説明

少なくとも1種の有機ケイ素原子−含有化合物、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤及び少なくとも1種の有機酸を含有する化粧料組成物、及び該組成物を使用する化粧学的処置方法

【課題】有機ケイ素原子-含有化合物、カチオン性界面活性剤及び有機酸を含む、ケラチン繊維、例えば毛髪を処置するための化粧料組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、ケラチン繊維、特にヒトケラチン繊維、例えば毛髪を処置するための化粧料組成物であって、該組成物が、化粧学的に許容される媒体中に、
・ケイ素原子1個を含むシラン及び2又は3個のケイ素原子を含むシロキサンから選択される、1又はそれ以上の有機ケイ素原子-含有化合物と、ここで該有機ケイ素原子-含有化合物が、さらに1分子当たり、1又はそれ以上の塩基性化学官能基及び1又はそれ以上のヒドロキシル基又は加水分解性の基を含む、
・1又はそれ以上のカチオン性界面活性剤と;
・1又はそれ以上の有機酸と;
を含むことを特徴とする、前記化粧料組成物に関し、さらに、該組成物を使用する化粧処置方法及び該組成物のコンディショナーとしての使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧学的に許容される媒体中に、1種又はそれ以上の有機ケイ素原子-含有化合物、1種又はそれ以上のカチオン性界面活性剤及び1種又はそれ以上の有機酸を含む、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維、例えば毛髪を処置するための化粧料組成物に関するものである。本発明は、またケラチン繊維の化粧学的処置方法及び該化粧料組成物を使用する方法にも関連する。
【背景技術】
【0002】
毛髪は、一般的に外的な大気中の因子、例えば光及び悪天候の作用により、また機械的又は化学的な処置、例えばブラシ掛け、梳り、染色、漂白、パーマ掛け及び/又は直毛化によって、損傷を受けまた脆弱化される。
従って、これらの諸欠点を解消するために、最近では、ヘアケア製品の助けを借りることが一般的であり、該製品は、特に光沢、柔軟性、しなやかさ、軽快さ、自然な感触及び櫛通り性を該毛髪に付与するために、上記処置に引続き該毛髪をコンディショニングすることを可能とする、ケア組成物の使用を含む。
これらヘアケア組成物は、例えばゲル、ヘアローション又は多少とも濃厚なクリームの形状で提供することのできる、コンディショニングシャンプー又はコンディショナーであり得る。
その上、消費者は、益々、毛髪を適切にコンディショニングするばかりでなく、満足なスタイリング効果を与えることをも可能とする、ケア組成物を求めていることが分かっている。
特に、繊細な又はカールした毛髪を持つ人々は、該毛髪に対する質量感、ボディ及びボリュームに寄与するスタイリング効果を与え、また起伏のある波形の毛髪のカールに規定の形状を付与する、ケア製品に注目している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のケア組成物は、特にカールの規定された形状及びボリュームに関して、比較的弱くまた不均一なスタイリング効果をもたらした。
これは、化粧学的に活性な有機化合物、例えばカチオン性ポリマー及びシリコーンの、ケア組成物、例えばコンディショナーへの配合が、毛髪に、櫛通り性、しなやかさ及び軽快さを付与することを可能とすることが知られているからである。しかし、毛髪に寄与する該スタイリング特性は、疑いもなく、依然として不十分なままである。
従って、毛髪を満足にコンディショニングし、しかも特に質量感、ボディ、ボリューム及び毛髪のカールに対する規定された形状に関する、強力なスタイリング効果に寄与する、化粧料組成物の開発に対する、実際上の要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願人会社は、驚いたことに、該所望の特性を持つ、ケラチン繊維に化粧学的処置を施すための、1又はそれ以上の、以下において定義されるような有機ケイ素原子-含有化合物、1種又はそれ以上のカチオン性界面活性剤及び1種又はそれ以上の有機酸を含む化粧料組成物を処方できることを見出した。
このことは、1種又はそれ以上のカチオン性界面活性剤及び1種又はそれ以上の有機酸を含む組成物に対する、有機ケイ素原子-含有化合物の添加が、個々の毛髪の十分な被覆を可能とし、該毛髪に満足で柔軟な感触を付与することを可能とするという事実を見出したことによる。
さらに、本発明による組成物は、強力なスタイリング効果、特に質量感、ボディ及びボリュームに寄与する効果を毛髪に付与する。
その上、本発明による組成物は、毛髪、特に繊細な毛髪に対する形状付与を容易にすることを可能にする。
最後に、本発明による組成物は、またカールを付与した毛髪、特に該カールの規定された形状及びその調節に対して、スタイリング効果を付与することを可能とする。
【0005】
本発明は、特にケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維、例えば毛髪を処置するための化粧料組成物に関連し、該組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、以下に列挙する成分を含む:
・ケイ素原子1個を含むシラン及び2又は3個のケイ素原子を含むシロキサンから選択される、1又はそれ以上の有機ケイ素原子-含有化合物、ここで該有機ケイ素原子-含有化合物は、さらに1分子当たり、1又はそれ以上の塩基性化学官能基及び1又はそれ以上のヒドロキシル基又は加水分解性の基を含み、該シランは、以下の一般式(I)で表される化合物から選択される:
【0006】
【化1】

