説明

建設機械の有界制限器具用の液圧流体管理

作業機械(10)のアクチュエータ(32A、32B、32C、34)間に液圧流体を割り当てる方法が、第1の要求流体流量を第1アクチュエータに供給するための第1の指令と、第2の要求流体流量を第2アクチュエータに供給するための第2の指令とを受け取る。この場合、第1アクチュエータは、操舵アクチュエータ(34)のような有界制限されるアクチュエータである。本システムは、第1および第2の指令(104)を次のように調整して、調整された第1および第2の流体流量に対応する調整された第1および第2の指令(108)を生成する。すなわち、本システムは、調整された第1および第2の流体流量の合計が、最大利用可能流量(303)よりも少ないかまたはそれに等しくなるように、かつ、調整された第1の流体流量が、第1の要求流体流量と、エンジン速度または他の変数の関数であるしきい値曲線(304)との小さい方に合致するかまたはそれを超えるように、第1および第2の指令を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には液圧システムに関し、さらに具体的には、作業工具選択に関連する機能構成可能な流量制御を有する液圧システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの作業機械が多様な仕事を遂行するために多数の液圧アクチュエータを使用する。このような作業機械の非限定的な例として、ブルドーザ、ローダ、掘削機、自動グレーダ、およびその他のタイプの重機械が含まれる。このような作業機械の液圧アクチュエータは、流体の流れラインを介して、液圧アクチュエータに加圧流体を供給する作業機械付属のポンプに連結される。種々のアクチュエータ内部のチャンバは、加圧流体を、操作者の要求または他の信号に応じて、制御された流量および/または圧力において受け入れる。このような作業機械は、ほとんど、多数のアクチュエータを同時に使用し得るように設計されるが、いくつかの状況においては、要求される流体流量が、特に単一ポンプが用いられている場合に、流体ポンプの出力能力を超えることがある。アクチュエータの1つに供給される流体の流量が、作業機械の操作者または制御システムが要求する流量よりも少なくなると、影響を受けるアクチュエータは、過度に緩慢に、過度に穏やかに応答し、あるいはそれ以外に、予期しない態様に挙動する可能性がある。
【0003】
この問題に対して、当該技術分野においては種々の解決策が開発されてきた。付属するポンプの能力よりも大きい流体流量の要求に適応する1つの方法が、Devierらによる「優先度に基づく流量制御を備えた液圧システム」という表題の(特許文献1)に記述されている。この(特許文献1)は、複数個の流体アクチュエータの第1タイプまたは第2タイプのいずれかへの分類を示す入力を受け取るように構成される液圧システム制御器を説明している。複数個の流体アクチュエータに対する所望の流量を示す入力を受け取ると、制御器は加圧源の現在の流量を決定する。要求される全流量に対処できる場合は、制御器はこの流量を要求する。そうでない場合は、制御器は、第1タイプの流体アクチュエータのみに対して所望流量を要求し、第2タイプの流体アクチュエータについては所望流量を減少させる。第1タイプの流体アクチュエータに対する所望流量だけでも、それのみで加圧源の現在の流量を超える場合には、制御器は、すべての流体アクチュエータに対する所望流量を減少させる。従って(特許文献1)の制御器の操作には3つの作動態様がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第20060090459号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書に開示する液圧システムは前記の問題点の1つ以上を解決することを目指している。上記の背景技術に関する議論は、読者への便宜としてのみ意図されたものであることが理解されるべきである。すなわち、それは、本開示または請求項を限定するようには意図されておらず、従って、先行システムのいかなる特定の要素も使用に適していないことを示していると解釈されるべきではなく、また、いかなる要素も、動機となった問題の解決を含めて、本明細書に記載の例または類似の例を実行するのに必須であることを示すものとは意図されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、一態様において、作業機械のアクチュエータ間に液圧流体を割り当てる方法を記述する。この方法は、第1の要求流体流量を第1アクチュエータに供給するための第1の指令と、第2の要求流体流量を第2アクチュエータに供給するための第2の指令とを受け取る。この場合、この第1アクチュエータは、その流体流量が上界および下界の間に制限される有界制限アクチュエータであり、第2アクチュエータは有界制限されないアクチュエータである。本システムは、この第1および第2の指令を次のように調整して、調整された第1および第2の流体流量に対応する調整された第1および第2の指令を生成する。すなわち、本システムは、調整された第1および第2の流体流量の合計が、最大利用可能流量よりも少ないかまたはそれに等しくなるように、かつ、調整された第1の流体流量が、第1の要求流体流量と、エンジン速度の関数であるしきい値曲線との小さい方に合致するかまたはそれを超えるように、第1および第2の指令を調整する。
