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後の質量分析法を用いた分析のために、溶液捕獲によって核酸を迅速に精製する方法
説明

後の質量分析法を用いた分析のために、溶液捕獲によって核酸を迅速に精製する方法

【課題】核酸の迅速な溶液捕獲精製法を提供する。
【解決手段】質量スペクトル分析のために、複数の核酸を含む溶液を精製する方法であって、前記複数の核酸を含んだ前記溶液を、9以上のpKa値を有するひとつ以上の陰イオン交換官能基が結合したひとつ以上の磁気ビーズと混合し、さらに単離、洗浄する工程を経て、エレクトロスプレーイオン化質量スペクトル(ESI-MS)法と互換性を持つ溶出バッファーを用いて、前記ひとつ以上の磁気ビーズに結合したひとつ以上の陰イオン交換官能基から該核酸を溶出する工程であって、ここで前記溶出バッファーは金属カチオン塩を含まない、という工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は一般に、質量分析による核酸分析の分野に関連し、この目的のために実用的な方法およびキットを提供する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
エレクトロスプレーイオン化質量分析法(EST−MS)は、生体高分子の分析に重要な技術となっている。多重荷電現象は、速く、正確で、精密な分子量の測定、修飾の同定、および、非常に高質量の生体高分子のためのより詳細な構造研究を可能にする。
【0003】
ポリメラーゼ連鎖反応を利用する特定のDNA配列の増幅は、細菌学、医学調査、法医学分析、および臨床診断を含む、多くの科学的な専門分野に広範囲に適用される。多くの場合PCR産物は、染料を間に介入させるか、蛍光標識プライマーを使用するかのどちらかを用いた標準ゲル電気泳動のような従来の生化学技術を使用して「大きさで分類される」。PCRをベースとした多くの診断キットで広く使われているTaqman(商標)分析法は、特定のPCR産物の存在(または不在)を確かにするが、アンプリコンサイズの直接の読み出しを提供しない。増幅サイクルの間レーザーによって誘発されたPCR産物の蛍光を測定するいわゆる「リアルタイム」PCR装置は、既知のDNAテンプレートおよびプライマーセットからDNAの増幅を定量化するために用いられている。これらの方法は、比例して高い蛍光バックグラウンドのために、比較的小さいアンプリコン(150未満の塩基対)に対する有用性が限られており、アンプリコンの不均一性または正確な長さに関していかなる情報も提供しない。
【0004】
より伝統的なこれらの方法と比較して、質量分析法は、速度、感度、および質量精度を含むPCR産物を特徴づけるプラットフォームとして、いくつかの潜在的な利点を有する。DNAを含む各々の塩基の精密な質量が極めて正確に分かるため、質量分析法を介して得られる高精度の質量測定を用いて、実験的に得られた質量測定不確定度の範囲内で、塩基組成を導き出すことができる(J.Aaserud,Z.Guan,D.P.Little and F.W.McLafferty,Int.J.Mass Spectrom.Ion Processes,1997,167/168,705−712.and D.C.Muddiman,G.A.Anderson,S.A.Hofstadler and R.D.Smith,Anal.Chem.1997,69,1543−1549)。核酸増幅および分子量分析による有益なアンプリコンの塩基組成の決定の組合せを用いた未知の病原体の迅速な同定方法は、公開された米国特許出願第20030027135号、20030082539号、20030124556号、20030175696号、20030175695号、20030175697号、20030190605号、ならびに米国特許出願第10/326,047号、10/660,997号、10/660,122号および10/660,996号において開示され、権利が主張される。そしてこれらすべては、自己のものであり(commonly owned)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0005】
MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)およびエレクトロスプレー(ESI)質量分析の両方が、後の質量分析検出のために、PCR産物をイオン化するために使用されてきた。MALDIが短い(20マー以下)オリゴヌクレオチドを分析するために広く使われているのに対し、100bpを超えるアンプリコンへの適用はあまり一般的ではない。ESIは、イオン化プロセスの固有の「柔らかさ」のために、最も広く使われている大きな生体分子のイオン化技術の1つであり、500bpを上回るDNAを解離させずにイオン化することができる。
【0006】
ESIでは、「空気噴霧化」プロセスにおいて、大きな帯電した液滴が産生される。このプロセスでは分析物溶液は、針を通して押し出される。針の先端には、出現する溶液を帯電した液滴の非常に精細なスプレーにするのに十分な電位が適用される。液滴はすべて同じ極性を有する。溶媒は蒸発し、溶滴サイズは縮小し、液滴の表面の帯電濃度が高くなる。最終的に、レイリーリミット(Rayleigh limit)において、クーロン反発が液滴の表面張力に打ち勝ち、液滴は破裂する。この「クーロン反発」によって、一連のより小さい、より低荷電の液滴が形成される。それぞれに帯電した分析物イオンが形成されるまで、縮小とその後の破裂のプロセスは繰り返される。電荷は分析物の有効荷電部位に統計学的に分配され、多重荷電イオン状態の形成につながる可能性がある。噴霧されたイオンへドライガス流の逆流(drying gas flow counter current)をもたらすことによって溶媒の蒸発率を増加させることで、多重荷電の程度が増加する。キャピラリーの直径を減少させ、分析物溶液の流速を減少させることにより(すなわちナノスプレーイオン化)、より「従来の」ESIによって作製されたイオンより高いm/z比率を有するイオンが作られ(すなわち、よりソフトなイオン化技術)、生物分析の分野においてさらに役立つ。
【0007】
残念なことに、ESIは、比較的きれいな試料を必要とし、生化学研究所において一般に使用される陽イオン塩類、界面活性剤、および多くのバッファー剤に耐えられないことで知られている。
