説明

弾性波フィルタ

【課題】平衡度に優れた弾性波フィルタを提供する。
【解決手段】圧電基板2と、前記圧電基板2上に設けられ、一つの不平衡端子12に接続された第1IDT8と、前記圧電基板2上に設けられ、二つの平衡端子14及び16に接続された第2IDT6及び10と、を具備した弾性波フィルタであって、前記第1IDT8と前記第2IDT6及び10とは、同一の弾性波の伝搬方向に沿って配置され、前記第2IDT6及び10を形成する互いに相対した櫛型電極のうち、一方の櫛型電極が、互いに位相が反転した二組の櫛型電極となるように偶数個に分割され、分割された前記一方の櫛型電極のうち、同位相の櫛型電極は、前記二つの平衡端子14及び16のうち、同一の前記平衡端子に接続されている弾性波フィルタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾性波フィルタに関し、特に平衡−不平衡変換機能を有する弾性波フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話に代表される移動体通信端末の高性能化を図るため、弾性波フィルタにも小型化、軽量化、ノイズ低減機能が要求されている。ノイズ低減のために、平衡−不平衡変換機能、いわゆるバラン機能を備えた弾性波フィルタが用いられている。
【0003】
図1は、バラン機能を有した従来の弾性表面波フィルタ100の模式図である。図1に示すように、例えばLiNbOやLiTaO等の圧電体からなる圧電基板2上に、反射器4、IDT6、8及び10が、同一の弾性波の伝搬路に沿って設けられている。IDT6は櫛型電極6a及び6b、IDT8は櫛型電極8a及び8b、IDT10は櫛型電極10a及び10bにより各々形成される。すなわち、各IDTは互いに相対した櫛型電極により形成される。各櫛型電極及び反射器4は、例えばAl等の金属からなる。IDT8を形成する櫛型電極のうち、一方の櫛型電極8aは不平衡端子12に接続されている。また、IDT6を形成する櫛型電極のうち、一方の櫛型電極6bは平衡端子14に、IDT10を形成する櫛型電極のうち、一方の櫛型電極10bは平衡端子16に、各々接続されている。各IDTの他方の櫛型電極は、各々接地されている。なお図面においては、簡略化のため電極指の本数は省略している。
【0004】
櫛型電極8aと櫛型電極6aとの距離は、櫛型電極8aと櫛型電極10aとの距離に対し、電極指1ピッチ分ずらされている。このため、図1に示すように、例えばある瞬間において、櫛型電極6a、8a及び10aは各々+、+、−の極性を有する。また、櫛型電極6b、8b及び10bは各々−、−、+の極性を有する。このように、櫛型電極6bと櫛型電極10bとでは、互いに極性が逆になるように電極指が配置されているため、IDT6とIDT10とでは位相が反転する。従って、平衡端子14と平衡端子16とにより平衡化された出力、又は入力を行うことができる。
【0005】
特許文献1には、櫛型電極6a及び10aにダミー電極指を設置することにより、位相を反転させる技術が開示されている。
【0006】
図2に示すのは、二つの弾性表面波フィルタを並列に接続した例の模式図である。図2に示すように、弾性表面波フィルタ100と接続される弾性表面波フィルタ110は、反射器18、IDT20、22及び24からなる。IDT20は櫛型電極20a及び20b、IDT22は櫛型電極22a及び22b、IDT24は櫛型電極24a及び24bにより各々形成される。不平衡端子12は櫛型電極8a及び22aに接続されている。平衡端子14は櫛型電極6b及び10bに、平衡端子16は櫛型電極20b及び24bに、各々接続されている。図2に示すように、ある瞬間において、櫛型電極6bと櫛型電極10bとは−の極性を有し、櫛型電極20bと櫛型電極24bとは+の極性を有する。従って、図1の例と同様に、平衡端子14と平衡端子16とにより平衡化された出力、又は入力を行うことができる。しかし、図2の例においては、弾性表面波フィルタ100の、各々接地されている櫛型電極6aの電極指と櫛型電極8bの電極指とが隣接している。接地された電極指が隣接している箇所においては弾性波が励振されない。これに対し、弾性表面波フィルタ110には、接地された電極指が隣接している箇所は無い。このため、両方の弾性表面波フィルタの特性が異なることとなり、結果的に平衡度が悪化する。
【0007】
図3に示すように、特許文献2には、各櫛型電極の電極指の配置を変えることにより、接地された電極指が隣接しないようにし、平衡度を改善する技術が開示されている。
【特許文献1】特許第3254779号公報
