説明

建設機械の油圧回路

【課題】 アームの引き動作に息つぎが生じないようにする。
【解決手段】 油圧ポンプ24からの圧油供給ライン26とタンク27への圧油回収ライン28との間に、アームシリンダ8にヘッド側圧油給排ライン19及び逆止弁40a付きシーケンス弁36を備えたロッド側圧油給排ライン19を介し接続してなる3位置切換弁29aと、他の油圧機器制御用の3位置切換弁29bを並列接続し、更に、アンロード弁32を設ける。各3位置切換弁29a,29bに作用する負荷圧LPをパイロット圧としてアンロード弁32を閉作動させると共に、油圧ポンプ24の吐出流量を適正流量に調整できるようにしてLSシステムを構築する。ショベルIのアーム6の引き動作時に、アームシリンダ6より回収される圧油にシーケンス弁36により背圧を発生させて、アーム6の自重落下を防止すると共に常に負荷圧を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショベルのアームをアームシリンダにより押し引き動作させるようにしてなる形式の建設機械の油圧回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ショベルを具備する建設機械の一般的なショベルIの構成は、図4に示す如く、建設機械本体1の前部に、長手方向中間部で前方に屈曲するくの字形状のブーム2の基端部を、ブラケット3を介して起伏可能に連結し、上記ブラケット3の前端部と、上記ブーム2の屈曲部付近の下面側に設置したブラケット4との間に介装するよう設けたブームシリンダ(ブーム起伏用シリンダ)5の伸縮作動により、上記ブーム2を起伏動作させるようにしてある。
【0003】
上記ブーム2の先端部には、アーム6の基端寄り位置の下面側を上下方向に揺動自在に連結して、上記ブーム2の屈曲部付近の上面側に設けたブラケット7と、上記アーム6の基端部との間に介装するよう設けたアームシリンダ(アーム揺動用シリンダ)8の収縮作動と伸長作動により、上記ブーム2の先端側の支点を中心に上記アーム6を、押し動作(アーム6を建設機械本体1より離反させる方向の動作)と引き動作(アーム6を建設機械本体1側へ近接させる方向の動作)させるようにしてある。
【0004】
更に、上記アーム6の先端部には、所要のアタッチメント、たとえば、バケット9の基端部を、上下方向に回動(揺動)可能に取り付け、上記アーム6の基端部上面のブラケット10にヘッド側端部を支持させてなるアタッチメント用シリンダ(バケット揺動用シリンダ)11のロッド側端部を、上記アーム6の先端寄りの所要個所と上記バケット9の基端寄りの所要個所とにリンク12,13を介してそれぞれ連結してある。これにより、上記アタッチメント用シリンダ11の伸長作動と収縮作動により、上記アーム6の先端側にて上記バケット9が前後方向へ駆動されるようにしてある。14は、上記ブームシリンダ5のロッド部分を保護するためのカバーであり、上端部をブームシリンダ5のロッド側端部付近に固定し、下端側をブームシリンダ5のシリンダに摺動できるようにしてある。
【0005】
上記構成としてあるショベルIによれば、ブームシリンダ5によるブーム2の起伏動作と、アームシリンダ8によるアーム6の押し引き動作と、アタッチメント用シリンダ11によるバケット9の前後方向への駆動とを適宜組み合わせることにより、上記バケット9による地面の掘削等の作業を行うことができるようにしてある。
【0006】
なお、上記アーム6の先端側に取り付けるアタッチメントは、たとえば、舗装されている地面や岩盤を掘削する場合には、上記バケット9に代えて、油圧ブレーカをアーム6の先端側に取り付ける等、実施すべき作業内容に応じて所要のアタッチメントに適宜交換できるようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
【0007】
上記のようなショベルIのアーム6に引き動作と押し動作を行わせるべく上記アームシリンダ8を伸縮作動させるための油圧回路の基本構成は、図5に示す如く、ポンプ15より圧油を導く圧油供給ライン16、及び、タンク17へ圧油を回収する圧油回収ライン18に、上記アームシリンダ8のヘッド側圧力室8aに接続したヘッド側圧油給排ライン19、及び、ロッド側圧力室8bに接続したロッド側圧油給排ライン20を、コントロール弁としての3位置切換弁21を介して接続してなる構成としてある。かかる油圧回路によれば、上記3位置切換弁21のスプールを、上記ヘッド側及びロッド側の各圧油給排ライン19及び20が上記圧油供給ライン16及び圧油回収ライン18のいずれからも遮断される中立状態とすることにより、上記アームシリンダ8の伸縮作動を共に停止させて、ショベルIのアーム6(図4参照)を所要姿勢に保持できるようにしてある。
