説明

廃棄物溶融処理方法

【課題】 塩基度調整材として高炉滓や転炉滓を用いて、しかも、溶融スラグを安定して連続排出でき、そのスラグが土木資材としても有効利用できるようにした、廃棄物溶融処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 溶融炉内で廃棄物を熱分解し熱分解残渣を溶融すると共に塩基度調整材により溶融スラグの粘度を調整しながらこの溶融スラグを連続的に排出する廃棄物溶融炉の廃棄物溶融処理方法において、塩基度調整材として高炉滓と転炉滓のうち少なくとも一方を上記溶融炉内へ供給し、溶融スラグの排出量を計測して排出量が所定の範囲になるように、または溶融スラグの塩基度が0.6〜1.2の範囲になるように、または上記溶融スラグの排出量が所定の範囲になりかつ溶融スラグの塩基度が0.6〜1.2の範囲になるように、塩基度調整材の供給量を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は廃棄物溶融処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物を溶融処理するための溶融炉としては、添付図面の図2に示されるような溶融炉が一般的に用いられる。この溶融炉は、竪型の炉本体50の上部に廃棄物の炉内への投入のための装入口51と排ガスの排出のための排気口52、下部に酸素含有ガスの供給のための羽口53とスラグ排出のためのスラグ排出口54とを備えている。
【0003】
図2に示されるこの溶融炉においては、装入口51から廃棄物あるいは廃棄物とコークスが炉内へ装入され、さらに、炉内で生成されるスラグの成分を調整するために、石灰石が装入される。これらの装入物は堆積され、炉下部で堆積層55を形成する。この堆積層55は、下述のように、その上部が乾留ゾーン、下部が燃焼・溶融ゾーンを形成する。
【0004】
装入物が炉内で堆積層55を形成している状態で、羽口53から酸素含有ガスが吹き込まれると、堆積層55下部の燃焼・溶融ゾーンに存在するコークスなどの炭素分が燃焼する。そして、この燃焼熱によって、堆積層55下部の燃焼・溶融ゾーンにおいては、廃棄物中の灰分や不燃物が溶融され、また、堆積層55上部の乾留ゾーンにおいては、廃棄物が乾留されてガス化する。廃棄物の乾留残渣は堆積層55下部の燃焼・溶融ゾーンへ降下しコークスと共に燃焼し、さらに灰分や不燃物が溶融される。溶融物56は堆積層55中を滴下しつつ流下して炉底に溜まり、スラグ排出口54から炉外へ抜き出される。
【0005】
廃棄物を溶融させた際に生成する溶融物は、多量のシリカ分(SiO2)を含んでおり、溶融状態で粘性が高くその流動性が非常に乏しいので、スラグ排出口が詰まって溶融スラグが流出しなくなったり、溶融スラグの排出流量が減少してその排出が不十分になったりし、その結果、操業異常の状態が引き起こされることがある。これに対処するため、廃棄物の溶融処理においては、従来から廃棄物を装入する際に、同時に石灰石を装入して、生成される溶融スラグのCaO/SiO2 の比(塩基度)を調整して溶融スラグの粘度が上昇しないようにしている。
【0006】
しかし、石灰石(炭酸カルシウムCaCO3)は分解してCaOになり、溶融スラグの塩基度調整に作用するが、その際に多量の分解CO2ガスが発生するという新たな問題が生ずる。
【0007】
そこで、このようなCO2の発生という問題を回避するために、特許文献1には、廃棄物処理溶融炉に廃棄物と共に石炭またはコークスなどの燃料を投入し廃棄物を燃焼・溶融させるにあたり、燃焼排ガス対策および溶融スラグの安定化を図るために投入する石灰石に代えて、銑鋼プロセスで発生する塩基度3.5以上のスラグを投入することにより、石灰石を投入する場合は多量のCO2ガスが発生するという問題を解決し、廃棄物処理溶融炉の排ガス中のNOx、SOxの低減を図ると共に、溶融スラグを安定した組成のスラグにして資源化できることが開示されており、投入するスラグとして溶銑処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグが例示されている。
