建築物の制振構造
【課題】建築物の土台と柱および横架材とで形成された矩形の空間部に該空間部の対角方向に沿って架設される二本の補強部材の間に粘弾性ダンパーを壁材や窓枠などとの干渉を招くことなく組み込むことのできる建築物の制振構造を提供する。
【解決手段】建築物の土台と柱および横架材とで形成された矩形の空間部に空間部の対角方向に沿って架設される補強部材15a,15bを、粘弾性ダンパー16と補強部材15a,15bとを連結する連結金具17a,17bに片面同士を対向させて形成されたプレート部20a,20bの外側面と嵌合するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成し、補強部材15a,15bの外側面側から打ち込まれた複数のビス26によりプレート部20a,20bを補強部材15a,15bの内側面25a,25bに固定した。
【解決手段】建築物の土台と柱および横架材とで形成された矩形の空間部に空間部の対角方向に沿って架設される補強部材15a,15bを、粘弾性ダンパー16と補強部材15a,15bとを連結する連結金具17a,17bに片面同士を対向させて形成されたプレート部20a,20bの外側面と嵌合するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成し、補強部材15a,15bの外側面側から打ち込まれた複数のビス26によりプレート部20a,20bを補強部材15a,15bの内側面25a,25bに固定した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸建て住宅等の建築物の揺れを抑える建築物の制振構造に関する。
【背景技術】
【0002】
地震や台風などによる建築物の揺れを抑制する技術として、地震時等の振動エネルギーを吸収する粘弾性ダンパーを木造建築物の筋交に組み込んで建築物の揺れを抑える技術が特許文献1に開示されているが、特許文献1に開示された粘弾性ダンパーは粘弾性材をプレート状に成形してなる振動吸収体と、この振動吸収体の両面に相対向する表面同士が接着された一対の板状剛性部材とで構成されている。このため、粘弾性ダンパーの振動吸収能力を大きくするためには、幅の広い板状剛性部材を用いて板状剛性部材に接着する振動吸収体の表面積を大きくする必要があり、幅の広い板状剛性部材を用いると粘弾性ダンパーが大型化し、筋交に組み込むことが困難となる。
【0003】
そこで、建築物の揺れを抑える制振構造として、図17に示すように、建築物の土台11と柱12a,12bおよび梁、桁等の横架材13とで形成された矩形の空間部14に補強部材15a,15bを空間部14の対角方向に沿って架設するとともに、粘弾性ダンパー16を補強部材15aと補強部材15bとの間に空間部14の対角方向に沿って配置し、かつ補強部材15a,15bと粘弾性ダンパー16とを一対の連結金具17a,17bにより連結したものが提案されている(特願2008−123996号明細書参照)。
【0004】
図17に示した制振構造によると、粘弾性ダンパー16が、図18に示すように、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体18と板状剛性部材19とを交互に積層し且つ互いに接着させて形成されているため、振動吸収体18の数を増やすだけで粘弾性ダンパー16の振動吸収能力を大きくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−110399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した制振構造では、図18に示すように、連結金具17a,17bに片面同士を対向させて形成された左右一対のプレート部20a,20bを補強部材15a,15bの側面に嵌合させ、これらのプレート部20a,20bと補強部材15a,15bを厚さ方向に貫通するボルト21とナット22により補強部材15a,15bと連結金具17a,17bとを連結しているため、ボルト21の頭部が土台11や横架材13の側面から突出し、壁材や窓枠などと干渉してしまう可能性があった。
【0007】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、建築物の土台と柱および横架材とで形成された矩形の空間部に該空間部の対角方向に沿って架設される二本の補強部材の間に粘弾性ダンパーを壁材や窓枠などとの干渉を招くことなく組み込むことのできる建築物の制振構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、建築物の土台と柱および横架材とで形成される矩形の空間部に補強部材を前記空間部の対角方向に沿って架設するとともに、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体と板状剛性部材とを交互に積層し且つ互いに接着させて形成された粘弾性ダンパーを前記補強部材の間に前記空間部の対角方向に沿って配置し、前記補強部材と前記粘弾性ダンパーの少なくとも一方の端部とを連結金具により連結して構成される建築物の制振構造であって、前記補強部材はアルミニウムまたはアルミニウム合金の中空押出材からなり、前記連結金具は前記補強部材の中空部に挿入されていることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成によると、建築物の土台と柱および横架材とで形成された矩形の空間部に粘弾性ダンパーを壁材や窓枠との干渉を招くことなく組み込むことができる。また、補強部材が木材から形成されているものと比較して、圧縮力に対する補強部材の座屈強度を高めることができる。
本発明に係る建築物の制振構造において、前記連結金具に形成された複数の連結溝と前記板状剛性部材の幅方向から嵌合する連結部を前記板状剛性部材に設けたことが好ましく、このような構成によると、ボルト等を使用せずに粘弾性ダンパーと連結金具とを連結することができ、これにより、部品点数等の削減を図ることができる。
【0010】
また、前記板状剛性部材と前記連結金具はアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されていることが好ましく、このような構成によると、粘弾性ダンパーと連結金具とで構成される制振装置の軽量化を図ることができ、これにより、補強部材と補強部材との間に制振装置を容易に組み付けることができる。
また、前記補強部材の一方の端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された一対の補強部材連結用金具により前記柱の側面上部と前記横架材の下面に連結され、他方の端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された一対の補強部材連結用金具により前記土台の上面と前記柱の側面下部に連結されていることが好ましい。
【0011】
また、前記土台がアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成され、かつ前記補強部材の一方の端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金を逆T字状に押出成形して形成された補強部材連結用金具により前記土台の上面に連結されていることが好ましく、前記補強部材連結用金具は前記土台の上面に押出成形により形成された複数の連結溝と前記土台の長手方向から嵌合する複数の連結用突起部を有することが好ましい。このような構成によると、土台がアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成されていても補強部材の端部を補強部材連結用金具により土台の上面に連結することができる。
【0012】
