建具
【課題】美観を維持しつつ面材配置の設計自由度を高めることができる建具を提供すること。
【解決手段】上部可動障子20の下框22と固定面材ユニットの上部中間框44(外召合せ框)とで構成された召合せ部において、上部中間框44が断熱框とされ、気密材44Dよりも室内側に断熱部材443が設けられているので、冬期において上部中間框室内部材442に結露が発生しにくくなり、結露水が室内側に垂れ落ちたり、固定ガラスパネル48の室内面を伝い落ちたりすることがなく、建具やその周辺が汚れることが防止できる。従って、美観を維持することができるとともに、固定ガラスパネル48と上部可動障子20との配置に関する設計の自由度を高めることができる。
【解決手段】上部可動障子20の下框22と固定面材ユニットの上部中間框44(外召合せ框)とで構成された召合せ部において、上部中間框44が断熱框とされ、気密材44Dよりも室内側に断熱部材443が設けられているので、冬期において上部中間框室内部材442に結露が発生しにくくなり、結露水が室内側に垂れ落ちたり、固定ガラスパネル48の室内面を伝い落ちたりすることがなく、建具やその周辺が汚れることが防止できる。従って、美観を維持することができるとともに、固定ガラスパネル48と上部可動障子20との配置に関する設計の自由度を高めることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関し、詳しくは、窓枠と、この窓枠内に支持された可動障子とを備えた上げ下げ窓等の建具に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の外壁開口部に設けられる建具として、上下一対の障子を備えた上げ下げ窓が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1、2には、窓枠と、この窓枠の上半分に固定された固定障子(外障子)やガラスパネルと、この固定障子の室内側に沿って上下にスライド開閉自在に設けられた可動障子(内障子、下部障子)とを備えたシングルハングの上げ下げ窓が開示されている。一方、特許文献3には、内障子のみならず外障子も上下にスライド開閉自在に設けられたダブルハングの上げ下げ窓が開示されている。
以上のような特許文献1〜3に記載された上げ下げ窓では、いずれも閉鎖状態において外障子が内障子よりも上側に位置し、外障子の下框(外召合せ框)の室内側に内障子の上框(内召合せ框)が重なるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−176667号公報
【特許文献2】特開平6−313384号公報
【特許文献3】特開2003−64966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の上げ下げ窓において、外障子と内障子とを入れ替えた場合、つまり外障子の上框を外召合せ框とするとともに内障子の下框を内召合せ框とし、これらが見込み方向に重なって内外の障子が閉じるように構成した場合には、以下の問題が生じる。すなわち、外気の温度変化の影響を受けやすい外障子の上框を外召合せ框とすると、この外召合せ框が冬期に冷やされた場合に、その室内面つまり内召合せ框と対向する面に結露が発生し、結露水が室内側に垂れ落ちるという不具合が生じる。一方、従来の上げ下げ窓のように、外障子の下框で外召合せ框が構成されていれば、結露水が室内側に垂れ落ちることがなく、結露が大きな問題となることがなかった。
以上のように、外障子の上框を外召合せ框とし、内障子の下框を内召合せ框とした場合には、垂れ落ちた結露水により建具やその周辺が汚れたり、外障子のガラス室内面を伝い落ちた結露水に埃等が付着したりなど、建具の美観を損ねるという問題がある。このため、内外の障子の上下関係を変更することが困難となり、窓を設計する上での制約を受けることから、設計自由度が低下してしまうという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、建具の美観を維持しつつ面材配置の設計自由度を高めることができる建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の建具は、建物開口部に固定される窓枠と、この窓枠における室外寄りに支持される室外面材と、この室外面材の室内側に沿って上下スライド自在に前記窓枠に支持される可動障子とを備えた建具であって、前記可動障子は、上框、下框および左右の縦框を四周框組みした内部に面材を取り付けて形成されるとともに、前記下框が前記室外面材上部の外召合せ框の室内側に重なる閉鎖位置と、この閉鎖位置から下方にスライドされて前記室外面材の室内側に重なる開放位置との間を開閉移動自在に設けられ、前記室外面材の外召合せ框と前記閉鎖位置にある可動障子の下框との間には、いずれか一方に設けられて他方に当接する気密材が設けられ、この気密材よりも下方における前記外召合せ框には、当該外召合せ框における室外部分と室内部分との間の熱伝導を遮断する断熱手段が設けられていることを特徴とする。
【0007】
ここで、室外面材および可動障子としては、それぞれ1枚ずつで構成されてもよく、室外面材が1枚の面材から構成され可動障子が上下一対の2枚の障子(上部障子および下部障子)から構成されていてもよく、これとは逆に、室外面材が上下一対の2枚の面材から構成され可動障子が1枚で構成されていてもよい。さらには、室外面材や可動障子が3枚以上の面材(障子)から構成されていてもよい。
また、室外面材は、窓枠に対して移動不能に固定されていてもよく、また可動障子と同様に上下スライド自在に支持されていてもよい。さらには、室外面材が窓枠に対して外開き形式や突き出し形式、あるいは縦辷出し(または横辷出し)形式などの各種形式で開閉可能に支持されていてもよい。
【0008】
以上の本発明によれば、室外面材の外召合せ框において、気密材よりも下方(つまり室内空間側の位置)に断熱手段を設けたことで、この断熱手段よりも室内側に位置する外召合せ框の室内部分への外気温変化の影響が排除または低減でき、冬期における室内部分の結露を防止することができる。従って、室外面材の上框である外召合せ框の室内側に可動障子の下框が重なって閉じる開閉形式の建具において、外召合せ框の室内部分の結露を防止することで、結露水が室内側に垂れ落ちたり、室外面材の室内面を伝い落ちたりすることがなく、建具やその周辺が汚れることが防止でき、美観を維持することができる。そして、従来の上げ下げ窓のような内外障子の召合せ構造の制約を受けることがなくなるため、室外面材や可動障子の配置に関する設計の自由度を高めることができる。
【0009】
この際、本発明の建具では、前記外召合せ框は、前記室外面材の上端縁を保持する面材保持部を有して構成され、この面材保持部は、上面部と、前記室外面材の室外側側面に沿って下方に延びる室外側保持面部と、前記室外面材の室内側側面に沿って下方に延びる室内側保持面部と、を有して下方に開口した断面略コ字形に形成され、前記上面部から室内側に延びて形成された気密材保持部に前記気密材が取り付けられるとともに、前記上面部と前記室内側保持面部とを連結する樹脂製の連結部材により前記断熱手段が構成されていることが好ましい。
【0010】
このような構成によれば、外召合せ框の面材保持部を構成する上面部と室内側保持面部との間に、これらの上面部と室内側保持面部とを連結する樹脂製の連結部材(キャビティ)として断熱手段を構成したことで、連結部材を面材保持部の内部側に膨出させて形成することができ、連結部材の断面積が確保できる。従って、所定の断熱性能を得るのに十分な熱容量および連結強度を備えるとともに、室内側等に突出させないで連結部材が形成でき、外召合せ框の断熱性および外観意匠性を向上させることができる。
【0011】
さらに、本発明の建具では、前記気密材は、前記外召合せ框に設けられるとともに、前記閉鎖位置にある可動障子における前記下框の上端縁近傍に当接されることが好ましい。
このような構成によれば、外召合せ框に設けた気密材を可動障子の下框の上端縁近傍に当接させることで、内召合せ框である下框において、外気に露出する室外部分の表面積が小さくでき、下框に対する外気温の影響が低減されることから、下框の室内部分における結露も防止することができる。
【0012】
また、本発明の建具では、前記気密材よりも室内側位置において、前記室外面材の外召合せ框と前記可動障子の下框との間には、水受け手段が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、室外面材の外召合せ框と可動障子の下框との間において、気密材よりも室内側位置に水受け手段を設けたことで、外召合せ框の室内部分に万一結露が発生したとしても、この結露水を水受け手段で受けることができ、室内側に水が垂れ落ちることが防止できる。
【0013】
この際、本発明の建具では、前記水受け手段は、前記室外面材の外召合せ框および前記可動障子の下框の下端部同士のうち、いずれか一方に設けられて他方に当接する第2気密材で構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、外召合せ框の下端部と可動障子の下框の下端部とに渡って第2気密材を設けたことで、外召合せ框と下框とが対向して形成される空間と室内空間とを第2気密材で仕切ることができ、室内の湿気を含んだ内気が外召合せ框の室内部分に到達しないことから、外召合せ框の結露をさらに確実に防止することができる。
【0014】
また、本発明の建具では、前記可動障子の上框、下框および縦框は、それぞれ樹脂製の室内部材を有して構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、内召合せ框である下框が樹脂製の室内部材を有することで、下框における結露をより効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である上げ下げ窓1を室外側から見た正面図である。図2は、上げ下げ窓1を示す縦断面図である。図3および図4は、それぞれ上げ下げ窓1を示す横断面図であって、図3は、図1に矢視III−III線で示す断面図であり、図4は、図1に矢視IV−IV線で示す断面図である。図5は、上げ下げ窓1を室外側から見た分解斜視図である。
図1〜図5において、上げ下げ窓1は、戸建て住宅等の建物の外壁2における開口部に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切るもので、下端位置が床面3と略同一高さ位置に設けられ、上端位置が天井面4と略同一高さ位置に設けられた窓である。
【0016】
