説明

広範囲パターンノズル

本発明は、特に、移動しているウェブ状基板(11)に接着剤やローションなどの複数の糸状流体(17)を付着させるため、糸状流体(17、17a、17b、17c)用の複数の出口開口部(15a、15b、15c、15d、15e)を備えていて、それぞれの出口開口部は一対の流れ開口部(16a、16b、16c、16d、16e)の間に配置されており、流れ開口部を通って流体(21)、特に圧縮空気が流出して糸状流体を振動させる構成の装置(10)に関する。特別な特徴は、特に、出口開口部が曲線路(22、22')に沿って配置されていることにある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの装置が出願人によってしばらくの間開発され、製造されてきた。請求項1の前文に記載の装置は、例えばEP 0 835 952 A1とEP 0 984 083 A2に記載されており、その両方とも出願人によるものである。
【0003】
これら公知の装置では、側方空気流によって糸状流体(threads of fluid)が振動する。その結果として基板への付着パターンを非常に均一にすることができる。
【0004】
以前から知られているこれらの装置では、出口開口部は、基板の移動方向を横断するようにして直線に沿って配置されている。複数のノズルまたはノズル・ヘッドが合わさって、望む任意の長さにわたる直線状の一列の配置を形成している。このようにすると、基板に付着させる糸状流体の付着幅を変えて調節することができる。一般に、付着幅は最も外側の2つの出口開口部を隔てる距離に対応する。出口の幅も、横に並べて配置される同じ幅の複数のノズル・ヘッドによってこの長さの整数倍まで広げることができる。
【0005】
従来の装置では、流体用の出口開口部と圧縮空気用の流れ開口部が交互になっている。2つの流体出口開口部の間に2つの流れ開口部を配置することも知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、この公知の装置から出発し、請求項1の前文に記載の装置で基板の柔軟な処理が可能なものを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の特徴を有する本発明によってこの目的が達成される。したがって本発明は、出口開口部が曲線路に沿って配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の原理は、糸状流体用の出口開口部が従来技術のようにもはや直線に沿って配置されておらず、曲線路に沿って配置されていることである。曲線路は、例えば円弧、または楕円、または放物線によって形成することができる。規則的な曲率または不規則な曲率を有する他の曲線路も適している。出口開口部を配置する経路は、連続的に延ばして連続的に曲げることができる。
【0009】
この特別な構成を選択することで、それぞれの出口開口部が異なる角度で基板の表面に向かう幾何学的配置になる。
【0010】
この装置は、対称に構成することが有利である。基板の表面に最も近い出口開口部は、基板の表面に垂直にすることができる。これを基本にして、それぞれの出口開口部は、直角から大きくなる方向にずれていく角度で基板の表面に向かうことができる。
【0011】
その結果、本発明により、最も外側の出口開口部は、直角から最も大きくずれた角度で配置される。例えば2つの外側出口開口部は、その両者が70°の角度をなすように配置することができる。言い換えるならば、それぞれの外側出口開口部は、直角から約35°ずれた角度で基板の表面に向かう。したがって外側出口開口部は、基板の表面に対して90°−35°=55°傾いている。
【0012】
本発明は、接着剤(特にホットメルト接着剤やそれ以外の接着剤)を付着させることのできる装置を包含している。付着させることが可能なのは、例えば、ボール紙パッケージ、紙、テキスタイル、または望む他の任意の材料である。本発明は、衛生製品(例えばおむつ)にローションを付着させる装置も包含している。
【0013】
本発明は、出口開口部と流れ開口部が交互に配置された装置を包含している。本発明のこの構成では、2つの出口開口部の間に正確に1つの流れ開口部が存在している。
【0014】
本発明の別の一改良例では、一対の流れ開口部が2つの出口開口部の間に存在している。言い換えるならば、この変形例では、それぞれの出口開口部に専用の一対の流れ開口部が割り当てられる。
