説明

情報処理システム、ソフトウエアダウンロード方法及びソフトウエアダウンロードプログラム

【課題】
情報処理システムを構成している情報通信端末装置と付属通信端末装置との動作の整合を図りつつ、双方の装置で実行されるプログラムを取得して実装する。
【解決手段】
第1プログラムと、これと適合することが保証されている第2プログラムとからなり、取得単位であるプログラム群を、情報通信端末装置としての携帯電話装置200が、プログラム配信サーバ600から取得する(S11)。そして、取得された第1プログラムが携帯電話装置200に実装される(S12)。引き続き、付属通信端末装置としてのTVチューナ装置300に実装されているプログラムのバージョンと、取得された第2プログラムのバージョンとが一致していない場合に、取得された第2プログラムがTVチューナ装置300へ送られ(S13,S14,S15)、取得された第2プログラムが、TVチューナ装置300に実装される(S17)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、ソフトウエアダウンロード方法及びソフトウエアダウンロードプログラムに係り、より詳しくは、情報通信端末装置と付属通信端末装置とが協働して動作する情報処理システム、当該情報処理システムで使用されるソフトウエアダウンロード方法、及び、ソフトウエアダウンロード方法における当該情報通信端末装置の処理を実現するためのソフトウエアダウンロードプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、情報通信処理を行う情報通信端末装置が普及している。こうした情報通信端末装置、特に、携帯電話装置のように可搬型の情報通信端末装置では、小型化及び軽量化のために、単独では、必須機能と考えられる機能のみを実現するようにするとともに、様々なオプション機能を実現するために、当該情報通信端末装置と通信可能であり、当該情報通信端末装置と協働する付属通信端末装置が提供されることが、一般化している。
【0003】
かかる付属通信端末装置は、オプション機能を実現するための情報通信端末装置におけるアプリケーションプログラムの実行による制御のもとで動作するが、独立した装置として、演算手段を備え、独自のファームウエアプログラムを実行する構成が多く採用されている。こうした場合には、必要に応じたアプリケーションプログラム及びファームウエアプログラムの新たな実装や更新に際して、プログラム配信サーバからダウンロードできるようにすることが便宜である。
【0004】
上記のような便宜性を実現するために、情報通信端末装置と付属通信端末装置とから構成される情報処理システムにおける情報通信端末装置が、プログラム配信サーバにおいてダウンロード可能とされているアプリケーションプログラム及びファームウエアプログラムのそれぞれの最新バージョンを監視し、実装されているアプリケーションプログラム又はファームウエアプログラムのバージョンが最新バージョンよりも旧い場合には、最新バージョンのアプリケーションプログラム又はファームウエアプログラムをダウンロードする技術が提案されている(特許文献1参照:以下、「従来例」という)。この従来例の技術では、ダウンロードされた最新バージョンのファームウエアは、情報通信端末装置から付属通信端末装置へ送られ、付属通信端末装置に実装されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−167742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来例の技術では、アプリケーションプログラムと、ファームウエアプログラムとが、それぞれのバージョンに基づいて、互いに独立して自動的にダウンロードされて実装される。このため、例えば、アプリケーションプログラムのバージョンアップにともない、ファームウエアのバージョンを暫定的にでも旧いものに戻す必要がある場合には、情報通信端末装置の動作と、付属通信端末装置との動作とが整合しないものとなってしまう。
【0007】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、情報処理システムを構成している情報通信端末装置と付属通信端末装置との動作との整合を図りつつ、情報通信端末装置及び付属通信端末装置で実行されるプログラムを取得して実装することができる情報処理システム及びソフトウエアダウンロード方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1の観点からすると、情報通信端末装置と付属通信端末装置とが協働して動作する情報処理システムであって、前記情報通信端末装置は、外部との通信を行う第1通信手段と;前記情報通信端末装置で動作可能であり、前記付属通信端末装置との協働動作のための処理を行う第1プログラムと、前記付属通信端末装置で動作可能であり、前記第1プログラムとの適合性が保証された第2プログラムとからなり、取得単位とされているプログラム群を、前記第1通信手段を利用して、システム外部から取得する取得手段と;前記第1通信手段を利用して受けた前記第1プログラムを前記情報通信装置に実装する第1実装手段と;前記第1通信手段を利用して、前記付属通信端末装置から受けた前記付属通信端末装置に実装されているプログラムのバージョンと、前記第2プログラムのバージョンとが一致するか否かの判定を行うバージョン判定手段と;前記判定の結果が否定的であった場合に、前記第1通信手段を利用して、前記第2プログラムを前記付属通信端末装置へ送信するプログラム送信制御手段と;を備え、前記付属通信端末装置は、前記情報通信端末装置との通信を行う第2通信手段と;前記第2通信手段を利用して受けた前記第2プログラムを前記付属通信端末装置に実装する第2実装手段と;を備える、ことを特徴とする情報処理システムである。
【0009】
この情報処理システムでは、まず、情報通信端末装置における取得手段が、情報通信端末装置で動作可能であり、付属通信端末装置との協働動作のための処理を行う第1プログラムと、付属通信端末装置で動作可能であり、第1プログラムとの適合性が保証された第2プログラムとからなり、取得単位とされているプログラム群を、第1通信手段を利用して、システム外部から取得する。
【0010】
ここで、「システム外部」には、情報通信端末装置がネットワークを介して通信可能であり、当該プログラム群を保持しているプログラム配信サーバ等が該当する。また、「取得単位とされている」とは、プログラム群としての取得は可能であるが、プログラム群を構成する第1プログラム又は第2プログラムの個別取得はできないことを意味している。なお、本明細書においては、以上の意義で、「システム外部」及び「取得単位とされている」の用語を用いるものとする。
【0011】
かかる取得手段による取得動作は、例えば、情報通信端末装置が備える操作入力部に対して利用者による当該プログラム群の取得指令の入力がなされた場合に、開始するようにすることができる。また、取得手段による取得動作は、例えば、プログラム配信サーバが保有するプログラム群のバージョンが、情報通信端末装置が保持しているプログラム群のバージョンよりも新しかった場合に、開始するようにすることができる。
