説明

工具マガジン用ギヤドモータ

【課題】モータ自体のメンテナンス性と工具のメンテナンス作業性を両立させると同時に、奥行のコンパクトな工具マガジン用ギヤドモータを提供する。
【解決手段】複数の工具を保持可能な工具マガジン170を回転駆動するための工具マガジン用ギヤドモータ100であって、駆動源としてのサーボモータ106と、減速機ケーシング132(出力部)に工具マガジン170の本体を取付可能な減速機102と、サーボモータ106を連結でき且つ該サーボモータ106を連結した状態のままで工作機械の本体108と連結可能な第1の連結面104Aを備えた固定体104と、を備え、サーボモータ106を、固定体104を介して減速機102を工作機械の本体108に連結した状態のままで、第1の連結面104Aに沿う方向から着脱可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力源としてのモータの回転を減速して出力するギヤドモータの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
図4および図5に、公知の工作機械を示す(特許文献1参照)。この工作機械1は、ケーシング2内に複数の工具4を備えた工具マガジン3を備えている。この工具マガジン3は、円盤形状とされており、異なる種類の工具4が放射状に所定の間隔毎に配置されている。またこの工具マガジン3は、当該マガジン3の前面に配置されたモータ10によって所定のタイミングで所定の位置にまで回転可能に構成されている。一方、この工作機械1には、工具4に動力を伝達するためのヘッド部5が備わっている。またこのヘッド部5は、所定のタイミングで上下方向(図4において上下方向)に進退可能とされており、当該進退の途中で、工具マガジン3から工具4を受渡し可能に構成されている。ヘッド部5は、加工対象物(図示していない)に対する加工内容に応じて必要な工具4を選択し、加工(例えば穴あけ加工、削り加工等)を行う。この工具4の選択は、工具マガジン3が回転することによって、ヘッド部5に対する着脱位置へと所望の種類の工具4が移動することにより実現される。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−50735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工作機械1においてモータ10が工具マガジン3の前面に配置されているのは、例えば、モータ10自体のメンテナンス作業(交換等)を容易に行うためである。
【0005】
しかしながら、工具マガジン3の全面(手前側)にモータ10を配置した場合には、不可避的に当該モータ10部分が工具マガジン3の前面(即ち、工作機械1の前面)に突出する構成となるため、工作機械1の奥行が大きくなってしまう。更に、工具マガジン3に装着されている工具4のメンテナンス作業(例えば交換)をする場合には、当該モータ10が作業者の頭部付近に位置するため、モータ10が邪魔となってメンテナンス作業がやり難い。一方これを嫌って、例えば工具マガジン3の奥方向にモータを配置したのでは、工具4の交換作業は容易となるが、モータ10自体のメンテナンス作業が困難となる。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するべくなされたものであって、モータ自体のメンテナンス性と工具のメンテナンス性を両立させると同時に、奥行のコンパクトな工具マガジン用ギヤドモータを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の工具を保持可能な工具マガジンを回転駆動するための工具マガジン用ギヤドモータであって、駆動源としてのモータと、出力部に前記工具マガジンの本体を取付可能な減速機と、当該減速機の一部として若しくは別体として構成され、前記モータを連結でき且つ該モータを連結した状態のままで前記工作機械の本体側と連結可能な第1の連結面を備えた固定体と、を備え、前記モータが、前記固定体を介して前記減速機を前記工作機械の本体側に連結した状態のままで、前記第1の連結面に沿う方向から着脱可能とすることにより、上記課題を解決するものである。
【0008】
このような構成を採用したことによって、工具マガジンの前面側に突出することのない工具マガジン用ギヤドモータを提供することが可能となっている。即ち、工作機械の本体と減速機とを接いでいる固定体に対して第1の連結面に沿う方向からモータを着脱可能に構成したことで、モータが第1の連結面と直交する方向(工具マガジンの前面側、工作機械の前面側、或いは作業者側)に突出する量を少なくすることができる。その結果、工作機械の奥行をコンパクトにできると共に、モータ自体のメンテナンス、工具のメンテナンスの作業性を両立させることが可能となっている。
【発明の効果】
【0009】
本発明を適用することにより、モータ自体のメンテナンス性と工具のメンテナンス性を両立させると同時に、奥行のコンパクトな工具マガジン用ギヤドモータを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態の一例を示すギヤドモータの側断面図である。図2は、工具マガジンが取り付けられた状態のギヤドモータの側断面図である。図3は、工具マガジンの正面図(図2における矢示III方向)である。
