屋根パネルおよび該屋根パネルを使用した通気性屋根下地構造
【課題】本発明は、気密性に優れ、建物の隙間を防いで熱損失を小さくすることができる屋根パネル及び該屋根パネルを使用した通気性屋根下地構造を提供することを課題とする。
【解決手段】屋根パネル(1)は、垂木(6)が介挿される垂木介挿部(5)の少なくとも野地面材(2)表面に弾性気密保持材(8A)が貼着されている。さらに、前記屋根パネル(1)を使用した通気性屋根下地構造は、該屋根パネル(1)の断熱主板(3A)と、隅木(7D)又は谷木(7E)との間に、該断熱主板(3A)の側面(30A,30B)に貼着されている弾性気密保持材(8C)が介在し、かつ、隅木(7D)又は谷木(7E)に沿った野地面材(2)及び断熱介挿板(3B)で構成される延出部(35)が隅木(7D)又は谷木(7E)上に配置されて通気路(4)が形成されている。
【解決手段】屋根パネル(1)は、垂木(6)が介挿される垂木介挿部(5)の少なくとも野地面材(2)表面に弾性気密保持材(8A)が貼着されている。さらに、前記屋根パネル(1)を使用した通気性屋根下地構造は、該屋根パネル(1)の断熱主板(3A)と、隅木(7D)又は谷木(7E)との間に、該断熱主板(3A)の側面(30A,30B)に貼着されている弾性気密保持材(8C)が介在し、かつ、隅木(7D)又は谷木(7E)に沿った野地面材(2)及び断熱介挿板(3B)で構成される延出部(35)が隅木(7D)又は谷木(7E)上に配置されて通気路(4)が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は屋根パネルおよび該屋根パネルを使用した通気性屋根下地構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の屋根パネル(131)としては、図17に示すように、プラスチック発泡体からなる断熱主板(133A)の複数枚を垂木巾の間隙を介して配置し、該断熱主板(133A)相互をプラスチック発泡体からなる細長の断熱連結板(133B)を上側から貼着することによって連結し、該連結部分にあたる垂木巾の間隙を垂木嵌合部(135) とした断熱材(133) の複数枚を野地面材(132) の下面に該断熱連結板(133B)を介して接着し、該野地面材(132) と該断熱主板(133A)との間において、該断熱連結板(133B)相互の間に該断熱連結板(133B)の厚み分の通気路(134) を形成したものが提供されている。そして、該屋根パネル(131)においては、前記垂木嵌合部(135)に屋根骨格の垂木(6)が嵌合することにより該屋根骨格に被着され、屋根の通気性を確保しつつ断熱性能を向上させた通気性屋根下地構造とされる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4028881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の構成は、垂木と垂木嵌合部との間で気密が確保できず、通気性屋根下地構造の気密性が劣るという問題があった。このため、建物に隙間が生じることを防いで熱損失を小さくすることが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような屋根の気密性が劣るという問題を解決するためになされたものであり、プラスチック発泡体からなる断熱主板の複数枚が垂木巾の間隙を介して配置され、かつ、各断熱主板上面であって前記垂木巾の間隙に隣接する位置に、プラスチック発泡体からなる一対の断熱介挿板が該断熱主板の両側縁に沿ってそれぞれ貼着され、さらに該複数枚の断熱介挿板の上面に野地面材が接合され、該野地面材と該断熱主板との間において前記断熱介挿板相互の間に該断熱介挿板の厚み分の通気路が形成されており、前記垂木巾の間隙は垂木が介挿される垂木介挿部とされ、該垂木介挿部における野地面材表面に弾性気密保持材が貼着されていることを特徴とする屋根パネルである。
【0006】
上記屋根パネルにおいては、前記垂木介挿部における断熱主板及び/又は断熱介挿板の表面に弾性気密保持材が貼着されているものが望ましい。
【0007】
また本発明は、隅部又は谷部に沿って上記屋根パネルが配置された通気性屋根下地構造であって、隅木又は谷木と前記屋根パネルの断熱主板との間には、該隅木又は該谷木の側面に沿って傾斜した該断熱主板の側面に貼着されている弾性気密保持材が介在しており、また該屋根パネルにおける、野地面材及び断熱介挿板が前記隅木側又は前記谷木側に延出されてなる延出部が、該隅木又は該谷木上面に配置され、さらに該隅木又は該谷木と、該垂木とが接続する部位において、該垂木の上面は、該隅木又は谷木の上面から前記断熱介挿板の略厚み分だけ高く配置されていることを特徴とする通気性屋根下地構造である。
【発明の効果】
【0008】
〔作用〕
