説明

微小流体デバイスのための弁アセンブリ、およびその開閉のための方法

【課題】通常は開いている流体操作弁アセンブリ、およびシステム、ならびにこのアセンブリを閉鎖し、再開放し、そして再閉鎖するための方法を提供すること。
【解決手段】通常は開いている弁アセンブリは、第一の表面を備える基材22を備え得、この第一の表面に、第一の凹部および第二の凹部28が形成されている。陥凹したチャネル34が、第一の表面に形成され得る。この陥凹したチャネルは、第一の凹部から第二の凹部まで延び得、そして少なくとも部分的に、第一の弾性率を有する第一の変形可能な材料によって規定され得る。この弁アセンブリはまた、弾性変形可能なカバー、および第一の表面に接触する接着剤層44を備え得、この弾性変形可能なカバーは、第一の変形可能な材料の弾性率より大きい弾性率を有する材料から作製される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国特許出願番号10/336,274(2003年1月3日出願)、同10/336,706(2003年1月3日出願)、同10/403,652(2003年3月31日出願)、同10/403,640(2003年3月31日出願)、同10/426,587(2003年4月30日出願)、米国仮特許出願番号60/398,851(2002年7月26日出願)、および同60/398,946(2002年7月26日出願)からの優先権の利益を主張する。本明細書中に記載される全ての米国特許出願および米国仮特許出願は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(分野)
本明細書中に記載されるアセンブリ、システム、および方法は、微小流体デバイスに関する。より具体的には、本教示は、微小サイズの量の流体および流体サンプルを操作するか、処理するか、または他の様式で変化させるために開閉され得る、微小流体デバイスにおいて使用するための弁アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
微小流体デバイスは、開放可能および閉鎖可能な弁の使用を介して、流体サンプルを操作するために有用である。多数の流体サンプルを同時に、迅速に、かつ高い信頼性で処理することを可能にする、微小流体デバイスにおいて使用するための弁、およびこのような弁のための方法に対する要求が、存在し続けている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
種々の実施形態に従って、弁アセンブリが提供される。この弁アセンブリは、第一の表面を備える基材を備え得、この第一の表面に、第一の凹部および第二の凹部が形成されている。陥凹チャネルが、第一の表面に形成され得、そしてこの陥凹チャネルは、第一の表面に対して陥凹し得る。陥凹チャネルは、第一の凹部から第二の凹部まで延び、そして第一の弾性率を有する第一の変形可能な材料によって、少なくとも部分的に規定され得る。
【0005】
この弁アセンブリはまた、弾性変形可能なカバーを備え得る。この弾性変形可能なカバーは、弾性変形可能な材料の層を備え得、この材料は、第一の変形可能な材料の弾性率より大きい弾性率を有する。接着剤層が、基材の第一の表面に接触し得る。弾性変形可能なカバーは、陥凹チャネルを覆うように配置され得、そして弾性変形可能なカバーの層が非変形状態にある場合に、第一の凹部と第二の凹部との間に流体連絡を形成し得る。
【0006】
種々の実施形態にしたがって、上記弁アセンブリを備えるシステムが提供され得る。このシステムは、このアセンブリを保持するための少なくとも1つのホルダを備えるプラットフォーム、および第一の変形器をさらに備え得る。駆動ユニットが、第一の変形器をアセンブリの方へと駆動することが可能であり得、そして変形力を、弾性変形可能なカバーおよび陥凹チャネルの変形可能な膜のうちの少なくとも1つに付与することが可能であり得る。第一の変形器は、接着剤層を陥凹チャネルに対して押し付けて、第一の凹部と第二の凹部との間の流体連絡を防止し得る。
【0007】
種々の実施形態に従って、閉じた弁アセンブリは、再度開放され得る。このシステムの駆動ユニットは、チャネルブレードを備える第一の変形器を駆動して、弾性変形可能なカバーおよび陥凹チャネルの材料を変形させることが可能であり得る。この駆動ユニットはまた、第一の変形器を、弾性変形可能なカバーとの接触から離すことが可能であり得、その結果、このカバーは、陥凹チャネルの変形した材料より速く弾性的に元に戻る。これによって、流体連絡が、第一の凹部と第二の凹部との間に、流体連絡開口部によって形成され得る。
【0008】
種々の実施形態に従って、再度開放された弁アセンブリは、再度閉鎖され得る。弁アセンブリを再度閉鎖するために、駆動ユニットは、一端に配置された接触パッドを備える変形器を備え得る。この変形器は、駆動ユニットによって、パッドが弾性変形可能なカバー層に接触し得、そして接着剤層の接着剤を変形チャネルに押し込み、第一の凹部と第二の凹部との間の流体連絡を閉じるように、駆動ユニットによって駆動され得る。
【0009】
種々の実施形態に従って、微小流体アセンブリの2つの凹部の間に位置する最初に開いていた流体連絡を閉じ、次いでこの流体連絡を再度開放し、次いで再度閉鎖するための方法が提供される。
【0010】
種々の実施形態に従って、弁アセンブリおよびシステム、ならびに弁アセンブリを開閉するための方法は、多数のサンプル(例えば、微小サイズの量の流体および流体サンプル)を、同時に、迅速に、かつ信頼性よく処理することを可能にする。
【0011】