また、前記補強部材連結用金具は前記柱の下端部に形成されたほぞ溝と嵌合する垂直プレート部を有することが好ましく、前記補強部材の一方の端部が前記垂直プレート部を貫通する複数のボルトと該ボルトに螺合する複数のナットにより前記垂直プレート部に固定されているとともに、前記柱の下端部が前記垂直プレート部を貫通する複数のドリフトピンにより前記垂直プレート部に固定されていることが好ましい。このような構成によると、垂直プレート部を貫通する複数のドリフトピンにより柱の下端部を補強部材連結用金具に固定することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る建築物の制振構造によれば、建築物の土台と柱および横架材とで形成された矩形の空間部に粘弾性ダンパーを壁材や窓枠との干渉を招くことなく組み込むことができる。また、補強部材が木材から形成されているものと比較して、圧縮力に対する補強部材の座屈強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の建築物の制振構造に係る第1の実施形態を示す正面図である。
【図2】図1のA部を拡大して示す図である。
【図3】図2のB−B断面を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を図1の矢印Cから視た図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を図1の矢印Dから視た図である。
【図6】本発明の建築物の制振構造に係る第2の実施形態を示す正面図である。
【図7】図6のE−E断面を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を図7の矢印Fから視た図である。
【図9】図6のG−G断面を示す図である。
【図10】図6のH−H断面を示す図である。
【図11】本発明の建築物の制振構造に係る第3の実施形態を示す正面図である。
【図12】図11のI−I断面を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態を図11に示す矢印Jに沿う方向から視た図である。
【図14】図11のK−K断面を示す図である。
【図15】図11のL−L断面を示す図である。
【図16】本発明の建築物の制振構造に係る第4の実施形態を示す図である。
【図17】従来の建築物の制振構造を示す正面図である。
【図18】図17に示す制振構造の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明の建築物の制振構造の第1の実施形態を図1〜図5に示す。本発明の第1の実施形態は、図1に示すように、建築物の土台11と柱12a,12bおよび梁、桁等の横架材13とで形成された矩形の空間部14に補強部材(筋交)15a,15bを空間部14の対角方向に沿って架設するとともに、粘弾性ダンパー16を補強部材15aと補強部材15bとの間に空間部14の対角方向に沿って配置し、かつ補強部材15a,15bと粘弾性ダンパー16とを一対の連結金具17a,17bにより連結して構成されるものであり、粘弾性ダンパー16は、図3に示すように、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体18と板状剛性部材19とを交互に積層し且つ互いに接着させて形成されている。
【0016】
連結金具17a,17bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成されている。また、連結金具17a,17bは左右一対のプレート部20a,20bをそれぞれ有し、これらのプレート部20a,20bは片面同士を対向させて連結金具17a,17bに形成されている。
粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成されている。また、板状剛性部材19は補強部材15a,15bの長手方向に沿って矩形状に形成され、連結金具17a,17bに形成された連結溝23と嵌合する連結部24を長手方向の一端部に有している。この連結部24は板状剛性部材19の表面から厚さ方向に突出しており、連結溝23と板状剛性部材19の幅方向から嵌合するようになっている。
【0017】
補強部材15a,15bは、連結金具17a,17bに片面同士を対向させて形成されたプレート部20a,20bの外側面と嵌合するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されている。また、補強部材15a,15bは互いに対向する左右一対の内側面25a,25b(図3参照)をそれぞれ有し、連結金具17a,17bのプレート部20a,20bは補強部材15a,15bの外側面側から打ち込まれた複数のビス26により補強部材15a,15bの内側面25a,25bに固定されている。
【0018】
連結金具17aにより粘弾性ダンパー16と連結される補強部材15aの上端部は、アルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された左右一対の補強部材連結用金具27a,27b(図4参照)により横架材13の下面と柱12aの側面上面に連結されている。これらの補強部材連結用金具27a,27bのうち補強部材連結用金具27aは複数の固定用ネジ28により補強部材15aの右側面と横架材13の下面に固定され、補強部材連結用金具27bは複数の固定用ネジ29により補強部材15aの左側面と柱12aの側面上部に固定されている。
【0019】
連結金具17bにより粘弾性ダンパー16と連結される補強部材15bの下端部は、アルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された左右一対の補強部材連結用金具30a,30b(図5参照)により土台11の上面と柱12bの側面下部に固定されている。これらの補強部材連結用金具30a,30bのうち補強部材連結用金具30aは複数の固定用ネジ31により補強部材15bの左側面と土台11の上面に固定され、補強部材連結用金具30bは複数の固定用ネジ32により補強部材15bの右側面と柱12bの側面に固定されている。
【0020】
上述した本発明の第1の実施形態では、連結金具17a,17bに片面同士を対向させて形成された一対のプレート部20a,20bの外側面と嵌合するように補強部材15a,15bをアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成し、連結金具17a,17bのプレート部20a,20bを補強部材15a,15bの外側面側から打ち込まれた複数のビス26により補強部材15a,15bの内側面25a,25bに固定したことで、ビス26の頭部が土台11や横架材13の側面から突出して壁材や窓枠と干渉することがない。したがって、建築物の土台11と柱12a,12bおよび横架材13とで形成された矩形の空間部14に粘弾性ダンパー16を壁材や窓枠との干渉を招くことなく組み込むことができる。
【0021】
また、補強部材15a,15bがアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されているため、補強部材15a,15bが木材から形成されているものと比較して、圧縮力に対する補強部材15a,15bの座屈強度を高めることができる。
また、連結金具17a,17bに形成された複数の連結溝23と板状剛性部材19の幅方向から嵌合する連結部24を板状剛性部材19に設けたことにより、ボルト等を使用せずに粘弾性ダンパー16と連結金具17a,17bとを連結することができ、これにより、部品点数等の削減を図ることができる。
【0022】
また、粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19をアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことにより、粘弾性ダンパー16の軽量化を図ることができる。
また、粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19と連結金具17a,17bをアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことにより、粘弾性ダンパー16と連結金具17a,17bとで構成される制振装置の軽量化を図ることができ、これにより、補強部材15aと補強部材15bとの間に制振装置を容易に組み付けることができる。
【0023】
