説明

嵌合部材、レバー操作部材、スライドスイッチ部材、及びこれらの嵌合方法、並びに携帯電話機器

【課題】嵌入時の姿勢バランスを崩す一因となる不測の外力の影響を受けないようにして、機器筐体への組込み誤りを確実に防止できるようにする。
【解決手段】提供するスライドスイッチ15は、スライドプレート16と、このスライドプレート16の裏面側に設けられて、リアカバーケース2の取付け開口部8に嵌入される左右一対の嵌入片17、17と、マクロレバー4を把持するための把持片18、18と、スライドプレート15の表面側に設けられて、操作者が操作するための爪掛けボタン22とから概略構成されている。各嵌入片17には、突隆部23を、対応する嵌入片17の側縁部に向かって下降傾斜する方向に切り欠く態様の斜め切欠部24が設けられている。左右の斜め切欠部24、24は、組立時、嵌入片17、17が取付け開口部8に嵌入される際、協働して、一対の嵌入片17、17の左右間の姿勢バランスを安定状態に保持する機能を担っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、嵌合部材、レバー操作部材、スライドスイッチ部材、及びこれらの嵌合方法、並びに携帯電話機器に係り、詳しくは、機器筐体の組立て容易性、組立て迅速性、組立て確実性の向上化に寄与できる嵌合部材、レバー操作部材、スライドスイッチ部材、及びこれらの嵌合方法、並びに、上記スライドスイッチ部材を備える電子携帯電話機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型電子機器の代表たる携帯電話機は、本来の通話機能や、データ通信機能のみならず、撮影機能も備えており、また、撮影機能と言っても、接写撮影(マクロ撮影)機能や通常(標準)撮影機能等多、複数の機能からなっている。このため、電子メールの送受信に際して、送信者は、ときに、通常(標準)撮影モードで撮影した周囲の風景を、ときに、接写(マクロ)撮影モードで撮影した自分自身の顔や書類等を画像データとして添付して受信者側に送信し、受信者はディスプレイ上で相手の様子や書類等を確認できるようになっている。このように多機能化された携帯電話機では、様々な切換操作が必要となり、切換レバーやスライドスイッチ等、切換操作を行う機械部品が上部筐体や下部筐体に取り付けられている。
【0003】
ここで、上下2つの筐体を備える折畳式の携帯電話機では、テンキー等は下部筐体に、表示装置や電子カメラユニット等は、上部筐体に組み込まれており、これらの上部筐体と下部筐体とは、ヒンジを介して互いに回動可能に連結された構成となっている。
上部筐体は、図7及び図8に示すように、正面を構成するフロントパネル1(図7(a)及び図8(a))と、フロントパネル1の背面側に配置されるリアカバーケース2(図7(b)、(c)及び図8(b)、(c))とから構成され、スライドスイッチ(レバー操作部材)3やマクロレバー(切換レバー)4や鏡筒5やカメラレンズ6やカメラ回路モジュール(図示せず)を含む電子カメラユニットが、リアカバーケース2側に実装されている。上記マクロレバー4は、一端がカメラレンズ6が内蔵された鏡筒5に取り付けられ、他端が、スライドスイッチ3に従動連動する態様に配設され、回転ネジ式に、カメラレンズ6の焦点距離の調整を行うことで、接写撮影(マクロ撮影)モードと通常撮影モードとの間で、撮影モードの切換を行う構成となっている。
【0004】
図9は、従来のスライドスイッチ3の構成を拡大して示す斜視図、また、図10は、同スライドスイッチ3がリアカバーケース2の前面に嵌合取着される様子を示す断面図であり、同図(b)は、図7のA-A線に沿う断面図である。
従来のスライドスイッチ3は、合成樹脂からなる一体成形品で、同図に示すように、スライドプレート7と、このスライドプレート7の裏面側に設けられて、リアカバーケース2の前面2aにスライドスイッチ3を取付けるために設けられた、取付け開口部(被嵌合部)8(図7(b)、(c)、図8(b)、(c)、図10(b))に嵌入される左右一対の嵌入片9、9と、同じくスライドプレート7の裏面側に設けられて、上記取付け開口部8に重なるように位置決めされたマクロレバー4を把持するための前後一対の把持片10、10と、スライドプレート7の表面側に設けられて、操作者が例えば爪を掛けて操作するための爪掛けボタン11とから構成されている。
【0005】
上記一対の嵌入片9、9は、取付け開口部8への嵌入を可能とするために、所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、スライドプレート7の裏面に立設され、各嵌入片9、9には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部12、12が設けられている。ただし、突隆部12、12は、スライドスイッチ3を押圧すれば、取付け開口部8内に挿入できるように、前方側に、全体として先細りの傾斜部が設けられていて、一方、スライドスイッチ3を引っ張れば、離脱できるように、後方にも傾斜部が設けられている。
【0006】
ここで、突隆部12、12を除く左右の嵌入片9、9の外側間距離Bは、取付け開口部8の横幅Cよりも同等か幾分小さく設定されているが、左右の突隆部12、12の外側間距離Dは、取付け開口部8の横幅Cよりも大きく設定されている(図10(b)参照)。図10(b)に示すように、スライドスイッチ3が取付け開口部8に嵌合取着された状態では、スライドプレート7は、取付け開口部8の両側縁部に設けられた段部13、13に載置された状態で、段部に対して摺動できる構成となっている。
上記構成のスライドスイッチ3は、操作者がフロントパネル1側から操作できるように、フロントパネル1に設けられたスイッチ開口部14を通して、外部に露出する態様に実装配置されている。
【0007】
