説明

平行板ばねの固定構造、平行板ばねユニット、マイケルソン干渉計、およびフーリエ変換分光分析装置

【課題】平行板ばねの一端側がより高い精度で平行な姿勢を維持しつつ振動可能な平行板ばねの固定構造を得る。
【解決手段】平行板ばねの固定構造は、平板61,62、移動部63および基台部64を含む平行板ばね60と、位置S1,S2から基台部64を挟持し、基台部64に付与する所定の保持力によって平行板ばね60の他端60B側を固定する固定部50,70とを備え、平行板ばね60の共振状態において、平行板ばね60の他端側60Bにおける一次の自由振動モードの節N1は基台部64の内部に位置し、固定部50,70に固定された平行板ばね60が共振することにより、基台部64には回転モーメントRA,RBが発生し、固定部50,70は、回転モーメントRA,RBを含む仮想平面XY内において上記保持力が作用するように基台部64に上記保持力を付与し、位置S1,S2は節N1を中心とする点対称の位置関係にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平行板ばねの固定構造、その平行板ばねの固定構造から構成される平行板ばねユニット、その平行板ばねユニットを供えるマイケルソン干渉計、および、そのマイケルソン干渉計を備えるフーリエ変換分光分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平10−223430号公報(特許文献1)および特開平02−307037号公報(特許文献2)に開示されるように、平行板ばねが知られる。平行板ばねは、一端が振動の自由端を構成し、他端が振動の固定端を構成する。平行板ばねの他端(固定端)が固定された状態で、平行板ばねの一端側が、平行な姿勢を維持しつつ振動(往復移動)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−223430号公報
【特許文献2】特開平02−307037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
平行板ばねが、マイケルソン干渉計などに用いられる場合には、平行板ばねの一端側に移動鏡が設けられる。平行板ばねの一端側は、移動鏡とともに、数mm〜数cmの振幅で、1秒間に数十回往復移動される。このように移動鏡が高速で移動すると、平行板ばねの他端側にもその反動による振動が発生する。結果として、平行板ばねの一端側が平行移動する際、平行板ばねの一端側は平行な姿勢を高い精度で維持することが困難となる。その対策として移動鏡の軽量化を図ることも考えられるが、軽量化にも限界がある。
【0005】
本発明は、平行板ばねの一端側が、より高い精度で平行な姿勢を維持しつつ振動することができる平行板ばねの固定構造、その平行板ばねの固定構造から構成される平行板ばねユニット、その平行板ばねユニットを備えるマイケルソン干渉計、および、そのマイケルソン干渉計を備えるフーリエ変換分光分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づく平行板ばねの固定構造は、互いに対向する2枚の平板、上記平板の一端側に設けられた移動部、および、上記平板の他端側に設けられた基台部を含み、一端側が上記移動部とともに上記平板の厚さ方向に往復移動可能な平行板ばねと、第1位置および第2位置から上記基台部を挟持するように設けられ、上記基台部に対して付与する所定の保持力によって上記平行板ばねの他端側を固定する固定部と、を備え、上記平行板ばねが共振している状態において、上記平行板ばねの上記他端側における一次の自由振動モードの節は、上記基台部の内部に位置し、上記固定部に固定された上記平行板ばねの上記一端が共振することによって、上記基台部には所定の回転モーメントが繰り返し発生し、上記基台部を挟持する上記固定部は、上記回転モーメントを含む仮想平面内において上記保持力が作用するように、上記基台部に対して上記保持力を付与し、上記第1位置および上記第2位置は、上記節を中心とする点対称の位置関係にある。
【0007】
好ましくは、上記固定部は、上記第1位置および上記第2位置を含む複数の位置から上記基台部に対して上記保持力を付与し、上記複数の位置は、上記節を中心とする点対称の位置関係にある。
【0008】
好ましくは、上記基台部は、上記平板の上記他端側よりも幅広に構成され、上記基台部は、上記平板の上記他端側の間に挟みこまれるように配置され、上記固定部は、上記平板の上記他端側から上記基台部が幅方向にはみ出した部分に対して、上記保持力を付与する。
【0009】
好ましくは、上記固定部を構成する部材の一部または全部は、対数減衰率が0.1以上である。
【0010】
本発明に基づく平行板ばねユニットは、本発明に基づく上記の平行板ばねの固定構造を備える。
【0011】
好ましくは、本発明に基づく平行板ばねユニットは、上記固定部が取り付けられる筐体をさらに備え、上記筐体を構成する部材の一部または全部は、対数減衰率が0.1以上である。
【0012】
本発明に基づくマイケルソン干渉計は、本発明に基づく上記の平行板ばねユニットと、上記平行板ばねの上記一端側の外表面に露出するように設けられた移動鏡と、固定鏡と、光源と、上記光源が出射した光を上記固定鏡に向かう光と上記移動鏡に向かう光とに分割するとともに、上記固定鏡および上記移動鏡の各々に反射した光を合成し干渉光として出射するビームスプリッタと、上記干渉光を検出する検出器と、を備える。
