説明

情報処理システム、画像処理装置及び画像処理プログラム

【課題】ある機関が発行した書類であることを簡易に確認できるようにした画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置の画像生成手段は、画像を生成し、符号生成手段は、複数の符号を独立に生成し、第1の情報画像生成手段は、前記符号生成手段によって生成された第1の符号に基づいて、第1の情報画像を生成し、第2の情報画像生成手段は、前記符号生成手段によって生成された第2の符号に基づいて、前記第1の情報画像生成手段が生成する第1の情報画像とは異なる形態の第2の情報画像を生成し、合成手段は、前記画像生成手段によって生成された画像に、前記第1の情報画像生成手段によって生成された第1の情報画像と前記第2の情報画像生成手段によって生成された第2の情報画像を合成し、記憶手段は、前記符号生成手段によって生成された第1の符号と前記符号生成手段によって生成された第2の符号を対応させて記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、自治体等から交付される証明書はその真正性を担保するために、高価な改ざん防止用専用用紙に印刷しており、その用紙の管理に多大な労力を要している。例えば、改ざん防止用専用用紙が盗難されてしまうと、その真正性を保障できなくなるため、毎日印刷機にセットした用紙の枚数と誤印刷も含めて印刷した枚数を突き合わせて、盗難がないことのチェックをしている。
【0003】
また、最近の印刷技術では、改ざん防止用専用用紙を利用せずに、同等の効果を持つ地紋を、白紙の用紙に印刷する技術がある。
この印刷技術では、改ざん防止用専用用紙と同等の地紋とともに牽制文字を印刷できるようになっている。このような印刷技術が一般に利用できることから、真性な証明書と同じ地紋と牽制文字を付すことができるようになっている。
【0004】
これに関連する技術として、例えば、特許文献1には、曲画線の集合模様に通常は肉眼で識別できない潜像を施した印刷物及びその作成方法に関するものであり、印刷物は銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の複写機による偽造、変造防止効果を付与することを目的とし、曲画線の集合模様に、潜像を施さない部分を一本線、潜像を施した部分を二本線以上で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線の合計の画線幅が、潜像を施さない一本線の画線の画線幅と等しくなるように、潜像を施さない部分の一本線から分岐し、潜像を施さない部分と潜像を施した部分の画線上の境界線が、前記模様を構成する基本曲線と潜像の輪郭線の交点において接する直線に対し、略直角に交わる直線とすることが開示されている。
【0005】
また、例えば、特許文献2には、不正な複写を牽制する地紋付きの帳票を作成する際に、デザインの自由度を向上させるとともに、低コスト化を図ることを課題とし、複写機によるコピー時に消失する基本セキュリティ地紋と、複写機によるコピー時に明瞭に複写される隠しセキュリティ地紋とによってなるセキュリティ地紋を生成し、このセキュリティ地紋と印刷データとを印刷装置によって印刷して帳票を作成する帳票出力装置であり、隠しセキュリティ地紋として、各帳票に付された連番、各帳票の配布先の名称、あるいは印刷日時等、帳票毎に異なる情報を示す文字列を印刷することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−197828号公報
【特許文献2】特開2006−315403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような背景技術の状況の中でなされたもので、ある機関が発行した書類であることを簡易に確認できるようにした情報処理システム、画像処理装置及び画像処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] 印刷用の画像を生成する画像生成手段と、第1の符号を生成する第1の符号生成手段と、第2の符号を前記第1の符号生成手段とは独立に生成する第2の符号生成手段と、前記第1の符号生成手段によって生成された第1の符号に基づいて、第1の情報画像を生成する第1の情報画像生成手段と、前記第2の符号生成手段によって生成された第2の符号に基づいて、前記第1の情報画像生成手段が生成する第1の情報画像とは異なる形態の第2の情報画像を生成する第2の情報画像生成手段と、前記画像生成手段によって生成された画像に、前記第1の情報画像生成手段によって生成された第1の情報画像と前記第2の情報画像生成手段によって生成された第2の情報画像を合成する合成手段と、前記第1の符号生成手段によって生成された第1の符号と前記第2の符号生成手段によって生成された第2の符号を対応させて記憶する記憶手段と、前記合成手段によって合成された画像を用紙に出力する出力手段と、情報処理装置から送信されてきた符号に基づいて、前記記憶手段によって記憶されている対応を検索する検索手段と、前記検索手段による検索結果を前記情報処理装置に送信する送信手段を具備する画像処理装置と、前記情報処理装置は、前記画像処理装置と通信可能に接続されており、前記出力手段によって出力された用紙内の前記第1の情報画像又は前記第2の情報画像を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段によって読み取られた情報画像を復号する復号手段と、前記復号手段によって復号された符号を前記画像処理装置に送信する送信手段と、前記画像処理装置から送信されてきた検索結果に基づいて、前記用紙が前記画像処理装置によって出力されたものであるか否かの判断結果を提示する提示手段を具備することを特徴とする情報処理システム。
【0009】
[2] 前記情報処理装置は、利用者の操作に応じて、前記第1の情報画像又は前記第2の情報画像によって表された符号を受け付ける符号受付手段をさらに具備し、前記送信手段は、前記符号受付手段によって受け付けられた符号及び前記復号手段によって復号された符号を前記画像処理装置に送信することを特徴とする[1]に記載の情報処理システム。
【0010】
