説明

平版印刷版材料の製造方法及び平版印刷版材料

【課題】 画像均一性、機上現像性に優れ、感度、耐刷性の安定した平版印刷版材料を、高収率で製造する方法を提供する。
【解決手段】 連続した透明のプラスチックフィルム上に親水性層及び画像形成層を積層塗布してなる平版印刷版材料の製造方法において、塗布工程中に塗布済フィルムの透過光及び反射光に対する光学濃度分布を測定し、該測定情報に基づき塗布条件を制御することを特徴とする平版印刷版材料の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像書き込み後、印刷機上で現像される平版印刷版材料の製造方法、及び平版印刷版材料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷データのデジタル化に伴い、画像データを直接印刷版に記録するコンピューター・トゥー・プレート(CTP)が普及してきた。一般に、CTPに使用される印刷版材料は、従来のPS版と同様にアルミ支持体を使用するタイプとフィルム基材上に印刷版としての各種機能層を設けたフレキシブルタイプがある。
【0003】
近年、商業印刷分野においては、印刷の少量多品種化の傾向が進み、市場では高品質で、かつ低価格な印刷版材料への要望が強まってきている。従来のフレキシブルタイプの印刷版材料としては、例えば、特開平5−66564号公報に開示されるようなフィルム基材上に銀塩拡散転写方式の感光層を設けたもの、あるいは特開平8−507727号、同6−186750号、同6−199064号、同7−314934号、同10−58636号、同10−244773号の各公報に開示されるようなフィルム基材上に親水性層と親油性層とをいずれかの層を表層として積層し、表層をレーザー露光でアブレーションさせて印刷版を形成するように構成されたもの、あるいは特開2001−96710号公報に開示されるようなフィルム基材上に親水性層と熱溶融性画像形成層を設け、レーザー露光により親水性層あるいは画像形成層を画像様に発熱させることで画像形成層を親水性層上に溶融固着させるもの等が挙げられる。
【0004】
一方、印刷用の画像形成方法として、環境適性等の観点より画像データ書き込み(画像様露光)後の印刷版を直接オフセット印刷機で印刷することにより湿し水で非画像部の画像形成層のみ膨潤、溶解して印刷初期の印刷紙(損紙)上に転写除去する所謂印刷機上で現像を行う方法(例えば、特許文献1及び2参照。)が知られている。これらの機上現像可能な印刷版材料は、鮮鋭なドット形状、高精細な画像が得られ、又露光後の現像プロセスを必要とせず、環境適性にも優れている。
【0005】
このような、フレキシブルタイプの機上現像可能な印刷版材料は、一般的に連続するプラスチックフィルム基材上に、親水性層と画像形成層とを積層塗布して製造される。CTPシステムの場合、画像形成は、通常一定エネルギーの露光で行うため、露光エネルギーを熱に変換して画像形成する方式の印刷版材料では、安定したドット形状、感度、機上現像性、耐刷性を確保するために、従来のPS版に比較してより高い精度の塗布均一性が要求される。
【0006】
製造時に塗布品質を検査・保証する方法として、従来から塗布層の光学的な濃度分布を測定し、その濃度分布の変化から、ランダムに発生するスポット故障を検出し、後工程で切除することが行われている(特許文献3参照。)。
【0007】
従来は塗布先頭で設定した塗布条件で連続的に塗布するため、連続して大量に製造した場合に徐々に塗布性が変化し、品質の安定性(均一性)が低下する現象に対しては、製造途中でサンプリングを行い確認する以外、製造時に対応することができず、結果的に不良部分を大量に発生せてしまうことがあった。
【0008】
また、複数層を重層塗布する場合、各塗布層での塗布収率の積が最終製品の塗布収率になるため、塗布層毎に塗布品質を安定化させることが重要である。
【特許文献1】特開平9−123387号公報
【特許文献2】特開平9−123388号公報
【特許文献3】特開2003−114196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、画像均一性、機上現像性に優れ、感度、耐刷性の安定した平版印刷版材料を、高収率で製造する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は上記のような問題点に対し鋭意検討した結果,塗布工程中に塗布済フィルムの透過光及び反射光に対する光学濃度分布を測定し、該測定情報に基づき塗布条件を制御することにより、解決できることを見いだした。
【0011】
即ち、本発明の目的を達成する本発明の構成は下記の通りである
(1)連続した透明のプラスチックフィルム上に親水性層及び画像形成層を積層塗布してなる平版印刷版材料の製造方法において、塗布工程中に塗布済フィルムの透過光及び反射光に対する光学濃度分布を測定し、該測定した情報に基づき塗布条件を制御することを特徴とする平版印刷版材料の製造方法。
【0012】
(2)前記測定情報が、連続的な光学濃度分布とスポット的な光学濃度分布を含むことを特徴とする前記(1)に記載の平版印刷版材料の製造方法。
【0013】
(3)平版印刷版材料が、親水性層又は画像形成層に光熱変換剤を含有する感熱画像形成する版であり、光学濃度分布の測定を該光熱変換剤の吸収域を含む光波長領域で行うことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の平版印刷版材料の製造方法。
【0014】
(4)前記(1)〜(3)の何れか1項に記載の平版印刷版材料の製造方法により得られた平版印刷版材料が、サーマルヘッドまたはサーマルレーザーを用いて画像を形成した後、平版印刷機上で湿し水または湿し水と印刷インキにより現像を行い、印刷するものであることを特徴とする平版印刷版材料。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、塗布済フィルムの光学情報に基づいて、塗布条件を制御することにより、塗布精度に優れ、高画質、高性能の平版印刷版材料を高収率で安定して製造することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明において、塗布工程中に塗布済フィルムの透過光及び反射光に対する光学濃度分布の測定の好ましい態様を以下に記述する。ただし、本発明の目的を逸脱しない範囲であれば、以下の態様に限定されるものではない。
【0017】
塗布工程中にフィルムの光学濃度分布を測定するためには、測定光源と光強度変化を検出できる検出器が必要である。
【0018】
測定光源としては、レーザー光を塗布幅方向に高速で走査した光源を使用する方法と、LED、蛍光灯、ハロゲンランプ等のライン光源を使用する方法とがあるが、測定速度、安定性、コストの点からライン光源を使用することが好ましい。
【0019】
検出器は、光電子倍増管(フォトマル)、ラインCCD、が一般的に用いられるが、ライン光源を使用する場合はラインCCDを用いるのが好ましい。
【0020】
光源の強度は被測定物である塗布済フィルムの光学濃度と検出器の感度により適宜決めることができるが、通常は、正常な塗布面を測定した光量が、検出器の測定可能領域の中心付近になるように設定することが好ましい。光量の調整は、光源の出力、光源と検出器の距離、検出器の感度を変化させて行うことができる。
【0021】