種々の実施形態のさらなる特徴および利点は、部分的には以下の説明に記載され、そして部分的にはこの説明から明らかになるか、または種々の実施形態の実施によって習得され得る。種々の実施形態の目的および他の利点は、本明細書中の記載に特に指摘される要素および組み合わせによって、実現され、そして達成される。したがって、本発明は、以下を提供する。
(1) 弁アセンブリであって、以下:
基材であって、以下:
第一の表面;
該第一の表面に形成された第一の凹部;
該第一の表面に形成された第二の凹部;および
陥凹チャネルであって、該基材の該第一の表面に対して陥凹しており、そして該第一の凹部から該第二の凹部へと延び、該陥凹チャネルは、第一の弾性率を有する第一の変形可能な材料によって、少なくとも部分的に規定されている、陥凹チャネル、
を備える、基材;
弾性変形可能なカバーであって、以下:
該第一の変形可能な材料の該弾性率より大きい弾性率を有する、弾性変形可能な材料の層;および
該基材の該第一の表面と接触した接着剤層、
を備える、弾性変形可能なカバー、
を備え、ここで、該弾性変形可能なカバーが、該陥凹チャネルを覆い、そして該弾性変形可能なカバー層が非変形状態にある場合に、該第一の凹部と第二の凹部との間に流体連絡を形成する、弁アセンブリ。
(2) 前記弾性変形可能なカバーの変形状態において、前記接着剤層が、前記陥凹チャネルと接触し得る、項目1に記載の弁アセンブリ。
(3) 前記基材が、ポリカーボネート材料を含む、項目1に記載の弁アセンブリ。
(4) 前記基材が、環状オレフィンコポリマー材料を含む、項目1に記載の弁アセンブリ。
(5) 前記接着剤層が、感圧性接着剤を含む、項目1に記載の弁アセンブリ。
(6) 前記接着剤層が、ホットメルト接着剤を含む、項目1に記載の弁アセンブリ。
(7) システムであって、以下:
弁アセンブリであって、以下:
基材であって、以下:
第一の表面;
該第一の表面に形成された第一の凹部;
該第一の表面に形成された第二の凹部;および
陥凹チャネルであって、該基材の該第一の表面に対して陥凹しており、そして該第一の凹部から該第二の凹部へと延び、該陥凹チャネルは、第一の弾性率を有する第一の変形可能な材料によって、少なくとも部分的に規定されている、陥凹チャネル、
を備える、基材;
弾性変形可能なカバーであって、以下:
該第一の変形可能な材料の該弾性率より大きい弾性率を有する、弾性変形可能な材料の層;および
該基材の該第一の表面と接触した接着剤層、
を備える、弾性変形可能なカバー、
を備え、ここで、該弾性変形可能なカバーが、該陥凹チャネルを覆い、そして該弾性変形可能なカバー層が非変形状態にある場合に、該第一の凹部と第二の凹部との間に流体連絡を形成する、弁アセンブリ;
該弁アセンブリを支持するための少なくとも1つのホルダを備える、プラットフォーム
;ならびに
駆動ユニットを備える第一の変形器であって、該駆動ユニットは、該第一の変形器を該弁アセンブリの方へと駆動することが可能であり、そして該第一の変形器は、該弾性変形可能なカバーおよび該陥凹チャネルの該変形可能な材料のうちの少なくとも1つに、変形力を付与する、第一の変形器、
を備える、システム。
(8) 前記第一の変形器が、前記陥凹チャネルに対して前記接着剤層を押し付けることが可能であり、これによって、前記第一の凹部と第二の凹部との間の流体連絡を妨げる、項目7に記載のシステム。
(9) 前記第一の変形器が、遠位尖端、および該遠位尖端における、または該遠位先端に隣接する、電気抵抗ヒータを備える、項目8に記載のシステム。
(10) 前記第一の変形器が、チャネルブレードを備え、該チャネルブレードは、前記駆動ユニットによって駆動されて、前記弾性変形可能なカバーおよび前記陥凹チャネルを規定する前記材料を変形させることが可能である、項目7に記載のシステム。
(11) 前記駆動ユニットが、前記第一の変形器の、前記弾性変形可能なカバーとの接触を離すことがさらに可能であり、その結果、該カバーは、前記陥凹チャネルの前記変形可能な材料より速く弾性的に元に戻り、そして流体連絡開口部によって、前記第一の凹部と第二の凹部との間に流体連絡が生じる、項目10に記載のシステム。
(12) 前記基材が、ポリカーボネート材料を含む、項目7に記載のシステム。
(13) 前記基材が、環状オレフィンコポリマー材料を含む、項目7に記載のシステム。
(14) 前記接着剤層が、感圧性接着剤を含む、項目7に記載のシステム。
(15) 前記接着剤層が、ホットメルト接着剤を含む、項目7に記載のシステム。
(16) 弁アセンブリであって、以下:
基材であって、以下:
第一の表面;
該第一の表面に形成された第一の凹部;
該第一の表面に形成された第二の凹部;
陥凹チャネルであって、該基材の該第一の表面に対して陥凹しており、そして該第一の凹部から該第二の凹部へと延びている、陥凹チャネル;および
変形チャネルであって、該陥凹チャネルに対して陥凹しており、そして該第一の凹部から該第二の凹部へと延びる、変形チャネル、
を備え、該陥凹チャネルおよび該変形チャネルは、第一の弾性率を有する第一の変形可能な材料によって、少なくとも部分的に規定される、基材;
弾性変形可能なカバーであって、以下:
該第一の変形可能な材料の該弾性率より大きい弾性率を有する、弾性変形可能な材料の層;および
該基材の該第一の表面と接触した接着剤層、
を備える、弾性変形可能なカバー、
を備え、ここで、該弾性変形可能なカバーの変形状態において、該弾性変形可能なカバーの一部分が、該変形チャネルから間隔を空けており、そして該第一の凹部と第二の凹部との間に流体連絡開口部を形成する、弁アセンブリ。
(17) 前記基材が、ポリカーボネート材料を含む、項目16に記載の弁アセンブリ。