[3] 前記情報処理装置は、利用者の操作に応じて、前記第1の情報画像又は前記第2の情報画像によって表された符号を受け付ける符号受付手段と、前記符号受付手段によって受け付けられた符号と前記画像処理装置から送信されてきた検索結果に基づいて、前記用紙が前記画像処理装置によって出力されたものであるか否かの判断を行う判断手段をさらに具備し、前記提示手段は、前記判断手段による判断結果を提示することを特徴とする[1]に記載の情報処理システム。
【0011】
[4] 印刷用の画像を生成する画像生成手段と、第1の符号を生成する第1の符号生成手段と、第2の符号を前記第1の符号生成手段とは独立に生成する第2の符号生成手段と、前記第1の符号生成手段によって生成された第1の符号に基づいて、第1の情報画像を生成する第1の情報画像生成手段と、前記第2の符号生成手段によって生成された第2の符号に基づいて、前記第1の情報画像生成手段が生成する第1の情報画像とは異なる形態の第2の情報画像を生成する第2の情報画像生成手段と、前記画像生成手段によって生成された画像に、前記第1の情報画像生成手段によって生成された第1の情報画像と前記第2の情報画像生成手段によって生成された第2の情報画像を合成する合成手段と、前記第1の符号生成手段によって生成された第1の符号と前記第2の符号生成手段によって生成された第2の符号を対応させて記憶する記憶手段を具備することを特徴とする画像処理装置。
【0012】
[5] 前記第1の情報画像生成手段が生成する第1の情報画像は、前記第1の符号生成手段によって生成された符号を表す限定された範囲にある文字の画像を含むことを特徴とする[4]に記載の画像処理装置。
【0013】
[6] コンピュータを、印刷用の画像を生成する画像生成手段と、第1の符号を生成する第1の符号生成手段と、第2の符号を前記第1の符号生成手段とは独立に生成する第2の符号生成手段と、前記第1の符号生成手段によって生成された第1の符号に基づいて、第1の情報画像を生成する第1の情報画像生成手段と、前記第2の符号生成手段によって生成された第2の符号に基づいて、前記第1の情報画像生成手段が生成する第1の情報画像とは異なる形態の第2の情報画像を生成する第2の情報画像生成手段と、前記画像生成手段によって生成された画像に、前記第1の情報画像生成手段によって生成された第1の情報画像と前記第2の情報画像生成手段によって生成された第2の情報画像を合成する合成手段と、前記第1の符号生成手段によって生成された第1の符号と前記第2の符号生成手段によって生成された第2の符号を対応させて記憶する記憶手段として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の情報処理システムによれば、本構成を有していない場合に比較して、ある機関が発行した書類であることを簡易に確認できる。
【0015】
請求項2に記載の情報処理システムによれば、情報処理装置は、判断結果だけを受信して、その他の判断処理を行う必要がない。
【0016】
請求項3に記載の情報処理システムによれば、情報処理装置は、復号結果だけを送信して、本構成を有していない場合に比較して、余分な情報を送信することなくセキュリティの保護を高めることができる。
【0017】
請求項4に記載の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、ある機関が発行した書類であることを簡易に確認できる。
【0018】
請求項5に記載の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、利用者の情報処理装置に対する操作を簡易にすることができる。
【0019】
請求項6に記載の画像処理プログラムによれば、本構成を有していない場合に比較して、ある機関が発行した書類であることを簡易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態である画像処理装置における構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【図2】本実施の形態を実現するためのシステム構成例を示す説明図である。
【図3】本実施の形態による証明書の印刷処理例に関するフローチャートである。
【図4】対応テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【図5】対応テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【図6】印刷モジュールの印刷例を示す説明図である。
【図7】証明書の確認を行う実施の形態である情報処理装置における構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【図8】携帯通信装置側の処理例を示すフローチャートである。
【図9】証明書検証用サーバ側の処理例を示すフローチャートである。
【図10】証明書の確認を行う別の実施の形態である情報処理装置における構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【図11】携帯通信装置側の処理例を示すフローチャートである。
【図12】証明書検証用サーバ側の処理例を示すフローチャートである。
【図13】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態である画像処理装置における構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、コンピュータ・プログラム、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能にほぼ一対一に対応しているが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。
【0022】
本実施の形態である画像処理装置は、書類を印刷する装置であって、図1に示すように、指示受付モジュール110、証明書取出モジュール120、証明書DB125、画像生成モジュール130、牽制文字列生成モジュール140、地紋生成モジュール145、証明書識別番号生成モジュール150、QRコード生成モジュール155、画像合成モジュール160、印刷モジュール170、対応登録モジュール180、対応記憶モジュール185を有している。
書類としては、例えば、市町村役場等において発行される戸籍謄本、住民票等が該当する。以下、発行される書類として、証明書を主に例示して説明する。また、本装置において印刷された書類は、そのまま又は押印等の処理が施されて、その機関によって発行される。
