説明

弾性舗装体

【課題】熱可塑性バインダーであるEVAおよびアスファルトを併用した弾性舗装体において、夏季の高温時における耐久性の向上を図るとともに、すべり抵抗性についても向上する技術を提供する。
【解決手段】アスファルトおよびエチレン酢酸ビニル共重合体を含むアスファルト系バインダーと、ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材とを含有する弾性舗装体である。微粒ケイ砂とウレタンバインダーとからなる発泡固化ケイ砂を含有する。発泡固化ケイ砂の粒径は、好適には3〜10mmの範囲内であり、微粒ケイ砂は、好適には平均粒径10〜500μmの範囲内程度のものを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾性舗装体に関し、詳しくは、熱可塑性バインダーを用いた弾性舗装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、交通騒音の低減を図るための低騒音舗装として、大粒径の骨材を用いて舗装内部に空隙を設けた、多孔質の排水性舗装が存在する。また、加硫ゴムを粉末またはチップ状にして利用し、ウレタンやエポキシ等の硬化性樹脂をバインダーとして使用した低騒音弾性舗装が知られている。
【0003】
このうちゴムチップを用いた弾性舗装は、ゴムチップの有する弾力性により歩行時の衝撃吸収性や転倒時の安全性といった優れた効果を奏するとともに、内部に空隙を有することから、排水性および通気性に加えて吸音性にも優れ、そのためタイヤと路面内で発生する騒音の低減にも有効であるため、都市部での交通騒音低減のための機能性弾性舗装材として注目されている。
【0004】
しかし、ウレタン等の硬化性樹脂をバインダーとして用いた場合、施工した舗装をリサイクルする場合に、アスファルトのように加熱等により再利用を図ることができないという問題があった。また、常温で硬化が遅いため、養生時間に1〜2日程度要することとなり、その間交通規制をしなければならないという難点があり、成型品についても、道路のような大面積に施工するには困難であり、経済的な問題を有するものであった。
【0005】
これに対し、本出願人においては、ウレタンやエポキシ等の従来の硬化性バインダーに代えて、短時間で施工でき、低コストで2次リサイクルが可能なアスファルトをバインダーに用いた弾性舗装について種々検討を行ってきており、熱可塑性樹脂であるエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)をアスファルトとともにバインダーとして用いた弾性舗装材料について提案を行っている(例えば、特許文献1,2等)。また、例えば、特許文献3には、濡れ時のすべり抵抗性能を維持することができる多孔質弾性舗装材の提供を目的として、弾性骨材と硬質骨材とバインダーとを用いて成形されてなる多孔質弾性舗装材において、硬質骨材として、多数の硬質骨材を結着剤にて凝集結着させた凝集結着体からなる凝集硬質骨材を用いる技術が開示されている。
【特許文献1】特願2004−381513
【特許文献2】特願2005−004509
【特許文献3】特開2006−089942号公報(特許請求の範囲等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ウレタン等の硬化性樹脂を用いた弾性舗装は熱硬化性であるため温度依存性がないのに対し、EVAとアスファルトとを併用した弾性舗装は、熱可塑性バインダーを用いているために、夏季の高温時において舗装温度が上昇すると、強度が低下してしまうという問題があった。また、弾性舗装においては、雨天時等のウェット状態でのすべり抵抗(ウェットμ)が低いという問題もあり、これについても解消することが望まれていた。
【0007】
そこで本発明の目的は、熱可塑性バインダーであるEVAおよびアスファルトを併用した弾性舗装体において、夏季の高温時における耐久性の向上を図るとともに、すべり抵抗性についても向上できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
夏季の高温時において強度が低下することは、熱可塑性バインダーを用いた舗装における宿命であると考えられる。そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、保水材として、微粒ケイ砂をバインダーにより発泡固化させたものを舗装体中に混合することで、夏季の高温時においても路面の温度を低下させることができ、これにより舗装強度の低下を抑制することが可能となることを見出し、また、かかる発泡固化ケイ砂の混合によりウェットμの経年劣化の抑制効果も得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の弾性舗装体は、アスファルトおよびエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を含むアスファルト系バインダーと、ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材とを含有する弾性舗装体において、微粒ケイ砂とウレタンバインダーとからなる発泡固化ケイ砂を含有することを特徴とするものである。
【0010】