(18) 前記基材が、環状オレフィンコポリマー材料を含む、項目16に記載の弁アセンブリ。
(19) 前記接着剤層が、感圧性接着剤を含む、項目16に記載の弁アセンブリ。
(20) 前記接着剤層が、ホットメルト接着剤を含む、項目16に記載の弁アセンブリ。
(21) システムであって、以下:
弁アセンブリであって、以下:
基材であって、以下:
第一の表面;
該第一の表面に形成された第一の凹部;
該第一の表面に形成された第二の凹部;
陥凹チャネルであって、該基材の該第一の表面に対して陥凹しており、そして該第一の凹部から該第二の凹部へと延びている、陥凹チャネル;および
変形チャネルであって、該陥凹チャネルに対して陥凹しており、そして該第一の凹部から該第二の凹部へと延びる、変形チャネル、
を備え、該陥凹チャネルおよび該変形チャネルは、第一の弾性率を有する第一の変形可能な材料によって、少なくとも部分的に規定される、基材;
弾性変形可能なカバーであって、以下:
該第一の変形可能な材料の該弾性率より大きい弾性率を有する、弾性変形可能な材料の層;および
該基材の該第一の表面と接触した接着剤層、
を備える、弾性変形可能なカバー、
を備え、ここで、該弾性変形可能なカバーの変形状態において、該弾性変形可能なカバーの一部分が、該変形チャネルから間隔を空けており、そして該第一の凹部と第二の凹部との間に流体連絡開口部を形成する、弁アセンブリ;
該弁アセンブリを支持するための少なくとも1つのホルダを備える、プラットフォーム;ならびに
駆動ユニットを備える第一の変形器であって、該駆動ユニットは、該第一の変形器を該弁アセンブリの方へと駆動することが可能であり、そして該第一の変形器は、該弾性変形可能なカバーに変形力を付与する、第一の変形器、
を備える、システム。
(22) 前記第一の変形器が、該変形器の一端に配置された接触パッドを備え、該第一の変形器が、該パッドが前記弾性変形可能なカバー層に接触し得、そして前記接着剤層を前記変形チャネルに押し込んで、前記第一の凹部と第二の凹部との間の流体連絡を閉じ得るように、前記駆動ユニットによって駆動され得る、項目21に記載のシステム。
(23) 前記第一の変形器の前記接触パッドが、該第一の変形器の前記一端または該一端に隣接して配置された電気抵抗ヒータを備える、項目22に記載のシステム。
(24) 前記駆動ユニットが、前記第一の凹部と第二の凹部との間の前記流体連絡開口部を閉じた後に、前記第一の変形器の、前記弾性変形可能かカバーとの接触を離すことがさらに可能である、項目22に記載のシステム。
(25) 前記基材が、ポリカーボネート材料を含む、項目21に記載のシステム。(26) 前記基材が、環状オレフィンコポリマー材料を含む、項目21に記載のシステム。
(27) 前記接着剤層が、感圧性接着剤を含む、項目21に記載のシステム。
(28) 前記接着剤層が、ホットメルト接着剤を含む、項目21に記載のシステム。
(29) 方法であって、以下:
弁アセンブリを提供する工程であって該弁アセンブリが、以下:
基材であって、以下:
第一の表面;
該第一の表面に形成された第一の凹部;
該第一の表面に形成された第二の凹部;および
陥凹チャネルであって、該基材の該第一の表面に対して陥凹しており、そして該第一の凹部から該第二の凹部へと延び、該陥凹チャネルは、第一の弾性率を有する第一の変形可能な材料によって、少なくとも部分的に規定されている、陥凹チャネル、
を備える、基材;
弾性変形可能なカバーであって、以下:
該第一の変形可能な材料の該弾性率より大きい弾性率を有する、弾性変形可能な材料の層;および
該基材の該第一の表面と接触した接着剤層、
を備える、弾性変形可能なカバー、
を備え、ここで、該弾性変形可能なカバーが、該陥凹チャネルを覆い、そして該弾性変形可能なカバー層が非変形状態にある場合に、該第一の凹部と第二の凹部との間に流体連絡を形成する、工程;
該第一の変形器を該弾性変形可能なカバーに対して駆動して、該カバーを変形させ、そして該接着剤層を、該陥凹チャネルに対して押し付けて、該第一の凹部と該第二の凹部との間の流体連絡を防止する工程、
を包含する、方法。
(30) 前記第一の変形器が前記変形可能なカバーに対して駆動される場合に、該第一の変形器から前記接着剤層へと熱を伝達する工程をさらに包含する、項目29に記載の方法。
(31) 前記第一の変形器を、前記弾性変形可能なカバーとの接触から離す工程をさらに包含し、これによって、前記接着剤層が、該カバーの前記変形可能な材料を、前記陥凹チャネルに接着させて、前記第一の凹部と前記第二の凹部との間の流体連絡を防止する、項目29に記載の方法。
(32) 前記第一の変形器を、前記弾性変形可能なカバーに対して駆動して、前記陥凹チャネルの前記変形可能な材料を変形させる工程をさらに包含する、項目29に記載の方法。
(33) 前記第一の変形器を、前記弾性変形可能なカバーとの接触から離す工程をさらに包含し、その結果、該カバーが、前記陥凹チャネルの前記変形した材料より速く弾性的に元に戻り、そして前記第一の凹部と第二の凹部との間に流体連絡が生じる、項目32に記載の方法。
(34) 弁アセンブリの第一の凹部と第二の凹部との間の流体連絡を閉じる方法であって、以下:
弁アセンブリを提供する工程であって、該弁アセンブリは、以下:
基材であって、以下: 第一の表面;
該第一の表面に形成された第一の凹部;
該第一の表面に形成された第二の凹部;
陥凹チャネルであって、該基材の該第一の表面に対して陥凹しており、そして該第一の凹部から該第二の凹部へと延びている、陥凹チャネル;および
変形チャネルであって、該陥凹チャネルに対して陥凹しており、そして該第一の凹部から該第二の凹部へと延びる、変形チャネル、
を備える、基材;
