説明

帯電装置および画像形成装置

【課題】複数の帯電部材を用いた場合の騒音の発生を抑えることが可能な構成を備えた帯電装置を提供する。
【解決手段】複数の色の画像形成が可能な作像部18に設けられている帯電装置であって、帯電手段に付着するトナーや異物を除去するために該帯電手段に対して接離可能な複数のクリーニング手段77と、前記クリーニング手段77を個別に接離動作させる制御部1000とを備え、前記制御部1000は、前記作像部18に保存されている作像履歴および作像部に対する使用環境条件に基づき、前記クリーニング手段77の動作時期が同時と判断した場合に各クリーニング手段の動作時期をずらして動作させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、帯電装置に用いられる帯電ローラのクリーニング機構に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いる画像形成装置には、単一色画像を対象とした作像部を用いる構成の他に、複数色の画像を形成可能な作像部を用いてフルカラー画像などの多色画像を形成する構成がある。
作像部には、潜像担持体に対する一様帯電を行うための帯電装置が設けられているが、帯電装置に用いられる帯電部材は、潜像担持体表面に接触する構成や近接して非接触な状態を維持される構成が知られている。
【0003】
記録媒体への転写を終えた潜像担持体表面には、未転写トナーが付着していることがあるので、潜像担持体表面をクリーニングすることが行われている。
潜像担持体表面に接触する構成を用いた帯電部材の場合、帯電部材が潜像担持体表面に接触しながら連れ動くことから、クリーニング後においても未だ付着しているトナーが帯電部材に擦り取られることがある。帯電部材に付着したトナーは堆積すると帯電部材の表面特性が変化し、帯電特性が低下する虞れがある。
【0004】
これに対し、非接触な構成を用いる帯電部材の場合には、トナーを擦り取ることがないので帯電部材表面へのトナーの付着は少なくなる。
しかし、非接触な構成を用いる帯電部材の場合、潜像担持体表面での帯電を均一化する目的で直流に交流を重畳した帯電バイアスを印加した際のバイアス極性によってトナーやトナーの外添剤等が僅かならがも帯電部材に飛翔して付着することがある。
【0005】
従来、帯電部材に付着するトナーや異物を除去して帯電特性を適正に維持するための構成として、帯電部材表面にクリーニング部材を当接させることによりトナーを除去する構成が知られている。
帯電部材表面にクリーニング部材を接触させてトナーを除去する場合、クリーニング部材が常時接触していると、帯電部材から除去したトナーがクリーニング部材に堆積すると、その汚れが帯電部材に転移して汚れを生じさせ足り、クリーニング部材自体のクリーニング特性を低下させる虞がある。
【0006】
そこで、クリーニング部材を帯電部材に対して接離できる構成を用い、所定サイクルによる間欠的なクリーニングを行う構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
間欠的なクリーニングに際しては、単に所定サイクルとする代わりに、使用環境や画像面積などの履歴に基づき現実的なトナーの除去量を割り出し、その割り出し量に応じてクリーニングを実行する方法も提案されている(例えば、特許文献2)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
帯電部材に対してクリーニング部材を接離させる構成においては、次のような問題がある。
複数色の画像形成が可能な画像形成装置の場合、各色の作像部に帯電装置が設けられており、この帯電装置にはクリーニング部材が接離できる構成が用いられることになる。
複数の作像部を用いた場合、各作像部、換言すれば、色毎での画像面積が異なることから、各作像部毎で実行されるクリーニング時期も異なるので、各作像部毎で独自に帯電部材へのクリーニングを行うことが望ましいが、使用状況によっては、同時期に複数の作像部においてクリーニングが行われ、クリーニング部材が帯電部材に接離することがある。
【0008】
このように複数の作像部において同時にクリーニング部材の接離が行われると、そのときに発生する動作音が大きく発生し、いわゆる、騒音として認識される虞がある。
【0009】
本発明の目的は、上記従来の帯電装置におけるクリーニング、特に複数の作像部を用いる場合のクリーニングにおける問題に鑑み、複数の帯電部材を用いた場合の騒音の発生を抑えることが可能な構成を備えた帯電装置および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するため、本発明は次の構成よりなる。
(1)複数の色の画像形成が可能な作像部に設けられている帯電装置であって、
帯電手段に付着するトナーや異物を除去するために該帯電手段に対して接離可能な複数のクリーニング手段と、
前記クリーニング手段を個別に接離動作させる制御部とを備え、
前記制御部は、前記作像部に保存されている作像履歴および作像部に対する使用環境条件に基づき、前記クリーニング手段の動作時期が同時と判断した場合に各クリーニング手段の動作時期をずらして動作させることを特徴とする帯電装置。
【0011】
(2)前記制御部は、前記クリーニング手段の動作時期が同時であると判断した場合に、前記作像部からの画像転写順序に対応させてクリーニング手段の動作時期を設定することを特徴とする(1)記載の帯電装置。
【0012】
