説明

恒温チューブ式反応器

チューブ式恒温化学反応器(1)は、中心軸(A-A)を有する容器(2)と、触媒反応スペースに内蔵された環状のチューブ式熱交換器(40)とを備え、前記交換器(40)はチューブパック(10a)の複数の同心円状の列(10、11)を備え、前記チューブパックのそれぞれが、平行なチューブ(30)と、それぞれの熱交換流体供給部(20)と、それぞれの熱交換流体収集部(21)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、恒温又は疑似恒温化学反応器で使用されるチューブ式熱交換器の新規な構成に関する。本発明はまた、前記チューブ式熱交換器を備えた化学反応器に関する。
【背景技術】
【0002】
恒温又は疑似恒温化学反応器は、反応ゾーンの温度を制御する内部熱交換器を備えた反応器である。動作中、熱交換器には適切な冷却又は加熱媒体、例えば水、蒸気等が供給され、発熱性又は吸熱性の化学反応に伴う発熱又は吸熱を補償する。恒温反応器は、チューブ式熱交換器又はプレート型熱交換器を備え、それぞれ、チューブ式反応器又はプレート型反応器と呼ばれる。恒温反応器は、例えばメタノールの合成のための反応器であり、一酸化炭素を二酸化炭素に変換するように合成ガスを処理するシフトコンバータである。
【0003】
チューブ式反応器の一般的な構成は、2枚の対向するチューブプレート(又はシート)に支持された軸チューブを有する略環状の熱交換器を備えている。
【0004】
しかしながら、この構造は多くの欠点を有している。チューブシートは高価であり、修理点検が困難である。 チューブ式熱交換器の一体的な構造のために、傷ついたチューブの交換と触媒の再充填が困難である。すべてのチューブがチューブシートにしっかり固定されているので、例えばメインテナンスのためにチューブ式熱交換器の一部分を取り除くことが概して不可能である。反応器は、シェルの直径とほぼ同じ大きさのフランジを有する必要があり、これは高価であると共に、密閉性の問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の直面する課題は、恒温化学反応器における軸方向で環状のチューブ式熱交換器のチューブを配置する、一層効果的なシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が提供するチューブ式恒温化学反応器は、中心軸を有する容器と、前記軸に平行に配置された複数の熱交換チューブを有する環状のチューブ式熱交換器とを備え、前記熱交換器はチューブパック形式の複数の熱交換要素を備え、前記チューブパックのそれぞれは、平行なチューブの束と、それぞれの熱交換媒体供給部と、それぞれの熱交換媒体収集部とを備え、各チューブパックのチューブの両端部はそれぞれの供給部及び収集部に連通し、前記チューブパックは、前記環状の熱交換器の複数の同心円状の列に配置されている。
【0007】
環状のチューブ式熱交換器は通常、外側円筒壁と内側円筒壁との間の環状の触媒ラックに内蔵されている。前記チューブパックは、好ましくは曲線的なプレート状の要素のように形成され、前記要素のそれぞれは、環状の熱交換器の円環のそれぞれの扇形部に渡って延びている。
【0008】
本発明の好ましい実施形態において、前記熱交換媒体供給部及び収集部のそれぞれが、実質的に箱形状の本体を有するように形成されている。箱形状の本体は、対向する壁部によって形成され、供給部/収集部に接続されたチューブに媒体を供給し、又はチューブから媒体を収集するための内部空間を有する。
【0009】
本発明の更に好ましい実施形態において、前記箱形状の本体のそれぞれが、前側湾曲面及び後側湾曲面を備え、前記湾曲面のそれぞれが、円筒状面のそれぞれの細長い一部分に対応しており、さらに二つの側面と、環状面を構成する扇形部として形成された二つの上面及び下面を備えている。
【0010】
好ましくは、一つのチューブパックの供給部及び収集部は、熱交換器における熱交換媒体の相対する入力側/出力側に配置され、同じ形状及び大きさを有する実質的に同じものである。本発明の実施形態において、前記チューブパックの供給部及び収集部を、前記交換器の環状の構造におけるそれぞれのチューブパックの位置にしたがって異ならせてもよい。
【0011】
一実施形態において、各チューブパックのチューブが、反応器及び環状の熱交換器の軸を中心とするいくつかの曲線的な同心円状のチューブ列に配置されている。チューブ列のチューブは、実質的に、前記軸を中心とする円周の円弧上に分布している。1パック当たりのチューブ列の数は一定でもよいし、あるいは本発明の別の実施形態によれば前記交換器の中で可変でもよい。しかし、チューブパックにおけるチューブは他の実施形態において異なる配置でもよい。例えば、各チューブパックのチューブは、正方ピッチ又は三角ピッチで配置される。