弾性変形可能なカバーであって、以下:
弾性変形可能な層;および
該基材の該第一の表面と接触した接着剤層、
を備える、弾性変形可能なカバー、
を備える、工程;
該第一の変形器の一端に配置された接触パッドを備える、該第一の変形器を、該弾性変形可能なカバーに対して駆動する工程であって、その結果、該接触パッドが、該接着剤層の接着剤を該変形チャネルに押し込み、該第一の凹部と第二の凹部との間の流体連絡開口部を閉じる、工程、
を包含する、方法。
(35) 前記第一の変形器の前記接触パッドから前記接着剤へと熱エネルギーを伝達する工程をさらに包含する、項目34に記載の方法。
(36) 前記第一の変形器を、前記弾性変形可能なカバーとの接触から離す工程をさらに包含する、項目34に記載の方法。
(37) 前記第二の凹部が、精製材料を保持する、項目34に記載の方法。
【0012】
上記一般的説明と以下の詳細な説明との両方は、例示的かつ説明的であるのみであり、そして本教示の種々の実施形態の説明を提供することが意図されることが、理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(種々の実施形態の詳細な説明)
図1Aは、種々の実施形態に従う流体操作弁アセンブリ20の基材層部分22の、部分切取上面図を示す。少なくとも2つの凹部28、30が、基材層22に形成され得、そして中間壁32によって分離され得る。中間壁32は、弁の領域26を規定し得、この領域は、2つの凹部28、30の間の流体連絡を制御するために操作され得る。中間壁32は、非弾性的にかまたは弾性的に変形可能であり得る、変形可能な材料から形成され得る。種々の実施形態に従って、基材層22の全体が、非弾性的にかまたは弾性的に変形可能な材料を含み得る。
【0014】
種々の実施形態に従って、アセンブリ20の基材層22は、材料の単一層、材料のコーティングされた層、多層材料、およびこれらの組み合わせを含み得る。基材層22の種々の他の特徴(例えば、寸法、凹部の異なるレベルおよび層、ならびに他の特性)は、例えば、Bryningらに対する米国特許出願番号10/336,274(2003年1月3日出願(本明細書中以下で、Bryningら)に記載されており、これは、上記参照によって、その全体が本明細書中に参考として援用される。例示的な基材は、非脆性のプラスチック材料(例えば、ポリカーボネートまたはTOPAS(Ticona(Celanese AG),Summit,New Jersey,USAから入手可能な可塑性環状オレフィンコポリマー材料))の単一層の基材から作製され得る。
【0015】
種々の実施形態に従って、プラスチックは、弁アセンブリ20の構成要素(例えば、基材層22)を形成するために使用され得る。プラスチックとしては、ポリカーボネート、ポリカーボネート/ABSブレンド、ABS、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレンオキシド、アクリル、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとのブレンド、ナイロン、ナイロンのブレンド、およびこれらの組み合わせが挙げられ得る。弁アセンブリ20を形成するために使用されるさらなる材料は、例えば、Bryningらに開示されている。
【0016】
種々の実施形態に従って、基材層22は、60℃と95℃との間での熱サイクリング(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施する間に経験されるような)に耐え得る材料(例えば、ガラスまたはプラスチック)から作製され得る。さらに、この材料は、アセンブリ20を通して流体サンプルの操作を達成するために必要な力(例えば、アセンブリ20内でサンプルをスピンおよび操作するために必要な遠心力)に耐えるために十分に強靱であるべきである。
【0017】
図1Bは、図1Aに示される弁26の、図1Aの線1B−1Bに沿って見た断面側面図である。弁26は、弾性変形可能なカバーを備え得、このカバーは、カバー層42および接着剤層44を備える。接着剤層44は、基材層22と弾性変形可能なカバー層42との間に配置された、例えば、感圧製接着剤またはホットメルト接着剤を備え得る。弾性変形可能なカバーは、基材層22の表面24に、従来の任意の付着手順によって付着され得る。例えば、カバー層42は、基材層22の表面24に熱溶接され得る。種々の実施形態に従って、弾性変形可能なカバー層42および接着剤層44は、透明であり得る。しかし、種々の実施形態に従って、これらの層のいずれかまたは両方は、不透明であり得る。
【0018】
種々の実施形態に従って、弾性変形可能なカバーは、基材層22の一部分が変形される領域において、凹部を備える基材層22の部分を覆い得る。例えば、カバーは、直列に整列された複数の凹部の任意の数、これらの凹部の全て、または中間壁32を含む領域を覆い得る。カバーは、1つ以上の凹部、チャンバ、入口ポート、管などを、部分的に覆い得る。カバーのカバー層42は、弾性特性を有し得、この弾性特性は、変形器が中間壁32に接触して変形させる(例えば、Bryningらに開示されるように、カバー層42の下方)場合に、このカバーが一時的に変形されることを可能にする。
【0019】
図1Bに示されるように、凹部28、30の間の中間壁32の高さは、基材層22の表面24に対して陥凹を有するように形成され得、これによって、陥凹チャネル34を形成する。さらに、中間壁32の悲観凹部分は、アセンブリ20の凹部を備える基材層22の頂部表面24と同一面であり得る。図1Bに示されるように、カバー層42の非変形状態において、中間壁32の陥凹チャネル34は、第一の凹部28と第二の凹部30との間に流体連絡36を形成し得る。従って、弾性変形可能なカバーの非変形状態において、弁26は、通常、開状態にある。