【0007】
ここで、
R4は、ハロゲン原子又はOR'又はR'1基を表し;
R5は、ハロゲン原子又はOR”又はR'2基を表し;
R6は、ハロゲン原子又はOR'''又はR'3基を表し;
R1、R2、R3、R'、R”、 R'''、R'1、R'2及びR'3は、夫々独立に、飽和又は不飽和の、及び直鎖又は分岐鎖の、場合により付随的な化学基を持つ炭化水素基を表し、R1、R2、R'、R”及びR'''は、さらに水素原子を表すことができ、及びR4、R5及びR6の少なくとも2つは、夫々OR'、OR”及びOR'''を表し、R'、R”及びR'''の少なくとも2つは、水素原子以外の基であり;
・1又はそれ以上のカチオン性界面活性剤;及び
・1又はそれ以上の有機酸。
本発明は、また上記繊維に、本発明による該組成物を適用する工程を含む、毛髪を化粧学的に処置する方法にも関連する。
本発明は、また本発明による該組成物の、シャンプー又はコンディショナーとしての使用にも関連する。
本発明のその他の課題及び特徴、局面及び利点は、以下の説明並びに例を読むことにより、より一層明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の組成物において使用する上記有機ケイ素原子-含有化合物は、1個のケイ素原子を含むオルガノシラン、及び2又は3個のケイ素原子、好ましくは2個のケイ素原子を含むオルガノシロキサンから選択される。これらは、さらに1又はそれ以上の塩基性化学官能基を含む必要があり、また好ましくは、さらに1個だけの塩基性化学官能基を含むべきである。該塩基性化学官能基は、該ケイ素原子-含有化合物に塩基性の特性を付与する、任意の官能基に相当するものであり得、また好ましくはアミン官能基、例えば第一、第二又は第三アミン官能基である。本発明の該ケイ素原子-含有化合物に係る該塩基性化学官能基は、場合により他の官能基、例えば他のアミン官能基、酸官能基又はハロゲン官能基を含むこともできる。
本発明の組成物において使用する上記1又は複数の有機ケイ素原子-含有化合物は、付随的に、1分子当たり2又はそれ以上の加水分解性の基又はヒドロキシル基を含む。該加水分解性の基は、好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン官能基である。これらは、また場合により他の化学官能基、例えば酸官能基を含むこともできる。
本発明による組成物において使用する1又は複数の上記オルガノシランは、以下の一般式(I)で表される化合物から選択される:
【0009】
【化2】

【0010】
ここで、
R4は、ハロゲン原子又はOR'又はR'1基を表し;
R5は、ハロゲン原子又はOR”又はR'2基を表し;
R6は、ハロゲン原子又はOR'''又はR'3基を表し;
R1、R2、R3、R'、R”、 R'''、R'1、R'2及びR'3は、夫々独立に、飽和又は不飽和の、及び直鎖又は分岐鎖の、場合により付随的な化学基を持つ炭化水素基を表し、R1、R2、R'、R”及びR'''は、さらに水素原子を表すことができ、及びR4、R5及びR6の少なくとも2つは、夫々OR'、OR”及びOR'''を表し、R'、R”及びR'''の少なくとも2つは、水素原子以外の基である。
好ましくは、該基R1、R2、R'、R'1、R'2、R'3、R”及びR'''は、C1-C12アルキル基、C6-C14アリール基、(C1-C8)アルキル(C6-C14)アリール基及び(C6-C14)アリール(C1-C8)アルキル基から選択される。
もう一つの特定の態様によれば、本発明の組成物において使用する、1又は複数の該オルガノシロキサンは、以下の一般式(II)で表される化合物から選択される:
【0011】
【化3】

【0012】
ここで、
R1、R2、R3、R5及びR6は、上記定義通りであり、
R'4は、ハロゲン原子又はOR11基を表し、
R7は、ハロゲン原子又はOR10基又はR”1基を表し、
R9は、ハロゲン原子又はOR8、R”2又はR3NR1R2基を表し、
R”1、R”2、R8、R10及びR11は、飽和又は不飽和の、及び直鎖又は分岐鎖の、場合により付随的な化学基を持つ炭化水素基を表し、該基R8、R10及びR11は、さらに水素原子を表すことができ、該基R6、R7及びR9の少なくとも1つは、ハロゲン原子又はOR”'、OR10又はOR8基を表す。
好ましくは、R”1、R”2、R8又はR10及びR11基は、C1-C12アルキル基、C6-C14アリール基、(C1-C8)アルキル(C6-C14)アリール基及び(C6-C14)アリール(C1-C8)アルキル基から選択される。
特に、該ハロゲン原子は、塩素原子である。
本発明による該組成物において使用される1又は複数の上記ケイ素原子-含有化合物は、好ましくは以下の一般式(III)で表される化合物から選択されるオルガノシランである:
【0013】
【化4】

