説明

尿尼、浄化、下水道、汚泥及び食品残渣の微生物による消滅処理施設。

【課題】 従来の汚水処理施設では、凝集剤で個液分離を図って沈殿した汚泥を脱水し、乾燥、焼却して灰を埋め立てするかコンボスト化が主流であり、結局中間処理施設である。
全国の市町村が財政事情に困窮の時代に、廃棄する物の為に多額の費用を使う。この様な無駄をなくす為、最終処理施設となる消滅処理施設の技術を提供する。
【解決手段】当システムは19槽からなる、多槽、多段式の処理施設であり、汚水や動物性残渣、有機性汚泥等は原水層にて前処理されて調整槽に流入すると、処理対象物によって、菌の分解力を十分に発揮出来る様に希釈水にて調整された汚水が分解槽に流入すると、個液分離→醗酵→分解→消化というプロセスを繰り返し行い、各々の槽において滞留時間を長くして施設の規模の縮小化と分解消化を促進させて消滅を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は屎尿、浄化槽、下水道、汚泥及び食品残渣の微生物による消滅処理する施設に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の汚水処理施設の処理方法は活性汚泥法であり、曝気作動を行い汚水中の好気性菌を活性化させる方法は大きな欠点があり、結果として余剰汚泥を生産することになっている。
【0003】
汚水の個液分離を早める為に凝集剤を使用して、沈下した汚泥を引き抜きされ脱水して焼却後の灰を埋め立て処分するか、推肥化、メタン醗酵などで減量化が図られているが、完全に消滅させる事が出来ずにいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した様に、汚泥を完全消滅させる事が出来ず、その処理の為に大量の石油を消費して、CO2を排出して温暖化の一助となり、廃棄すべきものに費用を使う無駄を解決する。
【0005】
本処理施設は従来の処理方法では解決出来なかった、余剰汚泥の完全消滅を実現する事を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為の微生物 汚水、汚泥の消滅処理施設の方法は、原槽水(1)貯水槽(2)調整槽(3)分解槽(4)4槽、分解消化槽(8)4槽、消化槽(12)2槽、消化消滅槽(14)4槽の17槽とせせらぎ反応消滅槽(18)2槽の全槽で、19槽からなる多槽多段式構造であり、このシステムによる処理工程は個液分離→醗酵→分解→消化というプロセスにて行う。
【0007】
この地球上における最大、かつ最良の浄化施設は土であり、土は土壌菌の働きで機能している。当システムは土壌菌(中間菌)の機能を利用し、土壌の働きをコンパクトに集約した処理施設であり、悪臭や人畜への危険も全く無く、余剰汚泥も出ない最終処理であり、最も有効な処理方法である。
【0008】
菌床となる原料は杉材で、杉の菌床となる部分を特殊な方法で破砕して、腐敗部分を時間を掛けて取り除くと安定したセルロースが残る。このセルロースは微生物にとっては、大変住み心地の良い優れたバイオ材の杉チップが出来る。このチップの固有特性は、(イ)多孔質化の加工により有機物吸着機能を持っている。(ロ)微生物の増殖を促進する。(ハ)生分解を可能にする。(ニ)脱臭効果がある。(ホ)腐敗しない。(へ)自ら湿度を63%に調整する。
【0009】
菌床となる原料は、ポリプロピレンで酵素を練り込んだ独特な形状の担体を、杉チップと同様に菌床として使用している。槽内に、詰められたこの担体に接触することで、担体に吸着している嫌気性、好気性、両性菌により分解と消化を行う。
【0010】
菌床となる杉チップとポリプロピレン製の担体と中間菌を効果的に使い、酵素活性液供
給装置、細胞膜分解装置、醗酵菌培養装置を作動させて分解菌を安定、増殖させる。これ
らを調整する事で分解消化を行い、汚泥が消滅する。
【発明の効果】
【0011】