【0013】
本発明に基づくフーリエ変換分光分析装置は、本発明に基づく上記のマイケルソン干渉計と、上記検出器が検出した上記干渉光のスペクトルを算出する演算部と、上記演算部によって得られた上記スペクトルを出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、平行板ばねの一端側が、より高い精度で平行な姿勢を維持しつつ振動することができる平行板ばねの固定構造、その平行板ばねの固定構造から構成される平行板ばねユニット、その平行板ばねユニットを備えるマイケルソン干渉計、および、そのマイケルソン干渉計を備えるフーリエ変換分光分析装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態におけるフーリエ変換分光分析装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】実施の形態における平行板ばねの固定構造を備える平行板ばねユニットの分解した状態を示す斜視図である。
【図3】実施の形態における平行板ばねの固定構造を備える平行板ばねユニットの組み立てられた状態を示す斜視図である。
【図4】図3中のIV−IV線に沿った矢視断面図である。
【図5】実施の形態における平行板ばねの固定構造によって固定された平行板ばねが振動する様子を示す断面図である。
【図6】実施の形態における平行板ばねの固定構造によって固定された平行板ばねの両端を自由端とした状態を示す断面図である。
【図7】実施の形態における平行板ばねの固定構造によって固定された平行板ばねの両端を自由端とし、その平行ばねが共振周波数で振動するように駆動された様子を示す断面図である。
【図8】実施の形態における平行板ばねの固定構造をモデル化して示す断面図である。
【図9】実施の形態の第1変形例における平行板ばねの固定構造をモデル化して示す断面図である。
【図10】実施の形態の第2変形例における平行板ばねの固定構造をモデル化して示す断面図である。
【図11】実施の形態の第3変形例における平行板ばねの固定構造をモデル化して示す断面図である。
【図12】実施の形態の第4変形例における平行板ばねの固定構造をモデル化して示す断面図である。
【図13】実施の形態の第4変形例における平行板ばねの固定構造が筐体に固定された状態を模式的に示す断面図である。
【図14】実施の形態の第4変形例における平行板ばねの固定構造が筐体に固定された状態の他の例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に基づいた実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0017】
[実施の形態]
(フーリエ変換分光分析装置100・マイケルソン干渉計10)
図1を参照して、実施の形態におけるフーリエ変換分光分析装置100について説明する。図1は、フーリエ変換分光分析装置100の構成を模式的に示す図である。フーリエ変換分光分析装置100は、マイケルソン干渉計10、演算部20、および出力部30を備える。マイケルソン干渉計10は、分光光学系11、参照光学系21、光路補正装置28、および平行板ばねユニット40を含む。詳細は後述されるが、平行板ばねユニット40は平行板ばね60を有する。
【0018】
(分光光学系11)
分光光学系11は、光源12、コリメート光学系13、ビームスプリッタ14、固定鏡15、移動鏡16、集光光学系17、検出器18、および平行板ばね60から構成される。
【0019】
光源12は、半導体レーザ等の発光素子から構成され、赤外光等の光を出射する。光源12が出射した光は、参照光学系21(詳細は後述する)における光路合成鏡23に導入され、参照光源22(詳細は後述する)が出射した光と合成される。合成された光は光路合成鏡23から出射され、コリメート光学系13によって平行光に変換された後、ビームスプリッタ14に導入される。ビームスプリッタ14はハーフミラー等から構成される。ビームスプリッタ14に導入された光(入射光)は2光束に分割される。
【0020】
分割された光の一方は固定鏡15に照射される。固定鏡15に反射した光(反射光)は、反射前と略同一の光路を通ってビームスプリッタ14に再び照射される。分割された光の他方は移動鏡16に照射される。移動鏡16に反射した光(反射光)は、反射前と略同一の光路を通ってビームスプリッタ14に再び照射される。固定鏡15からの反射光および移動鏡16からの反射光は、ビームスプリッタ14によって合成される(重ね合わせられる)。
【0021】
ここで、分割された光の他方が移動鏡16に反射する際、移動鏡16は、平行板ばね60によって平行を維持した状態で矢印AR方向に往復移動している(詳細は後述する)。移動鏡16の往復移動によって、固定鏡15からの反射光と移動鏡16からの反射光との間には、光路長の差が生じる。固定鏡15からの反射光と移動鏡16からの反射光とは、ビームスプリッタ14に合成されることによって干渉光を形成する。
【0022】