【0008】
ポリメラーゼ連鎖反応において一般に使用されるバッファー系は、エレクトロスプレー非互換性試薬(例えば50mMのKCl、2mMのMgCl2、10mMのTris−HClおよび各々の4つのデオキシヌクレオチド三リン酸塩(dNTPs)をそれぞれ200:M)を含む。比較的低い濃度の金属陽イオン存在下(100:M未満)ですら、各々の分子イオンへの信号が多数の塩付加物に広がるため、オリゴヌクレオチドへのMS感度を有意に減らしうる。このように、界面活性剤およびdNTPを取り除くことに加えて、PCR産物の効果的なESI−MSには、分析前に塩濃度を1000倍より多く減少させることが必要である。
【0009】
試料が濃縮されている間に、短いオリゴヌクレオチドおよび塩が除去されるため、その後のMS分析のために、エタノール沈殿はPCR産物を脱塩するために用いられてきた。(M.T.Krahmer,Y.A.Johnson,J.J.Walters,K.F.Fox,A.FoxおよびM.Nagpal,Eiectrospray Anal.Chem.1999,71,2893−2900;T.Tsuneyoshi,K.Ishikawa,Y.Koga,Y.Naito,S.Baba,H.Terunuma,R.ArakawaおよびD.J.Prockop Rapid Commun.Mass Spectrom.1997,11,719−722;D.C.Muddiman,D.S.Wunschel,C.L.Liu,L.Pasatolic,K.F.Fox,A.Fox,G.A.AndersonおよびR.D.Smith Anal.Chem.1996,68,3705−3712)。この方法では、PCR産物を、5℃で一晩、または冷(−20℃)エタノールで10〜15分にわたってのいずれかで、濃縮アンモニウム酢酸塩溶液から沈殿させることができる。残念なことに、沈殿工程のみでは通常、高品質のESIスペクトルを得るために適切に脱塩されたPCR産物を得るには不十分である。従って、通常、沈殿の後に、試料をさらに脱塩するための透析工程が続く(D.C.Muddiman,D.S.Wunschel,C.L.Liu,L.Pasatolic,K.F.Fox,A.Fox,G.A.AndersonおよびR.D.Smith Anal.Chem.1996,68,3705−3712)。数人の研究者がこれらの方法をうまく使って多くのPCR産物の特徴付けを行ってきたが、頑強で完全に自動化したハイスループット法にこれらの方法が適用されるまでの道のりは明らかでない。
【0010】
市販のDNA精製キットもまた、微小透析のような従来の脱塩技術と併せて用いることができる(S.Hahner,A.Schneider,A.IngendohおよびJ.Mosner Nucleic Acids Res.2000,28,e82/i−e82/viii;ならびにA.P.Null,L.T.GeorgeおよびD.C.Muddiman J:Am.Soc.Mass Spectrom.2002,13,338−344)。他の精製技術(例えば、ゲル電気泳動に続く高性能液体クロマトグラフィもしくは液滴透析(drop dialysis))、または膜もしくは樹脂を用いた陽イオン交換も、MS検出のための、高精製で、脱塩されたDNAを得るために用いられてきた。(L.M.Benson,S.−S.Juliane,P.D.Rodringues,T.Andy,L.J.Maher IIIおよびS.Naylor,In:The 47th ASMS Conference on Mass SpectrometryおよびAllied Topics,Dallas,Texas(1999);C.G.HuberおよびM.R.Buchmeiser Anal.Chem.1998,70,5288−5295;H.Oberacher,W.Parson,R.MuehlmannおよびC.G.Huber Anal.Chem.2001,73,5109−5115;C.J.Sciacchitano J.Liq.Chromatogr.Relat.Technol.1996,19,2165−2178)。残念なことに、上記記載の技術と同様に、全自動ハイスループット実現への道のりは明らかではない。
【0011】
JiangおよびHofstadlerは、陰イオン交換樹脂が充填された市販のピペットチップを使用する、PCR産物の精製および脱塩するための単一のプロトコルを開発し、報告した(Y.JiangおよびS.A.Hofstadler Anal.Biochem.2003,316,50−57)。本プロトコールによって、ESI−MS互換性試料が得られ、10:lの未精製PCR産物のみが必要とされる。しかしながらこの方法は、例えば未知の病原体を同定するための前掲した方法のように、大容量でハイスループットなプロセスに適用した場合、桁違いな費用がかかる。商業的に得られるZipTip(商標)AX(Millipore Corp.Bedford,MA)を用いる場合の小売原価は、プレート一枚あたり$1.77と見積もられる。
【0012】
迅速かつ効率的で、桁違いに高いということのない、質量分析法のための核酸精製法のニーズが残る。本発明は、このニーズを満たすものである。
【0013】
増幅反応から得られるような核酸の溶液捕獲(solution capture)は、後の質量分析による分析のために、これらの分析物を溶出し精製する、迅速かつ費用効果的な方法を可能にした。核酸および陰イオン交換培地は溶液中にあるため、核酸の効率的な捕獲は、ボルテックスするか、他の混合方法によって達成される。このことによって、核酸を高効率で回収するために核酸溶液を複数回通過させる必要のあるカラムフォーマットに、培地を詰め込む必要がなくなった。より長いカラムでは必要とされる通過回数は少ないが、著しい背圧が問題になる。カラムフォーマットまたはピペットチップフォーマットへ陰イオン交換樹脂を詰め込むプロセスは、したがって、その手順に関連するコストを上げる。このように、質量分析法による分析のためにPCR産物精製のための溶液捕獲の使用は、カラムを充填して、平衡化し、検査する必要を取り除くことによって、試料の準備にかかるコストを実質的に減らした。ZipTip(商標)AX(Millipore,Bedford,MA)を例にすると、陰イオン交換樹脂が充填されたピペットチップを使用する現行手順の小売原価は、(各試料について)ピペットチップ1つあたりほぼ$1.77である。