説明

巻線装置

【課題】ブレーキローラを含むテンション調整手段に対する線材の配線を簡便に行い、しかも簡便な構成で線材の経路長を十分に変化させる。
【解決手段】巻線装置10のテンション調整部22は、位置固定の第1プーリ62、第2プーリ64、第3プーリ66と、軸心間線分L1を基準として上方の待機側から下方の作用側に進退移動可能に設けられ、線材12に負荷トルクを付与するブレーキローラ68と、軸心間線分L2を基準として上方の待機側から下方の作用側に進退移動可能に設けられ、該作用側で、線材12のテンションに応じて、該線材12の経路長を調整するように移動をするテンションローラ70と、ブレーキローラ68及びテンションローラ70を、それぞれの待機側から作用側、及び作用側から待機側に同時に移動させるスライド機構78とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線材を供給する供給体と、巻枠に線材を巻回してコイルを生成するコイル生成手段と、線材の巻回により生じるテンション変動を緩和するテンション調整手段とを有する巻線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、巻線装置は、線材を供給する供給ドラムと、巻枠(コア、ボビン及び巻き型コイル等)に線材を巻回してコイルを生成するコイル生成手段と、線材の巻回により生じるテンション変動を緩和するテンション調整手段とを備えている。
【0003】
巻枠に線材を巻回する際に、テンションが高すぎると線材が伸びてしまい、低すぎると弛みが生じてしまうため、テンションを適正に維持することは重要であり、テンション調整手段では所定のプーリやテンションローラに線材を巻き掛けてテンションを調整する。
【0004】
一方、生産効率向上の要請から、コイル生成手段における線材の巻回速度は向上しつつあり、供給ドラムから線材がすぐに供給しつくされ、頻繁に供給ドラムを交換する事態が生じている。供給ドラムを交換するときには、テンション調整手段に線材を巻き掛けることが面倒であり、時間がかかる。
【0005】
特許文献1記載の装置では、テンション変動を抑制するための各種ローラの間に容易に線材を配線することのできるテンション調整手段が開示されている。この装置では、複数の上側ローラと複数の下側ローラとの間で線材を波形に配設し、上側ローラは上側ブラケットに配設され、下側ローラは下側ブラケットに配設されている。上側ブラケットと下側ブラケットとは、平行配置するリンク及びレバーに回転可能に接続しており、該レバーを動作させて上側ローラと下側ローラとの相対位置を調整して線材に対してテンションを付与している。
【0006】
【特許文献1】特許第3617436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記の特許文献1記載の装置では、複数の上側ローラを一体的に待機位置にしておくと、線材を該上側ローラと下側ローラとの間に比較的簡便に配設することができる。
【0008】
しかしながら、複数のローラをブラケットに配設しておく構成では、ブラケットが邪魔になり、上側ローラと下側ローラとの相対位置の移動量が制限され、線材の経路長を十分変化させることができない。このような構成では、下側の各ローラの軸心間を結ぶ仮想線を越えて上側の各ローラを移動させることは困難である。該経路長を十分に変化させるためには、ローラの数を多くしなければならず、全長が長くなる。
【0009】
複数のローラ及びブラケットを一体的に移動させるためには、大きい力が必要であり、特許文献1の図7に示すように、例えば3つのアクチュエータが必要になる。
【0010】
さらに、線材に対して適当なテンションを付与するためには、線材に負荷トルクを付与するブレーキローラを設けるとよいが、該ブレーキローラには線材が少なくとも180°程度巻き掛けられていることが望ましく、供給ドラムの交換時における線材の配線が面倒になる。
【0011】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、ブレーキローラを含むテンション調整手段に対する線材の配線を簡便に行うことができ、しかも簡便な構成で線材の経路長を十分に変化させることのできる巻線装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る巻線装置は、線材を供給する供給体と、供給された前記線材を巻枠に巻回してコイルを生成するコイル生成手段と、前記供給体と前記コイル生成手段との間に設けられ、巻回される前記線材に対してブレーキ力を付与して、前記線材の巻回により生じるテンション変動を緩和するテンション調整手段とを備えた巻線装置において、前記テンション調整手段は、位置固定の少なくとも3つのプーリと、隣接する2つのプーリの軸心間線分を基準として一方の待機側から他方の作用側に進退移動可能に設けられ、前記線材に負荷トルクを付与するブレーキローラと、隣接する2つのプーリの軸心間線分を基準として一方の待機側から他方の作用側に進退移動可能に設けられ、該作用側で、前記線材のテンションに応じて、該線材の経路長を調整するように移動をするテンションローラと、前記ブレーキローラ及び前記テンションローラを、それぞれの待機側から作用側、及び作用側から待機側に同時に移動させる同時移動手段とを有することを特徴とする。