【0012】
<ギヤドモータの構成>
ギヤドモータ100は、減速機102と、この減速機102と連結された固定体104と、この固定体104に連結されたサーボモータ106とから構成されている。固定体104は箱状の固定体ケーシング117を中心に構成され、当該箱の一面である第1の連結面104Aにおいて工作機械本体108(符号のみ示す)と連結固定されている。なお、ここでは第1の連結面104Aが直接的に工作機械本体108と連結固定される構成とされているが、例えば平面的なプレートで構成されたアダプタ等の別部材を介しての間接的な連結であっても何ら差し支えない。また、固定体ケーシング117の上面(第2の連結面104B)にサーボモータ106が接続されている。また、第1の連結面104Aに対して傾斜して構成される第3の連結面104Cに減速機102が連結されている。
【0013】
なお、本実施形態においては、固定体104が減速機102とは別の構成部材(別体)となっているが、固定体104が減速機102の一構成要素となるような構成(例えば減速機102の一部が延在して固定体ケーシング117の機能を発揮する構成)であっても差し支えない。
【0014】
<固定体の構成>
サーボモータ106の出力軸たるモータ軸110は、固定体ケーシング117の内周面117Aに軸受114および軸受116を介して軸支された継軸112と連結している。これら内周面117A、軸受114、116および継軸112は、互いにインロウまたは止め輪によって軸方向の位置が規制されている。継軸112には、その先端にピニオン112Pが直切り形成され、他端(反先端側)に凹部112Aが形成されている。当該凹部112Aには、前述したモータ軸110の先端がキーにより結合され、更に当該キーがビス(図示しない)によって抜け落ちないようにされている。その結果、モータ軸110と継軸112とが回転方向に固定されている。また、継軸112の先端に直切り形成されたピニオン112Pは、ベベルギヤ(傘歯歯車)118と噛合している。このように、固定体104の内部(固定体ケーシング117の内部)でピニオン112Pとベベルギヤ118によって減速機構が構成されている。このベベルギヤ118は、減速機102の入力軸122の一端(固定体104側の端部)に、ボルト120によって連結固定されている。また、ピニオン112Pとベベルギヤ118との噛合は、互いの軸心(ピニオン112Pの軸心O2、ベベルギヤ118の軸心O1)同士が所定の角度αをなすように構成されている。本実施形態においてこの角度αは110°である。
【0015】
なお、固定体104の内部はオイルシール146、Oリング144、180、184の存在によって、独立した密閉空間とされている。
【0016】
<減速機の構成>
減速機102は、入力軸122に入力された動力(回転力)を減速して出力する。本実施形態における減速機102は、所謂、偏心揺動型内接噛合遊星歯車減速機である。
【0017】
軸心O1を中心に回転可能な入力軸122には、偏心体124が一体的に形成されている。本実施形態では、偏心体124が3つ形成されており、それぞれ約120°位相が異なるように構成されている。また、それに伴い偏心体用軸受126および外歯歯車128がそれぞれ3組の構成とされているが、このような構成に限定されるものではない。減速機に求められる伝達容量等によって、外歯歯車128等が1組、2組、または4組以上の構成であっても差し支えない。
【0018】
偏心体124は、偏心体用軸受126を介して外歯歯車128の中心孔128Aに嵌合している。この外歯歯車128は自身の中心孔128Aに偏心体用軸受126を嵌合させると同時に、内歯歯車の内歯(本実施形態では外ピン130が相当する)に噛合している。また、外歯歯車128には円周方向の異なる位置に複数の内ピン孔128Bが設けられている(図面上は1つしか現れていない)。この内ピン孔128Bには、内ピン138が内ローラ140を介して遊嵌している。この内ローラ140は、内ピン138に対して相対的に自由に回転することが可能である。
【0019】
また、外歯歯車128と噛合する外ピン130は、減速機ケーシング132の内周面に複数設置されている。なお、図面上は現われていないが、外歯歯車128の歯の数と、外ピン130との数には僅少の差(1乃至3程度)が設けられている。
【0020】
本実施形態における内ピン138は、円盤形状の第1フランジ134と一体形成されている。さらに、内ピン138は、ボルト162によって円盤形状の第2フランジ136と連結固定されている。即ち、内ピン138と第1、第2フランジ134、136は一体化されている。
【0021】
また、第1フランジ134と入力軸122との間には軸受156が、第2フランジ136と入力軸122との間には軸受158が、第1フランジ134と減速機ケーシング132との間には軸受148が、第2フランジ136と減速機ケーシング132との間には軸受150が配置されている。