PCR産物の溶液捕獲の見積原価は、陰イオン交換樹脂とフィルタープレートの組み合わせを考慮すると、1試料あたり$0.10である。さらにまた、PCR産物の溶液捕獲精製に必要な時間は、ZipTip(商標)AXピペットチップを使用して、ほぼ20分を必要とする前の方法とは対照的に、96ウェルプレートにつきほぼ10分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0027135号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0082539号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2003/0124556号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/0175696号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2003/0175695号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/0175697号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2003/0190605号明細書
【特許文献8】米国特許出願第10/326,047号明細書
【特許文献9】米国特許出願第10/660,997号明細書
【特許文献10】米国特許出願第10/660,122号明細書
【特許文献11】米国特許出願第10/660,996号明細書
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】J.Aaserud,Z.Guan,D.P.Little and F.W.McLafferty,Int.J.Mass Spectrom.Ion Processes,1997,167/168,705−712
【非特許文献2】D.C.Muddiman,G.A.Anderson,S.A.Hofstadler and R.D.Smith,Anal.Chem.1997,69,1543−1549
【非特許文献3】M.T.Krahmer,Y.A.Johnson,J.J.Walters,K.F.Fox,A.FoxおよびM.Nagpal,Eiectrospray Anal.Chem.1999,71,2893−2900
【非特許文献4】T.Tsuneyoshi,K.Ishikawa,Y.Koga,Y.Naito,S.Baba,H.Terunuma,R.ArakawaおよびD.J.Prockop Rapid Commun.Mass Spectrom.1997,11,719−722
【非特許文献5】D.C.Muddiman,D.S.Wunschel,C.L.Liu,L.Pasatolic,K.F.Fox,A.Fox,G.A.AndersonおよびR.D.Smith Anal.Chem.1996,68,3705−3712
【非特許文献6】S.Hahner,A.Schneider,A.IngendohおよびJ.Mosner Nucleic Acids Res.2000,28,e82/i−e82/viii
【非特許文献7】A.P.Null,L.T.GeorgeおよびD.C.Muddiman J:Am.Soc.Mass Spectrom.2002,13,338−344
【非特許文献8】L.M.Benson,S.−S.Juliane,P.D.Rodringues,T.Andy,L.J.Maher IIIおよびS.Naylor,In:The 47th ASMS Conference on Mass SpectrometryおよびAllied Topics,Dallas,Texas(1999)
【非特許文献9】C.G.HuberおよびM.R.Buchmeiser Anal.Chem.1998,70,5288−5295
【非特許文献10】H.Oberacher,W.Parson,R.MuehlmannおよびC.G.Huber Anal.Chem.2001,73,5109−5115
【非特許文献11】C.J.Sciacchitano J.Liq.Chromatogr.Relat.Technol.1996,19,2165−2178
【非特許文献12】Y.JiangおよびS.A.Hofstadler Anal.Biochem.2003,316,50−57
【発明の概要】
【0016】
本発明は、とりわけ、エレクトロスプレー質量分析による後の分析もしくは他の任意の分析のために、一つまたは複数の核酸を含む溶液を精製する溶液捕獲法に関する。この方法では、溶液に陰イオン交換樹脂を加えて混合し、溶液中の陰イオン交換樹脂の懸濁液を得る。このとき核酸は陰イオン交換樹脂に結合し、陰イオン交換樹脂を溶液から単離し、核酸を保持しながら一つまたは複数の洗浄バッファーを用いて陰イオン交換樹脂を洗浄し、一つまたは複数の夾雑物を除去する。次に、溶出バッファーを用いてイオン交換樹脂から核酸を溶出し、任意でエレクトロスプレー質量分析によって核酸を分析する。
【0017】
陰イオン交換樹脂は、四級アミンのような強陰イオン官能基、または例えばポリエチエンイミン、荷電芳香族のアミン、ジエチルアミノメチル、またはジエチルアミノエチルのようなを弱陰イオン交換官能基を有することができる。このような弱陰イオン交換樹脂は、9.0以上のpKa値を有する官能基を含む。
【0018】
本発明はさらに、複数のチューブ、陰イオン交換樹脂、少なくとも一つの陰イオン交換洗浄バッファーおよびESI−MS互換性溶出バッファーを含む、複数のウェルまたはチューブラックを有するフィルタープレートを含む核酸精製キットに関する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】陰イオン交換樹脂を核酸の試料に加えて混合すること(100)から始まる、本発明の工程を概説するプロセス図である。次に、樹脂を溶液から単離して(110)、樹脂から夾雑物を取り除くために適当な洗浄バッファーを用いて洗浄する(120)、そしてその後、ESI−質量分析法(140)による核酸分析の最終ステップを可能にするエレクトロスプレーイオン化(ESI)互換性溶出バッファーによって、核酸は樹脂から溶出される。
