応力解放スロットを有する血管プロテーゼ
血管プロテーゼは、収縮および拡張状態となることが可能な略管状本体を備え、拡張状態において、軸方向長および円周方向寸法を有する。本体は、第1の長さを有する一連の円周方向要素を含む。第1および第2のコネクタは、コネクタの長さを有し、交互する隣接する円周方向要素の端部を結合する。第1の長さと、そこに結合されたコネクタの長さとの合計は、総円周方向の長さに等しい。各コネクタの長さは、総円周方向の長さの2.5%〜25%である。隣接する円周方向要素およびそこから延在するコネクタは、総円周方向の長さの50%超95%未満の解放スロットの長さを有する、応力解放スロットによって分離される。応力解放スロットは、解放スロットの長さの大部分にわたって、狭小幅部分を有し、狭小幅部分は、約3mm未満の側方寸法を有する。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
今日、動脈瘤、狭窄、および他の血管疾患の治療において使用するための広範囲に及ぶ血管内プロテーゼが、市場に存在する。バルーン拡張式および自己拡張式ステントは、例えば、血管形成術後、狭窄した血管の開存性を復元するために周知であって、コイルおよびステントの使用は、動脈瘤を治療するための周知の技法である。
【0002】
既知の自己拡張式ステントは、概して、外側シースまたはリリースワイヤを使用して、収縮送達構成に保持され、次いで、シースまたはリリースワイヤが後退されると、自己拡張する。スロット付きチューブステント設計は、典型的には、展開されると、十分な強度を得るために、折重細胞パターンにおいて、比較的に厚い支柱を有する。別個の高価なマーカバンドがない場合、スロット付きチューブステントはまた、ステントが、X線撮像下、放射線不透過性であるように厚い支柱を要求する。故に、そのようなステントは、デバイス外形がより重要となる、大脳の血管および冠動脈等のより小さい血管において使用するためには、好適ではない場合がある。厚い支柱はまた、動脈内の血流の混乱した局所乱流を生じさせることが知られており、これは、再狭窄を含む、負の細胞応答をもたらす。螺旋パターンに作製された代替ステントは、放射線不透過性のために、薄い支柱と、高表面積密度とを有し、所望の強度を有し得るが、巻かれた状態における重複によって、所望より大きい外形を有し得る。全体的送達外形を最小限にし、送達の柔軟性、強度、および放射線不透過性を最適化する、薄い支柱ステント設計を有することが望ましい。
【0003】
ステントはまた、限られた血管面積被覆率による課題に直面し、足場不良およびその後の再狭窄をもたらす。限られた血管被覆率はまた、動脈瘤の治療における現在のステントの使用を妨害する。被覆されたステントグラフトが使用され得るが、多くの場合、側枝または分岐を伴う血管の周囲における使用は制限される。
【0004】
さらに、スロット付きチューブステントは、浅大腿動脈(SFA)等の困難な生体力学を伴う血管系における、生体内性能不良に悩まされている。SFAの治療において使用される場合に、ステントは、不十分な半径方向力を有し、開存性不良および再狭窄をもたらし得る。加えて、SFAにおけるステントの反復的な側方の負荷および除荷は、疲労誘発性支柱故障を生じさせ、再狭窄ならびにその後の血管狭小および/または閉塞に影響し得ることが知られている。したがって、ステントは、高半径方向強度を提供する一方、また、適度な可撓性を提供するように構成されることが所望される。しかしながら、さらなる半径方向強度を提供することは、概して、ステントの可撓性の低減をもたらしている。
【0005】
所与の力に対する変位応答を測定、または弾性率を決定する等の種々の技法が、ステントのそれらの属性を特徴付けるために利用され得る。例えば、半径方向強度は、ステントを所与の距離だけ半径方向に圧縮するために必要とされる力の量を決定し、剛性を決定することによって、特徴付けられ得る(本明細書では、「Krad」と称される)。代替として、半径方向強度は、ステントを所与の距離だけ圧縮するために、対向するプレートによって線形に加えられる力の量を測定し、剛性を決定することによって、特徴付けられ得る(本明細書では、「Kfp」と称される)。ステントの可撓性は、軸方向伸張の所与の長さを生じさせるために必要とされる力の量を測定し、剛性を決定することによって、特徴付けられ得る(本明細書では、「Kax」と称される)。代替として、可撓性は、ステントの遊離端に加えられる側方力に応答する、ステントの側方たわみを測定し、剛性を決定することによって、特徴付けられ得る(本明細書では、「Klat」と称される)。
【0006】
半径方向強度対可撓性の剛性特徴付けの比率は、異なる構造を有するステントの比較を提供するために使用され得る。例えば、現在市販のステントの選択された試料は、直径約0.236インチ、長さ0.906インチ、および壁厚0.008インチを有する、試験試料に基づいて、概して、5−10の範囲内のKrad/Kax比、148−184の範囲内のKrad/Klat比、1−6の範囲内のKfp/Kax比、および40−113の範囲内のKfp/Klat比を保有することが分かっている。半径方向強度と可撓性のより最適な組み合わせが提供されるように、より高い比率を提供する構造を有することが望ましいであろう。
【0007】
Wijayの特許文献1は、複数の帯から構成されるステントを説明しており、そこでは、各帯は、閉鎖された略長方形形状に形成された中実ワイヤ状材料から成る。各帯は、隣接する帯から円周方向にオフセットされ、隣接する帯は、1つ以上の支材部材によって接続される。本ステントは、いくつかの欠点を有する。長方形セル設計は、細胞が可撓性ではないため、縦方向負荷をもたらさない。したがって、縦方向負荷下、頂部が平面から外れ、血管内に(すなわち、血流に)付勢されるであろう。第2に、ステントは、剛体セルのため、反復負荷および除荷によって壊れやすくなり得る。
【0008】
ステントを介入手技において利用する場合に、ステントの表面上の塗膜を介して、血管壁に治療薬を送達することが有利となり得る。薬物溶出ステントは、再狭窄率を低減させることにおいて、多くの利点を有する。典型的には、薬物は、ステントの支柱上のポリマー塗膜のマトリクス内に配置され、次いで、周囲組織中に徐々に放出される。薬物の均一送達は、典型的には、ステントの全体的表面積または被覆率および支柱間の近接性によって限定される。
【0009】
従来のスロット付きチューブステント設計では、治療直径に展開されると、支柱間の大きな空隙と低表面被覆率とが、折畳状態からの拡張の結果として生じ、典型的には、25%以下の金属被覆率をもたらす。したがって、ステント支柱からの薬物送達は、ステントの低表面被覆率によって、限定される。
【0010】
螺旋状メッシュリボンステント設計は、足場、表面積被覆率、および半径方向剛性に対して、スロット付きチューブステント設計に勝るある効果を提供する。しかしながら、そのようなステント設計はまた、限界に直面する。第1に、いくつかの螺旋状メッシュリボンステント設計は、送達システム内に保持されると、多重巻き層の結果として、デバイス外形に関する課題に直面する。巻かれた状態に重複されない螺旋式ステントを有することは、外形を縮小するが、展開に応じて、実質的にステントが短縮する実質的長さ変化をもたらす。したがって、層の数を減少することによって、より小さい外形のステントを設計することが有利であり、送達用に巻かれたステントをもたらす。
【0011】
加えて、外側シース後退機構を使用したステントの展開中、螺旋状メッシュリボン設計は、巻かれたステントの軸方向崩壊をうけやすい。薄いステント壁厚を伴う設計は、互の上を滑動する、軸方向に隣接する層をもたらし得る。拘束された状態では、ステントが、展開中に、外側シースによって加えられる負荷に耐えるための軸方向圧縮剛性を有することが重要である。また、層が、ステント展開中に、良好に整列されたままであることも重要である。適切な層−層整列は、層が平面から外れ、結果として生じる展開メカニクスまたは高展開力に対する混乱に抵抗するのを支援する。
【0012】
螺旋状メッシュリボン設計の別の課題は、ステントが血管壁に完全に並置された状態で、正常なステント展開を達成することである。展開の一機構は、本螺旋ステントの場合、送達システムを回転させることによって、またステントを自由に開放させることによってのいずれかによって、カテーテル内側の拘束された状態から巻きを解くことである。巻き戻し順序は、血管狭小または層の捕捉によって妨げられ、ステント狭小をもたらし、後続ステントバルーン膨張を妨害し得る。螺旋巻きを正常に膨らませるために、螺旋区画を巻き戻し、ステントに沿って、遠位または近位のいずれかに、材料を転置することが必要である。これは、これらの領域におけるステント並置の妨げにつながる、または永久並置を生成することに失敗する可能性がある。巻き戻しの必要がより少なく、膨れの影響を吸収するための対抗巻きを伴う、ステントを創出することが望ましい。
【0013】
螺旋状メッシュリボン設計の展開はまた、展開力に関する課題に直面し得る。自己拡張ステント展開のための従来のシース退避機構を使用すると、拘束されたステントの多重層の外向き作用力は、特に、滅菌または保存時間関連クリープ後、外側シース内側に埋入効果をもたらし得る。したがって、カテーテルシース内に拘束された場合のステントの外向き作用力を低下させるためのステント設計特徴と、シース内へのステント埋入を最小限にする設計要素とを組み込むことが有益となるであろう。
【0014】
カテーテル内側のメッシュリボン設計の加工は、別の課題を課す。メッシュリボン設計は、典型的には、デバイスの外形を直径方向に縮小するために巻かれる必要があり、したがって、従来の圧着プロセスを組み込むことを困難にする。したがって、小外形カテーテル内側にプロテーゼを加工する能力を促進する、特徴を設計内に統合することが望ましい。
【0015】
いくつかの螺旋状メッシュリボンステント設計の可撓性も不十分である。一実施例では、Phanらの特許文献2は、拡張可能ストリップ状区分から形成される、ステントを説明している。ストリップ状区分は、オフセット側領域に沿った梯子状に、側方領域に沿って結合される。そのようなステントの欠点は、隣接する区分間の接合が、縦方向負荷に対処する手段を具備しないことである。別の実施例、Boatmanらの特許文献3では、螺旋ステント設計は、全長に沿って頑丈な骨格を有し、ステントの伸長または短縮を妨害する。両方の場合、高軸方向剛性の結果、ステントは、支柱の壊れをうけやすくなる。
【0016】
既知のデバイスの欠点に照らして、薄い支柱、最適送達可撓性および外形、後のステントバルーン膨張が可能な強靭な開放動態、高半径方向剛性対可撓性比、縦方向可撓性、良好な放射線不透過性、ならびに薬物送達および足場の両方のための広い表面積を伴う一方、側枝血管への血流をもたらす、埋込式血管プロテーゼを提供することが望ましいであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第5,707,387号明細書
【特許文献2】米国特許第5,603,722号明細書
【特許文献3】米国特許第5,632,771号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
血管プロテーゼは、軸を規定する略管状本体を備える。本体は、収縮および拡張状態になることが可能であって、拡張状態において、軸方向長および円周方向寸法を有する。本体は、一連の円周方向要素と、第1および第2のコネクタとを含む。円周方向要素は、少なくとも第1、第2、第3、および第4の円周方向要素を含む。各円周方向要素は、第1および第2の端部を有する。第1および第2の端部は、円周方向に離間される。各円周方向要素は、第1と第2の端部との間に、円周方向に延在する第1の長さを有する。第1および第2のコネクタは、第1のコネクタが、第1および第2の円周方向要素の第1の端部と、第3および第4の円周方向要素の第1の端部とを結合するように、交互する隣接する円周方向要素の端部を結合する。第2のコネクタは、第2および第3の円周方向要素の第2の端部を結合し、それによって、円周方向要素およびコネクタの略蛇行パターンを生成する。第1および第2のコネクタは、円周方向に延在する第1のコネクタ長および第2のコネクタ長を有する。第1の長さと、そこに結合される第1および第2のコネクタ長との合計は、総円周方向長に等しい。各コネクタ長は、軸方向可撓性が、展開動態を犠牲にすることなく、本体に対して提供されるように、総円周方向長の2.5%〜25%である。第2の円周方向要素と第3の円周方向要素、および、第2の円周方向要素の第1の端部における第1のコネクタと第3の円周方向要素の第1の端部における第1のコネクタは、応力解放スロットによって分離される。各応力解放スロットは、総円周方向長の50%超乃至95%未満の円周方向に延在する解放スロット長を有する。応力解放スロットは、解放スロット長の大部分にわたって、狭小幅部分を有する、狭小幅部分は、約3mm未満の側方寸法を有する。いくつかの実施例では、円周方向要素およびコネクタは、略長方形である。いくつかの実施例では、狭小幅部分は、1mm未満の側方寸法を有する。いくつかの実施例では、狭小幅部分は、解放スロットの略全長にわたって延在する。
【0019】
本発明の他の特徴、側面、および利点は、図面、発明を実施するための形態、および続く請求項の検証から理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、重複縁を伴う、展開された拡張状態における、本発明に従って作製された血管プロテーゼの全体図である。
【図1A】図1Aは、図1のプロテーゼの簡略断面図である。
【図2】図2は、図1のプロテーゼの側面図である。
【図3】図3は、図1のプロテーゼの一部と、図1および2に図示されない、開口部のパターンを例証する、平坦化され広げられた状態との拡大図である。
【図4】図4および5は、図1のプロテーゼの他の実施例を例証し、プロテーゼの種々の部分を規定するために使用される。
【図5】図4および5は、図1のプロテーゼの他の実施例を例証し、プロテーゼの種々の部分を規定するために使用される。
【図6】図6は、円周方向要素が、その幅より高く、コネクタより高い、プロテーゼの実施例を例証する。
【図7】図7および8は、プロテーゼの異なる部分に沿った、孔のパターンにおける変形例を例証する。
【図8】図7および8は、プロテーゼの異なる部分に沿った、孔のパターンにおける変形例を例証する。
【図9】図9は、円周方向要素が、高さおよび幅が略等しく、プロテーゼ可撓性を改善するために、円周方向要素内に位置する、任意のスロットを伴う、プロテーゼの実施例を例証する。
【図10】図10は、円周方向要素が、幅より約5倍高い、プロテーゼの実施例を例証する。
【図11】図11は、円周方向要素の幅が、プロテーゼの長さに沿って変動する、プロテーゼの実施例を例証する。
【図12】図12は、応力解放スロットが、プロテーゼの総円周方向長と略同じ長さである、プロテーゼの実施例を例証する
【図13】図13は、応力解放スロットの長さが、総円周方向長の半分をわずかに越え、それによって、短い円周方向要素を生成する、プロテーゼの実施例を例証する。
【図14】図14は、応力解放スロットの長さが、プロテーゼの長さに沿って変化する、プロテーゼの実施例を例証する
【図15】図15は、その閉鎖端部における鍵穴形状特徴を例証する、応力解放スロットの拡大図である。
【図16】図16は、円周方向要素の高さが、プロテーゼの長さに沿って変化する、プロテーゼの実施例を例証する
【図17】図17は、コネクタおよび円周方向要素の高さが、プロテーゼの長さに沿って突然変化する、プロテーゼの実施例を例証する
【図18】図18は、コネクタおよび円周方向要素の高さが、2つの独立プロテーゼ部分に突然分岐する、プロテーゼの実施例を例証する
