説明

床スラブ及びラフト用の複合コンクリート

本発明は建築の分野に属し、工業用床及び基礎スラブの構築に使用できる。セメント、砂−石混合物、水、可塑剤、ナノサイズのポゾラン、収縮低減添加剤並びに鋼及び/又は合成繊維を含む本発明の複合コンクリート混合物は、薄く、完全目地無しで面積制限がなく大きな複合コンクリートスラブの構築を可能にし、収縮ひび割れもカールも見られない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築に関し、工業用床材及びラフトの構築に使用できる。
【背景技術】
【0002】
コンクリート床材は、プレーンコンクリート又は補強コンクリート(reinforced concrete)で作られている。補強材の量又は補強材の不使用は一般に予想荷重及び荷重強度によって決定され、より厚いプレーンコンクリートスラブがより薄い補強コンクリート床材と同程度に満足な機能を果たせると示すこともできる。
【0003】
コンクリートを補強するもう1つの理由は、拘束収縮、曲げモーメント、塑性地盤沈下及び点荷重による打ち抜きによって引き起こされるコンクリートのひび割れを制御するためである。
【0004】
ひび割れ発生率及びひび割れ幅を減少させるためには、コンクリート床材を隣接したより小さいスラブに分割して、収縮による収縮移動の部分が、望ましくないひび割れを形成するのではなく、目地に集まり、位置できるようにするのが普通である。目地は、各方向に5〜15mの間隔のソーカット(sawn cut)又は全深度施工目地(full depth construction joint)などの種々の型である。
【0005】
コンクリート床材の目地は、それらが経時的に開くという予想のもとに設計されている。収縮は目地を著しく開かせる可能性があり、収縮が下部よりも表面層で大きい場合にはスラブの端部にカールが観察されることがある。スラブは、薄いほど早く急速にカールし、目地端部の崩壊を引き起こし、床材を横断する装置に損傷を与える可能性が増大する。
【0006】
コンクリート床材の補強は、適用の型に応じて、単層、2層又はそれ以上で設置される鋼金網の鉄筋で構成できる。
【0007】
コンクリート床材の補強は、コンクリート中に繊維をランダムに混合することによって達成することもできる。金網及び鉄筋を用いても用いなくても、繊維は、鋼線若しくは鋼切粉又は合成繊維、あるいは場合によっては両型の繊維から構成できる。繊維を用いる利点は、ひび割れをより良く制御できること、及びほとんどの場合鉄筋又は金網の設置の必要性をなくすことができることによるより簡単なスラブ構造にある。
【0008】
鋼繊維を複合コンクリート中に添加すると、工業用床材及び基礎スラブのひび割れを減少させることができる。文献によれば、鋼繊維は、複合コンクリート1m3当たり40kgの添加率で、自由収縮を15%まで減少させることができる。
【0009】
鋼繊維は、コンクリートのひび割れをよりよく制御できるため、過去25年の間、ベストプラクティスに従って、目地を含まない3500m2以下のスラブサイズの目地無しコンクリート床材の補強としてのみ使用されてきた。しかし、これらの適用においては、収縮もひび割れも排除されていない。
【0010】
本発明に最も近い先行技術は、EP0137024に記載された床スラブ用複合コンクリート組成物である。既知の複合コンクリートは、セメント、水、砂−石混合物、ナフタレンメラミンスルホネート溶液及び直径1mm及び長さ60mmの鋼繊維を含む。複合コンクリート1m3中の成分含量は、以下の通りである:
セメント 310kg
水 155kg
粒径16mm未満の砂−石混合物 1550kg
粒径16〜25mmの砂−石混合物 390kg
ナフタレンメラミンスルホネート溶液 セメント質量の約1.2%
直径1mm及び長さ60mmの鋼繊維 30kg
【0011】
先行技術の複合コンクリート組成物を用いて設置されるスラブの設計及び構築は、種々の国のいくつかの技術規格、例えば、ACI 360(米国)、TR34(英国)、TR34(英国)、CUR36(オランダ)、CUR111(オランダ)、ACI223(米国)、ACI544(米国)に記載されている。しかし、先行技術の複合コンクリート組成物を用いるスラブが、床スラブの長期ひび割れ及び床スラブ端部のカールのために複合コンクリートスラブのサイズが制限される、目地が開く、スラブを少なくとも15cmの厚さまで設置しなければならないのでセメントの消費量が比較的多いといった欠陥を有することを実際に示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、薄く、完全目地無しで面積制限がなく、収縮ひび割れがなく、端部のカールがない複合コンクリート床スラブ及び基礎ラフトスラブを設置する可能性を提供することである。このような厚さ及び性質を兼ね備えた床スラブはこれまで知られていない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