【図2】ZipTips(商標)(上部パネル)を用いた精製、および本発明の溶液捕獲精製法によって得られた精製PCR産物のESI−MSスペクトルの比較である。比較は、比較は、溶液捕獲法による精製が、以前に確証されたZipTips(商標)を使用する方法と等しく効果的なことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
態様の説明
質量分析法による分析のための核酸の溶液捕獲精製法の一態様は、例えば、図1で概説される。本明細書に記載の方法では、質量分析法のほかに、当業者に知られているように、他の種類の分析方法を用いることができる。本発明は以下の工程を含む:核酸溶液に樹脂を加えて混合する工程(100)、陰イオン交換樹脂を溶液から単離する工程(110)、樹脂から夾雑物を取り除くために陰イオン交換樹脂を洗浄する工程(120)、陰イオン交換樹脂から(夾雑物がない)核酸を溶出する工程(130)、ならびに、任意で、ESI質量分析法によって核酸を分析する工程。
【0021】
いくつかの態様において、例えば四級アミンのような強陽イオン交換官能基は、陰イオン交換樹脂の官能基として使用される。さらなる強陰イオン官能基は、当業者にとって公知である。
【0022】
他の態様では、弱陰イオン交換官能基は、適切な陰イオン交換官能基であり、例えば、例えばポリエチエンイミン、荷電芳香族のアミン、ジエチルアミノメチル、またはジエチルアミノエチルが、陰イオン交換樹脂の官能基として使用される。このような官能基は、9.0以上のpKa値を有する。弱陰イオン交換樹脂の市販製品は、Baker PEI、Baker DEAM、Dionex ProPac(商標)WAX、Millipore PEI、Applied Biosystems Poros(商標)PIを含むが、これらに限定されるものではない。
【0023】
いくつかの態様において、ピペッティングの繰り返し、ボルテックス、超音波処理、振盪、または核酸を含む溶液中の陰イオン交換樹脂の懸濁液をもたらす他の任意の方法によって、陰イオン交換樹脂を核酸溶液に混入する。
【0024】
いくつかの態様において、乾燥陰イオン交換樹脂は、直接核酸の溶液に加えられるか、マイクロチューブまたは核酸溶液が混合前に加えられているマイクロフィルタープレートのウェルの中に含まれる。その他の態様において、陰イオン交換樹脂は、予め水和して、核酸溶液に直接加えるか、マイクロチューブまたは核酸溶液が混合前に加えられているマイクロフィルタープレートのウェルの中に含まれる。
【0025】
いくつかの態様において、結合した核酸を含む陰イオン交換樹脂は、濾過によって溶液から単離される。濾過は、例えば、多数の試料のハイスループット精製を可能にする96ウェルもしくは384ウェルフォーマットのフィルタープレートを使用して、または他の任意の容器もしくはフィルターを備えた複数の容器中で達成される。他のウェルフォーマットプレートも、用いることができる。濾過のために有用な膜は、以下の材料で構成される膜を含むが、これらに限定されるものではない:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルジフルオロ(polyvinyldifluoro)(PVDF)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ガラス繊維、ポリカーボネートおよびポリスルホン。ろ過は、減圧、遠心分離、もしくは流体もしくはガスを用いた陽圧置換、または溶液から陰イオン交換樹脂の単離する他の任意の方法によって達成されうる。ろ過の方法は、当業者に周知である。
【0026】
いくつかの態様において、陰イオン交換樹脂は、磁気ビーズに連結した陰イオン交換官能基を含む。このような取り合わせは、リキッドハンドラーデッキからプレートもしくはマイクロチューブ管の除去を必要とする、遠心分離、減圧、もしくは陽圧置換の必要をなくすことによって、より単純な隔離工程(110)を可能にする。代わりに、リキッドハンドラーによって液体を吸い込むことができるように磁気ビーズ樹脂を圧縮するために、磁場を活性化させることができる。生体分子の単離を達成するために磁気ビーズを使用する方法は、当業者にとって周知である。
【0027】
いくつかの態様において、結合した核酸を含む陰イオン交換樹脂は、一つまたは複数の夾雑物を取り除くために洗浄される。夾雑物には以下のものが含まれるが、これらに限定されない:逆転写酵素および制限酵素などのタンパク質、ポリマー、塩類、バッファー添加物、もしくはポリメラーゼヌクレオチド三リン酸塩などの増幅反応の各種成分、またはその任意の組合せ。核酸溶液中の夾雑物の構成に基づいて、夾雑物の除去のためには複数の洗浄バッファーが有益であり得る。陰イオン交換樹脂の洗浄は、約20mM〜約500mMのミリモル範囲のNH4OAcまたは約20mM〜約500mMのミリモル範囲のNH4HCO3のアンモニウム酢酸溶液を用いて達成されうる。約10%〜約50%のメタノール、約20%〜約50%のメタノール、または約10%〜約30%のメタノールを用いて洗浄することは、最終的な洗浄工程として有効である。メタノールは、当業者に公知の他の適切なアルコールに置き換えることができる。
【0028】
いくつかの態様では、陰イオン交換樹脂からの核酸の溶出は、pH9以上(例えば約2%〜約8%の水酸化アンモニウム水溶液または約10mM〜約50mMもしくは25mMのピペリジン水溶液、約10mM〜約50mMもしくは25mMのイミダゾール、および約30%のメタノール、または他の適切なアルコール)のアルカリ性pHのESI互換性溶液を用いて達成される。本明細書で定義されるように、ESI互換性溶液は、エレクトロスプレー(ESI)ソースの機能に有害な影響を及ぼさない溶液である。
【0029】
本明細書で使用しているように、「約」という用語は、修飾されている用語の±10%を意味する。したがって、例えば、「約」10mMは、9〜11mMを意味する。
【0030】
別の態様において、本発明は、本発明の溶液捕獲法による、核酸精製キットも提供する。いくつかの態様において、キットは、十分な量の陰イオン交換樹脂を含んでもよい。いくつかの態様において、陰イオン交換樹脂は、弱陰イオン交換樹脂、例えば以下の市販の弱陰イオン交換樹脂のうちの1つである:Bakerポリエチエンイミン樹脂、Bakerジエチルアミノメチル樹脂、Dionex ProPac(商標)WAX、Milliporeポリエチエンイミン、およびApplied Biosystems POROS(商標)PI。