【0023】
なお、本実施の形態によって、証明書に複数種類の情報画像が印刷される。情報画像とは、人間可読又は機械可読な態様で電子データを表すために作られた画像コードをいい、具体的には、文字列の画像を含む地紋、1次元バーコード、2次元コード等がある。本実施の形態の人間可読の第1の画像コードとして、牽制文字列の画像を含む地紋を例示する。また、最近は、2次元コードとしてQRコード(Quick Response code)が用いられており、本実施の形態の機械可読の第2の画像コードとしてこのQRコードを例示する。
【0024】
指示受付モジュール110は、証明書取出モジュール120と接続されている。証明書の発行に関する指示である利用者の操作を受け付け、その指示を証明書取出モジュール120へ渡す。具体的な例として、市役所の職員等による住民票等の発行指示を受け取る。
証明書取出モジュール120は、指示受付モジュール110、証明書DB125、画像生成モジュール130と接続されている。指示受付モジュール110から証明書発行の指示を受け取って、該当する証明書データを証明書DB125から取り出す。そして、取り出した証明書データを画像生成モジュール130へ渡す。
証明書DB125は、証明書データを記憶しているデータベースであり、証明書取出モジュール120からアクセスされる。
画像生成モジュール130は、証明書取出モジュール120、画像合成モジュール160と接続されている。証明書取出モジュール120から証明書データを受け取り、その証明書の画像を生成する。生成した画像を画像合成モジュール160へ渡す。
【0025】
牽制文字列生成モジュール140は、地紋生成モジュール145、対応登録モジュール180と接続されている。証明書を印刷するにあたって地紋としてその中に印刷すべき牽制文字列を生成し、その牽制文字列を地紋生成モジュール145、対応登録モジュール180へ渡す。ここで、牽制文字列とは、1文字以上であって、その証明書を特定する符号の一部(その符号だけで印刷された証明書を特定できてもよい)となり、証明書の地紋の一部として印刷されるものである。また、その牽制文字列は、限定された範囲にある文字によって構成されていてもよい。限定された範囲にある文字として、例えば、アルファベット文字又は数字のみによって構成した文字列としてもよい。携帯通信装置(図2の例に示す携帯通信装置260)によっても入力が容易な文字に限定することによって、利用者の操作を容易にするためである。また、符号の生成は、例えば、乱数等を用いて生成するようにしてもよいし、証明書のデータのハッシュ値を計算してもよい。なお、牽制文字列生成モジュール140による牽制文字列の生成は、証明書識別番号生成モジュール150による証明書識別番号とは独立に生成する。つまり、生成する牽制文字列は、証明書識別番号とは関係のない文字列であり、証明書識別番号から類推できないようなものであればよい。
【0026】
地紋生成モジュール145は、牽制文字列生成モジュール140、画像合成モジュール160と接続されている。地紋生成モジュール145によって生成された牽制文字列に基づいて、地紋の画像を生成し、その地紋の画像を画像合成モジュール160へ渡す。生成する地紋の画像内には、牽制文字列の画像を含める。地紋の生成は、前述の背景技術等を用いてもよい。地紋の画像の大きさは、一般的には証明書を印刷する用紙の大きさに対応するが、その一部分の大きさであってもよい。
また、地紋生成モジュール145が生成する地紋内の牽制文字列の画像は、牽制文字列生成モジュール140によって生成された牽制文字列を表す限定された範囲にある文字の画像を含むようにしてもよい。限定された範囲にある文字として、予め定められた範囲にある文字、例えば、アルファベット文字又は数字のみによって構成した文字としてもよい。携帯通信装置によっても入力が容易な文字に限定することによって、利用者の操作を容易にするためである。また、そのために、牽制文字列生成モジュール140は、その限定された範囲にある文字を生成するようにしてもよい。
【0027】
証明書識別番号生成モジュール150は、QRコード生成モジュール155、対応登録モジュール180と接続されている。証明書を印刷するにあたってQRコードに示すべき証明書識別番号を生成し、その証明書識別番号をQRコード生成モジュール155、対応登録モジュール180へ渡す。ここで、証明書識別番号とは、1文字以上であって数字に限定されず、その証明書を特定する符号の一部(その符号だけで印刷された証明書を特定できてもよい)となり、証明書にQRコードとして印刷されるものである。また、符号の生成は、例えば、乱数等を用いて生成するようにしてもよいし、証明書のデータのハッシュ値を計算してもよい。なお、証明書識別番号生成モジュール150による証明書識別番号の生成は、牽制文字列生成モジュール140による牽制文字列とは独立に生成する。そのために、例えば、証明書のデータのハッシュ値を採用する場合は、証明書のデータに乱数を加える等の加工を施してもよい。つまり、生成する証明書識別番号は、牽制文字列とは関係のない符号であり、牽制文字列から類推できないようなものであればよい。
【0028】
QRコード生成モジュール155は、証明書識別番号生成モジュール150、画像合成モジュール160と接続されている。証明書識別番号生成モジュール150によって生成された証明書識別番号に基づいて、地紋生成モジュール145が生成する地紋の画像とは異なる形態であるQRコードの画像を生成する。なお、異なる形態とは、形状、模様、色彩、又はこれらの組み合わせが異なることをいい、例えば、地紋生成モジュール145が生成する地紋には、人間可読の文字画像が含まれているので、QRコード生成モジュール155は機械可読の情報画像であるQRコードの画像を生成する。QRコードの画像の生成は、従来技術を用いればよい。また、生成するQRコードの大きさは、証明書の空白部分に収まる大きさ(証明書内の文字とは重ならないように)であればよい。そのために、QRコード生成モジュール155は、画像生成モジュール130によって生成された証明書の画像内の空白部分の大きさを計測して、その空白部分の大きさ以内になるようにQRコードの大きさを決定するようにしてもよい。さらに、その空白部分の位置にQRコードを合成するように画像合成モジュール160へ指示してもよい。
【0029】
