説明

弾性波フィルタ

【課題】入力側IDT電極及び出力側IDT電極をテーパー型に構成した弾性波フィルタにおいて、通過周波数帯域において減衰特性の良好な平坦性を得ること。
【解決手段】複数の電極指15及び反射電極26の幅寸法及び間隔寸法がバスバー14の一方側から他方側に向かうにつれて広がるように形成された入力側IDT電極12及び出力側IDT電極13を備えた弾性波フィルタにおいて、反射電極26の少なくとも1つとして、順方向に弾性波が反射するように重み付けられた第1の領域28と、順方向に弾性波が反射しないように重み付けが間引かれた第2の領域29と、をその長さ方向に配置した補助反射電極30を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波フィルタ例えば(SAW:Surface Acoustic Wave)フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
SAWデバイスは、弾性表面波を利用したものであり、圧電基板上にIDT(インターディジタルトランスデューサ)と呼ばれる電極を入力側電極及び出力側電極として弾性波の伝搬方向に沿って配置し、これらの2つの電極間にて電気信号と弾性波との間の電気−機械相互変換を行って周波数選択(帯域フィルタ)特性を持たせたものである。SAWデバイスの一つであるSAWフィルタは、高機能化、小型化が進められている各種通信機器例えば携帯電話等のパンドパスフィルタとして使用されており、近年のワイヤレスデータ通信の高速化、大容量化に伴い、挿入損失が小さく、周波数選択性に優れ(急峻な減衰特性を持ち)、更には通過周波数帯域が広く、通過周波数帯域において減衰特性の平坦性が高いことが求められている。
【0003】
上記のように通過周波数帯域を広帯域化する手法としては、例えば以下のフィルタを用いる方法が知られている。このフィルタは、図9に示すように、一方側(手前側)のバスバー101から他方側(奥側)のバスバー101に向かって電極指102の幅寸法及び間隔寸法が広がるように配置されたテーパー型IDT電極103を入力側IDT電極104及び出力側IDT電極105として弾性波の伝搬方向に沿って配置し、これらの電極104、105の間に角型の金属膜(シールド電極106)を配置した構成となっている。また、挿入損失を小さく抑えるために、つまりIDT電極104、105を一方向性電極(SPUDT:Single Phase Uni−Directional Transducer)例えばDART(Distributed Acoustic Reflection Transducer)として構成するために、電極指102に沿って反射電極107が複数箇所に設けられている。
【0004】
図9中λは、伝搬する弾性波の波長に対応するように電極指102及び反射電極107の幅寸法及び間隔寸法によって所定の間隔で繰り返される周期単位(波長)であり、弾性波の伝搬方向に沿って一定の周期となるように、また一方側のバスバー101から他方側のバスバー101に向かって波長の短いトラック(伝搬路)の弾性波から波長の長いトラックの弾性波まで伝搬するように、つまり通過周波数帯域が広くなるように構成されている。この例では、電極指102の幅寸法、各電極指102、102間の離間寸法及び電極指102、反射電極107間の離間寸法は各々λ/8に設定され、反射電極107の幅寸法は3λ/8に設定されている。従って、入力側IDT電極104においては、入力側IDT電極104から出力側IDT電極105に向かう方向を順方向、出力側IDT電極105から入力側IDT電極104に向かう方向を逆方向とし、出力側IDT電極105においては、出力側IDT電極105から入力側IDT電極104に向かう方向を順方向、入力側IDT電極104から出力側IDT電極105に向かう方向を逆方向とすると、順方向に伝搬する弾性波は、例えば各々の反射電極107の中心位置において同位相となって互いに強め合い、逆方向に伝搬する弾性波は、例えば反射電極107の中心位置において順方向に伝搬する弾性波と逆位相となって相殺されることとなる。そのため、このフィルタは、見かけ上弾性波が順方向に向かって伝搬するように構成されていることになる。尚、図9中108は、例えば水晶などの圧電基板であり、109はIDT電極104、105を通過して圧電基板108の端部領域に伝搬する不要な弾性波を吸収するための吸音材である。
【0005】
このフィルタにおいて、既述のように選択性を高めるためには、例えば上記の電極指102の対数(本数)を増やす手法が採られる。
また、通過周波数帯域において減衰特性の平坦性を高めるためには、例えば上記の反射電極107の各々にて反射する弾性波のエネルギーを調整するために、反射電極107の重み付けを間引く方法が知られている。具体的には、図10(a)に示すように配置された反射電極107において、同図(b)に示すように、長さ方向に沿って幅寸法がλ/8の隙間領域110が反射電極107の中央部に形成されるように反射電極107の重み付けを間引いている。そして、図11に示すように、この重み付けを間引いた(弾性波が順方向に反射しない)反射電極107を所定の位置に配置して、当該反射電極107における弾性波の反射を抑えることにより、減衰特性の平坦性が得られるようにしている。尚、この図10では電極指102や反射電極107を模式的に描画している。