【特許文献1】特開平6−145735
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
廃棄物溶融炉から排出される溶融スラグはスラグ排出口から抜き出される(以下、「出
滓」という)が、間欠的にこの出滓を行うと、排出口の開口と閉口の作業が煩雑であり、また、閉口中にスラグ排出口の閉塞も発生しやすいため、連続的に出滓することが望ましい。連続して出滓を行うためには、溶融スラグ発生量を所定量以上に保つ必要があるが、廃棄物処理量が少ない溶融炉の場合にはこれらが不足する場合がある。しかし、特許文献1には、廃棄物溶融炉において溶融スラグの連続出滓を安定して行うことができる方法が開示されていない。
【0009】
また、溶融スラグを水砕した後、コンクリート用細骨材などの土木資材として有効利用する場合には、溶融スラグの性状が天然砂や砕石並みの物理性状や化学的安定性を有していることが必要であるが、特許文献1には、そのような溶融スラグを生成するために必要な廃棄物溶融炉の運転方法も開示されていない。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑み、CO2の発生という問題を回避するために、塩基度調整材として高炉滓や転炉滓を用いて、しかも、溶融スラグを安定して連続排出でき、そのスラグが土木資材としても有効利用できるようにした、廃棄物溶融処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る廃棄物溶融処理方法では、溶融炉内で廃棄物を熱分解し熱分解残渣を溶融すると共に塩基度調整材により溶融スラグの粘度を調整しながらこの溶融スラグを連続的に排出する。
【0012】
かかる廃棄物溶融処理方法において、本発明は、塩基度調整材として高炉滓と転炉滓のうち少なくとも一方を上記溶融炉内へ供給し、溶融スラグの排出量を計測して排出量が所定の範囲になるように、または溶融スラグの塩基度が0.6〜1.2の範囲になるように、または上記溶融スラグの排出量が所定の範囲になりかつ溶融スラグの塩基度が0.6〜1.2の範囲になるように、塩基度調整材の供給量を調整することを特徴としている。
【0013】
このように、本発明では、塩基度調整材として、従来の廃棄物溶融炉で用いられているスラグ成分調整材の石灰石に代えて、高炉滓、転炉滓など製銑、製鋼プロセスにおける副生成物を用いる。製銑、製鋼プロセスでは石灰石を多量に用いるため、高炉滓、転炉滓には酸化カルシウムが多量に含まれている。しかも、高炉滓、転炉滓中の酸化カルシウムは製銑、製鋼プロセスにおいて溶融された履歴があり熱的に安定している。さらに高炉滓、転炉滓中には熱分解によりCO2が発生する成分が含まれていない。
【0014】
高炉滓、転炉滓を塩基度調整材として供給し、溶融スラグの排出量を計測して排出量が所定の範囲になるように、塩基度調整材の供給量を調整することにより、溶融スラグは連続して排出される。ここで溶融スラグの排出量の所定の範囲とは、廃棄物溶融炉の規模に適合した、安定して連続出滓できる排出量の範囲である。
【0015】
また、溶融スラグの塩基度が0.6〜1.2の範囲になるように、塩基度調整材の供給量を調整することにより、溶融スラグの粘性を調整でき流動性を低くし、溶融スラグは安定して連続排出される。このスラグは、土木資材として有効利用する場合に要求されるスラグの性状に適合している。
【0016】
溶融スラグの塩基度を0.6〜1.2の範囲としたのは、下限値より小さいと溶融スラグの粘性が高く流動性が低くなり、またスラグがガラス化して有効利用できる用途がなく、上限値より大きいとスラグが粉化して利用が困難となるからである。
【0017】
本発明において、溶融スラグの塩基度は0.8〜1.0の範囲とすることが好ましい。
この範囲にすることにより溶融スラグの粘性が最適な範囲となり確実に安定した連続出滓が実現でき、またスラグの性状が土木資材として最適な物理性状や化学的安定性を有するものとなる。
