説明

後処理装置

【課題】シート排出機構において腰付け手段によって腰付けされないシートを、排紙トレイ上において整合状態で積載する。
【解決手段】記録シートSが後処理を必要とせず、しかも、記録シートSのサイズが、シート排出機構30に設けられた一対の腰付けローラーによって押圧されない場合に、シート排出機構30に連続的に搬送される記録シートSを、処理トレイ41上に所定枚数ずつ積載し、処理トレイ41上に積載された記録シートSの束を、シート整合機構50によってシートの搬送方向とは直交する幅方向に整合する。その後に、幅方向に整合された記録シートSの束を、シート排出機構30によって排紙トレイ44上に排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置において画像が形成された複数枚のシートに対して、ステープル(綴じ)処理等の後処理を実行する後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の画像形成装置から供給されるシートにステープル処理等の後処理を実行する後処理装置が開発されている。上記のような後処理装置では、通常、ユーザーからの指示によって後処理がなされる。この場合には、画像形成装置から供給される複数枚のシートを、1枚ずつ処理トレイ上に搬送して、処理トレイ上に積載された複数枚のシートの束を、シート整合機構によってシートの搬送方向とは直交する方向に整合し、整合されたシート束に対して後処理を実行した後に、シート束をシート排出機構によって排紙トレイに排出するようになっている。
【0003】
一方、後処理の指示がない場合には、連続して搬送されるシートを処理トレイには搬送せずに、シート排出機構によって、1枚ずつ排紙トレイ上に排出する。この場合、シート排出機構から排出されている間に、シート排出機構から排紙トレイ上に1枚ずつ排出されるシートの排出方向の先端部(前端部)が重力によって下方に撓むおそれがある。シートの前端部が下方に撓むと、当該シートがシート排出機構から排出されている間に、撓んだ前端部が、既に排紙トレイ上に積載された最上位のシートに当接して、そのシートを前方に押し出し、当該最上位のシートの姿勢を排出方向に対して傾斜した状態に変化させた後に、その最上位のシート上に積載されるおそれがある。このような現象が発生すると、排紙トレイ上に排出されたシートの姿勢が乱れ、幅方向の両側の側縁が揃わない状態で積載されることになる。
【0004】
排紙トレイ上に1枚ずつ排出されるシートの前端部が下方に撓むことを防止するために、排出されるシートに、前端部が下方に撓まない剛性を付与する腰付け手段として、複数の腰付けローラーをシート排出機構に設ける場合がある(特許文献1参照)。腰付けローラーは、通常、スポンジ等の弾性を有する材料によって構成され、シート排出機構において上下のローラー対によって挟まれた状態で排出されるシートに対して、ローラー対が配置されていない部分を下方から押圧するように、シートの搬送方向とは直交する幅方向に適当な間隔をあけた状態で配置される。
【0005】
それぞれの腰付けローラーは、それぞれの弾性力によって、シートとの当接部分を押し上げることにより、上方に僅かに突出する湾曲状態とする。このような湾曲状態になると、シートは前端部が重力によって下方に撓まない程度に剛性が高められた状態(腰を付けられた状態)になる。
このようにして腰を付けられたシートは、シート排出機構から排紙トレイ上に排出されている間に前端部が下方に撓むおそれがなく、排紙トレイ上にシートが載置されていても、当該シートが前方に押し出されることを抑制することができる。これにより、排紙トレイ上に連続して排出される記録シートの姿勢が乱れることを防止でき、排紙トレイ上においてシートを幅方向に揃った積載状態とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−250893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述したような腰付けローラーが設けられたシート排出機構でも、シートのサイズによっては、排紙トレイ上に積載されるシートの整合性を向上することができないおそれがある。
すなわち、弾性を有する腰付けローラーは、シートの下面に押圧されると、シートからの反力によって弾性変形した状態になっているが、上下のローラー対との間を通過する瞬間に、各腰付けローラーの弾性力による弾性変形を復元する力(復元力)によって、前方かつ上方に押し出される。
【0008】
シートの幅方向の両側の各側縁部が腰付けローラーによって押圧される場合に、各腰付けローラーによるシートの復元力がほぼ均等になっていると、前方かつ上方に押し出されるシートが排出方向に対して傾斜した状態になるおそれはない。
しかし、シートの幅方向の両側の各側縁部が腰付けローラーによって押圧されない状態では、その腰付けローラーの復元力によってシートが前方かつ上方に押し出されると、幅方向の中央部の腰付けローラーによる復元力の影響を受けて、シートの各側縁部の位置が変動し、排紙トレイ上に落下するまでの間に、シートが、排出方向に対して傾斜した状態になるおそれがある。
【0009】
なお、腰付け手段として、このような腰付けローラーに限らず、例えば、レバー状等の部材を用いる場合でも、弾性力によってシートを押圧する構成であれば同様の問題が生じるおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、後処理を必要としないシートの幅方向の両側の側縁部が、シート排出機構に設けられた腰付け手段によって押圧されない場合にも、排紙トレイ上に排出されるシートの姿勢を乱すことなく、シートの排出方向とは直交する幅方向に整合した積載状態とすることができる後処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る後処理装置は、画像形成装置から供給されるシートを、処理トレイ上に積載して後処理し、後処理されたシートの束を排紙トレイに排出する後処理装置であって、前記処理トレイ上に積載されたシートの束を、当該シートの搬送方向とは直交する幅方向に整合させるシート整合手段と、後処理を必要としないシートを、前記処理トレイを経由せずに1枚ずつ排紙トレイ上に排出する第1排出モードと、処理トレイ上に積載された複数枚のシートを前記排紙トレイ上に排出する第2排出モードとを選択的に実行可能なシート排出手段と、前記排紙トレイ上に排出されるシートを押圧して変形させて、前記シートの排出方向の下流側端部が下方に撓まないように腰を付ける腰付け手段と、後処理を必要としないシートが前記腰付け手段によって腰を付けることができないシートであることを判定する判定手段と、後処理を必要としないシートが当該判定手段によって腰を付けることができないと判定された場合に、前記処理トレイ上に積載されて整合された複数の所定枚数のシートが前記第2排出モードで排出されるように、前記シート整合手段および前記シート排出手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る後処理装置では、シート排出機構における腰付け手段によって押圧されないサイズのシートを、排紙トレイ上に排出される前に、処理トレイ上において所定枚数ずつシート整合機構によって幅方向に整合した状態とし、その後に、シート排出機構によって排紙トレイ上に排出する。従って、腰付け手段によって押圧されないサイズのシートを、排紙トレイ上において整合した状態で積載することができる。
【0012】
好ましくは、前記判定手段は、後処理を必要としないシートのサイズに基づいて腰を付けることができないことを判定することを特徴とする。
好ましくは、前記制御手段は、後処理を必要としないシートが所定サイズ以下の場合に、当該シートの坪量に基づいて、前記所定枚数を変更することを特徴とする。
好ましくは、前記制御手段は、前記シートの坪量が大きくなるほど、前記所定枚数を少なくすることを特徴とする。
【0013】
好ましくは、前記制御手段は、前記シートの坪量に基づいて、前記第2排出モードにおけるシート束の排出速度を変更することを特徴とする。
好ましくは、前記制御手段は、坪量が小さいシートの場合に、前記第2排出モードにおけるシート束の排出速度を遅くすることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る後処理装置の構成を説明するための模式図である。
【図2】図1の後処理装置に設けられたシート排出機構の構成を説明するための斜視図である。
【図3】図2のシート排出機構の構成を説明するための模式図である。
【図4】図1の後処理装置に設けられたシート整合機構の斜視図である。
【図5】図1の後処理装置における制御系の主要部の構成を説明するためのブロック図である。
【図6】制御系に設けられた制御部によって実行されるシート排出制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートに連続するシート排出制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートに連続するシート排出制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートに連続するシート排出制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】シート排出制御のサブルーチンである記録シート排出速度制御の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る後処理装置の実施の形態について説明する。
<後処理装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る後処理装置の構成を説明するための模式図である。シート後処理装置Aは、公知の電子写真法によって記録シート上に画像を形成する画像形成装置(図示せず)に装着されており、画像形成装置において画像が形成された記録シートが後処理装置Aへ供給されるようになっている。
【0016】