【0012】
同じ熱交換器で異なるチューブ配置のチューブパックを使用してもよい。例えば、反応器の中心軸に対して内側及び外側のチューブパックがそれぞれ特定のチューブ配置及び/又は異なる供給部及び収集部を備えていてもよい。
【0013】
好ましい実施形態において、チューブパックが軸方向に互い違いに配置され、供給部及び収集部が、前記熱交換器の流体入力側/出力側において、径方向座標で互い違いに異なるレベルに配置されていてもよい。より好ましくは、要素が互い違いに配置され、供給部及び収集部が少なくとも第1レベル及び第2レベルに交互に配置され、1つのレベルに配置されたそれぞれの供給部又は収集部に隣接する他の供給部又は収集部が別のレベルに配置されている。本発明の好ましい実施形態において、前記チューブパックが、前記箱形状の供給部及び収集部の高さに等しいか又はそれより大きい距離だけ互い違いに配置されている。
【0014】
各チューブパックは、環状の熱交換器の円環の扇形部を形成し、中心軸に対するある角度に渡って延びている。本発明の第1実施形態において、すべてのチューブパックが同じ角度をカバーし、環状の熱交換器の扇形部が同じ数のチューブパックを備えている。更なる実施形態において、前記角度が可変であり、好ましくは、中心軸に近い内側のチューブパックが外側のチューブパックより大きい角度をカバーし、要素の総数が減らされている。それゆえ、好ましい実施形態において、熱交換器の曲線的なチューブパックは、反応器の中心軸を中心とする第1角度に対応する環状の扇形部に渡って延びる外側のチューブパックと、前記軸を中心とする前記第1角度より大きい第2角度に相当する環状の扇形部に渡って延びる第2の内側のチューブパックとを少なくとも備えている。
【0015】
本発明の目的はまた、上記のような化学反応器のための熱交換器である。本発明の目的は、恒温反応器で使用されるチューブ式熱交換器であり、熱交換器は中心軸を有する環状の構成と前記軸に平行なチューブとを備えたものであり、チューブパックの形式の複数の熱交換要素を備え、前記チューブパックのそれぞれは、平行なチューブの束と、熱交換媒体供給部と、その反対側の熱交換媒体収集部とを備え、各チューブパックのチューブの両端部はそれぞれの供給部及び収集部に連通し、前記チューブパックは、前記環状の熱交換器の複数の同心円状の列に配置されている。
【0016】
本発明の別の目的は、モジュール式の熱交換器の製造のためのチューブパックである。特に、本発明の目的は、環状のチューブ式熱交換器の製造のためのプレート状の熱交換要素であり、前記要素は、平行なチューブの束と、熱交換媒体供給部と、その反対側の熱交換媒体収集部とを備え、前記平行なチューブのそれぞれの第1端部は前記供給部に連通し、反対側の第2の端部は前記収集部に連通し、前記要素は、実質的に、円環の一扇形部のように形成されている。それゆえ、複数の要素が、与えられた軸を有する環状のチューブ式交換器の円環部を形成し得る。前記要素のチューブは、一実施形態において、一又は複数の列に配置され、チューブ列のそれぞれは、円周の同心円状の円弧に分布したチューブを構成している。好ましくは、前記円弧は、前記環状のチューブ式交換器の軸を中心とする。別の実施形態において、前記要素のチューブは、例えば正方ピッチ又は三角ピッチに配置されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明のチューブパックは実質的に、モジュール式のプレート状要素として働く。各チューブパックは実質的に、周方向に僅かに湾曲したプレートとして働き、環状の反応スペースにおける与えられた円環の扇形部をカバーしている。それゆえ、本発明によるチューブ式熱交換器は、プレート型交換器の構成に匹敵するモジュール式の構成を有し、大きくて高価なチューブシートを必要としない。例えば、傷ついたチューブの修理点検及び交換は、従来のチューブ式ユニットよりも遙かに容易である。各チューブパックは引き抜くことが可能であり、熱交換プレートのように容易に修理点検又は交換することができる。チューブパックは、比較的小さなフランジによって引き抜いたり挿入したりすることが可能であり、したがって、従来のチューブシートユニットで必要であった大きな上側及び下側フランジはもはや不要である。
【0018】
チューブは、利用可能な反応スペースの全域に渡って均一に分布しており、正確な温度制御が可能になると共に、例えば局部的なピークを回避することができる。チューブは、互いに近接して配置されており、非常に均一な熱交換が可能になると共に、チューブのピッチが反応スペースの全域に渡ってほぼ一定に維持され得る。しかし、本発明の別の利点として、プレート状のモジュール式の構成要素が、チューブ間の空間のおかげで、ガスフローに対して"透過性"である。この特徴によれば、反応スペースで発生する反応物/生成物の混合物が一層均一になる。
