説明

床材

本発明は、炭素ナノチューブを含む樹脂膜を有する熱伝導性基材または熱伝導性シートを備える床材を提供する。本発明の床材は、熱伝導性が高いため床の暖房効率が優れており、エネルギーを節約することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素ナノチューブを含む樹脂膜を有する熱伝導性基材または熱伝導性シートを備える床材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、アパート、住宅または各種の建築物の床材は、合板、合板上に形成された突き板層、及び突き板層上に形成された表面保護層を備える。
【0003】
しかし、前述のような床材は低い熱伝導性を有するため、床暖房の際に、暖房配管の熱が床に迅速に伝達されないため、床全体を暖めるには長い時間がかかるという問題点を有する。また、従来の床材は、配管の周囲の床面のみが暖かくなる熱短絡現象が発生して、床面の温度を均一に維持することができず、暖房の際に過度のエネルギーが必要となるという問題点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、床材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、炭素ナノチューブを含む樹脂膜を有する熱伝導性基材または熱伝導性シートを備える床材を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、熱伝導性や床の暖房効率が優れており、それによりエネルギーの節減を図ることができる床材を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施例による熱伝導性基材を示す図である。
【図2】本発明の他の実施例による熱伝導性基材を示す図である。
【図3】樹脂膜を介してベース部の両面に付着した補強部を備える熱伝導性基材を示す図である。
【図4】本発明の一実施例による床材を示す図である。
【図5】本発明の他の実施例による床材を示す図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例による床材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、炭素ナノチューブを含む樹脂膜を有する熱伝導性基材または熱伝導性シートを備える床材に関する。
【0009】
以下、本発明の床材をさらに詳細に説明する。
【0010】
本発明の床材は、熱伝導性基材を備えることができる。前記熱伝導性基材は、炭素ナノチューブを含む樹脂膜を備えることができる。
【0011】
本発明において、熱伝導性基材100は、例えば、図1及び図2に示すように、ベース部110及び前記ベース部110の片面または両面に形成された樹脂膜120、120a、120bを備える。
【0012】
本発明によるベース部110は、床材に外部の衝撃に耐えられる強度を与える役割を行うことができる。
【0013】
本発明で使用可能なベース部110の具体的な種類は特別に制限されるものではなく、例えば、この分野における周知の木質材料を使用することができる。前記木質材料の具体的な例としては、原木、単板、合板、パーチクルボード、MDF(Medium Density Fiberboard)、HDF(High Density Fiberboard)、OSB(Oriented Strand Board)、樹脂木粉混合ボード、フレークボード、WPC(Wood Polymer Composite)などが挙げられ、そのうち単板を使用することが好ましいが、これに制限されるものではない。
【0014】
本発明において、前記ベース部110の厚さは特別に制限されるものではない。例えば、前記ベース部110は1.0mmないし10.0mmの厚さを有することができる。前記ベース部110の厚さが1.0mm未満であれば、樹脂膜の形成効率が低下し、10.0mmを超えれば、熱伝導性が低下する恐れがある。
【0015】
本発明の樹脂膜は前記ベース部の片面または両面に形成される。
【0016】
前記樹脂膜は、炭素ナノチューブ及び樹脂成分を含み、前記樹脂成分は接着性樹脂であってもよい。
【0017】
前記炭素ナノチューブは、熱伝導率が1800(Kcal/m・hr・℃)ないし6000(Kcal/m・hr・℃)と熱伝導性が非常に優れているため、床材で暖房効率を高める役割を行うことができる。
【0018】
また、前記炭素ナノチューブは優れた分散性を有するため、特定の部位に炭素ナノチューブが凝集する現象が発生せず、集熱現象のない均一な発熱分布を示す。
【0019】
