説明

広い光ビーコン信号および狭い光ビーコン信号を同時に送信するための技術

【課題】自由空間光通信をサポートするための改良されたビーコンシステムを提供すること。
【解決手段】広い光ビーコン信号と狭い光ビーコン信号とを同時に送信する方法であって、該方法は、レーザビームを生成することと、該レーザビームを第1の経路の第1の信号と第2の経路の第2の信号とに分割することと、該第1の信号から広いビーコン信号を生成することであって、該広いビーコン信号は、第1のビーム発散度を有する、ことと、該第2の信号から狭いビーコン信号を生成することであって、該狭いビーコン信号は、該第1のビーム発散度よりも小さい第2のビーム発散度を有する、ことと、該広いビーコン信号と狭いビーコン信号とを同時に送信することとを包含する、方法。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(背景)
自由空間光通信システムは、長い距離に渡って非常に高いデータ率でデータを送信することができる。獲得スキームならびに正確なビームポインティングおよび正確なビーム追跡能力が、移動するプラットフォーム(例えば、空中の、宇宙空間の、および地上の乗り物)間で通信するために必要とされる。特に、航空機の移動が迅速で予測不可能であり得る空中のプラットフォームに対しては、ポインティングおよび追跡スキームが、データレーザビームを向けるための正確なガイダンスを提供することが重要である。
【0002】
光通信ターミナル間の双方向通信において、遠端のターミナルの角度方向は、遠端のターミナルによって送信された信号の入射角度を決定することによって獲得および追跡されることができる。データを伝えるデータ信号とは異なる専用のビーコン信号が、角度方向を決定する目的で送信されることができる。1つの選択は、固定ビーム発散度を有する単一のビーコン信号を使用することである。別の選択は、広いビーム幅のビーコン信号および狭いビーム幅のビーコン信号を逐次生成するオプティクスの2つのセットの間でビーコンレーザエネルギーを切り替えることである。
【0003】
一般的に、広いビーム幅の信号は、所与の角度探索領域内での検出のより高い可能性により、最初の獲得に対して有利である。さらに、一旦通信リンクがターミナル間で確立されると、広いビーコン幅を有するビーコン信号は、ターミナルの相対的角度方向が急速に変化するとき、遠端のターミナルの追跡を失う可能性がより少ない。なぜならば、いずれかのターミナルは、より狭いビームの外にかなり速やかに出ることができるからである。しかしながら、より狭いビーム幅の信号は、そのより高いポインティング精度およびより大きな信号強度により、追跡中には望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
単一の固定発散度のビーコン信号を使用することの不利は、ビーム幅を選択する必要があり、その結果、前述の広いビーム幅の信号の獲得利点と狭いビーム幅の信号の追跡利点との間でトレードオフが生じることである。広いビーム幅と狭いビーム幅との間で切り替わるビーコンシステムに対しては、2つのビーコン信号の間での切り替わりの間に、ビーコン信号が送信されなくなる時間が生じる可能性があり、これによって、獲得および追跡の間に中断が生じることになり得る。したがって、自由空間光通信をサポートするための改良されたビーコンシステムに対する必要性がなおも存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
広い光ビーコン信号および狭い光ビーコン信号を同時に送信するための技術は、ビーコンレーザビームを生成することと、波長依存型のビームスプリッタを介してこのビーコンレーザビームを第1の経路の第1の信号および第2の経路の第2の信号に分割することとを含む。第1のビーム発散度を有する広いビーコン信号は、第1の信号から生成され、第2のより小さいビーム発散度を有する狭いビーム信号は、第2の信号から生成される。ビーコンレーザビームの波長は、そのビーコン波長でのビームスプリッタの透過/反射特性に基づいて、広いビーコン信号と狭いビーコン信号との間でレーザエネルギーの割り当てを決定する。広いビーコン信号および狭いビーコン信号は、重ねられた態様で自由空間の中に同時に送信されて、自由空間光通信システムにおいて獲得および追跡をサポートする。
【0006】
ビームスプリッタの透過/反射特性は、波長の関数として変化し、この場合、ビーコンレーザビームは、チューナブルレーザモジュールによって生成されるので、広いビーコン信号と狭いビーコン信号との間のエネルギーの割り当ては、ビーコンレーザビームの波長を調節することによって所望のとおりに調節されることができる。したがって、ビーコンレーザビームのエネルギーのほぼすべて、一部、または、ほぼゼロが広いビーコン信号および狭いビーコン信号のそれぞれに割り当てられることができる。別の選択に従い、固定波長レーザモジュールが、広いビーコン信号と狭いビーコン信号との間で固定されたエネルギーの割り当てを提供するために使用されることができる。
【0007】
ビーコンレーザビームは、異なる波長を有するデータレーザビームと組み合わされることができ、その結果、組み合わされたビーコンレーザビームおよびデータレーザビームは、ビームスプリッタに衝突する。この場合、ビームスプリッタは、実質的にすべてのデータレーザビームを第2の経路または別の経路に向けることができ、その結果、データ信号は、広いビーコン信号および狭いビーコン信号と共に同時に送信される。
【0008】
本発明の上述の特徴および利点ならびにさらなる特徴および利点が、それらの以下の定義、説明、および特定の実施形態の説明図を考慮することにより明らかになり、様々な図面における参照番号は、同様のコンポーネントを指定するために利用される。これらの説明は、本発明の特定の詳細に言及するが、異形が存在し得、確実に存在し、本明細書の説明に基づいて当業者に明らかであることが理解されるべきである。