【図19】図19は、円周方向要素の縁が、プロテーゼの軸に対して垂直ではないように角度付けられる、プロテーゼの実施例を例証する。
【図20】図20は、円周方向要素の縁が、プロテーゼの軸に対して垂直である一方、コネクタによって生成される縦方向縁が、プロテーゼの軸に対して垂直ではないような角度にある、プロテーゼの実施例を例証する。
【図21】図21は、円周方向要素の高さが、プロテーゼの長さに沿って変化し、縦方向縁に対して段階的にパターンを生成する、プロテーゼの実施例を例証する
【図22】図22は、コネクタが、略三角形形状であって、円周方向要素が、非平行部分を有する、プロテーゼの実施例を例証する。
【図23】図23は、開口部が、丸い孔の代わりに、円周方向に延在するスロットである、プロテーゼの実施例を例証する。
【図24】図24は、係合開口部が、一側方縁に沿った小可撓性ループによって提供され、プロテーゼを収縮状態に巻くのを補助する、プロテーゼの実施例を例証する。
【図24A】図24Aは、円周方向要素間の空隙が事前に圧縮された、図24のプロテーゼの実施例を例証しており、本方法は、プロテーゼが送達システム内で巻かれた状態にある間の使用を意図するが、視覚的明確性のために、平坦化された形態で提示される。
【図25】図25は、概略かつ誇張形態において、ファセットがある程度まで相互係止し、したがって、送達シース上のプロテーゼによって付与される半径方向力の量を低減させるように、ヒンジ点がどのように整列され得るかを示す、収縮状態における、プロテーゼの実施例の端面図を例証する。
【図26】図26は、概略かつ誇張形態において、送達シース除去中に、ステント層の接触を最小限にするために、または、相互に、軸方向に安定化する円周方向要素の能力を改善するために、ファセットが相互係止しないように、ヒンジ点がどのように整列しないようにされ得るかを示す、収縮状態における、プロテーゼの実施例の端面図を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の説明は、典型的には、具体的構造実施形態および方法を参照する。本発明を具体的に開示される実施形態および方法に制限する意図はなく、本発明は、他の特徴、要素、方法、および実施形態を使用して、実践され得ることを理解されたい。好ましい実施形態が、本発明を例証するために説明されるが、その範囲を制限するためにではなく、その範囲は、請求項によって定義される。当業者は、以下の説明に基づく種々の同等変形例を認識するであろう。種々の実施形態における同一要素は、一般的に、同一参照番号によって参照される。
【0022】
図1および2は、重複縁を伴う、展開された構成における、血管プロテーゼ10の一実施例を示す。図3は、広げた状態または平坦化状態における、図1および2の血管プロテーゼの一部の拡大図である。図1および2ならびに本願における他の図では、血管プロテーゼ10は、例証を容易にするために、一般的に、一様な構造として例証される。しかしながら、殆どではなくても、多くの場合、開口部11、典型的には、その中に形成される貫通孔、を有する図3に例証されるもの等の構造であり得る。他の実施例を例証する、図4および5は、血管プロテーゼ10の種々の部分を規定するために使用される。血管プロテーゼ10は、略管状本体12を備える。管状本体12は、いくつかの円周方向要素14を含み、各円周方向要素は、第1の端部16および第2の端部18を有する。第1および第2の端部16、18は、円周方向に離間され、円周方向要素14は、第1と第2の端部との間の円周方向に延在し、第1の長さ20(高さ20と称される場合がある)を有する。
【0023】
第1および第2のコネクタ22、24は、交互する隣接する円周方向要素14の第1および第2の端部16、18端を結合する。したがって、第1のコネクタ22は、隣接する円周方向要素14、14aの第1の端部16どうしを結合し、隣接する円周方向要素14b、14cの第1の端部どうしを結合する。また、第2のコネクタ24は、第2の円周方向要素14a、14bの第2の端部18どうしを結合する。本関係は、血管プロテーゼ10に沿って継続し、それによって、血管プロテーゼ10の円周方向要素14およびコネクタ22、24の略蛇行パターンを生成する。したがって、血管プロテーゼ10は、接続要素によって、交互パターンに結合される複数の円周方向ステント要素を備え、プロテーゼは、身体管腔の開存性および/または埋込部位への薬物送達の支持を含むが、それらに限定されない、用途を持って、身体管腔内に埋め込まれる。
【0024】
第1および第2のコネクタ22、24は、典型的には、等しい長さであるが、異なる長さでもあり得る、円周方向に延在するコネクタ長26を有する。長さ20と、第1および第2のコネクタ22、24に対するコネクタ長26との合計は、総円周方向長28を構成する。第2の円周方向要素14aと第3の円周方向要素14b等の隣接する円周方向要素どうし、および、第2の円周方向要素と第3の円周方向要素との第1の端部16における第1のコネクタ22どうしは、応力解放スロット30によって分離される。各応力解放スロット30は、円周方向に延在する解放スロット長32を有する。長さ32は、好ましくは、総円周方向長28の50%超乃至95%未満である。応力解放スロット30は、解放スロット長32の実質的部分、好ましくは、大部分にわたって、狭小幅部分34を有する。長さ32を、総円周方向長28の50%超にすることは、いくつかの従来のステントにおいて見られる骨格の生成を排除するために重要であり、効果的に軸方向可撓性を排除する。長さ32を、総円周方向長28の95%未満にすることは、血管プロテーゼ10に対して適度な強度を保証するために重要である。
【0025】
図1、1A、および2は、展開された状態におけるプロテーゼ10を描写し、コネクタ24、22の先端36における凸面縁56が、対向するコネクタ22、24の凹面縁58に重複している。本重複は、円周方向要素14の縁間に空隙が存在しないことを保証する。いくつかの実施例では、円周方向要素14は、縁56、58が、血管治療領域内に展開された直径において重複しないように、高さ20を有し得ることに留意されたい。代替として、プロテーゼ10の長さに沿って、可変量の重複が存在し得る。重複は、好ましくは、治療領域内の全ての展開された直径において生じるであろう。全ての展開された直径における縁の重複は、全ての展開された直径における強度の均一性の改善、ならびにプロテーゼの破砕強度および半径方向強度の増加を提供する。
【0026】
図6は、図5に示されるものと類似する図であって、円周方向要素14と、長方形形状を有する第1および第2のコネクタ22、24とを伴う、基本外形を有する、血管プロテーゼ10の実施例を例証する。長方形形状円周方向要素は、その拘束された状態において、外側送達シースに接触する表面積を最大限にする。これは、より大きな表面にわたって、外向き作用力を広げ、埋め込まれるためのシース材料に対してコネクタ間の開放空間を最小限にすることによって、展開力を低減させ得る。長方形円周方向要素はまた、円周方向高さの減少をもたらす。プロテーゼ高さの減少は、可能性として考えられるより小さい拘束された直径と、また、拘束された直径から展開された直径へのプロテーゼのより少ない巻き戻しをもたらす。
【0027】
図7は、開口部11に対するサイズ、形状、および空間の選択が、どのように血管プロテーゼ10の表面積に影響を及ぼし得るかを示す。図7では、表面積は、図の底面(底面は円周方向要素の中心に向かう)から、コネクタ24の先端36に向かって増加する。類似変形例は、コネクタ22の先端36に向かって存在し得る。図8は、開口部によって、血管プロテーゼ10の選択された区域に沿って、表面積を修正し、種々の区域における特性を制御する、開口部11を調節する異なる方法を示す。血管プロテーゼ10の機械的特性に影響を及ぼすことに加え、開口部11における変形例は、開口部内に格納される1つ以上の治療薬の量および分布に影響を及ぼすために使用することができる。表面積の変化はまた、選択されたプロテーゼ要素の放射線不透過性のレベルを制御するために使用することができる。
【0028】
図9は、高さ20および幅38が約等しい(比率1:1)、より広い円周方向要素14を有する、血管プロテーゼ10の別の実施形態である。本変形例は、円周方向要素14の数を減少させ、潜在的に、半径方向強度を増加させ、プロテーゼ送達および拡張を容易にする。図9では、円周方向要素14内に位置する、任意のスロット64が、プロテーゼ側方可撓性の改良を提供するために存在する。スロット64は、長さ66を有する。長さ66は、好ましくは、総円周方向長28の50%超乃至95%未満である。
【0029】
図10は、幅(幅38)より有意に高く(高さ20)、高さ対幅の比率約4:1となるように、円周方向要素14が狭小化される、実施形態を描写する。本変形例は、潜在的に、軸方向、捻り、および曲げ可撓性、曲率適合性、ならびに不均一病変表面に並置するためのプロテーゼの能力を増加させる。本実施形態はまた、送達システム内に拘束される場合のプロテーゼの可撓性を増加させ、蛇行性血管にわたる送達可能性を改善する。
【0030】
図11は、円周方向要素14が可変幅38を有する、実施形態を描写し、対応する可変コネクタ間距離40、42を伴う。本変形例は、潜在的に、血管プロテーゼ10の長さに沿って、変動可撓性、変動適合性、および変動半径方向強度を生じさせる。より大きな可撓性および適合性を生じさせる、プロテーゼ端部における、より狭小の円周方向要素14の存在は、天然生体構造からプロテーゼへのコンプライアンス移行区域としての役割を果たす利点を有し得る。加えて、ステント重複の場合、より可撓性かつより脆弱な端部は、「折り曲げられ」、潜在的に、血管の治療される全長に沿って、管腔に対してより均一な機械的支持を生じさせるであろう。
【0031】
図12は、コネクタ22、24が、非常に短く、円周方向要素14が、幅より有意に高くなる(約5:1)ように、応力解放スロット30が延在される実施形態を描写する。本変形例は、プロテーゼ内の屈曲要素を長くすることによって、軸方向、捻り、および曲げの可撓性を増加させる。好ましい実施形態では、円周方向に延在するコネクタ長26は、総円周方向長28の10%超であって、それによって、血管内のデバイスの安定性および並置が提供されるであろう。さらなる実施例では、応力解放スロット30は、図12における垂直軸であるプロテーゼ10の高さ軸に対して、湾曲されるか、または角度付けられ得る。
【0032】
図13は、円周方向要素が極端に短く(高さ20対幅38比率約1:7)、コネクタをプロテーゼの主要要素として残すように(高さ26対幅43比率約5:4)、応力解放スロット30が短縮される実施形態を描写する。本変形例は、より高い半径方向強度を産生し、デバイスの軸方向安定性を改善し得る。軸方向安定性の改善(軸方向可撓性の減少)は、デバイスが移動または軸方向シフトしにくくなり得る。好ましい実施形態では、円周方向に延在するコネクタ長26は、総円周方向長28の50%未満であって、それによって、Boatmanの前述の米国特許第5,632,771号に開示されるような軸方向に延在する骨格の生成を排除し、展開動態を犠牲にすることなく、軸方向可撓性が本体に対して提供されるであろう。
【0033】
図14は、応力解放スロット30の長さ32が、プロテーゼの長さに沿って可変であって、円周方向およびコネクタ要素14、22/24の高さ20、26を効果的に変動させる実施形態を描写する。本変形例は、図11に描写される可変幅設計と同様に、可変可撓性を可能にする。
【0034】
図15に示されるように、応力解放スロット30の他の特徴として、応力解放スロット幅44およびコネクタ22、24に延在する鍵穴形状特徴46を含む。応力解放スロット幅44は、円周方向要素14の距離間隔を決定する。より広い応力解放スロット幅44は、軸方向圧縮中に、円周方向要素重複の危険性を低減させるためのより大きな距離間隔をもたらす。そうすることによって、血管足場および表面積被覆率等の特徴に影響を及ぼし得る。鍵穴形状特徴46は、局在化された応力解放を提供し、隣接するコネクタ22、24内に負荷を分散させる。他の応力解放スロット特徴の場合のように、鍵穴形状設計は、プロテーゼ設計のマクロ構造および意図される治療生体構造の生体力学的負荷のために適切な種々のサイズおよび形状を有し得る。
【0035】
いくつかの実施例では、応力解放スロット30の鍵穴形状特徴46における、湾曲閉鎖端部を囲む領域内の本体12は、強度のために、本体の残りの平均表面積より大きい表面積を有する。鍵穴形状特徴46は、側方寸法を有する。いくつかの実施例では、特徴46に隣接する領域内の本体12は、側方寸法に等しい距離に対して、実質的に孔がなく、それによって、応力集中を低減させ、強度を得る。強度はまた、いくつかの実施例では、鍵穴形状特徴46を含む、狭小幅部分47に隣接する領域内の本体が、少なくとも0.25mmに対して、実質的に孔がないことにより向上される。
【0036】
応力解放スロット30は、好ましくは、解放スロット長の大部分にわたって、狭小幅部分47を有する。狭小幅部分は、約3mm未満(0.120インチ)の幅44である、側方寸法を有する。いくつかの実施例では、幅44は、約0.13mm(0.005インチ)乃至1mm(0.040インチ)である。0.5mm未満(0.020インチ)の幅44は、現在のところ、好ましい。比較的に狭小幅の狭小幅部分47は、円周方向部分14間の空隙を最小限にするのを支援し、それによって、標的部位における組織脱出を低減させ、より良好な組織被覆率をもたらすのを支援する。実施例の多くでは、狭小幅部分47は、図3−5におけるような略一定幅を有する一方、図7および8におけるような他の実施例では、狭小幅部分は、可変幅を有する。可変幅部分47は、例えば、図示されるように、平滑湾曲、または段階状構成、あるいはそれらの組み合わせであり得る。
【0037】
図16は、円周方向要素14の高さ20が、プロテーゼ10の長さに沿って変動する、実施形態を描写する。円周方向要素14の高さ20は、典型的には、その場所における略管状血管プロテーゼ10の直径に関連するため、より短い円周方向要素は、より小さい直径リングにつながる。本変形例は、本実施例では、高端部において約2:1の高さ対幅比率を有し、短端部の約3:4の比率に移行する。本テーパ状直径プロテーゼは、より長い血管にわたって頻繁に生じる、テーパ状管腔内への埋込に適切であり得る。図示されないが、コネクタ長20を変動させ、図16に示されるより長い応力解放スロット長32を維持することによって、可撓性の改善が、達成され得る。
【0038】
図17は、円周方向要素14およびコネクタ要素22、24の高さ20ならびに26が、プロテーゼ10の長さに沿って、ある点において、突然移行する、実施形態を描写する。本実施例の図中の左側である、高側では、プロテーゼ部分の高さ28は、短側のプロテーゼ部分の高さの2倍である。これは、プロテーゼ10が、2つの別個の直径を有することを意味し、分岐するより小さい管腔を伴う管腔内での治療に理想的であり得る。
【0039】
図18は、円周方向要素14およびコネクタ要素22、24の高さ20、26が、また、プロテーゼ部分と呼ばれる場合もある、ステントの2つの独立長に突然分岐する、実施形態を描写する。本実施例では、非分岐プロテーゼ部分では、高さ28は、個々の分岐プロテーゼ部分の2倍である。これらの分岐部分は両方とも、コネクタ要素22、24によって、非分岐部分に接続される。これは、プロテーゼが、複数の個別の直径を有することができることを意味し、2つの分岐プロテーゼ部分が、主要プロテーゼ部分から分岐する。これは、2つの分岐する、より小さい管腔を伴う管腔を治療するために理想的であり得る。本概念は、ステント幾何学形状が許す限りの多くの分岐を伴う血管を含む、2つを上回る分岐を伴う血管に適用されることができる。また、短側の各プロテーゼ部分の高さ28は、互に異なることができる。
