説明

形状測定装置、形状測定方法、及びプログラム

【課題】安全で高精度の心出しを実行可能な形状測定装置、形状測定方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】形状測定装置は、回転体である被測定物4を第1位置P1に配置する制御部41を有する。制御部41は、第1位置P1にて接触子24を被測定物4の表面に倣うようにX軸に平行に移動させて第1測定曲線L1を取得する。制御部41は、Z軸を中心に被測定物4を90度回転させて、被測定物4を第2位置P2に配置する。制御部41は、第2位置P2にて接触子24を被測定物4の表面に倣うようにX軸に平行に移動させて第2測定曲線L2を取得する。制御部41は、第1、第2測定曲線L1、L2にそれぞれ円を当てはめ、各円の最大値M1、M2のX軸方向の位置を算出する。制御部41は、最大値M1、M2のX軸方向の位置が0となるように、被測定物4をX軸、Y軸方向に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の回転軸を中心として相対的に回転する被測定物の回転角に同期して変位測定する、いわゆる真円度測定機などの形状測定装置、形状測定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被測定物をテーブルに配置し、テーブルを回転させると共に、測定プローブ(接触子)を被測定物の表面に倣わせる真円度測定機が知られている(特許文献1、2参照)。このような真円度測定機においては、接触子のX軸方向及びY軸方向の校正を行い、被測定物を、その中心がテーブルの回転軸に一致(心出し)するように配置しなければならない。
【0003】
現状、非球面ワークを同心円測定したデータを、非球面設計値にベストフィットさせることにより、心出しをすることがなされている。その際、被測定物の偏心量が大きいと、設計値範囲を外れた半径位置を測定したり、検出量の振れが大きくなることから、測定レンジオーバーが発生することがある。これにより、機械に保障された測定領域を超える場合があり、この場合、被測定物及び測定機を破損させるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−231864号公報
【特許文献2】特許2551698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、安全で高精度の心出しを実行可能な形状測定装置、形状測定方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る形状測定装置は、回転体である被測定物を第1軸を中心として回転させながら、前記被測定物の各回転角における表面の変位を測定する形状測定装置であって、前記被測定物に先端が接触可能な接触子と、前記被測定物を第1位置に配置する第1配置手段と、前記第1位置にて前記接触子を前記被測定物の表面に倣うように前記第1軸に直交する第2軸に平行に移動させて、前記第2軸に沿った各位置における前記接触子の変位量を測定して第1測定曲線を取得する第1測定手段と、前記第1軸を中心に前記被測定物を90度回転させて、前記被測定物を前記第1位置から第2位置に配置する第2配置手段と、前記第2位置にて前記接触子を前記被測定物の表面に倣うように前記第2軸に平行に移動させて、前記第2軸に沿った各位置における前記接触子の変位量を測定して第2測定曲線を取得する第2測定手段と、前記第1測定曲線及び第2測定曲線にそれぞれ円を当てはめて、各円の極値を示す第1極値、及び第2極値の前記第2軸方向の位置を算出する極値位置算出手段と、前記第1極値及び前記第2極値の前記第2軸方向の位置が0となるように、前記被測定物を前記第2軸に平行な方向、及び前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に平行な方向に移動させる移動手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る形状測定方法は、回転体である被測定物を第1軸を中心として回転させながら、前記被測定物の各回転角における表面の変位を測定し、前記被測定物に先端が接触可能な接触子を有する形状測定装置を用いた形状測定方法であって、前記被測定物を第1位置に配置する工程と、前記第1位置にて前記接触子を前記被測定物の表面に倣うように前記第1軸に直交する第2軸に平行に移動させて、前記第2軸に沿った各位置における前記接触子の変位量を測定して第1測