【特許文献2】特許第3873807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の技術ではダミー電極指が設置されるため、IDT6とIDT10とにおいて、電極指の配置が対称でなくなり、十分な平衡度を得られない可能性がある。
【0009】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、平衡度に優れた弾性波フィルタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、圧電基板と、前記圧電基板上に設けられ、一つの不平衡端子に接続された第1IDTと、前記圧電基板上に設けられ、二つの平衡端子に接続された第2IDTと、を具備した弾性波フィルタであって、前記第1IDTと前記第2IDTとは、同一の弾性波の伝搬方向に沿って配置され、前記第2IDTを形成する互いに相対した櫛型電極のうち、一方の櫛型電極が、互いに位相が反転した二組の櫛型電極となるように偶数個に分割され、分割された前記一方の櫛型電極のうち、同位相の櫛型電極は、前記二つの平衡端子のうち、同一の前記平衡端子に接続されていることを特徴とする弾性波フィルタである。本発明によれば、弾性波フィルタの平衡度を向上させることができる。
【0011】
上記構成において、隣り合う前記分割された一方の櫛型電極の間には、前記第2IDTを形成する前記相対した櫛型電極のうち、他方の櫛型電極の偶数本の電極指が配置されている構成とすることができる。この構成によれば、分割された櫛型電極を、互いに位相が反転した二組の櫛型電極とすることができる。また、分割された櫛型電極を同じ構成とすることができるため、平衡度が向上する。
【0012】
上記構成において、隣り合う前記分割された一方の櫛型電極の間には、前記他方の櫛型電極の前記電極指が配置されていない構成とすることができる。この構成によれば、分割された櫛型電極を、互いに位相が反転した二組の櫛型電極とすることができる。また、分割された櫛型電極を同じ構成とすることができるため、平衡度が向上する。
【0013】
上記構成において、前記第2IDTは二つの前記第2IDTであり、前記二つの第2IDTの各々が、前記第1IDTの両側に配置されている構成とすることができる。この構成によれば、用いる弾性波フィルタは一つで足りるため、小型化が可能となり、かつ平衡度を向上させることもできる。
【0014】
上記構成において、前記二つの第2IDTの各々を形成する前記相対した櫛型電極のうち、前記一方の櫛型電極の各々が、二つに分割されている構成とすることができる。この構成によれば、小型化が可能となり、かつ平衡度を向上させることもできる。
【0015】
上記構成において、前記第1IDTは、互い違いに反対方向を向いた偶数本の電極指を有している構成とすることができる。この構成によれば、二つの第2IDTは同じ構成とすることができるため、平衡度がさらに向上する。
【0016】
上記構成において、前記第1IDTは二つの前記第1IDTであり、前記二つの第1IDTの各々が、前記第2IDTの両側に配置されている構成とすることができる。この構成によれば、小型化が可能となり、かつ平衡度を向上させることもできる。
【0017】
上記構成において、前記第2IDTを形成する前記相対した櫛型電極のうち、前記一方の櫛型電極が四つ以上に分割され、前記四つ以上に分割された櫛型電極のうち、互いに位相が反転した櫛型電極が隣り合っている構成とすることができる。この構成によれば、小型化が可能となり、かつ平衡度を向上させることもできる。
【0018】
上記構成において、前記第2IDTは四つの前記第2IDTであり、かつ前記第1IDTは二つの前記第1IDTであり、前記四つの第2IDTの各々が、前記二つの第1IDTの各々の両側に配置されている構成とすることができる。この構成によれば、二つの弾性波フィルタを用いた場合においても、平衡度を向上させることができる。
【0019】
上記構成において、前記四つの第2IDTの各々を形成する前記相対した櫛型電極のうち、片側の前記櫛型電極の各々が、二つに分割されている構成とすることができる。この構成によれば、二つの弾性波フィルタを用いた場合においても、平衡度を向上させることができる。
【0020】
上記構成において、前記二つの第1IDTの各々は、互い違いに反対方向を向いた偶数本の電極指を有している構成とすることができる。この構成によれば、四つの第2IDTは同じ構成とすることができるため、平衡度がさらに向上する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、平衡度に優れた弾性波フィルタを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図面を用いて、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0023】