後処理装置Aの上部には、画像形成装置においてトナー画像が形成された記録シートが搬送されるシート搬送経路10と、シート搬送経路10における記録シートの搬送方向下流側の端部に隣接して設けられたレジストローラー部28と、レジストローラー部28にて搬送される記録シートを排紙トレイ44上に排出するシート排出機構30とを有している。
【0017】
また、レジストローラー部28とシート排出機構30との間には、レジストローラー部28によって搬送される記録シートSの上面に当接して、当該記録シートSの後端部を強制的に落下させる落下用パドル部材42が設けられている。さらに、レジストローラー部28とシート排出機構30との間には、落下用パドル部材42によって後端部を強制的に落下された記録シートSが載置される処理トレイ41が設けられている。処理トレイ41は、シート排出機構30側の端部が上側に位置するように傾斜した状態になっている。
【0018】
傾斜状態になった処理トレイ41の傾斜方向の下側には、処理トレイ41上に積載された複数枚の記録シートSを、傾斜方向とは直交する左右方向(記録シートSの搬送方向とは直交する幅方向)に整合させるシート整合機構50が、処理トレイ41に連続して設けられている。
また、シート整合機構50の上方には、処理トレイ41上に積載された複数の記録シートSを、傾斜方向(記録シートSの搬送方向)に整合させるための整合パドル部材43が設けられている。さらに、シート整合機構50の下部近傍には、シート整合機構50によって整合された複数枚の記録シートSをステープル処理するステープラー70が設けられている。
【0019】
処理トレイ41には、レジストローラー部28からシート排出機構30へ搬送される複数枚の記録シートSが、シート排出機構30によって排紙トレイ44上に排出する前に、落下用パドル部材42によって1枚ずつ積載される。積載された各記録シートSは、整合パドル部材43によって傾斜方向(記録シートSの搬送方向)に整合される。また、処理トレイ41上に積載された複数枚の記録シートSは、シート整合機構50によって幅方向に整合される。
【0020】
シート搬送経路10は、画像形成装置から供給される記録シートSが水平状態で導入される導入搬送部11と、導入搬送部11における記録シートSの搬送方向下流側に連続して設けられたバイパス搬送部12とを有している。導入搬送部11における記録シートSの搬送方向上流側の端部には、画像形成装置から導入される記録シートSを検出する第1シートセンサー21が設けられている。
【0021】
また、導入搬送部11には、第1シートセンサー21よりも記録シートSの搬送方向下流側に、第1搬送ローラー部22、パンチユニット23、第2搬送ローラー部24が、記録シートSの搬送方向に沿って順番に設けられている。
第1搬送ローラー部22は、相互に対向する上側ローラー22aおよび下側ローラー22bを有しており、記録シートSを上側ローラー22aおよび下側ローラー22bによって挟んだ状態でパンチユニット23の下方へ搬送する。
【0022】
パンチユニット23よりも記録シートSの搬送方向下流側に設けられた第2搬送ローラー部24も、上側ローラー24aおよび下側ローラー24bを有しており、記録シートSを上側ローラー24aおよび下側ローラー24bによって挟んだ状態でバイパス搬送部12へ搬送する。
第1搬送ローラー部22および第2搬送ローラー部24のそれぞれは、搬送モーター62によって、相互に等しい回転速度で同期して駆動される。
【0023】
第1搬送ローラー部22によってパンチユニット23の下方に搬送された記録シートSは、必要に応じて、パンチユニット23によってパンチ孔が開けられる。
バイパス搬送部12は、導入搬送部11に対して下側に分岐したメイン経路12aおよび上側に分岐したバイパス経路12bを有している。下側のメイン経路12aは、シート排出機構30へ搬送される記録シートSが通過するようになっている。上側のバイパス経路12bは、処理トレイ41上において複数枚の記録シートSをシート整合機構50によって整合させる場合に、後続の記録シートSを待機させるために設けられている。
【0024】
上側のバイパス経路12bは、上方に突出するように円弧状に湾曲した状態になっており、下側のメイン経路12aは、下方に突出するように円弧状に湾曲した状態になっている。メイン経路12aおよびバイパス経路12bは、それぞれの搬送方向の下流側の端部同士が合流している。
メイン経路12aおよびバイパス経路12bのそれぞれの搬送方向の上流側の端部には、導入搬送部11を通過した記録シートSを、メイン経路12aおよびバイパス経路12bのいずれか一方に案内する搬送ガイド25が設けられている。搬送ガイド25は、ガイド切り替え手段であるソレノイド63によって、記録シートSをメイン経路12aに案内する状態と、記録シートSをバイパス経路12bに案内する状態とに切り替えられるようになっている。
【0025】
搬送ガイド25は、通常、記録シートSをメイン経路12aに案内する状態になっており、ソレノイド63が駆動されることにより、搬送ガイド25は、記録シートSをバイパス経路12bに案内する状態に切り替えられる。
メイン経路12aおよびバイパス経路12bのそれぞれには、メイン経路12a内およびバイパス経路12b内の記録シートSを検出する第2シートセンサー26および第3シートセンサー27が設けられている。
【0026】
レジストローラー部28は、バイパス搬送部12におけるメイン経路12aとバイパス経路12bとの合流部に対して記録シートSの搬送方向下流側に設けられており、上側ローラー28aおよび下側ローラー28bを有している。レジストローラー部28は、レジストモーター64によって駆動されるようになっており、メイン経路12aおよびバイパス経路12bのいずれか一方または両方から搬送される記録シートSを、上側ローラー28aおよび下側ローラー28bにて停止させて、所定のタイミングでシート排出機構30に向けて搬送する。
【0027】
レジストローラー部28における記録シートSの搬送方向の下流側には、レジストローラー部28によって搬送される記録シートSを検出する第4シートセンサー29が設けられている。
レジストローラー部28によって矢印Zで示す方向に搬送される記録シートSは、処理トレイ41の上方を水平状態で通過して、シート排出機構30へ搬送される。シート排出機構30は、レジストローラー部28から搬送される記録シートSを排紙トレイ44上に排出する。
【0028】
排紙トレイ44は、シート排出機構30の下方から、シート排出方向に沿った状態で、シート排出機構30から離れるにつれて順次上側に位置するように傾斜している。なお、排紙トレイ44は、上下方向にスライド可能になっており、排紙トレイ44上に記録シートSが積載されると、積載された記録シートSの枚数が増加するにつれて、排紙トレイ44は順次降下するようになっている。
【0029】
なお、レジストローラー部28からシート排出機構30へ搬送される記録シートSは水平状態になっているために、搬送方向下流側の端部が下方に撓みやすくなっている。これに対して、排紙トレイ44は、排出方向下流側の端部が上側に位置するように傾斜しているために、排紙トレイ44上に載置された記録シートSは、排紙トレイ44上において傾斜した状態で積載される。このように、記録シートSは、排紙トレイ44上に沿った状態で積載さされるために、排紙トレイ44上に積載された記録シートSは、重力によって排出方向下流側の端部が下方に撓んだ状態になるおそれがない。
【0030】
図2は、シート排出機構30の構成を説明するための斜視図、図3は、シート排出機構30の構成を説明するための模式図である。
図2および図3に示すように、シート排出機構30は、上側および下側にそれぞれ配置された上部ローラー部31および下部ローラー部32を有しており、上部ローラー部31および下部ローラー部32の間を通過した記録シートSが、図1に示す排紙トレイ44上に排出される。
【0031】
下部ローラー部32は、記録シートSの搬送方向とは直交する方向に沿った下部ローラー軸32aを有しており、下部ローラー軸32aには、4つの下部搬送ローラー32bが一定の間隔をあけた状態で、しかも、下部ローラー軸32aとは同軸状態で取り付けられている。4つの下部搬送ローラー32bは、それぞれ同一の直径を有しており、図3に示すように、下部ローラー軸32aにおける軸方向の中央線CLを挟んだ片側に2個ずつが中央線CLに対して対称になるように配置されている。
【0032】
なお、シート排出機構30に搬送される記録シートSは、搬送方向と直交する幅方向の中央部がシート排出機構30における下部ローラー軸32aの軸方向中央線CLに一致した状態で、上部ローラー部31と下部ローラー部32との間に進入するようになっている。
下部ローラー軸32aには、隣接する下部搬送ローラー32bの間(3か所)のそれぞれの中央部に、シート排出機構30によって排紙トレイ44に排出される記録シートSに剛性を付与する腰付け手段としての腰付けローラー32cが、それぞれ、下部ローラー軸32aとは同軸状態で取り付けられている。3つの腰付けローラー32cは同一の構成になっており、弾性を有する材料(例えばスポンジ)によって、下部搬送ローラー32bよりも大きな直径に構成されている。
【0033】
各腰付けローラー32cのそれぞれは、上部ローラー部31および下部ローラー部32の間を通過する記録シートSの下面に外周面が転接することによって、それぞれの転接部分を上方に押圧する。
各腰付けローラー32cは、図3に示すように、本実施形態では、軸方向長さ(幅方向長さ)が15mm、中央の腰付けローラー32cと、幅方向(左右方向)の両側にそれぞれ位置する各腰付けローラー32cとの間隔(それぞれの相互に対向する端面の間隔)が70mmになっている。
【0034】
上部ローラー部31には、下部ローラー軸32aに平行な上部ローラー軸31aが設けられており、下部搬送ローラー32bのそれぞれに圧接される4つの上部搬送ローラー31bが上部ローラー軸31aと同軸状態で取り付けられている。各上部搬送ローラー31bは、それぞれ同一の直径を有しており、それぞれの直径は下部搬送ローラー32bの直径よりも小さくなっている。
【0035】