【0031】
いくつかの態様において、キットは、96ウェルもしくは384ウィルフィルタープレートのようなフィルタープレート、または複数のマイクロフィルタチューブを含むマイクロチューブラックを含んでもよい。
【0032】
いくつかの態様において、乾燥陰イオン交換樹脂はフィルタープレートのウェルまたはマイクロチューブラックに予め付加されており、予め水和された形でも、乾燥(粉)した形でもよい。
【0033】
キットはまた、複数のチューブ、陰イオン交換樹脂、少なくとも一つの陰イオン交換洗浄バッファーおよびESI−MS互換性溶出バッファーを含む、複数のウェルを有するフィルタープレートもしくはチューブラックを含んでもよい。
【0034】
一態様において、キットは、予め水和した陰イオン交換樹脂か乾燥陰イオン交換樹脂のいずれかを含む96ウェルもしくは384ウェルプレート、第二の96ウェルもしくは384ウェル試料混合プレート、96ウェルもしくは384ウェルフィルタープレート、樹脂処理バッファー、一つまたは複数の洗浄バッファー、およびESI−互換性溶出バッファーを含んでもよい。
【0035】
一態様において、核酸溶液は、未知の病原体を同定するために調製されたPCR産物であり、自動リキッドハンドラーのデッキ上の96ウェル試料プレートの個々のウェルに含まれる。リキッドハンドラーは、創薬およびハイスループットスクリーニングに関連する多くの実験プロセス(laboratory process)のかなめである。リキッドハンドラーの調剤および吸引機能は、溶媒/試薬の添加、希釈、プレート複製強化(plate replications consolidation)、再分布、および他のマイクロプレートに基づく作業を遂行して、一般的に、液体を移すための使い捨てピペットチップを使用するために用いられる。この態様のさまざまな液体を扱う作業を遂行するリキッドハンドラーのプログラミングは、十分、過度の実験を伴わない当技術分野において通常の技術を有する人の能力の範囲内である。
【0036】
リキッドハンドラーは、予め定められた量の陰イオン交換樹脂の懸濁液を、PCR産物を含むウェルに移して、混合するようにプログラムされる。樹脂懸濁液は、96ウェルプレートのような樹脂ソースコンテナに含まれ、リキッドハンドラーによってPCR産物のプレートに移されうる。混合は、リキッドハンドラーによるPCR−樹脂混合物の分配(dispensation)および吸引の反復を介して実行され、樹脂への核酸の結合は、この段階で起こる。次に、リキッドハンドラーは、PCR産物−樹脂混合物を96ウェルプレートから96ウェルもしくは384ウェルフィルタープレートに移す。この段階で、フィルタープレートをリキッドハンドラーデッキから取り除き、樹脂を、リキッドハンドラーデッキにフィルタープレートを戻す前に遠心分離または陽圧置換によって溶液から単離してもよい。
【0037】
結合した核酸を含む樹脂を、次に、約100mM NH4HCO3などの適当な洗浄溶液を用いて1回以上、リキッドハンドラーが洗浄溶液をフィルタープレートの中へピペットティングすることによって洗浄し、次に、樹脂および結合した核酸を含むフィルタープレートをリキッドハンドラーデッキに戻す前に、遠心分離、減圧または陽圧置換を行い、その次に約20%〜約50%のメタノールを用いて一回以上洗浄する。
【0038】
最後に、核酸は、ESI互換性溶出バッファー(例えば約25mMのピペリジン、約25mMのイミダゾール、および約50%のメタノールの水溶液)を用いて、樹脂から溶出される。このESI互換性バッファーは、また、次のESI質量分析法の間、ESI質量分析計を較正する際に使用する内部基準を任意で含んでもよい。
【0039】
本明細書において開示される本発明が、より効率的に理解されうるために、実施例を以下に記載する。これらの実施例は例証を示す目的だけのためにあって、いかなる方法でも、本発明を制限するものとして解釈されるべきでないことが、理解されなければならない。これらの実施例を通じて、分子クローニング反応および他の標準的組み換えDNA技術は、Maniatis et al.,Molecular Cloning−A Laboratory Manual,2nded.Cold Spring Harbor Press (1989)に記載されている方法に従って実行され、特に断りのない限り市販の試薬を使用した。
【実施例】
【0040】
実施例1:核酸の単離およびPCR
一態様において、核酸は有機体から単離され、質量分析法によるBCS判定の前に、PCRによって標準の方法で増幅される。核酸は、例えば、細菌細胞の界面活性剤による溶解、遠心分離およびエタノール沈殿によって単離する。核酸の単離方法は、例えばMolecular Biology(Ausubel et al.)およびCurrent Protocols in Molecular Cloning;A Laboratory Manual(Sambrook et al.)に記載されている。核酸は次に、後述の介在可変配列を含む核酸の保存領域と結合するプライマーを用いて、PCRなどの標準方法を用いて増幅される。
【0041】
一般的なゲノムDNA試料の前処理プロトコール:未処理試料は、Supor 200 0.2μM膜シリンジフィルター(VWR International)を使用してろ過される。試料は、0.45gの0.7mmジルコニアビーズが予め充填されている1.5mlエッペンドルフチューブへ移され、次いで350μlのATLバッファー(Qiagen、バレンシア、CA)が添加される。試料は、Retsch Vibration Mill(Retsch)において、19 l/sの頻度で、10分間、ビーズの打撃を受ける。遠心分離後、試料はS−ブロックプレート(Qiagen)に転写され、BioRobot 8000 nucleic acid isolation robot(Qiagen)を用いてDNAが単離される。
【0042】
スワブ試料プロトコール:Allegiance S/P銘柄の培養スワブ(culture swab)および収集/輸送システムは、試料を集めるために用いられる。乾燥後、スワブは17x100mm培養管(VWR International)に入れられ、Qiagen MdxロボットおよびQiagen QIAamp DNA Blood BioRobot Mdxゲノム調製キット(Qiagen、バレンシア、CA)を用いて、ゲノム核酸単離が自動的に実行される。