上記屋根パネルにおいて、弾性気密保持材が配置された垂木介挿部に垂木が介挿されると、該垂木と野地面材とによって該弾性気密保持材が挟まれて弾性変形し、垂木介挿部と垂木との隙間が閉塞されて当該部位の気密が確保される。これにより、建物の隙間を防いで熱損失を小さくすることができる。また、該屋根パネルを垂木に被着した後に別途気密性を確保する作業が不要となるから、建て込み作業が簡便となる。また、該屋根パネルには、断熱介挿板相互の間に該断熱介挿板の厚み分の通気路が形成されているため、屋根の通気が適正に確保される。
【0009】
さらに、前記垂木介挿部における断熱主板及び/又は断熱介挿板の表面に弾性気密保持材が貼着されると、該垂木介挿部の気密性がより一層向上する。
【0010】
また、本発明の通気性屋根下地構造は、断熱主板と隅木又は断熱主板と谷木との間に弾性気密保持材が介在するから、隅部又は谷部においても気密性が確保される。
【0011】
〔効果〕
本発明は、屋根の通気性を確保しつつ気密を確保できるため、建物の隙間を防いで熱損失を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】屋根パネルの部分斜視図
【図2】屋根パネルの断面図
【図3】屋根パネルを屋根骨格上に被着した状態を示す断面図
【図4】屋根パネルを屋根骨格上に被着した状態を示す断面図
【図5】棟部の断面図(水切り板取付け部分)
【図6】棟部の断面図(棟換気部材取付け部分)
【図7】棟換気部材の正面図
【図8】隅部を有する屋根の説明図
【図9】図8におけるA−A断面図
【図10】隅木と屋根パネルとを示す部分斜視図
【図11】隅木と屋根パネルとの当接部分を示す説明図
【図12】谷部を有する屋根の説明図
【図13】図12におけるB−B断面図
【図14】谷木と屋根パネルとを示す部分斜視図
【図15】谷木と屋根パネルとの当接部分を示す説明図
【図16】分岐部を有する屋根であって、屋根パネルが建て込みされた状態を示す平面図
【図17】従来の屋根パネルを屋根骨格上に被着した状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を図1〜図16に示す一実施例によって以下に説明する。
屋根パネル(1)は野地面材(2)と、該野地面材(2)の下面に接着剤によって接着されている断熱材(3)とを主体としている。さらに詳述すると、図1に示すように、前記断熱材(3)は、複数枚の断熱主板(3A)と、各断熱主板(3A)の上面に配置された細長の断熱介挿板(3B)とからなり、前記断熱主板(3A)は、垂木(6)巾の間隙を介して複数枚が配置され、さらに前記断熱介挿板(3B)の一対が、断熱主板(3A)の上面であって前記垂木(6)巾の間隙に隣接する位置に、該断熱主板(3A)の両側縁に沿って上側からそれぞれ貼着されている。さらに、前記複数枚の断熱介挿板(3B)上に、前記野地面材(2)が差し渡されて接着され、かくして該野地面材(2)と該断熱主板(3A)との間において断熱介挿板(3B)相互の間に該断熱介挿板(3B)の厚み分の通気路(4) が形成されている。また、前記垂木(6)巾の間隙は、上下に貫通した垂木介挿部(5) となる。
【0014】
前記断熱主板(3A)及び前記断熱介挿板(3B)は、ポリスチレン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、半硬質ポリウレタン発泡体、上下両面にプラスチックフィルムが貼着されている半硬質ポリウレタン発泡体あるいはフェノール樹脂発泡体等のプラスチック発泡体が材料として採用され、より具体的には、A種フェノールフォーム保温材、A種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温材、A種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温材、A種押出法ポリスチレンフォーム保温材、A種押出法ポリスチレンフォーム保温材を用いることができる。なお、前記断熱主板(3A)及び前記断熱介挿板(3B)の厚さは、各材料の断熱性能に応じて適宜設定される。
【0015】
さらに、図2に示すように、前記垂木介挿部(5)における野地面材(2)、断熱主板(3A)、及び断熱介挿板(3B)の各表面には、弾性材料からなる弾性気密保持材(8A,8B)が接着剤を介して貼着されている。該弾性気密保持材(8A),(8B)に用いられる材料としては、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)が使用され、ジエンとしては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等が用いられる。その他、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を使用することもできる。そのなかでも特に、耐熱性、耐候性、及び成形加工性の点でエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)を主要成分とし、さらにカーボンブラック、オイル、硫黄等、充填剤等、及び酸化亜鉛を含む合成ゴム発泡体からなるシール材が好適である。