【0040】
図19および20は、プロテーゼ10が、長さにわたって、ある角度48に傾斜された、実施形態を描写する。これらの実施例では、6.1°として描写される本角度48は、半径方向強度を犠牲にすることなく、応力解放スロット特徴と共に、縦方向可撓性を提供する。角度は、さらなる縦方向可撓性を提供するように増加され得る。角度の増加はまた、また、展開された構成において、縦方向に配向される重複と関連付けられる円周方向剛性の不連続を制限するであろう。本プロテーゼ10は、図19に描写されるように、プロテーゼの一縦方向縁50に平行な軸に対して巻かれ得る。代替として、プロテーゼ10は、図20に描写されるように、典型的には、縁52に対して垂直に、プロテーゼ10の縦方向縁50に対して角度付けられた軸に対して巻かれ、それによって、円周方向要素を血管の軸に対して垂直に維持し得る。
【0041】
図21は、プロテーゼ10が、ステント長に沿って、ある角度54で段階パターンを生成する、実施形態を描写する。本実施例では、7.5°として描写される、角度54は、展開された構成において、縦方向に配向された重複と関連付けられる、ステント長に沿った円周方向剛性の不連続を制限する。プロテーゼ10は、図21に描写されるように、ステントの一つの段階状縦方向縁50に平行な軸上に巻かれ、それによって、円周方向要素14を血管の軸に対して垂直に維持し得る。代替として、プロテーゼは、縁52に対して垂直等、ステントの縦方向縁に対して角度付けられた軸に対して巻かれ、それによって、血管の軸に対して角度付けられた円周方向要素14を生成し得る。
【0042】
図22は、図3および4に例証される実施例に類似する、血管プロテーゼ10の一実施例の2次元設計の全体を描写しており、円周方向要素14は、長方形ではなく、約1:2の高さ20対幅38比率を伴い、交互コネクタ22、24は、略三角形形状である。本設計は、プロテーゼ10がその最大治療直径にある場合に、潜在的空隙を低減させ、コネクタ22、24の頂部または先端36が、嵌合縁と重複しない。本設計はまた、展開された構成において、縦方向に配向された重複と関連付けられる、円周方向剛性の不連続を制限する。さらに、本設計は、拘束された状態において、外側シース(図示せず)と接触するプロテーゼ10の表面積を減少させ、外側シース材料内への埋入が懸念される場合の展開力を低下させ得る。設計は、この場合、約35%金属被覆率である、プロテーゼの金属面積割合を決定する、円形パターンを示す。より高い金属割合は、潜在的に、より多くの薬物装填容量および放射線不透過性を提供する一方、また、プロテーゼを半径方向に強化する。より低い金属割合は、潜在的に、より優れた分岐かん流、より早期の治癒、およびより大きな可撓性を可能にする。
【0043】
図23は、典型的には、開口部11または孔11と称される、内部特徴11が、プロテーゼの円周方向におけるスロットであって、約60%の金属面積被覆率を提供する、血管プロテーゼ10の設計を描写する。本設計は、効果的に、軸方向にプロテーゼを屈曲するためのヒンジ点を提供する。第1に、これは、埋込後、血管へのプロテーゼのより優れた適合性を提供し得る。第2に、プロテーゼの可撓性は、プロテーゼが巻かれると、向上したネスト化(巻き層間の混成)を介して、送達システム内のプロテーゼのより容易な抑制を可能にし得る。第3に、プロテーゼは、送達システム内で巻かれ、拘束された場合に、より大きな縦方向可撓性を提供し得る。
【0044】
図3は、円周方向要素14が、比率約2:1の、幅(幅38)より高い(高さ20)設計を描写する。交互コネクタ22、24は、略三角形形状であって、コネクタ間距離40が、図22および23と比較して、減少され、かつプロテーゼ高さ28が、図22および23と比較して、減少されている。加えて、開口部11の内部パターンは、約50%の金属面積割合を産生する。短縮されたコネクタ間距離40は、向上した曲率適合性の向上を提供する。プロテーゼ10の短縮された高さ28は、より少ない巻きによってプロテーゼを展開システムにおいて拘束可能にし、潜在的に、展開の中の拡張力および一貫性を改善する。
【0045】
図24は、コネクタ22上の小可撓性ループ60の形態にある係合開口部60が、その拘束された状態に巻く際に、ステントを捕捉する補助をするプロテーゼ10のための設計を描写する。
【0046】
図24Aは、図24からのプロテーゼが、送達システム内へのプロテーゼの装填後、圧縮される方法を描写する。プロテーゼが、送達システム内に初期装填された後、プロテーゼは、軸方向に圧縮され、隣接する円周方向要素14間の空隙を崩す。そのような事前に圧縮された状態では、装填されたプロテーゼは、最終ステント展開中に、最適な層間整列および軸方向剛性を有するであろう。整列および剛性は、特に、高展開力が要求される場合に維持することが重要である。送達シース後退の作用は、円周方向要素の軸方向シフトを生じさせ得るため、送達に先立ったステントの完全軸方向圧縮はさらに、圧縮可変性を除去することによって、ステント長の制御および予測性を改善する。
【0047】
再度、図22に示される血管プロテーゼ10を参照して、ヒンジ点の概念について論じられる。プロテーゼ10が、収縮された送達状態に巻かれた場合、この巻きに対する抵抗は、一定ではない。すなわち、血管プロテーゼ10のある領域は、他の領域より剛性が低い。剛性における変動は、主に、巻かれる材料の量によるものである。材料の量は、典型的には、開口部11のサイズおよび空間ならびに材料の厚さによって影響を受ける。剛性の変動は、ヒンジ点62を生成し、ヒンジ点においてデバイスはより可撓性であり、ヒンジ点は、デバイスの隣接する部分より巻きに対して抵抗性が低い。したがって、巻かれると、断面形状は、完全に平滑ではない。図25は、概略および誇張された形態において、これらのヒンジ点62が、どのように収縮された送達状態に整列され得るファセットを生成するかを例証する。そのような整列は、血管プロテーゼ10の異なる層をある程度まで相互係止させ、したがって、送達シースに付与される半径方向力の量、および結果として生じるシース内への埋入を低減し得る。送達シースに付与される半径方向力の量を低減することは、血管プロテーゼ10が送達シースの内側壁に埋め込まれる量を低減することができ、送達シースから血管プロテーゼ10を除去するために必要とされる力の量を減少させるのを支援し得る。自己拡張式血管プロテーゼ10は、ヒンジ点の代わりに、プロテーゼが送達状態に巻かれると血管プロテーゼの巻き戻しを阻止するように係合し、それによって、プロテーゼによって送達シースの内側壁に付与される力の量を低減させる他の特徴を含み得る。例えば、血管プロテーゼ10は、送達状態に整列された状態になる相補的隆起部分および陥凹を含み得る。また、血管プロテーゼ10は、送達状態にある場合に、血管プロテーゼの重層部分に係合する、半径方向外向きに延在する特徴を有し得る。いずれの場合も、血管プロテーゼ10は、送達シースからの解放に応じて、巻き戻しおよび半径方向に拡張を始め、そのような係合特徴は、解放または係脱し、血管プロテーゼの本質的に自由な拡張を可能にするであろう。
【0048】
図26もまた、概略および誇張された形態において、ヒンジ点62が収縮された送達状態に整列されず、したがって、ステント層の相互係止および接触を最小限にし得るように、血管プロテーゼ10が、どのように構築され得るかを例証する。プロテーゼが、薬物または他の塗膜材料によって塗膜される場合、本構成は、塗膜との接触および接触からの潜在的損傷を制限することができる。また、本構成は、送達シースが除去される場合に、相互に接触し、軸方向に安定化する、円周方向要素の能力を改善することができる(軸方向シフトの可能性を低減させる)。血管プロテーゼ10は、プロテーゼが収縮状態に置かれた場合に、ヒンジ点62が生成されるように、または生成されないように、設計されることができる。ヒンジ点62が所望される場合、ヒンジ点の位置は、例えば、開口部11の位置、サイズ、および形状によって影響を受け得る。
【0049】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、身体管腔に埋め込まれると、低プロファイルを呈する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。低プロファイルは、血流の途絶を防止し、血流再循環および血栓と相関することが知られている悪血行動態条件を回避する。低プロファイルは、好ましくは、プロテーゼの重複領域存在下でも、治療直径に展開された場合に、従来のスロット付きチューブ設計より低プロファイルである、非常に薄い幾何学形状の使用によって達成される。
【0050】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、送達システム内側の拘束された状態において、低プロファイルを呈する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。低プロファイルは、拘束された状態において、最小数の重複を伴う、非常に薄い断面幾何学形状の使用によって達成される。
【0051】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、送達システムにおけるその長さおよびその展開された長さからの最小短縮を呈する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。これは、プロテーゼが、巻き戻し作用に伴って、半径方向に収縮された状態から、より弛緩した、半径方向に拡張された展開された状態に展開することによって達成される。
【0052】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、外傷を生じさせることなく、または実質的に生体構造を改変することなく、身体管腔の自然形状に一致するような十分な可撓性を呈する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。本可撓性もまた、プロテーゼの送達を容易にし、疲労および破壊を伴うことなく、身体内のプロテーゼの長期存続のための能力を提供する。プロテーゼは、反復軸方向(張力および圧縮)、捻り、および曲げ負荷と関連付けられた応力を緩和する、応力解放スロット30を使用することによる設計を呈する。本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、同時に、圧縮に対する高半径方向抵抗とともに、前述の高レベルの軸方向、捻り、および曲げ可撓性を呈する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。プロテーゼの円周方向およびコネクタ要素14、22、24は、必然的に、半径方向強度を提供する一方、複数のこれらの円周方向要素の交互接続は、他の方向における可撓性を提供する。
【0053】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、管腔に対して完全並置を得るために十分な外向き力によって、安全かつ信頼可能に、身体管腔内において、拘束された状態から拡張状態に展開するように設計される、円周方向要素14を含むプロテーゼのための装置および方法を提供することである。加えて、展開されると、プロテーゼが血管に対して完全並置を得ていない場合、プロテーゼは、バルーン膨張(プロテーゼの管腔内)によって、さらに拡張される能力を有する。これらの目標の両方を達成するために、プロテーゼ「高さ」は、低減される(好ましくは、巻き層の数が制限され、故に、プロテーゼの解巻の作用を容易にするように、最大管腔サイズの円周の2倍未満)。
【0054】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、プロテーゼのより小さい身体管腔内への送達を可能にするように、小送達構成(拘束された半径方向収縮状態における)を有する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。本目標もまた、送達システム内でその拘束された状態にある間、プロテーゼが呈する巻き層の数を制限する、低プロテーゼ「高さ」(最大管腔サイズの円周の2倍未満が推奨されるが、必須ではない)によって達成される。埋込場所に誘導されると、拘束方法が解放され、プロテーゼが、その埋め込まれる半径方向拡張状態に拡張する。プロテーゼは、弾性復元を呈するプロテーゼのバネ力、形状記憶合金の解除、またはバルーンによって促進される拡張を含むが、それらに限定されない、複数の機構を介して、治療直径に拡張し得る。
【0055】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、治療される管腔に効果的に足場を組み、蛍光透視法の際、適度な放射線不透過性を提供し、かつ適度な空間分布および総用量を有する治療薬を送達する、十分な表面積を呈する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。設計はまた、そのように所望される場合、分岐流を可能にするために十分な表面多孔率をもたらすであろう。30%の金属乃至85%の金属の範囲内の表面積が、設計に有利であると考えられるが、より低いまたはより高い金属被覆率も、いくつかの用途では有益であり得る。
【0056】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、広範囲に及ぶ管腔形状およびサイズを治療するために処方され得る、種々の直径および長さを有する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。本発明はまた、プロテーゼの長さに沿って、複数の直径またはテーパ状直径を提供することによって、テーパ状(図16参照)または分岐(図17および18参照)血管幾何学形状のために構成され得る。
【0057】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、カテーテルシャフト内のプロテーゼの直径方向減少のプロセスを補助するために、係合開口部60等の保持特徴を有する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。
【0058】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、カテーテル外側シースに対して、外側作用力をより良好に分布させるための特徴を有する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。
【0059】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、外側シースに対して外向き作用力を減少させるヒンジ点62を生成する、開口部11のマイクロパターンを有する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。ヒンジ点62は、外側シース内に拘束された場合に、ファセットが相互係止するように、ファセットを半径方向に生成し得る。
【0060】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、レーザ切断、スタンピング、光エッチング、またはいずれかのそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、種々の製造方法を有する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。加えて、プロテーゼは、中実管または平坦シートを含むが、それらに限定されない、原材料から製造され得る。
【0061】