【0019】
チューブパックの互い違いの構成は、流体の入口/出口の供給部及び収集部が2以上のレベルに分布しており、触媒を一層容易に排出したり補充したりできる点で更に有利である。
【0020】
本発明は、チューブ式反応器の利点とプレート型反応器の利点を組み合わせている。これらの利点及び他の利点は、非制限的な実施例として以下に述べる好ましい実施形態の詳細な説明によって、一層明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る反応器の概略断面図である。
【図2】図1の反応器の熱交換器のチューブパックを示す図である。
【図3】図2のチューブパックの上面図である。
【図4】図1の反応器の熱交換器の一部分を示す図であり、本発明の好ましい実施形態における複数のチューブパックを示している。
【図5】本発明の別の実施形態に係る反応器の概略断面図である。
【図6】本発明に係るチューブパックの更なる実施形態の断面図である。
【図7】本発明に係るチューブパックの更なる実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
恒温化学反応器1は、垂直軸A-Aを有する円筒シェル2を備えている。反応器1は、外側円筒壁4と内側内側チューブ又はダクト3で区画された触媒ラックを備え、適切な触媒で満たされている。そして、環状の反応スペースRが、反応器1の内部の壁3及び4の間に形成されている。チューブ式熱交換器40が触媒ラックに内蔵され、前記スペースRに対して熱を与え、又は熱を取り除く。
【0023】
チューブ式熱交換器40は、略環状の構造を有し、軸A-Aに平行な軸チューブと、均一に分配されたスペースRとを備えている。チューブは、交換器40の入力側からその反対側の出力側へ延びている。例えば、媒体が反応器1に底面から入り上面から出て行く。
【0024】
熱交換媒体は、任意の適切な媒体でよい。一般的な選択肢は水又は蒸気である。反応器1が発熱反応に使用される場合は、媒体は、チューブ内で少なくとも部分的に蒸発する液体でよい。以下の記述において、任意の適切な熱交換媒体を意味する用語として、「流体」が使用される。
【0025】
熱交換器40は、実質的に、湾曲したプレート状のチューブパックのように形成された複数のモジュール式の構成要素を備え、これらは、環状の交換器40のそれぞれの円環の扇形及び環状のスペースRに沿って延びている。チューブパックは、複数の同心円状の列に配置され、各列は環状のスペースRの円環をカバーしている。2個の列10及び11が図1に示されている。同心円状の列の数は、大きさに応じて変化し、例えば10から15である。
【0026】
好ましい実施形態における1個のチューブパック10aが図2に描かれている。これは、基本的に、チューブ30を備え、その両端部でそれぞれ、チューブパック10aの熱交換流体供給部20と流体収集部21に連通している。また、図2には、環状の熱交換器40及び反応スペースRの座標r、θ、及びzが示されている。
【0027】
供給部20及び収集部21は、本発明の好ましい実施形態において、実質的に、わずかに湾曲した平行六面体の箱状に形成され、この箱は、内側及び外側の湾曲面22、23と、径方向rに平行な2個の側面24、25と、実質的に、環状面を構成する扇形部のように形成された上面及び下面26、27とを備えている。
【0028】
湾曲面22及び23のそれぞれは、図2及び図3から明らかなように、実質的に、チューブパック10aが配置された列10の内側/外側の境界に対応するそれぞれの円筒状面の細長い一部分である。側面及び上/下面24、25、26及び27は好ましくは平面である。
【0029】
各チューブパックは、中心軸A-Aを中心とする与えられた角度θe(図3)に渡って延びている。それゆえ、一つの供給部20又は収集部21の断面は、図3に示すように、前記湾曲面22、23に対応する二つの曲線的な側面を有する台形の形状を備えている。
【0030】
チューブパックは、好ましくは、軸方向zに(A-Aに平行に)互い違いに配置され、したがって、2以上のレベルに配置されている。本実施例において、チューブパック10a及び11aは、同心円状の列10及び11にそれぞれ配置されると共に第1レベルに配置され、他方のチューブパック10b及び11bは第2レベルに配置され、これによって、第1レベルのチューブパックと第2レベルのチューブパックは周方向及び径方向の両方で互い違いに配置されている。第1レベルに位置する供給部又は収集部20、21の隣には、座標r及びθの両方向において、第2レベルに位置する他の供給部又は収集部が配置されている。更なる実施形態において、チューブパックが3以上のレベルに互い違いに配置されていてもよい。好ましくは、隣接するチューブパックのZ方向の互い違いは、少なくとも供給部/収集部20及び21(図2)の高さhに等しいか、それより大きい。
