説明

廃トナー回収装置及び画像形成装置

【課題】 画像形成装置にて、廃トナーボックスを交換するときに、廃トナーのこぼれを確実に防止して、且つ廃トナーボックスを装着するのを忘れたまま稼動するという誤操作を防止する。
【解決手段】 フロントカバー1aを開けることにより、搬送部32あるいはドラム側搬送部57の搬送端部の第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kを閉じる。廃トナーボックス30を引き出して、ベルト側ストッパ54あるいはドラム側ストッパ62をロック状態にする。この後、廃トナーボックス30を装着してロック解除する。ロック解除後、フロントカバー1aを閉じるときにステイ1bにより先端部53を押して、シャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kを開状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数色のトナーを重ね合わせてカラー画像を得る電子写真方式の複写機やプリンタ等にて、使用済みの廃トナーを回収する廃トナー回収装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタ等の画像形成装置において、従来転写終了後に感光体に残留するトナーをブレード等のクリーニング装置で除去している。感光体から除去した残留トナーは、廃トナーとして廃トナーボックスに回収される。廃トナーボックスは、満杯になると新たなものと交換していた。
【0003】
又近年、感光体を有する画像形成ユニットを複数並列に配置し、各感光体上にそれぞれ形成される複数色のトナー像を1枚のシート紙上に多重転写してカラー画像を得る、タンデム方式の画像形成装置が知られている。このようなタンデム方式の画像形成装置において、複数の感光体及び中間転写ベルトで生じる残留トナーを1つの廃トナーボックスに回収し、廃トナーボックスが満杯になったときには新しいものと交換する装置が開発されている。
【0004】
このような装置において、廃トナーボックスを交換する時に、廃トナーの搬送部と廃トナーボックスとの離間による廃トナーのこぼれを防止するため、シャッタを設ける装置がある。(例えば特許文献1参照。)
【特許文献1】実用新案登録第2517201号公報(第3頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら(特許文献1)は、廃トナー収容器の挿脱操作に連動してシャッタを開閉するものである。即ち、廃トナー容器を挿脱する途中で、シャッタが動作して、廃トナーがこぼれないように、2つのシャッタを時間差を設けて開閉している。このため構造が複雑となり、製造コストもかかる。特に複数の画像形成ユニットを配列してなるタンデム方式の画像形成装置に用いる場合には、シャッタを複数必要とすることから、廃トナーのこぼれを確実に防止し、更には構造が簡単で低価格化を得られる装置が望まれている。
【0006】
そこで本発明は上記課題を解決するものであり、構造が容易でありながら、廃トナーボックスを交換するときに廃トナーが周囲にこぼれるのを確実に防止でき、且つ、廃トナーボックス交換時の誤操作防止も図ることが出来、低価格化更には安全性を得られる廃トナー回収装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するための手段として、画像形成装置本体に交換可能に装着され、画像形成部から排出される廃トナーの搬送部に導通して前記廃トナーを収納する廃トナー収納部材と、前記画像形成装置本体のカバーの開閉に連動してスライド移動し、前記カバーの閉鎖時には前記搬送部の搬送端部を開放し、前記カバーの開放時には前記搬送部の搬送端部を閉鎖するシャッタと、前記画像形成装置本体に装着される前記廃トナー収納部材との当接により、前記シャッタを開放方向にスライドする経路を開放し、前記廃トナー収納部材との離間により、前記シャッタを開放方向にスライドする経路を閉鎖するロック部材とを設けるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、廃トナー収納部材の交換時に、廃トナー収納部材が画像形成装置本体に装着された後に画像形成装置本体のカバーの閉鎖に連動してシャッタを開放することから、1つのシャッタでありながら廃トナーが周囲にこぼれるのを確実に防止出来、低価格化を図れる。又、廃トナー収納部材の交換時に閉鎖されたシャッタは、廃トナー収納部材を画像形成装置本体に装着しない限りはロック解除されず、カバーも閉じることが出来ない。したがって、廃トナー収納部材の交換に、廃トナー収納部材の装着を忘れて、画像形成操作を行うという誤動作を生じることがなく、装置の信頼性及び安全性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明の実施例について図1乃至図18を用いて説明する。図1は、本発明の画像形成装置である4連タンデム方式のカラー複写機1のカバーであるフロントカバー1aを開けた概観斜視図であり、図2は、カラー複写機1の画像形成部7を示す概略構成図である。カラー複写機1は上方にスキャナ部2及び胴内排紙部3を備える。カラー複写機1は、転写媒体である中間転写ベルト10の下側に沿って並列配置されるイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4組の画像形成ユニット11Y、11M、11C及び11Kを備える。
