説明

布地ラベル作成装置

【課題】布地テープを用いて布地ラベルを作成する場合でも高精度にテープエンドを検出し、誤動作なく正常に搬送を停止する。
【解決手段】カートリッジホルダに装着された布地テープロールから布地テープを繰り出し搬送し印刷を行う一方、エンドマークを光透過型のマークセンサで検出する。また、センサ出力電圧Vを所定周期で取得し、最新のセンサ出力電圧Vを含むS個のセンサ出力電圧値Vn−1,Vn−2,Vn−3,・・,Vn+1−Sのデータ群における変動幅Vmax−Vminを算出し、当該変動幅に基づきセンサ出力電圧の安定化領域を判定し、最新のセンサ出力電圧Vと時系列に沿ったk個の検出電圧値Vn−kとの偏差を算出し、その偏差に基づきセンサ出力電圧の反転変動状態を判定して、エンドマークの識別を行い、テープ搬送を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地テープを用いて布地ラベルを作成する布地ラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラベル用テープを用いて印字ラベルを作成する技術として、特許文献1に記載のラベル作成装置が既に知られている。この従来技術においては、テープカートリッジに収納されたテープロール(第2ロール)からラベル用テープ(カバーフィルム)が繰り出されて搬送され、搬送されるラベル用テープに所望の印刷が行われ、印字ラベルが作成される。
【0003】
上記のようにして印字ラベルが作成されていきラベル用テープが消費されると、最終的にはラベル用テープの残存量が少なくなり、印字ラベルを作成することができなくなる。このことを識別するために、上記従来技術では、ラベル用テープの繰り出し方向終端部に、複数対の遮光性領域と透光性領域とからなるエンドマークが設けられている。一方、ラベル作成装置には、投光手段及び受光手段を備えた光学センサが設けられている。ラベル用テープの消費量がまだ少なく上記エンドマークが出現しない間は、投光手段からラベル用テープの搬送経路へと発せられた光はラベル用テープにおいて一部が遮光され、一部が透過光となって受光手段において受光される。そして、当該透過光の受光量に対応した検出電圧値が受光手段より出力される。ここで、ラベル用テープが消費されて上記エンドマークが出現すると、エンドマークの遮光性領域では上記透過光の受光量が小さくなるので、上記検出電圧値が小さくなる。また、エンドマークの透光性領域では上記透過光の受光量が大きくなるので、上記検出電圧値が大きくなる。上記従来技術では、このような検出電圧値の変化挙動を利用することでエンドマークを検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−73952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、印字対象となるラベル用テープとして布地により構成された布地テープを用い、当該布地テープに所望の印字を行って布地ラベルを作成することが行われつつある。このような布地テープを用いて布地ラベルを作成するラベル作成装置に上記従来技術の構成を適用した場合、布地を構成する素材(糸)の編目や縫目の形状や大きさによっては布地に隙間が生じ、局所的に投光手段からの光を遮らずに透過させてしまう場合があり得る。そのような場合には、前述したように、本来エンドマークが出現しておらず上記透過光の受光量が比較的小さくなるはずのところが、上記透過によって受光量が大きくなり、上記検出電圧値Vが過渡的に大きくなる(あるいは極性が逆の設定の場合には過渡的に検出電圧値Vが小さくなる)可能性がある。この結果、布地ラベル作成装置側で、布地テープが消費されてテープ終端に近づいたと誤って識別されるおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、布地テープを用いて布地ラベルを作成する場合でも高精度にテープエンドを検出し、誤動作なく正常に搬送を停止できる布地ラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明は、布地テープを用いて布地ラベルを作成する布地ラベル作成装置であって、前記布地テープを繰り出し可能にロール状に巻回して構成されるとともに当該布地テープの繰り出し方向の終端部近傍に遮光性領域と透光性領域とからなる少なくとも1対のエンドマークを設けた、布地テープロールを収納した布地テープカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダと、前記カートリッジホルダに装着された前記布地テープカートリッジの前記布地テープロールから繰り出された前記布地テープを搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記布地テープに対し、所望の印刷を行う印字手段と、前記搬送手段により搬送される前記布地テープの搬送経路に向かって投光可能な投光手段、及び、投光手段から投光され前記布地テープを透過した光の受光量に対応した検出電圧値Vを出力可能な受光手段、を備えた光学センサと、前記受光手段による前記検出電圧値Vを所定の周期で順次連続的に取得する取得手段と、nを自然数としSを固定的に定められた2以上の整数としたとき、前記取得手段で取得された最新の検出電圧値Vを含み時系列に沿ったS個の検出電圧値Vn−1,Vn−2,Vn−3,・・,Vn+1−Sを1つのデータ群とし、当該1つのデータ群における検出電圧値の変動幅Vmax−Vminを算出する変動幅算出手段と、前記変動幅算出手段により算出された前記変動幅に基づき、検出電圧の安定化領域となったか否かを判定する領域判定手段と、kを固定的に定められた2以上の整数としたとき、前記領域判定手段により前記安定化領域となったと判定された場合に、その時点若しくはそれ以降に前記取得手段で取得された最新の検出電圧値Vを含み当該検出電圧値Vから時系列に沿ってk個さかのぼった検出電圧値Vn−kと前記検出電圧値Vとの偏差V−Vn−kを算出する偏差算出手段と、前記偏差算出手段により算出された前記偏差に基づき、検出電圧の反転変動状態となったか否かを判定する境界判定手段と、前記変動判定手段により検出電圧の反転変動状態となったと判定されたことによって、前記エンドマークの識別を行うマーク識別手段と、前記マーク識別手段により前記エンドマークが識別された場合に、前記搬送手段の搬送動作を停止する停止制御手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本願発明においては、カートリッジホルダに布地テープカートリッジが装着される。布地テープカートリッジには、布地テープを繰り出し可能にロール状に巻回した布地テープロールが収納されている。カートリッジホルダに布地テープカートリッジが装着されると、布地テープロールから布地テープが繰り出され、搬送手段によって搬送される。搬送される布地テープには、印字手段によって所望の印刷が行われ、これによって印字付きの布地ラベルを作成することができる。
【0009】