【0013】
このように、同時移動手段によりブレーキローラ及びテンションローラを待機側に移動させておくと、3つのプーリとブレーキローラ及びテンションローラとの間に線材を簡便に通すことができ、その後、同時移動手段によりブレーキローラ及びテンションローラを作用側に移動させると、線材を3つのプーリ、ブレーキローラ及びテンションローラに対して簡便に巻き掛けて配線がなされる。
【0014】
この場合、第1位置と第2位置との間を移動可能な1以上の補助ローラを有し、前記ブレーキローラが作用側に配置された際、前記補助ローラは、前記第1位置にあるときには、前記ブレーキローラと前記プーリとの間に巻き掛けられた前記線材に対して非接触であり、前記第2位置に移動したときには、前記線材を押し込み、該線材の前記ブレーキローラに対する巻き付け角度を大きくしてもよい。
【0015】
このような補助ローラによれば、簡便な操作によって線材のブレーキローラに対する巻き付け角度を大きくすることができ、該ブレーキローラに対する接触長さが長くなり、トルク付与効果が高い。
【0016】
この場合、前記補助ローラは一対設けられ、前記線材のうち、隣接する2つのプーリと前記ブレーキローラとの間に巻き掛けられた略平行部分に対して、両側方から押し込むと、トルク付与効果が一層高くなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る巻線装置によれば、同時移動手段によりブレーキローラ及びテンションローラを待機側に移動させておくと、3つのプーリとブレーキローラ及びテンションローラとの間に線材を簡便に通すことができ、その後、同時移動手段によりブレーキローラ及びテンションローラを作用側に移動させると、線材を3つのプーリ、ブレーキローラ及びテンションローラに対して簡便に巻き掛けて配線がなされる。
【0018】
また、テンションローラの移動を制限する要因がなく、該テンションローラの数が少ない簡便構成で、線材の経路長を十分に変化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る巻線装置について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図8を参照しながら説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態に係る巻線装置10は、線材12が巻回されており該線材12を供給する供給ドラム(供給体)14と、供給された線材12を巻枠に巻回してコイル18を生成するコイル生成部20と、供給ドラム14とコイル生成部20との間に設けられ、巻回される線材12に対してブレーキ力を付与して、線材12の巻回により生じるテンション変動を緩和するテンション調整部22と、全体的な制御を行う制御部23とを有する。線材12は、例えばエナメル被膜を有する銅線である。
【0021】
図2及び図3に示すように、コイル18は、プレスにより打ち抜いた略T字状の鋼板を複数枚かしめて一体化した積層鋼板(コア)24と、前記積層鋼板24を絶縁するインシュレータ26、28と、前記インシュレータ26、28を介して前記積層鋼板24に巻回される線材12と、金属製のターミナル33、34とを有する。インシュレータ26、28は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)で形成されており、線材12が巻回されるコイル巻回部(巻枠)30、32を有する。インシュレータ26、28は、それぞれ一部が重なり合って結合され、積層鋼板24と線材12とが電気的に絶縁される。
【0022】
線材12の巻始め端部12aは、ターミナル33にカシメ及びカットされてこのターミナル33に固定されるとともに、前記線材12の巻終わり端部12bは、ターミナル34にカシメ及びカットされてこのターミナル34に固定される。
【0023】
図1に戻り、コイル生成部20は、インシュレータ26、28を装着した積層鋼板24を回転自在に保持するクランプ治具40と、該クランプ治具40を回転させるスピンドル42と、線材12の供給向きを安定させるノズル44と、該ノズル44の位置を調整する直交軸型ロボット46とを有する。スピンドル42はモータ48の作用下に回転する。直交軸型ロボット46はリニアモータによる高速動作が可能である。
