説明

平型導体用電気コネクタ

【課題】信号端子が高速信号伝送を可能としつつ、支持端子との間の位置の選択そして変更を可能とする平型導体用電気コネクタを提供する。
【解決手段】信号端子20は、前後方向に延び異なる位置に接触部22と接続部21とが形成された腕状部材をなし、支持端子30は、前後方向に延び異なる位置に接触部32と接続部31とが形成された腕部30Aと、該腕部30Aに加え、平型導体Fに対して該腕部30Aと反対側に位置する支持腕部と、上記腕部30Aに対して該支持腕部を端子溝内で連結する連結部とを有し、上記支持腕部の先端部分に平型導体Fの加圧のための可動部材50を可動に支持する支持部36が形成され、上記信号端子20と支持端子30は、接触部と接続部の間の部分に、端子溝の対応固定部へ圧入される被固定部を有し、上記端子溝は信号端子20とグランド端子のいずれも選択的に挿入可能とするような形状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平型導体用電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
平型導体としては、フレキシブル基板(FPC)、フラットケーブル(FFC)等が知られている。かかる平型導体は、導線が密に配列されているので、回路基板に取り付けられた多極の電気コネクタに用いられることが多い。多極の電気コネクタは、端子を上記平型導体に対応して密に配列するために、金属板の平坦な板面をそのまま維持して作られた端子を板面に直角方向に配列して有している。このようなコネクタとしては、特許文献1に開示されているコネクタが知られている。
【0003】
特許文献1のコネクタでは、上述の板面を維持して作られた端子は、信号端子(信号コンタクト)と支持端子(支持コンタクト)とから構成されている。支持端子は、平型導体を圧するための可動部材(操作部材)を可動に支持している。特許文献1では、信号端子と支持端子は別の形状に作られている。信号端子は、高速信号伝送に好適なように、平型導体に接触する接触部と回路基板に半田接続される接続部とをほぼ直状に結ぶ腕状部材として作られていて、ハウジングの端子溝への係止の突起以外には、上記接触部と接続部の間で突出あるいは延出する部分はない。これにより、G(ギガ)bps帯の高速伝送におけるスタブの影響を少なくできる。一方、支持端子は、接触部と接続部がその局部において信号端子と同様な形状をなしているが、他の大部分は信号端子とは異なる形状をなしている。すなわち、上記腕状部材として作られた信号端子は、接触部と接続部という限られた局部のみでは支持端子と同様な形状をしているものの、腕状部材全体としては該支持端子とは全く異なる形状である。そして、特許文献1では、端子を収めるハウジングの端子溝も、信号端子そして支持端子にそれぞれ対応した異なる形状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−266440
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、信号端子と支持端子は異なる形状で、さらに、これらを収める端子溝もこれらに対応した異なる形状となっているので、信号端子と支持端子は、設計変更による互いの位置の変更に対応できない。
【0006】
この種のコネクタでは、信号端子のみならず、グランド端子も配列されることが多い。特許文献1では、支持端子をグランド端子として使用することができる。その場合、グランド端子として用いられる支持端子は、上記位置の変更を要求される可能性は高い。しかし、特許文献1は、このような要求に応えることができない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、高速信号伝送を可能とする信号端子の形状を維持しつつ、支持端子との互いの位置変更をも可能とをする平型導体用電気コネクタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る平型導体用電気コネクタは、ハウジングの受入部へ前方に向け挿入される平型導体との接触のための接触部とハウジング外で回路基板へ半田接続されるための接続部とを有している信号端子と支持端子が金属板の平坦な板面を維持して作られハウジングの端子溝へ挿入されて上記板面に対して直角な方向に配列保持されている。
【0009】