図4は実施例1に係る二重モード弾性表面波(SAW)フィルタ120の模式図である。
【0024】
図4に示すように、図1に示した弾性表面波フィルタ100と同様に、圧電基板2上に同一の弾性波の伝搬路に沿って、反射器4、IDT6、8及び10が設けられている。IDT6及び10(第2IDT)はIDT8(第1IDT)の両側に配置されている。IDT8は不平衡端子12に接続され、IDT6及び10は平衡端子14及び16に接続されている。
【0025】
IDT6を形成する互いに相対した櫛型電極のうち、一方の櫛型電極6b(図1参照)が、互いに位相が反転した櫛型電極6c及び6dとなるように、二つに分割されている。同様に、IDT10を形成する互いに相対した櫛型電極のうち、一方の櫛型電極10b(図1参照)が、互いに位相が反転した櫛型電極10c及び10dとなるように、二つに分割されている。櫛型電極6cと櫛型電極10cとは同位相を有し、各々同一の平衡端子14に接続されている。櫛型電極6dと櫛型電極10dとは同位相を有し、各々同一の平衡端子16に接続されている。すなわち、図1の櫛型電極6b及び10bの各々が、互いに位相が反転した二組の櫛型電極となるように、二つに分割されている。櫛型電極6c、6d、10c及び10dは、同位相の櫛型電極が互い違いになるように配置されている。櫛型電極6cと櫛型電極6dとは、隣り合っており、その間には櫛型電極6を形成する他方の櫛型電極6aの偶数本の電極指5が配置されている。また、櫛型電極10cと櫛型電極10dとは、隣り合っており、その間には櫛型電極10を形成する他方の櫛型電極10aの偶数本の電極指9が配置されている。IDT8は互い違いに反対方向を向いた偶数本の電極指を有している。
【0026】
実施例1によれば、櫛型電極6cと櫛型電極6dとの間に櫛型電極6aの偶数本の電極指5が配置されている。このため、櫛型電極6cと櫛型電極6dとの位相を反転させることができる。また、櫛型電極6cと櫛型電極6dとを同じ構成とすることができる。同様に、櫛型電極10cと櫛型電極10dとの間に櫛型電極10aの偶数本の電極指9が配置されているため、櫛型電極10cと櫛型電極10dとの位相を反転させることができる。また、両者を同じ構成とすることができる。このため、平衡端子14と平衡端子16との平衡度を向上させることができる。
【0027】
IDT8は互い違いに反対方向を向いた偶数本の電極指を有しているため、IDT6とIDT10とは同じ構成とすることができ、平衡度をさらに向上させることができる。また、櫛型電極6c、6d、10c及び10dは、同位相の櫛型電極が互い違いになるように配置されているため、平衡度をさらに向上させることができる。
【0028】
一つの二重モードSAWフィルタで平衡度を向上させることができるため、図2や図3に示した例よりも、弾性表面波フィルタを小型化することが可能となる。
【0029】
図4においては櫛型電極6b及び10bを各々二つに分割したが、二つに限定されるものではなく、偶数個に分割すればよい。
【0030】
実施例1に係るシミュレーションについて説明する。
【0031】
シミュレーション1では、図1に示した例(従来例1)と実施例1とについて、減衰量、位相平衡度、及び振幅平衡度を計算した。
【0032】
計算に用いたパラメータについて説明する。IDT8の対数は30対、IDT6及び10の対数は各々18対、反射器4の電極指数は80本である。また、櫛型電極6c及び6dの電極指の本数は、各々9本である。各IDT及び反射器4の電極指の膜厚は約0.085λ(λは弾性波の波長)である。各IDTにおける電極指のDuty比は0.59、反射器4においては0.62である。IDTの電極指のピッチLtと反射器4の電極指のピッチLrとの比Lt/Lrは0.993である(図4参照)。
【0033】
図5(a)は減衰特性を示した図である。横軸は周波数、縦軸は減衰量を各々表す。図5(a)に示すように、従来例1と実施例1とではほとんど変化がない。図5(b)は位相平衡度と、通過帯域におけるスペックとを示した図である。位相平衡度のスペックは±5.0°である。図5(b)に示すように、位相平衡度についても大きな変化はなく、従来例1、実施例1共にスペック内に納まっている。図5(c)は振幅平衡度と、通過帯域におけるスペックとを示した図である。振幅平衡度のスペックは±1.0dBである。図5(c)に示すように、従来例1では1870MHz付近で、振幅平衡度がスペックの下限である−1.0dB近くを示している。また、1940MHz付近ではスペックの上限である1.0dBを超えている。これに対して、実施例1では通過帯域全域において、ほぼ0dBの平衡度を示している。以上のように、実施例1によれば、減衰特性及び位相平衡度を劣化させることなく、従来例1と比較して、振幅平衡度を改善させることができた。