本発明で使用される炭素ナノチューブの種類は特別に制限されるものではなく、例えば、単一壁炭素ナノチューブ、二重壁炭素ナノチューブ及び多重壁炭素ナノチューブなどを使用することができる。本発明では、前記炭素ナノチューブの形状、直径及び長さに関係なく、あらゆるタイプの炭素ナノチューブを使用することができる。
【0020】
前記樹脂成分の種類は特別に制限されるものではなく、例えば、熱硬化性メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、常温硬化性エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアミドなどからなる群から選択された1種以上を使用することができる。
【0021】
本発明において樹脂膜は、例えば、樹脂成分100重量部に対して5重量部ないし20重量部の炭素ナノチューブを含むことができる。前記炭素ナノチューブの含量が5重量部未満であれば、発熱効果が低下し、20重量部を超えれば、分散し難くかつ樹脂の粘度が上昇して、作業性が低下する恐れがある。
【0022】
本発明の樹脂膜は、アルミニウム、銅、鉄などからなる群から選択された一つ以上の熱伝導性物質をさらに含むことができる。
【0023】
前記さらに含まれる熱伝導性物質は、樹脂成分100重量部に対して2重量部ないし5重量部が含まれることができる。前記熱伝導性物質の含量が2重量部未満であれば、熱伝導性補強効果が不十分であり、5重量部を超えれば、樹脂膜の接着性が低下する恐れがある。
【0024】
本発明の樹脂膜は、前述の成分のほかに、必要によって充填剤、希釈剤、顔料などをさらに含むことができる。
【0025】
前記樹脂膜の厚さは特別に制限されるものではなく、例えば、100umないし200umの厚さを有することができる。前記樹脂膜の厚さが100um未満であれば、熱伝導度または接着性が低下し、200umを超えれば、樹脂膜を形成するための作業性が低下する恐れがある。
【0026】
本発明の熱伝導性基材100は、例えば、図3に示すように、ベース部110の両面に前記第1樹脂膜120a及び第2樹脂膜120bを介して付着した第1補強部130a及び第2補強部130bをさらに備えることができる。前記補強部の具体的な種類は特別に制限されるものではなく、例えば、前述のベース部と同一の種類を使用し、好ましくは単板を使用することができる。
【0027】
前記熱伝導性基材100は、ベース部110の上部に第1樹脂膜120aが形成され、前記第1樹脂膜120aの上部に第1補強部130aが形成され、ベース部110の下部に第2樹脂膜120bが形成され、前記第2樹脂膜120bの下部に第2補強部130bが形成される。
【0028】
本発明において、ベース部110の両面に形成される補強部の厚さは特別に制限されるものではなく、例えば、1.0mmないし2.0mmの厚さを有することができる。前記補強部の厚さが1.0mm未満であれば、外部の衝撃に耐えられる強度が低下し、2.0mmを超えれば、床材が厚くなって熱伝導性が低下する恐れがある。
【0029】
また、本発明の床材は熱伝導性シートを備えることができる。
【0030】
前記熱伝導性シートは高い熱伝導率を有するため、床の暖房の際に優れた暖房効率を得ることができる。
【0031】
本発明で前記熱伝導性シートは、合成樹脂及び炭素ナノチューブを含むことができる。
【0032】
本発明で前記合成樹脂の種類は特別に制限されるものではなく、例えば、PVC(poly vinyl chloride)、PE(poly ethylene)、PP(poly propylene)、PET(poly ethylene terephthalate)、PETG(poly ethylene terephthalate glycol modified)、HIPS(high impact poly styrene)、ABS(acrylonitrile butadiene styrene)、PU(poly urethane)、SBS(styrene butadiene styrene block copolymer)、SEBS(styrene ethylene butadiene styrene block copolymer)、SPS(syndiotactic poly styrene)、SEPS(styrene ethylene butylene styrene block copolymer)及びPLA(poly latic acid)からなる群から選択された一つ以上を使用し、好ましくはPVCを使用することができる。
【0033】
