説明

広範囲スペクトルであり且つ皮膚にやさしい殺菌性組成物

本発明は、0.1〜5%(w/w)過酸化水素、21〜55%(w/w)のC2〜C6アルコール、及び0.01〜2%(w/w)の泡立ち増強剤を含む、フォームディスペンサー中の使用の為の組成物を開示する。該泡立ち増強剤は、36%(w/w)エタノール及び0.2%(w/w)の該泡立ち増強剤から成る組成物を、フォームディスペンサーから施与したときに、安定な泡を提供することができる。泡として提供された該組成物は、皮膚及び/又は粘膜を殺菌するのに適当である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性な殺菌性成分としてアルコールと過酸化水素とを含む、すぐに使用できる、皮膚にやさしい、広範囲スペクトルの殺菌性組成物に向けられる。
【背景技術】
【0002】
感染制御は、医療の専門家にとっての主要な関心である。汚染された手の上のウィルス及びバクテリアは、病院などの医療施設において人々のあいだで容易に広がる。もちろん、感染のリスクは、病院以外の公共の場において、例えば体育館、手洗所、レストラン及び学校などにおいても存在する。
【0003】
最近の傾向は、病院の環境において、及び食品及び接客部門において、感染制御のより高い水準に対して存在する。加えて、増加する注目が、皮膚及び呼吸器系を介して伝達されうる感染性病気に関して、増加する認識が存在する。これらの傾向は、一日を通じてより頻繁に用いられることができる殺生物性溶液を、産業に提案させてきた。これらの溶液は、低刺激性で、非毒性でなければならず、且つ、望ましくない皮膚上の残留物を何も生じてはならない。
【0004】
ある環境、例えば病院などにおいては、要求される殺菌水準は、一般に入手できる製品の多くによっては達成されえない。結果として、より高い水準の殺菌を、その要求が存在するところにおいて達成する為に、特定の手殺菌剤が開発されてきた。これらのタイプの製品は一般に、高濃度でのアルコール、ヨード/ヨードフォール、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG),パラクロロメタキシレノール(PCMX)及びトリクロサンのようなフェノール化合物、第4級アンモニウム化合物又はそれらの組合せのような、抗微生物性の活性成分を含む。
【0005】
そのような製品による問題は、それらがしばしば、殺菌活性の為に皮膚へのやさしさを犠牲にすること又はその逆である。例えば、活性成分の濃度の上昇は、より高い水準の殺菌をもたらしうる一方で、それはしばしば、増加した皮膚刺激をもたらす。
【0006】
パラクロロメタキシレノール(PCMX)及びトリクロサンは、消毒性の手洗い溶液中に用いられる一般的なフェノール化合物である。PCMX及びトリクロサンは、他のフェノールよりも低い毒性を有し且つ皮膚に対して幾分やさしいが、それらの殺菌活性は低く且つ配合成分に依存する。
【0007】
ヨード及びヨードフォールは、長い間、消毒性の手洗い製剤において用いられてきた。それらの殺菌活性は低く且つ有機物質の存在下において減少される。さらに、これらの成分は毒性であり且つ皮膚を刺激し且つ染色しうる。
【0008】
グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)は、皮膚クレンザー、手術前スクラブ、殺菌性ハンドリンス及び創傷洗浄剤として用いられる。それは、グラム陽性バクテリアと比較してグラム陰性バクテリアに対しより有効でなく、且つ、比較的低い殺菌活性を示す。
【0009】
アルコールは、有効な殺菌剤のよく知られたグループを代表し、迅速な殺菌を提供する。それらは、表面上で又は手をこすりながら、該殺菌性溶液の乾燥も増し、リンス無しで、放置乾燥(leave-to-dry)適用を提供する。それらは、皮膚上のさわやかな感覚も提供する。しかしながら、十分に高い殺菌率を達成する為には、該殺菌性溶液は、少なくとも60〜70%のアルコールを含まなければならない。これらの水準のアルコールは皮膚を極度に脱脂し及び乾燥し、繰り返しの使用に際して、乾燥した、荒れた又はひび割れた皮膚を引き起こす。損傷した皮膚は、バクテリア汚染の機会を増加さえし且つバクテリア残留物の存在を増加さえしうる。なぜなら、皮膚のひび割れは、適切に到達し且つ洗浄することが困難だからである。さらに、アルコールの抗微生物活性は、湿った手に用いられたときに、劇的に低下する傾向にあり、不十分な微生物死滅を結果する。
【0010】
アルコールのこれらの不利点のいくつかを打破する為に、該組成物中に追加の成分、例えば軟化薬、湿潤剤、及び界面活性剤などを含めることが知られている。例えば、米国特許第6,617,294号明細書は、60〜90w/w%のアルコール、シリコーンに基づく物質、及び湿潤剤の組合せからなる、水無しの殺菌性手洗クレンザーを開示する。しかしながら、シリコーン物質の望ましくない且つ不快な蓄積(build up)の故に、これらの溶液は、粘性の残留物を提供し、且つ、一日の間で頻繁に用いられることができない。
【0011】
米国特許第5,916,568号明細書は、55〜80%のC2−C5アルコール、約1.5〜3.5%の有効過酸化水素濃度を与える15〜35%の過酸化水素溶液、及び5〜10%の静菌性皮膚軟化剤を含む、ハンドウォッシュとしての使用の為のフラッシュドライ(flash-dry)殺菌性組成物を開示する。その高いアルコール濃度は、殺生物性であり且つ素早い乾燥を許すだけでなく、特に一日の間の繰り返しの使用の後に、皮膚の重度の脱脂も引き起こす。また、より高い範囲での過酸化水素濃度(約2.5〜3.5%)が好ましい。しかしながら、そのような濃度は、特には一日の間の繰り返しの使用後に、皮膚を漂白し且つ刺激する。それ故に、この組成物は、皮膚に対する頻繁の使用にとって特に有用でない。さらに、高いアルコール水準は可燃性であり、且つそれ故に、使用及び保存における安全性リスクを生じさせる。
