説明

帯域通過フィルタ

【課題】減衰極を生じさせる結合素子として機械加工による一体製作可能な容量性結合のための開口部を用い、製造が容易な帯域通過フィルタを提供する。
【解決手段】導波管共振器2aの入り口からλg/4の位置にある開口部8によって、導波管共振器2aと導波管共振器2dとは、容量性結合される。これにより、導波管共振器2aに伝搬された電磁波の一部は、開口部8を介して、導波管共振器2aに発生する電界に対して平行な方向にある導波管共振器2dに伝搬される。電磁波の伝搬路上隣接しない導波管共振器2aと導波管共振器2dを飛び越し結合することによって、導波管共振器2a、2b、2c、2dの順で伝搬する電磁波と、導波管共振器2aから導波管共振器2dに伝搬する電磁波に位相差が生じる。この位相差によって、組立ての煩雑になる結合素子を用いることなく、導波管フィルタ1aの減衰域に減衰極を生じさせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は帯域通過フィルタに関し、特にTE10s(s=1以上の整数)モードの矩形導波管共振器により構成される帯域通過フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
導波管を共振器として用いて構成されるフィルタは、低損失、高耐電力性などの利点を有するために、マイクロ波からミリ波までの広い周波数帯で使用可能である。このようなフィルタに用いられる導波管は、通常、断面が矩形或いは円形である。断面が矩形のものを矩形導波管、断面が円形のものを円形導波管という。
【0003】
図13は、矩形導波管の断面を表しており、矩形導波管におけるTE10モードの電磁界を説明するための図である。矩形導波管の断面の一方の辺をA辺、A辺の長さをA、A辺に続く面をA面、他方の辺をB辺、B辺の長さをB、B辺に続く面をB面とする。A辺の長さとB辺の長さとは、A≧Bの関係にある。また、A面の面積がB面の面積よりも大きい。このような矩形導波管における電磁界は、電界(E)がB面に平行に形成され、磁界(H)がA面に平行に形成される。矩形導波管は、例えば電磁波が入力されることで、電界及び磁界が励起されるようになっている。このような矩形導波管は、空胴共振器として用いることができる。
【0004】
図9、図10、図11、図12は、従来の矩形導波管による共振器(以下、「共振器」という)を使用した帯域通過フィルタ(以下、「導波管フィルタ」という)1cの概略構成を説明するための図である。図9は、従来の導波管フィルタ1cの外観斜視図である。図10は、図9の導波管フィルタ1cのE−E’面における断面図である。図11は、図9の導波管フィルタ1cのF−F’面における断面図であり、導波管フィルタ1cで発生する電界の方向を表している。図12は、図9の導波管フィルタ1cのG−G’面における断面図であり、導波管フィルタ1cで発生する電界の方向を表している。
【0005】
この導波管フィルタ1cは、4個の導波管共振器20a〜20d、入力導波管21、及び出力導波管22の、合計6個の導波管により構成されている。各導波管共振器20a〜20dは、TE101モード共振を発生しており、アイリス23a〜23eにより順次結合されて、導波管フィルタ1cにより伝搬される電磁波を濾波するようになっている。導波管フィルタ1cの中心周波数は、導波管共振器20a〜20d及びアイリス23a〜23eの寸法により決まるようになっている。
【0006】
入力導波管21に入力された電磁波は、導波管共振器20a、導波管共振器20b、導波管共振器20c、導波管共振器20dの順に伝搬され、導波管共振器20dから出力導波管22に伝搬されて、導波管フィルタ1cの外部に出力されるようになっている。導波管共振器間は、アイリス23a〜23eにより伝搬路が形成される。例えば、入力導波管21と導波管共振器20aとの間にはアイリス23aにより結合されて、これにより伝搬路が形成されている。また導波管共振器20aと導波管共振器20dとの間には隔壁24が設けられている。隔壁24は、電界(E)に平行な面により構成されている。つまり従来の導波管フィルタ、電磁波の伝搬路が電界(E)に対して垂直な面内でコの字状になるように、導波管共振器20a〜20dが結合されている。
【0007】
導波管共振器20aと導波管共振器20dの間の隔壁24には、容量性の同軸結合ループ30が設けられている。同軸結合ループ30により、導波管共振器20aと導波管共振器20dは飛び越し結合される。この飛び越し結合は、容量性結合となる。導波管共振器20a、20b、20c、20dを順番に伝搬する電磁波の位相と、同軸結合ループ30によって容量性結合された導波管共振器20aから導波管共振器20dへ飛び越し結合により伝搬する電磁波の位相の差により、導波管フィルタ21の減衰域に減衰極を生じさせることができる。
