説明

情報入力用の曲面体、情報入力用の地図、情報入力用の図面

【課題】
従来のドットパターン技術では、曲面体から緯度・経度情報またはこれに関連する情報を取得することができないという問題、および、地図、図面に描かれた線分付近から座標情報および/またはコード情報を読み取り、線分に対して関係付けられた情報を得るためには、人の手で当該線分を含む領域を定義し、その領域内に当該情報を関係付けたドットパターンを形成しなければならず、労力・時間・コストを膨大になってしまい、さらに線分が隣接する場合、十分な領域を確保できず、当該線分に正確に情報を定義できないという課題があった。
【解決手段】
所定の規則に基づいて形成された、縞状の周期的なパターンであるモアレの少ないストリームドットパターンを複数連結して帯状に形成することにより、曲面体や地図、図面等の各種線分への正確な緯度・経度情報、座標情報の定義が可能な情報入力用媒体の創作が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体に形成したドットパターン情報を光学的に読み取ることにより、様々な情報を入出力させることが可能なドットパターンを用いた情報入力用の曲面体、地図、図面に関するものであり、特にそれらの表面にストリームドットパターンを複数連結して帯状に形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、可視情報として地図が印刷された地球儀の任意の場所を指示手段で指示すると、可視情報に重ねて印刷された不可視情報が読み取られ、読み取った不可視情報に基づいて指示した部分に関する情報を音声で出力させる技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、地図上に可視情報とドットパターンを重畳して印刷した媒体において、ドットパターン中にコード情報と座標情報とを組み合わせたドットパターンを印刷しておき、地図上のシンボルのコード情報から当該シンボルの説明文、画像等をディスプレイ装置やスピーカから出力し、地図および前記シンボル上の座標情報からはそれに対応した地図画像をディスプレイ装置から出力させる技術が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−43093号公報 タカラ
【特許文献2】特開2007−079993号公報 ヨシダ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1または2のいずれに記載されたドットパターン技術を採用しても、従来のドットパターンはブロックの領域内に予め定められた個数、間隔によりドットを配置して形成されるものであるため、例えば地球儀を初めとする曲面体にドットパターンにより情報を定義する際、つなぎ目部分(例えば紡錘形の紙が張り合わされる部分)や、中央部(例えば赤道付近)と極部(例えば北極付近)との間でドットに歪みが生じ、その部分においては適切にドットパターンを形成することおよび読み取ることが困難であるという問題があった。
【0006】
そのため、これら複数の発明者により提案されているドットパターン技術(特許文献1、2)を用いても、地球儀などの曲面体に情報を定義するとき、東京、ブルゴーニュ、アメリカといった国や地域、都市を単位とする所定範囲毎に同一のドットパターンを形成してコード情報を定義し、それに対応する情報を入出力させる方法しか採用できず、当該地球儀に緯度・経度情報および緯度・経度情報に関連する情報を取得することができないという問題、およびこれに起因して指示手段により指示された正確な位置を特定できないことから、利便性に富んだドットパターン技術の実現が困難であるという解決し得ない課題があった。つまり、2次元平面上に配置される従来のドットパターンでは、曲面体の任意の位置から情報を得るには困難であった。
【0007】
また、地図、図面に描かれた線分付近を光学読取手段で座標情報および/またはコード情報を読み取り、線分に対して関係付けられた情報を得るためには、人の手で当該線分を含む領域を定義し、その領域内に当該情報を関係付けたドットパターンを形成しなければならない。そのための労力・時間・コストを膨大になってしまい、さらに線分が隣接する場合、十分な領域を確保できず、当該線分に正確に情報を定義できないという課題があった。
【0008】
さらに、上記特許文献1においては、複雑で規則正しいドットパターンを媒体上に形成していたため、ドットが形成されている箇所と形成されていない箇所とが相互に干渉し合って縞状の周期的なパターンであるモアレを発生させるという問題があった。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、地球儀を初めとする曲面体や、地図、図面等の媒体面に、所定の規則に基づいて形成された、縞状の周期的なパターンであるモアレの少ないストリームドットパターンを複数連結して帯状に形成し、ストリームドットパターンにより曲面体、地図、図面上の位置を示す座標情報や複数の情報を定義して、光学読取手段により媒体面に形成されたストリームドットパターンを読み取ってそれらの情報及び関連情報を入出力させることによって、曲面体や地図、図面等のあらゆる媒体面への正確な座標情報の定義が可能な情報入力用媒体の創作を技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明では、以下の手段を採用した。
【0011】
本発明の情報入力用の曲面体は、所定の規則に基づいてドットを配置したドットパターンが表面に形成された曲面体であって、該ドットパターンは、線状に連続して配置した複数の基準ドットと、該複数の基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線と、該基準ドットおよび/または該第一の仮想基準線から所定の位置に定義される、直線および/または曲線からなる第二の仮想基準線と、該第二の仮想基準線上の所定の位置に設けられる複数の仮想基準点と、該仮想基準点からの距離と方向とで情報が定義される情報ドットと、からなるストリームドットパターンであって、該曲面体の表面に複数連結して帯状に形成されており、該ドットの所定規則によって、曲面体上の位置を示す座標情報および/またはコード情報が定義されており、光学読取手段によって該曲面体上の任意位置を撮像したときは、該撮像中心の該座標情報および/またはコード情報が読み取られることを特徴とする。
【0012】
すなわち、本発明では、地球儀やプラモデル、デザインモデル、人体模型を初めとするあらゆる曲面体に、所定の規則に基づいて、曲面体の所定の位置を示す座標情報および/またはコード情報を定義するストリームドットパターンを複数連結して帯状に設ける。
【0013】
帯状にドットパターンを複数連結させて設けるので、曲面体の周囲等の長さに基づいて、ドットパターンの所定の規則により定まる一定情報のまとまりの間隔を慎重圧縮し、設計事項としてその一定情報のまとまりの長さを調整することができる。
【0014】
これにより、ドットパターンを形成する際に生じるドットパターンの歪みや、円周方向に生じる最終部位であるつなぎ目の誤差を解消することができ、いずれの範囲を読み取ってもドットを認識することが可能となる。
【0015】
同様に、一定情報のまとまりの長さを曲面体の周囲の長さから平均して導き出すことにより、最終部位付近でドットの間隔、大きさ、個数が他の連続するドットパターンと異なることに起因する、情報量の低下や処理手段で解析できない程度にまでドットパターンが歪むことを防止することができ、曲面体に形成されたドットパターンにより座標情報および/またはコード情報の定義が可能となる。
【0016】
ここで、ドットパターンの伸張圧縮等が可能な範囲は、撮像領域が直径4mm程度の光学読取手段では、撮像した画像データを解析することが担保される最小の値までであり、一定情報のまとまりの幅、長さがおよそ1〜3mm程度である。もちろん、撮像領域の大きさにより、一定情報のまとまりの長さ、幅を増減できることはいうまでもない。
【0017】
なお、これに限らずドットの位置や、一定情報のまとまりにおけるドットの所定間隔、個数を変更すること、いわゆる可変長にすることによっても調整することが可能である。可変長にする場合の情報量の大きさは、処理手段で解析できる範囲内であれば、大小様々なデータに対応することが可能となる。
【0018】
また、帯状にドットパターンを形成するため、従来のドットパターンでは困難であった半径が一定ではない曲面体の所定の位置を定義することが可能となる。なお、曲面体は、球体や円柱、円錐などのように単純な数式では表すことができない自由曲面体も含まれる。この場合には、空間に交点と曲率をいくつか設定し、高次方程式でそれぞれの交点を補完して曲面を表現していくことになる。
【0019】
そして、曲面体に設けられたドットパターンを、光学読取手段を用いて画像データとして読み取って当該画像データを解析してドット相互間の位置と距離とを解析することによって、所定の規則により配置されたドットとして認識して、ドットパターンを解析しドットコードから座標情報および/またはコード情報を求めることができる。
【0020】
前記構成によれば、情報入力者の要望に合わせて曲面体の所定の位置を示す座標情報に関連した様々な情報や、曲面体上に任意に領域を定めコード情報を定義して関連する情報を割り当てることが可能となる。すなわち、ドットパターン中に曲面体の座標情報とコード情報を組み合わせたドットを配置しているため、例えば媒体が人体模型である場合、人体模型上に印刷されたシンボルの領域に定義されたコード情報からは身体の部位を示す説明文、画像、動画、広告、音声情報、web等をディスプレイ装置やスピーカなどから出力することができ、人体模型の座標情報からは、体温等のその座標位置ごとに変化する情報を計測値や所定の式から求めることが可能となる。
【0021】
ストリームドットパターンを用いることで、従来のドットパターンにおける矩形領域の形状に依存せずに、ドットパターンを媒体表面上に曲線を含む線状に印刷形成することが可能となり、かつ媒体に形成したドットパターン情報を光学的に読み取ることにより、図面や地図、文字・記号・図形等が形成された曲面体において様々な情報を入出力させることが可能となる。
【0022】
また、曲面体の座標情報を認識することができるため、例えば地球儀に形成されたストリームドットパターンを2回読み取った場合、その2点間の距離や人口の差、気温差などを音声等により出力させるというような使用が可能となる。なお、情報をドットのあるなしではなく、所定の規則に基づいて定義するため、ドットが形成されている箇所と形成されていない箇所とが相互に干渉し合って発生する縞状の周期的なパターンであるモアレを解消することが可能となる。
【0023】
また、本発明の情報入力用の曲面体は、前記ドットパターンは、前記曲面体の表面に螺旋状および/または輪状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の情報入力用の曲面体である。
【0024】
これにより、ストリームドットパターンを連結して、螺旋状に隙間なく配置すれば、光学読取手段を用いて曲面体上のどの位置でも座標情報および/またはコード情報を読み取ることができる。また、曲面体に螺旋状にドットパターンを設けた際の曲面体の周囲の長さから、一定情報のまとまりの長さ、大きさ、間隔、個数を予め定めて曲面体に形成することにより、曲面体全体におけるドットパターンの大きさを一定にすることができ、歪みなくドットパターンを形成することが可能となる。
【0025】
また、ストリームドットパターンを並べて、輪状に隙間なく配置すれば、光学読取手段を用いてどの位置でも座標情報および/またはコード情報を読み取ることができる。また、曲面体に輪状にドットパターンを設けた際の曲面体の周囲の長さから、ドットパターンに定義された一定情報のまとまりの長さ、大きさ、間隔、個数を予め定めて曲面体に形成することにより、個々の輪では、情報のまとまりを一定にすることができ、歪みなくドットパターンを形成することが可能となる。
【0026】
また、本発明の情報入力用の曲面体は、前記ドットパターンは、帯状の印刷媒体に形成され、該帯状の印刷媒体は、前記曲面体の表面に貼られていることを特徴とする請求項1記載の情報入力用の曲面体である。
【0027】
これにより、曲面体に直接印刷せずとも、曲面体の表面にストリームドットパターンを複数連結して帯状に形成することが可能となる。すなわち、帯状の媒体にストリームドットパターンを印刷し、それを曲面体の所定の位置に貼り付けつけることにより、曲面体に直接印刷することなく、簡易にストリームドットパターンが複数連結して帯状に形成された曲面体を創作できる。もちろん、1枚の媒体に複数のストリームドットパターンを並べて(例えば平行に)印刷し、少なくとも1本以上の連結したストリームドットパターンに沿ってカットして、曲面体に貼り付けてもよい。帯状にカットされた印刷媒体は、その曲面体の形状に合わせて螺旋状、輪状及び/または直線状に貼り付ければよい。