【0014】
ここで、同一又は異なっている基Rは、C1-C6、好ましくはC1-C2アルキル基から選択され、nは1〜6なる範囲、好ましくは2〜4なる範囲内の整数である。
好ましくは、該シラン又はシロキサンは、25±5℃なる温度にて、かつ大気圧下において、水に対して溶解性であり、またより好ましくは2質量%なる濃度において依然として溶解性であり、さらに好ましくは5質量%なる濃度において依然溶解性であり、またより一層好ましくは10質量%なる濃度において依然として水に溶解性である。該用語「溶解性」とは、単一の巨視的な相を形成することを意味するものと理解される。
特に好ましくは、本発明による該組成物中に存在する該有機ケイ素原子-含有化合物は、(3-アミノプロピル)トリエトキシシランである。
【0015】
1又は複数の該有機ケイ素原子-含有化合物は、本発明による該組成物中に、該組成物の全質量を基準として、0.1〜20質量%なる範囲の含有率、好ましくは1〜15質量%なる範囲の含有率、及びより好ましくは2.5〜12質量%なる範囲の含有率で存在し得る。
本発明による該組成物は、好ましくはモノマー型の、1種又はそれ以上のカチオン性界面活性剤を含む。
カチオン性界面活性剤の例としては、特に場合によりポリオキシアルキレン化された第一、第二又は第三脂肪アミンの塩、及び場合によりポリオキシアルキレン化された四級アンモニウム塩を挙げることができる。
好ましくは、該カチオン性界面活性剤は、場合によりポリオキシアルキレン化された四級アンモニウム塩から選択される。
特に、四級アンモニウム塩の例としては、以下に列挙するものを挙げることができる:
・以下の一般式(IV)で示されるもの:
【0016】
【化5】

【0017】
ここで、同一又は異なっていてもよい、基R8〜R11は、1〜30個なる範囲の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖脂肪族基又は芳香族基、例えばアリール又はアルキルアリール基を表す。該脂肪族基は、ヘテロ原子、例えば特に酸素、窒素、硫黄及びハロゲン原子を含むことができる。
該脂肪族基は、例えばアルキル基、アルコキシ基、ポリオキシ(C2-C6)アルキレン基、アルキルアミド基、(C12-C22)アルキルアミド(C2-C6)アルキル基、(C12-C22)アルキルアセテート基及び約1〜30個なる範囲の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基から選択され;Xは、ハライド、ホスフェート、アセテート、ラクテート、(C2-C6)アルキルサルフェート、又はアルキル-又はアルキルアリール-スルホネートからなる群から選択されるアニオンである;
・イミダゾリン四級アンモニウム塩、例えば以下の式(V)で表されるもの:
【0018】
【化6】

【0019】
ここで、R12は、8〜30個なる範囲内の炭素原子を含むアルケニル又はアルキル基、例えばタロウ脂肪酸の誘導体を表し、R13は、水素原子、C1-C4アルキル基又は8〜30個なる範囲内の炭素原子を含むアルケニル又はアルキル基を表し、R14は、C1-C4アルキル基を表し、R15は、水素原子又はC1-C4アルキル基を表し、またX-は、ハライド、ホスフェート、アセテート、ラクテート、アルキルサルフェート、又はアルキル-又はアルキルアリール-スルホネートからなる群から選択されるアニオンである。好ましくは、R12及びR13は、12〜21個なる範囲内の炭素原子を含むアルケニル又はアルキル基の組合せ、例えばタロウ脂肪酸の誘導体を表し、R14は、メチル基を表し、またR15は、水素原子を表す。このような製品は、例えばレボ(Rewo)社によりレボカット(RewoquatTM) W75なる名称の下で市販されている;
・以下の式(VI)で表されるジ-四級アンモニウム塩:
【0020】
【化7】

【0021】
ここで、R16は、約16〜30個なる範囲の炭素原子を含む脂肪族基を表し、同一又は異なっているR17、R18、R19、R20及びR21は、水素原子又は1〜4個なる範囲の炭素原子を含むアルキル基から選択され、またXは、ハライド、アセテート、ホスフェート、ニトレート及びメチルサルフェートからなる群から選択されるアニオンである。このようなジ-四級アンモニウム塩は、特にプロパンタロウジアンモニウムジクロリドを含む;
・少なくとも一つのエステル官能基を含む四級アンモニウム塩、例えば以下の一般式(VII)で表されるもの:
【0022】
【化8】

【0023】
ここで、
R22は、(C1-C6)アルキル基及びC1-C6ヒドロキシアルキル基又はジヒドロキシアルキル基から選択され;
R23は、以下に列挙する基から選択され:
・以下の式で表される基:
【0024】
【化9】

【0025】
・飽和又は不飽和の、かつ直鎖又は分岐鎖のC1-C22炭化水素基R27
・水素原子;
R25は、以下に列挙する基から選択され:
・以下の式で表される基:
【0026】
【化10】