好ましい実施形態では、プロテーゼは、ニチノール等の超弾性材料を備え、少なくとも2つの接続された円周方向要素14を含む。しかしながら、プロテーゼは、ポリマーおよび生分解性材料を含む、当技術分野において認識されるいずれかの好適な材料から構築され得ることを理解されたい。2つを超える円周方向要素14では、要素は、蛇行パターン(図3−5)を形成する交互するコネクタ22、24によって結合される。円周方向要素14は、同一原材料の一部として接続され得、または代替方法は、はんだ、溶接、および/または機械的特徴(例えば、リベット)を含むが、それらに限定されない。円周方向および接続要素は、可変形状およびサイズを有することができ、図6は、幅より高い円周方向要素14(比率約2:1)と、コネクタ22、24より高い円周方向要素(比率約5:4)とを描写する。図6における円周方向要素14は、長方形であって、その拘束された状態において、外側送達シース(図示せず)に接触する表面積を最大限にする。これは、より大きな表面にわたって、外向き作用力を広げ、シース材料がその中に埋め込まれる、コネクタ22、24間の開放空間を最小限にすることによって、展開力を減少させ得る。長方形円周方向要素はまた、円周方向高さの減少をもたらす。プロテーゼ高さの減少は、可能性として考えられるより小さい拘束された直径と、また、拘束された直径から展開された直径へのプロテーゼのより少ない巻き戻しとをもたらす。
【0062】
好ましい実施形態では、プロテーゼの本体は、種々の特徴および設計から成り得る。本体内に開口部11を備える特徴の幾何学形状、数量、サイズ、および位置は、プロテーゼの足場の被覆表面積、半径方向強度、分岐流、および空間薬物分布を大きく決定する。加えて、開口部11のパターンは、対称である必要はなく、プロテーゼにわたって反復される必要もない。図7および8は、その高さに沿って、可変表面積を伴う、プロテーゼの実施例を描写しており、先端は、より低い領域より高い相対表面積密度を有する。可変表面積密度は、力および可撓性、足場面積、薬物送達面積、放射線不透過性、またはいずれかのそれらの組み合わせに対する、可変半径方向要件あるいは可変縦方向要件に対応し得る。本体の一部または全部はまた、完全面積被覆を組み込み得る。マーカ帯を含むが、それに限定されない、さらなる特徴が、本体に組み込まれ得る。特徴はまた、薬物蒸着塗膜方法に対応するように、薬物リザーバとして具体的に設計され得る。
【0063】
異なる治療薬送達モダリティが、本発明の血管プロテーゼと共に用いられ得ることを理解されるであろう。例えば、血管プロテーゼは、その中に治療薬を配置し得る1つ以上の窪み、リザーバ、および/または貫通孔の形態として、開口部11を含み得る。治療薬は、開口部を充填または部分的に充填することのいずれかによって、前述の開口部のいずれかに組み込まれ得る。さらなる代替として、治療薬は、血管プロテーゼのいずれかの部分に塗膜されたマトリクス内に配置され、薬物は、血管壁の局在化された領域に徐々に放出され得る。塗膜のマトリクスは、生体安定性ポリマー、生分解性ポリマー、セラミック、または金属を含み得るが、それらに限定されない。
【0064】
プロテーゼ部分のうちの1つ以上はまた、ポリウレタンまたはPTFE等のポリマーによって選択的に塗膜され得る。ポリマーは、部分的または完全に、選択された部分を被覆し得る。例えば、ポリマーは、円周方向要素14上に配置され、動脈瘤の嚢内への血流を減少させ得る。加えて、治療薬は、ポリマー上に配置され、作業表面積を増加させ得る。
【0065】
治療薬は、抗血小板剤、抗増殖剤、抗凝血剤、標的領域に遺伝子療法を提供する目的のために使用される薬剤、または治療薬のいずれかの組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。これらの治療薬は、特定の用途のために調整され得る。放射線不透過性マーカ(図示せず)もまた、治療薬の近傍の血管プロテーゼのいずれかの部分に選択的に配置され、血管壁上の標的部位との治療薬の整列を促進し得る。有利には、本発明の血管プロテーゼを使用して、交互する円周方向区画と関連付けられた表面積の増加によって、相互接続された支柱を有する既知のコイルまたはステントと比較して、より高い用量のそのような薬剤が、提供され得る。
【0066】
前述の説明は、上方、下方、上面、底面、上、下等の用語を使用し得る。これらの用語は、説明および請求項において使用され、本発明の理解を補助するものであって、制限的意味で使用されない。
【0067】
本発明は、前述の好ましい実施形態および実施例を参照して開示されるが、これらの実施例は、制限としてではなく、例証として意図されることを理解されたい。修正および組み合わせが、当業者に想起されるであろうが、その修正および組み合わせは、本発明の精神および以下の請求項の範囲内であることが想定される。
【0068】
前述のすべての特許、特許出願、および印刷刊行物は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0001】
今日、動脈瘤、狭窄、および他の血管疾患の治療において使用するための広範囲に及ぶ血管内プロテーゼが、市場に存在する。バルーン拡張式および自己拡張式ステントは、例えば、血管形成術後、狭窄した血管の開存性を復元するために周知であって、コイルおよびステントの使用は、動脈瘤を治療するための周知の技法である。
【0002】
既知の自己拡張式ステントは、概して、外側シースまたはリリースワイヤを使用して、収縮送達構成に保持され、次いで、シースまたはリリースワイヤが後退されると、自己拡張する。スロット付きチューブステント設計は、典型的には、展開されると、十分な強度を得るために、折重細胞パターンにおいて、比較的に厚い支柱を有する。別個の高価なマーカバンドがない場合、スロット付きチューブステントはまた、ステントが、X線撮像下、放射線不透過性であるように厚い支柱を要求する。故に、そのようなステントは、デバイス外形がより重要となる、大脳の血管および冠動脈等のより小さい血管において使用するためには、好適ではない場合がある。厚い支柱はまた、動脈内の血流の混乱した局所乱流を生じさせることが知られており、これは、再狭窄を含む、負の細胞応答をもたらす。螺旋パターンに作製された代替ステントは、放射線不透過性のために、薄い支柱と、高表面積密度とを有し、所望の強度を有し得るが、巻かれた状態における重複によって、所望より大きい外形を有し得る。全体的送達外形を最小限にし、送達の柔軟性、強度、および放射線不透過性を最適化する、薄い支柱ステント設計を有することが望ましい。
【0003】
ステントはまた、限られた血管面積被覆率による課題に直面し、足場不良およびその後の再狭窄をもたらす。限られた血管被覆率はまた、動脈瘤の治療における現在のステントの使用を妨害する。被覆されたステントグラフトが使用され得るが、多くの場合、側枝または分岐を伴う血管の周囲における使用は制限される。
【0004】
さらに、スロット付きチューブステントは、浅大腿動脈(SFA)等の困難な生体力学を伴う血管系における、生体内性能不良に悩まされている。SFAの治療において使用される場合に、ステントは、不十分な半径方向力を有し、開存性不良および再狭窄をもたらし得る。加えて、SFAにおけるステントの反復的な側方の負荷および除荷は、疲労誘発性支柱故障を生じさせ、再狭窄ならびにその後の血管狭小および/または閉塞に影響し得ることが知られている。したがって、ステントは、高半径方向強度を提供する一方、また、適度な可撓性を提供するように構成されることが所望される。しかしながら、さらなる半径方向強度を提供することは、概して、ステントの可撓性の低減をもたらしている。
【0005】
所与の力に対する変位応答を測定、または弾性率を決定する等の種々の技法が、ステントのそれらの属性を特徴付けるために利用され得る。例えば、半径方向強度は、ステントを所与の距離だけ半径方向に圧縮するために必要とされる力の量を決定し、剛性を決定することによって、特徴付けられ得る(本明細書では、「Krad」と称される)。代替として、半径方向強度は、ステントを所与の距離だけ圧縮するために、対向するプレートによって線形に加えられる力の量を測定し、剛性を決定することによって、特徴付けられ得る(本明細書では、「Kfp」と称される)。ステントの可撓性は、軸方向伸張の所与の長さを生じさせるために必要とされる力の量を測定し、剛性を決定することによって、特徴付けられ得る(本明細書では、「Kax」と称される)。代替として、可撓性は、ステントの遊離端に加えられる側方力に応答する、ステントの側方たわみを測定し、剛性を決定することによって、特徴付けられ得る(本明細書では、「Klat」と称される)。
【0006】
半径方向強度対可撓性の剛性特徴付けの比率は、異なる構造を有するステントの比較を提供するために使用され得る。例えば、現在市販のステントの選択された試料は、直径約0.236インチ、長さ0.906インチ、および壁厚0.008インチを有する、試験試料に基づいて、概して、5−10の範囲内のKrad/Kax比、148−184の範囲内のKrad/Klat比、1−6の範囲内のKfp/Kax比、および40−113の範囲内のKfp/Klat比を保有することが分かっている。半径方向強度と可撓性のより最適な組み合わせが提供されるように、より高い比率を提供する構造を有することが望ましいであろう。
【0007】
Wijayの特許文献1は、複数の帯から構成されるステントを説明しており、そこでは、各帯は、閉鎖された略長方形形状に形成された中実ワイヤ状材料から成る。各帯は、隣接する帯から円周方向にオフセットされ、隣接する帯は、1つ以上の支材部材によって接続される。本ステントは、いくつかの欠点を有する。長方形セル設計は、細胞が可撓性ではないため、縦方向負荷をもたらさない。したがって、縦方向負荷下、頂部が平面から外れ、血管内に(すなわち、血流に)付勢されるであろう。第2に、ステントは、剛体セルのため、反復負荷および除荷によって壊れやすくなり得る。
【0008】
ステントを介入手技において利用する場合に、ステントの表面上の塗膜を介して、血管壁に治療薬を送達することが有利となり得る。薬物溶出ステントは、再狭窄率を低減させることにおいて、多くの利点を有する。典型的には、薬物は、ステントの支柱上のポリマー塗膜のマトリクス内に配置され、次いで、周囲組織中に徐々に放出される。薬物の均一送達は、典型的には、ステントの全体的表面積または被覆率および支柱間の近接性によって限定される。
【0009】
従来のスロット付きチューブステント設計では、治療直径に展開されると、支柱間の大きな空隙と低表面被覆率とが、折畳状態からの拡張の結果として生じ、典型的には、25%以下の金属被覆率をもたらす。したがって、ステント支柱からの薬物送達は、ステントの低表面被覆率によって、限定される。
【0010】
螺旋状メッシュリボンステント設計は、足場、表面積被覆率、および半径方向剛性に対して、スロット付きチューブステント設計に勝るある効果を提供する。しかしながら、そのようなステント設計はまた、限界に直面する。第1に、いくつかの螺旋状メッシュリボンステント設計は、送達システム内に保持されると、多重巻き層の結果として、デバイス外形に関する課題に直面する。巻かれた状態に重複されない螺旋式ステントを有することは、外形を縮小するが、展開に応じて、実質的にステントが短縮する実質的長さ変化をもたらす。したがって、層の数を減少することによって、より小さい外形のステントを設計することが有利であり、送達用に巻かれたステントをもたらす。
【0011】
加えて、外側シース後退機構を使用したステントの展開中、螺旋状メッシュリボン設計は、巻かれたステントの軸方向崩壊をうけやすい。薄いステント壁厚を伴う設計は、互の上を滑動する、軸方向に隣接する層をもたらし得る。拘束された状態では、ステントが、展開中に、外側シースによって加えられる負荷に耐えるための軸方向圧縮剛性を有することが重要である。また、層が、ステント展開中に、良好に整列されたままであることも重要である。適切な層−層整列は、層が平面から外れ、結果として生じる展開メカニクスまたは高展開力に対する混乱に抵抗するのを支援する。
【0012】
螺旋状メッシュリボン設計の別の課題は、ステントが血管壁に完全に並置された状態で、正常なステント展開を達成することである。展開の一機構は、本螺旋ステントの場合、送達システムを回転させることによって、またステントを自由に開放させることによってのいずれかによって、カテーテル内側の拘束された状態から巻きを解くことである。巻き戻し順序は、血管狭小または層の捕捉によって妨げられ、ステント狭小をもたらし、後続ステントバルーン膨張を妨害し得る。螺旋巻きを正常に膨らませるために、螺旋区画を巻き戻し、ステントに沿って、遠位または近位のいずれかに、材料を転置することが必要である。これは、これらの領域におけるステント並置の妨げにつながる、または永久並置を生成することに失敗する可能性がある。巻き戻しの必要がより少なく、膨れの影響を吸収するための対抗巻きを伴う、ステントを創出することが望ましい。
【0013】
螺旋状メッシュリボン設計の展開はまた、展開力に関する課題に直面し得る。自己拡張ステント展開のための従来のシース退避機構を使用すると、拘束されたステントの多重層の外向き作用力は、特に、滅菌または保存時間関連クリープ後、外側シース内側に埋入効果をもたらし得る。したがって、カテーテルシース内に拘束された場合のステントの外向き作用力を低下させるためのステント設計特徴と、シース内へのステント埋入を最小限にする設計要素とを組み込むことが有益となるであろう。
【0014】
カテーテル内側のメッシュリボン設計の加工は、別の課題を課す。メッシュリボン設計は、典型的には、デバイスの外形を直径方向に縮小するために巻かれる必要があり、したがって、従来の圧着プロセスを組み込むことを困難にする。したがって、小外形カテーテル内側にプロテーゼを加工する能力を促進する、特徴を設計内に統合することが望ましい。
【0015】
いくつかの螺旋状メッシュリボンステント設計の可撓性も不十分である。一実施例では、Phanらの特許文献2は、拡張可能ストリップ状区分から形成される、ステントを説明している。ストリップ状区分は、オフセット側領域に沿った梯子状に、側方領域に沿って結合される。そのようなステントの欠点は、隣接する区分間の接合が、縦方向負荷に対処する手段を具備しないことである。別の実施例、Boatmanらの特許文献3では、螺旋ステント設計は、全長に沿って頑丈な骨格を有し、ステントの伸長または短縮を妨害する。両方の場合、高軸方向剛性の結果、ステントは、支柱の壊れをうけやすくなる。
【0016】
既知のデバイスの欠点に照らして、薄い支柱、最適送達可撓性および外形、後のステントバルーン膨張が可能な強靭な開放動態、高半径方向剛性対可撓性比、縦方向可撓性、良好な放射線不透過性、ならびに薬物送達および足場の両方のための広い表面積を伴う一方、側枝血管への血流をもたらす、埋込式血管プロテーゼを提供することが望ましいであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第5,707,387号明細書
【特許文献2】米国特許第5,603,722号明細書
【特許文献3】米国特許第5,632,771号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