こうして布地ラベルが作成されていき布地テープが消費されると、最終的には布地テープの残存量が少なくなり、布地ラベルを作成することができなくなる。本願発明では、このことを布地ラベル作成装置側で識別可能となるように、布地テープの繰り出し方向終端部に、少なくとも1対の遮光性領域と透光性領域とからなるエンドマークが設けられている。そして、布地ラベル作成装置には、投光手段及び受光手段を備えた光学センサが設けられている。布地テープの消費量がまだ少なく上記エンドマークが出現しない間は、投光手段から布地テープの搬送経路へと発せられた光は布地テープにおいて一部が遮光され、一部が透過光となって受光手段において受光される。そして、当該透過光の受光量に対応した検出電圧値Vが受光手段より出力される。ここで、布地テープが消費されて上記エンドマークが出現すると、エンドマークの遮光性領域では上記透過光の受光量が小さくなるので、上記検出電圧値Vが小さくなる(あるいは極性が逆の設定の場合には検出電圧値Vが大きくなる)。また、エンドマークの透光性領域では上記透過光の受光量が大きくなるので、上記検出電圧値Vが大きくなる(あるいは極性が逆の設定の場合には検出電圧値Vが小さくなる)。このような検出電圧値の変化挙動を利用することでエンドマークを検出することができ、これによって布地テープが消費されたことを布地ラベル作成装置側で識別し停止制御手段により搬送手段の搬送を停止することができる。
【0010】
本願発明では、上記のエンドマークの識別において、布地を構成する素材(糸)の編目や縫目の形状や大きさにより布地に隙間が生じ誤識別されることを回避するために、まず、取得手段、変動幅算出手段、及び領域判定手段が設けられる。取得手段は、上記検出電圧値Vを所定の周期で連続的に取得する。変動幅算出手段は、最新の検出電圧値Vを含むS個の検出電圧値Vn−1,Vn−2,Vn−3,・・,Vn+1−Sのうち、最大値Vmaxから最小値Vminを差し引いた値を変動幅Vmax−Vminとして算出する。そして、この算出された変動幅に基づき、領域判定手段が検出電圧の安定化領域となっているかどうかを判定する。これにより、上記のような布地の素材における隙間の存在による過渡的な検出電圧値Vの変動の影響を除外し、定性的な検出電圧値Vの挙動を把握することができる。
【0011】
さらに、本願発明においては、偏差算出手段、変動判定手段、及びマーク識別手段が設けられる。上記のようにして安定化領域となったと判定されたら、偏差算出手段がその時点(又はそれ以降)の最新の検出電圧値Vと取得順に沿ってk個前の検出電圧値Vn−kとの偏差V−Vn−kを算出する。そして、この偏差に基づいて変動判定手段が検出電圧の反転変動状態(エッジ)となったかどうかを判定し、反転変動状態と判定されたことをもってマーク識別手段がエンドマークを識別する。これにより、上記のように過渡的な挙動を除外した定性的な検出電圧値Vの挙動を基に、前述したエンドマークの遮光性と透光性による検出電圧値Vの増大変動(あるいは極性が逆の場合は減少変動)を正確に検出できるので、エンドマークが出現したことを精度よく識別することができる。この結果、布地テープを用いて布地ラベルを作成する場合でも高精度にテープエンドを検出し、誤動作なく正常に搬送を停止することができる。さらに、上記のような、安定化領域判定→エッジ判定の2段階判定によりエンドマークの識別を行うことにより、布地テープの終端部近傍に最低限1対のエンドマークを設けるだけで、確実に搬送を停止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、布地テープを用いて布地ラベルを作成する場合でも高精度にテープエンドを検出し、誤動作なく正常に搬送を停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の布地ラベル作成装置を備えた布地ラベル作成システムを示すシステム構成図である。
【図2】布地ラベル作成装置の外観構成を示す斜視図である。
【図3】装置本体の内部のカートリッジホルダ及びそれに装着させるカートリッジの外観構成を示す斜視図である。
【図4】装置本体のカートリッジホルダとその内部に装着されたカートリッジの要部の構成を模式化して示す平面図である。
【図5】布地ラベル作成装置における制御系の機能的な構成を示すブロック図である。
【図6】布地テープの繰り出し方向終端部を示す平面図である。
【図7】マークセンサの検出回路構成を示す回路図である。
【図8】マークセンサによる布地テープのエンドマークの検出の様子を示す説明図である。
【図9】布地テープの終端部近くでのマークセンサのセンサ出力電圧及び差分電圧の変化を示すグラフである。
【図10】布地ラベル作成装置による布地ラベル作成時に制御部によって実行される作成処理手順を示すフローチャートである。
【図11】布地ラベル作成装置による布地ラベル作成時に制御部によって実行される布地テープの繰り出し方向終端部の検出処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1に、本発明の一実施形態の布地ラベル作成装置を備えた布地ラベル作成システムのシステム構成を示す。
【0016】
この布地ラベル作成システムTSにおいて、布地ラベル作成装置1は、適宜の通信回線等からなる通信ネットワークNWを介して、ルートサーバRS、情報サーバIS、端末装置DTa、汎用コンピュータDTbなどに接続されている。
【0017】
図2に、布地ラベル作成装置1の外観構成を示す。この図2において、布地ラベル作成装置1は、装置本体2と、この装置本体2のカートリッジホルダ31(後述の図3参照)に装着されるカートリッジ3(布地テープカートリッジ)とを有している。
【0018】
装置本体2は、(上面部、下面部、前面部、背面部、左右の両側面部を備えた)全体的に直方体状の筐体2sをその外郭として備えている。上面部には、上蓋4及び上蓋操作ボタン5が設けられている。前面部には、ラベル排出口7、前蓋8、電源ボタン9、およびカッタ駆動ボタン10が設けられている。
【0019】
上蓋4は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に支持され、また図示を省略の付勢部材により開き方向に付勢される一方で、装置本体2との間がロック可能に構成されている。また、カートリッジ3の着脱の際には、上蓋操作ボタン5が押されることで上記ロックが解除となり、上蓋4が上記付勢部材の付勢作用により開き、その状態でカートリッジ3の装着や取外しを行えるようになっている(図3参照)。なお、上蓋4には、透明カバーなどを嵌め込んだ透視窓15が設けられている。
【0020】
ラベル排出口7は、装置本体2の内部で作成される布地ラベルTを外部に排出するものである。前蓋8は、下端を支点にした回動で開閉可能とされており、上端部に設けられている押部8pを上方より押し込むことで前方に回動して開く。電源ボタン9は、布地ラベル作成装置1の主電源のオン・オフ操作に用いられる。カッタ駆動ボタン10は、後述のカッタ51(図4参照)を操作者が手動で操作して布地ラベルTの長さを所望の長さとするためのものである。
【0021】
図3に、装置本体2の内部のカートリッジホルダ31及びそれに装着させるカートリッジ3の外観構成を示す。なお、この図3は、図2中の矢視Aの方向(図2中の奥側上方から手前側下方を見下ろして装置本体2の内部を覗く方向)から見た斜視図であり、図示の煩雑を避けるため上方に開いた状態の上蓋4の図示は省略している。
【0022】
この図3において、カートリッジ3は、この例では、全体が直方体形状に形成された箱体であり、その一部には表裏両面を貫通するヘッド挿通開口40が形成されている。また、装置本体2側のカートリッジホルダ31は、カートリッジを装着して収納可能な凹部形状として形成されており、上記カートリッジ3が装着される。このカートリッジホルダ31には、リボン巻き取りローラ駆動軸45aと、印字ヘッド(印字手段)49と、プラテンローラ(搬送ローラ)50と、カッタ51とが設けられている。このカートリッジホルダ31にカートリッジ3を装着した際には、印字ヘッド49が上記ヘッド挿通開口40に挿通され、またリボン巻き取りローラ駆動軸45aがカートリッジ3の下面から挿入して後述するリボン巻取りローラ45のスプライン軸穴に同軸的に嵌合する(図4参照)。