【0006】
ところで、上記のフィルタでは、電極指102がテーパー状に形成されていることから、図9及び図11に示すように、例えば弾性波が入力側IDT電極104から放出される時に回折が起こるので、後述の図5に従来例として点線で示すように、通過周波数帯域における低域側及び高域側の減衰量が特に大きくなり、いわば肩ダレが起こってしまう。また、既述のようにフィルタの選択性を高めるために電極指102の対数を増やした場合には、上記の回折による通過帯域の劣化が更に大きくなってしまう。そのため、このフィルタにおいて減衰特性の平坦性を高めるためには、例えば通過周波数帯域の中央側の減衰特性を変化させずに低域側及び高域側の減衰量だけを小さくする必要がある。更に、例えば通過周波数帯域において、低域側及び高域側以外にも所定の周波数で減衰量が大きくなる場合もあるので、この場合には同様に他の周波数の減衰特性を変化させずに、減衰特性の劣化する周波数だけを調整する必要がある。しかし、上記の間引き方法では、通過周波数帯域の低域側から高域側に亘って任意の周波数における減衰量を独立して調整することが困難であり、そのため良好な平坦性が得られない。
特許文献1には、テーパー型の電極について記載されているが、上記の課題については何ら示唆されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭63−35005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、入力側IDT電極及び出力側IDT電極をテーパー型に構成した弾性波フィルタにおいて、通過周波数帯域において平坦性の高い減衰特性を得ることのできる弾性波フィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の弾性波フィルタは、
弾性波の伝搬方向に互いに間隔をおいて設けられた入力側IDT電極及び出力側IDT電極を備え、
これら入力側IDT電極及び出力側IDT電極は、互いに平行となるように形成された一対のバスバーと、これらのバスバーの各々から互いに交互に櫛歯状に伸び出すと共にその幅寸法及び離間寸法が前記バスバーの一方側から他方側に向かうにつれて広がるように形成された複数の電極指と、を備えたテーパー型IDT電極からなる弾性波フィルタにおいて、
前記入力側IDT電極及び出力側IDT電極の少なくとも一方は、前記電極指の長さ方向に沿って伸びるように配置された1つ以上の反射電極を備え、
前記入力側IDT電極においては、当該入力側IDT電極から前記出力側IDT電極に向かう方向を順方向、前記出力側IDT電極から前記入力側IDT電極に向かう方向を逆方向とし、前記出力側IDT電極においては、当該出力側IDT電極から前記入力側IDT電極に向かう方向を順方向、前記入力側IDT電極から前記出力側IDT電極に向かう方向を逆方向とすると、
前記反射電極の少なくとも1つは、前記順方向に弾性波が反射するように重み付けられた第1の領域と、前記順方向に弾性波が反射しないように重み付けが間引かれた第2の領域と、がその長さ方向に配置されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の弾性波フィルタは、弾性波の伝搬方向に互いに間隔をおいて設けられた入力側IDT電極及び出力側IDT電極を備え、
これら入力側IDT電極及び出力側IDT電極は、互いに平行となるように形成された一対のバスバーと、これらのバスバーの各々から対向するバスバー側に向かって各々櫛歯状に伸び出すと共にその幅寸法及び離間寸法が前記バスバーの一方側から他方側に向かうにつれて広がるように形成された複数の電極指と、を備えたテーパー型IDT電極からなる弾性波フィルタにおいて、
前記入力側IDT電極及び出力側IDT電極の少なくとも一方は、4本の電極指の幅寸法及びこれら電極指間の離間寸法によって、伝搬する弾性波の波長に対応する周期単位となるように構成され、
前記入力側IDT電極においては、当該入力側IDT電極から前記出力側IDT電極に向かう方向を順方向、前記出力側IDT電極から前記入力側IDT電極に向かう方向を逆方向とし、前記出力側IDT電極においては、当該出力側IDT電極から前記入力側IDT電極に向かう方向を順方向、前記入力側IDT電極から前記出力側IDT電極に向かう方向を逆方向とすると、
前記周期単位を構成する4本の電極指からなる組の少なくとも1つは、主電極指とこの主電極指よりも幅寸法の太い補助電極指とが一対のバスバーの各々から互いに隣接して交互に伸び出すように少なくとも1本ずつ設けられ、前記順方向に弾性波が反射する第1の領域と、この第1の領域における前記主電極指及び前記補助電極指の夫々に接続されると共に各々の幅寸法が等しくなるように形成された電極指が配置され、前記順方向に弾性波が反射しないように構成された第2の領域と、がその長さ方向に配置されていることを特徴とする。
前記主電極指及び前記補助電極指は、前記第1の領域から前記第2の領域に向かうにつれて各々の幅寸法が等しくなるように構成されていることが好ましい。