【0012】
取得手段によりプログラム群が新たに取得されると、第1実装手段が、新たに取得された第1プログラムを、情報通信端末装置に実装する。かかる第1プログラムの実装は、新たに取得された第1プログラムを、情報端末装置の記憶部における所定の不揮発性の領域に格納すること等により行われる。
【0013】
また、バージョン判定手段が、第1通信手段を利用して付属通信端末装置から受けた、付属通信端末装置に実装されているプログラムのバージョンと、新たに取得された第2プログラムのバージョンとが一致するか否かの判定を行う。ここで、「付属通信端末装置に実装されているプログラム」は、新たに取得された第2プログラムに置き換えられる可能性のあるプログラムである。かかる判定に際しては、バージョン判定手段が、付属通信端末装置に対して、実装されているプログラムのバージョンの問い合わせを発行し、当該問い合わせに対する応答を取得するようにすることができる。
【0014】
バージョン判定手段による判定の結果が否定的であった場合には、プログラム送信制御手段が、第1通信手段を利用して、新たに取得された第2プログラムを付属通信端末装置へ送信する。
【0015】
付属通信端末装置では、情報通信端末装置から送信された新たに取得された第2プログラムを、第2通信手段を利用して受ける。そして、第2実装手段が、新たに取得された第2プログラムを、付属通信端末装置に実装する。かかる第2プログラムの実装は、新たに取得された第2プログラムを、付属通信端末装置の記憶部における所定の不揮発性の領域に格納すること等により行われる。なお、新たに取得された第2プログラムがデータ圧縮された状態である場合には、第2実装手段が、受信データの解凍を行った後に、付属通信端末装置の記憶部における所定の不揮発性の領域に格納する。
【0016】
したがって、本発明の情報処理システムによれば、情報処理システムを構成している情報通信端末装置と付属通信端末装置との動作との整合を図りつつ、情報通信端末装置及び付属通信端末装置で実行されるプログラムを取得して実装することができる。
【0017】
本発明の情報処理システムでは、前記第1通信手段が、1つのアクセスポイントを設定可能な通信手段であり、前記取得手段が、前記プログラム群の取得に際して、システム外部との通信のためのアクセスポイントを、前記第1通信手段に対して設定し、前記バージョン判定手段は、前記付属通信端末装置に実装されているプログラムのバージョンの取得に際して、前記付属通信端末装置をアクセスポイントとして、前記第1通信手段に対して設定し、前記プログラム送信制御手段が、前記バージョン判定手段により設定されたアクセスポイントを維持するようにすることができる。この場合には、第1通信手段の構成を簡易なものとすることができ、情報通信端末装置の小型化及び軽量化に貢献することができる。
【0018】
また、本発明の情報処理システムでは、前記情報通信端末装置と前記付属通信端末装置との通信が無線通信であり、前記付属通信端末装置が、前記第2通信手段及び前記第2実装手段へ動作電力を供給する電池を備えるようにすることができる。この場合には、情報通信端末装置と付属通信端末装置との通信のためにケーブル接続が不要となり利用者の利便性を向上させることができるとともに、付属通信端末装置の可搬性及び配置位置の自由度を向上させることができる。
【0019】
ここで、前記付属通信端末装置は、前記電池の残量を検出する検出手段を更に備え、前記第2実装手段は、前記検出手段による検出結果が、前記第2プログラムの実装動作に十分な残量である場合に、前記第2プログラムの実装動作を実行するようにすることができる。この場合には、新たに取得された第2プログラムの第2実装手段による実装動作に際して、いわゆる電池切れによる動作中断を有効に防止することができる。
【0020】
また、前記付属通信端末装置は、前記電池の残量を検出する検出手段と;前記検出手段による検出結果が、前記第2プログラムの受信動作及び実装動作について必要と予測される残量以上である場合に、前記第2通信手段を利用して、前記第2プログラムの送信許可を前記情報通信端末装置へ送信する送信許可手段と;を更に備え、前記プログラム送信制御手段が、前記送信許可を受けた場合に、前記第2プログラムの前記付属通信端末装置への送信を開始するようにすることができる。この場合には、付属通信端末装置による新たに取得された第2プログラムの受信及び実装の一連の動作において、いわゆる電池切れによる動作中断を、高い蓋然性で防止することができる。
【0021】
本発明は、第2の観点からすると、情報通信端末装置と、前記情報通信端末装置と通信可能な付属通信端末装置とが協働して動作する情報処理システムにおいて使用されるソフトウエアダウンロード方法であって、前記情報通信端末装置で動作し、前記付属通信端末装置との協働動作のための処理を行う第1プログラムと、前記付属通信端末装置で動作し、前記第1プログラムとの適合性が保証された第2プログラムとからなり、取得単位とされているプログラム群を、前記情報通信端末装置が、システム外部との通信により取得する取得工程と;前記プログラム群を取得した前記情報通信端末装置が、前記第1プログラムを前記情報通信装置に実装する第1実装工程と;前記付属通信端末装置に実装されているプログラムのバージョンと、前記第2プログラムのバージョンとが一致するか否かの判定を、前記情報通信端末装置が行うバージョン判定工程と;前記判定の結果が否定的であった場合に、前記情報通信端末装置が、前記第2プログラムを前記付属通信端末装置へ送信するプログラム送信工程と;前記第2プログラムを受けた前記付属通信端末装置が、前記第2プログラムを前記付属通信端末装置に実装する第2実装工程と;を備えることを特徴とするソフトウエアダウンロード方法である。
【0022】
このソフトウエアダウンロード方法では、まず、取得工程において、情報通信端末装置で動作し、付属通信端末装置との協働動作のための処理を行う第1プログラムと、付属通信端末装置で動作し、第1プログラムとの適合性が保証された第2プログラムとからなり、取得単位とされているプログラム群を、情報通信端末装置が、システム外部との通信により取得する。そして、第1実装工程において、プログラム群を取得した情報通信端末装置が、前記取得された第1プログラムを実装する。
【0023】
なお、「システム外部」及び「取得単位とされている」の意義は、上述した本発明の情報処理システムの場合と同様である。
【0024】
また、バージョン判定工程において、付属通信端末装置に実装されているプログラムのバージョンと、新たに取得された第2プログラムのバージョンとが一致するか否かの判定を、情報通信端末装置が行う。この判定の結果が否定的であった場合には、プログラム送信工程において、情報通信端末装置が、新たに取得された第2プログラムを付属通信端末装置へ送信する。そして、情報通信端末装置から送信された新たに取得された第2プログラムを受けた付属通信端末装置が、第2実装工程において、受信した新たに取得された第2プログラムを、付属通信端末装置に実装する。なお、「付属通信端末装置に実装されているプログラム」の意義は、上述した本発明の情報処理システムの場合と同様である。