移動鏡16の位置に応じて光路長の差は連続的に変化する。光路長の差に応じて干渉光としての光の強度も連続的に変化する。光路長の差が、たとえば、コリメート光学系13からビームスプリッタ14に照射される光の波長の整数倍のとき、干渉光としての光の強度は最大となる。
【0023】
干渉光を形成した光は試料Sに照射される。試料Sを透過した光は集光光学系17に集光される。集光された光は、参照光学系21(詳細は後述する)における光路分離鏡24に導入される。検出器18は、光路分離鏡24から出射された光を、干渉パターン(インターフェログラム)として検出する。この干渉パターンは、CPU(Central Processing Unit)等を含む演算部20に送られる。演算部20は、収集(サンプリング)した干渉パターンをアナログ形式からデジタル形式に変換し、変換後のデータをさらにフーリエ変換する。
【0024】
フーリエ変換によって、試料Sを透過した光(干渉光)の波数(=1/波長)毎の光の強度を示すスペクトル分布が算出される。フーリエ変換後のデータは、出力部30を通して他の機器に出力されたりディスプレイ等に表示されたりする。このスペクトル分布に基づいて、試料Sの特性(たとえば、材料、構造、または成分量)が分析される。
【0025】
(参照光学系21)
参照光学系21は、コリメート光学系13、ビームスプリッタ14、固定鏡15、移動鏡16、集光光学系17、参照光源22、光路合成鏡23、光路分離鏡24、参照検出器25、および信号処理部26から構成される。コリメート光学系13、ビームスプリッタ14、固定鏡15、移動鏡16、および集光光学系17は、分光光学系11および参照光学系21の双方の構成として共通している。
【0026】
参照光源22は、半導体レーザ等の発光素子から構成され、赤色光等の光を出射する。上述のとおり、参照光源22が出射した光は光路合成鏡23に導入される。光路合成鏡23はハーフミラー等から構成される。光源12からの光は光路合成鏡23を透過する。参照光源22からの光は光路合成鏡23に反射される。
【0027】
光源12からの光および参照光源22からの光は、光路合成鏡23によって合成された状態で、光路合成鏡23から同一光路上に出射される。光路合成鏡23から出射された光は、コリメート光学系13によって平行光に変換された後、ビームスプリッタ14に導入されて2光束に分割される。
【0028】
上述のとおり、分割された光の一方は固定鏡15に照射され、反射光としてビームスプリッタ14に再び照射される。分割された光の他方は移動鏡16に照射され、反射光としてビームスプリッタ14に再び照射される。固定鏡15からの反射光と移動鏡16からの反射光とは、ビームスプリッタ14に合成されることによって干渉光を形成する。
【0029】
上述のとおり、干渉光を形成した光は試料Sに照射される。試料Sを透過した光は集光光学系17に集光される。集光された光は、参照光学系21における光路分離鏡24に導入される。光路分離鏡24はハーフミラー等から構成され、光路分離鏡24に導入された光(入射光)は2光束に分割される。
【0030】
光源12から出射され、光路合成鏡23、コリメート光学系13、ビームスプリッタ14、固定鏡15、移動鏡16、試料S、および集光光学系17を通して光路分離鏡24に導入された光は、光路分離鏡24を透過する。上述のとおり、光路分離鏡24を透過したこの光(干渉光)は、検出器18によって検出される。
【0031】
一方、参照光源22から出射され、光路合成鏡23、コリメート光学系13、ビームスプリッタ14、固定鏡15、移動鏡16、試料S、および集光光学系17を通して光路分離鏡24に導入された光は、光路分離鏡24に反射される。光路分離鏡24からの反射光(干渉光)は、4分割センサ等から構成される参照検出器25によって干渉パターンとして検出される。
【0032】
参照検出器25によって検出される干渉光の干渉パターンは、CPU等を含む信号処理部26に送られる。信号処理部26は、収集した干渉パターンに基づいて光路分離鏡24からの反射光の強度分布を算出する。信号処理部26は、光路分離鏡24からの反射光の強度分布に基づいて、演算部20におけるサンプリングのタイミングを示す信号を生成することができる。演算部20におけるサンプリングのタイミングを示す信号は、公知の手段によって生成されることができる。
【0033】
信号処理部26は、光路分離鏡24からの反射光の強度分布に基づいて、2光路間における光の傾き(固定鏡15からの反射光と移動鏡16からの反射光との相対的な傾き)を算出することもできる。
【0034】
(光路補正装置28)
光路補正装置28は、信号処理部26における検出結果(固定鏡15からの反射光と移動鏡16からの反射光との相対的な傾き)に基づいて、固定鏡15の姿勢(ビームスプリッタ14に対する角度)を調整する。当該調整によって、固定鏡15における反射光の光路が補正され、2光路間での光の傾きを無くす(若しくは減少させる)ことが可能となる。光路補正装置28がマイケルソン干渉計10内に設けられていることによって、干渉光をより精度の高く生成することが可能となる。
【0035】
(平行板ばねユニット40・平行板ばね60)
図2〜図4を参照して、平行板ばね60について説明する。図2は、平行板ばねユニット40(詳細は後述する)の分解した状態を示す斜視図である。平行板ばねユニット40は、平行板ばね60および平行板ばね60の固定構造(詳細は後述する)を備える。図3は、平行板ばねユニット40の組み立てられた状態を示す斜視図である。図4は、図3中のIV−IV線に沿った矢視断面図(端面図)である。