【0023】
図4に、装置本体2のカートリッジホルダ31とその内部に装着されたカートリッジ3の要部の構成を模式化して示す。
【0024】
図4において、カートリッジ3は、布地テープロール(本来は渦巻き状であるが簡略化して単純な円形で図示している)36を有している。この布地テープロール36は、布地テープ101が、布地テープ用リール部(テープ長手方向と直交する軸を備えたリール部材)38に巻回されてロール化されたものである。
【0025】
布地テープ101は、この例では3層構造となっており(図4中部分拡大図参照)、布地テープロール36の内側に巻かれる側(図4中左側)よりその反対側(図4中右側;貼り付け側)へ向かって、受像層101a、布地テープ層101b、粘着層101cの順序で積層され構成されている。受像層101aは、後述するインクリボン44と重ねられることでインクの熱転写により印字が行われる化学材料(被印字材料)の透明被膜として形成されている。布地テープ層101bは、例えば、綿、麻等の天然繊維、ナイロン、ビニロン等の合成繊維の紡織布や不織布から構成されている。粘着層101cは、例えば、ホットメルト粘着剤や感圧粘着剤等の透明粘着剤から構成されている。
【0026】
また、カートリッジホルダ31には、布地テープロール36の布地テープ101の繰り出し位置近傍の部位に、布地テープ101の繰り出し方向の終端部近傍に設けたエンドマーク64(後述の図6参照)を光学的に検出するためのマークセンサ60(光学センサ)が設けられている。マークセンサ60は、投光器60a(投光手段)と受光器60b(受光手段)とを備え、投光器60aと受光器60bとは、布地テープロール36から繰り出される布地テープ101の搬送経路を挟んで対向した位置に布地テープ101の面方向と直角に配置されている。本例では、投光器60aは、布地テープ101の受像層101a側に位置し、受光器60bは、布地テープ101の粘着層10c側に位置している。
【0027】
また、カートリッジ3には、インクリボンロール43と、このインクリボンロール43から繰り出されるインクリボン44と、このインクリボン44を巻き取るリボン巻取りローラ45(その軸中心に形成されたスプライン軸穴に上記リボン巻取りローラ駆動軸45aが嵌合されて駆動される)とが設けられている。なおリボン巻取りローラ駆動軸45aは、図示しないローラ駆動回路により駆動制御される。
【0028】
また、ヘッド挿通開口40において、印字ヘッド49のテープ搬送方向下流側(図4中左側)には、分離部材40aが形成されている。この分離部材40aは、後述するように、印字ヘッド49による文字等の印字時に、プラテンローラ50と印字ヘッド49とに挟まれて布地テープ101に圧接されたインクリボン44の送り方向の転換を行うとともに、インクリボン44を布地テープ101から分離する作用を行うものである。
【0029】
また、カートリッジ3には、分離部材40aを介してインクリボン44が分離された後、文字等が印字された布地テープ101をカートリッジ3の外部に排出する排出口40bが形成されている。
【0030】
なお、カートリッジ3は、カートリッジホルダ31に装着された状態でその一部が前述の透視窓15を通して外部から視認可能となっている。具体的には、例えばカートリッジ3の表面には、布地テープ101のテープ幅や色などのテープタイプを表示したテープタイプ表示部(図示を省略)が設けられており、カートリッジホルダ31にカートリッジ3を装着した状態でこのテープタイプ表示部が透視窓15を通して外部から見えるようになっている。
【0031】
平板形状に形成されている印字ヘッド49は、例えば複数の発熱素子を一列に配置して備えるサーマルヘッドである。この印字ヘッド49はその全体のほとんどが高い硬度のセラミックス等で構成されており、上記発熱素子を配列したヘッド面はほぼ平坦な面となっている。そしてこの印字ヘッド49のテープ幅方向(布地テープ101の表面上で搬送方向に直交する方向)の寸法は、例えば、上記カートリッジ3から繰り出されるあらゆる種類の布地テープ101のテープ幅より広い幅寸法で形成されている。
【0032】
印字の際には、その印字ヘッド49のヘッド面にインクリボン44と布地テープ101が重ねられて圧接される(布地テープ101の受像層101a側の表面がインクリボン44を介してヘッド面に当てられる)。このときに、図示しない印字ヘッド駆動回路で上記発熱素子が駆動されることで、布地テープ101の受像層101aの表面に印字を行うようになっている。
【0033】
また印字ヘッド49に対向する位置には、布地テープ101の表面へ押圧力を作用させテープ搬送を行うためのプラテンローラ50(搬送手段)が設けられている。このプラテンローラ50は、ローラ本体50aと、そのローラ本体50aの回転中心に設けられる駆動軸50bとで構成されている。ローラ本体50aは、例えばゴムなどの比較的硬度の低い(つまり柔軟で弾性変形可能な)材料から形成され、かつその外周側表面から径方向の十分な厚さ寸法となるように形成されている。
【0034】
カートリッジホルダ31には、プラテンホルダ46がホルダ軸47の回りに回動可能に支持されており、プラテンローラ50の駆動軸50bはこのプラテンホルダ46の自由端に回転可能に軸支されている。プラテンホルダ46は、通常時には図示しない弾性部材によりホルダ軸47の回りに図4中における反時計方向に付勢されている。またプラテンホルダ46は、布地テープ101への印字時には特に図示しないモータ等により図4中における時計方向(又は反時計方向)に回動駆動され、これによりプラテンローラ50は印字ヘッド49に対する圧接と離間とを制御できるようになっている。なおプラテンローラ50もその駆動軸50bを介して図示しないローラ駆動回路により回転駆動制御される(つまりリボン巻き取りローラ45と連動している)。
【0035】
更に、カートリッジホルダ31には、カートリッジ3の排出口40bに隣接して(この例でははさみ方式の)カッタ51が配設されている。このカッタ51は、固定刃51Aと、可動刃51Bとから構成されている。すなわち、カッタ51は、図示しないソレノイド(図示せず)に接続されている。このソレノイドがソレノイド駆動回路(図示せず)によって励磁されることで、可動刃51Bが固定刃51Aに対して作動する。これにより、印字済みの布地テープ101を所定の長さに切断し、布地ラベルTを形成する。
【0036】
図5に、布地ラベル作成装置1における制御系の機能的な構成を示す。
【0037】
図5において、布地ラベル作成装置1には、例えばマイクロプロセッサなどからなる制御部53が設けられている。この制御部53には、入出力インターフェース56を介し、前述の端末装置DTaや汎用コンピュータDTbが接続された通信回線NWが接続されている。
【0038】
また制御部53には、カートリッジホルダ31における上記ローラ駆動回路、上記印字ヘッド駆動回路、上記ソレノイド駆動回路等からなる駆動系54及び上記マークセンサ60が、入出力インターフェース56を介して接続されている。
【0039】
布地ラベル作成装置1は、以上の構成によって、概略、次のようにして、布地テープ101から布地ラベルTを作成する。
【0040】
まず、前述の図4において、カートリッジホルダ31にカートリッジ3が装着されると、布地テープロール36から繰り出される布地テープ101は、2つのガイドローラ33,34に案内されつつ開口40cを経て、印字ヘッド49とプラテンローラ50の間を通過する配置となる。また、インクリボンロール43から繰り出されるインクリボン44は、カートリッジ3の規制突起部40d,40eに案内規制されつつ開口40cを経て布地テープ101と重なりあい、そのまま印字ヘッド49とプラテンローラ50の間を通過する配置となる。