【0008】
特許文献1には、N個の導波管共振器から構成される導波管フィルタにおいて、N/2−1番目の導波管共振器とN/2+2番目の導波管共振器、及び、N/2−2番目の導波管共振器とN/2+3番目の導波管共振器をループ素子によって容量性結合することで、減衰特性を急峻にし、かつ減衰量の大きくする発明が開示されている。
【特許文献1】特開2000−82903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
同軸結合ループ30や特許文献1のループ素子のような結合素子を用いることで、導波管フィルタ21の周波数特性の減衰域に減衰極を生じる。しかし、結合素子を設けるために組立てが煩雑になり、また、組立ての精度は機械加工の精度よりも低いため、所望の減衰極を生じさせるために精細な調整が必要となる。
【0010】
本発明は、上記の問題に鑑み、簡易な構成で減衰域に減衰極を有する帯域通過フィルタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決する本発明の帯域通過フィルタは、直列に接続された複数の共振器により構成されており、所定の電磁波を濾波する帯域通過フィルタであって、前記複数の共振器のうち所定の連続しない2つの共振器は、各々、矩形導波管で構成されて、対向する所定の2面の一方の面に前記電磁波が入力される入力口が設けられるとともに他方の面に前記電磁波が出力される出力口が設けられ、さらに前記2面とは異なる面に開口部が設けられており、前記電磁波を伝搬する際に、この開口部を介して互いに容量性結合されている。
連続しない2個の導波管共振器を、開口部を介して容量性結合することで、飛び越し結合させることができる。そのために、減衰極を生じさせることができる。導波管共振器の容量性結合に必要な開口部は、機械加工による一体製作が可能であるため、従来のように組立てが煩雑になる結合素子は不要となる。
【0012】
前記連続しない2つの共振器は、TE10s(s=1以上の整数)モードで共振するものであり、各々の前記開口部は、前記入力口から前記電磁波の当該矩形導波管内における波長の1/4の長さの奇数倍の位置に設けられていてもよい。
TE10sモードで共振する導波管共振器内の電界は、入力口から導波管共振器内における波長の1/4の長さの奇数倍の位置が最も強くなるために、この位置に開口部を設けることで強い容量性結合をすることが可能となる。
【0013】
前記連続しない2つの共振器は、TE101モードで共振するものであり、各々の前記開口部は、前記入力口から前記電磁波の当該矩形導波管内における波長の1/4の長さの位置に設けられていてもよい。
TE101モードで共振する導波管共振器内の電界は、入力口から導波管共振器内における波長の1/4の長さの位置が最も強くなるために、この位置に開口部を設けることで強い容量性結合をすることが可能となる。
【0014】
前記連続しない2つの共振器は、TE102モードで共振するものであり、前記連続しない2つの共振器の一方の共振器の前記開口部は、前記入力口から前記電磁波の当該矩形導波管内における波長の1/4の長さの位置に設けられ、前記連続しない2つの共振器の他方の共振器の前記開口部は、前記入力口から前記電磁波の当該矩形導波管内における波長の3/4の長さの位置に設けられていてもよい。
TE102モードで共振する導波管共振器内の電界は、入力口から導波管共振器内における波長の1/4の長さの位置又は3/4の長さの位置が最も強くなるため、この位置に開口部を設けることで強い容量性結合をすることが可能となる。
【0015】
前記連続しない2つの共振器の間にある所定の連続する2つの共振器は、各々、矩形導波管で構成されて、直角に位置する所定の2面の一方の面に前記電磁波が入力される入力口が設けられるとともに他方の面に前記電磁波が出力される出力口が設けられており、前記電磁波を伝搬する際に、前記連続する2つの共振器の一方の出力口と他方の入力口とを介して誘導性結合されていてもよい。
直角に位置する2面に入力口と出力口がある2個の導波管共振器を誘導性結合することで、帯域通過フィルタ全体をコンパクトにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
なお、各実施形態の説明では、共通するものには共通の符号を用いることとし、重複する説明は場合により省略するものとする。