【0010】
各画像形成ユニット11Y、11M、11C及び11Kは、それぞれ像担持体である感光体ドラム12Y、12M、12C及び12Kを有している。感光体ドラム12Y、12M、12C及び12K周囲には、その矢印m方向の回転方向に沿って帯電チャージャ13Y、13M、13C及び13K、現像装置14Y、14M、14C及び14K、及び感光体クリーニング装置16Y、16M、16C及び16Kを配置してなっている。感光体ドラム12Y、12M、12C及び12K周囲の帯電チャージャ13Y、13M、13C及び13Kから現像装置14Y、14M、14C及び14Kにいたる間には、レーザ露光装置17により露光々が照射される。
【0011】
帯電チャージャ13Y、13M、13C及び13Kは、感光体ドラム12Y、12M、12C及び12K表面を例えば−700V程度に一様に全面帯電する。現像装置14Y、14M、14C及び14Kは、それぞれイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー及びキャリアからなる二成分現像剤を感光体ドラム12Y、12M、12C及び12Kに供給する。
【0012】
レーザ露光装置17は、半導体レーザ素子から出射されたレーザビームを感光体ドラム12Y、12M、12C及び12Kの軸線方向に走査し、結像レンズ系を経て各感光体ドラム12BK、12Y、12M及び12C上に結像する。
【0013】
中間転写ベルト10は、耐熱性及び耐磨耗性の点から安定した材料である例えば半導電性ポリイミドで製造される。中間転写ベルト10は、駆動ローラ21、従動ローラ20及び、第1〜第4のテンションローラ22〜25により張架される。中間転写ベルト10の感光体ドラム12BK、12Y、12M及び12Cに対向する1次転写位置には、1次転写ローラ18Y、18M、18C及び18Kにより1次転写電圧が印可され、感光体ドラム12Y、12M、12C及び12K上のトナー像は中間転写ベルト10に1次転写される。感光体クリーニング装置16Y、16M、16C及び16Kは、1次転写終了後に感光体ドラム12Y、12M、12C及び12K上の残留トナーを廃トナーとして回収する。
【0014】
中間転写ベルト10の駆動ローラ21により支持される2次転写位置には、2次転写ローラ27が対向配置される。2次転写位置にあっては、例えば給紙部4から給紙されるシート紙P等を介して2次転写ローラ27により2次転写電圧が印加され、中間転写ベルト10上のトナー像はシート紙Pに2次転写される。中間転写ベルト10の2次転写ローラ27の下流にはベルトクリーナ10aが設けられる。ベルトクリーナ10aは、2次転写終了後に中間転写ベルト10に残留するトナーを廃トナーとして回収する。
【0015】
カラー複写機1の画像形成部7のフロントサイドであって、画像形成ユニット11Y、11M、11C及び11Kの下方、即ちレーザ露光装置17のフロントサイドには、画像形成ユニット11Y、11M、11C及び11Kの配列方向に細長く延在してなる、廃トナー収納部材である廃トナーボックス30が、交換可能に取着されている。廃トナーボックス30は、画像形成ユニット11Y、11M、11C及び11Kの感光体クリーニング装置16Y、16M、16C及び16K更にはベルトクリーナ10aで回収された廃トナーを収納する。廃トナーボックス30は、上方のフォトセンサ38により満杯を検知すると、新たなものと交換する。
【0016】
廃トナーボックス30は、図3、図4に示す様に本体部30bの上面に蓋部30aを被せて成っている。蓋部30aには、廃トナーを回収する第1〜第5の回収口31B、31Y、31M、31C及び31Kが形成される。第1の回収口31Bは、ベルトクリーナ10aから搬送される廃トナーを回収する。第2〜第5の回収口31Y、31M、31C及び31Kは、感光体クリーニング装置16Y、16M、16C及び16Kから搬送される廃トナーをそれぞれ回収する。更に蓋部30aのリア側には、後述するロック部材であるベルト側ストッパ54あるいは第2〜第5のドラム側ストッパ62を、回動するための第1〜第5の突起56B、56Y、56M、56C及び56Kが形成されている。
【0017】
ベルトクリーナ10aは、図5に示すようにクリーニングブレード50により回収した廃トナーをオーガ51によりフロント側に搬送する。フロント側に搬送された廃トナーはオーガ51先端に接続される図6、図7に示す搬送部32のダクト32aを通過して、廃トナーボックス30に落下流入される。
【0018】
感光体クリーニング装置16Y、16M、16C及び16Kも同様に、クリーニングブレード(図示せず)で回収した廃トナーをオーガ(図示せず)によりフロント側に搬送し、オーガ先端に接続されるドラム側搬送部57を通過して、廃トナーボックス30に落下流入される。