【0020】
種々の実施形態に従って、以下は、流体操作弁アセンブリ20の弁26が、例えば、機械的圧力および温度を使用して閉じられる能力、ならびに弁26が、繰り返し再解放され、次いで繰り返し再閉鎖される能力を記載する。具体的には、以下は、接着剤層44がどのように操作されて、弁26を開閉するかを記載する。
【0021】
図2Aおよび2Bは、第一の弁閉鎖状態における、流体操作弁アセンブリ20の弁26の、それぞれ上面図および断面側面図を示す。図2Bにおいて、弁26は、第一の弁閉鎖状態の開始後およびこの状態の間で配置される、第一の変形器48と変形接触されて示されている。第一の変形器48は、第一の凹部28から第二の凹部30までの方向で延びる長さを備え得る。この長さは、中間壁32の長さと少なくとも同程度の長さであり得るか
、あるいは、第一の変形器48は、中間壁の長さより短くあり得る。図2Bに最もよく見られるように、駆動機構46は、第一の変形器48をカバー層42に向かう方向に移動させ、その結果、第一の変形器48の接触表面54が、カバー層42および接着剤層44を、陥凹チャネル34に向かうように変形させるように配置され得る。第一の弁閉鎖状態において、第一の凹部28と第二の凹部30との間の流体連絡36は、シールまたは閉鎖され得る。図2Aは、弁26が第一の弁閉鎖状態にある場合の、基材層部分22の上面図を示す。図2A、および図3A〜6Aにおいて、流体操作弁アセンブリ20は、弾性変形可能なカバーなしで示され、その結果、基材層22の特徴が、弾性変形可能なカバーを通して見ることなく見られ得る。種々の実施形態に従って、中間壁32の領域の基材層22は、第一の弁閉鎖状態において、必ずしも、第一の変形器48によって変形されない。種々の実施形態に従って、第一の変形器48は、カバー層42と接触から離され得、そしてカバー層42は、接着剤層44によって、陥凹チャネル34に接着したままであり得る。
【0022】
種々の実施形態に従って、流体操作弁アセンブリ20の、現在は閉じている弁26は、再開放され、次いで再閉鎖されることが可能である。図2B3Bおよび4Bは、種々の実施形態に従う、弁26を再開放するための手順を、第一の弁閉鎖状態から開始して、順に示す。
【0023】
図3Bに見られ得るように、第一の再開放工程において、駆動機構46が、第一の変形器48をさらに作動させ得、その結果、第一の変形器48の接触表面54が、カバー層42を、基材層22の中間壁部分32内へと変形させ、これによってまた、接着剤を、第一の変形器48から離れる方向に移動させる。その結果、中間壁32は、第一の変形器48の変形力によって変形され、基材層22内の変形チャネル40を形成し得る。図3Bに関して、第一の変形器48は、弾性変形可能なカバー層42を、接着剤層44を通してプレスし得、その結果、カバー層42と変形チャネル40との間に、接着剤が事実上存在し得ない。その結果、図4Bを参照して以下に議論されるように、第一の変形器48が弁26との接触から除かれる場合、カバー層42は、弾性的に元に戻り得、流体連絡開口部38を形成し得る。
【0024】
変形チャネル40はまた、図7に示される。この図は、基材層に形成された種々の陥凹およびチャネルと共に、基材層22の斜視図を示す。カバー層42および接着剤層44は、図7において省略され、基材層22の特徴がより明らかに示されている。種々の実施形態に従って、中間壁32の陥凹チャネル34の一部分のみが変形されて、2つの凹部28、30の間の流体連絡を部分的に形成し得る。
【0025】
図3Aは、第一の再開放工程の後の、基材層部分22の上面図を示す。種々の実施形態に従って、図3Aおよび7を参照すると、第一の変形器48(図3Bに示される)は、中間壁32の陥凹チャネル34内に、変形チャネル40を形成する。
【0026】
種々の実施形態に従って、中間壁32の変形可能な材料は、非弾性的にかまたは弾性的に変形可能であり得る。中間壁32の変形可能な材料が弾性変形可能である場合、この材料は、弾性変形可能なカバー層42の材料より弾性が低く変形可能であり得(より大きい弾性率を有し)、これによって、カバー層42は、例えば、Bryningらに開示されるように、中間壁材料より迅速に、変形から回復し得るかまたは元に戻り得る。限定ではなく例の目的で、中間壁32の材料は、非弾性的に変形可能であるように記載される。
【0027】
図4Bは、凹部28、30の間の流体連絡を再確立する、第二の再開放工程を示す。第二の再開放工程において、第一の変形器48が、弁26との接触から離され、これによって、弾性変形可能なカバー層42が、中間壁32に形成された変形チャネル40から離れる方向に回復するかまたは元に戻ることが可能になる。中間壁32の非弾性的に変形可能
な材料は、第一の変形器48が外された後に、変形したままであるか、または特定の時間にわたって変形したままである。回復するかまたは元に戻る際に、弾性変形可能なカバー層42の、中間壁32の変形チャネル40に隣接する部分は、変形チャネル40から一定距離だけ離れ、その結果、流体連絡開口部38が形成され得る。従って、第一の凹部28と第二の凹部30との間の流体連絡が、再確立され得る。
【0028】
種々の実施形態に従って、弾性変形可能なカバー層42は、変形後に実質的に、その元の状態に戻り、2つ以上の凹部の間の流体連絡を達成し得る。あるいは、弾性変形可能なカバー層42は、流体連絡を達成するために十分な任意の程度まで、元に戻り得る。種々の実施形態に従って、弾性変形可能なカバー層42は、必ずしも、完全に弾性でなければならないわけではなく、その変形した距離の約25%より大きい、例えば、その変形した距離の約50%より大きい距離を元に戻るために十分に弾性であるべきである。