【0027】
・飽和又は不飽和の、かつ直鎖又は分岐鎖のC1-C6炭化水素基R29
・水素原子;
同一又は異なる、R24、R26及びR28は、飽和又は不飽和の、かつ直鎖又は分岐鎖のC7-C21炭化水素基から選択され;
同一又は異なるr、s及びtは、2〜6なる範囲の整数であり;
yは、1〜10なる範囲内の整数であり;
同一又は異なるx及びzは、0〜10なる範囲内の整数であり;
X-は、有機又は無機の、かつ単純又は複合アニオンであり;
但し、和:x+y+zは、1〜15なる範囲の数であり、xが0なる値を持つ場合、R23はR27を表し、またzが0なる値を持つ場合、R25はR29を表す。
該R22アルキル基は、直鎖又は分岐鎖アルキル基であり得、またより具体的には直鎖アルキル基であり得る。
好ましくは、該R22アルキル基は、メチル、エチル、ヒドロキシエチル又はジ-ヒドロキシプロピル基であり、またより具体的にはメチル又はエチル基を表す。
【0028】
有利には、該和:x+y+zは、1〜10なる範囲内の値を持つ。
R23が、R27炭化水素基である場合、これは長鎖炭化水素基であり得、また12〜22個の炭素原子を持つことができ、あるいは短鎖炭化水素基であり得、また1〜3個の炭素原子を持つことができる。
R25が、R29炭化水素基である場合、これは、好ましくは1〜3個の炭素原子を持つ。
有利には、同一又は異なる、R24、R26及びR28は、飽和又は不飽和の、かつ直鎖又は分岐鎖のC11-C21炭化水素基から選択され、またより特定的には、飽和又は不飽和の、かつ直鎖又は分岐鎖のC11-C21アルキル及びアルケニル基から選択される。
好ましくは、同一又は異なる、x及びzは、0又は1なる値を持つ。
有利には、yは、1に等しい。
好ましくは、同一又は異なるr、s及びtは、2又は3なる値を持ち、及びより一層特定的には2に等しい。
【0029】
該アニオンは、好ましくはハライド(クロライド、ブロマイド又はアイオダイド)又はアルキルサルフェート、より特定的には、メチルサルフェートである。しかし、メタンスルホネート、ホスフェート、ニトレート、トシレート、有機酸から誘導されるアニオン、例えばアセテート又はラクテート、又はエステル官能基を含む、該アンモニウムと相溶性の、任意の他のアニオンを使用することができる。
該アニオンX-は、さらに一層特定的には、クロライド又はメチルサルフェートである。
より特定的には、本発明の組成物においては、上記式(VII)で示されるアンモニウム塩を使用四、この場合、
R22は、メチル基又はエチル基を表し;
x及びyは、1に等しく;
zは、0又は1に等しく;
r、s及びtは、2に等しく;
R23は、以下に列挙するものから選択され:
・以下の式で表される基:
【0030】
【化11】

【0031】
・メチル、エチル又はC14-C22炭化水素基;
・水素原子;
R25は、以下に列挙するものから選択され:
・以下の式で表される基:
【0032】
【化12】