【0028】
また、本発明の情報入力用の曲面体は、前記帯状の印刷媒体は、前記曲面体の表面に、螺旋状および/または輪状に巻き付けて貼られていることを特徴とする請求項3記載の情報入力用の曲面体である。
【0029】
これにより、曲面体に直接印刷せずとも、曲面体の表面にドットパターンを複数連結して螺旋状および/または輪状に形成することが可能となる。
【0030】
すなわち、1枚の帯状の媒体にストリームドットパターンを複数連結して帯状に印刷し、それを曲面体の表面に螺旋状に隙間なく巻きつけて貼り付けつけることにより、曲面体に直接印刷することなく、簡易に帯状のドットパターンが螺旋状に形成された曲面体を創作できる。螺旋状に貼り付ける際の帯状の印刷媒体は、リンゴなどの果実の皮を螺旋状に剥いていった際の皮のような形状をしており、分離しない一の媒体にストリームドットパターンを連結して帯状に形成して曲面体の表面全体に形成してもよい。もちろん、複数枚印刷して繋げて貼り付けつけてもよい。
【0031】
また、複数枚の帯状の媒体にストリームドットパターンをそれぞれ複数連結して帯状に印刷し、それを曲面体の表面に輪状に隙間なく周回するように巻きつけて貼り付けつけることにより、曲面体に直接印刷することなく、簡易に帯状のドットパターンが輪状に形成された曲面体を創作できる。
【0032】
ただし、ドットパターンに定義された一定情報のまとまりの長さ、大きさ、間隔が一定の帯状の媒体を用いて、曲面体の表面に周回させて輪を巻きつけて貼り付けつけると、繋ぎ目では情報が欠けて読み取ることができない場合がある。もちろん、曲面体に輪状にドットパターンを設けた際の曲面体の周囲の長さから、ドットパターンに定義された一定情報のまとまりの長さ、大きさ、間隔、個数を予め定めたストリームドットパターンを帯状の媒体に印刷すればよい。これにより、個々の輪では、情報のまとまりを一定にすることができ、歪みなくドットパターンを形成することが可能となる。
【0033】
また、本発明の情報入力用の曲面体は、前記第一の仮想基準線は、少なくとも前記曲面体の表面に可視的に形成された実在線上に定義されることを特徴とする請求項1記載の情報入力用の曲面体である。
【0034】
これにより、ユーザが視認できる実在線自体に情報を持たせることが可能となり、利便性に富んだ情報の入出力が可能となる。
【0035】
ここで、「少なくとも」とは、曲面体に実在線が可視的に形成されている箇所においては、第一の仮想基準線が実在線上に定義されていればよく、実在線が形成されていない箇所においては、これに限定されることなく第一の仮想基準線を自由に定義することができる意である。
【0036】
また、本発明の情報入力用の曲面体は、前記曲面体は、地球儀または天球儀または天体儀であり、前記ドットパターンは、前記座標情報に代えて、該地球儀または該天球儀または該天体儀上の緯度・経度情報と、および/または、前記コード情報として該地球儀または該天球儀または該天体儀上の地域情報と、を定義していることを特徴とする請求項1記載の情報入力用の曲面体である。
【0037】
このように、緯度・経度情報および/または地域情報を定義することにより、地球儀、天球儀、天体儀上に印刷されたシンボルや地名等の領域に定義されたコード情報からは当該シンボルや地名等の説明文、画像、動画、音声情報等をディスプレイ装置やスピーカなどから出力することができ、地球儀または天球儀、天体儀上の緯度・経度からはそれに対応した、気温や気候、CO2の濃度等やその地域に基づいた様々な情報をディスプレイ装置から出力させることが可能となる。なお、コード情報が定義された領域と、関連情報が割り当てられた緯度・経度が重なる領域では、所定の方法で関連情報を切り替えて出力できる。
【0038】
ここで、本発明における地球儀または天球儀または天体儀とは、基台部上に設けられた支持部により曲面体を極において支持し、該極を結ぶ軸線を中心として回転させる一般的なもののみならず、曲面体を磁石により支持し、浮揚・回転させるものや、個定の紙やプラスチックの球体に地図が印刷されたものも含み、あるいは風船のようなものに地図が印刷されたものであってもよい。また、天体儀としては、例えば水星儀、金星儀、月球儀、火星儀、木星儀などが挙げられる。
【0039】
また、本発明の情報入力用の曲面体は、前記曲面体は、回転体であることを特徴とする請求項1記載の情報入力用の曲面体である。
【0040】
これにより、円筒座標系の座標値を正確に定義でき、ストリームドットパターンが複数連結して印刷された帯状の印刷媒体を隙間なく螺旋状または輪状に配置すれば、光学読取手段を用いて任意のどの位置でも座標情報および/またはコード情報を読み取ることができる。
【0041】
また、本発明の情報入力用の曲面体は、前記曲面体は、球体であることを特徴とする請求項1記載の情報入力用の曲面体である。
【0042】
これにより、球座標系の座標値を正確に定義でき、ストリームドットパターンが複数連結して印刷された帯状の印刷媒体を隙間なく螺旋状または、輪状に配置すれば、光学読取手段を用いて任意のどの位置でも座標情報および/またはコード情報を読み取ることができる。
【0043】
また、本発明の情報入力用の曲面体は、前記曲面体は、立体地図、彫刻、建築物、人体模型等の三次元造形物であることを特徴とする請求項1記載の情報入力用の曲面体である。
【0044】
これにより、1個の閉じた自由曲面体であれば、その部位毎に螺旋状、輪状、または直線状に、ストリームドットパターンが複数連結して帯状に形成された帯状の印刷媒体を適切に使い分けて隙間なく配置すれば、光学読取手段を用いて任意のどの位置でも座標情報および/またはコード情報を読み取ることができる。
【0045】
ここで、「三次元造形物」とは、立体地図(山や谷、渓谷や建築物などを立体的に表したものだけでなく、地図自体が立体である場合も含む)、都市模型におけるビル、プラモデル、デザインモデル、人体模型などあらゆる造形物を指し、「三次元」とは触覚によって形状を認識できるものであることを意味するものであって、地図上で道路や鉄道を示すための僅かに隆起又は窪んだ線も、ここでいう「三次元」に含まれる。すなわち、本発明に係る情報入力用の曲面体には、地球儀等のような全体形状が曲面体として形成されているものだけでなく、全体形状は平面的であるが、そこに形成される情報を定義する個々のものが曲面体として認識できる場合も含まれる。
【0046】
本発明の情報入力用の地図は、所定の規則に基づいてドットを配置したドットパターンが表面に形成された地図であって、該ドットパターンは、線状に連続して配置した複数の基準ドットと、該複数の基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線と、該基準ドットおよび/または該第一の仮想基準線から所定の位置に定義される、直線および/または曲線からなる第二の仮想基準線と、該第二の仮想基準線上の所定の位置に設けられる複数の仮想基準点と、該仮想基準点からの距離と方向とで情報が定義される情報ドットと、からなるストリームドットパターンであって、該地図の表面に複数連結して帯状に形成されており、該第一の仮想基準線は、該地図の表面に可視的に形成された所定のパラメータの値が等しい点を結ぶ等値線(等高線、等圧線、等風速線、等温線)上に設けられ、該ドットの所定規則によって、地図上の位置を示す座標情報および/またはコード情報が定義されており、光学読取手段によって該地図上の任意位置を撮像したときは、該撮像中心の該座標情報および/またはコード情報が読み取られることを特徴とする。
【0047】
これにより、等高線、等圧線、等風速線、等温線などの様々な情報を示すために可視的に表現された等値線に沿ってストリームドットパターンを配置すれば、光学読取手段を用いて任意のどの位置でも座標情報および/またはコード情報を読み取ることができる。
【0048】
ここで、コード情報に等値線の値を定義したり、関連情報を関係付けることにより利便性の優れたグリッドマップ(ドットパターンを用いた地図の仮称)が提供できる。
【0049】
また、本発明の情報入力用の地図は、前記第一の仮想基準線は、該地図の表面に可視的に形成された所定のパラメータの値が等しい点を結ぶ等値線(等高線、等圧線、等風速線、等温線)に代えて、前記地図の表面に可視的に形成された道路の幅を示す輪郭線、もしくは道路を示す中心線、もしくは文字および文字列、または道路の中央を示す仮想的な中心線上に設けられることを特徴とする請求項10記載の情報入力用の地図である。 これにより、直線、折れ線、曲線、実線、各種点線、太線、二重線等で示された道路に沿って第一の仮想基準線、すなわちストリームドットパターンを形成すれば、光学読取手段を用いて任意のどの位置でも座標情報および/またはコード情報を読み取ることができる。
【0050】
ここで、コード情報に道路名を定義したり、関連情報を関係付けることにより利便性の優れたグリッドマップ(ドットパターンを用いた地図の仮称)が提供できる。また、地名や施設、交差点等様々な地図情報を示す文字および文字列に沿った所定の位置にストリームドットパターンを形成して、関連情報を関係付ければ、地図の詳しい情報を簡易に取得できる。さらに、詳しい情報を取得できることから、地図情報を示す文字および文字列をできるだけ簡潔に表現し、または削除することにより見やすい地図を提供できる。
【0051】
本発明の情報入力用の図面は、所定の規則に基づいてドットを配置したドットパターンが表面に形成された図面であって、該ドットパターンは、線状に連続して配置した複数の基準ドットと、該複数の基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線と、該基準ドットおよび/または該第一の仮想基準線から所定の位置に定義される、直線および/または曲線からなる第二の仮想基準線と、該第二の仮想基準線上の所定の位置に設けられる複数の仮想基準点と、該仮想基準点からの距離と方向とで情報が定義される情報ドットと、からなるストリームドットパターンであって、該図面の表面に複数連結して帯状に形成されており、該第一の仮想基準線は、該図面の表面に可視的に形成された実在線上に設けられ、該ドットの所定規則によって、図面上の位置を示す座標情報および/またはコード情報が定義されており、光学読取手段によって該図面上の任意位置を撮像したときは、該撮像中心の該座標情報および/またはコード情報が読み取られることを特徴とする。
【0052】
これにより、直線、折れ線、曲線、実線、各種点線、太線、二重線等で示された実在線に沿ってストリームドットパターンを配置すれば、光学読取手段を用いて任意のどの位置でも座標情報および/またはコード情報を読み取ることがでる。さらに、実在線に沿ってストリームドットパターンに実在線を描くための情報(ベクター情報)を定義すれば、読み取った座標情報および/またはコード情報を元に、CADで描画・表示・編集し、再度図面を出力することができる。
【0053】
本発明の情報入力用の図面は、前記第一の仮想基準線は、該図面の表面に可視的に形成された実在線に代えて、前記図面の表面に可視的に形成された対象物の輪郭線、もしくは対象物を示す指示線、もしくは対象物の説明を記載するための引き出し線、もしくは対象物の大きさを示す寸法線、もしくは文字および文字列、または対象物の中央を示す仮想的な中心線上に設けられることを特徴とする請求項12記載の情報入力用の図面である。 これにより、設計対象となる対象物を示す実在線および/または図面上に記された文字および文字列に沿ってストリームドットパターンを形成し、対象物の種類、製品番号、仕様、色、模様、材質、材料、取り付け部品、加工方法、施工方法、作業日程等様々な関連情報を関係付ければ、1枚の図面で様々な情報を取得でき利便性に優れたグリッドドローイング(ドットパターンを用いた図面の仮称)が提供できる。
【発明の効果】
【0054】
本発明は、曲面体、地図、図面などの情報入力用媒体に、それら媒体の所定の位置や描かれた線分を示す座標情報やコード情報の定義が可能なストリームドットパターンを帯状に連結して形成することにより、曲面体や、あらゆる形状の媒体面に描かれた線分への正確な座標情報やコード情報の定義が可能であり、さらに縞状の周期的なパターンであるモアレを少なくするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】ストリームドットパターンの概略を示す図である。
【図2】ドットパターンの情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例を示す図である。
【図3】ドットパターンの情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例を示す図である。
【図4】ドットパターンの情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例を示す図である。
【図5】ドットパターンの変形例を示す図である。