(3)前記クリーニング手段は、前記帯電手段から離間した状態を初期状態として設定され、クリーニング動作時期に前記帯電手段に当接する構成であることを特徴とする(1)又は(2)記載の帯電装置。
【0013】
(4)前記帯電手段がローラ形状であり、帯電領域が像担持体に非接触に配置されていることを特徴とする(1)乃至(3)のうちの一つに記載の帯電装置。
【0014】
(5)前記帯電手段は、DCにACを重畳した帯電バイアスを印加することを特徴とする(1)乃至(4)のうちの一つに記載の帯電装置。
【0015】
(6)前記帯電手段に用いられるローラは、少なくとも支持体である芯金と、該芯金上に設けられて画像形成に用いられる像担持体に対して帯電を施す帯電部材と、該像担持体に当接して該像担持体との間に隙間を形成する隙間形成部材とを備え、前記帯電部材と隙間形成部材とが樹脂部材で構成されていることを特徴とする(5)記載の帯電装置。
【0016】
(7)前記クリーニング手段が、芯金とクリーニング部材であるメラミン樹脂フォームを積層したローラで構成されていることを特徴とする(1)乃至(3)のうちの一つに記載の帯電装置。
(8)複数の作像部を備え、各作像部にそれぞれ(1)乃至(7)のうちの一つに記載の帯電装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数の帯電手段を対象としたクリーニングが同時である場合に、各クリーニング動作をずらすことにより、同時にクリーニング手段が帯電手段に当接した際と違って動作音を低減することができる。これにより、動作音が大きくなることによる騒音の発生を抑えることが可能となる。
【0018】
特に、動作時期をずらす際には、画像の転写順序に対応してずらすので、画像転写が狩猟した作像部から順にクリーニング手段が当接する順序となることで、作像時に発生する音の一部とすることができ、不用意な騒音の発生を防止することができる。
【0019】
また、帯電手段に対して非接触な状態でDCにACを重畳することによる帯電バイアスを用いることにより、帯電手段へのトナーや異物の付着を抑えることができるので、クリーニング動作を低減することにより、クリーニングhすだんの動作による動作音除発生機会を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による帯電装置を用いる画像形成装置の全体構成を説明するための概略図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に用いられる帯電装置の一例を示す模式図である。
【図3】図1に示した画像形成装置に用いられる帯電装置の他の例を示す模式図である。
【図4】本発明による帯電装置に用いられる血伝手段の構成を説明するための断面図である。
【図5】本発明による帯電装置に用いられるクリーニング手段の構成を説明するための図である。
【図6】本発明による帯電装置に用いられる構成を説明するための図である。
【図7】本発明による帯電装置に用いられる制御部の構成を説明するためのブロック図である。
【図8】図7に示した制御部の作用を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図示実施例により本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本発明をタンデム中間転写方式のフルカラー複写機に適用した例を示す全体構成図である。
同図においてフルカラー複写機は装置本体100、本体を載せる給紙テーブル200、複写装置本体上に取り付けるスキャナ300、スキャナ上に取り付けられた原稿自動搬送装置(ADF)400、等から構成されている。
【0022】
フルカラー複写機は、本体中央に、Y、C、M、Bkの4つの画像形成ユニット18Y、18C、18M、18Bkを横に並べて配置したタンデム画像形成装置20として構成されている。
タンデム画像形成装置の各画像形成ユニットは、それぞれY、C、M、Bkの各色トナー像が形成される感光体40Y、40C、40M、40Bkを有している。
【0023】
タンデム画像形成装置の上方には、露光装置21が設けられている。
露光装置は、各色毎に用意されたレーザダイオード(LD)方式の4つの光源と、6面のポリゴンミラーとポリゴンモータから構成される1組のポリゴンスキャナと、各光源の光路に配置されたfθレンズ、長尺WTL等のレンズやミラーから構成されている。各色の画像情報に応じてLDから射出されたレーザ光はポリゴンスキャナにより偏向走査され各色の感光体に照射される。
【0024】
タンデム画像形成装置の下方には、無端ベルト状の中間転写ベルト10が設置されている。
中間転写ベルト10は、図示例では3つの支持ローラ14、15、16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能であり、支持ローラ14は中間転写ベルトを回転駆動する駆動ローラである。また、第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間には、各色の感光体から中間転写ベルトにトナー像を転写する一次転写手段として一次転写ローラ62Y、C、M、Bkが中間転写ベルト10を間に挟んで各感光体に対向するように設けられている。
【0025】
第3の支持ローラ16の下流には、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置17を設けられている。