【0015】
本発明は、それぞれの出口開口部に3つ以上の流れ開口部が割り当てられる装置も包含している。
【0016】
本発明は、出口開口部と流れ開口部が共通の曲線路に沿って配置された装置を包含している。しかし本発明は、出口開口部と流れ開口部が異なる曲線路(例えば互いにずれた配置の曲線路)に沿って配置された装置も包含している。後者は、例えば流れ開口部を出口開口部に対してわずかにずらして配置したときに考えることができる。
【0017】
本発明の装置では、流れ開口部を通じて圧縮空気を流し、糸状流体を振動させたり振り子のような運動をさせたりすることが好ましい。糸状流体の振動は、基板の表面を一様に被覆したり湿らせたりするのに利用される。その結果として糸状流体は基板の表面に波状の線となって堆積され、ネットワーク構造を形成する。圧縮空気の代わりに他の流れる流体(例えばガス)も使用できる。
【0018】
有利な一改良例では、2つの外側出口開口部は、その両者の間に20°よりも大きい角度をなす。これは、流体が出ていく方向に沿って出口開口部が通過する想像上の幾何学的な線が、両者の間に20°以上の角度をなすことを意味する。有利な一改良例では、この角度は30°超であり、より有利な一改良例では40°超であり、さらに有利な一改良例では50°超であり、さらに有利な一改良例では60°超であり、さらに有利な一改良例では70°超である。本発明の一実施形態では、この角度は約70°である。
【0019】
この大きな角度により、基板への流体の付着幅が装置のサイズを大きく超えることが可能になる。糸状流体は、実質的に星の爆発のようにして中心から放出され、基板で装置の直接下方を移動する領域だけでなく、基板の移動方向に対して装置の側方にある領域も被覆する。したがって、第1に、設計がコンパクトで構成が簡単な装置を実現することが可能である。第2に、この装置はさまざまに使用することができ、基板の柔軟な被覆が可能である。
【0020】
例えば基板と出口開口部の間の距離を変えることによって付着幅を変化させ、望むサイズに調節することができる。それとは逆に、従来技術では、複数の出口開口部を有するノズル・モジュールを追加または除去して付着幅を変える必要があった。
【0021】
それに加え、本発明によれば、複数の装置を基板の移動方向に対して横に並べて配置すること、またはわずかにずらして配置することができる。したがって2つのノズル・モジュールの間の領域が均一に重なるようにすることも可能である。
【0022】
本発明の特に有利な一改良例によると、2つの流れ開口部がそれぞれの外側出口開口部の外側に配置される。したがって最も外側の出口開口部には2つの流れ開口部(内側の1つの流れ開口部と、外側の1つの流れ開口部)が隣接するだけでなく、追加の外側出口開口部も設けられている。これは、外側を流れるために出口開口部から基板の表面まで最も長い距離をカバーせねばならない糸状流体をわずかに上方または外側に引っ張るのに利用される。その結果、重力の影響が相殺される。これは、付着パターンを一様にするのにも役立つ。
【0023】
本発明のさらに別の有利な一改良例によると、流れ開口部はそれぞれ異なる断面積を有する。ここでは少なくとも縁部に近いいくつかの流れ開口部、すなわち外側に位置する流れ開口部の断面積を縁部に向かって大きくなるようにすることができる。それに加え、このようにすると外側に配置した糸状流体をその周辺でより強い流れにできるため、重力の好ましくない影響が相殺される。
【0024】
好ましいことに、付着幅は、2つの外側出口開口部を互いに隔てている距離を大きく超えるようにできる。したがって外側出口開口部を互いに隔てる距離よりもはるかに大きい付着幅を初めて実現することが可能になる。
【0025】
さらに、本発明は、複数の糸状流体を付着させる方法に関する。このような方法は、冒頭に記載した出願人の文献から公知である。
【0026】
本発明は、この公知の方法の開発をさらに進めてより多彩な基板の被覆が可能になるようにするという目的に基づいている。
【0027】
請求項9の特徴を有する本発明により、この目的が達成される。
【0028】
請求項9に記載された方法の技術的利点と効果に関しては、請求項1〜請求項8に関して上に説明した利点が同様に適用されるため、繰り返しを避けるために該当箇所を参照されたい。
【0029】