上げ下げ窓1は、上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みした窓枠10と、この窓枠10の内側に上下スライド開閉自在に支持された上部可動障子20および下部可動障子30とを備えて構成されている。窓枠10は、外壁2開口部周辺の壁パネル等の建物躯体5に固定されている。上部可動障子20および下部可動障子30は、それぞれ上框21,31、下框22,32、および左右の縦框23,33を四周框組みした内部に、ガラスパネル(複層ガラス)24,34を嵌め込んで構成されている。
【0017】
また、上部可動障子20および下部可動障子30の室外側における窓枠10内部には、室外側面状体としての固定面材ユニット40が取り付けられており、この固定面材ユニット40は、上下左右の框材としての上框41、下框42、および左右の縦框43を四周框組みした面状体枠としてのユニット枠40Aと、ユニット枠40Aの内部を上下に仕切る2本の中間框材としての上部中間框44および下部中間框45と、上下一対の通気面材としての上部通気面材46および下部通気面材47と、上部中間框44および下部中間框45の間に保持される室外面材(固定面材)としての固定ガラスパネル(複層ガラス)48とを有して構成されている。また、固定面材ユニット40における上部通気面材46および下部通気面材47の室内側には、それぞれ網戸49が取り付けられている。
【0018】
窓枠10の縦枠13は、図3および図4に示すように、アルミ形材製の縦枠本体131と、この縦枠本体131の室内寄りに固定される樹脂製の縦枠レール部材132とを有して構成されている。縦枠本体131は、見込み方向に延びる見込み面部133と、この見込み面部133の見込み方向略中央から見付け方向内側に突出する突出片部134と、この突出片部134の室外側と見込み面部133とに渡る縦枠中空部135とを有して形成されている。縦枠レール部材132は、見付け方向内側に向かって開口した断面略C字形に形成され、見込み面部133室内側端部および突出片部134先端部に係合されて縦枠本体131に取り付けられており、上部可動障子20および下部可動障子30を上下に案内可能に構成されている。また、上部可動障子20および下部可動障子30の縦框23,33は、アルミ形材製の縦框本体231,331と、この縦框本体231,331の室内側に固定される樹脂製の縦框室内部材232,332とを有して構成されている。
【0019】
また、図3に示すように、上部可動障子20および下部可動障子30の開閉移動範囲を外れた高さ位置における縦枠レール部材132には、その開口部を覆う縦枠カバー部材136が取り付けられている。さらに、縦枠レール部材132には、図2および図5に示すように、開放した上部可動障子20および下部可動障子30の各々に当接し、当該障子を開放位置に停止させる障子ストッパー137が固定されている。これらの障子ストッパー137は、図3に示すストッパー固定金物137Aを介して縦枠レール部材132に固定されており、これら上下の障子ストッパー137間に渡って縦枠カバー部材136が取り付けられている。
【0020】
上部可動障子20および下部可動障子30は、それぞれ縦枠レール部材132に案内されて上下にスライド可能に支持されるとともに、上部可動障子20および下部可動障子30が同一面内で連動して開閉可能に設けられている。すなわち、上部可動障子20および下部可動障子30は、図4に示すように、それぞれの縦框23,33下端部位置にスライドシュー(スライド部材)25,35が連結されるとともに、図3に示すように、縦框23,33上端部位置にラッチ装置26,36が取り付けられている。そして、スライドシュー25,35が縦枠レール部材132の開口内部に支持されるとともに、ラッチ装置26,36の係止部(不図示)が縦枠レール部材132に係止されることで、上部可動障子20および下部可動障子30が上下スライド開閉可能になっている。そして、上部可動障子20および下部可動障子30は、図示しない滑車とワイヤを介して互いに連結されるとともに吊り下げ支持されており、例えば下部可動障子30を開放操作することで上部可動障子20も開放され、下部可動障子30を閉鎖操作することで上部可動障子20も閉鎖されるように構成されている。
【0021】
以上の上部可動障子20は、図2に示すように、その上框21が上枠11に当接するとともに、下框22と固定面材ユニット40の上部中間框44とが見込み方向に重なって閉じられる(閉鎖位置)。また、上部可動障子20は、下方にスライドされて上框21が上部中間框44の室内側に略重なるとともに、縦框23の下端部(スライドシュー25)が障子ストッパー137に当接する開放位置まで開放されるように構成されている。一方、下部可動障子30は、その下框32が下枠12に当接するとともに、上框31と固定面材ユニット40の下部中間框45とが見込み方向に重なって閉じられる(閉鎖位置)。この閉鎖位置において、下部可動障子30の上框31に設けたクレセント錠37を操作して下部中間框45の錠受けに37Aに係合させることで、下部可動障子30と、これに連動する上部可動障子20とが施錠できるようになっている。また、下部可動障子30は、上方にスライドされて下框32が下部中間框45の室内側に略重なるとともに、縦框33の上端部(ラッチ装置36)が障子ストッパー137に当接する開放位置まで開放されるように構成されている。
【0022】
次に、図6〜図9も参照して上げ下げ窓1の各部の詳細について説明する。
図6は、上げ下げ窓1の上部を拡大して示す縦断面図である。図7および図8は、それぞれ上げ下げ窓1における上部可動障子20の召合せ部分および下部可動障子30の召合せ部分を拡大して示す縦断面図である。図9は、上げ下げ窓1の下部を拡大して示す縦断面図である。図10は、上部可動障子20の召合せ部分をさらに拡大して示す縦断面図である。
【0023】
上枠11は、図6に示すように、アルミ形材製の上枠本体111と、この上枠本体111の室内寄りに固定される樹脂製の上枠カバー部材112とを有して構成されている。上枠本体111は、見込み方向に延びる上枠上面部113と、この上枠上面部113の室外側端部から下方に延びる先端見付け面部114と、この先端見付け面部114と対向して上枠上面部113から下方に突出する第1突出片部115と、上枠上面部113の見込み方向略中央から下方に突出する第2突出片部116とを有して形成されている。そして、第2突出片部116の先端部には、室内側に向かって延びるモヘヤが取り付けられており、このモヘヤが閉鎖位置にある上部可動障子20の上框21に当接するようになっている。また、第1突出片部115の先端部には、室外側に向かって延びるモヘヤが取り付けられており、このモヘヤが固定面材ユニット40の上框41に当接するとともに、第1突出片部115によって上框41が係止されて室外側への移動が規制されるようになっている。また、上部可動障子20の上框21は、アルミ形材製の上框本体211と、この上框本体211の室内側に固定される樹脂製の上框室内部材212とを有して構成されている。
【0024】
一方、固定面材ユニット40の上框41は、アルミ形材製の一体成形部材であって、上方に開口した断面コ字形の被係止部411と、この被係止部411の室外側端部から下方に延びる上框前面部412と、被係止部411の室内側端部から下方に延びる上框背面部413とを有している。さらに、上框41は、上框前面部412と上框背面部413とを結んで室内側に下がり勾配を有した上框底面部414と、この上框底面部414と上框背面部413との交差位置から室外側に下がり勾配を有して傾斜した上框傾斜面部415と、この上框傾斜面部415の室外側端部から下方に延びる突片部としての上框垂下面部416と、この上框垂下面部416の下端部から室内側に突出した上框突出片部417とを有して形成されている。そして、上框垂下面部416は、後述する通気部材462の通気前面部463と略同様の断面形態を有して形成されるとともに、通気部材462の通気背面部464の室外側に対向して位置するようになっており、上框41と通気部材462との間に端部通気経路である上端部通気経路418が形成されている。さらに、上框前面部412および上框垂下面部416には、通気前面部463と同様の凹凸形状が形成されている。
【0025】
次に、図7および図10に示すように、上部可動障子20の下框22と固定面材ユニット40の上部中間框44とは、見込み方向に重なって上部可動障子20が閉じるようになっている。すなわち、上部可動障子20の下框22によって内召合せ框が構成され、固定面材ユニット40の上部中間框44によって外召合せ框が構成され、これら内外の召合せ框によって召合せ部が構成されている。
上部可動障子20の下框22は、アルミ形材製の下框本体221と、この下框本体221の室内側に固定される樹脂製の下框室内部材222とを有して構成されている。下框本体221には、略矩形中空状の中空部223が形成され、この中空部223に係合して下框室内部材222が下框本体221に固定されている。下框室内部材222には、ガラスパネル24の室内側に沿って上方に延びる室内見付け面部224が形成され、下框本体221には、ガラスパネル24の室外側に沿って上方に延びる室外見付け面部225が形成され、中空部223の室外側には、室外側に延びて上方に折れ曲がった煙返し226が形成されている。この下框22において、室内見付け面部224と室外見付け面部225とは、互いに見込み方向に対向して配置されており、これらの間に上方に開口した面材保持部22Aが形成されている。この面材保持部22Aには、ガスケット241を介してガラスパネル24の下端縁が保持されるようになっている。
【0026】
一方、固定面材ユニット40の上部中間框44は、アルミ形材製の上部中間框室外部材441(室外部分)および上部中間框室内部材442(室内部分であり室内側保持面部)と、これらを連結する樹脂製の連結部材である断熱部材(キャビティ)443とを有して構成されている。上部中間框室外部材441は、室外側にて上下に延びる室外側保持面部としての上部中間框前面部444と、上部中間框前面部444の上端部から室内側に延び室外側に下がり勾配を有した上面部である上部中間框傾斜面部445と、この上部中間框傾斜面部445の室内側端部から上方に延びる上部中間框背面部446と、上部中間框背面部446の上端部から室外側に突出した上部突出片部447とを有して形成されている。この上部中間框44において、上部中間框前面部444と上部中間框室内部材442とは、互いに見込み方向に対向して配置されており、これらの間に下方に開口した面材保持部44Aが形成されている。この面材保持部44Aには、ガスケット481を介して固定ガラスパネル48の上端縁が保持されるようになっている。そして、断熱部材443は、面材保持部44Aの内部側に膨出した断面寸法を有して形成され、上部中間框44の室内側側面が略フラットに形成されている。
【0027】