画像合成モジュール160は、画像生成モジュール130、地紋生成モジュール145、QRコード生成モジュール155、印刷モジュール170と接続されている。画像生成モジュール130によって生成された証明書の画像に、地紋生成モジュール145によって生成された地紋の画像とQRコード生成モジュール155によって生成されたQRコードの画像を合成し、その合成画像を印刷モジュール170に渡す。合成として、例えば、画像生成モジュール130からの画像と地紋生成モジュール145からの画像とを論理和(OR)合成し、その後にQRコード生成モジュール155からの画像をその指示位置に貼り付ける合成(上書き合成)を行うようにしてもよい。
印刷モジュール170は、画像合成モジュール160と接続されている。画像合成モジュール160によって合成された画像を用紙に出力する。例えば、プリンタで用紙に印刷する。
【0030】
対応登録モジュール180は、牽制文字列生成モジュール140、証明書識別番号生成モジュール150、対応記憶モジュール185と接続されている。牽制文字列生成モジュール140によって生成された牽制文字列と証明書識別番号生成モジュール150によって生成された証明書識別番号を対応させて対応記憶モジュール185に記憶させる。
対応記憶モジュール185は、対応登録モジュール180からアクセスされ、牽制文字列と証明書識別番号を対応させて記憶する。
【0031】
図2は、本実施の形態を実現するためのシステム構成例を示す説明図である。
証明書処理システム200は、処理用端末210、証明書登録サーバ220、プリンタ230、証明書検証用サーバ240を有しており、通信回線250を介してそれぞれ接続されている。
携帯通信装置260は、通信回線270を介して証明書処理システム200の証明書検証用サーバ240と有線又は無線で接続されている。また、携帯通信装置260には、カメラ等の撮像装置が内蔵されている。
【0032】
証明書処理システム200は、証明書を発行する機関が利用するシステムである。処理用端末210には指示受付モジュール110が、証明書登録サーバ220には証明書取出モジュール120、証明書DB125が、プリンタ230には印刷モジュール170が、証明書検証用サーバ240には対応登録モジュール180、対応記憶モジュール185がそれぞれ搭載されている。また、画像生成モジュール130、牽制文字列生成モジュール140、地紋生成モジュール145、証明書識別番号生成モジュール150、QRコード生成モジュール155、画像合成モジュール160は、処理用端末210、証明書登録サーバ220、プリンタ230のいずれかに搭載されていればよい。
【0033】
プリンタ230は、証明書280をプリントアウトする。証明書280には、証明書の内容の他に、牽制文字列を含む地紋、証明書識別番号を表すQRコードも印刷されている。
例えば、携帯通信装置260の利用者は、入手した証明書280の真正性(証明書280が本来発行すべき機関から発行されたものであり、偽造等されていないこと)を確認するために、証明書280内のQRコードを撮影する。また、利用者は、携帯通信装置260のキーを用いて証明書280に印刷されている牽制文字列を入力する。そして、携帯通信装置260は、そのQRコードが表す証明書識別番号と牽制文字列を通信回線270を介して証明書検証用サーバ240へ送信する。証明書検証用サーバ240は、その証明書識別番号と牽制文字列は対応しているか否かを判断して、その判断結果を携帯通信装置260へ返信する。携帯通信装置260は、その判断結果をディスプレイに提示する。証明書識別番号と牽制文字列が対応していることがわかれば、証明書280はプリンタ230により印刷されたものである(真正性がある)と判断してもよい。
なお、証明書検証用サーバ240、携帯通信装置260については、図7、図10等を用いて後述する。
【0034】
図3は、本実施の形態による証明書の印刷処理例に関するフローチャートである。
ステップS302では、指示受付モジュール110が、利用者の操作に応じて、証明書の印刷指示を受け付ける。
ステップS304では、証明書取出モジュール120が、印刷指示された証明書のデータを証明書DB125から取り出して、画像生成モジュール130が、証明書の画像を生成する。
ステップS306では、牽制文字列生成モジュール140が、牽制文字列を生成する。
ステップS308では、証明書識別番号生成モジュール150が、証明書識別番号を生成する。
【0035】
ステップS310では、対応登録モジュール180が、対応記憶モジュール185に牽制文字列と証明書識別番号を対応付けて登録する。
例えば、図4に示す対応テーブル400のデータ構造例のように対応を記憶する。対応テーブル400は、牽制文字列欄410、証明書識別番号欄420を有しており、牽制文字列と対応している証明書識別番号を記憶する。
また、例えば、図5に示す対応テーブル500のデータ構造例のように対応を記憶するようにしてもよい。対応テーブル500は、牽制文字列欄510、証明書識別番号欄520、証明書関連情報欄530を有しており、牽制文字列と対応している証明書識別番号を記憶する。そして、それらが印刷されているはずの証明書についての関連情報を記憶する。証明書関連情報欄530に記憶されるものとして、例えば、その証明書のタイトル、証明書の内容、証明書の画像等(その画像を記憶しているURL(Uniform Resource Locator)等を含む)がある。これらの情報は、証明書取出モジュール120によって取り出された証明書のデータを用いる。
【0036】
ステップS312では、地紋生成モジュール145が、牽制文字列が組み込まれた地紋の画像を生成する。
ステップS314では、QRコード生成モジュール155が、証明書識別番号を表すQRコードの画像を生成する。
ステップS316では、画像合成モジュール160が、証明書の画像に地紋の画像とQRコードの画像を合成する。
【0037】
ステップS318では、印刷モジュール170が、ステップS316で合成された画像を証明書として印刷する。
図6は、印刷モジュール170の印刷例を示す説明図である。証明書280は、地紋610、QRコード620、氏名欄630、住所欄632が印刷されている。地紋610には、図6に示すように牽制文字列(nxa852HG8)が薄い色で地紋の模様として組み込まれている。QRコード620は、証明書識別番号が表されている。また、証明書280の内容として氏名欄630、住所欄632等がある。