図1は、本発明の第1実施形態及び第2実施形態の導波管フィルタ1の外観斜視図である。導波管フィルタ1は、所定の同一面に入力開口部3a及び出力開口部4aが設けられた直方体形状に形成される。導波管フィルタ1aは、入力開口部3aから電磁波が入力され、濾波後の電磁波が出力開口部4aから出力されるようになっている。
【0017】
≪第1実施形態≫
図2〜4は、本発明の第1実施形態の導波管フィルタ1の内部構造を説明するための図であり、以下この導波管フィルタ1を、導波管フィルタ1aとする。図2は、導波管フィルタ1aの内部構造を説明するための図である。図3は、図1の導波管フィルタ1のA−A’面による断面図であり、導波管フィルタ1a内で発生する電界(E)の方向を表している。図4は、図1の導波管フィルタ1のB−B’面による断面図であり、導波管フィルタ1a内で発生する磁界(H)の方向を表している。
【0018】
この導波管フィルタ1aは、矩形導波管による4個の導波管共振器2a〜2dを備えており、各導波管共振器2a〜2dはTE101モードで共振するようになっている。導波管共振器2a〜2dは、導波管フィルタ1aに入力された電磁波を濾波するものである。導波管共振器2aには入力導波管3が結合されており、導波管共振器2dには出力導波管4が結合されている。入力開口部3aは入力導波管3に形成されており、出力開口部4aは出力導波管4に形成されている。
【0019】
入力導波管3と導波管共振器2aとの間にはアイリス5aが設けられており、導波管共振器2aと導波管共振器2bの間にはアイリス5bが設けられている。入力導波管3、導波管共振器2a、2bは、電界(E)に対して垂直な方向で結合されている。アイリス5aにより導波管共振器2aの入力口が形成され、アイリス5bにより導波管共振器2aの出力口及び導波管共振器2bの入力口が形成される。
【0020】
導波管共振器2cと導波管共振器2dとの間にはアイリス5cが設けられており、導波管共振器2dと出力導波管4の間にはアイリス5dが設けられている。導波管共振器2c、2d、出力導波管4は、電界(E)に対して垂直な方向で結合されている。アイリス5cにより導波管共振器2cの出力口及び導波管共振器2dの入力口が形成され、アイリス5dにより導波管共振器2dの出力口が形成される。
【0021】
入力導波管3と出力導波管4との間、導波管共振器2aと導波管共振器2dとの間、導波管共振器2bと導波管共振器2cとの間には、隔壁7が設けられている。入力導波管3、導波管共振器2a、2bと出力導波管4、導波管共振器2d、2cは、隔壁7に対して対称に形成される。入力導波管3と出力導波管4との間では、隔壁7により、電磁波が伝搬しないようになっている。
【0022】
導波管共振器2bと導波管共振器2cとの間の隔壁7には、開口部6が設けられており、この開口部6により電磁波が伝搬されるようになっている。この実施形態の導波管フィルタ1aでは、開口部6が隔壁7の端部に設けられる。導波管共振器2a〜2dの寸法、開口部6の寸法、及びアイリス5a〜5dの寸法により、導波管フィルタ1aの中心周波数が決まるようになっている。TE10モードで共振する矩形導波管を伝搬する電磁波の管内波長をλgとすると、開口部6は、導波管共振器2bの入力口からλg/2の位置にある。開口部6は、電界(E)と同じ方向で結合される。導波管共振器2bと導波管共振器2cとの間の伝搬路も電界(E)に平行に形成される。
【0023】
導波管共振器2aと導波管共振器2dとの間の隔壁7には、開口部8が設けられており、この開口部8により電磁波が伝搬されるようになっている。開口部8は、導波管共振器2aの入力口からλg/4の位置にある。開口部8は、電界(E)と同じ方向で結合される。導波管共振器2bと導波管共振器2cとの間の伝搬路も電界(E)に平行に形成される。
【0024】
この実施形態の導波管フィルタ1aには、入力導波管3から、アイリス5a間、導波管共振器2a、アイリス5b間、導波管共振器2b、開口部6、導波管共振器2c、アイリス5c間、導波管共振器5d、アイリス5d間、出力導波管4の順に伝搬路が形成されることになる。一方で、導波管フィルタ1aには、入力導波管3から、アイリス5a間、導波管共振器2a、開口部8、波管共振器2d、アイリス5d間、出力導波管4の順にも伝搬路が形成されることになる。導波管フィルタ1a内の入力導波管3、導波管共振器2a〜2d、及び出力導波管4は、このようにして物理的に結合される。
【0025】
以上のような導波管フィルタ1aに入力される電磁波は、以下のようにして導波管フィルタ1a内を伝搬される。
【0026】
まず、導波管フィルタ1aの入力開口部3aに入力された電磁波は、入力導波管3からアイリス5aを介して、入力導波管3に発生する電界に対して垂直な方向にある導波管共振器2aに伝搬される。次いで、導波管共振器2aに伝搬された電磁波は、アイリス5bを介して、導波管共振器2aに発生する電界に対して垂直な方向にある導波管共振器2bに伝搬される。また、一部の電磁波は、開口部8を介して導波管共振器2dに伝搬される。