このような構成において、図7に示すように、操作者が、フロントパネル1のスイッチ開口部14から露出されるスライドスイッチ3を下方にスライドさせると、スライドスイッチ3の下方移動DNに連動して、マクロレバー4が図中反時計回りXに回転変位することで、接写(マクロ)モードが設定される。次に、図8に示すように、操作者がスライドスイッチ3を上方UPにスライドさせると、スライドスイッチ3の上方移動に連動して、マクロレバー4が図中時計回りYに回転変位することで、接写(マクロ)モードから通常(標準)撮影モードに切り換えられる(スイッチの連動については、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)。
【特許文献1】特開2000−35605号公報
【特許文献2】特開2000−284343号公報
【特許文献3】特開平9−197479号公報
【特許文献4】特開平11−163555号公報
【特許文献5】特開2006−129089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記構成の携帯電話機を実装・組立てする分野では、スライドスイッチ3の構造上の理由により、次のような不都合な問題があった。
すなわち、上記したように、スライドスイッチ3の各嵌入片9、9には、先端部の外方側に嵌入後の容易離脱防止のために、前方側に先細りの傾斜部を持つ突隆部12、12が設けられているため、嵌入時におけるスライドスイッチ3の姿勢安定性が悪く、このため、図10(a)及び図11に示す仮置き状態から、スライドスイッチ3を押圧して、リアカバーケース2の取付け開口部8に首尾良く嵌合取着しようとしても、図10(c)に示すように、不測の外力により、斜めに逸れて、嵌入組込みに失敗する、という事態がしばしば生じていた。
このことが、機器筐体の組立て容易性、組立て迅速性、組立て確実性の向上化を妨げる要因となっていた。
【0009】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、機器筐体への組込み誤りを防止でき、迅速、容易、かつ、確実に嵌合取着することができる嵌合部材、レバー操作部材、スライドスイッチ部材、及びこれらの嵌合方法、並びに、上記スライドスイッチ部材を備える電子携帯電話機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、基体と、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片とを備える嵌合部材に係り、前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記基体の一の面に立設され、各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、前記左右一対の嵌入片が、前記被嵌合部に嵌入する際の左右間の姿勢バランスを安定に保つためのバランス保持部とが設けられていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、基体と、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片とを備えると共に、嵌入後、前記被嵌合部に対して摺動可能な構成で使用される嵌合部材に係り、前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記基体の一の面に立設され、各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、前記左右一対の嵌入片が、前記被嵌合部に嵌入する際の左右間の姿勢バランスを安定に保つためのバランス保持部とが設けられていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、基体と、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片とを備える嵌合部材に係り、前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記基体の一の面に立設され、各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、該突隆部を、対応する嵌入片の側縁部に向かって下降傾斜する方向に切り欠く態様の斜め切欠部とが設けられていて、前記嵌入片が前記被嵌合部に嵌入される際、前記斜め切欠部が、前記一対の嵌入片の左右間の姿勢バランスを安定状態に保持するバランス保持部として機能することを特徴としている。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、基体と、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片とを備えると共に、嵌入後、前記被嵌合部に対して摺動可能な構成で使用される嵌合部材に係り、前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記基体の一の面に立設され、各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、該突隆部を、対応する嵌入片の側縁部に向かって下降傾斜する方向に切り欠く態様の斜め切欠部とが設けられていて、前記嵌入片が前記被嵌合部に嵌入される際、前記斜め切欠部が、前記一対の嵌入片の左右間の姿勢バランスを安定状態に保持するバランス保持部として機能することを特徴としている。
【0014】