本発明のさらに別の利点は、引用していない他の請求項に現われるとともに、図面に示した実施形態に関する以下の説明にも現われる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による装置の第1の実施形態が動作中の状態を模式的に斜視図で示している。
【図2】図1からの装置のノズル・モジュールの構成部品としてのプレート状要素の詳細図であり、曲線路に沿った出口開口部の配置を示している。
【図3】プレート状要素から抽出した一部の模式図である。
【図4a】図3を改変した一実施形態を示している。
【図4b】さらに別の一実施形態を図4aのようにして示している。
【図5】図1からの装置のノズル・プレートの一実施形態を詳細に示す斜視図である。
【図6】本発明のノズル・モジュールのさらに別の一実施形態として、より多くの出口開口部を有するものを図5のようにして示している。
【図7】図4bと同様のノズル・プレートのさらに別の変形例を図2のようにして示している。
【図8】本発明によるノズル・モジュールのさらに別の一実施形態を図3と同様にして示している。
【図9】本発明によるノズル・モジュールのさらに別の一実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面では、本発明による装置全体を参照番号10で示す。図を見やすくするため、同じ部品または要素、同等な部品または要素は、異なる実施形態でさえ、同じ参照番号に一部小文字を付加して示す。
【0032】
図1には、本発明による装置10が模式的に斜視図として示されている。図を見やすくするため、装置の重要な部品が残されている。
【0033】
装置10はモジュール12を備えていて、そのモジュール12は基板11の上方に配置される。基板11はウェブの形態であり、基板幅Sを有する。基板は駆動装置である例えばローラー(図示せず)によって移動方向Xに移動する。ノズル・モジュール12は静止状態で配置される。
【0034】
モジュール12のホルダは図示されていない。負荷担持ロッドまたはそれと同様のスタンド設備をホルダのために設け、それを用いて移動方向Xを横断するY方向にモジュール12を変位させるとともに、基板に対するモジュール12の選択位置をロックすることができる。
【0035】
本発明の一変形例では、本発明の装置10において、モジュール12と基板の表面19を隔てる距離A、あるいは厳密には、出口開口部15と基板の表面19を隔てる距離Aを変えられるようにすることもできる。
【0036】
モジュール12には供給ライン(図示せず)を通じて圧縮空気が供給され、別の供給ライン(図示せず)を通じてホットメルト接着剤、または他の流体が供給される。
【0037】
出口開口部は特別な幾何学的形状になっているため(これについてはあとでより詳しく説明する)、接着剤がノズル・モジュール12から複数の出口開口部15を通って糸状となって現われる。それぞれの出口開口部15には流れ開口部16が隣接しており、その流れ開口部16の中を圧縮空気が通過する。図3を参照してあとでより詳しく説明するが、出口開口部15と流れ開口部16は曲線路22に沿って配置されている。
【0038】
圧縮空気のスイッチをオンにして接着剤の供給がなされるようにすると、図1の実施形態では、7本の糸状接着剤(threads of adhesive)17a、17b、17c、17d、17e、17f、17gが7つの出口開口部15から現われる。それぞれの糸状接着剤は、2つの側方空気流に隣接している。これらの空気流があるため、糸状接着剤17に運動が、特に振り子状または振動状の運動が起こる。糸状接着剤17が基板11の表面19にぶつかるとすぐに、この糸状接着剤は波状の線となって堆積され、その結果として図1に模式図として示した表面被覆パターン20になる。糸状接着剤は波状に堆積されるため、基板11の表面19に、全体として非常に一様なネットワーク構造を形成することができる。
【0039】
図1からすでにわかるように、ノズル・モジュール12からの7本の糸状接着剤からなる出力パターンは全体として星の爆発のようであるため、その結果として、糸状接着剤のカーテンが扇のように形成される。
【0040】
それぞれの糸状接着剤17に割り当てられた2つの空気流領域は、糸状接着剤が載る領域18a、18b、18cなどを形成してその範囲を規定する。この図は単なる模式図として理解すべきだが、技術的原理は基本的に応用性がある。
【0041】