【0012】
米国特許第4,900,721号明細書は、8〜25%のC2−C8アルコール及び0.2〜0.7%の過酸化水素を含む、皮膚及び粘膜を殺菌する為の水性殺菌剤を開示する。十分に殺生物性である為に、この組成物は、追加の殺生物性フェノール化合物、第4級アンモニウム化合物及び、クロルヘキシジン又はバントシル(Vantocil)のような窒素含有ビグアナイド系化合物の存在を要求する。後者の化合物は、特には蓄積が生じるときのより頻繁の使用で、皮膚に用いられることは望ましくない。いくつかのフェノール化合物も、特には該化合物が一日を通じて繰り返し用いられるときに、皮膚アレルゲンとしてよく知られている。特に、十分に短い接触時間で要求される殺菌率になお達する一方で、第4級アンモニウム又はフェノール化合物の使用を回避することが有利だろう。
【0013】
米国特許第6,106,774号明細書は、0.1〜20%のC1〜6アルコール及び0.1〜10%の過酸化水素を含む、すぐに使える水性硬表面洗浄性及び殺菌性組成物を開示する。該組成物はさらに、染み及び汚れの所望の可溶化性効果を提供する為に、1.0〜10%のグリコールエーテル、又はブトキシプロパノール若しくはプロポキシプロパノールを含むべきである。しかしながら、より低い範囲の百分率過酸化水素、すなわち皮膚適用にとって適する範囲は、より高い範囲の百分率アルコールとの組合せにおいて、適当に速い殺菌を提供しない。
【0014】
米国特許第3,954,974号明細書は、皮膚を殺菌する為の水中油型エマルジョンを開示する。該エマルジョンは、過酸化水素及び、任意的にエタノールを、水性相中に含む。油相中に存在する成分は、粘性の残留物を生成することの不利点を有する。加えて、そのようなエマルジョンは、適切な泡を作らない。
【0015】
国際公開第2005/030917号パンフレットは、発泡性組成物を作る為に、少なくとも40%のC2〜C4アルコール(実施例では、少なくとも50%アルコールが用いられる)、抗微生物剤及びフッ素系界面活性剤(fluorosurfactant)を含む発泡性高アルコール含有組成物を開示する。そのような高アルコール含有量を有する組成物は、泡を作る為にフッ素系界面活性剤を要求することが示されたが、アルキルグルコシド又はベタインのような他の界面活性剤は泡を作らなかった。それらが瞬時にわき起こる泡(flash foam)を作ることができるとしても、皮膚に対するフッ素系界面活性剤の使用はより望ましくない。加えて、フッ素系界面活性剤は環境的にやさしくない化合物である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
すなわち、数分以内で殺菌することができ、使用後のリンスを必要とせず(すなわち使用後放置(leave-on use)に適当であり)、手及び/又は腕をこすることによる乾燥を可能とし、且つ、繰り返しの使用後にねばつきを生じず、皮膚の刺激を引き起こさず及び/又は脱脂しないことにおいて皮膚にやさしい、皮膚及び/又は粘膜に対する使用の為の組成物を利用することが非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0017】
第1の局面において、本発明は、C2〜C6アルコール、過酸化水素及び泡立ち増強剤(foam booster)を含む、皮膚及び/又は粘膜を殺菌する為の殺生物性組成物を提供する。正確な配量(dosing)を提供する為に、接触表面及び接触時間を増加する為に、及びすなわち十分な殺生物的効能を提供する為に、並びに、例えばスプレー製剤の場合のように適用された用量が手からこぼれおちること及び垂れるおちることを回避する為に、泡の形での該殺生物性組成物を適用することが非常に有利であるとわかった。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の発泡性組成物は好ましくは、水性溶液の形態であり、且つ、水中油型エマルジョンを包含しない。
【0019】
すなわち、フォームディスペンサーを用いて空気と混合されたときに、本発明の組成物は、即時の泡を作る為に適当である。当技術分野で知られる任意のフォームディスペンサー、(ガス推進剤により)加圧された系又は加圧されていない(空気駆動式の)系、が使用できる。加圧されていないフォームディスペンサーの場合、膜を通して該液体を押すことにより、1押し当たり約0.2〜3mlの液体からの即時の泡の生成を可能とする空気/液体混合チャンバー中において、該液体が空気と混合されて、泡は作られる。該液体は、約6〜20、好ましくは8〜15、より好ましくは9〜11の空気対液体の割合で、空気と混合される。このように、比較的「乾いた」泡が生成される。
【0020】
該組成物を含み且つ分注する該混合(フォーミング)チャンバーは、空気駆動式であってよく、すなわち、該泡生成性ガスは本質的に空気からなる。そのような装置により作られた泡は、空気が含まされた泡である。好ましい泡分注装置は、大気圧で動作する、可逆的に圧縮でき及び減圧できるの容器筐体を含む。適当な泡分注装置は、Rexam Airspray及びKeltec Dispensing Systemsにより製造され、これは、クリーミーで高品質な泡を、非空気の推進剤の使用なしで供給する。
【0021】
Rexam Airsprayからの適当なフォームディスペンサーの概略は以下の表に与えられる:

【0022】
特に、本発明の組成物は、0.1〜5%過酸化水素、21〜55%のC2〜C6アルコール、及び0.01〜2%の泡立ち増強剤を含む。
【0023】
本発明を通じて、百分率は、別記されない限り、該組成物の全重量に基づく重量百分率として表される。
【0024】
本発明の組成物は、C2〜C6アルコール、好ましくはC2〜C4アルコール、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又は1,3−ブタンジオール、又はそれらの混合物など、より好ましくはエタノールを含み、該アルコールは、21〜55%、好ましくは26〜50%、より好ましくは30〜45%、最も好ましくは30〜40%の濃度(w/w)で存在する。
【0025】
さらに、該組成物は、過酸化水素を第2の殺菌剤として含む。該過酸化水素は、0.1〜5%、好ましくは0.2〜3%、より好ましくは0.2〜2%、さらにより好ましくは0.5〜2%、最も好ましくは0.5〜1.5%(w/w)の量で与えられる。病院の強度の殺菌水準を達成する為に、典型的には、最小で0.5%(w/w)の過酸化水素が要求される。一日の間で繰り返し用いるときに、3%より高い濃度は一般的に回避されるべきであり、なぜなら、そのような水準は皮膚漂白を引き起こしうることが観察されたからである。
【0026】
本発明の組成物はさらに、該組成物をフォームディスペンサーから施与するときに、アルコールの存在下において安定な泡を提供する為の泡立ち増強剤を含む。
【0027】
本発明の文脈において、語「泡立ち増強剤」は、本明細書中において述べられたとおりのアルコールの濃度の存在下において、安定な泡を生成することができる化合物をいう。
【0028】
好ましくは、本発明の組成物中において用いられる該泡立ち増強剤は、36%(w/w)のエタノール及び0.2%(w/w)、好ましくは0.3%(w/w)の泡立ち増強剤から構成される組成物を、比較的高い空気対液体の割合で、好ましくは9〜11の空気対液体の割合で、より好ましくは11の空気対液体の割合で、約20℃の不活性且つ滑らかな表面上にフォームディスペンサーから施したときに、安定な泡を提供する。適当な泡ポンプは、例えば、Rexam AirsprayからのL11泡ポンプであり、これは11の空気対液体の割合、0.75mlの液体排出量、14.8mmのストロークを有する。その泡は、当技術分野の当業者に知られるとおり、該フォームディスペンサー上に標準の速さ及び圧力を適用することにより最適に生成される。
【0029】
この発明に従い、安定な泡は、上記で言及されたとおりのフォームディスペンサーからの施与の直後に測定されたときに、少なくとも5〜10秒間、好ましくは少なくとも10〜15秒間、より好ましくは少なくとも15〜20秒間、さらにより好ましくは少なくとも20〜25秒間、最も好ましくは少なくとも25〜30秒間、泡としてのままである泡である。
【0030】
該泡立ち増強剤は、皮膚又は粘膜上の使用に適当であるべきであり、特には、適用後の放置(leave-on application)、すなわち、その適用後リンスすることが無い適用、にとって適当であるべきである。該泡立ち増強剤は好ましくは、皮膚刺激又はアレルギー性反応を引き起こさない。
【0031】
すなわち、本発明は、比較的高い含有量の低級アルコール(C2−C6)を有し、泡として施与されることができ且つ皮膚を殺菌することができ且つ皮膚の乾燥後に望ましくない残留物を何も生じない組成物を提供する。該発泡性組成物は、空気と混合されたときに、個人を洗浄し且つ殺菌する目的の為に用いられることができ且つ、例えばユーザーがその手をこするとき又は適用後の該泡が表面上でこすられるときなどの圧力適用に対して壊れる安定な泡を届ける。アルコール濃度及び泡立ち増強剤の濃度及びタイプに依存して、生成された該泡は、比較的早く壊れるが無駄なく皮膚上に適切に適用されるのに十分安定であるものから、長く続く泡まで、広く変化しうる。
【0032】
該泡立ち増強剤は、0.01〜2%、好ましくは0.02〜1.5%、より好ましくは0.05〜1%の濃度で存在する。該泡立ち増強剤の濃度は、該組成物の水及びアルコールの含有量にとりわけ依存するであろう。一般的に、アルコール濃度における増加は、安定な泡を得る為に、泡立ち増強剤濃度における増加も要求する。しかしながら、該泡立ち増強剤濃度は、繰り返しの使用によりねばつきを引き起こす、手上の残留物蓄積を回避する為に、典型的には、できる限り低くあるべきである。また、該泡立ち増強剤は、アルコール及び過酸化水素の存在下で安定であるべきである。
【0033】
泡立ち増強剤は好ましくは、i)アルコキシル化非イオン性界面活性剤、ii)窒素含有の両性又は非イオン性界面活性剤、iii)線状C12〜C24αオレフィンスルホネート、及びiv)C12〜C20スルホサクシネートの少なくとも1つから選ばれうる。
【0034】
1つの実施態様において、該泡立ち増強剤は、国際公開第2005/030917号パンフレットにおいて開示されたとおりのフッ素系界面活性剤の群から選ばれない。
【0035】
特に好ましい泡立ち増強剤は、i)アルコキシル化非イオン性界面活性剤及び/又はii)窒素含有の両性又は非イオン性界面活性剤から選ばれる。
【0036】
該泡立ち増強剤は好ましくは、例えば典型的には本明細書において記載されるとおりのアルコキシル化非イオン性界面活性剤の群において発見される水中油型エマルジョン及び可溶化剤の群から選ばれうる。
【0037】
該アルコキシル化非イオン性界面活性剤は好ましくは、全て最小で6のアルコキシル化度を有する、アルコキシル化C8〜C30の脂肪アルコール、脂肪酸及び/若しくは脂肪油、並びに/又はポリソルベートである。
【0038】
該アルコキシル化C8〜C30脂肪アルコールは、第1級及び/又は第2級アルコール、好ましくは線状の第1級及び/又は第2級アルコール、より好ましくは線状の第1級アルコールである、脂肪アルコール構成部分を含む。該上記C8〜C30脂肪アルコールの好ましい例は、C10〜C20脂肪アルコールである。該アルコキシル化脂肪アルコールはさらに、少なくとも6、好ましくは少なくとも7のアルコキシル化の程度を有し、より好ましくは7〜14のアルコキシル化度を有する。好ましいアルコキシル化脂肪アルコールは、7モルのエチレンオキシドを有するC12〜C18脂肪アルコールエトキシレート、例えばCognis Dehydol LT 7などである。