【0007】
本明細書に開示するシステムおよび方法の他の態様、特徴および実施形態は、添付の図面に関連付けてなされる以下の議論から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】例示的な作業機械の概略側面図である。
【図2】例示的な作業機械の概略平面図である。
【図3】図1および2のような作業機械用の例示的な液圧システムの概略的系統図である。
【図4】図1および2のような作業機械の制御回路を説明する概略図である。
【図5】有界制限器具および非有界制限器具の間の液圧流体の割り当てを示す流量割り当て図である。
【図6】図1および2のような作業機械の内部における有界制限器具および非有界制限器具の間に流体流量を割り当てる制御器が使用し得る代表的なプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、作業機械の複数個の平行回路における液圧流体の流量を制御するシステムおよび方法に関する。特に、制御器は、全回路に対して要求される流量が、例えば作業機械の液圧ポンプからの利用可能な流量を超える時に、平行回路の中の流量の優先度を管理するために1つ以上のしきい値を適用する。本開示は2つ以上のポンプを備えた作業機械に関係するが、本開示の技術は、単一のポンプのみが利用可能である作業機械において特に有利である。単一ポンプの使用は、作業機械の大きさ、エンジンの出力限界またはコストの要件から決められる場合が多いが、このような作業機械においては、不適切な機械性能を防止するために的確に管理された液圧流体の流量を供給することが特に重要である。
【0010】
図1は一例としての作業機械10を示す。作業機械10は固定式または移動式の機械とすることができ、採掘、建設、農作業、並びに他の産業および環境に関係する作業を支援する。液圧回路を用いる作業機械には、掘削機、ブルドーザ、ローダ、バックホウ、自動グレーダ、およびダンプトラック、並びに多くの他のタイプの作業機械が含まれる。図示の例においては、作業機械10は、フレーム12と、少なくとも1つの器具または工具14と、操作者インターフェース16と、動力源18と、少なくとも1つの牽引装置20とを含む。
【0011】
フレーム12は、一般的に、作業機械10および/または工具14の動きを支持する構造ユニットを含む。フレーム12は、例えば、動力源18を牽引装置20に連結する定置式のベースフレーム、リンク機構の可動フレーム部材、あるいは当該技術分野で知られる他のフレーム装置とすることができる。
【0012】
工具14は、作業機械に支援される作業の遂行に用いられる任意の種類の装置の1つとすることができる。例えば、工具14は、バケット、ブレード、ショベル、リッパ、ダンプベッド、ハンマー、オーガ、または他の適切な作業遂行装置を含むことができる。工具14は、回動、回転、滑動、揺動するように、あるいは当該技術分野で知られる態様でフレーム12に対して相対的に動くように操作可能とすることができる。
【0013】
操作者インターフェース16は、一般的に、作業機械10および/または工具14の所望の動きを指示する入力を、作業機械の操作者から受け取るように構成される。さらに、作業機械10および/または工具14を動かす入力は、付加的にまたは代替的に、自動システムからのコンピュータ発生指令であってもよい。
【0014】
図示の例においては、操作者インターフェース16は、第1操作者インターフェース装置22および第2操作者インターフェース装置24を含む。例えば、第1操作者インターフェース装置22は、運転席の片側に配置される多軸の操作レバーを含むことができ、工具14を位置決めおよび/または方向決めするように構成される比例制御器とすることができる。この構成においては、工具14の動きの速さは、第1操作者インターフェース装置22の作動軸周りの作動位置に関係付けられる。
【0015】
第2操作者インターフェース装置24は、例えば、操作者の足によって作動するように構成されるスロットルペダルを含むことができ、また同様に、牽引装置20の駆動回転を制御するように構成される比例制御器としてもよい。この構成においては、牽引装置20の回転速度が、第2操作者インターフェース装置24の作動位置に関係付けられる。追加的なまたは異なる操作者インターフェース装置を、同様に操作者インターフェース16の中に含める場合がよくあることが考えられる。例えば、ハンドル、ノブ、プッシュプル器具、スイッチおよび当該技術分野で知られる他の操作者インターフェース装置を、操作者インターフェース16に含めることができる。
【0016】
動力源18は、通常、例えばディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、天然ガスエンジンまたは当該技術分野で知られる他のエンジンのようなエンジンである。但し、動力源18は、代わりの方式として、燃料電池、動力貯蔵装置、電気モータまたは当該技術分野で知られる他の動力源のような他の動力源を含むことができる。図示の例においては、牽引装置20は、作業機械10の各側面に配置される履帯を含む(片側のみが図示されている)。しかし、牽引装置20は、車輪、ベルトまたは他の牽引装置を含むことも可能である。牽引装置20は操舵可能であってもなくてもよい。
【0017】