なお、ステップS304、ステップS306、ステップS308の処理順序はこれに限られず、いずれを先に行ってもよく、並列的に処理してもよい。ステップS310、ステップS312、ステップS314の処理順序についても同様である。
【0038】
図7は、証明書の確認を行う実施の形態である情報処理装置における構成例についての概念的なモジュール構成図である。
証明書検証用サーバ240は、送受信モジュール760、対応確認モジュール770、対応記憶モジュール185を有している。
携帯通信装置260は、撮像モジュール710、QRコード復号モジュール720、牽制文字列受付モジュール730、送受信モジュール740、結果提示モジュール750を有している。携帯通信装置260と証明書検証用サーバ240は、通信回線270を介して接続されている。
【0039】
撮像モジュール710は、QRコード復号モジュール720と接続されている。印刷モジュール170によって出力された用紙内のQRコードを読み取る。つまり、携帯通信装置260に対する利用者の操作に応じて、証明書280内のQRコード620を撮影し、その画像をQRコード復号モジュール720へ渡す。
QRコード復号モジュール720は、撮像モジュール710、送受信モジュール740と接続されている。撮像モジュール710によって読み取られたQRコードを復号し、復号することによって得られた証明書識別番号を送受信モジュール740へ渡す。
牽制文字列受付モジュール730は、送受信モジュール740と接続されている。利用者の操作に応じて、牽制文字列を受け付け、その牽制文字列を送受信モジュール740へ渡す。つまり、利用者は証明書280内の地紋に組み込まれている牽制文字列を、携帯通信装置260のキーを操作して入力する。
【0040】
送受信モジュール740は、QRコード復号モジュール720、牽制文字列受付モジュール730、結果提示モジュール750と接続されており、また、通信回線270を介して証明書検証用サーバ240の送受信モジュール760と接続されている。QRコード復号モジュール720によって復号された証明書識別番号を証明書検証用サーバ240に送信する。そして、証明書検証用サーバ240から送信されてきた検索結果を受信し、結果提示モジュール750へ渡す。
また、送受信モジュール740は、牽制文字列受付モジュール730によって受け付けられた牽制文字列及びQRコード復号モジュール720によって復号された証明書識別番号を証明書検証用サーバ240に送信するようにしてもよい。
結果提示モジュール750は、送受信モジュール740と接続されている。送受信モジュール740から検索結果を受け取り、撮像モジュール710によって撮影された証明書280が印刷モジュール170によって出力されたものであるか否かの判断結果を携帯通信装置260のディスプレイに提示する。
【0041】
送受信モジュール760は、対応確認モジュール770と接続されており、また、通信回線270を介して携帯通信装置260の送受信モジュール740と接続されている。送受信モジュール760は、携帯通信装置260が送信した証明書識別番号を受信して対応確認モジュール770へ渡す。そして、対応確認モジュール770による検索結果を携帯通信装置260へ返信する。
また、送受信モジュール760は、携帯通信装置260が送信した証明書識別番号と牽制文字列を受信して対応確認モジュール770へ渡す。
対応確認モジュール770は、送受信モジュール760、対応記憶モジュール185と接続されている。送受信モジュール760から受け取った証明書識別番号が対応記憶モジュール185内にあるか否かを検索する。また、送受信モジュール760から受け取った証明書識別番号と牽制文字列の対応が対応記憶モジュール185内にあるか否かを検索する。そして、その検索結果を送受信モジュール760へ渡す。
対応記憶モジュール185は、対応確認モジュール770からアクセスされ、図1の例に示したように証明書識別番号と牽制文字列の対応(例えば、対応テーブル400又は対応テーブル500)を記憶している。
【0042】
図8は、携帯通信装置260側の処理例を示すフローチャートである。
ステップS802では、撮像モジュール710が、証明書280内のQRコードを撮像する。
ステップS804では、QRコード復号モジュール720が、QRコードを復号して証明書識別番号を得る。
ステップS806では、牽制文字列受付モジュール730が、利用者の操作に応じて、証明書280内の牽制文字列を受け付ける。
ステップS808では、送受信モジュール740が、証明書識別番号と牽制文字列を証明書検証用サーバ240へ送信する。証明書検証用サーバ240による処理については、図9の例に示すフローチャートを用いて後述する。
【0043】
ステップS822では、送受信モジュール740が、証明書検証用サーバ240から検索結果(合致又は不一致)を受信する。
ステップS824では、結果提示モジュール750が、その検索結果に基づいた判断結果を提示する。つまり、合致を受信した場合は証明書280が印刷モジュール170によって出力されたものであるとの判断を提示し、不一致を受信した場合は証明書280は印刷モジュール170によって出力されたものではないとの判断を提示する。
なお、ステップS806の処理は、ステップS802又はステップS804の前であってもよい。
【0044】
図9は、証明書検証用サーバ240側の処理例を示すフローチャートである。この処理は、図8の例に示したフローチャートのステップS808後の処理である。
ステップS902では、送受信モジュール760が、携帯通信装置260から送信されてきた証明書識別番号と牽制文字列を受信する。
ステップS904では、対応確認モジュール770が、証明書識別番号と牽制文字列の対応は、対応記憶モジュール185にあるか否かを検索する。
【0045】
ステップS906では、対応確認モジュール770が、証明書識別番号と牽制文字列の対応が合致するか否かを判断して、合致する場合(ステップS904での検索結果が対応があるとの場合)はステップS908へ進み、それ以外の場合はステップS910へ進む。
ステップS908では、送受信モジュール760が、検索結果として「合致」していることを携帯通信装置260へ送信する。
ステップS910では、送受信モジュール760が、検索結果として「不一致」であることを携帯通信装置260へ送信する。
【0046】
図10は、証明書の確認を行う別の実施の形態である情報処理装置における構成例についての概念的なモジュール構成図である。図7の例と同等のものは、その旨を示して説明を省略する。