【図6】ストリームドットパターンの形成方法を説明する図である。
【図7】ストリームドットパターンの形成方法を説明する図である。
【図8】第一の仮想基準線をベジェ曲線により設ける一例を示す図である。
【図9】ストリームドットパターンが形成された曲面体の一例を示す図である。
【図10】曲面体へのストリームドットパターンの形成方法について説明する図である。
【図11】曲面体へのストリームドットパターンの形成方法について説明する図である。
【図12】曲面体へのストリームドットパターンの形成方法について説明する図である。
【図13】曲面体中心からの半径インデックスの例を示す図である。
【図14】地球儀に用いられるドットパターンの一例を示す図である。
【図15】地球儀に用いられるドットパターンの一例を示す図である。
【図16】インデックスの定義の手法を説明した図である。
【図17】地球儀に用いられるドットパターンの一例を示す図である。
【図18】地球儀に用いられるドットパターンの変更例を示す図である。
【図19】地球儀に用いられるドットパターンの変更例を示す図である。
【図20】情報入力用の曲面体を用いた情報入出力方法の一例を示す図である。
【図21】ドットコードフォーマットの一例を示す図である。
【図22】ドットコードフォーマットの一例を示す図である。
【図23】情報入力用の地図を用いた情報入出力方法について説明する図である。
【図24】情報入力用の地図を用いた情報入出力方法について説明する図である。
【図25】情報入力用の図面を用いた情報入出力方法について説明する図である。
【図26】ペン型スキャナの構造を示す説明図である。
【図27】情報入力用の三次元造形物の一例を示す図である。
【図28】情報入力用の三次元造形物の一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
まず、本発明の情報入力用の曲面体に用いられるドットパターンについて説明する。
【0057】
図1は本発明のドットパターンを示す説明図、図2はドットパターンの情報ドットおよびそれに定義されたデータのビット表示の一例を示す拡大図である。
【0058】
本発明のドットパターンを用いた情報入出力方法は、ドットパターン1の認識と、このドットパターン1から情報を出力、およびプログラムを実行する手段とからなる。
【0059】
すなわち、情報を与えたい領域(例えば媒体上に形成された実在線)に形成されるドットパターン1を光学読取手段により画像データとして取り込み、まず基準ドット4を抽出し、これらの基準ドット4を結ぶ線を第一の仮想基準線6とする。そして、この第一の仮想基準線6上で、本来基準ドット4があるべき位置にドットが配置されていない場合、この基準ドット4が配置されるべき位置周辺のドットを抽出し、これをキードット2(一定情報のまとまりの両端部、ストリームドット)とする。そして、次にキードット2のずれの正負の延長線上に配置されたサイドドット12を抽出し、サイドドット12とキードット2を通る、第一の仮想基準線6と垂直な直線を第三の仮想基準線8とする。
【0060】
そして、基準ドット4を通り、第一の仮想基準線6に対して垂直方向に第二の仮想基準線7と、サイドドット12を通り、第一の仮想基準線6と平行な第四の仮想基準線9を設定し、その仮想基準線同士の交点を仮想基準点5とする。そして、この仮想基準点5の周囲のドットを探索し、その仮想基準点5からの距離と方向とで情報が定義される情報ドット3を抽出する。
【0061】
この際、基準ドット4の配置間隔と、第一の仮想基準線6からサイドドット12までの距離の比が1対1であることから、第一の仮想基準点6上に、基準ドット4を頂点とする縦横の長さの比が1対1である正方形を設定して、仮想基準点5の位置を補完して導き出すことができる。なお、縦横の長さの比は任意に定めることが可能である。
【0062】
次に、キードット2の第一の仮想基準線6からのずれ方向によって当該一定情報のまとまりの向き、すなわちドットパターン1の方向が決定される。例えば、キードット2が第一の仮想基準線6から+Y方向にずれていた場合には、当該方向を正位として一定情報のまとまり内の情報ドット3を認識すればよい。
【0063】
また、キードット2が第一の仮想基準線6から−Y方向にすれていれば、当該一定情報のまとまりを、中心を軸に180度回転させた方向を正位として一定情報のまとまり内の情報ドット3を認識すればよい。
【0064】
この際、サイドドット12とキードット2との距離によってもドットパターン1の方向を定義することが可能である。例えば、キードット2が、−Y方向に配置されているサイドドット12との距離よりも、+Y方向に配置されているサイドドット12との距離のほうが短い場合には、当該方向を正位として一定情報のまとまり内の情報ドット3を認識すればよい。
【0065】
また、キードット2が、+Y方向に配置されているサイドドット12との距離よりも、−Y方向に配置されているサイドドット12との距離のほうが短いときには、当該一定情報のまとまりを、中心を軸に180度回転させた方向を正位として一定情報のまとまり内の情報ドット3を認識すればよい。
【0066】
光学読取手段で読み取られたドットパターン1の画像がフレームバッファに蓄積されると、当該光学読取手段の中央処理装置(CPU)は、フレームバッファのドットを解析して、各情報ドット3の仮想基準点5からの距離と方向によって情報ドット3毎に定義された数値(図2、図3、図4参照)を復号する。そしてこれらの数値はXYZ座標またはコード値として光学読取手段またはパーソナルコンピュータのメモリに格納された情報と照合されて、XYZ座標またはコード値に対応する音声、画像、動画、文字、プログラム等が読み出されて、表示手段、音声・画像出力手段から出力される。
【0067】
本発明のドットパターン1の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、音声等の情報を認識させるために微細なドット、すなわち、キードット2、情報ドット3、基準ドット4、サイドドット12を所定の規則(例えば線状に連続して基準となるドットを配置して、その配置された複数の基準ドットから多角形を構成する仮想基準線を設け、該多角形の頂点に仮想基準点を設け、この仮想基準点を始点にしたベクトルの終点に情報を定義するドットを設けることなどが挙げられる。なお、この多角形の形状によってドットパターンの方向を定義することが可能である。)に則って配列する。
【0068】
図1に示すように、線状に配置された基準ドット4(本図示例では直線状)に沿って形成されるドットパターン1の一定情報のまとまりを構成する横方向の直線を第一の仮想基準線6として媒体上に設ける。
【0069】
次に基準ドット4(本図示例ではキードット2として配置されている基準ドット)を通る第一の仮想基準線6に対し垂直な第三の仮想基準線8上にサイドドット12を設ける。そして、基準ドット4を通る第三の仮想基準線8に対して平行な直線を第二の仮想基準線7とし、サイドドット12を通る第一の仮想基準線6に対して平行な直線を第四の仮想基準線9とする。さらに、媒体上の所定位置(本図示例では第三の仮想基準線8上)に配置されているキードット2の第一の仮想基準線6からのずれ方向、サイドドット12からの距離によりドットパターンの方向を定義し、前記サイドドット12および/またはキードット2の配置間隔からドットパターン1の一定情報のまとまりを定義する。
【0070】
なお、本ドットパターン1は媒体表面上に可視的に形成された実在線に沿って形成することが可能であり、ここでいう実在線とは仮想線に対する概念で、ドットパターンにより情報を定義する媒体に実際に存在している線の全てを含むものである。
【0071】
例えば、実線、破線、点線、直線や曲線などが挙げられ、本発明においては、線が形成される媒体(例えば映像表示装置のディスプレイ)や、線を構成する物質(例えばインク)の如何を問わない。なお、ドットパターンは、印刷やディスプレイ表示、さらに金属やプラスチック上での穴や溝等の凸凹であってもよい。
【0072】
そして、第二の仮想基準線7と第四の仮想基準線9との交点を仮想基準点5とする。
【0073】
このように設定された仮想基準点5を基準に距離と方向を有する1または複数の情報ドット3をそれぞれ配置してドットパターン1を生成する。
【0074】
光学読取手段でこのドットパターン1を画像データとして取り込む際に、その光学読取手段のレンズ等の歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の歪みを前記基準ドット4によって矯正することができる。具体的には歪んだ複数の仮想基準点5を元の多角形(本図示例では正方形)に変換する補正用の関数(Xn,Yn)=f(Xn’,Yn’)を求め、その同一の関数で情報ドット3を補正して、正しい情報ドット3のベクトルを求める。
【0075】
ドットパターン1に基準ドット4が配置してあると、このドットパターン1を光学読取手段で取り込んだ画像データは、光学読取手段が原因する歪みおよび/または斜めからの撮像による歪みを補正するので、歪み率の高いレンズを付けた普及型のカメラによる斜めからの撮像であっても、ドットパターン1の画像データを取り込むときにも正確に認識することができる。また、ドットパターン1の面に対して光学読取手段を傾けて読み取っても、所定のアルゴリズムによりそのドットパターン1を正確に認識することができる。
【0076】
キードット2は、図1に示すように、一定情報のまとまりの両端に配置されたドットである。このキードット2は、ひとまとまりの情報ドット群を表す1領域分のドットパターン1の代表点である。なお、代表点は、ひとまとまりの情報ドット群のどこに配置してもよい。たとえば、隣り合う基準ドット間隔が0.5mmとすると、ドットパターン1の領域の端部の基準ドット4が本来配置されるべき位置から上方に0.1mmずれた位置に配置されているものである。したがって、情報ドット3が基準ドット4からのX、Y座標値で定義される場合には、キードット2から下方に0.1mmの距離の位置が座標点となる。ただし、この数値(0.1mm)はこれに限定されずに、基準ドット間隔の20〜25%前後のずれが望ましく、ドットパターン1の領域の大小に応じて可変し得るものである。
【0077】
情報ドット3は種々の情報を認識させるドットである。この情報ドット3は、仮想基準点5を始点としてベクトルにより表現した終点に配置したものである。たとえば、この情報ドット3は、図2に示すように、その仮想基準点5から0.1mm離れたドットは、ベクトルで表現される方向と長さを有するために、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置し、3ビットを表現している。
【0078】
この図によれば、一の一定情報のまとまり(ストリームドット)で3ビット×8個=24ビットを表現することができる。
【0079】
なお、図示例では8方向に配置して3ビットを表現しているが、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを表現することも可能であり、基準ドット4の間隔の15〜30%前後のずれが望ましい。もちろん、任意の方向に任意の長さに配置できることは言うまでもない。
【0080】
さらに、図1では全ての仮想基準点5において、この仮想基準点5を始点としてその終点位置に情報ドット3を配置したが、これに限定されることなく、仮想基準点上にドットが配置されているか否かで情報を定義するようにしてもよい。たとえば仮想基準点上にドットが配置されていれば「1」、配置されていなければ「0」というように情報を定義することができる。
【0081】
キードット2、情報ドット3、基準ドット4、サイドドット12のドットの径は、見栄えと、紙質に対する印刷の精度、光学読取手段の解像度および最適な計算速度などを考慮して、基準ドット4の間隔の6〜16%前後の0.03〜0.08mm程度が望ましい。ただし、技術が進歩し印刷の精度、光学読取手段の解像度および最適な計算速度が向上すれば、ドットの径は限りなく0に近づくことは言うまでもない。
【0082】
この結果、媒体表面上の任意の位置を撮影するだけではなく、媒体表面全体を撮影して全ての情報を一度に認識できるようになる。現状でも高精度スキャナを利用すれば、媒体表面全体に定義された情報を一度に認識できることは言うまでもない。他方、巨大な媒体面に印刷し遠方より撮影する場合は、光学読取手段の解像度および最適な計算速度に基づきドットの径および配置間隔を適切に定めればよい。
【0083】
また、光学読取手段の撮影口径が直径4mm前後である場合、撮像面積に対する必要な情報量と、各種ドット2,3,4,12の誤認を考慮して基準点ドット4の間隔は0.3〜0.5mm前後が望ましい。この間隔も、技術が進歩し印刷の精度、光学読取手段の解像度および最適な計算速度が向上すれば限りなく0に近づくことは言うまでもない。基準ドット4および情報ドット3との誤認を考慮して、キードット2のずれは基準ドット4の間隔の20〜25%前後が望ましい。