上部ローラー軸31aは、昇降モーター34(図1参照)の正転および逆転によって、上昇および下降されるようになっている。すなわち、昇降モーター34が正転駆動されると、上部ローラー軸31aが上昇し、上部ローラー部31における上部搬送ローラー31bのそれぞれが下部ローラー部32における各下部搬送ローラー32bから離間した状態になる。また、昇降モーター34が逆転されると、上部ローラー軸31aが下降し、上部ローラー軸31aのそれぞれが各下部搬送ローラー32bに圧接された状態になる。
【0036】
シート排出機構30には、上部搬送ローラー31bと下部搬送ローラー32bとが圧接された状態で、下部ローラー軸32aを回転させるシート排出モーター35(図1参照)が設けられている。シート排出モーター35は、下部ローラー軸32aを図1に矢印Xで示す方向に回転させて、各下部搬送ローラー32bを同方向に回転させる。これにより、各下部搬送ローラー32bにそれぞれ圧接された上部搬送ローラー31bが、各下部搬送ローラー32bに追従して矢印Yで示す方向に回転する。なお、下部ローラー軸32aが回転されると、下部ローラー軸32aに設けられた各腰付けローラー32cも、同方向に回転される。
【0037】
このような構成のシート排出機構30は、レジストローラー部28からシート排出機構30に連続して搬送される記録シートSが、搬送方向と直交する幅方向の長さが185mm以上であって後処理を必要としない場合には、上部搬送ローラー31bのそれぞれを各下部搬送ローラー32bに圧接させた状態とし、また、シート排出モーター35によって下部搬送ローラー32bを回転状態とする。
【0038】
このような状態で、レジストローラー部28から記録シートSが1枚ずつ搬送されると、記録シートSは、相互に圧接されて回転する上部搬送ローラー31bおよび下部搬送ローラー32bの間に進入する。
上部ローラー部31と下部ローラー部32との間に進入した記録シートSは、上部ローラー部31と下部ローラー部32との間を通過する際に、下部ローラー部32に設けられた3つの腰付けローラー32cのそれぞれの外周面の全体が記録シートSの下面に転接し、記録シートSの幅方向の中央部と左右の両側の各側部とをそれぞれ上方に向って押圧する。
【0039】
従って、この場合には、両側の各腰付けローラー32cによって記録シートSの幅方向の各側縁部が押圧されて弾性変形しても、その弾性変形を解消するための復元力がほぼ等しくなっており、両側の各腰付けローラー32cが記録シートSとの押圧を解消する際に、記録シートSにほぼ等しい復元力が加わる。記録シートSは、上部ローラー部31および下部ローラー部32の間を通過する際に、それぞれの復元力によって前方に押し出されるが、それぞれの復元力がほぼ等しいことから、排出方向に対して傾斜することなく、排紙トレイ44上に落下する。
【0040】
その結果、シート排出機構30から連続して排出される記録シートSは、左右の各側部のいずれか一方が排出方向の下流側にずれることなく、排出方向に沿った状態で排紙トレイ44上に積載される。従って、排紙トレイ44上に積載されたシート束を、それぞれの記録シートSの姿勢を乱すことなく取り出した後に、シート束を整合させる作業が不要になる。
【0041】
また、シート排出機構30は、レジストローラー部28から搬送される記録シートSを、処理トレイ41上において幅方向を整合させる処理を実行する場合(後処理としてステープル処理またはシフト処理を実行する場合を含む)には、昇降モーター34によって上部ローラー軸31aが上昇されて、上部搬送ローラー31bのそれぞれが各下部搬送ローラー32bから離間した状態とされる。このような状態で、レジストローラー部28から記録シートSが搬送されると、記録シートSは、相互に離間した状態の上部搬送ローラー31bおよび下部搬送ローラー32bの間に進入する。
【0042】
その後、当該記録シートSの後端部がレジストローラー部28を通過すると、当該記録シートSが落下用パドル部材42(図1参照)によって処理トレイ41上に積載される。
図1に示すように、レジストローラー部28とシート排出機構30との間の中程に設けられた落下用パドル部材42は、レジストローラー部28によって搬送される記録シートSの搬送域の上方において、水平な状態で、図1に矢印Wで示す方向に回転可能に支持された円柱状の回転体42aを有している。この回転体42aには、帯板状の1本のパドル部42bが設けられている。パドル部42bは、回転体42aの外周面から接線方向に沿った状態で、回転体42aの回転方向とは反対方向に延出している。
【0043】
回転体42aは、落下パドルモーター45によって矢印Wで示す方向に回転されるようになっており、回転体42aが矢印W方向に回転されると、後端部がレジストローラー部28を通過した記録シートSの上面に、パドル部42bが、当該記録シートSの搬送方向の上流側から当接して、当該記録シートSの後端部を処理トレイ41上に強制的に落下させる。これにより、当該記録シートSは、傾斜した処理トレイ41に沿って重力により滑り落ちて、処理トレイ41に沿った状態になる。
【0044】
この場合、処理トレイ41に沿った状態の記録シートSの上端部は、シート排出機構30における相互に離間した上部ローラー部31と下部ローラー部32との間を通過して、排紙トレイ44の上方に位置した状態になっている。
複数枚の記録シートSを処理トレイ41上に積載する場合には、1枚の記録シートSの後端部が落下用パドル部材42によって記録シートSの後端部が強制的に落下される毎に、次の記録シートSがレジストローラー部28から搬送されて、当該記録シートSの後端部が落下用パドル部材42によって強制的に落下される。
【0045】
図4は、処理トレイ41の傾斜方向の下側に連続して設けられたシート整合機構50の斜視図である。図4に示すように、シート整合機構50は、処理トレイ41に載置された記録シートS(図4に二点鎖線で示す)における傾斜方向の下部が載置される平板状の載置部51を有している。載置部51は、処理トレイ41の傾斜方向の下側に連続して、処理トレイ41の傾斜方向に沿った状態で設けられている。
【0046】
載置部51における傾斜方向の下側の側縁部には、載置部51に載置された記録シートSにおける傾斜方向下側の側縁が当接するストッパー52が、記録シートSの幅方向の中央部と、当該中央部を挟んだ左右の両側との3か所に設けられている。
載置部51には、傾斜方向とは直交する幅方向の中央部を挟んだ左右の両側の各側部に、幅方向に沿って延びる第1ガイド溝51aおよび第2ガイド溝51bがそれぞれ設けられている。第1ガイド溝51aおよび第2ガイド溝51bのそれぞれは、幅方向の中央部の近傍から左右の両側の各側縁の近傍にわたって延びている。
【0047】
また、載置部51には、第1ガイド溝51aおよび第2ガイド溝51bに沿ってスライド可能になった第1整合部材53および第2整合部材56がそれぞれ設けられている。第1整合部材53および第2整合部材56のそれぞれには、傾斜方向に沿って垂直に第1ガイド溝51aおよび第2ガイド溝51bを貫通する垂直な第1位置決め部53aおよび第2位置決め部56aが設けられている。
【0048】
載置部51の下方には、第1整合部材53および第2整合部材56のそれぞれを第1ガイド溝51aおよび第2ガイド溝51bに沿ってスライドさせる第1ベルト伝動機構54および第2ベルト伝動機構57が設けられている。
第1ベルト伝動機構54および第2ベルト伝動機構57のそれぞれは、第1ガイド溝51aおよび第2ガイド溝51bにおける記録シートSの幅方向中央部側に設けられた第1駆動側プーリー54aおよび第2駆動側プーリー57aと、第1ガイド溝51aおよび第2ガイド溝51bにおける左右の両側の各側縁部に設けられた第1従動側プーリー54bおよび第2従動側プーリー57bと、第1駆動側プーリー54aおよび第1従動側プーリー54b、第2駆動側プーリー57aおよび第2従動側プーリー54bのそれぞれに巻き掛けられて周回移動する第1ベルト54cおよび第2ベルト57cと、を有している。前述した第1整合部材53および第2整合部材56のそれぞれは、第1ベルト54cおよび第2ベルト57cに取り付けられている。
【0049】
第1駆動側プーリー54aおよび第2駆動側プーリー57aの下側には、正転および逆転可能になった第1整合用モーター55および第2整合用モーター58が配置されており、第1整合用モーター55および第2整合用モーター58のそれぞれによって、第1駆動側プーリー54aおよび第2駆動側プーリー57aが正転および逆転されるようになっている。第1ベルト54cおよび第2ベルト57cは、第1整合用モーター55および第2整合用モーター58がそれぞれ正転駆動されると、それぞれに取り付けられた第1整合部材53および第2整合部材56が相互に離れるように周回移動する。
【0050】
これに対して、第1ベルト54cおよび第2ベルト57cは、第1整合用モーター55および第2整合用モーター58がそれぞれ逆転駆動されると、それぞれに取り付けられた第1整合部材53および第2整合部材56が相互に接近するように周回移動する。
なお、処理トレイ41上に積載された複数の記録シートSを幅方向に整合させる場合には、まず、第1整合部材53および第2整合部材56を相互に離間させて、記録シートSの幅方向中央部に対して対称に位置させる。このような状態で、処理トレイ41上に記録シートSが1枚ずつ積載され、処理トレイ41上を滑り落ちて、シート整合機構50における載置部51上に積載される。
【0051】
図1に示すように、シート整合機構50の上方に配置された整合用パドル部材43は、水平な状態で、図1に矢印Vで示す方向に回転可能に支持された円柱状の回転体43aを有している。回転体43aには、帯板状をした2本のパドル部43bが設けられている。各パドル部43bは回転体43aの外周面における周方向に適当な間隔をあけた位置から、それぞれ接線方向に沿った状態で、回転体42aの回転方向とは反対方向に延出している。回転体43aは、整合パドルモーター46によって回転されるようになっている。なお、整合用パドル部材43は、例えば、記録シートSの幅方向に沿って複数(例えば3つ)、設けられている。
【0052】
このような構成の整合用パドル部材43は、シート整合機構50の載置部51上に、1枚の記録シートSが積載される毎に、それぞれの回転体43aが、整合パドルモーター46によって矢印Vで示す方向に同期して回転される。