また、請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の嵌合部材に係り、左右一対の前記嵌入片において、左側の前記斜め切欠部と、右側の前記斜め切欠部とは、互いに面対称に形成されていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項6記載の発明は、プレートと、該プレートの裏面側に設けられて、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片と、同じく前記プレートの裏面側に設けられて、前記被嵌合側に配設されたレバーを把持するための把持部と、前記プレートの表面側に設けられて、操作者が操作するための爪掛け部とを備えると共に、嵌入後、前記被嵌合部に対して摺動可能な構成とされて、前記レバーを操作するレバー操作部材に係り、前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記プレートの前記裏面に立設され、各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、前記左右一対の嵌入片が、前記被嵌合部に嵌入する際の左右間の姿勢バランスを安定に保つためのバランス保持部とが設けられていることを特徴としている。
【0016】
請求項7記載の発明は、プレートと、該プレートの裏面側に設けられて、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片と、同じく前記プレートの裏面側に設けられて、前記被嵌合側に配設されたレバーを把持するための把持部と、前記プレートの表面側に設けられて、操作者が操作するための爪掛け部とを備えると共に、嵌入後、前記被嵌合部に対して摺動可能な構成とされて、前記レバーを操作するレバー操作部材に係り、前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記プレートの前記裏面に立設され、各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、該突隆部を、対応する嵌入片の側縁部に向かって下降傾斜する方向に切り欠く態様の斜め切欠部とが設けられていて、前記嵌入片が前記被嵌合部に嵌入される際、前記斜め切欠部が、前記一対の嵌入片の左右間の姿勢バランスを安定状態に保持するバランス保持部として機能することを特徴としている。
【0017】
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載のレバー操作部材に係り、左右一対の前記嵌入片において、左側の前記斜め切欠部と、右側の前記斜め切欠部とは、互いに面対称に形成されていることを特徴としている。
【0018】
また、請求項9記載の発明は、請求項7記載のレバー操作部材に係り、前記各嵌入片が、前記プレートに対して起立する起立片と、前記突隆部と、前記斜め切欠部とを有してなり、前記斜め切欠部の切欠面は、該切欠面と前記起立面とのなす角が、略直角又はやや鈍角である態様に形成されていることを特徴としている。
【0019】
また、請求項10記載の発明は、請求項7記載のレバー操作部材に係り、前記プレート、前記一対の嵌入片と、前記突隆部と、前記斜め切欠部と、前記把持部と、前記爪掛け部とが、一体成形された合成樹脂からなることを特徴としている。
【0020】
また、請求項11記載の発明は、携帯電話機器に係り、所定のレバーを操作するために、請求項6乃至10の何れか1つに記載のレバー操作部材を備えてなることを特徴としている。
【0021】
また、請求項12記載の発明は、プレートと、該プレートの裏面側に設けられて、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片と、同じく前記プレートの裏面側に設けられて、電子カメラユニットの機械的構成要素として前記被嵌合部側に配設された、接写撮影モードと通常撮影モードとの間の切換を行うためのマクロレバーを把持するための把持部と、前記プレートの表面側に設けられて、操作者が操作するための爪掛け部とを備えると共に、嵌入後、前記被嵌合部に対してスライド可能な構成とされて、前記マクロレバーを操作することにより、撮影モードの切換を行うスライドスイッチ部材に係り、前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記プレートの前記裏面に立設され、各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、前記左右一対の嵌入片が、前記被嵌合部に嵌入する際の左右間の姿勢バランスを安定に保つためのバランス保持部とが設けられていることを特徴としている。
【0022】
また、請求項13記載の発明は、プレートと、該プレートの裏面側に設けられて、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片と、同じく前記プレートの裏面側に設けられて、電子カメラユニットの機械的構成要素として前記被嵌合部側に配設された、接写撮影モードと通常撮影モードとの間の切換を行うためのマクロレバーを把持するための把持部と、前記プレートの表面側に設けられて、操作者が操作するための爪掛け部とを備えると共に、嵌入後、前記被嵌合部に対してスライド可能な構成とされて、前記マクロレバーを操作することにより、撮影モードの切換を行うスライドスイッチ部材に係り、前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記プレートの前記裏面に立設され、各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、該突隆部を、対応する嵌入片の側縁部に向かって下降傾斜する方向に切り欠く態様の斜め切欠部とが設けられていて、前記嵌入片が前記被嵌合部に嵌入される際、前記斜め切欠部が、前記一対の嵌入片の左右間の姿勢バランスを安定状態に保持するバランス保持部として機能することを特徴としている。
【0023】
また、請求項14記載の発明は、請求項13記載のスライドスイッチ部材に係り、左右一対の前記嵌入片において、左側の前記斜め切欠部と、右側の前記斜め切欠部とは、互いに面対称に形成されていることを特徴としている。
【0024】
