説明

建築者の測定及び罫引き用工具

本発明の或る態様では、建築者の測定及び罫引き工具を提供している。本工具は、第1側辺と、第1側辺に対し垂直に伸張する第2側辺と、第1及び第2側辺と交差して直角三角形の斜辺を形成する第3側辺とを含む、直角三角形の形状をした平板状の部材を有する。本工具は、更に、第3側辺から内側に間隔を空けて配置され、第3側辺に平行な少なくとも1つの直線状の辺によって境界が定められている細長開口部を備えている。本工具は、更に、細長開口部の少なくとも1つの直線状の辺に沿って形成されている第1隅木谷木罫引き目盛を備えている。更に、本工具は、細長開口部の少なくとも1つの直線状の辺に平行な第1内側側辺と、第1内側側辺に沿って形成されている第2隅木谷木罫引き目盛を有する開口部を備えている。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、35合衆国法典ξ119(e)の利益を主張し、2003年3月7日出願の米国特許仮出願第60/453,099号を参照し本発明の一部とするものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、屋根ふき又は構造物の骨組みに使用するための屋根ふき用直角定規の様な測定及び罫引き用工具の分野に関する。
様々な三角形の屋根ふき用直角定規が基本的な屋根の建築に使用されることは既知である。これらを使えば、大工は、普通垂木や、隅木及び谷木を含め、屋根の骨組みを作るための様々な種類の垂木を測定し切断することができる。例えば、既知の屋根ふき用直角定規を使えば、ユーザーは、ライズ測定用の物差しのような1つの測定物差しだけを使って、隅木及び谷木の垂直切断印を付けることができる。
【0003】
更に、既知の屋根ふき用直角定規を使えば、大工は、直角定規の特定の造形部を鉛直線と整列させることによって垂木に水平、即ち、シートカットの欠き込みを罫引くことができる。この造形部の唯一の目的は、シートカットの欠き込みを罫引くことである。異なる機能を実施するための別の構造を直角定規に加えるとすれば、シートカット欠き込み造形部の位置と形状を変更する必要が生じるであろう。これは、大工が、造形部を鉛直線と正確に整列させるのをより困難にするので、シートカット欠き込み造形部の効果に悪影響を与える。
【0004】
従って、屋根の骨組みを作るための垂木に様々な種類の切断部を罫引くための簡単で効果的な手段を有する屋根ふき用直角定規が必要とされてきた。。
【発明の開示】
【0005】
本発明のひとつの態様では、建築者の測定及び罫引き工具を提供している。この工具は、第1側辺と、第1側辺に対し垂直に延びる第2側辺と、第1及び第2側辺と交差して直角三角形の斜辺を形成する第3側辺とを含む直角三角形を有する平板状の部材を備えている。本工具は、また、第3側辺から内側に間隔を空けて配置され、第3側辺に平行した少なくとも1つの直線状の辺によって境界が定められている細長開口部を備えている。本工具は、更に、細長開口部の少なくとも1つの直線状の辺に沿って形成されている第1隅木谷木罫引き目盛を備えている。更に、本工具は、細長開口部の少なくとも1つの直線状の辺に平行な第1内側側辺と、第1内側側辺に沿って形成されている第2隅木谷木罫引き目盛とを有する開口部を備えている。
【0006】
本発明の別の態様でも、建築者の測定及び罫引き工具を提供している。この工具は、第1側辺と、第1側辺に対し垂直に延びる第2側辺と、第1及び第2側辺と交差して直角三角形の斜辺を形成する第3側辺とを含む直角三角形を有する平板状の部材を備えている。本工具は、更に、第3側辺から内側に間隔を空けて配置され、第3側辺に平行な相対する直線状の辺によって境界が定められている細長開口部を備えている。本工具は、更に、第2側辺から内側に間隔を空けて配置され、第2側辺に平行な少なくとも1つの罫書き辺を有する罫書き棒状部を備えている。罫書き辺は、第1側辺から所定の距離に少なくとも1つの欠刻を含んでいる。更に、本工具は、互いに直角に交差する第1内側側辺及び第2内側側辺と、直角三角形開口部の斜辺となる第3内側側辺とを有する直角三角形形状の開口部を備えている。第3内側側辺は、細長開口部の相対する直線状の辺に平行である。
【0007】
