説明

弾性波デバイス、デュープレクサ、通信モジュール、および通信装置

【課題】ラダー型フィルタのスカート特性を改善することができるとともに、フィルタ素子を小型化することができる弾性波デバイス、デュープレクサ、通信モジュール、通信装置を実現する。
【解決手段】複数の共振器を梯子状に接続したラダー型フィルタを備えた弾性波デバイスであって、ラダー型フィルタにおける並列椀に、直列接続された複数の共振器P2及びP4が接続され、並列椀に接続された複数の共振器P2及びP4は、共振周波数が互いに異なる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の開示は、携帯電話端末、無線LAN(LAN:Local Area Network)などの移動体通信、高周波無線通信で使用する弾性波共振器を備えた弾性波デバイスに関する。また、そのような弾性波デバイスを備えたデュープレクサに関する。また、そのようなデュープレクサを備えた通信モジュールに関する。また、そのような通信モジュールを備えた通信装置に関する
【背景技術】
【0002】
近年、圧電材料を用いた弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)や圧電薄膜の厚み振動波を用いた共振器(FBAR:Film Bulk Acoustic Resonator)を複数組み合わせることにより、特定の周波数帯の電気信号のみを通過させる特徴を持った高周波通信用のフィルタ素子が開発されている。SAWやFBARを利用したフィルタ部品は、他の誘電体フィルタやセラミックフィルタに比して外形サイズが小さく、かつ急峻なロールオフ特性を持つため、小型で、狭い比帯域幅が要求される携帯電話等の移動体通信部品に適している。また、近年カバーエリア拡大等の目的で、一つの携帯端末で複数の周波数帯のシステムを搭載する傾向にあり、そのために複数の周波数に応じたフィルタやデュープレクサが搭載されている。
【0003】
SAW共振器やFBARを複数個接続して構成したラダー型フィルタを用いた応用部品として、デュープレクサがある。デュープレクサは、送受信機能を持ち、送信信号と受信信号の周波数が異なる無線装置に用いられる。このようなSAW共振器やFBARを用いたフィルタの構成として、共振器を直列−並列に梯子状に繋ぐラダー型フィルタがある。ラダー型フィルタは、梯子型に組む段数や、直列−並列に配する共振器の容量比を変えるだけで、挿入損失や帯域外抑圧度等を容易に変化させることができ、設計の手順も簡便なため、良く用いられている。SAW共振器やFBARを用いたフィルタには、共振器を直列−並列に格子状に繋ぐラティス型フィルタもある。また、ラダー型フィルタにキャパシタを接続し、フィルタのスカート特性(通過帯域の高周波側及び低周波側における特性の急峻性のことで、急峻であるほど特性が良好である)を改善する提案もなされている(特許文献1参照)。
【0004】
図17は、代表的なラダー型フィルタの構成を示す。図18及び図19は、特許文献1に開示されている構成であり、ラダー型フィルタにキャパシタCを接続した構成である。
【0005】
フィルタのスカート特性改善技術は、特に送受信周波数間隔の隣接したフィルタやデュープレクサには重要な技術であり、通信端末の性能を大きく左右する。
【特許文献1】特開平8−65089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図20Aは、ラダー型フィルタにキャパシタCを接続した構成を示す。図20Bは、図20Aに示すラダー型フィルタの周波数特性を示す。図20Aに示すラダー型フィルタは、AlNを使用したFBARフィルタを用いた。また、ラダー型フィルタを構成している共振器の各定数は、容量比γ=16、共振Q=800、共振器S1〜S4の共振周波数=1.002GHz、共振器P1〜P3の共振周波数=0.968GHz、共振器S1及びS4の容量=6.4pF、共振器S2,S3,およびP1〜P3の容量=3.2pFとした。
【0007】
このような構成のラダー型フィルタに10pFの容量を持つキャパシタCを接続して、周波数特性を確認すると、図20Bに示すように、通過帯域の高周波側のスカート特性に変化が見られるが、効果的な結果を得るには20pFの大容量のキャパシタCを接続する必要がある。キャパシタCが大容量化すると、素子サイズが大型化してしまう恐れがある。したがって、素子サイズが大型化することにより、フィルタを備えた通信モジュールや、その通信モジュールを備えた通信装置が大型化してしまう。
【0008】
また、フィルタ素子に新たにキャパシタを形成するプロセスが必要となり、コストアップにつながってしまう。
【0009】
本発明の目的は、ラダー型フィルタのスカート特性を改善することができるとともに、フィルタ素子を小型化することができる弾性波デバイス、デュープレクサ、通信モジュール、通信装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願に開示する第1の弾性波デバイスは、複数の共振器を接続したラダー型フィルタを備えた弾性波デバイスであって、前記ラダー型フィルタにおける並列椀に共振器が直列接続され、前記並列椀に接続された共振器は、共振周波数が互いに異なるものである。
【0011】
本願に開示する第2の弾性波デバイスは、複数の共振器を接続したラダー型フィルタを備えた弾性波デバイスであって、前記ラダー型フィルタにおける直列椀に並列接続された補正共振器を備え、前記補正共振器は、並列椀に接続された共振器の共振周波数以上で、前記直列椀に接続された共振器の共振周波数以下の共振周波数を有するものである。