【0025】
したがって、本発明のソフトウエアダウンロード方法によれば、情報処理システムを構成している情報通信端末装置と付属通信端末装置との動作との整合を図りつつ、情報通信端末装置及び付属通信端末装置で実行されるプログラムをダウンロードして実装することができる。
【0026】
本発明のソフトウエアダウンロード方法では、前記バージョン判定工程及び前記プログラム送信工程は、前記取得されて実装された第1プログラムの前記情報通信端末装置における実行により行われるようにすることができる。この場合には、バージョン判定工程及びプログラム送信工程を実行するための処理プログラムを、予め情報通信端末装置に実装しておく必要がなくなり、情報通信端末装置として当初に用意しておくプログラムを低減させることができる。なお、この場合には、第1実装工程の実行後に、バージョン判定工程及びプログラム送信工程が順次行われることになる。
【0027】
本発明は、第3の観点からすると、付属通信端末装置と協働して動作する情報通信端末装置において実行されるソフトウエアダウンロードプログラムであって、前記情報通信端末装置で動作し、前記付属通信端末装置との協働動作のための処理を行う第1プログラムと、前記付属通信端末装置で動作し、前記第1プログラムとの適合性が保証された第2プログラムとからなり、取得単位とされているプログラム群を、システム外部との通信により取得する取得手順と;前記第1プログラムを、前記情報通信端末装置に実装する実装手順と;前記付属通信端末装置に実装されているプログラムのバージョンと、前記第2プログラムのバージョンとが一致するか否かの判定を行うバージョン判定手順と;前記判定の結果が否定的であった場合に、前記第2プログラムを前記付属通信端末装置へ送信するプログラム送信手順と;を前記情報通信端末装置の演算手段に実行させる、ことを特徴とするソフトウエアダウンロードプログラムである。
【0028】
このソフトウエアダウンロードプログラムを情報通信端末装置において実行することにより、上述した本発明のソフトウエアダウンロード方法における取得工程、第1実装工程、バージョン判定工程及びプログラム送信工程を実行することができる。なお、「付属通信端末装置に実装されているプログラム」の意義は、上述した本発明の情報処理システムの場合と同様である。したがって、本発明のソフトウエアダウンロードプログラムを、本発明の情報処理システムの構築に際して採用することができる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明の情報処理システム及びソフトウエアダウンロード方法によれば、情報処理システムを構成している情報通信端末装置と付属通信端末装置との動作との整合を図りつつ、情報通信端末装置及び付属通信端末装置で実行されるプログラムをダウンロードして実装することができるという効果を有する。
【0030】
また、本発明のソフトウエアダウンロードプログラムを、本発明の情報処理システムの構築に際して採用することができる。したがって、本発明のソフトウエアダウンロードプログラムを採用することにより、本発明の情報処理システムを容易に構築できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成と、当該情報処理システムの位置付けとを示す図である。
【図2】図1の情報処理システムにダウンロードされるTV処理プログラム群の構成を説明するための図である。
【図3】図1の携帯電話装置の構成を説明するための図である。
【図4】図3の記憶部の構成を説明するための図である。
【図5】図1のTVチューナ装置の構成を説明するための図である。
【図6】図5の記憶部の構成を説明するための図である。
【図7】図1の情報処理システムによるダウンロード処理を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。なお、図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0033】
[構成]
図1には、一実施形態に係る情報処理システム100の概略的な構成と、当該情報処理システム100の位置付けとが示されている。この図1に示されるように、情報処理システム100は、情報通信端末装置としての携帯電話装置200と、付属通信端末装置としてのTVチューナ装置300とを備えている。そして、携帯電話装置200とTVチューナ装置300との間では、無線通信が可能となっている。
【0034】
また、携帯電話装置200は、ネットワーク500を介して、プログラム配信サーバ600と通信可能となっている。なお、ネットワーク500は、無線通信が可能なアクセスポイント設備を多数備えている。そして、携帯電話装置200は、近接した位置に配置されたアクセスポイント設備と無線通信を行うことにより、ネットワーク500を介して、当該ネットワーク500に接続された様々なサーバや、他の携帯電話装置等との間で通信ができるようになっている。
【0035】
ネットワーク500には、プログラムプロバイダ端末装置700も接続されている。プログラムプロバイダは、プログラムプロバイダ端末装置700からプログラム配信サーバ600へ、プログラムをアップロードするようになっている。以下の説明においては、プログラムプロバイダ端末装置700からプログラム配信サーバ600へは、情報処理システム100において実行されるTV処理プログラム群PRGがアップロードされるものとする。そして、アップロード単位と同一の単位で、プログラム配信サーバ600から情報処理システム100へのダウンロードが行われるようになっているものとする。
【0036】
TV処理プログラム群PRGは、図2に示されるように、ヘッダ部GPHと、携帯電話装置200において実行されるTV受信処理プログラムTRPと、TVチューナ装置300において実行されるファームウエアプログラム(以下、単に「ファームウエア」とも呼ぶ)FWPとを備えている。ここで、ヘッダ部GPHには、TV処理プログラム群PRGのバージョン情報が含まれている。
【0037】
TV受信処理プログラムTRPは、ヘッダ部TPHと、プログラム部TPPとを備えている。ここで、ヘッダ部TPHにはTV受信処理プログラムTRPのバージョン情報が含まれている。また、プログラム部TPPには、TSパケット処理部PKPと、バージョン判定部VDPと、ファームウエア送信部FTPとが含まれている。
【0038】
ファームウエアFWPは、ヘッダ部FPHと、プログラム部FPPとを備えている。ここで、ヘッダ部FPHにはファームウエアFWPのバージョン情報が含まれている。また、プログラム部FPPには、ファームウエアデータが所定の方式で圧縮された圧縮ファームウエアCPFが含まれている。
【0039】