本発明の更に別の態様でも、建築者の測定及び罫引き工具を提供している。この工具は、第1側辺と、第1側辺に対し垂直に延びる第2側辺と、第1及び第2側辺と交差して直角三角形の斜辺を形成する第3側辺とを含む直角三角形を有する平板状の部材を備えている。第1側辺と第2側辺の交点が枢軸点である。本工具は、更に、第2側辺が工作物上をわたって配置されるときに、工作物に当接させる、第1側辺に沿った当接手段を備えている。本工具は、更に、第1側辺からの距離を印すための、材木の標準的な幅に相当する所定の距離を含む第2側辺に沿って形成されている距離罫書き目盛を備えている。本工具は、更に、角を罫引き、普通垂木の鉛直線に対する度数測定値を罫引くための、第3側辺に沿って形成されている角度罫書き目盛を備えている。本工具は、更に、第2側辺から内側に間隔を空けて配置されている罫書き棒状部を備えている。罫書き棒状部は、第2側辺に平行な少なくとも1つの罫書き辺を有している。罫書き辺は、材木の標準的な幅に相当する第1側辺からの所定距離に、少なくとも1つの欠刻を含んでいる。本工具は、更に、第3側辺から内側に間隔を空けて配置され、第3側辺に平行な相対する直線状の辺によって境界が定められている細長開口部を備えている。本工具は、更に、普通垂木の鉛直線に対してライズ値を罫引くための、細長開口部の第1の直線状の辺に沿って形成されている普通垂木罫引き目盛を備えている。本工具は、更に、隅木及び谷木の鉛直線に対してライズ値及び度数測定値を罫引くための、細長開口部の第2の直線状の辺に沿って形成されている第1隅木谷木罫引き目盛を備えている。本工具は、更に、互いに直角に交差する第1内側側辺及び第2内側側辺と、直角三角形開口部の斜辺となる第3内側側辺とを有する直角三角形形状の開口部を備えている。第3内側側辺は、細長開口部の相対した直線状の辺に平行である。本工具は、更に、ライズ値及び度数測定値の内の、第1隅木谷木罫引き目盛を使って罫引かれていないどちらか一方を罫引くための、第3内側側辺に沿って形成されている第2隅木谷木罫引き目盛を備えている。本工具は、更に、第1内側側辺に沿って形成され、第2側辺からの距離を表示している直線状罫引き目盛を備えている。
【0008】
本発明の更に別の態様では、建築者の測定及び罫引き工具を使ってシートカット欠き込みを工作物に罫引く方法を提供している。この工具は、直角三角形を有する平板状の部材であって、第1側辺及び第1側辺に対して垂直に延びる第2側辺と、第1側辺に沿う当接手段と、第1側辺からの距離を印すための、材木の標準的な幅に相当する所定の距離を含み第2側辺に沿って形成されている距離罫引き目盛と、第2側辺から内側に間隔を空けて配置され、第1側辺から所定の距離に配置されている少なくとも1つの欠刻を含む、第2側辺に平行な少なくとも1つの罫書き辺を有する罫書き棒状部と、を有する。本方法は、工作物に鉛直線を引く段階と;建築者の測定及び罫引き工具を、工作物上に、当接手段を工作物の側辺に沿わせて配置する段階と;建築者の測定及び罫引き工具を、工作物の側辺に沿って、所定の距離を示す距離罫引き目盛が鉛直線と重なるまで滑動させる段階と;建築者の測定及び罫引き工具を、第1側辺と第2側辺の交点で画定される枢軸点を中心として、鉛直線が、所定の距離を示す距離罫引き目盛と、第1側辺から所定の距離に配置されている罫書き棒の欠刻の両方と交差するまで、回転させる段階と;シートカット欠き込み切断線を、工具の第2の直線状の辺に沿って、鉛直線から工作物の側辺まで罫引く段階を含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明による建築者の測定及び罫引き工具2は、図1と図2に示される。代表的な工具2には、メートル法測定単位を画定する様々な目盛が設けられている。しかしながら、容易に理解頂けるように、メートル法の尺度が本発明を実施するための唯一の測定尺度ではなく、工具2には、英国の測定単位インチの様な他の測定単位を画定する目盛を使用することもできる。
【0010】
図1に示すように、建築者の測定及び罫引き工具2は、時には屋根ふき用直角定規とも呼ばれる直角三角形の周辺形状を有する平板状部材4を備えており、第1側辺6と第2側辺10が、それぞれの第1端部8と第1端部12で互いに直角に交わり、枢軸点9を形成している。平板状部材4は、更に、直角三角形工具2の斜辺を形成する、対向する端部16及び20を有する第3側辺14を有している。第3側辺14は、一方の端部16で、第1側辺6と第1側辺の反対側の端部18で交差しており、その反対側の端部20で、第2側辺10と第2側辺の反対側の端部22で交差している。