中間転写ベルト10の材質としてはポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料をシームレスベルトに成型し使用することができる。これらの材料はそのまま用いたり、カーボンブラック等の導電材により抵抗調整したりすることが可能である。また、これらの樹脂を基層として、スプレーやディッピング等の方法により表層を形成し、積層構造にしても良い。
【0026】
中間転写ベルト10の下方には、2次転写装置22が設けられている。
図示実施例において2次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して配置されており、中間転写ベルト10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト上の画像を転写材に転写する。
2次転写ベルト24としては、中間転写ベルトと同様の材料を用いることができる。
【0027】
2次転写装置22の横には、転写材上の画像を定着する定着装置25が設けられている。
定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した2次転写装置22には、画像転写後の転写材をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや転写チャージャを配置してもよく、そのような場合は、この転写材搬送機能を別途備える必要がある。
【0028】
なお、図示例では2次転写装置22および定着装置25の下方に、上述したタンデム画像形成装置と平行に、転写材を反転排紙したり、転写材の両面に画像を形成するために転写材を反転して再給紙したりする反転装置28を備えている。
このようなタンデム画像形成装置によりコピー動作をおこなうときは、ADFの原稿台30上に原稿をセットする。または、ADFを開いてスキャナのコンタクトガラス32上に原稿をセットし、ADFを閉じて原稿を押さえる。
そして、不図示の操作部のスタートスイッチを押すと、ADFに原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス上へと移動した後、他方コンタクトガラス上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナを駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体に向け、第2走行体のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。その後、操作部でのモード設定、あるいは操作部で自動モード選択が設定されている場合には原稿の読み取り結果に従い、フルカラーモードまたは白黒モードで画像形成動作を開始する。
【0029】
フルカラーモードが選択された場合には、各感光体が図1で反時計回り方向にそれぞれ回転する。そして、その各感光体の表面が帯電装置である帯電ローラにより一様に帯電される。そして、各色の感光体には露光装置から各色の画像に対応するレーザ光がそれぞれ照射され、各色の画像データに対応した潜像がそれぞれ形成される。各潜像は感光体が回転することにより各色の現像装置60Y、C、M、Bkで各色のトナーが現像される。各色のトナー像は中間転写ベルト10の搬送とともに、中間転写ベルト10上に順次転写されて中間転写ベルト上にフルカラー画像を形成する。転写後の感光体は除電ランプにより光除電され、クリーニング手段により転写残のトナーが除去される。
【0030】
一方、給紙ローラ42の1つを選択回転し、給紙テーブル43を多段に備える給紙カセット44の1つから転写材を送り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して本体内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の転写材を送り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト10上のフルカラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と2次転写装置22との間に転写材を送り込み、2次転写装置22で転写して転写材上にトナー像を一括転写する。
【0031】
トナー像が転写された転写材は、2次転写装置22で搬送されて定着装置25へと送り込まれ、定着装置25において熱と圧力とを加えて転写材に定着された後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと再給紙され、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ57で排紙トレイ上に排出される。以降、2枚以上の画像形成が指示されているときには、上述した作像プロセスが繰り返される。
【0032】
所定枚数の画像形成が終了した後には、作像後処理を行ってから感光体の回転を停止する。
作像後処理では帯電バイアス、転写バイアスをオフした状態で感光体を1周以上回転させ、その際に除電手段により感光体表面の電荷を除電して、感光体が除電したまま放置されて感光体が劣化することを防止する。
【0033】
白黒モードが選択された場合には、支持ローラ15が下方に移動し、中間転写ベルトを感光体Y、C、Mから離間させる。Bkの感光体のみが図1において反時計回り方向に回転し、Bk感光体の表面が帯電ローラにより一様に帯電され、Bkの画像に対応するレーザ光が照射され、潜像が形成され、Bkのトナーにより現像されてトナー像となる。このトナー像は中間転写ベルト上に転写される。この際、Bk以外の3色の感光体40Y、C、M、現像装置60Y、C、Mは停止しており、感光体や現像剤の不要な消耗を防止する。