ファームウエアFWPのバージョンは、同一のTV処理プログラム群PRGが備えているTV受信処理プログラムTRPとの適合性が保証されたバージョンとなっている。このため、携帯電話装置200においてTV受信処理プログラムTRPを実行するとともに、同一のTV処理プログラム群PRGが備えているファームウエアFWPを解凍処理したプログラムをTVチューナ装置300で実行することにより、携帯電話装置200とTVチューナ装置300とが協働して、TV放送波の受信処理を行うことが保証されるようになっている。
【0040】
なお、以下の説明において、プログラム配信サーバ600が保持し、ダウンロード可能なTV処理プログラム群PRG及びその構成要素を指す場合には、添字Sを付すものとする。また、携帯電話装置200が保持しているTV処理プログラム群PRG及びその構成要素を指す場合には、添字Mを付すものとする。
【0041】
図1に戻り、携帯電話装置200は、上述したように、ネットワーク500を介して、ネットワーク500に接続された他の装置との間で通信を行う。また、携帯電話装置200は、TVチューナ装置300と協働して、TV放送波の受信処理を行う。かかる機能を有する携帯電話装置200は、図3に示されるように、本体部210と、電池290とを備えている。ここで、電池290は、充電可能な電池であり、取り外し交換が可能となっている。本体部210の動作用の電力は、電池290から供給される。
【0042】
本体部210は、制御部220と、操作部230と、表示部240とを備えている。また、本体部210は、スピーカ部250と、マイクロフォン部260とを備えている。また、本体部210は、第1通信手段の一部としてのアンテナ271と、第1通信手段の一部としての送受信部275とを備えている。さらに、本体部210は、記憶部280を備えている。
【0043】
制御部220は、携帯電話装置200の動作を制御する。本実施形態では、制御部220は、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路から構成され、記憶部280に記憶されているプログラムを実行することにより、他の要素230〜280を利用して、様々な機能を実現するようになっている。
【0044】
操作部230は、複数のキーが配列されたキー部を備えて構成されている。かかるキー部としては、表示部240の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。利用者によるキー操作情報は、制御部220に報告される。
【0045】
表示部240は、液晶表示デバイスを備えて構成される。この表示部240は、制御部220から送られてきた表示信号に従って、操作案内、動作状況、受信メッセージ、テレビ放送映像等を表示する。
【0046】
スピーカ部250は、スピーカを備えて構成される。このスピーカ部250は、制御部220から送られてきた音声信号に従って、通信相手から送られてきた音声、着信音、案内音及びテレビ放送音声を再生出力する。なお、本実施形態では、スピーカ部250は、通信相手から送られてきた音声を再生出力する通話用スピーカと、着信音、案内音及びテレビ放送音声を再生出力する案内用スピーカという2つのスピーカを備えている。
【0047】
マイクロフォン部260は、マイクロフォンを備えて構成される。このマイクロフォン部260は、通話時における利用者の発生音を集音し、集音結果を制御部220へ送る。
【0048】
アンテナ271は、アクセスポイントとの間で無線信号の授受を行う。このアンテナ271は、送受信部275と接続されている。
【0049】
送受信部275は、制御部220による制御のもとで、アンテナ271を利用して、外部との通信を行うことにより、制御部220と、ネットワーク500に接続された他の装置、又は、TVチューナ装置300との間でデータの授受を行う。本実施形態では、送受信部275は、いわゆるWiFiプロトコルを採用した通信を行うようになっている。そして、送受信部275は、制御部220による設定に従って、ネットワーク接続用のアクセスポイント設備、又は、TVチューナ装置300をアクセスポイントとする通信を行う。
【0050】
記憶部280は、フラッシュROM(Read Only Memory)素子及びRAM(Random Access Memory)素子を備えて構成され、不揮発性領域と揮発性領域とを有している。この記憶部280は、図4に示されるように、プログラム領域281と、プログラム利用領域282とを備えている。ここで、プログラム領域281は、不揮発性領域の一部となっている。また、プログラム利用領域282は、不揮発性領域の他の一部及び揮発性領域となっている。
【0051】
プログラム領域281には、制御部220によって実行される様々なプログラムが記憶される。こうしたプログラムとしては、通話処理プログラムCVP、電子メール処理プログラムEMP、取得プログラムACP、実装プログラムINP等がある。また、上述したTV処理プログラム群PRGMも、プログラム領域281に記憶される。このTV処理プログラム群PRGMに含まれるTV受信処理プログラムTRPMは、制御部220によって実行される。
【0052】
制御部220が通話処理プログラムCVPを実行することで、携帯電話装置200の通話機能が実現される。また、制御部220が電子メール処理プログラムEMPを実行することで、携帯電話装置200の電子メール機能が実現される。
【0053】
制御部220が取得プログラムACPを実行することで、取得手段としての機能が実現され、プログラム配信サーバ600からのTV処理プログラム群PRGSが取得される。また、制御部220が実装プログラムINPを実行することで、第1実装手段としての機能が実現され、取得されたTV処理プログラム群PRGSにおけるTV受信処理プログラムTRPSが、TV受信処理プログラムTRPMとして、上記のプログラム領域281内に実装されるとともに、取得されたTV処理プログラム群PRGSにおけるファームウエアFWPが、上記のプログラム領域281内に格納される。
【0054】
制御部220がTV受信処理プログラムTRPMにおけるTSパケット処理部PKPMを実行することにより、携帯電話装置200によるTVチューナ装置300との協働動作が行われ、利用者によるテレビ放送の視聴が実現される。また、制御部220がTV受信処理プログラムTRPMにおけるバージョン判定部VDPMを実行することにより、バージョン判定手段としての機能が実現され、TVチューナ装置300に実装されているファームウエアバージョンが、TV受信処理プログラムTRPMと適合しているか否かが判定される。また、制御部220がTV受信処理プログラムTRPMにおけるファームウエア送信部FTPMを実行することにより、プログラム送信制御手段としての機能が実現され、ファームウエアFWPMが、TVチューナ装置300へ送信される。
【0055】
以上のTV処理プログラム群PRGSの取得処理、TV受信処理プログラムTRPMの実装処理、TVチューナ装置300に実装されているファームウエアバージョンの判定処理及びファームウエアFWPMの送信処理の詳細については、後述する。
【0056】