【0008】
又、上記3位置切換弁21のスプールを、上記圧油供給ライン16にロッド側圧油給排ライン20が連通接続され、且つヘッド側圧油給排ライン19が圧油回収ライン18に連通接続されるように図5の右側のポートに切り換えることにより、ポンプ15より圧油供給ライン16を通して導かれる圧油を、ロッド側圧油給排ライン20を経て上記アームシリンダ8のロッド側圧力室8bへ供給すると共に、ヘッド側圧力室8aより排出される圧油をヘッド側圧油給排ライン19、圧油回収ライン18を経てタンク17へ回収して、該アームシリンダ8を収縮作動させることができ、上記アーム6(図4参照)を押し動作させることができるようにしてある。
【0009】
一方、上記3位置切換弁21のスプールを、上記圧油供給ライン16にヘッド側圧油給排ライン19が連通接続され、且つロッド側圧油給排ライン20が圧油回収ライン18に連通接続されるように図5の左側のポートに切り換えることにより、ポンプ15より圧油供給ライン16を通して導かれる圧油を、ヘッド側圧油給排ライン19を経て上記アームシリンダ8のヘッド側圧力室8aへ供給すると共に、ロッド側圧力室8bより排出される圧油をロッド側圧油給排ライン20、圧油回収ライン18を経てタンク17へ回収して、該アームシリンダ8を伸長作動させることができ、上記アーム6(図4参照)を引き動作させることができるようにしてある。
【0010】
上記図4に示した如きショベルIのアーム6を前方へ回動させてブーム2の先端部よりも前方へ突出する姿勢とさせているときには、アーム6の自重(アーム6の先端部に取り付けてあるアタッチメントとしてのバケット10の重量を含む)により、該アーム6の先端側に、基端側のブーム2との連結個所を中心として下方へ回転させようとする力が作用することになる。又、このアーム6の先端側に作用する下向きの力は、上記アーム6先端側の位置が該アーム6の基端側の位置に対して相対的に高いほど大きくなる。これらのことに鑑みて、アーム6がブーム2の先端部より前方へ水平に近い角度姿勢で突出した状態から該アーム6の引き動作を行わせるときに、下向きに所要角度回転する間はアーム6の自重による落下(自由落下)を利用して引き動作を行わせるようにすることが従来一般的に行なわれてきている。更に、上記アーム6の自重による落下を利用した該アーム6の引き動作を行わせるときには、アームシリンダ8のロッド側圧力室8bよりもヘッド側圧力室8aの方が低圧となるため、この際、上記アームシリンダ8のロッド側圧力室8bよりロッド側圧油給排ライン20へ排出される圧油の一部を逆止弁22、再生弁23を経てヘッド側圧油給排ライン19へ導いて上記アームシリンダ8のヘッド側圧力室8aへ流入させるようにすることにより、該アームシリンダ8の伸長作動速度を速くさせて、アーム6の引き動作速度をより速めることも考えられてきている(たとえば、特許文献2参照)。
【0011】
ところで、上述した如きショベルIを具備した従来の建設機械では、ショベルIを動作させるために、上記アームシリンダ8への圧油供給を行うポンプ15と、上記ブームシリンダ5及びアタッチメント用シリンダ11への圧油供給を行う油圧ポンプと、ショベルI全体を旋回させたり、スイングさせるための図示しない駆動機構へ圧油の供給を行う油圧ポンプとを個別に設けるようにしていた。
【0012】
しかし、上記のように、ショベルIのアームシリンダ8と、上記ブームシリンダ5及びアタッチメント用シリンダ11と、ショベルI全体を旋回やスイングさせるための駆動機構に対しそれぞれ個別に圧油供給を行うための油圧ポンプとして、少なくとも3基の油圧ポンプを装備する必要がある。又、複数の油圧ポンプを設けるために、個々の油圧ポンプの容量をあまり大きく設定することができず、このために、思い通りのスピードを出すことが難しい。
【0013】
そのために、近年では、ショベルIを具備した建設機械に設ける油圧ポンプの数を削減して、たとえば、1基とすることができるようにするために、アームシリンダ8、ブームシリンダ5、アタッチメント用シリンダ11、ショベルI全体を旋回あるいはスイングさせるための駆動機構等、ショベルIに装備される各種油圧機器に対し共用の油圧ポンプから圧油供給を行なうことが考えられてきている。更に、上記各種油圧機器側で発生する負荷に応じて油圧ポンプより吐出させる圧油の圧力や流量を制御するロードセンシングシステム(LSシステム)が開発されてきている(たとえば、特許文献3参照)。
【0014】
【特許文献1】実開平6−57951号公報
【特許文献2】特開平11−230107号公報