【0024】
コイル生成部20とテンション調整部22との間には、線材12のテンションを計測するテンション計測部49が設けられており、リアルタイムで計測をしたテンションを制御部23に供給する。
【0025】
供給ドラム14は、開閉式のボックス50内に軸支されて設けられており、複数の室内プーリ52を介して線材12の供給を行う。供給ドラム14は、制御部23の制御下に回転速度を調整可能である。
【0026】
テンション調整部22は、前段部22aと後段部22bとからなる。前段部22aは、ボックス50の側方に設けられた縦長構造体であり、下方の移動プーリ54と、上方の固定プーリ56とを有する。供給ドラム14から供給された線材12は、移動プーリ54と固定プーリ56との間を1回以上巻き掛けられて後段部22bに導出される。移動プーリ54は制御部23の作用下に上下動が可能であり、線材12のテンションを調整可能である。移動プーリ54によるテンション調整は、予備的な調整であり、後段部22bにおいて高精度のテンション調整が行われる。図1に示すように、テンション調整部22の後段部22bは、ボックス50の上部に設けられている。
【0027】
図4に示すように。後段部22bは、ベース板60と、第1プーリ62、第2プーリ64、第3プーリ66、ブレーキローラ68、テンションローラ70、一対の補助ローラ72、負荷モータ74、リニアモータ76及びスライド機構(同時移動手段)78を有する。第1プーリ62、第2プーリ64、第3プーリ66、ブレーキローラ68、テンションローラ70、一対の補助ローラ72は、ベース板60の表面側で、各軸が平行に設けられており、残余の機構は裏面側に設けられている。ベース板60はやや縦長である。ベース板60は、縦方向に長く平行な第1スリット80及び第2スリット82と、第1スリット80を基準に対称で水平に設けられた一対の短い第3スリット84とを有する。
【0028】
第1プーリ62、第2プーリ64、第3プーリ66は、ベース板60の比較的上方において回転自在で、この順に略水平に配置されており、位置は固定されている。プーリの数は、条件に応じて4以上としてもよい。第1スリット80は、第1プーリ62と第2プーリ64との間で、これらの第1プーリ62及び第2プーリ64の軸心間線分L1に対して交差(略直交)する配置で設けられている。第2スリット82は、第2プーリ64と第3プーリ66との間で、これらの第2プーリ64及び第3プーリ66の軸心間線分L2に対して交差(略直交)する配置で設けられている。一対の第3スリット84は第1プーリ62及び第2プーリ64の下方に配置されている。
【0029】
ブレーキローラ68は、第1スリット80を介して負荷モータ74の回転軸に接続されており、該負荷モータ74のサーボ作用によりトルクを発生させて線材12にブレーキ方向のトルクを付与することができる。
【0030】
ブレーキローラ68は、他のローラやプーリと比較して大径である。テンションローラ70は、第2スリット82を介してリニアモータ76に接続されており、回転自在に軸支されている。リニアモータ76は、テンションローラ70を縦方向に移動することができる。
【0031】
図5に示すように、負荷モータ74及びリニアモータ76は、スライド機構78のスライド板86に固定されている。スライド板86は、縦方向のレール88にガイドされて所定のアクチュエータにより縦方向の移動が可能である。つまり、スライド機構78によれば負荷モータ74、リニアモータ76、ブレーキローラ68及びテンションローラ70を同時、一体的に上下動させることができる。
【0032】
図4に戻り、一対の補助ローラ72は、それぞれ第3スリット84を介して裏面側に設けられたアクチュエータ90に接続されている。アクチュエータ90は、例えば空気圧シリンダのような2位置式であって、補助ローラ72を2つの位置に選択的に移動させることができる。つまり、第1スリット80を基準として遠方の第1位置と、近傍の第2位置に補助ローラ72を移動可能である。アクチュエータ90は、比例的動作をするものであってもよく、少なくとも第1位置及び第2位置に移動可能であればよい。
【0033】
一対の補助ローラ72がそれぞれ第1位置に配置されているとき、これらの補助ローラ72の間隔はブレーキローラ68の径よりも長く、該ブレーキローラ68は、第1スリット80に沿って移動可能である。一対の補助ローラ72がそれぞれ第2位置に配置されているとき、これらの補助ローラ72の間隔は十分に狭い。第3スリット84と第1スリット80の下端部との高さ方向距離は比較的短く、例えば、ブレーキローラ68の径と同程度である。
【0034】