定曲線を取得する工程と、前記第1軸を中心に前記被測定物を90度回転させて、前記被測定物を前記第1位置から第2位置に配置する工程と、前記第2位置にて前記接触子を前記被測定物の表面に倣うように前記第2軸に平行に移動させて、前記第2軸に沿った各位置における前記接触子の変位量を測定して第2測定曲線を取得する工程と、前記第1測定曲線及び前記第2測定曲線にそれぞれ円を当てはめて、各円の極値を示す第1極値、及び第2極値の前記第2軸方向の位置を算出する工程と、前記第1極値及び前記第2極値の前記第2軸方向の位置が0となるように、前記被測定物を前記第2軸に平行な方向、及び前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に平行な方向に移動させる工程とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る形状測定プログラムは、回転体である被測定物を所定の回転軸を中心として回転させながら、前記被測定物の各回転角における表面の変位を測定し、前記被測定物に先端が接触可能な接触子を有する形状測定装置を用いた形状測定プログラムであって、コンピュータに、前記被測定物を第1位置に配置する工程と、前記第1位置にて前記接触子を前記被測定物の表面に倣うように前記第1軸に直交する第2軸に平行に移動させて、前記第2軸に沿った各位置における前記接触子の変位量を測定して第1測定曲線を取得する工程と、前記第1軸を中心に前記被測定物を90度回転させて、前記被測定物を前記第1位置から第2位置に配置する工程と、前記第2位置にて前記接触子を前記被測定物の表面に倣うように前記第2軸に平行に移動させて、前記第2軸に沿った各位置における前記接触子の変位量を測定して第2測定曲線を取得する工程と、前記第1測定曲線及び前記第2測定曲線にそれぞれ円を当てはめて、各円の極値を示す第1極値、及び第2極値の前記第2軸方向の位置を算出する工程と、前記第1極値及び前記第2極値の前記第2軸方向の位置が0となるように、前記被測定物を前記第2軸に平行な方向、及び前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に平行な方向に移動させる工程とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、安全で高精度の心出しを実行可能な形状測定装置、形状測定方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る形状測定装置の概略構成を示す外観斜視図である。
【図2】演算処理装置本体31の構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態に係る形状測定装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS103を示す概略図である。
【図5】図3のステップS104、S105を示す概略図である。
【図6】図3のステップS106を示す概略図である。
【図7】図3のステップS103、S105を説明するための図である。
【図8】実施形態に係る形状測定装置の効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。
【0012】
[実施形態]
[実施形態に係る形状測定装置の構成]
先ず、図1を参照して、実施形態に係る形状測定装置の構成を説明する。図1は、実施形態に係る形状測定装置(真円度測定装置)の外観斜視図である。
【0013】
形状測定装置は、被測定物4を所定の回転軸を中心として回転させながら、被測定物4の各回転角における表面の変位を測定する。本実施形態において、被測定物4は、回転体である凸型の被球面レンズである。
【0014】
形状測定装置は、図1に示すように、測定機本体1と、駆動制御装置1aを介して測定機本体1に接続された演算処理装置2とから構成される。
【0015】
測定機本体1は、基台3と、この基台3上に設けられて被測定物4を載置すると共に回転させるテーブル5と、このテーブル5に載置された被測定物4の変位を検出する変位検出装置6と、これらを操作するための操作部7とを備えて構成されている。
【0016】