【0022】
なお、第2フランジ136を覆い隠すようにカバー152が設けられ、当該カバー152は、ボルト154によって減速機ケーシング132に固定されている。また、符号132Aは、後述する工具マガジン170を減速機ケーシング132に取り付けるためのボルト孔である。また、減速機102の内部はオイルシール142、146、Oリング182の存在によって、独立した密閉空間とされている。
【0023】
<減速機と固定体との連結について>
減速機102と固定体104との連結は、本実施形態においては、第1フランジ(非回転部材)134と固定体ケーシング117とを連結するボルト160により実現されている。上述した通り、第1フランジ134は一体形成される内ピン138を介して第2フランジ136と連結固定されているため、内ピン138や第2フランジ136も、固定体ケーシング117に対して事実上連結固定されている。このような構成によって、入力軸122に入力された回転は、偏心体124、偏心体用軸受126、外歯歯車128を介して伝達され、最終的に、固定された内ピン138に対して減速機ケーシング132自体を回転させることが可能とされている(作用の詳細は後述する)。即ち、減速機ケーシング132自体が当該ギヤドモータ100の出力軸(出力部)として機能する構成とされている。
【0024】
また、減速機102と固定体104との連結部分、即ち、減速機102における第1フランジ134と、固定体104における固定体ケーシング117との連結面(第3の連結面104C)には、Oリング144が介在している。また、第1フランジ134の内周面と、入力軸122の外周面との間にはオイルシール146が設けられている。
【0025】
なお、図示しないが、固定体104および減速機102の内部にはそれぞれ潤滑剤(グリースなど)が封入されている。
【0026】
<ギヤドモータと工具マガジンの関係>
次に、ギヤドモータ100と工具マガジン170との関係を図2において示している。工具マガジン170は、工具マガジン本単(回転軸)171と工具を保持可能な工具ホルダ172から構成されている。また工具マガジン170は、減速機102の減速機ケーシング132(出力部)に設けられたボルト孔132Aを利用して、減速機ケーシング132に連結固定されている。この工具マガジン170は、減速機102のカバー152を更に覆い隠すような態様で、減速機102の前面側(図2において左側)に連結固定されている。なお工具マガジン170は、正面視(矢示III方向:図3参照)した場合、円盤形状に構成されている。更に複数の工具ホルダ172が所定の間隔毎に放射状(軸心O1を中心として半径方向に放射状)に配置構成されている。またそれぞれの工具ホルダ172にはそれぞれ種類の異なる工具174が保持されている。
【0027】
<ギヤドモータの作用>
次にギヤドモータ100の作用について説明する。サーボモータ106に回転指示が入力されると、指示された量(角度)だけモータ軸110が回転する。当該モータ軸110の回転は、継軸112を介してピニオン112Pへと伝達され、更に、噛合するベベルギヤ118に伝達される。このベベルギヤ118は、減速機102の入力軸122に連結固定されているため、入力軸122が回転する。なお、本実施形態では、ピニオン112Pからベベルギヤ118への伝達時点で、モータ軸110の回転が減速されている(減速機構)。
【0028】
入力軸122が回転すると、当該入力軸122に一体的に形成されている偏心体124が偏心回転する。この偏心体124の偏心した回転は、偏心体用軸受126を介して外歯歯車128へと伝達される。その結果、外歯歯車128が軸心O1に対して揺動しつつ回転を始める。一方で、この外歯歯車128は外ピン130にも噛合しているため回転が規制され、殆ど揺動のみを行なうこととなる。また前述の通り、この外歯歯車128の歯の数と外ピン130の数との間には僅少の差(歯数差)が設けられているため、外歯歯車128は1回揺動回転する毎に当該歯数差分だけ外ピン130に対して自転することとなる。この外ピン130に対する外歯歯車128の自転成分(相対回転成分)は内ピン138および内ローラ140を介して第1、第2フランジ134、136へと取り出される。しかし本実施形態においては、第1フランジ134が固定体ケーシング117に固定されているため、当該相対回転成分は、減速機ケーシング132の回転となって出力される。なお、外歯歯車128の揺動成分は、外歯歯車128と内ピン138(および内ローラ140)との遊嵌によってキャンセルされるため、当該自転成分(相対回転成分)のみが取り出される。
【0029】
前述の通り、本実施形態では、第1フランジ134が固定体ケーシング117と連結固定されているため、上記相対回転成分は減速機ケーシング132の回転という形で出力される。即ち、減速機ケーシング132に連結固定されている工具マガジン170を回転させる。
【0030】
