説明

年齢の識別確認システム

【課題】 年齢確認を要する商品の購入や施設の入場扉の開放に際して、その年齢を確認する手段としてカードを用いたシステムの場合、そのカードは通常専用のものに限定され、複数種のカードを併用して利用出来るシステムが存在していなかったという点である。
【解決手段】 専用カード認識部と制御部との間に電気的に接続されたデータ変換機器と、そのデータ変換機器に対して他種カードによる年齢確認信号を送るため付設された後付け年齢識別部とを有し、専用カード認識部に入力がなく、他種カードの使用により前記の後付け年齢識別部から年齢条件認可信号がデータ変換機器に入力された場合、データ変換機器はその情報を少なくとも制御部に出力して、専用カードで年齢が確認された場合と同様に機械を作動させることとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購入に年齢制限のあるタバコやアルコール飲料、成人雑誌、DVD等の自動販売機や年齢に制限がある施設への入場扉等に関し、顧客の年齢がクリアしているか否かを判定し、自動的に制御して作動させるための年齢の識別確認システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記した年齢の識別確認をして商品を自動販売するシステムとして、近時では専用カードであるタスポ(商標名、社団法人日本たばこ協会、以下専用カードと称する)を採用したタバコの自動販売システムが知られている。この専用カードを使用するシステムは、専用カードを認識部にタッチさせることで制御部が稼動して装置が動作しタバコが放出される。そして、この専用カードは貸与が禁止された個人限定のものとなっている。
【0003】
また、現在では、専用カードを使用するほかにも、運転免許証を読み取り口に挿入し、記載されている生年月日を読み取らせ、カレンダー機能を使用し年齢を計算することにより、条件がクリアしていればタバコの購入ができるようにしたシステムも実施されている。
【0004】
ここで、前記した専用カードは入手するために、格別な手続が必要となって繁雑であり、年齢をクリアしている喫煙者でも所得していないケースも多い。
【0005】
このような現状にあっては、全国に多数存在しているタバコの自動販売機の有効利用が阻害され、活性化する必要性があり、対面販売でしか購入できない者は時間帯や地域によっては購入が不可能となってしまう不便性もある。また、専用カードを使用するシステムと運転免許証を用いるシステムとを同一の自動販売機に搭載するのは制御の点で非常に困難なこととなってしまう。
【特許文献1】特願2008−298854号出願書類
【特許文献2】特願2008−304534号出願書類
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする問題点は、年齢確認を要する商品の購入や施設の入場扉の開放に際して、その年齢を確認する手段としてカードを用いたシステムの場合、そのカードは通常専用のものに限定され、複数種のカードを併用して利用出来るシステムが存在していなかったという点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した問題点を解決するために、本発明に係る年齢の識別確認システムは、専用カードによって年齢を確認する専用カード認識部と、その専用カード認識部と信号を送受信して機械を作動させる制御部とを有する年齢識別確認用システムであって、前記専用カード認識部と制御部との間に電気的に接続されたデータ変換機器と、そのデータ変換機器に対して他種カードによる年齢確認信号を送るため付設された後付け年齢識別部とを有し、専用カード認識部に入力がなく、他種カードの使用により前記の後付け年齢識別部から年齢条件認可信号がデータ変換機器に入力された場合、データ変換機器はその情報を少なくとも制御部に出力して、専用カードで年齢が確認された場合と同様に機械を作動させることを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係る年齢の識別確認システムの対応機械は主にタバコの自動販売機とし、他種カードは運転免許証あるいは住民基本台帳カード、あるいは第三のカードであることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明に係る年齢の識別確認システムにおいて、前記した後付け年齢識別部は免許証、住民基本台帳カード、あるいは第三のカードの年齢情報を読み取り、年齢条件がクリアした場合、認可信号を出力することを特徴とする。
【0010】
そして、本発明に係る年齢の識別確認システムは、前記したデータ変換機器は専用カード認識部と制御部の送受信信号をモニタする機能と、専用カード認識部を専用カードで作用させた時に、専用カード認識部から制御部へ送信される信号を識別して記録もしくは更新する機能と、専用カード認識部から制御部へ送信される信号に任意のデータを割り込ませる機能と、後付け年齢識別部から出力される年齢条件の認可信号を認識する機能を有していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る年齢の識別確認システムは上記のように構成されている。そのため、専用カードを使用するシステムにあって、本システムを付加することにより、他種カードを利用することも可能となり、専用カードを利用しても他種カードを利用しても同等の結果、即ち、商品の購入等が可能となり、自動販売機が有効に活性して利用され、利用者にとっても非常に便利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
【実施例1】
【0013】
次に、本発明の好ましい実施の一例をタバコの自動販売機に搭載した場合を例として図面を参照して説明する。図1は本発明を実施した年齢の識別確認システムの構成を示す概略ブロック図、図2は同じく作動手順を示すフローチャート図である。
【0014】
既設のタバコ自動販売機は専用カード認識部1がコインメックをはじめとする販売制御系の自販機制御部2とダイレクトに電気的に接続され、信号を送受信する構成となっている。本実施例では、この専用カード認識部1と自販機制御部2の間にインターフェイスとしてデータ変換機器3を電気的に接続して介在させる。
【0015】