証明書検証用サーバ240は、送受信モジュール1070、対応文字列抽出モジュール1080、対応記憶モジュール185を有している。
携帯通信装置260は、撮像モジュール1010、QRコード復号モジュール1020、牽制文字列受付モジュール1030、送受信モジュール1040、対応確認モジュール1050、結果提示モジュール1060を有している。携帯通信装置260と証明書検証用サーバ240は、通信回線270を介して接続されている。
【0047】
撮像モジュール1010は、QRコード復号モジュール1020と接続されており、図7の例に示した撮像モジュール710と同等である。
QRコード復号モジュール1020は、撮像モジュール1010、送受信モジュール1040と接続されており、図7の例に示したQRコード復号モジュール720と同等である。
送受信モジュール1040は、QRコード復号モジュール1020、対応確認モジュール1050と接続されており、また、通信回線270を介して証明書検証用サーバ240の送受信モジュール1070と接続されている。QRコード復号モジュール1020によって復号された証明書識別番号を証明書検証用サーバ240に送信する。そして、証明書検証用サーバ240から送信されてきた検索結果を受信し、対応確認モジュール1050へ渡す。
【0048】
牽制文字列受付モジュール1030は、対応確認モジュール1050と接続されている。利用者の操作に応じて、牽制文字列を受け付け、その牽制文字列を対応確認モジュール1050へ渡す。つまり、利用者は証明書280内の地紋に組み込まれている牽制文字列を、携帯通信装置260のキーを操作して入力する。
対応確認モジュール1050は、牽制文字列受付モジュール1030、送受信モジュール1040、結果提示モジュール1060と接続されている。牽制文字列受付モジュール1030によって受け付けられた牽制文字列と送受信モジュール1040から検索結果(送信した証明書識別番号に対応する牽制文字列)を受け取り、証明書280が印刷モジュール170によって出力されたものであるか否かの判断を行う。つまり、両者の牽制文字列が一致するか否かの判断を行う。その判断結果を結果提示モジュール1060へ渡す。
結果提示モジュール1060は、対応確認モジュール1050と接続されている。対応確認モジュール1050による判断結果を携帯通信装置260のディスプレイに提示する。
【0049】
送受信モジュール1070は、対応文字列抽出モジュール1080と接続されており、また、通信回線270を介して携帯通信装置260の送受信モジュール1040と接続されている。送受信モジュール1070は、携帯通信装置260が送信した証明書識別番号を受信して対応文字列抽出モジュール1080へ渡す。そして、対応文字列抽出モジュール1080による検索結果を携帯通信装置260へ返信する。
対応文字列抽出モジュール1080は、送受信モジュール1070、対応記憶モジュール185と接続されている。送受信モジュール1070から受け取った証明書識別番号が対応記憶モジュール185内にあるか否かを検索し、ある場合はその証明書識別番号に対応する牽制文字列を抽出する。そして、その検索結果(証明書識別番号がない場合はその旨、証明書識別番号がある場合は対応する牽制文字列)を送受信モジュール1070へ渡す。
対応記憶モジュール185は、対応文字列抽出モジュール1080からアクセスされ、図7の例に示したものと同等である。
【0050】
図11は、携帯通信装置260側の処理例を示すフローチャートである。
ステップS1102では、撮像モジュール1010が、証明書280内のQRコードを撮像する。
ステップS1104では、QRコード復号モジュール1020が、QRコードを復号して証明書識別番号を得る。
ステップS1106では、牽制文字列受付モジュール1030が、利用者の操作に応じて、証明書280内の牽制文字列を受け付ける。
【0051】
ステップS1108では、送受信モジュール1040が、証明書識別番号を証明書検証用サーバ240へ送信する。証明書検証用サーバ240による処理については、図12の例に示すフローチャートを用いて後述する。
ステップS1122では、送受信モジュール1040が、証明書検証用サーバ240から検索結果(「対応する牽制文字列なし」の旨又は対応する牽制文字列)を受信する。
【0052】
ステップS1124では、対応確認モジュール1050が、ステップS1106で受け付けた牽制文字列とステップS1122で受信した検索結果に基づいて、証明書280が印刷モジュール170によって出力されたものであるか否かの判断を行う。「対応する牽制文字列なし」の旨を受信した場合は、証明書280は印刷モジュール170によって出力されたものではないと判断し、受信した検索結果が牽制文字列である場合は、ステップS1106で受け付けた牽制文字列と合致するか否かの判断を行い、合致すれば証明書280は印刷モジュール170によって出力されたものであると判断し、合致しなければ証明書280は印刷モジュール170によって出力されたものではないと判断する。
ステップS1126では、結果提示モジュール1060が、ステップS1124での判断結果を提示する。
なお、ステップS1106の処理は、ステップS1124より前であれば、ステップS1102又はステップS1104の前であってもよいし、ステップS1108、ステップS1122の後であってもよい。
【0053】
図12は、証明書検証用サーバ240側の処理例を示すフローチャートである。この処理は、図11の例に示したフローチャートのステップS1108後の処理である。
ステップS1202では、送受信モジュール1070が、携帯通信装置260から送信されてきた証明書識別番号を受信する。
ステップS1204では、対応文字列抽出モジュール1080が、証明書識別番号は、対応記憶モジュール185にあるか否かを検索し、ある場合は対応する牽制文字列を対応記憶モジュール185から抽出する。
【0054】
ステップS1206では、対応文字列抽出モジュール1080による検索の結果、証明書識別番号がない場合はステップS1210へ進み、それ以外の場合はステップS1208へ進む。
ステップS1208では、送受信モジュール1070が、ステップS1204で抽出された牽制文字列を携帯通信装置260へ送信する。
ステップS1210では、送受信モジュール1070が、「対応する牽制文字列なし」の旨を携帯通信装置260へ送信する。
【0055】