【0033】
・水素原子;
同一又は異なる、R24、R26及びR28は、飽和又は不飽和の、かつ直鎖又は分岐鎖のC13-C17炭化水素基から選択され、また好ましくは、飽和又は不飽和の、かつ直鎖又は分岐鎖のC13-C17アルキル及びアルケニル基から選択される。
有利には、該炭化水素基は、直鎖炭化水素基である。
例えば、上記式(VII)の化合物、例えばジアシルオキシエチルジメチルアンモニウム、ジアシルオキシエチル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、モノアシルオキシエチルジ(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、トリアシルオキシエチルメチルアンモニウム又はモノアシルオキシエチル(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウム塩(特に、クロライド又はメチルサルフェート)、及びこれらの混合物を挙げることができる。該アシル基は、好ましくは14〜18個の炭素原子を持ち、またより特定的には、植物油、例えばパーム油又はヒマワリ油を起源とするものである。該化合物が、幾つかのアシル基を持つ場合、該アシル基は、同一又は異なるものであり得る。
【0034】
これらの製品は、例えば場合によりオキシアルキレン化された、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミン又はアルキルジイソプロパノールアミンを、脂肪酸又は植物又は動物起源の脂肪酸の混合物で、直接エステル化することにより、あるいはこれらのメチルエステルのエステル交換反応によって得られる。このエステル化の後、アルキル化剤、例えばアルキルハライド(好ましくはメチル又はエチルハライド)、ジアルキルサルフェート(好ましくはジメチル又はジエチルサルフェート)、メチルメタンスルホネート、メチルp-トルエンスルホネート、グリコールクロロヒドリン又はグリセロールクロロヒドリンを使用した四級化を行う。
このような化合物は、例えばヘンケル(Henkel)社によりデハイカート(DehyquartTM)なる名称、ステパン(Stepan)社によりステパンカット(StepanquatTM)なる名称、セカ(Ceca)社によりノキサミウム(NoxamiumTM)なる名称又はレボ-ウイトコ(Rewo-Witco)社によりレボカット(RewoquatTM) WE18なる名称の下で市販されている。
【0035】
本発明による組成物は、好ましくは四級アンモニウムモノ-、ジ-及びトリ-エステル塩の混合物であって、質量においてジエステル塩が支配的である該混合物を含む。
アンモニウム塩の混合物としては、例えば15〜30質量%のアシルオキシエチルジ(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムメチルサルフェート、45〜60質量%のジアシルオキシエチル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムメチルサルフェート及び15〜30質量%のトリアシルオキシエチルメチルアンモニウムメチルサルフェートを含む混合物を挙げることができ、該アシル基は、14〜18個の炭素原子を持ち、しかも場合により部分的に水添されている、パーム油を起源とするものを使用することができる。
また、特許US-A-4,874,554号及びUS-A-4,137,180号に記載されている、少なくとも一つのエステル官能基を含むアンモニウム塩を使用することができる。
【0036】
上記式(IV)で表される四級アンモニウム塩として好ましいものは、一方においては、テトラアルキルアンモニウムクロライド、例えばジアルキルジメチルアンモニウム又はアルキルトリメチルアンモニウム又はアルキルアラルキル-ジメチルアンモニウムクロライドであり、ここで該アルキル基は、約12〜22個の炭素原子を含み、特にベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド又はベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド、あるいはまた他方においては、パルミタミド-プロピルトリメチルアンモニウムクロライド又はバンダイク(Van Dyk)社によりセラフィル(CeraphylTM) 70なる名称の下で市販されている、ステアラミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウムクロライドが挙げられる。
【0037】
好ましくは、本発明による組成物において使用する該カチオン性界面活性剤は、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド及びセチルトリメチルアンモニウムクロライド及びこれらの混合物から選択される。
本発明による組成物において使用する、1又は複数の該カチオン性界面活性剤は、該組成物中に、0.1〜6質量%なる範囲の量で、好ましくは0.5〜3質量%なる範囲の量で存在する。
上記用語「有機酸」とは、カルボン酸、スルホン酸又はリン酸官能基から選択される、1又はそれ以上の酸官能基を含む、任意の非-ポリマー型の有機化合物を意味するものと理解される。
好ましくは、該有機酸は界面活性剤ではない。
より好ましくは、さらに該有機酸の分子量は、250未満、より一層好ましくは200未満である。
【0038】
該有機酸は、アミノ酸であり得る。
1又は複数の該有機酸は、好ましくは酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、乳酸、リンゴ酸、グリコール酸、アスコルビン酸、マレイン酸、フタール酸、コハク酸、タウリン、酒石酸、アルギニン、グリシン、グルクロン酸、グルコン酸及びクエン酸から選択される。
さらに一層好ましくは、本発明による該有機酸は、カルボン酸である。
より一層好ましくは、本発明の組成物において使用する該有機酸は、酢酸、クエン酸、及び好ましくは乳酸である。
本発明の組成物において、該有機酸は、遊離酸又は塩の形態であり得る。
本発明の組成物において使用する、1又は複数の該有機酸は、該組成物中に、その全質量を基準とし、遊離酸として表した、0.1〜10質量%なる範囲の含有率、好ましくは0.5〜8質量%なる範囲の含有率、さらに一層好ましくは1〜5質量%なる範囲内の含有率で存在し得る。
【0039】
本発明の組成物は、またアニオン性、両性及びノニオン性界面活性剤から選択される、1又はそれ以上の追加の界面活性剤を含むことができる。
本発明の組成物において使用できるアニオン性界面活性剤は、特に、以下のような型:即ちアルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルアミドエーテルサルフェート、アルキルアリールポリエーテルサルフェート、モノグリセライドサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、α-オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルキルスルホサクシネート、アルキルエーテルスルホサクシネート、アルキルアミドスルホサクシネート、アルキルスルホアセテート、アシルザルコシネート及びアシルグルタメート型の塩、特にアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩又はアルカリ土類金属塩、例えばマグネシウム塩から選択され、これら化合物全てのアルキル基及びアシル基は、6〜24個の炭素原子を持ち、またそのアリール基は、好ましくはフェニル基又はベンジル基を表す。
【0040】
また、ポリグリコシドジカルボン酸のC6-24アルキルモノエステル、例えばアルキルグルコシドシトレート、アルキルポリグリコシドタルタレート及びアルキルポリグリコシドスルホサクシネート、アルキルスルホサクシナメート、アシルイセチオネート及びN-アシルタウレートを使用することも可能であり、これら化合物全てのアルキル基及びアシル基は、12〜20個の炭素原子を含む。
本発明の組成物において使用できる、もう一つのアニオン性界面活性剤群は、アシルラクチレート群であり、ここで該アシル基は、8〜20個の炭素原子を含む。
さらに、アルキル-D-ガラクトシドウロン酸及びその塩、並びにポリオキシアルキレン化(C6-24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C6-24)アルキル(C6-24)アリールエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C6-24)アルキルアミドエーテルカルボン酸及びこれらの塩、特に2〜50個のエチレンオキサイド単位を含むもの、及びこれらの混合物を挙げることもできる。
【0041】
好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート及びこれらの混合物、特にアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミン又はアミノアルコール塩の形状にあるものを使用する。