このようにギヤドモータ100では、工作機械の本体108と減速機102とを接いでいる固定体104に対してサーボモータ106を第1の連結面104Aに沿う方向(図1におけるZ方向:上下方向)から着脱自在に構成したことで、サーボモータ106が工具マガジン170の前面(即ち、工作機械の前面、作業者側)に突出する量を少なくした結果、工作機械の奥行をコンパクトにできると共に、サーボモータ106メンテナンス、工具174のメンテナンスの作業性を両立させることが可能となっている。
【0031】
また、工具マガジン170の回転位置(停止位置)の割り出しは、カム機構等に頼っていない。即ち、工具マガジン170を減速機102の出力軸(ここでは減速機ケーシング132)に連結固定し、更に当該減速機102をサーボモータ106で駆動することによって、サーボモータ106の回転検出精度を工具マガジン170の回転位置(停止位置)の割り出しに利用することが可能となっている。即ち、カム機構のように大まかな段階的な位置決めではなく、サーボモータ106の回転検出精度の最小単位レベルでの位置決めを可能としている。更に、ピニオン112Pとベベルギヤ118との減速部分、および、減速機102の減速によって、サーボモータ106の回転検出精度を超えて位置決めをすることが可能である。
【0032】
例えば、工具ホルダ172の位置決めにカム機構を採用している場合、設計変更等により工具ホルダ172を増設すれば隣り合う工具ホルダ172のピッチが変わるため、それに合わせてカム機構の設計を変更する必要がある(例えばカム溝のピッチを細かく変更する等により、増設された工具ホルダ172を所定の位置に位置決めする必要がある)。しかし本実施形態のような構成を採用すれば、隣り合う工具ホルダ172のピッチがどのように変化してもギヤドモータ100の設計を変更することなくそのまま利用することが可能である。
【0033】
また、本実施形態においては、減速機102として、セルフロック性を有する偏心揺動型内接噛合遊星歯車減速機を採用している。その結果、特にブレーキ機構等を設けることなく、サーボモータ106の回転のON/OFFのみで、工具ホルダ172を所定の回転位置に保持することが可能となっている。勿論別途ブレーキ機構等を設け、より確実を期してもよい。
【0034】
また、本実施形態においては、工具マガジン170が、当該工具マガジン170の回転軸(軸心O1と一致)を中心として、半径方向に所定の間隔(ピッチ)G毎に工具を保持可能な工具ホルダ172を備えている。更にサーボモータ106が、当該工具ホルダ172の間(間隔G)から着脱可能とされている(図3参照)。このように構成することで、サーボモータ106の着脱作業が更に容易となっている。
【0035】
また、本実施形態においては、固定体104(の固定体ケーシング117)が箱状の外観を成し、その一面が工作機械の本体108と連結する第1の連結面104A、他の一面がサーボモータ106と連結する第2の連結面104B、更に他の一面が減速機102と連結する第3の連結面104Cとなっている。その結果、固定体104や減速機102を工作機械の本体108側に残したままで、サーボモータ106のみを単独で着脱することが可能となっている。
【0036】
また、本実施形態においては、工作機械の本体108と連結する第1の連結面104Aに対して、減速機102と連結する第3の連結面104Cが傾斜するように構成されている。このような構成を採用したことによって、工具ホルダ172を容易に所定の方向(角度)に配置できる。
【0037】
また、本実施形態においては、減速機102と固定体104との連結部分にオイルシール146が設けられ、それぞれの内部に封入される潤滑剤が隔離されている。これにより、減速機102の内部に確保しておくべき量(最適量)の潤滑剤を確実に確保し、また、固定体104の内部に確保しておくべき量(最適量)の潤滑剤を確実に確保できる。例えば、減速機102では軸受148および軸受150全体が浸る程度にまで潤滑剤を封入し、一方固定体104ではベベルギヤ118の下端が浸る程度にして攪拌ロスを低減することができる。
【0038】
このとき減速機102内に封入される潤滑剤と、固定体104内に封入される潤滑剤とを異なるように構成してもよい。即ち、隔離したことによって、各部の性質に応じた最適な潤滑剤を使用することが可能となる。
【0039】
また、本実施形態においては、固定体104内の減速が、サーボモータ106側に配置されたピニオン(第1の傘歯車)112Pと、減速機102側に配置されたベベルギヤ(第2の傘歯車)によって実現され、ベベルギヤ118が、減速機102の入力軸122に着脱可能に取り付けられている。このような構成を採用したことによって、角度α(軸心O1とO2とのなす角度α)の設計変更が容易となっている。
【0040】
また、本実施形態においては、減速機102の入力軸122におけるベベルギヤ118取付位置の軸方向反対側には、当該ベベルギヤ118を入力軸122に取り付ける際の、入力軸122の回転を防止可能な六角レンチ孔164(回転防止部材取付部)が形成されている。これにより、ベベルギヤ118の着脱(入力軸122に対する着脱)の際に、入力軸122が不用意に回転してしまうことを容易に防止でき、着脱作業が確実且つ容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