【0031】
図4は本発明の好ましい実施形態を示しており、熱交換チューブパックがZ方向に互い違いに二つのレベルに配置されている。チューブパック101aは第1レベルに配置され、チューブパック101bは第2レベルに配置されている。環状の反応スペースRの扇形部100は、本実施例において、第1及び第2のzレベルに交互に配置された13個のチューブパックでカバーされている。図4は、熱交換器40の上端部を示している。交換器40の反対側の下端部も同様に構成されている。
【0032】
チューブパックがカバーする角度θeはすべてのチューブパックに共通でよいが、他の実施形態では、チューブパックが異なれば角度θeも異なるようにしてもよい。図1及び図4において、すべてのチューブパックは同じ角度θeを有し、環状の交換器40のそれぞれの列は同じ数のチューブパックを有する。例えば、チューブパック10a、10b、11a、11bのそれぞれが角度22.5度に渡って延び、交換器40の列10、11及び他の同心円状の列がそれぞれ16個のチューブパックを備え、スペースRのそれぞれの円環部の全周360度をカバーしている。
【0033】
角度θeが可変である実施形態では、軸A-Aに近い内側のチューブパックが外側のチューブパックより大きい角度に渡って延びていることが好ましい。図5に示す実施形態では、外側の列10のチューブパック10cは第1角度θe,1をカバーし、中心軸A-Aに近い内側の列12のチューブパック10dは、前記第1角度より大きい第2角度θe,2をカバーしている。好ましくは、前記第2角度が第1角度の2倍である。例えば、図4の実施形態の変形例において、第1グループの外側の列のチューブパックではθe,1=22.5度であり、第2グループの内側の列のチューブパックではθe,2=45度である。
【0034】
各チューブパックのチューブ30は、曲線的で軸A-Aを中心とする同心円状の列に配置することができる。図2の実施例において、チューブパック10aは3列のチューブを備え、チューブ301は第1列のチューブの一つであり、チューブ302は第2列に位置し、チューブ303は第3列に位置する。全スペースRにおけるチューブのピッチが一定に維持され得ること、又は、例えば+/-1mmの公差より小さい範囲内にあることが好ましい。
【0035】
チューブパックにおけるチューブ30の他の構成が図6及び図7に示されている。図6において、チューブパック10は、点線で示すように三角ピッチで配列されたチューブ310を有する。図7において、チューブパック10aは、正方ピッチで配列されたチューブ320を有する。。
【0036】
供給部20及び収集部21は、熱交換媒体を分配させ、収集する手段に接続されているが、これらの手段自体は公知であるので、その詳細な説明は省略する。例えば、箱形状の供給部及び収集部20、21は、環状の供給又は収集パイプに接続された配管にそれぞれ接続されていても良い。適切な流体入口/出口フランジ又は接続部がシェル2によって提供される。
【0037】
本発明の好ましい適用例は、チューブ式熱交換器40がメタノール合成反応の熱を取り除くように作用するメタノールコンバータである。冷却水が底部供給部20に供給され、チューブパックのチューブ30を通って蒸発し、メタノール合成反応で発生した熱を取り除くと共に、スペースRを通して生成物と反応物の正確な温度制御を提供する。水/蒸気混合物が収集部21で収集され、平衡装置としても働く。
【0038】
本発明は、軸方向フロー、径方向フロー、又は軸/径方向の恒温化学反応器において等しく有利であると共に、流体中で働く内部熱交換器を有する任意の反応器にも適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸(A-A)を有する容器(2)と、前記軸に平行に配置された複数の熱交換チューブを有する環状のチューブ式熱交換器(40)とを備えたチューブ式恒温化学反応器(1)であって、
前記熱交換器は、チューブパック(10a、10b、10c、10d)の形式の複数の熱交換要素を備え、前記チューブパックのそれぞれは、平行なチューブ(30)の束と、熱交換媒体供給部(20)と、熱交換媒体収集部(21)とを備え、各チューブパックのチューブの両端部はそれぞれの供給部及び収集部(20、21)に連通し、前記チューブパックは、前記環状の熱交換器の複数の同心円状の列(10、11)に配置されていることを特徴とするチューブ式恒温化学反応器。
【請求項2】
請求項1記載の反応器であって、前記チューブパックは曲線的なプレート状の要素のように形成され 各チューブパックは前記環状の熱交換器の円環の扇形部に渡って延びていることを特徴とする反応器。
【請求項3】