血管プロテーゼは、軸を規定する略管状本体を備える。本体は、収縮および拡張状態になることが可能であって、拡張状態において、軸方向長および円周方向寸法を有する。本体は、一連の円周方向要素と、第1および第2のコネクタとを含む。円周方向要素は、少なくとも第1、第2、第3、および第4の円周方向要素を含む。各円周方向要素は、第1および第2の端部を有する。第1および第2の端部は、円周方向に離間される。各円周方向要素は、第1と第2の端部との間に、円周方向に延在する第1の長さを有する。第1および第2のコネクタは、第1のコネクタが、第1および第2の円周方向要素の第1の端部と、第3および第4の円周方向要素の第1の端部とを結合するように、交互する隣接する円周方向要素の端部を結合する。第2のコネクタは、第2および第3の円周方向要素の第2の端部を結合し、それによって、円周方向要素およびコネクタの略蛇行パターンを生成する。第1および第2のコネクタは、円周方向に延在する第1のコネクタ長および第2のコネクタ長を有する。第1の長さと、そこに結合される第1および第2のコネクタ長との合計は、総円周方向長に等しい。各コネクタ長は、軸方向可撓性が、展開動態を犠牲にすることなく、本体に対して提供されるように、総円周方向長の2.5%〜25%である。第2の円周方向要素と第3の円周方向要素、および、第2の円周方向要素の第1の端部における第1のコネクタと第3の円周方向要素の第1の端部における第1のコネクタは、応力解放スロットによって分離される。各応力解放スロットは、総円周方向長の50%超乃至95%未満の円周方向に延在する解放スロット長を有する。応力解放スロットは、解放スロット長の大部分にわたって、狭小幅部分を有する、狭小幅部分は、約3mm未満の側方寸法を有する。いくつかの実施例では、円周方向要素およびコネクタは、略長方形である。いくつかの実施例では、狭小幅部分は、1mm未満の側方寸法を有する。いくつかの実施例では、狭小幅部分は、解放スロットの略全長にわたって延在する。
【0019】
本発明の他の特徴、側面、および利点は、図面、発明を実施するための形態、および続く請求項の検証から理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、重複縁を伴う、展開された拡張状態における、本発明に従って作製された血管プロテーゼの全体図である。
【図1A】図1Aは、図1のプロテーゼの簡略断面図である。
【図2】図2は、図1のプロテーゼの側面図である。
【図3】図3は、図1のプロテーゼの一部と、図1および2に図示されない、開口部のパターンを例証する、平坦化され広げられた状態との拡大図である。
【図4】図4および5は、図1のプロテーゼの他の実施例を例証し、プロテーゼの種々の部分を規定するために使用される。
【図5】図4および5は、図1のプロテーゼの他の実施例を例証し、プロテーゼの種々の部分を規定するために使用される。
【図6】図6は、円周方向要素が、その幅より高く、コネクタより高い、プロテーゼの実施例を例証する。
【図7】図7および8は、プロテーゼの異なる部分に沿った、孔のパターンにおける変形例を例証する。
【図8】図7および8は、プロテーゼの異なる部分に沿った、孔のパターンにおける変形例を例証する。
【図9】図9は、円周方向要素が、高さおよび幅が略等しく、プロテーゼ可撓性を改善するために、円周方向要素内に位置する、任意のスロットを伴う、プロテーゼの実施例を例証する。
【図10】図10は、円周方向要素が、幅より約5倍高い、プロテーゼの実施例を例証する。
【図11】図11は、円周方向要素の幅が、プロテーゼの長さに沿って変動する、プロテーゼの実施例を例証する。
【図12】図12は、応力解放スロットが、プロテーゼの総円周方向長と略同じ長さである、プロテーゼの実施例を例証する
【図13】図13は、応力解放スロットの長さが、総円周方向長の半分をわずかに越え、それによって、短い円周方向要素を生成する、プロテーゼの実施例を例証する。
【図14】図14は、応力解放スロットの長さが、プロテーゼの長さに沿って変化する、プロテーゼの実施例を例証する
【図15】図15は、その閉鎖端部における鍵穴形状特徴を例証する、応力解放スロットの拡大図である。
【図16】図16は、円周方向要素の高さが、プロテーゼの長さに沿って変化する、プロテーゼの実施例を例証する
【図17】図17は、コネクタおよび円周方向要素の高さが、プロテーゼの長さに沿って突然変化する、プロテーゼの実施例を例証する
【図18】図18は、コネクタおよび円周方向要素の高さが、2つの独立プロテーゼ部分に突然分岐する、プロテーゼの実施例を例証する
【図19】図19は、円周方向要素の縁が、プロテーゼの軸に対して垂直ではないように角度付けられる、プロテーゼの実施例を例証する。
【図20】図20は、円周方向要素の縁が、プロテーゼの軸に対して垂直である一方、コネクタによって生成される縦方向縁が、プロテーゼの軸に対して垂直ではないような角度にある、プロテーゼの実施例を例証する。
【図21】図21は、円周方向要素の高さが、プロテーゼの長さに沿って変化し、縦方向縁に対して段階的にパターンを生成する、プロテーゼの実施例を例証する
【図22】図22は、コネクタが、略三角形形状であって、円周方向要素が、非平行部分を有する、プロテーゼの実施例を例証する。
【図23】図23は、開口部が、丸い孔の代わりに、円周方向に延在するスロットである、プロテーゼの実施例を例証する。
【図24】図24は、係合開口部が、一側方縁に沿った小可撓性ループによって提供され、プロテーゼを収縮状態に巻くのを補助する、プロテーゼの実施例を例証する。
【図24A】図24Aは、円周方向要素間の空隙が事前に圧縮された、図24のプロテーゼの実施例を例証しており、本方法は、プロテーゼが送達システム内で巻かれた状態にある間の使用を意図するが、視覚的明確性のために、平坦化された形態で提示される。
【図25】図25は、概略かつ誇張形態において、ファセットがある程度まで相互係止し、したがって、送達シース上のプロテーゼによって付与される半径方向力の量を低減させるように、ヒンジ点がどのように整列され得るかを示す、収縮状態における、プロテーゼの実施例の端面図を例証する。
【図26】図26は、概略かつ誇張形態において、送達シース除去中に、ステント層の接触を最小限にするために、または、相互に、軸方向に安定化する円周方向要素の能力を改善するために、ファセットが相互係止しないように、ヒンジ点がどのように整列しないようにされ得るかを示す、収縮状態における、プロテーゼの実施例の端面図を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の説明は、典型的には、具体的構造実施形態および方法を参照する。本発明を具体的に開示される実施形態および方法に制限する意図はなく、本発明は、他の特徴、要素、方法、および実施形態を使用して、実践され得ることを理解されたい。好ましい実施形態が、本発明を例証するために説明されるが、その範囲を制限するためにではなく、その範囲は、請求項によって定義される。当業者は、以下の説明に基づく種々の同等変形例を認識するであろう。種々の実施形態における同一要素は、一般的に、同一参照番号によって参照される。
【0022】
図1および2は、重複縁を伴う、展開された構成における、血管プロテーゼ10の一実施例を示す。図3は、広げた状態または平坦化状態における、図1および2の血管プロテーゼの一部の拡大図である。図1および2ならびに本願における他の図では、血管プロテーゼ10は、例証を容易にするために、一般的に、一様な構造として例証される。しかしながら、殆どではなくても、多くの場合、開口部11、典型的には、その中に形成される貫通孔、を有する図3に例証されるもの等の構造であり得る。他の実施例を例証する、図4および5は、血管プロテーゼ10の種々の部分を規定するために使用される。血管プロテーゼ10は、略管状本体12を備える。管状本体12は、いくつかの円周方向要素14を含み、各円周方向要素は、第1の端部16および第2の端部18を有する。第1および第2の端部16、18は、円周方向に離間され、円周方向要素14は、第1と第2の端部との間の円周方向に延在し、第1の長さ20(高さ20と称される場合がある)を有する。
【0023】
第1および第2のコネクタ22、24は、交互する隣接する円周方向要素14の第1および第2の端部16、18端を結合する。したがって、第1のコネクタ22は、隣接する円周方向要素14、14aの第1の端部16どうしを結合し、隣接する円周方向要素14b、14cの第1の端部どうしを結合する。また、第2のコネクタ24は、第2の円周方向要素14a、14bの第2の端部18どうしを結合する。本関係は、血管プロテーゼ10に沿って継続し、それによって、血管プロテーゼ10の円周方向要素14およびコネクタ22、24の略蛇行パターンを生成する。したがって、血管プロテーゼ10は、接続要素によって、交互パターンに結合される複数の円周方向ステント要素を備え、プロテーゼは、身体管腔の開存性および/または埋込部位への薬物送達の支持を含むが、それらに限定されない、用途を持って、身体管腔内に埋め込まれる。
【0024】
第1および第2のコネクタ22、24は、典型的には、等しい長さであるが、異なる長さでもあり得る、円周方向に延在するコネクタ長26を有する。長さ20と、第1および第2のコネクタ22、24に対するコネクタ長26との合計は、総円周方向長28を構成する。第2の円周方向要素14aと第3の円周方向要素14b等の隣接する円周方向要素どうし、および、第2の円周方向要素と第3の円周方向要素との第1の端部16における第1のコネクタ22どうしは、応力解放スロット30によって分離される。各応力解放スロット30は、円周方向に延在する解放スロット長32を有する。長さ32は、好ましくは、総円周方向長28の50%超乃至95%未満である。応力解放スロット30は、解放スロット長32の実質的部分、好ましくは、大部分にわたって、狭小幅部分34を有する。長さ32を、総円周方向長28の50%超にすることは、いくつかの従来のステントにおいて見られる骨格の生成を排除するために重要であり、効果的に軸方向可撓性を排除する。長さ32を、総円周方向長28の95%未満にすることは、血管プロテーゼ10に対して適度な強度を保証するために重要である。
【0025】
図1、1A、および2は、展開された状態におけるプロテーゼ10を描写し、コネクタ24、22の先端36における凸面縁56が、対向するコネクタ22、24の凹面縁58に重複している。本重複は、円周方向要素14の縁間に空隙が存在しないことを保証する。いくつかの実施例では、円周方向要素14は、縁56、58が、血管治療領域内に展開された直径において重複しないように、高さ20を有し得ることに留意されたい。代替として、プロテーゼ10の長さに沿って、可変量の重複が存在し得る。重複は、好ましくは、治療領域内の全ての展開された直径において生じるであろう。全ての展開された直径における縁の重複は、全ての展開された直径における強度の均一性の改善、ならびにプロテーゼの破砕強度および半径方向強度の増加を提供する。
【0026】
図6は、図5に示されるものと類似する図であって、円周方向要素14と、長方形形状を有する第1および第2のコネクタ22、24とを伴う、基本外形を有する、血管プロテーゼ10の実施例を例証する。長方形形状円周方向要素は、その拘束された状態において、外側送達シースに接触する表面積を最大限にする。これは、より大きな表面にわたって、外向き作用力を広げ、埋め込まれるためのシース材料に対してコネクタ間の開放空間を最小限にすることによって、展開力を低減させ得る。長方形円周方向要素はまた、円周方向高さの減少をもたらす。プロテーゼ高さの減少は、可能性として考えられるより小さい拘束された直径と、また、拘束された直径から展開された直径へのプロテーゼのより少ない巻き戻しをもたらす。
【0027】
図7は、開口部11に対するサイズ、形状、および空間の選択が、どのように血管プロテーゼ10の表面積に影響を及ぼし得るかを示す。図7では、表面積は、図の底面(底面は円周方向要素の中心に向かう)から、コネクタ24の先端36に向かって増加する。類似変形例は、コネクタ22の先端36に向かって存在し得る。図8は、開口部によって、血管プロテーゼ10の選択された区域に沿って、表面積を修正し、種々の区域における特性を制御する、開口部11を調節する異なる方法を示す。血管プロテーゼ10の機械的特性に影響を及ぼすことに加え、開口部11における変形例は、開口部内に格納される1つ以上の治療薬の量および分布に影響を及ぼすために使用することができる。表面積の変化はまた、選択されたプロテーゼ要素の放射線不透過性のレベルを制御するために使用することができる。
【0028】
図9は、高さ20および幅38が約等しい(比率1:1)、より広い円周方向要素14を有する、血管プロテーゼ10の別の実施形態である。本変形例は、円周方向要素14の数を減少させ、潜在的に、半径方向強度を増加させ、プロテーゼ送達および拡張を容易にする。図9では、円周方向要素14内に位置する、任意のスロット64が、プロテーゼ側方可撓性の改良を提供するために存在する。スロット64は、長さ66を有する。長さ66は、好ましくは、総円周方向長28の50%超乃至95%未満である。
【0029】
図10は、幅(幅38)より有意に高く(高さ20)、高さ対幅の比率約4:1となるように、円周方向要素14が狭小化される、実施形態を描写する。本変形例は、潜在的に、軸方向、捻り、および曲げ可撓性、曲率適合性、ならびに不均一病変表面に並置するためのプロテーゼの能力を増加させる。本実施形態はまた、送達システム内に拘束される場合のプロテーゼの可撓性を増加させ、蛇行性血管にわたる送達可能性を改善する。
【0030】
図11は、円周方向要素14が可変幅38を有する、実施形態を描写し、対応する可変コネクタ間距離40、42を伴う。本変形例は、潜在的に、血管プロテーゼ10の長さに沿って、変動可撓性、変動適合性、および変動半径方向強度を生じさせる。より大きな可撓性および適合性を生じさせる、プロテーゼ端部における、より狭小の円周方向要素14の存在は、天然生体構造からプロテーゼへのコンプライアンス移行区域としての役割を果たす利点を有し得る。加えて、ステント重複の場合、より可撓性かつより脆弱な端部は、「折り曲げられ」、潜在的に、血管の治療される全長に沿って、管腔に対してより均一な機械的支持を生じさせるであろう。
【0031】
図12は、コネクタ22、24が、非常に短く、円周方向要素14が、幅より有意に高くなる(約5:1)ように、応力解放スロット30が延在される実施形態を描写する。本変形例は、プロテーゼ内の屈曲要素を長くすることによって、軸方向、捻り、および曲げの可撓性を増加させる。好ましい実施形態では、円周方向に延在するコネクタ長26は、総円周方向長28の10%超であって、それによって、血管内のデバイスの安定性および並置が提供されるであろう。さらなる実施例では、応力解放スロット30は、図12における垂直軸であるプロテーゼ10の高さ軸に対して、湾曲されるか、または角度付けられ得る。
【0032】
図13は、円周方向要素が極端に短く(高さ20対幅38比率約1:7)、コネクタをプロテーゼの主要要素として残すように(高さ26対幅43比率約5:4)、応力解放スロット30が短縮される実施形態を描写する。本変形例は、より高い半径方向強度を産生し、デバイスの軸方向安定性を改善し得る。軸方向安定性の改善(軸方向可撓性の減少)は、デバイスが移動または軸方向シフトしにくくなり得る。好ましい実施形態では、円周方向に延在するコネクタ長26は、総円周方向長28の50%未満であって、それによって、Boatmanの前述の米国特許第5,632,771号に開示されるような軸方向に延在する骨格の生成を排除し、展開動態を犠牲にすることなく、軸方向可撓性が本体に対して提供されるであろう。
【0033】
図14は、応力解放スロット30の長さ32が、プロテーゼの長さに沿って可変であって、円周方向およびコネクタ要素14、22/24の高さ20、26を効果的に変動させる実施形態を描写する。本変形例は、図11に描写される可変幅設計と同様に、可変可撓性を可能にする。
【0034】