【0011】
測定及び罫引き工具2は、図2に示すように、一方の方向に面する第1平面24と、反対の方向に面する第2平面26を有しており、両平面は平行で、例えば、約16分の3インチから4分の1インチの距離だけ離れた面である。第1の平滑で直線状の壁面28は、そのような両平面の間を第2側辺10に沿って延び罫引き辺を形成し、この罫引き辺に沿って鉛筆を滑らせ直線状の平滑な線を引くことができるようになっている。第2の平滑で直線状の壁面30は、両平面の間を第3側辺14に沿って延び、これも工具2のこの側辺に沿って平滑な罫引き辺を形成している。
【0012】
図2に示されるように、T字型の棒32は、第1側辺6に沿って設けられており、第1平面24から垂直に、これに向かって内向きに向いた、約4分の1インチの短い距離だけ外方向に突出する平面を有する第1棚状突起34と、第2の反対向きの平面26から垂直に、これに向かって内向きに向いた、約四分の一インチの短い距離だけ外方向に突出する平面を有する第2棚状突起36とを有している。T字棒32は、外方向に工具2から遠ざかる方向に向いた反対側平面38を有している。第1及び第2第2棚状突起34と36のこれらの寸法は、実例であって、限定を加えるものではない。当業者には容易に分かることであるが、T字棒32は、別の寸法でもよく、第1側辺6が当たるストッパになるのであれば、棚状突起34及び36の代わりの当接手段として、他の突出部、リップ又はフランジを用いてもよい。
【0013】
図1に戻るが、第2側辺10は、第1側辺6の端部8に隣接する端部12を起点とする距離罫引き目盛40をその側辺に沿って有している。本実施形態では、距離罫引き目盛40は、第1平面24と第2平面26の両方に、0.5センチメートル刻みで形成されており、数字は、第1側辺6の端部8から最初の1センチメートル離れていることを示す数字1で始まり、それぞれ順次対応するセンチメートルを示している。
【0014】
斜辺即ち第3側辺14には、角度罫引き目盛42が、第1平面24と第2平面26の両方に、その側辺に沿って形成されている。本実施形態では、角度罫引き目盛42は、第1側辺6の端部18に隣接する第3側辺の端部16から始まる度数の尺度を画定している。
【0015】
本発明による測定及び罫引き工具2は、更に、第2側辺10に平行に配置され、そこから内側に、例えば約8分の5インチの距離だけ間隔を空けて配置される罫書き棒状部44を含んでいる。罫書き棒状部44は、平行な罫書き辺44a及び44bによって境界が定められており、各辺は、第2側辺10に沿って形成されている距離罫引き目盛40に対応する欠刻46を有している。本実施形態では、連続する欠刻46は、罫書き辺44aと44bの間で互い違いになっており、連続する欠刻46の間の0.5センチメートルの増加を定めている。この形状構成は、また、罫書き辺44aと44bに形成されている隣接する欠刻46の間が1センチメートルとなっている。罫書き棒状部44は、第1側辺6の端部8から、10.5センチメートルの距離、即ち製材又は材木の標準的なメートル法の幅、に形成されている罫引き目盛40aに対応する欠刻46aを含んでいる。
【0016】
本発明による測定及び罫引き工具2は、平行する直線状の辺52と54によって境界を定められている細長開口部50を含んでいる。この開口部は、直角定規2の斜辺即ち第3側辺14に平行であり、そこから内側に、例えば約1と4分の1インチの距離だけ間隔を空けて配置されている。第1隅木谷木罫引き目盛58は、第1平面24と第2平面26の両方に、細長開口部50の直線状の辺52に沿って形成されている。本実施形態では、例えば、第1隅木谷木罫引き目盛58は、隅木及び谷木の鉛直線を測定するため度数の尺度を規定している。
【0017】
普通垂木罫引き目盛56は、普通垂木に対する鉛直線を測定するために、第1平面24と第2平面26の両方に、細長開口部50の直線状の辺54に沿って形成されている。本実施形態では、例えば、普通垂木罫引き目盛56は、垂木の水平距離10センチメートル毎に上昇するセンチメートル高さに相当するライズ値の尺度を規定している。