非常に強い光強度を必要とする場合には、フレネルレンズ等を使用して測定部位に集光することも可能である。
【0022】
塗布層の親水性層又は画像形成層が、画像形成のための光熱変換剤を含有する場合、光源の波長は前記光熱変換剤の吸収波長域を含むことが好ましい。
【0023】
検出器の分解能は使用するラインCCDの密度に依って決めることができる。通常は検出したい最小分解能の1/2〜1/4で設定することが好ましい(例えば、0.1mm角サイズの濃度分布を測定する場合は、0.025〜0.05mmの分解能の検出器を選定することが好ましい。)。通常は、1000〜10000画素の光学レンズ付きCCDカメラを測定幅に合わせて複数台設置して使用する。
【0024】
光学濃度分布は、塗布済み基材の透過光と反射光の両者を測定することで精度の高い制御が可能になる。
【0025】
本発明に用いられる光学濃度分布測定装置の配置例概念図を図1に示す。
【0026】
光源及び光検出器は、塗布乾燥後のフィルムを測定するように配置することが好ましい。透過光検出器1、反射光検出器2は塗布方向に直列に配置され、配置の順番は任意である。これらの検出器に対応して、各々透過光源9、反射光源8が設置されている。
【0027】
透過光検出器1、及び反射光検出器2から得られた光学濃度情報はデータ処理部6で解析され、正常部と異常部が識別される。測定部の位置情報は、塗布工程の搬送ロールに設置したロータリーエンコーダー3の信号に基づき記録されることが好ましい態様である。異常部の位置情報に基づき、異常発生部にラベラー7でマーキングする等の異常識別情報記録を行うこともできる。
【0028】
本発明の使用目的である平版印刷版材料において、異常部として識別される塗布欠陥の例を挙げると以下の通りである。
(1)長径が0.3mm以上のスポット欠陥で正常部からの濃度変化が30%以上であるもの
(2)短径が0.04mm以上のスポット欠陥で正常部からの濃度変化が50%以上であるもの
(3)筋状の欠陥で、正常部からの濃度変化が10%以上であるもの
(4)連続的に正常部から10%以上基準濃度が変化した場合
本発明では、連続あるいは周期的に発生する異常、又はランダムなスポット状の異常が検出された際、塗布条件を調整する。塗布条件の調整は、異常情報に基づき自動的に行っても良いし手動で行っても良い。
【0029】
塗布条件の調整方法は塗布方式により異なるが、具体的には以下のような例を挙げることができる。
【0030】
【表1】

【0031】
自動で条件調整を行う場合は、検出器情報から発生した異常を自動識別し、予め設定した量の条件変更を行ように設定する。
【0032】
複数の層を積層塗布する場合は、1層のみ本発明を適用しても良いし、複数層に適用しても良い。複数層に適用する場合には、各塗布層毎に光学濃度を測定し塗工条件へフィードバックすると共に、次塗布工程時は、前層までの光学濃度分布情報に基づいて塗布層光学濃度の検出を行う。特に、着色層を積層する場合、あるいは光学濃度の異なる複数層を積層する場合は、前に塗布した層の光学濃度分布が、次に塗布する層の光学濃度の検出結果に影響しないよう、検出条件を設定することが必要である。
【0033】
以下、本発明で製造される平版印刷版材料につい述べる。
【0034】
平版印刷版材料は、透明プラスチックフィルム上に、親水性層及び画像形成層を積層塗布してなる。
【0035】
〈支持体〉
本発明に係る透明プラスチックフィルム支持体の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セルロースエステル類等を挙げることができる.中でも印刷版材料にハンドリング適性等から、好ましいのはポリエステルのPETならびにPENであり、特に好ましくはPETである。
【0036】
支持体の厚みは、50〜300μmが好ましく、より好ましくは150〜250μmである。
【0037】
本発明においては、プラスチック支持体の親水性層を塗布する面上に下引層を設置することが好ましい。下引層で使用する素材としてはビニル系ポリマー、ポリエステル、スチレン−ジオレフィン等があげられ、特にビニル系ポリマー、ポリエステルが好ましく、これらの組み合わせまたは変性されていることが好ましい。下引層は、機能を分離した2層構成にすることも好ましい。プラスチック支持体側(下引下層)にはプラスチック支持体に接着性を考慮した素材を使用し、親水性層側には下引下層と親水性層との接着性を考慮した素材を使用することができる。
【0038】
〈親水性層〉
本発明に係る平版印刷版材料の親水性層は、主として層を形成する親水性マトリックス成分、表面形状を制御する微粒子成分、本発明で規定するマット材とを必須成分として構成される。
【0039】
親水性マトリックスを形成する素材としては金属酸化物が好ましく、更に好ましくは金属酸化物微粒子を含むことが好ましい。
【0040】
例えばコロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物のゾルが挙げられ、金属酸化物の形態としては、球状、羽毛状その他のいずれの形態でもよく、平均粒径としては3〜100nmであることが好ましく、平均粒径が異なる数種の金属酸化物微粒子を併用することもできる。また、粒子表面に表面処理がなされていてもよい。
【0041】
上記金属酸化物粒子はその造膜性を利用して結合剤としての使用が可能である。有機の結合剤を用いるよりも親水性の低下が少なく、親水性層への使用に適している。
【0042】
本発明には、上記の中でも特にコロイダルシリカが好ましく使用できる。コロイダルシリカは比較的低温の乾燥条件であっても造膜性が高いという利点が有り、良好な強度を得ることが出来る。
【0043】
上記コロイダルシリカとしては、1次粒子径がnmのオーダーである球形シリカが結合したネックレス状コロイダルシリカ、平均粒径20nm以下の微粒子コロイダルシリカを含む事が好ましく、さらに、コロイダルシリカはコロイド溶液としてアルカリ性を呈することが好ましい。
【0044】
ネックレス状のコロイダルシリカとしては具体的には日産化学工業社製の「スノーテックス−PS」シリーズなどが挙げられる。
【0045】
平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカは前述のネックレス状コロイダルシリカと併用することで、層の多孔質性を維持しながら、強度をさらに向上させることが可能となり、特に好ましい。
【0046】
平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカ/ネックレス状コロイダルシリカの比率は95/5〜5/95が好ましく、70/30〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が更に好ましい。
【0047】
本発明に係る親水性層マトリックスの多孔質化材として粒径が1μm未満の多孔質金属酸化物粒子を含有することが出来る。多孔質金属酸化物粒子としては、後述する多孔質シリカまたは多孔質アルミノシリケート粒子もしくはゼオライト粒子を好ましく用いることが出来る。
【0048】
粒子の多孔性としては細孔容積で0.5ml/g以上であることが好ましく、0.8ml/g以上であることがより好ましく、1.0〜2.5ml/g以下であることが更に好ましい。
【0049】