1又はそれ以上の該アニオン性界面活性剤が存在する場合、好ましくは、該界面活性剤の量は、該組成物の全質量に対して、0.1〜4質量%なる範囲内にある。
より好ましくは、該組成物は、アニオン性界面活性剤を含まないものである。
【0042】
本発明の組成物において使用できる、追加のノニオン性界面活性剤の例は、例えばM.R.ポーター(Porter)による「界面活性剤ハンドブック(Handbook of Surfactants)」, 1991, pp. 116-178, ブラッキー&サン(Blackie & Son)社(グラスゴウ及びロンドン)刊に記載されている。これらは、特にポリエトキシレート化、ポリプロポキシレート化又はポリグリセロレート化脂肪アルコール、α-ジオール、(C1-20)アルキルフェノール及び例えば8〜18個の炭素原子を含む脂肪鎖を有する酸から選択される。ここでエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド基の数は、特に2〜50なる範囲とすることができ、またグリセロール基の数は、特に2〜30なる範囲とすることができる。
また、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドと脂肪アルコールとの縮合物;好ましくは2〜30個のエチレンオキサイド単位を持つポリエトキシレート化脂肪アミド、平均して1〜5個及び特に1.5〜4個のグリセロール基を含む、ポリグリセロレート化脂肪アミド、2〜30個のエチレンオキサイド単位を持つエトキシレート化ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、(C6-24アルキル)ポリグリコシド、N-(C6-24アルキル)グルカミン誘導体又はアミンオキサイド、例えば(C10-14アルキル)アミンオキサイド又はN-(C10-14アシル)アミノプロピルモルホリンオキサイドを挙げることができる。
【0043】
該追加のノニオン性界面活性剤が存在する場合、1又はそれ以上の該界面活性剤の量は、該組成物の全質量に対して、好ましくは0.01〜20質量%なる範囲、より一層良好には、0.1〜10質量%なる範囲内にある。
本発明において使用できる、該両性又は双性イオン性界面活性剤は、特に脂肪族基が炭素原子数8〜22で、また少なくとも一つのアニオン性基、例えばカルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネート基を含む、直鎖又は分岐鎖である、脂肪族第二又は第三アミン誘導体であり得る。とりわけ、(C8-20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C8-20アルキル)アミド(C6-8アルキル)ベタイン又は(C8-20アルキル)アミド(C6-8アルキル)スルホベタインを挙げることができる。
アミン誘導体としては、ミラノール(MiranolTM)なる名称の下に市販されている製品、例えば特許US 2,528,378号及びUS 2,781,354号に記載され、CTFA辞典、第3版、1982に、夫々以下のような各構造(A)及び(B)を持つ、アンホカルボキシグリシネート(Amphocarboxyglycinate)及びアンホカルボキシプロピオネート(Amphocarboxypropionate)なる名称の下に分類されているものを挙げることができる:
【0044】
Ra-CONHCH2CH2-N(Rb)(Rc)(CH2COO-) (A)
ここで、
Raは、加水分解されたココナッツオイル中に存在する酸:Ra-COOH由来のアルキル基、又はヘプチル、ノニル又はウンデシル基を表し;
Rbは、β-ヒドロキシエチル基を表し;及び
Rcは、カルボキシメチル基を表す;及び
Ra'-CONHCH2CH2-N(B)(B') (B)
ここで、
Bは-CH2CH2OX'を表し;
B'は-(CH2)z-Y'を表し、ここでzは、1又は2であり;
X'は、-CH2CH2-COOH基、又は水素原子を表し;
Y'は、-COOH又は-CH2-CHOH-SO3H基を表し;
Ra'は、加水分解されたココナッツオイル又は加水分解された亜麻仁油中に存在する酸:Ra'-COOHのアルキル基、アルキル基、特にC17アルキル基及びそのイソ-型又は不飽和C17基を表す。
【0045】
これらの化合物は、CTFA辞典、第5版、1993に、二ナトリウムココアンホジアセテート、二ナトリウムラウロアンホジアセテート、二ナトリウムカプリルアンホジアセテート、二ナトリウムカプリロアンホジアセテート、二ナトリウムココアンホジプロピオネート、二ナトリウムラウロアンホジプロピオネート、二ナトリウムカプリルアンホジプロピオネート、二ナトリウムカプリロアンホジプロピオネート、ラウロアンホジプロピオン酸及びココアンホジプロピオン酸なる名称の下で分類されている。
例として、ロディア(Rhodia)社により、ミラノール(MiranolTM) C2Mコンセントレート(Concentrate)なる商品名の下に市販されている、ココアンホジアセテートを挙げることができる。
上記した両性又は双性イオン性界面活性剤としては、好ましくは(C8-20アルキル)ベタイン、(C8-20アルキル)アミド(C6-8アルキル)ベタイン及びこれらの混合物を使用する。
【0046】
これらが存在する場合、1種又はそれ以上の該両性又は双性イオン性界面活性剤の量は、該組成物の全質量に対して、好ましくは0.01〜20質量%なる範囲、より一層良好には0.1〜10質量%なる範囲内にある。
該用語「化粧学的に許容される媒体」とは、ケラチン繊維、例えば毛髪と相溶性の媒体を意味するものと理解される。
【0047】
該化粧学的に許容される媒体は、水又は水と1又はそれ以上の、低級C1-C4アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、tert-ブタノール又はn-ブタノール;ポリオール、例えばグリセロール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコール;及びこれらの混合物から選択される化粧学的に許容される溶媒との混合物で構成される。
本発明による該組成物のpH値は、3〜11なる範囲及び好ましくは7〜10なる範囲内で変動する。
本発明による該組成物は、さらに1又はそれ以上の、当分野において周知の従来の添加剤、例えば天然又は合成増粘剤又は粘度調節剤;C12-C30脂肪アルコール;セラミド;脂肪エステル、例えばイソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、セチルパルミテート及びステアリルステアレート;鉱物、植物又は合成オイル、例えばα-オレフィン又はパーム油;ビタミン又はプロビタミン;カチオン性又は両性ポリマー;pH-安定化剤;保存剤;及び着色剤を含むことができる。
【0048】
該1又はそれ以上の増粘剤は、セルロース系増粘剤、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、グアーガム及びその誘導体、例えばジャガー(Jaguar) HP105としてロディア(Rhodia)社により市販されているヒドロキシプロピルグアー、微生物起源のガム、例えばザンタンガム及びスクレログルカンガム、合成増粘剤、例えばアクリル酸又はアクリルアミドプロパンスルホン酸の架橋されたホモポリマー、例えばカーボマー(Carbomer)、又はノニオン性、アニオン性、カチオン性、又は両性会合性ポリマー、例えばグッドリッチ(Goodrich)社によりペムレン(Pemulen) TR1又はTR2、チバ(Ciba)社によりサルケア(Salcare) SC90、ローム&ハース(Rohm & Haas)社によりアクリン(Aculyn) 22、28、33、44又は46及びアクゾ(Akzo)社によりエルファコス(Elfacos) T210及びT212なる名称の下で市販されているポリマーから選択することができる。
好ましくは、これらの添加剤は、カチオン性ポリマー及び増粘剤、より特定的には非-イオン性会合性ポリマー、例えばポリウレタン、例えばアクリン(Aculyn) 44及びアクリン(Aculyn) 46なる名称の下に市販されているポリウレタンから選択される。
当業者は、該随意の添加剤及びその量を選択する上で、本発明による組成物の上記諸特性を害することのないように、注意するであろう。
【0049】
これら添加剤は、一般に、本発明の組成物の全質量に対して、0〜20質量%なる範囲内の量にて、該組成物中に存在する。
本発明による組成物は、ケラチン繊維、特に毛髪のコンディショニングのために、例えばコンディショナーとして使用することができる。
好ましくは、本発明の組成物は、リンス型又は放置型のコンディショナーである。
本発明のもう一つの課題は、ケラチン繊維、例えば毛髪の化粧学的処置方法にあり、該方法は、上記のような組成物の有効量を、該繊維に適用する工程及び場合により、随意の放置期間の経過後、リンスする工程からなる。
【0050】
以下の例は、本発明を例示するものである。
例1:
組成物(A)、(B)、(C)及び(D)を、以下の表に示す成分から製造した。以下の表において、該成分の量は、該組成物の全質量に対する、活性物質の質量%として表されている。
【0051】
【表1】

