説明

心血管疾患および脂質異常症を治療するための分泌ホスホリパーゼA2(SPLA2)インヒビターとナイアシン薬との組成物および方法

ナイアシン薬は、CVDを治療するため、HDLレベルを増加させるため、および/またはTGレベルを減少させるための治療法として頻繁に利用される。本明細書に開示するように、1種以上のナイアシン薬との併用での1種以上のsPLA2インヒビターの投与が、HDLレベルの相乗的増加およびTGレベルの相乗的減少を予想以上にもたらすことが見出されている。したがって、本発明は、を治療するため、をHDLレベル増加させるため、TGレベルを減少させるため、およびHDL/LDL比を改善するための組成物、方法およびキットを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2009年1月8日出願の米国仮特許出願番号61/143,373の利益を請求する。
【背景技術】
【0002】
2004年に、75百万人のアメリカ人が、冠動脈性心疾患(CHD)および冠動脈疾患(CAD)などの1種以上の形態の心血管疾患(CVD)を有していると推定された。CVDを治療するための最も一般的で効果的な治療上の選択肢は、スタチンおよびナイアシン薬である。スタチンの投与が、LDLおよびトリグリセリド(TG)レベルを減少させることがわかっている一方、ナイアシン薬の投与が、TGレベルを減少させ、HDLレベルを増加させることがわかっている。これらの療法は、限られた程度までCVDを治療するのに成功したが、どちらも完全には効果的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、当業界において、CVDを治療するための改善された方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬を含む組成物を提供する。これらの実施態様の特定のものにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターは、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸(A-001)またはその医薬的に許容しうるプロドラッグ、塩、多形もしくは共結晶を含む。これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様の特定のものにおいて、プロドラッグは、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステル(A-002)である。特定の実施態様において、ナイアシン薬は、ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、即放性ナイアシン、徐放性ナイアシン、ロバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、シンバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、ラロピプラントとの併用での徐放性ナイアシン、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドおよび1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドである。特定の実施態様において、組成物はさらに、1種以上のスタチンを含む。特定の実施態様において、組成物はさらに、1種以上の医薬的に許容しうる担体を含む。
【0005】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のナイアシン薬を投与することによって、患者のHDLレベルを増加させる方法を提供する。これらの実施態様の特定のものにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうるプロドラッグ、塩、多形もしくは共結晶を含む。これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様の特定のものにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、ナイアシン薬は、ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、即放性ナイアシン、徐放性ナイアシン、ロバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、シンバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、ラロピプラントとの併用での徐放性ナイアシン、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドおよび1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドである。特定の実施態様において、1種以上のスタチンもまた、患者に投与される。
【0006】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のナイアシン薬を投与することによって、患者のTGレベルを減少させる方法を提供する。これらの実施態様の特定のものにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうるプロドラッグ、塩、多形もしくは共結晶を含む。これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様の特定のものにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、ナイアシン薬は、ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、即放性ナイアシン、徐放性ナイアシン、ロバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、シンバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、ラロピプラントとの併用での徐放性ナイアシン、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドおよび1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドである。特定の実施態様において、1種以上のスタチンもまた、患者に投与される。
【0007】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のナイアシン薬を投与することによって、患者のHDL/LDL比を増加させる方法を提供する。これらの実施態様の特定のものにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうるプロドラッグ、塩、多形もしくは共結晶を含む。これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様の特定のものにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、ナイアシン薬は、ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、即放性ナイアシン、徐放性ナイアシン、ロバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、シンバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、ラロピプラントとの併用での徐放性ナイアシン、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドおよび1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドである。特定の実施態様において、1種以上のスタチンもまた、患者に投与される。特定の実施態様において、HDL/LDL比の増加は、HDLレベルを増加させることによって、少なくともある程度は達成される。
【0008】
特定の実施態様において、治療有効量の治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のナイアシン薬を投与することによって、それを必要とする患者のCVDまたはCVDに関連する病気を治療する方法を提供する。これらの実施態様の特定のものにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうるプロドラッグ、塩、多形もしくは共結晶を含む。これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様の特定のものにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、ナイアシン薬は、ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、即放性ナイアシン、徐放性ナイアシン、ロバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、シンバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、ラロピプラントとの併用での徐放性ナイアシン、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドおよび1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドである。特定の実施態様において、1種以上のスタチンもまた、患者に投与される。特定の実施態様において、治療されるCVDは、CAD、CHDあるいはCADまたはCHDに関連する病気であり、これらの実施態様の特定のものにおいて、病気は、ACSおよび/または脂質異常症である。
【0009】
特定の実施態様において、ナイアシン薬と併用で治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、患者におけるナイアシン薬投与の有効性を増加させる方法を提供する。これらの実施態様の特定のものにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうるプロドラッグ、塩、多形もしくは共結晶を含む。これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様の特定のものにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、ナイアシン薬は、ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、即放性ナイアシン、徐放性ナイアシン、ロバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、シンバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、ラロピプラントとの併用での徐放性ナイアシン、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドおよび1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドである。特定の実施態様において、ナイアシン薬と併用での1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、ナイアシン薬単独での投与と比べて、より大きなHDLの増加および/またはTGの減少を引き起こす。特定の実施態様において、1種以上のスタチンもまた、患者に投与される。
【0010】
特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬を含むキットを提供する。特定の実施態様において、これらのキットはさらに、1種以上のスタチンを含む。特定の実施態様において、キットはさらに、使用説明書を含む。
【0011】
特定の実施態様において、TGレベルを低下させるため、HDLレベルを増加させるため、HDL/LDL比を増加させるため、および/またはCVDまたはCVDに関連する病気を治療するための医薬を製造するための、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
本発明の以下の記載は、本発明のさまざまな実施態様を説明することのみを意図している。そのため、論議される特定の変更は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。ことは、さまざまな等価物、変更および修正が、本発明の範囲から逸脱することなくなし得ることが当業者には明らかであり、このような等価な実施態様は、本発明に包含されるべきであることが理解される。
【0013】
略語
A-001、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;A-002、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステル;ACS、急性冠症候群;CAD、冠動脈疾患;CHD、冠動脈性心疾患;CVD、心血管疾患;ERN、徐放性ナイアシン;HDL、高密度リポタンパク質;hs-CRP、高感度C反応性タンパク質;LDL、低密度リポタンパク質;NAc、ニコチン酸;NCEP、全米コレステロール教育プログラム;NHLBI、国立心肺血液研究所;sPLA2、分泌ホスホリパーゼA2;TG、トリグリセリド;VLDL、超低密度リポタンパク質。
【0014】
本明細書で用いる用語「治療する」、「治療している」または「治療」は、一般に、病気を予防すること、病気の発症または進行速度を減速すること、病気の進行のリスクを減じること、病気まに関連する症状の進行を予防または遅延化すること、病気に関連する症状を低下または終結させること、病気の完全もしくは部分的退行を生み出すこと、病気の重篤度を小さくすること、病気に関連する1種以上のマーカーのレベルを変化させること、またはそれらのいくつかの組み合わせを意味する。
【0015】
本明細書で用いる用語「患者」は、いずれかの哺乳動物、好ましくはヒトを意味する。
【0016】
「それを必要とする患者」は、現在、CVDであると診断されたか、または1種以上のCVDに関連する病気を示している患者;過去に、CVDであると診断されたか、または1種以上のCVDに関連する病気を示していた患者;または高血圧、喫煙、iインスリン耐性、感染または炎症などの遺伝因子または環境因子により、将来、CVDまたは1種以上のCVDに関連する病気を発症するリスクがあると判断されている患者を意味する。これらの実施態様の特定のものにおいて、CVDは、CHD、CADおよび/またはCHDまたはCADに関連する病気であり、これらの実施態様の特定のものにおいて、患者は、急性冠症候群(ACS)であると診断されたか、またはACSを発症するリスクがあると判断された。特定の実施態様において、「それを必要とする患者」は、現在、高TGレベルおよび/または低HDLレベルまたはHDL/LDL比を示している患者、過去に、高TGレベルおよび/または低HDLレベルまたはHDL/LDL比を示した患者、あるいは高TGレベルおよび/または低HDLレベルまたはHDL/LDL比を発症するリスクがあると判断された患者を意味する。
【0017】
本明細書で用いる用語「TGレベル」は、血中TGレベル、血清TGレベル、血漿TGレベルまたは他の体液からのTGレベルを意味する。本明細書で用いる用語「高TGレベル」は、国立心肺血液研究所(NHLBI)、全米コレステロール教育プログラム(NCEP)によって公布されたものなどの容認された正常閾値を超えるTGレベルを意味する。特定の患者の容認された正常閾値TGレベルは、性別または年齢などの因子に基づいて、あるいはCVDの個人歴または家族歴などのリスク因子の存在に基づいて変化する。特定の実施態様において、150 mg/dl以上のTGレベルを示すならば、患者は、高TGレベルを有すると判断される。特定の他の実施態様において、175 mg/dl以上のTGレベルを示すならば、他の実施態様において、200 mg/dl以上のTGレベルを示すならば、他の実施態様において、300 mg/dl以上のTGレベルを示すならば、他の実施態様において、400 mg/dl以上のTGレベルを示すならば、さらに他の実施態様において、500 mg/dl以上のTGレベルを示すならば、患者は、高TGレベルを有すると判断される。
【0018】
本明細書で用いる用語「HDLレベル」は、血中HDLレベル、血清HDLレベル、血漿HDLレベルまたは他の体液からのHDLレベルを意味する。本明細書で用いる用語「低HDLレベル」および「低HDL/LDL比」は、NHLBI NCEPHDLによって公布されたものなどの容認された正常閾値より下のレベルまたはHDL/LDL比を意味する。特定の患者の容認された正常閾値HDLレベルは、性別または年齢などの因子に基づいて、あるいはCVDの個人歴または家族歴などのリスク因子の存在に基づいて変化する。特定の実施態様において、60 mg/dlより下のHDLレベルを示すならば、患者は、低HDLレベルを有すると判断される。特定の他の実施態様において、50 mg/dl以下のHDLレベルを示すならば、他の実施態様において、40 mg/dl以下のHDLレベルを示すならば、患者は、低HDLレベルを有すると判断される。特定の実施態様において、0.25より下のHDL/LDL比を示すならば、患者は、低HDL/LDL比を有すると判断される。特定の実施態様において、0.15以下のHDL/LDL比を示すならば、他の実施態様において、0.10以下のHDL/LDL比を示すならば、患者は、低HDL/LDL比を有すると判断される。
【0019】
本明細書で用いる「HDL/LDL比における改善」は、LDLレベルに対するHDLレベルの比における増加を意味し、HDLレベルの増加、LDLレベルの減少またはその組み合わせによって達成されてもよい。
【0020】
本明細書で用いる「心血管疾患」または「CVD」として、たとえば、冠動脈アテローム性動脈硬化および頸動脈アテローム性動脈硬化などのアテローム性動脈硬化、CAD、CHD、CADおよびCHDに関連する病気、脳血管疾患および脳血管疾患に関連する病気、末梢血管疾患および末梢血管疾患に関連する病気、動脈瘤、血管炎、静脈血栓症、糖尿病およびメタボリックシンドロームが挙げられる。
【0021】
本明細書で用いる「CVDに関連する病気」として、たとえば、脂質異常症および高血圧などが挙げられる。脂質異常症は、高脂血症(高脂質レベル)、高コレステロール血症(高コレステロールレベル)および高トリグリセリド血症(高TGレベル)、低HDL血症(低HDLレベル)、高グルコースレベルおよび低HDL/LDL比などの脂質レベルにおける失調を意味する。
【0022】
本明細書で用いる「CADおよびCHDに関連する病気」として、たとえば、不安定狭心症(UA)、非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)およびST上昇型心筋梗塞(STEMI)などのACSが挙げられる。
【0023】
本明細書で用いる「脳血管疾患に関連する病気」として、たとえば、一過性脳虚血発作(TIA)および脳卒中が挙げられる。
【0024】
本明細書で用いる「末梢血管疾患に関連する病気」として、たとえば、跛行が挙げられる。
【0025】
本明細書で用いる「スタチン」は、メバロン酸塩へのHMG-CoAの変換を触媒する酵素であるHMG-CoAレダクターゼを阻害する化合物のいずれをもを意味する。
【0026】
本明細書で用いる「sPLA2インヒビター」は、sPLA2の活性を阻害する化合物のいずれをも意味する。
【0027】
特定の脂質またはバイオマーカーのレベルにおける「低下(reduction)」または「減少(decrease)」は、低下対ベースラインまたは低下対プラセボのいずれかを意味する。たとえば、1種以上のナイアシン薬との併用でのsPLA2インヒビターの投与は、予め決定されたベースラインレベルよりも下にTGレベルを下げることによって、TGレベルを低下させることができる。あるいは、1種以上のナイアシン薬との併用でのsPLA2インヒビターの投与は、投与後の特定の時点で、プラセボと比べてより大きな減少を引き起こすことによって、TGレベルを低下させることができる。同様に、特定の脂質またはバイオマーカーのレベルにおける「増加」は、増加対ベースラインまたは増加対プラセボのいずれかを意味する。
【0028】
本明細書で用いる「治療有効量の」組成物は、標的状態を治療している患者に所望の治療効果を引き起こす組成物の量である。正確な治療有効量は、投与された患者における治療効力の観点から最も有効な結果が得られる組成物の量である。この量は、治療用組成物の特徴(たとえば、活性、薬物動態、薬力学およびバイオアベイラビリティなど)、患者の生理的状態(たとえば、年齢、体重、性別、疾患のタイプおよびステージ、病歴、全身的な身体状態、投与された用量への応答性および現行の他の投薬療法など)、組成物中の医薬的に許容しうる担体(1種またはそれ以上)の性質および投与経路などのさまざまな因子(これらに限定されるものではない)に応じて変化する。臨床および薬理業界における当業者は、ルーチン実験を通して、すなわち、組成物の投与に対する患者の応答をモニターし、それに応じて用量を調節することによって、治療有効量を決定することができるであろう。さらなる指針として、たとえば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition、Univ. of Sciences in Philadelphia(USIP)、Lippincott Williams & Wilkins、Philadelphia、PA、2005、and Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics、11th Edition、McGraw-Hill、New York、NY、2006などを参照のこと。
【0029】
本明細書で用いる「医薬的に許容しうる担体」は、身体の1つの組織、臓器または部分から身体の別の組織、臓器または部分へ、興味のある化合物を運ぶこともしくは運搬することに関与する医薬的に許容しうる材料、組成物またはビヒクルを意味する。このような担体には、たとえば、液体、ゲル、固体もしくは半固体の増量剤、溶媒、界面活性剤、希釈剤、賦形剤、佐剤、結合剤、緩衝剤、溶解補助剤、溶媒、封入材料、金属イオン封鎖剤、分散剤、保存剤、滑沢剤、崩壊剤、増粘剤、乳化剤、抗菌剤、抗酸化剤、安定剤、着色剤、香味剤またはその組み合わせなどが含まれる。担体の各成分は、組成物に含まれる他の成分と適合しなければならず、それが直面する可能性がある身体のいずれかの組織、臓器または部分との接触に適さなければならない、という点において「医薬的に許容しうる」ものでなければならず、これは、どんな利益よりも非常に重要である、毒性、刺激、アレルギー反応、免疫源性またはいずれかの他の合併症のリスクがあってはならないことを意味する。本明細書において開示する医薬組成物に用いる医薬的に許容しうる担体の例として、微結晶セルロースまたはラクトース(たとえば、無水ラクトース、ラクトースfast flo)などの希釈剤、ゼラチン、ポリエチレングリコール、ロウ、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドンなどの合成ゴムまたはヒドロキシプロピルセルロース(たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))などのセルロースポリマーなどの結合剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸または微結晶セルロースなどの滑沢剤、デンプン、架橋ポリマーまたはセルロース(たとえば、クロスカルメロースナトリウム(CCNa))などの崩壊剤、二酸化ケイ素、二酸化チタン、微結晶セルロースまたは粉末セルロースなどの増量剤、ポリソルベート(たとえば、ポリソルベート20、40、60もしくは80;スパン20、40、60、65もしくは80)などの界面活性剤または乳化剤、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピルまたはアスコルビン酸(その遊離酸もしくは塩のいずれか)などの抗酸化剤、リン酸またクエン酸緩衝剤などの緩衝剤、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA)またはエデト酸2ナトリウムなどの金属イオン封鎖剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドンまたはポリビニルピロリドンなどの分散剤、炭酸カルシウムなどの溶解補助剤、およ水、食塩水、デキストロース、グリセロール、またはエタノール、クエン酸、メタ重亜硫酸カルシウム、乳酸、リンゴ酸、コハク酸または酒石酸などの賦形剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
LDL、VLDLおよびTGなどの「悪玉」リポタンパク質が高レベルであること、およびHDLなどの「善玉」リポタンパク質が低レベルであることは、CVDの顕著な特徴である。TGレベルの低下およびHDLレベルの増加は、アテローム性動脈硬化症の発病を遅延化させ、その進行を抑えること、およびCVDの発症の可能性およびCVDの重篤度を減少させることがわかっている。したがって、CVDを治療するためのさまざまな治療選択肢が、1種以上の悪玉リポタンパク質のレベルを低下させること、ならびにHDLのレベルを増加させることに焦点をあてている。
【0031】
悪玉リポタンパク質レベルを減少させること、および/または善玉リポタンパク質レベルを増加させることによってCVDを治療するために、さまざまな化合物が同定されている。これらの化合物として、スタチン、ナイアシン薬、コレスチラミン樹脂(クエストラン(Questran)(登録商標)、プレバライト(Prevalite)(登録商標))、コレスチポール塩酸塩(コレスチド(Colestid)(登録商標))またはコレセベラム塩酸塩(ウェルコール(WelChol)(登録商標)、コレスタゲル(Cholestagel)(登録商標))などの胆汁酸金属イオン封鎖剤;ベザフィブラート(ベザリップ(Bezalip)(登録商標))、シプロフィブラート(モダリム(Modalim)(登録商標))、クロフィブラート、ゲムフィブロジル(ロピッド(Lopid)(登録商標))またはフェノフィブラート(アンタラ(Antara)(登録商標)、TriCor(登録商標)、ABT-335)などのフィブラート;エゼチミブ(ゼチア(Zetia)(登録商標))、AVE 5530またはMD-0727などのコレステロール吸収阻害剤;JTT-705/RO4607381(R1658)、CP-529414 (トルセトラピブ(Torcetrapib)(登録商標))またはMK-0859などのコレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤;AEGR-733およびAEGR-733複合剤(たとえば、AEGR-733+エゼチミブ)などのミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)阻害剤;酢酸ラパキスタット(TAK-475)および酢酸ラパキスタット複合剤(たとえば、TAK-475+1種以上のスタチン)などのスクアレンシンターゼ阻害剤;およびデキストロチロキシン、ISIS 301012、MC-1抗体などの心筋保護剤、チロフィバン塩酸塩(アグラスタット(Aggrastat)(登録商標))、TG100-115、AEGR 773、AEGR 427、スタノールおよびステロールなどの糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤といったような他の種々の化合物が挙げられる。
【0032】
スタチンは、LDLおよびTGレベルを低下させるための最も一般的で効果的な治療上の選択肢である。スタチンは、コレステロール生合成経路における律速段階である、メバロン酸塩へHMG-CoAの変換を触媒することからHMG-CoAレダクターゼを阻害する化合物の一種類である。その際、スタチンは、コレステロール生合成を阻害し、動脈プラークの蓄積を防止する。血中LDLレベルを著しく減少させ、血中TGレベルを適度に減少させることに加えて、スタチン投与が、内皮機能を改善すること、炎症反応を調節すること、プラークの安定性を維持すること、および血栓形成を予防することによって、CVDを予防するかもしれないということが提案されている。
【0033】
ナイアシン薬は、HDLレベルを上昇させることで知られている、現在最も有効な治療薬である(Richman 2007)。ナイアシン(ニコチン酸、ビタミンB3またはピリジン-3-カルボン酸としても知られる)は、TG、VLDLおよびLDLレベルを低下させることも明らかにされている(Pike 2005;Offermanns 2006)。ナイアシンは、以下の構造を有する:

スタチンを同時に処置されていた安定したCADを有する患者において、ナイアシン投与が、HDLレベルを増加させ、TG、Lp-PLA2およびCRPレベルを減少させることが明らかにされている(Kuvin 2006)。リポタンパク質の粒子サイズに関して、ナイアシン投与は、大粒子のHDLレベルを増加させるが、小粒子のHDLレベルを減少させる(Kuvin 2006)。
【0034】
疫学データに基づいて、LDLレベルが1%減少する毎に、主要心臓イベントのリスクにおいて1.0〜1.5%の減少がもたらされるということが予測されている(Assmann 1998)。同様に、HDLレベルにおける1 mg/dlの増加毎に、心臓イベントのリスクにおいて2〜4%の低下がもたらされることが予測されている(Gordon 1989)。LDLの低下およびHDLの上昇の効果は、互いに独立しており、LDLを低下させる作用剤とHDLを増加させる作用剤の共投与は、一般に、心臓イベントのリスクにおいて相加的減少を生じさせることが期待される。これは、たとえば、シムコール(Simcor)(登録商標)(ナイアシン+シンバスタチン)およびアドビコール(Advicor)(登録商標)(ナイアシン+ロバスタチン)などの「ナイアシン」プラス「LDLを低下させる1種以上の化合物」を利用するさまざまな併用療法のための基礎である。
【0035】
これまでの研究は、sPLA2インヒビターの投与が、CADを有する患者の総コレステロール、LDL、総LDL粒子および小LDL 粒子レベルにおいて減少をもたらすことを確立している(WO2008/137803)。さらに、これらの研究は、sPLA2インヒビターと1種以上のスタチンとの共投与が、LDLおよび小LDL粒子レベルを相乗的に減少させる(すなわち、LDLおよび小LDL粒子レベルにおけるA-002およびスタチンの複合効果が、A-002およびスタチンを別々に投与する場合の予期された相加的効果よりも大きい)ことを確立した。この効果は、特定のスタチンに限定されなかったが、スタチン亜集団全体において観察された。これらの研究は、脂質レベルにおいて、sPLA2インヒビターおよびスタチンの間に相乗的相互作用を見出したが、sPLA2インヒビターと他の脂質低下薬の間の潜在的相乗効果を評価しなかった。
【0036】
本明細書に開示するように、研究は、sPLA2インヒビターが、ナイアシン薬と相乗的に作用する能力を有するかどうかを決定するために行われた。sPLA2インヒビター、1種以上のナイアシン薬、または1種以上のナイアシン薬との併用でのsPLA2インヒビターを投与されている患者において、脂質レベルを測定した。 sPLA2インヒビターおよびナイアシン薬の共投与は、TGレベルの予期せぬ相乗的減少およびHDLレベルの予期せぬ相乗的増加を引き起こした。したがって、特定の実施態様において、本発明は、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬の併用を用いる、CVDを治療するため、TGレベルを減少させるため、HDLレベルを増加させるため、およびDL/LDL比を増加させるための組成物、方法およびキットを提供する。
【0037】
特定の実施態様において、本明細書に開示する方法、組成物およびキットにおいて使用するためのsPLA2インヒビターは、インドールベース(構造式:

で示されるインドール核を含むことを意味する)のsPLA2インヒビターであってよい。
【0038】
さまざまなインドールベースのsPLA2インヒビターが当業者で公知である。たとえば、本発明に用いることができるインドールベースのsPLA2インヒビターとして、米国特許番号5,654,326(Bach);5,733,923(Bach);5,919,810(Bach);5,919,943(Bach);6,175,021(Bach);6,177,440(Bach);6,274,578(Denney);および6,433,001(Bach)に記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。インドールベースのsPLA2インヒビターの製造方法は、たとえば、米国特許番号5,986,106(Khau);6,265,591(Anderson);および6,380,397(Anderson)などに記載されている。本発明に用いるsPLA2インヒビターは、これらの合成法を用いて、あるいは当業界で公知の他のいずれかの合成法を用いて製造することができる。特定の実施態様において、本発明に用いるsPLA2インヒビターは、IIA型、V型および/またはX型sPLA2インヒビターであってもよい。インドールベースのsPLA2インヒビターのさまざまな例を以下に記載する。これらの例は、本明細書に開示する方法および組成物に関連して用いることができるインヒビターのタイプの説明として提供されるにすぎず、それらへの限定をいみするものではない。当業者であれば、さまざまな他のインドールベースのsPLA2インヒビターを用いてもよいことを認識するであろう。
【0039】
特定の実施態様において、本発明に用いるsPLA2インヒビターは、構造式:

[式中、
各Xは独立して、酸素またはイオウであり;
R1は、(a)、(b)および(c)から選ばれ、ここで:
(a)は、C7-C20アルキル、C7-C20アルケニル、C7-C20アルキニル、炭素環式基または複素環式基であり;
(b)は、独立して選ばれる1種以上の非妨害性置換基で置換された(a)のメンバーであり;および
(c)は、基:-(L)-R80であり、ここで、-(L)-は、炭素、水素、酸素、窒素およびイオウから選ばれる1〜12個の原子からなる二価の連結基であり、ここで、-(L)-における原子の組み合わせは、(i)炭素および水素のみ、(ii)イオウのみ、(iii)酸素のみ、(iv)窒素および水素のみ、(v)炭素、水素およびイオウのみ、および(vi)炭素、水素および酸素のみから選ばれ;および、ここで、R80は、(a)または(b)から選ばれ;
R2は、水素、ハロ、C1-C3アルキル、C3-C4シクロアルキル、C3-C4シクロアルケニル、-O-(C1-C2アルキル)、-S-(C1-C2アルキル)、または水素以外の計1〜3個の原子を有する非妨害性置換基であり;
R4およびR5は独立して、水素、非妨害性置換基および-(La)-(酸性基)から選ばれ、ここで、-(La)-は、長さ1〜4の酸リンカーであり;ただし、R4およびR5の少なくとも1つが-(La)-(酸性基)でなければならない;
R6およびR7はそれぞれ独立して、水素、非妨害性置換基、炭素環式基、非妨害性置換基で置換された炭素環式基、複素環式基および非妨害性置換基で置換された複素環式基から選ばれ;
ただし、R1、R6およびR7のいずれについても、炭素環式基は、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、ノルボルナニル、ビシクロヘプタジエニル、トルイル、キシレニル、インデニル、スチルベニル、テルフェニリル、ジフェニルエチレニル、フェニル-シクロヘキセニル、アセナフチレニルならびにアントラセニル、ビフェニル、ビベンジリルおよび式(bb):

(bb)
(ここで、nは、1〜8の数である)
で示される関連ビベンジリル同族体から選ばれ;ただし、R1、R6およびR7のいずれについても、複素環式基は、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、フェニルイミダゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、オキ
サゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、インドリル、カルバゾリル、ノルハルマニル、アザインドリル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、チアナフテニル、ジベンゾチオフェニル、インダゾリル、イミダゾ(1.2-A)ピリジニル、ベンゾトリアゾリル、アントラリニル、1,2-ベンズイソキサゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、ピリニジル、ジピリジリル、フェニルピリジニル、ベンジルピリジニル、ピリミジニル、フェニルピリミジニル、ピラジニル、1,3,5-トリアジニル、キノリニル、フタラジニル、キナゾリニルおよびキニキサリニルから選ばれ;および
ただし、R1、R2、R4、R5、R6およびR7のいずれについても、非妨害性置換基は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C7-C12アラルキル、C7-C12アルカリール、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルケニル、フェニル、トルイル、キシレニル、ビフェニル、C1-C6アルコキシ、C2-C6アルケニルオキシ、C2-C6アルキニルオキシ、C2-C12アルコキシアルキル、C2-C12アルコキシアルキルオキシ、C2-C12アルキルカルボニル、C2-C12アルキルカルボニルアミノ、C2-C12アルコキシアミノ、C2-C12アルコキシアミノカルボニル、C2-C12アルキルアミノ、C1-C6アルキルチオ、C2-C12アルキルチオカルボニル、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C2-C6ハロアルコキシ、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C2-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、-C(O)O(C1-C6アルキル)、-(CH2)n-O-(C1-C6アルキル)、ベンジルオキシ、フェノキシ、フェニルチオ、-(CONHSO2R)、-CHO、アミノ、アミジノ、ブロモ、カルバミル、カルボキシル、カルバルコキシ、-(CH2)n -CO2H、クロロ、シアノ、シアノグアニジニル、フルオロ、グアニジノ、ヒドラジド(hydrazide)、ヒドラジノ、ヒドラジド(hydrazido)、ヒドロキシ、ヒドロキシアミノ、ヨード、ニトロ、ホスホノ、-SO3H、チオアセタール、チオカルボニルおよびC1-C6カルボニル(ここで、nは、1〜8である)から選ばれる]
で示される1H-インドール-3-グリオキシルアミド化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体である。
【0040】
これらの実施態様のいくつかにおいて、-(L)-は、式:

[式中、R81およびR82はそれぞれ独立して、水素、C1-C10アルキル、カルボキシ、カルバルコキシおよびハロから選ばれ;pは、1〜5の数であり;およびZは、結合、-(CH2)-、-O-、-N(C1-C10アルキル)-、-NH-および-S-から選ばれる]
である。
【0041】
R4が-(La)-(酸性基)である、これらの実施態様の特定の態様において、酸リンカー:-(La)-は、式:

[式中、Qは、-(CH2)-、-O-、-NH-および-S-から選ばれ;およびR83およびR84はそれぞれ独立して、水素、C1-C10アルキル、アリール、C1-C10アルカリール、C1-C10アラルキル、ヒドロキシおよびハロから選ばれる]
で示される。
【0042】
R5が-(La)-(酸性基)である、これらの実施態様の特定の態様において、酸リンカー:-(La)-は、式:

[式中、rは、2〜7の数であり;sは、0または1であり;Qは、-(CH2)-、-O-、-NH-および-S-から選ばれ;およびR85およびR86はそれぞれ独立して、水素、C1-C10アルキル、アリール、C1-C10アルカリール、C1-C10アラルキル、カルボキシ、カルバルコキシおよびハロから選ばれる]
で示される。
【0043】
特定の実施態様において、本発明に用いる1H-インドール-3-グリオキシルアミド化合物は、((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;dl-2-((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-3-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-4-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((2,6-ジクロロフェニル)メチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-(4(-フルオロフェニル)メチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-((1-ナフタレニル)メチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((3-クロロフェニル)メチル)-2-エチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-エチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-プロピル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-シクロプロピル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-シクロプロピル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;および4-((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-5-イル)オキシ)ブタン酸、またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体から選ばれる。
【0044】
特定の実施態様において、本発明に用いるためのsPLA2インヒビターは、式:

[式中、
Xは両方とも酸素であり;
R1は、

および

(ここで、R10は、ハロ、C1-C10アルコキシ、-S-(C1-C10アルキル)およびC1-C10ハロアルキルから独立して選ばれる基であり、tは、0〜5の数である)
から選ばれ;
R2は、ハロ、シクロプロピル、メチル、エチルおよびプロピルから選ばれ;
R4およびR5は独立して、水素、非妨害性置換基および-(La)-(酸性基)から選ばれ、ここで、-(La)-は、酸リンカーであり;ただし、R4の酸リンカー-(La)-は、









および

から選ばれ;および
ただし、R5の酸リンカー-(La)-は、













および

(ここで、R84およびR85はそれぞれ独立して、水素、C1-C10アルキル、アリール、C1-C10アルカリール、C1-C10アラルキル、カルボキシ、カルバルコキシおよびハロから選ばれる)
から選ばれ;ただし、R4およびR5の少なくとも1つは、-(La)-(酸性基)でなければならず、R4またはR5の-(La)-(酸性基)における(酸性基)は、-CO2H、-SO3Hまたは-P(O)(OH)2から選ばれ;
R6およびR7はそれぞれ独立して、水素および非妨害性置換基から選ばれ、ここで、非妨害性置換基は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C7-C12アラルキル、C7-C12アルカリール、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルケニル、フェニル、トルイル、キシレニル、ビフェニル、C1-C6アルコキシ、C2-C6アルケニルオキシ、C2-C6アルキニルオキシ、C2-C12アルコキシアルキル、C2-C12アルコキシアルキルオキシ、C2-C12アルキルカルボニル、C2-C12アルキルカルボニルアミノ、C2-C12アルコキシアミノ、C2-C12アルコキシアミノカルボニル、C2-C12アルキルアミノ、C1-C6アルキルチオ、C2-C12アルキルチオカルボニル、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C2-C6ハロアルコキシ、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C2-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、-C(O)O(C1-C6アルキル)、-(CH2)n-O-(C1-C6アルキル)、ベンジルオキシ、フェノキシ、フェニルチオ、-(CONHSO2R)、-CHO、アミノ、アミジノ、ブロモ、カルバミル、カルボキシル、カルバルコキシ、-(CH2)n-CO2H、クロロ、シアノ、シアノグアニジニル、フルオロ、グアニジノ、ヒドラジド(hydrazide)、ヒドラジノ、ヒドラジド(hydrazido)、ヒドロキシ、ヒドロキシアミノ、ヨード、ニトロ、ホスホノ、-SO3H、チオアセタール、チオカルボニルおよびC1-C6カルボニル(ここで、nは、1〜8である)から選ばれる]
で示される1H-インドール-3-グリオキシルアミド化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体である。
【0045】
特定の実施態様において、本発明に用いるための1H-インドール-3-グリオキシルアミド化合物は、((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;dl-2-((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン酸;dl-2-((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン酸 メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-3-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-3-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-4-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-4-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((2,6-ジクロロフェニル)メチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((2,6-ジクロロフェニル)メチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-(4(-フルオロフェニル)メチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-(4(-フルオロフェニル)メチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-((1-ナフタレニル)メチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-((1-ナフタレニル)メチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((3-クロロフェニル)メチル)-2-エチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((3-クロロフェニル)メチル)-2-エチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-エチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-エチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-プロピル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-プロピル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-シクロプロピル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-シクロプロピル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-シクロプロピル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-シクロプロピル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;4-((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-5-イル)オキシ)ブタン酸;4-((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-5-イル)オキシ)ブタン酸tert-ブチルエステル、またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体から選ばれる。
【0046】
特定の実施態様において、本発明に用いるためのsPLA2インヒビターは、式:

[式中、
各Xは独立して、酸素またはイオウであり;
R1は、(a)、(b)および(c)から選ばれ、ここで:
(a)は、C7-C20アルキル、C7-C20アルケニル、C7-C20アルキニル、炭素環式基または複素環式基であり;
(b)は、独立して選ばれる1種以上の非妨害性置換基で置換された(a)のメンバーであり;および
(c)は、基:-(L)-R80であり、ここで、-(L)-は、炭素、水素、酸素、窒素およびイオウから選ばれる1〜12個の原子からなる二価の連結基であり、ここで、-(L)-における原子の組み合わせは、(i)炭素および水素のみ、(ii)イオウのみ、(iii)酸素のみ、(iv)窒素および水素のみ、(v)炭素、水素およびイオウのみ、および(vi)炭素、水素および酸素のみから選ばれ;および、ここで、R80は、(a)または(b)から選ばれ;
R2は、水素、ハロ、C1-C3アルキル、C3-C4シクロアルキル、C3-C4シクロアルケニル、-O-(C1-C2アルキル)、-S-(C1-C2アルキル)、および水素以外の計1〜3個の原子を有する非妨害性置換基から選ばれ;
R4およびR5は独立して、水素、非妨害性置換基および-(La)-(酸性基)から選ばれ、ここで、-(La)-は、長さ1〜4の酸リンカーであり;ただし、R4およびR5の少なくとも1つが-(La)-(酸性基)でなければならない;
R6およびR7はそれぞれ独立して、水素、非妨害性置換基、炭素環式基、非妨害性置換基で置換された炭素環式基、複素環式基および非妨害性置換基で置換された複素環式基から選ばれる]
で示される1H-インドール-3-グリオキシルアミド化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体である。
【0047】
特定の実施態様において、本発明に用いるためのsPLA2インヒビターは、式:

[式中、
Xは両方とも酸素であり;
R1は、

および

(ここで、R10は、ハロ、C1-C10アルキル、C1-C10アルコキシ、-S-(C1-C10アルキル)およびC1-C10ハロアルキルから独立して選ばれる基であり、tは、0〜5の数である)
から選ばれ;
R2は、ハロ、シクロプロピル、メチル、エチルおよびプロピルから選ばれ;
R4およびR5は独立して、水素、非妨害性置換基および-(La)-(酸性基)から選ばれ、ここで、-(La)-は、酸リンカーであり;ただし、R4の酸リンカー-(La)-は、









および

から選ばれ;および
ただし、R5の酸リンカー-(La)-は、













および

(ここで、R84およびR85はそれぞれ独立して、水素、C1-C10アルキル、アリール、C1-C10アルカリール、C1-C10アラルキル、カルボキシ、カルバルコキシおよびハロから選ばれる)
から選ばれ;ただし、R4およびR5の少なくとも1つは、-(La)-(酸性基)でなければならず、R4またはR5の-(La)-(酸性基)における(酸性基)は、-CO2H、-SO3Hまたは-P(O)(OH)2から選ばれ;
R6およびR7はそれぞれ独立して、水素および非妨害性置換基から選ばれ、ここで、非妨害性置換基は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C7-C12アラルキル、C7-C12アルカリール、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルケニル、フェニル、トルイル、キシレニル、ビフェニル、C1-C6アルコキシ、C2-C6アルケニルオキシ、C2-C6アルキニルオキシ、C2-C12アルコキシアルキル、C2-C12アルコキシアルキルオキシ、C2-C12アルキルカルボニル、C2-C12アルキルカルボニルアミノ、C2-C12アルコキシアミノ、C2-C12アルコキシアミノカルボニル、C2-C12アルキルアミノ、C1-C6アルキルチオ、C2-C12アルキルチオカルボニル、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C2-C6ハロアルコキシ、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C2-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、-C(O)O(C1-C6アルキル)、-(CH2)n-O-(C1-C6アルキル)、ベンジルオキシ、フェノキシ、フェニルチオ、-(CONHSO2R)、-CHO、アミノ、アミジノ、ブロモ、カルバミル、カルボキシル、カルバルコキシ、-(CH2)n-CO2H、クロロ、シアノ、シアノグアニジニル、フルオロ、グアニジノ、ヒドラジド(hydrazide)、ヒドラジノ、ヒドラジド(hydrazido)、ヒドロキシ、ヒドロキシアミノ、ヨード、ニトロ、ホスホノ、-SO3H、チオアセタール、チオカルボニルおよびC1-C6カルボニル(ここで、nは、1〜8である)から選ばれる]
で示される1H-インドール-3-グリオキシルアミド化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体のメチルエステルプロドラッグ誘導体である。
【0048】
特定の実施態様において、本発明に用いるためのsPLA2インヒビターは、式:

[式中、
Xは両方とも酸素であり;
R1は、

および

(ここで、R10は、ハロ、C1-C10アルキル、C1-C10アルコキシ、-S-(C1-C10アルキル)およびC1-C10ハロアルキルから独立して選ばれる基であり、tは、0〜5の数である)
から選ばれ;
R2は、ハロ、シクロプロピル、メチル、エチルおよびプロピルから選ばれ;
R4およびR5は独立して、水素、非妨害性置換基および-(La)-(酸性基)から選ばれ、ここで、-(La)-は、酸リンカーであり;ただし、R4の酸リンカー-(La)-は、









および

から選ばれ;および
ただし、R5の酸リンカー-(La)-は、













および

(ここで、R84およびR85はそれぞれ独立して、水素、C1-C10アルキル、アリール、C1-C10アルカリール、C1-C10アラルキル、カルボキシ、カルバルコキシおよびハロから選ばれる)
から選ばれ;ただし、R4およびR5の少なくとも1つは、-(La)-(酸性基)でなければならず、R4またはR5の-(La)-(酸性基)における(酸性基)は、-CO2H、-SO3Hまたは-P(O)(OH)2から選ばれ;
R6およびR7はそれぞれ独立して、水素および非妨害性置換基から選ばれ、ここで、非妨害性置換基は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C7-C12アラルキル、C7-C12アルカリール、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルケニル、フェニル、トルイル、キシレニル、ビフェニル、C1-C6アルコキシ、C2-C6アルケニルオキシ、C2-C6アルキニルオキシ、C2-C12アルコキシアルキル、C2-C12アルコキシアルキルオキシ、C2-C12アルキルカルボニル、C2-C12アルキルカルボニルアミノ、C2-C12アルコキシアミノ、C2-C12アルコキシアミノカルボニル、C2-C12アルキルアミノ、C1-C6アルキルチオ、C2-C12アルキルチオカルボニル、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C2-C6ハロアルコキシ、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C2-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、-C(O)O(C1-C6アルキル)、-(CH2)n-O-(C1-C6アルキル)、ベンジルオキシ、フェノキシ、フェニルチオ、-(CONHSO2R)、-CHO、アミノ、アミジノ、ブロモ、カルバミル、カルボキシル、カルバルコキシ、-(CH2)n-CO2H、クロロ、シアノ、シアノグアニジニル、フルオロ、グアニジノ、ヒドラジド(hydrazide)、ヒドラジノ、ヒドラジド(hydrazido)、ヒドロキシ、ヒドロキシアミノ、ヨード、ニトロ、ホスホノ、-SO3H、チオアセタール、チオカルボニルおよびC1-C6カルボニル(ここで、nは、1〜8である)から選ばれる]
で示される1H-インドール-3-グリオキシルアミド化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体の(アシルオキシ)アルキルエステルプロドラッグ誘導体である。
【0049】
特定の実施態様において、本発明に用いるためのsPLA2インヒビターは、式:

[式中、
R1は、-NHNH2および-NH2から選ばれ;
R2は、-OHおよび-O(CH2)mR5から選ばれ;ここで、R5は、H、-CO2H、-CO2(C1-C4アルキル)、-SO3H、-SO3(C1-C4アルキル)、テトラゾリル、-CN、-NH2、-NHSO2R15、-CONHSO2R15、フェニル、-CO2Hまたは-CO2(C1-C4)アルキルで置換されたフェニルおよび

(ここで、R6およびR7はそれぞれ独立して、-OH、-O(C1-C4)アルキルから選ばれ;R15は、-(C1-C6)アルキルおよび-CF3から選ばれ;およびmは、1-3である)
から選ばれ;
R3は、H、-O(C1-C4)アルキル、ハロ、-(C1-C6)アルキル、フェニル、-(C1-C4)アルキルフェニル、-(C1-C6)アルキル、ハロまたは-CF3で置換されたフェニル、-CH2OSi(C1-C6)アルキル、フリル、チオフェニル、-(C1-C6)ヒドロキシアルキルおよび-(CH2)nR8から選ばれ;ここで、R8は、H、-CONH2、-NR9R10、-CNおよびフェニルから選ばれ;ここで、R9およびR10はそれぞれ独立して、-(C1-C4)アルキルまたは-フェニル(C1-C4)アルキルであり;およびnは、1〜8であり;
R4は、H、-(C5-C14)アルキル、-(C3-C14)シクロアルキル、ピリジル、フェニルおよび-(C1-C6)アルキル、ハロ、-CF3、-OCF3、-(C1-C4)アルコキシ、-CN、-(C1-C4)アルキルチオ、フェニル(C1-C4)アルキル、-(C1-C4)アルキルフェニル、フェニル、フェノキシまたはナフチルで置換されたフェニルから選ばれ;
Aは、フェニルおよびピリジル(ここで、窒素は、5、6、7または8位にある)から選ばれ;
Zは、シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル(ここで、窒素は、1、2または3位にある)および1、2または3位のイオウおよび酸素、および1、2、3または4位の窒素から選ばれる1つのヘテロ原子を有するか、または複素環式環上の1つの炭素が必要に応じて=Oで置換される6員の複素環式環から選ばれ;および、ここで、AまたはZの1つは、複素環式環である]
で示される置換三環式化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体である。
【0050】
特定の実施態様において、本発明に用いるためのsPLA2インヒビターは、式:

[式中、
Zは、シクロヘキセニルおよびフェニルから選ばれ;
R21は、非妨害性置換基であり;
R1は、-NHNH2または-NH2であり;
R2は、-OHおよび-O(CH2)mR5から選ばれ;ここで、R5は、H、-CO2H、-CONH2、-CO2(C1 -C4アルキル)、-SO3H,-SO3(C1-C4アルキル)、テトラゾリル、-CN、-NH2、-NHSO2R15、-CONHSO2R15、フェニル、-CO2Hまたは-CO2(C1-C4)アルキルで置換されたフェニルおよび