【0019】
ベルトクリーナ10aの廃トナーの搬送部32及び感光体クリーニング装置16Y、16M、16C及び16Kの廃トナーのドラム側搬送部57の搬送端部には、第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kが設けられる。第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kは、背面から見ると図8に示すように、窓部133aと遮蔽部133bを有している。
【0020】
第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kは先端部53をフロントカバー1aに設けられるステイ1bに押されると、窓部133aが、搬送部32及びドラム側搬送部57の搬送端部の前面にあり、開放状態とされる。一方、第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kは先端部53がステイ1bから離間されると、遮蔽部133bが、搬送部32及びドラム側搬送部57の搬送端部の前面にあり、閉鎖状態とされる。
【0021】
第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kを開放することにより、搬送部32及びドラム側搬送部57は、廃トナーボックス30の第1〜第5の回収口31B、31Y、31M、31C及び31Kに、それぞれ導通される。
【0022】
第1のシャッタ33Bは、搬送部32に形成されるガイド32cに沿ってスライド移動可能とされる。又第1のシャッタ33Bはバネ52の弾性力により常にフロント側に付勢されている。図9に示すように搬送部32後方には、シャッタ33Bのスライド経路を開閉するロック部材であるベルト側ストッパ54が取着されている。ベルト側ストッパ54は、搬送部32に突説される軸32bに自重により回動自在に取着されている。
【0023】
ベルト側ストッパ54はフリーな状態においては、図10に示すように突起状のカム54aが自重により下方に下がりほぼ垂直となる。この時、ベルト側ストッパ54の作動部54bは、シャッタ33Bがスライド移動する経路上に位置し、図10に点線で示すシャッタ33Bの上端部と干渉し、シャッタ33Bがスライド移動しないようロックする。カラー画像形成装置1本体内に廃トナーボックス30が装着された状態においては、ベルト側ストッパ54は、図11に示すように廃トナーボックス30のリア側サイドに形成される第1の突起56Bに当接して矢印u方向に回動される。この時、ベルト側ストッパ54の作動部54bは、シャッタ33Bがスライド移動する経路上より上方に位置し、ロック解除してシャッタ33Bのスライド移動を可能とする。
【0024】
同一形状を有する第2〜第5のシャッタ33Y、33M、33C及び33Kは、図13に示すように、感光体クリーニング装置16Y、16M、16C及び16Kの廃トナーを搬送するドラム側搬送部57に形成されるガイド57aに沿ってスライド移動可能とされる。第2〜第5のシャッタ33Y、33M、33C及び33Kは、第1のシャッタ33Bと同様、バネ58aの弾性力により常にフロント側に付勢されている。したがって、第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kは、フロントカバー1aのステイ1bによる押圧力を解除されると、夫々バネ52あるいはバネ58aによりフロント側にスライドする。
【0025】
図12に示すようにカラー複写機1内で廃トナーボックス30を支持するフレーム60のリアフレーム60aには、第2〜第5のシャッタ33Y、33M、33C及び33Kのスライド経路を開閉するロック部材であるドラム側ストッパ62が各シャッタ33Y、33M、33C、33K毎に取り付けられている。ドラム側ストッパ62は、図13、図14、図15に示すように板バネ部62a先端がリアフレーム60のブロック部60bに、規制され、レバー部62bを図15の矢印v方向に付勢する。
【0026】
ドラム側ストッパ62はフリーな状態においては、図15に示すようにレバー部62bが板バネ部62aの弾性力により矢印v方向に回動されて、第2〜第5のシャッタ33Y、33M、33C及び33Kがスライド移動する経路上に位置し、図15の2点鎖線で示す第2〜第5のシャッタ33Y、33M、33C及び33Kのリア側に形成されるリブ58bと干渉し、第2〜第5のシャッタ33Y、33M、33C及び33Kがスライド移動しないようロックする。カラー画像形成装置1本体内に廃トナーボックス30が装着された状態においては、図16、図17、図18に示すようにドラム側ストッパ62の板バネ部62aに、廃トナーボックス30のリア側サイドに形成される第2〜第5の突起56Y、56M、56C及び56Kが当接してその弾性力に抗してレバー部62bを矢印w方向に回動する。この時レバー部62bは、第2〜第5のシャッタ33Y、33M、33C及び33Kがスライド移動する経路の下方に位置し、ロック解除して第2〜第5のシャッタ33Y、33M、33C及び33Kのスライド移動を可能とする。