【0009】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0010】
(項目1)
広い光ビーコン信号と狭い光ビーコン信号とを同時に送信する方法であって、該方法は、
レーザビームを生成することと、
該レーザビームを第1の経路の第1の信号と第2の経路の第2の信号とに分割することと、
該第1の信号から広いビーコン信号を生成することであって、該広いビーコン信号は、第1のビーム発散度を有する、ことと、
該第2の信号から狭いビーコン信号を生成することであって、該狭いビーコン信号は、該第1のビーム発散度よりも小さい第2のビーム発散度を有する、ことと、
該広いビーコン信号と狭いビーコン信号とを同時に送信することと
を包含する、方法。
【0011】
(項目2)
上記レーザビームを分割することは、
該レーザビームの一部分を該レーザビームの透過および反射のうちの一方を介して上記第1の経路の方に向けることと、
該レーザビームの一部分を該レーザビームの透過および反射のうちの他方を介して上記第2の経路の方に向けることとを包含し、
上記第1の信号および上記第2の信号は、同じ波長を有する、
上記項目のいずれか一項に記載の方法。
【0012】
(項目3)
上記第2の経路に沿って配置されたオプティクスを介して上記狭いビーコン信号をステアリングすることをさらに包含する、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
【0013】
(項目4)
上記広いビーコン信号および上記狭いビーコン信号は、同じ変調および同じ波長を有する、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
【0014】
(項目5)
上記レーザビームは、第1の波長のデータ信号と、第2の波長のビーコン信号とを含み、
上記レーザビームを分割することは、該ビーコン信号の一部分を上記第1の経路の方に向けることと、該ビーコン信号の一部分を上記第2の経路の方に向けることと、該データ信号の実質的にすべてを該第2の経路の方に向けることとを含み、
該データ信号を上記広いビーコン信号および上記狭いビーコン信号と共に同時に送信する、
上記項目のいずれか一項に記載の方法。
【0015】
(項目6)
上記レーザビームは、固定波長によって生成され、
該レーザビームは、該固定波長が、上記広いビーコン信号と上記狭いビーコン信号との間で信号エネルギーの割り当てを決定するように分割される、
上記項目のいずれか一項に記載の方法。
【0016】
(項目7)
上記レーザビームは、チューナブル波長によって生成され、
上記広いビーコン信号と上記狭いビーコン信号との間でのエネルギーの割り当ては、該レーザビームの波長を調節することによって調節可能である、
上記項目のいずれか一項に記載の方法。
【0017】
(項目8)
広い光ビーコン信号と狭い光ビーコン信号とを同時に送信するための光送信器システムであって、
レーザビームを生成するように構成されたレーザモジュールと、
該レーザビームを第1の経路の第1の信号と第2の経路の第2の信号とに分割するように構成されたビームスプリッタと、
該第1の経路に沿って配置された発散オプティクスであって、第1のビーム発散度を該第1の信号に適用することによって広いビーコン信号を生成するように構成された発散オプティクスと、
該第2の経路に沿って配置されたステアリングオプティクスであって、該ステアリングオプティクスは、該第1の信号をステアリングして、選択された視線に沿って狭いビーコン信号を生成するように構成され、該狭いビーコン信号は、該第1のビーム発散度よりも小さい第2のビーム発散度を有する、ステアリングオプティクスと、
該広いビーコン信号と該狭いビーコン信号とを同時に送信するための少なくとも1つのアパーチャと
を備えている、システム。
【0018】
(項目9)
上記ビームスプリッタは、実質的に反射される波長と実質的に透過される波長との間のフィルタクロスオーバー帯域を有する波長依存型のビームスプリッタであり、
上記レーザビームは、該フィルタクロスオーバー帯域内にあるビーコン波長のエネルギーを含むことにより、該ビーコン波長が、該ビーコン波長での該波長依存型のビームスプリッタの透過/反射特性に基づいて、上記広いビーコン信号と上記狭いビーコン信号との間でエネルギーの割り当てを決定する、
上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
【0019】
(項目10)
上記レーザモジュールは、上記レーザビームの波長を調節することによって上記広いビーコン信号と上記狭いビーコン信号との間でエネルギーの割り当てを調節することができるチューナブルレーザモジュールである、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
【0020】
(項目11)
上記レーザモジュールは、固定波長でレーザビームを生成する、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
【0021】
(項目12)
上記レーザビームは、上記フィルタクロスオーバー帯域の外側のデータ波長のデータ信号をさらに含むことにより、データ信号のエネルギーの実質的にすべては、第2の信号経路の方に向けられ、
上記システムは、該データ信号を上記広いビーコン信号および上記狭いビーコン信号と共に同時に送信する、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
【0022】
(項目13)
上記広いビーコン信号は第1のアパーチャを介して送信され、上記狭いビーコン信号および上記データ信号は、第2のアパーチャを介して送信される、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