前記したデータ変換機器3には、自動販売機の前扉で専用カード認識部1の近傍に設けられた後付け年齢識別部4が電気的に接続され、その後付け年齢識別部4から年齢条件認可信号が送信されるようになっている。
【0016】
また、前記したデータ変換機器3は専用カード認識部1と自販機制御部2間の送受信信号をモニタする機能、専用カードを専用カード認識部1にタッチした際に、その専用カード認識部1から自販機制御部へ送信される信号を識別して記録、更新する機能、専用カード認識部1から自販機制御部2へ送信される信号に任意のデータを割り込ませる機能、及び前記したように後付け年齢識別部4からの年齢認可信号を認識する機能を有する。
【0017】
後付け年齢識別部4で使用されるカードは、他種カードすなわち運転免許証のほか、住民基本台帳カード及び第三のカードが想定される。
【0018】
次に、係る構成とした年齢の識別確認の手順を図2に基いて説明すると、専用カード認識部1からサイクルとして専用カードへの入力要求を行い、この要求に応えて専用カードを専用カード認識部1へタッチすると、専用カード認識部1から自販機制御部2へのタッチ入力データが出力される。データ変換機器3はタッチ入力データの内容をチェックし、専用カードのデータとして確認した場合、データ変換機器3に記録しているデータとの照合を行い、記録しているタッチ入力データと異なる場合、データ変換機器3に記録しているタッチ入力データを更新する。
【0019】
ここで、専用カードによるタッチ入力がない場合、タッチ入力データが正しくない場合、あるいはデータが正しくそのデータが記録しているものと同じ場合には、処理はデータ更新後のステップへ進む。即ち、専用カードによる専用カード認識部1への入力がなされない場合、データ更新後のステップへ移行することになる。
【0020】
データ更新後のステップでは後付け年齢識別部4からの年齢認可信号がデータ変換機器3に対して出力されているか否かがチェックされる。このチェックが否の場合、スタート即ち専用カード認識部1への入力待ち状態へ戻ることとなる。ここで、後付け年齢識別部4の年齢条件認可信号がデータ変換機器3によって認識されると、データ変換機器3は自販機制御部2から専用カード認識部1に対するデータ入力要求待ち状態となり、データ入力要求を確認するまでは、サイクルとして専用カード認識部1から自販機制御部2へのデータをそのまま出力することとなり、これが繰り返される。
【0021】
入力要求をデータ変換機器3にて確認した時点で、データ変換機器3から記録したタッチ入力データを自販機制御部2へ出力する。つまり、データ変換機器3にあっては、後付け年齢識別部4からの年齢条件認可信号によって、あたかも専用カード認識部1に対して専用カードによるタッチ入力があったが如き擬似信号を送信して、これを作動させることとなる。
【0022】
また、専用カードのタッチ入力データが何らかの理由にて変更され、今までのタッチ入力データが使用できなくなった場合でも、データ変換機器3のデータは随時更新される為、誤作動及び作動しなくなる状況を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明に係る年齢の識別確認システムは上記のように構成されている。実施例ではタバコの自動販売機を対象としているが、これにこだわらず、他の年齢規制のある商品の自動販売機にも応用でき、公営ギャンブルの投票券の自動販売機での規制や年齢制限のある施設への入場規制等に幅広く応用実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を実施した年齢の識別確認システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】作動手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0025】
1 専用カード認識部
2 自販機制御部
3 データ変換機器
4 後付け年齢識別部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
専用カードによって年齢を確認する専用カード認識部と、その専用カード認識部と信号を送受信して機械を作動させる制御部とを有する年齢識別確認用システムであって、前記専用カード認識部と制御部との間に電気的に接続されたデータ変換機器と、そのデータ変換機器に対して他種カードによる年齢条件認可信号を送るため付設された後付け年齢識別部とを有し、専用カード認識部に入力がなく、他種カードの使用により前記の後付け年齢識別部から年齢条件認可信号がデータ変換機器に入力された場合、データ変換機器はその情報を少なくとも制御部に出力して、専用カードで年齢が確認された場合と同様に機械を作動させることを特徴とする年齢の識別確認システム。
【請求項2】
前記したデータ変換機器は専用カード認識部と制御部の送受信信号をモニタする機能と、専用カード認識部を専用カードで作用させた時に、専用カード認識部から制御部へ送信される信号を識別して記録もしくは更新する機能と、専用カード認識部から制御部へ送信される信号に任意のデータを割り込ませる機能と、後付け年齢識別部から出力される年齢条件の認可信号を認識する機能を有していることを特徴とする請求項1に記載の年齢の識別確認システム。
【請求項3】
前記した年齢識別確認用システムの対応機械は主にタバコの自動販売機とし、他種カードは運転免許証、住民基本台帳カード、あるいは第三のカードであることを特徴とする請求項1、請求項2に記載の年齢の識別確認システム。
【請求項4】
前記した後付け年齢識別部は、他種カードの年齢情報を読み取り、年齢条件認可信号をデータ変換機器に出力することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3に記載の年齢の識別確認システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−134868(P2010−134868A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312598(P2008−312598)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(504284401)有限会社ノア (24)
【Fターム(参考)】