本発明の熱伝導性シートは、炭素ナノチューブの含量に対して35重量部ないし50重量部の合成樹脂を含むことができる。前記合成樹脂が35重量部未満であれば非経済的であり、50重量部を超えれば、材料同士の混合があまり行われず、加工性が低下し、表面状態が低下する恐れがある。
【0034】
本発明の熱伝導性シートにおいて炭素ナノチューブは、前述の炭素ナノチューブを制限なく使用することができる。
【0035】
本発明の熱伝導性シートは、合成樹脂の含量に対して5重量部ないし20重量部の炭素ナノチューブを含むことができる。前記炭素ナノチューブの含量が5重量部未満であれば、発熱効果が低下し、20重量部を超えれば、分散し難くかつ樹脂の粘度が上昇して、作業性が低下する恐れがある。
【0036】
本発明の熱伝導性シートは、無機充填剤をさらに含むことができる。前記無機充填剤の種類は特別に制限されるものではなく、例えば、炭酸カルシウムなどを使用することができる。前記無機充填剤は、炭素ナノチューブまたは合成樹脂の含量に対して40重量部ないし55重量部が熱伝導性シートに含まれることができる。
【0037】
また、本発明の熱伝導性シートは、アルミニウム、銅及び鉄などからなる群から選択された一つ以上の熱伝導性物質をさらに含むことができる。
【0038】
前記熱伝導性物質は、炭素ナノチューブまたは合成樹脂の含量に対して2重量部ないし5重量部が熱伝導性シートに含まれることができる。前記含量が2重量部未満であれば、熱伝導性補強効果が不十分であり、5重量部を超えれば、加工性が低下する恐れがある。
【0039】
前記熱伝導性シートの厚さは特別に制限されるものではなく、例えば、1.0mmないし2.0mmの厚さを有することができる。前記熱伝導性シートの厚さが1.0mm未満であれば、加工の際に厚み偏差が発生して、製品間の段差が発生し、2.0mmを超えれば、製造コストが上昇して非経済的である。
【0040】
また、本発明の床材は、前記熱伝導性基材または熱伝導性シート上に形成された突き板層をさらに備えることができる。
【0041】
本発明において、「A上に形成されたB」の表現は、Aの上部または下部にBが直接付着した場合、Aの上部または下部に別の層を形成し、前記別の層上にBが直接または接着剤または粘着剤などを利用して付着した場合などをすべて含む意味として使用される。
【0042】
前記突き板層は、原木の天然質感を与える効果を提供して、床材の外観を美麗にすることができる。
【0043】
前記突き板層の種類は特別に制限されるものではなく、クヌギ、シラカバ、桜、モミジまたはクルミなど、突き板層として使用され得るあらゆる数種を適用することができる。
【0044】
本発明では、耐水性及び硬度を向上させるために、前記突き板層に樹脂組成物を含浸させて使用することができる。ここで、前記樹脂組成物の種類は、突き板層の耐水性及び硬度を向上させ得るものであれば特別に制限されるものではなく、例えば、尿素樹脂、要素メラミン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂及びウレタン樹脂などからなる群から選択された一つ以上を使用することができる。
【0045】
突き板層に含浸する前記樹脂組成物は、突き板層100重量部に対して30重量部ないし150重量部が使用されることができる。
【0046】
前記樹脂組成物の突き板層への含浸は、浸漬、減圧または注入などの方法によって行われることができる。前記樹脂組成物を突き板層に含浸させた後、突き板層を80℃ないし150℃のオーブンで20秒ないし4分間処理して、樹脂組成物を乾燥、半硬化または硬化させることができる。
【0047】
前記突き板層の厚さは特別に制限されるものではなく、例えば、0.3mmないし1.0mmの厚さを有することができる。前記突き板層の厚さが0.3mm未満であれば、含浸後の乾燥の際に、突き板層の割れまたは捻れなどの変形が発生し、1.0mmを超えれば、樹脂組成物が突き板層の内部にまで含浸しない恐れがある。
【0048】
前記突き板層は、接着剤によって熱伝導性基材または熱伝導性シートの上部に付着することができる。前記接着剤の種類は特別に制限されるものではなく、当業界で使用される一般的な接着剤を使用することができる。本発明では床材の暖房効率を高めるために、前記接着剤に炭素ナノチューブ、アルミニウム及び銅などからなる群から選択された一つ以上の熱伝導性物質をさらに含むことができる。
【0049】
また、本発明の床材は、前記突き板層の上部に形成された表面保護層をさらに備えることができる。
【0050】
前記表面保護層は突き板層の表面を保護し、汚染を防止し、突き板層の模様を視認可能に透明性を有する。また、前記表面保護層は鋭い物体による突き刺しまたは破れなどの表面が破損することを防止することができ、優れた機械的物性を有し、さらに外部の衝撃などに耐えられる緩衝作用を行う。