【0018】
また、本発明において、スラグ成分調整材として高炉滓と転炉滓の両方をその配合を調整して廃棄物溶融炉に供給することにより、スラグの性状を調整することができる。高炉滓には鉄分がほとんど含まれておらず、転炉滓には鉄分が含まれている。高炉滓と転炉滓の鉄分含有率の差を利用して、スラグの色、比重を調整することができる。すなわち、スラグ成分調整材に鉄分をほとんど含まないような、高炉滓が多い配合にすればスラグは白色となり、鉄分を多く含む転炉滓の量の多い配合にすればスラグは黒色となる。白色から灰色、黒色の色のスラグを調製することができるので、スラグをコンクリート細骨材として用いてコンクリート材の色を調整することができる。
【0019】
また、スラグ成分調整材に鉄分を多く含む配合にすればスラグの比重が大きくなり、用途に適した比重のスラグを生成できる。このように用途によって色、密度など調整したスラグを生成することが可能である。
【0020】
さらに、本発明において、塩基度調整材としての高炉滓と転炉滓は、高炉滓と転炉滓のうち少なくとも一つの塩基度が0.6〜3.4であることが好ましい。
【0021】
塩基度が0.6〜3.4の比較的低い塩基度のスラグ成分調整材を用いることにより、スラグ成分調整材の供給を十分に行うことができ、溶融スラグの発生量を十分に多くすることができるので、連続出滓が可能となる。上記塩基度が上限値より高いと、スラグ成分調整材の供給量が少なくなるので、溶融スラグの発生量が少なく連続出滓が困難となる。下限値より低いスラグ成分調整材を用いると、溶融スラグの塩基度を所定の範囲に調整するために供給するスラグ成分調整材の供給量が多大となり、溶融炉の規模が大きくなり好ましくない。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明では、溶融炉内で廃棄物を熱分解し熱分解残渣を溶融すると共に塩基度調整材により溶融スラグの粘度を調整しながらこの溶融スラグを連続して排出する廃棄物溶融処理する際に、高炉滓、転炉滓を塩基度調整材として供給し、溶融スラグの排出量を計測して排出量が所定の範囲になるように、塩基度調整材の供給量を調整することとしたので、溶融スラグを安定して連続排出することができる。その結果、排出口の開口そして閉口といった煩雑な作業を行う必要がなくなるのみならず、排出口の閉塞といった弊害もなくなる。さらに、得られるスラグは土木資材としても好適な性状となり資材の有効利用が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は本発明の実施の形態に係る廃棄物溶融処理設備の一例の説明図である。
【0025】
図1に示される廃棄物溶融炉10は、竪型の筒状をなす炉本体11を有し、該炉本体11の炉底部に高温燃焼帯が形成され、この高温燃焼帯の上に廃棄物層が形成されるように構成されている。上記炉本体11の頂部には、廃棄物計量装置12から所定量の廃棄物を受けこれを炉本体11へ装入する廃棄物装入装置13と、燃料としてのコークスを計量しながら所定量だけ炉本体11へ供給するコークス計量装置14と、高炉滓あるいは転炉滓などのスラグ成分調整材(塩基度調整材)を計量しながらこのスラグ成分調整材を炉本体11へ供給するスラグ成分調整材計量装置15が接続されている。このスラグ成分調整材
計量装置15には、制御装置16からの指令を受け開度が調整されるロータリバルブ等のスラグ成分調整材供給量調整装置17が接続されている。
【0026】
炉本体11は、その下部で廃棄物のガス化と残渣の溶融処理が行われるようになっており、該炉本体11は縦方向中間部で下方に向け縮径されたテーパ部18を有し、径の小さい下部が溶融処理部19を、そして大径となっている上部がフリーボード部20を形成している。溶融処理部19では、炉底部に堆積されたコークスを燃焼させることにより、高温状態に維持され廃棄物の熱分解残渣を溶融する高温燃焼帯Aを形成し、該高温燃焼帯Aの上に流動化状態の廃棄物層Bが形成される。
【0027】