【0041】
そして、電源ボタン9が押されて主電源が入れられ、例えば端末装置DTaで布地ラベル作成の操作入力がなされると、これに対応する指示信号が入出力インターフェース56を介し制御部53に入力され、制御部53の制御によって布地ラベル作成が開始される。
【0042】
布地ラベル作成が開始されと、上記プラテンホルダ46が図4中の時計回りに回動駆動され、プラテンローラ50が布地テープ101とインクリボン44を挟持するように印字ヘッド49へ向けて押圧する。これとともに、プラテンローラ50が図示しない上記ローラ駆動回路により回転駆動され、布地テープ101とインクリボン44とを圧接しつつ下流側(図4中の左側)へ搬送する。
【0043】
またこのプラテンローラ50による押圧搬送と同時に、図示しない印字ヘッド駆動回路によって上記発熱素子が駆動され、布地テープ101における印字ヘッド49側(インクリボン44側)の表面の受像層101aにインクリボン44のインクが熱転写されて印字が行われる。この印字処理によって、端末装置DTaで入力されたデータに基づく文字や画像が印刷される。
【0044】
この後に印字ヘッド49の下流側に送り出されたインクリボン44は、分離部材40aを介して布地テープ101から分離された後、リボン巻き取りローラ45により巻き取られる。そして、印字ヘッド49の下流側に送り出されてインクリボン44を分離された布地テープ101(印字された状態)は、排出口40bからカートリッジ3の外部に排出され、カッタ51を通過して矢示B方向に送り出される。
【0045】
そして、布地テープ101が所定の距離だけ進むと、布地テープ101の搬送が停止される。その後、カッタ51が作動して布地テープ101を切断し、これにより所定長さの布地ラベルTが得られる。なお、以上の一連の動作において布地テープロール36からの布地テープ101の繰り出し、及び布地テープ101の搬送はプラテンローラ50の回転によって行われる。
【0046】
以上のようにして、布地ラベルTが繰り返し作成されていき、布地テープ101が順次消耗されていくと、最終的には布地テープ101の残存量が少なくなり、布地ラベルTを作成することができなくなる。そこで、本実施形態では、布地テープ101の繰り出し方向終端部にエンドマーク(後述の図6参照)を設けている。そして、布地テープロール36の布地テープ101の繰り出し位置近傍の部位に設置された上記マークセンサ60で、当該エンドマークを検出し、布地テープ101の繰り出し方向の終端部を検知している。
【0047】
図6に、上記布地テープ101の繰り出し方向終端部を示す。図6に示すように、布地テープ101の繰り出し方向終端部102には、少なくとも1対の(この例では3対までが図示されている)エンドマーク64が設けられている。この例では、終端部102において、布地テープ101の通常の布地部分101A(エンドマーク64以外の部分)が終わり、その終端に後続する形でエンドマーク64が設けられている。なお、終端部102において、エンドマーク64が終わった後に、さらに若干の上記布地部分101Aが設けられていてもよい。エンドマーク64は、黒色等の遮光性領域64aと透明色等の透光性領域64bとが交互に並んだ少なくとも1対のパターンからなり、短尺のテープ状に形成されている。遮光性領域64a及び透光性領域64bは、例えば10mmの幅で設けられる。
【0048】
図7に、マークセンサ60の回路構成を示す。図示のように、マークセンサ60の投光器60a(例えば発光ダイオード)と受光器60b(例えばフォトトランジスタ)とが、電源電圧の入力端子66a,66b間に並列接続されている。また、投光器60aの接地側(発光ダイオードのカソード側)に電流制限抵抗R1が直列に挿入され、受光器60bの接地側(フォトトランジスタのエミッタ側)に負荷抵抗R2が直列に挿入されることで、受光器60bと負荷抵抗R2との間の出力端子67から検出電圧値V(マークセンサ60のセンサ出力)が取り出されるように構成されている。電源電圧Vccには例えば+3.3Vが使用される。マークセンサ60からの検出電圧値Vは、布地ラベル作成装置1の制御部53の図示しないCPUに入力される。なお、図示の構成では、受光量が大きいほどマークセンサ60からの検出電圧値Vが大きくなるが、これとは逆の極性、受光量が大きいほどマークセンサ60からの検出電圧値Vが小さくなるような特性を持たせるようにしてもよい。
【0049】
図8に、マークセンサ60による、布地テープ101の終端部102近傍における上記エンドマーク64の検出の様子を示す。なお、布地テープ101は、前述の3層構造を、模式化した態様の1層構造で表示している。
【0050】
図8において、布地テープロール36から布地テープ101が矢印方向に繰り出されて搬送されている。例えば、布地テープ101のうち上記布地部分101Aが、マークセンサ60の投光器60aから発せられた光の受光器60bへの光路λ上を通過しているとする。この場合、投光器60aから発せられた光は布地によって遮られ受光器64bの受光量が少なくなり、受光器64bから出力されるセンサ出力電圧(上記検出電圧値Vに相当。以下同様)は当該受光量に対応して小さくなる。
【0051】
その後、上記布地部分101Aの繰り出し方向終端側に後続するエンドマーク64の遮光性領域64aが光路λ上に位置したとする。この場合、投光器60aから発せられた光は遮光性領域64aで遮光されるので、受光器64bの受光量が少なくなって、受光器64bから出力されるセンサ出力電圧は受光量に対応して小さくなる。さらにその後、布地テープ101のさらなる搬送によってエンドマーク64の透光性領域64bが光路λ上に位置すると、投光器60aから発せられた光は透光性領域64bを透光するので、受光器64bの受光量が大きくなって、受光器60bから出力されるセンサ出力電圧は受光量に対応して大きくなる。したがって、遮光性領域64aから透光性領域64bへ進入したときの上記のようなマークセンサ60のセンサ出力電圧の違い(この例では増大)により、布地ラベル作成装置1側においてエンドマーク64を識別することができ、布地テープ101の終端部102を検出することができる。
【0052】
ところが、布地テープ101の上記布地部分101Aでは、布地を構成する素材(糸)の編目や縫目の形状や大きさによっては布地に隙間が生じ、局所的に投光器64aからの光を遮らずに透過させてしまう場合があり得る。そのような場合には、本来、マークセンサ60の箇所に布地テープ101のエンドマーク64の透光性領域64bが出現しておらず、受光器64bの受光量が比較的小さくなるはずのところが受光量が大きくなって、センサ出力電圧が過渡的に大きくなる可能性がある。この場合、布地ラベル作成装置1がエンドマーク64の透光性領域64であると誤って識別し、布地テープ101が消費されて終端部102である(又は終端部102に近づいた)と誤認識するおそれがある。
【0053】
そこで、本実施形態では、上記誤認識を回避するために、安定化領域の判別、及び、反転変動状態の検知、という2段階の処理を実行する。これらの処理を、図9を用いて順次説明する。
【0054】
(a)安定化領域の判別
図9において、まず、布地テープ101の終端部102近くでのマークセンサ60のセンサ出力電圧の変化の一例を図中の■印で示す。なお、布地テープ101の搬送速度は10mm/秒、エンドマーク64の遮光性領域64a及び透光性領域64bの幅は約10mm、センサ出力電圧の取得周期は0.1秒である。縦軸は電圧[V]、横軸は時間[秒]をとっている。なお、横軸には上記0.1秒周期で取得されたデータのデータ番号も併せて表示している。