【0011】
前記第1の領域は、前記弾性波の低波長側及び高波長側において前記順方向への弾性波の反射を多くするために、前記反射電極の両端部に配置されていることが好ましい。
前記反射電極と、この反射電極に隣接すると共に前記一対のバスバーの各々から互いに交互に伸び出す一対の電極指と、からなる組の前記弾性波の伝搬方向における寸法の周期単位をλとすると、
前記反射電極は、幅寸法が3λ/8であり、
前記第1の領域は、弾性波の伝搬方向において幅寸法が3λ/8の金属膜が形成され、
前記第2の領域は、幅寸法がλ/8の金属膜の形成された2つの領域が、幅寸法がλ/8の隙間領域を介して弾性波の伝搬方向に各々配置されていても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、複数の電極指及び1つ以上の反射電極の幅寸法及び間隔寸法がバスバーの一方側から他方側に向かうにつれて広がるように形成されたテーパー型IDT電極を入力側型IDT電極及び出力側IDT電極のいずれかあるいは両方として用いると共に、前記反射電極の少なくとも1つについて、入力側IDT電極においては、入力側IDT電極から出力側IDT電極に向かう方向を順方向、出力側IDT電極から入力側IDT電極に向かう方向を逆方向とし、出力側IDT電極においては、出力側IDT電極から入力側IDT電極に向かう方向を順方向、入力側IDT電極から出力側IDT電極に向かう方向を逆方向とすると、弾性波が順方向に反射するように重み付けられた第1の領域と、前記順方向に弾性波が反射しないように重み付けが間引かれた第2の領域と、を当該反射電極の長さ方向に配置している。あるいは、4本の電極指の組により弾性波の周期単位を構成する場合には、当該組の少なくとも1つについて、主電極指とこの主電極指よりも幅寸法の太い補助電極指とが一対のバスバーの各々から互いに隣接して交互に伸び出すように少なくとも1本ずつ設けられた第1の領域と、この第1の領域における前記主電極指及び前記補助電極指の夫々に接続されると共に各々の幅寸法が等しくなるように形成された電極指が配置された第2の領域と、をその長さ方向に配置している。そのため、前記テーパー型IDT電極を伝搬する弾性波の低波長側から高波長側に亘って前記順方向に伝搬する弾性波のエネルギーの分布を調整することができるので、通過周波数帯域において平坦性の高い減衰特性を得ることができる。従って、例えば反射電極の両端部に上記の第1の領域を配置した場合には、テーパー型のIDT電極であっても、回折による減衰特性の劣化を抑えて通過周波数帯域において平坦性の高い減衰特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る弾性波フィルタの一例を示す平面図である。
【図2】上述の弾性波フィルタの一部を拡大した平面図である。
【図3】上述の弾性波フィルタにおいて弾性波の伝搬する様子を示す模式図である。
【図4】上述の弾性波フィルタにおいて弾性波の伝搬する様子を示す模式図である。
【図5】上述の弾性波フィルタについて得られた特性を示す特性図である。
【図6】上述の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【図7】上述の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【図8】上述の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【図9】従来の弾性波フィルタを示す平面図である。
【図10】従来の弾性波フィルタを示す平面図である。
【図11】従来の弾性波フィルタを示す平面図である。
【図12】上述の弾性波フィルタの他の例を説明するための模式図である。
【図13】上述の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【図14】上述の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態の弾性波フィルタについて、図1、図2を参照して説明する。本発明の弾性波フィルタは、既述の入力側IDT電極104及び出力側IDT電極105と夫々ほぼ同じ構成である入力側IDT電極12及び出力側IDT電極13を備えており、例えば水晶などの圧電基板11上に形成されている。これらのIDT電極12、13は、弾性波の伝搬方向に沿って間隔をおいて設けられており、IDT電極12、13間には、角型のシールド電極16が配置されている。このフィルタは、例えば圧電基板11上に全面に亘って金属膜例えばアルミニウムを成膜し、次いでこの金属膜上に積層したマスク層を介して上記の電極12、13、16以外の領域をエッチングするフォトリソグラフィーにより形成される。尚、図1中25、25は、IDT電極12、13を介して圧電基板11の端部領域に伝搬する不要な弾性波を吸収するための吸音材(ダンパー)である。
【0015】