以上のような上部中間框44における上部中間框背面部446および上部突出片部447は、通気部材462の通気背面部464および上部突出片部467と略同様の断面形態を有して形成されるとともに、通気部材462の通気前面部463の室内側に対向して位置するようになっており、上部中間框44と通気部材462との間に中間部通気経路448が形成されている。そして、上部突出片部447は、中間部通気経路448に入った雨水等を阻止する水返し片として機能するように構成されている。さらに、上部中間框前面部444には、通気前面部463と同様の凹凸形状が形成されている。また、上部中間框44の上部中間框室外部材441室内側端部には、上部可動障子20の下框22の煙返し226と係合可能な係合片としての煙返し449が形成されており、閉鎖位置にある上部可動障子20の煙返し226が上部中間框44の煙返し449に係合することで、上部可動障子20が固定面材ユニット40側(室外側)に引き寄せられるようになっている。
【0028】
さらに、上部中間框44における上部中間框室外部材441には、図10に示すように、煙返し449よりも室外側でかつ上部中間框背面部446よりも室内側にて上方に立ち上がる立上り片44Bが形成されている。また、立上り片44Bの室内側に対向して煙返し449の上側には、室内側に開口した気密材保持部44Cが形成され、この気密材保持部44Cには、上部可動障子20の下框22の室外見付け面部225に当接可能な気密材44Dが取り付けられている。そして、上部中間框背面部446と立上り片44Bとの間には、上方に開口するとともに当該上部中間框44の長手方向に延びた溝部44Eが形成されている。以上のように、上部中間框44は、気密材44Dよりも室内側(下側)位置に上部中間框室外部材441と上部中間框室内部材442との間の熱伝導を遮断する断熱手段としての断熱部材443を有した断熱框となっている。従って、冬期において、上部中間框室外部材441が外気で冷却された場合でも、上部中間框室内部材442の温度が下がりにくく、上部中間框室内部材442に結露が発生しにくくなっている。
【0029】
次に、図8に示すように、下部可動障子30の上框31と固定面材ユニット40の下部中間框45とは、見込み方向に重なって下部可動障子30が閉じるようになっている。すなわち、下部可動障子30の上框31によって内召合せ框が構成され、固定面材ユニット40の下部中間框45によって外召合せ框が構成され、これら内外の召合せ框によって召合せ部が構成されている。
下部可動障子30の上框31は、アルミ形材製の上框本体311と、この上框本体311の室内側に固定される樹脂製の上框室内部材312とを有して構成されている。上框本体311には、略矩形中空状の中空部313が形成され、この中空部313に係合して上框室内部材312が上框本体311に固定されている。上框室内部材312には、ガラスパネル34の室内側に沿って下方に延びる室内見付け面部314が形成され、上框本体311には、ガラスパネル34の室外側に沿って下方に延びる室外見付け面部315が形成され、中空部313の室外側には、室外側に延びて下方に折れ曲がった煙返し316が形成されている。さらに、上框31には、上框室内部材312の室内側上端から室内側に延びた操作把手317が形成されている。この上框31において、室内見付け面部314と室外見付け面部315とは、互いに見込み方向に対向して配置されており、これらの間に下方に開口した面材保持部31Aが形成されている。この面材保持部31Aには、ガスケット341を介してガラスパネル34の上端縁が保持されるようになっている。
【0030】
一方、固定面材ユニット40の下部中間框45は、アルミ形材製の一体成形部材であって、室外側上端部にて上下に延びる下部中間框前面部451と、この下部中間框前面部451の室内側に対向する下部中間框背面部452とを有して形成されている。そして、下部中間框前面部451と下部中間框背面部452との間には、上方に開口した面材保持部45Aが形成されており、この面材保持部45Aには、ガスケット481を介して固定ガラスパネル48の下端縁が保持されるようになっている。さらに、下部中間框45は、下部中間框前面部451よりも下方に位置する第2前面部453および第3前面部(中間突片部)454と、これらを結んで室内側に凹んだ凹面部455と、下部中間框背面部452に連続して下方に延び第2前面部453の室内側に対向する第2背面部456と、第3前面部454の下端部から室内側に突出した下部突出片部457とを有して形成されている。
【0031】
以上のような下部中間框45における第3前面部454および下部突出片部457は、通気部材472の通気前面部473および下部突出片部476と略同様の断面形態を有して形成されるとともに、通気部材472の通気背面部474の室外側に対向して位置するようになっており、下部中間框45と通気部材472との間に中間部通気経路458が形成されている。そして、下部中間框45の下部中間框前面部451、第2前面部453および第3前面部454には、通気前面部473と同様の凹凸形状が形成されている。また、下部中間框45の下部中間框背面部452には、下部可動障子30の上框31と係合可能な煙返し459が形成されており、閉鎖位置にある下部可動障子30の上框31の煙返し316が下部中間框45の煙返し459に係合することで、下部可動障子30が固定面材ユニット40側(室外側)に引き寄せられるようになっている。
【0032】
次に、図9に示すように、下枠12は、アルミ形材製の下枠室外部材121および下枠室内部材122と、これらを連結する樹脂製の断熱部材123と、下枠室内部材122の室内側端部に固定される樹脂製の下枠カバー部材124とを有して構成されている。下枠室外部材121は、それぞれ見込み方向に延びる下枠上面部125および下枠底面部126と、下枠上面部125から上方に延びる立上り片部127と、この立上り片部127よりも室外側の下枠上面部125から上方に突出する突起部128とを有して形成されている。そして、立上り片部127の上端部および下枠カバー部材124には、それぞれ気密部材が取り付けられており、これらの気密部材と閉鎖位置にある下部可動障子30の下框32とが当接するようになっている。また、固定面材ユニット40は、下枠上面部125に載置されるとともに、下框42が突起部128に係止されて室外側への移動が規制されるようになっている。また、下部可動障子30の下框32は、アルミ形材製の下框本体321と、この下框本体321の室内側に固定される樹脂製の下框室内部材322とを有して構成されている。
【0033】
一方、固定面材ユニット40の下框42は、アルミ形材製の一体成形部材であって、下枠12の下枠上面部125に載置される室外側載置片部421および室内側載置片部422と、これらを結んで室外側に下がり勾配を有した下框上面部423と、この下框上面部423から上方に立ち上がる突片部としての下框背面部424と、この下框背面部424の上端部から室外側に突出した下框突出片部425とを有して形成されている。そして、下框背面部424および下框突出片部425は、後述する通気部材472の通気背面部474および上部突出片部477と略同様の断面形態を有して形成されるとともに、通気部材472の通気前面部473の室内側に対向して位置するようになっており、下框42と通気部材472との間に端部通気経路である下端部通気経路428が形成されている。そして、下框突出片部425は、下端部通気経路428に入った雨水等を阻止する水返し片として機能するように構成されている。
【0034】
以上の固定面材ユニット40は、ユニット枠40Aの内部に上部中間框44および下部中間框45と、上部通気面材46および下部通気面材47と、固定ガラスパネル48とを組み込んでユニット化されている。この固定面材ユニット40の上部通気面材46および下部通気面材47は、図6〜図9に示すように、左右の縦框43に固定された樹脂製の端部取付部品461,471と、これらの端部取付部品461,471間に渡って設けられる複数の通気部材462,472とを有して構成されている。通気部材462,472は、アルミ形材製の一体成形部材であって、室外側にて上下に延びる通気前面部463,473と、室内側にて上下に延びる通気背面部464,474と、これらを結んで室外側に下がり勾配を有した通気傾斜面部465,475とを有して全体クランク状に形成されている。さらに、通気部材462,472は、通気前面部463,473の下端部から室内側に突出した下部突出片部466,476と、通気背面部464,474の上端部から室外側に突出した上部突出片部467,477とを有して形成されている。
【0035】
そして、上下に隣接する通気部材462,472は、互いの通気前面部463,473と通気背面部464,474とが見込み方向に対向し、上下の通気部材462,472同士の間に通気経路468,478が形成されている。この通気経路468,478は、上下の通気部材462,472における通気前面部463,473間に室外側開口を有し、この室外側開口からクランク状に室内側および上方に折れ曲がって延び、通気背面部464,474間に室内側開口を有して形成されている。そして、室外側開口から通気経路468,478に入った雨水等は、通気背面部464,474で阻止されるとともに、水返し片として機能する上部突出片部467,477で阻止され下方に落下し、通気傾斜面部465,475の傾斜に沿って室外側に排出されるようになっている。さらに、風を伴って側方から吹き付ける雨水等が室外側開口から通気経路468,478に入った場合でも、この雨水等は、下部突出片部466,476に当たって下方に向きを変え、通気背面部464,474に当たって落下し、通気傾斜面部465,475に沿って排出されるようになっている。
【0036】
また、固定面材ユニット40の縦框43は、図3および図4に示すように、アルミ形材製の一体成形部材であって、見込み方向に延びる一対の見込み面部431,432と、これらの見込み面部431,432に連続して見付け方向内側に延びる室内側見付け面部433および室外側見付け面部434と、室外側見付け面部434に連続して見付け方向外側に延びる突出片部435とを有して形成されている。そして、見込み面部431,432の室内側端部および突出片部435の先端部には、それぞれ室内側に突出した気密部材が取り付けられており、それぞれ縦枠13の突出片部134および縦枠中空部135に当接するようになっている。また、室内側見付け面部433と室外側見付け面部434とは、互いに見込み方向に対向して設けられ、これらの間には、見付け方向内側に開口した面材保持部43Aが形成されており、この面材保持部43Aには、ガスケット481を介して固定ガラスパネル48の側端縁が保持されるようになっている。
【0037】