【0027】
電磁波の伝搬により導波管共振器2bに励起された磁界は、磁界に対して平行な平面である隔壁7に設けられた開口部6によって導波管共振器2c内に磁界を励起する。開口部6は、導波管共振器2bの入力口からλg/2の距離にあるため、導波管共振器2bと導波管共振器2cとは誘導性結合される。これにより、導波管共振器2bに伝搬された電磁波は、開口部6を介して、導波管共振器2bに発生する電界に対して平行な方向にある導波管共振器2cに伝搬される。
【0028】
導波管共振器2cに伝搬された電磁波は、アイリス5cを介して、導波管共振器2cに発生する電界に対して垂直な方向にある導波管共振器2dに伝搬される。次いで、導波管共振器2dに伝搬された電磁波は、アイリス5dを介して、導波管共振器2dに発生する電界に対して垂直な方向にある出力導波管4に伝搬される。出力導波管4に伝搬された電磁波は、出力開口部4aから導波管フィルタ1aの外部に出力されるようになっている。
導波管フィルタ1a内の入力導波管3、導波管共振器2a〜2d、及び出力導波管4は、このように電気磁気的に結合される。
【0029】
一方で、電磁波の伝搬により導波管共振器2aに励起された電界は、電界に対して垂直な平面である隔壁7に設けられた開口部8によって導波管共振器2d内に電界を励起する。開口部8は、導波管共振器2aの入力口からλg/4の位置にある。導波管共振器内の電界は、導波管共振器の入り口から電磁波の伝搬方向についてλg/4の奇数倍の位置が最も強くなる。したがって、導波管共振器2aの入り口からλg/4の位置にある開口部8によって、導波管共振器2aと導波管共振器2dとは、容量性結合される。これにより、導波管共振器2aに伝搬された電磁波の一部は、開口部8を介して、導波管共振器2aに発生する電界に対して平行な方向にある導波管共振器2dに伝搬される。
従来の構成では電磁波の伝搬路上隣接しない導波管共振器2aと導波管共振器2dを飛び越し結合することによって、導波管共振器2a、2b、2c、2dの順で伝搬する電磁波と、導波管共振器2aから2dに伝搬する電磁波に位相差が生じる。この位相差によって、同軸結合ループといった組立ての煩雑になる結合素子を用いることなく、導波管フィルタ1aの減衰域に減衰極を生じさせることができる。
【0030】
図5は、第1実施形態の導波管フィルタ1aの特性例である。容量性結合によって、導波管フィルタ1aの通過帯域の低域側と高域側の両方に減衰極が発生していることがわかる。
【0031】
≪第2実施形態≫
図6〜図8は、本発明の第2実施形態を導波管フィルタ1の内部構造を説明するための図であり、以下この導波管フィルタ1を、導波管フィルタ1bとする。図6は、この導波管フィルタ1bの内部構造を説明するための図である。図7は、図1の導波管フィルタ1のA−A’面による断面図であり、導波管フィルタ1b内で発生する電界(E)の方向を示している。図8は、図1の導波管フィルタ1のB−B’面による断面図であり、導波管フィルタ1b内で発生する磁界(H)の方向を表している。
【0032】
導波管フィルタ1bが、第1実施形態の導波管フィルタ1aと異なるのは、導波管フィルタ1bの各導波管共振器12a〜12dが、TE102モードで共振するようになっている点である。これに伴い、開口部16、18(第1実施形態の開口部6、8に相当)の位置が、以下のように変わる。
【0033】
導波管共振器12bと導波管共振器12cとの間の隔壁17には、開口部16が設けられており、この開口部16により電磁波が伝搬されるようになっている。開口部16は、導波管共振器12bの入力口からλg/2の位置にある。導波管共振器内の磁界は、導波管共振器の入力口から電磁波の伝搬方向についてλg/2の奇数倍の位置が最も強くなる。したがって、開口部16は入力口からλgの位置にあってもかまわない。
【0034】
導波管共振器12aと導波管共振器12dとの間の隔壁17には、開口部18が設けられており、この開口部18により電磁波が伝搬されるようになっている。開口部18は、導波管共振器2aの入力口から3λg/4の位置にある。導波管共振器内の電界は、導波管共振器の入力口から電磁波の伝搬方向についてλg/4の奇数倍の位置が最も強くなる。したがって、導波管共振器12aの入り口から3λg/4の位置にある開口部18によって、導波管共振器12aと導波管共振器12dとは、容量性結合される。これにより、導波管共振器12aに伝搬された電磁波の一部は、開口部18を介して、導波管共振器12aに発生する電界に対して平行な方向にある導波管共振器12dに伝搬される。