入力側IDT電極12において、14a、14bは、それぞれ一方側のバスバー、他方側のバスバーであり、互いに弾性波の伝搬方向に沿って平行となるように、図1中夫々手前側及び奥側に形成されている。また、一方側のバスバー14aは接地されており、他方側のバスバー14bは入力ポート21に接続されている。図1中の15は、上記の入力側IDT電極12のバスバー14a、14bの各々から互いに交互に櫛歯状となるように伸び出す電極指である。ここで、この入力側IDT電極12においては、入力側IDT電極12から出力側IDT電極13に向かう方向を順方向、出力側IDT電極13から入力側IDT電極12に向かう方向を逆方向とし、また出力側IDT電極13においては、出力側IDT電極13から入力側IDT電極12に向かう方向を順方向、入力側IDT電極12から出力側IDT電極13に向かう方向を逆方向とする。
【0016】
この入力側IDT電極12には、当該入力側IDT電極12における逆方向に伝搬しようとする弾性波を出力側IDT電極13(順方向)に向けて反射するために、電極指15の長さ方向に沿うように、一方側のバスバー14aから他方側のバスバー14bに向かって伸びる反射電極26が複数箇所に設けられている。従って、このIDT電極12は、一方向性電極(SPUDT:Single Phase Uni−Directional Transducer)例えばDART(Distributed Acoustic Reflection Transducer)として構成されている。
【0017】
これらの電極指15及び反射電極26は、図2にも示すように、バスバー14a、14bの各々から互いに隣り合うように形成された一対の電極指15、15と、これらの電極指15、15に隣接するようにバスバー14aから伸びる1つの反射電極26と、が1組になって所定の周期単位λで弾性波の伝搬方向に沿って周期的に繰り返されるように配置されている。このフィルタでは、上記の周期単位λと同じ長さの波長の弾性波が伝搬することとなる。
また、電極指15及び反射電極26の配列パターンは、手前側の一方のバスバー14aから奥側の他方のバスバー14bに向かって、電極指15、15間の間隔寸法及び電極指15、反射電極26間の間隔寸法が徐々に広くなり、また各々の電極指15及び反射電極26の幅寸法についても徐々に広くなるように形成されている。従って、弾性波の伝搬路であるトラックをTrとすると、弾性波の伝搬方向に対して直交方向には、手前側のバスバー14aから奥側のバスバー14bにかけて、周期単位λが狭いTr1から広いTr2まで形成されていることになる。尚、図1では、電極指15及び反射電極26の幅寸法については、図示の簡略化のため一定として描画してある。
【0018】
この例では、反射電極26の幅寸法及び隣り合う電極指15、15において電極指15の中心を通る直線同士の間の寸法は、夫々3λ/8、λ/4となっており、順方向に伝搬する弾性波は例えば各々の反射電極26の中心位置において互いに同位相となり、逆方向に伝搬する弾性波は例えば反射電極26の中心位置において順方向に伝搬する弾性波と逆位相となるように構成されている。また、電極指15の幅寸法及び電極指15、15間の離間距離は、夫々λ/8となっている。
【0019】
次に、上記の反射電極26について、既述の図2を参照して詳述する。この反射電極26としては、図2中左側に示すように、上記のTr1からTr2までに亘って出力側IDT電極13に(順方向に)向かって弾性波が反射するように、全面に金属膜が形成されることによって長さ方向に亘って一様に重み付けされた主反射電極27と、同図右側に示すように、Tr1からTr2において順方向への弾性波の反射を調整するために、その長さ方向に亘って重み付け量が調節された補助反射電極30と、が配列されている。補助反射電極30は、主反射電極27と同様に弾性波が順方向に反射するように重み付けされた第1の領域28と、弾性波が順方向に反射しないように重み付けが間引かれた第2の領域29と、がその長さ方向において以下のように配列されている。
【0020】
補助反射電極30は、両側のバスバー14a、14bに近接する各々の領域つまり当該補助反射電極30の両端部では幅方向に亘って一面に金属膜が形成されて上記の第1の領域28、28をなし、また補助反射電極30の長さ方向においてこれらの第1の領域28、28に挟まれる領域が第2の領域29をなしている。第2の領域29は、第1の領域28、28の各々と接続されるように補助反射電極30の長さ方向に沿って各々平行に伸びる2本のバー状の金属膜からなる帯状体31、31により構成されている。これらの帯状体31、31は、幅寸法が各々λ/8となるように、また離間寸法がλ/8となるように形成されている。即ち、この第2の領域29では、弾性波の伝搬方向に沿って中央部側の金属膜が間引かれる(形成されない)ことによって重み付けが間引かれていることになる。これらの帯状体31、31の間の領域は隙間領域32をなす。
【0021】
従って、補助反射電極30は、図3に示すように、バスバー14a、14bに近接する補助反射電極30の両端部(第1の領域28)においては逆方向に向かおうとする弾性波が見かけ上順方向に反射され、中央側の第2の領域29においては弾性波が順方向に反射しないように構成されている。補助電極30の長さ方向におけるこれらの第1の領域28及び第2の領域29の各々の長さ寸法は、出力ポート22から出力される電気信号の通過周波数帯域における減衰量がほぼ一定となるように、つまり良好な平坦性が得られるように設定されている。入力側IDT電極12では、既述の図1に示すように、上記の主反射電極27と補助反射電極30とが弾性波の伝搬方向に沿って所定の配列順序で配列されており、各々の補助反射電極30では、この例では長さ方向において第1の領域28と第2の領域29とが各々同じ配列パターンとなるように配置されている。