【0034】
一方、給紙カセット44から転写材が給紙され、レジストローラ49により、中間転写ベルト10上に形成されているトナー像と一致するタイミングで搬送される。トナー像が転写された転写材は、フルカラー画像の場合と同様に定着装置25で定着され、指定されたモードに応じた排紙系を通って処理される。以降、2枚以上の画像形成が指示されているときには、上述した作像プロセスが繰り返される。
【0035】
次に、作像ユニットについて詳しく説明する。作像ユニット18Y、C、M、Bkは、収容されるトナーの色が異なる以外は、同じ構成であるので、以下、添字Y、C、M、Bkを省略して説明する。
図2は、作像ユニットの概略構成図である。
同図において感光体40の周りには、感光体40を均一に帯電する帯電手段としての帯電ローラ70、感光体40の電位を検知する電位センサ71、感光体40に形成された静電潜像を現像する現像装置60、トナー像が転写された後の感光体40の表面を除電する除電ランプ72、転写残トナーをクリーニングするための感光体クリーニング装置が配置されている。また、作像ユニット18のケースには露光装置21からの露光光76を通過させるための開口が設けられている。
【0036】
現像装置60は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤が収容されている。現像装置60は感光体40に対向した現像ローラ61、現像剤を搬送・撹拌するスクリュー62、63、トナー濃度センサ64等から構成される。現像ローラ61は外側の回転自在のスリーブと内側に固定された磁石から構成されている。スクリュー62、63で、攪拌されることで摩擦帯電した現像剤は、現像ローラ61の磁力により担持され、感光体40との対向部へ搬送され、感光体40上の潜像にトナーを供給することで現像する。また、トナーを消費した現像剤のトナー濃度を、トナー濃度センサ64により検知し、検知結果に応じて現像装置60の上部に設けられた図示しないトナー供給装置より必要量のトナーが供給される。
【0037】
トナー供給装置は、トナーを収容する図示しないトナー収納容器からトナーを移送して収納する。また、トナー供給装置には、現像装置60とを連通する供給口と、収納したトナーを供給口に移動させるためのスクリューが設けられている。そして、トナー濃度センサ64により、現像装置60へのトナー供給指令が発せられると、図示しないクラッチがオンしてスクリューを作動し、その回転時間に応じた量のトナーを供給口に向けて移動させ、供給口から現像装置60内へ落下させることによりトナーが供給される。
【0038】
感光体クリーニング装置としては、2本のブラシローラ73、74とクリーニングブレード75を備えている。また、ブラシローラ74には固形の潤滑剤78が当接しており、潤滑剤供給部材としての機能も持っている。
固形の潤滑剤の例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸コバルト、オレイン酸マグネシウム、パルチミン酸亜鉛のような脂肪酸金属塩や、カルナウバワックスのような天然ワックスや、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系の樹脂を用いることができる。また、必要に応じてその他の材料を混合することもできる。固形の潤滑剤は潤滑剤粒子を溶融固化させたり、圧縮成形することで作製することができる。
ブラシローラ73、74や、ポリウレタンゴムからなるクリーニングブレード75により感光体40から掻き取られたトナーは、トナー搬送コイル79により回収され、図示しない廃トナー収納部に搬送するように構成されている。
【0039】
なお、この作像ユニット18では転写後に除電された感光体40をクリーニングするように構成されているが、転写後にクリーニングされた感光体40を除電するように構成してもよい。
【0040】
また、図2の作像ユニット18では感光体クリーニング装置内に潤滑剤供給部材が配置されているが、この構成ではクリーニングに入力してくるトナー量により潤滑剤の供給が影響を受けやすいという欠点があった。これに対して、図3のように感光体クリーニング装置の下流に潤滑剤供給部材を配置することで、形成される画像面積により転写残トナーや逆転写トナーの入力量が変化しても感光体40に潤滑剤を安定に供給することができる。
【0041】
図4には帯電ローラの概略構成が示されている。
同図において帯電ローラ70は、導電性支持体である芯金101と、帯電部材としての樹脂層102と、感光体40との間のギャップを保持するギャップ保持部材103とから構成される。芯金101はステンレス等の金属が用いられる。芯金101が細すぎると帯電部材の切削加工時や、感光体40に加圧されたときのたわみの影響が無視できなくなり、必要なギャップ精度が得られにくい。また、芯金101が太すぎる場合には帯電ローラ70が大型化したり、質量が重くなったりする問題があるため、芯金101の直径としては6〜10[mm]程度が望ましい。
【0042】
帯電ローラ70の樹脂層102は104〜109[Ω・cm]の体積抵抗を持つ材料が好ましい。抵抗が低すぎると感光体40にピンホール等の欠陥があった場合に帯電バイアスのリークが発生しやすく、抵抗が高すぎると放電が十分に発生せず均一な帯電電位を得ることができない。基材となる樹脂に導電性材料を配合することで所望の体積抵抗を得ることができる。