次に、本発明の建築物の制振構造の第2の実施形態を図6〜図10に示す。本発明の第2の実施形態は、図6に示すように、建築物の土台11と柱12a,12bおよび梁、桁等の横架材13とで形成された矩形の空間部14に補強部材(筋交)15a,15bを空間部14の対角方向に沿って架設するとともに、粘弾性ダンパー16を補強部材15aと補強部材15bとの間に空間部14の対角方向に沿って配置し、かつ補強部材15a,15bと粘弾性ダンパー16とを一対の連結金具17a,17bにより連結して構成されるものであり、粘弾性ダンパー16は、図7に示すように、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体18と板状剛性部材19とを交互に積層し且つ互いに接着させて形成されている。
【0024】
連結金具17a,17bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成されている。また、連結金具17a,17bは左右一対のプレート部20a,20bをそれぞれ有し、これらのプレート部20a,20bは片面同士を対向させて連結金具17a,17bに形成されている。
粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19は、補強部材15a,15bの長手方向に沿って矩形状に形成されている。また、板状剛性部材19は連結金具17a,17bに形成された連結溝23と嵌合する連結部24を長手方向の一端部に有している。この連結部24は板状剛性部材19の表面から厚さ方向に突出しており、連結溝23と板状剛性部材19の幅方向から嵌合するようになっている。
【0025】
補強部材15a,15bは、連結金具17a,17bに片面同士を対向させて形成されたプレート部20a,20bの外側面と嵌合するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されている。また、補強部材15a,15bは互いに対向する左右一対の内側面25a,25b(図7参照)をそれぞれ有し、連結金具17a,17bのプレート部20a,20bは補強部材15a,15bの外側面側から打ち込まれた複数のビス26により補強部材15a,15bの内側面25a,25bに固定されている。
【0026】
連結金具17aにより粘弾性ダンパー16と連結される補強部材15aの上端部は、アルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された左右一対の補強部材連結用金具27a,27b(図8参照)により柱12aの側面上部と横架材13の下面に連結されている。これらの補強部材連結用金具27a,27bのうち補強部材連結用金具27aは複数の固定用ネジ28により補強部材15aの右側面と横架材13の下面に固定され、補強部材連結用金具27bは複数の固定用ネジ29により補強部材15aの左側面と柱12aの側面上部に固定されている。
【0027】
土台11は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成されている。また、土台11は補強リブ34a,34b(図9参照)を有し、これらの補強リブ34a,34bは土台11の上面と下面との間に土台11の側面と平行に形成されている。
【0028】
連結金具17bにより粘弾性ダンパー16と連結される補強部材15bの下端部は、補強部材連結用金具35(図9参照)により土台11の上面に連結されている。この補強部材連結用金具35はアルミニウムまたはアルミニウム合金を逆T字状に押出成形して形成され、土台11の上面に土台11と一体に押出成形により形成された連結溝36a,36bと土台11の長手方向から嵌合する連結用突起部37a,37を有している。
【0029】
連結溝36a,36bは、土台11の幅方向に断面が逆T字状に形成されている。また、連結溝36a,36bは補強リブ34a,34bの真上に位置するように土台11の上面に形成されている。
また、補強部材連結用金具35は柱12bの下端部に形成されたほぞ溝38(図10参照)と嵌合する垂直プレート部39を有し、この垂直プレート部39に補強部材15bの下端部が垂直プレート部39を貫通するボルト40a,40b(図9参照)とボルト40a,40bに螺合するナット41a,41bにより固定されているとともに、垂直プレート部39を貫通する複数のドリフトピン42(図10参照)により柱12bの下端部が垂直プレート部39に固定されている。
【0030】
上述した本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、ビス26の頭部が土台11や横架材13の側面から突出して壁材や窓枠と干渉することがないので、建築物の土台11と柱12a,12bおよび横架材13とで形成された矩形の空間部14に粘弾性ダンパー16を壁材や窓枠との干渉を招くことなく組み込むことができる。
【0031】
また、土台11の上面に押出成形により形成された連結溝36a,36bと土台11の長手方向から嵌合する連結用突起部43a,43bを補強部材連結用金具35に設けたことにより、土台11がアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成されていても補強部材15bの下端部を補強部材連結用金具35により土台11の上面に連結することができる。
【0032】
また、柱12bの下端部に形成されたほぞ溝38と嵌合する垂直プレート部39を補強部材連結用金具35に設けたことにより、垂直プレート部39を貫通する複数のドリフトピン42により柱12bの下端部を補強部材連結用金具35に固定することができる。
さらに、補強部材連結用金具35の垂直プレート部39が図15に示す柱固定用ブラケット45bに相当し、この垂直プレート部39を利用して柱12bの下端部を土台11の上面に固定できるため、作業能率が向上するだけでなく、補強部材連結用金具35と柱固定用ブラケット45bが別体のものと比較して、補強部材連結用金具35の取付強度を向上させることができる。
【0033】
次に、本発明の第3の実施形態を図11〜図15に示す。本発明の第3の実施形態は、図11に示すように、建築物の土台11と柱12a,12bおよび梁、桁等の横架材13とで形成される矩形の空間部14に補強部材15を空間部14の対角方向に沿って架設し、粘弾性ダンパー16の一方の端部を連結金具17aにより補強部材15の下端部に連結するとともに、粘弾性ダンパー16の他方の端部を連結金具17bにより土台11に連結して構成されるものであり、粘弾性ダンパー16は、図12に示すように、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体18と板状剛性部材19とを交互に積層し且つ互いに密着させて形成されている。
【0034】
連結金具17aは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成されている。また、連結金具17aは左右一対のプレート部20a,20b(図12参照)をそれぞれ有し、これらのプレート部20a,20bは片面同士を対向させて連結金具17aに形成されている。
【0035】
粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されている。また、板状剛性部材19は連結金具17aと連結金具17bにそれぞれ形成された複数の連結溝23と嵌合する連結部24を有している。この連結部24は板状剛性部材19の表面から厚さ方向に突出しており、連結溝23と板状剛性部材19の幅方向から嵌合するようになっている。
【0036】
補強部材15は、連結金具17aに片面同士を対向させて形成されたプレート部20a,20bの外側面と嵌合するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されている。また、補強部材15は互いに対向する左右一対の内側面25a,25b(図12参照)を有し、連結金具17aのプレート部20a,20bは補強部材15の外側面側から打ち込まれた複数のビス26により補強部材15の内側面25a,25bに固定されている。
【0037】