また、請求項15記載の発明は、請求項13記載のスライドスイッチ部材に係り、前記各嵌入片が、前記プレートに対して起立する起立片と、前記突隆部と、前記斜め切欠部とを有してなり、前記斜め切欠部の切欠面は、該切欠面と前記起立面とのなす角が、略直角又はやや鈍角である態様に形成されていることを特徴としている。
【0025】
また、請求項16記載の発明は、請求項13記載のスライドスイッチ部材に係り、前記プレート、前記一対の嵌入片と、前記突隆部と、前記斜め切欠部と、前記把持部と、前記爪掛け部とが、一体成形された合成樹脂からなることを特徴としている。
【0026】
また、請求項17記載の発明は、電子カメラユニットを備える携帯電話機器に係り、前記電子カメラユニットの機械的構成要素として、接写撮影モードと通常撮影モードとの間の切換を行うためのマクロレバーを操作するために、請求項12乃至16の何れか1つに記載のスライドスイッチ部材を備えてなることを特徴としている。
【0027】
また、請求項18記載の発明は、請求項1又は2記載の嵌合部材を被嵌合部材に嵌合する方法に係り、左右の前記嵌入片にそれぞれ設けられた前記バランス保持部を、前記被嵌合部のエッジのうち、左右の対応する部位に載置して前記嵌合部材の姿勢を整えた後、当該嵌合部材を押圧して、前記左右一対の嵌入片が前記被嵌合部材に確実に嵌合して取着されるようにすることを特徴としている。
【0028】
また、請求項19記載の発明は、請求項3又は4記載の嵌合部材を被嵌合部材に嵌合する方法に係り、左右の前記嵌入片にそれぞれ設けられた前記斜め切欠部を、前記被嵌合部のエッジのうち、左右の対応する部位に載置して前記嵌合部材の姿勢を整えた後、当該嵌合部材を押圧して、前記左右一対の嵌入片が前記被嵌合部材に確実に嵌合して取着されるようにすることを特徴としている。
【0029】
また、請求項20記載の発明は、請求項6記載のレバー操作部材を被嵌合部材に嵌合する方法に係り、左右の前記嵌入片にそれぞれ設けられた前記バランス保持部を、前記被嵌合部のエッジのうち、左右の対応する部位に載置して前記レバー操作部材の姿勢を整えた後、当該レバー操作部材を押圧して、前記左右一対の嵌入片が前記被嵌合部材に確実に嵌合して取着されるようにすると共に、前記把持部に、前記被嵌合側に配設されたレバーを把持させることを特徴としている。
【0030】
また、請求項21記載の発明は、請求項7記載のレバー操作部材を被嵌合部材に嵌合する方法に係り、左右の前記嵌入片にそれぞれ設けられた前記斜め切欠部を、前記被嵌合部のエッジのうち、左右の対応する部位に載置して前記レバー操作部材の姿勢を整えた後、当該レバー操作部材を押圧して、前記左右一対の嵌入片が前記被嵌合部材に確実に嵌合して取着されるようにすると共に、前記把持部に、前記被嵌合側に配設されたレバーを把持させることを特徴としている。
【0031】
また、請求項22記載の発明は、請求項12記載のスライドスイッチ部材を被嵌合部材に嵌合する方法に係り、左右の前記嵌入片にそれぞれ設けられた前記バランス保持部を、前記被嵌合部のエッジのうち、左右の対応する部位に載置して前記スライドスイッチ部材の姿勢を整えた後、当該スライドスイッチ部材を押圧して、前記左右一対の嵌入片が前記被嵌合部材に確実に嵌合して取着されるようにすると共に、前記把持部に、前記被嵌合側に配設されたマクロレバーを把持させることを特徴としている。
【0032】
また、請求項23記載の発明は、請求項13記載のスライドスイッチ部材を被嵌合部材に嵌合する方法に係り、左右の前記嵌入片にそれぞれ設けられた前記斜め切欠部を、前記被嵌合部のエッジのうち、左右の対応する部位に載置して前記スライドスイッチ部材の姿勢を整えた後、当該スライドスイッチ部材を押圧して、前記左右一対の嵌入片が前記被嵌合部材に確実に嵌合して取着されるようにすると共に、前記把持部に、前記被嵌合側に配設されたマクロレバーを把持させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0033】
この発明の嵌合部材、レバー操作部材、及びスライドスイッチ部材の構成によれば、左右の嵌入片が被嵌合部に嵌入する際の左右間の姿勢バランスを正常かつ安定に保つためのバランス保持部、あるいは、バランス保持部として機能する斜め切欠部が設けられているので、機器筐体への組込み誤りを防止でき、迅速、容易、かつ、確実に嵌合取着することができる。それゆえ、機器筐体の組立て容易性、組立て迅速性、及び組立て確実性の向上に寄与できる。とりわけ、不測の外力の影響を受け易い小型の嵌合部材、レバー操作部材、及びスライドスイッチ部材にこの発明を適用して好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
この発明の実施形態としてのスライドスイッチ15は、スライドプレート16と、このスライドプレート16の裏面側に設けられて、リアカバーケース2の取付け開口部8に嵌入される左右一対の嵌入片17、17と、同じく裏面側に設けられて、マクロレバー4を把持するための前後一対の把持片18、18と、スライドプレート15の表面側に設けられて、操作者が爪を掛けて操作するための爪掛けボタン22とから構成されている。各嵌入片17には、突隆部23を、対応する嵌入片17の側縁部に向かって下降傾斜する方向に切り欠く態様の斜め切欠部24が設けられている。左右の斜め切欠部24、24は、組立時、嵌入片17、17が取付け開口部8に嵌入される際、協働して、一対の嵌入片17、17の左右間の姿勢バランスを安定状態に保持する機能を担っている。
【実施例1】
【0035】
図1は、この発明の第1実施例であるスライドスイッチの構成を拡大して示す斜視図、図2は、折畳式の携帯電話機を構成する上部筐体の組立途中の状態を示す斜視図であり、同スライドスイッチの装着(嵌着)方法の説明に供される斜視図、図3は、同断面図、また、図4は、同工程断面図である。
【0036】