テーブル5は、円板状の載物台11を、その下側に配置された回転駆動装置12により回転駆動して、載物台11の上に載置された被測定物4を回転させるものである。回転駆動装置12の側面には、調整用つまみ13が、周方向にほぼ90度の間隔で配置されている。これら調整用つまみ13を操作することにより、手動操作で載物台11の心出し及び水平出しが行えるようになっている。すなわち、載物台11は、X軸、Y軸、Z軸方向に調整可能に構成されている。また、載物台11は、後述する制御部41により、心出し及び水平出しが行われるように構成されている。なお、X軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する軸である。
【0017】
変位検出装置6は、次のように構成されている。即ち、基台3には上方に延びるコラム21が立設されており、このコラム21にスライダ22が上下動可能に装着されている。スライダ22にはスタイラス23が装着されている。スタイラス23は、水平(X軸、Y軸)、垂直(Z軸)方向に駆動可能に構成されており、その先端には接触子24が設けられている。接触子24は、その先端が被測定物に接触可能に構成されている。コラム21、スライダ22、及びスタイラス23は、接触子駆動手段を構成している。
【0018】
テーブル5を回転させつつ、スライダ22、スタイラス23を移動させ、接触子24を被測定物4の表面をX軸方向に走査(トレース)することによって、X軸方向の各位置における接触子24の変位量が測定データ(測定曲線)として得られるようになっている。
【0019】
演算処理装置2は、変位検出装置6で得られた測定データを取り込む。演算処理装置2は、演算処理を実行する演算処理装置本体31、及び操作部32、表示画面33を有する。また、演算処理装置2は、操作部7と同様に測定機本体1の動作を制御可能に構成されている。
【0020】
次に、図2を参照して、演算処理装置本体31の構成について説明する。演算処理装置本体31は、図2に示すように、主に、制御部(CPU:Central Processing Unit)41、RAM(Random Access Memory)42、ROM(Read Only Memory)43、HDD(Hard Disk Drive)44、表示制御部45を有する。演算処理装置本体31において、操作部32から入力されるコード情報及び位置情報は、I/F46aを介して制御部41に入力される。制御部41は、ROM43に格納されたマクロプログラム及びHDD44からI/F46bを介してRAM42に格納された各種プログラムに従って、各種の処理を実行する。
【0021】
制御部41は、測定実行処理に従って、I/F46cを介して測定機本体1を制御する。HDD44は、各種制御プログラムを格納する記録媒体である。RAM42は、各種プログラムを格納する他、各種処理のワーク領域を提供する。また、制御部41は、表示制御部45を介して表示画面33に測定結果等を表示する。
【0022】
制御部41は、HDD44から各種プログラムを読み出し、そのプログラムを実行することにより、以下の図3に示す動作を実行する。
【0023】
[実施形態に係る形状測定装置の動作]
次に、図3に示すフローチャートを参照して実施形態に係る形状測定装置における非球面ワークのベストフィット心水平出し動作について説明する。先ず、載置台11に載置された非球面ワークである被測定物4をおおまかに心水平出しした後、制御部41は、操作部32にて測定条件、例えば、測定開始半径位置、測定長さ、測定レンジを有効利用するためのオートセットレベル等の入力を受け付ける(ステップS101)。次に、制御部41は、入力された測定条件に従って、被測定物4を第1位置P1に配置する(ステップS102)。具体的に、制御部41は、載置台11の回転角を“0°”に設定する。
【0024】
続いて、制御部41は、図4に示すように、第1位置P1にて、接触子23を被測定物4の表面に倣わせるようにX軸方向に所定距離だけ移動させて表面形状を測定し、第1測定曲線L1を得る(直動測定)(ステップS103)。ここで、第1測定曲線L1は、第1位置P1のX軸方向の各位置における接触子23の変位量である。
【0025】
次に、制御部41は、図5に示すように、Z軸を中心に被測定物4を90度回転させて、被測定物4を第1位置P2から第2位置P2に配置する(ステップS104)。具体的に、制御部41は、載置台11の回転角を「90°」に設定する。続いて、制御部41は、図5に示すように、第2位置P2にて接触子23を被測定物4の表面に倣わせるようにX軸方向に所定距離だけ移動させて表面形状を測定し、第2測定曲線L2を得る(直動測定)(ステップS105)。ここで、第2測定曲線L2は、第2位置P2のX軸方向の各位置における接触子23の変位量である。
【0026】