【0039】
アルコキシル化C8〜C30脂肪油は好ましくは、水素化(hydrogenated)脂肪油構成部分を含む。より好ましくは、それは、好ましくは少なくとも20、より好ましくは20〜60のアルコキシル化度を有する、アルコキシル化水素化C10〜C30脂肪油である。例は、アルコキシル化水素化ヒマシ油、アルコキシル化水素化ココ油、アルコキシル化水素化パーム油、及びアルコキシル化水素化オリーブ油である。特に好ましいアルコキシル化水素化脂肪油非イオン性界面活性剤は、CognisのEumulgin HRE 40又はBASFのCremophor COである。
【0040】
該アルコキシル化C8〜30脂肪酸は、好ましくは6〜12のアルコキシル化度を有する。例は、エトキシル化カプレート、エトキシル化カプリレート、エトキシル化ココエートなどである。
【0041】
さらに有利なアルコキシル化非イオン性界面活性剤はポリソルベートである。ポリソルベートは、ソルビトールに基づく乳化剤である。好ましいポリソルベートは、ポリソルベート20、40、60又は80であり、例えばUniqemaのTweenシリーズ、CognisのEumulgin SML、SMO及びSMSなどである。
【0042】
上記で言及されたとおりの該アルコキシル化非イオン性界面活性剤は好ましくはエトキシル化界面活性剤である。
【0043】
これらのアルコキシル化、好ましくはエトキシル化、非イオン性界面活性剤は、有利に、高いぬれ性も有しうる。界面活性剤の該ぬれ性は、水の表面張力を有意に低める能力であり、それにより皮膚に渡る該水性組成物の広がりを増強し且つ、該乾燥時間を減少することによる皮膚の乾燥を改善する。本発明の該組成物は相当量の水も含むので、高いぬれ性も有する泡立ち増強剤の添加は、該皮膚の乾燥を増す為に有利である。
【0044】
該アルコキシル化非イオン性界面活性剤の増加した皮膚耐性及びぬれ性を目指すときに、より長いアルキル炭素鎖、好ましくは少なくともC12、より好ましくは少なくともC14鎖と、より高いアルコキシル化度とを有する化合物が選ばれうる。
【0045】
該窒素含有の両性又は非イオン性界面活性剤は好ましくは、アミンオキシド、ベタイン、アミド、ヒドロキシスルタイン及び/又はイミダゾリン誘導体である。それは、少なくとも1のアミンオキシド、ベタイン、ヒドロキシスルタイン(hydroxysultaine)、及び/若しくはアミド基を含み、並びに/又は、イミダゾリン誘導体であり、且つ少なくとも8の炭素原子、好ましくは少なくとも10の炭素原子、より好ましくは10〜18の炭素原子、最も好ましくは12〜18の炭素原子をさらに含む、その窒素に付加された直線状炭素鎖を含む。該直線状炭素含有鎖は、完全に飽和したアルキル又はアシル鎖であってよく、又は二重結合を含有する炭素鎖並びに/若しくは窒素原子及び/若しくは酸素原子により阻止された炭素鎖であってよく、例えば、(付加的な)アミド基であってよい。該炭素含有鎖は、任意的に、少数の(例えば1〜3の)メチル又はエチル置換基を含みうる。該アミンオキシド及びベタインはさらに、窒素に付加された1又は2の短鎖アルキル基、好ましくはエチル及び/又はメチルを含む。
【0046】
これらの窒素含有の両性又は非イオン性界面活性剤は有利に、殺生物活性も有し、且つ該組成物中に存在する過酸化水素及び/又はアルコールと相乗的に作用しうる。
【0047】
好ましいアミンオキシドはC8〜C18、好ましくはC10〜C18、より好ましくはC12〜C18アルキルジメチルアミンオキシド、例えばデシルジメチルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、及び/又はC10〜C18、好ましくはC12〜C18アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、例えばコカミドプロピルアミンオキシドなどである。好ましいベタインは、C10〜C18アルキルジメチルベタイン、例えばラウリルベタイン、及び/又はC10〜C18アルキルアミドプロピルジメチルベタイン、例えばカプリル/カプラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、及び/又はオレアミドプロピルベタインなどである。好ましいヒドロキシスルタインは、C10〜C18アルキルヒドロキシスルタイン、例えばラウリルヒドロキシスルタイン又はコカミドプロピルヒドロキシスルタインなどである。好ましいアミドは、C10〜C18アルキルモノエタノール、ジエタノール及び/若しくはトリエタノールアミド、例えばコカミドMEA、コカミドDEA及び/又はコカミドTEAなど、並びに/又はエトキシル化アルキレンアミド、例えばPEG4 アブラナ種子アミドなどである。好ましいイミダゾリン誘導体は、C10〜C18イミダゾリン誘導の両性界面活性剤、例えばココアンフォ酢酸ナトリウム、ラウロアンフォ酢酸ナトリウム、ココアンフォ二酢酸二ナトリウム、ココアンフォ二プロピオン酸二ナトリウム、及び/又はラウロアンフォ二酢酸二ナトリウムなどである。
【0048】
適当な線状C12〜C24αオレフィンスルホネートは、Hansa グループのHansanil OS(オレフィンC14〜C16スルホン酸ナトリウム)において発見される。
【0049】
適当なスルフォサクシネートは、長鎖(C12〜C20)アミドタイプのスルホサクシネートであり、例えばコカミドMEA又はMIPAスルホサクシネート、オレアミドMEA又はMIPAスルホサクシネート、及びC12〜C20アルコールタイプのスルホサクシネート、例えばジオクチルスルホサクシネート及びラウレススルホコハク酸二ナトリウムなどである。
【0050】