かかる平型導体用電気コネクタにおいて、本発明では、信号端子は、前後方向に延び異なる位置に接触部と接続部とが形成された腕状部材をなし、支持端子は、前後方向に延び異なる位置に接触部と接続部とが形成された腕部と、該腕部に加え、平型導体に対して該腕部と反対側に位置する支持腕部と、上記腕部に対して該支持腕部を端子溝内で連結する連結部とを有し、上記支持腕部の先端部分に平型導体の加圧のための可動部材を可動に支持する支持部が形成され、上記信号端子と支持端子は、接触部と接続部の間の部分に、端子溝の対応固定部へ圧入される被固定部を有し、上記端子溝は信号端子とグランド端子のいずれも選択的に挿入可能とするような形状に形成されていることを特徴としている。
【0010】
このような構成の本発明では、信号端子は接触部と接続部は腕状部材に前後して設けられているため、信号が直線状に短距離で伝送され高速伝送も可能となる。
【0011】
一方、支持端子は、信号端子と同様な接触部と接続部とが形成された腕部に加え、該腕部と支持腕部を連結部により連結した形態をなしており、接触部と接続部との間での通電を可能とすると共に、上記支持腕部に形成された支持部で可動部材を可動に支持する。
【0012】
さらに、腕状部材をなす信号端子そして支持端子の腕部には被固定部が設けられていて、ハウジングの端子溝に形成された固定部で固定されるが、端子溝は信号端子そして支持端子のいずれも挿入可能であり、両端子は配列位置が任意に選択して決定され、又、ハウジングの金型を変更することなく、両端子の位置の変更が可能となる。
【0013】
本発明では、支持端子は接触部と接続部との間で通電可能なので、グランド端子としてもあるいは電源端子としても使用可能である。さらには、信号端子が高速伝送に適しているのに対し、支持端子は低速信号伝送用としてならば信号端子としても使用可能である。
【0014】
本発明において、ハウジングの端子溝は該ハウジングの上壁と下壁との間に形成され、該端子溝内に島状の固定部が設けられ、信号端子あるいは支持端子の被固定部が該固定部と下壁の間に圧入されて固定されるようにすることが可能である。したがって、この場合には、腕状部材をなす信号端子は端子溝内にて島状の固定部と下壁との間に存在し、これに対し、支持端子は、該支持端子の腕部が島状の固定部と下壁との間に存在すると共に支持腕部が固定部と上壁の間に存在するようになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上のように、被固定部が設けられた腕状部材として信号端子が形成され、支持端子が腕部に加えて可動部材の支持のための支持腕部をもつようにすると共に端子溝を同じにしたので、信号端子の高速信号伝送特性を確保しつつ、どの端子溝に対しても、信号端子と支持端子が選択的に挿入できるようになり、ハウジングの金型を変更することなく、使用時の要請に応えることのできる端子配列のコネクタの提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一実施形態のコネクタと接続前の平型導体を後方から見た斜視図である。
【図2】図1のコネクタと平型導体を前方から見た斜視図である。
【図3】図1のコネクタの端子のないときの断面図である。
【図4】図1のコネクタと平型導体についての可動部材が開位置における断面図であり、(A)は支持端子の位置、(B)は信号端子の位置での断面である。
【図5】図1のコネクタへの平型導体の接続後(可動部材が閉位置)における断面図であり、(A)は支持端子の位置、(B)は信号端子の位置での断面である。
【図6】本発明の信号端子についての変形例を示し、(A)は被圧部が三角形の小片をなし、(B)は小片を有していない場合を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1、図2は、本実施形態のコネクタ1と、該コネクタ1へ挿入されて接続されるべき平型導体Fとを、その接続前の状態で示す全体斜視図であり、図1は後方から、そして図2は前方から見た図である。
【0019】
図1そして図2において、符号Fは平型導体であり、コネクタ1側に位置する前端部から後方に向け長く延びており、図では、前端部側の一部のみが示されていて、他部は図示が省略されている。平型導体Fは、前端部の下面に、接続導体部が露呈していて後述の二種の端子の接触部と接触可能となっている。
【0020】
コネクタ1は、コネクタ本体10と該コネクタ本体10に支持されて回動可能な可動部材50とを有している。可動部材50は、平型導体Fの前端部をコネクタ本体10へ挿入可能とする開位置と、挿入された平型導体を圧する閉位置との間を回動可能となっている。該可動部材50が閉位置にきたときに、コネクタ1はその外形が略直方体となる。
【0021】