【0023】
(項目14)
上記ステアリングオプティクスは、高感度のステアリングミラーを備えている、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
【0024】
(項目15)
上記広いビーコン信号および上記狭いビーコン信号は、同じ変調および同じ波長を有する、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
【0025】
(項目16)
広い光ビーコン信号および狭い光ビーコン信号を同時に送信する光送信器システムであって、該システムは、
レーザビームを生成する手段と、
該レーザビームを第1の経路の第1の信号と第2の経路の第2の信号とに分割する手段と、
該第1の信号から広いビーコン信号を生成する手段であって、該広いビーコン信号は、第1のビーム発散度を有する、手段と、
該第2の信号から狭いビーコン信号を生成する手段であって、該狭いビーコン信号は、該第1のビーム発散度よりも小さい第2のビーム発散度を有する、手段と
を備え、
該広いビーコン信号および該狭いビーコン信号を生成する該手段は、該広いビーコン信号と該狭いビーコン信号とを自由空間の中に同時に送信する、システム。
【0026】
(項目17)
上記分割する手段は、上記レーザビームの一部分を該レーザビームの透過および反射のうちの一方を介して上記第1の経路の方に向ける手段と、該レーザビームの一部分を該レーザビームの透過および反射のうちの他方を介して上記第2の経路の方に向ける手段とを供え、上記第1の信号および上記第2の信号は、同じ波長を有する、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
【0027】
(項目18)
上記広いビーコン信号および上記狭いビーコン信号は、同じ変調および同じ波長を有する、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
【0028】
(項目19)
上記レーザビームは、第1の波長のデータ信号と、第2の波長のビーコン信号とを含み、
上記レーザビームを分割する手段は、該ビーコン信号の一部分を上記第1の経路の方に向け、該ビーコン信号の一部分を上記第2の経路の方に向け、該データ信号の実質的にすべてを該第2の経路の方に向け、該データ信号は、上記広いビーコン信号および上記狭いビーコン信号と共に同時に送信される、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
【0029】
(項目20)
上記レーザビームを生成する手段は、チューナブルであり、
上記広いビーコン信号と上記狭いビーコン信号との間でのエネルギーの割り当ては、該レーザビームを生成する手段の波長を調節することによって調節可能である、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
【0030】
(摘要)
広い光ビーコン信号および狭い光ビーコン信号を同時に送信するための技術は、レーザビームを生成することと、波長依存型のビームスプリッタを介してこのレーザビームを第1の経路の第1の信号および第2の経路の第2の信号に分割することとを含む。第1のビーム発散度を有する広いビーコン信号は、第1の信号から生成され、第2のより小さいビーム発散度を有する狭いビーム信号は、第2の信号から生成される。レーザビームの波長は、その波長でのビームスプリッタの透過/反射特性に基づいて、広いビーコン信号と狭いビーコン信号との間でレーザエネルギーの割り当てを決定する。広いビーコン信号および狭いビーコン信号は、重ねられた態様で自由空間の中に同時に送信されて、自由空間光通信システムにおいて獲得および追跡をサポートする。ビームスプリッタは、異なる波長で実質的にすべてのデータ信号を同時に透過または反射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、光通信システムの2つのターミナル間での広いビーコンレーザビームおよび狭いビーコンレーザビームの同時送信を示す概略図である。
【図2】図2は、広いビーコン信号および狭いビーコン信号を同時に生成するための例示的な送信器システムのブロック図である。
【図3】図3は、図2に示された送信器システムの送信器オプティクスの実装を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態による、同時の広いビーコン信号および狭いビーコン信号を生成するために実行される動作を示す機能流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、光通信システムの2つの光通信ターミナル110と120との間での広いビーコンレーザビームと狭いビーコンレーザビームとの同時送信を概念的に示す。特に、ターミナル110は、狭いビーム幅の光ビーコンレーザビーム140と重ねられた広いビーム幅の光ビーコンレーザビーム130をターミナル120に向けて同時に送信する。同様に、ターミナル120は、狭いビーム幅の光ビーコンレーザビーム160と重ねられた広いビーム幅の光ビーコンレーザビーム150をターミナル110に向けて同時に送信する。図1に示されたビーム幅は、スケールに合っていないことに留意されたい。広いビーコンレーザビームは、狭いビーコンレーザビームとの、最初の獲得と追跡との間のスムーズなハンドオフを本質的に保証する発散度を有する。一実装に従い、狭いビーコンレーザビームは、ターミナル110と120との間でデータを送信するために使用されるデータレーザビームのビーム幅とほぼ同じビーム幅を有することができる。別の実装に従い、データレーザビームは、例えば0.15〜0.35ミリラジアンのオーダで、狭いビーコンレーザビームのわずかなビーム幅を有し得る。この場合、狭いビーコンレーザビームの拡散が広いほど、狭いビーコンレーザビームを使用する遠端のターミナルに対する追跡を維持することが、受信されるデータレーザビームのスプリットオフ部分を使用する場合のそれよりも容易になる。