整合パドルモーター46が回転されると、シート整合機構50の載置部51上の記録シートSにパドル部43bの先端部が、傾斜方向の上側から当接して、当該記録シートSの端部を、シート整合機構50のストッパー52に当接させる。これにより、載置部51上の1枚の記録シートSは、傾斜方向に沿ってそれぞれ位置決めされる。
【0053】
このようにして、複数枚の記録シートSが、順次、整合用パドル部材43によって、ストッパー52に当接した状態とされる。これにより、載置部51上に積載された複数枚の記録シートSは、傾斜方向に整合した状態とされる。
その後、第1整合部材53の第1位置決め部53aおよび第2整合部材56の第2位置決め部56aのそれぞれが、載置部51上の記録シートSにおける幅方向の左右の側縁部に当接するように、第1整合用モーター55および第2整合用モーター58が同期して逆転駆動される。これにより、第1位置決め部53aおよび第2位置決め部56aのそれぞれが、記録シートの幅方向両側の各側縁に当接して、それぞれの各側縁を傾斜方向に沿った状態に揃える。
【0054】
第1位置決め部53aおよび第2位置決め部56aのそれぞれが、記録シートSの幅方向両側の各側縁に当接されると、第1整合用モーター55および第2整合用モーター58を同期して正転駆動した後に、再度、逆転駆動する。このような、第1整合用モーター55および第2整合用モーター58の正転駆動と逆転駆動との繰り返しを数回(2〜3回程度)にわたって行う。これにより、載置部51上に積載された複数枚の記録シートSは、幅方向に整合した状態(以下、幅整合状態とする)になる。
【0055】
処理トレイ41上に積載された所定枚数の記録シートSをステープル処理する場合には、処理トレイ41上において、整合用パドル部材43によって所定枚数の記録シートSを傾斜方向に整合させた状態にするとともに、シート整合機構50によって幅方向に整合させた状態とする。その後に、ステープラー70によってステープル処理される。この場合のステープラーによるステープル処理は、従来と同様であるので、その説明については省略する。
【0056】
なお、複数枚の記録シートSの束(シート束)のステープル処理が終了すると、シート束は、シート排出機構30によって排紙トレイ44上に排出される。シート排出機構30は、ステープル処理を実行する場合には、前述したように、上部ローラー部31および下部ローラー部32は相互に離間した状態になっている。
ステープル処理が終了すると、シート排出機構30における上部ローラー部31が昇降モーター34によって下降されて、それぞれの上部搬送ローラー31bが、ステープル処理されたシート束を挟んで、下側の各下部搬送ローラー32bに押し付けられる。その後、シート排出モーター35が回転駆動されて、下部搬送ローラー32bがそれぞれ回転されることによって、シート束が、排紙トレイ44上に排出される。
【0057】
また、処理トレイ41上に積載された所定枚数のシート束を、幅方向の左右のそれぞれの側部にシフトさせるシフト処理する場合には、例えば、第1整合部材53が、載置部51における幅方向中央部から最も離れた位置とされる。その後、1枚の記録シートSが第1整合部材53と第2整合部材56との間に進入した状態になる毎に、整合用パドル部材43によって傾斜方向に整合した状態にするとともに、第2整合部材56を第1整合部材53に接近する方向にスライドさせて、記録シートSを第1整合部材53側にシフトさせる。
【0058】
これにより、第1整合部材53と第2整合部材56との間に進入した記録シートSは、載置部51における幅方向中央部から最も離れた位置の第1整合部材53に沿った状態とされる。その後、第2整合部材56第1整合部材53に離れる方向にスライドされ、第1整合部材53と第2整合部材56との間に記録シートSが進入した状態になる毎に、同様の動作が繰り返される。
【0059】
このようにして、所定枚数の記録シートSの束が、第2整合部材56によって第1整合部材53側にシフトされた状態になると、シフトされたシート束が、シート排出機構30によって排紙トレイ44上に排出される。この場合のシート排出機構30によるシート束の排出は、ステープル処理後のシート排出機構30によるシート束の排出動作と同様であり、シート束は、第1整合部材53側シフトされた状態で、排紙トレイ44上に排出される。
【0060】
次に、第2整合部材56を、載置部51における幅方向中央部から最も離れた位置として、第2整合部材56に代えて第1整合部材53をスライドさせること以外は、前述の動作と同様の動作を繰り返す。これにより、所定枚数の記録シートSの束は、第2整合部材56側にシフトされた状態とされる。その後、シート束は、シート排出機構30によって排紙トレイ44上に、第2整合部材56側にシフトされた状態で排出される。
【0061】
このような処理が繰り返されることによって、排紙トレイ44上には、所定枚数のシート束が、排出方向とは直交する左右方向の両側の側部にそれぞれシフトした状態で交互に積載される。これにより、左右方向のいずれか一方にシフトされたそれぞれのシート束は幅整合状態になっているために、予め設定された所定枚数のシート束を、それぞれ1部に区分けすることができる。それぞれに区分けされたシート束毎に、排紙トレイ44上から容易に取り出すことができる。
【0062】
このような構成の後処理装置Aにおいて、記録シートSの幅方向長さが185mm以上であれば、前述したように、連続してシート排出機構30へ搬送される記録シートSは、1枚ずつ排出されるモードでシート排出機構30から排出される。この場合、左右の両側の各腰付けローラー32cにおける軸方向長さがそれぞれ15mmになった外周面の全体が、記録シートSの両側における左右の各側部をほぼ均等に押圧して、記録シートSに対して腰を付ける。
【0063】
これに対して、記録シートSが、幅方向の両側に位置する各腰付けローラー32cによって押圧されないような小サイズの場合には、上部ローラー部31および下部ローラー部32の間を通過する際に、中央部の腰付けローラー32cの復元力が作用して前側上方に押し出されると、記録シートは、排紙トレイ44上に落下するまでの間に、左右の各側縁部が腰付けローラー32cによって押圧されていないことにより、中央部の腰付けローラー32cの復元力の影響によって、それぞれの位置が容易に変動するおそれがある。これにより、シート排出機構30から排出される記録シートSは、排紙トレイ44上において、排出方向に対して傾斜した状態になるおそれがある。
【0064】
このために、本実施形態では、後処理を必要としない記録シートSが、両側の各腰付けローラー32cの外周面に接触しない小サイズの場合には、直接、排紙トレイ44上に排出せずに、複数枚の記録シートSをシート整合機構50によって幅方向整合した後に排紙トレイ44上に排出するモードとする構成になっている。
両側の各腰付けローラー32cは、中央部の腰付けローラー32cとの間隔70mmと、当該中央部の腰付けローラー32cの軸方向長さ15mmとの間隔をあけて配置されており、両側に位置する各腰付けローラー32cにおける相互に近接した端面同士の間隔は155mm(=70mm+15mm+70mm)になっている。
【0065】
このために、A5サイズの記録シートSを、長手方向が搬送方向に沿った状態で搬送する場合(縦方向通紙の場合)、記録シートSの幅方向長さが148mmであることから、両側の各腰付けローラー32cの外周面には接触せず、排紙トレイ44上に排出される際に、記録シートSの姿勢が乱れるおそれがある。
本実施形態では、記録シートSがスキューした状態で搬送される場合に、両側の各腰付けローラー32cのいずれか一方の外周面に記録シートSが接触する可能性があるが、この場合にも、両側の各腰付けローラー32cの押圧力が弱いために、記録シートSが排出方向に対して大きく傾斜した状態で排紙トレイ44上に排出されるおそれがある。
【0066】
このために、幅方向の両側にそれぞれ5mm(両側の各腰付けローラー32cの軸方向長さの1/3)の余裕を設けて、記録シートSの幅方向長さが165mm未満であれば、記録シートSが排出方向に対して大きく傾斜した状態で排紙トレイ44上に排出されるおそれがあるとみなして、複数枚の記録シートSをシート整合機構50によって幅方向整合するモードで排出する構成としている。
【0067】
図5は、このような記録シートの排出制御を実行するために後処理装置Aに設けられた制御系の構成を説明するためのブロック図である。後処理装置Aに設けられた制御部61は、CPU、RAM、ROM等を有している。制御部61には、画像形成装置において実行が指示されたジョブの内容(記録シートSのサイズ、枚数、記録シートSの厚さに関する情報)が、画像形成装置に設けられた主制御部66から送信されるようになっている。
【0068】
また、制御部61は、シート搬送経路10の導入搬送部11に設けられた第1シートセンサー21、バイパス搬送部12のメイン経路12aに設けられた第2シートセンサー26、バイパス搬送部12のバイパス経路12bに設けられた第3シートセンサー27、レジストローラー部28の下流側に設けられた第4シートセンサー29の出力が、それぞれ与えられている。
【0069】
さらに、制御部61は、シート搬送経路10の導入搬送部11に設けられた第1搬送ローラー部22および第2搬送ローラー部24を駆動する搬送モーター62、バイパス搬送部12におけるメイン経路12aおよびバイパス経路12bに記録シートSを案内する搬送ガイド25を切り替えるソレノイド63、レジストローラー部28を駆動するレジストモーター64のそれぞれを制御するようになっている。また、制御部61は、落下パドルモーター45、整合パドルモーター46、シート排出機構30に設けられた昇降モーター34およびシート排出モーター35、シート整合機構50に設けられた第1整合モーター55および第2整合モーター58のそれぞれも制御するようになっている。
【0070】
図6〜図9は、それぞれ、後処理装置Aの制御部61によって実行されるシート排出制御の処理手順を示すフローチャートである。このシート排出制御は、画像形成装置に設けられた主制御部から制御部61に、シフト処理およびステープル処理の実行が指示されていないジョブが通知された場合に実行される。従って、シフト処理およびステープル処理の実行が指示されたジョブの場合には、制御部61は、シート排出制御を実行することなく、通常のシフト処理およびステープル処理が実行される。シフト処理およびステープル処理については、前述のように、従来と同様である。また、パンチユニット23によるパンチ処理する場合についても従来と同様である。