続いて、制御部41は、第1測定曲線L1、及び第2測定曲線L2に最小二乗法によりそれぞれ円を当てはめ、これらの円の最大値(極値)M1、M2のX軸方向の位置を算出する(ステップS106)。例えば、制御部41は、図6に示すように、第1測定曲線L1(第2測定曲線L2)を構成する測定値Dに対して、円弧状の関数f(x)を最小自乗法によりベストフィットさせて、その関数f(x)から最大値M1、M2を求める。このような処理を実行することで、ノイズ等により誤差を含む測定値Dの影響を抑えることができる。
【0027】
次に、制御部41は、最大値M1、M2のX軸方向の位置が0となるように、被測定物4をX軸方向、及びY軸方向に移動させる(ステップS107)。以上で、制御部41は、動作を終了させる。
【0028】
続いて、図7を参照して、上記ステップS103〜S105の処理を詳しく説明する。図7において、被測定物4の中心Cは、第1位置P1にて、回転軸O(Z軸)からX軸方向にcx、Y軸方向にcyの位置にあるものとする。図7の(a1)及び(a2)は、第1位置P1における測定(ステップS103)を示す。図7の(a1)は、X−Y平面図であり、図7の(a2)は、X−Z平面図である。図7の(b1)及び(b2)は、第2位置P2における測定(ステップS105)を示す。図7の(b1)は、X−Y平面図であり、図7の(b2)は、X−Z平面図である。
【0029】
図7の(a1)に示すステップS103の測定により、図7の(a2)に示す第1測定曲線L1が測定される。第1測定曲線L1の当てはめ円の最大値M1は、図7の(a2)に示すように、X軸方向のcxに位置する。すなわち、この測定により、制御部41は、回転軸Oからの被測定物4の中心CのX軸方向のずれ量cxを特定することができる。
【0030】
図7の(b1)に示すステップS105の測定により、図7の(b2)に示す第2測定曲線L2が測定される。第2測定曲線L2の当てはめ円の最大値M2は、図7の(b2)に示すように、X軸方向のcyに位置する。すなわち、この測定により、制御部41は、回転軸Oからの被測定物4の中心CのY軸方向のずれ量cyを特定することができる。
【0031】
[実施形態に係る形状測定装置の効果]
次に、図8を参照して、実施形態に係る形状測定装置の効果について説明する。図8は、接触子24を被測定物4に倣わせて被測定物4をZ軸を中心として回転させながら、被測定物4の各回転角における表面の変位を測定し、測定曲線Lを取得する例を示している。この場合、上記図3に示すステップS101〜ステップS107の処理を実行する前、図8の(a)に示すように、測定曲線Lは、測定領域AR内に収まらない。ここで、測定領域ARは、安定した測定が実行可能と保障された領域である。すなわち、検出量の振れが大きくなり、接触子23や被測定物4を破損させるおそれがある。
【0032】
一方、上記図3に示すステップS101〜S107の処理を実行した後、図8の(b)に示すように、測定曲線Lは、測定領域AR内に収まる。すなわち、本実施形態に係る形状測定装置は、上記処理により偏心量が大きい場合であっても、安定した測定によって心出しを実行できる。
【0033】
また、従来の形状測定装置は、同心円状の測定データを少なとも5つ測定することで心出しを実行する。これに対して、本実施形態のステップS101〜S107において、測定は、X軸方向の所定距離に亘る2回の直動測定のみであるので、心出しは、短時間で実行可能である。また、被測定物4の形状やセッティング状態により、その外周が測定できない場合には、本実施形態の処理が有効である。
【0034】
[その他の実施形態]
以上、形状測定装置の実施形態を説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、追加、置換等が可能である。例えば、上記実施形態において、被測定物4は、凸レンズ等の凸型の非球面ワークである。しかしながら、被測定物4は、凹レンズ等の凹型の非球面ワークであっても良い。なお、凹レンズの場合、ステップS106にて、制御部41は、第1、第2測定曲線L1、L2の当てはめ円の最小値を算出すればよい。
【符号の説明】
【0035】
1…測定機本体、 2…演算処理装置、 3…基台、 4…被測定物、 5…テーブル、 6…変位検出装置、 7…操作部、 21…コラム、 22…スライダ、 23…スタイラス、 24…接触子、 31…演算処理装置本体、 32…操作部、 33…表示画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体である被測定物を第1軸を中心として回転させながら、前記被測定物の各回転角における表面の変位を測定する形状測定装置であって、