細孔容積は塗膜の保水性と密接に関連しており、細孔容積が大きいほど保水性が良好となって印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなるが、2.5ml/gよりも大きくなると粒子自体が非常に脆くなるため塗膜の耐久性が低下する。細孔容積が0.5ml/g未満の場合には、保水性が低下して印刷時にが汚れが発生し易くなる。
【0050】
本発明に係る多孔質化材としてはゼオライトも使用できる。ゼオライトは結晶性のアルミノケイ酸塩であり、細孔径が0.3〜1nmの規則正しい三次元網目構造の空隙を有する多孔質体である。天然及び合成ゼオライトを合わせた一般式は、次のように表される。
【0051】
(M1、M21/2m(AlmSin2(m+n))・xH2
ここで、M1、M2は交換性のカチオンであって、M1はLi+、Na+、K+、Tl+、Me4+(TMA)、Et4+(TEA)、Pr4+(TPA)、C7152+、C816+等であり、M2はCa2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+、C81822+等である。又、n≧mであり、m/nの値つまりはAl/Si比率は1以下となる。Al/Si比率が高いほど交換性カチオンの量が多く含まれるため極性が高く、従って親水性も高い。好ましいAl/Si比率は0.4〜1.0であり、更に好ましくは0.8〜1.0である。xは整数を表す。
【0052】
本発明で使用するゼオライト粒子としては、Al/Si比率が安定しており、又粒径分布も比較的シャープである合成ゼオライトが好ましく、例えばゼオライトA:Na12(Al12Si1248)・27H2O;Al/Si比率1.0、ゼオライトX:Na86(Al86Si106384)・264H2O;Al/Si比率0.811、ゼオライトY:Na56(Al56Si136384)・250H2O;Al/Si比率0.412等が挙げられる。
【0053】
親水性層の表面は、PS版のアルミ砂目のように0.1〜20μmピッチの凹凸構造を有することが好ましく、この凹凸により保水性や画像部の保持性が向上する。
【0054】
このような凹凸構造は、親水性層マトリックスに適切な粒径のフィラーを適切な量含有させて形成することも可能であるが、親水性層の塗布液に前述のアルカリ性コロイダルシリカと前述の水溶性多糖類とを含有させ、親水性層を塗布、乾燥させる際に相分離を生じさせて形成することがより良好な印刷適性を有する構造を得ることができ好ましい。
【0055】
凹凸構造の形態(ピッチ及び表面粗さなど)はアルカリ性コロイダルシリカの種類及び添加量、水溶性多糖類の種類及び添加量、その他添加材の種類及び添加量、塗布液の固形分濃度、ウエット膜厚、乾燥条件等で適宜コントロールすることが可能である。
【0056】
本発明で親水性マトリックスに添加される水溶性樹脂は、少なくともその一部が水溶性の状態のまま、水に溶出可能な状態で存在することが好ましい。水溶性の素材であっても、架橋剤等によって架橋し、水に不溶の状態になると、その親水性は低下して印刷適性を劣化させる懸念があるためである。
【0057】
又、さらにカチオン性樹脂を含有しても良く、カチオン性樹脂としては、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンポリアミン等のようなポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙げられる。カチオン性樹脂は微粒子状の形態で添加しても良い。これは、例えば特開平6−161101号に記載のカチオン性マイクロゲルが挙げられる。
【0058】
また、本発明の親水性層の塗布液には、塗布性改善等の目的で水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、又はF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく好ましい。該界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
【0059】
また、本発明に係る親水性層はリン酸塩を含むことができる。本発明では親水性層の塗布液がアルカリ性であることが好ましいため、リン酸塩としてはリン酸三ナトリウムやリン酸水素二ナトリウムとして添加することが好ましい。リン酸塩を添加することで、印刷時の網の目開きを改善する効果が得られる。リン酸塩の添加量としては、水和物を除いた有効量として、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%が更に好ましい。
【0060】
〈マット材〉
本発明では、以下の条件を満足するような、マット材を少なくとも1種含有する。マット材は、感熱画像形成層積層後の塗膜面から0.5〜10.0μm突出しており、かつ該マット材の含有量が1,600〜4,800個/mm2であり、かつ隣接する該マット材間中心距離の標準偏差が20μm以下に存在することが必要である。
【0061】
マット材の材質としては、多孔質、無孔質、有機樹脂粒子、無機微粒子を問わず用いても良く、無機マット材としてはシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、カーボンブラック、グラファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgCO3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、MgO、SnO2、Al23、α−Fe23、α−FeOOH、SiC、CeO2、BN、SiN、MoC、BC、WC、チタンカーバイド、コランダム、人造ダイアモンド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリボリ、ケイソウ土、ドロマイト等、有機フィラーとしてはポリエチレン微粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等を挙げることが出来る。また無機被服フィラーとしてはたとえばPMMAやポリスチレン、メラミンといった有機粒子の芯剤を芯剤粒子よりも粒径の小さな無機粒子で被覆した粒子が挙げられる。無機粒子の粒径としては芯材粒子の1/10〜1/100程度であることが好ましい。また、無機粒子としては、同様にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど公知の金属酸化物粒子を用いることができる。被覆方法としては、種々の公知の方法を用いることができるが、ハイブリダイザのような空気中で芯材粒子と被覆材粒子とを高速に衝突させて芯材粒子表面に被覆材粒子を食い込ませて固定、被覆する乾式の被覆方法を好ましく用いることができる。
【0062】
本発明の条件を満たすものであれば、マット材の種類、粒子経は2種以上の異なるものを併用できる。
【0063】
マット材の平均粒子径は、1.0〜20μmが好ましく、より好ましくは、3.0〜8.0μmである。
【0064】
平均粒子経が1.0μm未満の場合は、耐刷性、耐傷性が低下し、20μmを超える場合は機上現像性、解像度が低下する可能性がある。
【0065】
マット材の添加量は親水性層の10質量%〜80質量%が好ましく、より好ましくは15〜50質量%である。
【0066】
親水性層と支持体との間に親水性の下層を設けてもよい。親水性の下層に用いる素材としては、前述の親水性層と同様の素材を用いることができる。