【0027】
次に作用について述べる。画像形成プロセスの開始時には、廃トナーボックス30がカラー複写機1に装着され、またフロントカバー1aが閉じられている。したがって第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kは、それぞれバネ52、58aの弾性力に抗してフロントカバー1aのステイ1bに押されて、開放されている。これにより搬送部32及びドラム側搬送部57の搬送端部と廃トナーボックス30の第1〜第5の回収口31B、31Y、31M、31C及び31Kとが導通されていて、廃トナーボックス30は、ベルトクリーナ10a及び感光体クリーニング装置16Y、16M、16C及び16Kにて除去した廃トナーを回収可能となっている。
【0028】
このような状態で画像形成プロセスが開始されると、スキャナやパソコン端末等から画像情報が入力され、各感光体ドラム12Y、12M、12C及び12Kが回転され各画像形成ユニット11Y、11M、11C及び11Kにて、順次画像形成工程が実施される。イエロ(Y)の画像形成ユニット11Yでは感光体ドラム12Y表面が帯電チャージャ13Yにより一様に帯電される。
【0029】
次いで感光体ドラム12Yは、露光位置17Yにてイエロ(Y)の画像情報に対応するレーザビームを照射されて静電潜像を形成される。更に感光体ドラム12Yは、現像装置18Yにてトナー像を形成される。更に感光体ドラム12Yは、矢印s方向に回転される中間転写ベルト10と接触して1次転写ローラ18Yによりトナー像を中間転写ベルト10上に1次転写する。
【0030】
このイエロ(Y)のトナー像形成プロセスと同様にして、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナー像形成プロセスを行う。各感光体ドラム12M、12C及び12K上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト10上のイエロ(Y)のトナー像が形成された同一位置に順次重ねて転写される。中間転写ベルト10上には、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)を多重転写してなるフルカラートナー像が形成される。
【0031】
この後中間転写ベルト10に重ね合わされたフルカラートナー像は2次転写ローラ27位置に達し、二次転写ローラ27の転写バイアスにより、シート紙P上に一括2次転写される。次いでシート紙Pは定着工程を経てトナー像を完成される。定着後シート紙Pは、片面画像であればそのまま胴内排紙部3に排紙される。又両面画像あるいは多重プリントを行う場合は、再搬送ユニット(図示せず)を経て2次転写ローラ27位置に再搬送される。
【0032】
一方中間転写ベルト10は、2次転写終了後、ベルトクリーナ10aにより残留トナーをクリーニングされる。又感光体ドラム12Y、12M、12C及び12Kは、トナー像を中間転写ベルト10に1次転写した後、感光体クリーニング装置16Y、16M、16C及び16Kにより残留トナーを除去され、次ぎの画像形成プロセス可能とされる。
【0033】
ベルトクリーナ10a及び感光体クリーニング装置16Y、16M、16C及び16Kに回収された残留トナーである廃トナーは、夫々搬送部32及びドラム側搬送部57により、第1〜第5の回収口31B、31Y、31M、31C及び31Kから廃トナーボックス30内に流入される。
【0034】
廃トナーボックス30への廃トナーの流入が進み、フォトセンサ38が満杯を検知すると、カラー複写機1は、表示パネル(図示せず)等に、廃トナーボックス30の満杯を表示する。廃トナーボックス30の満杯表示により、廃トナーボックス30の交換メンテナンスを行う。
【0035】
まず、フロントカバー1aを開けて第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kを押圧していたステイ1bを先端部53から離間する。これにより第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kは、バネ52、58aによりフロント側にスライドする。すなわち第1のシャッタ33Bは、図6の矢印t方向にスライドし、第2〜第5のシャッタ33Y、33M、33C及び33Kは、図13の矢印x方向にスライドする。これにより第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kは、遮蔽部133bが、搬送部32及びドラム側搬送部57の搬送端部の前面にスライド移動して、閉鎖状態とされる。
【0036】
このように搬送部32及びドラム側搬送部57の搬送端部を閉鎖して廃トナーがこぼれるのを防止した状態で、使用済みの廃トナーボックス30をフロント側に取り出す。これにより第1〜第5の突起56B、56Y、56M、56C及び56Kはベルト側ストッパ54あるいは第2〜第5のドラム側ストッパ62から離間する。これによりベルト側ストッパ54及び第2〜第5のドラム側ストッパ62はロック状態となる。即ちベルト側ストッパ54は、自重により図10に示すように回動して、シャッタ33Bのスライド経路を閉鎖する。第2〜第5のドラム側ストッパ62は図15に示すように板バネ部62aの弾性力によりレバー部62bが第2〜第5のシャッタ33Y、33M、33C及び33Kのスライド経路を閉鎖する。