【0043】
実施例2:質量分析法
使用する質量分析計は、Bruker Daltonics(Billerica、MA)Apex II 70eエレクトロスプレーイオン化フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(ESI FTICR−MS)であり、これは積極的に遮蔽された(actively shielded)7テスラ超電導磁石を使用する。パルスシークエンスの調節およびデータ収集の全ての局面は、BrukerのXmassソフトウェアを動かしている1.1GHz Pentium(登録商標)IIデータステーション上で実施された。20μlの一定分量の試料は、データステーションによって起動するCTC HTS PALオートサンプラー(LEAP Technologies、カルボロ、NC)を使って96ウェルマイクロタイタープレートから直接抽出された。試料は、75μL/hrの流速で、直接ESIソースに注入された。イオンは、ガラス製の脱溶媒和毛細管の金属化された末端からおよそ1.5cmのところに配置された、軸外接地型(grounded)エレクトロスプレープローブを使用している、改変されたAnalytica(Branford、CT)ソースのエレクトロスプレーイオン化を経て形成された。ガラス毛細管の気圧端(atmospheric pressure end)には、データ取得の間、ESI針と関連して6000Vでバイアスがかかる。乾燥N2/O2の逆流を使って、脱溶媒和プロセスを援助した。イオンは、そこで質量分析が行われる捕獲イオンセル(trapped ion cell)への注入の前に、rfオンリー(rf−only)六重極、スキマーコーン、および補助ゲート電極を含む外部イオン貯蔵器に蓄積される。
【0044】
スペクトル獲得は、連続デューティサイクルモードで実行され、それによってイオンは、捕獲イオンセルでのイオン検出と同時に六重極イオン貯蔵器に蓄積された。イオンが捕獲イオンセルへ移される1.2msの転送現象後、イオンは、8000−500m/zに相当する1.6msのチャープ励起にさらされた。500〜5000のm/z範囲にわたるデータ(225KのHz帯域幅にわたる1Mデータポイント)が得られた。各々のスペクトルは、32の過渡電流を一度に加えた(co−adding)結果であった。過渡電流(transient)は、内部質量基準を使ったマグニチュードモードフーリエ変換および事後較正の前に、一度ゼロで埋められた(zero−filled)。ICR−2LSソフトウェアパッケージ(G.A.Anderson,J.E.Bruce(Pacific Northwest National Laboratory,Richland,WA,1995)を用いて質量スペクトルをデコンボリュートし、DNAに合わせて改変される「平均化」フィッティングルーチン(M.W.Senko,S.C.Beu,F.W.McLafferty,J.Am.Soc.Mass Spectrom.1995,6,229)を用いてモノアイソトピック種の質量を算出する。この方法を使って、モノアイソトピック分子量を算出した。
【0045】
実施例3:市販のZipTips(商標)を用いたPCR混合物の準自動精製の手順
ZipTips(商標)AX(Millipore Corp.Bedford,MA)の前処理のために、96ウェルプレートの個々のウェルの貯蔵液から引き出される流体を用いてEvolution(商標)P3リキッドハンドラー(Perkin Elmer)によって実行されるように、以下の工程がプログラムされた(Marshall Bioscience):ZipTips(商標)AXラックのロード;15:lの10% NH40H/50%メタノールを用いてZipTips(商標)AXを洗浄する工程;15:lの水を用いてZipTips(商標)AXを8回洗浄する工程;15:lの100mM NH4OAcを用いてZipTips(商標)AXを洗浄する工程。
【0046】
PCR混合物の精製のために、20:lの未精製PCR産物を、BioHit(商標)マルチチャネルピペットを使ってMJ Researchプレートの個々のウェルへ移した。96ウェルプレートの個々のウェルを、300:lの40mM NH4HCO3ので満たした。96ウェルプレートの個々のウェルを、300:lの40mM NH4HCO3で満たした。MJリサーチプレートを、10:lの4% NH4OHで満たした。2つの貯蔵器を、脱イオン水で満たした。全てのプレートおよび貯蔵器を、所定の順序(pre−arranged order)でEvolution(商標)P3(EP3)ピペッティングステーションのデッキに配置した。Evolution(商標)P3ピペッティングステーションによって実行されるように、以下の工程がプログラムされた:EP3 P50頭部へ20:lの空気を吸引する工程;EP3 P50頭部へ予め処理したZipTips(商標)AXのラックをロードする工程;ZipTips(商標)AXから20:lのNH4HCO3を分配する工程;PCR溶液を18回吸引/分配することによって、ZipTips(商標)AXへPCR産物をロードする工程;15:lの40mM NH4HCO3を用いて、結合した核酸を含むZipTips(商標)AXを8回洗浄する工程;15:lの20%メタノールを用いて、結合した核酸を含むZipTips(商標)AXを24回洗浄する工程;15:lの4%NH4OHを用いて18回の吸引/分配によってZipTips(商標)AXから精製された核酸を溶出する工程。ESI−MSによる分析の最終調製のために、各々の試料は、50mMのピペリジンおよび50mMのイミダゾールを含む70%のメタノールを用いて、体積比1:lに希釈された。
【0047】
実施例4:溶液捕獲を用いたPCR混合物の準自動精製のための手順
ProPac(商標)WAX弱陰イオン交換樹脂の前処理のために、以下の工程を、大量に実行した:以下の各々の溶液を用いて逐次3回洗浄する工程(バッファー対樹脂の体積比10:1):(1)1.0M ギ酸/50%メタノール、(2)20%メタノール、(3)10% NH4OH、(4)20%メタノール、(5)40mM NH4HCO3、(6)100mM NH4OAc。樹脂は、4℃で20mM NH4OAc/50%メタノールに保存する。
【0048】