コネクタ本体10は、電気絶縁材料で作られたハウジング11と、該ハウジング11により保持された二種の端子20,30及び固定金具40とを有している。二種の該端子20,30は、上記平型導体Fの幅方向を配列方向として、一種の端子20を二つ配し、その隣りに他種の端子30を配する、ということを繰り返すように位置しており、固定金具40はこれら端子20,30の配列範囲の外側に位置している。上記ハウジング11は、上記端子の配列方向にて両端に位置する側壁12と、両方の側壁12をそれらの下部でつなぐ下壁13と、前部に位置する前壁14と、該前壁14の上に位置する上壁15とを一体に有しており、上記下壁13より上方で、両方の側壁12の間に、上方そして後方に開放された開口部16が形成されている。該開口部16は、後述の平型導体Fの挿入のための受入部として、そして上述の可動部材50の配置そして可動のための空間として機能する。
【0022】
ハウジング11には、上述側壁12の内面に沿って、金属板から作られた固定金具40のための支持溝17が形成されていて、ここに固定金具40が取り付けられている。該固定金具40は、ハウジング11の底面から若干出ていて、回路基板(図示せず)の対応部と半田接続されてハウジング11の固定に寄与する。
【0023】
両方の上記支持溝17の間には、端子を収める複数の端子溝18が形成されている。端子は、後述の信号端子20と支持端子30の二種から成っているが、いずれも、金属板の平坦は板面を維持して作られており、したがって、上記端子溝18もその板厚に適合したスリット状の溝となっている。この端子溝18は、図3に見られるように、紙面に直角な方向に上記端子の板厚に相当する溝幅で、前後方向(図3にて左右方向)に貫通して形成されている。上記端子溝18は、ハウジングの上壁15と下壁13の間で前壁14を前後に貫通していると共に、開口部16が形成されている後部では上記下壁13の上面にまで及んでいる。端子溝18内には、上記前壁14の後部に、上下方向で上壁15と下壁13の間に島状の固定部19が設けられていて、該端子溝18を、該固定部19に対し上側の上域18A、下側の下域18Bそして両域を前部側で連通せしめる連結域18C、さらには、前後方向で開口部16に対応する下壁13の部分に形成される開放域18Dに区分している。これらは上域18A、下域18B、連結域18Cそして開放域18Dは互いに連通している。上記端子溝18は、開放域18Dの溝底が下域18Bの溝底よりも一段下方に位置している。これにより、後述の端子20,30の接触部22,32の下方への変位を許容すると共に、端子の半田接続の際にフラックスが上がってきても、該フラックスが接触部まで達することを阻止する隙間を形成することとなる。このように形成された端子溝18は、図4(A),(B)にも見られるように、信号端子20が挿入されている端子溝もそして支持端子30が挿入されている端子溝も同じ形状に形成されている。したがって、どの端子溝18に対しても、信号端子20、そして支持端子30のいずれもが選択的に挿入可能となっている。
【0024】
金属板の平坦な板面を維持して作られている上記信号端子20は、図4(B)のごとく、前後に延びる腕状部材として形成されており、前端部に接続部21そして後端部に接触部22を、さらには中間部に被固定部としての突起23を有している。上記接続部21は、ハウジング11外に突出して下方へ屈曲された部分として形成されており、該接続部21の下縁はハウジング11の底面よりも下方に位置していて、図示せぬ回路基板上に配されたとき、対応部に対して半田接続されるようになっている。この信号端子20は、後方へはハウジング11の中間部にまで延びており、上記接触部22はその後端で上方へ突出して設けられている。上記被固定部としての突起23は、中間部の上縁で二箇所に形成されている。このように形成される信号端子20は、ハウジング11の端子溝18の島状の固定部19と下壁13との間に圧入される。上記突起23が固定部19の下縁に喰い込んで固定位置が定まる。信号端子20の後部はハウジング11の前壁14よりも後方へ突出しており、しかも下縁が端子溝18の溝底との間に隙間を形成しており、下方への弾性撓みが可能となっている。すなわち、上記接触部22が平型導体Fから下方への力を受けたときに、この接触部22は下方へ弾性変位可能となっている。上記信号端子20は、前端側に上方へ向け突出する小片状の被圧部24が設けられており、その前縁が端子挿入時に後方へ圧せられて、該被圧部24の後縁が固定部19の前面に当接するまで、該信号端子20の端子溝18へ挿入される。該被圧部24の後縁が固定部19の前面に当接することにより、上記接触部22が力を受けて下方へ変位するとき、接続部21側が浮き上がるような変位を阻止できる。
【0025】