上記の例は、1つの特定のタイプの作業機械に関係するものであるが、他のタイプの作業機械も同様に同じ作業例を遂行することができる。図2に示される移動式機械70はホイールローダシステムであり、このシステムは、可動構成部材71と、可動構成部材71を動かす動力を供給する動力源72と、可動構成部材71の動作を制御する制御装置73とを含む。この移動式機械70は推進系74を含む。可動構成部材71は、移動式機械70を操舵するための操舵力を伝達する操舵装置75、76を含む。操舵装置75、76は、図示の例においては車輪であるが、付加的にまたは代替的に他のタイプの装置を含んでもよい。可動構成部材71は、操舵装置75、76に連結されると共に操舵装置75および操舵装置76の間の操舵角度θの調節を可能にする構成要素を含むことができる。例えば、可動構成部材71は、操舵装置75が取り付けられるフレーム部分77と、操舵装置76が取り付けられるフレーム部分78とを含むことができる。フレーム部分77、78の間のピボット結合79によって、フレーム部分77、78が軸80の回りに互いに相対的に回動し得ることになり、操舵角度θの調節が可能になる。
【0018】
動力源72は、ハウジング81および駆動部材82を有する液圧シリンダに加圧流体を供給する。制御装置73は、通常、必ずではないが、操作者入力装置83と、可動構成部材71および/またはアクチュエータ84の動作に関する情報を収集する手段と、アクチュエータ84を制御する手段とを含むであろう。アクチュエータ84は、リニアアクチュエータ、回転アクチュエータ、あるいは純粋な回転または直線運動以外の動きを生成するタイプのアクチュエータとすることができる。
【0019】
アクチュエータ84は可動構成部材71に駆動連結される。例えば図2に示すように、アクチュエータ84を、各フレーム部分77、78に直接駆動連結して、各フレーム部分77、78を介して操舵装置75、76に間接的に駆動連結することができる。これによって、アクチュエータ84がフレーム部分77、78および操舵装置75、76を駆動することが可能になる。いくつかの実施形態においては、アクチュエータ84が、フレーム部分77および操舵装置75をフレーム部分78および操舵装置76に対して軸80の回りに回動させることによって、操舵角度θを調節し得るような態様で、アクチュエータ84がフレーム部分77、78に連結される。
【0020】
以下の議論は主として図1の作業機械10を参照してなされるが、同じ液圧的および機械的原理は、図2その他に示すような他の作業機械にも等しく当てはまることが理解されるであろう。図3に一般的に表現されるように、作業機械10は、工具14を作動させ、および/または、作業機械10を推進させるために共同して動作する複数個の流体機器を備えた液圧システム26を含む。特に、液圧システム26は、供給流体を貯留するタンク28と、加圧源30とを含む。この加圧源30は、流体を加圧して、加圧された流体を、1つ以上の液圧シリンダ32a〜c、1つ以上の液圧モータ34、および/または当該技術分野で知られる他の任意の付加的な流体アクチュエータに導くように構成される。液圧システム26は、また、液圧システム26のいくつかまたはすべての機器と連絡する制御システム36を含む。図示されていないが、液圧システム26は、一般的に、例えば、アキュムレータ、制限オリフィス、チェック弁、圧力リリーフ弁、メークアップ弁、圧力均衡化流路、および当該技術分野で知られる他の機器のような他の構成機器を含むであろうことが考えられる。
【0021】
タンク28内の流体としては、例えば、専用の液圧作動油、エンジン潤滑油、変速機潤滑油、または当該技術分野で知られる他の適切な流体が含まれる。作業機械10内部の1つ以上の液圧システムが、タンク28から流体を引き抜き、それをタンク28に戻す。一実施形態においては、液圧システム26が多数の分離した流体タンクに接続される。
【0022】
ここでは流体ポンプとも呼称される加圧源30は、加圧流体の流れを作り出すためのものであり、それは、可変容量型ポンプ、固定容量型ポンプ、可変吐出量型ポンプ、または他の加圧流体源とすることができる。加圧源30は、例えば、中間軸38、ベルト(図示なし)、電気回路(図示なし)または他の適切な方式によって動力源18に連結することができ、あるいは、トルクコンバータ、ギヤボックスを介して、または他の適切なシステムで動力源18に間接的に連結してもよい。前記のように、加圧流体を液圧システム26に供給するために、加圧流体の多数個の加圧源を相互接続してもよい。
【0023】
開示された技術においては、加圧源30が供給する流体の流量を測定し得ることが有用である場合が多い。加圧源30からの利用可能な流量は、例えば、加圧源30内部の斜板の角度の検出によって、加圧源30に送られる指令の観察によって、または他の適切な手段によって決定することができる。流量は、また別の方式として、加圧源30から吐出される実際の流量を測定するように構成されるコリオリセンサーのような流量センサーまたはその他の方法によって測定してもよい。他の入力および/またはパラメータに基づいて予想流量を推定することも可能である。加圧源30からの利用可能な流量は、通常、種々の理由から、実際の制限の範囲内で低減または増大することが可能である。例えば、高いポンプ圧力において、要求されるポンプ動力が動力源18からの利用可能な動力を超えないことを確実にするために、加圧源の排出量を低下させることができ、あるいは、液圧システム26内部の圧力を低減または増大するために加圧源の排出量を変化させることができる。
【0024】