【特許文献3】特開平11−36374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところが、上記図4に示した如き従来のショベルIを具備した建設機械のアームシリンダ8への圧油供給を行うための油圧ポンプを、ブームシリンダ5、アタッチメント用シリンダ11、ショベルI全体を旋回あるいはスイングさせるための駆動機構等、ショベルIに装備される他の油圧機器と共用する油圧回路としてLSシステムを採用すると、アーム6の引き動作時に息継ぎが発生するという問題がある。
【0016】
すなわち、図6は、上記建設機械におけるショベルIのアームシリンダ8を含む複数の油圧機器を制御するLSシステムとして本発明者等が検討しているもので、エンジン25で駆動される1基の油圧ポンプ24から圧油を導く各油圧機器共用の圧油供給ライン26と、各油圧機器より回収される圧油をタンク27へ導く共通の圧油回収ライン28との間に、上記アームシリンダ8と他の油圧機器(図示せず)に個別に対応するコントロール弁としての8ポート3位置の3位置切換弁29a,29bを並列に接続する(図6では、便宜上、アームシリンダ8に対応する3位置切換弁29aと、他の図示しない1つの油圧機器に対応する3位置切換弁29bのみを記載してある)。
【0017】
上記各3位置切換弁29a,29bは、スプールを中立位置とするときには上記圧油供給ライン26と圧油取出ライン30とを遮断する一方、スプール両端側の作動位置では共に圧油供給ライン26に圧油取出ライン30を接続するよう切り換えられて、上記圧油供給ライン26より圧油取出ライン30へ圧油を取り出すことができるようにするための3方弁として機能する部分と、上記圧油取出ライン30及び上記圧油回収ライン28と2つの負荷接続ポートA,Bとの接続を切り換えるセンタバイパスタイプの4方弁として機能する部分とを一体に備え、更に、上記4方弁として機能する部分において上記圧油取出ライン30に接続されることとなる圧油供給側の流路に作用する負荷圧LPを取り出す負荷圧取出ポート31を備えてなる構成としてある。上記アームシリンダ8に対応する3位置切換弁29aでは、2つの負荷接続ポートAとBに、アームシリンダ8に接続したヘッド側圧油給排ライン19とロッド側圧油給排ライン20をそれぞれ接続した構成としてある。
【0018】
更に、上記圧油供給ライン26と圧油回収ライン28との間に、アンロード弁32を介装するように接続し、上記各3位置切換弁29a,29bの負荷圧取出ポート31に接続してある負荷圧取出ライン33を、閉止作動側のパイロットラインとして接続する。
【0019】
更に又、上記負荷圧取出ライン33と、上記圧油供給ライン26の所要位置に接続したポンプ吐出圧取出ライン34とを、ポンプ24に装備されたL/S制御弁35に接続する。且つ該L/S制御弁35は、上記ポンプ24の運転中に圧油供給ライン26からポンプ吐出圧取出ライン34を経て伝えられるポンプ吐出圧Pと、上記各3位置切換弁29a,29bより上記負荷圧取出ライン33を経て伝えられるアームシリンダ8及び他の油圧機器にて発生する負荷圧LPとの差が、常に一定(P−LP=ΔP:ΔPは一定)となるように、ポンプ24の斜板に取り付けたピストン36の制御を介して該油圧ポンプ24の吐出流量を調整できるようにしてある。37は圧油取出ライン30の途中位置に設けた内部パイロット型の流量制御弁であり、上記3位置切換弁29a,29bのスプール中立位置からの作動に伴って圧油供給ライン26に上記圧油取出ライン30が接続されることによって該圧油取出ライン30へ取り出される圧油の量が増加すると、上記圧油取出ライン30における流路の絞りを解消するようにしてある。又、38は圧油供給ライン26におけるリリーフ弁、39は上記ヘッド側及びロッド側の各圧油給排ライン19及び20に設けたアーム6の過負荷防止のためのオーバーロードリリーフ弁である。その他、図4に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0020】
以上の構成としてあるLSシステムを採用した油圧回路によれば、上記各3位置切換弁29a,29bを、図6に示す如く、スプールを中立位置とするときには、3方弁機能部分にて圧油供給ライン26に対し圧油取出ライン30が接続されないため、油圧ポンプ24より圧油供給ライン26を通して供給される圧油は、各3位置切換弁29a,29bにて圧油取出ライン30へ取り出されることはない。又、上記各3位置切換弁29a,29bの4方弁機能部分では、圧油取出ライン30に圧油回収ライン28がバイパスされて、2つの負荷接続ポートA,Bは遮断されることから、負荷への圧油供給は行われない。このために、上記各3位置切換弁29a,29bの負荷圧取出ポート31より負荷圧LPが取り出されないことから、上記L/S制御弁35により、ポンプ吐出圧Pが最低となるように油圧ポンプ24の吐出流量が最低流量に調整される。