【0033】
広いビーム幅のビーコン信号は、敏速な獲得を可能にする。なぜならば、システムからの最初の方位情報によるポインティングの後、最小の走査が必要とされるか、または走査は必要とされないからである。広いビーコン信号は、より広いフィールドをカバーすることにより、迅速な検出の可能性を増大する。広いビーコン信号の発散度は、システム要件によって特定された最も長い距離での検出に対する十分な信号強度を可能にする限り、できるだけ広く設定されることができる。広いビーコン信号の不利は、信号対雑音比(SNR)が、同等のエネルギーの狭いビーコン信号の信号対雑音比よりも小さいことである。なぜならば、より少ないエネルギーが、遠端のターミナルにおける位置検出器に集中されるからである。獲得においては、このより低いSNRは、遠端のターミナルにおける位置検出器に対して狭いビーコン信号を正確にステアリングすることを可能にし、それによって、狭いビーコン信号を使用する追跡モードに移行することを可能にする十分な検出エネルギーが存在する限りにおいて、受容可能である。このように、獲得に対しては、必要なSNRは、追跡の間よりも低い。複雑な走査パターンに対する必要性をなくすることによって、獲得時間が低減され、移動する標的の獲得がより生じやすくなる。
【0034】
狭いビーコン信号は、より大きな電力密度を有し、従って、より大きなSNRを有し、より大きなSNRは、より正確な追跡を意味する。例えば、狭いビーコン信号は、広いビーコン信号よりも約一桁狭いビーム幅を有することができ、このビーム幅は、1ミリラジアン未満の発散度を有し、遠端のターミナルにおける位置検出器における狭いビーコン信号のSNRにおいて約20dBの増加を生じる。本発明は、任意の特定のビーム発散度にも、また広いビーコン信号と狭いビーコン信号との間の任意の特定の発散比にも限定されない。この付加されたSNRはまた、深いフェード(fade)のもとでも、またはより長い距離でも、追跡を継続することのできる能力を意味する。しかしながら、狭いビーコン信号は、プラットフォームの動きによるポインティング誤差に対する許容範囲が、より広いビームよりも小さいという不利を有する。従って、広いビーコン信号と狭いビーコン信号との間で切り替わるビーコンシステムにおいて、追跡が失われることがあり得、そして再獲得のシーケンスが再スタートされる必要があり得る。同時重ねの広いビーコン信号および狭いビーコン信号に関しては、ポインティング誤差により、狭いビーコン信号が遠端のターミナルを指さなくなるような場合でも、そのターミナルは、なおも広いビーコン信号によって照射される。このようにして、図1に示される組み合わされた広い/狭いビーコン信号アプローチは、広いビーコン信号と狭いビーコン信号の両方のすべての利点を有し、広いビーコン信号と狭いビーコン信号の両方の不利は何も有さない非常に高いレベルの性能を提供する。
【0035】
図2は、本発明の実施形態による、例示的な送信器システム200のブロック図であり、送信器システム200は、同時の広いビーコン信号および狭いビーコン信号を生成することができる。レーザモジュール210は、波長λで光ビーコン信号を生成する。レーザモジュール210は、チューナブルレーザシード(seed)モジュール、例えば商業的に入手可能なスモールフォームファクタ(small form−factor)プラグ可能(SFP)レーザモジュールであり得、このチューナブルレーザシードモジュールは、その波長λがチューナブルである出力ビーコン信号を生成することができる。別の実装に従って、レーザモジュール210は、チューナブルではないことがあり得、固定波長を有するビーコンレーザビームを生成する。
【0036】
例として、ビーコンレーザビームを送信するために使用される光波長は、スペクトルのアイセーフ(eye−safe)領域(すなわち、約1.4ミクロンよりも長い波長)、例えば遠隔通信C帯域およびL帯域または約1530nmと1600nmとの間の波長であることができる。これらの波長は、商業的に入手可能である光学コンポーネントが、レーザ送受信器において使用されることを可能にする。しかしながら、本発明は、任意の特定の範囲の光波長に限定されない。このように、本明細書および特許請求の範囲において使用されるように、用語「光学」は概して、可視スペクトル、赤外波長、および紫外波長を含む、「光学」機器(例えば、光通信機器、送信器、受信器、その他)が通常動作する、電磁信号の波長の範囲を指す。
【0037】
レーザモジュール210によって生成された光ビーコン信号は、光増幅器220に供給される。例えば、図2に示されるように、レーザモジュール210の出力が、光ファイバを介して供給される場合、増幅器220は、ファイバ増幅器、例えば単一モードのエルビウム添加ファイバ増幅器によって実装されることができる。増幅されたビーコンレーザ信号は、光ファイバを介して、送信コリメータ230の焦点面に送達される。レーザエネルギーは、例えば、自由空間10mm直径ビームとしてコリメータを出る。
【0038】
ビーコンレーザビームは、ビームスプリッタ240に衝突し、ビームスプリッタ240は、ビーコンレーザビームを第1の経路の第1の信号および第2の経路の第2の信号に分割する。図2に示された例では、ビームスプリッタ240は、ビーコンレーザビームの一部分を広いビーコンオプティクスに向かって第1の信号経路へ送信し、ビーコンレーザビームの一部分を狭いビーコンオプティクスに向かって第2の信号経路へ反射する。反対の構成も採用されることができ、この反対の構成においては、送信されたビーコンレーザビームの一部分は、狭いビーコンオプティクスに向けられ、反射されたビーコンレーザビームの一部分は、広いビーコンオプティクスに向けられる。
【0039】