一方、支持端子30は、図4(A)に見られるごとく、信号端子20と同様に金属板の平坦な板面を維持して作られているが、該信号端子20と同様な形状の腕部30Aに加え、該腕部30Aの前端で連結部34により連結された支持腕部35を有している。
【0026】
上記腕部30Aは、上述のごとく信号端子20と同じ形状であり、前端に接続部31、後端に接触部32、中間部に被固定部としての突起33を有している。腕部30Aが後部にて弾性撓み可能で、接触部32が弾性変位可能なのも、信号端子20の場合を同様である。
【0027】
支持端子30の連結部34は、上記ハウジング11の島状の固定部19の右方に位置していて、腕部30Aの前端から上方に向け延びている。
【0028】
上記支持腕部35は、かかる連結部34の上端から後方へ向けて延びている。該支持腕部35は、上記固定部19と上壁15との間を貫通して後方へ延び、後端の下縁に凹弯曲状の支持部36が形成されている。該支持腕部35は、その下方に位置する上記腕部30Aに比し幅(図にて上下方向寸法)が広く高剛性に作られている。
【0029】
かかる支持端子30は、前方から後方へ向け上記端子溝18へ挿入されると、腕部30Aが、信号端子20と同様に、島状の固定部19と下壁13との間に圧入されると共に、支持腕部35が上記固定部19と上壁15との間に配置される。
【0030】
本実施形態では、信号端子20と支持端子30は、二つの信号端子20に隣接して一つの支持端子30が位置するようにして配列されており、支持端子30が信号端子20に対してグランド端子として使用される。
【0031】
可動部材50は、ハウジング11と同様の電気絶縁材料で作られていて、図1そして図2に見られるように、端子配列範囲にわたる幅を有しており、ハウジング11の開口部16に配置されている。該可動部材50は、既述のごとく開位置と閉位置との間を可動に支持されているが、図4(A),(B)に見られる開位置で、下部となる部分に溝部51が形成されている。該溝部51は、端子配列方向にて、上記信号端子20と支持端子30のための端子溝18に対応する位置に形成されていて、前後に貫通しており、下端位置に溝部51の対向溝内面同士を連結する軸部52が設けられている。該軸部52は、略円形の周面を有し、上記支持端子30の支持腕部35に凹弯曲状に形成された支持部36内で回動自在に支持されている。しかしながら、信号端子20は上記のような支持腕部を有していないので、信号端子20に対応して位置する軸部52は何ら支持されていない。上記可動部材50は、その幅方向(端子配列方向)両端でも図示せぬ軸部でハウジングにより回動自在に支持されている。上記可動部材50は、図4(A),(B)にて、溝部51が形成されていない上部は操作部53を形成し、ハウジング11の上壁15よりも上方へ突出している。可動部材50は、この操作部53にて、操作力を受けて開位置と閉位置との間を回動移動する。
【0032】
上記可動部材50は、図4(A),(B)における下端部から操作部53にかけての後面(左面)が、閉位置において平型導体Fを圧する加圧部を形成する。
【0033】
かかる本実施形態のコネクタ1は、図示しない回路基板へ取り付けられて使用される。信号端子20と支持端子30は、それらの接続部21と接続部31が回路基板の対応回路部と半田接続される。これと共に、固定金具40もその固定部にて回路基板へ半田接続される。かくして、コネクタ1は回路基板へ接続され固定される。
【0034】
使用に際しては、可動部材50を図4(A),(B)に示されるような開位置へもたらして、ハウジング11の開口部16を後方に向け大きく開口させておく。この開口部16へ、図1に示される平型導体Fの前端部を挿入する。図4(A),(B)において、平型導体Fは信号端子20の接触部22そして支持端子30の接触部32と開位置の可動部材50との間で前方に挿入され、該平型導体Fの前端縁がハウジング11の前壁14の後面に当接して所定挿入位置へもたらされる。この所定挿入位置では、平型導体Fの下面に露呈している接続導体部は、対応する信号端子20の接触部22そして支持端子30の接触部32上に位置している。
【0035】
しかる後、可動部材50の操作部53へ操作力を加えて該可動部材50を、図5(A),(B)に見られる閉位置へ回動移動させる。可動部材50はその加圧部で平型導体Fを下方へ圧する。可動部材50で圧せられた平型導体Fは信号端子20の接触部22そして支持端子30の接触部32を下方へ押圧して弾性変位させる。かくして、これらの接触部22と接触部32により、信号端子20と支持端子30は平型導体Fの対応接続導体部と、接圧(接触力)をもって電気的に接続される。支持端子30は、平型導体Fの対応接続導体部と回路基板の対応回路部がグランド回路の場合には、グランド端子として機能する。これらの端子20,30の配列は、種々、自由に設定できる。信号端子20をS、支持端子30によるグランド端子をGそして低速信号端子をL、さらには電源端子をDと表記した場合、……GSSGSSG……とする差動信号配列、……GSSGLGDDD……とする複合配列、……GSSSSSGSSSSSG……とするグランド端子の少ない配列等が可能である。