請求項1又は2記載の反応器であって、前記熱交換媒体供給部(20)及び熱交換媒体収集部(21)が実質的に箱形状の本体を有するように形成されていることを特徴とする反応器。
【請求項4】
請求項3記載の反応器であって、前記箱形状の本体が、円筒状面の細長い一部分にそれぞれ対応する前側湾曲面(22)及び後側湾曲面(23)と、二つの側面(24、25)と、環状面を構成する扇形部のように形成された二つの上面及び下面(26、27)を備えていることを特徴とする反応器。
【請求項5】
上記請求項のいずれか1項記載の反応器であって、前記チューブパックが軸方向(A-A)に互い違いに配置され、前記熱交換媒体供給部(20)及び収集部(21)が、前記熱交換器の流体入力側/出力側において、反応器(1)の径方向座標(z)に応じて互い違いに異なるレベルに配置されていることを特徴とする反応器。
【請求項6】
請求項5記載の反応器であって、前記チューブパックが互い違いに配置され、前記供給部(20)及び収集部(21)が少なくとも第1レベル及び第2レベルに交互に配置され、1つのレベルに配置されたそれぞれの供給部(20)又は収集部(21)に隣接する他の供給部又は収集部が別のレベルに配置されていることを特徴とする反応器。
【請求項7】
請求項6記載の反応器であって、前記チューブパックが、前記供給部及び収集部(20、21)の高さ(h)に等しいか又はそれより大きい距離だけ互い違いに配置されていることを特徴とする反応器。
【請求項8】
上記請求項のいずれか1項記載の反応器であって、前記熱交換器(40)の曲線的なチューブパックが、前記反応器の中心軸(A-A)を中心とする第1角度に相当する環状の扇形部に渡って延びる外側のチューブパック(10c)と、前記軸を中心とする前記第1角度より大きい第2角度に相当する環状の扇形部に渡って延びる第2の内側のチューブパック(10d)と、を少なくとも備えていることを特徴とする反応器。
【請求項9】
上記請求項のいずれか1項記載の反応器であって、各チューブパック(10a)が、前記反応器(1)の中心軸(A-A)を中心とする複数の曲線的な同心円状の列に配列された熱交換チューブ(301、302、303)を有することを特徴とする反応器。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか1項記載の反応器であって、各チューブパック(10a)が三角ピッチ(310)又は正方ピッチ(320)で配列されたチューブを有することを特徴とする反応器。
【請求項11】
恒温反応器に使用されるチューブ式熱交換器(40)であって、熱交換器は中心軸を有する環状の構成と、前記軸に平行なチューブ(30)とを備え、チューブパック(10a、10b、10c、10d)の形式の複数の熱交換要素を備え、前記チューブパックのそれぞれが平行なチューブの束と、熱交換媒体供給部(20)と、反対側の熱交換媒体収集部(21)とを備え、各チューブパックのチューブの両端部がそれぞれの供給部及び収集部(20、21)に連通しており、前記チューブパックが前記交換器の環状に配列された複数の同心円状の列(10、11)に配置されていることを特徴とするチューブ式熱交換器。
【請求項12】
環状のチューブ式熱交換器の製造のためのプレート状の熱交換要素(10a)であって、前記要素は、平行なチューブ(301 、302、303)の束と、熱交換媒体供給部(20)及びその反対側の熱交換媒体収集部(21)とを備え、前記平行なチューブのそれぞれの第1端部は前記供給部(20)に連通し、反対側の第2端部は前記収集部(21)に連通し、前記要素(10a)は実質的に円環の扇形のように形成されていることを特徴とする熱交換要素。
【請求項13】
請求項12に記載の熱交換要素であって、前記要素のチューブが一又は複数の列に配置され、チューブ列のそれぞれが円周の同心円状の円弧に分布するチューブ(301-303)を備えていることを特徴とする熱交換要素。
【請求項14】
請求項12に記載の熱交換要素であって、前記要素のチューブ(310、320)が正方又は三角ピッチで配列されていることを特徴とする熱交換要素。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−525244(P2012−525244A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507660(P2012−507660)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053952
【国際公開番号】WO2010/124916
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(501479879)メサノール カサーレ ソシエテ アノニーム (7)
【Fターム(参考)】