【0067】
〈光熱変換剤〉
本発明に係る平版印刷版材料をレーザで画像書き込みする場合は、親水性層に光熱変換剤を添加することができる。光熱変換剤は、画像形成用のレーザ光を吸収して熱に変化することのできるものであれば公知の材料を使用することが可能であるが、好ましい化合物としては、カーボンブラック、グラファイト、コロイド銀、黒色酸化鉄(Fe34)や、二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物、及び赤外線吸収色素が挙げられる。
【0068】
黒色複合金属酸化物としては、例えばSbをドープしたSnO2(ATO)、Snを添加したIn23(ITO)、TiO2、TiO2を還元したTiO(酸化窒化チタン、一般的にはチタンブラック)などが挙げられる。又、これらの金属酸化物で芯材(BaSO4、TiO2、9Al23・2B2O、K2O・nTiO2等)を被覆したものも使用することができる。これらの粒径は、0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。
【0069】
これらの光熱変換剤のうち、二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物がより好ましい。
【0070】
具体的には、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sb、Ba、から選ばれる二種以上の金属からなる複合金属酸化物である。これらは、特開平8−27393号公報、特開平9−25126号公報、特開平9−237570号公報、特開平9−241529号公報、特開平10−231441号公報等に開示されている方法により製造することができる。
【0071】
本発明に用いる複合金属酸化物としては、特にCu−Cr−Mn系またはCu−Fe−Mn系の複合金属酸化物であることが好ましい。Cu−Cr−Mn系の場合には、6価クロムの溶出を低減させるために、特開平8−273393号公報に開示されている処理を施すことが好ましい。これらの複合金属酸化物は添加量に対する着色、つまり、光熱変換効率が良好である。
【0072】
これらの複合金属酸化物は平均1次粒子径が1μm以下であることが好ましく、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることがより好ましい。平均1次粒子径が1μm以下とすることで、添加量に対する光熱変換能がより良好となり、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲とすることで添加量に対する光熱変換能がより良好となる。
【0073】
ただし、添加量に対する光熱変換能は、粒子の分散度にも大きく影響を受け、分散が良好であるほど良好となる。したがって、これらの複合金属酸化物粒子は、層の塗布液に添加する前に、別途公知の方法により分散して、分散液(ペースト)としておくことが好ましい。平均1次粒子径が0.01未満となると分散が困難となるため好ましくない。分散には適宜分散剤を使用することができる。分散剤の添加量は複合金属酸化物粒子に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
【0074】
これらの複合金属酸化物の添加量としては、親水性層全固形分に対して20%以上、40%未満であり25%以上、39%未満がより好ましく、さらに好ましくは25%以上30%未満の範囲である。添加量が20%未満であると、十分な感度がでず、また40%以上であると、アブレートによるアブレーションカスが発生する可能性がある。
【0075】
光熱変換剤として赤外線吸収色素を使用する場合、具体的には以下の化合物を挙げることができる。
【0076】
一般的な赤外吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0077】
これらの赤外吸収染料の添加量としては、0.1%以上20%未満であり0.5%以上15%未満がより好ましい。添加量が0.1%未満であると、十分な感度がでず、また20%以上であると、露光部が局所的に高温になり、層が飛散することがある。
【0078】
〈感熱画像形成層〉
本発明に係る感熱画像形成層は、同一粒子内に20℃以上融点の異なる複数の熱溶融性化合物の混合物を微粒子化した状態で層内に存在せしめている。これにより画像形成部の熱による機上現像性(印刷機上に於いて、湿し水と印刷インキにより親水性層から剥離除去する性質)を減少させる特性を持たしている。
【0079】
熱溶融性化合物とは、熱可塑性素材の中でも特に溶融した際の粘度が低く、一般的にワックスとして分類される素材が好ましい。物性としては、融点が60〜140℃であることが好ましい。融点が60℃未満では保存性が問題であり、融点が140℃よりも高い場合は感度、印刷品質が低下する可能性がある。
【0080】
本発明では、20℃以上融点の異なる2種以上の熱溶融性化合物の混合物を微粒子に分散して用いる。融点の異なる化合物のうち、低融点成分の融点は60〜100℃、高融点成分の融点は80〜140℃の範囲にあることが好ましい。3種以上の熱溶融性化合物を混合して使用する場合には、最も高い融点と最も低い融点との差が20℃以上あればよい。本発明で3種以上の熱溶融性化合物を混合して使用する場合には、融点が60℃以上90℃未満の化合物を低融点化合物、90℃以上140℃以下の化合物を高融点化合物として取り扱う。
【0081】
高融点熱溶融性化合物と低融点熱溶融性化合物の混合比率は10/90〜50/50、であることが好ましい。比率が10/90未満の場合には、耐刷性、耐傷性、機上現像性が劣化し、50/50を超える場合には感度、印刷品質が低下する傾向がある。
【0082】
更に、熱溶融性化合物の混合物は常温では硬質であることが好ましく、JIS K2207に規格化されている、25℃における針入度が15未満のものが好ましい。15以上になると、耐刷性、耐傷性を低下させる可能性もある。
【0083】
熱溶融性化合物として使用可能な素材としては、カルナウバワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリラワックス、脂肪酸系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、脂肪酸エステル系ワックス、脂肪酸アミド、等が挙げられる。
【0084】
更に、分散媒との親和性を制御するために、これらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基などの極性基を導入することもできる。
【0085】
これらの中でもカルナウバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸の何れかを含有することが好ましい。特にカルナウバワックスは、融点が比較的低く、溶融粘度も低いため、高感度の画像形成を行うことができる。
【0086】
熱溶融性化合物には、本発明の目的を損なわない範囲で、熱軟化温度が75〜150℃の熱軟化性化合物を含有せしめることができる。
【0087】
熱軟化性化合物の具体例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−ブリツアクリレート共重合体、脂環族飽和炭化水素樹脂、ロジンエステル樹脂、アルキルフェノール樹脂、等が好ましく用いられる。