【0037】
従って、もし、新たな廃トナーボックス30を装着せずに、フロントカバー1aを閉めようとすると、ベルト側ストッパ54及び第2〜第5のドラム側ストッパ62がロックされていて、ステイ1bと干渉し、フロントカバー1aを閉めることができない。
【0038】
一方、新たな廃トナーボックス30をフレーム60に装着して、リアフレーム60aに達するまで押し込むことにより、廃トナーボックス30リア側の第1〜第5の突起56B、56Y、56M、56C及び56Kは、ベルト側ストッパ54あるいは第2〜第5のドラム側ストッパ62をロック解除する。即ち、第1の突起56Bは、図11に示すようにベルト側ストッパ54のカム54aに当接する。これにより第1の突起56Bは、ベルト側ストッパ54を矢印u方向に回動して、シャッタ33Bのスライド経路を開放する。第2〜第5の突起56Y、56M、56C及び56は、図16に示すようにドラム側ストッパ62の板バネ部62aに当接する。ドラム側ストッパ62が板バネ部62aを押し上げることによりレバー部62bを矢印w方向に回動して、第2〜第5のシャッタ33Y、33M、33C及び33Kのスライド経路を開放する。
【0039】
従ってこの後フロントカバー1aを閉めることにより、ステイ1bが第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kの先端部53を押すと、第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kは、夫々バネ52、58aの弾性力に抗して、いずれもリア側にスライドされる。即ち、第1のシャッタ33Bは、矢印y方向にスライドされ、窓部133aが搬送部32の搬送端部の前面に位置し、開放状態となる。同様に第2〜第5のシャッタ33Y、33M、33C及び33Kは、矢印z方向にスライドされ、窓部133aがドラム側搬送部57の搬送端部の前面に位置し、開放状態となる。これにより新たな廃トナーボックス30への、廃トナーの流入が可能となる。
【0040】
この実施例によれば、廃トナーボックス30の交換時にフロントカバー1aを開けることにより、搬送部32あるいはドラム側搬送部57の搬送端部にて、第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kを閉じることが出来る。従って廃トナーボックス30をフレーム60から引き出すときには、搬送部32あるいはドラム側搬送部57の搬送端部は、第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kにより完全に閉じられていて、廃トナーボックス30の引き出し操作により、廃トナーがこぼれるのを確実に防止できる。
【0041】
又、廃トナーボックス30をフレーム60から引き出すことにより、第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kは、ベルト側ストッパ54あるいはドラム側ストッパ62により、開く方向へのスライドをロックされる。この後、廃トナーボックス30をフレーム60に装着することにより、ベルト側ストッパ54あるいはドラム側ストッパ62によるロックを解除出来る。
【0042】
即ち、ロック解除のために廃トナーボックス30をフレーム60に装着しなければ、ステイ1bは、第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kを押すことが出来ない。従って、廃トナーボックス30をフレーム60に装着しなければ、ステイ1bと第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kと干渉してしまい、フロントカバー1aを閉じることが出来ない。また、又搬送部32あるいはドラム側搬送部57の搬送端部にて第1〜第5のシャッタ33B、33Y、33M、33C及び33Kを開放することが出来ない。
【0043】
従って廃トナーボックス30の交換時に、新たな廃トナーボックス30を装着するのを忘れて、フロントカバーを閉じて、カラー複写機1を稼動してしまうという誤操作を確実に防止でき、廃トナーボックス30交換時のメンテナンス性を向上し、廃トナーによりカラー複写機本体内が汚損されるのを防止できる。
【0044】
尚この発明は上記実施例に限られるものではなく、この発明の範囲内で種々設計変更可能であり、例えば搬送部の形状や構造等任意であり、又シャッタは、カバーに連動して搬送部の搬送端部を開閉可能であればその形状や支持方法等限定されない。又画像形成装置の構造は限定されず、たとえばモノクロ画像形成装置において、シャッタをカバーに連動するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施例のカラー複写機のフロントカバーを開けた状態を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例の画像形成部を示す概略説明図である。