【0022】
出力側IDT電極13は、既述の図1に示すように、一方側のバスバー14c及び他方側のバスバー14dを備えている。一方側のバスバー14cは図1中手前側に配置されて出力ポート22に接続され、他方側のバスバー14dは奥側に配置されて接地されている。また、出力側IDT電極13は、入力側IDT電極12と同様に、弾性波の伝搬方向に沿って周期単位λが一定となり、また一方側のバスバー14cから他方側のバスバー14dに向かって周期単位λがTr1からTr2まで広がる配列パターンとなるように配置された電極指15及び反射電極26を備えている。出力側IDT電極13では、反射電極26は他方側のバスバー14dに接続されている。
【0023】
また、出力側IDT電極13の電極指15及び反射電極26の幅寸法や間隔寸法は、既述の入力側IDT電極12における電極指15及び反射電極26の各寸法と同様に形成されている。主反射電極27と補助反射電極30とは、夫々所定の配列順序で配列され、補助反射電極30における第1の領域28と第2の領域29とは、長さ方向において入力側IDT電極12における第1の領域28と第2の領域29との配列パターンと夫々同じになるように配置されている。従って、この出力側IDT電極13の補助反射電極30においては、弾性波は一対のバスバー14c、14dに近接する第1の領域28、28において順方向(入力側IDT電極12に向かう方向)に反射し、これらの第1の領域28、28間の領域である第2の領域29では順方向に反射せずに出力側IDT電極13の右側のダンパー25に向かって伝搬することになる。尚、図1及び図2については、各電極12、13、16については、圧電基板11の領域と区別しやすいように、ハッチングを付してある。以下の図も同様である。
【0024】
このような弾性波フィルタにおいて、入力ポート21を介して入力側IDT電極12に周波数信号が入力されると、弾性表面波(SAW)が発生する。この弾性波は、入力側IDT電極12において、その波長の長さ(λ)に対応する周期単位λが形成されたトラックTrにて順方向及び逆方向に向かって伝搬して行く。順方向に向かう弾性波は、各々の反射電極26にて同位相となり、振幅を強めながら出力側IDT電極13に向かって伝搬していく。一方、逆方向に伝搬する弾性波は、反射電極26にて既述のように順方向に反射されるが、図4に示すように、主反射電極27においてはTr1からTr2までに亘って均一に反射される一方、補助反射電極30においてはバスバー14a、14bに近接する第1の領域28にて順方向に反射し、中央側の第2の領域29ではそのまま逆方向に伝搬していく。
【0025】
こうして入力側IDT電極12では、バスバー14a、14bに近接する領域を伝搬する低波長側及び高波長側において、出力側IDT電極13に向かうにつれて、中央側よりも順方向に伝搬する弾性波のエネルギーが大きくなっていく。そして、入力側IDT電極12から出力側IDT電極13(シールド電極16)に向かって弾性波が放出されると、既述のように電極指15がテーパー状に形成されていることから、弾性波は、同図に示すように、バスバー14a、14bに近接する領域では回折によりバスバー14a、14b間の領域から外れた外側の領域に向かって部分的に伝搬していくことになる。しかし、上記のようにバスバー14a、14bに近接する領域に第1の領域28、28を設けて、当該領域28、28を伝搬する弾性波のエネルギーを大きくしていることから、入力側IDT電極12から出力側IDT電極13に向かって伝搬する弾性波は、Tr1からTr2までに亘ってほぼ均一なエネルギー分布となるか、あるいはTr1及びTr2に近接する領域では中央側よりもエネルギーが僅かに小さい状態で順方向に伝搬していくことになる。
【0026】
この弾性波が出力側IDT電極13に到達すると、弾性波の波長に対応する周期単位λの形成された電極指15、15間において、弾性波は左側(シールド電極16側)から右側に伝搬するにつれて少しずつ電気信号に変換されて出力ポート22に出力されていく。この時、出力側IDT電極13の補助反射電極30では、既述の入力側IDT電極12と同様にバスバー14c、14dに近接する領域に第1の領域28、28を設けているので、バスバー14c、14d近傍の弾性波が強められていくことになり、従って出力ポート22から出力される電気信号は、低域側から高域側に亘って、減衰量がほぼ一定となって平坦性の優れた状態となる。このフィルタにおいてシミュレーションにより得られた特性について図5に示すと、本発明では、既述の図9に示した従来のフィルタよりも低域側及び高域側の減衰特性が改善され、優れた平坦性が得られていることが分かる。尚、この図9に示した本発明のフィルタの特性は、実際には各領域28、29の長さ寸法を各々の補助反射電極30において調整して得られたものである。