【0088】
本発明では上記熱溶融性化合物の混合物を適当な分散媒に分散して使用することが好ましい。分散媒としては、水、又は有機溶剤、あるいは両者の混合物が適宜用いられる。本発明においては、水を50%以上含有することが好ましい。
【0089】
分散媒中には必要に応じて分散剤を添加することができる。分散剤の具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、アルキルベンゼンスルフォン酸ソーダ、等の界面活性剤、ポリビニルアルコール樹脂等の水溶性樹脂、を挙げることができる。分散剤の添加量は0.5〜10%、好ましくは1〜5%である。
【0090】
更に、ワックス、樹脂の酸化部分を中和して親水基にすることにより、分散・乳化性を高めるために、分散安定化剤として水酸化カリウム、モルホリン、トリエタノールアミン等のアルカリ剤を添加することができる。
【0091】
アルカリ剤の添加量は分散質の性質により適宜決定されるが、本発明において、分散液のpHとしては、7.5〜11の範囲にあることが好ましい。
【0092】
分散媒への分散は、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア分散法、溶融滴下撹拌法等、公知の分散技術を使用することができる。粒子経分布の均一な粒子を得るためには、分散液温度を溶融温度以下に制御しながらボールミルで分散する方法、加熱溶融状態の熱溶融性化合物を、温度を制御して分散媒中に撹拌しながら滴下することで分散状態を形成する溶融滴下撹拌法が特に好ましい。
【0093】
特に、溶融滴下撹拌法で分散を行う場合は、高融点熱溶融性化合物の分散媒、又は分散剤に対する親和性を低融点熱溶融性化合物の分散媒、又は分散剤に対する親和性より高く選択することで、低融点化合物のコア部分と高融点のシェル部分を持つ微粒子が得られる。
【0094】
このような二重構造を有する微粒子を使用することで、画像形成感度を低下させることなく、高い耐刷性と耐傷性を発現することができる。
【0095】
熱溶融性粒子の平均粒子経は、0.1〜1.0μmが好ましく、より好ましくは0.3〜0.7μmである。0.1μm未満では、機上現像性が低下し、1.0μmを超えると耐刷性が低下することがある。
【0096】
上述のように形成した熱溶融性粒子は、感熱画像形成層の30質量%以上含有さしめることが好ましい。30質量%以上添加することで、熱溶融性粒子の機能を発現することができる。
【0097】
本発明の感熱画像形成層は、上述の熱溶融性粒子以外に、機能を損なわない範囲で、公知の熱溶融性化合物粒子、熱可塑性化合物粒子、を含有することができる。
【0098】
感熱画像形成層にはさらに水溶性素材を含有することができる。水溶性素材を含有することにより、印刷機上で湿し水やインクを用いて未露光部の画像形成機能層を除去する際に、その除去性を向上させることができる。
【0099】
水溶性素材としては、親水性層に含有可能な素材として挙げた水溶性樹脂を用いることもできる。本発明の画像形成機能層で使用できる水溶性樹脂は、親水性の天然高分子及び合成高分子から選ばれる。本発明に好ましく用いられる水溶性樹脂の具体例としては、天然高分子では、アラビアガム、水溶性大豆多糖類、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ、メチルセルローズ等)、その変性体、ホワイトデキストリン、プルラン、酵素分解エーテル化デキストリン等、合成高分子では、ポリビニルアルコール(好ましくは鹸化度70モル%以上のもの)、ポリアクリル酸、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリアクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリメタクリル酸、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ビニルアルコール/アクリル酸共重合体及びそのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合体、そのアルカリ金属塩またはアミン塩等を挙げることができる。また、目的に応じて、これらを二種以上混合して用いることもできる。しかし、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0100】
感熱画像形成層中の水溶性樹脂の含有量としては、層全体の1〜50質量%が好ましく、2〜10質量%がさらに好ましい。
【0101】
〈その他の層〉
本発明においては、取り扱い性及び保管時の物性変化防止のために、支持体の画像形成機能層の反対側に少なくとも1層の裏塗り層を有することができる。裏塗り層としては、親水性結合剤を含有していることが好ましく、特に印刷版材料表面が疎水性であれば、特開2002−258469号公報の段落0033〜0038に記載されている水分散系樹脂(ポリマーラテックス)から得られたものでもよい。
【0102】
親水性結合剤としては、親水性のものなら特に限定はされないが、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する樹脂であるポリビニルアルコール(PVA)、セルロース系樹脂(メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等)、キチン類、及びデンプン;エーテル結合を有する樹脂であるポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)及びポリビニルエーテル(PVE);アミド基又はアミド結合を有する樹脂であるポリアクリルアミド(PAAM)及びポリビニルピロリドン(PVP)等を挙げることができる。又、解離性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩及びゼラチン類;スルホン基を有するポリスチレンスルホン酸塩;アミノ基、イミノ基、第3アミン及び第4級アンモニウム塩を有するポリアリルアミン(PAA)、ポリエチレンイミン(PEI)、エポキシ化ポリアミド(EPAm)、ポリビニルピリジン及びゼラチン類を挙げることができる。
【0103】
疎水性結合剤は、結合剤として疎水性のものなら特に限定されないが、例えばα、β−エチレン性不飽和化合物に由来するポリマー、例えばポリ塩化ビニル、後−塩素化ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと塩化ビニリデンのコポリマー、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、ポリ酢酸ビニル及び部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、出発材料としてポリビニルアルコールから作られ、繰り返しビニルアルコール単位の一部のみがアルデヒドと反応していることができるポリビニルアセタール、好ましくはポリビニルブチラール、アクリロニトリルとアクリルアミドのコポリマー、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン及びポリエチレン又はそれらの混合物等が挙げられる。
【0104】