【0018】
測定及び罫引き工具2は、更に、互いに直角に交わる第1内側側辺62及び第2内側側辺64と、斜辺となる第3内側側辺66とを有する直角三角形形状のほぼ三角形の開口部60を含んでいる。斜辺即ち第3内側側辺66は、細長開口部50の直線状の辺52及び54に平行であり、直線状の辺54から、例えば約4分の3インチの距離だけ間隔を空けて配置されている。三角形開口部60の第1内側側辺62は、工具2の第1内側側辺6に平行であり、その内側に、例えば約8分の5インチの距離だけ間隔を空けて配置されている。三角形開口部60の第2内側側辺64は、工具2の第2側辺10に平行であり、そこから内側に、例えば2インチの距離だけ間隔を空けて配置されている。特に、第2内側側辺64は、第2側辺10から内側に、製材又は材木の標準的なメートル法の間柱の寸法に相当する距離だけ間隔を空けて配置されている。更に、罫書き棒状部44の罫書き辺44aは、第2側辺10から内側に、製材又は材木の標準的なメートル法の間柱の寸法の半分に相当する距離だけ間隔を空けて配置されている。
【0019】
第2の隅木谷木罫引き目盛68は、隅木及び谷木に鉛直線を測定するために、第1平面24と第2平面26の両方に、三角形開口部60の斜辺である第3内側側辺66に沿って形成されている。本実施形態では、第2の隅木谷木罫引き目盛68は、第1の隅木谷木罫引き目盛58とは異なる尺度、例えば、垂木の水平距離約14センチメートル毎に上昇するセンチメートル高さに相当するライズ値の尺度を規定している。切り込み70と72は、それぞれ、ユーザーが、第3内側側辺66の両端付近に形成されている第2隅木谷木罫引き目盛68を使って隅木及び谷木に測定値を罫引きできるように、第1及び第2の内側側辺62及び64と交差している斜辺即ち第3内側側辺66の両端に形成されているのが望ましい。
【0020】
直線状の罫引き目盛74は、直角定規2の互いに反対方向を向く平面24と26両方に、三角形開口部60の第1内側側辺62に沿って形成され、内側側辺62沿って工具2の第2側辺10からの距離を表す印で始まっている。本実施形態では、例えば、直線状の罫引き目盛74は、1センチメートル刻みで形成されており、数字は、第2側辺10から6センチメートル離れていることを示す数字6で始まり、それぞれ順次対応するセンチメートルを示している。
【0021】
詳述された本発明による測定及び罫引き工具2の1つの使用法は、普通垂木として用いられる製材又は材木に、業界でバーズマウスと呼ばれている欠き込みの様な三角形の欠き込み切断部を罫引くことである。この部分は切除され、普通垂木が母屋の壁面から所望の角度で斜め上方向に伸張するとき、母屋の壁面を受け入れ、そこに据える欠き込みである。図3は、工作物102のバーズマウス106を示している。バーズマウス106の一方の側辺は、母屋の垂直の側壁に当接し垂直に伸張し、バーズマウスの他方の側辺は、水平方向に伸張し、母屋の上向きで水平方向に伸張する面の上に据えられる。
【0022】
図4に示すように、先ず鉛直線100が、普通垂木に加工されることになる工作物102に引かれる。この場合、鉛直線100は、普通垂木を所定の位置に配したときに垂直になる。鉛直線100を罫引くには、ユーザーは、工具2を工作物102の上に、T字棒32を工作物102の側辺104に沿って押し付けて配置し、工具を工作物上の所望の位置まで滑動させる。工具は、第1側辺6の端部18が、普通垂木罫引き目盛56の所望のライズ値が側辺104と整列するまで、工作物102の側辺104から離れる方向に、枢軸点9を中心に回される。或いは、ユーザーは、工具を、角度罫引き目盛42の所望の度数測定値が側辺104と整列するまで、側辺104から離れる方向に回転させてもよい。普通垂木の鉛直線100は、工具2の第2側辺10に沿って引かれる。
【0023】
次に、工具2を裏返して工作物102の上に、バーズマウス106を切り欠くことになる工作物102の側辺104に沿ってT字棒32を押し付けて配置する。直角定規2の第2側辺10は、工作物の内側に伸張し、距離罫引き目盛40の10.5センチメートルの目盛40aを、製材又は材木の標準的なメートル法の幅に相当する10.5センチメートルの距離だけ内側に配置する。ユーザーは、工具2を、工作物102の辺104に沿って、10.5センチメートルの目盛40aが鉛直線100と重なるまで滑動させる。次に、図5に示すように、直角定規2を、枢軸点9を中心として、10.5センチメートルの目盛40aが垂直線100に重なった状態で、垂直線100が、10.5センチメートルの目盛40a及び罫書き棒状部44の対応する欠刻46aと交差するまで、回転させる。