【0027】
上述の実施の形態によれば、複数の電極指15及び反射電極26の幅寸法及び間隔寸法がバスバー14の一方側から他方側に向かうにつれて広がるように形成された入力側IDT電極12及び出力側IDT電極13を備えた弾性波フィルタにおいて、反射電極26の少なくとも1つとして、順方向に弾性波が反射するように重み付けられた第1の領域28と、順方向に弾性波が反射しないように重み付けが間引かれた第2の領域29と、をその長さ方向に配置した補助反射電極30を配置している。そのため、弾性波の低波長側から高波長側に亘って順方向に伝搬する弾性波のエネルギーの分布を調整することができるので、既述の図11のフィルタよりも減衰特性の調整を細やかに行うことができ、従って通過周波数帯域において平坦性の高い減衰特性を得ることができる。更に、上記の例では、一対のバスバー14a、14bに近接する各々の領域に上記の第1の領域28を配置しているので、電極指15をテーパー状に配置したIDT電極12、13であっても、回折による減衰特性の劣化を抑えることができ、特にバスバー14a、14bに近接する低域側及び高域側の回折の影響を抑えることができるため、ピークの立ち上がりが急峻で(肩ダレが小さく)平坦性の高い減衰特性を得ることができる。
また、上記のように第1の領域28と重み付けを間引いた第2の領域29とを1つの反射電極26に設けるにあたって、反射電極26の幅寸法が3λ/8となる構造のIDT電極12、13を用いているので、当該反射電極26の長さ方向に沿って中央部に隙間領域32を形成するだけで各領域28、29を容易に形成することができる。
更に、補助反射電極30を設けることによって回折の影響を抑えることができるので、電極指15の対数を増やしてフィルタの選択性を高めることができる。
【0028】
上記の例では、各々の補助反射電極30における各領域28、29を一様に配置したが、図6に示すように、良好な平坦性が得られるように、各々の補助反射電極30毎に独立して個別に配置しても良い。この図6では、入力側IDT電極12については第1の領域28の狭い(短い)補助反射電極30を両側に配置し、左側から徐々に第1の領域28の広く(長く)なる補助反射電極30を配置している。また、出力側IDT電極13については、図1の補助反射電極30よりも第1の領域28の広い補助反射電極30を入力側IDT電極12側に配置し、当該補助反射電極30よりも第1の領域28の広い補助反射電極30を弾性波の伝搬方向に並べている。
【0029】
また、補助反射電極30としては、IDT電極12(13)に1つ以上設けておけば良く、補助反射電極30以外の反射電極26については、主反射電極27あるいは既述の図10(b)に示すように、長さ方向に亘ってTr1からTr2まで弾性波の反射が起こらないように重み付けを間引きした反射電極26を設けても良い。また、補助反射電極30をIDT電極12、13のいずれか一方だけに配置しても良い。補助反射電極30を設けないIDT電極12(13)においては、補助反射電極30に代えて、同様に主反射電極27あるいは既述の図10(b)の間引きした反射電極26を設けても良いし、あるいは反射電極26を設けずに、バスバー14a(14c)、14b(14d)の各々から交互に伸びる一対の電極指15、15を配置して双方向性電極としても良い。
これらの場合においても、上記の例と同様にTr1からTr2までに亘って弾性波のエネルギーの分布が調整されて平坦性の優れた減衰特性が得られる。
【0030】
また、上記の例では、バスバー14a、14bに近接する領域に第1の領域28を配置したが、本発明はこのような例に限られず、通過周波数帯域において平坦な減衰特性が得られるように各領域28、29を配置すれば良く、例えば減衰量が大きくなる周波数に対応するトラックに第1の領域28を配置し、それ以外のトラックには第2の領域29を配置すれば良い。このような例について具体的に一例を挙げて説明すると、例えば図7に示すように一方のバスバー14に近接する領域にだけ第2の領域29を配置しても良いし、あるいは図8に示すように、両方のバスバー14、14に近接する領域に第2の領域29を配置して、中央部側に第1の領域28を設けても良い。つまり、本発明では平坦性の優れた減衰特性を得るために、長さ方向(弾性波の伝搬方向に略直交する方向)において、順方向に弾性波の反射が起こる第1の領域28と、順方向に弾性波の反射が起こらない第2の領域29と、を所定のレイアウトで配置すれば良い。また、IDT電極12、13間にシールド電極16を配置したが、このシールド電極16を設けなくても良い。
【0031】
既述の各例では、反射電極26を備えた一方向性電極例えばDART電極であるIDT電極12、13について説明したが、4本の電極指15とこれら電極指15間の離間寸法とにより一つの周期単位λが構成される一方向性電極に本発明を適用しても良い。この一方向性電極は、具体的には図12(a)に模式的に示すように、これら4本の電極指15のうち2本がλ/8よりも幅寸法が細くなり、また残りの2本がλ/8よりも幅寸法が太くなるように構成されており、例えば特許文献(特開2000−91869号公報及び特開2001−251158号公報)に記載されている。この一方向性電極を例えばDWSF(Different−Width Split−Finger)電極と呼ぶ。尚、図12においては、DWSF電極の構成を簡略化するために、バスバー14a、14b間における電極指15の幅寸法及び電極指15、15間の離間寸法を一定として描画してある。