第1の信号経路のビーコンレーザビームの一部分は、広いビーコン信号を生成するための発散オプティクス250に供給される。例えば、オプティクス250は、発散レンズを含むことができ、この発散レンズは、広いビーコン信号に対して必要な発散度を生成し、広いビーコン信号は次に、アパーチャを通して遠端のターミナルに向けて送信される。ベースライン発散度は、発散レンズの選択によって設定され、例えば、低くは1ミリラジアンから高くはより広い獲得に対する2度にまで設定され得る。組み立ての間、広いビーコン信号は、送信データビームと共に揃えられることができる。
【0040】
第2の信号経路のビーコンレーザビームの一部分は、狭いビーコン信号を生成するためのオプティクスに供給される。図2に示される例では、狭いビーコンオプティクスは、狭いビーコンビームのポインティング方向を選択された視線にステアリングするためのステアリングオプティクス260と、狭いビーコン信号を自由空間の中に向けるテレスコープ270とを含む。テレスコープ270によって送信される狭いビーコン信号のビーム発散度は、広いビーコンオプティクス250を介して送信される広いビーコン信号のビーム発散度よりも小さい。本発明は、任意の特定の広いビーコンオプティクスおよび狭いビーコンオプティクスに限定されず、任意の適切な光学装置および構成が、広いビーコン信号および狭いビーコン信号を生成するために使用されることができる。
【0041】
ビームスプリッタ240は、波長依存型のビームスプリッタ、例えば、波長の関数として変動する透過/反射特性を有するダイクロイックビームスプリッタであることができる。より詳細には、ビームスプリッタ240は、(例えば98%透過を上回る)実質的に完全に透過される波長と(例えば98%反射を上回る)実質的に完全に反射される波長との間のフィルタクロスオーバー帯域を有することができる。フィルタクロスオーバー帯域内で、レーザエネルギーは、部分的に透過され、かつ部分的に反射され、透過されるエネルギー対反射されるエネルギーの比率は、波長の関数として変動する。波長が、フィルタクロスオーバー帯域の一方の端から他方の端へと変動するにつれて、透過/反射特性は、実質的に完全に透過から実質的に完全に反射へと、曲線に沿って変動する。
【0042】
ビーコンレーザビームの波長依存型のビームスプリッタの透過および反射部分を有するために、ビーコンレーザビームの波長λは、フィルタクロスオーバー帯域内にあるように選択されることができる。波長λでのビームスプリッタの透過/反射特性は、ビーコンレーザエネルギーのどれほどの割合が反射され、どれほどの割合が透過されるかを決定し、それによって、広いビーコン信号と狭いビーコン信号との間でのエネルギーの割り当てを制御する。同じビーコンレーザビームから広いビーコン信号および狭いビーコン信号を同時に生成するためのこのメカニズムを使用することにより、もしあるとすれば、同じ信号特性、例えば、同じ波長および同じ変調を有する広いビーコン信号および狭いビーコン信号が生じる。
【0043】
既に述べたように、ビーコンレーザビームの波長λがある範囲の波長にわたって選択可能であるように、図2に示されるレーザモジュール210は、チューナブルレーザモジュールであることができる。ビームスプリッタ240のフィルタクロスオーバー帯域内では、波長λを変化させることにより、透過/反射特性曲線に沿ってポイントが移動する。従って、レーザモジュール210は、広いビーコン信号と狭いビーコン信号との間で制御可能な態様でビーコンレーザビームのエネルギーの割り当てを調節するために、ビーコンレーザビームの波長λを調節することができる。波長λをフィルタクロスオーバー帯域の一方の端へ駆動するか、またはこれを過ぎるように駆動することにより、実質的にすべての(少なくとも98%)ビーコンレーザビームエネルギーが広いビーコン信号へ向けられることができ、波長λをフィルタクロスオーバー帯域の他方の端へ駆動するか、またはこれを過ぎるように駆動することにより、実質的にすべての(少なくとも98%)ビーコンレーザビームエネルギーは、狭いビーコン信号へ向けられることができる。フィルタクロスオーバー帯域内で波長λを選択することにより、これら2つの極端の間でのエネルギー割り当てが生じる。ビームスプリッタ240の透過/反射特性曲線は既知であるか、または測定されることができるので、レーザモジュール210は、2つのビーコン信号間での所望のエネルギー割り当てを生成する波長λを選択するように制御されることができる。
【0044】
別の実装に従い、レーザモジュール210は、チューナブルではないことがあり得、固定波長λでビーコンレーザビームを生成することができる。この場合、ビーコンレーザビームのエネルギーは、選択された波長でレーザ光を生成するようにレーザモジュール210を設計することによって、広いビーコン信号と狭いビーコン信号との間で、所望のとおりになおも割り当てられることができる。しかしながら、波長は調節されることができないので、広いビーコン信号と狭いビーコン信号との間のエネルギー割り当ては固定される。随意的に、この実装においては、ビームスプリッタ240は波長依存型である必要はない。しかしながら、ビームスプリッタ240は、2つのビームの間での所望のエネルギー割り当てによって、ビーコンレーザビームをビーコン波長λで広いビーコン信号経路および狭いビーコン信号経路に沿う2つのビームになおも分割しなければならない。
【0045】
図3は、図2に示される送信器システムの送信器オプティクス部分の実装を示すブロック図である。送信コリメータ330は、光ファイバの端(増幅器の下流)からビーコンレーザ信号を受信し、そして、コリメートされたビーコンレーザビームを生成する。コリメータ330から発するビーコンレーザビームは、このビーコンレーザビームがこの点においてビームの全エネルギーを含むことを示すために、図3において濃い線で示される。
【0046】