液圧シリンダ32a〜cは、工具14を、直接回動軸を介して、また、リンク機構、但し各液圧シリンダ32a〜cがそのリンク機構の1つの要素を形成するリンク機構(図1参照)を介して、あるいは他の何らかの適切な方式で、フレーム12に連結する。各液圧シリンダ32a〜cは、筒体40と、その筒体40の中に配備されるピストン組立品(図示なし)とを含む。筒体40およびピストン組立品の片側をフレーム12に回動可能に連結することができ、筒体40およびピストン組立品のもう一方の側を工具14に回動可能に連結する。またその代わりに、筒体40および/またはピストン組立品を、フレーム12または作業器具14のいずれかに固定的に連結するか、あるいは、フレーム12の2つ以上の部材間に連結してもよい。ピストンは反対側の2つの液圧面を含むことができるが、その一方が第1および第2チャンバのそれぞれと関連している。2つの面に作用する流体圧力に不均衡が生じると、ピストン組立品が筒体40の内部で軸方向に動くことができる。例えば、第1の液圧面に作用する第1液圧チャンバ内の流体圧力が、反対側の第2の液圧面に作用する第2液圧チャンバ内の流体圧力よりも高ければ、ピストン組立品が押し出されて、液圧シリンダ32a〜cの有効長さを増大させることができる。同様に、第2の液圧面に作用する流体圧力が、第1の液圧面に作用する流体圧力よりも高ければ、ピストン組立品は筒体40の内部に引き込まれて、液圧シリンダ32a〜cの有効長さを短縮させることができる。
【0025】
筒体40の内壁とピストンの外側の円筒面との間の流体の流れを抑止するために、Oリングのようなシール材(図示なし)をピストンに装着することができる。液圧シリンダ32a〜cの伸張および短縮は、工具14の動きを支援するように機能することができる。
【0026】
各液圧シリンダ32a〜cは、加圧源30からの加圧流体を第1および第2液圧チャンバのいずれかに計量供給するように機能する少なくとも1つの比例制御弁44と、第1および第2液圧チャンバのもう一方の側から流体をタンク28に排出させるように機能する少なくとも1つのドレーン弁(図示なし)とを含む。一実施形態においては、比例制御弁44はスプリング付勢される比例弁機構を含む。この比例弁機構は、ソレノイド作動され、流体が第1および第2チャンバのいずれかに流入できる第1位置と、流体の流れが第1および第2チャンバから遮断される第2位置との間で動作するように構成される。第1および第2位置間の弁機構の位置が、関連する第1および第2チャンバに送り込まれる加圧流体の流量を決定する。この弁機構は、工具14の所望の動きを作り出す要求流量に応答して、第1および第2位置の間で動くことができる。ドレーン弁は、通常、スプリング付勢される弁機構を含み、この弁機構は、ソレノイド作動され、流体が第1および第2チャンバから流出できる第1位置と、第1および第2チャンバからの流体の流出が遮断される第2位置との間で動作するように構成される。以上に説明した例はソレノイド弁を用いるが、比例制御弁44およびドレーン弁は、代わりの方式として、液圧作動、機械作動、空圧作動、または他の適切な作動方式で作動するものとしてもよい。
【0027】
作業機械10の駆動に関しては、モータ34は、可変容量型モータまたは固定容量型モータとすることができ、加圧源30から加圧流体の流れを受け入れるように構成される。モータ34を通過する加圧流体の流れによって、牽引装置20に連結される出力軸46の回転が惹起され、それによって、作業機械10を推進および/または操舵することができる。モータ34は、代わりの方式として、ギヤボックスを介して、または当該技術分野で知られる他の方式で、牽引装置20に間接的に連結することもできる。さらに、モータ34または他のモータを、牽引装置20以外の、作業機械10上の別の機構に連結してもよい。例えば、モータ34または他のモータを、回転作業器具、操舵機構、または当該技術分野で知られる他の機械機構に連結することができる。モータ34は、モータ34に供給される加圧流体の流量を制御する比例制御弁48を含むことができる。この比例制御弁48はスプリング付勢される比例弁機構を含むことができる。この比例弁機構は、ソレノイド作動され、流体がモータ34を通過して流れることができる第1位置と、流体の流れがモータ34から遮断される第2位置との間で動作するように構成される。第1および第2位置間の弁機構の位置が、モータ34に送り込まれる加圧流体の流量を決定する。
【0028】
制御システム36は、液圧システム26の操作を制御する制御器50を含む。この制御器50は、アプリケーションまたはプログラムを動作させるための、単一のマイクロプロセッサまたは多重マイクロプロセッサと、関連する標準的な電子システム、例えば、バッファ、メモリ、マルチプレクサ、ディスプレイドライバ、電源回路、信号調節回路、ソレノイド駆動回路その他とにおいて具現化される。多くの商業的に入手可能なマイクロプロセッサを、制御器50の機能を実行するように構成することができる。制御器50は、作業機械の多数の機能を制御できる一般的な機械用マイクロプロセッサにおいて具現化し得ることが理解されるであろう。
【0029】