【0024】
直角定規2をこの位置まで回転させると、第2側辺10は、垂直線100に対して垂直に伸張する。次に、切断線108を、第2側辺10に沿って垂直線100から工作物102の辺104まで引く。この切断線108は、垂直線100に対し直角に伸張する。次に、バーズマウス106を、図5に示すように、切断線108と、鉛直線100上を工作物102の辺104から前述の切断線108との交点まで切断する。このようにすると、普通垂木が母屋から正しい対角位置で所望の角度で伸張するとき、垂直線100に沿うバーズマウス106の部分は、母屋の垂直の辺と垂直に当接し、切断線108に沿って切断された部分は、母屋の水平な面と水平に当接しこれに載る。
【0025】
詳述された本発明による測定及び罫引き工具2の別の使用法は、第1及び第2の隅木谷木罫引き目盛58と68を使って隅木及び谷木に鉛直線を罫引くことである。具体的には、工具2を、工作物の上に、T字棒32を工作物の側辺に沿って押し付けた状態に配置する。工具2を、枢軸点9を中心に、第2隅木谷木罫引き目盛68の所望のライズ値が工作物の側辺と整列するか、第1隅木谷木罫引き目盛58の所望の度数測定値が工作物の側辺と整列するまで、第1側辺6の端部18が工作物の側辺から離れる方向に回す。隅木谷木の垂直線が、工作物上に、工具2の第2側辺10に沿って引かれる。
【0026】
詳述された本発明による測定及び罫引き工具2は、工作物の辺に垂直な線又は工作物の辺に平行な線を罫書くのに用いることもできる。具体的には、工具2を、工作物の上に、T字棒32を工作物の側辺に沿って押し付けた状態に配置する。垂直線を罫書くには、ユーザーは、工作物上に、工具2の第2側辺10に沿って線を引く。平行線を罫書くには、ユーザーは、罫書き棒44の欠刻46に鉛筆を置き、T字棒32を側辺に沿って押し付けたまま、工具2を工作物の側辺に沿って滑動させる。
【0027】
更に、詳述された本発明による測定及び罫引き工具2は、製材又は材木に対応する標準的な間柱の寸法に対応する、例えば敷板のような工作物の辺に垂直な一対の線を罫書くのに用いることもできる。具体的には、工具2を、工作物の上に、T字棒32を工作物の側辺に沿って押し付けた状態に配置する。ユーザーは、工作物上に、工具2の第2側辺10に沿って第1線を引き、三角形開口部60の第2内側側辺64に沿って第2線を引く。第1及び第2線は、工作物上の間柱の配置を描く。ユーザーは、罫書き棒44の罫書き辺44aに沿って工作物上に線を引くことによって、間柱の中心線を罫書くこともできる。
【0028】
更に、詳述された本発明による測定及び罫引き工具2は、鋸ガイドとして使用することもできる。例えば、ユーザーは、普通垂木又は隅木谷木に鉛直線を罫引くのに、上述の方法で、枢軸点9を工作物の側辺に沿って押し付けた状態で、工具2を工作物の上に配置することができる。次に、ユーザーは、鋸を工具2の側辺10に沿って走らせて工作物に所望の切断を施すことができる。当業者には理解頂けるように、工具2は、更に、工具の斜辺即ち第3側辺14に沿って形成されている角度罫引き目盛42を使って様々な角度をレイアウト又は測定するためのプロテクターか、或いは工作物を90度の角度と45度の角度に整列させる留め継ぎ用定規として使用することもできる。
【0029】
本発明を、特定の例示となる実施形態を参照して説明し、図示したが、本発明は、これら例示の実施形態に限定されるものではない。当業者には、特許請求の範囲に定義する本発明の真の範囲と精神から逸脱することなく、変更及び修正を加えることができることは、明らかなところである。従って、特許請求の範囲の内容とその等効物の範囲内の全ての変更及び修正は、本発明に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による建築者の測定及び罫引き工具の平面図である。
【図2】図1の建築者の測定及び罫引き工具の部分立面図である。
【図3】普通垂木のバーズマウス、即ちシートカットを示している。