【0036】
図2に示すように、平行板ばね60は、平板61、平板62、移動部63、および基台部64を含む。平行板ばね60は、平行板ばね60の幅方向(矢印Z方向)に沿って左右対称に構成される。平板61および平板62は、略同一の形状を有し、平面視長方形の平板状に構成される。各平板61,62の材質は、シリコン等である。各平板61,62は、同一方向(矢印X方向)に延在するとともに、各平板61,62の厚さ方向(矢印Y方向)に間隔を空けて互いに対向するように配置される。
【0037】
移動部63は、略直方体状に構成され、その材質はたとえばガラスである。幅方向(矢印Z方向)において、移動部63の幅と平板61,62の幅とは略同一に構成される。移動部63は、平板61の一端61A側の裏面と平板62の他端61B側の表面とによって挟まれる。平板61および移動部63は、陽極接合によって互いに接合される。平板62および移動部63も、陽極接合によって互いに接合される。移動部63によって、平板61の一端61Aと平板62の一端62Aとが接続される。
【0038】
基台部64は、略直方体状に構成され、その材質はたとえばガラスである。幅方向(矢印Z方向)において、基台部64の幅は、平板61,62の幅よりも大きい。基台部64は、平板61の他端61B側の裏面と平板62の他端62B(図4参照)側の表面とによって挟まれる。平板61および基台部64は、陽極接合によって互いに接合される。平板62および基台部64も、陽極接合によって互いに接合される。平板61,62に対して、基台部64は幅方向(矢印Z方向)の両外側にそれぞれはみ出す。はみ出した部分において、基台部64の表面64Aと、基台部64の裏面64Bとがそれぞれ露出する。
【0039】
平板61の一端61A、平板62の一端62A、および移動部63は、平行板ばね60の一端60A側に位置する。平行板ばね60がマイケルソン干渉計10(図1参照)に用いられる場合、平行板ばね60の一端60Aの表面(平板61の表面61S)に、移動鏡16が取り付けられる。平板61と平板62との間に、ボイスコイルモータ80(VCM:Voice Coil Motor)が設けられる(矢印AR80参照)。移動部63の基台部64側の端面には、磁性体89(図4参照)が設けられる。
【0040】
平板61の他端61B、平板62の他端62B、および基台部64は、平行板ばね60の他端60Bに位置する。平行板ばね60の他端60Bは、次述する固定部50および固定部70によって固定(拘束)される。
【0041】
(固定部50)
固定部50は、固定用平板51〜54とボルト51B〜54Bとを含む。固定用平板51〜54は、先端側に押圧部51A〜54Dをそれぞれ有する。固定用平板51〜54の後端側には、開口部51H〜54Hがそれぞれ設けられる。開口部51H〜54Hに、ボルト51B〜54Bがそれぞれ挿通される。固定用平板51〜54およびまたはボルト51B〜54Bは、対数減衰率が0.1以上の部材から構成されるとよい。
【0042】
(固定部70)
固定部70は、平行板ばね60の幅方向(矢印Z方向)に沿って左右対称に構成される。固定部70も、対数減衰率が0.1以上の部材から構成されるとよい。固定部70は、底部77と、底部77の一端側に立設された側壁79Aと、底部77の他端側に立設された側壁79Bとを含む。固定部70の中央は、底部77に対して垂直な方向に開口している。当該開口によって形成された空間内に、平行板ばね60が配置される(図3参照)。側壁79Aの中央には、切り欠き79Cが設けられる。切り欠き79Cによって形成された空間内に、平行板ばね60の一端60Aが配置される(図3参照)。
【0043】
側壁79Bは、平面視略U字形状に構成される。側壁79Bには、ネジ孔71〜74が設けられる。ネジ孔71〜74には、固定部50におけるボルト51B〜54Bがそれぞれ螺合する。側壁79Aと側壁79Bとの間には、凹部75,76が設けられる。底部77の表面の側壁79B側には、載置部78が、上げ底状に設けられる。載置部78上には、円柱状の固定用突起81〜84が設けられる。固定用突起81〜84の位置は、固定部50における固定用平板51〜54の押圧部51A〜54Aの位置に対応している(押圧部51A〜54Aに対して正面から対向するように配置されている)。
【0044】
図3に示すように、平行板ばねユニット40が組み立てられた状態では、ボイスコイルモータ80が、平板61および平板62の間に配置される。平行板ばね60およびボイスコイルモータ80は、固定部70内の開口内に収容される。
【0045】
ボイスコイルモータ80の端部86は、固定部70の凹部76(図2参照)上に載置される。ボイスコイルモータ80の端部85は、固定部70の凹部75上に載置される。
【0046】
図2を再び参照して、平板61,62から幅方向(矢印Z方向)の両外側にはみ出した基台部64の裏面64Bは、固定用突起81〜84上に橋渡し状に載置される。固定用平板51〜54は、平板61,62から幅方向(矢印Z方向)の外側にはみ出した基台部64の表面64A上に載置される(矢印DR51〜DR54参照)。
【0047】