制御器50は、操作者インターフェース16から入力を受け取って、その入力に応答して、液圧シリンダ32a〜cおよびモータ34への加圧流体の流量を制御するように構成される。特に、制御器50は、それぞれ通信線52、54および56を介して液圧シリンダ32a〜cの比例制御弁44と連絡し、通信線58を介してモータ34の比例制御弁48と連絡し、通信線60を介して第1操作者インターフェース装置22と連絡し、通信線62を介して第2操作者インターフェース装置22と連絡している。この実施形態においては、制御器50は、第1操作者インターフェース装置22が発生する比例信号を受け取って、所望の工具の動きを作り出すために、関係する液圧シリンダ32a〜cの第1または第2作動チャンバを選択的に充満させるように1つ以上の比例制御弁44を選択的に作動させる。制御器50は、また、第2操作者インターフェース装置24が発生する比例信号を受け取って、牽引装置20の所望の回転動作を作り出すために、モータ34の比例制御弁48を選択的に作動させる。
【0030】
制御器50は、通信線64を介して加圧源30と連絡しており、加圧流体に対する要求に応答して加圧源30の運転を変えるように構成される。特に、制御器50は、作業機械の操作者が所望する作業機械の動きで、第1および/または第2操作者インターフェース装置22、24によって指示される機械の動きを作り出すために必要な加圧流体の所望の流量(全所望流量)を決定するように構成することができる。制御器50は、さらに、加圧源30の現在の流量と、加圧源30の最大吐出容量とを決定するように構成することができる。制御器50は、全所望流量が現在の流量よりも大きく、かつ、現在の流量が加圧源30の最大吐出容量よりも小さければ、加圧源30の現在の流量を増大するように構成することができる。
【0031】
一実施形態においては、制御器50は、また、以下に詳述する特定の条件の下においては、液圧シリンダ32a〜cおよび/またはモータ34への加圧流体の所望流量を選択的に低減するように構成することができる。特に、指令される全流量が利用可能な流量を超える場合は、液圧シリンダ32a〜cおよび/またはモータ34の1つ以上が加圧流体の十分な流量を受け取らず、作業機械10の関連する動作が予期し得ないものになる可能性がある。
【0032】
概括的に、全所望流量が加圧源30の利用可能な流量を超えることを制御器50が決定すると、液圧シリンダ32a〜cおよび/またはモータ34の1つ以上に対する要求流量を、関連する比例制御弁44、48を第2位置の方向に動かすことによって低下させる。これによって、操作者インターフェース16を介して受け取る入力に応答して、加圧流体の予測可能な流量を、それぞれのこのような実体要素に対して利用できるようにすることが可能になり、従って、作業機械10および工具14の予測可能な動作が提供される。
【0033】
以上の説明から、システムの種々の液圧構成要素が相互作用しかつ制御可能である態様が理解されるであろう。以下においては、流量および動きを制御するための電気機械的システムについては、詳述または言及しないが、制御器50が実行するステップは、そのシステムおよび上記の相互関係を用いて遂行されることが理解されるであろう。
【0034】
図4は、本開示を理解するための手助けとして、作業機械10の制御回路を概念段階において示す概略図100である。操作者制御装置101は、1つ以上の信号102を、所望の機械の動きに対応する弁制御指令104を出力する翻訳アルゴリズム(翻訳モジュール)103に提供する。アルゴリズム102は、上記のいくつかのシステムセンサー105からの入力とも連携して機能することが理解されるであろう。弁制御指令104は、流量推定器107からの利用可能な流体流量を反映するデータと連携して機能する液圧優先度アルゴリズム(均衡化モジュール)106によって処理され、調整された弁指令108が生成される。
【0035】
調整された弁指令108は、さらに、システムセンサー105からのフィードバックに基づく閉ループ変換器(閉ループ変換モジュール)109によって精巧化される。これが必要であるのは、弁制御指令104および調整された弁指令108が経験に基づくものであり、作業機械10の実際の操作環境および/または条件がこれらの値に不正確さをもたらす可能性があるからである。閉ループ変換器109は精巧化された弁制御信号110を出力する。精巧化された弁制御信号110は、当該弁111に供給されて、関連するアクチュエータ112の動作を発現させ、質的には所望の作業機械の動きを発生させる。但しこの場合、その動きの大きさおよび/または速度は、操作者制御装置101によって指令されるものより低くなる可能性がある。
【0036】
液圧流量の優先度を律するしきい値が、要求流量および利用可能流体流量に関して、図5のチャート300に表現されている。チャート300は2つの機能の間の流体に対する競合を想定しており、その1つの機能への流量は最大許容流量301および最小許容流量302の間に有界制限される。供給に利用し得る流体流量は、最大利用可能流量303(MAPF)として示される。最大利用可能流量303は、トルク限界、動力限界、排出量限界、流量限界その他のような機械的停止または電子的停止によって制限されるものとすることができる。曲線303は、中央部分ではエンジン速度に関して線形であるが、より高いエンジン速度においては、流量限界のために平坦な最大値になっている。図示の例においては、最大利用可能流量303は、また、低エンジン速度においては、電子制御器によって課せられる制限のために落ち込んでいる。
【0037】