ビームスプリッタ340、例えば部分ダイクロイックミラーは、ビーコンレーザビームの一部分を第1の(広いビーコン)経路に透過し、ビーコンレーザビームの一部分を第2の(狭いビーコン)経路に反射する。ビームスプリッタ340によって透過および反射される第1の信号および第2の信号を示す線は、各々が、ビーコンレーザビームエネルギーの一部分を含むことを示すために薄い線で示されることに留意されたい。本発明は、ビームスプリッタの任意の特定の実装に限定されず、様々な他のメカニズムが、ビーコンレーザビームを分割するために使用されることができることに留意されたい。広いビーコン信号経路に沿って透過される信号は、発散レンズ350に衝突し、発散レンズ350は、例えば、10ミリラジアンビーム幅を有する広いビーコン信号を生成する。
【0047】
高感度のステアリングミラー360が、第2の信号経路に沿ってビームスプリッタ340とテレスコープ370との間に配置され、ビームスプリッタ340によって反射されたビーコンレーザビームの一部分を選択された角度で屈折させ、狭いビーコン信号がテレスコープ370によって送信される角度を制御する。高感度のステアリングミラーを制御することによって、微細なステアリングが達成されることができる。
【0048】
高感度のステアリングミラー360によって屈折させられるレーザビームは、第2のミラー365によってテレスコープ370へ屈折させられ、テレスコープ370は、高感度のステアリングミラー360の前でビーム拡張器として動作する。2X〜10Xテレスコープがテレスコープ370に対して適切であり得る。しかしながら、本発明は、任意の特定のテレスコープの拡張パワーに限定されない。結果として生じる狭いビーコン信号は、広いビーコン信号と同時に、ウインドウ380を通して自由空間の中に送信される。本明細書および特許請求の範囲に使用されているように、用語アパーチャは、任意のテレスコープ、レンズ、アンテナ、またはビームを自由空間の中に送信するための他のメカニズムを指す。
【0049】
図4は、機能流れ図であり、図1〜図3と共に上述されたように、広い光ビーコン信号および狭い光ビーコン信号を同時に生成するために実行される動作を概括する。動作410において、波長λのビーコン信号を備えているレーザビームが生成される。動作420において、レーザビームは、第1の経路の第1の信号および第2の経路の第2の信号に分割される。第1のビーム発散度を有する広いビーコン信号が、例えば、発散レンズを使用して、第1の信号から生成される(動作430)。狭いビーコン信号が、第2の信号から生成され、この場合、狭いビーコン信号は、第1のビーム発散度よりも小さい第2のビーム発散度を有する(動作440)。随意的に、動作450において、狭いビーコン信号は、第2の経路に沿って、オプティクス(例えば、高感度のステアリングミラー)によってステアリングされる。動作460において、広いビーコン信号および狭いビーコン信号は、自由空間の中に同時に送信される。
【0050】
随意的に、広いビーコンレーザビームおよび狭いビーコンレーザビームは、検出を容易にするため、およびシステム設計を簡略化するために変調されることができる。例えば、ビーコンレーザエネルギーは、その変調周波数が検出されることができる方形波信号を生成するために、比較的低い周波数(例えば4〜15kHz)でオンおよびオフ、または「チョップ(chopped)」され、変調されることができる。チョッピング周波数の検出により、どのターミナルがビーコン信号を送信しているかを識別できるように、一意なビーコンチョッピング周波数が、光通信システムにおける各ターミナルに対して使用されることができる。オン/オフ変調は、方形波AC信号を作成し、この方形波AC信号は、遠端のターミナルにおける位置センサ検出器にAC結合されることができる。位置センサ検出器をAC結合することによって、DCバイアスを作成する継続的な信号は、検出プロセスに影響を与えない。ビーコン信号を変調して、ビーコン信号のデータを符号化することも可能である。ビーコンレーザビームが変調されるかどうか、またはどのような変調スキームが使用されるかにかかわらず、広いビーコン信号および狭いビーコン信号は、(もしあるとすれば)同じ変調を有する。なぜならば、広いビーコン信号および狭いビーコン信号はいずれも、ビームスプリッタに供給された共通のビーコンレーザビームから生成されており、このビームスプリッタが、ビームを広いビーコン信号と狭いビーコン信号とに分離したからである。
【0051】
既に説明されたように、ビーコン信号は、光通信ターミナルの角位置の獲得および追跡をサポートして、データを伝えるように変調された狭いデータレーザビームの受信を可能にする。1つの選択に従って、データ信号は、異なる送信器オプティクスによって取り扱われることができ、別個のアパーチャを介して送信されることができる。別の選択によると、データ信号は、ビーコン信号と同じレーザビームに含まれることができる。データ信号は、ビーコン信号とは異なる光波長を有することができ、このビーコン信号とは異なる光波長は、ビームスプリッタのフィルタクロスオーバー帯域の外側にあり、その結果、実質的にすべてのデータ信号のエネルギーは、ビームスプリッタによって透過されるか、または反射されるかのいずれかである。例えば、図3に示される構成において、データ信号は、ダイクロイックビームスプリッタ340によって高感度のステアリングミラー360の方に反射されることができ、高感度のステアリングミラー360は、データ信号と狭いビーコン信号との両方をステアリングする。データ信号および狭いビーコン信号は、テレスコープ370を介して同時に送信される。
【0052】
データ信号は、センサデータ、ナビゲーション信号、音声/可聴信号、画像信号、ビデオ信号、プロセッサで実行されるアプリケーションに関連するデータ、制御信号、および(例えば、通信プロトコル、ハンドシェーキング、ルーティング、機器構成、その他に関する)オーバーヘッドもしくは通信プロトコル信号を含むが、これらに限定されない実質的に任意のタイプの情報またはデータを送信するために使用されることができる。特に、インテリジェンス、監視、および偵察に対して情報を収集するセンサは、相当な量のデータを生成し、妥当な量の時間で情報を送信する光通信で使用される高いデータ率から利益を得ることができる。