【0055】
図中の■印で示されるセンサ出力電圧の波形において、複数のエンドマーク64が配列された部分では、前述した遮光性領域64aと透光性領域64bとの光の透光性の差に対応して、谷部C、頂部D、谷部E、頂部Fというように谷部と頂部が交互に現れる。一方、上記複数のエンドマーク64よりもテープ先端側に位置する布地部分101Aでは、本来であれば、投光器60aから発せられた光は遮光性領域64aで遮光されるので、センサ出力電圧はあまり変動のない比較的低い値で推移するはずである。しかしながら、この例では、前述した布地の隙間の存在により、布地の織目等に対応した頂部A及び頂部Bが現れている(なお、この頂部A,Bによる変動は、図示のように、上記エンドマーク64による頂部D,Fの変動よりも急激な変動となっている)。したがって、例えばある時点における1つのセンサ出力電圧値と所定のしきい値とを比較し、センサ出力電圧がしきい値以上となったことを検出する、等の手法では、布地部分101Aとエンドマーク64とを区別して検出することができない。
【0056】
そこで、本実施形態では、上記センサ出力電圧を所定の周期(例えば0.1秒)で連続的に取得し、各センサ出力電圧が取得されるたびに、その最新の値Vを含む時系列的にさかのぼったS個の電圧値Vn−1,Vn−2,Vn−3,・・,Vn+1−Sのうちの、最大値Vmaxと最小値Vminとの変動幅Vmax−Vminを求める。この例ではSを5とし、最新のセンサ出力電圧を含みそれより時系列的にさかのぼった5個の電圧値のうち、最大値と最小値を決定し、その変動幅を求める。例えばデータ番号33のセンサ出力電圧が取得されたときは、データ番号29,30,31,32の4つのデータと、当該データ番号33のデータとからなる、5つのデータグループg−1において、その最大値であるデータ番号33のセンサ出力電圧値と、最小値であるデータ番号29のセンサ出力電圧値との差が、上記変動幅として求められる。その後、データ番号34のセンサ出力電圧が取得されたときは、データ番号30,31,32,33の4つのデータと、当該データ番号34のデータとからなる、5つのデータグループg−2において、その最大値であるデータ番号33のセンサ出力電圧値と、最小値であるデータ番号30のセンサ出力電圧値との差が、上記変動幅として求められる。なお、上記のようにS個のデータをグループ化して考える場合に、上記のように時系列に沿ってS個のデータを連続してサンプリングするのには限られず、適宜の間隔を置いてS個取得するようにしてもよい。要は何らかの規則性をもってS個サンプリングするようにすれば足りる。
【0057】
本実施形態では、上記のようにして随時求められる変動幅Vmax−Vminに基づき、センサ出力電圧の安定化領域を判別する。すなわち、当該変動幅Vmax−Vminが、予め定められたしきい値(=安定化しきい値。後述の図11のステップS135参照)より大きければ、当該S個のセンサ出力電圧の値は不安定に変動する状態にあるとみなす。逆に当該変動幅Vmax−Vminが上記しきい値以下であれば、当該S個のセンサ出力電圧の値は十分に安定した安定化領域にあるとみなす。このようにして、上記変動幅Vmax−Vminが上記しきい値未満である場合をこの段階で除外し、後述の反転変動状態の検知の処理を行わないようにすることで、布地部分101Aにおけるセンサ出力電圧値のデータ(この例ではデータ番号1〜20までの20個のデータ)を除外して処理することができる。
【0058】
(b)反転変動状態の検知
上記のようにして布地部分101Aの急変動の影響を除外できた後は、既に述べたような、遮光性領域64aから透光性領域64bへ進入したとき(あるいはその逆でもよい)のマークセンサ60のセンサ出力電圧の違いを利用して、エンドマーク64を検出することができる。但しその場合、当該センサ出力電圧の違いをなるべく際だたせる形で、迅速に検出を行うことが好ましい。
【0059】
図9ではさらに、布地テープ101の終端部102近くにおける、上記センサ出力電圧の差分電圧の変化の一例を併せて示している。差分電圧は、この例では2種類が示されている。すなわち、上記のようにして所定の周期で刻々とセンサ出力電圧が取得されるときの、各センサ出力電圧の値とその1個前の(=1周期前に取得された)出力電圧値との差が図中の▲印で示される(「1個前差分電圧」と表記)。一方、各センサ出力電圧値とその3個前の(=3周期前に取得された)出力電圧値との差が、図中の●印で示される(「3個前差分電圧」と表記)。
【0060】
上記「3個前差分電圧」と「1個前差分電圧」とを対比すると、「3個前差分電圧」に含まれる各データでは、エンドマーク64に対応した上記「センサ出力電圧」のデータの頂部D,Fにそれぞれ対応した頂部Da1,Da2及び頂部Fa1,Fa2が明瞭に現れている。すなわち、頂部Da1は谷部Cから頂部Dへの立ち上がり傾斜部を反映し、頂部Da2は頂部Dから谷部Eへの立ち下がり傾斜部を反映している。また、頂部Fa1は谷部Eから頂部Fへの立ち上がり傾斜部を反映し、頂部Fa2は頂部Fから谷部Gへの立ち下がり傾斜を反映している。
【0061】
これに対し、上記「1個前差分電圧」には、エンドマーク64に対応した上記「センサ出力電圧」のデータの頂部D,Fにそれぞれ対応した頂部が、上記「3個前差分電圧」のデータほどには明確に現れていない。したがって、エンドマーク64の検出には、あまり適していないと言える。
【0062】
そこで、本実施形態では、上記(a)の処理で、安定化領域と判別されるたびに、安定化領域に属する最新のセンサ出力電圧の値Vと、その最新のセンサ出力電圧値Vから時系列的にk個さかのぼった電圧値Vn-k(ただし、k<S)との差分電圧の絶対値である、|V−Vn-k|を求める。そして、当該|V−Vn-k|が所定のしきい値(=反転しきい値。後述の図11のステップS160参照)より大きくなったことをもって、エンドマーク64の遮光性領域64aと透光性領域64bとが入れ替わるときの、センサ出力電圧の反転変動状態(安定化領域のエッジの立ち上がりまたは立下りに相当)を検知する。この検知によって、エンドマーク64の検出が行われる。この例では、kを上記S(=5)よりも小さい3とし、最新のセンサ出力電圧の値Vと、その最新のセンサ出力電圧値Vから時系列的に3個さかのぼった電圧値Vn-3との差分電圧の絶対値である、|V−Vn-3|を求める。またこの例では、上記のしきい値として、絶対値が1.0、すなわち、プラス1.0[V]及びマイナス1.0[V]が設定されている。そして、|V−Vn-3|が1.0より大きくなったとき、例えばV−Vn-3が−1.0より小さくなったときには、遮光性領域64aから透光性領域64bへと進入してセンサ出力電圧が正の向きに反転変動した状態(安定化領域のエッジの立ち上がりに相当)とみなす。また例えば、V−Vn-3が+1.0より大きくなったときには、透光性領域64bから遮光性領域64aへと進入してセンサ出力電圧が負の向きに反転変動した状態(安定化領域のエッジの立ち下がりに相当)とみなす。例えば図9に示す例では、布地部分101に対応する部分を過ぎた安定化領域(概ねデータ番号21以降のデータが相当)に入った後、図中の●印の「3個前差分電圧」のデータでは、データ番号27のデータが−0.3程度となった後、データ番号28のデータにおいて−1.0よりも小さい値(絶対値では1.0よりも大きい値)となっている。したがって、本実施形態では、このデータ番号28のデータが取得された時点で、透光性領域64aから遮光性領域64bへと進入したとみなす。以上のようにして、エンドマーク64を迅速にかつ確実に検出することができる。
【0063】