ボルト51B〜54Bは、固定用平板51〜54の開口部51H〜54Hに嵌め込まれ、ネジ孔71〜74にそれぞれ締結される(矢印AR51〜AR54参照)。ボルト51B〜54Bの締結によって、平行板ばね60における基台部64が、固定用平板51〜54と固定用突起81〜84とに挟持される。基台部64が固定用平板51〜54と固定用突起81〜84とから所定の保持力を受けることによって、平行板ばね60の他端60B側は、固定部50および固定部70に対して強固に固定(拘束)される。
【0048】
(平行板ばね60の動作)
図4を参照して、ボイスコイルモータ80に所定の電圧が印加される。磁性体89は、ボイスコイルモータ80から発生する磁界によって、平板61,62の厚さ方向(矢印Y方向)に変位する力を受ける。
【0049】
ボイスコイルモータ80に交流電圧が印加された場合、ある時点においては、磁性体89は図4紙面上方向の力を受け、他の時点においては、磁性体89は図4紙面下方向の力を受ける。ボイスコイルモータ80に交流電圧が印加されることによって、これらの力は磁性体89に対して交互に作用する。
【0050】
図5に示すように、ボイスコイルモータ80からの力を受けて、磁性体89は、平板61,62の厚さ方向(矢印AR方向)に往復移動(振動)する。磁性体89とともに、移動部63も平板61,62の厚さ方向(矢印AR方向)に往復移動(振動)する。
【0051】
平行板ばね60の一端60A側は、自由端として振動する。平板61の表面61Sの一端61A側に設けられた移動鏡16は、平行な姿勢を維持しつつ矢印AR方向に振動(往復移動)する。移動鏡16の往復移動によって、マイケルソン干渉計10(図1参照)は干渉光を生成することが可能となる。
【0052】
(一次の自由振動モードの節N1,N2)
ここで、平行板ばね60の一端60Aが共振している状態において(換言すると、平行板ばね60がその共振周波数で振動するようにボイスコイルモータ80によって駆動されている状態において)、平行板ばね60の他端60B側における一次の自由振動モードの節N1は、基台部64の内部に位置している。平行板ばね60の一次の自由振動モードの節N1の位置は、次のように定義される。
【0053】
図6を参照して、平行板ばね60が、固定部50(図3参照)および固定部70(図3参照)などの他の機器から独立した状態で構成されると仮定する。この場合、平行板ばね60から構成される仮想振動モデルの両端が、自由端を構成する。このような平行板ばね60の仮想振動モデルに対し、上記のボイスコイルモータ80(図示せず)による駆動と同様に、平行板ばね60を駆動させたとする。
【0054】
図7に示すように、仮想振動モデルにおける平行板ばね60が共振している際のある時点においては、平行板ばね60の一端60A側(移動部63)は、一次の自由振動モードの節N2を中心として矢印R2方向に所定の角度だけ回転する。平行板ばね60の一端60A側(移動部63)には、一次の自由振動モードの節N2を中心として、矢印R2方向に回転モーメントが発生している。
【0055】
同様に、平行板ばね60の他端60B側(基台部64)は、一次の自由振動モードの節N1を中心として矢印R1方向に所定の角度だけ回転する。平行板ばね60の他端60B側(基台部64)には、一次の自由振動モードの節N1を中心として、矢印R1方向に回転モーメントが発生している。
【0056】
一方、仮想振動モデルにおける平行板ばね60が共振している際の他の時点においては、平行板ばね60の一端60A側(移動部63)は、一次の自由振動モードの節N2を中心として矢印R2とは反対の方向に所定の角度だけ回転する。平行板ばね60の一端60A側(移動部63)には、一次の自由振動モードの節N2を中心として、矢印R2とは反対の方向に回転モーメントが発生している。
【0057】
同様に、平行板ばね60の他端60B側(基台部64)は、一次の自由振動モードの節N1を中心として矢印R1とは反対の方向に所定の角度だけ回転する。平行板ばね60の他端60B側(基台部64)には、一次の自由振動モードの節N1を中心として、矢印R1とは反対の方向に回転モーメントが発生している。
【0058】
仮想振動モデルにおける平行板ばね60が共振している際には、平行板ばね60はこのような動作を繰り返す。平行板ばね60がこのような動作を繰り返す際において、一次の自由振動モードの節N1,N2の位置は変化しない。一次の自由振動モードの節N1,N2は、平行板ばね60が上記のような動作を繰り返す際における、いわゆる回転中心を形成する。一次の自由振動モードの節N1,N2は、平行板ばね60を構成する部材の重量、剛性、および形状などから得られる平行板ばね60の固有の値である。
【0059】
図5を再び参照して、本実施の形態における平行板ばね60の固定構造では、上記のように定義される一次の自由振動モードの節N1,N2のうち、平行板ばね60の他端60B側(固定端側)における一次の自由振動モードの節N1が、基台部64の内部に位置している。
【0060】
固定部50,70に固定された平行板ばね60の一端60A側が共振することによって、基台部64には所定の回転モーメントRAが繰り返し発生する。回転モーメントRAは、平行板ばね60の長手方向(矢印X方向)および平行板ばね60の振動方向(矢印Y方向)にそれぞれ直交する(平行板ばね60の幅方向である)Z軸周りに発生する。回転モーメントRAは、X軸およびY軸によって形成される仮想平面XY内に含まれる。