この例のスライドスイッチ15は、携帯電話機に組み込まれた電子カメラユニットの機械的構成要素として、マクロレバー4を従動連動させて、接写撮影モードと通常撮影モードとの間の切換を行う切換スイッチとして用いられるものである。
上記スライドスイッチ15は、例えば、ポリオキシメチレン(POM)等の合成樹脂からなる一体成形品で、図1に示すように、スライドプレート16と、このスライドプレート16の裏面側に設けられて、リアカバーケース2の前面2aにスライドスイッチ15を取着するために設けられた、取付け開口部(被嵌合部)8(図7(b)、図8(b))に嵌入される左右一対の嵌入片17、17と、同じくスライドプレート16の裏面側に設けられて、上記取付け開口部8に重なるように位置決めされたマクロレバー4を把持するための前後一対の把持片18、18と、逆向き挿入を防止するための逆挿入防止部19と、操作感(クリック感)を惹起させる役割も担うストッパ20と、嵌合後の摺動性調整用の小突起21、21と、スライドプレート15の表面側に設けられて、操作者が例えば爪を掛けて操作するための爪掛けボタン22とから概略構成されている。
【0037】
ここで、上部筐体を構成するフロントパネル1とリアカバーケース2との各構成部分は、図7及び図8の各部と同一であるので、この実施例でも、図7及び図8を参照して、対応各部には、同一符号を用いて、その説明を簡略化する。
【0038】
上記一対の嵌入片17、17は、取付け開口部8への嵌入を可能とするために、所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、スライドプレート16の裏面に立設され、各嵌入片17、17には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部23、23が設けられている。ただし、突隆部23、23は、スライドスイッチ15を押圧すれば、取付け開口部8内に挿入できるように、前方側に、全体として先細りの傾斜部が設けられていて、一方、スライドスイッチ15を引っ張れば、離脱できるように、後方にも傾斜部が設けられている。
【0039】
ここで、突隆部23、23を除く左右の嵌入片17、17の外側間距離Eは、取付け開口部8の横幅Fよりも同等か幾分小さく設定されているが、左右の突隆部23、23の外側間距離Gは、取付け開口部8の横幅Fよりも大きく設定されている(図4(b)参照)。図4(b)に示すように、スライドスイッチ15が取付け開口部8に嵌合取着された状態では、スライドプレート16は、取付け開口部8の両側縁部に設けられた段部13、13に載置された状態で、段部に対して摺動できる構成となっている。
上記構成のスライドスイッチ15は、操作者がフロントパネル1側から操作できるように、フロントパネル1に設けられたスイッチ開口部14を通して、外部に露出する態様に実装配置されている。この例の構成は、上記した限りでは、従来技術で説明したと概略同様である。
【0040】
しかしながら、この例のスライドスイッチ15が、図9に示す従来のスライドスイッチ3と大きく異なるところは、図1に示すように、各嵌入片17には、突隆部23を、対応する嵌入片17の側縁部に向かって下降傾斜する方向に切り欠く態様の斜め切欠部24が設けられている点である。ここで、左右の斜め切欠部24、24は、上部筐体組立時の1工程として、嵌入片17、17が取付け開口部8に嵌入される際、協働して、一対の嵌入片17、17の左右間の姿勢バランスを安定状態に保持する機能(バランス保持機能)を担っている。つまり、この例の嵌入片17、17は、スライドプレート16に対して起立する起立片25と、突隆部23、23と、斜め切欠部24とを有し、斜め切欠部24の切欠面24aは、切欠面24aと起立面とのなす角が、略直角又はやや鈍角に形成されている。なお、左右の斜め切欠部24、24は、互いに面対称に形成されることが好ましいが、必ずしも、面対称でなくても、バランス保持機能は担保されるので、面対称は必須の要件ではない。
【0041】
次に、図2乃至図4を参照して、この例の組立動作について説明する。
上記構成のスライドスイッチ15を、組立中の携帯電話機の上部筐体に装着(嵌着)するには、左右の嵌入片17、17をいきなりリアカバーケース2の前面2aに設けられた取付け開口部8に嵌入させるのではなく、まず、左右の斜め切欠部24、24を、リアカバーケース2側の取付け開口部8の両側縁部に設けられた段部13、13に載置(仮置き)してスライドスイッチ15の左右の姿勢を整える。この仮置き状態では、図2、図3、及び図4(a)に示すように、スライドプレート16の一端側(斜め切欠部24、24が設けられている側の端部)がリアカバーケース2側の取付け開口部8の対応する一端側段部に当接状態となり、スライドプレート16の他端側は、宙に浮いた状態となる。
【0042】
この状態において、次に、スライドスイッチ15を押圧すると、左右一対の嵌入片17、17がリアカバーケース2側の取付け開口部8に確実に嵌合されて、スライドスイッチ15が取付け開口部8に取着される。なお、この実施例では、スライドスイッチ15が取付け開口部8に嵌合取着されると、図3に示すように、取付け開口部8の真下に配置されたマクロレバー4の上部突起4aが、前後一対の把持片18、18によって、把持されるように、対応各部の位置関係が設定されている。
【0043】
かくして、操作者が、スライドスイッチ15を下方にスライドさせると、マクロレバー4の上部突起4aが、把持片18、18によって、把持されているので、スライドスイッチ15の下方移動に連動して、マクロレバー4がある方向に回転変位するので、接写(マクロ)モードが設定される。次に、操作者がスライドスイッチ15を上方にスライドさせると、スライドスイッチ15の上方移動に連動して、マクロレバー4が反対方向に回転変位するので、接写モードから通常撮影モードに切り換えられる。
【0044】