【0043】
基材樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート等の樹脂を用いることができる。これらの基材樹脂は、成形性が良いので容易に成形加工することができる。導電性材料としては四級アンモニウム塩基を有する高分子化合物のようなイオン導電性材料が好ましい。四級アンモニウム塩基を有するポリオレフィンの例としては、四級アンモニウム塩基を有するポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレンーエチルアクリレート共重合、エチレンーメチルアクリレート共重合、エチレン−酢酸ビニル共重合、エチレン−プロピレン共重合、エチレン−ヘキセン共重合等のポリオレフィンである。本実施形態では、四級アンモニウム塩基を有するポリオレフィンについて例示したが、四級アンモニウム塩基を有するポリオレフィン以外の高分子化合物であっても構わない。前記のイオン導電性材料は、二軸混練機、ニーダー等の手段を用いることにより、前記の基材樹脂に均一に配合される。配合された材料を芯金上に射出成形、あるいは押出成形にすることにより、容易にローラ形状に成型することができる。イオン導電性材料と基材樹脂の配合量は基材樹脂100重量部に対してイオン導電性材料30〜80重量部が望ましい。
【0044】
帯電ローラ70の樹脂層102の厚さとしては0.5〜3[mm]が望ましい。樹脂層102が薄すぎると成型が困難である上に強度の面でも問題がある。樹脂層102が厚すぎると帯電ローラ70が大型化するうえに樹脂層102の実際の抵抗が大きくなるため帯電効率が低下してしまう。
【0045】
樹脂層102を成形した後、樹脂層102の両端にあらかじめ成形しておいたギャップ保持部材103を圧入や接着、あるいはその両方を併用して、芯金101に固定する。このようにして、樹脂層102とギャップ保持部材103を一体化してから、切削や研削等の加工を行って帯電ローラ70の外径を整えることで樹脂層102とギャップ保持部材103のフレの位相を揃えることができ、帯電ギャップの変動を低減することができる。
【0046】
ギャップ保持部材103の材質としては帯電部材の基材と同様にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート等の樹脂を用いることができる。ただし、感光体40にギャップ保持部材103を当接させるので感光体40が損傷するのを防止するために、帯電部材より硬度の低いグレードを用いることが望ましい。
また、摺動性に優れ感光体40に損傷を与えにくい樹脂材料として、ポリアセタール、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等の樹脂を用いることもできる。また、樹脂層102やギャップ保持部材103にはコーティング等により、トナー等が付着しにくい表層を数10[μm]程度の厚さで形成することもできる。
【0047】
ギャップ保持部材103を感光体40の画像領域外に付き当てることで、帯電ローラ70の樹脂層102と感光体40との間にギャップを形成する。帯電ローラ70は芯金101の端部に取り付けられたギヤが感光体40フランジに形成されたギヤとかみ合っており、図示しない感光体駆動モータにより感光体40が回転すると帯電ローラ70も感光体40とほぼ等しい線速で連れ回り方向に回転する。
樹脂層102と感光体40とは接触することがないので、帯電ローラ70として硬い樹脂材料と有機感光体を使用した場合でも画像領域の感光体に傷が付いたりすることはない。また、ギャップが広がりすぎると異常放電が発生し均一に帯電できなくなるため、最大ギャップは100[μm]程度以下に抑える必要がある。このような感光体40と帯電ローラ70間にギャップを設けた帯電ローラ70を使用する場合には、帯電バイアスとしてDC電圧にAC電圧を重畳することが望ましい。
【0048】
作像ユニット18で使用可能な帯電手段は上記の近接配置の帯電ローラ70に限定されるものではなく、接触配置の帯電ローラや帯電ブラシでもよい。帯電ローラ70を感光体40に接触配置した場合には、帯電ローラ70が感光体40に連れ回り回転する際に感光体40表面の汚れが帯電ローラ70にこすりつけられるため、帯電ローラ70にトナー等の汚れが付着しやすく、さらに固着しやすい。これに対して、帯電ローラ70を感光体40に非接触で近接配置することで、帯電ローラ70表面が感光体40にこすりつけられることがないので、帯電ローラ70の汚れを大幅に低減することができる。
【0049】
しかしながら、感光体40を均一に帯電させるためにAC電圧を重畳しているために、非接触に配置した場合でもわずかながら感光体40上のトナーやトナー外添剤等が帯電ローラ70に飛翔して付着してしまう。このため、接触配置の帯電ローラ70は言うまでもなく、近接配置の帯電ローラ70でも、帯電ローラ70をクリーニングするクリーニング手段として帯電クリーニング部材77を設け、帯電ローラ70の汚れを除去する必要がある。
【0050】
ところが、このような帯電クリーニング部材77を、常時、帯電ローラ70に接触させると、初期的には帯電ローラ70表面の汚れを除去できているものの、長期間で帯電クリーニング部材77に表面に溜まったトナー等の汚れを帯電ローラ70表面にこすりつけることになり、逆に帯電ローラ70を汚してしまう。