【0051】
本発明で使用可能な表面保護層の種類は、優れた機械的物性を有し、外部の衝撃などに耐えられる緩衝作用を行い、透明性を有するものなら特別に制限されない。本発明では、前記表面保護層に、例えば、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などからなる群から選択された一つ以上の透明な合成樹脂を使用することができる。
【0052】
前記表面保護層の厚さは特別に制限されるものではなく、例えば、80umないし200umの厚さを有することができる。前記表面保護層の厚さが80um未満であれば、突き板層の表面の保護効果が低下し、200umを超えれば、表面保護層が厚くなっても、物性の改善にそれ以上影響を及ぼさないため非経済的である。
【0053】
本発明の床材は、熱伝導性基材及び熱伝導性シートを備える多様な構成を有することができる。前記床材は、例えば、図4、図5または図6に示す構成を有することができる。
【0054】
図4は、本発明の一実施例による床材200を示す図である。前記床材は、熱伝導性基材100、前記熱伝導性基材100の上部に形成された突き板層140、及び前記突き板層140の上部に形成された表面保護層150を備える。
【0055】
ここで、熱伝導性基材、突き板層及び表面保護層は、前述のような基材、突き板層及び表面保護層を使用することができる。
【0056】
図5は、本発明の他の実施例による床材を示す図ある。前記床材200は、熱伝導性シート160、前記熱伝導性シート160の上部に形成された突き板層140、及び前記突き板層140の上部に形成された表面保護層150を備える。
【0057】
ここで、前記熱伝導性シート、突き板層及び表面保護層は、前述のような熱伝導性シート、突き板層及び表面保護層を制限なく使用することができる。
【0058】
前記床材は、熱伝導性シートの上部に形成された第2基材(図示せず)をさらに備えることができる。前記第2基材の種類は特別に制限されるものではなく、例えば、前述のようなベース部の種類を制限なく使用することができ、好ましくは合板を使用することができる。
【0059】
前記第2基材は、熱伝導性シートの上部に接着剤によって付着することが好ましい。このとき、前記接着剤は当業界で使用される一般的な接着剤を使用することができる。
【0060】
図6は、本発明のさらに他の実施例による床材200を示す図である。床材200は、熱伝導性基材100及び熱伝導性シート160を備えることによってさらに優れた熱伝導性を確保することができる。
【0061】
前記床材200は、熱伝導性シート160、前記熱伝導性シート160の上部に形成された熱伝導性基材100、前記熱伝導性基材100の上部に形成された突き板層140、及び前記突き板層140の上部に形成された表面保護層150を備える。
【0062】
ここで、前記熱伝導性シート、熱伝導性基材、突き板層及び表面保護層は、前述のような熱伝導性シート、熱伝導性基材、突き板層及び表面保護層を使用することができる。
【0063】
前記熱伝導性基材は、熱伝導性シートの上部に接着剤によって付着することができる。前記接着剤の種類は特別に制限されるものではなく、当業界で使用される一般的な接着剤を使用することができる。本発明では、床材の暖房効率を高めるために、接着剤に炭素ナノチューブ、アルミニウム及び銅などからなる群から選択された一つ以上の熱伝導性物質をさらに含むことができる。
【0064】
本発明による熱伝導性基材または熱伝導性シートの製造方法は特別に制限されるものではなく、例えば、下記のような方法により製造されることができる。
【0065】
前記熱伝導性基材は、ベース部の両面に炭素ナノチューブ及び樹脂成分を含む樹脂組成物を塗布して樹脂膜を形成した後、前記樹脂膜を介してベース部の両面に補強部を形成し、プレスにより熱硬化または常温硬化を行うことによって製造することができる。
【0066】
前記樹脂成分及び炭素ナノチューブは、前述の樹脂成分及び炭素ナノチューブを使用することができる。また、前記樹脂組成物は、例えば、樹脂成分及び炭素ナノチューブを適切な溶媒に溶解または分散させることによって製造することができる。このとき、溶媒としては、当業界で一般的に使用可能な溶媒を制限なく使用することができる。
【0067】
前記樹脂組成物は、アルミニウム、銅、鉄などからなる群から選択された一つ以上の熱伝導性物質をさらに含むことができる。ベース部の両面に樹脂組成物を塗布する方法は特別に制限されるものではなく、当業界で使用される方法を制限なく使用することができる。
【0068】