【0061】
本実施の形態における平行板ばね60の固定構造では、固定部50(固定用平板51〜54)および固定部70(固定用突起81〜84)から基台部64に対して付与される保持力は、回転モーメントRAを含む仮想平面XY内において作用する。以下、図8を参照して、これをモデル化して説明する。
【0062】
図8に示すように、本実施の形態における平行板ばね60の固定構造においては、基台部64が、固定用平板51〜54および固定用突起81〜84のそれぞれから所定の保持力を受けている。
【0063】
基台部64に回転モーメントRAが作用している際には、固定用平板53,54は、第1位置S1において、基台部64に対して矢印F1A方向の保持力を付与する。矢印F1Aは仮想平面XY内に位置する。矢印F1A方向の保持力は、回転モーメントRAを含む仮想平面XY内において作用している。
【0064】
基台部64に回転モーメントRAが作用している際には、固定用突起81,82は、第2位置S2において、基台部64に対して矢印F2A方向の保持力を付与する。矢印F2Aは仮想平面XY内に位置する。矢印F2A方向の保持力は、回転モーメントRAを含む仮想平面XY内において作用している。
【0065】
基台部64に回転モーメントRAが作用している際には、固定用平板51,52は、第3位置S3において、基台部64に対して矢印F3A方向の保持力を付与する。矢印F3Aは仮想平面XY内に位置する。矢印F3A方向の保持力は、回転モーメントRAを含む仮想平面XY内において作用する。
【0066】
基台部64に回転モーメントRAが作用している際には、固定用突起83,84は、第4位置S4において、基台部64に対して矢印F4A方向の保持力を付与する。矢印F4Aは仮想平面XY内に位置する。矢印F4A方向の保持力は、回転モーメントRAを含む仮想平面XY内において作用する。
【0067】
すなわち、本実施の形態における平行板ばね60の固定構造では、固定部50(固定用平板51〜54)および固定部70(固定用突起81〜84)から基台部64に対して付与される保持力(矢印F1A方向〜矢印F4A方向の力)は、回転モーメントRAを含む仮想平面XY内において作用する。当該構成によって、基台部64に発生する回転モーメントRAに対して、固定部50,70による保持力(矢印F1A方向〜矢印F4A方向の力)は効率良く対抗することができる。
【0068】
一方で、基台部64に対し、回転モーメントRAとは反対方向の回転モーメントRBが作用しているとする。この場合も、本実施の形態における平行板ばね60の固定構造においては、基台部64が、固定用平板51〜54および固定用突起81〜84のそれぞれから所定の保持力を受けている。
【0069】
基台部64に回転モーメントRBが作用している際には、固定用平板53,54は、第1位置S1において、基台部64に対して矢印F1B方向の保持力を付与する。矢印F1Bは仮想平面XY内に位置する。矢印F1B方向の保持力は、回転モーメントRBを含む仮想平面XY内において作用している。
【0070】
基台部64に回転モーメントRBが作用している際には、固定用突起81,82は、第2位置S2において、基台部64に対して矢印F2B方向の保持力を付与する。矢印F2Bは仮想平面XY内に位置する。矢印F2B方向の保持力は、回転モーメントRBを含む仮想平面XY内において作用している。
【0071】
基台部64に回転モーメントRBが作用している際には、固定用平板51,52は、第3位置S3において、基台部64に対して矢印F3B方向の保持力を付与する。矢印F3Bは仮想平面XY内に位置する。矢印F3B方向の保持力は、回転モーメントRBを含む仮想平面XY内において作用する。
【0072】
基台部64に回転モーメントRBが作用している際には、固定用突起83,84は、第4位置S4において、基台部64に対して矢印F4B方向の保持力を付与する。矢印F4Bは仮想平面XY内に位置する。矢印F4B方向の保持力は、回転モーメントRBを含む仮想平面XY内において作用する。
【0073】
すなわち、本実施の形態における平行板ばね60の固定構造では、固定部50(固定用平板51〜54)および固定部70(固定用突起81〜84)から基台部64に対して付与される保持力(矢印F1B方向〜矢印F4B方向の力)は、回転モーメントRBを含む仮想平面XY内において作用する。当該構成によって、基台部64に発生する回転モーメントRBに対して、固定部50,70による保持力(矢印F1B方向〜矢印F4B方向の力)は効率良く対抗することができる。
【0074】
そして、本実施の形態における平行板ばね60の固定構造においては、固定用平板53,54が基台部64に対して保持力を付与する第1位置S1、および、固定用突起81,82が基台部64に対して保持力を付与する第2位置S2は、一次の自由振動モードの節N1を中心とする点対称の位置関係にある。
【0075】
固定用平板51,52が基台部64に対して保持力を付与する第3位置S3、および、固定用突起83,84が基台部64に対して保持力を付与する第4位置S4も、一次の自由振動モードの節N1を中心とする点対称の位置関係にある。
【0076】