連結金具17aにより粘弾性ダンパー16と連結される補強部材15の上端部は、アルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された左右一対の連結用金具27a,27b(図13参照)により横架材13の下面と柱12aの側面上部に連結されている。これらの連結用金具27a,27bのうち連結用金具27aは複数の固定用ネジ28により補強部材15の右側面と横架材13の下面に固定され、連結用金具27bは複数の固定用ネジ29により補強部材15の左側面と柱12aの側面上部に固定されている。
【0038】
土台11はアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成されている。また、土台11は補強リブ34a,34b(図12参照)を有し、これらの補強リブ34a,34bは土台11の上面と下面との間に土台11の側面と平行に形成されている。
【0039】
連結金具17bは連結金具17aと同様にアルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成され、土台11の上面に土台11と一体に押出成形により形成された連結溝36a,36b(図12参照)と土台11の長手方向から嵌合する連結用の凸条部44a,44bを有している。
【0040】
連結溝36a,36bは、土台11の幅方向に断面が逆T字状に形成されている。また、連結溝36a,36bは補強リブ34a,34bの真上に位置するように土台11の上面に形成されている。
柱12a,12bは、図14及び図15に示すように、柱固定用ブラケット45a,45bにより土台11の上面に固定されている。これらの柱固定用ブラケット45a,45bはアルミニウムまたはアルミニウム合金を逆T字状に押出成形して形成され、土台11の上面に形成された連結溝36a,36bと土台11の長手方向から嵌合する突起部46a,46bをそれぞれ有している。
【0041】
また、柱固定用ブラケット45a,45bは柱12a,12bの下端部に形成されたほぞ溝38と嵌合する垂直プレート部47をそれぞれ有し、柱12a,12bの下端部は垂直プレート部47を貫通する複数のドリフトピン42により柱固定用ブラケット45a,45bの垂直プレート部47に固定されている。
【0042】
上述した第3の実施形態では、土台11の上面に押出成形によって形成された連結溝36a,36bと土台11の長手方向から嵌合する連結用の凸条部44a,44bを連結金具17bに設けたことで、連結金具17bを土台11上に固定するためのほぞ穴を土台11の上面に形成したり、連結金具17bと土台11とを接合ピンにより接合するためのピン通し孔を土台11や連結金具17bに形成したりする必要がないので、建築物の土台11と補強部材15の下端部との間に粘弾性ダンパー16を多くの時間と手間を要することなく組み込むことができる。
【0043】
また、連結溝36a,36bを補強リブ34a,34bの真上に形成したことで、凸条部44a,44bを介して連結溝36a,36bに加わる荷重を補強リブ34a,34bで受けることができるため、土台11の圧縮変形等を防止することができる。
また、補強部材15がアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されているため、補強部材15が木材から形成されているものと比較して、圧縮力に対する補強部材15の座屈強度を高めることができる。
【0044】
また、連結金具17aと連結金具17bに形成された複数の連結溝23と板状剛性部材19の幅方向から嵌合する連結部24を板状剛性部材19に設けたことにより、ボルト等を使用せずに粘弾性ダンパー16と連結金具17a,17bとを連結することができ、これにより、部品点数等の削減を図ることができる。
また、粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19と連結金具17a,17bをアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことにより、粘弾性ダンパー16と連結金具17a,17bとで構成される制振装置の軽量化を図ることができ、これにより、補強部材15と土台11との間に制振装置を容易に組み付けることができる。
【0045】
次に、本発明の第4の実施形態を図16に示す。図16に示される第4の実施形態が第1の実施形態や第2の実施形態と異なる点は、補強部材15a,15bの内部に補強リブ43を設けた点であり、このような構成によると補強部材15a,15bの剛性を高めることができる。
なお、上述した第2の実施形態では、土台11の上面に形成された連結溝36a,36bとして、土台11の幅方向に断面が逆T字状のものを例示したが、連結溝36a,36bは土台11の幅方向に断面がL字状に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0046】
11…土台、12a,12b…柱、13…横架材、14…空間部、15a,15b…補強部材、16…粘弾性ダンパー、17a,17b…連結金具、18…振動吸収体、19…板状剛性部材、20a,20b…プレート部、23…連結溝23…連結部24a,25b…補強部材の内側面、26…ビス、28,29,31,32…固定用ネジ、27a,27b,30a,30b,35…補強部材連結用金具、34a,34b,43…補強リブ、36a,36b…連結溝、37a,37b…連結突起部、38…ほぞ溝、39…垂直プレート部、40a,40b…ボルト、41a,41b…ナット、42…ドリフトピン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸建て住宅等の建築物の揺れを抑える建築物の制振構造に関する。
【背景技術】
【0002】
地震や台風などによる建築物の揺れを抑制する技術として、地震時等の振動エネルギーを吸収する粘弾性ダンパーを木造建築物の筋交に組み込んで建築物の揺れを抑える技術が特許文献1に開示されているが、特許文献1に開示された粘弾性ダンパーは粘弾性材をプレート状に成形してなる振動吸収体と、この振動吸収体の両面に相対向する表面同士が接着された一対の板状剛性部材とで構成されている。このため、粘弾性ダンパーの振動吸収能力を大きくするためには、幅の広い板状剛性部材を用いて板状剛性部材に接着する振動吸収体の表面積を大きくする必要があり、幅の広い板状剛性部材を用いると粘弾性ダンパーが大型化し、筋交に組み込むことが困難となる。
【0003】
そこで、建築物の揺れを抑える制振構造として、図17に示すように、建築物の土台11と柱12a,12bおよび梁、桁等の横架材13とで形成された矩形の空間部14に補強部材15a,15bを空間部14の対角方向に沿って架設するとともに、粘弾性ダンパー16を補強部材15aと補強部材15bとの間に空間部14の対角方向に沿って配置し、かつ補強部材15a,15bと粘弾性ダンパー16とを一対の連結金具17a,17bにより連結したものが提案されている(特願2008−123996号明細書参照)。
【0004】
図17に示した制振構造によると、粘弾性ダンパー16が、図18に示すように、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体18と板状剛性部材19とを交互に積層し且つ互いに接着させて形成されているため、振動吸収体18の数を増やすだけで粘弾性ダンパー16の振動吸収能力を大きくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−110399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した制振構造では、図18に示すように、連結金具17a,17bに片面同士を対向させて形成された左右一対のプレート部20a,20bを補強部材15a,15bの側面に嵌合させ、これらのプレート部20a,20bと補強部材15a,15bを厚さ方向に貫通するボルト21とナット22により補強部材15a,15bと連結金具17a,17bとを連結しているため、ボルト21の頭部が土台11や横架材13の側面から突出し、壁材や窓枠などと干渉してしまう可能性があった。