図1に戻り、TVチューナ装置300は、地上デジタル放送波を受信して、選局された放送局からの放送波に含まれる1セグメント放送についてのMPEG−TSパケット(以下、単に「TSパケット」とも記す)を、携帯電話装置200へ送る。かかる機能を有するTVチューナ装置300は、図5に示されるように、本体部310と、電池390とを備えている。ここで、電池390は、充電可能な電池であり、取り外し交換ができないようになっている。本体部310の動作用の電力は、電池390から供給される。
【0057】
本体部310は、アンテナ321と、チューナ部325とを備えている。また、本体部310は、第2実装手段及び送信許可手段としての制御部330と、第2通信手段の一部としてのアンテナ341と、第2通信手段の一部としての送受信部345とを備えている。さらに、本体部310は、記憶部350と、検出手段としての電池残量検出部360とを備えている。
【0058】
アンテナ321は、放送波を受信する。アンテナ321による受信結果は、チューナ部325へ送られる。
【0059】
チューナ部325は、制御部330による制御のもとで、制御部330から指定された放送局の信号を抽出して復調を行う。この復調結果であるTSパケットは、送受信部345へ送られる。
【0060】
制御部330は、TVチューナ装置300の動作を制御する。本実施形態では、制御部330は、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路から構成され、記憶部350に記憶されているプログラム(後述する解凍ファームウエアRFP)を実行することにより、他の要素321,325,341〜360を利用して、TVチューナ装置300としての機能を実現するようになっている。制御部330による処理の詳細については、後述する。
【0061】
アンテナ341は、携帯電話装置200との間で無線信号の授受を行う。このアンテナ341は、送受信部345と接続されている。
【0062】
送受信部345は、制御部330による制御のもとで、アンテナ341を利用して、携帯電話装置200との通信を行い、データの授受を行う。本実施形態では、送受信部345は、上述した送受信部275の場合と同様に、いわゆるWiFiプロトコルを採用した通信を行うようになっている。
【0063】
記憶部350は、上述した記憶部280の場合と同様に、フラッシュROM素子及びRAM素子を備えて構成され、不揮発性領域と揮発性領域とを有している。この記憶部350は、図6に示されるように、プログラム領域351と、プログラム利用領域352とを備えている。ここで、プログラム領域351は、不揮発性領域の一部となっている。また、プログラム利用領域352は、不揮発性領域の他の一部及び揮発性領域となっている。
【0064】
プログラム領域351には、実行ファームウエアEFPが記憶されている。この実行ファームウエアEFPは、ヘッダ部EPHと、プログラム部EPPとを備えている。ここで、ヘッダ部EPHにはバージョン情報が含まれ、プログラム部EPPには、制御部330で実際に実行される解凍ファームウエアRFPが含まれている。
【0065】
図5に戻り、電池残量検出部360は、電池390の残量を検出する。電池残量検出部360による検出結果は、制御部330へ送られる。
【0066】
[動作]
次に、上記のように構成された情報処理システム100の動作について、TV受信処理プログラム及びファームウエアのダウンロード処理(実装処理を含む)に主に着目して、説明する。
【0067】
前提として、プログラムプロバイダ端末装置700からプログラム配信サーバ600へは、TV処理プログラム群PRGがアップロードされており、プログラム配信サーバ600内に、TV処理プログラム群PRGSとして保持されているものとする。また、TVチューナ装置300における制御部330では、解凍ファームウエアRFPが実行されているものとする。さらに、制御部330により、チューナ部325による処理は中断されているものとする。
【0068】
かかるダウンロード処理に際しては、図7に示されるように、まず、ステップS11において、取得処理が行われる。この取得処理は、利用者が、携帯電話装置200の操作部230のキーを操作して、制御部220による取得プログラムACPの実行指令を行うことにより開始される。
【0069】
この指令を受けると、制御部220による取得プログラムACPの実行が開始され、制御部220は、まず、送受信部275のアクセスポイントを、ネットワーク接続用のアクセスポイント設備に設定する。引き続き、制御部220は、プログラム配信サーバ600にアクセスし、プログラム配信サーバ600にアップロードされたTV処理プログラム群PRGSのバージョンを取得し、表示部240に表示する。また、制御部220は、記憶部280から、TV処理プログラム群PRGMのバージョンを読み取り、表示部240に表示する。これらのバージョンを比べた利用者が、操作部230のキーを操作して、取得指令を行うと、制御部220は、プログラム配信サーバ600へのTV処理プログラム群PRGSの送信要求処理を行う。この結果、携帯電話装置200からプログラム配信サーバ600へ、送信要求PRQが送られる。
【0070】
送信要求PRQを受けたプログラム配信サーバ600は、TV処理プログラム群PRGSを携帯電話装置200へ送る。携帯電話装置200では、制御部220が、受信したTV処理プログラム群PRGSを、記憶部220のプログラム利用領域282に格納する。この後、制御部220が、取得プログラムACPの実行を終了する。この結果、ステップS11の処理が終了する。
【0071】
なお、制御部220によるプログラム配信サーバ600へのアクセス中に通信エラーが発生した場合には、制御部220は、エラーメッセージを表示部240に表示して、取得プログラムACPの実行を終了する。そして、以後の処置を利用者に委ねる。
【0072】
また、制御部220によるTV処理プログラム群PRGSの取得中に通信エラーが発生した場合には、所定の回数までリトライを行う。当該所定の回数のリトライを行っても、TV処理プログラム群PRGSの全てが受信できない場合には、制御部220は、エラーメッセージを表示部240に表示して、取得プログラムACPの実行を終了する。そして、以後の処置を利用者に委ねる。
【0073】
TV処理プログラム群PRGSの全てが受信されてステップS11の処理が終了すると、制御部220は、実装プログラムINPの実行を開始する。この結果、携帯電話装置200において、ステップS12の実装処理が開始される。
【0074】
ステップS12の処理が開始されると、制御部220は、記憶部280内のTV処理プログラム群PRGSをプログラム領域281に移動することにより、TV処理プログラム群PRGSにおけるTV受信処理プログラムTRPSを、TV受信処理プログラムTRPMとして実装するとともに、TV処理プログラム群PRGSにおけるファームウエアFWPSを、ファームウエアFWPMとして、不揮発性領域に保持させる。この結果、ステップS11において取得されたTV処理プログラム群PRGSに対応するTV処理プログラム群PRGMが、プログラム領域281に記憶される。
【0075】