(ここで、R6およびR7はそれぞれ独立して、-OH、-O(C1-C4)アルキルから選ばれ;R15は、-(C1-C6)アルキルおよび-CF3から選ばれ;およびmは、1-3である)
から選ばれ;
R3は、H、-O(C1-C4)アルキル、ハロ、-(C1-C6)アルキル、フェニル、-(C1-C4)アルキルフェニル、-(C1-C6)アルキル、ハロまたは-CF3で置換されたフェニル、-CH2OSi(C1-C6)アルキル、フリル、チオフェニル、-(C1-C6)ヒドロキシアルキルおよび-(CH2)nR8から選ばれ;ここで、R8は、H、-CONH2、-NR9R10、-CNおよびフェニルから選ばれ;R9およびR10はそれぞれ独立して、H、-CF3、フェニル、-(C1-C4)アルキル、-(C1-C4)アルキルフェニルおよび-フェニル(C1-C4)アルキルから選ばれ;およびnは、1〜8であり;
R4は、H、-(C5-C14)アルキル、-(C3-C14)シクロアルキル、ピリジル、フェニル、-(C1-C6)アルキルで置換されたフェニル、ハロ、-CF3、-OCF3、-(C1-C4)アルコキシ、-CN、-(C1-C4)アルキルチオ、-フェニル(C1-C4)アルキル、-(C1-C4)アルキルフェニル、フェニル、フェノキシおよびナフチルから選ばれる]
で示される置換三環式化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体である。
【0051】
特定の実施態様において、本発明に用いるためのsPLA2インヒビターは、
{9-[(フェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;9-ベンジル-5,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボン酸ヒドラジド;9-ベンジル-5,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;[9-ベンジル-4-カルバモイル-7-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-4-カルバモイル-7-メトキシカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;メチル [9-ベンジル-4-カルバモイル-7-メトキシカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;9-ベンジル-7-メトキシ-5-シアノメチルオキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-7-メトキシ-5-(1H-テトラゾール-5-イル-メチル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;{9-[(フェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-メチル-カルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-フルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-メチルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-メチルフェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-メチルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(フェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-(4-トリフルオロメチルフェニル)-カルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;9-ベンジル-5-(2-メタンスルホンアミド)エチルオキシ-7-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-4-(2-メタンスルホンアミド)エチルオキシ-2-メトキシカルバゾール-5-カルボキサミド;9-ベンジル-4-(2-トリフルオロメタンスルホンアミド)エチルオキシ-2-メトキシカルバゾール-5-カルボキサミド;9-ベンジル-5-メタンスルホンアミドイルメチルオキシ-7-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-4-メタンスルホンアミドイルメチルオキシ-カルバゾール-5-カルボキサミド;[5-カルバモイル-2-ペンチル-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-(1-メチルエチル)-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[(トリ(-1-メチルエチル)シリル)オキシメチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-フェニル-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-(4-クロロフェニル)-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-(2-フリル)-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[(トリ(-1-メチルエチル)シリル)オキシメチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;{9-[(2-フルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-トリフルオロメチルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-ベンジルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(1-ナフチル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-シアノフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-シアノフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3,5-ジメチルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-ヨードフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-クロロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2,3-ジフルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-ビフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-ビフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸メチルエステル;[9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;{9-[(2-ピリジル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-ピリジル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;[9-ベンジル-4-カルバモイル-8-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-5-カルバモイル-1-メチルカルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-4-カルバモイル-8-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-4-カルバモイル-8-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[[(プロペン-3-イル)オキシ]メチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[(プロピルオキシ)メチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;9-ベンジル-7-メトキシ-5-((カルボキサミドメチル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-7-メトキシ-5-シアノメチルオキシ-カルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-7-メトキシ-5-((1H-テトラゾール-5-イル-メチル)オキシ)-カルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-7-メトキシ-5-((カルボキサミドメチル)オキシ)-カルバゾール-4-カルボキサミド;[9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;{9-[(フェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-メチル-カルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-フルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-メチルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-メチルフェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-メチルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(フェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-(4-トリフルオロメチルフェニル)-カルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;9-ベンジル-5-(2-メタンスルホンアミド)エチルオキシ-7-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-4-(2-メタンスルホンアミド)エチルオキシ-2-メトキシカルバゾール-5-カルボキサミド;9-ベンジル-4-(2-トリフルオロメタンスルホンアミド)エチルオキシ-2-メトキシカルバゾール-5-カルボキサミド;9-ベンジル-5-メタンスルホンアミドイルメチルオキシ-7-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-4-メタンスルホンアミドイルメチルオキシ-カルバゾール-5-カルボキサミド;[5-カルバモイル-2-ペンチル-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-(1-メチルエチル)-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[(トリ(-1-メチルエチル)シリル)オキシメチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-フェニル-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-(4-クロロフェニル)-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-(2-フリル)-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[(トリ(-1-メチルエチル)シリル)オキシメチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;{9-[(3-フルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-クロロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-フェノキシフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-フルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-トリフルオロメチルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-ベンジルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-トリフルオロメチルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(1-ナフチル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-シアノフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-シアノフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-メチルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-メチルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3,5-ジメチルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-ヨードフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-クロロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2,3-ジフルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-トリフルオロメトキシフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-ビフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-Biフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸メチルエステル;[9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;{9-[(2-ピリジル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-ピリジル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;[9-ベンジル-4-カルバモイル-8-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-5-カルバモイル-1-メチルカルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-4-カルバモイル-8-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-5-カルバモイル-1-フルオロカルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-4-カルバモイル-8-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-5-カルバモイル-1-クロロカルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[9-[(シクロヘキシル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[9-[(シクロペンチルル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-(2-チエニル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[[(プロペン-3-イル)オキシ]メチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[(プロピルオキシ)メチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;9-ベンジル-7-メトキシ-5-((カルボキサミドメチル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-7-メトキシ-5-シアノメチルオキシ-カルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-7-メトキシ-5-((1H-テトラゾール-5-イル-メチル)オキシ)-カルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-7-メトキシ-5-((カルボキサミドメチル)オキシ)-カルバゾール-4-カルボキサミド;[9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;(R,S)-(9-ベンジル-4-カルバモイル-1-オキソ-3-チア-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル)オキシ酢酸;(R,S)-(9-ベンジル-4-カルバモイル-3-チア-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル)オキシ酢酸;2-(4-オキソ-5-カルボキサミド-9-ベンジル-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル)酢酸クロリド;[N-ベンジル-1-カルバモイル-l-アザ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-8-イル]オキシ酢酸;4-メトキシ-6-メトキシカルボニル-10-フェニルメチル-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[1,2-a]インドール;(4-カルボキサミド-9-フェニルメチル-4,5-ジヒドロチオピラノ[3,4-b]インドール-5-イル)オキシ酢酸;3,4-ジヒドロ-4-カルボキサミドl-5-メトキシ-9-フェニルメチルピラノ[3,4-b]インドール;2-[(2,9 ビス-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ベータカルボリン-5-イル)オキシ]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-メチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3-メチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-メチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-tert-ブチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキ
サミド-9-ペンタフルオロベンジル-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-フルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3-フルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-フルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,6-ジフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3,4-ジフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,5-ジフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3,5-ジフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,4-ジフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,3-ジフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[3-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(a-メチルナフチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(b-メチルナフチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3,5-ジメチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,4-ジメチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-フェニルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3-フェニルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-フェニルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(1-フルオレニルメチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-フルオロ-3-メチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3-ベンゾイルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-フェノキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3-フェノキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-フェノキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[3-[2-(フルオロフェノキシ)ベンジル]]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[3-[4-(フルオロフェノキシ)ベンジル]]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,3,6-トリフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,3,5-トリフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,4,6-トリフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,3,4-トリフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3,4,5-トリフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[3-(トリフルオロメトキシル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[4-(トリフルオロメトキシル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[4-メトキシ(テトラフルオロ)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-メトキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3-メトキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-メトキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-エチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-isoプロピルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3,4,5-triメトキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3,4-メチレンジオキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-メトキシ-3-メチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3,5-ジメトキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,5-ジメトキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-エトキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(シクロヘキシルメチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(シクロペンチルメチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-エチル-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(1-プロピル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-プロピル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(1-ブチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-ブチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-イソブチル-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2-(1-フェニルエチル)]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[3-(1-フェニルプロピル)]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[4-(1-フェニルブチル)]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(1-ペンチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(1-hexイル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;4-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]酪酸;3-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]プロピルホスホン酸;2-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]メチル安息香酸;3-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-7-n-オクチル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]プロピルホスホン酸;4-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-7-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]酪酸;3-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-7-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]プロピルホスホン酸;3-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-7-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]プロピルホスホン酸;(S)-(+)-4-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-7-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]酪酸;4-[9-ベンジル-4-カルバモイル-6-(2-シアノエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル]オキシ酪酸;4-[9-ベンジル-4-カルボキサミド-7-(2-フェニルエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル]オキシ酪酸;4-[9-ベンジル-4-カルボキサミドカルバゾール-6-イル]オキシ酪酸;メチル 2-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]メチルベンゾエート;4-[9-ベンジル-4-カルバモイル-7-(2-シアノエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル]オキシ酪酸;9-ベンジル-7-メトキシ-5-シアノメチルオキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;[9-ベンジル-4-カルバモイル-8-メチル-カルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;および[9-ベンジル-4-カルバモイル-カルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体から選ばれる。
【0052】
本明細書が提供する方法および組成物の特定の実施態様では、sPLA2インヒビターである3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸(A-001、当業界でS-5920またはLY315920とも称される)またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを用いる。特定の実施態様では、A-001のナトリウム塩を用いる。A-001は、式:

で示される構造を有する。A-001は、sPLA2の競合的インヒビターである。本明細書が提供する方法、組成物およびキットの特定の実施態様は、A-001のナトリウム塩を利用する。
【0053】
本明細書が提供する方法、組成物およびキットの特定の実施態様では、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステル(A-002、当業界では、S-3013、LY333013またはバレスプラジブメチルとも称される)を利用し、該化合物は、式:

で示される構造を有する。
A-002は、急速に吸収され、加水分解されて活性A-001分子になる、A-001のプロドラッグである。A-002は、約10時間の終末半減期(t1/2)を有する。
【0054】
特定の実施態様において、本明細書が提供する方法および組成物は、A-002のほかにも、1種以上のA-001のC1-C6アルキルエステル、アシルオキシアルキルエステルまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルといったようなA-001の他のプロドラッグ体を利用してもよい。これらのプロドラッグのそれぞれが、同じ活性分子に加水分解されるので、当業者は、それらが同様の治療特性を有していると予測し、このような当業者は、このようなプロドラッグを最小限の実験で同定することができる。
【0055】
スタチンと同様に、sPLA2インヒビターとナイアシン薬との間の相乗効果は、1つの特定のタイプのナイアシン薬に限定されなかった。それどころか、効果は、ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、ERN(ナイアスパン(Niaspan)(登録商標))、ロバスタチン(アドビコール(登録商標))との併用でのナイアスパン(登録商標)およびシンバスタチン(シムコール(登録商標))との併用でのナイアスパン(登録商標)などのさまざまなナイアシン薬にわたって観察された。本明細書が提供する方法、組成物およびキットで利用される他のナイアシン薬として、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミド、1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミド、速放性ナイアシン(ナイアコール(Niacor)(登録商標))、ナイアスパンMFまたはナイアスパンCFなどのERN誘導体、およびERN+DP-1アンタゴニストであるラロピプラントなどのERN複合薬(MK-0524A、コルダプチブ(Cordaptive)(登録商標)およびトレダプチブ(Tredaptive)(登録商標)として市販されている)といったようなナイアシン誘導体および製剤が挙げられる。
【0056】
A-002とナイアシン薬との相乗効果は、ナイアシン薬の全体にわたって一般化されたので、当業者は、sPLA2インヒビターをナイアシンと同様な作用機序を有する薬物と組み合わせることによって、同様な結果を得ることを期待する。したがって、特定の実施態様において、本明細書に開示される方法、組成物およびキットは、1種以上のナイアシン薬の代わりに、たとえば、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ-2(DGAT2)のインヒビター、PR109AおよびGP109Bなどのナイアシン受容体のアゴニスト、およびHDL-ApoA1取り込みまたは除去を阻害する化合物などのナイアシンと同様の機序をもつ化合物を利用してもよい。
【0057】
本明細書に記載する臨床研究においてナイアシン薬を投与されているほとんどすべての患者は、試験期間前および期間中、1種以上のスタチンも投与されていた。したがって、本明細書は、1種以上のsPLA2インヒビター、1種以上のナイアシン薬および1種以上のスタチンの併用を用いる、CVDを治療するため、TGレベルを減少させるため、HDLレベルを増加させるため、およびDL/LDL比を増加させるための組成物、方法およびキットを提供する。
【0058】
スタチンを利用する本明細書に開示する組成物および方法のそのような実施態様において、使用してもよいスタチンの例として、アトルバスタチンまたはアトルバスタチンカルシウム(リピトール(Lipitor)(登録商標)またはトルバスト(Torvast)(登録商標)として市販されている;たとえば、米国特許番号4,681,893または5,273,995を参照)およびアトルバスタチン複合薬(たとえば、アトルバスタチン+アムロジピン(ノルバスク(Norvasc)(登録商標)として市販されている)、カデュエット(Caduet)(登録商標)として市販されている複合薬、たとえば、米国特許番号6,455,574を参照;アトルバスタチン+CP-529414(トルセタピブ(Torcetrapib)(登録商標))として市販されている;アトルバスタチン+APA-01;アトルバスタチン+エゼチミブ)など、セリバスタチン(リポバイ(Lipobay)(登録商標)または(Baycol)(登録商標)として市販されている)、フルバスタチン(レスコール(Lescol)(登録商標)として市販されている;米国特許番号4,739,073)、ロバスタチン(メバコール(Mevacor)(登録商標)またはアルトコール(Altocor)(登録商標)として市販されている;たとえば、米国特許番号4,231,938を参照)、ロバスタチン複合薬(たとえば、ロバスタチン+ナイアスパン(登録商標)、アドビコール(登録商標)として市販されている複合薬など)、メバスタチン、ピタバスタチン(リバロ(Livalo)(登録商標)またはピタバ(Pitava)(登録商標)として市販されている)、プラバスタチン(プラバコール(Pravachol)(登録商標)、メバロチン(Mevalotin)(登録商標)、セレクチン(Selektine)(登録商標)またはリポスタット(Lipostat)(登録商標)として市販されている;たとえば、米国特許番号4,346,227を参照)、プラバスタチン複合薬(たとえば、プラバスタチン+フェノフィブラートなど)、ロスバスタチン(クレストール(Crestor)(登録商標)として市販されている)、ロスバスタチン複合薬(たとえば、ロスバスタチン+トリコール(TriCor)(登録商標)など)、シンバスタチン(ゾコール(Zocor)(登録商標)またはリペックス(Lipex)(登録商標)として市販されている;たとえば、米国特許番号4,444,784;4,916,239;および4,820,850を参照)、およびシンバスタチン複合薬(たとえば、シンバスタチン+エゼチミブ、バイトリン(Vytorin)(登録商標)として市販されている複合薬、たとえば、米国特許番号7,229,982を参照;シンバスタチン+ナイアスパン(登録商標)、シムコール(Simcor)(登録商標)として市販されている複合薬;シンバスタチン+MK-0524A、MK-0524Bと称される複合薬など)、ならびに上記化合物のさまざまな医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、塩、立体異性体、プロドラッグ誘導体またはニトロ誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。たとえば、シンバスタチンなどのいくつかの場合において、該スタチンの活性型は、投与後に患者の身体で形成される代謝産物である。他の場合において、スタチンは、活性型で投与される。特定の実施態様において、スタチンは、その標準的推奨投与量で投与されてよく、他の実施態様において、スタチンは、推奨投与量よりも低い投与量で投与されてよい。
【0059】
特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬含む組成物を提供する。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、多形、共結晶もしくはプロドラッグを含み、これらの実施態様の特定のものにおいて、プロドラッグは、C1-C6アルキルエステル、アシルオキシアルキルエステルまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルである。これらの実施態様の特定のものにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、ナイアシン薬は、ナイアシン、速放性ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、ERN、ロバスタチンとの併用でのERN、シンバスタチンとの併用でのERN、ラロピプラントとの併用でのERN、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドまたは1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドである。特定の実施態様において、本明細書が提供する組成物は、1種以上の医薬的に許容しうる担体を含んでもよい。特定の実施態様において、本明細書が提供する組成物はさらに、1種以上のスタチンを含む。これらの実施態様において、1種以上のスタチンは、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはアトルバスタチン+エゼチミブ、アトルバスタチン+アムロジピン、アトルバスタチン+CP-529414、アトルバスタチン+APA-01、シンバスタチン+エゼチミブ、シンバスタチン+徐放性ナイアシン、シンバスタチン+MK-0524A、ロバスタチン+徐放性ナイアシン、ロスバスタチン+フェノフィブラート、プラバスタチン+フェノフィブラートもしくはスタチン+TAK-457などのスタチン複合薬、またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、塩、立体異性体、プロドラッグ誘導体もしくはニトロ誘導体であってもよい。
【0060】
特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬との併用での1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、それを必要とする患者のCVDを治療するための方法を提供する。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、多形、共結晶もしくはプロドラッグを含み、これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステル、アシルオキシアルキルエステルまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルである。これらの実施態様の特定のものにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬は、ナイアシン、速放性ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、ERN、ロバスタチンとの併用でのERN、シンバスタチンとの併用でのERN、ラロピプラントとの併用でのERN、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドまたは1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドを含む。特定の実施態様において、これらの方法はさらに、1種以上のスタチンを投与することを含む。1種以上のスタチンが投与される実施態様において、1種以上のスタチンは、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはアトルバスタチン+エゼチミブ、アトルバスタチン+アムロジピン、アトルバスタチン+CP-529414、アトルバスタチン+APA-01、シンバスタチン+エゼチミブ、シンバスタチン+徐放性ナイアシン、シンバスタチン+MK-0524A、ロバスタチン+徐放性ナイアシン、ロスバスタチン+フェノフィブラート、プラバスタチン+フェノフィブラートもしくはスタチン+TAK-457などのスタチン複合薬、またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、塩、立体異性体、プロドラッグ誘導体もしくはニトロ誘導体であってもよい。特定の実施態様において、治療されるCVDは、CAD、CHDあるいはCADまたはCHDに関連する病気であり、これらの実施態様の特定のものにおいて、CVDまたはそれに関連する病気は、ACSまたは脂質異常症である。特定の実施態様において、治療される患者は、主要心臓有害イベント(すなわち、心血管系死亡、致死性および非致死性MI、緊急入院を必要とする確認されたUA、ACSイベントから60日以上後の血行再建術の必要性、または致死性もしくは非致死性脳卒中)を経験したことがあるか、主要心臓有害イベントを経験するリスクがあると判断されているか、または1種以上の主要心臓有害イベントに関連する症状を示したことがある。
【0061】
特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬との併用での1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、それを必要とする患者のTGレベルを減少させる、および/または、HDLレベルを増加させるための方法を提供する。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、多形、共結晶もしくはプロドラッグを含み、これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステル、アシルオキシアルキルエステルまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルである。特定の実施態様において、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬は、ナイアシン、速放性ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、ERN、ロバスタチンとの併用でのERN、シンバスタチンとの併用でのERN、ラロピプラントとの併用でのERN、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドまたは1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドを含む。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬の共投与は、TGレベルの減少、HDLレベルの増加またはその組み合わせをもたらす。これらの実施態様の特定のものにおいて、TGレベルの減少および/またはHDLレベルの増加は、1種以上のsPLA2インヒビターと1種以上のナイアシン薬との間の単純な相加的効果から期待されるものよりも大きい。特定の実施態様において、これらの方法はさらに、1種以上のスタチンの投与を含む。1種以上のスタチンが投与される実施態様において、1種以上のスタチンは、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはアトルバスタチン+エゼチミブ、アトルバスタチン+アムロジピン、アトルバスタチン+CP-529414、アトルバスタチン+APA-01、シンバスタチン+エゼチミブ、シンバスタチン+徐放性ナイアシン、シンバスタチン+MK-0524A、ロバスタチン+徐放性ナイアシン、ロスバスタチン+フェノフィブラート、プラバスタチン+フェノフィブラートもしくはスタチン+TAK-457などのスタチン複合薬、またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、塩、立体異性体、プロドラッグ誘導体もしくはニトロ誘導体であってもよい。
【0062】
特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬との併用での1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、それを必要とする患者において、予め決定された標的レベルまで、TGレベルを減少させる、および/または、HDLレベルを増加させるための方法を提供する。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、多形、共結晶もしくはプロドラッグを含み、これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステル、アシルオキシアルキルエステルまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルである。特定の実施態様において、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬は、ナイアシン、速放性ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、ERN、ロバスタチンとの併用でのERN、シンバスタチンとの併用でのERN、ラロピプラントとの併用でのERN、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドまたは1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドを含む。特定の実施態様において、これらの方法はさらに、1種以上のスタチンを投与することを含む。1種以上のスタチンが投与される実施態様において、1種以上のスタチンは、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはアトルバスタチン+エゼチミブ、アトルバスタチン+アムロジピン、アトルバスタチン+CP-529414、アトルバスタチン+APA-01、シンバスタチン+エゼチミブ、シンバスタチン+徐放性ナイアシン、シンバスタチン+MK-0524A、ロバスタチン+徐放性ナイアシン、ロスバスタチン+フェノフィブラート、プラバスタチン+フェノフィブラートもしくはスタチン+TAK-457などのスタチン複合薬、またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、塩、立体異性体、プロドラッグ誘導体もしくはニトロ誘導体であってもよい。
【0063】
特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬との併用での1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、それを必要とする患者の脂質異常症を治療するための方法を提供する。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、多形、共結晶もしくはプロドラッグを含み、これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステル、アシルオキシアルキルエステルまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルである。これらの実施態様の特定のものにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬は、ナイアシン、速放性ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、ERN、ロバスタチンとの併用でのERN、シンバスタチンとの併用でのERN、ラロピプラントとの併用でのERN、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドまたは1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドを含む。特定の実施態様において、これらの方法はさらに、1種以上のスタチンを投与することを含む。1種以上のスタチンが投与される実施態様において、1種以上のスタチンは、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはアトルバスタチン+エゼチミブ、アトルバスタチン+アムロジピン、アトルバスタチン+CP-529414、アトルバスタチン+APA-01、シンバスタチン+エゼチミブ、シンバスタチン+徐放性ナイアシン、シンバスタチン+MK-0524A、ロバスタチン+徐放性ナイアシン、ロスバスタチン+フェノフィブラート、プラバスタチン+フェノフィブラートもしくはスタチン+TAK-457などのスタチン複合薬、またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、塩、立体異性体、プロドラッグ誘導体もしくはニトロ誘導体であってもよい。
【0064】
特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬との併用での1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、それを必要とする患者のHDL/LDL比を改善するための方法を提供する。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、多形、共結晶もしくはプロドラッグを含み、これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステル、アシルオキシアルキルエステルまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルである。これらの実施態様の特定のものにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬は、ナイアシン、速放性ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、ERN、ロバスタチンとの併用でのERN、シンバスタチンとの併用でのERN、ラロピプラントとの併用でのERN、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドまたは1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドを含む。特定の実施態様において、HDL/LDL比の改善は、HDLレベルを増加させることによって少なくとも一部達成される。特定の実施態様において、これらの方法はさらに、1種以上のスタチンを投与することを含む。1種以上のスタチンが投与される実施態様において、1種以上のスタチンは、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはアトルバスタチン+エゼチミブ、アトルバスタチン+アムロジピン、アトルバスタチン+CP-529414、アトルバスタチン+APA-01、シンバスタチン+エゼチミブ、シンバスタチン+徐放性ナイアシン、シンバスタチン+MK-0524A、ロバスタチン+徐放性ナイアシン、ロスバスタチン+フェノフィブラート、プラバスタチン+フェノフィブラートもしくはスタチン+TAK-457などのスタチン複合薬、またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、塩、立体異性体、プロドラッグ誘導体もしくはニトロ誘導体であってもよい。
【0065】
特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬との併用での1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、それを必要とする患者において、予め決定された標的レベルまで、HDL/LDL比を増加させるための方法を提供する。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、多形、共結晶もしくはプロドラッグを含み、これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステル、アシルオキシアルキルエステルまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルである。これらの実施態様の特定のものにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬は、ナイアシン、速放性ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、ERN、ロバスタチンとの併用でのERN、シンバスタチンとの併用でのERN、ラロピプラントとの併用でのERN、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドまたは1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドを含む。特定の実施態様において、標的レベルまでのHDL/LDL比の増加は、HDLレベルを増加させることによって少なくとも一部達成される。特定の実施態様において、これらの方法はさらに、1種以上のスタチンを投与することを含む。1種以上のスタチンが投与される実施態様において、1種以上のスタチンは、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはアトルバスタチン+エゼチミブ、アトルバスタチン+アムロジピン、アトルバスタチン+CP-529414、アトルバスタチン+APA-01、シンバスタチン+エゼチミブ、シンバスタチン+徐放性ナイアシン、シンバスタチン+MK-0524A、ロバスタチン+徐放性ナイアシン、ロスバスタチン+フェノフィブラート、プラバスタチン+フェノフィブラートもしくはスタチン+TAK-457などのスタチン複合薬、またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、塩、立体異性体、プロドラッグ誘導体もしくはニトロ誘導体であってもよい。
【0066】
特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、1種以上のナイアシン薬の有効性を増加させるための方法を提供する。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、多形、共結晶もしくはプロドラッグを含み、これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステル、アシルオキシアルキルエステルまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルである。特定の実施態様において、プロドラッグは、A-002である。ナイアシン薬の有効性の効果は、ナイアシン薬の治療効果の増加、治療効果の特定のレベルを得るために必要なナイアシン薬の用量の減少またはその組み合わせを意味してもよい。上述したように、ナイアシン投与は、さまざまな有害な副作用を伴う。したがって、ナイアシン用量の減少は、ナイアシン関連副作用の減少をもたらす可能性があるので、所望の治療効果を得るために必要なナイアシン薬の用量を減少させる方法は魅力的である。
【0067】
特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬を含むキットを提供する。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、多形、共結晶もしくはプロドラッグを含み、これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステル、アシルオキシアルキルエステルまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルである。特定の実施態様において、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬は、ナイアシン、速放性ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、ERN、ロバスタチンとの併用でのERN、シンバスタチンとの併用でのERN、ラロピプラントとの併用でのERN、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミド、or 1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドを含む。特定の実施態様において、キットはさらに、1種以上のスタチンを提供する。特定の実施態様において、本明細書が提供するキットは、用量または服用説明などの使用のための説明書を含む。これらの実施態様の特定のものにおいて、使用説明書は、CVDの治療のため、TGを低下させるため、HDLを増加させるため、および/またはHDL/LDL比を改善するための、キットに含まれる1種以上の化合物の投与を記載してもよい。1種以上のsPLA2インヒビター、1種以上のナイアシン薬および/または1種以上のスタチンは、キット内で別個の区画に分けてもよい。たとえば、キットは、それぞれが、1種以上のsPLA2インヒビターまたは1種以上のナイアシン薬のいずれかを含む、多数のビンまたは小包を含んでもよい。他の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬は、単一の分割されていない容器に入れてもよい。
【0068】
特定の実施態様において、CVDを治療するため、TGレベルを減少させるため、HDLレベルを増加させるため、およびHDL/LDL比を増加させるための医薬の調製または製造における1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬の使用を提供する。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、多形、共結晶もしくはプロドラッグを含み、これらの実施態様の特定のものにおいて、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステル、アシルオキシアルキルエステルまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルである。特定の実施態様において、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬は、ナイアシン、速放性ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、ERN、ロバスタチンとの併用でのERN、シンバスタチンとの併用でのERN、ラロピプラントとの併用でのERN、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドまたは1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドを含む。
【0069】
本明細書が提供する方法の特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬は、単一の組成物で患者に投与されてもよい。特定の実施態様において、本明細書は、これらの組成物、ならびにこれらの組成物を含むキットおよびこれらの組成物の製造における1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬の使用を提供する。これらの実施態様において、組成物は、1回投与または多回投与で患者に投与されてもよい。組成物が多回投与で投与される実施態様において、組成物は、予め決定された特定の期間にわたって規定の間隔で投与されてもよく、あるいは無期限に、もしくはたとえば、患者が、特定の閾値以下のTGレベル、特定の閾値以上のHDLレベルまたは特定の閾値以上のHDL/LDL比といったような特定の治療基準が達成されるまで投与されてもよい。特定の実施態様において、組成物は、1日1回以上〜毎月1回あるいは数か月毎に1回で投与されてもよい。これらの実施態様の特定のものにおいて、組成物は、1日2回投与されてもよく、特定の他の実施態様において、組成物は、1日1回投与される。
【0070】
1種以上のスタチンが、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬との併用で患者に投与される実施態様において、および1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬が単一の組成物で投与される実施態様において、1種以上のスタチンは、他の化合物とは別々に投与されてもよい。別の態様において、1種以上のスタチンは、sPLA2インヒビター/ナイアシン組成物の一部として投与されてもよい。1種以上のスタチンが、sPLA2インヒビター/ナイアシン組成物とは別々に投与される実施態様において、1種以上のスタチンは、sPLA2インヒビター/ナイアシン組成物と同時または連続的に投与されてもよく、あるいは異なる時点で投与されてもよい。1種以上のスタチンは、sPLA2インヒビター/ナイアシン組成物と比べて多いかまたは少ない頻度で投与されてもよい。特定の実施態様において、1種以上のスタチンは、当業界で公知の標準的投薬計画に基づいて投与されてもよい。
【0071】
本明細書が提供する方法の特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬は、それぞれ別々に、すなわち、2腫以上の別々の組成物で、患者に投与されてもよい。これらの実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬は、同時または連続的に投与されてもよい。さらに、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬は、異なる時点で、そして異なる経路で投与されてもよく、1つの化合物は、もう1つの化合物よりも多いか、または少ない頻度で投与されてもよい。特定の実施態様において、それぞれの化合物は、1日1回以上〜毎週1回、毎月1回、あるいは数か月毎に1回の範囲で投与されてもよい。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、1日2回投与されてもよく、他の実施態様において、sPLA2インヒビターは、1日1回投与されてもよい。特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬は、当業界で公知のそのような薬物のための標準的投薬計画に基づいて投与されてもよい。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび/または1種以上のナイアシン薬は、1回投与または多回投与で患者に投与されてもよい。化合物が多回投与で投与される実施態様において、組成物は、予め決定された特定の期間にわたって規定の間隔で投与されてもよく、あるいは無期限に、もしくはたとえば、患者が、特定の閾値以下のTGレベル、特定の閾値以上のHDLレベルまたは特定の閾値以上のHDL/LDL比といったような特定の治療基準が達成されるまで投与されてもよい。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬の投与は、同時に開始されてもよい。他の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬の投与は、異なる時点で開始されてもよい。
【0072】
1種以上のスタチンが、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬との併用で患者に投与される実施態様において、1種以上のスタチンは、他の化合物とは別々に投与されてもよい。これらの実施態様の特定のものにおいて、1種以上のスタチンは、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬の両方とは別の組成物で投与されてもよい。他の実施態様において、1種以上のスタチンは、1種以上のsPLA2インヒビターまたは1種以上のナイアシン薬のいずれかと同じ組成物で投与されてもよい。これらの実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビター、1種以上のナイアシン薬および1種以上のスタチンは、同時または連続的に投与されてもよく、あるいは異なる時点で投与されてもよい。さらに、1種以上の他の化合物と比べて多いかまたは少ない頻度で投与されてもよい。特定の実施態様において、1種以上のスタチンは、当業界で公知の標準的投薬計画に基づいて投与されてもよい。
【0073】
1種以上のsPLA2インヒビター、1種以上のナイアシン薬および/または1種以上のスタチンを含む医薬組成物は、経口、エアロゾル、腸内、経鼻、点眼、非経口または経皮(たとえば、局所用クリーム剤、ゲル剤、ローション剤または軟膏、パッチ)などの当業界で公知のいずれの投与経路によって投与されてもよいが、これらに限定されるものではない。「非経口」は、一般に、眼窩下、点滴、動脈内、関節内、心腔内、皮内、筋肉内、腹腔内、肺内、髄腔内、大槽内、髄腔内、子宮内、静脈内、くも膜下、被膜下、皮下、経粘膜または経気管などの注入に関連する投与の経路を意味する。非経口投与は、などのさまざまな経路によって達成されてもよい。本明細書に記載の1種以上のsPLA2インヒビター、1種以上のナイアシン薬および/または1種以上のスタチンは、たとえば、固体、溶液、懸濁液、乳液、分散液、ミセルまたはリポソームなどのいずれの医薬的に許容しうる形態で投与されてもよい。注入用製剤として、注射用滅菌溶液、皮下注射用錠剤(hypodermic tablets)を含む、使用直前に溶媒と合わせることができる凍結乾燥粉末、注射用滅菌懸濁液、使用直前にビヒクルと合わせることができる滅菌乾燥不溶性製品および滅菌乳液などの滅菌乾燥可溶性製品が挙げられる。溶液は、水性または非水性であってよい。特定の実施態様において、組成物は、1種以上の医薬的に許容しうる担体を含んでもよく、あるいは1種以上の医薬的に許容しうる担体とともに投与されてもよい。
【0074】
特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビター、1種以上のナイアシン薬および/または1種以上のスタチンを含む医薬組成物は、投与の容易さおよび用量の均一性のために投与単位に成形されてもよい。これらの実施態様の特定のものにおいて、投与単位は、錠剤、丸剤またはカプセル剤などの経口投与単位であってもよい。これらの経口投与単位は、有効成分(たとえば、1種以上のsPLA2インヒビター、1種以上のナイアシン薬)および1種以上の医薬的に許容しうる担体を含んでもよい。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビター、1種以上のナイアシン薬および/または1種以上のスタチンを含む医薬組成物は、たとえば、持続放出経口投与単位などの持続放出デリバリービヒクルを介して投与されてもよい。本明細書で用いる「持続放出」ビヒクルは、投与直後よりはむしろ、投与後のある時点で、あるいは投与後の期間にわたって、有効成分(たとえば、1種以上のsPLA2インヒビター、1種以上のナイアシン薬、1種以上のsPLA2インヒビター+1種以上のナイアシン薬)を放出するデリバリービヒクルのいずれをも意味する。持続放出は、投与後の規定の時間枠にわたって溶解するビヒクル上のコーティングによって得られてもよい。特定の実施態様において、持続放出ビヒクルは、各層のコーティングが、溶解するにつれて一定の量の有効成分を放出するように、多層の有効成分と交互に存在する多層のコーティングを含んでもよい。他の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビター、1種以上のナイアシン薬および/または1種以上のスタチンは、速放性デリバリービヒクルを介して投与されてもよい。
【0075】
治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビター、1種以上のナイアシン薬または1種以上のスタチンは、各化合物に対して個々に決定されてもよい。たとえば、ナイアシン薬は、TGレベルを減少させるため、および/または、HDLレベルを増加させるための当業界で公知の用量で、投与されるか、または医薬組成物に包含されてもよい。当業者であれば、単一の組成物中に1種以上のナイアシン薬が1種以上のsPLA2インヒビターと併用される実施態様において、治療有効量を構成するナイアシン薬の量が、たとえば、ナイアシン薬と1種以上のsPLA2インヒビターとの間の相互作用によって、単独で投与される場合の治療有効量を構成するナイアシン薬の量とは異なってもよいことを認識するであろう。たとえば、併用療法で用いるためのナイアシン薬の有効用量は、単独で投与される場合のナイアシン薬の有効用量よりも低くてもよい。同様に、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターは、ナイアシン薬との併用で投与される場合、1種以上のsPLA2インヒビター単独で投与される場合よりも低くてもよい。これらの状況において、当業者は、当業界で公知の方法を用いて、併用のための治療有効量を容易に決定することができるであろう。当業者は、療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターは、組成物、方法およびキットによって変わりうることを認識するであろう。特定の実施態様において、1種以上のナイアシン薬との併用で用いるための1種以上のsPLA2インヒビターの治療有効量は、約25〜約5,000 mg/投与であり、これらの実施態様の特定のものにおいて、治療有効量は、約50〜約500 mg/投与であってもよい。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターとの併用で用いるための1種以上のナイアシン薬の治療有効量は、約500〜約3,000 mg/投与であり、これらの実施態様の特定のものにおいて、治療有効量は、約1,000〜約2,000 mg/投与である。
【0076】
本発明をより詳しく説明するために以下の実施例を提供するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。特定の材料が言及される範囲において、それは単に説明を目的とするものであり、本発明を限定することを意図するものではない。当業者であれば、発明的限界を行使することなく、そして、本発明の範囲から逸脱することなく、等価の手段または反応物を開発することができる。当然のことながら、本明細書に記載する手順において、本発明の範囲内にありながら、多くの変化を作成することができる。このような変化が本発明の範囲内に包含されることが、本発明者らの意図である。
実施例
【実施例1】
【0077】
安定したCADを有するヒト患者のTGおよびHDLレベルにおけるA-002およびナイアシンの併用効果
すでに開示したとおり、100 mg、200 mg、250 mg、500 mgまたは1000 mgの1日総用量での、安定したCADを有する361人のヒト患者へのA-002の1日1回または2回の経口投与は、試験したすべての用量において、血清LDL、LDL粒子、小LDL粒子、酸化LDL、総コレステロール、ApoB、TG、sPLA2、CRPおよびIL-6レベルの減少をもたらした。LDLレベルの減少は、ITT集団のみならず、72.0 mg/dl以上のベースラインLDLレベルを有する亜集団、糖尿病を有する亜集団ならびに臨床試験中にスタチン、エゼチミブおよびCVDの治療に用いられる他の化合物投与をされている亜集団においても観察された。重要なことには、スタチンまたはエゼチミブとの併用でのA-002の投与は、予期された相加的減少より大きいLDLおよび小LDL粒子レベルの減少をもたらしたが、このことは、A-002は、1種以上のスタチンおよび/またはエゼチミブとの併用で投与される場合、LDLおよびLDL粒子レベルを相乗的に低下させるということを示している。
【0078】
上記研究からのデータをさらに検査して、A-002とさまざまなナイアイシン薬の共投与が、脂質レベルにおいて同様の相乗的効果を有するかどうかを決定した。上記1日1回および1日2回のA-002研究からの46人の患者を、試験期間前および期間中にナイアシン薬を投与されていると認定した。これらの46人の患者のうち45人は、試験期間前および期間中に1種以上のスタチンも投与されていた。ナイアシン薬は、ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、ERN(ナイアスパン(登録商標))、ナイアスパン(登録商標)との併用でのロバスタチン(アドビコール(登録商標))および/またはナイアスパン(登録商標)との併用でのシンバスタチン(シムコール(登録商標))を包含した。46人のナイアシン患者のうち、12人はA-002ではなくてプラセボを併用投与され(すなわち、ナイアシン薬のみ)、4人は毎日100 mgのA-002を投与され、5人は毎日200 mgのA-002を投与され、5人は毎日250 mgのA-002を投与され、13人は毎日500 mgのA-002を投与され、7人は毎日1000 mgのA-002を投与された。さらに、ナイアシンなしでいずれかの用量でA-002を投与されていた先の研究から327人の患者を認定し、どちらの薬物も投与されていない103人の患者を認定した。
【0079】
ナイアシン薬を投与されている各患者について、第8週におけるベースラインHDLおよびTGレベルからの変化を決定し、患者特有のベースラインからのパーセント変化を計算する共分散分析(ANCOVA)モデルを用いてこれらのレベルの増加または減少のパーセントを決定した。ナイアシン薬を投与されている患者は、臨床試験の開始前にナイアシン薬を投与されており、したがって、HDLおよびTGレベルにおけるナイアシン薬の効果に関してすでに定常状態に達していたので、該患者が、HDLレベルの増加またはTGレベルの減少を示すことは予期されなかった。
【0080】
プラセボのみ、A-002のみ、またはナイアシン薬のみを投与されている患者は、8週間後、ベースラインに対してHDLレベルの減少を示した。一方、A-002との併用でナイアシン薬を投与されている患者は、平均HDLレベルにおいて、ベースラインに対して、3.1%の増加を示し、プラセボに対して、5.4%の増加を示した。
HDLの結果を第1表にまとめる。
【0081】
第1表:ベースラインHDLレベルにおける変化
【表1】