【0016】
そして、図3に示すように、該屋根パネル(1) は、垂木(6)が前記垂木介挿部(5)に介挿されて屋根骨格上に被着される。この状態において、該断熱材(3)の断熱主板(3A)と断熱介挿板(3B)とが該垂木(6)の左右両側を覆う配置となる。さらに、該垂木(6)と前記野地面材(2)との間に、該垂木(6)と該野地面材(2)とによって挟まれて弾縮した弾性気密保持材(8A)が介在することとなる。また、該垂木(6)と、前記断熱主板(3A)及び断熱介挿板(3B)との間に、該垂木(6)と該断熱主板(3A)及び該断熱介挿板(3B)とによって挟まれて弾縮した弾性気密保持材(8B)が介在することとなる。
なお、前記垂木(6)と前記野地面材(2)とは、該野地面材(2)上面側から該垂木(6)に向けて釘等(図示省略)が直接打ち付けられて強固に接合される。
【0017】
上記構成により、屋根パネル(1)と屋根骨格とが一体化されて剛性が向上し、屋根の水平強度も十分に確保され、かつ断熱性が確保される。また、前記弾性気密保持材(8A,8B)が弾性変形して垂木介挿部(5)と垂木(6)とに密着してこれらの隙間を塞ぐため、該垂木介挿部(5)における気密性が向上する。
【0018】
ところで、図3,4に示すように、該垂木(6)は、下側において軒桁(7A)、母屋(7B)、棟木(7C)によって支持されている。さらに、軒先部にあって、該屋根パネル(1)の通気路(4)軒先側端が、外気に開放されており、また該断熱材(3)の断熱主板(3A)の下面は、壁断熱材(20)の上端と当接している。また、該屋根パネル(1)の断熱主板(3A)の下面と、該壁断熱材(20)の上端との間に形成された隙間には、軟質ポリウレタン発泡体、軟質ポリ塩化ビニル発泡体、合成ゴムスポンジ等の軟質プラスチック発泡体からなる断熱性シール材(9)が充填され、屋根の断熱材(3)と壁断熱材(20)との接合部において、断熱構造の連続性が断たれることを防止している。さらに、棟部にあっても、左右の屋根パネル(1,1)の接合部の隙間に、同様な断熱性シール材(10)が充填されて、断熱構造の連続性が断たれることを防止している。
なお、該断熱性シール材(10)は、該屋根パネル(1)の通気路(4)を閉塞しないように該屋根パネル(1)の断熱材(3)の断熱主板(3A)間に充填されており、棟に沿って左右の屋根パネル(1,1)間に形成される通気路(11)に該屋根パネル(1,1)の各通気路(4,4)の棟側端が開放されるように設定されている。
【0019】
図5に示すように、該屋根パネル(1)の野地面材(2)の上面には、屋根材(12)が葺設される。そして棟部にあっては、笠木(13,13)を介して水切り板(14)が被覆されている。そして、棟部所定個所には、図6および図7に示すような、棟換気部材(16)が被着されており、屋根(17)の該通気路(11)が該棟換気部材(16)を介して、外気に開放されるように設定されている。
該棟換気部材(16)は、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のプラスチックを材料とし、笠形水切り板(16A)と、該水切り板(16A)の下面両側に接着される通気性ブロック(16B)とからなり、該通気性ブロック(16B)には、例えば、ハニカム状に多数の連通孔が設けられている。
【0020】
上記屋根(17)にあっては、軒先側の換気は屋根パネル(1)の通気路(4)の軒先端が直接外気に開放していることによって行なわれ、棟側換気は、屋根パネル(1)の通気路(4)が通気路(11)に開放され、該通気路(11)が該棟換気部材(16)を介して外気に開放されることによって行なわれる。
【0021】
また前記屋根(17)は、図8に示すような寄棟屋根の場合があり、かかる屋根(17)においては、両端が内側に傾斜している隅部(17A)が形成される。そして、該隅部(17A)に沿って配置された屋根パネル(1)においては、図9〜図11に示すように、隅木(7D)と向かい合う断熱主板(3A)の側面(30A)が、該隅木(7D)の側面(71)に側面に沿って傾斜し、さらにその表面に弾性気密保持材(8C)が貼着されている。ここで、図11に示すように、該屋根パネル(1)が垂木(6)及び隅木(7D)に被着された状態にあっては、該側面(30A)は、水平方向GLに対して垂直な鉛直面(L1方向)となる。したがって、該側面(30A)は、傾斜した野地面材(2)(L2方向)に対して鋭角αをなすことになる。
【0022】
そして、該屋根パネル(1)の垂木介挿部(5)に垂木(6)が介挿された状態で、前記弾性気密保持材(8C)が該断熱主板(3A)の側面(30A)と隅木(7D)の側面(71)との間に挟まれて弾縮した状態となる。また、該隅木(7D)に沿う野地面材(2)及び断熱介挿板(3B)の端部は、前記断熱主板(3A) の側面(30A)よりも隅木(7D)側に延出した延出部(35)とされ、該延出部(35)が該隅木(7D)の傾斜した上面(70)に、かかる傾斜に沿って載置される。