又、上記アンロード弁32にも負荷圧LPが作用しないため、該アンロード弁32は開放状態に保持されて、上記油圧ポンプ24より圧油供給ライン26へ供給される圧油は、上記各3位置切換弁29a,29bへ供給されることなくすべて上記アンロード弁32へ逃げ、圧油回収ライン28を経てタンク27へ直接回収されるようになる。この際、上記各3位置切換弁29a,29bには、上記該アンロード弁32の復帰ばねによって予め設定されている所要の設定圧力がかかることとなる。したがって、上記アームシリンダ8に対応する3位置切換弁29aが中立位置にあるときには、該3位置切換弁29aの負荷ポートA,Bよりアームシリンダ8のヘッド側及びロッド側の各圧力室8a,8bへの圧油の供給が行われないため伸縮作動することはなく、ショベルIのアーム6は押し引き動作されることなく所要姿勢に保持される。
【0021】
上記各3位置切換弁29a,29bのうちのいずれか、たとえば、アームシリンダ8に対応する3位置切換弁29aを、図7に示す如く、スプールを中立位置より一方(図上、上方位置)へ移動させるように切り換えると、3方弁機能部分では圧油供給ライン26への圧油取出ライン30の接続が行われると同時に、4方弁機能部分では、上記圧油取出ライン30に上記他方の負荷接続ポートBが、又、圧油回収ライン28に上記一方の負荷接続ポートAがそれぞれ連通させられる。これにより、上記圧油供給ライン26へ供給されている圧油が、圧油取出ライン30へ取り出された後、上記他方の負荷接続ポートBより、負荷となる油圧機器としてのアームシリンダ8のロッド側圧力室8bへ、ロッド側圧油給排ライン20を経て供給可能になると共に、該アームシリンダ8のヘッド側圧力室8aより排出される圧油が、ヘッド側圧油給排ライン19、上記3位置切換弁29aの一方の負荷接続ポートA、圧油回収ライン28を経てタンク27へ回収可能となる。このため、上記3位置切換弁29aを介してアームシリンダ8のロッド側圧力室8bへ圧油を供給しようとする際に発生する負荷圧LPが、図7に一点鎖線で示す如く、上記3位置切換弁29aの負荷圧取出ポート31より取り出されて、上記アンロード弁32にパイロット圧として作用するようになると同時に、上記L/S制御弁35に作用するようになる。したがって、上記アンロード弁32が閉止させられると共に、油圧ポンプ24からの圧油の吐出流量が、ポンプ吐出圧Pと上記負荷圧LPとの差(ΔP)が一定に保持される必要流量となるように直ちに調整される。このために、上記油圧ポンプ24より圧油供給ライン26へ導かれる圧油は、上記アンロード弁32を介して圧油回収ライン28へバイパスされることなく、負荷圧LPが発生している3位置切換弁29a,29bへ供給されるようになる。以上により、上記アームシリンダ8は収縮作動させられるようになるため、ショベルIにてアーム6の押し動作が行われるようになる。
【0022】
一方、上記各3位置切換弁29a,29bのうちのいずれか、たとえば、アームシリンダ8に対応する3位置切換弁29aを、図8に示す如く、スプールを中立位置より他方(図上、下方位置)へ移動させるように切り換えると、3方弁機能部分では、上記と同様に、圧油供給ライン26への圧油取出ライン30の接続が行われると同時に、4方弁機能部分では、上記圧油取出ライン30に一方の負荷接続ポートAが、又、圧油回収ライン28に他方の負荷接続ポートBがそれぞれ連通させられる。これにより、上記圧油供給ライン26へ供給されている圧油が、圧油取出ライン30へ取り出された後、上記一方の負荷接続ポートAより、アームシリンダ8のヘッド側圧力室8aへ、ヘッド側圧油給排ライン19を経て供給可能になると共に、該アームシリンダ8のロッド側圧力室8bより排出される圧油が、ロッド側圧油給排ライン20、上記3位置切換弁29aの他方の負荷接続ポートB、圧油回収ライン28を経てタンク27へ回収可能となる。このため、3位置切換弁29aを介してアームシリンダ8のヘッド側圧力室8aへ圧油を供給しようとする際に発生する負荷圧LPが、上記と同様に、上記3位置切換弁29aの負荷圧取出ポート31より取り出されて、上記アンロード弁32にパイロット圧として作用するようになると同時に、上記L/S制御弁35に作用するようになる。したがって、上記アンロード弁32が閉止させられると共に、油圧ポンプ24からの圧油の吐出流量が、ポンプ吐出圧Pと上記負荷圧LPとの差(ΔP)が一定に保持される必要流量となるように直ちに調整されることから、この場合にも、上記油圧ポンプ24より圧油供給ライン26へ導かれる圧油は、上記アンロード弁32を介してバイパスされずに負荷圧LPが発生している3位置切換弁29a,29bへ供給されるようになる。以上により、上記アームシリンダ8は伸長作動させられるようになるため、ショベルIにてアーム6の引き動作が行われるようになる。