図13を参照して、本実施の形態の画像処理装置、情報処理装置のハードウェア構成例について説明する。図13に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、組み込み型のコンピュータなどによって構成されるものであり、スキャナ、カメラ等のデータ読み取り部1317と、プリンタなどのデータ出力部1318を備えたハードウェア構成例を示している。
【0056】
CPU(Central Processing Unit)1301は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、画像生成モジュール130、牽制文字列生成モジュール140、証明書識別番号生成モジュール150、地紋生成モジュール145、QRコード生成モジュール155、画像合成モジュール160、対応登録モジュール180、対応確認モジュール770、1050、QRコード復号モジュール720、1020等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0057】
ROM(Read Only Memory)1302は、CPU1301が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)1303は、CPU1301の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス1304により相互に接続されている。
【0058】
ホストバス1304は、ブリッジ1305を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス1306に接続されている。
【0059】
キーボード1308、マウス等のポインティングデバイス1309は、操作者により操作される入力デバイスである。ディスプレイ1310は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)などがあり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。
【0060】
HDD(Hard Disk Drive)1311は、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1301によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクには、証明書のデータ、画像などが格納される。さらに、その他の各種のデータ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
【0061】
ドライブ1312は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1313に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1307、外部バス1306、ブリッジ1305、及びホストバス1304を介して接続されているRAM1303に供給する。リムーバブル記録媒体1313も、ハードディスクと同様のデータ記録領域として利用可能である。
【0062】
接続ポート1314は、外部接続機器1315を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート1314は、インタフェース1307、及び外部バス1306、ブリッジ1305、ホストバス1304等を介してCPU1301等に接続されている。通信部1316は、ネットワークに接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部1317は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部1318は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0063】
なお、図13に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図13に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに図13に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
また、携帯通信装置260としては、キーボード1308、ポインティングデバイス1309の代わりにキーがあり、プリンタなどのデータ出力部1318等は備えていなくてもよい。
【0064】
前述の各装置を組み合わせて情報処理システムとしてもよく、また、各モジュールの処理内容として背景技術で説明した技術を採用してもよい。
第1の情報画像として地紋、第2の情報画像としてQRコードを示したが、これら以外の情報画像であってもよく、第1の情報画像と第2の情報画像の形態が異なっていればよい。また、2つの情報画像を合成する例を示したが、3つ以上の情報画像を合成するようにしてもよい。そのうちの1つは、他とは異なる形態であればよい。例えば、2つの情報画像はQRコードであるが、その他の情報画像は地紋であってもよい。また、それらの情報画像が表す符号は、互いに独立に生成されたものであればよい。
証明書280の真正性の確認を行う利用者が利用する情報処理装置として、携帯通信装置260を示したが、必ずしも携帯可能でなくてもよく、例えば、スキャナ等が接続された通信可能なPCであってもよい。
また、図7又は図10の例に示した対応記憶モジュール185は、対応テーブル500を記憶している場合は、証明書検証用サーバ240は証明書関連情報欄530に記憶されている情報を携帯通信装置260へ送信してもよい。そして、携帯通信装置260は、受信した証明書関連情報欄530に記憶されている情報をディスプレイに提示してもよい。また、証明書検証用サーバ240は利用者を管理しており、証明書関連情報欄530に記憶されている情報を送信するのは、携帯通信装置260の利用者が証明書検証用サーバ240によって管理されている場合に限るようにしてもよい。
【0065】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0066】
110…指示受付モジュール
120…証明書取出モジュール
125…証明書DB
130…画像生成モジュール
140…牽制文字列生成モジュール
145…地紋生成モジュール