【0036】
本発明において、信号端子20は一つの直状の腕状部材として形成されている。したがって接触部22と接続部21との間は直状の最短距離で伝送経路を形成し、迂回経路を形成する部分を有していないので、スタブの影響を少なくでき、高速信号の伝送好適で、しかも、支持端子30がグランド端子とすることもできるので、該支持端子30が信号端子20同士間に位置してシールド効果をもたらす。
【0037】
また、本実施形態では、支持端子30の腕部30Aが信号端子20とほぼ同一形状であり、かつ端子溝18が両端子20,30に対して共通形状となっているので、両端子は選択的にどの端子溝にも挿入可能であり、端子の配列に自由度をもたらす。さらには、信号端子20と支持端子(グランド端子)30の腕部とが同一形状とすれば、接触部での接圧がすべて同じとなり安定した接触力を得る。
【0038】
又、本実施形態にあって、支持端子30は、グランド端子としてのみならず、要求に応じて信号端子としても、あるいは電源端子としても使用可能である。信号端子として用いる場合は、接触部32と接続部31との間に連結部34を経て支持腕部35が存在しているので、これらが伝送速度に対して影響ないような低速信号用とすることが好ましい。
【0039】
本発明は、以上図示した形態以外にも種々変更が可能である。例えば、信号端子20は、接触部22と接続部21の間は、理想的に直状に結ばれることが求められ、突出する小片部分を極力小さくすることが良い。その一例として、図6(A)のように、信号端子20の圧入のための被圧部24を三角形として、信号伝送時の信号迂回域を極力小さくしつつも、その前縁24Aで圧入力を受けられるようにすることができる。さらには、図6(B)のように被圧部のために小片部分を設けずに、接続部21の前縁を被圧部24Aとしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 コネクタ 30 支持端子
11 ハウジング 30A 腕部
13 下壁 31 接続部
15 上壁 32 接触部
18 端子溝 33 被固定部
19 固定部 34 連結部
20 信号端子 35 支持腕部
21 接続部 36 支持部
22 接触部 F 平型導体
23 被固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの受入部へ前方に向け挿入される平型導体との接触のための接触部とハウジング外で回路基板へ半田接続されるための接続部とを有している信号端子と支持端子が金属板の平坦な板面を維持して作られハウジングの端子溝へ挿入されて上記板面に対して直角な方向に配列保持されている平型導体用電気コネクタにおいて、
信号端子は、前後方向に延び異なる位置に接触部と接続部とが形成された腕状部材をなし、
支持端子は、前後方向に延び異なる位置に接触部と接続部とが形成された腕部と、該腕部に加え、平型導体に対して該腕部と反対側に位置する支持腕部と、上記腕部に対して該支持腕部を端子溝内で連結する連結部とを有し、上記支持腕部の先端部分に平型導体の加圧のための可動部材を可動に支持する支持部が形成され、
上記信号端子と支持端子は、接触部と接続部の間の部分に、端子溝の対応固定部へ圧入される被固定部を有し、
上記端子溝は信号端子と支持端子のいずれも選択的に挿入可能とするような形状に形成されていることを特徴とする平型導体用電気コネクタ。
【請求項2】
ハウジングの端子溝は該ハウジングの上壁と下壁との間に形成され、該端子溝内に島状の固定部が設けられ、信号端子あるいは支持端子の被固定部が該固定部と下壁の間に圧入されて固定されることとする請求項1に記載の平型導体用電気コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−216220(P2011−216220A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80852(P2010−80852)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(390005049)ヒロセ電機株式会社 (383)
【Fターム(参考)】