本発明においては、印刷機への取り付け易さ、及び、印刷中における印刷版の位置ズレによるカラー印刷での色ズレを防止するために、裏塗り層にはマット剤を含有することが好ましい。含有するマット剤は多孔質、無孔質、有機樹脂粒子、無機微粒子を問わず用いても良く、無機マット剤としてはシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、カーボンブラック、グラファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgCO3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、MgO、SnO2、Al23、α−Fe23、α−FeOOH、SiC、CeO2、BN、SiN、MoC、BC、WC、チタンカーバイド、コランダム、人造ダイアモンド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリボリ、ケイソウ土、ドロマイト等、有機マット剤としてはポリエチレン微粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等を挙げることが出来る。また無機被服マット剤としてはたとえばPMMAやポリスチレン、メラミンといった有機粒子の芯剤を芯剤粒子よりも中継の小さな無機粒子で被覆した粒子が挙げられる。無機粒子の粒径としては芯材粒子の1/10〜1/100程度であることが好ましい。また、無機粒子としては、同様にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど公知の金属酸化物粒子を用いることができる。被覆方法としては、種々の公知の方法を用いることができるが、ハイブリダイザのような空気中で芯材粒子と被覆材粒子とを高速に衝突させて芯材粒子表面に被覆材粒子を食い込ませて固定、被覆する乾式の被覆方法を好ましく用いることができる。
【0105】
本発明においては、本発明の範囲を満たすマット剤であれば特に制限無く効果が発揮できるが、特にロール状に巻回された製品形態での場合、バックコーティング層のマット剤が、感熱画像形成層へのキズを抑制するため、有機樹脂粒子を用いるのが好ましい。
【0106】
なお、本発明おけるマット剤の平均粒径は電子顕微鏡を用い、投影面積から円相当軽を算出して求められる。
【0107】
粒径は1〜12μmが好ましく、1.5〜8μmがより好ましく、2〜7μmがさらに好ましい。粒径が12μmを超えると、感熱画像形成層へのキズが生じやすくなり、逆に1μmの粒子では、版胴上で版浮きが発生してしまう。
【0108】
マット剤の添加量としては、バックコーティング層全体の0.2〜10質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
【0109】
さらに、レーザー記録装置あるいはプロセスレス印刷機には、装置内部において印刷版の搬送を制御するためのセンサーを有しており、これらの制御を滞りなく行うために、本発明において、該構成層には、色素及び顔料を含有させることが好ましい。色素及び顔料としては、前述の光熱変換素材に用いられる赤外吸収色素及びカーボンブラック等の黒色顔料が好ましく用いられる。又、更に、該構成層には公知の界面活性剤を含有させることができる。
【0110】
〈画像形成方法〉
本発明の印刷版材料を用いた画像形成は、サーマルヘッドもしくはサーマルレーザーを用いて、上記画像形成層に熱による物理化学的変化を起こすことにより行うことができる。特に、サーマルレーザーとしての赤外線レーザーによる露光によって画像形成を行うことが好ましい。より具体的には、赤外および/または近赤外領域で発光する、すなわち700〜1500nmの波長範囲で発光するレーザーを使用した走査露光が好ましい。レーザーとしてはガスレーザーを用いてもよいが、近赤外領域で発光する半導体レーザーを使用することが特に好ましい。
【0111】
本発明の走査露光に好適な装置としては、該半導体レーザーを用いてコンピュータからの画像信号に応じて印刷版材料表面に画像を形成可能な装置であればどのような方式の装置であってもよい。
【0112】
一般的には、
(1)平板状保持機構に保持された印刷版材料に一本もしくは複数本のレーザービームを用いて2次元的な走査を行って印刷版材料全面を露光する方式、
(2)固定された円筒状の保持機構の内側に、円筒面に沿って保持された印刷版材料に、円筒内部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いて円筒の周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式、
(3)回転体としての軸を中心に回転する円筒状ドラム表面に保持された印刷版材料に、円筒外部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いてドラムの回転によって周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式があげられる。
【0113】
本発明に関しては特に(3)の走査露光方式が好ましく、特に印刷装置上で露光を行う装置においては、(3)の露光方式が用いられる。
【0114】
〈印刷方法〉
本発明に係る平版印刷版材料は、親水性層を有する支持体上に画像形成層を有する構成であり、上記の画像露光により画像形成がなされた後、特に湿式の現像処理を行うことなく印刷を行うことができる特徴を有する。即ち、本発明の印刷版材料にサーマルヘッドもしくはサーマルレーザーを用いて画像を形成した後に、平版印刷機上で湿し水または湿し水と印刷インクにより現像を行い、印刷することが好ましい態様である。
【0115】
即ち、画像露光後の印刷版材料をそのまま印刷機の版胴に取り付けるか、あるいは印刷版材料を印刷機の版胴に取り付けた後に、版胴を回転させながら水供給ローラー及び/またはインク供給ローラーを印刷版材料に接触させることで画像形成機能層の非画像部を除去することが可能である。
【0116】
印刷機上での画像形成機能層の非画像部(未露光部)の除去は、版胴を回転させながら水付けローラーやインクローラーを接触させて行うことができるが、下記に挙げる例のような、もしくは、それ以外の種々のシークエンスによって行うことができる。また、その際には、印刷時に必要な湿し水水量に対して、水量を増加させたり、減少させたりといった水量調整を行ってもよく、水量調整を多段階に分けて、もしくは、無段階に変化させて行ってもよい。
【0117】
(1)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転させ、次いで、インクローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
【0118】
(2)印刷開始のシークエンスとして、インクローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転させ、次いで、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転させ、次いで、印刷を開始する。
【0119】
(3)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーとインクローラーとを実質的に同時に接触させて版胴を1回転〜数十回転させ、次いで、印刷を開始する。