一方、固定面材ユニット40における上部通気面材46および下部通気面材47の室内側に取り付けられる網戸49は、図4および図6〜図9に示すように、それぞれアルミ形材製の上框491、下框492、および左右の縦框493を四周框組みするとともに、これらの室外側に防虫ネット494を取り付けて構成されている。この網戸49は、下框492に固定した係止部材495を上部中間框44または下框42に係止させるとともに、上框491に取り付けたラッチ496を上框41または下部中間框45に係止させることで、固定面材ユニット40に取り付けられるようになっている。ここで、固定面材ユニット40の上框41および下部中間框45には、ラッチ496を係止する係止部材497が固定されている。そして、網戸49は、ラッチ496を係止部材497から外すことで固定面材ユニット40から室内側に取り外し可能になっており、上部可動障子20および下部可動障子30を開放した状態で室内側から脱着できるように構成されている。
【0038】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、上部可動障子20の下框22(内召合せ框)と固定面材ユニット40の上部中間框44(外召合せ框)とで構成された召合せ部において、上部中間框44が断熱框とされ、気密材44Dよりも室内側に断熱部材443が設けられているので、冬期において上部中間框室内部材442に結露が発生しにくくなっている。従って、上部中間框44の結露水が室内側に垂れ落ちたり、固定ガラスパネル48の室内面を伝い落ちたりすることがなく、上げ下げ窓1やその周辺が汚れることが防止でき、美観を維持することができる。そして、従来の上げ下げ窓のような内外障子の召合せ構造の制約を受けることがなくなるため、固定面材である固定ガラスパネル48および上部中間框44と上部可動障子20との配置に関する設計の自由度を高めることができる。
【0039】
(2)さらに、上部中間框44において上部中間框室外部材441と上部中間框室内部材442とを連結する樹脂製の断熱部材443が、面材保持部44Aの内部側に膨出した断面寸法を有して形成され、上部中間框44の室内側側面が略フラットに形成されているので、断熱部材443の断面積が確保できる。従って、断熱部材443において、所定の断熱性能を得るのに十分な熱容量および連結強度が確保でき、断熱性能を高めることができるとともに、断熱部材443が室内側に突出しないことで上部中間框44の外観意匠性を向上させることができる。
【0040】
(3)また、気密材44Dが上部可動障子20における下框22の上端縁近傍に当接されているので、下框22において、外気に露出する室外部分の表面積が小さくでき、下框22に対する外気温の影響が低減されることから、下框22の室内部分における結露も防止することができる。さらに、下框22が樹脂製の下框室内部材222を有して構成されているので、アルミ形材製の下框本体221に内気が当たりにくくなり、下框22における結露をより効果的に防止することができる。
【0041】
(4)また、上部中間框44に上部中間框背面部446が形成され、その室外側に上部通気面材46の通気部材462が対向して設けられているので、通気部材462によって雨が阻止されるとともに、通気部材462よりも室内側に浸入した雨が上部中間框背面部446によって阻止される。従って、固定面材ユニット40の上部中間框44の室内側に上部可動障子20の下框22が重なって閉じる開閉形式の上げ下げ窓1において、止水性能を確保することができ、この点でも設計の自由度を高めることができる。
【0042】
(5)また、上部通気面材46および下部通気面材47として、複数の通気部材462,472を有したガラリ形状のものを利用したことで、防犯性を向上させることができる。さらに、通気部材462,472同士の間に形成される通気経路468,478の室外側開口が室内側開口よりも下方に設けられることで、雨の降り込みが防止でき、雨天であっても上下の可動障子20,30を開放して通気することができ、室内の快適性を向上させることができる。
【0043】
(6)さらに、固定面材ユニット40の上部中間框44および下部中間框45が通気部材462,472と略同様な形態を有するとともに、固定ガラスパネル48を保持する面材保持部44A,45Aを有して形成されているので、固定ガラスパネル48を保持するための框材を別途設ける必要がなく、固定面材ユニット40の構造を簡単化することができるとともに、外観デザインの連続性による良好な意匠が確保できる。
【0044】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、上げ下げ窓1が上下一対の2枚の障子(上部可動障子20および下部可動障子30)を有して構成されていたが、これに限らず、可動障子が1枚であってもよく、また3枚以上の可動障子を有して構成されていてもよい。可動障子が1枚の場合には、上部可動障子20に相当する可動障子の下框と、固定面材ユニット40における上部中間框44に相当する外召合せ框とが見込み方向に重なるような構成であればよい。また、3枚以上の可動障子を有する建具を構成する場合には、上部可動障子20に相当する可動障子と、固定面材ユニット40における固定ガラスパネル48および上部中間框44に相当する固定面材および外召合せ框とを有していればよい。
【0045】
また、前記実施形態では、室外面材として固定面材ユニット40に組み込まれかつ窓枠10に対して移動不能な固定ガラスパネル48を用いたが、室外面材としては、窓枠10に上下スライド開閉自在に支持された障子であってもよく、また外開き等の各種開閉形式に支持された障子であってもよい。
また、前記実施形態では、外召合せ框である上部中間框44が、アルミ形材製の上部中間框室外部材441および上部中間框室内部材442と、これらを連結する樹脂製の断熱部材443とを有して構成され、断熱部材443によって断熱手段が構成されていたが、外召合せ框の構造としては、これに限られない。すなわち、外召合せ框が金属製の室外部材と樹脂製の室内部材とを有して構成されたものであってもよく、この場合には、樹脂製の室内部材によって断熱手段が構成される。また、外召合せ框が金属製の一体成形部材であり、その室内表面に樹脂製や木製の室内仕上げ部材が設けられていてもよく、この場合でも、室内仕上げ部材によって構成された室内部の結露が防止できるため、本願発明の目的が実現できる。
【0046】
また、前記実施形態では、外召合せ框としての上部中間框44と上部可動障子20の下框22との間に、以下の図11に示すように、水受け手段としての第2気密材22Bを設けてもよい。
ずなわち、図11に示すように、上部可動障子20の下框22における下框室内部材222には、室外側に延びて上部中間框44の上部中間框室内部材442に当接する第2気密材22Bが取り付けられている。この第2気密材22Bは、下框室内部材222における下端部かつ室外側端部に形成された気密材ポケットに保持され、上部中間框44の下端部近傍に当接可能になっている。そして、上部可動障子20の下框22(内召合せ框)と上部中間框44(外召合せ框)との間には、互いに対向した中空部223および上部中間框室内部材442と、第2気密材22Bとで囲まれた中間空間22Cが形成され、この中間空間22Cに室内空間の内気が入らないようになっている。従って、湿った内気が中間空間22Cへ入らないことから、上部中間框室内部材442の温度が下がったとしても、その表面の結露が防止できるとともに、例え結露が生じたとしても、結露水を第2気密材22Bで受けることで、室内空間に水が垂れ落ちることが確実に防止できる。
なお、水受け手段の構成としては、前述のような第2気密材22Bによるものに限らず、例えば、上部中間框室内部材442の下端部に設けた樋状あるいはレール状の水案内部であってもよく、このような水案内部の端部(縦框43位置)に案内した水を排水する排水機構を設けてもよい。
【0047】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る建具を室外側から見た正面図である。
【図2】前記建具を示す縦断面図である。
【図3】前記建具を示す横断面図である。
【図4】前記建具を示す横断面図である。
【図5】前記建具を室外側から見た分解斜視図である。
【図6】前記建具の上部を拡大して示す縦断面図である。
【図7】前記建具の上部可動障子の召合せ部を拡大して示す縦断面図である。
【図8】前記建具の下部可動障子の召合せ部を拡大して示す縦断面図である。
【図9】前記建具の下部を拡大して示す縦断面図である。
【図10】前記上部可動障子の召合せ部をさらに拡大して示す縦断面図である。
【図11】本発明の変形例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1…上げ下げ窓(建具)、10…窓枠、20…上部可動障子、21…上框、22…下框、22B…第2気密材(水受け手段)、23…縦框、24…ガラスパネル(面材)、44…上部中間框(外召合せ框)、44A…面材保持部、44C…気密材保持部、44D…気密材、48…固定ガラスパネル(室外面材)、212…上框室内部材、222…下框室内部材、232…縦框室内部材、441…上部中間框室外部材(室外部分)、442…上部中間框室内部材(室内部分)、443…断熱部材(連結部材)、444…上部中間框前面部(室外側保持面部)、445…上部中間框傾斜面部(上面部)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関し、詳しくは、窓枠と、この窓枠内に支持された可動障子とを備えた上げ下げ窓等の建具に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の外壁開口部に設けられる建具として、上下一対の障子を備えた上げ下げ窓が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1、2には、窓枠と、この窓枠の上半分に固定された固定障子(外障子)やガラスパネルと、この固定障子の室内側に沿って上下にスライド開閉自在に設けられた可動障子(内障子、下部障子)とを備えたシングルハングの上げ下げ窓が開示されている。一方、特許文献3には、内障子のみならず外障子も上下にスライド開閉自在に設けられたダブルハングの上げ下げ窓が開示されている。
以上のような特許文献1〜3に記載された上げ下げ窓では、いずれも閉鎖状態において外障子が内障子よりも上側に位置し、外障子の下框(外召合せ框)の室内側に内障子の上框(内召合せ框)が重なるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−176667号公報
【特許文献2】特開平6−313384号公報
【特許文献3】特開2003−64966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の上げ下げ窓において、外障子と内障子とを入れ替えた場合、つまり外障子の上框を外召合せ框とするとともに内障子の下框を内召合せ框とし、これらが見込み方向に重なって内外の障子が閉じるように構成した場合には、以下の問題が生じる。すなわち、外気の温度変化の影響を受けやすい外障子の上框を外召合せ框とすると、この外召合せ框が冬期に冷やされた場合に、その室内面つまり内召合せ框と対向する面に結露が発生し、結露水が室内側に垂れ落ちるという不具合が生じる。一方、従来の上げ下げ窓のように、外障子の下框で外召合せ框が構成されていれば、結露水が室内側に垂れ落ちることがなく、結露が大きな問題となることがなかった。