セメント、水、粒径16mm未満の砂−石混合物、繊維、可塑剤を含む床スラブ及びラフト用の既知の複合コンクリート組成物に、本発明に従って、遊離石灰、エチレングリコール及びスルホアルミン酸カルシウムを含む群から選択される、混入される少なくとも1種の収縮低減添加剤の添加によって補充を行う。これに関して、複合コンクリート1m3中の成分含量は、以下の通りである:
セメント 240〜360kg
水 110〜165kg
粒径16mm未満の砂−石混合物 1700〜1900kg
可塑剤 セメント含量の0.5〜2%
収縮低減添加剤 5〜70kg
鋼及び/又は合成繊維 0.6〜60kg
【0014】
CEMI、CEMII又はCEMIII型セメントを用いる必要があり、これが少なくとも75%のクリンカーを含む必要があることが実験的に確認された。収縮低減添加剤を混入して、複合コンクリートの収縮を補償し、収縮応力を防ぐ。本発明の複合コンクリート組成物は、薄く、完全目地無しで面積制限がなく、収縮ひび割れも端部カールも見られない複合コンクリート床スラブを設置する可能性を正確に提供することが実験的に証明されている。
【0015】
可塑剤は、ナフタレン、メラミン、ナフタレン−メラミン、リグノスルホネート又はポリカルボキシレートを含む群から選択できる。更に、ナノサイズのポゾラン微粉(pozzolanic dust)を、複合コンクリート組成物中に混入できる。複合コンクリート1m3中の成分含量は以下の通りである:
セメント 240〜360kg
水 110〜165kg
粒径16mm未満の砂−石混合物 1700〜1900kg
可塑剤 セメント含量の0.5〜2%
収縮低減添加剤 5〜70kg
繊維 0.6〜60kg
ナノサイズのポゾラン微粉 5〜15kg
【0016】
複合コンクリート中のナノサイズのポゾラン微粉は、セメントと砂−石粒子との間隙を完全に埋め、より均質な複合コンクリートをもたらす。
【0017】
直径0.75〜1mm及びアスペクト比50〜70の鋼繊維を複合コンクリート中に混入できる。複合コンクリート1m3当たりの鋼繊維の含量は25〜60kgである。
【0018】
複合コンクリートへの鋼繊維の使用により、スラブの耐荷重能力及びひび割れ安定性が確実となる。50〜70のアスペクト比を選択したが、これは、複合コンクリートへのこのような繊維の添加が比較的容易であるためである。
【0019】
複合コンクリート中には、直径2000dnの合成繊維を混入できる。複合コンクリート1m3当たりの合繊繊維の含量は0.6〜4kgである。
【0020】
複合コンクリートへの合成繊維の使用により、スラブのミクロなひび割れに対する抵抗性が確実となる。このような複合コンクリート組成物は、軽荷重に曝される構造中のスラブに使用できる。
【0021】
直径0.75〜1mm及びアスペクト比50〜70の鋼繊維及び直径2000dnの合成繊維を一緒に複合コンクリート中に混入できる。これに関して、複合コンクリート1m3当たりの繊維の含量は以下の通りである:
直径0.75〜1mm及びアスペクト比50〜70の鋼繊維 30〜50kg
直径2000dnの合成繊維 0.6〜4kg
【0022】
複合コンクリートへの鋼繊維及び合成繊維の併用により、スラブの耐荷重能力及びマクロなひび割れ及びミクロなひび割れに対する安定性が確実となる。
【0023】
本発明の目的は更に、本発明の複合コンクリート組成物を用いてサブベース(sub base)上に設置される一体型床スラブ(monolighic floor slab)を提供することである。
【0024】
本発明の目的は、完全目地無しで面積制限がなく(技術的に面積が無制限であり)、SIA162に従って測定されるエネルギー吸収が少なくとも1000Jであり且つ150日間硬化後に無収縮である、厚さが少なくとも50mmの一体型複合コンクリート床スラブを提供することである。
【0025】
また、本発明の複合コンクリート組成物を用いて基礎上に注がれる一体型ラフトスラブを提示する。
【0026】
更に、完全目地無しで面積制限がなく(技術的に面積が無制限であり)、SIA162に従って測定されるエネルギー吸収が少なくとも1000Jであり且つ150日間硬化後に無収縮である、厚さが少なくとも50mmの一体型複合コンクリートラフトスラブも本発明の対象である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