【0012】
本願に開示する第3の弾性波デバイスは、ラダー型フィルタと電気スイッチを組み合わせたもので、帯域可変が可能なフィルタで構成されている。
【0013】
また、本願に開示するデュープレクサ、通信モジュール、通信装置は、第1の弾性波デバイスまたは第2の弾性波デバイスを備えたものである。
【発明の効果】
【0014】
本願の開示によれば、簡単な構成で、フィルタのスカート特性を改善することができる。また、通信性能を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本願に開示する第1の弾性波デバイスは、複数の共振器を接続したラダー型フィルタを備えた弾性波デバイスであって、前記ラダー型フィルタにおける並列椀に共振器が直列接続され、前記並列椀に接続された共振器は、共振周波数が互いに異なる構成としたものである。
【0016】
また、本発明の実施形態にかかる弾性波デバイスにおいて、前記並列椀に直列接続された共振器は、当該並列椀に接続された他の共振器及び他の並列椀に接続された共振器の共振周波数よりも高い共振周波数を有する補正共振器を備えた構成とすることができる。
【0017】
また、本発明の実施形態にかかる弾性波デバイスにおいて、前記補正共振器は、前記ラダー型フィルタにおける直列椀に接続された共振器の共振周波数と同じ、もしくは高い共振周波数を有する構成とすることができる。
【0018】
また、本発明の実施形態にかかる弾性波デバイスにおいて、前記補正共振器は、他の共振器の容量よりも大きい容量を有する構成とすることができる。
【0019】
本願に開示する第2の弾性波デバイスは、複数の共振器を接続したラダー型フィルタを備えた弾性波デバイスであって、前記ラダー型フィルタにおける直列椀に並列接続された補正共振器を備え、前記補正共振器は、並列椀に接続された共振器の共振周波数以上で、前記直列椀に接続された共振器の共振周波数以下の共振周波数を有するものである。
【0020】
本発明の実施形態にかかる弾性波デバイスにおいて、前記補正共振器は、前記直列椀に橋絡接続されている構成とすることができる。
【0021】
本発明の実施形態にかかる弾性波デバイスにおいて、前記補正共振器のON/OFFを切り替え可能な切り替え手段を備えた構成とすることができる。上記構成の弾性波デバイスを用いることにより、例えば、複数の周波数領域に対応できる帯域可変フィルタを実現する事ができる。
【0022】
本発明の実施形態にかかる弾性波デバイスにおいて、前記補正共振器は、互いに共振周波数が異なる複数の共振器より構成され、前記複数の共振器のうちいずれか一つの共振器を選択的に導通状態にする切り替え手段を備えた構成とすることができる。
【0023】
本発明の実施形態にかかる弾性波デバイスにおいて、前記補正共振器の通過帯域を切り替え可能な切り替え手段を備えた構成とすることができる。
【0024】
本発明の実施形態にかかる弾性波デバイスにおいて、前記切り替え手段は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)スイッチで構成することができる。
【0025】
本発明の実施形態にかかる弾性波デバイスにおいて、前記共振器及び前記補正共振器は、圧電薄膜共振器で構成することができる。
【0026】
本発明の実施形態にかかる弾性波デバイスにおいて、前記共振器及び前記補正共振器は、弾性表面波共振器で構成することができる。
【0027】
本発明の実施形態にかかるデュープレクサは、上記に記載の弾性波デバイスを備えたものである。
【0028】
本発明の実施形態にかかる通信モジュールは、上記に記載のデュープレクサを備えたものである。
【0029】
本発明の実施形態にかかる通信装置は、上記に記載の通信モジュールを備えたものである。
【0030】
(実施の形態)
〔1.弾性波デバイスの構成〕
本実施の形態では、本発明の弾性波デバイスの一例として、通信装置に用いられているバンドパスフィルタなどのフィルタを挙げて説明する。
【0031】
図1は、実施の形態におけるフィルタの第1の構成を示す。図1に示すフィルタの構成は、従来のラダー型フィルタ(図17参照)における並列椀共振器P2に対して、直列に共振器P4を新たに接続したことを特徴としている。共振器P4は、共振器P2の共振周波数とは異なる共振周波数を持つ。また、共振器P4は、共振器P2が共振動作している周波数帯では容量として働き、これにより共振器P2の共振周波数が見かけ上、高周波側にシフトすることになる。また、共振器P2の反共振周波数では、共振器P2のインピーダンスが無限大(理想状態)となり、共振器P4のインピーダンスは特性へはあまり影響しない。なお、図1における共振器P4は、本発明の補正共振器の一例である。
【0032】
図2は、実施の形態におけるフィルタの第2の構成を示す。図2に示すフィルタの構成は、直列椀に対して共振器S5を新たに橋絡接続したことを特徴としている。図2に示すフィルタは、図1に示すフィルタ構造をスターデルタ変換した構造である。共振器S5は、共振器S2の共振周波数とは異なる共振周波数を持つ。図2に示す構成においても、フィルタのスカート特性を改善することができる。なお、図2における共振器S5は、本発明の補正共振器の一例である。
【0033】
以下、本実施の形態のフィルタの原理説明を行う。
【0034】