【0120】
印刷に用いられる印刷機としては、一般に公知の、湿し水及び平版印刷インクを用いる平版オフセット印刷機が使用できる。
【0121】
本発明に係る平版印刷版材料は、上記のように画像様露光した後に、平版印刷機上で湿し水または湿し水と印刷インクにより現像を行い、印刷版とした後印刷に供せられる。
【0122】
本発明に係る印刷版材料を用いた上記印刷方法においては、下において述べるように、一般的な湿し水とプロセスインクとを使用することができる。
【0123】
(湿し水)
本発明で用いる湿し水には、以下のものを複数組み合わせることが好ましい。
【0124】
(a)pH調整剤
(b)濡れ性向上のための助剤
(c)水溶性高分子化合物
(d)臭気マスキング剤
(e)防腐剤
(f)キレート化剤
(g)着色剤
(h)防錆剤
(i)消泡剤
本発明に係る湿し水は、表面張力及び粘度を調整して印刷適性を向上するためにアルコール類を添加しても良い。添加できるアルコールの例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
【0125】
本発明に係る湿し水組成物の成分として残余は、水である。湿し水組成物は、通常商業ベースとするときは濃縮化して商品化するのが一般的である。従って、水、好ましくは脱塩水、即ち、純水を使用して、上記の各種成分を溶解した水溶液として濃縮湿し水組成物を得ることができる。このような濃縮液を使用するときに、通常使用時に水道水、井戸水等で10〜200倍程度に希釈し、使用時の湿し水組成物とする。
【0126】
本発明に係る湿し水は、呼び出し給水方式、連続給水方式のいずれの湿し水の供給装置でも使用できるが、特に連続給水方式の湿し水の供給装置で用いられることが好ましい。三菱ダイヤマチックダンプナー、コモリマチック、ダールグレンダンプナーやハイデルベルグのアルカラーダンプナーといった印刷機でも使用することができる。
【0127】
〈インク〉
本発明に係る印刷で用いることができるインクは、平版印刷に使用できるインクであればいずれのインクでも良いが、具体的には、ロジン変性フェノール樹脂と植物油(アマニ油、桐油、大豆油等)、石油系溶剤、顔料、酸化重合触媒(コバルト、マンガン、鉛、鉄、亜鉛等)等の成分よりなる油性インクとアクリル系オリゴマー、アクリルモノマー、光重合開始剤、顔料等の成分よりなる放射線紫外線硬化型のインクであり、さらに、油性インクの性質とUVインクの性質を併せ持つハイブリッドインクも使用できる。
【0128】
(その他:応用)
なお、本発明の製造方法は、特開2002−107916号や特開2003−76010号公報等に記載されている、支持体上に分光増感剤、光重合開始剤、重合可能な化合物、および高分子結合剤を含有する画像形成層を設けて成る感光性平版印刷版材料においても、好ましく用いることができる。
【実施例】
【0129】
平版印刷版材料の作製
《下引き済み支持体の作製》
二軸延伸PETフィルムの表面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、下引塗布液a−1を乾燥膜厚が0.8μmとなるよう塗布し、123℃で乾燥し、下引層A−1を設けた。
【0130】
この後、下引層A−1の上表面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、下引塗布液a−2を乾燥膜厚が0.1μmとなるよう塗布し、123℃で乾燥して下引層A−2を設け、更に140℃で2分間熱処理し、下引層形成済みの基材を得た。下引き層形成済みの基材は、幅1200mm×長さ1500mに断裁し、内径6インチの紙管に巻き付け、ロール状の塗布基材とした。
【0131】
下記のような層構成となる。
【0132】
A−2(塗布液a−2)/A−1(塗布液a−1)/2軸延伸PET
各層に用いた塗布液組成を下記に示す。
【0133】
【表2】

【0134】
【表3】

【0135】
(変性水性ポリエステルL−4溶液の調整)
テレフタル酸ジメチル35.4質量部、イソフタル酸ジメチル33.63質量部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩17.92質量部、エチレングリコール62
質量部、酢酸カルシウム一水塩0.065質量部、酢酸マンガン四水塩0.022質量部を、窒素気流下において、170〜220℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.04質量部、重縮合触媒とし三酸化アンチモン0.04質量部及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸6.8質量部を加え、220〜235℃の反応温度で、ほぼ理論量の水を留去しエステル化を行った。その後、更に反応系内を約1時間かけて減圧、昇温し最終的に280℃、133Pa以下で約1時間重縮合を行い、水性ポリエステルを作製した。得られた水性ポリエステル固有粘度は0.33(100ml/g)であった。また、Mw=80,000〜100,000であった。
【0136】
次いで、撹拌翼、環流冷却管、温度計を付した2Lの3つ口フラスコに、純水850mlを入れ、撹拌翼を回転させながら、水性ポリエステルを150g徐々に添加した。室温でこのまま30分間撹拌した後、1.5時間かけて内温が98℃になるように加熱し、この温度で3時間加熱溶解した。加熱終了後、1時間かけて室温まで冷却し、一夜放置して、15質量%の水性ポリエステル溶液A−2を調製した。4つ口フラスコに撹拌翼、環流冷却管、温度計、滴下ロートを付け3Lの、前記15質量%の水性ポリエステル(A−2)溶液1900mlを入れ、撹拌翼を回転させながら、内温度を80℃まで加熱する。この中に、過酸化アンモニウムの24%水溶液を6.52ml加え、モノマー混合液(メタクリル酸グリシジル28.5g、アクリル酸エチル21.4g、メタクリル酸メチル21.4g)を30分間かけて滴下し、さらに3時間反応を続ける。その後、30℃以下まで冷却、濾過して、固形分濃度が18質量%の変性水性ポリエステルB−1溶液(ビニル系成分変性比率20質量%)を調製した。またビニル系成分変性比率5質量%にしたものを変性水性ポリエステルL−4とした。
【0137】
【化1】

【0138】
《平版印刷版材料の作製》
表4及び表5に示す塗布液を用いて、下引き済み基材の下引き面A(下引層A−1/A−2が塗設された面)の上に、ワイヤーバーコーターを設置した塗布機を用いて乾燥付量が3g/m2になるように親水性下層を塗布した。
【0139】
塗布速度は毎分40mであり、塗布後に120℃に設定した15mのドライヤーを通して加熱乾燥させた。
【0140】
【表4】

【0141】
【表5】

【0142】
ついで、表6及び表7に示す塗布液を用いて、親水性下層の上に、同様のワイヤーバーコーターを設置した塗布機を用いて乾燥付量が0.5g/m2になるように親水性層を塗布した。
【0143】
塗布速度は毎分40mであり、塗布後に120℃に設定した30mのドライヤーを通して加熱乾燥させた。塗布後の元巻は塗布後65℃で48時間の加温処理を行った。
【0144】
【表6】

【0145】
【表7】

【0146】
得られた親水層の上に表8に示す塗布液を、ワイヤーバーコータを設置した塗布機を用いて乾燥付量が0.5g/m2になるように画像形成層を塗布した。
【0147】