なお、ステップS12の実行前にプログラム領域281内にTV処理プログラム群PRGMが存在している場合には、制御部220は、そのTV処理プログラム群PRGMを消去した後、TV処理プログラム群PRGSのプログラム領域281への移動を行うようになっている。
【0076】
この後、制御部220が、実装プログラムINPの実行を終了する。この結果、ステップS12の処理が終了する。
【0077】
ステップS12の終了後、利用者が、携帯電話装置200の操作部230のキーを操作して、制御部220によるTV受信処理プログラムTRPMの実行によるファームウエアダウンロード指令を行うと、制御部220は、TV受信処理プログラムTRPMにおけるバージョン判定部VDPMの実行を開始する。この結果、ステップS13のバージョン判定処理が開始される。
【0078】
ステップS13の処理が開始されると、制御部220は、まず、送受信部275のアクセスポイントを、TVチューナ装置300に設定する。引き続き、制御部220は、バージョン問い合わせ処理を行う。この結果、携帯電話装置200からTVチューナ装置300へバージョン問い合わせVRQが送られる。
【0079】
バージョン問い合わせVRQを受けたTVチューナ装置300では、ステップS14のバージョン報告処理が開始される。このステップS14では、制御部330が、記憶部350からファームウエアバージョンを読み取る。そして、制御部330は、読み取られたバージョンの報告処理を行う。この結果、バージョン報告VRSが、TVチューナ装置300から携帯電話装置200へ送られる。この後ステップS14の処理が終了する。
【0080】
バージョン報告VRSを受けた携帯電話装置200では、実行中のステップS13の処理において、制御部220が、記憶部280からファームウエアFWPMのバージョンを読み取る。そして、制御部220は、バージョン報告VRSとして報告されたファームウエアバージョンと、ファームウエアFWPMのバージョンとが同一であるか否かの判定であるバージョン判定を行う。
【0081】
バージョン判定の結果が肯定的であった場合には、制御部220は、バージョン判定部VDPMの実行を終了し、その旨を表示部240に表示する。そして、以後の処置を利用者に委ねる。
【0082】
バージョン判定の結果が否定的であった場合には、制御部220は、バージョン判定部VDPMの実行を終了した後、TV受信処理プログラムTRPMにおけるファームウエア送信部FTPMの実行を開始する。この結果、ステップS15のファームウエア送信処理が開始される。
【0083】
なお、上記のステップS13の処理中に通信エラーが発生した場合には、所定の回数までステップS13の処理のリトライを行う。当該所定の回数のリトライを行っても、バージョン判定の結果が肯定的とならない場合には、制御部220は、エラーメッセージを表示部240に表示して、バージョン判定部VDPMの実行を終了する。そして、以後の処置を利用者に委ねる。
【0084】
ステップS15の処理が開始されると、制御部220は、送信許可問い合わせ処理を行う。この結果、携帯電話装置200からTVチューナ装置300へ送信許可問い合わせFTQが送られる。
【0085】
送信許可問い合わせFTQを受けたTVチューナ装置300では、ステップS16の送信許可処理が開始される。このステップS16では、制御部330が、電池残量検出部360から電池残量の検出結果を取得する。そして、制御部330は、電池残量の検出結果が、今後に行われるファームウエアFWPMの受信及び実装の処理に必要であると予測される所定の残量以上であるか否かの第1次電池残量判定を行う。そして、制御部330は、第1次電池残量判定の結果の報告処理を行う。この結果、結果報告TABが、TVチューナ装置300から携帯電話装置200へ送られる。
【0086】
結果報告TABを受けた携帯電話装置200では、制御部220が、実行中のステップS15において、第1次電池残量判定の結果が肯定的であったか否かの判定を行う。第1次電池残量判定の結果が否定的であった場合には、制御部220が、TVチューナ装置300の電池390の充電を促す旨を、表示部240に表示して、ファームウエア送信部FTPMの実行を終了する。そして、以後の処置を利用者に委ねる。
【0087】
一方、第1次電池残量判定の結果が肯定的であった場合には、制御部220は、ファームウエアFWPMの送信処理を行う。この結果、携帯電話装置200からTVチューナ装置300へ、ファームウエアFWPMが送られる。この後、制御部220は、ファームウエア送信部FTPMの実行を終了する。
【0088】
なお、ステップS15におけるファームウエア送信部FTPMの送信完了までに通信エラーが発生した場合には、所定の回数までステップS15の処理のリトライを行う。当該所定の回数のリトライを行っても、ファームウエア送信部FTPMの送信を完了しない場合には、制御部220は、エラーメッセージを表示部240に表示して、ファームウエア送信部FTPMの実行を終了する。そして、以後の処置を利用者に委ねる。
【0089】
ファームウエアFWPMを受けたTVチューナ装置300では、制御部330が、受信したファームウエアFWPMを、記憶部350のプログラム利用領域352に格納する。そして、ステップS17のファームウエア実装処理が開始される。
【0090】
ステップS17では、まず、制御部330が、受信したファームウエアFWPMを解凍し、解凍結果である新たな実行ファームウエアEFPを、記憶部350のプログラム利用領域352に格納する。この時点で、制御部330は、新たな実行ファームウエアEFPのデータ量を検出する。
【0091】
引き続き、制御部330は、新たな実行ファームウエアEFPの完全性判定を行う。完全性判定の結果が否定的であった場合には、制御部330は、完全性判定の結果が否定的であった旨の報告処理を行う。この結果、TVチューナ装置300から携帯電話装置200へ、不完全性報告が送られる。この不完全性報告を受けると、携帯電話装置200は、所定の回数までステップS15の処理のリトライを行う。当該所定の回数のリトライを行っても、完全性判定の結果が肯定的とならない場合には、制御部220は、エラーメッセージを表示部240に表示して、以後の処置を利用者に委ねる。
【0092】
完全性判定の結果が肯定的であった場合には、制御部330は、電池残量検出部360から電池残量の検出結果を取得する。そして、制御部330は、電池残量の検出結果が、今後に行われる実行ファームウエアEFPの実装処理に必要である残量以上であるか否かの第2次電池残量判定を行う。
【0093】
第2次電池残量判定の結果が否定的であった場合には、制御部330は、電池残量不足の報告処理を行う。この結果、TVチューナ装置300から携帯電話装置200へ、電池残量不足報告が送られる。この電池残量不足報告を受けた携帯電話装置200では、制御部220が、TVチューナ装置300の電池390の充電を促す旨を、表示部240に表示して、以後の処置を利用者に委ねる。
【0094】
第2次電池残量判定の結果が肯定的であった場合には、制御部330は、新たな実行ファームウエアEFPをプログラム領域351へ移動する。この結果、プログラム領域351における実行ファームウエアEFPが更新される。