上記溶融処理部19には、外部から上記高温燃焼帯Aでの燃焼のための空気または酸素富化空気を吹き込む主羽口21が、そしてその上方位置には上記廃棄物層Bでの廃棄物の流動のための空気を吹き込むための副羽口22が設けられている。さらに、溶融処理部19の上方に位置するフリーボード部20には、生成された可燃性の熱分解ガスを部分燃焼させる空気を吹き込むための三段羽口23が設けられている。
【0028】
また、炉本体11の上部にはガス排気口24が設けられている。
【0029】
上記炉本体11の下部には、溶融スラグ排出口25が設けられている。この溶融スラグ排出口25の下方位置には、排出される溶融スラグを受けるスラグ水砕装置26が配設されている。該スラグ水砕装置26は水を貯留する槽を有し、水中から外部に向け走行するコンベア27が設けられていて、溶融スラグが槽内の水中へ滴下して冷却固化された後、コンベア27により外へ搬出される。水砕装置26では、溶融スラグが急水冷されるので、細かく砕かれた状態となる。コンベア27の搬送端部には、固化したスラグを受けてその量を計測するスラグ排出量計測装置28が設けられている。スラグ排出量計測装置28は、例えばコンベア秤であり、搬送されるコンベア27上のスラグを所定時間経過毎にその重量を計測して、排出量を測定し、その排出量計測値の信号を上記制御装置16に送るようになっている。上記スラグ排出量計測装置28の下方には、計測後の固化スラグが落下して貯留されるスラグバンカ29が配置されている。該スラグバンカ29にはスラグの塩基度を分析する塩基度分析器(図示せず)が設けられている。
【0030】
上記構成の本実施形態における廃棄物溶融炉による廃棄物の溶融処理は次の要領で行なわれる。
【0031】
都市ごみや産業廃棄物などの廃棄物、コークスそしてスラグ成分調整材としての高炉滓あるいは転炉滓が、廃棄物計量装置12、コークス計量装置14そしてスラグ成分調整材計量装置15でそれぞれ計量され、廃棄物投入装置13他から廃棄物溶融炉10内へ投入される。投入されたもののうち、コークスとスラグ成分調整材は炉底部に堆積し、ここに主羽口21から空気又は酸素富化空気の熱風が吹き込まれ、コークスが燃焼して高温燃焼帯Aが形成される。
【0032】
又、炉頂部の廃棄物装入装置13から炉内へ投入された廃棄物は高温燃焼帯Aの上方で流動しながら滞留して廃棄物層Bを形成する。廃棄物は副羽口22から吹き込まれる空気によって流動化されている間に熱分解され、ここで発生した熱分解ガスはフリーボード部20で一部が燃焼された後、ガス排出口24から排出される。
【0033】
一方、熱分解により生じた残渣は高温燃焼帯A上で溶融され、溶融スラグ排出口25から排出される。排出された溶融スラグはスラグ水砕装置26に滴下されて固化後に水砕され、水砕されたスラグはスラグコンベア27により搬出され、スラグ排出量計測装置28によりスラグ排出量が計測され、スラグバンカ29に貯留される。
【0034】
溶融スラグ排出口25から排出されたスラグの排出量が排出量計測装置28により計測され、その計測値の信号が制御装置16に送られる。またスラグバンカ29に搬送されるスラグの塩基度がスラグ塩基度分析器で分析され、その塩基度の信号が制御装置16に送られる。
【0035】
次いで、制御装置16から、スラグの排出量および/またはスラグの塩基度が0.6〜1.2の設定範囲、好ましくは0.8〜1.0の設定範囲になるようにするための指示信号がスラグ成分調整材の供給量調整装置17に送られ、スラグ成分調整材としての高炉滓あるいは転炉滓の供給量が調整される。本実施形態でスラグ成分調整材としての高炉滓あるいは転炉滓の塩基度は0.6〜3.4の範囲のものが用いられる。
【0036】
この調整は、例えば、スラグ排出量が設定値より少ない場合には、溶融スラグの塩基度が低く粘性が高いため流動性が低く排出量が少なくなっているので、スラグ成分調整材の供給量を増加させるように行われる。
【実施例】
【0037】
都市ごみ処理量が2000 kg/h規模の廃棄物ガス化溶融炉に各種スラグ成分調整材を供給してスラグ発生量、スラグ塩基度を測定した。