図15に示されるように、応力解放スロット30の他の特徴として、応力解放スロット幅44およびコネクタ22、24に延在する鍵穴形状特徴46を含む。応力解放スロット幅44は、円周方向要素14の距離間隔を決定する。より広い応力解放スロット幅44は、軸方向圧縮中に、円周方向要素重複の危険性を低減させるためのより大きな距離間隔をもたらす。そうすることによって、血管足場および表面積被覆率等の特徴に影響を及ぼし得る。鍵穴形状特徴46は、局在化された応力解放を提供し、隣接するコネクタ22、24内に負荷を分散させる。他の応力解放スロット特徴の場合のように、鍵穴形状設計は、プロテーゼ設計のマクロ構造および意図される治療生体構造の生体力学的負荷のために適切な種々のサイズおよび形状を有し得る。
【0035】
いくつかの実施例では、応力解放スロット30の鍵穴形状特徴46における、湾曲閉鎖端部を囲む領域内の本体12は、強度のために、本体の残りの平均表面積より大きい表面積を有する。鍵穴形状特徴46は、側方寸法を有する。いくつかの実施例では、特徴46に隣接する領域内の本体12は、側方寸法に等しい距離に対して、実質的に孔がなく、それによって、応力集中を低減させ、強度を得る。強度はまた、いくつかの実施例では、鍵穴形状特徴46を含む、狭小幅部分47に隣接する領域内の本体が、少なくとも0.25mmに対して、実質的に孔がないことにより向上される。
【0036】
応力解放スロット30は、好ましくは、解放スロット長の大部分にわたって、狭小幅部分47を有する。狭小幅部分は、約3mm未満(0.120インチ)の幅44である、側方寸法を有する。いくつかの実施例では、幅44は、約0.13mm(0.005インチ)乃至1mm(0.040インチ)である。0.5mm未満(0.020インチ)の幅44は、現在のところ、好ましい。比較的に狭小幅の狭小幅部分47は、円周方向部分14間の空隙を最小限にするのを支援し、それによって、標的部位における組織脱出を低減させ、より良好な組織被覆率をもたらすのを支援する。実施例の多くでは、狭小幅部分47は、図3−5におけるような略一定幅を有する一方、図7および8におけるような他の実施例では、狭小幅部分は、可変幅を有する。可変幅部分47は、例えば、図示されるように、平滑湾曲、または段階状構成、あるいはそれらの組み合わせであり得る。
【0037】
図16は、円周方向要素14の高さ20が、プロテーゼ10の長さに沿って変動する、実施形態を描写する。円周方向要素14の高さ20は、典型的には、その場所における略管状血管プロテーゼ10の直径に関連するため、より短い円周方向要素は、より小さい直径リングにつながる。本変形例は、本実施例では、高端部において約2:1の高さ対幅比率を有し、短端部の約3:4の比率に移行する。本テーパ状直径プロテーゼは、より長い血管にわたって頻繁に生じる、テーパ状管腔内への埋込に適切であり得る。図示されないが、コネクタ長20を変動させ、図16に示されるより長い応力解放スロット長32を維持することによって、可撓性の改善が、達成され得る。
【0038】
図17は、円周方向要素14およびコネクタ要素22、24の高さ20ならびに26が、プロテーゼ10の長さに沿って、ある点において、突然移行する、実施形態を描写する。本実施例の図中の左側である、高側では、プロテーゼ部分の高さ28は、短側のプロテーゼ部分の高さの2倍である。これは、プロテーゼ10が、2つの別個の直径を有することを意味し、分岐するより小さい管腔を伴う管腔内での治療に理想的であり得る。
【0039】
図18は、円周方向要素14およびコネクタ要素22、24の高さ20、26が、また、プロテーゼ部分と呼ばれる場合もある、ステントの2つの独立長に突然分岐する、実施形態を描写する。本実施例では、非分岐プロテーゼ部分では、高さ28は、個々の分岐プロテーゼ部分の2倍である。これらの分岐部分は両方とも、コネクタ要素22、24によって、非分岐部分に接続される。これは、プロテーゼが、複数の個別の直径を有することができることを意味し、2つの分岐プロテーゼ部分が、主要プロテーゼ部分から分岐する。これは、2つの分岐する、より小さい管腔を伴う管腔を治療するために理想的であり得る。本概念は、ステント幾何学形状が許す限りの多くの分岐を伴う血管を含む、2つを上回る分岐を伴う血管に適用されることができる。また、短側の各プロテーゼ部分の高さ28は、互に異なることができる。
【0040】
図19および20は、プロテーゼ10が、長さにわたって、ある角度48に傾斜された、実施形態を描写する。これらの実施例では、6.1°として描写される本角度48は、半径方向強度を犠牲にすることなく、応力解放スロット特徴と共に、縦方向可撓性を提供する。角度は、さらなる縦方向可撓性を提供するように増加され得る。角度の増加はまた、また、展開された構成において、縦方向に配向される重複と関連付けられる円周方向剛性の不連続を制限するであろう。本プロテーゼ10は、図19に描写されるように、プロテーゼの一縦方向縁50に平行な軸に対して巻かれ得る。代替として、プロテーゼ10は、図20に描写されるように、典型的には、縁52に対して垂直に、プロテーゼ10の縦方向縁50に対して角度付けられた軸に対して巻かれ、それによって、円周方向要素を血管の軸に対して垂直に維持し得る。
【0041】
図21は、プロテーゼ10が、ステント長に沿って、ある角度54で段階パターンを生成する、実施形態を描写する。本実施例では、7.5°として描写される、角度54は、展開された構成において、縦方向に配向された重複と関連付けられる、ステント長に沿った円周方向剛性の不連続を制限する。プロテーゼ10は、図21に描写されるように、ステントの一つの段階状縦方向縁50に平行な軸上に巻かれ、それによって、円周方向要素14を血管の軸に対して垂直に維持し得る。代替として、プロテーゼは、縁52に対して垂直等、ステントの縦方向縁に対して角度付けられた軸に対して巻かれ、それによって、血管の軸に対して角度付けられた円周方向要素14を生成し得る。
【0042】
図22は、図3および4に例証される実施例に類似する、血管プロテーゼ10の一実施例の2次元設計の全体を描写しており、円周方向要素14は、長方形ではなく、約1:2の高さ20対幅38比率を伴い、交互コネクタ22、24は、略三角形形状である。本設計は、プロテーゼ10がその最大治療直径にある場合に、潜在的空隙を低減させ、コネクタ22、24の頂部または先端36が、嵌合縁と重複しない。本設計はまた、展開された構成において、縦方向に配向された重複と関連付けられる、円周方向剛性の不連続を制限する。さらに、本設計は、拘束された状態において、外側シース(図示せず)と接触するプロテーゼ10の表面積を減少させ、外側シース材料内への埋入が懸念される場合の展開力を低下させ得る。設計は、この場合、約35%金属被覆率である、プロテーゼの金属面積割合を決定する、円形パターンを示す。より高い金属割合は、潜在的に、より多くの薬物装填容量および放射線不透過性を提供する一方、また、プロテーゼを半径方向に強化する。より低い金属割合は、潜在的に、より優れた分岐かん流、より早期の治癒、およびより大きな可撓性を可能にする。
【0043】
図23は、典型的には、開口部11または孔11と称される、内部特徴11が、プロテーゼの円周方向におけるスロットであって、約60%の金属面積被覆率を提供する、血管プロテーゼ10の設計を描写する。本設計は、効果的に、軸方向にプロテーゼを屈曲するためのヒンジ点を提供する。第1に、これは、埋込後、血管へのプロテーゼのより優れた適合性を提供し得る。第2に、プロテーゼの可撓性は、プロテーゼが巻かれると、向上したネスト化(巻き層間の混成)を介して、送達システム内のプロテーゼのより容易な抑制を可能にし得る。第3に、プロテーゼは、送達システム内で巻かれ、拘束された場合に、より大きな縦方向可撓性を提供し得る。
【0044】
図3は、円周方向要素14が、比率約2:1の、幅(幅38)より高い(高さ20)設計を描写する。交互コネクタ22、24は、略三角形形状であって、コネクタ間距離40が、図22および23と比較して、減少され、かつプロテーゼ高さ28が、図22および23と比較して、減少されている。加えて、開口部11の内部パターンは、約50%の金属面積割合を産生する。短縮されたコネクタ間距離40は、向上した曲率適合性の向上を提供する。プロテーゼ10の短縮された高さ28は、より少ない巻きによってプロテーゼを展開システムにおいて拘束可能にし、潜在的に、展開の中の拡張力および一貫性を改善する。
【0045】
図24は、コネクタ22上の小可撓性ループ60の形態にある係合開口部60が、その拘束された状態に巻く際に、ステントを捕捉する補助をするプロテーゼ10のための設計を描写する。
【0046】
図24Aは、図24からのプロテーゼが、送達システム内へのプロテーゼの装填後、圧縮される方法を描写する。プロテーゼが、送達システム内に初期装填された後、プロテーゼは、軸方向に圧縮され、隣接する円周方向要素14間の空隙を崩す。そのような事前に圧縮された状態では、装填されたプロテーゼは、最終ステント展開中に、最適な層間整列および軸方向剛性を有するであろう。整列および剛性は、特に、高展開力が要求される場合に維持することが重要である。送達シース後退の作用は、円周方向要素の軸方向シフトを生じさせ得るため、送達に先立ったステントの完全軸方向圧縮はさらに、圧縮可変性を除去することによって、ステント長の制御および予測性を改善する。
【0047】
再度、図22に示される血管プロテーゼ10を参照して、ヒンジ点の概念について論じられる。プロテーゼ10が、収縮された送達状態に巻かれた場合、この巻きに対する抵抗は、一定ではない。すなわち、血管プロテーゼ10のある領域は、他の領域より剛性が低い。剛性における変動は、主に、巻かれる材料の量によるものである。材料の量は、典型的には、開口部11のサイズおよび空間ならびに材料の厚さによって影響を受ける。剛性の変動は、ヒンジ点62を生成し、ヒンジ点においてデバイスはより可撓性であり、ヒンジ点は、デバイスの隣接する部分より巻きに対して抵抗性が低い。したがって、巻かれると、断面形状は、完全に平滑ではない。図25は、概略および誇張された形態において、これらのヒンジ点62が、どのように収縮された送達状態に整列され得るファセットを生成するかを例証する。そのような整列は、血管プロテーゼ10の異なる層をある程度まで相互係止させ、したがって、送達シースに付与される半径方向力の量、および結果として生じるシース内への埋入を低減し得る。送達シースに付与される半径方向力の量を低減することは、血管プロテーゼ10が送達シースの内側壁に埋め込まれる量を低減することができ、送達シースから血管プロテーゼ10を除去するために必要とされる力の量を減少させるのを支援し得る。自己拡張式血管プロテーゼ10は、ヒンジ点の代わりに、プロテーゼが送達状態に巻かれると血管プロテーゼの巻き戻しを阻止するように係合し、それによって、プロテーゼによって送達シースの内側壁に付与される力の量を低減させる他の特徴を含み得る。例えば、血管プロテーゼ10は、送達状態に整列された状態になる相補的隆起部分および陥凹を含み得る。また、血管プロテーゼ10は、送達状態にある場合に、血管プロテーゼの重層部分に係合する、半径方向外向きに延在する特徴を有し得る。いずれの場合も、血管プロテーゼ10は、送達シースからの解放に応じて、巻き戻しおよび半径方向に拡張を始め、そのような係合特徴は、解放または係脱し、血管プロテーゼの本質的に自由な拡張を可能にするであろう。
【0048】
図26もまた、概略および誇張された形態において、ヒンジ点62が収縮された送達状態に整列されず、したがって、ステント層の相互係止および接触を最小限にし得るように、血管プロテーゼ10が、どのように構築され得るかを例証する。プロテーゼが、薬物または他の塗膜材料によって塗膜される場合、本構成は、塗膜との接触および接触からの潜在的損傷を制限することができる。また、本構成は、送達シースが除去される場合に、相互に接触し、軸方向に安定化する、円周方向要素の能力を改善することができる(軸方向シフトの可能性を低減させる)。血管プロテーゼ10は、プロテーゼが収縮状態に置かれた場合に、ヒンジ点62が生成されるように、または生成されないように、設計されることができる。ヒンジ点62が所望される場合、ヒンジ点の位置は、例えば、開口部11の位置、サイズ、および形状によって影響を受け得る。
【0049】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、身体管腔に埋め込まれると、低プロファイルを呈する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。低プロファイルは、血流の途絶を防止し、血流再循環および血栓と相関することが知られている悪血行動態条件を回避する。低プロファイルは、好ましくは、プロテーゼの重複領域存在下でも、治療直径に展開された場合に、従来のスロット付きチューブ設計より低プロファイルである、非常に薄い幾何学形状の使用によって達成される。
【0050】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、送達システム内側の拘束された状態において、低プロファイルを呈する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。低プロファイルは、拘束された状態において、最小数の重複を伴う、非常に薄い断面幾何学形状の使用によって達成される。
【0051】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、送達システムにおけるその長さおよびその展開された長さからの最小短縮を呈する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。これは、プロテーゼが、巻き戻し作用に伴って、半径方向に収縮された状態から、より弛緩した、半径方向に拡張された展開された状態に展開することによって達成される。
【0052】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、外傷を生じさせることなく、または実質的に生体構造を改変することなく、身体管腔の自然形状に一致するような十分な可撓性を呈する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。本可撓性もまた、プロテーゼの送達を容易にし、疲労および破壊を伴うことなく、身体内のプロテーゼの長期存続のための能力を提供する。プロテーゼは、反復軸方向(張力および圧縮)、捻り、および曲げ負荷と関連付けられた応力を緩和する、応力解放スロット30を使用することによる設計を呈する。本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、同時に、圧縮に対する高半径方向抵抗とともに、前述の高レベルの軸方向、捻り、および曲げ可撓性を呈する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。プロテーゼの円周方向およびコネクタ要素14、22、24は、必然的に、半径方向強度を提供する一方、複数のこれらの円周方向要素の交互接続は、他の方向における可撓性を提供する。
【0053】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、管腔に対して完全並置を得るために十分な外向き力によって、安全かつ信頼可能に、身体管腔内において、拘束された状態から拡張状態に展開するように設計される、円周方向要素14を含むプロテーゼのための装置および方法を提供することである。加えて、展開されると、プロテーゼが血管に対して完全並置を得ていない場合、プロテーゼは、バルーン膨張(プロテーゼの管腔内)によって、さらに拡張される能力を有する。これらの目標の両方を達成するために、プロテーゼ「高さ」は、低減される(好ましくは、巻き層の数が制限され、故に、プロテーゼの解巻の作用を容易にするように、最大管腔サイズの円周の2倍未満)。