【0034】
シミュレーション2では、実施例1と図2に示した例(従来例2)とを比較した。計算に用いられたパラメータは上述したものと同じであり、図2の弾性表面波フィルタ110は弾性表面波フィルタ100と同じ構成である。
【0035】
図6(a)は減衰量を示した図である。横軸は周波数、縦軸は減衰量を各々表す。図6(a)に示すように、従来例2と実施例1とではほとんど変化がない。図6(b)は位相平衡度と、通過帯域におけるスペックとを示した図である。図6(b)に示すように、位相平衡度についても大きな変化はなく、従来例2、実施例1共にスペック内に納まっている。図6(c)は振幅平衡度と、通過帯域におけるスペックとを示した図である。図6(c)に示すように、従来例2では、1860〜1900MHz付近で振幅平衡度が−0.5dB近くを示し、その一方で1940MHz付近ではスペックの上限である1.0dB近くを示している。このように、従来例2の振幅平衡度は、スペック内に納まっているものの、安定していなかった。これに対して、実施例1では通過帯域全域において、ほぼ0dBの平衡度を示している。以上のように、実施例1によれば、減衰特性及び位相平衡度を劣化させることなく、従来例2と比較して振幅平衡度を改善させることができた。また、実施例1は二重モードSAWフィルタを一つ使用するだけでよいので、従来例2のように二つ使用した場合と比較して、小型化が可能となる。
【実施例2】
【0036】
図7は実施例2に係る二重モードSAWフィルタ130の模式図である。
【0037】
図7に示すように、圧電基板2上に、反射器4、IDT26、28及び30が同一の弾性波の伝搬路に沿って設けられている。IDT26及び30(第1IDT)はIDT28(第2IDT)の両側に配置されている。IDT26及び30は不平衡端子12に接続され、IDT28は平衡端子14及び16に接続されている。
【0038】
IDT28を形成する互いに相対した櫛型電極のうち、一方の櫛型電極は、櫛型電極28b、28c、28d及び28eへと、四つに分割されている。櫛型電極28bと櫛型電極28dとは同位相であり、櫛型電極28cと櫛型電極28eとは同位相である。また、櫛型電極28b及び28dと、櫛型電極28c及び28eとは位相が反転している。すなわち、これら四つの櫛型電極は、互いに位相が反転した二組の櫛型電極であり、また位相が反転した櫛型電極が隣り合っている。平衡端子14は櫛型電極28b及び28dに接続され、平衡端子16は櫛型電極28c及び28eに接続されている。
【0039】
櫛型電極28bと櫛型電極28cとの間、及び櫛型電極28dと櫛型電極28eの間には、IDT28を形成する他方の櫛型電極28aの偶数本の電極指27が各々配置されている。また、櫛型電極28cと櫛型電極28dとの間には、櫛型電極28aの電極指が配置されていない。
【0040】
実施例2によれば、実施例1と同様に、櫛型電極28bと櫛型電極28cとの間に偶数本の電極指27が配置されている。このため、櫛型電極28bと櫛型電極28cとの間で位相を反転させることができる。また、櫛型電極28bと櫛型電極28cとを同じ構成とすることができるため、平衡度を向上させることができる。櫛型電極28dと櫛型電極28eとにおいても同様である。また、櫛型電極28cと櫛型電極28dとの間には電極指が配置されていないため、両者の位相を反転させることができる。同時に、IDT28が中心に対して線対称となるため、平衡度をさらに向上させることができる。
【0041】
図7においては、中央のIDT28を二つの平衡端子と接続する構造を有した二重モードSAWフィルタにおいて、IDT28を形成する一方の櫛型電極28を四つに分割したが、分割する個数は偶数個であればよい。
【実施例3】
【0042】
図8は実施例3に係る弾性表面波フィルタを示す模式図である。
【0043】
図8に示すように、圧電基板2上に実施例1で説明した二重モードSAWフィルタ120と、二重モードSAWフィルタ140とが設けられている。二重モードSAWフィルタ140は、図3において説明した弾性表面波フィルタ110と同様に、反射器18、IDT20、22及び24からなる。換言すれば、四つの第2IDT(IDT6、10、20及び24)の各々が、二つの第1IDT(IDT8及び22)の両側に配置されている。二重モードSAWフィルタ140は二重モードSAWフィルタ120と同様の構成を有している。すなわち、図1の櫛型電極6b及び10bの各々、並びに図3の櫛型電極20b及び24bの各々が、互いに位相が反転した二組の櫛型電極となるように、二つに分割されている。IDT8及び22は、各々偶数本の電極指を有している。
【0044】