本明細書に記載されたとおりの泡試験の要件を満足する任意の泡立ち増強剤が泡立ち増強剤として本質的に適格であること及び1以上の泡立ち増強剤の選択は本明細書に記載されたとおりの群に制限されないことが、当技術分野の当業者に明らかであろう。
【0051】
好ましくは、該1以上の泡立ち増強剤は、皮膚上でのこすり合わせるときに、スキンケア作用を提供もし及び該組成物の乾燥時間の増しもする。
【0052】
単独の泡立ち増強剤並びに異なる泡立ち増強剤の混合物が、本発明に従う組成物中に用いられうる。
【0053】
該泡立ち増強剤はさらに、皮膚適合性であるべきであり、すなわち、皮膚、目又は粘膜組織に対して特に刺激性で無く且つアルコールの存在下において安定であるべきである。
【0054】
驚くべきことに、良い発泡性界面活性剤として当技術分野において知られるいくつかの界面活性剤が、この発明の組成物中の泡立ち増強剤として特に有効でない。アルコールの存在下において、この発明に従う安定な泡を提供しない泡立ち増強剤は、非常に発泡性の界面活性剤であり、例えばドデシルベンゼンスルホン酸など、いくつかの高発泡性アルキルポリグルコシド及びラウリルエーテル硫酸ナトリウムである。
【0055】
本発明の組成物は、E.coli、S.aureus、E.hirae及びP.aeruginosaに対する欧州規格EN1276懸濁物試験において、60秒、好ましくは30秒での少なくともlog5の微生物数減少を有利に生じうる。
【0056】
より低いアルコール水準での十分な殺菌能力を確保する為に、いくつかの追加の化合物が、該組成物中に存在しうる。
【0057】
酸が好ましくは、本発明の組成物中に存在する。該酸は無機酸又は有機酸でありうる。酸の混合物もまた、有用であるとして、念頭に置かれる。該酸は、本発明に従う組成物についての標的とされたpH範囲を確立する為に有効な量で存在する。任意の数の酸が用いられうる一方で、該酸は好ましくは単独の酸である。特に好ましい酸は、カルボン酸、例えばクエン酸、グリコール酸、乳酸、コハク酸、サリチル酸、酒石酸、スルファミン酸、グルタル酸、2−フランカルボン酸、又は安息香酸などである。
【0058】
本発明の組成物は、3〜8のpH、好ましくは3〜7のpH、より好ましくは4〜6のpH、最も好ましくは4〜5のpHを有する。そのようなpHは、例えば、本明細書において記載されたとおりの1以上の酸又は適当なph緩衝材の含有により維持されうる。
【0059】
該組成物の皮膚調整特性を改善する為に、該組成物はさらに、1以上の皮膚調整剤を含みうる。
【0060】
例えば、該組成物は、軟化剤又は保湿剤、例えばグリセロール、ポリグリセロール、グリセリド、カルニチン、ソルビトール、ヒマシ油、アロエベラ、アラントイン、ラノリン及びその誘導体、アセトアミドMEA、アガロース、乳酸アンモニウム、アルギニンPCA、ベンジルヒアルロネート、カルボキシメチルキトサンサクシナミド、キトサンPCA、セチルアルコール、コーングリセリド、ジグリセリン、ジメチルイミダゾリジノン、エリスリトール、フルクトース、グルカミン、グルコース、グルコースグルタミネート、グルクロン酸、グルタミン酸、グリセレス−7、グリセレス−12、グリセレス−20、グリセレス−26、グリセレス−31、水添ハチミツ、加水分解水素化デンプン、加水分解コーンスターチ、加水分解コムギデンプン、ヒドロキシエチルパルミチルオキシヒドロキシプロピルパルミタミド、ヒドロキシエチルソルビトール、イヌリン、ラクタミド、ラクタミドDEA、ラクタミドMEA、乳酸、ラクチトール、ラクトース、ラクチュロース、リジンPCA、マグネシウムPCA、マルチトール、マルトース、マンガンpea(manganese pea)、マンニトール、メトキシプロピルグルコンアミド、メチルグルセス−10、メチルグルセス−20、PCA、PEG−10 プロピレングリコール、ポリアミノ糖凝縮物、ポリグルコリン酸、ポリグリセリン−3、ポリグリセリン−4、ポリグリセリン−6、ポリグリセリン−10、乳酸カリウム、カリウムPCA、プロピレン−グリコール、プロピレングリコールシトレート、サッカリド加水分解物、サッカリド異性化物(isomerate)、アスパラギン酸ナトリウム、グルクロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムクロスポリマー、乳酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、ナトリウムPCA、ポリアスパラギン酸ナトリウム、ソルビチルシランジオール、tea−ラクテート、tea−PCA、尿素、キシリトール、キシロース、及びこれらの軟化剤の2以上の組合せなどである。
【0061】
該組成物は、皮膚調整剤、例えばベヘントリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリド、ステアラルコニウムクロリド、ベヘノイルPG−トリモニウムクロリドも含みうる。
【0062】
好ましくは、該皮膚調整剤は、0.01〜2%、より好ましくは0.02〜1%の濃度で用いられる。
【0063】
泡立ち増強剤を選択するときに、該泡立ち増強剤が皮膚調整特性も有することが有利に考慮されうる。
【0064】
「皮膚調整」特性を有する泡立ち増強剤は、皮膚保湿を改善することができ且つ皮膚の良い使用後感を提供することができ、すなわち皮膚に対する軟化効果又は柔軟効果を有し且つ繰り返し使用による皮膚の乾燥を防ぐ。そのような泡立ち増強剤の例は、上記で記載されたとおりのアルコキシル化脂肪酸アルコール及びアルコキシル化脂肪油内に発見される良いぬれ性を有する非イオン性界面活性剤である。
【0065】
皮膚上での、本発明の組成物の蓄積及びねばつきを回避する為に、種々の特徴の界面活性剤が、できる限り少ない数の界面活性剤で組み合わされ、より好ましくは、最低の実行可能な濃度で適用される。それ故に、本発明の1つの実施態様において、発泡増強機能性、ぬれ機能性及び皮膚調整機能性が、1つの化合物に有される。
【0066】
本発明の組成物は、何らの追加のリンスも無く、適用可能な殺菌基準に従う為に、繰り返し適用されうること、及び、望ましくない残留物の相当量を残さないことが重要である。
【0067】