なお、該隅木(7D)、及び該隅木(7D)に接続する垂木(6)は、その接続部位において、該垂木(6)の上面が該隅木(7D)の上面(70)より前記断熱介挿板(3B)の略厚み分だけ高く設定される(図10等参照)。また、前記屋根パネル(1)において、隅木(7D)に沿った前記断熱介挿板(3B)の外縁は、該隅木(7D)に沿った前記野地面材(2)の外縁に沿って形成される。
【0023】
かかる構成にあって、図10に示すように、隅木(7D)上であって前記延出部(35,35)間に開口した該屋根パネル(1)の通気路(4) は、該隅部(17A)における通気路(11)と連通し、さらに断熱主板(3A)と隅木(7D)との間で気密性が確保される。なお、該隅部(17A)は棟部と同様に笠木(13,13)を介して水切り板(14)が被覆される。
【0024】
さらに、図12に示すように、中央から直角に屋根(17B)が分岐した構造のものがある。この場合には、屋根(17)と分岐屋根(17B)との間に谷部(17C)が形成される。この場合においても、図13,14に示すように、谷木(7E)の側面(73)に側面に沿って傾斜した、谷木(7E)の側面(73)と向かい合う断熱主板(3A)の側面(30B)に弾性気密保持材(8C)を貼着し、左右の屋根パネル(1,1) の断熱材(3,3)の断熱主板(3A)の間に谷木(7E)を配置する。この際、前記弾性気密保持材(8C)は、断熱主板(3A)と谷木(7E)とに挟まれて弾縮する。ここで、図15に示すように、該屋根パネル(1)が屋根骨格の垂木(6)及び谷木(7E)に被着された状態にあっては、該側面(30B)は、水平方向GLに対して垂直な鉛直面(L1方向)となる。したがって、該側面(30B)は、傾斜した野地面材(2)(L2方向)に対して鈍角βをなすことになる。
【0025】
また、谷木(7E)に沿った野地面材(2)と断熱介挿板(3B)とからなる延出部(35)を該谷木(7E)の上面(72)に面接触状に載せ、その上から逆笠形の水切り板(14A)を被着する。なお、該谷木(7E)、及び該谷木(7E)に接続する垂木(6)は、その接続部位において、該垂木(6)の上面が該谷木(7E)の上面(72)より前記断熱介挿板(3B)の略厚み分だけ高く配置される(図14等参照)。
【0026】
上記構成により、谷木(7E)上であって前記延出部(35,35)間に開口した該屋根パネル(1)の通気路(4) は、該谷部(17C)における通気路(11)と連通し、さらに断熱主板(3A)と谷木(7E)との間で気密性が確保される。
【0027】
これまでに述べた構成は、図16に示すような屋根構造においても好適に採用することができ、隅部(17A)又は谷部(17C)に沿って配置される屋根パネル(1)は、屋根パネル(1)を平面視した際に直角三角形、台形、平行四辺形及び五角形となる。
【0028】
また、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。例えば、前記弾性気密保持材(8B)は、垂木(6)と、断熱主板(3A)又は断熱介挿板(3B)との間に適宜介在させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、屋根の通気性を確保しつつ、屋根骨格と屋根パネルとの間の気密性が充分に確保されるものであり、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 屋根パネル
2 野地面材
3 断熱材
3A 断熱主板
3B 断熱介挿板
4 通気路
5 垂木介挿部
6 垂木
70 隅木の上面
71 隅木の側面
72 谷木の上面
73 谷木の側面
7D 隅木
7E 谷木
8A,8B,8C 弾性気密保持材
30A,30B 断熱主板の側面
35 延出部
【技術分野】
【0001】
本発明は屋根パネルおよび該屋根パネルを使用した通気性屋根下地構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の屋根パネル(131)としては、図17に示すように、プラスチック発泡体からなる断熱主板(133A)の複数枚を垂木巾の間隙を介して配置し、該断熱主板(133A)相互をプラスチック発泡体からなる細長の断熱連結板(133B)を上側から貼着することによって連結し、該連結部分にあたる垂木巾の間隙を垂木嵌合部(135) とした断熱材(133) の複数枚を野地面材(132) の下面に該断熱連結板(133B)を介して接着し、該野地面材(132) と該断熱主板(133A)との間において、該断熱連結板(133B)相互の間に該断熱連結板(133B)の厚み分の通気路(134) を形成したものが提供されている。