【0029】
弾性変形可能なカバー層42は、基材層22がそうであり得るように、化学的に抵抗性であり得、そして不活性であり得る。弾性変形可能なカバー層42は、例えば、PCRの間に経験し得るような約60℃と約95℃との間の熱サイクリングに耐え得るように選択され得る。任意の適切な弾性変形可能なフィルム材料(例えば、エラストマー材料)が使用され得る。カバー層42の厚さは、カバー層42が、カバー層42の下方の中間壁32を再成形するために必要とされるように、変形器48によって変形されるために十分であるべきである。このような変形の元で、弾性変形可能なカバー層42は、切れたり壊れたりするべきではなく、そして下にある中間壁を変形させた後に、その元の配向に実質的に戻るべきである。弾性変形可能なカバー層42の種々の他の特徴(例えば、材料特性および屈曲特徴)は、例えば、Bryningらに開示されている。
【0030】
種々の実施形態に従って、使用される変形器は、種々の形状(例えば、基材層22の非弾性的に変形可能な材料に跡を残す形状であり、その結果、アセンブリ20の2つの凹部または陥凹部分の間に流体連絡が形成される)のいずれかを備え得る。例えば、まっすぐな縁部、チゼルエッジ、または尖ったブレードの設計が、2つの変形器の間で流体連絡を達成するための谷またはチャネルを形成するために使用される。使用のための変形器の他の特徴は、例えば、Bryningらに記載されている。
【0031】
アセンブリ20は、種々の実施形態に従って、種々の変形器(例えば、1つ以上の開放ブレード変形器48(例えば、上で議論され、そして図2B、3Bおよび4Bに示されるような)、ならびに1つ以上の閉鎖ブレード変形器50(例えば、以下で議論され、そして図5Bおよび6Bに示されるような))を備え得る。このようなシステムまたはアセンブリは、少なくとも1つの一連の凹部を備え、これらの凹部の1つ以上が別のものと流体連絡しており、そしてこれらの凹部の1つ以上が中間壁によって別のものから分離されている、処理アセンブリと組み合わせて使用され得る。このアセンブリについてのさらなる詳細は、以下に記載される。
【0032】
図4B、5Bおよび6Bは、弁26の再閉鎖のための手順を、第一の凹部28と第二の凹部30との間の流体連絡が、流体連絡開口部38の形成によって再確立された状態から開始して、連続的に示す。図5Bに見られ得るように、最初の再閉鎖工程において、駆動機構46は、第二の変形器50を、開いた弁26の弾性変形可能なカバー層42に向かう方向で駆動し得、そしてこれらを接触させ得る。第二の変形器50は、その作動端に取り付けられた、接触パッド52、または類似の従順なデバイスを備え得る。
【0033】
図6Bは、第二の再閉鎖工程を示し、これは、凹部28と30との間の流体連絡を、サイド閉鎖させる。第二の再閉鎖工程において、駆動機構46は、第二の変形器50の接触パッド52を、弾性変形可能なカバー層42に接触させて押し付け得る。カバー層42に
強制的に接触される場合、接触パッド52は、カバー層42、接着剤層44および中間壁32によって形成される陥凹の形状にぴったり嵌る。パッド52の従順性または順応性の性質の結果として、パッド52の材料は、接着剤層44の接着剤45を、流体連絡開口部38の領域内の操作し、これによって、弁26を再閉鎖するように作動し得る。
【0034】
種々の実施形態に従って、接触パッド52の弾性の特徴は、弁アセンブリのような構造体と強制的に接触される場合に、その形状が変化することを可能にする。接触パッド52は、化学的に抵抗性であり、そして不活性な材料であり得る。接触パッドの材料は、PCRを実施する間に必要とされ得るような、熱サイクリングに耐え得るように選択され得る。任意の適切な弾性変形可能かつ順応性の材料(例えば、シリコーンゴムのような軟質ゴム)が使用され得る。接触パッドの特定の軟質の特徴は、接着剤層44において使用される接着剤の流れ特徴に依存して選択され得る。種々の実施形態に従って、接触パッド52は、記憶を有し得、その結果、このパッドは、弁26と強制的に接触された後に、その元の配向に戻る。接触パッド52の厚さは、このパッドが、先の処理工程の間にカバー層42に形成された陥凹を満たし得るような程度まで、このパッドが変形され得るために十分であるべきである。
【0035】
あるいは、接触パッド52は、弁アセンブリの構成要素を加熱することが可能であり得る。種々の実施形態に従って、接触パッド52は、この接触パッドが弁アセンブリと強制的に接触される場合に、接着剤層44を加熱し得る。例えば、接触パッド52は、部分的にかまたは全体的に、熱伝導性材料、または抵抗ヒータとして働き得る材料から形成され得るか、あるいは接触パッド52は、Shigeuraの米国特許出願番号10/359,668(2003年2月6日出願、これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)に記載されるような、放射ヒータとして配置され得る。第二の変形器50の接触パッド52が、熱伝導性の材料から形成される場合、接触パッド52は、例えば、対流または伝導によって加熱され得る。第二の変形器50の接触パッド52が、抵抗ヒータとして働き得る材料から作製される場合、このパッドは、例えば、接触パッド52を通して電流を流すことによって、加熱され得る。抵抗ヒータとして形成される接触パッド52は、電気接点において接触パッド52に電源を提供し得る、適切な電気接点を備えるように配置され得る。