以上のように、外障子の上框を外召合せ框とし、内障子の下框を内召合せ框とした場合には、垂れ落ちた結露水により建具やその周辺が汚れたり、外障子のガラス室内面を伝い落ちた結露水に埃等が付着したりなど、建具の美観を損ねるという問題がある。このため、内外の障子の上下関係を変更することが困難となり、窓を設計する上での制約を受けることから、設計自由度が低下してしまうという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、建具の美観を維持しつつ面材配置の設計自由度を高めることができる建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の建具は、建物開口部に固定される窓枠と、この窓枠における室外寄りに支持される室外面材と、この室外面材の室内側に沿って上下スライド自在に前記窓枠に支持される可動障子とを備えた建具であって、前記可動障子は、上框、下框および左右の縦框を四周框組みした内部に面材を取り付けて形成されるとともに、前記下框が前記室外面材上部の外召合せ框の室内側に重なる閉鎖位置と、この閉鎖位置から下方にスライドされて前記室外面材の室内側に重なる開放位置との間を開閉移動自在に設けられ、前記室外面材の外召合せ框と前記閉鎖位置にある可動障子の下框との間には、いずれか一方に設けられて他方に当接する気密材が設けられ、この気密材よりも下方における前記外召合せ框には、当該外召合せ框における室外部分と室内部分との間の熱伝導を遮断する断熱手段が設けられていることを特徴とする。
【0007】
ここで、室外面材および可動障子としては、それぞれ1枚ずつで構成されてもよく、室外面材が1枚の面材から構成され可動障子が上下一対の2枚の障子(上部障子および下部障子)から構成されていてもよく、これとは逆に、室外面材が上下一対の2枚の面材から構成され可動障子が1枚で構成されていてもよい。さらには、室外面材や可動障子が3枚以上の面材(障子)から構成されていてもよい。
また、室外面材は、窓枠に対して移動不能に固定されていてもよく、また可動障子と同様に上下スライド自在に支持されていてもよい。さらには、室外面材が窓枠に対して外開き形式や突き出し形式、あるいは縦辷出し(または横辷出し)形式などの各種形式で開閉可能に支持されていてもよい。
【0008】
以上の本発明によれば、室外面材の外召合せ框において、気密材よりも下方(つまり室内空間側の位置)に断熱手段を設けたことで、この断熱手段よりも室内側に位置する外召合せ框の室内部分への外気温変化の影響が排除または低減でき、冬期における室内部分の結露を防止することができる。従って、室外面材の上框である外召合せ框の室内側に可動障子の下框が重なって閉じる開閉形式の建具において、外召合せ框の室内部分の結露を防止することで、結露水が室内側に垂れ落ちたり、室外面材の室内面を伝い落ちたりすることがなく、建具やその周辺が汚れることが防止でき、美観を維持することができる。そして、従来の上げ下げ窓のような内外障子の召合せ構造の制約を受けることがなくなるため、室外面材や可動障子の配置に関する設計の自由度を高めることができる。
【0009】
この際、本発明の建具では、前記外召合せ框は、前記室外面材の上端縁を保持する面材保持部を有して構成され、この面材保持部は、上面部と、前記室外面材の室外側側面に沿って下方に延びる室外側保持面部と、前記室外面材の室内側側面に沿って下方に延びる室内側保持面部と、を有して下方に開口した断面略コ字形に形成され、前記上面部から室内側に延びて形成された気密材保持部に前記気密材が取り付けられるとともに、前記上面部と前記室内側保持面部とを連結する樹脂製の連結部材により前記断熱手段が構成されていることが好ましい。
【0010】
このような構成によれば、外召合せ框の面材保持部を構成する上面部と室内側保持面部との間に、これらの上面部と室内側保持面部とを連結する樹脂製の連結部材(キャビティ)として断熱手段を構成したことで、連結部材を面材保持部の内部側に膨出させて形成することができ、連結部材の断面積が確保できる。従って、所定の断熱性能を得るのに十分な熱容量および連結強度を備えるとともに、室内側等に突出させないで連結部材が形成でき、外召合せ框の断熱性および外観意匠性を向上させることができる。
【0011】
さらに、本発明の建具では、前記気密材は、前記外召合せ框に設けられるとともに、前記閉鎖位置にある可動障子における前記下框の上端縁近傍に当接されることが好ましい。
このような構成によれば、外召合せ框に設けた気密材を可動障子の下框の上端縁近傍に当接させることで、内召合せ框である下框において、外気に露出する室外部分の表面積が小さくでき、下框に対する外気温の影響が低減されることから、下框の室内部分における結露も防止することができる。
【0012】
また、本発明の建具では、前記気密材よりも室内側位置において、前記室外面材の外召合せ框と前記可動障子の下框との間には、水受け手段が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、室外面材の外召合せ框と可動障子の下框との間において、気密材よりも室内側位置に水受け手段を設けたことで、外召合せ框の室内部分に万一結露が発生したとしても、この結露水を水受け手段で受けることができ、室内側に水が垂れ落ちることが防止できる。
【0013】
この際、本発明の建具では、前記水受け手段は、前記室外面材の外召合せ框および前記可動障子の下框の下端部同士のうち、いずれか一方に設けられて他方に当接する第2気密材で構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、外召合せ框の下端部と可動障子の下框の下端部とに渡って第2気密材を設けたことで、外召合せ框と下框とが対向して形成される空間と室内空間とを第2気密材で仕切ることができ、室内の湿気を含んだ内気が外召合せ框の室内部分に到達しないことから、外召合せ框の結露をさらに確実に防止することができる。
【0014】
また、本発明の建具では、前記可動障子の上框、下框および縦框は、それぞれ樹脂製の室内部材を有して構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、内召合せ框である下框が樹脂製の室内部材を有することで、下框における結露をより効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である上げ下げ窓1を室外側から見た正面図である。図2は、上げ下げ窓1を示す縦断面図である。図3および図4は、それぞれ上げ下げ窓1を示す横断面図であって、図3は、図1に矢視III−III線で示す断面図であり、図4は、図1に矢視IV−IV線で示す断面図である。図5は、上げ下げ窓1を室外側から見た分解斜視図である。
図1〜図5において、上げ下げ窓1は、戸建て住宅等の建物の外壁2における開口部に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切るもので、下端位置が床面3と略同一高さ位置に設けられ、上端位置が天井面4と略同一高さ位置に設けられた窓である。
【0016】
上げ下げ窓1は、上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みした窓枠10と、この窓枠10の内側に上下スライド開閉自在に支持された上部可動障子20および下部可動障子30とを備えて構成されている。窓枠10は、外壁2開口部周辺の壁パネル等の建物躯体5に固定されている。上部可動障子20および下部可動障子30は、それぞれ上框21,31、下框22,32、および左右の縦框23,33を四周框組みした内部に、ガラスパネル(複層ガラス)24,34を嵌め込んで構成されている。
【0017】
また、上部可動障子20および下部可動障子30の室外側における窓枠10内部には、室外側面状体としての固定面材ユニット40が取り付けられており、この固定面材ユニット40は、上下左右の框材としての上框41、下框42、および左右の縦框43を四周框組みした面状体枠としてのユニット枠40Aと、ユニット枠40Aの内部を上下に仕切る2本の中間框材としての上部中間框44および下部中間框45と、上下一対の通気面材としての上部通気面材46および下部通気面材47と、上部中間框44および下部中間框45の間に保持される室外面材(固定面材)としての固定ガラスパネル(複層ガラス)48とを有して構成されている。また、固定面材ユニット40における上部通気面材46および下部通気面材47の室内側には、それぞれ網戸49が取り付けられている。
【0018】
窓枠10の縦枠13は、図3および図4に示すように、アルミ形材製の縦枠本体131と、この縦枠本体131の室内寄りに固定される樹脂製の縦枠レール部材132とを有して構成されている。縦枠本体131は、見込み方向に延びる見込み面部133と、この見込み面部133の見込み方向略中央から見付け方向内側に突出する突出片部134と、この突出片部134の室外側と見込み面部133とに渡る縦枠中空部135とを有して形成されている。縦枠レール部材132は、見付け方向内側に向かって開口した断面略C字形に形成され、見込み面部133室内側端部および突出片部134先端部に係合されて縦枠本体131に取り付けられており、上部可動障子20および下部可動障子30を上下に案内可能に構成されている。また、上部可動障子20および下部可動障子30の縦框23,33は、アルミ形材製の縦框本体231,331と、この縦框本体231,331の室内側に固定される樹脂製の縦框室内部材232,332とを有して構成されている。
【0019】
また、図3に示すように、上部可動障子20および下部可動障子30の開閉移動範囲を外れた高さ位置における縦枠レール部材132には、その開口部を覆う縦枠カバー部材136が取り付けられている。さらに、縦枠レール部材132には、図2および図5に示すように、開放した上部可動障子20および下部可動障子30の各々に当接し、当該障子を開放位置に停止させる障子ストッパー137が固定されている。これらの障子ストッパー137は、図3に示すストッパー固定金物137Aを介して縦枠レール部材132に固定されており、これら上下の障子ストッパー137間に渡って縦枠カバー部材136が取り付けられている。
【0020】