それ故に、本発明の組成物は、できる限り皮膚調整性であり且つ皮膚にやさしいこと、すなわち、該組成物は皮膚調整効果を有するだけでなく、皮膚刺激、アレルギー性反応の何らの形も生じず、及び最も重要には皮膚状に何らのねばつく残留物を生じないことが重要である。
【0068】
ねばつく残留物の生成は、当技術分野の当業者により皮膚上での使用の為に一般的に考慮されうる多くの界面活性剤により生じうる。上記特徴を示す界面活性剤又は界面活性剤の組合せを選択することが重要である。この発明において述べられた例は、良い皮膚調整特性並びに良い皮膚適合性の両方を有利に有する種々の組成物を例証する。
【0069】
任意的に、該組成物は、0.01〜0.5%の錯化剤を、該組成物中の該過酸化水素を安定化する為に及び干渉性金属イオンを複合化又は封鎖する為に、含みうる。そのような過酸化水素安定化剤は好ましくはカチオン封鎖剤であり、且つ、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N−(ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ニトリロ四酢酸(NTA)、2−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、及びそれらの塩から選ばれてよく、又はより好ましくは、アセトアニリド、エチレンジアミン二コハク酸三ナトリウム、1〜5のリン酸基を有するホスホン酸誘導体、例えばDequestホスホネート(Solutia)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミン−ペンタ(メチレンホスホン酸)、2−ヒドロキシエチルイミノビス(メチレンホスホン酸)、及びエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)などである。
【0070】
さらに、該組成物は、香料、着色剤及び/又は可溶化剤を含みうる。香料を含む組成物中において、水性ベース中の芳香成分の分散、溶解又は混合の助けとなる香料可溶化剤を含むことが、しばしば望ましい。これらの可溶化剤は、既知の化合物、例えば2〜30モルのエチレンオキシドのソルビタンモノ−及びトリ−C10〜C20アルカン酸エステルとの凝縮物(これは非イオン性界面活性剤としても知られる)など、を含む。
【0071】
その上、特定の洗浄剤又は洗剤が任意的に添加されうる。特に、該組成物が、ティッシュ(wipe)(ウェットティッシュ(towellete))で適用されているときに、該組成物を一度で清潔にし且つ殺菌する為に、洗浄剤の添加が好ましい。該組成物が手を清潔にし且つ殺菌する為に用いられるときに、これは特に有用である。
【0072】
該組成物の平衡は、好ましくは5μジーメンス未満の伝導度を有する、脱イオン水から構成される。脱イオン水の伝導度が低ければ低いほど、該製品の貯蔵期間がより長くなることが、認識されるであろう。
【0073】
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、第4級アンモニウム化合物、フェノール化合物、ビグアナイド系化合物及び/又は抗微生物性精油を、本質的に含まない。本質的に含まないは、該組成物が、0.05%(w/w)未満、好ましくは0.01%(w/w)未満の該化合物を含むことを意味する。
【0074】
第2の局面において、本発明は、皮膚及び/又は粘膜の殺菌及び/又は浄化の為、好ましくは、手及び腕の殺菌及び/又は浄化の為に、第1の局面の該組成物を使用する方法を提供する。本発明は、皮膚又は粘膜上に容易に適用できる即時の泡を生成する為に、フォームディスペンサー中で該組成物を使用する方法を提供する。
【0075】
該皮膚上での使用の為に適当であることの次に、該組成物は、他の殺菌及び/又は浄化目的の為にも、例えば硬表面上での使用などの為にも、用いられうる。
【0076】
該組成物の使用は、グラム陽性又はグラム陰性生物、菌類、酵母並びに、エンベロープを有する及びエンベロープを有さないウィルスの、根絶又は数の減少を結果する。
【0077】
しばしば医療の場における処方は、皮膚上に或る特定の量の殺菌液体を使用することであり、及び、所望の接触時間を許す為に濡らされた表面をそのままにすることである。本発明の組成物の泡としての使用は、生成されるべき且つ該皮膚へ適用されるべき非常に正確な量、該組成物の該皮膚上の良い広がり、及び適切な接触時間の正確な維持を許し、これは殺菌の規則等遵守(compliance)を満足する為に重要である。さらに、そのアルコール水準が比較的低い故に、本発明の組成物は、要求される接触時間に達する前に蒸発せず、且つ、より可燃性でなく、その実際的な有用性を増加し且つ使用及び保存の安全の注意(precautions)を避ける。
【0078】
適切な殺菌の規則等遵守を達成する為に、該製品はさらに、少なくとも手の感染を引き起こしうる夫々の患者又は特定の活動の後の、一日の間の繰り返しの使用を許すべきである。本発明の組成物は、皮膚上の該組成物の成分の有意な蓄積無く、繰り返して、有利に使用される。実務者は、それ故に、本発明の組成物を使用するよう刺激されるであろうし、これはまた殺菌の規則等遵守を助ける。
【実施例1】
【0079】
実施例
化学的殺菌剤及び防腐剤のについての欧州規格EN1276(EN1276:食品、工業、家庭内及び施設の領域において用いられる化学的な殺菌剤及び防腐剤の殺バクテリア活性の評価の為の定量的懸濁物試験:試験方法及び要件)に適合する、制御された殺バクテリア性懸濁物試験を用いて、例示された組成物の殺生物活性が試験された。1ml当たり約10cfuの試験微生物を含む1mlの試験懸濁物が、試験されるべき該組成物の8mlに添加され、そして1mlのミリQ水が添加される。清潔な状況及び汚ない状況が、ウシアルブミン血清を添加することにより模倣される(夫々0.3%及び3.0%)。30秒又は1分の接触時間の後に、生存可能な微生物の総数が測定された。EN1276規格は、5分の接触時間後の生存数におけるlog5の減少を規定する。
【0080】
化合物の説明