また、帯電ローラ70にACバイアスを印加しているため、感光体40上の汚れを静電的に引き寄せてしまうものの、逆に帯電ローラ70に付着した汚れを感光体40に静電的に戻す力も働く。そこで、帯電クリーニング部材77を間欠的に当接させてクリーニングを行うことで、帯電クリーニング部材77に溜まるトナー等の量が少なくして帯電クリーニング部材77の劣化を抑制して、帯電ローラ70と帯電クリーニング部材77との寿命が長くする。
【0051】
そこで、本発明では、各作像ユニットに設けられているクリーニング部材の接離動作を同時に行わせないようにしたことを特徴としている。
以下、その特徴にかかる構成について説明する。
【0052】
図5は、帯電クリーニング部材77を帯電ローラ70に対して接離する接離機構の概略構成図である。
帯電クリーニング部材77はローラ形状であり、両端をアーム80で支持されている。
アーム80は、支軸80Aを支点として揺動可能に設けられており、クリーニング時以外には図示しない付勢部材の習性により、クリーニング部材77を帯電ローラ70から離間させた状態が初期状態とされている。
アーム80は、初期状態にあるとき、本体側に設置された図示しないソレノイドでアーム80の揺動端側に位置する突起部82を押し下げる(図5中、矢印Aと逆方向)ことにより、帯電クリーニング部材77を帯電ローラ70に当接させる。
これにより、帯電クリーニング部材77は帯電ローラ70に連れ回り回転しながら、帯電ローラ70表面をクリーニングする。クリーニング終了後は、本体側に設置された図示しないソレノイドを解除することで、アーム80の突起部82を図5中矢印A方向に移動させ、帯電クリーニング部材77を帯電ローラ70から離間させる。なお、図5中、符号70Aは、帯電ローラ70を支持する帯電フレームを示している。
【0053】
クリーニング部材77が帯電ローラ70に対して離間している状態が初期状態とされていることにより、クリーニング部材77への帯電ローラ70からのトナーの付着機会が少なくされるので、クリーニング部材でのトナー堆積量を抑えて帯電ローラ70を汚すのを抑制することができる。
【0054】
このような帯電クリーニング部材77の接離動作を画像形成動作中に実行すると、ソレノイドの動作による振動が露光装置21等に伝達して画像が乱れる恐れがある。このため、帯電クリーニング部材77による帯電ローラクリーニング動作を作像動作中以外に実施する必要がある。また、帯電ローラクリーニング動作が頻繁に実行されると、ユーザの待ち時間が増えることになるため、できる限り帯電ローラクリーニング動作の実行頻度を小さくすることが望ましい。
【0055】
帯電クリーニング部材77としてはスポンジ、ブラシ等の多様な材料を使用することができるが、帯電ローラ70に対して固定して当接した場合には当接面に溜まったトナー等がかえって帯電ローラ70に付着しやすくなるため、クリーニング部材はローラ形状として帯電ローラ70に連れまわり回転とすることが望ましい。
【0056】
図6は、ローラ形状の帯電クリーニング部材77の概略構成図である。
この帯電クリーニング部材77は、芯金86の周りにメラミン樹脂フォーム(多孔質材)87で覆った構成であり、メラミン樹脂フォーム(多孔質材)87を帯電ローラ70表面に当接させて帯電ローラ70の汚れを除去する。メラミン樹脂フォーム87は他のスポンジ状の材料より強度に優れ、フォーム内に空間が多く存在するため大量のトナー等の汚れを保持することが可能であり、長期にわたってクリーニング性能を維持することができる。
【0057】
上記構成を備えた帯電クリーニング部材77は、以下に説明する作像履歴や使用環境に基づき、図7に示す制御部により、各作像部での動作時期が同じにならないように制御されるようになっている。
図7は、制御部の構成を説明するためのブロック図であり、同図において制御部1000は、画像形成処理シーケンスプログラムを実行するプロセッサが用いられる。
【0058】
制御部1000の入力側には、本実施例と関連する部材として、各作像ユニットでの作像履歴、いわゆる、感光体40Y,C,M,Bkの使用履歴を記憶保存しているメモリ1001と、装置内温度を検知する温度センサ1002,同じく湿度を検知する湿度センサ1003が接続され、出力側には、クリーニング部材77の接離駆動源として用いられるソレノイドの駆動部1004が接続されている。
上述した使用履歴には、感光体ドラムへのトナーの付着量、換言すれば残留トナー量に影響する画像面積に関する情報も保存されている。
【0059】
制御部100では、次の条件を前提としてクリーニング部材77の接離動作を制御し、この条件において同時に接離動作が行われる必要があると判断した場合に後述する手順により個別にクリーニング部材77の接離動作を行わせるようになっている。
【0060】
複数の作像ユニット18Y、C、M、Bkを用いる画像形成装置では、フルカラー画像を形成する場合にはすべての作像ユニット18Y、C、M、Bkを使用し、白黒画像を形成する場合には黒用の作像ユニット18Bkのみを使用する。このため、作像ユニット18に含まれる帯電ローラ70の使用時間は黒とカラーで異なっている。
また、各作像ユニット18は寿命により交換されるが、使用時間異なっているため交換サイクルが一致しない。また、故障等により複数のうちの1つが交換される場合もある。このように、各作像ユニット18の帯電ローラ70の使用時間が同じでないことが一般的であるため、各帯電ローラ70の汚れは異なっている。
【0061】