上部可動障子20および下部可動障子30は、それぞれ縦枠レール部材132に案内されて上下にスライド可能に支持されるとともに、上部可動障子20および下部可動障子30が同一面内で連動して開閉可能に設けられている。すなわち、上部可動障子20および下部可動障子30は、図4に示すように、それぞれの縦框23,33下端部位置にスライドシュー(スライド部材)25,35が連結されるとともに、図3に示すように、縦框23,33上端部位置にラッチ装置26,36が取り付けられている。そして、スライドシュー25,35が縦枠レール部材132の開口内部に支持されるとともに、ラッチ装置26,36の係止部(不図示)が縦枠レール部材132に係止されることで、上部可動障子20および下部可動障子30が上下スライド開閉可能になっている。そして、上部可動障子20および下部可動障子30は、図示しない滑車とワイヤを介して互いに連結されるとともに吊り下げ支持されており、例えば下部可動障子30を開放操作することで上部可動障子20も開放され、下部可動障子30を閉鎖操作することで上部可動障子20も閉鎖されるように構成されている。
【0021】
以上の上部可動障子20は、図2に示すように、その上框21が上枠11に当接するとともに、下框22と固定面材ユニット40の上部中間框44とが見込み方向に重なって閉じられる(閉鎖位置)。また、上部可動障子20は、下方にスライドされて上框21が上部中間框44の室内側に略重なるとともに、縦框23の下端部(スライドシュー25)が障子ストッパー137に当接する開放位置まで開放されるように構成されている。一方、下部可動障子30は、その下框32が下枠12に当接するとともに、上框31と固定面材ユニット40の下部中間框45とが見込み方向に重なって閉じられる(閉鎖位置)。この閉鎖位置において、下部可動障子30の上框31に設けたクレセント錠37を操作して下部中間框45の錠受けに37Aに係合させることで、下部可動障子30と、これに連動する上部可動障子20とが施錠できるようになっている。また、下部可動障子30は、上方にスライドされて下框32が下部中間框45の室内側に略重なるとともに、縦框33の上端部(ラッチ装置36)が障子ストッパー137に当接する開放位置まで開放されるように構成されている。
【0022】
次に、図6〜図9も参照して上げ下げ窓1の各部の詳細について説明する。
図6は、上げ下げ窓1の上部を拡大して示す縦断面図である。図7および図8は、それぞれ上げ下げ窓1における上部可動障子20の召合せ部分および下部可動障子30の召合せ部分を拡大して示す縦断面図である。図9は、上げ下げ窓1の下部を拡大して示す縦断面図である。図10は、上部可動障子20の召合せ部分をさらに拡大して示す縦断面図である。
【0023】
上枠11は、図6に示すように、アルミ形材製の上枠本体111と、この上枠本体111の室内寄りに固定される樹脂製の上枠カバー部材112とを有して構成されている。上枠本体111は、見込み方向に延びる上枠上面部113と、この上枠上面部113の室外側端部から下方に延びる先端見付け面部114と、この先端見付け面部114と対向して上枠上面部113から下方に突出する第1突出片部115と、上枠上面部113の見込み方向略中央から下方に突出する第2突出片部116とを有して形成されている。そして、第2突出片部116の先端部には、室内側に向かって延びるモヘヤが取り付けられており、このモヘヤが閉鎖位置にある上部可動障子20の上框21に当接するようになっている。また、第1突出片部115の先端部には、室外側に向かって延びるモヘヤが取り付けられており、このモヘヤが固定面材ユニット40の上框41に当接するとともに、第1突出片部115によって上框41が係止されて室外側への移動が規制されるようになっている。また、上部可動障子20の上框21は、アルミ形材製の上框本体211と、この上框本体211の室内側に固定される樹脂製の上框室内部材212とを有して構成されている。
【0024】
一方、固定面材ユニット40の上框41は、アルミ形材製の一体成形部材であって、上方に開口した断面コ字形の被係止部411と、この被係止部411の室外側端部から下方に延びる上框前面部412と、被係止部411の室内側端部から下方に延びる上框背面部413とを有している。さらに、上框41は、上框前面部412と上框背面部413とを結んで室内側に下がり勾配を有した上框底面部414と、この上框底面部414と上框背面部413との交差位置から室外側に下がり勾配を有して傾斜した上框傾斜面部415と、この上框傾斜面部415の室外側端部から下方に延びる突片部としての上框垂下面部416と、この上框垂下面部416の下端部から室内側に突出した上框突出片部417とを有して形成されている。そして、上框垂下面部416は、後述する通気部材462の通気前面部463と略同様の断面形態を有して形成されるとともに、通気部材462の通気背面部464の室外側に対向して位置するようになっており、上框41と通気部材462との間に端部通気経路である上端部通気経路418が形成されている。さらに、上框前面部412および上框垂下面部416には、通気前面部463と同様の凹凸形状が形成されている。
【0025】
次に、図7および図10に示すように、上部可動障子20の下框22と固定面材ユニット40の上部中間框44とは、見込み方向に重なって上部可動障子20が閉じるようになっている。すなわち、上部可動障子20の下框22によって内召合せ框が構成され、固定面材ユニット40の上部中間框44によって外召合せ框が構成され、これら内外の召合せ框によって召合せ部が構成されている。
上部可動障子20の下框22は、アルミ形材製の下框本体221と、この下框本体221の室内側に固定される樹脂製の下框室内部材222とを有して構成されている。下框本体221には、略矩形中空状の中空部223が形成され、この中空部223に係合して下框室内部材222が下框本体221に固定されている。下框室内部材222には、ガラスパネル24の室内側に沿って上方に延びる室内見付け面部224が形成され、下框本体221には、ガラスパネル24の室外側に沿って上方に延びる室外見付け面部225が形成され、中空部223の室外側には、室外側に延びて上方に折れ曲がった煙返し226が形成されている。この下框22において、室内見付け面部224と室外見付け面部225とは、互いに見込み方向に対向して配置されており、これらの間に上方に開口した面材保持部22Aが形成されている。この面材保持部22Aには、ガスケット241を介してガラスパネル24の下端縁が保持されるようになっている。
【0026】
一方、固定面材ユニット40の上部中間框44は、アルミ形材製の上部中間框室外部材441(室外部分)および上部中間框室内部材442(室内部分であり室内側保持面部)と、これらを連結する樹脂製の連結部材である断熱部材(キャビティ)443とを有して構成されている。上部中間框室外部材441は、室外側にて上下に延びる室外側保持面部としての上部中間框前面部444と、上部中間框前面部444の上端部から室内側に延び室外側に下がり勾配を有した上面部である上部中間框傾斜面部445と、この上部中間框傾斜面部445の室内側端部から上方に延びる上部中間框背面部446と、上部中間框背面部446の上端部から室外側に突出した上部突出片部447とを有して形成されている。この上部中間框44において、上部中間框前面部444と上部中間框室内部材442とは、互いに見込み方向に対向して配置されており、これらの間に下方に開口した面材保持部44Aが形成されている。この面材保持部44Aには、ガスケット481を介して固定ガラスパネル48の上端縁が保持されるようになっている。そして、断熱部材443は、面材保持部44Aの内部側に膨出した断面寸法を有して形成され、上部中間框44の室内側側面が略フラットに形成されている。
【0027】
以上のような上部中間框44における上部中間框背面部446および上部突出片部447は、通気部材462の通気背面部464および上部突出片部467と略同様の断面形態を有して形成されるとともに、通気部材462の通気前面部463の室内側に対向して位置するようになっており、上部中間框44と通気部材462との間に中間部通気経路448が形成されている。そして、上部突出片部447は、中間部通気経路448に入った雨水等を阻止する水返し片として機能するように構成されている。さらに、上部中間框前面部444には、通気前面部463と同様の凹凸形状が形成されている。また、上部中間框44の上部中間框室外部材441室内側端部には、上部可動障子20の下框22の煙返し226と係合可能な係合片としての煙返し449が形成されており、閉鎖位置にある上部可動障子20の煙返し226が上部中間框44の煙返し449に係合することで、上部可動障子20が固定面材ユニット40側(室外側)に引き寄せられるようになっている。
【0028】
さらに、上部中間框44における上部中間框室外部材441には、図10に示すように、煙返し449よりも室外側でかつ上部中間框背面部446よりも室内側にて上方に立ち上がる立上り片44Bが形成されている。また、立上り片44Bの室内側に対向して煙返し449の上側には、室内側に開口した気密材保持部44Cが形成され、この気密材保持部44Cには、上部可動障子20の下框22の室外見付け面部225に当接可能な気密材44Dが取り付けられている。そして、上部中間框背面部446と立上り片44Bとの間には、上方に開口するとともに当該上部中間框44の長手方向に延びた溝部44Eが形成されている。以上のように、上部中間框44は、気密材44Dよりも室内側(下側)位置に上部中間框室外部材441と上部中間框室内部材442との間の熱伝導を遮断する断熱手段としての断熱部材443を有した断熱框となっている。従って、冬期において、上部中間框室外部材441が外気で冷却された場合でも、上部中間框室内部材442の温度が下がりにくく、上部中間框室内部材442に結露が発生しにくくなっている。
【0029】
次に、図8に示すように、下部可動障子30の上框31と固定面材ユニット40の下部中間框45とは、見込み方向に重なって下部可動障子30が閉じるようになっている。すなわち、下部可動障子30の上框31によって内召合せ框が構成され、固定面材ユニット40の下部中間框45によって外召合せ框が構成され、これら内外の召合せ框によって召合せ部が構成されている。
下部可動障子30の上框31は、アルミ形材製の上框本体311と、この上框本体311の室内側に固定される樹脂製の上框室内部材312とを有して構成されている。上框本体311には、略矩形中空状の中空部313が形成され、この中空部313に係合して上框室内部材312が上框本体311に固定されている。上框室内部材312には、ガラスパネル34の室内側に沿って下方に延びる室内見付け面部314が形成され、上框本体311には、ガラスパネル34の室外側に沿って下方に延びる室外見付け面部315が形成され、中空部313の室外側には、室外側に延びて下方に折れ曲がった煙返し316が形成されている。さらに、上框31には、上框室内部材312の室内側上端から室内側に延びた操作把手317が形成されている。この上框31において、室内見付け面部314と室外見付け面部315とは、互いに見込み方向に対向して配置されており、これらの間に下方に開口した面材保持部31Aが形成されている。この面材保持部31Aには、ガスケット341を介してガラスパネル34の上端縁が保持されるようになっている。
【0030】