このように、この例の構成によれば、左右の嵌入片が被嵌合部に嵌入する際の左右間の姿勢バランスを安定に保つ斜め切欠部(バランス保持部)が設けられていて、斜め切欠部(切欠面)による仮置き状態では、先端部のごく一部が左右均等の挿入状態となっているので、例え、不測の外力を受けたとしても、機器筐体への組込み誤りを防止でき、迅速、容易、かつ、確実に嵌合取着することができる。それゆえ、機器筐体の組立て容易性、組立て迅速性、及び組立て確実性の向上に寄与できる。とりわけ、不測の外力の影響を受け易い小型の嵌合部材、レバー操作部材、及びスライドスイッチ部材等にこの例の構成を適用して好適である。
【実施例2】
【0045】
図5は、この発明の第2実施例であるスライドスイッチの構成を拡大して示す斜視図である。
この例のスライドスイッチ15aでは、斜め切欠部自体が、第1の斜め切欠部26aと、第2の斜め切欠部26bとに分断されている。このような構成でも、第1の斜め切欠部26aと、第2の斜め切欠部26bとを、リアカバーケース2側の取付け開口部8の両側縁部に設けられた段部13、13に載置(仮置き)でき、スライドスイッチ15の左右の姿勢を整えることができるので、第1実施例で述べたと同様の効果を得ることをできる。
要するに、上部筐体組立時の1工程として、嵌入片17、17が取付け開口部8に嵌入される際、協働して、一対の嵌入片17、17の左右間の姿勢バランスを安定状態に保持する機能を担うものである限り、第1実施例の斜め切欠部24に限定されない。例えば、第2の斜め切欠部26bは、柱状のものでも良いし、また、切欠面24aは、平端面に限らず、波状面でも良い。
【実施例3】
【0046】
図6は、この発明の第3実施例である嵌合部材の構成を拡大して示す斜視図である。
この例の発明は、第1実施例及び第2実施例のスライドスイッチ15、15aに適用されるだけではなく、例えば、図6に示すような、摺動性も把持性も必要のない嵌合部材27に適用することもできる。
【0047】
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、この発明の構成は、あらゆる被嵌合部に適用でき、携帯電話機の筐体に限定するものでないことは勿論である。同様に、マクロレバーの切換え用に限定されるものではないことも明らかである。また、斜め切欠部の最適角度は、必要に応じて決定されるべきものである。また、上述の実施例では、斜め切欠部を逆挿入防止部19側に設けるようにしたが、これに限らず、ストッパ20側に設けるようにしても良い。また、スライドスイッチの素材は、合成樹脂に限定されない。同様に、一体成形品に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
広く携帯電子機器筐体の嵌合部品、切換スイッチ部品として適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の第1実施例であるスライドスイッチの構成を拡大して示す斜視図である。
【図2】折畳式の携帯電話機を構成する上部筐体の組立途中の状態を示す斜視図であり、同スライドスイッチの装着(嵌着)方法の説明に供される斜視図である。
【図3】同スライドスイッチの装着(嵌着)方法の説明に供される断面図である。
【図4】同スライドスイッチの装着(嵌着)方法の説明に供される断面図である。
【図5】この発明の第2実施例であるスライドスイッチの構成を拡大して示す斜視図である。
【図6】この発明の第3実施例であるスライドスイッチの構成を拡大して示す斜視図である。
【図7】折畳式携帯電話機の上部筐体に組み込まれている電子カメラユニットのうち、スライドスイッチとマクロレバーとの連動機構及び接写撮影モードへの切換動作を示す表裏面図である。
【図8】折畳式携帯電話機の上部筐体に組み込まれている電子カメラユニットのうち、スライドスイッチとマクロレバーとの連動機構及び通常撮影モードへの切換動作を示す表裏面図である。
【図9】従来のスライドスイッチの構成を拡大して示す斜視図である。
【図10】同スライドスイッチがリアカバーケースの前面に嵌合取着される様子を示す断面図であり、同図(b)は、図7のA-A線に沿う断面図である。
【図11】従来技術の不具合を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 フロントパネル(携帯電話機器の一部)
2 リアカバーケース(携帯電話機器の一部)
4 マクロレバー(レバー、電子カメラユニットの一部)
5 鏡筒(電子カメラユニットの一部)
6 カメラレンズ6(電子カメラユニットの一部)
8 取付け開口部(被嵌合部)
13 段部(被嵌合部のエッジのうち、左右の対応する部位)
15 スライドスイッチ(スライドスイッチ部材、嵌合部材、レバー操作部材)
16 スライドプレート(基体、プレート)
17 嵌入片
18 把持部(把持片)
22 爪掛けボタン(爪掛け部)
23 突隆部
24 斜め切欠部(バランス保持部)
24a 切欠面
25 起立片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片とを備える嵌合部材であって、
前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記基体の一の面に立設され、
各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、前記左右一対の嵌入片が、前記被嵌合部に嵌入する際の左右間の姿勢バランスを安定に保つためのバランス保持部とが設けられていることを特徴とする嵌合部材。
【請求項2】
基体と、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片とを備えると共に、嵌入後、前記被嵌合部に対して摺動可能な構成で使用される嵌合部材であって、
前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記基体の一の面に立設され、