上述したように、このシステムによる処理施設で汚泥が消滅するので、乾燥や焼却で石油を使わなくてもよい為、CO2を排出せず環境に良い。また、捨てる為に費用を使う無駄も省ける。
【0012】
この処理施設は地域の事情、事業形態に応じた処理施設の設置が可能であり、建設費用も安価であり、維持管理が簡単であり、経済的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図示される(1)〜(21)に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
本発明の微生物による、汚水、汚泥の消滅処理施設の構成は、(1)原水槽(2)貯水槽(3)調整槽(4)分解槽4槽(8)分解消化槽4槽(12)消化槽2槽(14)消化消滅槽4槽(18)せせらぎ反応消滅槽2槽の計19槽と、排水集水槽2槽から成り立つ施設である。
【0015】
図示(1)原水層では、処理対象物を貯留する槽であり、投入時に夾雑物を除去する為に
ドラムスクリーンを設け、酵素活性液供給装置を設置して制御された一定時に一定量の活性液が槽内に投入され、バッキレーターにて汚水を撹拌して処理対象物を粉砕し、大量の酸素を供給して脱臭と腐敗防止の前処理を行い、制御により一定時に一定量が、水中ポンプの作動にて(3)調整槽に送水される。
【0016】
図示(2)は、貯水槽であり、この槽では(21)排水集水槽より最終処理水を中水として受け入れ、希釈水として(3)調整槽に制御により一定時に一定量が、設置された水中ポンプで送水される。
【0017】
図示(3)調整槽では、(1)原水槽より送水されて来た汚水を、微生物が分解処理しやすく適正な濃度になる様に、(2)貯水槽より制御にて一定時に一定量の希釈水が送水されて来て調整される槽であり、槽内の底面中央に設置された散気管により、エアレーションにて大量の酸素を供給、撹拌し設置されているイオンコントロール装置を稼動し、溶存酸素値LFT+999に調整し、また、細胞膜分解装置を稼動して微生物による分解消化に適正な粒子に調整され、制御により一定時に一定量の汚水が、設置された水中ポンプで(4)分解槽に送られる。
【0018】
図示(4)分解槽では槽内の壁面の両側に仕切壁を設置し、壁面と仕切壁の間に太さがランダムなバイオネットパイプ(ポリプロピレン製のネットに酵素を練り込んだパイプ)を充填させ、仕切壁の下部には底面より25cmの高さまで穴があり、仕切壁と仕切壁の間の底部に散気管が設置されており、菌床となる杉チップを槽内容積の3〜5%入れてあり、醗酵菌培養装置が設置され、(21)排水集水槽よりエアーリフトにて処理水が培養装置に送水される事で菌の増加と活動の安定を図る。(3)調整槽より汚水が(4)分解槽に流入してくると散気管より噴出する超微細な気泡のエアーリフト作用により、静かに撹拌され槽内を浮遊している杉チップを汚水が通過する時、個液分離が行われ同時に液体に含まれる汚濁物質は杉チップに吸収され効率的に醗酵、分解が始まる。処理水は壁面側に設置されている仕切壁の下部から上部にバイオネットパイプの詰められた層を通過して、順次この働きを繰り返し、(4)〜(8)の分解消化槽へと流出して行く。
【0019】
図示(8)分解消化槽では底面より25cmの位置に15cm角の穴の開いた棚板を設けてその上にポリプロピレン製の独特な形状の担体をネット袋に詰め込んで、槽内にぎっしりと詰めてあり槽内中央にエアーリフトの装置を設けてあり(7)分解槽より流入して来た汚水は、上部有孔管からシャワー状態となって槽内四方に落水する。エアーリフトの作用で、強制的に槽内下部から上部に循環させて汚水が担体と接触する事により、担体に付着する分解菌によって分解消化を行い、順次この働きを繰り返しながら(8)〜(12)の消化槽へと流出して行く。
【0020】