NC工作機械をはじめとして、複数種類の工具を自動的に持ち替えて作業する工作機械の工具マガジン駆動に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態の一例を示すギヤドモータの側断面図
【図2】工具マガジンが取り付けられた状態のギヤドモータの側断面図
【図3】工具マガジンの正面図(図2における矢示III方向)
【図4】特許文献1に記載されている工作機械の一部を示した図
【図5】特許文献1に記載されている工作機械の全体想像図
【符号の説明】
【0043】
100…ギヤドモータ
102…減速機
104…固定体
104A…第1の連結面
104B…第2の連結面
104C…第3の連結面
106…サーボモータ
108…工作機械本体
110…モータ軸
112…継軸
112A…凹部
112P…ピニオン
114、116、148、150、156、158…軸受
117…固定体ケーシング
117A…内周面
118…ベベルギヤ
120、154、160、162…ボルト
122…入力軸
124…偏心体
126…偏心体用軸受
128…外歯歯車
128A…中心孔
128B…内ピン孔
130…外ピン
132…減速機ケーシング
132A…ボルト孔
134…第1フランジ(非回転部材)
136…第2フランジ
138…内ピン
140…内ローラ
142、146…オイルシール
152…カバー
164…六角レンチ孔
170…工具マガジン
172…工具ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の工具を保持可能な工具マガジンを回転駆動するための工具マガジン用ギヤドモータであって、
駆動源としてのモータと、
出力部に前記工具マガジンの回転軸を取付可能な減速機と、
当該減速機の一部として若しくは別体として構成され、前記モータを連結でき且つ該モータを連結した状態のままで前記工作機械の本体側と連結可能な第1の連結面を備えた固定体と、を備え、
前記モータが、前記固定体を介して前記減速機を前記工作機械の本体側に連結した状態のままで、前記第1の連結面に沿う方向から着脱可能である
ことを特徴とする工具マガジン用ギヤドモータ。
【請求項2】
請求項1において、
前記モータがサーボモータであり、且つ、前記減速機がセルフロック性を有している
ことを特徴とする工具マガジン用ギヤドモータ。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記工具マガジンの本体には、前記回転軸を中心として、半径方向に所定の間隔毎に配置された工具ホルダが備わっており
前記モータが、当該工具ホルダの間から着脱可能である
ことを特徴とする工具マガジン用ギヤドモータ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記固定体が前記減速機の別体として構成され且つ箱状の外観を成し、その一面が前記第1の連結面、他の一面が前記サーボモータを取り付け可能な第2の連結面、更に他の一面が前記減速機を取り付ける第3の連結面である
ことを特徴とする工具マガジン用ギヤドモータ。
【請求項5】
請求項4において、
前記第1の連結面に対して、前記第3の連結面が傾斜している
ことを特徴とする工具マガジン用ギヤドモータ。
【請求項6】
請求項4または5において、
前記固定体の内部に前記減速機とは別個の減速機構が備わっている
ことを特徴とする工具マガジン用ギヤドモータ。
【請求項7】
請求項6において、
前記減速機と前記固定体との連結部分にオイルシールが設けられ、前記減速機の内部に封入される潤滑剤と前記固定体の内部に封入される潤滑剤が隔離されている
ことを特徴とする工具マガジン用ギヤドモータ。
【請求項8】
請求項7において、
前記減速機の内部に封入される潤滑剤と前記固定体の内部に封入される潤滑剤が異なる
ことを特徴とする工具マガジン用ギヤドモータ。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかにおいて、
前記固定体の内部に備わる減速機構が、前記モータ側に配置された第1の傘歯車と、前記減速機側に配置された第2の傘歯車とからなり、
該第2の傘歯車が、前記減速機の入力軸に着脱可能に取り付けられている
ことを特徴とする工具マガジン用ギヤドモータ。
【請求項10】
請求項9において、
前記減速機の入力軸における前記第2の傘歯車の取付位置の軸方向反対側には、該第2の傘歯車を前記入力軸に取り付ける際の該入力軸の回転を防止するための回転防止部材取付部が形成されている
ことを特徴とする工具マガジン用ギヤドモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−291842(P2009−291842A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144501(P2008−144501)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】