平行板ばね60が固定部50,70に対して上記のような構成で固定されることによって、基台部64に発生する回転モーメントRA,RBに対して、固定部50,70による保持力(矢印F1A方向〜矢印F4A方向の力および矢印F1B方向〜矢印F4B方向の力)は、効率良く対抗することができる。平行板ばね60の一端60A側は、より高い精度で平行な姿勢を維持しつつ振動することが可能となる。
【0077】
[第1変形例]
上述の実施の形態の平行板ばね60の固定構造においては、基台部64が、固定用平板51〜54および固定用突起81〜84によって固定(拘束)される(図8参照)。
【0078】
図9を参照して、固定用平板53,54および固定用突起81,82によって基台部64が十分に固定(拘束)される場合には、上述の実施の形態における固定用平板51,52(図8参照)および固定用突起83,84(図8参照)は設けられなくてもよい。
【0079】
上述の実施の形態と同様に、固定用平板53,54および固定用突起81,82は、第1位置S1および第2位置S2から基台部64に対して所定の保持力をそれぞれ付与する。当該構成によっても、平行板ばね60の一端60A側は、より高い精度で平行な姿勢を維持しつつ振動することが可能となる。
【0080】
[第2変形例]
上述の実施の形態の平行板ばね60の固定構造においては、基台部64が固定用平板51〜54および固定用突起81〜84に挟持される方向は、平板61,62の厚さ方向(平行板ばね60の振動方向、矢印Y方向)である。
【0081】
図10を参照して、基台部64が固定用平板51〜54および固定用突起81〜84に挟持される方向は、平行板ばね60の長手方向(平板61,62の厚さ方向および平板61,62の幅方向に対して直交する方向、矢印X方向)であってもよい。
【0082】
上述の実施の形態と同様に、固定用平板51〜54および固定用突起81〜84は、第1位置S1〜第4位置S4から基台部64に対して所定の保持力をそれぞれ付与する。当該構成によっても、平行板ばね60の一端60A側は、より高い精度で平行な姿勢を維持しつつ振動することが可能となる。
【0083】
[第3変形例]
上述の実施の形態の第2変形例の平行板ばね60の固定構造においては、基台部64が、固定用平板51〜54および固定用突起81〜84によって固定(拘束)される(図10参照)。
【0084】
図11を参照して、固定用平板53,54および固定用突起81,82によって基台部64が十分に固定(拘束)される場合には、上述の実施の形態の第2変形例における固定用平板51,52(図10参照)および固定用突起83,84(図10参照)は設けられなくてもよい。
【0085】
上述の実施の形態の第2変形例と同様に、固定用平板53,54および固定用突起81,82は、第1位置S1および第2位置S2から基台部64に対して所定の保持力をそれぞれ付与する。当該構成によっても、平行板ばね60の一端60A側は、より高い精度で平行な姿勢を維持しつつ振動することが可能となる。
【0086】
[第4変形例]
図12を参照して、平行板ばね60の固定構造としては、平行板ばね60が固定部500に固定されていてもよい。固定部500も、基台部64を強固に固定(拘束)するために、基台部64に対して所定の保持力を付与する。
【0087】
固定部500による保持力は、保持力付与部500A,500B,800A,800Bを含む。保持力付与部500Bは、第1位置S1から基台部64に対して保持力を付与する。保持力付与部500Bは、上述の実施の形態における固定用平板53,54(図8参照)に相当している。保持力付与部800Aは、第2位置S2から基台部64に対して保持力を付与する。保持力付与部800Aは、上述の実施の形態における固定用突起81,82に相当している。
【0088】
保持力付与部500Aは、第3位置S3から基台部64に対して保持力を付与する。保持力付与部500Aは、上述の実施の形態における固定用平板51,52(図8参照)に相当している。保持力付与部800Bは、第4位置S4から基台部64に対して保持力を付与する。保持力付与部800Bは、上述の実施の形態における固定用突起83,84に相当している。
【0089】
上述の実施の形態と同様に、保持力付与部500A,500B,800A,800Bは、第1位置S1〜第4位置S4から基台部64に対して所定の保持力をそれぞれ付与する。保持力付与部500A,500B,800A,800Bを一体的に含む固定部500であっても、上述の実施の形態における固定用平板51〜54および固定用突起81〜84と同様に機能することによって、平行板ばね60の一端60A側は、より高い精度で平行な姿勢を維持しつつ振動することが可能となる。
【0090】
図13を参照して、固定部500および平行板ばね60から構成される平行板ばねユニット40がマイケルソン干渉計10(図1参照)およびフーリエ変換分光分析装置100(図1参照)などに用いられる場合には、固定部500を利用して、平行板ばね60は筐体90に固定されることができる。この場合、筐体90を構成する部材の一部または全部は、対数減衰率が0.1以上であるとよい。
【0091】