【0081】
組成物I

38% エタノール
1.5% 過酸化水素
0.6% Dehydol LT 7
0.3% Natrulon H−6
0.2% 安息香酸
0.1% Barlox 12(ココアミンオキシド)
0.1% EDTA
pH ca. 4.5


【0082】
組成物II

35% エタノール
1% 過酸化水素
0.7% Dehydol LT 7
0.15% Barlox 12
0.2% 安息香酸
pH ca. 5


【0083】
組成物III

40% エタノール
0.7% 過酸化水素
0.6% Dehydol LT 7
0.1% Barlox 10s (デシルアミンオキシド)
0.2% 安息香酸
0.1% Dequest
pH ca. 4.6


【0084】
該組成物は、広範囲スペクトルの抗微生物活性も提供し、これは、欧州の殺真菌性懸濁物試験(EN1275化学的殺菌剤及び防腐剤−化学的殺菌剤及び防腐剤の基本的な殺真菌活性又は基本的な殺酵母活性の評価の為の定量的懸濁物試験−試験方法及び要件(フェーズ1)、及びEN1650化学的殺菌剤及び防腐剤−食品、工業、家庭内及び施設の領域において用いられる化学的殺菌剤及び防腐剤の殺真菌活性の評価の為の定量的懸濁物試験−試験方法及び要件(フェーズ2、ステップ1))により証明される。
【0085】
組成物IV

33% エタノール
1.5% 過酸化水素
0.3% Eumulgin HRE 40 (PEG−40 水素化ヒマシ油)
0.5% Protelan LS 9011 (ラウリルサルコシン酸ナトリウム)
0.2% サリチル酸
pH ca. 4.2


【0086】
組成物V

20% エタノール
10% イソプロピルアルコール
1% 過酸化水素
0.2% Tween 80
0.2% Tego Betain L7(ココアミドプロピルベタイン)
0.2% 乳酸
0.1% Dequest
pH ca. 5