従来、完全目地無しの、技術的に無制限の面積で、このような高いエネルギー吸収能力を有し、収縮が実質的に排除されたこのような薄い複合コンクリート床及びラフトスラブを構築することは可能でなかった。
【0028】
本発明のいくつかの実施例を以下に示す。他の実施例も可能である。
【実施例1】
【0029】
120mm床スラブ用の複合コンクリート組成物は、セメントCEMII、粒径16mm未満の砂−石混合物、水、可塑剤:ナフタレン−メラミン、ナノサイズのポゾラン微粉、収縮低減添加剤:エチレングリコール、直径0.75mm及び長さ50mmの鋼繊維並びに直径2000dn及び長さ15mmの合成繊維を含み、複合コンクリート1m3当たりの成分含量(kg)は以下の通りである:
セメントCEMII 330
粒径16mm未満の砂−石混合物 1800
水 140
ナフタレン−メラミン 2
ナノサイズのポゾラン微粉 10
エチレングリコール 5
直径0.75mm及び長さ50mmの鋼繊維 25
直径2000dn及び長さ15mmの合成繊維 2
【0030】
複合コンクリートの混合手順は以下の通りである。複合コンクリート1m3を得るためには、セメントCEMII 330kg、粒径16mm未満の砂−石混合物1800kg及び水130kgを混合し、コンクリートを得る(このようなコンクリートは、注文を受け、ほとんどの生コンクリートプラント(concrete ready−mix plant)から配達可能である)。床又はラフトスラブを設置する現場で、粉末ナフタレン−メラミン2kg(セメント容量の0.61%)、ナノサイズのポゾラン微粉10kg、エチレングリコール5kg及び水10kgのスラリーを別個に混合し、得られた混合物を、調製済みの(又は配達された)あらかじめ混合されたコンクリートに加える。コンクリートにスラリー混合物を加える際に、トラックドラムは12回転/分の最低速度で回転すべきである。全混合時間は、コンクリート1m3に対して少なくとも1分である。次に、直径0.75mm及び長さ50mmの鋼繊維25kg並びに直径2000dn及び長さ15mmの合成繊維2kgをコンクリートに加える。繊維をコンクリートに加えている間に、ドラムは12回転/分の最低速度で回転する。全混合時間は、複合コンクリート1m3に対して少なくとも1分である。最終加工性クラスはF5又はF6である。複合コンクリートのサンプルは、現場で採取すべきであり、次にスイス規格SIA162に従って試験して、曲げ−打ち抜きパラメーター(bending−punching parameter)を決定する。
【0031】
厚さ120mmの複合コンクリートスラブを設置し、ベストプラクティスに従って仕上げる。サブベース要件:Westergaardによる平板載荷試験、0.08N/mm2以上及び許容差±5〜10mmの水平度。目地無しの複合コンクリートスラブの面積は、制限がない。サイズにかかわらず、面積全体にわたって床スラブを構築できる。設置及び仕上げ後、ベストプラクティスに従って水を用いた複合コンクリートスラブの硬化が必要である。
【0032】
得られた、厚さ120mmの一体型目地無し複合コンクリートスラブは以下のパラメーターを有することが実験的に実証された:目地から最も遠い中央の極限静的点荷重強度(ultimate static point loading intensity):900kN;自由端部の極限/最大静的点荷重強度:500kN(したがって、使用状態において、このようなスラブはスラブ上のいかなる点においても持続する200kN点荷重強度に耐えることができるので「ヘビーデューティー」クラスで設置できる);最大使用荷重強度40kN/m2及び背中合わせラックレグ(back to back rack leg)計120kN;フォークリフトトラック車軸に対する最大荷重50kN。
【0033】
25mm撓み時の総破壊エネルギーは少なくとも1000Jであり(スイス規格SIA162に従って試験した)、相対湿度50%及び20℃における複合コンクリートサンプルの収縮は、人工気候室中での150日間硬化後に0である(米国規格ASTM C157に従って測定した)ことが実験的に示された。
【実施例2】
【0034】
設置する軽荷重床スラブ中の複合コンクリート組成物は、セメントCEMII、粒径16mm未満の砂−石混合物、水、可塑剤としてのポリカルボキシレート、収縮低減添加剤としての遊離石灰、並びに直径2000dn及び長さ15mmの合成繊維を含む。複合コンクリート1m3中の成分含量(kg)は以下の通りである:
セメントCEMII 280
粒径16mm未満の砂−石混合物 1900
水 150
ポリカルボキシレート 1.5
遊離石灰 50
直径2000dn及び長さ15mmの合成繊維 4
【0035】
複合コンクリートの混合及び複合コンクリート床スラブの設置は、実施例1の場合と同様である。
【0036】
記載した複合コンクリートは、荷重が20kN/m2以下で且つ点荷重が25kN未満の商業エリアで使用される複合コンクリートスラブの構築に適する。
【0037】
サブベース支持力(sub−base bearing capacity)は、少なくとも0.03N/mm2でなければならない。
【0038】
規格SIA162に従って計算し、実験することによって、低荷重支持床用の複合コンクリートスラブの最小厚さは50mm(以前に設計された125〜150mmではない。)であることが確認された。厚さ50mmの複合コンクリート床スラブは、完全目地無しで、面積制限がなく(技術的に面積が無制限であり)、SIA162に従って測定されたエネルギー吸収が少なくとも1000Jであり、150日間硬化後に無収縮である。
【実施例3】
【0039】
ラフトスラブ設置用の複合コンクリート組成物は、セメントCEMI、粒径16mm未満の砂−石混合物、水、可塑剤としてのリグノスルホネート、収縮低減添加剤としてのエチレングリコール、並びに直径1mm及び長さ60mmの鋼繊維を含む。複合コンクリート1m3は以下から構成される(kg):
セメントCEMI 300
粒径16mm未満の砂−石混合物 1850
水 140
リグノスルホネート 3
エチレングリコール 10
直径1mm及び長さ60mmの鋼繊維 50
【0040】
複合コンクリートの混合及び複合コンクリートラフト基礎スラブの設置は、実施例1の場合と同様である。
【0041】
記載した複合コンクリートラフトスラブは、厚さ220mmまでの構築が可能である。複合コンクリートラフトスラブ上には3m間隔で耐荷重柱(load bearing column)を建てることが可能である。
【0042】
厚さ220mmの複合コンクリートラフトスラブは、完全目地無しで、面積制限がなく(技術的に面積が無制限であり)、SIA162に従って測定されたエネルギー吸収が少なくとも1000Jであり、150日間硬化後に無収縮である。
【実施例4】
【0043】
70mm床スラブ設置用の複合コンクリート組成物は、セメントCEMIII、粒径16mm未満の砂−石混合物、水、ナフタレン可塑剤、収縮低減添加剤としてのエチレングリコール、並びに直径0.8mm及び長さ50mmの鋼繊維を含む。複合コンクリート1m3中の成分含量(kg)は以下の通りである:
セメントCEMIII 320
粒径16mm未満の砂−石混合物 1890
水 160
ナフタレン 4
エチレングリコール 12
直径0.8mm及び長さ50mmの鋼繊維 30
【0044】
複合コンクリートの混合及び複合コンクリート床スラブの設置は、実施例1の場合と同様である。
【0045】
厚さ70mmの複合コンクリート床スラブは、完全目地無しで、面積制限がなく(技術的に面積が無制限であり)、SIA162に従って測定されたエネルギー吸収が少なくとも1000Jであり、150日間硬化後に無収縮である。
【実施例5】
【0046】
100mm床スラブ設置用の複合コンクリート組成物は、セメントCEMII、粒径16mm未満の砂−石混合物、水、メラミン可塑剤、収縮低減添加剤としての遊離石灰及びスルホアルミン酸カルシウム、直径1mm及び長さ50mmの鋼繊維並びに直径2000dn及び長さ15mmの合成繊維を含む。複合コンクリート1m3中の成分含量(kg)は以下の通りである:
セメントCEMII 310
粒径16mm未満の砂−石混合物 1900
水 140
遊離石灰 30
スルホアルミン酸カルシウム 40
メラミン 3
直径1mm及び長さ50mmの鋼繊維 40
直径2000dn及び長さ15mmの合成繊維 1
【0047】
複合コンクリートの混合及び複合コンクリート床スラブの設置は、実施例1の場合と同様である。
【0048】
厚さ100mmの複合コンクリート床スラブは、完全目地無しで、面積制限がなく(技術的に面積が無制限である)、SIA162に従って測定されたエネルギー吸収が少なくとも1000Jであり、150日間硬化後に無収縮である。
【実施例6】
【0049】
130mm床スラブ設置用の複合コンクリート組成物は、セメントCEMII、粒径16mm未満の砂−石混合物、水、可塑剤としてのポリカルボキシレート、収縮低減添加剤としての遊離石灰及びエチレングリコール、並びに直径0.8mm及び長さ60mmの鋼繊維を含む。複合コンクリート1m3当たりの成分含量(kg)は以下の通りである:
セメントCEMII 360
粒径16mm未満の砂−石混合物 1850
水 130
遊離石灰 50
エチレングリコール 8
ポリカルボキシレート 2
直径0.8mm及び長さ60mmの鋼繊維 60
【0050】
複合コンクリートの混合及び複合コンクリート床スラブの設置は、実施例1の場合と同様である。
【0051】
厚さ130mmの複合コンクリート床スラブは、完全目地無しで、面積制限がなく(技術的に面積が無制限である)、SIA162に従って測定されたエネルギー吸収が少なくとも1000Jであり、150日間硬化後に無収縮である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント、水、粒径16mm未満の砂−石混合物、繊維及び可塑剤を含む床スラブ及びラフト用の複合コンクリート組成物であって、遊離石灰、エチレングリコール及びスルホアルミン酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の収縮低減添加剤を更に含み、これに関して複合コンクリート1m3中の成分含量が、
セメント 240〜360kg
水 110〜165kg
粒径16mm未満の砂−石混合物 1700〜1900kg
可塑剤 セメント含量の0.5〜2%
収縮低減添加剤 5〜70kg
鋼及び/又は合成繊維 0.6〜60kg
であることを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記可塑剤が、ナフタレン、メラミン、ナフタレン−メラミン、リグノスルホネート又はポリカルボキシレートからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ナノサイズのポゾラン微粉を更に含み、これに関して複合コンクリート1m3の成分含量が、
セメント 240〜360kg
水 110〜165kg
粒径16mm未満の砂−石混合物 1700〜1900kg
可塑剤 セメント含量の0.5〜2%
収縮低減添加剤 5〜70kg
繊維 0.6〜60kg
ナノサイズのポゾラン微粉 5〜15kg
である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記繊維が、直径0.75〜1mm及びアスペクト比50〜70の鋼繊維であり、これに関して1m3当たりの鋼繊維の含量が25〜60kgである、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記繊維が直径2000dnの合成繊維であり、これに関して1m3当たりの合成繊維の含量が0.6〜4kgである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記繊維が、直径0.75〜1mm及びアスペクト比50〜70の鋼繊維及び直径2000dnの合成繊維であり、これに関して1m3当たりの繊維の含量が
直径0.75〜1mm及びアスペクト比50〜70の鋼繊維 25〜60kg
直径2000dnの合成繊維 0.6〜4kg
である、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の複合コンクリート組成物を用いてサブベース上に設置される一体型床スラブ。
【請求項8】
厚さが50mm以上であり、完全目地無しで、面積制限がなく(技術的に面積が無制限であり)、SIA 162に従って測定されるエネルギー吸収が少なくとも1000Jであり、150日間硬化後に無収縮である、請求項7に記載の床スラブ。
【請求項9】
請求項1から6のいずれかに記載の複合コンクリート組成物を用いてサブベース上に設置される一体型ラフトスラブ。
【請求項10】
厚さが50mm以上であり、完全目地無しで、面積制限がなく(技術的に面積が無制限であり)、SIA 162に従って測定されるエネルギー吸収が少なくとも1000Jであり、150日間硬化後に無収縮である、請求項9に記載のラフトスラブ。

【公表番号】特表2013−508261(P2013−508261A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536724(P2012−536724)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/LV2010/000014
【国際公開番号】WO2011/053103
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(512110776)
【Fターム(参考)】