【0032】
また、これらの電極指15のうち幅寸法の細い電極指15を「主電極指15a」、幅寸法の太い電極指15を「補助電極指15b」と呼ぶと、1本の主電極指15aと当該主電極指15aに隣接する補助電極指15bとが夫々バスバー14a(14b)及びバスバー14b(14a)から交互に伸び出すように、これら主電極指15a及び補助電極指15bの組が弾性波の伝搬方向に沿って複数配置されて一方向性電極を構成している。即ち、これら一組の主電極指15a及び補助電極指15bは、既述のように夫々の幅寸法が設定されることによって、弾性波が既述の順方向に反射するように重み付けられていると言える。従って、図12(b)に示すように、これら主電極指15a及び補助電極指15bの幅寸法を夫々等しくなるように形成することによって、弾性波が順方向に反射しないように重み付けが間引かれる。
【0033】
このDWSF電極において既述の順方向に弾性波が反射する第1の領域28及び弾性波が順方向に反射しない第2の領域29を各々形成するにあたって、この図12(a)、(b)の構成の主電極指15a及び補助電極指15bをバスバー14a、14b間に形成することになる。具体的には、図13に示すように、例えば入力側IDT電極12において、バスバー14a、14bに各々近接する領域に第1の領域28、28を形成すると共に、これら第1の領域28、28間に第2の領域29を配置して、これら領域28、29、28が境界Lにおいて主電極指15a、補助電極指15bの長さ方向に接続されるようにしている。従って、バスバー14a、14bに近接する領域(第1の領域28)では、幅寸法の互いに異なる電極指15a、15bが交互に配置され、これら第1の領域28、28間の第2の領域29では、幅寸法の等しい電極指15a、15bが配置される。この例では、第1の領域28における主電極指15a及び補助電極指15bの幅寸法は、夫々0.0833λ及び0.1667λ(電極指15a、15bの幅寸法の比が1:2)となっており、これら主電極指15a及び補助電極指15bの間の離間寸法は、各々0.125λとなっている。
【0034】
このDWSF電極においても、既述のDART電極と同様の効果が得られる。また、この例においても、電極指15(15a、15b)の長さ方向に沿って各領域28、29を図6〜図8のように任意のレイアウトで配置しても良いし、長さ方向に沿って各領域28、29を配置した電極指15と共に、これら領域28、29のうち一方だけを長さ方向に亘って形成した電極指15を設けても良い。図13の中央部には、長さ方向に亘って第1の領域28が形成された主電極指15a及び補助電極指15bを各々2本ずつ示している。即ち、長さ方向に亘って互いの幅寸法の異なる電極指15a、15bを各々2本ずつ配置している。
【0035】
更に、一つの周期単位λを構成する4本の電極指15a、15bの全てについて各領域28、29を形成したが、これらの4本の電極指15a、15bのうち互いに隣接する一組の電極指15a、15bについて各領域28、29を配置して、残りの一組の電極指15a、15bについては各領域28、29の一方だけを配置しても良い。更にまた、一つの周期単位λを構成する4本の電極指15のうち例えば3本を共通のバスバー14a(14b)から伸び出すように配置すると共に、残りの1本をバスバー14b(14a)から伸び出すように配置して、互いに隣接する電極指15a、15bにより各領域28、29を形成しても良い。また、入力側IDT電極12と共に出力側IDT電極13についても同様に各領域28、29を配置したDWSF電極として構成しても良いし、これらIDT電極12、13のうち一方だけについて各領域28、29を配置すると共に他方のIDT電極12、13には第1の領域28あるいは第2の領域29を配置しても良い。また、各電極指15a、15bの幅寸法としては、既述の例以外にも、主電極指15aの幅寸法が補助電極指15bの幅寸法よりも細くなるように形成すれば良い。
【0036】
また、図14に示すように、例えば第1の領域28において、各々の電極指15a(15b)の幅寸法が第2の領域29に向かうほど徐々に太く(細く)なるように形成して、境界Lにおいて各領域28、29の幅寸法が等しくなるように電極指15a、15bを配置しても良い。即ち、順方向に弾性波が反射する第1の領域28と、順方向に弾性波が反射しない第2の領域29と、の間に、電極指15の長さ方向に沿ってバスバー14側から中央部側に向かって弾性波の反射量が徐々に小さくなる第3の領域100を配置しても良い。この場合には、第1の領域28(第3の領域100)において、弾性波が順方向に反射する度合いを電極指15a、15bの長さ方向に沿って連続的に調整することができる。