優先しきい値304は、第1の器具に供給される流量が常にその優先しきい値304に等しいかまたはそれを超えることになるように、第1器具への流量の最低レベルを設定する。図示の例においては、優先しきい値304はエンジン速度の関数であるが、それは、付加的にまたは代替的に、1つ以上の他の機械変数またはパラメータ、例えば作業機械の速度、リンク機構の位置、バケットおよび/またはリフトアームの位置、ポンプ速度、ポンプ圧力等の関数としてもよい。最後に、曲線305は、最大利用可能流量303と、第2(非有界制限)器具に対する全要求器具流量との間の差異を表す。
【0038】
運転において、有界制限される器具は、要求流量と、優先しきい値304が設定する流量との低い方に等しい流量を常に受け取ることが保証される。従って、チャート300は、流体流量の優先度が異なる形で調整される4つの操作領域を表現している。この4つの操作領域に、領域1、領域2、領域3および領域4の符号が付されている。領域1においては、最大利用可能流量303と非有界制限器具に対する要求流量との間の差異が、この領域の内部に含まれる。この場合は、第1(有界制限)器具および第2(非有界制限)器具の間の流体流量を優先付けする必要はなく、従って、各器具はその要求流量を受け取る。
【0039】
領域2(非有界制限器具優先領域)においては、最大利用可能流量303と非有界制限器具に対する要求流量との間の差異が、有界制限器具に対する最大流量限界以下に落ち込むという点で、システムが流量制限される可能性がある。従って、この領域においては、有界制限器具に対する要求流量が、最大利用可能流量303と非有界制限器具に対する要求流量との間の差異を超えると、有界制限器具に対する流量が優先しきい値304に低減される。
【0040】
領域3(非有界制限器具優先領域)においては、最大利用可能流量303と非有界制限器具に対する要求流量との間の差異が、有界制限器具に対する最大流量限界以下に落ち込むという点で、システムが同様に流量制限される可能性がある。しかし、この領域においては、有界制限器具に対する要求流量が、最大利用可能流量303と非有界制限器具に対する要求流量との間の差異を超えると、有界制限器具に対する流量が優先しきい値304に増大される。有界制限器具流量に対するこの増大は、非有界制限器具が要求流量よりも幾分少ない流量を受け取ることによって可能になるのである。
【0041】
領域4(非有界制限器具優先領域)においては、最大利用可能流量303と非有界制限器具に対する要求流量との間の差異が有界制限器具に対する要求流量よりも大きいという点から、システムは流量制限されない。この領域においては、各器具はその要求流量を受け取る。
【0042】
一実施形態においては、制御器50は、チャート300に示される優先度システムを実行して、有界制限器具と少なくとも1つの非有界制限器具とを制御する。制御器50が遂行する最終的な制御指示が、図6のフローチャート400によって概略的に表現されている。初期状態401において、制御器は、MAPFと非有界制限器具の流量要求(Uimp_req)との間の差異が0より小さいか否か、すなわち、利用可能な流量が、非有界制限器具に対する要求流量さえも満たすのに不十分であるか否かを決定する。この条件に適合する場合は、プロセスは状態402に移行し、制御器50は、最大利用可能流量に等しい予備的非有界制限器具流量(Uimp_prelim)を設定して、状態403に移行する。そうでない場合は、プロセスは、直接、状態403に移行し、非有界制限器具の流量要求(Uimp_req)に等しい予備的非有界制限器具流量(Uimp_prelim)を設定する。
【0043】
状態403において、制御器50は、MAPFと予備的非有界制限器具流量(Uimp_prelim)との間の差異が、有界制限器具の流量要求(Bimp_req)より大きいかまたはそれに等しいか否かを決定する。この条件に適合する場合は、プロセス400は、状態405に移行して、ゼロに等しい流量制限フラグ(flow_limited_flag)を設定し、予備的非有界制限器具流量(Uimp_prelim)に等しい実際の非有界制限器具流量(Uimp_actual)を設定し、有界制限器具の要求流量(Bimp_req)に等しい実際の有界制限器具流量(Bimp_actual)を設定して、状態412に移行する。
【0044】
状態403において、上記の条件に適合しない場合は、プロセス400は、1に等しい流量制限フラグ(flow_limited_flag)を設定して、状態406に移行する。状態406において、制御器50は、MAPFと予備的非有界制限器具流量(Uimp_prelim)との間の差異が、優先しきい値(priority_threshold)を超えているか否かを決定する。この条件に適合する場合は、プロセス400は状態407に移行する。状態407において、プロセス400は、予備的非有界制限器具流量(Uimp_prelim)に等しい実際の非有界制限器具流量(Uimp_actual)と、最大利用可能流量および予備的非有界制限器具流量(Uimp_prelim)の間の差異に等しい実際の有界制限器具流量(Bimp_actual)を設定して、状態411に移行する。上記の条件に適合しない場合は、プロセスは、状態406から、直接、状態408に移行する。
【0045】