【0084】
この情報ドット3と、仮想基準点5との間隔は、隣接する仮想基準点5間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドット3と仮想基準点5間の距離がこの間隔より近いと、ドット同士が大きな塊と視認されやすく、ドットパターン1として見苦しくなるからである。逆に、情報ドット3と仮想基準点5間の距離がこの間隔より遠いと、隣接するいずれかの仮想基準点5を中心にしてベクトル方向性を持たせた情報ドット3であるかの認定が困難になるためである。
【0085】
また、これら各種ドットからなるドットパターン1の大きさは、撮影口径が直径4mmである場合には2mm以下であることが望ましい。すなわち、撮像口径の直径に対して50%四方以下の値(撮像口径の直径をKとすると、ストリームドットパターンがK/2×K/2の領域に収まる程度の値)であることが望ましい。
【0086】
本発明に係るドットパターンの読取りは光学読取手段(例えばカメラやスキャナ)により行い、媒体表面上に接触または離反させて所定位置、所定領域または全領域のドットパターンを読み取るか、線状に形成されたドットパターンをなぞって読み取ることにより行われる。
【0087】
すなわち、媒体表面上から光学読取手段で媒体表面の所定位置または所定領域を撮影して、そこに定義された情報を読み取るか、媒体表面から所定の距離において高解像度カメラで媒体全面を撮影するか、高解像度スキャナで媒体全面に定義された情報を読み取ることにより行われる。
【0088】
また、十分な長さのドットパターンに情報を定義すれば膨大な情報を定義することが可能となり、この場合には媒体表面上のドットパターンが形成された領域をなぞって情報の読取りを行う。
【0089】
すなわち、媒体表面上に可視的に形成された図面や図形を描くラインに沿ってなぞり、情報を読み取ったり、写真や画像の枠や、写真や画像内の対象物の輪郭に沿ってなぞり、情報を読み取る。また、媒体表面上の文字列に沿ってなぞり、情報を読み取ることも可能である。
【0090】
図3は情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【0091】
また、情報ドット3について基準ドット4から導き出された仮想基準点5から短(図3の上段)・長(図3の下段)の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とすると、4ビットを表現することができる。このとき、長い方が隣接する仮想基準点5間の距離の25〜30%程度、短い方は15〜20%程度が望ましい。ただし、長・短の情報ドット3の中心間隔は、これらのドットの径より長くなることが望ましい。
【0092】
情報ドット3は、その見栄えを考慮し、1ドットが望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを割り当てて情報ドット3を複数のドットで表現することにより、多量の情報を有することができる。たとえば、同心円8方向のベクトルでは、基準ドット4から定義された情報ドット3で28の情報を表現でき、1の一定情報のまとまりの情報ドット8個で264となる。
【0093】
図4は情報ドット3およびそこに定義されたデータのビット表示の例である。本図示例では、平行に並んだ基準ドットおよび第一の仮想基準線の間に、仮想基準点および情報ドットを配置しており、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものを示すものである。
【0094】
図5はドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は領域内に情報ドット3を12個配置したもの、(b)は情報ドット3を16個配置したもの、(c)は情報ドット3を24個配置したものである。
【0095】
前述の図1に示すドットパターン1は、一定情報のまとまりに8個の情報ドット3を配置した例を示している。しかし、この情報ドット3は一定情報のまとまりに8個配置することに限定されず、種々変更することができる。たとえば、必要とする情報量の大小または光学読取手段の解像度に応じて、情報ドット3を一定情報のまとまりに12個配置したもの(図5(a))、情報ドット3を一定情報のまとまりに16個配置したもの(図5(b))、情報ドット3を一定情報のまとまりに24個配置したもの(図5(c))がある。
【0096】
次に、図6〜図7を参照しながらドットパターンの形成方法について説明する。
【0097】
図6、図7は、ストリームドットパターンを形成する工程の一例を順に示すものである。
【0098】
本発明に係るドットパターンは、従来のドットパターンとは異なり、まず工程1として媒体表面上の可視的な情報に対応して、情報を入出力させたい箇所に基準ドット4を線状に連続して複数個配置する。
【0099】
図6(a)では基準ドット4を曲線状に配置しているが、基準ドット4の配置はこれに限定されるものではなく、直線と曲線を織り交ぜたり、複数の線分により構成される折れ線状にするなど、情報を入出力させる領域にあわせた形状にドットパターンを形成するための種々の変更が可能である。
【0100】
また、媒体表面上に可視的に形成された実在線上に基準ドット4を配置してもよいし、実在線に沿って所定の規則により基準ドット4を配置してもよい。
【0101】
なお、基準ドットは読取り精度向上の観点から、等間隔に配置することが望ましいが、これに限定されるものではなく、複数の間隔を混在させてドットパターンの一定情報のまとまりを定義したり、一定情報のまとまり内における3つの異なる基準ドットの配置間隔によりドットパターンの一定情報のまとまりとドットパターンの方向の両方を定義することも可能である。
【0102】
次に、工程2として、線状に配置された基準ドット4を結ぶ、第一の仮想基準線6を設ける。図6(b)では第一の仮想基準線6を曲線により設けているが、第一の仮想基準線6はこれに限定されるものではなく、曲線状に配置された基準ドット4に対して直線の第一の仮想基準線6を設けてもよいし、直線状に配置された基準ドット4に対して曲線の第一の仮想基準線6を設けてもよい。すなわち、後述する工程3〜工程5における第二の仮想基準線7、仮想基準点5、情報ドット3をどの位置に配置するかによって、基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線6を自由に定義することが可能である。
【0103】
なお、図8に例を示すように、曲線である場合の第一の仮想基準線6は、ベジェ曲線によることが望ましい。
【0104】
すなわち、まず、第一の仮想基準線上にある基準ドットをP0、P3とし、P1、P2を与えられた制御点とする。次に、制御点を順に結んで得られる3つの線分・P0―P1、P1―P2、P2―P3・をそれぞれ1対1の比率で分割する点P4、P5、P6を求める。そして、これらの点を順に結んで得られる2つの線分・P4―P5、P5―P6・を、それぞれ1対1の比率で分割する点P7、P8を求める。
【0105】
最後に、この2点を結ぶ線分・P7―P8・をさらに1対1の比率で分割する点P9を求め、この点がベジェ曲線上の点となる。
【0106】
この手順を繰り返し行うことで、P0、P1、P2、P3を制御点とするベジェ曲線が得られる。
【0107】
なお、ベジェ曲線に限らず、スプライン関数を利用して求められるスプライン曲線、n次多項式、楕円弧など、種々のアルゴリズムを用いて第一の仮想基準線6を設けてもよい。
【0108】
また、その他ストリームドットパターンを構成する第二の仮想基準線や第四の仮想基準線においても、第一の仮想基準線と同様に当該方法を用いて曲線を定義することが可能である。
【0109】
次に、工程3として、線状に配置された基準ドット4および/または第一の仮想基準線6から所定の位置に定義される第二の仮想基準線7を設ける。図6(c)では第二の仮想基準線7を、隣り合う基準ドット4の中間点における第一の仮想基準線6の接線に対して垂直線上の所定位置に向かって、隣り合う基準ドット4から任意の角度をもって設けているが、第二の仮想基準線7はこれに限定されるものではなく、後に示すようにドットパターンにより情報を入出力させたい領域に合わせて仮想基準点を設けるために、種々の方法により定義することが可能である。
【0110】
また、第一の仮想基準線6に対して片側のみに第二の仮想基準線7を設けてドットパターンの方向を定義してもよいし、情報量を増やすために両側各々に設けてもよい。
【0111】
次に、工程4として、第二の仮想基準線7上の所定の位置に複数の仮想基準点5を設ける。図7(a)では仮想基準点5を、第二の仮想基準線7の交点、すなわち隣り合う基準ドット4を結んだ直線を底辺とし、第二の仮想基準線7を対辺とする二等辺三角形の頂点に設けているが、仮想基準点5の位置はこれに限定されるものではなく、第二の仮想基準線7の中点に設けたり、第二の仮想基準線7上に代えて基準ドット4上に設けるなど、種々の変更が可能である。
【0112】
そして、工程5として、仮想基準点5を始点としてベクトルにより表現した終点に情報ドット3を配置する。図7(b)では情報ドット3を、仮想基準点5からのベクトル方向を8方向、仮想基準点5からの距離が等距離となるよう、一個の仮想基準点5に対し1個配置しているが、情報ドット3の配置はこれに限定されるものではなく、仮想基準点5上に配置したり、ベクトル方向を16方向として配置したり、一個の仮想基準点5に対し2個配置するなど、任意の方向に任意の長さに、複数配置することが可能である。
【0113】
このように、本発明に係るストリームドットパターンは、本発明者が提唱している従来のドットパターンでは2次元的に格子状に形成される基準ドットとは異なり、曲線を含む線状に連続して配置された基準ドットに基づいて形成される。
【0114】
これにより、ドットパターンが2次元コードとして形成される矩形領域の形状に制約されることなく、媒体表面上に可視的に形成された情報領域に合わせた自由な形状の一定情報のまとまりによるドットパターンを形成することが可能となる。
【0115】
なお、本発明に係る仮想基準線および仮想基準点は、実際に媒体表面上に印刷形成されるわけではなく、あくまでコンピュータの画像メモリ上に、ドットパターンの配置の際、またはドットパターンの読み取りの際に仮想的に設定されるものである。
【0116】
次に、図9〜図12を参照しながらドットパターンの曲面体への形成方法について説明する。
【0117】
図9は、曲面体の表面に直接ストリームドットパターンを形成した例を示す図である。
【0118】
形成の方法には、ストリームドットパターンを螺旋状に形成する場合、輪状に形成する場合とがあり、ストリームドットパターンを帯状に連結して、螺旋状に隙間なく配置すれば、光学読取手段を用いて曲面体上のどの位置でも座標情報および/またはコード情報を読み取ることができる。
【0119】
同様に、ストリームドットパターンを帯状に連結して、輪状に隙間なく配置すれば、光学読取手段を用いてどの位置でも座標情報および/またはコード情報を読み取ることができる。
【0120】
さらに、曲面体の周囲の長さから、一定情報のまとまりの長さ、大きさ、間隔、個数を予め定めて曲面体に形成することにより、曲面体全体におけるドットパターンの大きさを一定にすることができ、歪みなくドットパターンを形成することが可能となる。
【0121】
また、曲面体に輪状にドットパターンを設けた際の曲面体の周囲の長さから、ドットパターンに定義された一定情報のまとまりの長さ、大きさ、間隔、個数を予め定めて曲面体に形成することにより、個々の輪では、情報のまとまりを一定にすることができ、歪みなくドットパターンを形成することが可能となる。
【0122】
また、曲面体の曲率(曲がり具合)の高さに応じて、輪毎に一定情報のまとまりの長さ、大きさ、間隔、個数を予め定めてからドットパターンを形成することも可能である。
【0123】
なお、本発明に係る仮想基準線および仮想基準点は、実際に媒体表面上に印刷形成されるわけではなく、あくまでコンピュータの画像メモリ上に、ドットパターンの配置の際、またはドットパターンの読み取りの際に仮想的に設定されるものである。
【0124】
図10(a)、図11(a)、図12(a)は、曲面体に貼り合わせる前のドットパターンが形成される媒体の一例を示す図であり、それぞれ帯形状、リンゴの皮を螺旋状に剥いた帯形状により形成されている。
【0125】
これらの形状によれば、曲面体の長さ、情報を定義したい領域の大きさ等に対応させた帯状媒体の幅、長さを予め把握した上で媒体上にドットパターンを形成することができ、帯状媒体を曲面体に貼り合わせることでドットパターンを複数連結させて帯状に曲面体表面に形成することが可能となる。
【0126】
また、曲面体に直接印刷せずとも、曲面体の表面にドットパターンを複数連結して螺旋状および/または輪状に形成することが可能となる。
【0127】