塗布速度は毎分50mであり、塗布後に120℃に設定した15mのドライヤーを通して加熱乾燥させた。塗布後50℃で24時間の加温処理を行い、平版印刷版を作製した。
【0148】
【表8】

【0149】
〔塗布条件の制御例〕
前記、親水性層下層、親水性層上層、画像層塗布時に以下の条件で塗布乾燥後フィルムの光学濃度分布を測定し、その情報に基づいて塗布条件を調整した。ここで長径は塗布流れ方向のサイズ、短径は塗布幅手方向のサイズで設定した。
【0150】
本発明の実施例では、1層のみのへ適用、2層への適用、全層への適用を行った。
【0151】
〈透過濃度測定条件〉
光源 :ハロゲンランプ
検出器:ラインセンサーカメラ
画素数:25000画素/1000mm(分解能40μm)
周波数:40MHz
光量 :マクベス濃度計で測定した透過濃度1.0のフィルム正常塗布部が、検出器感度領域の中央になるよう設定
データ処理装置:SCANTEC6000(長瀬産業株式会社)
〈反射濃度測定条件〉
光源 :ハロゲンランプ(リニアフレネルレンズで集光)
検出器:ラインセンサーカメラ
画素数:10000画素/1000mm(分解能100μm)
周波数:40MHz
光量 :グレタグ濃度計で測定した反射濃度1.3のフィルム正常部が、検出器感度領域の中央になるよう設定
データ処理装置:SCANTEC6000(長瀬産業株式会社)
【0152】
【表9】

【0153】
更に、画像層塗布後の、光学濃度変化を測定し、測定結果より下記(1)から(4)の光学濃度変化領域を異常部と判定した。ここで長径は塗布流れ方向のサイズ、短径は塗布幅手方向のサイズで設定した。
【0154】
(1)長径が0.3mm以上のスポット欠陥で正常部からの濃度変化が30%以上であるもの
(2)短径が0.04mm以上のスポット欠陥で正常部からの濃度変化が50%以上であるもの
(3)筋状の欠陥で、正常部からの濃度変化が10%以上であるもの
(4)連続的に正常部から10%以上基準濃度が変化したもの
異常部の位置情報は、元巻単位で展開図上に可視化したものを作製し、その情報に基づいて製品加工を行った。
【0155】
〔製品加工〕
塗布元巻(1200mm×1500m)から、360mm幅×32mの製品ロールを断裁加工した。断裁加工は、異常部情報に基づき断裁位置と切除領域を設定して製品加工を行った。
【0156】
〔評価〕
(1)良品収率:塗布元巻を10本製造し、1塗布元巻から確保できる最大製品数138本に対する良品ロールの比率の平均値を求めた。
【0157】
(2)性能評価:画像形成は、半導体レーザー光源を搭載したプレートセッター(SS−830:コニカミノルタエムジー(株)製)を使用し、175線相当の各種網点画像を露光した。露光した印刷版を印三菱重工工業(株)製DAIYAF−1印刷機に取り付け、ミューコート紙に湿し水としてアストロマーク3(日研化学研究所社製)2質量%、及びインクとしてトーヨーTK ハイユニティーM紅(東洋インキ社製)を用いて、印刷を行った。印刷開始時のシークエンスはPS版と同様に行い、特に機上現像処理の操作は行わなかった。1塗布元巻から作製した製品ロールから10本を任意に抽出し以下の性能評価項目について評価を行った。
【0158】
機上現像性:刷り出し時、印刷紙面全体にわたり、良好なS/N比(非画像部に地汚れが無く、すなわち、画像形成層の非画像部が印刷機上で除去され、かつ、画像部の濃度が適正範囲となっている)を有した印刷物が得られるまでの平均印刷枚数を評価した。損紙の枚数が少ないほど優れている。10枚以上では実用上問題がある。
【0159】
面内均一性:印刷版全面に175線相当50%の網点画像を露光印刷し、centurfax社製の網点面積測定器ccDOT Marsを用いて紙面内の網点面積(面内均等に100点)を測定し、最大値と最小値の差を求めた。面内で3%以上の不均一性があると実用上問題である。
【0160】
感度変動:175線50%の網点画像を、エネルギー量を変化させて露光し、版面上で50%の画像が形成される露光エネルギーを感度として評価した。塗布元巻10本からサンプリングした製品ロールについて評価し、それらの最大値と最小値の差を感度変動幅とした。
【0161】
耐刷性変動:175線2%の網点が、印刷紙面上で10%以上欠落するまでの印刷枚数を評価した。塗布元巻10本からサンプリングした製品ロールについて評価し、それらの最大値と最小値の差を耐刷性変動幅とした。
【0162】
比較例
(1)塗布時の光学濃度分布の検出を、透過光のみ、及び反射光のみで行い塗布条件を制御した。画像層塗布後の異常部検出は実施例と同様に実施した。
【0163】
(2)塗布条件の制御をせずに製品を製造した。画像層塗布後の異常部検出は実施例と同様に実施した。評価結果を表10に示す。
【0164】
【表10】

【0165】
本発明の実施例で示したとおり、連続した透明のプラスチックフィルム上に親水性層及び画像形成層を積層塗布してなる平版印刷版材料の製造方法において、塗布工程中に塗布済フィルムの透過光及び反射光に対する光学濃度分布を測定し、該測定情報に基づき塗布条件を制御することにより、画像均一性、機上現像性に優れ、感度、耐刷性の安定した平版印刷版材料を、高収率で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】光学濃度分布測定装置の配置例概念図である。
【符号の説明】
【0167】
1 透過光検出器(カメラ)
2 反射光検出器(カメラ)
3 ロータリーエンコーダー
4 モニター
5 ホーン付回転灯
6 データ処理部
7 ラベラー
8 反射光源
9 透過光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続した透明のプラスチックフィルム上に親水性層及び画像形成層を積層塗布してなる平版印刷版材料の製造方法において、塗布工程中に塗布済フィルムの透過光及び反射光に対する光学濃度分布を測定し、該測定した情報に基づき塗布条件を制御することを特徴とする平版印刷版材料の製造方法。
【請求項2】
前記測定情報が、連続的な光学濃度分布とスポット的な光学濃度分布を含むことを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版材料の製造方法。
【請求項3】
平版印刷版材料が、親水性層又は画像形成層に光熱変換剤を含有する感熱画像形成する版であり、光学濃度分布の測定を該光熱変換剤の吸収域を含む光波長領域で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の平版印刷版材料の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の平版印刷版材料の製造方法により得られた平版印刷版材料が、サーマルヘッドまたはサーマルレーザーを用いて画像を形成した後、平版印刷機上で湿し水または湿し水と印刷インキにより現像を行い、印刷するものであることを特徴とする平版印刷版材料。

【図1】
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【公開番号】特開2007−83470(P2007−83470A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−273183(P2005−273183)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】