上記の機能を実行するために、布地ラベルTの作成時において、制御部53によって実行される処理手順を図10及び図11により説明する。図10の作成処理及び図11の検出処理は、例えば、コンピュータのOS等でしばしば行われる、「マルチタスク処理」と同様の公知の方式により、布地ラベル作成装置1の制御部53により同時並行して処理される。
【0064】
図10において、操作者が、布地ラベル作成装置1のカートリッジホルダ31にカートリッジ3を装着した状態で、電源ボタン9をオンし、例えば端末装置DTaで布地ラベル作成の操作入力を行うと、このフローが開始されるとともに図11で示されるフローも開始される。
【0065】
まずステップS5において、制御部53は、上記ローラ駆動回路に制御信号を出力し、プラテンローラ50及びリボン巻き取りローラ45を回転駆動する。この結果、プラテンローラ50による布地テープ101の搬送、及び、リボン巻き取りローラ45によるインクリボン44の搬送が開始される。これにより、布地テープ101は、プラテンローラ50によって印字ヘッド49のヘッド面にインクリボン44を介して圧接されつつ、布地テープロール36から繰り出されて搬送されることになる。
【0066】
その後、ステップS10で、制御部53は、印字ヘッド駆動回路により印字ヘッド49の発熱素子に通電する。この結果、印字ヘッド49による布地テープ101の受像層101aの表面への印字が開始される。
【0067】
そして、ステップS15で、制御部53は、プラテンローラ50のローラ駆動回路のモータパルス数をカウントする等、適宜の方法により、布地テープ101が印字終了位置に達したか否かを判定する。印字終了位置に達していなければ判定が満たされず、ステップS20に移る。印字終了位置に達していればステップS15の判定が満たされ、ステップS25に移る。
【0068】
ステップS20では、制御部53は、エンドマーク検出に関するフラグFe(後述の図11のステップS100及びステップS175参照)がFe=1であるか否かを判定する。後述するように、布地テープロール36から繰り出される布地テープ101が消費されて終端部102が出現し、マークセンサ60によりエンドマーク64が検出されている場合はフラグFe=1であり、検出されていない場合はFe=0となっている。Fe=0のままである場合にはステップS20の判定が満たされず、ステップS15に戻って同様の手順を繰り返す。Fe=1となっていた場合にはステップS20の判定が満たされ、ステップS55に移る。
【0069】
ステップS55では、制御部53は、ローラ駆動回路に制御信号を出力し、プラテンローラ50及びリボン巻き取りローラ45の回転駆動を停止する。この結果、プラテンローラ50による布地テープ101の搬送及びリボン巻き取りローラ45によるインクリボン44の搬送が停止する。その後、ステップS60に移る。
【0070】
ステップS60では、テープ端末装置DTa等に表示制御信号を出力する。この結果、テープ端末装置DTa等の表示画面において、布地テープロール36から繰り出される布地テープ101が終端部102に達し、布地テープ101が尽きる旨の表示、すなわちテープエンド表示が行われる。そして、このフローを終了する。
【0071】
一方、ステップS25では、制御部53は、印字ヘッド駆動回路による印字ヘッド49の発熱素子への通電を停止する。この結果、印字ヘッド49による布地テープ101への印字が停止する。その後、ステップS30に移る。
【0072】
ステップS30では、ステップS15と同様、制御部53は、プラテンローラ50のローラ駆動回路のモータパルス数をカウントする等、適宜の方法により、布地テープ101が切断位置に達したか否かを判定する。切断位置に達していなければ判定が満たされず、ステップS35に移る。切断位置に達していれば判定が満たされ、ステップS40に移る。
【0073】
ステップS35では、ステップS20と同様、制御部53は、エンドマーク検出に関するフラグFeがFe=1であるか否かを判定する。Fe=0の場合は判定が満たされずはステップS30に戻り、Fe=1で、判定が満たされた場合は上述のステップS55に移る。
【0074】
ステップS40では、制御部53は、ローラ駆動回路に制御信号を出力し、プラテンローラ50及びリボン巻き取りローラ45の回転駆動を停止する。この結果、プラテンローラ50による布地テープ101の搬送、及び、リボン巻き取りローラ45によるインクリボン44の搬送が停止する。その後、ステップS50に移る。
【0075】
ステップS50では、制御部53は、ソレノイド駆動回路によってカッタ51のソレノイドを励磁する。この結果、カッタ51により印字済みの布地テープ101が切断され、布地ラベルTが作成される。その後、このフローを終了する。
【0076】
なお、以上の図10に示すフローチャートにおいて、上記ステップS55が、各請求項記載の停止制御手段として機能する。
【0077】
一方、図11に示すフローが開始されるときには、マークセンサ60の投光器60aから布地テープ101の搬送経路に光が投光されており、布地テープロール36から繰り出される布地テープ101を通過した透過光がマークセンサ60の受光器60bに受光されている。図11において、まずステップS100で、制御部53は、エンドマーク検出に関するフラグFeを初期化してFe=0とする。
【0078】
その後、ステップS105でnの値をインクリメント(1プラス)したのち、ステップS110で、制御部53は、マークセンサ60が検出したセンサ出力電圧Vnを取得する。ここでの添え字nはセンサ出力電圧Vのうち最新の検出値であることを表す。また、この手順で取得されたセンサ出力電圧の値は、その都度、制御部53内の適宜の箇所(例えばRAM等)に記憶され保存される。なお、後述するステップS130又はステップS150から戻ってこのステップS110を実行する際には、制御部53は、その1回前のステップS110から所定の周期(この例では0.1秒)が経過するのを待ってから、センサ出力電圧Vnを取得する。このステップS110が、各請求項記載の取得手段として機能する。
【0079】
その後、ステップS115で、制御部53は、上記ステップS110で取得したセンサ出力電圧Vnよりも前に既に取得済み(上記のようにして既に記憶されていたもの)のセンサ出力電圧のうち上記Vnよりも前の4個、すなわちVn-4,Vn-3,Vn-2,Vn-1を、前述の記憶された箇所から読み出す。なお、この時点においてマークセンサ60の検出が介された直後で、センサ出力電圧Vが4個蓄積されていない場合は、蓄積されてVn-4,Vn-3,Vn-2,Vn-1が揃うのを待ってから、この手順を実行するようにすればよい。なお、前述したように、このときに取り扱うセンサ出力電圧は上記のように5個(各請求項に記載のS=5に相当)に限られるものではない。その後、ステップS120に移る。
【0080】
ステップS120では、制御部53は、上記ステップS115で読み込んだ、電圧値Vn-4,Vn-3,Vn-2,Vn-1,Vのうちの最大値Vmaxと最小値Vminとの変動幅W=Vmax−Vminを算出する。このステップS120が、各請求項記載の変動幅算出手段として機能する。その後、ステップS130に移る。
【0081】
ステップS130では、制御部53は、上記ステップS120で算出された変動幅Wがしきい値(=上記安定化しきい値。この例では0.4V)未満であるか否かを判定する。このしきい値は、これ未満であればセンサ出力電圧が安定化領域となっているとみなせる基準値である。W≧0.4VであればステップS130の判定が満たされず、ステップS110に戻って同様の手順を繰り返す。W<0.4VであればステップS130の判定が満たされ、ステップS135に移る。このステップS130が、各請求項記載の領域判定手段として機能する。