【0053】
図3に示される構成は、変調された再帰反射器(MRR)モードをサポートするためにも使用されることができ、この場合、2つのターミナルが半二重動作を実行し、そして、ターミナルのうちの1つは、レーザエネルギーを作成しない。このモードでは、送信ターミナルは、送信されるデータレーザビームを変調することによってデータを送信することができる。MRRターミナルは、入って来る信号を反射して、これを送信ターミナルへ戻す。MRRターミナルから送信ターミナルへデータを送信するために、送信ターミナルは、非変調信号を送信する。非変調信号はMRRターミナルに入射し、MRRターミナルにおいて、量子井戸変調器(QWM)はデータ変調をビームに適用し、そして、MRRターミナルは、変調された信号を反射して、これを送信ターミナルの方に戻す。送信ターミナルにおけるレーザの波長は、MRRターミナルで使用されるQWMの波長温度変化に適応するためにチューナブルである。
【0054】
本明細書において説明された広いビーコン信号および狭いビーコン信号を生成するための送信器システムは、移動するプラットフォームとのレーザ通信システムにおいて動作するように設計された光(例えばレーザ)通信ターミナルで使用されることができ、この場合、ターミナルの相対的位置は、時間と共に変化する。システムは、例えば、空中のプラットフォーム、衛星、船、船艇、または地上の乗り物に取り付けられたターミナル、および移動するプラットフォームに取り付けられたターミナルと通信する固定ターミナル(例えば、空対空および空対地の組み合わせ)を含むことができる。
【0055】
広い光ビーコン信号および狭い光ビーコン信号を同時に送信するための新規かつ改良された技術の好ましい実施形態を説明したが、他の変更、異形、および変化が、本明細書に述べられた教示に照らして当業者に示唆されると考えられる。したがって、かかるすべての異形、変更、および変化は、添付の請求項によって定義されたとおりの本発明の範囲内であると考えられると理解されるべきである。本明細書においては特定の用語が使用されているが、それらは、一般的、かつ説明的意味でのみ使用されており、限定する目的では使用されていない。
【符号の説明】
【0056】
100 送信器システム
110、120 光通信ターミナル
130、150 広いビーム幅の光ビーコンレーザビーム
140、160 狭いビーム幅の光ビーコンレーザビーム
210 レーザモジュール
220 増幅器
230 送信コリメータ
240 ビームスプリッタ
250 発散オプティクス
260 ステアリングオプティクス
270 テレスコープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広い光ビーコン信号と狭い光ビーコン信号とを同時に送信する方法であって、該方法は、
レーザビームを生成することと、
該レーザビームを第1の経路の第1の信号と第2の経路の第2の信号とに分割することと、
該第1の信号から広いビーコン信号を生成することであって、該広いビーコン信号は、第1のビーム発散度を有する、ことと、
該第2の信号から狭いビーコン信号を生成することであって、該狭いビーコン信号は、該第1のビーム発散度よりも小さい第2のビーム発散度を有する、ことと、
該広いビーコン信号と狭いビーコン信号とを同時に送信することと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記レーザビームを分割することは、
該レーザビームの一部分を該レーザビームの透過および反射のうちの一方を介して前記第1の経路の方に向けることと、
該レーザビームの一部分を該レーザビームの透過および反射のうちの他方を介して前記第2の経路の方に向けることとを包含し、
前記第1の信号および前記第2の信号は、同じ波長を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の経路に沿って配置されたオプティクスを介して前記狭いビーコン信号をステアリングすることをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記広いビーコン信号および前記狭いビーコン信号は、同じ変調および同じ波長を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記レーザビームは、第1の波長のデータ信号と、第2の波長のビーコン信号とを含み、
前記レーザビームを分割することは、該ビーコン信号の一部分を前記第1の経路の方に向けることと、該ビーコン信号の一部分を前記第2の経路の方に向けることと、該データ信号の実質的にすべてを該第2の経路の方に向けることとを含み、
該データ信号を前記広いビーコン信号および前記狭いビーコン信号と共に同時に送信する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記レーザビームは、固定波長によって生成され、
該レーザビームは、該固定波長が、前記広いビーコン信号と前記狭いビーコン信号との間で信号エネルギーの割り当てを決定するように分割される、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記レーザビームは、チューナブル波長によって生成され、
前記広いビーコン信号と前記狭いビーコン信号との間でのエネルギーの割り当ては、該レーザビームの波長を調節することによって調節可能である、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
広い光ビーコン信号と狭い光ビーコン信号とを同時に送信するための光送信器システムであって、