図1からすでにわかるように、最も外側の2本の糸状接着剤は、その両者の間に角度α5をなす。この角度を別の実施形態ではα1、α2、α3、α4と表わす。別の実施形態ではこの角度を異なるように選択することもできる。
【0042】
最も外側の2本の糸状接着剤の間、すなわち最も外側の出口開口部15の間の角度が比較的大きくなるように選択したことで、中央ノズル・モジュール12から出発して基板11の表面19のうちでモジュール12の下方を直接移動する領域だけでなく、横方向に離れた領域もカバーする被覆が実現される。図1に従って実現できる基板の表面19への流体の付着幅Bは、ノズル・モジュール12の外側のサイズWをかなり超過する。
【0043】
正確を期するため、ここで、サイズWは、厳密には接着剤のための最も外側の2つの出口開口部15を隔てる距離を指していることを指摘しておく。
【0044】
距離Aをどのように選択するかに応じ、実現可能な付着幅Bを距離Wの1.5倍よりも大きくすることができる。この大きさは2倍超であることがより好ましく、2.5倍超であることがさらに好ましく、3倍超であることがさらに好ましい。
【0045】
糸状接着剤のカーテンをこのように扇状に形成するには、図3の模式図から最もよくわかるように、接着剤出口開口部15g、15hなどを曲線路22に沿って配置する。曲線路22は、従来技術で知られている直線に代わるものである。
【0046】
曲線路22が曲がっているため、それぞれの接着剤出口開口部15g、15hが異なる角度で基板の表面19に向かう。したがって図1に示した扇状のスプレー・カーテンが生じる。
【0047】
図3は、図1の装置で使用される図2の実施形態によるノズル・プレート13eが、一連の出口開口部15と流れ開口部16に対していかに構成されるかを模式的に示すことだけを目的としている。ここで、図3は断面の模式図を示しているのに対し、図2と図7は、出口開口部15と流れ開口部16だけを示すプレート状要素を示しているのに過ぎないことに注意されたい。
【0048】
図5と図6に示してあるように、ノズル12は、複数のプレート状要素からサンドイッチのようにして組み立てられる。
【0049】
図3の実施形態では、流れ開口部16j、16k、16lと、流体出口開口部15g、15hなどは、交互に配置されている。これは、2つの出口開口部15g、15hの間ごとに正確に1つの流れ開口部16kが配置され、2つの流れ開口部16j、16kの間ごとに正確に1つの出口開口部15gが配置されていることを意味する。
【0050】
しかし本発明は図4aの装置も包含しており、それぞれの流体出口開口部15eは、2つの流れ開口部16f、16gに隣接するか、より多くの流れ開口部に隣接しており、さらに、2つの出口開口部15e、15fの間ごとに2つの流れ開口部16g、16hが配置されている。
【0051】
図4aの実施形態では、この図面の左端に、単なる例示として、流れ開口部16が必ずしも出口開口部15と平行に走っていなくてもよく、例えば出口開口部15に対して鋭角β1、β2に配置されていてもよいことが示されている。いくつかの実施形態では、こうすることで、糸状接着剤17の周囲で有利な流れにすることができる。
【0052】
もちろん本発明のいくつかの実施形態では、互いに平行な方向しか向いていない流れ開口部16と出口開口部15を用意することができる。本発明の別の実施形態では、それぞれの出口開口部に対して平行に配置されていない流れ開口部16だけが存在している。最後に、流れ開口部16と出口開口部15が互いに平行に配置されるとともに鋭角にも配置された実施形態も存在している。
【0053】
図5と図6の異なる2つの実施形態から明らかなように、ノズル・モジュール12は、さまざまなプレート13からサンドイッチのようにして組み立てることができる。例えば図5の実施形態は、固定ネジ14a、14b、14c、14d、14eによって互いに保持される複数のプレート13a、13b、13c、13d、13e、13f、13gを有する。繰り返しを避けるため、EP 0 835 952 A1の開示内容を参照されたい。なおその内容は、本出願に組み込まれる。引用したこの文献には、異なるプレートからなるサンドイッチ構造に基づいて接着剤と圧縮空気をいかにして正確に導くかが記載されている。
【0054】
本発明にとって重要なプレート13eを図2に示してある。このプレートは、EP 0 835 952 A1の図3aのプレートに代わるものである。当業者には、図5と図6のノズル12を実現するため、適切な改変を施したさらに別のプレートが設けられていることは明らかであろう。