【0023】
しかし、上記油圧回路では、上述のようにアームシリンダ8に対応する3位置切換弁29aのスプールを上記図8に示したように作動させてショベルIのアーム6の引き動作を行わせるときに、ショベルIのアーム6が水平に近い角度配置でブーム2の前方へ突出する姿勢となっている状態から、従来一般的に行なわれているように、アーム6の自重による落下動作を行わせると、このアーム6の自重による落下動作の間は、アームシリンダ8が受動的に伸長作動させられてロッド側圧力室8bよりもヘッド側圧力室8aの方が低圧となることに起因して、上記3位置切換弁29aの負荷接続ポートAに接続されたヘッド側圧油給排ライン19に負荷圧LPが発生しない。そのために、上記3位置切換弁29aの負荷圧取出ポート31より取り出される負荷圧LPが、アンロード弁32にパイロット圧として作用しないと共に、L/S制御弁35にも伝えられない。よって、上記アンロード弁32は開状態のまま保持されると共に、上記L/S制御弁35によって本来行なわれるべき上記したような油圧ポンプ24の吐出流量の必要流量への調整が実際には行なわれないこととなり、油圧ポンプ24より圧油供給ライン26へ導かれる圧油は、必要流量に達しないと共に、ほぼ全量が上記アンロード弁32を経て圧油回収ライン28へバイパスされてしまうことから、上記3位置切換弁29aを介した上記アームシリンダ8のヘッド側圧力室8aへの能動的な圧油供給を行うことができない。その後、上記アーム6が、自重による落下動作を行えない角度姿勢まで下向きに回転すると、上記アームシリンダ8のヘッド側圧力室8aの内圧が上昇し始める。これにより、上記3位置切換弁29aよりアームシリンダ8のヘッド側圧力室8aへ圧油を供給する際に負荷圧LPが発生して、上記3位置切換弁29aの負荷圧取出ポート31より取り出される負荷圧LPが、パイロット圧として上記アンロード弁32に作用するようになると共に、上記L/S制御弁35に伝えられることから、該アンロード弁32が閉止されると共に、油圧ポンプ24からの圧油の吐出流量が必要流量となるように調整され、圧油供給ライン26より上記3位置切換弁29aを介したアームシリンダ8のヘッド側圧力室8aへの能動的な圧油の供給が開始されて、該アームシリンダ8の伸長作動に伴うアーム6の引き動作が行われるようになる。
【0024】
そのために、上記アーム6を水平に近い角度姿勢から引き動作するときには、先ず、該アーム6の自重による落下の受動的な引き動作が行われた後、上記アーム6の自重による落下が利用できなくなると、その時点から上記アームシリンダ6の能動的な伸長作動によるアーム6の引き動作が開始されるようになるため、アーム6の引き動作の途中でスピードが変化したり、ショックが発生して、アーム6の動きに、スムーズに連続しない部分、所謂息つぎが発生してしまうのである。更に、上記アーム6の自重による落下を利用した受動的な引き動作を行わせる際には、アーム先端側に取り付けられるバケット9と他のアタッチメントとの重量の相違や、たとえば、バケットに保持された土砂の荷重の変化等、アーム6に作用している負荷の変化が、該アーム6の引き動作速度に影響する虞があり、これらのことから、ショベルIの操縦性が悪化する虞が懸念される。
【0025】
上記アーム6の引き動作時の息つぎを防止するための手段としては、たとえば、ヘッド側又はロッド側の各圧油給排ライン19,20等、上記アームシリンダ8に対して圧油の給排を行う回路内に絞りを設けることが考えられる。しかし、この場合には、高速作動時に上記絞り部分にて背圧が過大となる虞が生じるためスピードを出すことが困難になると共に、熱が発生するため、ヒートバランス上好ましくなく、実際に採用することは困難である。
【0026】
そこで、本発明は、ショベルを具備した建設機械にて、ショベルのアームを動作させるための油圧ポンプを他の油圧機器と共用するLSシステムを採用しても、上記ショベルのアームの引き動作に息つぎが発生する虞を未然に防止できて、ショベルの操縦性を良好なものとすることができる建設機械の油圧回路を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に係る発明に対応するものとして、油圧ポンプに接続した圧油供給ラインとタンクに接続した圧油回収ラインとの間に、ショベルのアームを押し引き動作させるためのアームシリンダへの圧油供給を制御するコントロール弁と、他の油圧機器への圧油供給を制御するコントロール弁とを配置し、且つ上記圧油供給ラインの所要個所と上記圧油回収ラインの所要個所との間にアンロード弁を備えて、上記各コントロール弁よりそれぞれ対応するアームシリンダや他の油圧機器へ圧油を供給する際に発生する負荷圧に応じて上記アンロード弁を閉作動させると共に上記油圧ポンプの吐出流量を適宜調整するようにしてあるロードセンシングシステムを備えた建設機械の油圧回路において、上記ショベルのアームの引き動作時にアームシリンダより対応するコントロール弁へ回収される圧油に所要の背圧を発生させるようにした構成とする。