【0095】
なお、新たな実行ファームウエアEFPのプログラム領域351への移動に際して、実行中の解凍ファームウエアRFPの移動実行部が、当該移動によっても書き換えられない領域に退避されたうえで、退避された移動実行部の実行が、制御部330により行われるようになっている。なお、退避された移動実行部は、解凍ファームウエアRFPの再起動により消去されるようになっている。
【0096】
上記のステップS15の終了後、利用者が、携帯電話装置200の操作部230のキーを操作して、解凍ファームウエアRFPの再起動の指令が行われると、制御部220が再起動指令の発行処理を行う。この結果、携帯電話装置200からTVチューナ装置300へ、再起動指令RSTが送られる。
【0097】
再起動指令RSTを受けたTVチューナ装置300では、解凍ファームウエアRFPの制御部300による実行が開始される。この結果、制御部220においてTV受信処理プログラムTRPMが実行される携帯電話装置200と、TVチューナ装置300とが協働して行われる放送受信処理が、プログラム配信サーバ600におけるTV処理プログラム群PRGSのバージョンに対応した態様で行われるようになる。
【0098】
以上説明したように、本実施形態では、TV受信処理プログラムと、当該TV受信処理プログラムに適合していることが保証されている適合保証バーションのファームウエアからなるプログラム群を単位として、携帯電話装置200が、プログラム配信サーバ600から取得する。そして、取得されたTV受信処理プログラムが携帯電話装置200に実装する。
【0099】
引き続き、TVチューナ装置300に実装されている実行ファームウエアのバージョンと、適合保証バージョンとが一致するか否かの判定が行われる。この判定が否定的であった場合に、携帯電話装置200が、ファームウエアをTVチューナ装置300へ送る。そして、携帯電話装置200から送られたファームウエアが、TVチューナ装置300に実装される。そして、携帯電話装置200が発行した再起動指令RSTに応じて、TVチューナ装置300が再起動されると、TVチューナ装置300において、その時点で実装されている解凍ファームウエアが制御部300による実行が開始される。
【0100】
したがって、本実施形態によれば、情報処理システム100を構成している携帯電話装置200とTVチューナ装置300との動作との整合を図りつつ、携帯電話装置200及びTVチューナ装置300で実行されるプログラムをダウンロードして実装することができる。
【0101】
また、本実施形態では、携帯電話装置200の送受信部275が、1つのアクセスポイントを設定可能となっている。このため、送受信部275の構成を簡易なものとすることができ、携帯電話装置200の小型化及び軽量化に貢献することができる。
【0102】
また、本実施形態では、携帯電話装置200とTVチューナ装置300との通信が無線通信であり、TVチューナ装置300が電池390を備え、TVチューナ装置300には、電池390のみから動作電力が供給される。このため、携帯電話装置200とTVチューナ装置300との通信のためにケーブル接続が不要となり利用者の利便性を向上させることができるとともに、TVチューナ装置300の可搬性及び配置位置の自由度を向上させることができる。
【0103】
また、本実施形態では、TVチューナ装置300は、電池390の残量を検出する電池残量検出部360を備え、電池残量検出部360による検出結果が、プログラム配信サーバ600取得されたファームウエアの実装動作に十分な量である場合に、当該ファームウエアの実装動作を実行する。このため、新たに取得されたファームウエアの実装に際して、いわゆる電池切れによる動作中断を有効に防止することができる。
【0104】
また、本実施形態では、TVチューナ装置300は、電池残量検出部360による検出結果が、新たに取得されたファームウエアの受信及び実装の動作について必要と予測される所定量以上である場合に、携帯電話装置200に対して、ファームウエアの送信許可を発行する。そして、携帯電話装置200は、当該送信許可を受けた場合に、ファームウエア送信を行う。このため、新たに取得されたファームウエアのTVチューナ装置300によるに受信及び実装の一連の動作において、いわゆる電池切れによる動作中断を、高い蓋然性で防止することができる。
【0105】
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0106】
例えば、上記の実施形態では、携帯電話装置200とTVチューナ装置300との通信を無線通信としたが、有線通信とすることもできる。
【0107】
また、上記の実施形態では、携帯電話装置200とネットワーク500のアクセスポイント設備との通信を無線通信としたが、有線通信とすることもできる。
【0108】
また、上記の実施形態では、新たに取得されたTV受信処理プログラムTRPSの携帯電話装置200への実装は、無条件で行われるようにした。これに対して、新たに取得されたTV受信処理プログラムTRPSのバージョンと、取得時点におけるTV受信処理プログラムTRPMのバージョンとが異なる場合に、新たに取得されたTV受信処理プログラムTRPSの携帯電話装置200への実装が行われるようにしてもよい。
【0109】
また、上記の実施形態では、携帯電話装置200における送受信部275は、各時点で1つのアクセスポイントとの通信が可能であるようにした。これに対し、送受信部として、同時に複数のアクセスポイントとの通信を可能であるものを採用してもよい。
【0110】
また、上記の実施形態では、バージョン判定動作ために必須となる送受信部275に対するTVチューナ装置300のアクセスポイントへの設定は、バージョン判定処理を開始した制御部220が自動的に行うようにした。これに対し、制御部220のバージョン判定処理を開始に先立って行われる人手によるアクセスポイント指定に応答して、制御部220が送受信部275に対するTVチューナ装置300のアクセスポイントへの設定を行うようにしてもよい。
【0111】
なお、上記の実施形態では、本発明を、情報通信端末装置を携帯電話装置200とし、情報通信端末装置と協働して動作する付属通信端末装置をTVチューナ装置300とする場合に適用したが、他の情報通信端末装置と付属通信端末装置とを組み合わせる場合であっても、本発明を適用することができるのは、勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0112】
以上説明したように、本発明の情報処理システムは、情報処理システムを構成している情報通信端末装置及び付属通信端末装置で動作するプログラムをダウンロードして実装する情報処理システムに適用することができる。
【0113】
また、本発明のソフトウエアダウンロード方法は、情報処理システムを構成している情報通信端末装置及び付属通信端末装置で動作するプログラムをダウンロードして実装する場合に適用することができる。
【0114】
また、本発明のソフトウエアダウンロードプログラムは、本発明の情報処理システムの構築に際して適用することができる。