【図4】普通垂木に鉛直線を罫引くのに用いられる図1の建築者の測定及び罫引き工具の斜視図である。
【図5】普通垂木にシートカット、即ちバーズマウスを罫引くのに用いられる図1の建築者の測定及び罫引き工具の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側辺と、該第1側辺に対し垂直に延びる第2側辺と、該第1及び第2側辺と交差して直角三角形の斜辺を形成する第3側辺とを含む平板状部材と、
該第3側辺から内側に間隔を空けて配置され、該第3側辺に平行な少なくとも1つの直線状の辺によって境界が定められている細長開口部と、
該細長開口部の該少なくとも1つの直線状の辺に沿って形成される第1隅木谷木罫引き目盛と、
該細長開口部の該少なくとも1つの直線状の辺に平行な第1内側側辺を有する開口部と、
該第1内側側辺に沿って形成されている第2隅木谷木罫引き目盛

を有する建築者の測定及び罫引き工具。
【請求項2】
更に、該細長開口部の第2の直線状の辺に沿って形成されている、ライズ単位値を使って測定される普通垂木罫引き目盛を有する、請求項1に記載の建築者の測定及び罫引き工具。
【請求項3】
該第1隅木谷木罫引き目盛が、ライズ単位値と度数測定値の内の1つを使って測定され、該第2隅棟木谷木罫引き目盛が、第1隅木谷木罫引き目盛を使って罫引きされない該ライズ単位値と該度数測定値の内の1つを使って測定される、請求項2に記載の建築者の測定及び罫引き工具。
【請求項4】
該第2側辺を工作物上を伸張するように配置するときに、該工作物に当接するための、該第1側辺に沿う当接手段を更に備えている、請求項2に記載の建築者の測定及び罫引き工具。
【請求項5】
材木の標準的な幅に相当する所定の距離を含む、該第1側辺からの距離を罫引くための、該第2側辺に沿って形成されている距離罫引き目盛を更に有する、請求項2に記載の建築者の測定及び罫引き工具。
【請求項6】
角度を罫引き、普通垂木の鉛直線に対する度数測定値を罫引くための、該第3側辺に沿って形成されている角度罫引き目盛を更に有する、請求項2に記載の建築者の測定及び罫引き工具。
【請求項7】
該第2側辺から内側に間隔を空けて配置されており、該第2側辺に平行な少なくとも1つの罫書き辺を有し、該少なくとも1つの罫書き辺が、該第1側辺からの該所定の距離に少なくとも1つの欠刻を含んでいる、罫書き棒状部を更に有する、請求項5に記載の建築者の測定及び罫引き工具。
【請求項8】
該開口部が更に、該平板状の部材の該第1側辺に平行な第2内側側辺と、該第2内側側辺に沿って形成され、該平板状の部材の該第2側辺からの距離を表示している直線状の罫引き目盛を含んでいる、請求項1に記載の建築者の測定及び罫引き工具。
【請求項9】
該開口部が更に、該平板状の部材の該第2側辺に平行で、該第2側辺から内側に、間柱の標準的な寸法に相当する所定の距離に間隔を空けて配置されている第3内側側辺を有する、請求項8に記載の建築者の測定及び罫引き工具。
【請求項10】
該罫書き棒状部が、該第2側辺から内側に、間柱の標準的な寸法の半分に相当する所定の距離に間隔を空けて配置されている少なくとも1つの罫書き辺を有する、請求項8に記載の建築者の測定及び罫引き工具。
【請求項11】
建築者の測定及び罫引き工具において、
直角三角形を有し、第1側辺と、該第1側辺に対し垂直に伸張する第2側辺と、該第1及び第2側辺と交差して該直角三角形の斜辺を形成する第3側辺とを有する平板の状部材と、
該第3側辺から内側に間隔を空けて配置され、該第3側辺に平行な相対する直線状の辺によって境界が定められている細長開口部と、
該第2側辺から内側に間隔を空けて配置され、該第2側辺に平行な少なくとも1つの罫書き辺を有する罫書き棒状部であって、前記少なくとも1つの罫書き辺が、材木の標準的な幅に相当する該第1側辺から所定の距離に少なくとも1つの欠刻を含む、罫書き棒状部と、
直角三角形の開口部であって、互いに直角に交差する第1内側側辺及び第2内側側辺と、該直角三角形開口部の斜辺となる第3内側側辺とを有し、該第3内側側辺が、該細長開口部の該相対する直線状の辺に平行である、直角三角形の開口部と、
を有する建築者の測定及び罫引き工具。
【請求項12】