本発明において、前記発泡固化ケイ砂の粒径は、好適には3〜10mmの範囲内であり、前記微粒ケイ砂の平均粒径は、好適には10〜500μmの範囲内である。また、前記発泡固化ケイ砂の含有量が、前記アスファルト系バインダー、ゴムチップおよび/またはゴム粉末並びに骨材の総量に対し、体積比で5〜20%の範囲内とすることが好ましい。さらに、前記微粒ケイ砂とウレタンバインダーとの重量比率は、好適には30/70〜50/50の範囲内であり、前記発泡固化ケイ砂の空隙率としては、5〜60%の範囲内とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、上記発泡固化ケイ砂を保水材として充填するものとしたことで、熱可塑性バインダーであるEVAおよびアスファルトを併用した弾性舗装体において、夏季の高温時における路面温度を低減させて、耐久性の向上を図るとともに、良好なすべり抵抗性を実現することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明の弾性舗装体は、アスファルトおよびEVAを含むアスファルト系バインダーと、ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材とを含有するものであり、これらとともに、微粒ケイ砂とウレタンバインダーとからなる発泡固化ケイ砂を含有させた点に特徴を有する。
【0013】
かかる発泡固化ケイ砂を含有させたことで、弾性舗装体内の空隙を増やすことができ、これが保水材として作用するために、夏季の高温時においても路面温度を低減させる効果を得ることができる。これにより、路面強度の低下を防止して、夏季における耐久性を向上させることが可能となった。また、本発明に係る発泡固化ケイ砂は骨材としても作用するが、通常の骨材がタイヤなどとの摩擦により舗装面から剥がれて脱落してしまうのに対し、発泡固化ケイ砂は微粒ケイ砂の結合体であるため、一部が摩耗により削り取られても、新たに内部の微粒ケイ砂が露出して、骨材としての機能を発揮できることになる。したがって、本発明によれば、骨材の脱落によるすべり抵抗の経年劣化についても抑制することが可能となる。
【0014】
かかる発泡固化ケイ砂の粒径としては、特に制限されるものではないが、好適には3〜10mmの範囲内程度とする。発泡固化ケイ砂の粒径が小さすぎると保水性が低下し、大きすぎると骨材が脱落しやすくなり、いずれも好ましくない。
【0015】
また、発泡固化ケイ砂の弾性舗装体に対する配合量は、アスファルト系バインダー、ゴムおよび骨材の総量に対し、体積比で5〜20%の範囲内程度とすることが好ましい。発泡固化ケイ砂の配合量が少なすぎると保水効果が不十分となるおそれがあり、多すぎると弾性が不十分となり、いずれも好ましくない。
【0016】
本発明に係る発泡固化ケイ砂は、微粒ケイ砂をウレタンバインダーにより結合させて得られるものであり、微粒ケイ砂と混合したウレタンバインダーを発泡させて固化させることで、内部に空隙を有し、保水性を備える骨材となる。上記粒径を有する発泡固化ケイ砂を得るには、適宜寸法の発泡固化ケイ砂を作製した後、これを裁断機等により裁断して所望の寸法に調整すればよい。
【0017】
使用する微粒ケイ砂としては、平均粒径が10〜500μm、特には40〜200μmの範囲内程度のものを好適に用いることができる。微粒ケイ砂の平均粒径が小さすぎると施工が困難となり、大きすぎると保水性が保てなくなる。また、ウレタンバインダーとしては、特に制限されるものではないが、例えば、2液性ウレタンバインダーとして、好ましくはイソシアネート基端末プレポリマーとポリオールとを水酸基/イソシアネート基の当量比で、例えば、0.2〜0.8にて混合したものを好適に用いることができる。
【0018】
かかる2液性ウレタンバインダーのイソシアネート末端基プレポリマーの一例としては、イソシアネート含有量5〜25%、粘度1000〜5000cP(25℃)で、イソシアネート末端基プレポリマーの平均官能基数が2〜3のものが挙げられる。このプレポリマー用のイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネートがある。変性に用いる活性水素化合物としては、通常、分子量が1000〜3000程度のポリアルキレングリコールが用いられる。
【0019】
一方、ポリオールの一例としては、平均官能基数が2〜6、平均分子量が1000以下のものであって、かつ、反応性の点から水酸基の半分以上が一級水酸基であることが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレンエーテルグリコール等が挙げられる。
【0020】
発泡固化ケイ砂における微粒ケイ砂とウレタンバインダーとの重量比率は、好適には、30/70〜50/50の範囲内程度であり、その空隙率は、5〜60%の範囲内程度に調整することが好ましい。
【0021】
本発明において使用することのできるアスファルトとしては、特に制限されるものではなく、慣用のアスファルト、例えば、ストレートアスファルト、セミブローンアスファルト、ブローンアスファルト、アスファルト乳剤やタール、ピッチ、オイルなどを添加したカットバックアスファルト、再生アスファルトなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。また、アスファルトは、脱色アスファルトであってもよい。本発明に係るアスファルト系バインダーにおけるアスファルトの好適配合量は、20〜70重量%の範囲内である。
【0022】