前記ベース部の両面に樹脂膜を介して補強部を形成する方法は特別に制限されるものではなく、当業界で一般的に使用する方法を採用することができる。本発明では、ベース部と対向する補強部の纎維方向が互いに直交するように積層するか、または纎維方向を平行にして積層することができる。ベース部を中心に二つの補強部の纎維方向を互いに異ならせて積層して製造することができる。
【0069】
前記ベース部の両面に樹脂膜を介して形成される補強部の接着及び硬化はプレスにより行われることができる。樹脂膜の樹脂成分が熱硬化性である場合、110℃ないし130℃の温度及び8kg/cmないし15kg/cmの圧力で5分ないし10分間熱圧搾することができる。一方、樹脂膜の樹脂成分が常温硬化性である場合、常温及び8kg/cmないし15kg/cmの圧力で30分ないし60分間圧搾して硬化させることができる。
【0070】
本発明で熱硬化性シートを製造する方法は特別に制限されるものではなく、例えば、キャスト、カレンダー、圧出またはプレスなどの方法により製造することができ、好ましくはカレンダーにより製造することができる。
【0071】
本発明の床材の製造方法は特別に制限されるものではなく、前記床材の構造によって多様な方法により製造されることができる。
【0072】
前記床材は、一般的に熱伝導性シートまたは熱伝導性基材の上部に突き板層及び表面保護層を形成して製造することができる。
【0073】
特に、本発明で、図6に示す構造の床材を製造する方法は特別に制限されるものではなく、例えば、熱伝導性基材の上部に突き板層を形成した後、前記基材の下部に熱伝導性シートを形成し、突き板層の上部に表面保護層を形成することによって製造することができる。
【0074】
ここで、前記熱伝導性シートは、熱伝導性基材の下部に接着剤を使用して付着して形成されることができる。突き板層は、熱伝導性基材の上部に纎維方向と直交する方向に接着剤を使用して付着して形成されることができる。
【0075】
実施例
以下、本発明による実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲が下記に提示された実施例によって制限されるものではない。
【0076】
実施例1
1.熱伝導性基材の製造
厚さ2.0mmの単板(ベース部)の両面に熱硬化性メラミン樹脂100重量部及び炭素ナノチューブ10重量部を含む樹脂組成物を120umの厚さに塗布して樹脂膜を形成した後、前記基材の両面に樹脂膜を介して、厚さ1.5mmの単板(補強部)の纎維方向が単板(ベース部)の纎維方向と直交するように積層して熱伝導性基材を製造した。前記製造された熱伝導性基材を130℃及び10kg/cmのプレスで6分間熱圧搾した。
【0077】
2.熱伝導性シートの製造
PVC 45重量部、炭酸カルシウム45重量部及び炭素ナノチューブ10重量部を160℃の圧延ロールで十分に混練させた後、カレンダーにより2.0mmの厚さに圧延して熱伝導性シートを製造した。
【0078】
3.床材の製造
熱伝導性基材の上部にポリ酢酸ビニル接着剤を100umの厚さに塗布した後、厚さ0.5mmの突き板を、その纎維方向が単板(ベース部)の纎維方向と直交するように接着剤の上部に積層した。その後、120℃及び10kg/cmのプレスで2分間熱圧搾して半製品を製造した。前記製造された半製品の表面温度が常温に到達すると、前記熱伝導性基材の下部にポリ酢酸ビニル接着剤を150umの厚さに塗布した後、厚さ2.0mmの熱伝導性シートを積層した。前記熱伝導性シートが積層された半製品は、10kg/cmのプレスで1時間常温圧搾して、突き板層の上部に厚さ100umの表面保護層を形成した後、さね継ぎ状に裁断して床材を製造した。
【0079】
比較例1
熱伝導性基材及び熱伝導性シートを使用する代わりに、厚さ7.0mmの耐水合板を使用したことを除いては、実施例1と同様にして床材を製造した。
【0080】
前記実施例1及び比較例1によって製造された床材の熱伝導性を比較した結果を下記表1に示す。
【0081】
前記熱伝導性の比較は、床材の下部を50℃に加熱した後、表面温度の変化が消滅する時点である、10分経過後の床材の表面温度及び熱損失率を測定して行った。
【0082】
【表1】

【0083】
表1に示すように、実施例1の10分経過後の床材の表面温度が比較例1に比べて4℃高く、熱損失率も比較例に比べて優れていることが分かる。すなわち、本発明の床材は、従来に比べて向上した熱伝導性を有するため、床暖房の際に暖房効率が優れており、暖房損失によるエネルギーを節約することができる。
【符号の説明】
【0084】
100 熱伝導性基材
110 ベース部
120a 第1樹脂膜
120b 第2樹脂膜
130a 第1補強部
130b 第2補強部