すなわち、1枚の帯状の媒体にストリームドットパターンを複数連結して帯状に印刷し、それを曲面体の表面に螺旋状に隙間なく巻きつけて貼り付けつけることにより、曲面体に直接印刷することなく、簡易に帯状のドットパターンが螺旋状に形成された曲面体を創作できる。螺旋状に貼り付ける際の帯状の印刷媒体は、リンゴなどの果実の皮を螺旋状に剥いていった際の皮のような形状をしており、分離しない一の媒体にストリームドットパターンを連結して帯状に形成して曲面体の表面全体に形成してもよい。もちろん、複数枚印刷して繋げて貼り付けつけてもよい。
【0128】
なお、帯状の印刷媒体の幅や、その帯状の印刷媒体に印刷されるストリームドットパターンの数などは、光学読取手段の撮像口径や、貼り付ける曲面体の曲率、用途等、種々の条件から任意に定めることが可能である。
【0129】
また、複数枚の帯状の媒体にストリームドットパターンをそれぞれ複数連結して帯状に印刷し、それを曲面体の表面に輪状に隙間なく周回するように巻きつけて貼り付けつけることにより、曲面体に直接印刷することなく、簡易に帯状のドットパターンが輪状に形成された曲面体を創作できる。
【0130】
ただし、ドットパターンに定義された一定情報のまとまりの長さ、大きさ、間隔が一定の帯状の媒体を用いて、曲面体の表面に周回させて輪を巻きつけて貼り付けつけると、繋ぎ目では情報が欠けて読み取ることができない場合がある。もちろん、曲面体に輪状にドットパターンを設けた際の曲面体の周囲の長さから、ドットパターンに定義された一定情報のまとまりの長さ、大きさ、間隔、個数を予め定めたストリームドットパターンを帯状の媒体に印刷すればよい。これにより、個々の輪では、情報のまとまりを一定にすることができ、歪みなくドットパターンを形成することが可能となる。
【0131】
図10は、ストリームドットパターンが複数連結して帯状に形成された媒体を、曲面体の情報を入出力させたい領域にのみ貼り付ける例を示す図である。
【0132】
図10(a)に示すような媒体を曲面体に貼り付ける際、まず情報を入出力させたい領域の大きさに対応した図10図示例のS点からS’までの長さを求め、その長さに基づきドットパターンを構成する領域の数、基準ドット間隔、ドット自体の大きさなどを種々変更したり、ドットパターンの長さや大きさなどを伸張圧縮する。次に、そのように変更されたドットパターンを帯状媒体に連結して複数設ける。このように、R点またはR’付近におけるドットパターンの正確な読取りを確保する。
【0133】
図11は、ストリームドットパターンが複数連結して帯状に形成された媒体を、曲面体の周囲に巻き付けて貼り付ける例を示す図であり、本図示例では周回方向に輪状に貼り付ける例を示している。
【0134】
図11(a)に示すような媒体を図11(b)に示すような方法で曲面体に貼り付ける際、まず曲面体の周囲の長さに対応させた図11図示例のT点からT’までの長さを求め、その長さに基づきドットパターンを構成する領域の数、基準ドット間隔、ドット自体の大きさなどを種々変更したり、ドットパターンの長さや大きさなどを伸張圧縮する。次に、そのように変更されたドットパターンを帯状媒体に連結して複数設ける。このように、つなぎ目部分におけるドットパターンの歪みを防止した後、帯状媒体の両端を曲面体に貼り合わせながら接合し、輪状の媒体として曲面体の表面に形成する。
【0135】
そして、図11(c)に示すように、帯状の媒体を隙間無く配置し、いずれの位置を読み取っても情報の入出力が可能になる。なお、極部付近では、基台部と接続するための機構などを設け、該機構により輪状の媒体を貼り合わせることができない部分を覆うか、もしくは円状の媒体をその部分に貼り合わせればよい。
【0136】
図12は、ストリームドットパターンが複数連結して帯状に形成された媒体を、曲面体の周囲に巻き付けて貼り付ける例を示す図であり、本図示例では螺旋状に貼り付ける例を示している。
【0137】
本図示例においても同様に、図12(a)に示す媒体のR点からR’点までの長さを予め求め、ドットパターンを構成する領域の数、基準ドットの間隔、ドット自体の大きさなどを種々変更したりドットパターンの長さを伸張圧縮することでつなぎ目部分における誤差を解消し、そのようなドットパターンをリンゴを螺旋状に剥いた皮の形状の媒体に形成する。その後、その媒体を図12(b)、(c)に示すよう螺旋状巻き付けて曲面体の表面に形成する。
【0138】
次に、図13〜図19を参照しながら曲面体の表面位置の定義方法について説明する。
【0139】
図13は、半径が一定でない曲面体(自由曲面体)の表面の位置を定義するための、緯度インデックス・経度インデックスに加えられる曲面体中心からの半径インデックスの例を示す図である。
【0140】
(a)は、半径が一定である曲面体の、曲面表面の半径インデックスを示す図であり、(b)は、半径が一定である曲面体の、内部の位置における半径インデックスを示す図であり、(c)は、自由曲面体の、任意の曲面表面の位置を定義する半径インデックスを示す図である。
【0141】
なお、(b)、(c)における半径インデックスは、rとr’のような隣り合う一定情報のまとまりで定義される値に規則性は設けなくてもよい。
【0142】
また、緯度インデックス(iDX)は、赤道上のインデックスを0とし、一定情報のまとまり毎に、北方向に+1、南方向に−1ずつ増減分する。なお、赤道から1北側のインデックスを1とし、1南側のインデックスを−1とする。
【0143】
また、経度インデックス(jDX)は、本初子午線上のインデックスを0とし、東方向に+1、西方向に−1ずつ増減分する。なお、本初子午線から東側一つ目の一定情報のまとまりのインデックスを1とし、西側をインデックスを−1とする。
【0144】
本発明のドットパターンにより定義される緯度・経度情報は、それぞれ緯度インデックス、経度インデックス、半径インデックスにより表される。
【0145】
図14(a)、(b)、図15は、地球儀に用いられるドットパターンの一例を示す図であり、上述の緯度インデックス、経度インデックスが定義されている例を示す。地球儀は、規則正しく変化する緯度・経度で表面位置を定義できるため、自由曲面体とは異なる方法で(半径インデックスを用いずに)表面位置を定義することができる。
【0146】
図14(a)は、帯状に周回方向に連続するドットパターンのそれぞれが2×6領域により構成され、ドットパターンの上下段に基準ドットを等間隔に配置し、中段に仮想基準点および仮想基準点からの距離と方向で情報を定義する情報ドットを配置したものである。
【0147】
図14(b)は、連続するドットパターンのそれぞれが3×3領域により構成され、ドットパターンの上下段に基準ドットを等間隔に配置し、中央2段に仮想基準点および仮想基準点からの距離と方向とで情報を定義する情報ドットを配置したものである。
【0148】
図15は、一定情報のまとまりが複数連結するドットパターンのそれぞれが3×3領域により構成され、ドットパターンの中上段と下段に基準ドットを等間隔に配置し、上段と中央下段に仮想基準点および仮想基準点からの距離と方向とで情報を定義する情報ドットを配置したものである。
【0149】
このように、基準ドットを配置する位置により様々な位置に仮想基準点、情報ドットを配置することができ、これにより媒体表面上の情報を入出力させたい領域に合わせた自由な位置にドットパターンを形成することが可能となる。
【0150】
上記の情報ドットには、図に示すように緯度インデックス経度インデックスが定義されている。
【0151】
次に、図14(a)、(b)、図15を参照しながらドットパターンを撮像した際の算定の手順について説明する。
【0152】
まず、撮像した画像のうち、最も明るい領域において、解析を始める。
【0153】
次に、撮像中心の緯度を求める。その手順として、(x)緯度インデックスが定義された周方向に連続する3個の情報ドットから、緯度インデックスを読み取り、(y)撮像中心を有する領域の中心の緯度を求め、(z)求めた緯度を、領域の中心から撮像中心までの南北方向の距離で補完して、撮像中心の緯度を求める。
【0154】
そして、撮像中心の経度を求める。その手順として、(x)経度インデックスが定義された周方向に連続する3個の情報ドットから、経度インデックスを読み取り、(y)撮像中心を有する領域の中心の経度を求め、(z)求めた経度を、領域の中心から撮像中心までの東西方向の距離で補完して、撮像中心の経度を求める。
【0155】
なお、周方向に連続する3個の情報ドットが、領域を跨いでいる場合、隣り合う領域に定義された経度インデックスが1つずつ増減分することを考慮し、撮像中心を有する領域の経度インデックスを読み取る。
【0156】
図16は、自由曲面体の所定の位置Pを定義するためのインデックスの定義の手法を説明した図の例である。
【0157】
図16(a)は、曲面体の所定の位置Pをθ1インデックス、θ2インデックスおよび半径インデックスにより表した図の例であり、図16(b)は、x座標インデックス、y座標インデックス、z座標インデックスにより表した図の例である。
【0158】
自由曲面体の所定の位置Pは、以下の手法により定義することができる。
【0159】
まず、θ1の角度を表現するiDXを定義する。すなわち、iDX1−θ1のテーブルを作成する。このとき、θ1はX座標である必要はない。
【0160】
次に、上記テーブルに定義されたθ1で一周するストリームドットを帯状に周回方向に連続して自由曲面体に形成する。このストリームドットには、iDXとθ2を表現するiDX2を定義する。
【0161】
つまり、θ1上で、他のθ1とは独立したiDX2−θ2のテーブルを作成する。なぜなら、自由曲面体であるため、θ1(iDX)とは独立したθ2(jDX)のみでは曲面体の表面位置を定義することができず、θ1の値ごとにiDX2−θ2のテーブルを作る必要があるからである
これにより、従来のドットパターンでは困難であった自由曲面体の所定の位置を定義することが可能となる。
【0162】
なお、増分量が一定とならない曲面であっても、1ずつ増分するθ1インデックスとして、iDX1を定義することが望ましい。また、領域の帯状方向の直角方向に増分するθ1は、テーブルT1(iDX1)により定義される。
【0163】
また、増分量が一定とならない曲面であっても、1ずつ増分するθ2インデックスとして、iDX2を定義することが望ましい。また、領域の帯状方向に増分するθ2は、当該領域のθ1インデックスであるiDX1における、テーブルT2IDX1(iDX2)により定義される。
【0164】
また、rは、領域の並びに無関係である。しかし、領域を跨いでも読み取ることができ、かつ整数値を効率よく使用できるようにするため、当該領域のθ1インデックスであるiDX1における、テーブルTiDX1(iDX3)により、rを定義してもよい。
【0165】
なお、領域の帯状方向に1ずつ増分するのは、領域を跨いでもインデックスを読み取ることができるようにするためである。
【0166】
図17は、地球儀に用いられるドットパターンの一例を示す図である。
【0167】
この例では、連続するドットパターンのそれぞれが2×9領域により構成され、ドットパターンの上下段に基準ドットを等間隔に配置し、中央横方向に仮想基準点と情報ドットを配置したものである。
【0168】
該情報ドット3には、図に示すようにθ1インデックス(x座標インデックス)とθ2インデックス(y座標インデックス)およびrインデックス(z座標インデックス)が定義されている。
【0169】
図18〜図19は地球儀に用いられるドットパターンの変更例を示す図である。
【0170】
図18は、連続するドットパターンのそれぞれが4×3領域により構成され、ドットパターンの上下段に基準ドットを等間隔に配置し、中央縦方向に仮想基準点と情報ドットを配置したものである。
【0171】
図19は、連続するドットパターンのそれぞれが5×3領域により構成され、ドットパターンの上段から、θ1インデックス、基準ドット、θ2インデックス、rインデックス、基準ドットを配置したものである。
【0172】
本図示例では、ストリームドットパターンを複数連結して帯状に形成したドットパターンが2列平行に並んでいるが、曲面体の表面に形成される際には、このような帯が、情報を入出力させたい領域を覆うよう並び、任意の位置から情報を入力させるよう隙間無く形成することが望ましい。
【0173】
次に、図20〜図22を参照しながら本発明に係る情報入力用の曲面体を用いた情報入出力方法について説明する。
【0174】
図20は、本発明に係る情報入力用の曲面体を用いた情報入出力方法の一例を示し、情報入力用の曲面体としての、情報伝達部251とドットパターン部230からなる地球儀210と、地球儀210に形成されたドットパターン部230を読取り、対応する情報を出力する光学読取手段33と出力手段15としてのマイクを備えた入出力装置531と、制御情報伝達部266を備えた地球儀を構成する基台部388と、を用いた情報入出力方法である。
【0175】