レーザビームを生成するように構成されたレーザモジュールと、
該レーザビームを第1の経路の第1の信号と第2の経路の第2の信号とに分割するように構成されたビームスプリッタと、
該第1の経路に沿って配置された発散オプティクスであって、第1のビーム発散度を該第1の信号に適用することによって広いビーコン信号を生成するように構成された発散オプティクスと、
該第2の経路に沿って配置されたステアリングオプティクスであって、該ステアリングオプティクスは、該第1の信号をステアリングして、選択された視線に沿って狭いビーコン信号を生成するように構成され、該狭いビーコン信号は、該第1のビーム発散度よりも小さい第2のビーム発散度を有する、ステアリングオプティクスと、
該広いビーコン信号と該狭いビーコン信号とを同時に送信するための少なくとも1つのアパーチャと
を備えている、システム。
【請求項9】
前記ビームスプリッタは、実質的に反射される波長と実質的に透過される波長との間のフィルタクロスオーバー帯域を有する波長依存型のビームスプリッタであり、
前記レーザビームは、該フィルタクロスオーバー帯域内にあるビーコン波長のエネルギーを含むことにより、該ビーコン波長が、該ビーコン波長での該波長依存型のビームスプリッタの透過/反射特性に基づいて、前記広いビーコン信号と前記狭いビーコン信号との間でエネルギーの割り当てを決定する、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記レーザモジュールは、前記レーザビームの波長を調節することによって前記広いビーコン信号と前記狭いビーコン信号との間でエネルギーの割り当てを調節することができるチューナブルレーザモジュールである、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記レーザモジュールは、固定波長でレーザビームを生成する、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記レーザビームは、前記フィルタクロスオーバー帯域の外側のデータ波長のデータ信号をさらに含むことにより、データ信号のエネルギーの実質的にすべては、第2の信号経路の方に向けられ、
前記システムは、該データ信号を前記広いビーコン信号および前記狭いビーコン信号と共に同時に送信する、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記広いビーコン信号は第1のアパーチャを介して送信され、前記狭いビーコン信号および前記データ信号は、第2のアパーチャを介して送信される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ステアリングオプティクスは、高感度のステアリングミラーを備えている、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
前記広いビーコン信号および前記狭いビーコン信号は、同じ変調および同じ波長を有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項16】
広い光ビーコン信号および狭い光ビーコン信号を同時に送信する光送信器システムであって、該システムは、
レーザビームを生成する手段と、
該レーザビームを第1の経路の第1の信号と第2の経路の第2の信号とに分割する手段と、
該第1の信号から広いビーコン信号を生成する手段であって、該広いビーコン信号は、第1のビーム発散度を有する、手段と、
該第2の信号から狭いビーコン信号を生成する手段であって、該狭いビーコン信号は、該第1のビーム発散度よりも小さい第2のビーム発散度を有する、手段と
を備え、
該広いビーコン信号および該狭いビーコン信号を生成する該手段は、該広いビーコン信号と該狭いビーコン信号とを自由空間の中に同時に送信する、システム。
【請求項17】
前記分割する手段は、前記レーザビームの一部分を該レーザビームの透過および反射のうちの一方を介して前記第1の経路の方に向ける手段と、該レーザビームの一部分を該レーザビームの透過および反射のうちの他方を介して前記第2の経路の方に向ける手段とを供え、前記第1の信号および前記第2の信号は、同じ波長を有する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記広いビーコン信号および前記狭いビーコン信号は、同じ変調および同じ波長を有する、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記レーザビームは、第1の波長のデータ信号と、第2の波長のビーコン信号とを含み、
前記レーザビームを分割する手段は、該ビーコン信号の一部分を前記第1の経路の方に向け、該ビーコン信号の一部分を前記第2の経路の方に向け、該データ信号の実質的にすべてを該第2の経路の方に向け、該データ信号は、前記広いビーコン信号および前記狭いビーコン信号と共に同時に送信される、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記レーザビームを生成する手段は、チューナブルであり、
前記広いビーコン信号と前記狭いビーコン信号との間でのエネルギーの割り当ては、該レーザビームを生成する手段の波長を調節することによって調節可能である、請求項16に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−239380(P2011−239380A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97665(P2011−97665)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(505194077)アイティーティー マニュファクチャリング エンタープライジーズ, インコーポレイテッド (114)
【Fターム(参考)】