そこで、各感光体40の使用履歴より、各帯電ローラ70の汚れを推測し、これに応じて、それぞれ適切な間隔で帯電ローラクリーニング動作を行うよう、各帯電クリーニング部材77の接離機構の動作条件を個別に設定可能とする。具体的には、各感光体40の使用履歴が所定値に達していると、該当する色の接離ソレノイドを動作させて、該当する帯電クリーニング部材77を該当する帯電ローラ70に当接させて帯電ローラクリーニング動作を実行する。
【0062】
また、使用環境が低温低湿環境の場合には帯電ローラ70自体や帯電ローラ70に付着した汚れの抵抗が上昇して帯電不良が発生しやすくなる。そこで、使用環境により、使用履歴に基づき個別に設定された接離機構の動作間隔を変更可能とする。具体的には、温湿度センサ出力により各感光体40の使用履歴を補正し、補正した使用履歴が所定値に達していると、該当する色の接離ソレノイドを動作させて、該当する帯電クリーニング部材77を該当する帯電ローラ70に当接させて帯電ローラクリーニング動作を実行する。これにより、さらに適した間隔のクリーニングをおこなうことができ、長期に渡って各帯電ローラ70の帯電性能を維持することができる。
【0063】
フルカラー画像形成装置では、各色で画像面積が異なることが一般的であり、各色の画像面積が同じになることは非常に稀である。高画像面積の画像が多く出力された場合は、感光体クリーニング装置に入力するトナーが増加するので帯電ローラ70が汚れやすくなる。そこで、各色の画像面積により、各感光体の使用履歴に基づき個別に設定された接離機構の動作間隔を変更可能とする。具体的には、画像面積率により各感光体40の使用履歴を補正し、補正した各使用履歴が所定値に達していると、該当する色の接離ソレノイドを動作させて、該当する帯電クリーニング部材77を該当する帯電ローラ70に当接させて帯電ローラクリーニング動作を実行する。これにより、さらに各帯電ローラ70の汚れに適した間隔のクリーニングをおこなうことができる。
【0064】
また、装置の条件によっては画像形成以外でトナーが消費される場合もあり、これにより感光体クリーニング装置に入力するトナーが増加するので帯電ローラ70が汚れやすくなる。そこで、各現像装置60に補給されたトナー供給量を検知し、各トナー供給量に基づき各感光体の使用履歴に基づき個別に設定された接離機構の動作間隔を変更可能とする。具体的には、各現像装置60に補給されたトナー供給量を検知する検知手段として、トナー供給装置のスクリュウを駆動する補給モータの回転時間から各現像装置60に補給されたトナー供給量を算出する。各現像装置60に補給されたトナー供給量により各感光体40の使用履歴を補正し、補正した各使用履歴が所定値に達していると、該当する色の接離ソレノイドを動作させて、該当する帯電クリーニング部材77を該当する帯電ローラ70に当接させて帯電ローラクリーニング動作を実行する。これにより、さらに各帯電ローラ70の汚れに適した間隔のクリーニングをおこなうことができる。
【0065】
さらに、使用枚数が多くなるに従い感光体クリーニング装置の劣化(具体的には、クリーニングブレード75の摩耗等)が進行するためにトナー等のすり抜けが増加して帯電ローラ70が汚れやすくなる。帯電ローラ70とクリーニングブレード75が個別に交換された場合には、クリーニングブレード75の使用状況を正確に把握することが難しいが、感光体40と帯電ローラ70と感光体クリーニング手段を一体で交換可能なプロセスカートリッジ構成では、プロセスカートリッジの交換時期を記憶しておけば、感光体クリーニング手段の使用枚数に応じて、各感光体の使用履歴に基づき個別に設定された接離機構の動作間隔を変更可能とする。
【0066】
以上の条件に基づき、クリーニング部材77の接離動作が実行されるが、制御部1000では、接離動作時期を判別した結果、各作像ユニット間で同時期に接離動作が必要であると判断した場合に、作像ユニット間でクリーニング部材77の接離動作時期をずらすことが行われる。
【0067】
動作時期のずらし方としては、予め設定されている時間を各作像ユニットでのクリーニング部材の接離開始タイミングに割り当てて各作像ユニット間で接離時期を順次遅延させてずらす方法が用いられる。
また、接離タイミングを設定されて接離動作を開始する方法としては、作像ユニットニットが並べられている順序に従って、例えば、Y,C,M,Bkの順でクリーニング部材77の接離動作を行う。
また、これとは別に、各色の画像が転写されている過程において各色の転写が終了した順に感光体ドラムがクリーニングを実施される時期を利用してクリーニング部材77の接離動作を行うようにすることも可能である。
【0068】
図8は、制御部1000の作用を説明するためのフローチャートである。
同図において、制御部1000では、各色の作像ユニットを対象とした使用履歴が読み込まれてその履歴に基づき帯電ローラ70のクリーニング時期であるかどうかが判別される(ST1,ST2)。
ステップST2においてクリーニング時期でないと判別すると、作像ユニット周辺あるいは内部の温度および湿度の検知情報が取り込まれ、その取り込まれた検知結果からクリーニング時期であるかどうかが判別される(ST3〜ST6)。
履歴および検知結果においてクリーニング時期であることが判別されると、作像ユニット同士においてクリーニング時期が同じであるかどうかが判別され(ST7)、同じ時期であると判別されると、ずらし処理が実行され、このずらし処理に基づいてソレノイドが駆動される(ST8,ST9)。
ずらし処理は、前述したように、各作像ユニット間で予め設定されている時間をクリーニング部材77の接離開始時間に割り当てて接離開始時間を遅延する方法や、接離順序などが設定される。
【0069】