【0007】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、建築物の土台と柱および横架材とで形成された矩形の空間部に該空間部の対角方向に沿って架設される二本の補強部材の間に粘弾性ダンパーを壁材や窓枠などとの干渉を招くことなく組み込むことのできる建築物の制振構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、建築物の土台と柱および横架材とで形成される矩形の空間部に補強部材を前記空間部の対角方向に沿って架設するとともに、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体と板状剛性部材とを交互に積層し且つ互いに接着させて形成された粘弾性ダンパーを前記補強部材の間に前記空間部の対角方向に沿って配置し、前記補強部材と前記粘弾性ダンパーの少なくとも一方の端部とを連結金具により連結して構成される建築物の制振構造であって、前記補強部材はアルミニウムまたはアルミニウム合金の中空押出材からなり、前記連結金具は前記補強部材の中空部に挿入されていることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成によると、建築物の土台と柱および横架材とで形成された矩形の空間部に粘弾性ダンパーを壁材や窓枠との干渉を招くことなく組み込むことができる。また、補強部材が木材から形成されているものと比較して、圧縮力に対する補強部材の座屈強度を高めることができる。
本発明に係る建築物の制振構造において、前記連結金具に形成された複数の連結溝と前記板状剛性部材の幅方向から嵌合する連結部を前記板状剛性部材に設けたことが好ましく、このような構成によると、ボルト等を使用せずに粘弾性ダンパーと連結金具とを連結することができ、これにより、部品点数等の削減を図ることができる。
【0010】
また、前記板状剛性部材と前記連結金具はアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されていることが好ましく、このような構成によると、粘弾性ダンパーと連結金具とで構成される制振装置の軽量化を図ることができ、これにより、補強部材と補強部材との間に制振装置を容易に組み付けることができる。
また、前記補強部材の一方の端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された一対の補強部材連結用金具により前記柱の側面上部と前記横架材の下面に連結され、他方の端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された一対の補強部材連結用金具により前記土台の上面と前記柱の側面下部に連結されていることが好ましい。
【0011】
また、前記土台がアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成され、かつ前記補強部材の一方の端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金を逆T字状に押出成形して形成された補強部材連結用金具により前記土台の上面に連結されていることが好ましく、前記補強部材連結用金具は前記土台の上面に押出成形により形成された複数の連結溝と前記土台の長手方向から嵌合する複数の連結用突起部を有することが好ましい。このような構成によると、土台がアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成されていても補強部材の端部を補強部材連結用金具により土台の上面に連結することができる。
【0012】
また、前記補強部材連結用金具は前記柱の下端部に形成されたほぞ溝と嵌合する垂直プレート部を有することが好ましく、前記補強部材の一方の端部が前記垂直プレート部を貫通する複数のボルトと該ボルトに螺合する複数のナットにより前記垂直プレート部に固定されているとともに、前記柱の下端部が前記垂直プレート部を貫通する複数のドリフトピンにより前記垂直プレート部に固定されていることが好ましい。このような構成によると、垂直プレート部を貫通する複数のドリフトピンにより柱の下端部を補強部材連結用金具に固定することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る建築物の制振構造によれば、建築物の土台と柱および横架材とで形成された矩形の空間部に粘弾性ダンパーを壁材や窓枠との干渉を招くことなく組み込むことができる。また、補強部材が木材から形成されているものと比較して、圧縮力に対する補強部材の座屈強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の建築物の制振構造に係る第1の実施形態を示す正面図である。
【図2】図1のA部を拡大して示す図である。
【図3】図2のB−B断面を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を図1の矢印Cから視た図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を図1の矢印Dから視た図である。
【図6】本発明の建築物の制振構造に係る第2の実施形態を示す正面図である。
【図7】図6のE−E断面を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を図7の矢印Fから視た図である。
【図9】図6のG−G断面を示す図である。
【図10】図6のH−H断面を示す図である。
【図11】本発明の建築物の制振構造に係る第3の実施形態を示す正面図である。
【図12】図11のI−I断面を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態を図11に示す矢印Jに沿う方向から視た図である。
【図14】図11のK−K断面を示す図である。
【図15】図11のL−L断面を示す図である。
【図16】本発明の建築物の制振構造に係る第4の実施形態を示す図である。
【図17】従来の建築物の制振構造を示す正面図である。
【図18】図17に示す制振構造の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明の建築物の制振構造の第1の実施形態を図1〜図5に示す。本発明の第1の実施形態は、図1に示すように、建築物の土台11と柱12a,12bおよび梁、桁等の横架材13とで形成された矩形の空間部14に補強部材(筋交)15a,15bを空間部14の対角方向に沿って架設するとともに、粘弾性ダンパー16を補強部材15aと補強部材15bとの間に空間部14の対角方向に沿って配置し、かつ補強部材15a,15bと粘弾性ダンパー16とを一対の連結金具17a,17bにより連結して構成されるものであり、粘弾性ダンパー16は、図3に示すように、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体18と板状剛性部材19とを交互に積層し且つ互いに接着させて形成されている。
【0016】
連結金具17a,17bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成されている。また、連結金具17a,17bは左右一対のプレート部20a,20bをそれぞれ有し、これらのプレート部20a,20bは片面同士を対向させて連結金具17a,17bに形成されている。
粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成されている。また、板状剛性部材19は補強部材15a,15bの長手方向に沿って矩形状に形成され、連結金具17a,17bに形成された連結溝23と嵌合する連結部24を長手方向の一端部に有している。この連結部24は板状剛性部材19の表面から厚さ方向に突出しており、連結溝23と板状剛性部材19の幅方向から嵌合するようになっている。
【0017】
補強部材15a,15bは、連結金具17a,17bに片面同士を対向させて形成されたプレート部20a,20bの外側面と嵌合するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されている。また、補強部材15a,15bは互いに対向する左右一対の内側面25a,25b(図3参照)をそれぞれ有し、連結金具17a,17bのプレート部20a,20bは補強部材15a,15bの外側面側から打ち込まれた複数のビス26により補強部材15a,15bの内側面25a,25bに固定されている。