そして、該屋根パネル(131)においては、前記垂木嵌合部(135)に屋根骨格の垂木(6)が嵌合することにより該屋根骨格に被着され、屋根の通気性を確保しつつ断熱性能を向上させた通気性屋根下地構造とされる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4028881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の構成は、垂木と垂木嵌合部との間で気密が確保できず、通気性屋根下地構造の気密性が劣るという問題があった。このため、建物に隙間が生じることを防いで熱損失を小さくすることが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような屋根の気密性が劣るという問題を解決するためになされたものであり、プラスチック発泡体からなる断熱主板の複数枚が垂木巾の間隙を介して配置され、かつ、各断熱主板上面であって前記垂木巾の間隙に隣接する位置に、プラスチック発泡体からなる一対の断熱介挿板が該断熱主板の両側縁に沿ってそれぞれ貼着され、さらに該複数枚の断熱介挿板の上面に野地面材が接合され、該野地面材と該断熱主板との間において前記断熱介挿板相互の間に該断熱介挿板の厚み分の通気路が形成されており、前記垂木巾の間隙は垂木が介挿される垂木介挿部とされ、該垂木介挿部における野地面材表面に弾性気密保持材が貼着されていることを特徴とする屋根パネルである。
【0006】
上記屋根パネルにおいては、前記垂木介挿部における断熱主板及び/又は断熱介挿板の表面に弾性気密保持材が貼着されているものが望ましい。
【0007】
また本発明は、隅部又は谷部に沿って上記屋根パネルが配置された通気性屋根下地構造であって、隅木又は谷木と前記屋根パネルの断熱主板との間には、該隅木又は該谷木の側面に沿って傾斜した該断熱主板の側面に貼着されている弾性気密保持材が介在しており、また該屋根パネルにおける、野地面材及び断熱介挿板が前記隅木側又は前記谷木側に延出されてなる延出部が、該隅木又は該谷木上面に配置され、さらに該隅木又は該谷木と、該垂木とが接続する部位において、該垂木の上面は、該隅木又は谷木の上面から前記断熱介挿板の略厚み分だけ高く配置されていることを特徴とする通気性屋根下地構造である。
【発明の効果】
【0008】
〔作用〕
上記屋根パネルにおいて、弾性気密保持材が配置された垂木介挿部に垂木が介挿されると、該垂木と野地面材とによって該弾性気密保持材が挟まれて弾性変形し、垂木介挿部と垂木との隙間が閉塞されて当該部位の気密が確保される。これにより、建物の隙間を防いで熱損失を小さくすることができる。また、該屋根パネルを垂木に被着した後に別途気密性を確保する作業が不要となるから、建て込み作業が簡便となる。また、該屋根パネルには、断熱介挿板相互の間に該断熱介挿板の厚み分の通気路が形成されているため、屋根の通気が適正に確保される。
【0009】
さらに、前記垂木介挿部における断熱主板及び/又は断熱介挿板の表面に弾性気密保持材が貼着されると、該垂木介挿部の気密性がより一層向上する。
【0010】
また、本発明の通気性屋根下地構造は、断熱主板と隅木又は断熱主板と谷木との間に弾性気密保持材が介在するから、隅部又は谷部においても気密性が確保される。
【0011】
〔効果〕
本発明は、屋根の通気性を確保しつつ気密を確保できるため、建物の隙間を防いで熱損失を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】屋根パネルの部分斜視図
【図2】屋根パネルの断面図
【図3】屋根パネルを屋根骨格上に被着した状態を示す断面図
【図4】屋根パネルを屋根骨格上に被着した状態を示す断面図
【図5】棟部の断面図(水切り板取付け部分)
【図6】棟部の断面図(棟換気部材取付け部分)
【図7】棟換気部材の正面図
【図8】隅部を有する屋根の説明図
【図9】図8におけるA−A断面図
【図10】隅木と屋根パネルとを示す部分斜視図
【図11】隅木と屋根パネルとの当接部分を示す説明図
【図12】谷部を有する屋根の説明図
【図13】図12におけるB−B断面図
【図14】谷木と屋根パネルとを示す部分斜視図
【図15】谷木と屋根パネルとの当接部分を示す説明図
【図16】分岐部を有する屋根であって、屋根パネルが建て込みされた状態を示す平面図
【図17】従来の屋根パネルを屋根骨格上に被着した状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を図1〜図16に示す一実施例によって以下に説明する。
屋根パネル(1)は野地面材(2)と、該野地面材(2)の下面に接着剤によって接着されている断熱材(3)とを主体としている。さらに詳述すると、図1に示すように、前記断熱材(3)は、複数枚の断熱主板(3A)と、各断熱主板(3A)の上面に配置された細長の断熱介挿板(3B)とからなり、前記断熱主板(3A)は、垂木(6)巾の間隙を介して複数枚が配置され、さらに前記断熱介挿板(3B)の一対が、断熱主板(3A)の上面であって前記垂木(6)巾の間隙に隣接する位置に、該断熱主板(3A)の両側縁に沿って上側からそれぞれ貼着されている。さらに、前記複数枚の断熱介挿板(3B)上に、前記野地面材(2)が差し渡されて接着され、かくして該野地面材(2)と該断熱主板(3A)との間において断熱介挿板(3B)相互の間に該断熱介挿板(3B)の厚み分の通気路(4) が形成されている。また、前記垂木(6)巾の間隙は、上下に貫通した垂木介挿部(5) となる。
