第一の方向に略等しい方向に前記第二のウェブ(4)を供給するための供給装置(42,43)であって、前記移送部材(22)に隣接して配置された供給装置(42,43)と、
前記移送部材(22)の一方の側に配置された二個の戻り滑車(47,77)であって、前記第二のウェブ(4)はこれらの滑車(47,77)の周りに巻かれる必要があり、該戻り滑車(47,77)の縦方向軸(48,78)は前記第一の方向に直交する方向から外れる方向に延伸している滑車(47,77)と、
前記第一の方向に略等しい方向の前記第二のウェブ(4)を除去するための除去装置(72,73)であって、前記供給装置(42,43)が配置された側とは異なる側で前記輸送部材(22)に隣接して配置された除去装置(72,73)と
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項31】
請求項30に記載の装置(100)であって、前記戻り滑車(47,77)の前記縦方向軸(48,78)の延伸している方向が調整可能であることを特徴とする装置。
【請求項32】
請求項29〜31のいずれか1項に記載の装置(100)であって、第一のウェブ(3)、第二のウェブ(4)及び第三のウェブ(9)に基づく複合ウェブ(2)の製造に適し、前記第一の方向に略等しい方向に前記第三のウェブ(9)を案内する第三の案内手段を備え、前記第二の案内手段に対する該第三の案内手段の配置は、前記第二のウェブ(4)が、二回目として、前記第一の方向に略等しい方向に導かれたときに、前記第三のウェブ(9)を前記第二のウェブ(4)に重ならせるようにされていることを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項32に記載の装置(100)であって、前記第一の方向と略等しい方角に前記第三のウェブ(9)を供給するための供給装置(92,93)を有し、該供給装置(92)は、前記除去装置(72,73)が配置された側で前記移送部材(22)に隣接して配置されていることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−312806(P2006−312806A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−128078(P2006−128078)
【出願日】平成18年5月2日(2006.5.2)
【出願人】(506152520)ベイラー ベヒアー ビー.ブイ. (4)
【氏名又は名称原語表記】Beiler Beheer B.V.
【住所又は居所原語表記】Middelgraaf 62, 5032 EG Tilburg, The Netherlands
【Fターム(参考)】