140 突き板層
150 表面保護層
160 熱伝導性シート
200 床材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素ナノチューブを含む樹脂膜を有する熱伝導性基材または熱伝導性シートを備える床材。
【請求項2】
熱伝導性基材は、ベース部及び前記ベース部の片面または両面に形成され、樹脂成分及び炭素ナノチューブを含む樹脂膜を有することを特徴とする請求項1に記載の床材。
【請求項3】
ベース部は単板であることを特徴とする請求項2に記載の床材。
【請求項4】
樹脂成分は、熱硬化性メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、常温硬化性エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂またはポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の床材。
【請求項5】
樹脂膜は、樹脂成分100重量部に対して5重量部ないし20重量部の炭素ナノチューブを含むことを特徴とする請求項2に記載の床材。
【請求項6】
樹脂膜は、アルミニウム、銅及び鉄をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の床材。
【請求項7】
熱伝導性基材は、ベース部の両面に樹脂膜を介して付着した補強部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の床材。
【請求項8】
熱伝導性シートは、合成樹脂及び炭素ナノチューブを含むことを特徴とする請求項1に記載の床材。
【請求項9】
合成樹脂は、PVC(poly vinyl chloride)、PE(poly ethylene)、PP(poly propylene)、PET(poly ethylene terephthalate)、PETG(poly ethylene terephthalate glycol modified)、HIPS(high impact poly styrene)、ABS(acrylonitrile butadiene styrene)、PU(poly urethane)、SBS(styrene butadiene styrene block copolymer)、SEBS(styrene ethylene butadiene styrene block copolymer)、SPS(syndiotactic poly styrene)、SEPS(styrene ethylene butylene styrene block copolymer)及びPLA(poly latic acid)からなる群から選択された一つ以上を含むことを特徴とする請求項8に記載の床材。
【請求項10】
熱伝導性シートは、炭素ナノチューブの含量に対して35重量部ないし50重量部の合成樹脂を含むことを特徴とする請求項9に記載の床材。
【請求項11】
熱伝導性シートは、合成樹脂の含量に対して5重量部ないし20重量部の炭素ナノチューブを含むことを特徴とする請求項8に記載の床材。
【請求項12】
熱伝導性シートは、アルミニウム、銅及び鉄をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の床材。
【請求項13】
熱伝導性基材、及び前記熱伝導性基材の下部に形成された熱伝導性シートを備えることを特徴とする請求項1に記載の床材。
【請求項14】
熱伝導性基材の上部に形成された突き板層をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の床材。
【請求項15】
突き板層の上部に形成された表面保護層をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の床材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−519014(P2013−519014A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552802(P2012−552802)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【国際出願番号】PCT/KR2011/000859
【国際公開番号】WO2011/102615
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(510244710)エルジー・ハウシス・リミテッド (17)
【Fターム(参考)】