図14を参照して、平行板ばねユニット40がマイケルソン干渉計10(図1参照)およびフーリエ変換分光分析装置100(図1参照)などに用いられる場合には、固定部としてはボルト501,502が用いられてもよい。ボルト501,502は、基台部64を貫通して、筐体90に固定される。ボルト501,502が、上述の実施の形態における固定用平板51〜54および固定用突起81〜84と同様に機能する。当該構成によっても、平行板ばね60の一端60A側は、より高い精度で平行な姿勢を維持しつつ振動することが可能となる。
【0092】
以上、本発明に基づいた実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0093】
10 マイケルソン干渉計、11 分光光学系、12 光源、13 コリメート光学系、14 ビームスプリッタ、15 固定鏡、16 移動鏡、17 集光光学系、18 検出器、20 演算部、21 参照光学系、22 参照光源、23 光路合成鏡、24 光路分離鏡、25 参照検出器、26 信号処理部、28 光路補正装置、30 出力部、40 平行板ばねユニット、50,70,500 固定部、51,52,53,54 固定用平板、51A,52A,53A,54A 押圧部、51B,52B,53B,54B,501,502 ボルト、51H,52H,53H,54H 開口部、60 平行板ばね、60A,61A,62A 一端、60B,61B,62B 他端、61,62 平板、61S,64A 表面、63 移動部、64 基台部、64B 裏面、71,72,73,74 ネジ孔、75,76 凹部、77 底部、78 載置部、79A,79B 側壁、80 ボイスコイルモータ、81,82,83,84 固定用突起、85,86 端部、89 磁性体、90 筐体、100 フーリエ変換分光分析装置、500A,500B,800A,800B 保持力付与部、AR,AR51,AR52,AR53,AR54,AR80,DR51,DR52,DR53,DR54,F1A,F1B,F2A,F2B,F3A,F3B,F4A,F4B,R1,R2,X,Y,Z 矢印、N1,N2 節、RA,RB 回転モーメント、S 試料、S1 第1位置、S2 第2位置、S3 第3位置、S4 第4位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する2枚の平板、前記平板の一端側に設けられた移動部、および、前記平板の他端側に設けられた基台部を含み、一端側が前記移動部とともに前記平板の厚さ方向に往復移動可能な平行板ばねと、
第1位置および第2位置から前記基台部を挟持するように設けられ、前記基台部に対して付与する所定の保持力によって前記平行板ばねの他端側を固定する固定部と、を備え、
前記平行板ばねが共振している状態において、前記平行板ばねの前記他端側における一次の自由振動モードの節は、前記基台部の内部に位置し、
前記固定部に固定された前記平行板ばねの前記一端が共振することによって、前記基台部には所定の回転モーメントが繰り返し発生し、
前記基台部を挟持する前記固定部は、前記回転モーメントを含む仮想平面内において前記保持力が作用するように、前記基台部に対して前記保持力を付与し、
前記第1位置および前記第2位置は、前記節を中心とする点対称の位置関係にある、
平行板ばねの固定構造。
【請求項2】
前記固定部は、前記第1位置および前記第2位置を含む複数の位置から前記基台部に対して前記保持力を付与し、
前記複数の位置は、前記節を中心とする点対称の位置関係にある、
請求項1に記載の平行板ばねの固定構造。
【請求項3】
前記基台部は、前記平板の前記他端側よりも幅広に構成され、
前記基台部は、前記平板の前記他端側の間に挟みこまれるように配置され、
前記固定部は、前記平板の前記他端側から前記基台部が幅方向にはみ出した部分に対して、前記保持力を付与する、
請求項1または2に記載の平行板ばねの固定構造。
【請求項4】
前記固定部を構成する部材の一部または全部は、対数減衰率が0.1以上である、
請求項1から3のいずれかに記載の平行板ばねの固定構造。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の平行板ばねの固定構造を備える、
平行板ばねユニット。
【請求項6】
前記固定部が取り付けられる筐体をさらに備え、
前記筐体を構成する部材の一部または全部は、対数減衰率が0.1以上である、
請求項5に記載の平行板ばねユニット。
【請求項7】
請求項5または6に記載の平行板ばねユニットと、
前記平行板ばねの前記一端側の外表面に露出するように設けられた移動鏡と、
固定鏡と、
光源と、
前記光源が出射した光を前記固定鏡に向かう光と前記移動鏡に向かう光とに分割するとともに、前記固定鏡および前記移動鏡の各々に反射した光を合成し干渉光として出射するビームスプリッタと、
前記干渉光を検出する検出器と、を備える、
マイケルソン干渉計。
【請求項8】
請求項7に記載のマイケルソン干渉計と、
前記検出器が検出した前記干渉光のスペクトルを算出する演算部と、
前記演算部によって得られた前記スペクトルを出力する出力部と、を備える、
フーリエ変換分光分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−220411(P2012−220411A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88246(P2011−88246)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】