図3Aは、図1に示すフィルタの原理説明を行うための図であり、共振器の接続構成は図1に示す構成と同様である。図3Aにおける各共振器は、FBARで構成してもよいし、SAW共振器で構成してもよい。なお、図3Aにおける共振器res4aは、本発明の補正共振器の一例である。図3Aにおける各共振器は、AlN圧電薄膜を使用したFBARで構成されている。また、2個の共振器res3aと共振器res4aとは、同じ共振周波数である。また、共振器res4aと共振器res2とは、異なる共振周波数である。
【0035】
図3Bは、図3Aにおける各共振器をLiNbO3(ニオブ酸リチウム)基板を使用したSAW共振器で構成した時の、フィルタ及び共振器の周波数特性を示す。図3Bにおける実線は、図3Aに示すフィルタの周波数特性を示す。また、図3Bには、共振器res2と共振器res4aの周波数特性もプロットした。なお、同じ符号を付した共振器については、互いに同じ共振周波数及び容量を有するものとする。
【0036】
図3Aに示すフィルタにおいて、共振器res2と共振器res4aの共振周波数及び容量を変化させることで、共振器res2と共振器res4aのリアクタンスの和がゼロになる時(以下、零点と称する)の周波数を任意に変化させることができる。
【0037】
図4Aは、図2に示すフィルタの原理説明を行うための図であり、追加する共振器を直列椀に橋絡接続する点では図2に示す接続構成と同様であるが、具体的な接続形態が異な
る。図4Aにおける各共振器は、FBARで構成してもよいし、SAW共振器で構成してもよい。なお、図4Aにおける共振器res4bは、本発明の補正共振器の一例である。図4Aに示すフィルタの構成は、直列椀に対して2個の共振器res4bを新たに橋絡接続したことを特徴としている。図4Aにおいて、共振器res2と共振器res4bとは、同じ共振周波数を持つ。また、共振器res2と共振器res3bとは、異なる共振周波数を持つ。また、共振器res3bと共振器res4bとは、異なる共振周波数を持つ。
【0038】
図4Bは、図4Aにおける各共振器をLiNbO3(ニオブ酸リチウム)基板を使用したSAW共振器で構成した時の、フィルタ及び共振器の周波数特性を示す。図4Bにおける実線は、図4Aに示すフィルタの周波数特性を示す。また、図4Bには、共振器res3bと共振器res4bの周波数特性もプロットした。図4Aに示すフィルタにおいて、共振器res3bと共振器res4bの共振周波数及び容量を変化させることで、リアクタンスの和がゼロになる零点の周波数を任意に変化させることができる。
【0039】
(実施例1)
図5Aは、図1に示す第1の構成を有するフィルタにおいて共振器P4の共振周波数を変化させた時の周波数特性と、従来のフィルタの周波数特性を比較したものである。
【0040】
本実施例における共振器は、AlN圧電薄膜を使用したFBARで構成した。また、各共振器の定数としては、容量比γ=16、クオリティファクタQ=800、共振器S1〜S4の共振周波数=1.002GHz、共振器P1〜P3の共振周波数=0.968GHz、共振器S1及びS4の容量=6.4pF、共振器S2,S3,P1〜P3の容量=3.2pF、共振器P4の容量=10pFとした。また、共振器P4の共振周波数を、1.000GHz,1.002GHz,1.010GHz,1.020GHzに変化させて周波数特性を測定した。
【0041】
図5Aに示すように、共振器P4の共振周波数が他の直列椀共振器の共振周波数(1.002GHz)より低い場合(共振器P4の共振周波数が1GHzの場合)には、通過帯域の高周波側で帯域の欠けが顕著になる。共振器P4の共振周波数としては、直列椀共振器の共振周波数と同等かそれ以上に設定することがより効果的である。また、共振器P4の容量は、共振器P2より大きいと効果的である。
【0042】
図5Bは、図5AにおけるY部の拡大図である。図5Cは、図5AにおけるZ部の拡大図である。図5B及び図5Cの矢印で指示する部分に示すように、フィルタに共振器P4を追加することで、従来構成(共振器P4が接続されていない構成)に比べて周波数特性の急峻性を改善できることがわかる。
【0043】
また、共振器P4の共振周波数を変えることで、図3A及び図3Bを参照して前述したように零点の周波数を変えることができるので、フィルタの周波数特性における急峻性を変化させることができる。特に、共振器P4の共振周波数を1.002GHzとすることで、最もスカート特性が優れたフィルタを実現することができることがわかる。また、共振器P4の共振周波数を1.002GHz以上、つまり直列椀共振器の共振周波数よりも高くすることで、通過帯域の高周波側の帯域をほぼ確保しつつ、通過帯域の低周波側のスカート特性を改善できることがわかる。
【0044】
(実施例2)
図6は、共振器における電極面積比を変化させた時の周波数特性を示す。図6に示す特性は、図4Aに示すフィルタにおいて、15°Y板のLN基板を用いた共振器res4bの容量を、0pF,1pF,2pF,3pFに変化させた時の周波数特性を示す。
【0045】
図6に示すように、共振器res4bの容量が小さいほどフィルタの通過帯域幅が広くなり、共振器res4bの容量が大きいほどフィルタの通過帯域幅が狭くなる。したがって、フィルタの通過帯域幅を狭くするためには、共振器res4bの容量を大きくすればよい。
【0046】
(実施例3)