このように電極指15a(15b)の幅寸法が第2の領域29に向かうにつれて徐々に太く(細く)なるように形成するにあたって、この図14に示すように電極指15a(15b)の長さ方向に沿って幅寸法を直線的に変えるようにしても良いし、曲線状に形成しても良い。また、この場合においても、各領域28(100)、29を電極指15の長さ方向及び弾性波の伝搬方向に沿って、任意のレイアウトで配置しても良い。更にまた、この図14に示す電極指15a、15bを既述の図13の構成の電極指15a、15bと共に配置しても良い。
【符号の説明】
【0037】
11 圧電基板
12 入力側テーパー型IDT電極
13 出力側テーパー型IDT電極
14 バスバー
15 電極指
26 反射電極
27 主反射電極
28 第1の領域
29 第2の領域
30 補助反射電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性波の伝搬方向に互いに間隔をおいて設けられた入力側IDT電極及び出力側IDT電極を備え、
これら入力側IDT電極及び出力側IDT電極は、互いに平行となるように形成された一対のバスバーと、これらのバスバーの各々から互いに交互に櫛歯状に伸び出すと共にその幅寸法及び離間寸法が前記バスバーの一方側から他方側に向かうにつれて広がるように形成された複数の電極指と、を備えたテーパー型IDT電極からなる弾性波フィルタにおいて、
前記入力側IDT電極及び出力側IDT電極の少なくとも一方は、前記電極指の長さ方向に沿って伸びるように配置された1つ以上の反射電極を備え、
前記入力側IDT電極においては、当該入力側IDT電極から前記出力側IDT電極に向かう方向を順方向、前記出力側IDT電極から前記入力側IDT電極に向かう方向を逆方向とし、前記出力側IDT電極においては、当該出力側IDT電極から前記入力側IDT電極に向かう方向を順方向、前記入力側IDT電極から前記出力側IDT電極に向かう方向を逆方向とすると、
前記反射電極の少なくとも1つは、前記順方向に弾性波が反射するように重み付けられた第1の領域と、前記順方向に弾性波が反射しないように重み付けが間引かれた第2の領域と、がその長さ方向に配置されていることを特徴とする弾性波フィルタ。
【請求項2】
前記反射電極と、この反射電極に隣接すると共に前記一対のバスバーの各々から互いに交互に伸び出す一対の電極指と、からなる組の前記弾性波の伝搬方向における寸法の周期単位をλとすると、
前記反射電極は、幅寸法が3λ/8であり、
前記第1の領域は、弾性波の伝搬方向において幅寸法が3λ/8の金属膜が形成され、
前記第2の領域は、幅寸法がλ/8の金属膜の形成された2つの領域が、幅寸法がλ/8の隙間領域を介して弾性波の伝搬方向に各々配置されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性波フィルタ。
【請求項3】
弾性波の伝搬方向に互いに間隔をおいて設けられた入力側IDT電極及び出力側IDT電極を備え、
これら入力側IDT電極及び出力側IDT電極は、互いに平行となるように形成された一対のバスバーと、これらのバスバーの各々から対向するバスバー側に向かって各々櫛歯状に伸び出すと共にその幅寸法及び離間寸法が前記バスバーの一方側から他方側に向かうにつれて広がるように形成された複数の電極指と、を備えたテーパー型IDT電極からなる弾性波フィルタにおいて、
前記入力側IDT電極及び出力側IDT電極の少なくとも一方は、4本の電極指の幅寸法及びこれら電極指間の離間寸法によって、伝搬する弾性波の波長に対応する周期単位となるように構成され、
前記入力側IDT電極においては、当該入力側IDT電極から前記出力側IDT電極に向かう方向を順方向、前記出力側IDT電極から前記入力側IDT電極に向かう方向を逆方向とし、前記出力側IDT電極においては、当該出力側IDT電極から前記入力側IDT電極に向かう方向を順方向、前記入力側IDT電極から前記出力側IDT電極に向かう方向を逆方向とすると、
前記周期単位を構成する4本の電極指からなる組の少なくとも1つは、主電極指とこの主電極指よりも幅寸法の太い補助電極指とが一対のバスバーの各々から互いに隣接して交互に伸び出すように少なくとも1本ずつ設けられ、前記順方向に弾性波が反射する第1の領域と、この第1の領域における前記主電極指及び前記補助電極指の夫々に接続されると共に各々の幅寸法が等しくなるように形成された電極指が配置され、前記順方向に弾性波が反射しないように構成された第2の領域と、がその長さ方向に配置されていることを特徴とする弾性波フィルタ。
【請求項4】
前記主電極指及び前記補助電極指は、前記第1の領域から前記第2の領域に向かうにつれて各々の幅寸法が等しくなるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の弾性波フィルタ。
【請求項5】
前記第1の領域は、前記弾性波の低波長側及び高波長側において前記順方向への弾性波の反射を多くするために、前記反射電極の両端部に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の弾性波フィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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