一方、固定面材ユニット40の下部中間框45は、アルミ形材製の一体成形部材であって、室外側上端部にて上下に延びる下部中間框前面部451と、この下部中間框前面部451の室内側に対向する下部中間框背面部452とを有して形成されている。そして、下部中間框前面部451と下部中間框背面部452との間には、上方に開口した面材保持部45Aが形成されており、この面材保持部45Aには、ガスケット481を介して固定ガラスパネル48の下端縁が保持されるようになっている。さらに、下部中間框45は、下部中間框前面部451よりも下方に位置する第2前面部453および第3前面部(中間突片部)454と、これらを結んで室内側に凹んだ凹面部455と、下部中間框背面部452に連続して下方に延び第2前面部453の室内側に対向する第2背面部456と、第3前面部454の下端部から室内側に突出した下部突出片部457とを有して形成されている。
【0031】
以上のような下部中間框45における第3前面部454および下部突出片部457は、通気部材472の通気前面部473および下部突出片部476と略同様の断面形態を有して形成されるとともに、通気部材472の通気背面部474の室外側に対向して位置するようになっており、下部中間框45と通気部材472との間に中間部通気経路458が形成されている。そして、下部中間框45の下部中間框前面部451、第2前面部453および第3前面部454には、通気前面部473と同様の凹凸形状が形成されている。また、下部中間框45の下部中間框背面部452には、下部可動障子30の上框31と係合可能な煙返し459が形成されており、閉鎖位置にある下部可動障子30の上框31の煙返し316が下部中間框45の煙返し459に係合することで、下部可動障子30が固定面材ユニット40側(室外側)に引き寄せられるようになっている。
【0032】
次に、図9に示すように、下枠12は、アルミ形材製の下枠室外部材121および下枠室内部材122と、これらを連結する樹脂製の断熱部材123と、下枠室内部材122の室内側端部に固定される樹脂製の下枠カバー部材124とを有して構成されている。下枠室外部材121は、それぞれ見込み方向に延びる下枠上面部125および下枠底面部126と、下枠上面部125から上方に延びる立上り片部127と、この立上り片部127よりも室外側の下枠上面部125から上方に突出する突起部128とを有して形成されている。そして、立上り片部127の上端部および下枠カバー部材124には、それぞれ気密部材が取り付けられており、これらの気密部材と閉鎖位置にある下部可動障子30の下框32とが当接するようになっている。また、固定面材ユニット40は、下枠上面部125に載置されるとともに、下框42が突起部128に係止されて室外側への移動が規制されるようになっている。また、下部可動障子30の下框32は、アルミ形材製の下框本体321と、この下框本体321の室内側に固定される樹脂製の下框室内部材322とを有して構成されている。
【0033】
一方、固定面材ユニット40の下框42は、アルミ形材製の一体成形部材であって、下枠12の下枠上面部125に載置される室外側載置片部421および室内側載置片部422と、これらを結んで室外側に下がり勾配を有した下框上面部423と、この下框上面部423から上方に立ち上がる突片部としての下框背面部424と、この下框背面部424の上端部から室外側に突出した下框突出片部425とを有して形成されている。そして、下框背面部424および下框突出片部425は、後述する通気部材472の通気背面部474および上部突出片部477と略同様の断面形態を有して形成されるとともに、通気部材472の通気前面部473の室内側に対向して位置するようになっており、下框42と通気部材472との間に端部通気経路である下端部通気経路428が形成されている。そして、下框突出片部425は、下端部通気経路428に入った雨水等を阻止する水返し片として機能するように構成されている。
【0034】
以上の固定面材ユニット40は、ユニット枠40Aの内部に上部中間框44および下部中間框45と、上部通気面材46および下部通気面材47と、固定ガラスパネル48とを組み込んでユニット化されている。この固定面材ユニット40の上部通気面材46および下部通気面材47は、図6〜図9に示すように、左右の縦框43に固定された樹脂製の端部取付部品461,471と、これらの端部取付部品461,471間に渡って設けられる複数の通気部材462,472とを有して構成されている。通気部材462,472は、アルミ形材製の一体成形部材であって、室外側にて上下に延びる通気前面部463,473と、室内側にて上下に延びる通気背面部464,474と、これらを結んで室外側に下がり勾配を有した通気傾斜面部465,475とを有して全体クランク状に形成されている。さらに、通気部材462,472は、通気前面部463,473の下端部から室内側に突出した下部突出片部466,476と、通気背面部464,474の上端部から室外側に突出した上部突出片部467,477とを有して形成されている。
【0035】
そして、上下に隣接する通気部材462,472は、互いの通気前面部463,473と通気背面部464,474とが見込み方向に対向し、上下の通気部材462,472同士の間に通気経路468,478が形成されている。この通気経路468,478は、上下の通気部材462,472における通気前面部463,473間に室外側開口を有し、この室外側開口からクランク状に室内側および上方に折れ曲がって延び、通気背面部464,474間に室内側開口を有して形成されている。そして、室外側開口から通気経路468,478に入った雨水等は、通気背面部464,474で阻止されるとともに、水返し片として機能する上部突出片部467,477で阻止され下方に落下し、通気傾斜面部465,475の傾斜に沿って室外側に排出されるようになっている。さらに、風を伴って側方から吹き付ける雨水等が室外側開口から通気経路468,478に入った場合でも、この雨水等は、下部突出片部466,476に当たって下方に向きを変え、通気背面部464,474に当たって落下し、通気傾斜面部465,475に沿って排出されるようになっている。
【0036】
また、固定面材ユニット40の縦框43は、図3および図4に示すように、アルミ形材製の一体成形部材であって、見込み方向に延びる一対の見込み面部431,432と、これらの見込み面部431,432に連続して見付け方向内側に延びる室内側見付け面部433および室外側見付け面部434と、室外側見付け面部434に連続して見付け方向外側に延びる突出片部435とを有して形成されている。そして、見込み面部431,432の室内側端部および突出片部435の先端部には、それぞれ室内側に突出した気密部材が取り付けられており、それぞれ縦枠13の突出片部134および縦枠中空部135に当接するようになっている。また、室内側見付け面部433と室外側見付け面部434とは、互いに見込み方向に対向して設けられ、これらの間には、見付け方向内側に開口した面材保持部43Aが形成されており、この面材保持部43Aには、ガスケット481を介して固定ガラスパネル48の側端縁が保持されるようになっている。
【0037】
一方、固定面材ユニット40における上部通気面材46および下部通気面材47の室内側に取り付けられる網戸49は、図4および図6〜図9に示すように、それぞれアルミ形材製の上框491、下框492、および左右の縦框493を四周框組みするとともに、これらの室外側に防虫ネット494を取り付けて構成されている。この網戸49は、下框492に固定した係止部材495を上部中間框44または下框42に係止させるとともに、上框491に取り付けたラッチ496を上框41または下部中間框45に係止させることで、固定面材ユニット40に取り付けられるようになっている。ここで、固定面材ユニット40の上框41および下部中間框45には、ラッチ496を係止する係止部材497が固定されている。そして、網戸49は、ラッチ496を係止部材497から外すことで固定面材ユニット40から室内側に取り外し可能になっており、上部可動障子20および下部可動障子30を開放した状態で室内側から脱着できるように構成されている。
【0038】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、上部可動障子20の下框22(内召合せ框)と固定面材ユニット40の上部中間框44(外召合せ框)とで構成された召合せ部において、上部中間框44が断熱框とされ、気密材44Dよりも室内側に断熱部材443が設けられているので、冬期において上部中間框室内部材442に結露が発生しにくくなっている。従って、上部中間框44の結露水が室内側に垂れ落ちたり、固定ガラスパネル48の室内面を伝い落ちたりすることがなく、上げ下げ窓1やその周辺が汚れることが防止でき、美観を維持することができる。そして、従来の上げ下げ窓のような内外障子の召合せ構造の制約を受けることがなくなるため、固定面材である固定ガラスパネル48および上部中間框44と上部可動障子20との配置に関する設計の自由度を高めることができる。
【0039】
(2)さらに、上部中間框44において上部中間框室外部材441と上部中間框室内部材442とを連結する樹脂製の断熱部材443が、面材保持部44Aの内部側に膨出した断面寸法を有して形成され、上部中間框44の室内側側面が略フラットに形成されているので、断熱部材443の断面積が確保できる。従って、断熱部材443において、所定の断熱性能を得るのに十分な熱容量および連結強度が確保でき、断熱性能を高めることができるとともに、断熱部材443が室内側に突出しないことで上部中間框44の外観意匠性を向上させることができる。
【0040】
(3)また、気密材44Dが上部可動障子20における下框22の上端縁近傍に当接されているので、下框22において、外気に露出する室外部分の表面積が小さくでき、下框22に対する外気温の影響が低減されることから、下框22の室内部分における結露も防止することができる。さらに、下框22が樹脂製の下框室内部材222を有して構成されているので、アルミ形材製の下框本体221に内気が当たりにくくなり、下框22における結露をより効果的に防止することができる。
【0041】
(4)また、上部中間框44に上部中間框背面部446が形成され、その室外側に上部通気面材46の通気部材462が対向して設けられているので、通気部材462によって雨が阻止されるとともに、通気部材462よりも室内側に浸入した雨が上部中間框背面部446によって阻止される。従って、固定面材ユニット40の上部中間框44の室内側に上部可動障子20の下框22が重なって閉じる開閉形式の上げ下げ窓1において、止水性能を確保することができ、この点でも設計の自由度を高めることができる。
【0042】