【0018】
連結金具17aにより粘弾性ダンパー16と連結される補強部材15aの上端部は、アルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された左右一対の補強部材連結用金具27a,27b(図4参照)により横架材13の下面と柱12aの側面上面に連結されている。これらの補強部材連結用金具27a,27bのうち補強部材連結用金具27aは複数の固定用ネジ28により補強部材15aの右側面と横架材13の下面に固定され、補強部材連結用金具27bは複数の固定用ネジ29により補強部材15aの左側面と柱12aの側面上部に固定されている。
【0019】
連結金具17bにより粘弾性ダンパー16と連結される補強部材15bの下端部は、アルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された左右一対の補強部材連結用金具30a,30b(図5参照)により土台11の上面と柱12bの側面下部に固定されている。これらの補強部材連結用金具30a,30bのうち補強部材連結用金具30aは複数の固定用ネジ31により補強部材15bの左側面と土台11の上面に固定され、補強部材連結用金具30bは複数の固定用ネジ32により補強部材15bの右側面と柱12bの側面に固定されている。
【0020】
上述した本発明の第1の実施形態では、連結金具17a,17bに片面同士を対向させて形成された一対のプレート部20a,20bの外側面と嵌合するように補強部材15a,15bをアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成し、連結金具17a,17bのプレート部20a,20bを補強部材15a,15bの外側面側から打ち込まれた複数のビス26により補強部材15a,15bの内側面25a,25bに固定したことで、ビス26の頭部が土台11や横架材13の側面から突出して壁材や窓枠と干渉することがない。したがって、建築物の土台11と柱12a,12bおよび横架材13とで形成された矩形の空間部14に粘弾性ダンパー16を壁材や窓枠との干渉を招くことなく組み込むことができる。
【0021】
また、補強部材15a,15bがアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されているため、補強部材15a,15bが木材から形成されているものと比較して、圧縮力に対する補強部材15a,15bの座屈強度を高めることができる。
また、連結金具17a,17bに形成された複数の連結溝23と板状剛性部材19の幅方向から嵌合する連結部24を板状剛性部材19に設けたことにより、ボルト等を使用せずに粘弾性ダンパー16と連結金具17a,17bとを連結することができ、これにより、部品点数等の削減を図ることができる。
【0022】
また、粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19をアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことにより、粘弾性ダンパー16の軽量化を図ることができる。
また、粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19と連結金具17a,17bをアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことにより、粘弾性ダンパー16と連結金具17a,17bとで構成される制振装置の軽量化を図ることができ、これにより、補強部材15aと補強部材15bとの間に制振装置を容易に組み付けることができる。
【0023】
次に、本発明の建築物の制振構造の第2の実施形態を図6〜図10に示す。本発明の第2の実施形態は、図6に示すように、建築物の土台11と柱12a,12bおよび梁、桁等の横架材13とで形成された矩形の空間部14に補強部材(筋交)15a,15bを空間部14の対角方向に沿って架設するとともに、粘弾性ダンパー16を補強部材15aと補強部材15bとの間に空間部14の対角方向に沿って配置し、かつ補強部材15a,15bと粘弾性ダンパー16とを一対の連結金具17a,17bにより連結して構成されるものであり、粘弾性ダンパー16は、図7に示すように、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体18と板状剛性部材19とを交互に積層し且つ互いに接着させて形成されている。
【0024】
連結金具17a,17bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成されている。また、連結金具17a,17bは左右一対のプレート部20a,20bをそれぞれ有し、これらのプレート部20a,20bは片面同士を対向させて連結金具17a,17bに形成されている。
粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19は、補強部材15a,15bの長手方向に沿って矩形状に形成されている。また、板状剛性部材19は連結金具17a,17bに形成された連結溝23と嵌合する連結部24を長手方向の一端部に有している。この連結部24は板状剛性部材19の表面から厚さ方向に突出しており、連結溝23と板状剛性部材19の幅方向から嵌合するようになっている。
【0025】
補強部材15a,15bは、連結金具17a,17bに片面同士を対向させて形成されたプレート部20a,20bの外側面と嵌合するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されている。また、補強部材15a,15bは互いに対向する左右一対の内側面25a,25b(図7参照)をそれぞれ有し、連結金具17a,17bのプレート部20a,20bは補強部材15a,15bの外側面側から打ち込まれた複数のビス26により補強部材15a,15bの内側面25a,25bに固定されている。
【0026】
連結金具17aにより粘弾性ダンパー16と連結される補強部材15aの上端部は、アルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された左右一対の補強部材連結用金具27a,27b(図8参照)により柱12aの側面上部と横架材13の下面に連結されている。これらの補強部材連結用金具27a,27bのうち補強部材連結用金具27aは複数の固定用ネジ28により補強部材15aの右側面と横架材13の下面に固定され、補強部材連結用金具27bは複数の固定用ネジ29により補強部材15aの左側面と柱12aの側面上部に固定されている。
【0027】
土台11は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成されている。また、土台11は補強リブ34a,34b(図9参照)を有し、これらの補強リブ34a,34bは土台11の上面と下面との間に土台11の側面と平行に形成されている。
【0028】
連結金具17bにより粘弾性ダンパー16と連結される補強部材15bの下端部は、補強部材連結用金具35(図9参照)により土台11の上面に連結されている。この補強部材連結用金具35はアルミニウムまたはアルミニウム合金を逆T字状に押出成形して形成され、土台11の上面に土台11と一体に押出成形により形成された連結溝36a,36bと土台11の長手方向から嵌合する連結用突起部37a,37を有している。
【0029】
連結溝36a,36bは、土台11の幅方向に断面が逆T字状に形成されている。また、連結溝36a,36bは補強リブ34a,34bの真上に位置するように土台11の上面に形成されている。
また、補強部材連結用金具35は柱12bの下端部に形成されたほぞ溝38(図10参照)と嵌合する垂直プレート部39を有し、この垂直プレート部39に補強部材15bの下端部が垂直プレート部39を貫通するボルト40a,40b(図9参照)とボルト40a,40bに螺合するナット41a,41bにより固定されているとともに、垂直プレート部39を貫通する複数のドリフトピン42(図10参照)により柱12bの下端部が垂直プレート部39に固定されている。