【0036】
種々の実施形態に従って、接触パッド52がカバー層42の適所にある場合、接触パッド52の温度は、接着剤層44に伝達された熱が接着剤45の粘度を低下させ得るような範囲になり得る。接着剤45を加熱し、そして次に接着剤45の粘度を低下させることによって、熱放出接触パッド52は、接着剤45の操作性を促進することによって、弁26の閉鎖または再閉鎖を補助し得る。種々の型の接着剤(例えば、感圧性接着剤およびホットメルト接着剤のような)が、これらの操作性を改善するために加熱され得る。
【0037】
種々の実施形態に従って、図2B〜4Bに関して開示されるような変形器48は、第二の変形器50に関して上に記載されるように、弁アセンブリを加熱することが可能であり得る。例えば、変形器48は、熱伝導性材料から形成され得るか、抵抗ヒータとして働き得る材料から形成され得るか、または抵抗ヒータとして形成され得る。例えば、変形器48が図2Bに示される位置にあり、そしてカバー層42および接着剤層44が陥凹チャネル34と強制的に接触される場合、変形器48は、接着剤層44の接着剤を加熱そしてカバー層42を陥凹チャネル34に接着させるか、または接着させることを補助して、弁アセンブリを閉じるために使用され得る。種々の実施形態に従って、変計器48の全体、または変形器48の一部分(例えば、先端部または先端部の接触部分)は、熱を伝達して弁アセンブリの構成要素を加熱し得る材料から形成され得る。
【0038】
種々の実施形態に従って、接触パッド52が弾性片器可能なカバー層42と強制的に接
触され、そして接着剤を、弁26を閉じるように操作した後に、駆動機構46は、第二の加圧器50を弁26から引き込むように作動し得る。
【0039】
種々の実施形態に従って、接着剤層44は、任意の適切な操作可能な接着剤であり得る。例えば、感圧性接着剤またはホットメルト接着剤が、使用され得る。感圧性接着剤の例としては、シリコーン感圧性接着剤、フルオロシリコーン感圧性接着剤、および他のポリマー性感圧性接着剤が挙げられる。接着剤を選択される際に考慮される特徴としては、例えば、粘着性、粘度、融点、従順性が挙げられる。接着剤への熱の適用は、弁26の開閉を補助し得る。
【0040】
種々の実施形態に従って、接着剤層44は、任意の適切な厚さを有し得、そして好ましくは、サンプル、所望の反応、またはアセンブリを通して処理されるサンプルの処理のいずれにも、不利に影響を与えない。接着剤層44は、下にある非弾性的に変形可能な材料よりも、弾性変形可能なカバー層42に対して接着し得、そして弾性変形可能なカバー層42と共に元に戻り得る。
【0041】
種々の実施形態に従う、通常は開いた弁26を閉鎖し、再開放し、そして再閉鎖する完全なサイクルは、図6Bに示されるような再閉鎖の状態の弁26で完了される。
【0042】
図1Aから6Aおよび図6A〜6Bに示される一連の工程は、連続的かまたは任意の他の順序であり得る。例えば、弁26は、最初は閉じた位置から開始して開かれ得るか、または弁26は、図5Bに示されるような最初は開いた位置から、閉じられ得る。
【0043】
種々の実施形態に従って、このアセンブリは、位置決めユニットを備えるシステムとして提供され得、この位置決めユニットは、変形されるべきアセンブリの領域を、特定の変形器と位置合わせするための、プラットフォームおよびホルダを備える。精密位置決め駆動システムが使用されて、特定の変形器および弁アセンブリが、変形されるべき弁アセンブリの特徴が変形器と整列され、そして位置合わせされるように、互いに対して移動することを可能にし得る。
【0044】
種々の実施形態に従って、流体操作弁アセンブリ20は、ディスク形状、カード形状であり得るか、または他の適切かもしくは適当な形状、特定の適用に適切に適合可能な特定の形状を備え得る。アセンブリ20、またはアセンブリ20の基材層22は、一連のほぼ線状に延びる凹部またはチャンバを提供するように形成さえ得、これは、種々の実施形態に従う弁26によって、互いに流体接続され得る。例えば、一連の凹部が、種々の実施形態に従って、アセンブリに提供され得、これによって、遠心力がこのアセンブリに適用され、流体サンプルを、一連の凹部の1つからその一連の引き続く凹部へと、遠心力によって移動させ得る。例えば、半径方向に延びる一連の凹部を備えるディスク形状のアセンブリが、種々の実施形態に従って、提供される。
【0045】
アセンブリ20は、技術者によって好都合に処理されるような大きさにされ得る。一連のチャンバの数または所望される構成に依存して、アセンブリ20は、例えば、Bryningらに開示されるような、任意の適切な大きさ(すなわち、直径、厚さ、長さ)を備え得る。
【0046】
種々の実施形態に従うアセンブリ20は、中間壁によって分離された2つ以上の凹部、ならびにこれらの凹部にアクセスするための入口ポートおよび/または出口ポートを備え得る。入口ポートおよび出口ポートは、このアセンブリの種々の表面を通して提供され得、種々の流体連絡を提供するように配置され得る(例えば、Bryningらに開示されるような、排気配置)。
【0047】
種々の実施形態に従って、少なくとも2つの凹部(これらの少なくとも2つの凹部は、少なくとも1つの中間壁によって分離されている)の間の流体連絡を開閉するための方法が提供される。
【0048】
種々の実施形態に従って、方法は、2つの凹部の間の、最初は開いている流体連絡の開閉を提供する。この方法は、カバーを基材層22に対して弾性的に変形させて、2つの凹部28と30との間の、最初は開いている流体連絡36を閉じる工程を包含する。より具体的には、この方法は、アセンブリの弾性変形可能なカバーを、第一の変形器48で駆動して、このカバーを基材層22の陥凹チャネル34に対して変形させ、そして最初は開いている流体連絡36を閉じる工程を包含する。次いで、第一の変形器48は、弾性変形可能なカバーとの接触から離され得る。