【0028】
又、上記構成において、ショベルのアームの引き動作時にアームシリンダより対応するコントロール弁へ回収される圧油の流路にシーケンス弁を設けるようにした構成とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明の建設機械の油圧回路によれば、次の如き優れた効果を発揮する。
(1)油圧ポンプに接続した圧油供給ラインとタンクに接続した圧油回収ラインとの間に、ショベルのアームを押し引き動作させるためのアームシリンダへの圧油供給を制御するコントロール弁と、他の油圧機器への圧油供給を制御するコントロール弁とを配置し、且つ上記圧油供給ラインの所要個所と上記圧油回収ラインの所要個所との間にアンロード弁を備えて、上記各コントロール弁よりそれぞれ対応するアームシリンダや他の油圧機器へ圧油を供給する際に発生する負荷圧に応じて上記アンロード弁を閉作動させると共に上記油圧ポンプの吐出流量を適宜調整するようにしてあるロードセンシングシステムを備えた建設機械の油圧回路において、上記ショベルのアームの引き動作時にアームシリンダより対応するコントロール弁へ回収される圧油に所要の背圧を発生させるようにした構成とし、具体的には、上記構成におけるショベルのアームの引き動作時にアームシリンダより対応するコントロール弁へ回収される圧油の流路にシーケンス弁を設けるようにした構成としてあるので、アームがブームの先端よりも前方に突出している状態から引き動作する場合であっても、自重による落下を防止しながら上記アームシリンダの能動的な伸長作動によりアームの引き動作を行わせることができるため、該引き動作の途中で速度変化が生じたり、ショックが生じる等の息つぎが発生する虞を未然に防止することができる。したがって、建設機械に具備されたショベルの操縦性を良好なものとすることができる。
(2)ショベルを具備した建設機械にて、ショベルのアームを押し引き動作させるためのアームシリンダへ圧油の供給を行う油圧ポンプを、他の油圧機器と共用することが可能となるため、上記建設機械に設けるべき油圧ポンプの数の削減化を図ることが可能になることから、油圧ポンプの容量の拡大化を図ることが可能になり、ショベルのアームの押し引き動作や、他の油圧機器の作動速度の高速化を図るのに有利なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0031】
図1乃至図3は、本発明の建設機械の油圧回路を示すもので、図6乃至図8に示したと同様の構成において、アームシリンダ8の伸長作動に伴ってアーム6を引き動作させるときに上記アームシリンダ8から対応する3位置切換弁29aへの圧油の戻り側となる回路(圧油流路)、すなわち、アームシリンダ8のロッド側圧力室8bに接続してあるロッド側圧油給排ライン20に、逆止弁40a付きの内部パイロット型シーケンスバルブ40を設けて、該シーケンスバルブ40にて、上記アームシリンダ8の伸長作動時に、ロッド側圧力室8bより回収されてロッド側圧油ライン20を経て3位置切換弁29aへ送られる圧油に所要の背圧を発生させることができるようにする一方、上記3位置切換弁29aより上記ロッド側圧油ライン20を経て上記アームシリンダ8のロッド側圧力室8bへ供給される圧油は、逆止弁40aを通過させることができるようにする。
【0032】
上記シーケンスバルブ40は、所要の設定圧力として、アームシリンダ8の伸長作動時にロッド側圧力室8bより回収されてロッド側圧油給排ライン20へ導かれる圧油の圧力が上記設定圧力を上回ると開作動されるようにしてある。これにより、アーム6がブーム2の前方へ突出する姿勢となっている場合においても、アームシリンダ8が上記アーム6の自重によって受動的に伸長作動されて該アーム6が自重により落下する虞を防止できるようにすると共に、上記アームシリンダ8のロッド側圧力室8bよりロッド側圧油ライン20を経て3位置切換弁29aへ圧油が回収されるようになるときに、常に所要の背圧を発生させることができるようにしてある。
【0033】
その他の構成は図6乃至図8に示したものと同様であり、同一のものには同一符号が付してある。
【0034】