【0014】
前記断熱主板(3A)及び前記断熱介挿板(3B)は、ポリスチレン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、半硬質ポリウレタン発泡体、上下両面にプラスチックフィルムが貼着されている半硬質ポリウレタン発泡体あるいはフェノール樹脂発泡体等のプラスチック発泡体が材料として採用され、より具体的には、A種フェノールフォーム保温材、A種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温材、A種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温材、A種押出法ポリスチレンフォーム保温材、A種押出法ポリスチレンフォーム保温材を用いることができる。なお、前記断熱主板(3A)及び前記断熱介挿板(3B)の厚さは、各材料の断熱性能に応じて適宜設定される。
【0015】
さらに、図2に示すように、前記垂木介挿部(5)における野地面材(2)、断熱主板(3A)、及び断熱介挿板(3B)の各表面には、弾性材料からなる弾性気密保持材(8A,8B)が接着剤を介して貼着されている。該弾性気密保持材(8A),(8B)に用いられる材料としては、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)が使用され、ジエンとしては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等が用いられる。その他、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を使用することもできる。そのなかでも特に、耐熱性、耐候性、及び成形加工性の点でエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)を主要成分とし、さらにカーボンブラック、オイル、硫黄等、充填剤等、及び酸化亜鉛を含む合成ゴム発泡体からなるシール材が好適である。
【0016】
そして、図3に示すように、該屋根パネル(1) は、垂木(6)が前記垂木介挿部(5)に介挿されて屋根骨格上に被着される。この状態において、該断熱材(3)の断熱主板(3A)と断熱介挿板(3B)とが該垂木(6)の左右両側を覆う配置となる。さらに、該垂木(6)と前記野地面材(2)との間に、該垂木(6)と該野地面材(2)とによって挟まれて弾縮した弾性気密保持材(8A)が介在することとなる。また、該垂木(6)と、前記断熱主板(3A)及び断熱介挿板(3B)との間に、該垂木(6)と該断熱主板(3A)及び該断熱介挿板(3B)とによって挟まれて弾縮した弾性気密保持材(8B)が介在することとなる。
なお、前記垂木(6)と前記野地面材(2)とは、該野地面材(2)上面側から該垂木(6)に向けて釘等(図示省略)が直接打ち付けられて強固に接合される。
【0017】
上記構成により、屋根パネル(1)と屋根骨格とが一体化されて剛性が向上し、屋根の水平強度も十分に確保され、かつ断熱性が確保される。また、前記弾性気密保持材(8A,8B)が弾性変形して垂木介挿部(5)と垂木(6)とに密着してこれらの隙間を塞ぐため、該垂木介挿部(5)における気密性が向上する。
【0018】
ところで、図3,4に示すように、該垂木(6)は、下側において軒桁(7A)、母屋(7B)、棟木(7C)によって支持されている。さらに、軒先部にあって、該屋根パネル(1)の通気路(4)軒先側端が、外気に開放されており、また該断熱材(3)の断熱主板(3A)の下面は、壁断熱材(20)の上端と当接している。また、該屋根パネル(1)の断熱主板(3A)の下面と、該壁断熱材(20)の上端との間に形成された隙間には、軟質ポリウレタン発泡体、軟質ポリ塩化ビニル発泡体、合成ゴムスポンジ等の軟質プラスチック発泡体からなる断熱性シール材(9)が充填され、屋根の断熱材(3)と壁断熱材(20)との接合部において、断熱構造の連続性が断たれることを防止している。さらに、棟部にあっても、左右の屋根パネル(1,1)の接合部の隙間に、同様な断熱性シール材(10)が充填されて、断熱構造の連続性が断たれることを防止している。
なお、該断熱性シール材(10)は、該屋根パネル(1)の通気路(4)を閉塞しないように該屋根パネル(1)の断熱材(3)の断熱主板(3A)間に充填されており、棟に沿って左右の屋根パネル(1,1)間に形成される通気路(11)に該屋根パネル(1,1)の各通気路(4,4)の棟側端が開放されるように設定されている。
【0019】