【図3】本発明の実施例の廃トナーボックスを示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例の廃トナーボックスを示す上面図である。
【図5】本発明の実施例のベルトクリーナを示す一部斜視図である。
【図6】本発明の実施例の搬送部及び搬送端部を閉鎖した状態のシャッタを示す概略斜視図である。
【図7】本発明の実施例の搬送部及び搬送端部を閉鎖した状態のシャッタの一部を切り欠いて示す概略斜視図である。
【図8】本発明の実施例のシャッタを廃トナーボックス側から見た概略斜図である。
【図9】本発明の実施例のシャッタを搬送部の後方から見た概略斜図である。
【図10】本発明の実施例のロック状態のベルト側ストッパを搬送部の後方から見た概略側面図である。
【図11】本発明の実施例のロック解除状態のベルト側ストッパを搬送部の後方から見た概略側面図である。
【図12】本発明の実施例のカラー複写機のフロントカバーを開けて廃トナーボックスを取り外した状態を示す外観斜視図である。
【図13】本発明のドラム側のシャッタ及びロック状態のドラム側ストッパを示す概略側面図である。
【図14】本発明のドラム側のシャッタ及びロック状態のドラム側ストッパを廃トナーボックス側から見た概略斜視図である。
【図15】本発明のドラム側のシャッタ及びロック状態のドラム側ストッパの一部を示す概略正面図である。
【図16】本発明のドラム側のシャッタ及びロック解除状態のドラム側ストッパを示す概略正面図である。
【図17】本発明のドラム側のシャッタ及びロック解除状態のドラム側ストッパを示す概略側面図である。
【図18】本発明のドラム側のシャッタ及びロッ解除状態のドラム側ストッパを廃トナーボックス側から見た概略斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1…カラー複写機
1a…フロントカバー
1b…ステイ
2…スキャナ部
3…胴内排紙部
4…給紙部
7…画像形成部
10…中間転写ベルト
10a…ベルトクリーナ
11Y、11M、11C、11K…画像形成ユニット
12Y、12M、12C、12K…感光体ドラム
16Y、16M、16C、16K…感光体クリーニング装置
17…レーザ露光装置
30…廃トナーボックス
31B、31Y、31M、31C、31K…第1〜第5の回収口
32…搬送部
33B、33Y、33M、33C、33K…第1〜第5のシャッタ
45…ベルト側ストッパ
56B、56Y、56M、56C、56K…突起
57…ドラム側搬送部
62…ドラム側ストッパ
133a…窓部
133b…遮蔽部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に交換可能に装着され、画像形成部から排出される廃トナーの搬送部に導通して前記廃トナーを収納する廃トナー収納部材と、
前記画像形成装置本体のカバーの開閉に連動してスライド移動し、前記カバーの閉鎖時には前記搬送部の搬送端部を開放し、前記カバーの開放時には前記搬送部の搬送端部を閉鎖するシャッタと、
前記画像形成装置本体に装着される前記廃トナー収納部材との当接により、前記シャッタを開放方向にスライドする経路を開放し、前記廃トナー収納部材との離間により、前記シャッタを開放方向にスライドする経路を閉鎖するロック部材とを具備することを特徴とする廃トナー回収装置。
【請求項2】
前記画像形成部から排出される廃トナーの搬送部が複数設けられ、前記廃トナー収納部材は、前記複数の搬送部と導通し、
前記シャッタは前記複数の搬送部毎に設けられることを特徴とする請求項1記載の廃トナー回収装置。
【請求項3】
像担持体周囲にトナー画像形成手段を配置してなる複数の画像形成ユニットを中間転写媒体に沿って配列してなる画像形成部と、
前記複数の画像形成ユニット及び前記中間転写媒体から排出される廃トナーを所定方向に搬送する複数の搬送部と、
画像形成装置本体に交換可能に装着され、前記複数の搬送部に導通して前記廃トナーを収納する廃トナー収納部材と、
前記画像形成装置本体のカバーの開閉に連動してスライド移動し、前記カバーの閉鎖時には前記搬送部の搬送端部を開放し、前記カバーの開放時には前記搬送部の搬送端部を閉鎖する複数のシャッタと、
前記画像形成装置本体に装着される前記廃トナー収納部材との当接により、前記複数のシャッタをそれぞれ開放方向にスライドする経路を開放し、前記廃トナー収納部材との離間により、前記複数のシャッタをそれぞれ開放方向にスライドする経路を閉鎖する複数のロック部材とを具備することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−219453(P2007−219453A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−43114(P2006−43114)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】