【0082】
ステップS135ではnの値をインクリメント(1プラス)したのち、ステップS138で、制御部53は、マークセンサ60が検出したセンサ出力電圧Vnを取得する。その後、ステップS140に移る。
【0083】
ステップS140では、上記ステップS120で読み込んだ電圧値Vn-4,Vn-3,Vn-2,Vn-1のうち、最新の電圧値Vと、最新の電圧値Vから時系列的に連続して3個さかのぼった電圧値Vn-3との差分電圧D=V−Vn-3を算出する。なお、前述したように、このときにさかのぼる個数は3個(各請求項に記載のk=3に相当)前に限られるものではなく、上記S(前述の例では5)の値よりも小さい値であれば足りる。このステップS140が、各請求項記載の偏差算出手段として機能する。その後、ステップS150に移る。
【0084】
ステップS150では、上記ステップS140で算出された差分電圧Dの絶対値|Vn−3−V|がしきい値(=反転しきい値。この例では1.0V)を超えるか否かを判定する。このしきい値は、これを上回れば、前述したようなセンサ出力電圧の安定化領域におけるエッジの立ち上がり(または立下り)であるとみなせる基準値である。すなわち|Vn−3−V|がこのしきい値を上回れば、エンドマーク64の遮光性領域64aと透光性領域64bとが入れ替わるときの検出電圧値の反転変動状態、すなわちエンドマーク64の遮光性領域64aと透光性領域64bの境界が検出されたことになる。|Vn−3−V|≦1.0Vであった場合にはステップS150の判定が満たされずステップS135に戻り、同様の手順を繰り返す。|Vn−3−V|>1.0Vであった場合には、ステップS150の判定が満たされ、ステップS160に移る。なお、このステップS150が、各請求項記載の境界判定手段として機能する。
【0085】
ステップS160では、エンドマーク検出に関するフラグFeをエンドマークを検出したことを示すFe=1とする。これにより、前述した図10のステップS20又はステップS35の判定が満たされて、ステップS55で布地テープ101の搬送が停止し、ステップS60でテープエンドの表示が行われる。なお、このステップS160が、各請求項記載のマーク識別手段として機能する。
【0086】
なお、上記のように|Vn−3−V|>1.0Vとなったら直ちにステップS160に移るのではなく、|Vn−3−V|>1.0Vとなった回数をカウントしつつ同様の手順を繰り返し、当該カウント値が所定の値(例えば3)に達したらステップS160に移るようにしてもよい。上記のようにしてステップS160が終了したら、このフローを終了する。
【0087】
以上説明したように、本実施形態の布地ラベル作成装置1においては、布地ラベルTが作成される都度布地テープ101が消費され、最終的には布地テープ101の残存量が少なくなると、布地テープ101の終端部102(又はその近傍)に設けたエンドマーク64がマークセンサ60によって検出される。これによって、布地テープ101が消費されたことが布地ラベル作成装置1側で識別され、プラテンローラ50によるテープ搬送が停止される(図10のステップS55)。
【0088】
その際、上記エンドマーク64の検出において、本実施形態では、安定化領域の判別、反転変動状態の検知、の2つの段階の処理を実行する。まず、安定化領域の判別処理においては、図11のステップS110、ステップS115、ステップS120、ステップS130で、マークセンサ60のセンサ出力電圧の最新のVを含むS個(上記の例ではS=5)の検出電圧値Vn−1,Vn−2,Vn−3,・・,Vn+1−Sに基づいて変動幅W=Vmax−Vminが算出される。そして、この変動幅Wに基づき、センサ出力電圧が安定化領域となっているかどうかが判定される(ステップS130)。これにより、上記のような布地テープ101の布地部分101Aにおける布地の隙間の存在による過渡的なセンサ出力電圧の変動の影響を除外し、定性的なセンサ出力電圧値の挙動を把握することができる。
【0089】
その後、上記のようにして安定化領域となったと判定されたら、反転変動状態の検知処理が実行される。すなわち、その時点での最新のセンサ出力電圧値Vと、それより取得順に沿ってk個(上記の例ではk=3)前の、センサ出力電圧値Vn−kとの偏差D=V−Vn−kが算出される(ステップS140)。なお、上記したように安定化領域の判別処理が終わった時点での最新のセンサ出力電圧値Vに代え、その時点以降に改めてセンサ出力電圧の取得を行い、そのときに取得された最新値を用いてもよい。その後、上記偏差Dに基づいてセンサ出力電圧が反転変動状態となったかどうかが判定され(ステップS150)、反転変動状態と判定されたことによってエンドマーク64が識別される(ステップS160)。これにより、上記のように過渡的な挙動を除外した定性的なセンサ出力電圧の挙動を基に、エンドマーク64の遮光性領域64aと透光性領域64bとによるセンサ出力電圧値の変動(増大あるいは減少)を正確に検出できる。したがって、エンドマーク64が出現したことを精度よく識別することができる。この結果、布地テープ101を用いて布地ラベルTを作成する場合でも高精度にテープエンドを検出し、誤動作なく正常に搬送を停止することができる。さらに、上記のような、安定化領域の判別処理→反転変動状態の検知処理、という2段階の処理でエンドマーク64の識別を行うことにより、布地テープ101の終端部近傍に最低限1対のエンドマーク(上記の例でいえば1つの遮光性領域64aと1つの透光性領域64b)を設けるだけでも、確実に搬送を停止することができる。
【0090】
また、本実施形態では特に、時系列に沿って連続したS個のセンサ出力電圧値Vn−1,Vn−2,Vn−3,・・,Vn+1−Sを用いていることにより、センサ出力電圧値の変動幅を簡素な制御で迅速に算出することができる。
【0091】
また、本実施形態では特に、図11のステップS140において、最新のセンサ出力電圧Vと、この値から、ステップS120で用いた値(前述の例では5個)よりも少ない個数(前述の例では3個)のデータ数だけ連続的にさかのぼったセンサ出力電圧値Vn−3との偏差D=V−Vn−3を算出する。これにより、安定化領域の判別処理でのステップS120では、比較的大きい値(上記の例では5個)を用いることで、センサ出力電圧が安定したかどうかを確実に判定することができる。その一方、反転変動状態の検知処理でのステップS140では、センサ出力電圧の急変動状態であることから、比較的小さい値(上記の例では3個)を用いることで、センサ出力電圧の増減挙動をより迅速に検出することができる。
【0092】
なお、以上において、布地ラベル作成装置1のカートリッジホルダ31に布地テープロール36を備えたカートリッジ3が装着され、布地テープロール36から繰り出した布地テープ101で布地ラベルTを作成する場合のみを例にとって説明したが、本発明はこれに限られない。
【0093】
すなわち、布地ラベル作成装置1の上記カートリッジホルダ31に対し、上記カートリッジ3以外に、通常の被印字テープロールが収納されたテープカートリッジ(通常テープカートリッジ)を選択的に着脱可能としてもよい。被印字テープロールは、詳細な図示は省略するが、例えば紙又は樹脂フィルムからなる被印字テープが繰り出し可能にロール状に巻回して構成されている。また、上記布地テープ101と同様、当該被印字テープの繰り出し方向の終端部近傍には、エンドマーク64と同様の少なくとも1対のエンドマーク(前述と同様の遮光性領域及び透光性領域を備えている)が設けられている。
【0094】