情報伝達部251にはユーザが視認できるよう形成された地図情報が、ドットパターン部230には座標情報および/またはコード情報に変換されるドットコードが定義され、本図示例においては前述したストリームドットパターンが用いられている。
【0176】
ドットパターンのドット印刷に用いられるインクは、赤外線を吸収するステルスインク(見えないインク)もしくはカーボンブラックにより、通常のグラフィックやテキストの印刷に用いられるインクは、赤外線を反射または透過するノンカーボンインクによることが望ましい。なお、ドットパターンは直径0.03〜6mm(インクジェットなどのプリンタでは0.06〜0.08mm程度)の極小ドットで構成され見えにくく、高品位出力用に開発された無色透明の赤外線吸収ステルスインクを使用すればドットを完全に見えなくすることも可能である。
【0177】
入出力装置531は、前述した光学読取手段33と出力手段15の他、図示を省略した処理手段と記憶手段と制御手段とを備えており、光学読取手段33に読み取られた画像データを処理手段によりドットコードに解析処理し、ドットコードから変換された座標情報および/またはコード情報を基に、制御手段により記憶手段に記憶されたリンクテーブル(リンクテーブルには、座標情報および/またはコード情報とコンテンツデータおよび/または操作命令が関係付けられて登録されている)を参照して対応するコンテンツデータの出力を出力手段15により行うか操作命令による動作を行うことになる。
【0178】
制御情報伝達部266には、入出力装置531の動作を切り替える情報が可視的に定義されており、例えば国名の欄を読み取った場合には入出力装置531の動作が切り替わり、情報伝達部251に応じた国名を音声で知らせることになる。その他、緯度・経度や、歴史、文化を音声出力するモードへの切り替えの他、入出力装置の音量調節などをタッチ操作で行うことが可能である。
【0179】
制御情報伝達部266に重畳してドットパターンを形成し、読み取られたドットパターンに定義された操作命令により入出力装置531の動作をわかりやすく切り替えられるようにしてもよいし、所定のボタン操作等を用いて直接動作の切り替えを行ってもよい。
【0180】
なお、本発明における地球儀は、基台部上に設けられた支持部により曲面体を極において支持し、該極を結ぶ軸線を中心として回転させる一般的なもののみならず、曲面体を磁石により支持し、浮揚・回転させるものや、個定の紙やプラスチックの球体に地図が印刷されたものも含み、あるいは風船のようなものに地図が印刷されたものであってもよい。
【0181】
ユーザは、当該地球儀を用いた情報入出力方法を行う際にまず制御情報伝達部266を読み取ることにより入出力装置531の動作を切り替える。すなわち、情報伝達部251を読み取った位置に対応するコンテンツデータのうち、いずれの種類のコンテンツデータを出力させるのかを制御情報伝達部266と重畳印刷されたドットパターン部230を読み取ることにより行う。日本国付近の情報伝達部266を入出力装置でタッチすると、重畳印刷されたドットパターンを読み取って対応するコンテンツデータを出力するが、入出力装置531が国名出力モードである場合には「ニホン」あるいは「JAPAN」等の音声を出力し、名所出力モードである場合には「京都」や「富士山」といった音声を出力することになる。
【0182】
なお、音声の出力やリンクテーブルの参照などは、入出力装置531と無線または有線により接続されたパソコン274等により行うことも可能である。なお、この場合入出力装置531内ではリンクテーブルの参照は行わず、座標情報および/またはコード情報をパソコン274に送信することになるが、リンクテーブルの参照のみをパソコン274で行い、音声の出力は入出力装置531で行ってもよい。
【0183】
動作の切り替えを行った後、ユーザは入出力装置531を用いて地球儀210のいずれか任意の位置をタッチすることになる。本発明によれば、コード情報のみではなく座標情報(緯度・経情報)も定義できることになるので、より詳細なコンテンツデータを地球儀210に定義できることになる。
【0184】
例えば地球儀に形成されたストリームドットパターンを2回読み取った場合、その2点間の距離や人口の差、気温差などを音声等により出力させるというような使用が可能となる。なお、情報をドットのあるなしではなく、所定の規則に基づいて定義するため、ドットが形成されている箇所と形成されていない箇所とが相互に干渉し合って発生する縞状の周期的なパターンであるモアレを解消することが可能となる。
【0185】
地球儀210にはストリームドットパターンが形成されているので、読み取った中心位置の緯度・経度情報やコード情報を前述した方法により解析し、制御手段により記憶手段に記憶されているリンクテーブルを参照して対応するコンテンツデータを出力手段15から出力する。
【0186】
なお、コンテンツデータが入出力装置の記憶手段に記憶されていない場合には、地球儀210にコンテンツデータを記憶する記憶手段と出力手段を設けて地球儀210自体でコンテンツデータの出力を行ってもよいことはもちろんである。地球儀210との接続は、パソコン274と同様に有線による接続の他、赤外線通信、BLUETOOTH(登録商標)、ZigBee、微弱電波等の無線による通信接続を採用することが望ましい。
【0187】
このように、緯度・経度情報および/または地域情報を定義することにより、地球儀、天球儀、天体儀上に印刷されたシンボルや地名等の領域に定義されたコード情報からは当該シンボルや地名等の説明文、画像、動画、音声情報等をディスプレイ装置やスピーカなどから出力することができ、地球儀または天球儀、天体儀上の緯度・経度からはそれに対応した、気温や気候、CO2の濃度等やその地域に基づいた様々な情報をディスプレイ装置から出力させることが可能となる。なお、コード情報が定義された領域と、関連情報が割り当てられた緯度・経度が重なる領域では、所定の方法で関連情報を切り替えて出力できる。
【0188】
次に、図21〜図22を参照して、ドットコードと座標情報および/またはコード情報のフォーマットの一例を説明する。
【0189】
図21(a)に図示されているドットパターンは、一定情報のまとまりが2×5領域で構成されたものであり、この一定情報のまとまり内でC1−0〜C19−18に区画されている。各領域のドットコードフォーマットを示したものが図21(b)である。
【0190】
図21(b)は、ドットコードをコード情報のみ(パリティを除く)で構成した場合であり、C0〜C17には図21(a)で示したそれぞれの領域のドットパターンのドットコード毎のコード情報が登録される。そして、C18〜C19にはパリティチェックが登録されるようになっている。
【0191】
また、図21(c)は、コード情報と共に緯度・経度情報が登録されるようになっている。緯度・経度情報は、地球儀や天球儀、天体儀を初めとする曲面体に用い、コード情報と地域情報とをリンクテーブルにおいてリンクさせておけば、スキャナで読み取った位置に定義された緯度・経度情報・コード情報をもとに、各種地域情報を入出力することができる。本図示例においては、C0〜C6には緯度情報、C7〜C13には経度情報、C14〜C17にはコード情報がそれぞれ登録されるようになっている。
【0192】
図21(d)は、XY座標情報と共にZ座標情報を登録したフォーマットであり、本発明のドットパターンは、コード情報のみを登録する場合、コード情報とXY座標情報を登録する場合、XY座標情報と共にZ座標情報を登録する場合のように、柔軟性に富んだフォーマットが可能である。Z座標情報は、XY座標情報のみでは定義することができない、半径が一定でない曲面体の表面位置を定義する際に用いる。
【0193】
なお、コード情報とは、アクティブコードおよび/またはインデックスを意味し、アクティブコードは処理方法、インデックスは所定の領域をそれぞれ示しており、それらはリンクテーブルにおいて関係付けられている。
【0194】
また、インデックスには座標インデックスが含まれ、座標インデックスとは、媒体である紙のページ番号等を登録する領域であり、ドットパターンとしてXY座標情報が登録された媒体自体を識別する識別子やページ番号を登録することができる。
【0195】
図21(e)〜(g)は、フォーマットのその他の変更例を示す図である。
【0196】
スキャナでタッチした領域に定義されたXY座標情報やコード情報には、例えば媒体が情報入力用の図面である場合、設計対象となる対象物の種類、製品番号、仕様、色、模様、材質、材料、取り付け部品、加工方法、施工方法、作業日程等様々な関連情報が関係付けて複数登録される。
【0197】
その他、機械、建築、建築設備、電気系などの設計情報と、ディスプレイ装置上で各種表示を行なうための指示をリンクテーブルに登録することも可能である。
【0198】
媒体が情報入力用の地図である場合には、名称、混雑率、車線数、などの各種交通情報や、読み取った位置付近の電子地図情報、周辺の店舗情報が、リンクテーブルにおいて、コード情報やXY座標情報と関係付けて登録される。
【0199】
次に、図22を参照して、ドットパターンとコード値と識別子との関係を説明する。
【0200】
図22(a)に記載されているドットパターンは、図21(a)に記載されているような情報ドットの仮想基準点からのずれ方向によってドットパターンの一定情報のまとまりと方向を定義するものとは異なり、所定のドット(キードット、サイドドット)を配置することでドットパターンの一定情報のまとまりと方向を定義しているため、一の情報ドットに対して8方向のずれ、すなわち3ビットの情報量を持たせることが可能である。
【0201】
図22(b)は、ドットパターンをXY座標情報及びパリティで構成した場合であり、C0〜C13にはX座標情報、C14〜C27にはY座標情報が登録されるようになっている。
【0202】
図22(f)、(g)には、コード情報やXY座標情報の代わりに、球座標系や円筒座標系等の他の座標系を用いた場合のフォーマットを示しており、半径r、角度θ、高さh等から情報入力用の曲面体の位置を定義する。
【0203】
このように、本発明に係るドットパターンを用いれば、XY座標情報のみならずZ座標情報や、他の座標系(例えば、円筒座標系や球座標系、緯度・経度)にも対応することができる。
【0204】
なお、その他のフォーマットの変形例としては、図22(c)〜図22(e)などが考えられるが、係るフォーマットの構成は図示したものに限定されるものではなく、本発明の範囲内において自由に変更し得ることはもちろんである。
【0205】
次に、図23を参照しながら本発明に係る情報入力用の地図を用いた情報入出力方法について説明する。
【0206】
この実施形態は、地図を媒体としたものであり、地図をペン型のスキャナ(光学読取手段)で撮像すると、撮像内容に対応した情報(音声)が出力手段から出力されるようになっている。
【0207】
なお、当該入出力装置にディスプレイ装置等を接続し、当該ディスプレイ装置に、パーソナルコンピュータにインストールされた電子地図や、それに対応する文字、図形、音声、動画等を表示するようにしてもよい。
【0208】
図23は、本発明に係る情報入力用の地図を用いた情報入出力方法の一例を示している。地図には、所定のパラメータの値が等しい点を結ぶ可視的な等値線としての等高線と、図示しない道路、線路、観光施設等が印刷された地図部が設けられており、また、ディスプレイ装置や入出力装置上で各種動作の切り替えを行なうためのアイコンが印刷されたアイコン部が媒体上のその他の位置に形成されている。
【0209】
アイコン部における各アイコンの領域には、操作指示に対応したコードを意味するドットパターンが印刷されているが、ここで印刷されるドットパターンは前述したストリームドットパターンに限られない。従来から用いられている矩形状のドットパターン、例えば、情報ドットを配置するブロックの領域内に当該ブロックの大きさと向きを定義する複数の基準点を設け、該基準点から定義される複数の仮想基準点を配置し、前記仮想基準点からの距離と方向とで情報が定義される情報ドットを配置したドットパターンであってもよい。
【0210】
地図部における等高線上には、前述したストリームドットパターンが印刷される。
【0211】
すなわち、前述した第一の工程として、媒体表面上の可視的な等高線上(情報を入出力させたい箇所)に基準ドットを線状に連続して複数個配置し、第二の工程として、線状に配置された基準ドットを結ぶ、第一の仮想基準線を等高線と重畳する形で設ける。
【0212】
なお、等値線の両側に基準ドットを線状に連続して配置し、その中心線上、すなわち等値線上に第二の仮想基準線、仮想基準点を定義してもよい。
【0213】
これにより、等高線、等圧線、等風速線、等温線などの様々な情報を示すために可視的に表現された等値線に沿ってストリームドットパターンを配置することができ、光学読取手段を用いて任意のどの位置でも座標情報および/またはコード情報を読み取ることができる。
【0214】
ここで、コード情報に等値線の値を定義したり、関連情報を関係付けることにより利便性の優れたグリッドマップ(ドットパターンを用いた地図の仮称)が提供できる。