図7Aは、図2に示す第2の構成を有するフィルタの具体構成を示す。図7Aに示すフィルタは、共振器の接続構成は図2と同様であるが、共振器res3cの共振周波数と共振器res4cの共振周波数とを異なる値とし、共振器res4cの共振周波数と共振器res2の共振周波数とを同じ値とした。なお、図7Aにおける共振器res4cは、本発明の補正共振器の一例である。図7Bは、図7Aに示すフィルタの周波数特性を示す。図7Bにおける特性Aは、共振器res4cが接続されておらず、並列椀に接続された共振器res2の容量(Cp)の1/2と直列椀に接続された共振器res1の容量(Cs)との容量比Cp/Cs=0.5のフィルタの周波数特性である。特性Bは、図7Aに示すように直列椀に共振器res4cが接続され、容量比Cp/Cs=0.5のフィルタの周波数特性である。特性Cは、共振器res4cが接続されておらず、容量比Cp/Cs=2のフィルタの周波数特性である。
【0047】
特性Aは、スカート特性は良好であるが、通過帯域が広帯域であり、狭帯域用途には向かない。また、特性Cは、通過帯域が狭く良好であるが、スカート特性が劣化している。これらに対して特性Bは、スカート特性が良好であるとともに、通過帯域が狭いため、最も好ましい仕様である。以上のように、フィルタの直列椀に共振器res4cを橋絡接続することで、スカート特性を劣化させず、狭帯域化が可能なフィルタを実現することができる。
【0048】
(実施例4)
図8Aは、図2に示すフィルタにおける共振器S5の共振周波数を0.95GHzに設定した時の周波数特性を示す。図8Bは、同様に共振器S5の共振周波数を0.968GHzに設定した時の周波数特性を示す。図8Cは、同様に共振器S5の共振周波数を1.002GHzに設定した時の周波数特性を示す。図8Dは、図8CにおけるV部の拡大図である。また、図8A〜図8Dにおいて実線で示す特性は、本実施例における特性であり、破線で示す特性は、従来構成(図17に示すフィルタ)における特性である。
【0049】
図8Aに示すように、共振器S5の共振周波数を0.95GHzに設定した場合は、従来の特性と大差がなく、スカート特性及び帯域幅のいずれも大きく改善されていない。また、図8Bに示すように、共振周波数が0.968GHzの共振器S5を接続した場合は、W部に示すように通過帯域の下限側周波数における角型特性を改善することができる。また、図8C及び図8Dに示すように、共振周波数が1.002GHzの共振器S5を接続した場合は、U部及びV部に示すように通過帯域の高周波側及び低周波側におけるスカート特性を改善することができる。
【0050】
以上のように、共振周波数が1.002GHzの共振器を、フィルタの直列椀に橋絡接続することで、スカート特性が良好なフィルタを実現することができる。また、1.002GHz(直列椀共振器の共振周波数)を越える周波数では、帯域内にリップルが発生してしまい、特性上問題となる。
【0051】
なお、本実施例では、一組の並列椀のみ接続する構成としたが、複数椀に適用しても良い。
【0052】
上記では、フィルタの特性について説明したが、本実施の形態及び本実施例の弾性波デバイスをデュープレクサに採用することで、同様な効果が得られる。更に、これら弾性波デバイスを使用した携帯電話等の端末に使用することで、機器の性能改善、例えば受信感度向上が望める。以下、本実施の形態及び本実施例に示す弾性波デバイスを採用した例について説明する。
【0053】
〔2.帯域可変フィルタの構成〕
本実施の形態の弾性波デバイスでは、互いに異なる通過帯域を有する共振器を切り替え手段で切り替える構成とすることができる。以下、その具体的な実施例について説明する。
【0054】
(実施例1)
図9Aは、帯域可変フィルタの第1の実施例の構成を示す。図9Aに示すように本実施例のフィルタは、ラダー型フィルタの構成となっており、共振器res4cと直列にスイッチSW1が接続されている。図9に示す構成は、図7Aに示す構成に対して、スイッチSW1が追加された構成である。スイッチSW1がON状態の時とOFF状態の時における計算結果を図9Bに示す。ここではスイッチSW1がON状態の時に共振器res4cが共振器として動作する状態、OFF状態の時に共振器res4cが完全オープン状態として計算されている。図9Bに示す特性V1は、スイッチSW1がOFF状態で共振器res4cがオープン状態となっており、並列椀に接続された共振器res2の容量(Cp)の1/2と直列椀に接続された共振器res1の容量(Cs)との容量比Cp/Cs=0.5のフィルタの周波数特性である。特性V2は、スイッチSW1がON状態で共振器res4cが動作状態となっており、容量比Cp/Cs=0.5のフィルタの周波数特性である。このように、スイッチSW1をOFF状態からON状態に切り替えることで、フィルタの通過帯域を狭帯域化することができる。
【0055】
また、図10は、本実施形態にかかる帯域可変フィルタの変形例を示す。図10に示すラダー型フィルタにおいて、並列椀に接続された共振器P4に対して、並列にスイッチSW2が接続されている。図10に示す構成は、図1に示す構成に対してスイッチSW2が追加された構成である。この構成において、スイッチSW2がON状態の時、共振器P4は短絡状態となり、スイッチS2がOFF状態の時、共振器P4は動作状態となる。したがって、スイッチSW2がON状態からOFF状態に切り替わることで、フィルタの通過帯域を狭帯域化することができる。図10に示す帯域可変フィルタの周波数特性は、図9Bに示す周波数特性とほぼ同等である。
【0056】