【0054】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、プロテーゼのより小さい身体管腔内への送達を可能にするように、小送達構成(拘束された半径方向収縮状態における)を有する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。本目標もまた、送達システム内でその拘束された状態にある間、プロテーゼが呈する巻き層の数を制限する、低プロテーゼ「高さ」(最大管腔サイズの円周の2倍未満が推奨されるが、必須ではない)によって達成される。埋込場所に誘導されると、拘束方法が解放され、プロテーゼが、その埋め込まれる半径方向拡張状態に拡張する。プロテーゼは、弾性復元を呈するプロテーゼのバネ力、形状記憶合金の解除、またはバルーンによって促進される拡張を含むが、それらに限定されない、複数の機構を介して、治療直径に拡張し得る。
【0055】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、治療される管腔に効果的に足場を組み、蛍光透視法の際、適度な放射線不透過性を提供し、かつ適度な空間分布および総用量を有する治療薬を送達する、十分な表面積を呈する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。設計はまた、そのように所望される場合、分岐流を可能にするために十分な表面多孔率をもたらすであろう。30%の金属乃至85%の金属の範囲内の表面積が、設計に有利であると考えられるが、より低いまたはより高い金属被覆率も、いくつかの用途では有益であり得る。
【0056】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、広範囲に及ぶ管腔形状およびサイズを治療するために処方され得る、種々の直径および長さを有する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。本発明はまた、プロテーゼの長さに沿って、複数の直径またはテーパ状直径を提供することによって、テーパ状(図16参照)または分岐(図17および18参照)血管幾何学形状のために構成され得る。
【0057】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、カテーテルシャフト内のプロテーゼの直径方向減少のプロセスを補助するために、係合開口部60等の保持特徴を有する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。
【0058】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、カテーテル外側シースに対して、外側作用力をより良好に分布させるための特徴を有する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。
【0059】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、外側シースに対して外向き作用力を減少させるヒンジ点62を生成する、開口部11のマイクロパターンを有する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。ヒンジ点62は、外側シース内に拘束された場合に、ファセットが相互係止するように、ファセットを半径方向に生成し得る。
【0060】
本発明のいくつかの実施例のさらなる特徴は、レーザ切断、スタンピング、光エッチング、またはいずれかのそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、種々の製造方法を有する、プロテーゼのための装置および方法を提供することである。加えて、プロテーゼは、中実管または平坦シートを含むが、それらに限定されない、原材料から製造され得る。
【0061】
好ましい実施形態では、プロテーゼは、ニチノール等の超弾性材料を備え、少なくとも2つの接続された円周方向要素14を含む。しかしながら、プロテーゼは、ポリマーおよび生分解性材料を含む、当技術分野において認識されるいずれかの好適な材料から構築され得ることを理解されたい。2つを超える円周方向要素14では、要素は、蛇行パターン(図3−5)を形成する交互するコネクタ22、24によって結合される。円周方向要素14は、同一原材料の一部として接続され得、または代替方法は、はんだ、溶接、および/または機械的特徴(例えば、リベット)を含むが、それらに限定されない。円周方向および接続要素は、可変形状およびサイズを有することができ、図6は、幅より高い円周方向要素14(比率約2:1)と、コネクタ22、24より高い円周方向要素(比率約5:4)とを描写する。図6における円周方向要素14は、長方形であって、その拘束された状態において、外側送達シース(図示せず)に接触する表面積を最大限にする。これは、より大きな表面にわたって、外向き作用力を広げ、シース材料がその中に埋め込まれる、コネクタ22、24間の開放空間を最小限にすることによって、展開力を減少させ得る。長方形円周方向要素はまた、円周方向高さの減少をもたらす。プロテーゼ高さの減少は、可能性として考えられるより小さい拘束された直径と、また、拘束された直径から展開された直径へのプロテーゼのより少ない巻き戻しとをもたらす。
【0062】
好ましい実施形態では、プロテーゼの本体は、種々の特徴および設計から成り得る。本体内に開口部11を備える特徴の幾何学形状、数量、サイズ、および位置は、プロテーゼの足場の被覆表面積、半径方向強度、分岐流、および空間薬物分布を大きく決定する。加えて、開口部11のパターンは、対称である必要はなく、プロテーゼにわたって反復される必要もない。図7および8は、その高さに沿って、可変表面積を伴う、プロテーゼの実施例を描写しており、先端は、より低い領域より高い相対表面積密度を有する。可変表面積密度は、力および可撓性、足場面積、薬物送達面積、放射線不透過性、またはいずれかのそれらの組み合わせに対する、可変半径方向要件あるいは可変縦方向要件に対応し得る。本体の一部または全部はまた、完全面積被覆を組み込み得る。マーカ帯を含むが、それに限定されない、さらなる特徴が、本体に組み込まれ得る。特徴はまた、薬物蒸着塗膜方法に対応するように、薬物リザーバとして具体的に設計され得る。
【0063】
異なる治療薬送達モダリティが、本発明の血管プロテーゼと共に用いられ得ることを理解されるであろう。例えば、血管プロテーゼは、その中に治療薬を配置し得る1つ以上の窪み、リザーバ、および/または貫通孔の形態として、開口部11を含み得る。治療薬は、開口部を充填または部分的に充填することのいずれかによって、前述の開口部のいずれかに組み込まれ得る。さらなる代替として、治療薬は、血管プロテーゼのいずれかの部分に塗膜されたマトリクス内に配置され、薬物は、血管壁の局在化された領域に徐々に放出され得る。塗膜のマトリクスは、生体安定性ポリマー、生分解性ポリマー、セラミック、または金属を含み得るが、それらに限定されない。
【0064】
プロテーゼ部分のうちの1つ以上はまた、ポリウレタンまたはPTFE等のポリマーによって選択的に塗膜され得る。ポリマーは、部分的または完全に、選択された部分を被覆し得る。例えば、ポリマーは、円周方向要素14上に配置され、動脈瘤の嚢内への血流を減少させ得る。加えて、治療薬は、ポリマー上に配置され、作業表面積を増加させ得る。
【0065】
治療薬は、抗血小板剤、抗増殖剤、抗凝血剤、標的領域に遺伝子療法を提供する目的のために使用される薬剤、または治療薬のいずれかの組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。これらの治療薬は、特定の用途のために調整され得る。放射線不透過性マーカ(図示せず)もまた、治療薬の近傍の血管プロテーゼのいずれかの部分に選択的に配置され、血管壁上の標的部位との治療薬の整列を促進し得る。有利には、本発明の血管プロテーゼを使用して、交互する円周方向区画と関連付けられた表面積の増加によって、相互接続された支柱を有する既知のコイルまたはステントと比較して、より高い用量のそのような薬剤が、提供され得る。
【0066】
前述の説明は、上方、下方、上面、底面、上、下等の用語を使用し得る。これらの用語は、説明および請求項において使用され、本発明の理解を補助するものであって、制限的意味で使用されない。
【0067】
本発明は、前述の好ましい実施形態および実施例を参照して開示されるが、これらの実施例は、制限としてではなく、例証として意図されることを理解されたい。修正および組み合わせが、当業者に想起されるであろうが、その修正および組み合わせは、本発明の精神および以下の請求項の範囲内であることが想定される。
【0068】
前述のすべての特許、特許出願、および印刷刊行物は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管プロテーゼであって、
軸を規定する略管状本体を備え、該本体は、収縮状態および拡張状態になることが可能であり、該拡張状態における軸方向の長さおよび円周方向寸法を有し、
該本体は、
第1、第2、第3、および第4の円周方向要素を含む一連の円周方向要素であって、各円周方向要素は、第1の端部および第2の端部を有し、該第1の端部および該第2の端部は、円周方向に離間され、該円周方向要素の各々は、該第1の端部と該第2の端部との間で円周方向に延在する第1の長さを有する、一連の円周方向要素と、
第1のコネクタおよび第2のコネクタと
を備え、
該第1のコネクタおよび該第2のコネクタは、交互する隣接する円周方向要素の端部を結合し、該第1のコネクタが、該第1円周方向要素の第1の端部と該第2の円周方向要素の第1の端部とを結合し、かつ、該第3の円周方向要素の第1の端部と該第4の円周方向要素の第1の端部とを結合し、該第2のコネクタが、該第2の円周方向要素の第2の端部と該第3の円周方向要素の第2の端部とを結合し、それによって、該円周方向要素および該コネクタの略蛇行パターンを生成し、
該第1のコネクタは、円周方向に延在する第1のコネクタの長さを有し、該第2のコネクタは、円周方向に延在する第2のコネクタの長さを有し、
該円周方向要素の第1の長さと、該円周方向要素に結合された該第1のコネクタの長さと、該円周方向要素に結合された該第2のコネクタの長さとを加算した長さは、総円周方向の長さに等しく、
各コネクタの長は、該総円周方向の長さの2.5%と25%との間であり、それによって、軸方向可撓性が、展開動態を犠牲にすることなく、該本体に対して提供され、
該第2の円周方向要素と該第3の円周方向要素とは、応力解放スロットによって分離され、該第2の円周方向要素の第1の端部における第1のコネクタと、該第3の円周方向要素の第1の端部における第1のコネクタとは、該応力解放スロットによって分離され、各応力解放スロットは、該総円周方向の長さの50%より大きくかつ95%より小さい円周方向に延在する解放スロットの長さを有し、
該応力解放スロットは、該解放スロットの長さの大部分にわたる狭小幅部分を有し、該狭小幅部分は、約3mm以下の側方寸法を有する、
血管プロテーゼ。
【請求項2】
前記プロテーゼは、形状記憶材料を備えている、請求項1に記載の血管プロテーゼ。
【請求項3】
前記円周方向要素および前記コネクタのうちの少なくとも1つは、略長方形である、請求項1〜2のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項4】
前記円周方向要素および前記コネクタは、略長方形である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項5】
前記狭小幅部分は、1mm未満の側方寸法を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項6】
前記狭小幅部分は、0.5mm未満の側方寸法を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項7】
前記狭小幅部分は、前記解放スロットの略全長にわたって延在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項8】
前記第1の長さは、等しい長さである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項9】
前記コネクタの長は、等しい長さである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項10】
前記コネクタは、略三角形である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項11】
前記円周方向要素の一端におけるコネクタは、治療血管直径において、該円周方向要素の他端におけるコネクタと重なる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項12】
前記円周方向要素の一端におけるコネクタは、治療血管直径において、0.120’’未満の該円周方向要素の他端におけるコネクタとの空隙を生成する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項13】
前記円周方向要素の長さは、その幅に略等しい、請求項1〜12のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項14】
前記円周方向要素の長さは、その幅より2倍超大きい、請求項1〜12のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項15】
前記円周方向要素は、前記総円周方向の長さの50%より大きくかつ95%より小さい長さを有する円周方向に延在するスロットを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項16】
前記円周方向要素の幅は、前記縦軸に沿って変動する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項17】
前記総円周方向の長さは、前記縦軸に沿って変動する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項18】
前記総円周方向の長さは、前記縦軸に沿って減少する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項19】
前記円周方向要素の高さは、前記縦軸に沿って変動する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項20】
前記一連の円周方向要素は、分岐に対応するために、2つの独立した一連の円周方向要素に移行する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項21】
少なくとも複数のコネクタは、該コネクタの少なくとも一部にわたり、前記円周方向要素と比較して、より広い表面積を有し、それによって、該コネクタの強度および放射線不透過性が向上されている、請求項1〜20のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項22】
前記応力解放スロットの長さは、前記総円周方向の長さの2/3より大きい、請求項1〜21のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項23】
前記応力解放スロットは、その長さの大部分にわたって、略ミラーリングされた辺を有している、請求項1〜22のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項24】