【0071】
制御部61は、シート排出制御が開始されると、画像形成装置の主制御部66から送信されるジョブの情報に基づいて、画像形成装置から搬送される記録シートSにおける搬送方向と直交する方向の長さ(幅方向長さ)が165mm以上であるか否かを判定する(図6のステップS11)。搬送される記録シートSの幅方向長さが165mm以上である場合には(ステップS11において「YES」)、シート排出機構30の両側の腰付けローラー32cによって記録シートSが押圧されるとみなして、シート整合機構50による幅整合処理を実行することなく、シート排出機構30によって記録シートSを1枚ずつ排出するとともに、シート排出機構30による記録シートSの排出速度を制御する記録シート排出速度制御を実行する(ステップS13)。この記録シート排出速度制御については後述する。
【0072】
記録シートSの幅が165mm未満の場合には(ステップS11において「NO」)、幅方向の中央の腰付けローラー32cだけによって記録シートSが押圧されるものとみなす。この場合には、ステップS12に進んで、記録シートSの坪量が250g/m以上であるかを確認して、記録シートSの坪量が250g/m以上と判定された場合に(ステップS12において「YES」)、シート整合機構50による幅整合処理を実行せずに、記録シート排出速度制御を実行する(ステップS13)。これは以下の理由による。
【0073】
すなわち、記録シートSの幅が165mm未満であることにより、シート排出機構30における中央部の腰付けローラー32cだけが押圧され、幅方向の左右の各側部は、両側の各側部の腰付けローラー32cによっては押圧されない。
しかし、記録シートSがシート排出機構30から排出される場合に、中央部の腰付けローラー32cの復元力によって前側上方に押し出されても、坪量が250g/m以上の記録シートSは、それぞれが重くて厚いために、坪量が軽い記録シートSよりも、左右の各側縁部の位置が変動することが抑制される。しかも、重い記録シートSは、坪量が軽い記録シートSよりも短時間で排紙トレイ44上に落下することから、排紙トレイ44上に落下するまでの間に左右の各側縁部の位置が変動することがさらに抑制される。
【0074】
これらのことから、記録シートSの幅が165mm未満であっても、坪量が250g/m以上の記録シートSの場合には、シート整合機構50による幅整合処理を実行することなく、記録シート排出速度制御によって排出速度を制御して、直接、排紙トレイ44上に排出するようにしている。
なお、記録シートSの坪量は、画像形成装置の主制御部66から送信されるジョブの情報に含まれた記録シートSの種類(薄紙、普通紙(白黒用のみならずカラー用も含む)、厚紙1、厚紙2、厚紙3、ハガキ、光沢紙、写真用紙)に基づいて取得することができる。記録シートSの種類については、ユーザーが画像形成装置に対してジョブを指示する際に、ユーザーによって選択されるようになっている。
【0075】
なお、記録シートSの種類と坪量の関係は、以下の通りに規定されている。すなわち、「薄紙」は、坪量が60g/m未満、「普通紙」は、坪量が60g/m以上かつ90g/m未満、「厚紙1」は、坪量が90g/m以上かつ160g/m未満、「厚紙2」は、坪量が160g/m以上かつ220g/m未満、「厚紙3」は、坪量が220g/m以上かつ300g/m未満に規定されている。また、「ハガキ」は、坪量が110g/m以上かつ210g/m未満、「光沢紙」は、坪量が100g/m以上かつ220g/m未満、「写真用紙」は、坪量が250g/m以上かつ300g/m未満に規定されている。
【0076】
これらの記録シートの種類は、画像形成装置に設けられた操作パネルの操作によってユーザーが選択する。この場合、ユーザーが記録シートSとして「厚紙」を選択すると「厚紙1」、「厚紙2」、「厚紙3」のいずれかを選択できるようになっている。
制御部61は、ユーザーが選択した記録シートSの種類に基づいて、記録シートの坪量を設定する。この場合、選択された記録シートSの種類毎に規定された坪量の上限値と下限値との平均値を、画像形成装置から供給される記録シートの坪量に設定する。
【0077】
すなわち、ジョブの情報に含まれる記録シートSの種類が「薄紙」であれば坪量を30g/mとみなし、「普通紙」であれば坪量を75g/m、「厚紙1」であれば坪量を125g/m、「厚紙2」であれば坪量を190g/m、「厚紙3」であれば、坪量を260g/m、「ハガキ」であれば坪量を160g/m、「光沢紙」であれば、坪量を160g/m、「写真用紙」であれば、坪量を275g/mとみなす。
【0078】
なお、記録シートSの種類をユーザーが選択する構成に代えて、記録シートSの坪量(g/m)を、ユーザーが直接、入力する構成になっていてもよい。この場合には、入力された坪量が記録シートSの坪量とされる。
ステップS12において、記録シートSの坪量が250g/m未満と判定された場合には(ステップS12において「NO」)、記録シートSの坪量が75g/m以上であるか否かを確認する(ステップS14)。記録シートSの坪量が75g/m未満の場合には(ステップS14において「NO」)、処理トレイ41上において幅整合処理を実行する際の記録シートSの枚数Nkを15枚に設定して(ステップS15)、ステップS21に進む。
【0079】
記録シートSの坪量が75g/m以上の場合には(ステップS14において「YES」)、記録シートSの坪量が110g/m以上であるか否かを判定する(ステップS16)。記録シートSの坪量が110g/m未満の場合には(ステップS16において「NO」)、シート整合機構50による幅整合処理を実行する際の処理トレイ41上における記録シートSの積載枚数Nkを10枚に設定し(ステップS17)、ステップS21に進む。
【0080】
記録シートSの坪量が110g/m以上の場合には(ステップS16において「YES」)、記録シートSの坪量が160g/m以上であるか否かを判定する(ステップS18)。記録シートSの坪量が160g/m未満の場合には(ステップS18において「NO」)、処理トレイ41上で幅整合処理を実行する際の記録シートSの積載枚数Nkを7枚に設定し(ステップS19)、ステップS21に進む。
【0081】
記録シートSの坪量が160g/m以上の場合には(ステップS18において「YES」)、同様の理由により、処理トレイ41上で幅整合処理を実行する際の記録シートSの積載枚数Nkを5枚に設定し(ステップS20)、ステップS21に進む。
このように、坪量が75g/m未満の比較的薄くて軽い記録シートSの場合には、15枚の記録シートSを幅整合状態とすることによって、幅整合状態となったシート束全体の重量を比較的重くしている。これにより、幅整合状態になったシート束が、シート排出機構30から排出されて排紙トレイ44上に短時間で落下し、シート束全体の幅整合状態が乱れることを防止できる。
【0082】
同様の理由により、記録シートSの坪量が75g/m以上かつ110g/m未満の場合には、幅整合処理する際に処理トレイ41上に積載される記録シートSの枚数を10枚とし、記録シートSの坪量が110g/m以上かつ160g/m未満の場合には記録シートSの枚数を7枚、記録シートSの坪量が160g/m以上の場合には記録シートSの枚数を7枚としている。
【0083】
ステップS21では、記録シートSをシート排出機構30へ搬送するために、シート搬送モーター62およびレジストモーター64をそれぞれ駆動(オン)する。また、シート排出機構30における上部ローラー部31が下部ローラー部32から離間した状態になるように、昇降モーター34を所定時間にわたって正転駆動する。
さらにステップS21において、第1シートセンサー21がオン状態になる回数のカウントを開始する。これにより、画像形成装置から後処理装置Aに供給される記録シートSの枚数をカウントすることができる。
【0084】
なお、この場合、ソレノイド64がオフ状態になっており、搬送ガイド25は、記録シートSを下側のメイン経路12aに案内する状態になっている。
このような状態で、シート搬送経路10の導入搬送部11に記録シートSが連続的に供給されると、第1シートセンサー21が、記録シートSに当接してオン状態になる。これにより、オン状態のカウント数(記録シートSのカウント枚数)Cが1つ増加する。
【0085】
シート搬送経路10の導入搬送部11に導入された記録シートSは、バイパス搬送部12のメイン経路12aを通ってレジストローラー部28へ搬送され、レジストローラー部28によってシート排出機構30へ搬送される。
シート排出機構30へ搬送される記録シートSが、第4シートセンサー29によって検出されると、図7のフローチャートに示すように、第4シートセンサー29がオン状態になる(図7のステップS24において「YES」)。このような状態になると、制御部61は、所定時間が経過するのを待って(ステップS25)、落下パドルモーター45を駆動する(ステップS26)。
【0086】
この場合、シート排出機構30では、上部ローラー部31と下部ローラー部32とが離間した状態になっており、レジストローラー部28から搬送される記録シートSの搬送方向下流側の端部(前端部)は、上部ローラー部31と下部ローラー部32との間を通過して、排紙トレイ44の上方に位置される。
その後、記録シートSの後端部がレジストローラー部28を通過すると、落下パドルモーター45によって回転される落下用パドル部材42が記録シートSの後端部に接触する。記録シートSの後端部は落下用パドル部材42によって強制的に落下され、記録シートSは、処理トレイ41に沿って滑り落ちる。これにより、記録シートSにおける傾斜方向の下側に位置する端部が、シート整合機構50における載置部51上に載置される。
【0087】
なお、この場合、シート整合機構50における第1整合部材53および第2整合部材56は、記録シートSの幅方向中央部に対して対称に位置するように相互に離間した状態になっており、その間に記録シートSが進入する。