なお、本実施例において、共振器res4c(図9A),および共振器P4(図10)は、本発明における補正共振器の一例である。また、本実施例において、スイッチSW1,SW2は、本発明における切り替え手段の一例である。
【0057】
(実施例2)
図11A及び図11Bは、帯域可変フィルタの第2の実施例の構成を示す。図11Aに示す帯域可変フィルタと図11Bに示す帯域可変フィルタとは、共振器S4a,S4b、スイッチSW3〜SW6の接続構成が異なるのみであり、得られる効果は同様である。図11A及び図11Bにおいて、直列椀に接続された共振器S1,S2,S3,S4aは、互いに同じ共振周波数を有する。また、共振器S4bは、共振器S4aの共振周波数よりも低い共振周波数を有する。
【0058】
図11AにおいてスイッチSW3及びSW4は、いずれか一方がONになった時に他方がOFFになるように切り替え制御されるスイッチで構成されている。スイッチSW3がON状態でスイッチSW4がOFF状態の時は、共振器S4aが動作状態となり、共振器S4bがオープン状態となる。また、スイッチSW3がOFF状態でスイッチSW4がON状態の時は、共振器S4aがオープン状態となり、共振器S4bが動作状態となる。
【0059】
また、図11Bに示す帯域可変フィルタにおいて、スイッチSW5及びSW6は、いずれか一方がONになった時に他方がOFFになるように切り替え制御されるスイッチで構成されている。スイッチSW5がON状態でスイッチSW6がOFF状態の時は、共振器S4aが短絡状態となり、共振器S4bが動作状態となる。また、スイッチSW5がOFF状態でスイッチSW6がON状態の時は、共振器S4aが動作状態となり、共振器S4bが短絡状態となる。
【0060】
図11Cは、図11A及び図11Bに示す帯域可変フィルタにおいて得られた計算結果を示す。図11Cに示す計算結果は、帯域可変フィルタにおいて、共振器S1〜S4b,P1〜P3に、LiNbO3(ニオブ酸リチウム)基板を使用したSAW共振器を用いた場合の計算結果である。図11A及び図11Bに示す帯域可変フィルタにおいて、共振器S4aが非動作状態(図11Aオープン状態、図11B短絡状態)で共振器S4bが動作状態の時は、図11Cにおける特性V11に示すように高帯域側が狭帯域化した通過帯域となる。また、共振器S4aが動作状態で共振器S4bが非動作状態の時は、図11Cにおける特性V12に示すように高帯域側が広帯域化した通過帯域となる。このように、図11Aに示すスイッチSW3及びSW4、図11Bに示すスイッチSW5及びSW6のON/OFF状態により、フィルタの通過帯域の高周波側の帯域幅を変化させることができる。
【0061】
なお、スイッチSW3〜SW6は、本実施例では半導体スイッチを用いたが、MEMSスイッチで構成しても本実施例と同様の効果を得ることができる。
【0062】
また、本実施例では帯域可変フィルタについて説明したが、デュープレクサに応用することも可能である。
【0063】
また、本実施例において共振器S1〜S4b,P1〜P3はSAW共振器で構成したが、FBARで構成としても同様な効果が得られる。
【0064】
また、本実施例では、スイッチSW3とスイッチSW4はいずれか一方がONとなった時に他方がOFFとなる切り替え動作をする構成としたが、両方が同時にONになる動作モードが含まれていても、本実施例と同様の効果が得られる。
【0065】
また、本実施例において、共振器S4a,S4bは、本発明における補正共振器の一例である。また、本実施例において、スイッチSW3〜SW6は、本発明における切り替え手段の一例である。
【0066】
(実施例3)
図12A及び図12Bは、帯域可変フィルタの第3の実施例の構成を示す。図12A及び図12Bに示す帯域可変フィルタは、スイッチSW7〜SW9と共振器P1a,P1bの接続方法が異なるが、得られる効果は同様である。図12A及び図12Bにおいて、共振器P1a,P2,P3は、互いに同じ共振周波数を有する。また、共振器P1bは、P1aより高い共振周波数を有する。また、図12Aに示すスイッチSW7は、端子aと端子bに選択的に切り替え接続される。また、図12Bに示すスイッチSW8及びSW9は、いずれか一方がONになった時に他方がOFFになるように切り替え制御されるスイッチで構成されている。
【0067】
図12Aにおいて、スイッチSW7が端子a側に接続されている時は、共振器P1aが動作状態となり、共振器P1bがオープン状態となる。また、スイッチSW7が端子b側に接続されている時は、共振器P1aがオープン状態となり、共振器P1bが動作状態となる。
【0068】
また、図12Bにおいて、スイッチSW8がON状態でスイッチSW9がOFF状態の時は、共振器P1aが短絡状態となり、共振器P1bが動作状態となる。また、スイッチSW8がOFF状態でスイッチSW9がON状態の時は、共振器P1aが動作状態となり、共振器P1bが短絡状態となる。
【0069】
図12Cは、図12A及び図12Bに示す帯域可変フィルタにおいて得られた計算結果を示す。図12Cに示す計算結果は、帯域可変フィルタにおいて、共振器S1〜S4,P1a〜P3に、LiNbO3(ニオブ酸リチウム)基板を使用したSAW共振器を用いた場合の計算結果である。図12Aに示す共振器P1aが動作状態で共振器P1bがオープン状態の時、あるいは図12Bに示す共振器P1aが動作状態で共振器P1bが短絡状態の時は、図12Cにおける特性V21に示すように低周波側の帯域幅を広げることができる。また、図12Aに示す共振器P1aがオープン状態で共振器P1bが動作状態の時、あるいは図12Bに示す共振器P1aが短絡状態で共振器P1bが動作状態の時は、図12Cにおける特性V22に示すように低周波側の帯域幅を狭めることができる。このように、図12Aに示すスイッチSW7の接続状態、図12Bに示すスイッチSW8及びSW9のON/OFF状態により、フィルタの通過帯域の低周波側の帯域幅を変化させることができる。