図5に示すように、該屋根パネル(1)の野地面材(2)の上面には、屋根材(12)が葺設される。そして棟部にあっては、笠木(13,13)を介して水切り板(14)が被覆されている。そして、棟部所定個所には、図6および図7に示すような、棟換気部材(16)が被着されており、屋根(17)の該通気路(11)が該棟換気部材(16)を介して、外気に開放されるように設定されている。
該棟換気部材(16)は、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のプラスチックを材料とし、笠形水切り板(16A)と、該水切り板(16A)の下面両側に接着される通気性ブロック(16B)とからなり、該通気性ブロック(16B)には、例えば、ハニカム状に多数の連通孔が設けられている。
【0020】
上記屋根(17)にあっては、軒先側の換気は屋根パネル(1)の通気路(4)の軒先端が直接外気に開放していることによって行なわれ、棟側換気は、屋根パネル(1)の通気路(4)が通気路(11)に開放され、該通気路(11)が該棟換気部材(16)を介して外気に開放されることによって行なわれる。
【0021】
また前記屋根(17)は、図8に示すような寄棟屋根の場合があり、かかる屋根(17)においては、両端が内側に傾斜している隅部(17A)が形成される。そして、該隅部(17A)に沿って配置された屋根パネル(1)においては、図9〜図11に示すように、隅木(7D)と向かい合う断熱主板(3A)の側面(30A)が、該隅木(7D)の側面(71)に側面に沿って傾斜し、さらにその表面に弾性気密保持材(8C)が貼着されている。ここで、図11に示すように、該屋根パネル(1)が垂木(6)及び隅木(7D)に被着された状態にあっては、該側面(30A)は、水平方向GLに対して垂直な鉛直面(L1方向)となる。したがって、該側面(30A)は、傾斜した野地面材(2)(L2方向)に対して鋭角αをなすことになる。
【0022】
そして、該屋根パネル(1)の垂木介挿部(5)に垂木(6)が介挿された状態で、前記弾性気密保持材(8C)が該断熱主板(3A)の側面(30A)と隅木(7D)の側面(71)との間に挟まれて弾縮した状態となる。また、該隅木(7D)に沿う野地面材(2)及び断熱介挿板(3B)の端部は、前記断熱主板(3A) の側面(30A)よりも隅木(7D)側に延出した延出部(35)とされ、該延出部(35)が該隅木(7D)の傾斜した上面(70)に、かかる傾斜に沿って載置される。
なお、該隅木(7D)、及び該隅木(7D)に接続する垂木(6)は、その接続部位において、該垂木(6)の上面が該隅木(7D)の上面(70)より前記断熱介挿板(3B)の略厚み分だけ高く設定される(図10等参照)。また、前記屋根パネル(1)において、隅木(7D)に沿った前記断熱介挿板(3B)の外縁は、該隅木(7D)に沿った前記野地面材(2)の外縁に沿って形成される。
【0023】
かかる構成にあって、図10に示すように、隅木(7D)上であって前記延出部(35,35)間に開口した該屋根パネル(1)の通気路(4) は、該隅部(17A)における通気路(11)と連通し、さらに断熱主板(3A)と隅木(7D)との間で気密性が確保される。なお、該隅部(17A)は棟部と同様に笠木(13,13)を介して水切り板(14)が被覆される。
【0024】
さらに、図12に示すように、中央から直角に屋根(17B)が分岐した構造のものがある。この場合には、屋根(17)と分岐屋根(17B)との間に谷部(17C)が形成される。この場合においても、図13,14に示すように、谷木(7E)の側面(73)に側面に沿って傾斜した、谷木(7E)の側面(73)と向かい合う断熱主板(3A)の側面(30B)に弾性気密保持材(8C)を貼着し、左右の屋根パネル(1,1) の断熱材(3,3)の断熱主板(3A)の間に谷木(7E)を配置する。この際、前記弾性気密保持材(8C)は、断熱主板(3A)と谷木(7E)とに挟まれて弾縮する。ここで、図15に示すように、該屋根パネル(1)が屋根骨格の垂木(6)及び谷木(7E)に被着された状態にあっては、該側面(30B)は、水平方向GLに対して垂直な鉛直面(L1方向)となる。したがって、該側面(30B)は、傾斜した野地面材(2)(L2方向)に対して鈍角βをなすことになる。
【0025】
また、谷木(7E)に沿った野地面材(2)と断熱介挿板(3B)とからなる延出部(35)を該谷木(7E)の上面(72)に面接触状に載せ、その上から逆笠形の水切り板(14A)を被着する。なお、該谷木(7E)、及び該谷木(7E)に接続する垂木(6)は、その接続部位において、該垂木(6)の上面が該谷木(7E)の上面(72)より前記断熱介挿板(3B)の略厚み分だけ高く配置される(図14等参照)。
【0026】
上記構成により、谷木(7E)上であって前記延出部(35,35)間に開口した該屋根パネル(1)の通気路(4) は、該谷部(17C)における通気路(11)と連通し、さらに断熱主板(3A)と谷木(7E)との間で気密性が確保される。
【0027】