【0049】
この流体連絡を再度開くために、この方法は、第一の変形器48を、弾性変形可能なカバーに対して押し付けて、陥凹チャネル34の変形可能材料を変形させる工程を包含する。次いで、第一の変形器48は、このカバーと接触され、その結果、このカバーは、陥凹チャネル34の変形した材料より速く弾性的に元に戻り、そして第一の凹部28と第二の凹部30との間に、流体連絡36が生じる。
【0050】
種々の実施形態に従って、アセンブリの2つの陥凹部分の間の流体連絡36を再閉鎖するための障壁を形成するための方法が提供される。このような方法に従って、一端に接触パッド52が配置された変形器50が、弾性変形可能なカバーに対して押し付けられる。接触パッド52は、接着剤層44の接着剤45を、変形チャネル40に押し込み、第一の凹部28と第二の凹部30との間の形成された流体連絡開口部38を閉じる。次いで、変計器50が、弾性変形可能なカバーとの接触を離されるように移動される。
【0051】
種々の実施形態に従って、アセンブリが変形されて流体連絡を形成した後に、変形されたアセンブリは、製品(例えば、反応製品または精製製品)を達成するために、処理または加工され得る。一連のチャンバの種々のチャンバ内の流体または他の成分の流れを制御する方法は、例えば、遠心力、電気力(例えば、電気泳動もしくは電気浸透において使用されるもの)、圧力、減圧、重力、遠心力、毛管作用、または他の任意の適切な流体操作技術、あるいはこれらの組み合わせによって実施され得る。流体操作工程の結果として、操作された流体は、例えば、熱サイクリング条件下でのPCRによって、特定された熱条件下での配列決定反応によって、精製によって、そして/または処理の任意の組み合わせによって、新たに入れられるチャンバ内で反応し得る。
【0052】
当業者は、上記説明から、本開示が、種々の形態で実施され得ることを理解し得る。従って、これらの教示は、これらの教示の特定の実施形態および実施例に関して記載されたが、本開示は、そのように限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A】図1Aは、最初の非作動段階で示される、種々の実施形態に従う流体操作弁アセンブリの、基材層の基材層の部分切取上面図である。
【図1B】図1Bは、最初の非作動段階における、図1Aに示される流体操作弁アセンブリの、図1Aの線1B−1Bに沿って見た断面側面図である。
【図2A】図2Aは、弾性変形可能なカバーなしで、弁アセンブリの作動の第一段階で示される、種々の実施形態に従う流体操作弁アセンブリの基材層の上面図である。
【図2B】図2Bは、弾性変形可能なカバーが、作動の第一段階に対応する変形状態で示される、図2Aに示される流体操作弁アセンブリの、図2Aの線2B−2Bに沿って見た断面側面図である。
【図3A】図3Aは、弾性変形可能なカバーなしで、弁アセンブリの作動の第二段階で示される、種々の実施形態に従う流体取り扱い弁アセンブリの基材層の上面図である。
【図3B】図3Bは、弾性変形可能なカバーが、作動の第二段階に対応するさらに変形した状態で示される、図3Aに示される流体操作弁アセンブリの、図3Aの線3B−3Bに沿って見た断面側面図である。
【図4A】図4Aは、弾性変形可能なカバーなしで、弁アセンブリの作動の第三段階で示される、種々の実施形態に従う流体操作弁アセンブリの基材層の上面図である。
【図4B】図4Bは、弾性変形可能なカバーが、作動の第三段階に対応する基材層から部分的に元に戻った状態で示される、図4Aに示される流体操作弁アセンブリの、図4Aの線4B−4Bに沿って見た断面側面図である。
【図5A】図5Aは、弾性変形可能なカバーなしで、弁アセンブリの作動の第四段階の前で示される、種々の実施形態に従う流体操作弁アセンブリの基材層の上面図である。
【図5B】図5Bは、弾性変形可能なカバーが、基材層から部分的に元に戻った状態で示される、図5Aに示される流体操作弁アセンブリの、図5Aの線5B−5Bに沿って見た断面側面図である。
【図6A】図6Aは、弾性変形可能なカバーなしで、弁アセンブリの作動の第四段階で示される、種々の実施形態に従う流体操作弁アセンブリの基材層の上面図である。
【図6B】図6Bは、弾性変形可能な膜がさらに変形した状態で示され、ここで、弁アセンブリが、作動の第四段階に対応する再閉鎖されている、図6Aに示される流体操作弁アセンブリの、図6Aの線6B−6Bに沿って見た断面側面図である。
【図7】図7は、種々の実施形態に従う流体操作弁アセンブリの基材層の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−275167(P2008−275167A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143900(P2008−143900)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【分割の表示】特願2005−505609(P2005−505609)の分割
【原出願日】平成15年7月23日(2003.7.23)
【出願人】(500069057)アプレラ コーポレイション (120)
【住所又は居所原語表記】850 Lincoln Centre Drive Foster City CALIFORNIA 94404 U.S.A.
【Fターム(参考)】