【0070】
なお、本実施例ではスイッチSW7〜SW9は、本実施例では半導体スイッチで構成したが、MEMSスイッチで構成しても本実施例と同様の効果が得られる。
【0071】
また、本実施例ではフィルタについて説明したが、デュープレクサに応用することも可能である。
【0072】
また、本実施例では、共振器S1〜S4,P1a〜P3はSAW共振器を使用したが、FBARで構成しても同様な効果が得られる。
【0073】
また、本実施例では、スイッチSW8とスイッチSW9はいずれか一方がONとなった時に他方がOFFとなる切り替え動作をする構成としたが、両方が同時にONになる動作モードが含まれていても、本実施例と同様の効果が得られる。
【0074】
また、本実施例において、共振器P1a,P1bは、本発明における補正共振器の一例である。また、本実施例において、スイッチSW7〜SW9は、本発明における切り替え手段の一例である。
【0075】
(実施例4)
図13は、上記実施例2及び3で説明した2種類の周波数領域を有する共振器を備えた通信モジュールの構成を示す。図13において、低域デュープレクサ43には実施例3に示す共振器を備え、高域デュープレクサ44には実施例2に示す共振器を備えている。低域デュープレクサ43は、Low−band(0.7〜1GHz近傍)の信号を通過させるフィルタである。高域デュープレクサ44は、High−band(1.7〜2.1GHz近傍)の信号を通過させるフィルタである。スイッチ42は、低域デュープレクサ43と高域デュープレクサ44とを切り替えてアンテナ41に接続するものである。
【0076】
このような構成とすることで、マルチバンド対応の通信モジュールもしくは通信装置の実現が可能である。
【0077】
〔3.デュープレクサの構成〕
携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、無線LANシステムなどの移動体通信(高周波無線通信)には、デュープレクサが搭載されている。デュープレクサは、通信電波などの送信機能及び受信機能を持ち、送信信号と受信信号の周波数が異なる無線装置において用いられる。
【0078】
図14は、本実施の形態の弾性波デバイスを備えたデュープレクサの構成を示す。デュープレクサ52は、位相整合回路53、受信フィルタ54、および送信フィルタ55を備えている。位相整合回路53は、送信フィルタ55から出力される送信信号が受信フィルタ54側に流れ込むのを防ぐために、受信フィルタ54のインピーダンスの位相を調整するための素子である。また、位相整合回路53には、アンテナ51が接続されている。受信フィルタ54は、アンテナ51を介して入力される受信信号のうち、所定の周波数帯域のみを通過させる帯域通過フィルタで構成されている。また、受信フィルタ54には、出力端子56が接続されている。送信フィルタ55は、入力端子57を介して入力される送信信号のうち、所定の周波数帯域のみを通過させる帯域通過フィルタで構成されている。また、送信フィルタ55には、入力端子57が接続されている。ここで、受信フィルタ54及び送信フィルタ55には、本実施の形態における弾性波デバイスが含まれている。
【0079】
以上のように、本実施の形態の弾性波デバイスを受信フィルタ54及び送信フィルタ55に備えることで、スカート特性が良好で通信性能を向上させることができるデュープレクサを実現することができる。
【0080】
〔4.通信モジュールの構成〕
図15は、本実施の形態の弾性波デバイスまたはデュープレクサを備えた通信モジュールの一例を示す。図15に示すように、デュープレクサ62は、受信フィルタ62aと送信フィルタ62bとを備えている。また、受信フィルタ62aには、例えばバランス出力に対応した受信端子63a及び63bが接続されている。また、送信フィルタ62bは、パワーアンプ64を介して送信端子65に接続している。ここで、受信フィルタ62a及び送信フィルタ62bには、本実施の形態における弾性波デバイスが含まれている。
【0081】
受信動作を行う際、受信フィルタ62aは、アンテナ端子61を介して入力される受信信号のうち、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、受信端子63a及び63bから外部へ出力する。また、送信動作を行う際、送信フィルタ62bは、送信端子65から入力されてパワーアンプ64で増幅された送信信号のうち、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、アンテナ端子61から外部へ出力する。
【0082】
以上のように本実施の形態の弾性波デバイスまたはデュープレクサを、通信モジュールの受信フィルタ62a及び送信フィルタ62bに備えることで、通信性能を改善することができる。特に、受信感度を向上させることができる。また、小型かつ簡単な構成の通信モジュールを実現することができる。
【0083】
なお、図15に示す通信モジュールの構成は一例であり、他の形態の通信モジュールに本発明のフィルタを搭載しても、同様の効果が得られる。
【0084】
〔5.通信装置の構成〕