【0087】
良い殺生物活性に加え、上記で開示された組成物I〜Vは、S10又はL11ディスペンサー(Rexam Airspray)から施与されたときに、安定な泡を提供する。
【0088】
表1は、良い泡品質と若干異なる皮膚への使用後感とを有する種々の組成物を示す。重量百分率は、該組成物の合計重量に基づく、該成分の正味重量百分率である。
【0089】
E.coli及びスタフィロコッカス アウレウスにおける減少がEN1276懸濁物試験において試験され、そして、夫々グラム陰性バクテリア及びグラム陽性バクテリアに対する該組成物の抗微生物的効能を示す。
【0090】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1〜5%(w/w)の過酸化水素、
21〜55%(w/w)のC2〜C6アルコール、及び
0.01〜2%(w/w)の泡立ち増強剤
を含む、泡を提供する為の水性組成物。
【請求項2】
空気を含む、請求項1の組成物であって、
該組成物が空気と混合されたときに、該組成物と空気との混合物が泡を形成するところの上記組成物。
【請求項3】
36%(w/w)エタノール及び0.2%(w/w)の該泡立ち増強剤から成る組成物を、11の空気対液体の割合で該組成物が空気と混合される混合チャンバーを有するフォームディスペンサーから、20℃の不活性な硬表面上に施したときに、該泡が少なくとも5〜10秒間、より好ましくは10〜20秒間、さらにより好ましくは20〜30秒間安定である、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
フェノール化合物、第4級アンモニウム化合物、ビグアナイド系化合物及び/又は抗微生物性精油を本質的に含まない、請求項1〜3のいずか1項の組成物。
【請求項5】
E.coli、S.aureus、E.hirae及びP.aeruginosaに対するEN1276懸濁物試験において、60秒で、好ましくは30秒で、少なくともlog5の微生物数減少を生じる、請求項1〜4のいずれか1項の組成物。
【請求項6】
該泡立ち増強剤が、i)アルコキシル化非イオン性界面活性剤、ii)窒素含有の両性又は非イオン性界面活性剤、iii)線状C12〜C24αオレフィンスルホネート、及びiv)C12〜C20スルホサクシネートの少なくとも1から選ばれる、請求項1〜5のいずれか1項の組成物。
【請求項7】
該アルコキシル化非イオン性界面活性剤i)が、全て最小6のアルコキシル化度を有する、アルコキシル化C8〜C30脂肪アルコール、アルコキシル化C8〜C30脂肪酸及びアルコキシル化C8〜C30脂肪油の少なくとも1、並びにポリソルベートの少なくとも1から選ばれる、請求項6の組成物。
【請求項8】
該アルコキシル化脂肪アルコールが、C10〜C20の第1級及び/又は第2級アルコール、好ましくは線状C10〜C20第1級及び/又は第2級アルコールである脂肪アルコール構成部分を含む、請求項7の組成物。
【請求項9】
アルコキシル化脂肪油が、水素化C10〜C20脂肪油、好ましくは少なくとも20のアルコキシル化度を有する水素化C10〜C20脂肪油である、請求項7の組成物。
【請求項10】
該アルコキシル化非イオン性界面活性剤がエトキシル化界面活性剤である、請求項6〜9のいずれか1項の組成物。
【請求項11】
該窒素含有の両性又は非イオン性界面活性剤ii)が、アミンオキシド、ベタイン、アミド、ヒドロキシスルタイン、及び/又はイミダゾリン誘導体の少なくとも1から選ばれる、請求項6の組成物。
【請求項12】
0.01〜2%(w/w)の皮膚調整剤、好ましくはグリセロール、ポリグリセロール、グリセリド、カルニチン、ソルビトール、ヒマシ油、アロエベラ、アラントイン、ラノリン及びその誘導体、並びにセチルアルコールの少なくとも1をさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項の組成物。
【請求項13】
該泡立ち増強剤が、発泡増強性に加えて、ぬれ機能及び/又は皮膚調整機能を有する、請求項1〜12のいずれか1項の組成物。
【請求項14】
無機酸及び/又は有機酸をさらに含む、請求項1〜13のいずれか1項の組成物。
【請求項15】
該有機酸がカルボン酸、好ましくは環状カルボン酸を含むカルボン酸である、請求項14の組成物。
【請求項16】
3〜8の範囲のpH、好ましくは3〜7の範囲のpH、より好ましくは4〜6の範囲のpH、最も好ましくは4〜5の範囲のpHを有する、請求項1〜15のいずれか1項の組成物。
【請求項17】
皮膚若しくは粘膜及び/又は硬表面の殺菌及び/又は浄化の為に、請求項1〜16のいずれか1項の組成物を使用する方法。
【請求項18】
泡を生成する為に、フォームディスペンサー中で、請求項1〜16のいずれか1項の組成物を使用する方法。
【請求項19】
皮膚又は粘膜上に、請求項1〜15のいずれか1項の組成物を泡として適用することを含む、皮膚又は粘膜の殺菌及び/又は浄化をする方法。
【請求項20】
フォームディスペンサーから、請求項1〜15のいずれか1項の組成物を分注することを含む、泡を生成する方法。

【公表番号】特表2009−545523(P2009−545523A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517285(P2009−517285)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056889
【国際公開番号】WO2008/003779
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(508318764)センテニアル ヴェンチャーズ ビー.ブイ. (3)
【Fターム(参考)】