【0030】
上述した本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、ビス26の頭部が土台11や横架材13の側面から突出して壁材や窓枠と干渉することがないので、建築物の土台11と柱12a,12bおよび横架材13とで形成された矩形の空間部14に粘弾性ダンパー16を壁材や窓枠との干渉を招くことなく組み込むことができる。
【0031】
また、土台11の上面に押出成形により形成された連結溝36a,36bと土台11の長手方向から嵌合する連結用突起部43a,43bを補強部材連結用金具35に設けたことにより、土台11がアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成されていても補強部材15bの下端部を補強部材連結用金具35により土台11の上面に連結することができる。
【0032】
また、柱12bの下端部に形成されたほぞ溝38と嵌合する垂直プレート部39を補強部材連結用金具35に設けたことにより、垂直プレート部39を貫通する複数のドリフトピン42により柱12bの下端部を補強部材連結用金具35に固定することができる。
さらに、補強部材連結用金具35の垂直プレート部39が図15に示す柱固定用ブラケット45bに相当し、この垂直プレート部39を利用して柱12bの下端部を土台11の上面に固定できるため、作業能率が向上するだけでなく、補強部材連結用金具35と柱固定用ブラケット45bが別体のものと比較して、補強部材連結用金具35の取付強度を向上させることができる。
【0033】
次に、本発明の第3の実施形態を図11〜図15に示す。本発明の第3の実施形態は、図11に示すように、建築物の土台11と柱12a,12bおよび梁、桁等の横架材13とで形成される矩形の空間部14に補強部材15を空間部14の対角方向に沿って架設し、粘弾性ダンパー16の一方の端部を連結金具17aにより補強部材15の下端部に連結するとともに、粘弾性ダンパー16の他方の端部を連結金具17bにより土台11に連結して構成されるものであり、粘弾性ダンパー16は、図12に示すように、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体18と板状剛性部材19とを交互に積層し且つ互いに密着させて形成されている。
【0034】
連結金具17aは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成されている。また、連結金具17aは左右一対のプレート部20a,20b(図12参照)をそれぞれ有し、これらのプレート部20a,20bは片面同士を対向させて連結金具17aに形成されている。
【0035】
粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されている。また、板状剛性部材19は連結金具17aと連結金具17bにそれぞれ形成された複数の連結溝23と嵌合する連結部24を有している。この連結部24は板状剛性部材19の表面から厚さ方向に突出しており、連結溝23と板状剛性部材19の幅方向から嵌合するようになっている。
【0036】
補強部材15は、連結金具17aに片面同士を対向させて形成されたプレート部20a,20bの外側面と嵌合するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されている。また、補強部材15は互いに対向する左右一対の内側面25a,25b(図12参照)を有し、連結金具17aのプレート部20a,20bは補強部材15の外側面側から打ち込まれた複数のビス26により補強部材15の内側面25a,25bに固定されている。
【0037】
連結金具17aにより粘弾性ダンパー16と連結される補強部材15の上端部は、アルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された左右一対の連結用金具27a,27b(図13参照)により横架材13の下面と柱12aの側面上部に連結されている。これらの連結用金具27a,27bのうち連結用金具27aは複数の固定用ネジ28により補強部材15の右側面と横架材13の下面に固定され、連結用金具27bは複数の固定用ネジ29により補強部材15の左側面と柱12aの側面上部に固定されている。
【0038】
土台11はアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成されている。また、土台11は補強リブ34a,34b(図12参照)を有し、これらの補強リブ34a,34bは土台11の上面と下面との間に土台11の側面と平行に形成されている。
【0039】
連結金具17bは連結金具17aと同様にアルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成され、土台11の上面に土台11と一体に押出成形により形成された連結溝36a,36b(図12参照)と土台11の長手方向から嵌合する連結用の凸条部44a,44bを有している。
【0040】
連結溝36a,36bは、土台11の幅方向に断面が逆T字状に形成されている。また、連結溝36a,36bは補強リブ34a,34bの真上に位置するように土台11の上面に形成されている。
柱12a,12bは、図14及び図15に示すように、柱固定用ブラケット45a,45bにより土台11の上面に固定されている。これらの柱固定用ブラケット45a,45bはアルミニウムまたはアルミニウム合金を逆T字状に押出成形して形成され、土台11の上面に形成された連結溝36a,36bと土台11の長手方向から嵌合する突起部46a,46bをそれぞれ有している。
【0041】
また、柱固定用ブラケット45a,45bは柱12a,12bの下端部に形成されたほぞ溝38と嵌合する垂直プレート部47をそれぞれ有し、柱12a,12bの下端部は垂直プレート部47を貫通する複数のドリフトピン42により柱固定用ブラケット45a,45bの垂直プレート部47に固定されている。
【0042】
上述した第3の実施形態では、土台11の上面に押出成形によって形成された連結溝36a,36bと土台11の長手方向から嵌合する連結用の凸条部44a,44bを連結金具17bに設けたことで、連結金具17bを土台11上に固定するためのほぞ穴を土台11の上面に形成したり、連結金具17bと土台11とを接合ピンにより接合するためのピン通し孔を土台11や連結金具17bに形成したりする必要がないので、建築物の土台11と補強部材15の下端部との間に粘弾性ダンパー16を多くの時間と手間を要することなく組み込むことができる。
【0043】
また、連結溝36a,36bを補強リブ34a,34bの真上に形成したことで、凸条部44a,44bを介して連結溝36a,36bに加わる荷重を補強リブ34a,34bで受けることができるため、土台11の圧縮変形等を防止することができる。
また、補強部材15がアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されているため、補強部材15が木材から形成されているものと比較して、圧縮力に対する補強部材15の座屈強度を高めることができる。
【0044】
また、連結金具17aと連結金具17bに形成された複数の連結溝23と板状剛性部材19の幅方向から嵌合する連結部24を板状剛性部材19に設けたことにより、ボルト等を使用せずに粘弾性ダンパー16と連結金具17a,17bとを連結することができ、これにより、部品点数等の削減を図ることができる。
また、粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19と連結金具17a,17bをアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことにより、粘弾性ダンパー16と連結金具17a,17bとで構成される制振装置の軽量化を図ることができ、これにより、補強部材15と土台11との間に制振装置を容易に組み付けることができる。
【0045】
次に、本発明の第4の実施形態を図16に示す。図16に示される第4の実施形態が第1の実施形態や第2の実施形態と異なる点は、補強部材15a,15bの内部に補強リブ43を設けた点であり、このような構成によると補強部材15a,15bの剛性を高めることができる。