前記被測定物に先端が接触可能な接触子と、
前記被測定物を第1位置に配置する第1配置手段と、
前記第1位置にて前記接触子を前記被測定物の表面に倣うように前記第1軸に直交する第2軸に平行に移動させて、前記第2軸に沿った各位置における前記接触子の変位量を測定して第1測定曲線を取得する第1測定手段と、
前記第1軸を中心に前記被測定物を90度回転させて、前記被測定物を前記第1位置から第2位置に配置する第2配置手段と、
前記第2位置にて前記接触子を前記被測定物の表面に倣うように前記第2軸に平行に移動させて、前記第2軸に沿った各位置における前記接触子の変位量を測定して第2測定曲線を取得する第2測定手段と、
前記第1測定曲線及び第2測定曲線にそれぞれ円を当てはめて、各円の極値を示す第1極値、及び第2極値の前記第2軸方向の位置を算出する極値位置算出手段と、
前記第1極値及び前記第2極値の前記第2軸方向の位置が0となるように、前記被測定物を前記第2軸に平行な方向、及び前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に平行な方向に移動させる移動手段と
を備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項2】
回転体である被測定物を第1軸を中心として回転させながら、前記被測定物の各回転角における表面の変位を測定し、前記被測定物に先端が接触可能な接触子を有する形状測定装置を用いた形状測定方法であって、
前記被測定物を第1位置に配置する工程と、
前記第1位置にて前記接触子を前記被測定物の表面に倣うように前記第1軸に直交する第2軸に平行に移動させて、前記第2軸に沿った各位置における前記接触子の変位量を測定して第1測定曲線を取得する工程と、
前記第1軸を中心に前記被測定物を90度回転させて、前記被測定物を前記第1位置から第2位置に配置する工程と、
前記第2位置にて前記接触子を前記被測定物の表面に倣うように前記第2軸に平行に移動させて、前記第2軸に沿った各位置における前記接触子の変位量を測定して第2測定曲線を取得する工程と、
前記第1測定曲線及び前記第2測定曲線にそれぞれ円を当てはめて、各円の極値を示す第1極値、及び第2極値の前記第2軸方向の位置を算出する工程と、
前記第1極値及び前記第2極値の前記第2軸方向の位置が0となるように、前記被測定物を前記第2軸に平行な方向、及び前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に平行な方向に移動させる工程と
を備えることを特徴とする形状測定方法。
【請求項3】
回転体である被測定物を所定の回転軸を中心として回転させながら、前記被測定物の各回転角における表面の変位を測定し、前記被測定物に先端が接触可能な接触子を有する形状測定装置を用いた形状測定プログラムであって、
コンピュータに、
前記被測定物を第1位置に配置する工程と、
前記第1位置にて前記接触子を前記被測定物の表面に倣うように前記第1軸に直交する第2軸に平行に移動させて、前記第2軸に沿った各位置における前記接触子の変位量を測定して第1測定曲線を取得する工程と、
前記第1軸を中心に前記被測定物を90度回転させて、前記被測定物を前記第1位置から第2位置に配置する工程と、
前記第2位置にて前記接触子を前記被測定物の表面に倣うように前記第2軸に平行に移動させて、前記第2軸に沿った各位置における前記接触子の変位量を測定して第2測定曲線を取得する工程と、
前記第1測定曲線及び前記第2測定曲線にそれぞれ円を当てはめて、各円の極値を示す第1極値、及び第2極値の前記第2軸方向の位置を算出する工程と、
前記第1極値及び前記第2極値の前記第2軸方向の位置が0となるように、前記被測定物を前記第2軸に平行な方向、及び前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に平行な方向に移動させる工程と
を実行させるための形状測定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−271057(P2010−271057A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120705(P2009−120705)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】