また、EVAとしては、特に制限されるものではなく、市場で入手し得るものを好適に使用することができる。特には、重量平均分子量50,000〜100,000の高分子量のものが好適であり、より好適には、JIS K7206に準拠するビカット軟化点が40℃以上120℃以下、特には50℃以上80℃以下の範囲内であり、JIS K7206に準拠するメルトマスフローレートが1〜100g/10min、特には5〜30g/10minの範囲内であるものを用いる。具体的には例えば、EVA530、EVA541、EVA625、EVA633(いずれも東ソー(株)製)等を好適に使用することができる。
【0023】
また、EVAにおけるビニル酢酸単位は、ゴムとの接着性を高めるために、好ましくは10重量%以上であり、EVAのJIS K7215に準拠するデュロメータA硬さは、強度の面から70以上であることが好ましい。本発明に係るアスファルト系バインダーにおけるEVAの好適配合量は、30〜80重量%の範囲内である。
【0024】
本発明に係るアスファルト系バインダーには、上記アスファルトおよびEVAに加えて、ワックスを配合することが好ましい。かかるワックスとしては、特に制限されるものではなく、石油ワックス等の天然ワックスおよび合成ワックスのいずれを用いることもでき、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィンワックス、パラフィン系合成ワックス、ポリエチレンワックス、炭化水素系ワックス等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このようなワックスは1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。また、本発明に用いるワックスとしては、軟化点が80℃以上160℃以下、特には90℃以上130℃以下であるものが好ましい。さらに、25℃における針入度は、好適には20以下、より好適には8以下である。本発明のアスファルト系バインダーにおけるワックスの配合量は、好適には10〜60重量%とする。
【0025】
また、本発明に係るアスファルト系バインダーには、さらに、シランカップリング剤を含有させることが好ましく、これにより石表面の接着性も得られるため、耐久性をより高めることが可能である。シランカップリング剤としては、市場で入手できるものを適宜使用することが可能であり、特に制限されるものではないが、中でもアミノ系シランカップリング剤が好適であり、例えば、信越シリコーン(株)製のKBM603、KBM903等を好適に使用することができる。シランカップリング剤の配合量としては、例えば、全バインダーに対し、0.5〜5重量%程度とすることができる。
【0026】
その他、アスファルト系バインダー中には、例えば、強度等を向上させるために、他の熱可塑性エラストマーを添加することができる。かかる他の熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)等の1種または2種以上の組み合わせを適宜選択して用いることができる。これら他の熱可塑性エラストマーの配合量は、例えば、全バインダーに対し、10〜50重量%程度とすることができる。また、施工性を改良するために、アスファルト系バインダー中に、低分子量の石油樹脂を1〜40重量%程度含有させてもよい。
【0027】
本発明の弾性舗装体中に占めるアスファルト系バインダーの割合は、10〜35体積%程度とすることができる。
【0028】
ゴムチップおよび/またはゴム粉末としては、特に材質等は限定されず、天然ゴムやイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム等を利用することができる。かかるゴムは、ゴムタイヤ、ウェザーストリップ、ホース類等の使用済み廃材、成形の際に生成する不要の端材、成形不良品等から得ることができる。
【0029】
本発明の弾性舗装体中に占めるゴムの割合は、好ましくは20〜70体積%である。この割合が20体積%未満であると弾性舗装としての効果が十分ではなく、一方、70体積%を超えると、アスファルト舗装に適用するために十分な物性が得られなくなり、いずれも好ましくない。
【0030】
また、本発明に使用する骨材としては、特に制限はなく、川砂利、川砂等の天然の骨材や砕石、スラグ、コンクリート、ガラス、FRP等のリサイクル骨材を使用することができる。この骨材に使用する石材、砂等は、完成した舗装の強度、耐摩耗性を確保し、表面に露出して防滑作用を得るためのものである。石材は互いに噛み合って荷重を分散させる機能を持つことが好ましく、このため、砕石のような尖った形状で硬い物が適当である。また、粒径0.5〜30mmの粗粒骨材に対して、粒径0.5mm以下の細粒骨材を5体積%以上混合することが好ましい。粗粒骨材は、互いに噛み合って隙間を形成するような、砕石のような尖った形状で硬いものが適当である。一方、細粒骨材は、大型の粗粒骨材の表面に付着してタイヤ等に対して防滑作用(サンドペーパーのような研磨効果)をもたらすこととなる。
【0031】
本発明の弾性舗装体中に占める骨材の割合は、好ましくは35〜55体積%である。この割合が35体積%未満であると強度が十分ではなく、一方、55体積%を超えると、十分な弾性および低音効果が得られなくなり、いずれも好ましくない。
【0032】