【0215】
次に、図24を参照しながら本発明に係る情報入力用の地図を用いた情報入出力方法について説明する。
【0216】
この実施形態における地図には、道路の幅を示す輪郭線や、道路を示す中心線、文字および文字列を初めとする、交通情報を表す各種線が可視的に設けられており、また道路の中央を示す中心線が仮想的に定義されている。
【0217】
また、それら線上には基準ドットが所定の間隔で連続して複数個配置されており、線状に配置された基準ドットを結ぶ第一の仮想基準線が、図24図示例にそれぞれ示すよう、可視的な道路の幅を示す輪郭線や、道路を示す中心線、文字および文字列上を初めとする、交通情報を表す各種線上または、道路の中央を示す仮想的な中心線上に定義されている。
【0218】
なお、図24(e)図示例のように、点線からなる道路を示す中心線上に基準ドットを配置せず、その中心線に沿って線状の基準ドットを設け、第一の仮想基準線を定義し、第二の仮想基準線および仮想基準点を中心線上に定義してもよい。
【0219】
これにより、直線、折れ線、曲線、実線、各種点線、太線、二重線等で示された道路等に沿ってストリームドットパターンを形成することが可能となり、光学読取手段を用いて任意のどの位置でも座標情報および/またはコード情報を読み取ることができる。
【0220】
また、それら直線、折れ線、曲線、実線、各種点線、太線、二重線等で示された道路等の長さから最適な各種ドットの間隔、個数、大きさを予め定め、ストリームドットパターンを形成することが可能となる。
【0221】
図24(a)、(d)は、それぞれ「中央通り」、「肉の万世」なる文字列上にストリームドットパターンが形成される例を示す図であり、図24(b)は、「り」という文字上にストリームドットパターンが形成される例を示す図である。
【0222】
図24(d)に示すように、「肉の万世」という文字列上にストリームドットパターンが形成されるため、ユーザが当該文字列の任意の位置をタッチしたときには、店舗案内や駐車場の空き情報、サービス情報など、当該文字列に関連する情報を出力させることができる。
【0223】
図24(c)は、複数の線分からなるJR秋葉原駅を示す実在線に沿って形成されるドットパターンの例を示す図である。
【0224】
実在線が角を成す場合、図に示すようにドットパターンを折れ線付近で不連続にすることが望ましい。
【0225】
これにより、連続してドットパターンを形成した場合に、端点付近を読み取った際、本来読み取るべき情報ドットではなく、その周辺に配置された情報ドットの読み取りによる誤った情報の入出力を防止することが可能となる。
【0226】
図24(f)は、曲線からなる線路を表す実在線上にストリームドットパターンを形成した例を示す図であり、図24(h)は、折れ線からなる道路の輪郭線上にストリームドットパターンを形成した例を示す図である。
【0227】
また、図24(i)は、道路を表す2つの可視的な輪郭線と、該輪郭線の中央に定義される道路の中央を示す仮想的な中心線上にストリームドットパターンがそれぞれ形成される例を示す図である。
【0228】
道路の幅が狭い場合、輪郭線のみに沿ってストリームドットパターンを形成して情報を入出力させればよいが、道路の幅が広い場合、本図示例のように、その中央にストリームドットパターンを形成して、左右の輪郭線か中央のいずれかをスキャナでタッチして情報を読み取れるようにすることが望ましい。もちろん、定義する情報を統一するために、道路を表す2つの可視的な輪郭線と、該輪郭線の中央に定義される道路の中央を示す仮想的な中心線上のドットパターンを同一にしてもよいし、本図示例のように、道路補左側と右側と中央とで異なる情報を定義するためにドットパターンを異ならせてもよい。
【0229】
また、図24(g)は、太線からなる道路を表す実在線上にストリームドットパターンを形成した例を示す図である。
【0230】
以上のようなストリームドットパターンに定義されたドットコードから変換されるコード情報に道路名を定義したり、関連情報を関係付けることにより、利便性の優れたグリッドマップ(ドットパターンを用いた地図の仮称)が提供できる。また、地名や施設、交差点等様々な地図情報を示す文字および文字列に沿った所定の位置にストリームドットパターンを形成して、関連情報を関係付ければ、地図の詳しい情報を簡易に取得できる。さらに、詳しい情報を取得できることから、地図情報を示す文字および文字列をできるだけ簡潔に表現し、または削除することにより見やすい地図を提供できる。
【0231】
また、図23と同様にアイコン部を地図の下部に印刷しておき、入出力装置と接続されるディスプレイ等に表示される電子地図を移動させるための、「上へ」「右へ」「下へ」「左へ」「戻る」の各アイコン、電子地図のサイズを変更させるための、「拡大する」「標準」「縮小する」の各アイコンとしての機能を持たせてもよい。
【0232】
地図部には、道路に関する情報のみならず、それ以外の観光施設等を表示するシンボルを印刷してもよい。この領域には、観光施設の位置に対応したXY座標を意味するドットパターンが印刷され、また、シンボルには、施設等の位置に対応したXY座標に加えて、施設の情報等をコード化したドットパターンが重畳印刷される。
【0233】
次に、図25を参照しながら本発明に係る情報入力用の図面を用いた情報入出力方法について説明する。
【0234】
この実施形態は、情報入力用媒体をCADを初めとする図面としたものであり、図面をペン型のスキャナ(光学読取手段)で撮像すると、撮像した画像データが情報処理装置に送信され、情報処理装置で画像データをドットコードに変換し、ドットコードから変換された座標情報および/またはコード情報に対応するリンクテーブルを参照して、撮像内容に対応した情報が出力手段であるディスプレイ装置(モニタ)に表示されるようになっている。ディスプレイ装置には、情報処理装置にインストールされた電子データや、それに対応する文字、図形、音声、動画等が表示されるようになっている。もちろん、電子データや音声等が情報処理装置内に記憶されていない場合には、サーバや他の情報処理装置からダウンロード等してディスプレイに表示することも可能である。
【0235】
図25は、本発明に係る情報入力用の図面を用いた情報入出力方法の一例を示している。図面には、機械、建築、建築設備、電気系などの設計情報と、ディスプレイ装置上で各種表示を行なうための操作を指示するアイコンが印刷されたアイコン部が媒体上のその他の位置に形成されている。
【0236】
アイコン部における各アイコンの領域には、操作指示に対応したコードを意味するドットパターンが印刷されているが、ここで印刷されるドットパターンは前述したストリームドットパターンに限られない。従来から用いられている矩形状のドットパターン、例えば、情報ドットを配置するブロックの領域内に当該ブロックの大きさと向きを定義する複数の基準点を設け、該基準点から定義される複数の仮想基準点を配置し、前記仮想基準点からの距離と方向とで情報が定義される情報ドットを配置してもよい。
【0237】
様々な設計情報を構成する可視的な実在線、例えば輪郭線、もしくは指示線、もしくは引き出し線、もしくは寸法線、もしくは文字および文字列や、対象物の中央を示す仮想的な中心線上にはストリームドットパターンが印刷される。
【0238】
本図示例では、玄関床の説明が記載されたブロックを構成する線上にはストリームドットパターン(a)が、玄関を示す指示線上にはストリームドットパターン(b)が、6畳の和室の輪郭線を表す実在線上にはストリームドットパターン(c)が、浴槽の中央を示す仮想的な中心線上にはストリームドットパターン(d)が、浴室を示す文字列上にはストリームドットパターン(e)が、ドアを表現する実在線上にはストリームドットパターン(f)が、寸法線の長さを表す文字「4500」上にはストリームドットパターン(g)が、9帖のLDKの横幅を示す寸法線上にはストリームドットパターン(h)が、それぞれ印刷されることになる。
【0239】
もちろん、本図示例に記載されている「LDK9.5帖」や「洗面」、「押入」などの文字上に、あるいは文字列上にストリームドットパターンを形成してもよい。
【0240】
ストリームドットパターンの形成方法は、前述した第一の工程として、媒体表面上の情報を入出力させたい箇所に基準ドットを線状に連続して複数個配置し、第二の工程として、線状に配置された基準ドットを結ぶ、第一の仮想基準線を輪郭線、もしくは指示線、もしくは引き出し線、もしくは寸法線、もしくは文字および文字列や、対象物の中央を示す仮想的な中心線などと重畳する形で設ける。
【0241】
もちろん、基準ドットをそれらの各種線付近に設け、第一の仮想基準線のみをそれらの線上に定義してもよいし、基準ドットと第一の仮想基準線を各種線の両側に設け、第二の仮想基準線や第四の仮想基準線をそれらの線上に設けてもよい。
【0242】
アイコン部は、図面の左部に印刷されており、電子データをスクロールさせるための、「上へ」「右へ」「下へ」「左へ」「戻る」の各アイコン、電子データのサイズを変更させるための、「拡大する」「標準」「縮小する」の各アイコンが印刷されている。
【0243】
本発明実施例によれば、直線、折れ線、曲線、実線、各種点線、太線、二重線等で示された実在線に沿ってストリームドットパターンを配置すれば、光学読取手段を用いて任意のどの位置でも座標情報および/またはコード情報を読み取ることがでる。さらに、実在線に沿ってストリームドットパターンに実在線を描くための情報(ベクター情報)を定義すれば、読み取った座標情報および/またはコード情報を元に、CADで描画・表示・編集し、再度図面を出力することができる。
【0244】
また、設計対象となる対象物を示す実在線および/または図面上に記された文字および文字列に沿ってストリームドットパターンを形成し、対象物の種類、製品番号、仕様、色、模様、材質、材料、取り付け部品、加工方法、施工方法、作業日程等様々な関連情報を関係付ければ、1枚の図面で様々な情報を取得でき利便性にすぐれたグリッドドローイング(ドットパターンを用いた図面の仮称)が提供できる。
【0245】
また、ユーザが視認できる各種実在線の付近に定義される仮想中心線上にストリームドットパターンが形成されていればよく、図面全体にドットパターンを印刷してXY情報を定義することなく入出力装置で撮像した可視的な情報と出力される情報との関係が明確となる。
【0246】
次に同図を参照して、ストリームドットパターンが形成された図面の使用状態の一例を説明する。
【0247】
図に示す如く、本発明における図面(媒体)は、パーソナルコンピュータ等の電子機器およびペン型のスキャナ(撮像手段)と連動させて用いる。すなわち、ペン型のスキャナを、USBケーブル等による有線や、赤外線通信、BLUETOOTH(登録商標)などの無線でコンピュータに接続する。ユーザは、スキャナを用いて、図面上の任意の位置や、柱や壁、扉、引き出し線等をクリック(撮像)する。
【0248】
図面の付近に印刷形成されているアイコンには、CADデータのアドレスが登録されており、ユーザが当該アイコンをクリックすることにより、パーソナルコンピュータのハードディスク装置やサーバーに登録された電子データが読み出されてディスプレイに出力表示される。
【0249】
なお、図25においては、スキャナはコンピュータに接続されているが、本発明はこれに限らず、携帯電話、PDA(Personal Data Assistant)等、他の通信機器と連動させて用いるようにしてもよい。
【0250】
本実施例におけるパーソナルコンピュータは、中央処理装置(CPU)を中心に、メインメモリ(MM)、バスで接続されたハードディスク装置(HD)、出力手段としての表示装置(DISP)、入力手段としてのキーボード(KBD)とで構成されることが望ましい。
【0251】
そして、USBインターフェース(USB I/F)を介して撮像手段としてのスキャナが接続されている。
【0252】
なお、ディスプレイ装置(DISP)の他に、出力装置として、プリンタ、スピーカ等を接続してもよい。
【0253】
また、バス(BUS)は、ネットワークインターフェース(NW I/F)を介してインターネット等の汎用ネットワーク(NW)に接続されており、電子図面データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報、プログラム等が図示しないサーバよりダウンロード可能となっている。
【0254】
ハードディスク(HD)内には、オペレーティングシステム(OS)とともに、本実施形態で用いられるドットパターンの解析プログラム等のアプリケーションプログラム、電子CADデータ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報や各種テーブル等のデータが登録されている。
【0255】
中央処理装置(CPU)は、ハードディスク内のアプリケーションプログラムをバス(BUS)およびメインメモリ(MM)を介して順次読み込んで実行処理するとともに、データを読み出してディスプレイ装置(DISP)に出力表示することによって、本実施形態に説明する機能が実現されることになる。