(5)また、上部通気面材46および下部通気面材47として、複数の通気部材462,472を有したガラリ形状のものを利用したことで、防犯性を向上させることができる。さらに、通気部材462,472同士の間に形成される通気経路468,478の室外側開口が室内側開口よりも下方に設けられることで、雨の降り込みが防止でき、雨天であっても上下の可動障子20,30を開放して通気することができ、室内の快適性を向上させることができる。
【0043】
(6)さらに、固定面材ユニット40の上部中間框44および下部中間框45が通気部材462,472と略同様な形態を有するとともに、固定ガラスパネル48を保持する面材保持部44A,45Aを有して形成されているので、固定ガラスパネル48を保持するための框材を別途設ける必要がなく、固定面材ユニット40の構造を簡単化することができるとともに、外観デザインの連続性による良好な意匠が確保できる。
【0044】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、上げ下げ窓1が上下一対の2枚の障子(上部可動障子20および下部可動障子30)を有して構成されていたが、これに限らず、可動障子が1枚であってもよく、また3枚以上の可動障子を有して構成されていてもよい。可動障子が1枚の場合には、上部可動障子20に相当する可動障子の下框と、固定面材ユニット40における上部中間框44に相当する外召合せ框とが見込み方向に重なるような構成であればよい。また、3枚以上の可動障子を有する建具を構成する場合には、上部可動障子20に相当する可動障子と、固定面材ユニット40における固定ガラスパネル48および上部中間框44に相当する固定面材および外召合せ框とを有していればよい。
【0045】
また、前記実施形態では、室外面材として固定面材ユニット40に組み込まれかつ窓枠10に対して移動不能な固定ガラスパネル48を用いたが、室外面材としては、窓枠10に上下スライド開閉自在に支持された障子であってもよく、また外開き等の各種開閉形式に支持された障子であってもよい。
また、前記実施形態では、外召合せ框である上部中間框44が、アルミ形材製の上部中間框室外部材441および上部中間框室内部材442と、これらを連結する樹脂製の断熱部材443とを有して構成され、断熱部材443によって断熱手段が構成されていたが、外召合せ框の構造としては、これに限られない。すなわち、外召合せ框が金属製の室外部材と樹脂製の室内部材とを有して構成されたものであってもよく、この場合には、樹脂製の室内部材によって断熱手段が構成される。また、外召合せ框が金属製の一体成形部材であり、その室内表面に樹脂製や木製の室内仕上げ部材が設けられていてもよく、この場合でも、室内仕上げ部材によって構成された室内部の結露が防止できるため、本願発明の目的が実現できる。
【0046】
また、前記実施形態では、外召合せ框としての上部中間框44と上部可動障子20の下框22との間に、以下の図11に示すように、水受け手段としての第2気密材22Bを設けてもよい。
ずなわち、図11に示すように、上部可動障子20の下框22における下框室内部材222には、室外側に延びて上部中間框44の上部中間框室内部材442に当接する第2気密材22Bが取り付けられている。この第2気密材22Bは、下框室内部材222における下端部かつ室外側端部に形成された気密材ポケットに保持され、上部中間框44の下端部近傍に当接可能になっている。そして、上部可動障子20の下框22(内召合せ框)と上部中間框44(外召合せ框)との間には、互いに対向した中空部223および上部中間框室内部材442と、第2気密材22Bとで囲まれた中間空間22Cが形成され、この中間空間22Cに室内空間の内気が入らないようになっている。従って、湿った内気が中間空間22Cへ入らないことから、上部中間框室内部材442の温度が下がったとしても、その表面の結露が防止できるとともに、例え結露が生じたとしても、結露水を第2気密材22Bで受けることで、室内空間に水が垂れ落ちることが確実に防止できる。
なお、水受け手段の構成としては、前述のような第2気密材22Bによるものに限らず、例えば、上部中間框室内部材442の下端部に設けた樋状あるいはレール状の水案内部であってもよく、このような水案内部の端部(縦框43位置)に案内した水を排水する排水機構を設けてもよい。
【0047】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る建具を室外側から見た正面図である。
【図2】前記建具を示す縦断面図である。
【図3】前記建具を示す横断面図である。
【図4】前記建具を示す横断面図である。
【図5】前記建具を室外側から見た分解斜視図である。
【図6】前記建具の上部を拡大して示す縦断面図である。
【図7】前記建具の上部可動障子の召合せ部を拡大して示す縦断面図である。
【図8】前記建具の下部可動障子の召合せ部を拡大して示す縦断面図である。
【図9】前記建具の下部を拡大して示す縦断面図である。
【図10】前記上部可動障子の召合せ部をさらに拡大して示す縦断面図である。
【図11】本発明の変形例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1…上げ下げ窓(建具)、10…窓枠、20…上部可動障子、21…上框、22…下框、22B…第2気密材(水受け手段)、23…縦框、24…ガラスパネル(面材)、44…上部中間框(外召合せ框)、44A…面材保持部、44C…気密材保持部、44D…気密材、48…固定ガラスパネル(室外面材)、212…上框室内部材、222…下框室内部材、232…縦框室内部材、441…上部中間框室外部材(室外部分)、442…上部中間框室内部材(室内部分)、443…断熱部材(連結部材)、444…上部中間框前面部(室外側保持面部)、445…上部中間框傾斜面部(上面部)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部に固定される窓枠と、この窓枠における室外寄りに支持される室外面材と、この室外面材の室内側に沿って上下スライド自在に前記窓枠に支持される可動障子とを備えた建具であって、
前記可動障子は、上框、下框および左右の縦框を四周框組みした内部に面材を取り付けて形成されるとともに、前記下框が前記室外面材上部の外召合せ框の室内側に重なる閉鎖位置と、この閉鎖位置から下方にスライドされて前記室外面材の室内側に重なる開放位置との間を開閉移動自在に設けられ、
前記室外面材の外召合せ框と前記閉鎖位置にある可動障子の下框との間には、いずれか一方に設けられて他方に当接する気密材が設けられ、この気密材よりも下方における前記外召合せ框には、当該外召合せ框における室外部分と室内部分との間の熱伝導を遮断する断熱手段が設けられている建具。
【請求項2】
前記外召合せ框は、前記室外面材の上端縁を保持する面材保持部を有して構成され、この面材保持部は、上面部と、前記室外面材の室外側側面に沿って下方に延びる室外側保持面部と、前記室外面材の室内側側面に沿って下方に延びる室内側保持面部と、を有して下方に開口した断面略コ字形に形成され、前記上面部から室内側に延びて形成された気密材保持部に前記気密材が取り付けられるとともに、前記上面部と前記室内側保持面部とを連結する樹脂製の連結部材により前記断熱手段が構成されている請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記気密材は、前記外召合せ框に設けられるとともに、前記閉鎖位置にある可動障子における前記下框の上端縁近傍に当接される請求項1または請求項2に記載の建具。
【請求項4】
前記気密材よりも室内側位置において、前記室外面材の外召合せ框と前記可動障子の下框との間には、水受け手段が設けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
【請求項5】
前記水受け手段は、前記室外面材の外召合せ框および前記可動障子の下框の下端部同士のうち、いずれか一方に設けられて他方に当接する第2気密材で構成されている請求項4に記載の建具。
【請求項6】
前記可動障子の上框、下框および縦框は、それぞれ樹脂製の室内部材を有して構成されている請求項1から請求項5のいずれかに記載の建具。
【請求項1】
建物開口部に固定される窓枠と、この窓枠における室外寄りに支持される室外面材と、この室外面材の室内側に沿って上下スライド自在に前記窓枠に支持される可動障子とを備えた建具であって、
前記可動障子は、上框、下框および左右の縦框を四周框組みした内部に面材を取り付けて形成されるとともに、前記下框が前記室外面材上部の外召合せ框の室内側に重なる閉鎖位置と、この閉鎖位置から下方にスライドされて前記室外面材の室内側に重なる開放位置との間を開閉移動自在に設けられ、
前記室外面材の外召合せ框と前記閉鎖位置にある可動障子の下框との間には、いずれか一方に設けられて他方に当接する気密材が設けられ、この気密材よりも下方における前記外召合せ框には、当該外召合せ框における室外部分と室内部分との間の熱伝導を遮断する断熱手段が設けられている建具。
【請求項2】
前記外召合せ框は、前記室外面材の上端縁を保持する面材保持部を有して構成され、この面材保持部は、上面部と、前記室外面材の室外側側面に沿って下方に延びる室外側保持面部と、前記室外面材の室内側側面に沿って下方に延びる室内側保持面部と、を有して下方に開口した断面略コ字形に形成され、前記上面部から室内側に延びて形成された気密材保持部に前記気密材が取り付けられるとともに、前記上面部と前記室内側保持面部とを連結する樹脂製の連結部材により前記断熱手段が構成されている請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記気密材は、前記外召合せ框に設けられるとともに、前記閉鎖位置にある可動障子における前記下框の上端縁近傍に当接される請求項1または請求項2に記載の建具。
【請求項4】
前記気密材よりも室内側位置において、前記室外面材の外召合せ框と前記可動障子の下框との間には、水受け手段が設けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
【請求項5】
前記水受け手段は、前記室外面材の外召合せ框および前記可動障子の下框の下端部同士のうち、いずれか一方に設けられて他方に当接する第2気密材で構成されている請求項4に記載の建具。
【請求項6】
前記可動障子の上框、下框および縦框は、それぞれ樹脂製の室内部材を有して構成されている請求項1から請求項5のいずれかに記載の建具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−121151(P2009−121151A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−297082(P2007−297082)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】
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