このように、作像ユニットの並び順あるいは転写順序に応じてクリーニング部材77の接離動作時期をずらすことにより、同時に接離動作を行う場合にような動作音が大きくなることがない。
さらに、動作音の発生箇所も作像ユニットと異なる場合に装置内のあちらこちらからというようにばらばらで無作為に動作音が生じることがなく、画像形成処理順に動作音が発せられるので作像ユニットの動作音の一つとして異常な音の発生機会をなくすことができる。つまり、順序だてることで接離動作の際の動作音を聞いた際の違和感を軽減することができる。
【0070】
本実施例は以上のような構成であるから、以下に実験例を挙げる。
(実験例1)
帯電ローラは図4の樹脂製の非接触帯電ローラを用い、帯電ローラクリーナは金属製の芯金とメラミン樹脂フォームから構成されるローラを用いた。
通常は帯電ローラから帯電ローラクリーナを離間させておき、所定の条件に達するとジョブ後に帯電ローラクリーニング動作を実施するようにした。
帯電ローラクリーニング動作は帯電ローラを回転させた状態で帯電ローラクリーナを帯電ローラに3秒間当接させた後、1秒間離間させる動作を3回繰り返すものである。
4色の帯電ローラクリーニングを同時に実施する場合、3秒間当接、1秒間離間の制御は同じであるが、4色の接離ソレノイドを同時に動作させるのではなく、0.1秒の遅延を持たせた。
すなわち、Yのソレノイドの動作から0.1秒後にCのソレノイドを動作させ、Cのソレノイドの動作から0.1秒後にMのソレノイドを動作させ、Mのソレノイドの動作から0.1秒後にKのソレノイドを動作させる構成とした。
このような動作とすることで、複数のソレノイドが同時に動作することによる騒音の発生を防止することができる。
【0071】
(実験例2)
2色の帯電ローラクリーニングを同時に実施する場合、たとえばYとCを同時に実施するには、Yのソレノイドの動作から0.1秒後にCのソレノイドを動作させ、M、Bkのソレノイドは動作させない。
CとKを同時に実施するには、Cのソレノイドの動作から0.1秒後にKのソレノイドを動作させ、Y、Mのソレノイドは動作させないようにすればよい。
【符号の説明】
【0072】
10 中間転写ベル
18Y,C,M,Bk 作像ユニット
40CY,C,M,Bk 感光体
70 帯電ローラ
77 クリーニング部材
80 アーム
82 アーム突起部
87 メラミン樹脂フォーム
100 画像形成装置本体
101 芯金
102 樹脂層
103 ギャップ保持部材
1000 制御部
1001 使用履歴保存用メモリ
1002 温度センサ
1003 湿度センサ
1004 ソレノイドの駆動部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開平06−250504号公報
【特許文献2】特開2009−58559号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の色の画像形成が可能な作像部に設けられている帯電装置であって、
帯電手段に付着するトナーや異物を除去するために該帯電手段に対して接離可能な複数のクリーニング手段と、
前記クリーニング手段を個別に接離動作させる制御部とを備え、
前記制御部は、前記作像部に保存されている作像履歴および作像部に対する使用環境条件に基づき、前記クリーニング手段の動作時期が同時と判断した場合に各クリーニング手段の動作時期をずらして動作させることを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記クリーニング手段の動作時期が同時であると判断した場合に、前記作像部からの画像転写順序に対応させてクリーニング手段の動作時期を設定することを特徴とする請求項1記載の帯電装置。
【請求項3】
前記クリーニング手段は、前記帯電手段から離間した状態を初期状態として設定され、クリーニング動作時期に前記帯電手段に当接する構成であることを特徴とする請求項1又は2記載の帯電装置。
【請求項4】
前記帯電手段がローラ形状であり、帯電領域が像担持体に非接触に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の帯電装置。
【請求項5】
前記帯電手段は、DCにACを重畳した帯電バイアスを印加することを特徴とする請求項1乃至4のうちの一つに記載の帯電装置。
【請求項6】
前記帯電手段に用いられるローラは、少なくとも支持体である芯金と、該芯金上に設けられて画像形成に用いられる像担持体に対して帯電を施す帯電部材と、該像担持体に当接して該像担持体との間に隙間を形成する隙間形成部材とを備え、前記帯電部材と隙間形成部材とが樹脂部材で構成されていることを特徴とする請求項5記載の帯電装置。
【請求項7】
前記クリーニング手段が、芯金とクリーニング部材であるメラミン樹脂フォームを積層したローラで構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の帯電装置。
【請求項8】
複数の作像部を備え、各作像部にそれぞれ請求項1乃至7のうちの一つに記載の帯電装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−247642(P2012−247642A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119508(P2011−119508)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】