弾性舗装体を構成する上記各成分の混合時に用いるオイルとしては、特に限定はされないが、例えば、芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖の3組成からなる石油系オイルのうち、環分析結果が36%以上の芳香族炭素を有する芳香族系オイルを好適に使用することができる。
【0033】
本発明の弾性舗装体は、アスファルト、EVAおよび所望に応じワックス等の残りの配合物をブレンドしたものと、骨材と、ゴムチップおよび/またはゴム粉末とを150〜200℃程度で混合し、その後、この混合物中に発泡固化ケイ砂を投入して再度混合することにより得ることができる。この場合、EVAとゴムチップおよび/またはゴム粉末とを予め混合し、次いで残りの配合物を混合することが好ましく、これにより、ゴムを熱から効果的に保護することができる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
(実施例)
アスファルト(25℃針入度60〜80)20重量部、EVA(EVA625,東ソー(株)製)40重量部およびワックス(日本精鑞(株)製,FT100)40重量部を混合し、180℃で攪拌することにより、アスファルト系バインダーを調製した。
【0035】
また、保水材として、微粒ケイ砂(平均粒径80μm)とウレタンバインダー(日本ポリウレタン工業(株)製,主剤(RB08)/硬化剤(Hex−2)=95/5(重量比率))とを重量比率80/20にて混合し、60℃のオーブン内に投入して、発泡、固化させることにより、発泡固化ケイ砂を作製した。得られた発泡固化ケイ砂の空隙率は30%であった。これを裁断機で粒径3〜10mmに裁断した。
【0036】
調製したアスファルト系バインダー25体積%と、ゴムチップ(粒径3〜5mm)と骨材(ケイ砂)との体積比率75/25の混合物75体積%とを混合し、さらに、上記発泡固化ケイ砂を、これらの混合物の総量に対し体積比で10%混合して、180℃に加熱したミキサー中に投入し、20分間攪拌した後、空隙率20%、厚み25mmの弾性舗装体を作製し、実施例の弾性舗装体サンプルとした。
【0037】
(比較例)
保水材として発泡固化ケイ砂を混合しなかった以外は実施例と同様にして、比較例の弾性舗装体サンプルを作製した。
【0038】
上記実施例および比較例で得られた弾性舗装体の表層の状態を、従来例1としての一般密粒舗装および従来例2としてのウレタン系弾性舗装とともに評価した。評価基準は、表層の剥離がほとんどない場合を「○」、凹凸が生じ、剥離が確認できる場合を「△」、骨材が飛散し、大きなわだちが生ずる場合を「×」とした。その結果を、下記の表1中に示す。
【0039】
【表1】

*1)ウレタンバインダー(日本ポリウレタン(株)製 RB08:主剤,HEX2:硬化剤)25重量%,ゴム粉(平均粒径4mm)56重量%,骨材(混合珪砂,平均粒径1mm)19重量%
【0040】
結果として、保水材としての発泡固化ケイ砂を、EVA系弾性舗装体中に体積比10%にて混入させた実施例では、夏季(気温約33℃)における舗装表面温度が13℃低下した。また、表層の剥離を確認したところ、保水材を充填しない比較例に比べて、表層の荒れが少なくなっていた。
【0041】
次いで、表層剥離後、ウェット時におけるすべり抵抗性についても検討するために、ウェット時のゴムシートとの摩擦評価を行った。結果は、ウェット状態でゴムシートを押しつけながら横方向に力を加えたとき、ほとんど動かない場合を「○」、若干動く場合を「△」、大幅に動く場合を「×」とした。その結果を、下記の表2中に示す。
【0042】
【表2】

【0043】
結果として、発泡固化ケイ砂をEVA系弾性舗装体中に体積比10%にて混入させた実施例では、混入しない比較例に比べて、ウェット時におけるすべり抵抗性についても改良されることが確かめられた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルトおよびエチレン酢酸ビニル共重合体を含むアスファルト系バインダーと、ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材とを含有する弾性舗装体において、
微粒ケイ砂とウレタンバインダーとからなる発泡固化ケイ砂を含有することを特徴とする弾性舗装体。
【請求項2】
前記発泡固化ケイ砂の粒径が3〜10mmの範囲内である請求項1記載の弾性舗装体。
【請求項3】
前記微粒ケイ砂の平均粒径が10〜500μmの範囲内である請求項1または2記載の弾性舗装体。
【請求項4】
前記発泡固化ケイ砂の含有量が、前記アスファルト系バインダー、ゴムチップおよび/またはゴム粉末並びに骨材の総量に対し、体積比で5〜20%の範囲内である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の弾性舗装体。
【請求項5】
前記微粒ケイ砂とウレタンバインダーとの重量比率が30/70〜50/50の範囲内である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の弾性舗装体。
【請求項6】
前記発泡固化ケイ砂の空隙率が5〜60%の範囲内である請求項1〜5のうちいずれか一項記載の弾性舗装体。

【公開番号】特開2008−2197(P2008−2197A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−173998(P2006−173998)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】