図示(12)消化槽では、底面より25cmの所に15cm角の析目に穴のある棚板を設置して、担体層と杉チップ層の二層になっており、その容積は担体層3に対して杉チップ層1の割合であり、担体も杉チップもネット袋に詰められている。(11)分解消化槽より流入して来た処理水は上部の有孔管からシャワー状態となって槽内の四方に落水する。槽中央に設置されているエアーリフトにて処理水を循環させて杉チップに付着する中間菌(両性菌)と担体に付着する分解菌により消化を促進させる(13)消化槽より(14)消化消滅槽に流出して行く。
【0021】
図示(14)消化消滅槽では、(12)(13)消化槽と槽内の構造も働きも同じであるが、担体と杉チップとの容積率は1対1の割合であり、エアーリフトの働きによって槽内の処理水を強制的に循環させる事で、中間菌(好気性、嫌気性、両性菌)の増殖を促し、有機物の消化消滅が促進する。この工程を繰り返しながら(14)〜(17)と順次流通して(20)排水集水槽に流出して水中ポンプの作動にて(18)(19)せせらぎ反応消滅槽に排出される。
【0022】
図示(18)せせらぎ反応消滅槽では槽内には菌床となる杉チップがぎっしりと敷き詰めてあり、流入して来た処理水は、この槽でBOD、COD、SS、窒素、リン等の数値が減少され、好気性菌、嫌気性菌、中間菌の大量発生により、残留処理物を消滅させる槽であり、この槽は(18)せせらぎ反応消滅槽と(19)せせらぎ反応消滅槽とは10日間を目処にして交互使用する事で、消滅作業を促進させる最終処理の槽であり、処理水は無色透明な水となって(21)排水集水槽に流出する。
【0023】
図示(21)排水集水槽では、中水として(2)貯水槽に水中ポンプに返送され希釈水となって再利用される。また、一部の処理水は(4)分解槽に設置されている醗酵菌培養装置に返送され、菌の補充と活動を安定させる。余剰水については、イオンコントロール装置を使って液肥として利用できる。また、放流しても良い。放流水のBOD数値は3〜5である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態を示す処理施設の平面図
【図2】分解槽の構成を示す図1におけるA−A線断面図
【図3】分解消化槽の構成を示す図1におけるB−B線断面図
【図4】消化消滅槽の構成を示す図1におけるC−C線断面図
【符号の説明】
【0025】
1 原水層
2 貯水槽
3 調整槽
4 分解槽A
5 分解槽B
6 分解槽C
7 分解槽D
8 分解消化槽A
9 分解消化槽B
・ 分解消化槽C
11 分解消化槽D
12 消化槽A
・ 消化槽B
14 消化消滅槽A
15 消化消滅槽B
16 消化消滅槽C
17 消化消滅槽D
18 せせらぎ反応消滅槽A
19 せせらぎ反応消滅槽B
20 排水集水槽A
21 排水集水槽B


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水槽(1)に酵素活性液供給装置を設置し、酵素活性液を制御によって定時に定量を槽内に入れ、水中バッキレーターにて大量の酸素を供給し、カッターポンプで有機物を粉砕し脱臭、腐敗防止の前処理を行い、制御により定時に定量を調節槽(3)に流出する処理方法。
【請求項2】
調整槽(3)に細胞膜分解装置を設置し、有機物を微細化して分解能力を促進させる処置を施し、イオンコントロール装置し、槽内の溶存酸素値を安定させ、原水槽(3)から送られてきた汚水を微生物が処理しやすいBOD値に貯水槽(2)より制御にて、定時に定量の送水されて来た希釈水にて調整され、制御にて定時に定量の汚水をポンプにて、第一分解槽(4)に送水される処理方法。
【請求項3】