【0038】
<実施例1>
スラグ成分調整材として高炉滓を用いたときの実施例1を以下に示す。高炉滓の組成を表1に示す。スラグの塩基度を0.9に調整する場合は、高炉滓を約140kg/h供給した。高炉滓を加熱してもCO2の発生はなく、またスラグ発生量は290kg/hであり、連続出滓は十分可能であった。またスラグ中のFeO含有量は0.05%となり、スラグの色は薄い灰色であった。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
<実施例2>
スラグ成分調整材として転炉滓を用いたときの実施例2を以下に示す。転炉滓の組成を表3に示す。スラグの塩基度を0.9に調整する場合は、転炉滓を約60kg/h供給した。高炉滓と同様、転炉滓を加熱してもCO2の発生はなく、スラグ発生量は225kg/hであり、連続出滓は十分可能であった。またスラグ中のFeOは2.8%となり、スラグの色は黒色を呈した。また、絶乾密度は3.00となり、重いスラグを調製することができた。
【0042】
【表3】

【0043】
【表4】

【0044】
<比較例>
塩基度調整剤として石灰石を用いたときの比較例を以下に示す。石灰石灰分の主成分は、表5に示すようにCaOである。スラグの塩基度を0.9に調整する場合、石灰石の使用量は35kg/hとなり、このときの発生スラグ量は200kg/hであった。この発生スラグ量では、出滓が途切れ連続出滓ができない場合もあった。またCO2の排出量が相当量ある。
【0045】
【表5】

【0046】
【表6】

【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態に係る廃棄物溶融処理設備の一例の説明図である。
【図2】従来装置の概要構成を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10 廃棄物溶融炉
11 炉本体
12 廃棄物計量装置
13 廃棄物装入装置
14 コークス計量装置
15 スラグ成分調整材計量装置
16 制御装置
17 スラグ成分調整材供給量調整装置
21 主羽口
22 副羽口
23 三段羽口
24 ガス排出口
25 溶融スラグ排出口
26 スラグ水砕装置
27 スラグコンベア
28 スラグ排出量計測装置
29 スラグバンカ
A 高温燃焼層
B 廃棄物層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融炉内で廃棄物を熱分解し熱分解残渣を溶融すると共に塩基度調整材により溶融スラグの粘度を調整しながらこの溶融スラグを連続的に排出する廃棄物溶融炉の廃棄物溶融処理方法において、塩基度調整材として高炉滓と転炉滓のうち少なくとも一方を上記溶融炉内へ供給し、溶融スラグの排出量を計測して排出量が所定の範囲になるように、または溶融スラグの塩基度が0.6〜1.2の範囲になるように、または上記溶融スラグの排出量が所定の範囲になりかつ溶融スラグの塩基度が0.6〜1.2の範囲になるように、塩基度調整材の供給量を調整することを特徴とする廃棄物溶融処理方法。
【請求項2】
溶融スラグの塩基度が0.8〜1.0の範囲であることとする請求項1に記載の廃棄物溶融処理方法。
【請求項3】
溶融スラグの塩基度調整材として、高炉滓と転炉滓の両方をそれぞれの供給量を調整しながら供給することとする請求項1に記載の廃棄物溶融処理方法。
【請求項4】
高炉滓と転炉滓のうち少なくとも一方の塩基度が0.6〜3.4であることとする請求項1または請求項2に記載の廃棄物溶融処理方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−343073(P2006−343073A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−171442(P2005−171442)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】