各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、前記左右一対の嵌入片が、前記被嵌合部に嵌入する際の左右間の姿勢バランスを安定に保つためのバランス保持部とが設けられていることを特徴とする嵌合部材。
【請求項3】
基体と、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片とを備える嵌合部材であって、
前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記基体の一の面に立設され、
各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、該突隆部を、対応する嵌入片の側縁部に向かって下降傾斜する方向に切り欠く態様の斜め切欠部とが設けられていて、前記嵌入片が前記被嵌合部に嵌入される際、前記斜め切欠部が、前記一対の嵌入片の左右間の姿勢バランスを安定状態に保持するバランス保持部として機能することを特徴とする嵌合部材。
【請求項4】
基体と、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片とを備えると共に、嵌入後、前記被嵌合部に対して摺動可能な構成で使用される嵌合部材であって、
前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記基体の一の面に立設され、
各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、該突隆部を、対応する嵌入片の側縁部に向かって下降傾斜する方向に切り欠く態様の斜め切欠部とが設けられていて、前記嵌入片が前記被嵌合部に嵌入される際、前記斜め切欠部が、前記一対の嵌入片の左右間の姿勢バランスを安定状態に保持するバランス保持部として機能することを特徴とする嵌合部材。
【請求項5】
左右一対の前記嵌入片において、左側の前記斜め切欠部と、右側の前記斜め切欠部とは、互いに面対称に形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の嵌合部材。
【請求項6】
プレートと、該プレートの裏面側に設けられて、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片と、同じく前記プレートの裏面側に設けられて、前記被嵌合側に配設されたレバーを把持するための把持部と、前記プレートの表面側に設けられて、操作者が操作するための爪掛け部とを備えると共に、嵌入後、前記被嵌合部に対して摺動可能な構成とされて、前記レバーを操作するレバー操作部材であって、
前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記プレートの前記裏面に立設され、
各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、前記左右一対の嵌入片が、前記被嵌合部に嵌入する際の左右間の姿勢バランスを安定に保つためのバランス保持部とが設けられていることを特徴とするレバー操作部材。
【請求項7】
プレートと、該プレートの裏面側に設けられて、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片と、同じく前記プレートの裏面側に設けられて、前記被嵌合側に配設されたレバーを把持するための把持部と、前記プレートの表面側に設けられて、操作者が操作するための爪掛け部とを備えると共に、嵌入後、前記被嵌合部に対して摺動可能な構成とされて、前記レバーを操作するレバー操作部材であって、
前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記プレートの前記裏面に立設され、
各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、該突隆部を、対応する嵌入片の側縁部に向かって下降傾斜する方向に切り欠く態様の斜め切欠部とが設けられていて、前記嵌入片が前記被嵌合部に嵌入される際、前記斜め切欠部が、前記一対の嵌入片の左右間の姿勢バランスを安定状態に保持するバランス保持部として機能することを特徴とするレバー操作部材。
【請求項8】
左右一対の前記嵌入片において、左側の前記斜め切欠部と、右側の前記斜め切欠部とは、互いに面対称に形成されていることを特徴とする請求項7記載のレバー操作部材。
【請求項9】
前記各嵌入片は、前記プレートに対して起立する起立片と、前記突隆部と、前記斜め切欠部とを有してなり、前記斜め切欠部の切欠面は、該切欠面と前記起立面とのなす角が、略直角又はやや鈍角である態様に形成されていることを特徴とする請求項7記載のレバー操作部材。
【請求項10】
前記プレート、前記一対の嵌入片と、前記突隆部と、前記斜め切欠部と、前記把持部と、前記爪掛け部とが、一体成形された合成樹脂からなることを特徴とする請求項7記載のレバー操作部材。
【請求項11】
所定のレバーを操作するために、請求項6乃至10の何れか1つに記載のレバー操作部材を備えてなることを特徴とする携帯電話機器。
【請求項12】
プレートと、該プレートの裏面側に設けられて、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片と、同じく前記プレートの裏面側に設けられて、電子カメラユニットの機械的構成要素として前記被嵌合部側に配設された、接写撮影モードと通常撮影モードとの間の切換を行うためのマクロレバーを把持するための把持部と、前記プレートの表面側に設けられて、操作者が操作するための爪掛け部とを備えると共に、嵌入後、前記被嵌合部に対してスライド可能な構成とされて、前記マクロレバーを操作することにより、撮影モードの切換を行うスライドスイッチ部材であって、
前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記プレートの前記裏面に立設され、