【0082】
A-002単独の投与は、ベースラインに対して、2.0%のHDLの減少およびプラセボに対して、0.3%のHDLの増加をもたらし、ナイアシン薬単独の投与は、ベースラインに対して、6.2%のHDLの減少およびプラセボに対して、3.9%のHDLの減少をもたらした。もしA-002およびナイアシン薬が、HDLレベルにおいて単純な相加的効果をもっているならば、A-002とナイアシン薬との併用投与は、ベースラインに対して、8.2%(-2.0%+-6.2%)のHDLレベルの減少およびプラセボに対して、3.6%(0.3%+-3.9%)のHDLレベルの減少が期待されることになる。しかしながら、A-002およびナイアシン薬の併用効果は、代わりに、ベースラインに対して、3.1%のHDLレベルの増加およびプラセボに対して、5.4%のHDLレベルの増加であり、このことは、A-002およびナイアシン薬が、相乗的にHDLレベルを予想外に増加させることを示す。
【0083】
プラセボのみ、A-002のみ、またはナイアシン薬のみを投与されている患者は、8週間後、ベースラインに対して、平均TGレベルの増加を示した。一方、A-002との併用でナイアシン薬を投与されている患者は、ベースラインに対して、8.1%の平均TGレベルの減少およびプラセボに対して、14.4%の減少を示した。TGの結果を第2表にまとめる。
【0084】
第2表:ベースラインTGレベルにおける変化
【表2】