【0055】
図2は、図6の実施形態で使用できるプレート13kを示している。図6は、基本原理に関しては図5のノズル・モジュール12aに対応しており、付着幅をより大きくするために出口開口部15の数を増やしてある。
【0056】
図5の実施形態には7つの接着剤出口開口部15があるのに対し、図6の実施形態には16個の接着剤出口開口部がある。それに対して図2の実施形態には、29個の接着剤出口開口部が示されている。
【0057】
出口開口部の数は、さまざまなパラメータに依存して異なる。パラメータとして、例えば基板の速度、望ましい付着パターン、接着剤のタイプ、圧縮空気に関して利用できる流圧や、その他の因子がある。特に、望ましい付着幅も重要な役割を果たしている。
【0058】
図4bの実施形態も、図3の実施形態と比べてさらに別の特徴を示している。ここでは、最も外側の流れ出口開口部15iと15wそれぞれの外側に、流れ開口部が1つだけではなく2つ配置されていることがわかる。例えば第1の流れ開口部16nと第2の流れ開口部16oが流体出口開口部15iの外側に配置され、第1の流れ開口部16qと第2の流れ開口部16pが流れ出口開口部15wの外側に配置されている。したがって側縁部すなわち最も外側に位置する糸状流体17は、図1の図に基づくと、追加した隣接する流れによって上方に引っ張ることができる。そのことにより重力が相殺される。こうすると、基板を接着剤で一様に被覆することができる。
【0059】
本発明のさらに別の改良例では、流れ開口部16が異なる断面積を持つようにされている。例えば、外側に配置された流れ開口部のいくつかで開口部の断面積を特に変化させ、流れ開口部の断面積が外側に向かって大きくなるようにすると有利である可能性がある。重力はこのようにして相殺することもでき、均一な被覆を実現できる。
【0060】
当業者にとって、側縁部に配置される糸状接着剤は基板を最も長い経路にわたって被覆せねばならないため、重力の影響を最も強く受けることは明らかであろう。ここでは、追加した流れの力により、糸状接着剤が長い経路上で基板のほうに過度にずれないようにできる。その結果、流体が一様に付着する。
【0061】
図7の実施形態は、図2の実施形態を改変したプレート13eを示している。ここでは、図4bの実施形態と同様、追加の流れ開口部16oと16pが側縁部に設けられている。
【0062】
本発明の方法では、付着幅Bを調節するため、または付着幅Bを変化させるため、出口開口部15と基板の表面19を隔てる距離Aを変えられるようにすることができる。
【0063】
図3〜図4bを参照すると、直線矢印は、圧縮空気または別の適切な流体の流路を表わしているのに対し、波線矢印は、接着剤の放出を示している。
【0064】
図面の説明全体に関し、説明は接着剤が流体として現われる実施形態にだけ関係していることに注意されたい。ローションその他の流体を使用する本発明の他の装置は同様にして作動させることができる。
【0065】
図3〜図4aと図2、図7から、出口開口部15は曲線路22または22'に沿って配置されていることが明らかになる。厳密には、出口開口部15の開口領域Mを曲線路に沿って配置する問題である。この点に関し、図2は、開口領域M1、M2、M3などが曲線路22'に沿って配置されていることを示している。しかしこの曲線路22'は曲線路22に対応するか同じ曲率を示すため、出口開口部15r、15s、15tの本発明による配置は、曲線路22と曲線路22'の両方によって記述することができる。
【0066】
それに加え、ここで図8と図9の実施形態を参照すべきである。
【0067】
図8は、図3の実施形態と同様、多数の出口開口部15a、15b、15c、15d、15eと流れ開口部16a、16b、16c、16d、16eが曲線路22に沿って交互に配置された本発明の一実施形態を示している。しかし出口開口部15と流れ開口部16は、直線状区画23a、23b、23cに沿って配置されている。厳密には、これは多角形である。出口開口部15と流れ開口部16は、この実施形態では、曲線路22にほぼ沿っているだけである。
【0068】