各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、前記左右一対の嵌入片が、前記被嵌合部に嵌入する際の左右間の姿勢バランスを安定に保つためのバランス保持部とが設けられていることを特徴とするスライドスイッチ部材。
【請求項13】
プレートと、該プレートの裏面側に設けられて、被嵌合部に嵌入される左右一対の嵌入片と、同じく前記プレートの裏面側に設けられて、電子カメラユニットの機械的構成要素として前記被嵌合部側に配設された、接写撮影モードと通常撮影モードとの間の切換を行うためのマクロレバーを把持するための把持部と、前記プレートの表面側に設けられて、操作者が操作するための爪掛け部とを備えると共に、嵌入後、前記被嵌合部に対してスライド可能な構成とされて、前記マクロレバーを操作することにより、撮影モードの切換を行うスライドスイッチ部材であって、
前記一対の嵌入片は、前記被嵌合部への嵌入を可能とするための所定の可撓性を有すると共に、相対向して、かつ、互いに所定距離隔てられる態様で、前記プレートの前記裏面に立設され、
各嵌入片には、その先端部の外方側に嵌入後容易離脱防止用の突隆部と、該突隆部を、対応する嵌入片の側縁部に向かって下降傾斜する方向に切り欠く態様の斜め切欠部とが設けられていて、前記嵌入片が前記被嵌合部に嵌入される際、前記斜め切欠部が、前記一対の嵌入片の左右間の姿勢バランスを安定状態に保持するバランス保持部として機能することを特徴とするスライドスイッチ部材。
【請求項14】
左右一対の前記嵌入片において、左側の前記斜め切欠部と、右側の前記斜め切欠部とは、互いに面対称に形成されていることを特徴とする請求項13記載のスライドスイッチ部材。
【請求項15】
前記各嵌入片は、前記プレートに対して起立する起立片と、前記突隆部と、前記斜め切欠部とを有してなり、前記斜め切欠部の切欠面は、該切欠面と前記起立面とのなす角が、略直角又はやや鈍角である態様に形成されていることを特徴とする請求項13記載のスライドスイッチ部材。
【請求項16】
前記プレート、前記一対の嵌入片と、前記突隆部と、前記斜め切欠部と、前記把持部と、前記爪掛け部とが、一体成形された合成樹脂からなることを特徴とする請求項13記載のスライドスイッチ部材。
【請求項17】
電子カメラユニットを備える携帯電話機器であって、
前記電子カメラユニットの機械的構成要素として、接写撮影モードと通常撮影モードとの間の切換を行うためのマクロレバーを操作するために、請求項12乃至16の何れか1つに記載のスライドスイッチ部材を備えてなることを特徴とする携帯電話機器。
【請求項18】
請求項1又は2記載の嵌合部材を被嵌合部材に嵌合する方法であって、
左右の前記嵌入片にそれぞれ設けられた前記バランス保持部を、前記被嵌合部のエッジのうち、左右の対応する部位に載置して前記嵌合部材の姿勢を整えた後、当該嵌合部材を押圧して、前記左右一対の嵌入片が前記被嵌合部材に確実に嵌合して取着されるようにすることを特徴とする嵌合部材の嵌合方法。
【請求項19】
請求項3又は4記載の嵌合部材を被嵌合部材に嵌合する方法であって、
左右の前記嵌入片にそれぞれ設けられた前記斜め切欠部を、前記被嵌合部のエッジのうち、左右の対応する部位に載置して前記嵌合部材の姿勢を整えた後、当該嵌合部材を押圧して、前記左右一対の嵌入片が前記被嵌合部材に確実に嵌合して取着されるようにすることを特徴とする嵌合部材の嵌合方法。
【請求項20】
請求項6記載のレバー操作部材を被嵌合部材に嵌合する方法であって、
左右の前記嵌入片にそれぞれ設けられた前記バランス保持部を、前記被嵌合部のエッジのうち、左右の対応する部位に載置して前記レバー操作部材の姿勢を整えた後、当該レバー操作部材を押圧して、前記左右一対の嵌入片が前記被嵌合部材に確実に嵌合して取着されるようにすると共に、前記把持部に、前記被嵌合側に配設されたレバーを把持させることを特徴とするレバー操作部材の嵌合方法。
【請求項21】
請求項7記載のレバー操作部材を被嵌合部材に嵌合する方法であって、
左右の前記嵌入片にそれぞれ設けられた前記斜め切欠部を、前記被嵌合部のエッジのうち、左右の対応する部位に載置して前記レバー操作部材の姿勢を整えた後、当該レバー操作部材を押圧して、前記左右一対の嵌入片が前記被嵌合部材に確実に嵌合して取着されるようにすると共に、前記把持部に、前記被嵌合側に配設されたレバーを把持させることを特徴とするレバー操作部材の嵌合方法。
【請求項22】
請求項12記載のスライドスイッチ部材を被嵌合部材に嵌合する方法であって、
左右の前記嵌入片にそれぞれ設けられた前記バランス保持部を、前記被嵌合部のエッジのうち、左右の対応する部位に載置して前記スライドスイッチ部材の姿勢を整えた後、当該スライドスイッチ部材を押圧して、前記左右一対の嵌入片が前記被嵌合部材に確実に嵌合して取着されるようにすると共に、前記把持部に、前記被嵌合側に配設されたマクロレバーを把持させることを特徴とするスライドスイッチ部材の嵌合方法。
【請求項23】
請求項13記載のスライドスイッチ部材を被嵌合部材に嵌合する方法であって、
左右の前記嵌入片にそれぞれ設けられた前記斜め切欠部を、前記被嵌合部のエッジのうち、左右の対応する部位に載置して前記スライドスイッチ部材の姿勢を整えた後、当該スライドスイッチ部材を押圧して、前記左右一対の嵌入片が前記被嵌合部材に確実に嵌合して取着されるようにすると共に、前記把持部に、前記被嵌合側に配設されたマクロレバーを把持させることを特徴とするスライドスイッチ部材の嵌合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−47415(P2008−47415A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−221728(P2006−221728)
【出願日】平成18年8月15日(2006.8.15)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】