1枚の記録シートSが落下用パドル部材42によって処理トレイ41上に落下すると、その後に、所定のタイミングで整合パドルモーター46が回転される(ステップS27)。これにより、整合用パドル部材43のパドル部43bが、シート整合機構50の載置部51上に位置する記録シートSの端部に接触して、記録シートSをシート整合機構50のストッパー52に当接させる。ストッパー52に当接した記録シートSは、傾斜方向に沿った状態になる。
【0088】
この場合、記録シートSの傾斜方向の上側に位置する前端部は、上部ローラー部31と下部ローラー部32との間を通って排紙トレイ44の上方に位置した状態を維持している。
次いで、制御部61は、カウンターによる記録シートSのカウント枚数Cが、指示されたジョブにおける記録シートSのプリント枚数に達してジョブが終了したかを確認する(ステップS28)。
【0089】
カウンターによる記録シートSのカウント枚数Cが、指示されたジョブのプリント枚数に達していない場合には、ジョブが終了していないと判断し(ステップS28において「NO」)、カウンターによる記録シートSのカウント枚数Cが、ステップS15、ステップS17、ステップS19のいずれかで設定された枚数Nkの倍数になったかを確認する(ステップS29)。
【0090】
ステップS29において、カウント枚数Cが設定枚数Nkの倍数に達した場合には(ステップS29において「YES」)、図8のステップS31に進む。
カウント枚数Cが設定枚数Nkになっていない場合には(ステップS29において「NO」)、ステップS22に戻り、ステップS24以降の処理が排紙トレイ44上に設定枚数Nkの記録シートSが積載されるまで繰り返される。
【0091】
カウンターによる記録シートSのカウント枚数Cが、指示されたジョブのプリント枚数に達している場合には、そのジョブが終了したものとして(ステップS28において「YES」)、ジョブが終了したことを示すジョブ終了フラグFjをセット(Fj=1)し(ステップS30)、図8のステップS31に進む。
図8に示すフローチャートにおけるステップS31では、処理トレイ41上に積載された所定枚数の記録シートSを幅整合するための幅整合処理を開始し、シート整合機構50における第1整合用モーター55および第2整合用モーター58の制御が開始される。この幅整合処理では、前述したように、第1整合用モーター55および第2整合用モーター58を、所定時間にわたって同期して逆転駆動した後に、所定時間にわたって同期して正転駆動することを、予め設定された所定回数(2〜3回程度)にわたって繰り返す。これにより、処理トレイ41上に積載された所定枚数の記録シートSが幅整合状態とされる。
【0092】
なお、このような幅整合処理において、制御部61は、後続の記録シートSのシート排出機構30への搬送を制御する。このために、制御部61は、ステップS31において記録シートSの幅整合処理を開始すると、ジョブ終了フラグFjがセット状態(Fj=1)であるかを確認する(ステップS32)。ジョブ終了フラグFjがセット状態の場合には(ステップS32において「YES」)、その後は記録シートSが搬送されないために、ステップS36に進んで、幅整合処理が終了するまで待機状態になる。
【0093】
これに対して、ジョブ終了フラグFjがセット状態でない場合には(ステップS32において「NO」)、後続の記録シートSがバイパス搬送部12における下側のメイン経路12aに達したかを、メイン経路12aに設けられた第2シートセンサー26によって確認する(ステップS33)。記録シートSがメイン経路12aを搬送されることによって第2シートセンサー26がオン状態になると(ステップS33において「YES」)、レジストモーター64の駆動を停止するとともに、搬送ガイド25を切り替えるソレノイド63をオン状態とする(ステップS34)。
【0094】
レジストモーター64の駆動が停止されると、レジストローラー部28における上側ローラー28aおよび下側ローラー28bの回転が停止される。これにより、メイン経路12a内を搬送される記録シートSは、レジストローラー部28に当接して停止する。
また、ソレノイド63がオン状態になることによって搬送ガイド25は、記録シートSを上側のバイパス経路12bへ案内する状態に切り替えられる。これにより、連続して搬送される後続の記録シートSは上側のバイパス経路12bへ搬送される。
【0095】
その後、処理トレイ41上におけるシート束の幅整合処理が終了するまで待機状態になる(ステップS35)。この間に、バイパス経路12bに搬送された記録シートSは、停止状態になったレジストローラー部28に当接して停止される。従って、レジストローラー部28には、先行する記録シートSが下側、後続の記録シートSが上側になった状態で当接している。
【0096】
その後、処理トレイ41上におけるシート束の幅整合処理が終了すると(ステップS35において「YES」)、図9に示すフローチャートのステップS41に進み、シート排出機構30における昇降モーター34を所定時間にわたって逆転駆動する(ステップS41)。これにより、シート排出機構30における上部ローラー部31が下降し、処理トレイ41上に載置されたシート束が、上部ローラー部31および下部ローラー部32によって挟まれた状態になる。
【0097】
このような状態になると、処理トレイ41上に載置された記録シートSの1枚の坪量に基づいて設定された所定の搬送速度で記録シートSが搬送されるように、シート排出モーター35が駆動されて、処理トレイ41上に載置されたシート束が排紙トレイ44上に排出される。
この場合、処理トレイ41上に載置された記録シートSの坪量が60g/m未満の場合には(ステップS42において「YES」)、記録シートSの排出速度が250mm/sになるように、シート排出モーター35を駆動する(ステップS43)。また、記録シートSの坪量が60g/m以上であって(ステップS42において「NO」)、220g/m未満の場合には(ステップS44において「YES」)、記録シートSの排出速度が300mm/s(普通紙の標準的な排出速度)になるように、シート排出モーター35を駆動する(ステップS45)。
【0098】
さらに、記録シートSの坪量が220g/m以上の場合には(ステップS44において「YES」)、記録シートSの排出速度が350mm/sになるように、シート排出モーター35を駆動する(ステップS46)。
このような記録シートSの排出速度の変更は、以下の理由による。すなわち、坪量が60g/m未満の薄い記録シートSの場合、処理トレイ41上において幅整合処理される記録シートSの枚数が15枚以上になっていれば、シート整合機構50による幅整合状態になったシート束全体の重量が増加すると、短時間で排紙トレイ44上に落下させることができる。
【0099】
しかし、坪量が60g/m未満の薄くて軽い記録シートSの場合、シート整合機構50によって幅整合処理された記録シートSの枚数が多くなると、排紙トレイ44上に落下する際の速度が速くなることによって、シート排出機構30から排出されるシート束における上部に位置する数枚の薄くて軽い記録シートSが、排紙トレイ44上に落下するまでの間に、風圧により分離した状態になるおそれがある。この場合には、排紙トレイ44上に落下したシート束における上部の数枚の記録シートSの姿勢が乱れることになる。
【0100】
このために、坪量が60g/m未満の薄い記録シートSの場合には、坪量が60g/m以上かつ75g/m未満の記録シートSの場合と同様に、処理トレイ41上において幅整合処理される記録シートSの枚数を15枚にして、シート束の落下速度を低下させて、シート排出機構30からシート束として排出される場合にも、上部に位置する数枚の記録シートSが分離することを抑制している。
【0101】
さらに、坪量が60g/m未満の薄い記録シートSの場合には、シート排出機構30によるシート束の排出速度を、坪量が60g/m以上かつ75g/m未満の記録シートSの場合(普通紙の標準的な排出速度である300mm/s)よりも遅い250mm/sとしている。これにより、坪量が60g/m未満の薄くて軽い記録シートSであっても、シート排出機構30からシート束の排出速度が低下されるために、風圧によって上部に位置する数枚の記録シートSが分離することをさらに抑制することができる。なお、記録シートSの坪量およびシート束の枚数と、排出速度との関係は、実験等によって予め求められている。
【0102】
これに対して、坪量が220g/m以上の厚くて重い記録シートSの場合、処理トレイ41上において幅整合処理される記録シートSの枚数を、坪量が160g/m以上かつ220g/m未満の記録シートSの場合と同様に5枚としている(ステップS18およびS19)。
これは、以下の理由による。すなわち、処理トレイ41上において幅整合される記録シートSの枚数が5枚未満であれば、5枚以上の場合よりも、処理トレイ41上において短時間で積載することができるために、幅整合処理した後に排紙トレイ44上に排出するまでに要する時間が短くなる。
【0103】
しかし、シート排出機構30では、シート束を排出する際に騒音が生じるために、このように、シート束を短い時間間隔で排出すると、短い時間間隔で騒音が連続的に発生する。
このことから、坪量が220g/m以上の厚い記録シートSであっても、坪量が160g/m以上かつ220g/m未満の記録シートSの場合と同様に、処理トレイ41上において幅整合処理される記録シートSの枚数を5枚とし、シート排出機構30においてシート束が短い時間間隔で連続的に排出されないようにして、短い時間間隔で騒音が連続的に発生することを防止している。
【0104】
しかも、坪量が220g/m以上の厚くて重い記録シートSは、シート排出機構30からシート束として排出される際に、それぞれの記録シートS自体が重いために、シート排出機構30からの排出速度が増加しても、風圧によってそれぞれの記録シートSがシート束から分離するおそれがない。このことから、坪量が220g/m以上の厚くて重い記録シートSの場合、シート排出機構30からのシート束の排出速度を、坪量が160g/m以上かつ220g/m未満の記録シートSにおける排出速度(普通紙の標準的な排出速度である300mm/s)よりも速い350mm/sとしている。
【0105】