なお、上述した第2の実施形態では、土台11の上面に形成された連結溝36a,36bとして、土台11の幅方向に断面が逆T字状のものを例示したが、連結溝36a,36bは土台11の幅方向に断面がL字状に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0046】
11…土台、12a,12b…柱、13…横架材、14…空間部、15a,15b…補強部材、16…粘弾性ダンパー、17a,17b…連結金具、18…振動吸収体、19…板状剛性部材、20a,20b…プレート部、23…連結溝23…連結部24a,25b…補強部材の内側面、26…ビス、28,29,31,32…固定用ネジ、27a,27b,30a,30b,35…補強部材連結用金具、34a,34b,43…補強リブ、36a,36b…連結溝、37a,37b…連結突起部、38…ほぞ溝、39…垂直プレート部、40a,40b…ボルト、41a,41b…ナット、42…ドリフトピン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の土台と柱および横架材とで形成される矩形の空間部に補強部材を前記空間部の対角方向に沿って架設するとともに、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体と板状剛性部材とを交互に積層し且つ互いに接着させて形成された粘弾性ダンパーを前記補強部材の間に前記空間部の対角方向に沿って配置し、前記補強部材と前記粘弾性ダンパーの少なくとも一方の端部とを連結金具により連結して構成される建築物の制振構造であって、
前記補強部材はアルミニウムまたはアルミニウム合金の中空押出材からなり、前記連結金具は前記補強部材の中空部に挿入されていることを特徴とする建築物の制振構造。
【請求項2】
前記連結金具に形成された複数の連結溝と前記板状剛性部材の幅方向から嵌合する連結部を前記板状剛性部材に設けたことを特徴とする請求項1記載の建築物の制振構造。
【請求項3】
前記板状剛性部材と前記連結金具をアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことを特徴とする請求項1または2記載の建築物の制振構造。
【請求項4】
前記補強部材の一方の端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された一対の補強部材連結用金具により前記柱の側面上部と前記横架材の下面に連結され、他方の端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された一対の補強部材連結用金具により前記土台の上面と前記柱の側面下部に連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の建築物の制振構造。
【請求項5】
前記土台がアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成され、かつ前記補強部材の一方の端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金を逆T字状に押出成形して形成された補強部材連結用金具により前記土台の上面に連結されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の建築物の制振構造。
【請求項6】
前記補強部材連結用金具は前記土台の上面に押出成形により形成された複数の連結溝と前記土台の長手方向から嵌合する複数の連結用突起部を有することを特徴とする請求項5記載の建築物の制振構造。
【請求項7】
前記補強部材連結用金具は前記柱の下端部に形成されたほぞ溝と嵌合する垂直プレート部を有することを特徴とする請求項5または6記載の建築物の制振構造。
【請求項8】
前記補強部材の一方の端部が前記垂直プレート部を貫通する複数のボルトと該ボルトに螺合する複数のナットにより前記垂直プレート部に固定されているとともに、前記柱の下端部が前記垂直プレート部を貫通する複数のドリフトピンにより前記垂直プレート部に固定されていることを特徴とする請求項7記載の建築物の制振構造。
【請求項1】
建築物の土台と柱および横架材とで形成される矩形の空間部に補強部材を前記空間部の対角方向に沿って架設するとともに、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体と板状剛性部材とを交互に積層し且つ互いに接着させて形成された粘弾性ダンパーを前記補強部材の間に前記空間部の対角方向に沿って配置し、前記補強部材と前記粘弾性ダンパーの少なくとも一方の端部とを連結金具により連結して構成される建築物の制振構造であって、
前記補強部材はアルミニウムまたはアルミニウム合金の中空押出材からなり、前記連結金具は前記補強部材の中空部に挿入されていることを特徴とする建築物の制振構造。
【請求項2】
前記連結金具に形成された複数の連結溝と前記板状剛性部材の幅方向から嵌合する連結部を前記板状剛性部材に設けたことを特徴とする請求項1記載の建築物の制振構造。
【請求項3】
前記板状剛性部材と前記連結金具をアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことを特徴とする請求項1または2記載の建築物の制振構造。
【請求項4】
前記補強部材の一方の端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された一対の補強部材連結用金具により前記柱の側面上部と前記横架材の下面に連結され、他方の端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された一対の補強部材連結用金具により前記土台の上面と前記柱の側面下部に連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の建築物の制振構造。
【請求項5】
前記土台がアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成され、かつ前記補強部材の一方の端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金を逆T字状に押出成形して形成された補強部材連結用金具により前記土台の上面に連結されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の建築物の制振構造。
【請求項6】
前記補強部材連結用金具は前記土台の上面に押出成形により形成された複数の連結溝と前記土台の長手方向から嵌合する複数の連結用突起部を有することを特徴とする請求項5記載の建築物の制振構造。
【請求項7】
前記補強部材連結用金具は前記柱の下端部に形成されたほぞ溝と嵌合する垂直プレート部を有することを特徴とする請求項5または6記載の建築物の制振構造。
【請求項8】
前記補強部材の一方の端部が前記垂直プレート部を貫通する複数のボルトと該ボルトに螺合する複数のナットにより前記垂直プレート部に固定されているとともに、前記柱の下端部が前記垂直プレート部を貫通する複数のドリフトピンにより前記垂直プレート部に固定されていることを特徴とする請求項7記載の建築物の制振構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−17194(P2011−17194A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162749(P2009−162749)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【出願人】(502444733)日軽金アクト株式会社 (107)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【出願人】(502444733)日軽金アクト株式会社 (107)
【Fターム(参考)】
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