250:lのNH4OHで2回すすぎ、100:lのNH4HCO3で2回すすぐことによって、コーニング384ウェルグラスファイバーフィルタープレートを前処理した。
【0049】
樹脂に対するPCR産物核酸の結合のために、Evolution(商標)P3リキッドハンドラーによって実行されるように以下の工程がプログラムされた:0.05〜l0:lの予め処理したProPac(商標)WAX弱陰イオン交換樹脂(30:lの60倍希釈)を96ウェイルプレート中の50:lのPCR反応混合物(合計量80:l)に添加する工程;2 .5分間の吸引/分配によって溶液を混合する工程;および、予め処理したコーニング384ウェルのグラスファイバーフィルタープレートに溶液を移す工程。この工程の後に、樹脂から液体を除去するための遠心分離が、手動もしくはロボットアームの制御下で実行される。
【0050】
次に、核酸を含む樹脂を200:lの100mM NH4Oacと200:lの40mM NH4HCO3を用いて3回すすぐことによって洗浄し、約15秒間の遠心分離によりバッファーを除去し、次いで約15秒間、20%のメタノールを用いて3回すすいだ。最終的なすすぎの後に、延長した遠心分離工程(1−2分)を行った。
【0051】
樹脂からの核酸の溶出は、40:lの溶出/エレクトロスプレーバッファー(質量分析信号の較正のための25mMのピペリジン/25mMのイミダゾール/35%のメタノールおよび50nM内部基準のオリゴヌクレオチド)の添加によって達成され、次に遠心分離によって384ウェルフィルタープレートから384ウェルキャッチプレートに溶出された。この状態の溶出された核酸は、ESI−MSによる分析に従った(図2を参照)。リキッドハンドラーを使った96ウェルプレート1枚の試料精製に必要な時間は、ほぼ5分である。
【0052】
実施例5:ZipTips(商標)精製法と溶液捕獲法との比較
本発明の溶液捕獲法の有効性を調査するために、溶液捕獲法を用いて精製されるPCR産物から得られたESI−MS分析結果(実施例4)を、実施例3で概説されたZipTips(商標)法と比較した。
【0053】
炭疽菌DNAを単離して、残基756−872におよぶ炭素菌のlef遺伝子の部分を増幅するプライマー対を用い、PCRによって増幅した。ZipTips(商標)(上部パネル)を用いた精製PCR産物、および、本発明の溶液捕獲精製法によって得られた精製PCR産物のESI−MSスペクトルの比較を図2に示す。比較は、溶液捕獲法による精製が、以前に確証されたZipTips(商標)を使用する方法と等しく効果的なことを示す。しかしながら、溶液捕獲による精製は、大幅なコスト節約を意味し、より効率的である。JiangおよびHofstadlerの述べるところによると、ZipTips(商標)を使ったPCR産物の精製は「20分未満でESI互換性の試料(96ウェルプレート)を得る」。本発明の溶液捕獲法では、およそ5分でESI互換性の試料を得る。ZipTip(商標)AX(Millipore、ベッドフォード、MA)によって例証される陰イオン交換樹脂が充填されたピペットチップを用いた現行の手順の小売原価は、各試料についてピペットチップあたりほぼ$1.77である。PCR産物の溶液捕獲の見積り額は、陰イオン交換樹脂およびフィルタープレートの組合せを考慮すると、1試料あたり$0.10である。
【0054】
本発明のさまざまな改変は、本明細書に記載されているものに加えて、前述の説明から当業者にとって明らかである。そのような改変も、添付の特許請求の範囲内であることが意図される。本出願の各々の引例は、参照によりそのまま本明細書に組み込まれる。2003年5月13日に出願された米国仮出願第60/470,547号は、参照によりそのまま本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、核酸を含む溶液を精製する方法:
核酸が結合する陰イオン交換樹脂を溶液と混合し、溶液中に該陰イオン交換樹脂を含む懸濁液を得る工程;
該陰イオン交換樹脂を該溶液から単離する工程;
結合した核酸を保持しながら、一つまたは複数の夾雑物を取り除くために、一つまたは複数の洗浄バッファーを用いて該陰イオン交換樹脂を洗浄する工程;
溶出バッファーを用いて該イオン交換樹脂から該核酸を溶出する工程。
【請求項2】
質量分析法により核酸を分析する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
混合工程、洗浄工程、および溶出工程がリキッドハンドラーによって実行される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
混合工程、洗浄工程、単離工程、および溶出工程がロボットによって実行される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
陰イオン交換樹脂が、強陰イオン交換樹脂である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
強陰イオン交換樹脂の官能基が四級アミンである、請求項5記載の方法。
【請求項7】
陰イオン交換樹脂が弱陰イオン交換樹脂である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
弱陰イオン交換樹脂の官能基がポリエチエンイミン、荷電芳香族のアミン、ジエチルアミノメチル、またはジエチルアミノエチルを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
弱陰イオン交換樹脂が以下の市販製品の1つを含む、請求項7記載の方法:
Bakerポリエチレンイミン樹脂、Bakerジエチルアミノメチル樹脂、Dionex ProPac(商標)WAX、Milliporeポリエチレンイミン、およびApplied Biosystems POROS(商標)PI。
【請求項10】
混合が、ピペッティング、ボルテックス、超音波処理、または振盪によって達成される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
単離工程が濾過によって達成される、請求項1記載の方法。
【請求項12】
濾過が96ウェルプレート、384ウェルプレート、またはマイクロフィルタチューブにおいて行われる、請求項11記載の方法。
【請求項13】