(1): 全体を100%とするに要する量。
【0052】
コンディショナーとして使用すると、該組成物(A)及び(B)は、毛髪に質量感、ボリューム及び満足な柔らかい感触を付与する。
さらに、これらの組成物は、繊細な毛髪の整形を容易にし、またカールした毛髪の、より良好なカールの規定に寄与することを可能とする。
該組成物(C)と(D)との比較検討は、該組成物(C)が、該組成物(D)と比較して、毛髪のより一層のボディに寄与することを示している。
例2:
組成物(E)、(F)、(G)及び(H)を、以下の表に示す成分から製造した。以下の表において、該成分の量は、該組成物の全質量に対する、活性物質の質量%として表されている。
【0053】
【表2】

(1):全体を100%とするのに要する量。
【0054】
コンディショナーとして適用した場合、該組成物(E)、(F)、(G)及び(H)は、毛髪に質量感、ボリューム及び満足な柔らかい感触を付与する。
さらに、これらの組成物は、繊細な毛髪の整形を容易にし、またカールした毛髪の、より良好なカールの規定に寄与することを可能とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維、特にヒトケラチン繊維、例えば毛髪を処置するための化粧料組成物であって、該組成物が、化粧学的に許容される媒体中に、
・ケイ素原子1個を含むシラン及び2又は3個のケイ素原子を含むシロキサンから選択される、1又はそれ以上の有機ケイ素原子-含有化合物と、ここで該有機ケイ素原子-含有化合物が、さらに1分子当たり、1又はそれ以上の塩基性化学官能基及び1又はそれ以上のヒドロキシル基又は加水分解性の基を含み、該シランが、以下の一般式(I)で表される化合物から選択され:
【化1】