次に、このように構成される巻線装置10において、線材12を配線する手順について説明する。
【0035】
先ず、線材12を供給ドラム14から引き出し、テンション調整部22の前段部22aに対して配線する。前段部22aでは、移動プーリ54及び固定プーリ56に対して所定の経路で線材12を巻き掛ける。
【0036】
次いで、図4に示すように、スライド機構78を上方に移動させておく。スライド機構78の作用下に、ブレーキローラ68及びテンションローラ70は、簡便に且つ一体的に上昇する。
【0037】
これにより、ブレーキローラ68及びテンションローラ70は、上方の待機位置に配置される。具体的には、ブレーキローラ68は、第1プーリ62及び第2プーリ64の軸心間線分L1を基準として上方の待機側で、その下端頂部は、第1プーリ62及び第2プーリ64の上端頂部より高い位置である。テンションローラ70は、第2プーリ64及び第3プーリ66の軸心間線分L2を基準として上方の待機側で、その下端頂部は、第2プーリ64及び第3プーリ66の上端頂部より高い位置である。各補助ローラ72は、アクチュエータ90の作用下に、第1位置(第1スリット80から離れた位置)に配置しておく。
【0038】
さらに、図6に示すように、線材12をテンション調整部22の後段部22bに対して配線をする。このとき、ブレーキローラ68及びテンションローラ70の下方で、且つ第1プーリ62、第2プーリ64及び第3プーリ66の上方の位置で、線材12をベース板60を横断するように直線状に配設する。つまり、この時点における操作は、線材12を直線状に引き出してベース板60を横断させればよいので、極めて簡便且つ迅速に配設できる。線材12は、さらにテンション計測部49(図1参照)を介してコイル生成部20(図1参照)まで引き出して仮止めをしておく。このような線材12の配設は所定の自動機により自動的に行ってもよく、人手によって行ってもよい。
【0039】
次に、図7に示すように、スライド機構78を所定位置まで下降させる。これにより、ブレーキローラ68は軸心間線分L1を超えて、作用側に移り、第1スリット80の下端部まで移動する。第1プーリ62と第2プーリ64との間に配設されていた線材12は、ブレーキローラ68に巻き掛けられながら下方に引き出され、U字形状になる。ブレーキローラ68は、第1プーリ62及び第2プーリ64よりも相当下方まで移動することから、線材12はブレーキローラ68に対して略180°巻き掛けられる。このように、線材12はブレーキローラ68に対して簡便に巻き掛けられ、しかも略180°巻き掛けられていることから接触距離が長く、トルク付与効果が高い。
【0040】
一方、テンションローラ70は軸心間線分L2を超えて、作用側に移り、リニアモータ76との協動動作により、第2スリット82における、下端部と軸心間線分L2との略中間位置まで移動する。第2プーリ64と第3プーリ66との間に配設されていた線材12は、テンションローラ70に巻き掛けられながら下方に引き出され、U字形状になる。テンションローラ70は、第2スリット82における下端部と軸心間線分L2との略中間位置に配置されることから、上方及び下方に移動可能であって、線材12に対するテンションの調整代が大きい。
【0041】
この時点における操作は、スライド機構78を下降させるだけの単純操作であり、簡便且つ迅速に行うことができる。スライド機構78の昇降動作は、所定のアクチュエータによって行ってもよく、人手によって行ってもよい。
【0042】
この時点で、各補助ローラ72は、ブレーキローラ68と第1プーリ62及び第2プーリ64との間に巻き掛けられた線材12に対して非接触である。
【0043】
次に、図8に示すように、各補助ローラ72を、アクチュエータ90の作用下に、第2位置(第1スリット80に接近した位置)に配置する。つまり、各補助ローラ72は、隣接する第1プーリ62及び第2プーリ64とブレーキローラ68との間に巻き掛けられた線材12のうち、U字形状の略平行部分に対して、両側方から押し込む。各補助ローラ72は接近し、それぞれ線材12を第1スリット80に近づく方向に押し込むことから、ブレーキローラ68に対する線材12の巻き掛け角度が大きくなる。補助ローラ72が移動をする第3スリット84は、ブレーキローラ68に近い位置であることから、ブレーキローラ68に対する線材12の巻き掛け角度は相当に大きく、例えば300°程度となる。
【0044】
ブレーキローラ68は比較的大径であって、しかも略300°にわたって線材12が巻き掛けられることから、線材12とブレーキローラ68との接触長さが長くなり、線材12に対して負荷トルクを有効に付与することができる。
【0045】