これにより、坪量が220g/m以上の厚くて重い記録シートSであっても、シート束を排紙トレイ44上に幅整合状態で積載することができる。しかも、短い時間間隔で騒音が連続的に発生するおそれもない。また、シート排出機構30によるシート束を排出するために要する時間も短くなることから、騒音が生じる時間も短くなり、騒音の総量を低減することができる。
【0106】
ステップS43、ステップS45、ステップS46のいずれかにおいて、シート排出機構30におけるシート束の排出速度が、記録シートSの坪量に応じて決定されると、シート排出モーター35を、決定された排出速度になるように駆動する。これにより、処理トレイ41上のシート束が排紙トレイ44上に排出される。シート排出モーター35は、処理トレイ41上におけるシート束が排紙トレイ44上に排出される所定時間にわたって駆動状態が維持される(ステップS47)。
【0107】
シート排出機構30によって排紙トレイ44上に排出されるシート束は、処理トレイ41上において、排出方向および幅方向に整合されており、しかも、排紙トレイ44上に落下する場合にも、整合した積載状態を維持する。これにより、シート束は、排紙トレイ44上において整合した状態で積載される。
その後、シート排出モーター35が所定時間にわたって駆動されると、制御部61は、ジョブ終了フラグFjがセット状態(Fj=1)になっているかを確認する(ステップS48)。
【0108】
ステップS48において、ジョブ終了フラグFjがセット状態(Fj=1)になっていない場合には(ステップS48において「NO」)、ジョブが終了していないことによって画像形成装置からの記録シートSの供給が継続されることから、ステップS50に進み、レジストモーター64を駆動するとともに、ソレノイド63をオフ状態として、搬送ガイド25を、メイン経路12aへ記録シートSを案内する状態に切り替える。
【0109】
レジストモーター64が駆動されると、レジストローラー部28が回転される。これにより、バイパス搬送部12における下側のメイン経路12a内にて停止状態の記録シートSがシート排出機構30に向って搬送される。この場合、バイパス搬送部12における上側のバイパス経路12bにおいても記録シートSが停止した状態になっている場合には、レジストローラー部28の回転により、バイパス経路12b内の記録シートSが、メイン経路12a内の記録シートSに重なった状態で、シート排出機構30に向って搬送される。
【0110】
その後、図7のステップS24に戻り、処理トレイ41上における所定枚数の記録シートSの幅整合処理を実行するために、ステップS24以降の処理が実行される。
なお、2枚の記録シートSが重なった状態でシート排出機構30へ搬送される場合にも、1枚の記録シートSがシート排出機構30へ搬送される場合と同様である。すなわち、記録シートSが、第4シートセンサー29によって検出されると(図7のステップS24において「YES」)、所定時間が経過するのを待って(ステップS25)、落下パドルモーター45が駆動される(ステップS26)。これにより、2枚の記録シートSが重なった状態で処理トレイ41上に落下する。
【0111】
この場合には、1枚ずつ記録シートSが搬送される場合の順番と同じ順番で、処理トレイ41上に記録シートSが載置される。従って、処理トレイ41上における記録シートの積載の順番が乱れることがなく、記録シートSを効率よく処理トレイ41上に積載することができる。
以後、制御部61のカウンターによるカウント枚数が、指示されたジョブのプリント枚数に達するまで、ステップS24以降の処理が繰り返される。そして、記録シートSのカウント枚数がジョブのプリント枚数に達すると、ジョブが終了したものとして(ステップS28において「YES」)、ジョブ終了フラグFjをセット状態(Fj=1)とする(ステップS30)。
【0112】
なお、ステップS30において、ジョブ終了フラグFjがセット状態(Fj=1)にされると、その後のステップS48において、ジョブ終了フラグFjがセット状態になっていることが確認される(ステップS48において「YES」)。これにより、制御部61は、ジョブ終了フラグFjをリセット(Fj=0)として(ステップS49)、シート排出制御を終了する。
【0113】
以上のように、本実施形態では、シート排出機構30における両側の各腰付けローラー32cによって押圧されないようなサイズの記録シートSが後処理を必要としない場合に、複数枚の記録シートSを幅整合状態のシート束として排紙トレイ44上に排出するようにしているので、シート排出機構30によって1枚ずつ記録シートSを排出する場合に比べて、排紙トレイ44上におけるシート束の整合性を向上させることができる。
【0114】
次に、図6のステップS11において「YES」の場合(記録シートSの幅方向長さが165mm以上)と、ステップS12において「YES」の場合(記録シートSの幅方向長さが165mmであって坪量が250g/m以上)とのそれぞれにおいて実行される記録シート排出速度制御のサブルーチンについて説明する。
図10は、記録シート排出速度制御の処理手順を示すフローチャートである。この記録シート排出速度制御では、記録シートSを処理トレイ41上において幅整合処理することなく、シート排出機構30によって、1枚ずつ、直接、排紙トレイ44上に排出する。
【0115】
この記録シート排出速度制御においても、制御部61は、まず、シート搬送モーター62およびレジストモーター64をそれぞれ駆動(オン)する(図10のステップS61)。
また、このステップS61において、第1シートセンサー21がオン状態になる回数のカウントを開始する。
【0116】
この場合、シート排出機構30において、上部ローラー部31は下降された状態になっており、それぞれの上部搬送ローラー31bおよび各下部搬送ローラー32bが圧接された状態になっている。
次いで、制御部61は、通知されたジョブの情報に含まれる記録シートSのサイズに基づいて、記録シートSの幅方向長さが、185mm以上であるかを判定する(ステップS62)。なお、図6のステップS12において「YES」であることによって記録シートSの排出速度制御を実行する場合には、図6のステップS11において「NO」であるために、記録シートSの幅方向長さが165mm未満であると判定されている。従って、この場合には、ステップS62において「NO」になり、ステップS66に進むことになる。
【0117】
記録シートSにおける搬送方向と直交する方向の長さが185mm以上の場合には(ステップS62において「YES」)、記録シートSの排出速度が、普通紙における標準的な排出速度である300mm/sになるように、シート排出モーター35を駆動する(ステップS63)。
このような状態で、記録シートSが、シート搬送経路10の導入搬送部11、バイパス搬送部12のメイン経路12a、レジストローラー部28を通ってシート排出機構30へ搬送される。シート排出機構30では、上部搬送ローラー31bと下部搬送ローラー32bとが圧接された状態で、標準的な300mm/sの搬送速度になるように回転されているために、シート排出機構30に搬送された記録シートSは、1枚ずつ、300mm/sの速度で通過して、排紙トレイ44上に落下する。
【0118】
この場合、記録シートSの搬送方向と直交する方向の長さが185mm以上になっていることにより、シート排出機構30の両側に設けられた各腰付けローラー32cのそれぞれの外周面の全体が記録シートSの下面に接触する。従って、それぞれの記録シートSは、両側の腰付けローラー32cのそれぞれから、ほぼ均等に押圧力が加わる。
このような状態で、記録シートSの後端部が、シート排出機構30における上部ローラー部31と下部ローラー部32との間を通過すると、記録シートSは、中央部および両側の各腰付けローラー32cの復元力が作用する。この場合、記録シートSにおける両側の各側部は、両側の各腰付けローラー32cによって押圧されていることにより幅方向両側の各側縁に、ほぼ均等に復元力が作用する。
【0119】
これにより、シート排出機構30における上部ローラー部31と下部ローラー部32との間を通過した記録シートSにおける各側縁部の位置が大きく変動するおそれがない。従って、記録シートSは、排出方向に沿った状態でシート排出機構30から排出されても、排出方向に傾斜した状態になるおそれがなく、排出方向に沿った状態を維持して排紙トレイ44上に落下する。
【0120】
このように、記録シートSの搬送方向と直交する方向の長さが185mm以上になっている場合には、記録シートSの坪量とは関係なく、300mm/sの一定の排出速度で、シート排出機構30から連続して排出するようにしている。これにより、シート排出機構30から排出される記録シートSは、その姿勢が乱れることなく、シート排出方向に沿った状態で順次排紙トレイ44上に積載される。
【0121】
その後、カウンターによる記録シートSのカウント枚数Cが、ジョブのプリント枚数に達すると(ステップS64において「YES」)、シート搬送モーター62およびレジストモーター64をそれぞれオフ状態とし(ステップS65)、記録シート排出速度制御を終了する。
次に、ステップS62において、記録シートSの幅方向長さが185mm以上でない場合(ステップS62において「NO」)について説明する。この場合には、記録シートSは、坪量に関係なく165mm以上かつ185mm未満の幅方向長さになっているか、幅方向長さが165mm未満であって坪量が250g/m以上になっているかのいずれかである。
【0122】
このような記録シートSの場合にも、まず、シート排出機構30からの排出速度が普通紙の標準的な排出速度である300mm/sになるように、シート排出モーター35を駆動する(ステップS66)。
従って、この場合にも、記録シートSは、レジストローラー部28から、第4シートセンサー29による検出域を通過した後に、シート排出機構30における300mm/sの速度で回転している上部搬送ローラー31bと下部搬送ローラー32bとの間に進入して、300mm/sの速度で搬送される。
【0123】
その後、記録シートSの後端部がレジストローラー部28を通過することによって、第4シートセンサー29がオン状態からオフ状態になると(ステップS67において「YES」)、記録シートSの排出速度が200mm/sに低下するように、シート排出モーター35を制御する(ステップS68)。