ここで、
R4は、ハロゲン原子又はOR'又はR'1基を表し;
R5は、ハロゲン原子又はOR”又はR'2基を表し;
R6は、ハロゲン原子又はOR'''又はR'3基を表し;
R1、R2、R3、R'、R”、 R'''、R'1、R'2及びR'3は、夫々独立に、飽和又は不飽和の、及び直鎖又は分岐鎖の、場合により付随的な化学基を持つ炭化水素基を表し、R1、R2、R'、R”及びR'''は、さらに水素原子を表すことができ、及びR4、R5及びR6の少なくとも2つは、夫々OR'、OR”及びOR'''を表し、R'、R”及びR”'の少なくとも2つは、水素原子以外の基であり;
・1又はそれ以上のカチオン性界面活性剤と;
・1又はそれ以上の有機酸と;
を含むことを特徴とする、前記化粧料組成物。
【請求項2】
前記有機ケイ素原子-含有化合物の前記塩基性化学官能基が、第一、第二又は第三アミノ基から選択される、請求項1記載の化粧料組成物。
【請求項3】
前記加水分解性の基が、アルコキシ基、アリールオキシ基及びハロゲン原子から選択される、請求項1又は2記載の化粧料組成物。
【請求項4】
1又は複数の前記有機ケイ素原子-含有化合物が、以下の一般式(II):
【化2】

ここで、
R1、R2、R3、R5及びR6は、上記定義通りであり、
R'4は、ハロゲン原子又はOR11基を表し、
R7は、ハロゲン原子又はOR10基又はR”1基を表し、
R9は、ハロゲン原子又はOR8、R”2又はR3NR1R2基を表し、
R”1、R”2、R8、R10及びR11は、飽和又は不飽和の、及び直鎖又は分岐鎖の、場合により付随的な化学基を持つ炭化水素基を表し、該基R8、R10及びR11は、さらに水素原子を表すことができ、該基R6、R7及びR9の少なくとも1つは、ハロゲン原子又はOR'''、OR10又はOR8基を表す、
で表される化合物から選択される、請求項1〜3の何れか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項5】
1又は複数の前記有機ケイ素原子-含有化合物が、以下の一般式(III):
【化3】

ここで、同一又は異なっている基Rは、C1-C6アルキル基から選択され、nは1〜6なる範囲、好ましくは2〜4なる範囲内の整数である、
で表される化合物から選択される、請求項1〜4の何れか1項に記載の使用。
【請求項6】
1又は複数の前記カチオン性界面活性剤が、場合によりポリオキシアルキレン化された第一、第二又は第三脂肪アミンの塩、場合によりポリオキシアルキレン化された四級アンモニウム塩及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜5の何れか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項7】
前記四級アンモニウム塩が、以下に列挙するもの:
・以下の一般式(IV)で示されるもの:
【化4】

ここで、同一でも、異なっていてもよい、基R8〜R11は、1〜30個なる範囲の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖脂肪族基又は芳香族基、例えばアリール又はアルキルアリール基を表し、Xは、はライド、ホスフェート、アセテート、ラクテート、(C2-C6)アルキルサルフェート、又はアルキル-又はアルキルアリールスルホネートからなる群から選択されるアニオンを表し;
・イミダゾリン四級アンモニウム塩;
・以下の式(VI)で表されるジ-四級アンモニウム塩:
【化5】

ここで、R16は、約16〜30個なる範囲の炭素原子を含む脂肪族基を表し、同一又は異なっているR17、R18、R19、R20及びR21は、水素原子又は1〜4個なる範囲の炭素原子を含むアルキル基から選択され、またXは、ハライド、アセテート、ホスフェート、ニトレート及びメチルサルフェートからなる群から選択されるアニオンであり;
・少なくとも一つのエステル官能基を含む四級アンモニウム塩:
から選択される、請求項6記載の化粧料組成物。
【請求項8】
1又は複数の前記有機酸が、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、乳酸、グリコール酸、アスコルビン酸、マレイン酸、フタール酸、コハク酸、タウリン、酒石酸、アルギニン、グリシン、グルコン酸、グルクロン酸及びクエン酸から選択される、請求項1〜7の何れか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載の組成物の使用。

【公開番号】特開2009−263369(P2009−263369A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−123561(P2009−123561)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】