濾過が以下の膜のうちの1枚を使用して達成される、請求項11記載の方法:ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルジフロロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ガラス繊維、ポリカーボネート、またはポリスルホン。
【請求項14】
濾過が流体またはガスを用いて減圧、遠心分離、または陽圧置換によって達成される請求項11記載の方法。
【請求項15】
陰イオン交換樹脂が磁気ビーズに結合した陰イオン交換官能基を含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
単離工程が、磁気ビーズを圧縮するための磁場の印加および溶液の吸引によって達成される、請求項15記載の方法
【請求項17】
洗浄バッファーがアンモニウム酢酸塩を含む、請求項1記載の方法。
【請求項18】
洗浄バッファーが重炭酸アンモニウムを含む、請求項1記載の方法。
【請求項19】
洗浄バッファーがメタノールを含む、請求項1記載の方法。
【請求項20】
溶出バッファーが水酸化アンモニウムを含む、請求項1記載の方法。
【請求項21】
溶出バッファーがエレクトロスプレーイオン化法(ESI)と互換性を持つ請求項1記載の方法
【請求項22】
溶出バッファーがピペリジン、イミダゾール、およびメタノールの組合せを含む、請求項1記載の方法。
【請求項23】
核酸溶液が核酸増幅反応の産物である、請求項1記載の方法。
【請求項24】
増幅反応がポリメラーゼ連鎖反応法、リガーゼ連鎖反応法、または鎖置換増幅法によって遂行される、請求項23記載の方法。
【請求項25】
夾雑物が以下のいずれかを含む請求項1記載の方法:バッファー塩、安定化物、金属陽イオン、タンパク質、およびデオキシヌクレオチド三リン酸塩。
【請求項26】
以下を含む、エレクトロスプレー質量分析法による後の分析のために、核酸を含む溶液を精製する方法:
拡散が結合する弱陰イオン交換樹脂を溶液に加えて混合し、該溶液中の該弱陰イオン交換樹脂の懸濁液を得る工程;
該弱陰イオン交換樹脂を該溶液から単離する工程;
結合した核酸を保持しながら、一つまたは複数の洗浄バッファーを用いて夾雑物を取り除くために該弱陰イオン交換樹脂を洗浄する工程;および、
溶出バッファーを用いて該弱いイオン交換樹脂から該核酸を溶出する工程。
【請求項27】
質量分析法により核酸を分析する工程をさらに含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
弱陰イオン交換樹脂の官能基がポリエチエンイミン、荷電芳香族のアミン、ジエチルアミノメチル、またはジエチルアミノエチルを含む、請求項26記載の方法。
【請求項29】
弱陰イオン交換樹脂が以下の市販製品の1つを含む、請求項26の方法:Bakerポリエチレンイミン樹脂、Bakerジエチルアミノメチル樹脂、Dionex ProPac WAX、Milliporeポリエチレンイミン、およびApplied Biosystems POROS PI。
【請求項30】
以下を含む、エレクトロスプレー質量分析法での後の分析のために、核酸の溶液を精製する方法:
核酸が結合するProPac(商標)WAX弱陰イオン交換樹脂を溶液に加えて混合し、該溶液中の該弱陰イオン交換樹脂の懸濁液を得る工程;
該弱陰イオン交換樹脂を該溶液から単離する工程;
結合した核酸を保持しながら、一つまたは複数の洗浄バッファーを用いて夾雑物を取り除くために該弱陰イオン交換樹脂を洗浄する工程;および、
ピペリジン、イミダゾール、およびメタノールを含む溶出バッファーを用いて該弱イオン交換樹脂から該核酸を溶出する工程。
【請求項31】
質量分析法により核酸を分析する工程をさらに含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
以下を含む核酸の精製キット:
陰イオン交換樹脂を含む樹脂ソースプレート;
試料混合プレート;
複数のマイクロフィルタチューブを含むフィルタプレートまたはマイクロチューブラック;
一つまたは複数の樹脂洗浄溶液;および、
ESI−MS互換性の溶出バッファー。
【請求項33】
フィルタプレートが96ウェルプレートまたは384ウェルプレートである、請求項32記載のキット。
【請求項34】
陰イオン交換樹脂が弱陰イオン交換官能基を含む、請求項32記載の方法。
【請求項35】
陰イオン交換樹脂がProPac(商標)WAXを含む、請求項32記載のキット。
【請求項36】
陰イオン交換樹脂が磁気ビーズに結合した陰イオン交換官能基を含む、請求項32記載のキット。
【請求項37】
陰イオン交換樹脂がProPac(商標)WAXである、請求項32記載のキット。
【請求項38】
一つまたは複数の洗浄溶液が、約50mM〜約200mMのアンモニウム酢酸塩または約50mM〜約200mMの重炭酸アンモニウムを含む、請求項32記載のキット。
【請求項39】
少なくとも一つの陰イオン交換洗浄バッファーが約20%〜約50%のメタノールを含む、請求項32記載のキット。
【請求項40】
ESI−MS互換性溶出バッファーが約2%〜約6%の水酸化アンモニウムを含む、請求項32記載のキット。
【請求項41】
ESI−MS互換性溶出バッファーが約10mM〜約50mMのイミダゾール、約10mM〜約50mMのピペリジン、および約20%〜約50%のメタノールを含む、請求項32記載のキット。
【請求項42】
ESI−MS互換性溶出バッファーが約10mM〜約50mMのイミダゾール、約10mM〜約50mMのピペリジン、および約20%〜約50%のメタノールを含む、請求項32記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−132924(P2012−132924A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−13771(P2012−13771)
【出願日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【分割の表示】特願2006−533082(P2006−533082)の分割
【原出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(508266579)アイビス バイオサイエンシズ インコーポレイティッド (4)
【Fターム(参考)】