図16は、本実施の形態の弾性波デバイスを備えた通信装置の一例として、携帯電話端末のRFブロックを示す。また、図16に示す構成は、GSM(Global System for Mobile Communications)通信方式及びW−CDMA(Wideband Code Divition Multiple Access)通信方式に対応した携帯電話端末の構成を示す。また、本実施の形態におけるGSM通信方式は、850MHz帯、950MHz帯、1.8GHz帯、1.9GHz帯に対応している。また、携帯電話端末は、図16に示す構成以外にマイクロホン、スピーカー、液晶ディスプレイなどを備えているが、本実施の形態における説明では不要であるため図示を省略した。ここで、受信フィルタ73a,77,78,79,80、および送信フィルタ73bには、本実施の形態におけるフィルタが含まれている。
【0085】
まず、アンテナ71を介して入力される受信信号は、その通信方式がW−CDMAかGSMかによってアンテナスイッチ回路72で、動作の対象とするLSIを選択する。入力される受信信号がW−CDMA通信方式に対応している場合は、受信信号をデュープレクサ73に出力するように切り換える。デュープレクサ73に入力される受信信号は、受信フィルタ73aで所定の周波数帯域に制限されて、バランス型の受信信号がLNA74に出力される。LNA74は、入力される受信信号を増幅し、LSI76に出力する。LSI76では、入力される受信信号に基づいて音声信号への復調処理を行ったり、携帯電話端末内の各部を動作制御する。
【0086】
一方、信号を送信する場合は、LSI76は送信信号を生成する。生成された送信信号は、パワーアンプ75で増幅されて送信フィルタ73bに入力される。送信フィルタ73bは、入力される送信信号のうち所定の周波数帯域の信号のみを通過させる。送信フィルタ73bから出力される送信信号は、アンテナスイッチ回路72を介してアンテナ71から外部に出力される。
【0087】
また、入力される受信信号がGSM通信方式に対応した信号である場合は、アンテナスイッチ回路72は、周波数帯域に応じて受信フィルタ77〜80のうちいずれか一つを選択し、受信信号を出力する。受信フィルタ77〜80のうちいずれか一つで帯域制限された受信信号は、LSI83に入力される。LSI83は、入力される受信信号に基づいて音声信号への復調処理を行ったり、携帯電話端末内の各部を動作制御する。一方、信号を送信する場合は、LSI83は送信信号を生成する。生成された送信信号は、パワーアンプ81または82で増幅されて、アンテナスイッチ回路72を介してアンテナ71から外部に出力される。
【0088】
以上のように、本実施の形態の弾性波デバイスまたはその弾性波デバイスを備えた通信モジュールを通信装置に備えることで、通信性能を改善することができる。特に、受信感度を向上させることができる。また、小型かつ簡単な構成の通信装置を実現することができる。
【0089】
〔6.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、スカート特性を改善することができる弾性波デバイスを実現することができる。また、このような弾性波デバイスをデュープレクサ、通信モジュール、通信装置に採用することで、通信性能を向上させることができる。特に、受信感度を改善することができる。
【0090】
また、従来のようにキャパシタを接続するのではなく、共振器を追加接続する構成であるため、フィルタ素子を小型化することができ、これに伴いフィルタ素子を備えた通信モジュール、通信装置を小型化することができる。
【0091】
また、フィルタ素子を製造する際、従来構成では共振器とは別にキャパシタを実装する工程が必要であったが、本実施の形態では追加接続する共振器は、他の共振器と同時に実装することができるので、工程を増やすことがなく、製造コストを削減することができる。
【0092】
また、スイッチSW1〜SW9を備え、通過帯域が互いに異なる複数の共振器を切り替える構成としたことにより、複数の周波数帯域に対応することができるため、マルチバンド対応の通信機器を実現することができる。また、通過帯域毎にフィルタを製造する必要がないため、コストダウンを図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の弾性波デバイスは、所定周波数の信号を受信または送信することができる機器に有用であるとともに、複数の周波数帯に対応可能なデバイスとして有効である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】実施の形態における弾性波デバイスの構成を示す回路図
【図2】実施の形態における弾性波デバイスの構成を示す回路図
【図3A】実施の形態の原理説明をするための弾性波デバイスの回路図
【図3B】図3Aに示す弾性波デバイスの周波数特性を示す特性図
【図4A】実施の形態の原理説明をするための弾性波デバイスの回路図
【図4B】図4Aに示す弾性波デバイスの周波数特性を示す特性図
【図5A】実施例1における周波数特性を示す特性図
【図5B】図5AにおけるY部の拡大図
【図5C】図5AにおけるZ部の拡大図
【図6】実施例2における周波数特性を示す特性図
【図7A】実施例3の原理説明をするための弾性波デバイスの回路図
【図7B】図7Aに示す弾性波デバイスの周波数特性を示す特性図
【図8A】実施例4における周波数特性を示す特性図
【図8B】実施例4における周波数特性を示す特性図
【図8C】実施例4における周波数特性を示す特性図