これにより、上部搬送ローラー31bと下部搬送ローラー32bとの間を、300mm/sの速度で通過していた記録シートSの排出速度は、200mm/sに低下する。従って、記録シートSの後端部は、上部搬送ローラー31bと下部搬送ローラー32bとの間を、200mm/sの速度で通過して排紙トレイ44上に排出される。
【0124】
この場合、記録シートSが、坪量に関係なく幅方向の長さが165mm以上かつ185mm未満であると、シート排出機構30における左右の両側に設けられたそれぞれの腰付けローラー32cは、それぞれ、記録シートSを押圧した状態になっているが、それぞれの外周面における軸方向長さの全体にわたって記録シートSに転接していないために、両側の各腰付けローラー32cによる記録シートSの押圧力に差が生じる。
【0125】
このため、記録シートSが、シート排出機構30における上部ローラー部31と下部ローラー部32との間を300mm/sの速度で通過すると、両側の各腰付けローラー32cにおいて異なる復元力が作用して前上方に押し出されると、記録シートSが排出方向に対して傾斜した状態になるおそれがある。
このことから、記録シートSの後端部が上部搬送ローラー31bと下部搬送ローラー32bとの間を通過する場合には、記録シートSの排出速度を、300mm/sから200mm/sに低下させている。これにより、記録シートSの後端部に、各腰付けローラー32cによって異なる復元力が作用しても、記録シートSが排出方向に対して傾斜した状態になることが抑制される。その結果、排紙トレイ44上に積載される記録シートSは、排出方向に沿った状態とされる。
【0126】
このように、シート排出機構30における両側の各腰付けローラー32cによって記録シートSの押圧力に差がある場合にも、シート整合機構50による幅整合処理を実行することなく、シート排出機構30によって連続して搬送される記録シートSを排紙トレイ44上に排出するようにし、それぞれの記録シートSの後端部が通過する際の排出速度を低下させることによって、記録シートSの姿勢が乱れることを抑制して、排紙トレイ44上に記録シートSを積載することができる。
【0127】
さらに、記録シートSにおける搬送方向と直交する方向の長さ(幅方向長さ)が165mm未満であって(ステップS11において「YES」)、記録シートSの坪量が250g/m以上である場合(ステップS12において「YES」)においても、記録シートSの後端部が上部搬送ローラー31bと下部搬送ローラー32bとの間を通過する際には、記録シートSの排出速度を、300mm/sから200mm/sに低下させている。
【0128】
この場合、記録シートSにおける搬送方向と直交する方向の長さ(幅方向長さ)が165mm未満であるために、シート排出機構30における両側の各腰付けローラー32cによって記録シートSの各側部が押圧されないために、記録シートSの後端部が上部搬送ローラー31bと下部搬送ローラー32bとの間を通過する際の速度が高速の場合には、瞬間的に中央部の腰付けローラー32cによる大きな復元力が加わることによって、記録シートSが排出方向に対して傾斜状態になるおそれがある。
【0129】
このために、坪量が250g/m以上の厚くて重い記録シートSの場合には、上部搬送ローラー31bと下部搬送ローラー32bとの間を通過する記録シートSに、中央部の腰付けローラー32cによって瞬間的に作用する復元力が低下するように、記録シートSの後端部が上部搬送ローラー31bと下部搬送ローラー32bとの間を通過するときの記録シートSの排出速度を、300mm/sから200mm/sに低下させている。
【0130】
これにより、中央部の腰付けローラー32cによって記録シートSに瞬間的に作用する復元力が低下し、記録シートSの後端部が上部搬送ローラー31bと下部搬送ローラー32bとの間を通過した後に、記録シートSの姿勢が大きく変化することを確実に防止することができ、記録シートSを排紙トレイ44上に排出方向に対して傾斜していない状態で落下させることができる。
【0131】
その後、記録シートSの後端部が、シート排出機構30を通過する所定時間が経過するのを待って、指示されたジョブのプリント枚数の記録シートSが排紙トレイ44上に排出されることによってジョブが終了したかを確認する(ステップS70)。
排紙トレイ44上に排出された記録シートSの枚数がジョブのプリント枚数に達していない場合には、ジョブが終了していないものとして(ステップS70において「NO」)、シート排出機構30における記録シートSの排出速度が300mm/sになるように、シート排出モーター35を制御した後に、ステップS67に戻り、ステップS67以降の処理が繰り返される。
【0132】
ステップS70において、通知されたジョブのプリント枚数の記録シートSが供給された場合には、ジョブが終了したものとして(ステップS70において「YES」)、ステップS65に進み、シート搬送モーター62およびレジストモーター64をそれぞれオフ状態として、記録シート排出速度制御を終了する。
このように、シート排出機構30における両側の各腰付けローラー32cによって記録シートSが押圧されない場合にも、記録シートSの坪量が大きければ、シート整合機構50による幅整合処理を実行することなく、シート排出機構30によって記録シートSを排紙トレイ44上に連続するように排出するとともに、それぞれの記録シートSの後端部が通過する際の排出速度を低下させることによって、記録シートSを、それぞれの姿勢が乱れることなく排紙トレイ44上に積載することができる。
【0133】
<変形例>
上記の実施形態では、シート排出機構30に、腰付け手段として3つの腰付けローラー32cが設けられた構成について説明したが、腰付けローラー32cの個数は特に限定されるものではない。
シートに腰を付ける腰付け手段は、ローラーに限らず、例えば、弾性体からなるレバー状の構成であってもよい。
【0134】
また、シート排出機構30に搬送される記録シートSの後端部を、落下用パドル部材42によって強制的に処理トレイ41上に落下させる構成としたが、このような落下用パドル部材42を設けることなく、自然落下によって処理トレイ41上に落下させる構成であってもよい。
さらに、処理トレイ41上の記録シートSを重力によって滑らせる構成としたが、記録シートSをシート整合機構50側に移動させる搬送ベルト等を処理トレイ41に設ける構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明は、シート排出機構における腰付け手段によって押圧されない複数枚のシートを後処理することなく排紙トレイ上に排出する場合に、排紙トレイ上において、複数枚のシートを、それぞれの姿勢が乱れることなく積載できる技術として有用である。
【符号の説明】
【0136】
A 後処理装置
10 シート搬送経路
30 シート排出機構
31 上部ローラー部
31a 上部ローラー軸
31b 上部搬送ローラー
32 下部ローラー部
32a 下部ローラー軸
32b 下部搬送ローラー
32c 腰付けローラー
34 昇降モーター
35 シート排出モーター
41 処理トレイ
42 落下用パドル部材
43 整合用パドル部材
44 排紙トレイ
45 落下パドルモーター
46 整合パドルモーター
50 シート整合機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から供給されるシートを、処理トレイ上に積載して後処理し、後処理されたシートの束を排紙トレイに排出する後処理装置であって、
前記処理トレイ上に積載されたシートの束を、当該シートの搬送方向とは直交する幅方向に整合させるシート整合手段と、
後処理を必要としないシートを、前記処理トレイを経由せずに1枚ずつ排紙トレイ上に排出する第1排出モードと、処理トレイ上に積載された複数枚のシートを前記排紙トレイ上に排出する第2排出モードとを選択的に実行可能なシート排出手段と、
前記排紙トレイ上に排出されるシートを押圧して変形させて、前記シートの排出方向の下流側端部が下方に撓まないように腰を付ける腰付け手段と、
後処理を必要としないシートが前記腰付け手段によって腰を付けることができないシートであることを判定する判定手段と、
後処理を必要としないシートが当該判定手段によって腰を付けることができないと判定された場合に、前記処理トレイ上に積載されて整合された複数の所定枚数のシートが前記第2排出モードで排出されるように、前記シート整合手段および前記シート排出手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、後処理を必要としないシートのサイズに基づいて腰を付けることができないことを判定することを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、後処理を必要としないシートが所定サイズ以下の場合に、当該シートの坪量に基づいて、前記所定枚数を変更することを特徴とする請求項2に記載の後処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記シートの坪量が大きくなるほど、前記所定枚数を少なくすることを特徴とする請求項3に記載の後処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記シートの坪量に基づいて、前記第2排出モードにおけるシート束の排出速度を変更することを特徴とする請求項3または4に記載の後処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、坪量が小さいシートの場合に、前記第2排出モードにおけるシート束の排出速度を遅くすることを特徴とする請求項5に記載の後処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−95537(P2013−95537A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237796(P2011−237796)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】