直角三角形を有し、第1側辺と、該第1側辺に対し垂直に伸張する第2側辺と、該第1及び第2側辺と交差して該直角三角形の斜辺を形成する第3側辺とを含み、該第1側辺と前記第2側辺の交点が枢軸点を画定する、平板状の部材と、
該第2側辺が工作物上を伸張するように配置するときに、前記工作物に当接させるための、該第1側辺に相当接手段と、
材木の標準的な幅に相当する所定の距離を含む、該第1側辺からの距離を罫引くための、該第2側辺に沿って形成されている距離罫引き目盛と、
角度を罫引き、普通垂木の鉛直線に対する度数測定値を罫引くための、該第3側辺に沿って形成されている角度罫引き目盛と、
該第2側辺に平行な少なくとも1つの罫書き辺を有する該第2側辺から内側に間隔を空けて配置されている罫書き棒状部であって、前記少なくとも1つの罫書き辺が、該第1側辺から前記所定の距離に少なくとも1つの欠刻を含む、罫書き棒状部と、
該第3側辺から内側に間隔を空けて配置されており、該第3側辺に平行な相対する直線状の辺によって境界が定められている細長開口部と、
普通垂木の鉛直線に対してライズ値を罫引くための、該細長開口部の第1の直線状辺に沿って形成されている垂木罫引き目盛と、
隅木谷木の鉛直線に対してライズ値及び度数測定値の内の1つを罫引くための、該細長開口部の第2の直線状の辺に沿って形成されている第1隅木谷木罫引き目盛と、
直角三角形の開口部であって、互いに直角に交差する第1内側側辺及び第2内側側辺と、該直角三角形開口部の斜辺となる第3内側側辺とを有し、該第3内側側辺が該細長開口部の相対する直線状の辺に平行である、開口部と、
該第1隅木谷木罫引き目盛を使って罫引かれていない、該ライズ値及び該度数測定値の内のどちらか一方を罫引くための、該第3内側側辺に沿って形成される第2隅木谷木罫引き目盛と、
該第1内側側辺に沿って形成され、該第2側辺からの距離を表示する直線状の罫引き目盛と、
を有する建築者の測定及び罫引き工具。
【請求項13】
建築者の測定及び罫引き工具を使って、工作物にシートカット欠き込みを罫引く方法であって、該工具が、直角三角形を有する平板状の部材を有し、第1側辺及び該第1側辺に対して垂直に伸張する第2側辺と、該第1側辺に沿う当接手段と、材木の標準的な幅に相当する所定の距離を含む、該第1側辺からの距離を罫引くための該第2側辺に沿って形成されている距離罫引き目盛と、該第2側辺から内側に間隔を空けて配置され、該第1側辺から前記所定の距離に配置される少なくとも1つの欠刻を含む、該第2側辺に平行な少なくとも1つ罫書き辺を有する罫書き棒状部と、を含む、該方法において、
該工作物に鉛直線を引く段階と、
該建築者の測定及び罫引き工具を、該工作物の上に、該当接手段を該工作物の側辺に沿わせて配置する段階と、
該建築者の測定及び罫引き工具を、該工作物の該側辺に沿って、該所定の距離を罫引くための該距離罫引き目盛が該鉛直線と重なるまで滑動させる段階と、
該建築者の測定及び罫引き工具を、該第1側辺と該第2側辺の交点で画定される枢軸点を中心にして、該鉛直線が、該所定距離を罫引くための該距離罫引き目盛と、該第1側辺から前記所定の距離に配置される該罫書き棒状部の前記少なくとも1つの欠刻とに交差するまで、回転させる段階と、
シートカット欠き込みを、該工具の該第2の直線状の辺に沿って、該鉛直線から該工作物の該側辺まで罫引く段階と
を有する方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−520002(P2006−520002A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509210(P2006−509210)
【出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/006910
【国際公開番号】WO2004/081487
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505338408)スワンソン, トゥール, カンパニー, インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SWANSON, TOOL CO., INC.
【住所又は居所原語表記】211 Ontario Street, Frankfort, IL 60423 US
【Fターム(参考)】