図9の実施形態では、図8に示したのと同様、出口開口部15がやはり多角形構造に配置されている。ここでは、直線状の5つの区画23d、23e、23f、23g、23hが設けられていて、やはり曲線路22に沿って出口開口部15が配置されている。これらの実施形態も本発明の教示に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動しているウェブ状基板(11)に接着剤やローションなどの複数の糸状流体(17)を付着させるため、糸状流体(17、17a、17b、17c)用の複数の出口開口部(15a、15b、15c、15d、15e)を備えていて、それぞれの出口開口部は一対の流れ開口部(16a、16b、16c、16d、16e)の間に配置されており、該流れ開口部を通って流体(21)、特に圧縮空気が流出して糸状流体を振動させる構成の装置(10)において、前記出口開口部が曲線路(22、22')に沿って配置されている、ことを特徴とする装置(10)。
【請求項2】
前記出口開口部(15)と前記流れ開口部(16)とは、共通の曲線路(22)に沿って配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記装置は、実質的に鏡面対称に構成されている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装置(10)。
【請求項4】
2つの出口開口部(15)が、その両者の間に20°よりも大きい角度(α1、α2、α3、α4、α5)、特に30°よりも大きい角度、さらには40°よりも大きい角度、さらには50°よりも大きい角度、さらには60°よりも大きい角度をなす、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つの請求項に記載の装置(10)。
【請求項5】
2つの流れ開口部(16)が、それぞれの外側出口開口部(15)の外側に配置されている、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つの請求項に記載の装置(10)。
【請求項6】
すべての出口開口部(15)が同じか似た断面積を有する、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つの請求項に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記流れ開口部(16)の断面積は、縁部に向かって大きくなっている、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一つの請求項に記載の装置(10)。
【請求項8】
付着幅(B)は、2つの出口開口部(15)を互いに隔てる距離(W)を大きく超過している、ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一つの請求項に記載の装置(10)。
【請求項9】
移動しているウェブ状基板(11)に接着剤やローションなどの複数の糸状流体(17、17a、17b)を付着させる方法であって、流体が、曲線路(22、22')に沿って配置された複数の出口開口部(15a、15b、15c、15d、15e)から糸状流体(17)として出現し、それぞれの糸状流体が2つの空気流(21)に隣接していて、その糸状流体(17)が扇状のカーテンとなって基板(11)の上に落ちる、方法。
【請求項10】
前記扇状のカーテンが、20°よりも大きい角度(α1、α2、α3、α4、α5)、特に30°よりも大きい角度、さらには40°よりも大きい角度、さらには50°よりも大きい角度、さらには60°よりも大きい角度に広がる、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基板(11)と前記出口開口部(15)を隔てる距離(A)を変化させて付着幅(B)を調節する、ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−500848(P2013−500848A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522947(P2012−522947)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/043321
【国際公開番号】WO2011/014480
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(591203428)イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド (309)
【Fターム(参考)】