分解槽(4)〜分解槽(7)では、槽内の中心部に散気管を設置し、壁面の両サイドに仕切りを設置し、その両サイドの仕切壁と壁面の間に太さがランダムなバイオネットパイプ(ポリプロピレン製のネットに分解酵素を練り込めたパイプ)が充填されてあり、仕切壁の下部には底面より、高さ25cm部分はランダムに穴が開けられており、仕切壁と仕切壁の間には、菌床となる杉チップ(醗酵腐蝕土)を槽内容器の3〜5%を入れてあり、散気管より噴出する超微細な気泡のエアーリフト作用により静かに撹拌され、槽内を浮遊している杉チップを汚水が通過する時個液分離が行われ、同時に液体に含まれる汚濁物質は、杉チップに吸収されて水分63%前後の条件下で効率的に醗酵が始まり、そしてこの時、多量の極小微生物が発生する。この極小微生物は、中間菌と呼ばれる菌であり、従来の汚水処理に仕様されていた好気性菌でも嫌気性菌でもない両性菌である。この中間菌が当システムの分解菌であり、こうして分解された汚水は設置されている両側の仕切壁の下部の有孔部から充填されてあるバイオネットパイプ部を上部に通過して分解槽(4)から分解槽(7)に順次流出流入して行く処理方法、分解槽(4)に醗酵菌培養装置が設置されてあり、排水集水層(21)より定時に定量の処理水を培養装置に返送する事で醗酵菌の活動を安定させる処理方法。
【請求項4】
分解消化槽(8)〜分解消化槽(11)では分解槽(7)より分解消化槽(8)に流入して来た汚水は、上部の有孔管よりシャワー状態となって四方に落水する。この槽には底面より25cmの所に有孔の棚板が設置してあり、その上に醗酵菌を練り込んだポリプロピレン製の独特な形状の担体をネット袋に入れ、ぎっしりと詰められており、エアーリフトの作動により槽内の汚水を底面より、上部に循環させながら分解消化を繰り返し、定時に定量が消化槽(12)に流入して行く処理方法。
【請求項5】
消化槽(12)〜消化槽(13)では分解消化槽(11)より流入して来た汚水は、上部の有孔気管より消化槽(12)の四方にシャワー状態となって落水する。この消化槽では二層構造になっており、担体容積槽3に対して杉チップ容積槽1の割合である、底面より25cmの位置に有孔の棚板が設置され醗酵菌を練り込んだポリプロピレン製の独特な形状の担体をネット袋に入れた状態で積み込まれ、その上に有孔の棚板が設けられ、ネットに詰めた杉チップを積み込んであり容積比3対1である槽内の汚水をエアーリフトの作動により底面より上部に循環しながら強制的に分解処理を繰り返し定時に定量が消化消滅槽(14)に流入して行く処理方法。
【請求項6】
消化消滅槽(14)〜消化消滅槽(17)では消化槽(13)より流入して来たら汚水は上部の有孔管より消化消滅槽(14)の四方にシャワー状態となって落水する。この消化消滅槽でも二層構造になっており棚板の下部には担体層上部には杉チップ層となり、そ
の容積率は1対1の割合となって、槽内の汚水をエアーリフトの作動にて、底面より上部に循環しながら有機物を消化消滅して第一せせらぎ反応消滅槽(18)(19)に流入して行く処理方法。
【請求項7】
消化消滅槽(17)より第一排水集水槽(20)に流入した汚水は、水中ポンプの作動にて第一せせらぎ反応槽(18)第二せせらぎ反応槽(19)に送られる第一せせらぎ反応槽(18)と第二せせらぎ反応槽(19)は、10日間毎に交互に流入される、槽の底面には、焼成炭含浸した通気性嫌気性菌のバイオブロックを敷き詰め、その上に杉チップを敷き詰め、ミネラルストーンがその上に敷き詰められた最終処理槽であり、無色透明の処理済み水となって第二排水集水槽に流出するBOD値は3〜2である。この排水は中水として希釈水に使用する為、水中ポンプの作動にて貯水槽に返送され、また余剰水は放流するかイオンコントロール装置内を通して液肥に利用する処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−158610(P2010−158610A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1244(P2009−1244)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【特許番号】特許第4341857号(P4341857)
【特許公報発行日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【出願人】(309001012)
【Fターム(参考)】