【符号の説明】
【0115】
100…情報処理システム、200…携帯電話装置(情報通信端末装置)、210…本体部、220…制御部(取得手段、第1実装手段、バージョン判定手段、プログラム送信制御手段)、230…操作部、240…表示部、250…スピーカ部、260…マイクロフォン部、271…アンテナ(第1通信手段の一部)、275…送受信部(第1通信手段の一部)、280…記憶部、290…電池、300…TVチューナ装置(付属通信端末装置)、310…本体部、321…アンテナ、325…チューナ部、330…制御部(第2実装手段、送信許可手段)、341…アンテナ(第2通信手段の一部)、345…送受信部(第2通信手段の一部)、350…記憶部、360…電池残量検出部(検出手段)、390…電池。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報通信端末装置と付属通信端末装置とが協働して動作する情報処理システムであって、
前記情報通信端末装置は、
外部との通信を行う第1通信手段と;
前記情報通信端末装置で動作可能であり、前記付属通信端末装置との協働動作のための処理を行う第1プログラムと、前記付属通信端末装置で動作可能であり、前記第1プログラムとの適合性が保証された第2プログラムとからなり、取得単位とされているプログラム群を、前記第1通信手段を利用して、システム外部から取得する取得手段と;
前記第1通信手段を利用して受けた前記第1プログラムを前記情報通信装置に実装する第1実装手段と;
前記第1通信手段を利用して、前記付属通信端末装置から受けた前記付属通信端末装置に実装されているプログラムのバージョンと、前記第2プログラムのバージョンとが一致するか否かの判定を行うバージョン判定手段と;
前記判定の結果が否定的であった場合に、前記第1通信手段を利用して、前記第2プログラムを前記付属通信端末装置へ送信するプログラム送信制御手段と;を備え、
前記付属通信端末装置は、
前記情報通信端末装置との通信を行う第2通信手段と;
前記第2通信手段を利用して受けた前記第2プログラムを前記付属通信端末装置に実装する第2実装手段と;を備える、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記第1通信手段は、1つのアクセスポイントを設定可能な通信手段であり、
前記取得手段は、前記プログラム群の取得に際して、システム外部との通信のためのアクセスポイントを、前記第1通信手段に対して設定し、
前記バージョン判定手段は、前記付属通信端末装置に実装されているプログラムのバージョンの取得に際して、前記付属通信端末装置をアクセスポイントとして、前記第1通信手段に対して設定し、
前記プログラム送信制御手段は、前記バージョン判定手段により設定されたアクセスポイントを維持する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報通信端末装置と前記付属通信端末装置との通信は無線通信であり、
前記付属通信端末装置は、前記第2通信手段及び前記第2実装手段へ動作電力を供給する電池を備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記付属通信端末装置は、前記電池の残量を検出する検出手段を更に備え、
前記第2実装手段は、前記検出手段による検出結果が、前記第2プログラムの実装動作に十分な残量である場合に、前記第2プログラムの実装動作を実行する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記付属通信端末装置は、
前記電池の残量を検出する検出手段と;
前記検出手段による検出結果が、前記第2プログラムの受信動作及び実装動作について必要と予測される残量以上である場合に、前記第2通信手段を利用して、前記第2プログラムの送信許可を前記情報通信端末装置へ送信する送信許可手段と;を更に備え、
前記プログラム送信制御手段は、前記送信許可を受けた場合に、前記第2プログラムの前記付属通信端末装置への送信を開始する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
情報通信端末装置と、前記情報通信端末装置と通信可能な付属通信端末装置とが協働して動作する情報処理システムにおいて使用されるソフトウエアダウンロード方法であって、
前記情報通信端末装置で動作し、前記付属通信端末装置との協働動作のための処理を行う第1プログラムと、前記付属通信端末装置で動作し、前記第1プログラムとの適合性が保証された第2プログラムとからなり、取得単位とされているプログラム群を、前記情報通信端末装置が、システム外部との通信により取得する取得工程と;
前記プログラム群を取得した前記情報通信端末装置が、前記第1プログラムを前記情報通信装置に実装する第1実装工程と;
前記付属通信端末装置に実装されているプログラムのバージョンと、前記第2プログラムのバージョンとが一致するか否かの判定を、前記情報通信端末装置が行うバージョン判定工程と;
前記判定の結果が否定的であった場合に、前記情報通信端末装置が、前記第2プログラムを前記付属通信端末装置へ送信するプログラム送信工程と;
前記第2プログラムを受けた前記付属通信端末装置が、前記第2プログラムを前記付属通信端末装置に実装する第2実装工程と;
を備えることを特徴とするソフトウエアダウンロード方法。
【請求項7】
前記バージョン判定工程及び前記プログラム送信工程は、前記取得されて実装された第1プログラムの前記情報通信端末装置における実行により行われる、ことを特徴とする請求項6に記載のソフトウエアダウンロード方法。
【請求項8】
付属通信端末装置と協働して動作する情報通信端末装置において実行されるソフトウエアダウンロードプログラムであって、
前記情報通信端末装置で動作し、前記付属通信端末装置との協働動作のための処理を行う第1プログラムと、前記付属通信端末装置で動作し、前記第1プログラムとの適合性が保証された第2プログラムとからなり、取得単位とされているプログラム群を、システム外部との通信により取得する取得手順と;
前記第1プログラムを、前記情報通信端末装置に実装する実装手順と;
前記付属通信端末装置に実装されているプログラムのバージョンと、前記第2プログラムのバージョンとが一致するか否かの判定を行うバージョン判定手順と;
前記判定の結果が否定的であった場合に、前記第2プログラムを前記付属通信端末装置へ送信するプログラム送信手順と;
を前記情報通信端末装置の演算手段に実行させる、ことを特徴とするソフトウエアダウンロードプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−176419(P2010−176419A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18653(P2009−18653)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【出願人】(501275178)ソフトバンクBB株式会社 (112)
【Fターム(参考)】