前記応力解放スロットの前記狭小幅部分は、直線の辺を有している、請求項1〜23のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項25】
前記応力解放スロットは、応力集中を制限するために、湾曲閉鎖端部を有している、請求項1〜24のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項26】
前記応力解放スロットの湾曲閉鎖端部を囲む領域内の前記本体は、該本体の残りに対する平均表面積より広い表面積を有している、請求項25に記載の血管プロテーゼ。
【請求項27】
前記応力解放スロットの湾曲閉鎖端部は、少なくとも0.25mmに対して、孔が実質的に存在しない、請求項25に記載の血管プロテーゼ。
【請求項28】
前記狭小幅部分に隣接する領域内の前記本体は、少なくとも0.25mmに対して、孔が実質的に存在しない、請求項1〜27のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項29】
前記応力解放スロットは、可変長を有する、請求項1〜28のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項30】
血管プロテーゼであって、
軸を規定する略管状本体を備え、該本体は、収縮状態および拡張状態になることが可能であり、該拡張状態における軸方向の長さおよび円周方向寸法を有し、
該本体は、
第1、第2、第3、および第4の円周方向要素を含む一連の円周方向要素であって、各円周方向要素は、第1の端部および第2の端部を有し、該第1の端部および該第2の端部は、円周方向に離間され、該円周方向要素の各々は、該第1の端部と該第2の端部との間で円周方向に延在する第1の長さを有する、一連の円周方向要素と、
第1のコネクタおよび第2のコネクタと
を備え、
該第1のコネクタおよび該第2のコネクタは、交互する隣接する円周方向要素の端部を結合し、該第1のコネクタが、該第1円周方向要素の第1の端部と該第2の円周方向要素の第1の端部とを結合し、かつ、該第3の円周方向要素の第1の端部と該第4の円周方向要素の第1の端部とを結合し、該第2のコネクタが、該第2の円周方向要素の第2の端部と該第3の円周方向要素の第2の端部とを結合し、それによって、該円周方向要素および該コネクタの略蛇行パターンを生成し、
該円周方向要素および該コネクタは、略長方形であり、
該円周方向要素の長さは、該円周方向要素の幅より2倍超大きく、
該第1のコネクタは、円周方向に延在する第1のコネクタの長さを有し、該第2のコネクタは、円周方向に延在する第2のコネクタの長さを有し、
該円周方向要素の第1の長さと、該円周方向要素に結合された該第1のコネクタの長さと、該円周方向要素に結合された該第2のコネクタの長さとを加算した長さは、総円周方向の長さに等しく、
各コネクタの長は、該総円周方向の長さの2.5%と25%との間であり、それによって、軸方向可撓性が、展開動態を犠牲にすることなく、該本体に対して提供され、
該第2の円周方向要素と該第3の円周方向要素とは、応力解放スロットによって分離され、該第2の円周方向要素の第1の端部における第1のコネクタと、該第3の円周方向要素の第1の端部における第1のコネクタとは、該応力解放スロットによって分離され、各応力解放スロットは、該総円周方向の長さの50%より大きくかつ95%より小さい円周方向に延在する解放スロットの長さを有し、
該応力解放スロットは、応力集中を制限するために、湾曲閉鎖端部を有し、
該応力解放スロットは、該解放スロットの略全体にわたる狭小幅部分を有し、該狭小幅部分は、約3mm以下の側方寸法を有する、
血管プロテーゼ。
【請求項31】
前記総円周方向の長さは、前記縦軸に沿って減少する、請求項30に記載の血管プロテーゼ。
【請求項1】
血管プロテーゼであって、
軸を規定する略管状本体を備え、該本体は、収縮状態および拡張状態になることが可能であり、該拡張状態における軸方向の長さおよび円周方向寸法を有し、
該本体は、
第1、第2、第3、および第4の円周方向要素を含む一連の円周方向要素であって、各円周方向要素は、第1の端部および第2の端部を有し、該第1の端部および該第2の端部は、円周方向に離間され、該円周方向要素の各々は、該第1の端部と該第2の端部との間で円周方向に延在する第1の長さを有する、一連の円周方向要素と、
第1のコネクタおよび第2のコネクタと
を備え、
該第1のコネクタおよび該第2のコネクタは、交互する隣接する円周方向要素の端部を結合し、該第1のコネクタが、該第1円周方向要素の第1の端部と該第2の円周方向要素の第1の端部とを結合し、かつ、該第3の円周方向要素の第1の端部と該第4の円周方向要素の第1の端部とを結合し、該第2のコネクタが、該第2の円周方向要素の第2の端部と該第3の円周方向要素の第2の端部とを結合し、それによって、該円周方向要素および該コネクタの略蛇行パターンを生成し、
該第1のコネクタは、円周方向に延在する第1のコネクタの長さを有し、該第2のコネクタは、円周方向に延在する第2のコネクタの長さを有し、
該円周方向要素の第1の長さと、該円周方向要素に結合された該第1のコネクタの長さと、該円周方向要素に結合された該第2のコネクタの長さとを加算した長さは、総円周方向の長さに等しく、
各コネクタの長は、該総円周方向の長さの2.5%と25%との間であり、それによって、軸方向可撓性が、展開動態を犠牲にすることなく、該本体に対して提供され、
該第2の円周方向要素と該第3の円周方向要素とは、応力解放スロットによって分離され、該第2の円周方向要素の第1の端部における第1のコネクタと、該第3の円周方向要素の第1の端部における第1のコネクタとは、該応力解放スロットによって分離され、各応力解放スロットは、該総円周方向の長さの50%より大きくかつ95%より小さい円周方向に延在する解放スロットの長さを有し、
該応力解放スロットは、該解放スロットの長さの大部分にわたる狭小幅部分を有し、該狭小幅部分は、約3mm以下の側方寸法を有する、
血管プロテーゼ。
【請求項2】
前記プロテーゼは、形状記憶材料を備えている、請求項1に記載の血管プロテーゼ。
【請求項3】
前記円周方向要素および前記コネクタのうちの少なくとも1つは、略長方形である、請求項1〜2のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項4】
前記円周方向要素および前記コネクタは、略長方形である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項5】
前記狭小幅部分は、1mm未満の側方寸法を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項6】
前記狭小幅部分は、0.5mm未満の側方寸法を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項7】
前記狭小幅部分は、前記解放スロットの略全長にわたって延在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項8】
前記第1の長さは、等しい長さである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項9】
前記コネクタの長は、等しい長さである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項10】
前記コネクタは、略三角形である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項11】
前記円周方向要素の一端におけるコネクタは、治療血管直径において、該円周方向要素の他端におけるコネクタと重なる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項12】
前記円周方向要素の一端におけるコネクタは、治療血管直径において、0.120’’未満の該円周方向要素の他端におけるコネクタとの空隙を生成する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項13】
前記円周方向要素の長さは、その幅に略等しい、請求項1〜12のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項14】
前記円周方向要素の長さは、その幅より2倍超大きい、請求項1〜12のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項15】
前記円周方向要素は、前記総円周方向の長さの50%より大きくかつ95%より小さい長さを有する円周方向に延在するスロットを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項16】
前記円周方向要素の幅は、前記縦軸に沿って変動する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項17】
前記総円周方向の長さは、前記縦軸に沿って変動する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項18】
前記総円周方向の長さは、前記縦軸に沿って減少する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項19】
前記円周方向要素の高さは、前記縦軸に沿って変動する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項20】
前記一連の円周方向要素は、分岐に対応するために、2つの独立した一連の円周方向要素に移行する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項21】
少なくとも複数のコネクタは、該コネクタの少なくとも一部にわたり、前記円周方向要素と比較して、より広い表面積を有し、それによって、該コネクタの強度および放射線不透過性が向上されている、請求項1〜20のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項22】
前記応力解放スロットの長さは、前記総円周方向の長さの2/3より大きい、請求項1〜21のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項23】
前記応力解放スロットは、その長さの大部分にわたって、略ミラーリングされた辺を有している、請求項1〜22のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項24】
前記応力解放スロットの前記狭小幅部分は、直線の辺を有している、請求項1〜23のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項25】
前記応力解放スロットは、応力集中を制限するために、湾曲閉鎖端部を有している、請求項1〜24のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項26】
前記応力解放スロットの湾曲閉鎖端部を囲む領域内の前記本体は、該本体の残りに対する平均表面積より広い表面積を有している、請求項25に記載の血管プロテーゼ。
【請求項27】
前記応力解放スロットの湾曲閉鎖端部は、少なくとも0.25mmに対して、孔が実質的に存在しない、請求項25に記載の血管プロテーゼ。
【請求項28】
前記狭小幅部分に隣接する領域内の前記本体は、少なくとも0.25mmに対して、孔が実質的に存在しない、請求項1〜27のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項29】
前記応力解放スロットは、可変長を有する、請求項1〜28のいずれか一項に記載の血管プロテーゼ。
【請求項30】
血管プロテーゼであって、
軸を規定する略管状本体を備え、該本体は、収縮状態および拡張状態になることが可能であり、該拡張状態における軸方向の長さおよび円周方向寸法を有し、
該本体は、
第1、第2、第3、および第4の円周方向要素を含む一連の円周方向要素であって、各円周方向要素は、第1の端部および第2の端部を有し、該第1の端部および該第2の端部は、円周方向に離間され、該円周方向要素の各々は、該第1の端部と該第2の端部との間で円周方向に延在する第1の長さを有する、一連の円周方向要素と、
第1のコネクタおよび第2のコネクタと
を備え、
該第1のコネクタおよび該第2のコネクタは、交互する隣接する円周方向要素の端部を結合し、該第1のコネクタが、該第1円周方向要素の第1の端部と該第2の円周方向要素の第1の端部とを結合し、かつ、該第3の円周方向要素の第1の端部と該第4の円周方向要素の第1の端部とを結合し、該第2のコネクタが、該第2の円周方向要素の第2の端部と該第3の円周方向要素の第2の端部とを結合し、それによって、該円周方向要素および該コネクタの略蛇行パターンを生成し、
該円周方向要素および該コネクタは、略長方形であり、
該円周方向要素の長さは、該円周方向要素の幅より2倍超大きく、
該第1のコネクタは、円周方向に延在する第1のコネクタの長さを有し、該第2のコネクタは、円周方向に延在する第2のコネクタの長さを有し、
該円周方向要素の第1の長さと、該円周方向要素に結合された該第1のコネクタの長さと、該円周方向要素に結合された該第2のコネクタの長さとを加算した長さは、総円周方向の長さに等しく、
各コネクタの長は、該総円周方向の長さの2.5%と25%との間であり、それによって、軸方向可撓性が、展開動態を犠牲にすることなく、該本体に対して提供され、
該第2の円周方向要素と該第3の円周方向要素とは、応力解放スロットによって分離され、該第2の円周方向要素の第1の端部における第1のコネクタと、該第3の円周方向要素の第1の端部における第1のコネクタとは、該応力解放スロットによって分離され、各応力解放スロットは、該総円周方向の長さの50%より大きくかつ95%より小さい円周方向に延在する解放スロットの長さを有し、
該応力解放スロットは、応力集中を制限するために、湾曲閉鎖端部を有し、
該応力解放スロットは、該解放スロットの略全体にわたる狭小幅部分を有し、該狭小幅部分は、約3mm以下の側方寸法を有する、
血管プロテーゼ。
【請求項31】
前記総円周方向の長さは、前記縦軸に沿って減少する、請求項30に記載の血管プロテーゼ。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図24A】
【図25】
【図26】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図24A】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2013−503703(P2013−503703A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527991(P2012−527991)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/047449
【国際公開番号】WO2011/028754
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(505236551)ノボステント コーポレイション (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/047449
【国際公開番号】WO2011/028754
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(505236551)ノボステント コーポレイション (5)
【Fターム(参考)】
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