150…証明書識別番号生成モジュール
155…QRコード生成モジュール
160…画像合成モジュール
170…印刷モジュール
180…対応登録モジュール
185…対応記憶モジュール
200…証明書処理システム
210…処理用端末
220…証明書登録サーバ
230…プリンタ
240…証明書検証用サーバ
250…通信回線
260…携帯通信装置
270…通信回線
280…証明書
710、1010…撮像モジュール
720、1020…QRコード復号モジュール
730、1030…牽制文字列受付モジュール
740、760、1040、1070…送受信モジュール
750、1060…結果提示モジュール
770、1050…対応確認モジュール
1080…対応文字列抽出モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷用の画像を生成する画像生成手段と、
第1の符号を生成する第1の符号生成手段と、
第2の符号を前記第1の符号生成手段とは独立に生成する第2の符号生成手段と、
前記第1の符号生成手段によって生成された第1の符号に基づいて、第1の情報画像を生成する第1の情報画像生成手段と、
前記第2の符号生成手段によって生成された第2の符号に基づいて、前記第1の情報画像生成手段が生成する第1の情報画像とは異なる形態の第2の情報画像を生成する第2の情報画像生成手段と、
前記画像生成手段によって生成された画像に、前記第1の情報画像生成手段によって生成された第1の情報画像と前記第2の情報画像生成手段によって生成された第2の情報画像を合成する合成手段と、
前記第1の符号生成手段によって生成された第1の符号と前記第2の符号生成手段によって生成された第2の符号を対応させて記憶する記憶手段と、
前記合成手段によって合成された画像を用紙に出力する出力手段と、
情報処理装置から送信されてきた符号に基づいて、前記記憶手段によって記憶されている対応を検索する検索手段と、
前記検索手段による検索結果を前記情報処理装置に送信する送信手段
を具備する画像処理装置と、
前記情報処理装置は、前記画像処理装置と通信可能に接続されており、
前記出力手段によって出力された用紙内の前記第1の情報画像又は前記第2の情報画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段によって読み取られた情報画像を復号する復号手段と、
前記復号手段によって復号された符号を前記画像処理装置に送信する送信手段と、
前記画像処理装置から送信されてきた検索結果に基づいて、前記用紙が前記画像処理装置によって出力されたものであるか否かの判断結果を提示する提示手段
を具備することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
利用者の操作に応じて、前記第1の情報画像又は前記第2の情報画像によって表された符号を受け付ける符号受付手段
をさらに具備し、
前記送信手段は、前記符号受付手段によって受け付けられた符号及び前記復号手段によって復号された符号を前記画像処理装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
利用者の操作に応じて、前記第1の情報画像又は前記第2の情報画像によって表された符号を受け付ける符号受付手段と、
前記符号受付手段によって受け付けられた符号と前記画像処理装置から送信されてきた検索結果に基づいて、前記用紙が前記画像処理装置によって出力されたものであるか否かの判断を行う判断手段
をさらに具備し、
前記提示手段は、前記判断手段による判断結果を提示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
印刷用の画像を生成する画像生成手段と、
第1の符号を生成する第1の符号生成手段と、
第2の符号を前記第1の符号生成手段とは独立に生成する第2の符号生成手段と、
前記第1の符号生成手段によって生成された第1の符号に基づいて、第1の情報画像を生成する第1の情報画像生成手段と、
前記第2の符号生成手段によって生成された第2の符号に基づいて、前記第1の情報画像生成手段が生成する第1の情報画像とは異なる形態の第2の情報画像を生成する第2の情報画像生成手段と、
前記画像生成手段によって生成された画像に、前記第1の情報画像生成手段によって生成された第1の情報画像と前記第2の情報画像生成手段によって生成された第2の情報画像を合成する合成手段と、
前記第1の符号生成手段によって生成された第1の符号と前記第2の符号生成手段によって生成された第2の符号を対応させて記憶する記憶手段
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記第1の情報画像生成手段が生成する第1の情報画像は、前記第1の符号生成手段によって生成された符号を表す限定された範囲にある文字の画像を含む
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
印刷用の画像を生成する画像生成手段と、
第1の符号を生成する第1の符号生成手段と、
第2の符号を前記第1の符号生成手段とは独立に生成する第2の符号生成手段と、
前記第1の符号生成手段によって生成された第1の符号に基づいて、第1の情報画像を生成する第1の情報画像生成手段と、
前記第2の符号生成手段によって生成された第2の符号に基づいて、前記第1の情報画像生成手段が生成する第1の情報画像とは異なる形態の第2の情報画像を生成する第2の情報画像生成手段と、
前記画像生成手段によって生成された画像に、前記第1の情報画像生成手段によって生成された第1の情報画像と前記第2の情報画像生成手段によって生成された第2の情報画像を合成する合成手段と、
前記第1の符号生成手段によって生成された第1の符号と前記第2の符号生成手段によって生成された第2の符号を対応させて記憶する記憶手段
として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−212930(P2010−212930A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56063(P2009−56063)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(594172271)富士ゼロックスシステムサービス株式会社 (7)
【Fターム(参考)】