【図8D】図8CにおけるV部の拡大図
【図9A】本実施の形態の帯域可変フィルタにおける実施例1の構成を示す回路図
【図9B】実施例1における周波数特性を示す特性図
【図10】本実施の形態の帯域可変フィルタにおける実施例1の構成を示す回路図
【図11A】本実施の形態の帯域可変フィルタにおける実施例2の構成を示す回路図
【図11B】本実施の形態の帯域可変フィルタにおける実施例2の構成を示す回路図
【図11C】実施例2における周波数特性を示す特性図
【図12A】本実施の形態の帯域可変フィルタにおける実施例3の構成を示す回路図
【図12B】本実施の形態の帯域可変フィルタにおける実施例3の構成を示す回路図
【図12C】実施例3における周波数特性を示す特性図
【図13】帯域可変フィルタを用いたデュープレクサの構成を示すブロック図
【図14】実施の形態におけるデュープレクサのブロック図
【図15】実施の形態における通信モジュールのブロック図
【図16】実施の形態における通信装置のブロック図
【図17】従来のラダー型フィルタの回路図
【図18】従来のラダー型フィルタにキャパシタを追加した回路図
【図19】従来の共振器にキャパシタを接続した回路図
【図20A】従来のラダー型フィルタにキャパシタを追加した回路図
【図20B】図15Aに示すラダー型フィルタの周波数特性を示す特性図
【符号の説明】
【0095】
res4a、res4b、res4c 共振器
SW1,SW2,SW3,SW4,SW5,SW6,SW7,SW8,SW9 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の共振器を接続したラダー型フィルタを備えた弾性波デバイスであって、
前記ラダー型フィルタにおける並列椀に共振器が直列接続され、
前記並列椀に接続された共振器は、共振周波数が互いに異なる、弾性波デバイス。
【請求項2】
前記並列椀に直列接続された共振器は、当該並列椀に接続された他の共振器及び他の並列椀に接続された共振器の共振周波数よりも高い共振周波数を有する補正共振器を含む、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記補正共振器は、前記ラダー型フィルタにおける直列椀に接続された共振器の共振周波数と同じ、もしくは高い共振周波数を有する、請求項2に記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記補正共振器は、他の共振器の容量よりも大きい容量を有する、請求項2または3に記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
複数の共振器を接続したラダー型フィルタを備えた弾性波デバイスであって、
前記ラダー型フィルタにおける直列椀に並列接続された補正共振器を備え、
前記補正共振器は、並列椀に接続された共振器の共振周波数以上で、前記直列椀に接続された共振器の共振周波数以下の共振周波数を有する、弾性波デバイス。
【請求項6】
前記補正共振器は、前記直列椀に橋絡接続されている、請求項5に記載の弾性波デバイス。
【請求項7】
前記補正共振器の動作のON/OFFを切り替え可能な切り替え手段を備えた、請求項2〜6のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
【請求項8】
前記補正共振器は、互いに共振周波数が異なる複数の共振器より構成され、
前記複数の共振器のうちいずれか一つの共振器を選択的に導通状態にする切り替え手段を備えた、請求項2〜6のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
【請求項9】
前記補正共振器の通過帯域を切り替え可能な切り替え手段を備えた、請求項2〜6のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
【請求項10】
前記切り替え手段は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)スイッチで構成されている、請求項8から9のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
【請求項11】
前記共振器及び前記補正共振器は、圧電薄膜共振器で構成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
【請求項12】
前記共振器及び前記補正共振器は、弾性表面波共振器で構成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の弾性波デバイスを備えた、デュープレクサ。
【請求項14】
請求項13に記載のデュープレクサを備えた、通信モジュール。
【請求項15】
通過帯域の異なる低周波側デュープレクサと高周波側デュープレクサとを備えた、請求項14に記載の通信モジュール。
【請求項16】
請求項14または15に記載の通信モジュールを備えた、通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【公開番号】特開2009−207116(P2009−207116A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280209(P2008−280209)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【Fターム(参考)】