そして、本変形例では、カートリッジホルダ31に、上記通常テープカートリッジ及び上記布地テープカートリッジ36のいずれが装着されたかを検出するカートリッジ検出手段としてのカートリッジセンサ(光学式又は接触式等、公知の適宜の構成で足りる)が設けられる。そして、制御部53がモード切替手段としての機能を備えており、上記カートリッジセンサが通常テープカートリッジの装着を検出した場合には、布地ラベル作成装置1のモードが通常ラベルモードに切り替えられる。このモードでは、前述のステップS110と同等の手順(取得手段に相当)で取得された最新のセンサ出力電圧が単に所定のしきい値に達したかどうか、に基づいてエンドマーク64の識別が行われる。一方、カートリッジセンサが布地テープカートリッジ36の装着を検出した場合には、布地ラベル作成装置1のモードが布地ラベルモードに切り替えられる。この布地ラベルモードでは、前述したような、上記図11を用いて説明した手法(安定化しきい値を用いた安定化領域の判別処理と、反転しきい値を用いた反転変動状態の検知処理と、による手法)により、エンドマーク64の識別が行われる。
【0095】
本変形例においては、布地テープ101を用いた布地ラベルTの作成と、被印字テープを用いた通常ラベルの作成とを、同一の布地ラベル作成装置1で行うことができる。しかもそのとき、操作者は、布地テープ101を供給する布地テープカートリッジ36か、若しくは、被印字テープを供給する通常テープカートリッジか、をカートリッジホルダ31に装着するだけで、自動的にその装着されたカートリッジの種類に合わせて最適なモードが設定される。したがって、操作者はカートリッジ種類に応じた動作設定の選択や切替等を行う必要がなくなり、利便性を向上することができる。
【0096】
なお、以上において、図5等に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0097】
また、図10、図11に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0098】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0099】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0100】
1 布地ラベル作成装置
2 装置本体
3 カートリッジ(布地テープカートリッジ)
36 布地テープロール
49 印字ヘッド(印字手段)
50 プラテンローラ(搬送手段)
60 マークセンサ(光学センサ)
64 エンドマーク
64a 遮光性領域
64b 透光性領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地テープを用いて布地ラベルを作成する布地ラベル作成装置であって、
前記布地テープを繰り出し可能にロール状に巻回して構成されるとともに当該布地テープの繰り出し方向の終端部近傍に遮光性領域と透光性領域とからなる少なくとも1対のエンドマークを設けた、布地テープロールを収納した布地テープカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダと、
前記カートリッジホルダに装着された前記布地テープカートリッジの前記布地テープロールから繰り出された前記布地テープを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記布地テープに対し、所望の印刷を行う印字手段と、
前記搬送手段により搬送される前記布地テープの搬送経路に向かって投光可能な投光手段、及び、投光手段から投光され前記布地テープを透過した光の受光量に対応した検出電圧値Vを出力可能な受光手段、を備えた光学センサと、
前記受光手段による前記検出電圧値Vを所定の周期で順次連続的に取得する取得手段と、
nを自然数としSを固定的に定められた2以上の整数としたとき、前記取得手段で取得された最新の検出電圧値Vを含み時系列に沿ったS個の検出電圧値Vn−1,Vn−2,Vn−3,・・,Vn+1−Sを1つのデータ群とし、当該1つのデータ群における検出電圧値の変動幅Vmax−Vminを算出する変動幅算出手段と、
前記変動幅算出手段により算出された前記変動幅に基づき、検出電圧の安定化領域となったか否かを判定する領域判定手段と、
kを固定的に定められた2以上の整数としたとき、前記領域判定手段により前記安定化領域となったと判定された場合に、その時点若しくはそれ以降に前記取得手段で取得された最新の検出電圧値Vを含み当該検出電圧値Vから時系列に沿ってk個さかのぼった検出電圧値Vn−kと前記検出電圧値Vとの偏差V−Vn−kを算出する偏差算出手段と、
前記偏差算出手段により算出された前記偏差に基づき、検出電圧の反転変動状態となったか否かを判定する境界判定手段と、
前記変動判定手段により検出電圧の反転変動状態となったと判定されたことによって、前記エンドマークの識別を行うマーク識別手段と、
前記マーク識別手段により前記エンドマークが識別された場合に、前記搬送手段の搬送動作を停止する停止制御手段と、
を有することを特徴とする布地ラベル作成装置。
【請求項2】
請求項1記載の布地ラベル作成装置において、
前記変動幅算出手段は、
前記取得手段で取得された最新の検出電圧値Vを含み時系列に沿って連続して取得されたS個の検出電圧値Vn−1,Vn−2,Vn−3,・・,Vn+1−Sを1つのデータ群とし、当該1つのデータ群における検出電圧値の変動幅Vmax−Vminを算出する
ことを特徴とする布地ラベル作成装置。
【請求項3】
請求項2記載の布地ラベル作成装置において、
前記偏差算出手段は、
前記領域判定手段により前記安定化領域となったと判定された場合に、Sよりも小さいkを用いて、それ以降に前記取得手段で取得された最新の検出電圧値Vを含み当該検出電圧値Vから時系列に沿ってk個連続的にさかのぼった検出電圧値Vn−kと前記検出電圧値Vとの偏差V−Vn−kを算出する
ことを特徴とする布地ラベル作成装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の布地ラベル作成装置において、
前記カートリッジホルダは、
紙又は樹脂フィルムからなる被印字テープを繰り出し可能にロール状に巻回して構成されるとともに当該被印字テープの繰り出し方向の終端部近傍に前記少なくとも1対のエンドマークを設けた、被印字テープロールを収納した通常テープカートリッジ、及び、前記布地テープカートリッジ、を選択的に着脱可能に構成されており、
かつ、
前記カートリッジホルダに前記通常テープカートリッジ及び前記布地テープカートリッジのいずれが装着されたかを検出するカートリッジ検出手段と、
前記カートリッジ検出手段により前記通常テープカートリッジの装着が検出された場合には、前記マーク識別手段が、前記取得手段で取得された最新の検出電圧値Vが所定のしきい値に達したことに基づいて前記エンドマークの識別を行う通常ラベルモードに切り替え、前記カートリッジ検出手段により前記布地テープカートリッジの装着が検出された場合には、前記マーク識別手段が、前記変動判定手段により検出電圧の反転変動状態となったと判定されたことによって前記エンドマークの識別を行う布地ラベルモードに切り替える、モード切替手段と、
を設けたことを特徴とする布地ラベル作成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−153106(P2012−153106A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16576(P2011−16576)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】