状態408において、プロセス400は、有界制限器具の要求流量(Bimp_req)が、優先しきい値(priority_threshold)よりも低いか否かを決定する。この条件に適合する場合は、プロセス400は状態409に移行する。状態409において、プロセス400は、最大利用可能流量および有界制限器具の要求流量(Bimp_req)の間の差異に等しい実際の非有界制限器具流量(Uimp_actual)を設定する。さらに、制御器50は、有界制限器具の要求流量(Bimp_req)に等しい実際の有界制限器具流量(Bimp_actual)を設定する。プロセス400は状態409から状態410に移行する。
【0046】
状態408における条件に適合しない場合は、プロセス400は、最大利用可能流量および優先しきい値(priority_threshold)の間の差異に等しい実際の非有界制限器具流量(Uimp_actual)を設定し、優先しきい値(priority_threshold)に等しい実際の有界制限器具流量(Bimp_actual)を設定して、状態410に移行する。
【0047】
従って、実際の非有界制限器具流量(Uimp_actual)および実際の有界制限器具流量(Bimp_actual)が、最大利用可能流量と、優先しきい値304と、操作者要求流量レベルとに応じて、4つの組合せのいずれかに設定されることが理解できる。最初の組み合わせにおいては、すべての要求に応じる十分な流量があり、流量が制限されることはない。残りの3つの組み合わせにおいては、流量は制限されると見做され、実際の有界制限器具流量(Bimp_actual)は、優先しきい値304、要求流量、または、最大利用可能流量および非有界制限器具の流量要求(Uimp_req)の関数である他の値に設定されるであろう。この方式によって、有界制限器具に供給される流量が、優先しきい値と、その器具に対して要求される実際流量との小さい方よりも少なくなることは決してない。
【0048】
一実施形態においては、有界制限器具は、作業機械10を操舵する1つ以上の操舵アクチュエータを含み、非有界制限器具は、傾動機能、リフト機能等に関連付けることができる他のアクチュエータまたはアクチュエータの組合せを含む。この実施形態における優先しきい値304に関する上界301は、操舵アクチュエータが受け入れ得る最大流量であり、この実施形態における優先しきい値304に関する下界302は、ISO5010に規定されるような操舵アクチュエータに対する最低受け入れ可能流量である。このため、操舵アクチュエータへの実際の流量が、最大受け入れ可能流量を超えることはなく、また同時にISO5010に規定される必須最小値を下回ることもないであろう。
【0049】
これによって、運転においては、安全上および操作者の経験目的上少なくとも容認可能な操舵能力が、操舵中に他の器具に関する緩慢動作を惹起することなく、かつ同時に、他の器具の操作中に操舵が望ましくないほど遅くなることなく確保される。従って、例えば、トラックまたはコンテナへの材料積載用として用いられるバケットを備えた操舵可能作業機械の場合に、バケットを上昇、下降または傾動させる動作を同時にしながら、作業機械を自由にかつ安全に操舵することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本明細書に記載の有界制限液圧流量制御システムの産業上の利用可能性は、以上の記述から容易に理解されるであろう。1つ以上の操舵アクチュエータのような有界制限流量の器具と、バケット傾動/上昇/下降アクチュエータのような非有界制限流量の器具とに対する液圧流体の流量を制御する技術を説明している。この制御は、有界制限流量の器具への流量を所定の有界範囲内に維持しながら、非有界制限流量の器具への流量を、残りの利用可能な流量またはその非有界制限流量の器具に対する要求流量に設定するために行われる。
【0051】
開示された液圧システムは、流体接続される複数の液圧アクチュエータを含む任意の液圧作動の作業機械であって、機械の予期不可能なまたは望ましくない動きを抑えるように流量を分配することが望まれるいかなる液圧作動の作業機械にも適用可能である。開示された技術原理を使用できる作業機械の限られた例として、ランドフィルコンパクタ、バックホウローダ、ホイールローダ、自動グレーダ、タイヤドーザ、連接トラック等が含まれる。開示された液圧システムは、加圧流体源の利用可能な流量(例えば最大利用可能流量)を、流体接続された複数の液圧アクチュエータの間において、要求される流量並びに有界制限器具に対する優先しきい値304に従って動的に分配する。この方式によって、作業機械10および/または工具14の予期可能な操作が維持され、同時に、有界制限器具に対する流体流量が最大許容可能流量を超えたり、あるいは所定の優先しきい値曲線304の下に落ち込んだりすることが防止される。
【0052】
作業機械10の運転中は、作業機械の操作者は、第1および/または第2インターフェース装置22、24を操作して、作業機械10を所望のとおりに作動させる。この操作の過程の間ずっと、第1および/または第2インターフェース装置22、24は、所望の動きを実現するために、液圧シリンダ32a〜cおよび/またはモータ34に供給される所望の流体流量を指示する信号を発生させる。制御器50は、この信号を受け取ると、当該器具を動かす実際の流量要求指令を発生させるために、プロット300に沿って、フローチャート400のプロセスを実行する。
【0053】