上記構成としてあるので、図1に示す如く、アームシリンダ8に対応する3位置切換弁29aのスプールを中立位置とすると、図6に示したと同様に、上記3位置切換弁29aにて圧油供給ライン26に対する圧油取出ライン30の接続は行われず、2つの負荷接続ポートA,Bはいずれも遮断される。このために、上記アームシリンダ8のヘッド側及びロッド側の各圧力室8a,8bへの圧油の供給が行われることはなく、該アームシリンダ8の伸縮作動が行われないため、ショベルIのアーム6は、ブーム2に対して所要の角度姿勢のまま保持される。
【0035】
上記3位置切換弁29aのスプールを、図2に示す如く、図8に示したと同様に切り換えると、図8に示したと同様に、圧油供給ライン26に圧油取出ライン30が接続されると共に、該圧油取出ライン30に一方の負荷接続ポートAが、又、圧油回収ライン28に他方の負荷接続ポートBがそれぞれ連通させられる。このため、上記圧油供給ライン26より上記圧油取出ライン30へ取り出される圧油は、上記一方の負荷接続ポートA、ヘッド側圧油給排ライン19を経てアームシリンダ8のヘッド側圧力室8aへ供給可能となる一方、上記アームシリンダ8のロッド側圧力室8bが、ロッド側圧油給排ライン20、上記3位置切換弁29aの他方の負荷接続ポートBを介して圧油回収ライン28に連通接続される。この際、上記アームシリンダ8のヘッド側圧力室8aに圧油が供給されることに伴ってロッド側圧力室8bより回収される圧油が上記ロッド側圧油給排ライン20を通して3位置切換弁29aヘ送られるときには、該ロッド側圧油給排ライン20上に設けてあるシーケンスバルブ40によって予め設定された所要の背圧が発生し、この背圧が、上記アームシリンダ8を介して、ヘッド側圧油給排ライン19より該アームシリンダ8のヘッド側圧力室8aへ圧油を供給するときの負荷圧LPとして常に作用するようになる。このために、上記3位置切換弁29aの負荷圧取出ポート31より取り出される負荷圧LPが、図2に一点鎖線で示す如く、負荷圧取出ライン33を介してパイロット圧としてアンロード弁32に作用させられるようになると共に、L/S制御弁35へ伝えられるようになることから、上記アンロード弁32が閉止されるようになると共に、油圧ポンプ24からの圧油の吐出流量が必要流量となるように直ちに調整される。
【0036】
したがって、上記の如く3位置切換弁29aのスプールの切り換えを行うと、常に油圧ポンプ24より必要流量に調整された圧油が上記圧油供給ライン26、3位置切換弁29a、圧油取出ライン30、一方の負荷接続ポートA、ヘッド側圧油給排ライン19を経てアームシリンダ8のヘッド側圧力室8aへ供給されるようになるため、上記アームシリンダ8の伸長作動による能動的なショベルIのアーム6の引き動作が直ちに行われるようになる。
【0037】
一方、上記3位置切換弁29aのスプールを、図3に示す如く、図7に示したと同様に切り換えると、図7に示したと同様に、圧油供給ライン26に圧油取出ライン30が接続されると共に、該圧油取出ライン30に他方の負荷接続ポートBが、又、圧油回収ライン28に一方の負荷接続ポートAがそれぞれ連通させられる。このため、上記圧油供給ライン26より上記圧油取出ライン30へ取り出される圧油が、上記他方の負荷接続ポートB、ロッド側圧油給排ライン20を経てアームシリンダ8のロッド側圧力室8bへ供給可能となる一方、上記アームシリンダ8のヘッド側圧力室8aが、ヘッド側圧油給排ライン19、上記3位置切換弁29aの一方の負荷接続ポートAを介して圧油回収ライン28に連通接続される。この際、上記3位置切換弁29aの他方の負荷接続ポートBよりロッド側圧油供給ライン20を経てアームシリンダ8のロッド側圧力室8bへ圧油が供給されるときには、圧油は上記ロッド側圧油供給ライン20上に設けてあるシーケンスバルブ40の逆止弁40a部分を通って該シーケンスバルブ40を通過できるため、上記シーケンスバルブ40の存在はなんら問題となることはなく、図7に示したと同様にアームシリンダ8の収縮作動が行われて、ショベルIのアーム6の押し動作が行われるようになる。
【0038】
このように、上記構成としてある建設機械の油圧回路によれば、ショベルIのアーム6を押し引き動作させるためのアームシリンダ8へ圧油の供給を行う油圧ポンプ24を、圧油供給ライン26と圧油回収ライン28との間に接続する他の油圧機器と共用することが可能なLSシステムを構築することができる。
【0039】
又、ショベルIのアーム6の引き動作を行うべくアームシリンダ8に対応する3位置切換弁29aを図2に示すように操作すると、アーム6をブーム2の先端より水平に近い角度姿勢で前方に突出した状態から引き動作する場合であっても、自重による落下を防止しながら上記アームシリンダ8の能動的な伸長作動によるアーム6の引き動作を直ちに行わせることができる。したがって、アーム6の引き動作は、該アーム6の姿勢にかかわらず、常にアームシリンダ8の能動的な伸長作動によって行なわせることができるため、該引き動作の途中で速度変化が生じたり、ショックが生じて息つぎが発生する虞を未然に防止することができる。このため、ショベルIを具備した建設機械におけるショベルIの操縦性を良好なものとすることができる。