この後、巻線工程を開始する。つまり、コイル生成部20のスピンドル42を回転させて線材12を巻き取ってコイル巻回部30、32(図2参照)に巻回し、コイル18を生成する。このとき、テンション調整部22では、線材12のテンションが適値となるように、ブレーキローラ68で負荷トルク(ブレーキ力)を付与してテンション変動を緩和するとともに、テンションに応じて、線材12の経路長を調整するようにテンションローラ70を昇降させる。この処理は、テンション計測部49で計測されたテンションに基づいて、制御部23の作用下にリアルタイム処理で行うとよい。
【0046】
上述したように、本実施の形態に係る巻線装置10によれば、ブレーキローラ68を含むテンション調整部22に対する線材12の配線作業を簡便に行うことができる。
【0047】
また、1つのテンションローラ70が第2スリット82を昇降し、昇降量を制限する要因はなく、線材12の経路長を十分に変化させることができる。テンションローラ70は基本的に1つで足りることから、テンション調整部22の後段部22bは横方向長さが短くなる。テンションローラ70は基本的に1つで足りることから軽量、軽負荷であり、該テンションローラ70を駆動するリニアモータ76は1台で足り、且つ小容量型で足りる。
【0048】
本発明に係る巻線装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施の形態に係る巻線装置の側面図である。
【図2】コイルの分解斜視図である。
【図3】コイルの斜視図である。
【図4】スライド機構が上昇した状態のテンション調整部の斜視図である。
【図5】スライド機構の正面図である。
【図6】線材を配設した状態のテンション調整部の斜視図である。
【図7】スライド機構を下降させた状態のテンション調整部の斜視図である。
【図8】補助ローラを第2位置に移動させて、線材を第1スリットに接近させた状態のテンション調整部の斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
10…巻線装置 12…線材
14…供給ドラム 18…コイル
20…コイル生成部 22…テンション調整部
22a…前段部 22b…後段部
23…制御部 49…テンション計測部
60…ベース板 62…第1プーリ
64…第2プーリ 66…第3プーリ
68…ブレーキローラ 70…テンションローラ
72…補助ローラ 74…負荷モータ
76…リニアモータ 78…スライド機構
80…第1スリット 82…第2スリット
84…第3スリット 86…スライド板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材を供給する供給体と、
供給された前記線材を巻枠に巻回してコイルを生成するコイル生成手段と、
前記供給体と前記コイル生成手段との間に設けられ、巻回される前記線材に対してブレーキ力を付与して、前記線材の巻回により生じるテンション変動を緩和するテンション調整手段と、
を備えた巻線装置において、
前記テンション調整手段は、位置固定の少なくとも3つのプーリと、
隣接する2つのプーリの軸心間線分を基準として一方の待機側から他方の作用側に進退移動可能に設けられ、前記線材に負荷トルクを付与するブレーキローラと、
隣接する2つのプーリの軸心間線分を基準として一方の待機側から他方の作用側に進退移動可能に設けられ、該作用側で、前記線材のテンションに応じて、該線材の経路長を調整するように移動をするテンションローラと、
前記ブレーキローラ及び前記テンションローラを、それぞれの待機側から作用側、及び作用側から待機側に同時に移動させる同時移動手段と、
を有することを特徴とする巻線装置。
【請求項2】
請求項1記載の巻線装置において、
第1位置と第2位置との間を移動可能な1以上の補助ローラを有し、
前記ブレーキローラが作用側に配置された際、前記補助ローラは、前記第1位置にあるときには、前記ブレーキローラと前記プーリとの間に巻き掛けられた前記線材に対して非接触であり、前記第2位置に移動したときには、前記線材を押し込み、該線材の前記ブレーキローラに対する巻き付け角度を大きくすることを特徴とする巻線装置。
【請求項3】
請求項2記載の巻線装置において、
前記補助ローラは一対設けられ、
前記線材のうち、隣接する2つのプーリと前記ブレーキローラとの間に巻き掛けられた略平行部分に対して、両側方から押し込むことを特徴とする巻線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−65730(P2009−65730A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228959(P2007−228959)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】