【0035】
電磁波の伝搬路上隣接しない導波管共振器12aと導波管共振器12dを飛び越し結合することによって、導波管共振器12a、12b、12c、12dの順で伝搬する電磁波と、導波管共振器12aから導波管共振器12dに伝搬する電磁波に位相差が生じる。この位相差によって、同軸結合ループといった組立ての煩雑になる結合素子を用いることなく、導波管フィルタ1bの減衰域に減衰極を生じさせることができる。
【0036】
図9は、第2実施形態の導波管フィルタ1bの特性例である。容量性結合によって、導波管フィルタ1bの通過帯域の低域側と高域側の両方に減衰極が発生していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1実施形態及び第2実施形態の導波管フィルタの外観斜視図。
【図2】第1実施形態の導波管フィルタの内部構造の説明図。
【図3】図1のA−A’面による断面図。
【図4】図1のB−B’面による断面図。
【図5】第1実施形態の導波管フィルタの特性例を示す図。
【図6】第2実施形態の導波管フィルタの内部構造の説明図。
【図7】図1のA−A’面による断面図。
【図8】図1のB−B’面による断面図。
【図9】第2実施形態の導波管フィルタの特性例を示す図。
【図10】従来の導波管フィルタの外観斜視図。
【図11】図10のE−E’面による断面図。
【図12】図10のF−F’面による断面図。
【図13】図10のG−G’面による断面図。
【図14】矩形導波管におけるTE10モードの電磁界の説明図。
【符号の説明】
【0038】
1a、1b、1c 導波管フィルタ
2a〜2d、12a〜12d、20a〜20d 導波管共振器
3、13、21 入力導波管
3a、13a 入力開口部
4、14、22 出力導波管
4a、14a 出力開口部
5a〜5d、15a〜15d、23a〜23e アイリス
6、8、16、18 開口部
7、17、24 隔壁
30 容量性結合ループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された複数の共振器により構成されており、所定の電磁波を濾波する帯域通過フィルタであって、
前記複数の共振器のうち所定の連続しない2つの共振器は、各々、矩形導波管で構成されて、対向する所定の2面の一方の面に前記電磁波が入力される入力口が設けられるとともに他方の面に前記電磁波が出力される出力口が設けられ、さらに前記2面とは異なる面に開口部が設けられており、前記電磁波を伝搬する際に、この開口部を介して互いに容量性結合されている、
帯域通過フィルタ。
【請求項2】
前記連続しない2つの共振器は、TE10s(s=1以上の整数)モードで共振するものであり、
各々の前記開口部は、前記入力口から前記電磁波の当該矩形導波管内における波長の1/4の長さの奇数倍の位置に設けられる、
請求項1記載の帯域通過フィルタ。
【請求項3】
前記連続しない2つの共振器は、TE101モードで共振するものであり、
各々の前記開口部は、前記入力口から前記電磁波の当該矩形導波管内における波長の1/4の長さの位置に設けられる、
請求項2記載の帯域通過フィルタ。
【請求項4】
前記連続しない2つの共振器は、TE102モードで共振するものであり、
前記連続しない2つの共振器の一方の共振器の前記開口部は、前記入力口から前記電磁波の当該矩形導波管内における波長の1/4の長さの位置に設けられ、
前記連続しない2つの共振器の他方の共振器の前記開口部は、前記入力口から前記電磁波の当該矩形導波管内における波長の3/4の長さの位置に設けられる、
請求項2記載の帯域通過フィルタ。
【請求項5】
前記連続しない2つの共振器の間にある所定の連続する2つの共振器は、各々、矩形導波管で構成されて、直角に位置する所定の2面の一方の面に前記電磁波が入力される入力口が設けられるとともに他方の面に前記電磁波が出力される出力口が設けられており、
前記電磁波を伝搬する際に、前記連続する2つの共振器の一方の出力口と他方の入力口とを介して誘導性結合されている、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の帯域通過フィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−10814(P2010−10814A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164893(P2008−164893)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000219004)島田理化工業株式会社 (205)
【Fターム(参考)】