これまでに述べた構成は、図16に示すような屋根構造においても好適に採用することができ、隅部(17A)又は谷部(17C)に沿って配置される屋根パネル(1)は、屋根パネル(1)を平面視した際に直角三角形、台形、平行四辺形及び五角形となる。
【0028】
また、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。例えば、前記弾性気密保持材(8B)は、垂木(6)と、断熱主板(3A)又は断熱介挿板(3B)との間に適宜介在させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、屋根の通気性を確保しつつ、屋根骨格と屋根パネルとの間の気密性が充分に確保されるものであり、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 屋根パネル
2 野地面材
3 断熱材
3A 断熱主板
3B 断熱介挿板
4 通気路
5 垂木介挿部
6 垂木
70 隅木の上面
71 隅木の側面
72 谷木の上面
73 谷木の側面
7D 隅木
7E 谷木
8A,8B,8C 弾性気密保持材
30A,30B 断熱主板の側面
35 延出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック発泡体からなる断熱主板の複数枚が垂木巾の間隙を介して配置され、かつ、各断熱主板上面であって前記垂木巾の間隙に隣接する位置に、プラスチック発泡体からなる一対の断熱介挿板が該断熱主板の両側縁に沿ってそれぞれ貼着され、さらに該複数枚の断熱介挿板の上面に野地面材が接合され、該野地面材と該断熱主板との間において前記断熱介挿板相互の間に該断熱介挿板の厚み分の通気路が形成されており、前記垂木巾の間隙は垂木が介挿される垂木介挿部とされ、該垂木介挿部における野地面材表面に弾性気密保持材が貼着されていることを特徴とする屋根パネル。
【請求項2】
前記垂木介挿部における断熱主板及び/又は断熱介挿板の表面に弾性気密保持材が貼着されている請求項1記載の屋根パネル。
【請求項3】
隅部又は谷部に沿って請求項1又は請求項2記載の屋根パネルが配置された通気性屋根下地構造であって、
隅木又は谷木と前記屋根パネルの断熱主板との間には、該隅木又は該谷木の側面に沿って傾斜した該断熱主板の側面に貼着されている弾性気密保持材が介在しており、
また該屋根パネルにおける、野地面材及び断熱介挿板が前記隅木側又は前記谷木側に延出されてなる延出部が、該隅木又は該谷木上面に配置され、
さらに該隅木又は該谷木と、該垂木とが接続する部位において、該垂木の上面は、該隅木又は谷木の上面から前記断熱介挿板の略厚み分だけ高く配置されていることを特徴とする通気性屋根下地構造。
【請求項1】
プラスチック発泡体からなる断熱主板の複数枚が垂木巾の間隙を介して配置され、かつ、各断熱主板上面であって前記垂木巾の間隙に隣接する位置に、プラスチック発泡体からなる一対の断熱介挿板が該断熱主板の両側縁に沿ってそれぞれ貼着され、さらに該複数枚の断熱介挿板の上面に野地面材が接合され、該野地面材と該断熱主板との間において前記断熱介挿板相互の間に該断熱介挿板の厚み分の通気路が形成されており、前記垂木巾の間隙は垂木が介挿される垂木介挿部とされ、該垂木介挿部における野地面材表面に弾性気密保持材が貼着されていることを特徴とする屋根パネル。
【請求項2】
前記垂木介挿部における断熱主板及び/又は断熱介挿板の表面に弾性気密保持材が貼着されている請求項1記載の屋根パネル。
【請求項3】
隅部又は谷部に沿って請求項1又は請求項2記載の屋根パネルが配置された通気性屋根下地構造であって、
隅木又は谷木と前記屋根パネルの断熱主板との間には、該隅木又は該谷木の側面に沿って傾斜した該断熱主板の側面に貼着されている弾性気密保持材が介在しており、
また該屋根パネルにおける、野地面材及び断熱介挿板が前記隅木側又は前記谷木側に延出されてなる延出部が、該隅木又は該谷木上面に配置され、
さらに該隅木又は該谷木と、該垂木とが接続する部位において、該垂木の上面は、該隅木又は谷木の上面から前記断熱介挿板の略厚み分だけ高く配置されていることを特徴とする通気性屋根下地構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−31632(P2010−31632A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115100(P2009−115100)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000104548)キッコーナ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000104548)キッコーナ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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