【0085】
A-002単独の投与は、ベースラインに対して、3.7%のTGの増加およびプラセボに対して、2.6%のTGの減少をもたらし、ナイアシン薬単独の投与は、ベースラインに対して、9.7%のTGの増加およびプラセボに対して、3.4%のTGの増加をもたらした。もしA-002およびナイアシン薬が、単純な相加的に機能するならば、A-002とナイアシン薬との併用投与は、ベースラインに対して、13.4%(3.7%+9.7%)のTGレベルの増加およびプラセボに対して、0.8%(-2.6%+3.4%)のTGレベルの増加が期待されることになる。しかしながら、
A-002およびナイアシン薬の併用効果は、代わりに、ベースラインに対して、8.1%のTGレベルの減少およびプラセボに対して、14.4%のTGレベルの減少であり、このことは、A-002およびナイアシン薬が、相乗的にTGレベルを予想外に減少させることを示す。
【実施例2】
【0086】
A-002/ナイアシン製剤
A-002および/または1種以上のナイアシン薬を含む固定用量錠剤は、当業界で公知の方法を用いて製造することができる。
【0087】
過去の研究は、A-002を、第3表に記載の成分を含む錠剤に製剤することの実現可能性を確立している。当業者は、付加成分をこの製剤に加えてもよいことを認識するであろう。たとえば、溶解および溶解度を増強するために、炭酸カルシウムなどの化合物を該錠剤に加えてもよい。同様に、当業者は、この製剤が、ジェネリックA-002製剤の一例にすぎないこと、および列挙された製剤に含まれる成分の種類および重量を、過度の実験を行うことなく変えうることを認識するであろう。
【0088】
第3表:ジェネリックA-002製剤
【表3】

【0089】
A-002および1種以上のナイアシン薬を含む複合薬は、第3表に記載したような製剤に1種以上のナイアシン薬を配合することによって製剤することができる。ナイアシン薬は、慣例的に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、ステアリン酸、ポリビニルピロリドンおよびポリエチレングリコールなどの不活性成分と組み合わせた固定用量のナイアシンを含む徐放性錠剤として製剤される。したがって、複合A-002/ナイアシン製剤は、第3表に記載の成分の代わりに、あるいは該成分に加えて、これらの不活性成分の1種以上を含むことができる。
【0090】
A-002およびナイアシンは、錠剤、カプセル剤、埋め込み可能なウエハーもしくはディスクまたは活性成分が即時に放出される他の剤形に製剤されてもよく、あるいは、通例利用可能な賦形剤および技術を用いて持続性または遅延放出用に製剤されてもよい。徐放性製剤は、崩壊可能なコーティングをした複数の粒子またはビーズを含んでもよく、ここで、1種以上の活性成分は、各粒子またはビーズに配合されるか、またはその表面に分配される。活性成分が投与後の異なる時点で放出されるように、単一の製剤がさまざまなコーティング厚さの粒子またはビーズを含んでもよい。このような製剤は、長期間にわたって、活性成分の実質的に一定な血中レベルをもたらすことができる。あるいは、これらの製剤は、活性成分が周期的に放出されるパルス状の血漿プロフィールをもたらす。有効成分含量は、ナイアシンについて、500-1000 mgおよびA-002について、250-500 mgの範囲であるべきである。
【0091】
三剤併用薬は、A-002、1種以上のナイアシン薬およびアトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンまたはシンバスタチンなどの1種以上のスタチンを含むように製剤することができる。固形経口投与剤形へのスタチンの製剤化のために慣例的に用いられる通例利用可能な賦形剤を、これらの製剤に配合することができる。
【0092】
上記で述べたように、上述したものは、本発明の様々な実施態様を説明することを意図するにすぎない。上記で議論した特定の変更は、本発明の範囲を制限するものであるとみなすべきではない。当業者には当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な等価物、変更および修正が可能であり、そのような等価の実施態様が、本発明に包含されることが理解されよう。
【0093】
参考文献
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2. Benyo et al. 2005. J Clin Invest 115:3634。
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8. Pike et al. 2005. J Clin Invest 115-3400。
9. Richman et al. 2007. J Biol Chem 282:18028。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のナイアシン薬を投与することを含む、それを必要とする患者のHDLレベルを増加させる方法。
【請求項2】
1種以上のsPLA2インヒビターが、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうるプロドラッグ、塩、多形もしくは共結晶を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プロドラッグが、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグおよびアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグから選ばれる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
C1-C6アルキルエステルが、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステルである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ナイアシン薬が、ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、即放性ナイアシン、徐放性ナイアシン、ロバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、シンバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、ラロピプラントとの併用での徐放性ナイアシン、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドおよび1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドから選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
治療有効量の1種以上のスタチンを投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のナイアシン薬を投与することを含む、それを必要とする患者のTGレベルを減少させる方法。
【請求項8】
1種以上のsPLA2インヒビターが、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうるプロドラッグ、塩、多形もしくは共結晶を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
プロドラッグが、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグおよびアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグから選ばれる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
C1-C6アルキルエステルが、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステルである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ナイアシン薬が、ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、即放性ナイアシン、徐放性ナイアシン、ロバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、シンバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、ラロピプラントとの併用での徐放性ナイアシン、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドおよび1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドから選ばれる、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
治療有効量の1種以上のスタチンを投与することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のナイアシン薬を投与することを含む、それを必要とする患者のHDL/LDL比を増加させる方法。
【請求項14】
1種以上のsPLA2インヒビターが、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうるプロドラッグ、塩、多形もしくは共結晶を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
プロドラッグが、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグおよびアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグから選ばれる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
C1-C6アルキルエステルが、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステルである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ナイアシン薬が、ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、即放性ナイアシン、徐放性ナイアシン、ロバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、シンバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、ラロピプラントとの併用での徐放性ナイアシン、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドおよび1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドから選ばれる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
治療有効量の1種以上のスタチンを投与することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のナイアシン薬を投与することを含む、それを必要とする患者の心血管疾患または心血管疾患に関連する病気を治療する方法。
【請求項20】
1種以上のsPLA2インヒビターが、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうるプロドラッグ、塩、多形もしくは共結晶を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
プロドラッグが、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグおよびアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグから選ばれる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
C1-C6アルキルエステルが、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステルである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ナイアシン薬が、ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、即放性ナイアシン、徐放性ナイアシン、ロバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、シンバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、ラロピプラントとの併用での徐放性ナイアシン、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドおよび1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドから選ばれる、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
治療有効量の1種以上のスタチンを投与することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
心血管疾患が、冠動脈疾患および冠動脈性心疾患から選ばれる、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬を含む組成物。
【請求項27】
1種以上のsPLA2インヒビターが、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうるプロドラッグ、塩、多形もしくは共結晶を含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
プロドラッグが、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグおよびアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグから選ばれる、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
C1-C6アルキルエステルプロドラッグが、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステルである、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
ナイアシン薬が、ナイアシン、ニコチン酸、アシピモックス、即放性ナイアシン、徐放性ナイアシン、ロバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、シンバスタチンとの併用での徐放性ナイアシン、ラロピプラントとの併用での徐放性ナイアシン、ニコチン酸キサンチノール、1-メチルニコチンアミドおよび1-メチル-N'-ヒドロキシメチルニコチンアミドから選ばれる、請求項26に記載の組成物。
【請求項31】
治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを投与することを含む、それを必要とする患者のナイアシン薬投与の有効性を増加させる方法。
【請求項32】
1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のナイアシン薬を含むキット。

【公表番号】特表2012−514652(P2012−514652A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545466(P2011−545466)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/020525
【国際公開番号】WO2010/081022
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(509305136)アンセラ・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】ANTHERA PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】