【0040】
しかも、上記のようにアームシリンダ8へ圧油の供給を行う油圧ポンプ24を、他の油圧機器と共用可能とすることによって、ショベルIを具備した建設機械に設けるべき油圧ポンプの数の削減化を図ることが可能になることから、油圧ポンプの容量の拡大化を図ることが可能になり、ショベルIのアーム6の押し引き動作や、他の油圧機器の作動速度の高速化を図るのに有利なものとすることができる。
【0041】
なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、油圧ポンプ24から圧油を導く圧油供給ライン26とタンク27への圧油回収ライン28との間に、アームシリンダ8に対応するコントロール弁としての3位置切換弁29aと、複数の他の油圧機器への圧油供給の制御を個別に行う複数のコントロール弁としての3位置切換弁を設けてなる構成としてもよい。又、ショベルIに装備されるアームシリンダ8とその他の油圧機器を制御するコントロール弁を備え、上記アームシリンダ8やその他の油圧機器側で発生する負荷圧LPに応じてアンロード弁32と、油圧ポンプ24からの圧油の供給圧力が適正になるよう吐出流量を制御できるようにしてあるLSシステムを形成する建設機械の油圧回路であれば、圧油流路や各種弁の配置、コントロール弁や各種弁の構造を多少変更したものにも適用できる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の建設機械の油圧回路の実施の一形態を示す概要図である。
【図2】図1の油圧回路を用いてショベルのアームに引き動作を行わせる状態を示す概要図である。
【図3】図1の油圧回路を用いてショベルのアームに押し動作を行わせる状態を示す概要図である。
【図4】ショベルを具備した建設機械のショベル部分を示す概略側面図である。
【図5】ショベルのアームを押し引き動作させるために従来用いられている油圧回路の一例を示す概要図である。
【図6】ショベルのアームシリンダへ圧油供給を行う油圧ポンプを他の油圧機器と共用可能とするために本発明者等が検討した油圧回路を示す概要図である。
【図7】図6の油圧回路を用いてショベルのアームに引き動作を行わせる状態を示す概要図である。
【図8】図6の油圧回路を用いてショベルのアームに押し動作を行わせる状態を示す概要図である。
【符号の説明】
【0043】
I ショベル
6 アーム
8 アームシリンダ
20 ロッド側圧油給排ライン
24 油圧ポンプ
26 圧油供給ライン
27 タンク
28 圧油回収ライン
29a,29b 3位置切換弁(コントロール弁)
32 アンロード弁
36 シーケンス弁
36a 逆止弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ポンプに接続した圧油供給ラインとタンクに接続した圧油回収ラインとの間に、ショベルのアームを押し引き動作させるためのアームシリンダへの圧油供給を制御するコントロール弁と、他の油圧機器への圧油供給を制御するコントロール弁とを配置し、且つ上記圧油供給ラインの所要個所と上記圧油回収ラインの所要個所との間にアンロード弁を備えて、上記各コントロール弁よりそれぞれ対応するアームシリンダや他の油圧機器へ圧油を供給する際に発生する負荷圧に応じて上記アンロード弁を閉作動させると共に上記油圧ポンプの吐出流量を適宜調整するようにしてあるロードセンシングシステムを備えた建設機械の油圧回路において、上記ショベルのアームの引き動作時にアームシリンダより対応するコントロール弁へ回収される圧油に所要の背圧を発生させるようにした構成を有することを特徴とする建設機械の油圧回路。
【請求項2】
ショベルのアームの引き動作時にアームシリンダより対応するコントロール弁へ回収される圧油の流路にシーケンス弁を設けるようにした請求項1記載の建設機械の油圧回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−218405(P2007−218405A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−42792(P2006−42792)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(000198293)石川島建機株式会社 (96)
【Fターム(参考)】