【0256】
次に、図26を参照しながら、本発明に係る情報入力用媒体を読み取るためのペン型スキャナの構造の一例について説明する。
【0257】
当該ペン型スキャナ1001には、ケース1015内に、バッテリー1010、スピーカ1007、PCB1331が内設されている。PCB1331上には中央処理装置(CPU)とメモリが面付実装されている。また、ケース1015の後端(図で左上部)には音声データ入力用のマイク1291が内蔵されている。図示は省略したが、メモリカートリッジを着脱可能に装着してもよい。メモリカートリッジには音声データ等が登録されるようになっており、着脱可能であるため、ROMカートリッジ、マイクユニットカートリッジ等に交換可能である。
【0258】
ケース1015の表面には、ボタン1130a〜1130fが設けられており、読取開始・終了、録音開始・終了、音声再生・停止、音量調整等が制御できるようになっている。所定の操作方法(タッチ、スライド、長押し等)に応じてボタン1130a〜1130fによりペン型スキャナの機能を切り替えることができる。
【0259】
当該ボタンの中の録音ボタンを押すことによってマイク1291で音声を録音することができる。録音した音声データはメモリカートリッジに記録される。
【0260】
ケース1015の先端(図で右下端部)には、ケース1015を約45度程度傾けて媒体面に当接したときに、媒体面の鉛直軸に沿ってC−MOSカメラユニットおよび先細り状のノーズ1125が設けられている。ノーズ1125内空間にはC−MOSカメラユニットのレンズ1126が該空間に臨むように取り付けられており、ノーズ1125先端の窓部を撮像可能となっている。
【0261】
ノーズ1125内空間にはIRLED1122が備えられており、IRLED1122の照射光がディフューザー1111内に入射されるようになっている。ディフューザー1111壁面で照射光の拡散成分(光軸に対して45度よりも大きな角度の光成分)はディフューザー1111壁面を通過して外部に放射される。そして照射光の直進成分(光軸に対して45度よりも小さな角度の光成分)はディフューザー1111壁面で反射されて管内を進行する。照射光はディフューザー1111内で光軸とほぼ平行な成分だけが先端面からノーズ1125の開口部に対して照射されるようになっている。
【0262】
このように、照射光は、透明樹脂で構成されたクランク状のディフューザー1111を通過することによって光軸に平行な集束光となるため、ノーズ1125部の開口部の全域にわたって均一な光量を供給することができる。このように本実施形態によれば、拡散光のような場合に生じる周辺部の暗がりがないため、ドットパターン部の読取り精度を高めることができる。
【0263】
ペン型スキャナで読み取ったドットパターンの撮像画像は、スキャナ内の中央処理装置(CPU)によって解析されて座標値またはコード値に変換されて、USBケーブルや赤外線通信、BLUETOOTH(登録商標)を介してパーソナルコンピュータに送信される。
【0264】
パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、受信した座標値またはコード値を示すテーブルを参照して、これらに対応した電子CADデータ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報がディスプレイ装置(DISP)や図示しないスピーカから出力されるようになっている。
【0265】
次に、図27、図28を参照しながら本発明に係る情報入力用の三次元造形物の一例について説明する。
【0266】
「三次元造形物」とは、立体地図(山や谷、渓谷や建築物などを立体的に表したものだけでなく、地図自体が立体である場合も含む)、都市模型におけるビル、プラモデル、デザインモデル、人体模型などあらゆる造形物を指し、「三次元」とは触覚によって形状を認識できるものであることを意味するものであって、地図上で道路や鉄道を示すための僅かに隆起又は窪んだ線も、ここでいう「三次元」に含まれる。すなわち、本発明に係る情報入力用の曲面体には、地球儀等のような全体形状が曲面体として形成されているものだけでなく、全体形状は平面的であるが、そこに形成される情報を定義する個々のものが曲面体として認識できる場合も含まれる。
【0267】
図27は、三次元造形物を人体模型として構成した情報入力用の曲面体を示す図である。
【0268】
この実施形態では、ストリームドットパターンを複数連結して帯状に形成し、そのような帯を、人体を構成する個々の部位毎にあるいは全体として輪状、螺旋状に巻き付けてドットパターンを曲面体表面の全体に形成している。
【0269】
本図示例では、全身骨格を表す人体模型を用いているが、頭蓋・頸椎、筋肉、胃や肝臓、心臓などを表す模型にもストリームドットパターンにより情報の定義が可能である。
【0270】
実際の媒体を観察しながらより詳細な情報を得たいときにスキャナで該当箇所をタッチし、スキャナと接続するディスプレイへの表示やスピーカからの音声出力が可能であり、若年者を初めとする多くのユーザの触覚、視覚、聴覚に働きかけ、学習効率を向上させることができる。
【0271】
図28は、地形を表す立体的な曲面にドットパターンを形成した例を示す図である。
【0272】
この実施形態では、ストリームドットパターンを一端(図下部)から他端(図上部)まで複数連結して帯状に形成し、そのような帯を概ね平行な直線状に複数本並べてドットパターンを曲面体の全体に形成している。
【0273】
このように、1個の閉じた自由曲面体であれば、その部位毎に螺旋状、輪状、または直線状に、ストリームドットパターンが複数連結して帯状に形成された帯状の印刷媒体を適切に使い分けて隙間なく配置すれば、光学読取手段を用いて任意のどの位置でも座標情報および/またはコード情報を読み取ることができる。
【符号の説明】
【0274】
1 ドットパターン
2 キードット
3 情報ドット
4 基準ドット
5 仮想基準点
6 第一の仮想基準線
7 第二の仮想基準線
8 第三の仮想基準線
9 第四の仮想基準線
12 サイドドット
15 出力手段
33 光学読取手段
210 地球儀
230 ドットパターン部
251 情報伝達部
266 制御情報伝達部
274 パソコン
388 基台部
531 入出力装置
1001 ペン型スキャナ
1007 スピーカ
1010 バッテリー
1015 ケース
1111 ディフューザー
1122 IRLED
1125 ノーズ
1126 レンズ
1130 ボタン
1291 マイク
1331 PCB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の規則に基づいてドットを配置したドットパターンが表面に形成された曲面体であって、
該ドットパターンは、
線状に連続して配置した複数の基準ドットと、
該複数の基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線と、
該基準ドットおよび/または該第一の仮想基準線から所定の位置に定義される、直線および/または曲線からなる第二の仮想基準線と、
該第二の仮想基準線上の所定の位置に設けられる複数の仮想基準点と、
該仮想基準点からの距離と方向とで情報が定義される情報ドットと、からなるストリームドットパターンであって、該曲面体の表面に複数連結して帯状に形成されており、
該ドットの所定規則によって、曲面体上の位置を示す座標情報および/またはコード情報が定義されており、
光学読取手段によって該曲面体上の任意位置を撮像したときは、該撮像中心の該座標情報および/またはコード情報が読み取られる
ことを特徴とする情報入力用の曲面体。
【請求項2】
前記ドットパターンは、
前記曲面体の表面に螺旋状および/または輪状に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の情報入力用の曲面体。
【請求項3】
前記ドットパターンは、
帯状の印刷媒体に形成され、
該帯状の印刷媒体は、
前記曲面体の表面に貼られている
ことを特徴とする請求項1記載の情報入力用の曲面体。
【請求項4】
前記帯状の印刷媒体は、
前記曲面体の表面に、螺旋状および/または輪状に巻き付けて貼られている
ことを特徴とする請求項3記載の情報入力用の曲面体。
【請求項5】
前記第一の仮想基準線は、
少なくとも前記曲面体の表面に可視的に形成された実在線上に定義される
ことを特徴とする請求項1記載の情報入力用の曲面体。
【請求項6】
前記曲面体は、
地球儀または天球儀または天体儀であり、
前記ドットパターンは、
前記座標情報に代えて、該地球儀または該天球儀または該天体儀上の緯度・経度情報と、
および/または、前記コード情報として該地球儀または該天球儀または該天体儀上の地域情報と、
を定義している
ことを特徴とする請求項1記載の情報入力用の曲面体。
【請求項7】
前記曲面体は、
回転体である
ことを特徴とする請求項1記載の情報入力用の曲面体。
【請求項8】
前記曲面体は、
球体である
ことを特徴とする請求項1記載の情報入力用の曲面体。
【請求項9】
前記曲面体は、
立体地図、彫刻、建築物、人体模型等の三次元造形物である
ことを特徴とする請求項1記載の情報入力用の曲面体。
【請求項10】
所定の規則に基づいてドットを配置したドットパターンが表面に形成された地図であって、
該ドットパターンは、
線状に連続して配置した複数の基準ドットと、
該複数の基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線と、
該基準ドットおよび/または該第一の仮想基準線から所定の位置に定義される、直線および/または曲線からなる第二の仮想基準線と、
該第二の仮想基準線上の所定の位置に設けられる複数の仮想基準点と、
該仮想基準点からの距離と方向とで情報が定義される情報ドットと、からなるストリームドットパターンであって、該地図の表面に複数連結して帯状に形成されており、
該第一の仮想基準線は、
該地図の表面に可視的に形成された所定のパラメータの値が等しい点を結ぶ等値線(等高線、等圧線、等風速線、等温線)上に設けられ、
該ドットの所定規則によって、地図上の位置を示す座標情報および/またはコード情報が定義されており、
光学読取手段によって該地図上の任意位置を撮像したときは、該撮像中心の該座標情報および/またはコード情報が読み取られる
ことを特徴とする情報入力用の地図。
【請求項11】
前記第一の仮想基準線は、
該地図の表面に可視的に形成された所定のパラメータの値が等しい点を結ぶ等値線(等高線、等圧線、等風速線、等温線)に代えて、
前記地図の表面に可視的に形成された道路の幅を示す輪郭線、もしくは道路を示す中心線、もしくは文字および文字列、または道路の中央を示す仮想的な中心線上に設けられる
ことを特徴とする請求項10記載の情報入力用の地図。
【請求項12】
所定の規則に基づいてドットを配置したドットパターンが表面に形成された図面であって、
該ドットパターンは、
線状に連続して配置した複数の基準ドットと、
該複数の基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線と、
該基準ドットおよび/または該第一の仮想基準線から所定の位置に定義される、直線および/または曲線からなる第二の仮想基準線と、
該第二の仮想基準線上の所定の位置に設けられる複数の仮想基準点と、
該仮想基準点からの距離と方向とで情報が定義される情報ドットと、からなるストリームドットパターンであって、該図面の表面に複数連結して帯状に形成されており、
該第一の仮想基準線は、
該図面の表面に可視的に形成された実在線上に設けられ、
該ドットの所定規則によって、図面上の位置を示す座標情報および/またはコード情報が定義されており、
光学読取手段によって該図面上の任意位置を撮像したときは、該撮像中心の該座標情報および/またはコード情報が読み取られる
ことを特徴とする情報入力用の図面。
【請求項13】
前記第一の仮想基準線は、
該図面の表面に可視的に形成された実在線に代えて、
前記図面の表面に可視的に形成された対象物の輪郭線、もしくは対象物を示す指示線、もしくは対象物の説明を記載するための引き出し線、もしくは対象物の大きさを示す寸法線、もしくは文字および文字列、または対象物の中央を示す仮想的な中心線上に設けられる
ことを特徴とする請求項12記載の情報入力用の図面。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2011−141705(P2011−141705A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1589(P2010−1589)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(503349741)
【Fターム(参考)】