櫛型電極8a及び22aは不平衡端子12に接続されている。櫛型電極6c、10c、20c及び24cは同位相を有し、平衡端子14に接続されている。また、櫛型電極6d、10d、20d及び24dは同位相を有し、平衡端子16に接続されている。従って、平衡端子14と平衡端子16とにより平衡化された出力、又は入力を行うことができる。
【0045】
以上のように、本発明は二重モードSAWフィルタを二つ接続した場合にも適用可能である。
【0046】
実施例1から3においては二重モードSAWフィルタについて説明したが、本発明はそれに限られるものではなく、二重モードSAWフィルタ以外の弾性表面波フィルタや弾性境界波フィルタにも適用可能である。
【0047】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は従来技術に係る弾性表面波フィルタを示す模式図である。
【図2】図2は従来技術に係る弾性表面波フィルタを示す模式図である。
【図3】図3は特許文献2に開示された弾性表面波フィルタを示す模式図である。
【図4】図4は実施例1に係る二重モードSAWフィルタを示す模式図である。
【図5】図5は実施例1に係るシミュレーション1の結果を示す図である。
【図6】図6は実施例1に係るシミュレーション2の結果を示す図である。
【図7】図7は実施例2に係る二重モードSAWフィルタを示す模式図である。
【図8】図8は実施例3に係る弾性表面波フィルタを示す模式図である。
【符号の説明】
【0049】
圧電基板 2
反射器 4、18
IDT 6、8、10、20、22、24、26、28、30
不平衡端子 12
平衡端子 14、16

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板と、
前記圧電基板上に設けられ、一つの不平衡端子に接続された第1IDTと、
前記圧電基板上に設けられ、二つの平衡端子に接続された第2IDTと、を具備した弾性波フィルタであって、
前記第1IDTと前記第2IDTとは、同一の弾性波の伝搬方向に沿って配置され、
前記第2IDTを形成する互いに相対した櫛型電極のうち、一方の櫛型電極が、互いに位相が反転した二組の櫛型電極となるように偶数個に分割され、
分割された前記一方の櫛型電極のうち、同位相の櫛型電極は、前記二つの平衡端子のうち、同一の前記平衡端子に接続されていることを特徴とする弾性波フィルタ。
【請求項2】
隣り合う前記分割された一方の櫛型電極の間には、前記第2IDTを形成する前記相対した櫛型電極のうち、他方の櫛型電極の偶数本の電極指が配置されていることを特徴とする請求項1記載の弾性波フィルタ。
【請求項3】
隣り合う前記分割された一方の櫛型電極の間には、前記他方の櫛型電極の前記電極指が配置されていないことを特徴とする請求項1記載の弾性波フィルタ。
【請求項4】
前記第2IDTは二つの前記第2IDTであり、前記二つの第2IDTの各々が、前記第1IDTの両側に配置されていることを特徴とする請求項1から3いずれか一項記載の弾性波フィルタ。
【請求項5】
前記二つの第2IDTの各々を形成する前記相対した櫛型電極のうち、前記一方の櫛型電極の各々が、二つに分割されていることを特徴とする請求項4記載の弾性波フィルタ。
【請求項6】
前記第1IDTは、互い違いに反対方向を向いた偶数本の電極指を有していることを特徴とする請求項4または5記載の弾性波フィルタ。
【請求項7】
前記第1IDTは二つの前記第1IDTであり、前記二つの第1IDTの各々が、前記第2IDTの両側に配置されていることを特徴とする請求項1から3いずれか一項記載の弾性波フィルタ。
【請求項8】
前記第2IDTを形成する前記相対した櫛型電極のうち、前記一方の櫛型電極が四つ以上に分割され、前記四つ以上に分割された櫛型電極のうち、互いに位相が反転した櫛型電極が隣り合っていることを特徴とする請求項7記載の弾性波フィルタ。
【請求項9】
前記第2IDTは四つの前記第2IDTであり、かつ前記第1IDTは二つの前記第1IDTであり、前記四つの第2IDTの各々が、前記二つの第1IDTの各々の両側に配置されていることを特徴とする請求項1から3記載の弾性波フィルタ。
【請求項10】
前記四つの第2IDTの各々を形成する前記相対した櫛型電極のうち、片側の前記櫛型電極の各々が、二つに分割されていることを特徴とする請求項9記載の弾性波フィルタ。
【請求項11】
前記二つの第1IDTの各々は、互い違いに反対方向を向いた偶数本の電極指を有していることを特徴とする請求項9または10記載の弾性波フィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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