以上の説明は、開示されたシステムおよび技術の例を提供するものであることが理解されるであろう。しかし、他の実施態様は前記の例とは詳細な点で異なり得ると考えられる。本明細書における特定の例へのすべての言及は、その時点に議論されている特定の例を参照することが意図されており、特許請求の範囲に関するなんらかの限定、または開示をより一般的に意味するようには意図されていない。記述されたシステムまたは現行技術のいくつかの特徴に関する高評価および低評価のすべての文言は、それらの特徴を優先しないことを示すように意図されてはいるものの、別段の指示がない限り、特許請求の範囲からそのような特徴を完全に排除しないように意図されている。
【0054】
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別段の指示がない限り、単に、その範囲内に含まれるそれぞれ別個の値を個別に言及することを簡略化するように意図されており、各別個の値は、それが本明細書に個別に列挙されたものとして本明細書に組み込まれる。本明細書に記述されるすべての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、あるいは、文脈によって別段明確に否定されない限り、いかなる適切な順序においても実施することが可能である。
【0055】
以上の結果、添付の特許請求の範囲は、適用可能な法律によって認められるあらゆる変更および等価物を包含している。さらに、以上に述べた要素の、すべての可能な変形態におけるいかなる組合せも、本明細書において別段の指示がない限り、あるいは、文脈によって別段明確に否定されない限り、包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械(10、70)に付属する2つ以上のアクチュエータ(84)のそれぞれに対する液圧流体の流量を制御する液圧弁作動指令を提供するための作業機械の制御器(50)であって、
2つ以上のアクチュエータ(84)を制御する操作者の指令を受け取る制御入力部(102)と、
操作者の指令を第1および第2弁制御指令(104)に翻訳する翻訳モジュール(103)と、
対応する第1および第2の調整された弁指令(108)を生成するために第1および第2弁制御指令(104)を調整する均衡化モジュール(106)であり、この場合、最大利用可能流量(303)が第1および第2弁制御指令(104)に応じるには不十分で、かつ、最大利用可能流量(303)と第2弁制御指令に対応する流量との間の差異が、第1弁制御指令に対応する流量より小さい時には、第1の調整された弁指令が、第1弁制御指令および作業機械のエンジン速度のしきい値関数(304)の小さい方である、均衡化モジュール(106)と、
を含む制御器(50)。
【請求項2】
第1弁制御指令がしきい値関数(304)を超過し、かつ、最大利用可能流量(303)と第2弁制御指令に対応する流量との間の差異が、しきい値関数(304)より小さい時には、第1の調整された弁指令がしきい値関数(304)上の点に対応する、請求項1に記載の制御器(50)。
【請求項3】
最大利用可能流量(303)と第2弁制御指令に対応する流量との間の差異が、第1の調整された弁指令に対応する流量より大きい時には、第1の調整された弁指令が第1弁制御指令に合致する、請求項1に記載の制御器(50)。
【請求項4】
調整された弁指令(108)の精度を改善するために、システムセンサーのデータ(105)に応答して調整された弁指令(108)を修正する閉ループの変換モジュール(109)をさらに含む、請求項1に記載の制御器(50)。
【請求項5】
操作者の指令が1つ以上の操作者作動制御装置(22、24)から発せられる、請求項1に記載の制御器(50)。
【請求項6】
1つ以上の操作者作動制御装置(22、24)がペダル制御装置(24)および多軸操作者インターフェース装置(22)を含む、請求項5に記載の制御器(50)。
【請求項7】
優先しきい値(304)流量が、エンジン速度の関数であり、最大値(301)まで増大する第1の直線的増大部分と、その最大値(301)における第2の一定部分とを含む2つの連続する直線部分を有する、請求項1に記載の制御器(50)。
【請求項8】
翻訳モジュール(109)および均衡化モジュール(106)が、コンピュータ読み取り可能な媒体上に記録されたコンピュータ読み取り可能な指示を含み、制御器(50)が、そのコンピュータ読み取り可能な指示を実行する少なくとも1つのマイクロプロセッサをさらに含む、請求項1に記載の制御器(50)。
【請求項9】
コンピュータ読み取り可能な指示を実行する第2のマイクロプロセッサをさらに含む、請求項8に記載の制御器(50)。
【請求項10】
均衡化モジュール(106)が、利用可能な流体流量の推定値を受け取るために、流量推定器(107)に連結される、請求項8に記載の制御器(50)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−501795(P2011−501795A)
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526917(P2010−526917)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/010981
【国際公開番号】WO2009/045285
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(391020193)キャタピラー インコーポレイテッド (296)
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
【Fターム(参考)】